以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な表示装置、テレビジョン受信機及び画像表示制御方法の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明の基本的な考え方について説明する。
〔基本構成〕
図1(A)(B)は、本発明の基本概念を説明するブロック図である。
図1(A)において、本発明の表示装置は、
番組情報を取得する番組情報取得手段a.と、
取得した番組情報を基に視聴予約番組を設定する視聴予約番組設定手段b.と、
設定した視聴予約番組に基づいてバックライト(照明光源部)輝度、液晶駆動の空間解像度、又は時間解像度の少なくともいずれか一つを制御する画像表示制御手段c.と、
画像表示制御手段c.により制御される制御対象d.とを備えることを基本構成とする。
また、図1(B)において、本発明の表示装置は、
さらに、バッテリの残容量を検出するバッテリ残量検出手段e.を備え、画像表示制御手段c.は、検出されたバッテリ残容量に基づいて画像表示制御を行う。
〔制御対象〕
画像表示制御は、バックライト制御と液晶駆動制御とがあり、バックライト制御は、バックライト輝度の変更、バックライトのオン/オフ、バックライトの部分点灯制御を含む。液晶駆動制御は、画像のサイズを変える空間解像度、フレームレートを変える時間解像度の制御である。いずれもユーザの視聴予約番組の見やすさを確保しつつ低消費電力化の観点から行うものである。また、バックライト制御と液晶駆動制御とを組合せることも可能である。
液晶表示装置の液晶パネル、例えば、TFT(Thin film transistor)液晶パネルでは、垂直走査回路によって複数本の垂直選択線を順次駆動することにより、これらの垂直選択線に接続されている液晶表示素子(以下、液晶セルという)を機能させる。一本の垂直選択線を駆動することにより、当該垂直選択線に接続されている複数の液晶セルにより一行の画素を表示させることができる。各垂直選択線を順次駆動することにより、表示パネルにおける1フレームの画像が表示される。
このような液晶駆動回路において、各水平周期ごとに各垂直選択線は接地電位GNDから駆動電圧Vpまで駆動される。すなわち、各垂直選択線を接地電位GNDから駆動電圧Vpまでチャージするので、これに伴い電力が消費される。
例えば、液晶パネルの垂直選択線の本数をk、垂直走査線一本当たりの容量をCs、駆動電圧をVp、フレーム周波数をfvとすると、液晶パネルの垂直選択線駆動するための消費電力Pcは、次式(1)により求められる。
Pc=k・Cs・Vp2・fv …(1)
液晶表示装置の大パネル化、高解像度化に伴い、垂直選択線の長さの増加により一本当たりの容量が増し、さらに垂直選択線の本数が増えるので、消費電力Pcが増加する。さらに、フリッカー(表示画面のちらつき)を低減するためにフレーム周波数を増加する対策が講じられている液晶表示装置においてフレーム周波数の増加により消費電力Pcが増加する。
液晶パネルにおける消費電力Pcは、上記式(1)により求められる。空間解像度変更では、垂直選択線の本数kを減少して低解像度、又は小画面表示にする。時間解像度変更では、フレーム周波数fvを下げる。これにより、消費電力Pcを減少させることができる。
〔制御内容〕
画像表示制御手段c.は、設定された視聴予約番組に基づいて画像表示制御を行う。視聴予約番組は、例えばEPGを基にユーザが視聴予約番組を選択する。また、バッテリ残量検出手段e.によりバッテリ残量を検知することが好ましく、バッテリ残量情報を前記画像表示制御に反映させる。
画像表示制御手段c.は、設定された視聴予約番組についてはバックライトの輝度、空間解像度、又は時間解像度を保つ。そのために、視聴番組以外については、バックライトの輝度、空間解像度、又は時間解像度を下げる。バックライトをオフした場合は音声を残す。
画像表示制御を、バックライト制御を例に採り述べる。〔パターン1〕視聴予約番組の放送時間帯についてはバックライトの輝度を上げる、また視聴予約番組以外の時間帯の番組のバックライトの輝度を基準レベルに保つ。さらに、番組中に挿入されているコマーシャル(以下、CMともいう)時はバックライトの輝度を下げる。〔パターン2〕視聴予約番組の放送時間帯についてはバックライトの輝度を確保、また視聴予約番組以外のバックライトの輝度を下げる。さらに、CM時はバックライトの輝度をより下げる又はオフする。なお、上記パターンは一例であり種々のパターンやパターン内容の任意の組合せが可能である。さらに、バックライトの部分点灯制御、液晶駆動制御を単独で、又はバックライト輝度制御と併用してもよい。
視聴予約番組が複数ある場合には、優先順位を付与(ユーザ設定,先設定優先,シリーズもの優先)することができる。優先順位をつける主な目的は、モバイル(バッテリ残量)との関係から優先度の高いものについてはまず視聴できるようにすることにある。優先度推定により、シリーズ番組など毎週見ているものは必ず見ると推定できる。この場合はユーザが選択しなくてもよい。
第1の実施の形態
図2は、上記図1(A)の基本的な考え方に基づく本発明の第1の実施の形態の表示装置の構成を概略的に示すブロック図である。本実施の形態に係る表示装置は、AC駆動されるデジタルテレビジョン受信機の表示装置に適用したものである。
図2において、テレビジョン受信機の表示装置は、液晶パネル100(制御対象)と、液晶パネル100に光を照射するバックライト(照明光源部)用光源としての冷陰極管(CCFT:Cold Cathode Fluorescent Tube)からなるバックライト110(制御対象)と、供給電源電圧を基本パラメータとし,さらには表示制御部167(画像表示制御手段)からの表示制御信号に従ってバックライト輝度制御を行うマイコン(マイクロコンピュータ)120と、外部の商用電源から適切な直流電源に変換して装置に供給するACアダプタ130と、ACアダプタ130から供給される電源電圧を整流してマイコン120に所定の直流電圧を出力するレギュレータ131と、複数のインバータ151〜154からなり前記直流電圧を数十K〜数百KHzの高周波電圧に変換してバックライト110を駆動するインバータ回路150と、CATVを含む外部入力160と、アンテナ161から放送信号を受信するチューナ162と、受信した放送信号に多重化されている番組付帯情報を分離する番組情報分離部163と、ストリームデータのデコード処理を行うデコード部164と、番組付帯情報に含まれるEPG(Electrical Program Guide:電子番組ガイド)を検出する放送内容検出部165(番組情報取得手段)と、視聴予約番組や視聴予定時間の設定やバックライト制御モード設定などのユーザ操作情報を入力するキー入力部,ポインティングデバイス,リモコン装置などからなる操作部166(視聴予約番組設定手段の一部)と、デコードされた映像信号を処理してLCDコントローラ168に出力するとともに、設定した視聴予約番組に基づいてバックライト輝度、液晶駆動の空間解像度、又は時間解像度の少なくともいずれか一つを制御する表示制御部167と、表示データ並びに、表示データ転送用クロック,走査開始信号,表示データラッチ信号等の液晶駆動信号を供給するLCDコントローラ168と、前記液晶駆動信号によって液晶パネル100に駆動電圧を出力する液晶駆動回路169とを備えて構成される。
上記マイコン120、ACアダプタ130、レギュレータ131、及びインバータ回路150は、全体として、バックライト110を点灯するバックライト点灯装置155を構成する。
まず、バックライト点灯装置155について説明する。
バックライト110は、液晶パネル100に光を照射する光源として複数の放電ランプ111〜114を含んでいる。図2では、4つの放電ランプ111〜114を備えた構成を例示しているが、放電ランプやインバータの個数及び配置は液晶パネルの寸法等に応じて任意に決めることができる。
マイコン120は、内部の各構成部分及びマイコン120外部の装置に対してバックライト輝度制御を行う制御手段121と、インバータ回路150(バックライト駆動部)に調光パルスを供給する調光パルス発生回路122と、調光パルス発生回路122により生成した調光パルスのパルス幅及び周期を変調してインバータ回路150に入力するPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)部123〜126とを備えている。
調光パルス発生回路122は、基準発振クロックを生成する基準発振器(図示せず)を有しており、このクロックに基づいて調光パルスを生成する。本実施の形態では、一つの基準発振器により周波数の異なる複数の調光パルスを生成して各PWM部123〜126に出力するようにしてもよいし、複数の基準発振器を備え、それぞれが異なる周期の調光パルスを各PWM部123〜126に出力するようにしてもよい。
各PWM部123〜126は、バックライト110の各放電ランプ111〜114に対応しているため、バックライト110の放電ランプと同数のPWM部をマイコン120において備えるものとする。
インバータ回路150は、複数のインバータ151〜154を含んでいる。各インバータ151〜154は、ACアダプタ130の出力から供給される直流電圧をトリガーとして入力し数十K〜数百KHzの高周波電圧に変換して各放電ランプ111〜114に供給する。また、各インバータ151〜154には、調光パルス発生回路122により生成され各PWM部123〜126において変調された調光パルスが入力されており、この調光パルスにより各放電ランプ111〜114に供給する高周波電圧を調整するように構成されている。
これにより、本実施の形態のバックライト点灯装置155においては、マイコン120の調光パルス発生回路122及び各PWM部123〜126の動作を制御することにより、各放電ランプ111〜114に供給する高周波電圧に対して任意の調光を行うことが可能である。
インバータ151〜154もまた、PWM部123〜126と同様に、それぞれがバックライト110の各放電ランプ111〜114に対応しているので、インバータ回路150は、バックライト110の放電ランプと同数のインバータを備えるものとする。
本実施の形態のバックライト点灯装置155では、ACアダプタ130についてスイッチ回路SW1を備えている。スイッチ回路SW1は、マイコン120の制御手段121により動作が制御されるようになっている。
制御手段121は、上記バックライト点灯装置155の基本駆動電源制御とは別に、表示制御部167からの表示制御信号を受けてバックライト点灯装置155のバックライト輝度を変更する駆動電源制御を行う。表示制御部167からの表示制御信号を受けて行う駆動電源制御には、バックライト輝度変更、バックライトのオン/オフ及び各放電ランプ111〜114の一部オフも含まれる。
図3は、図2に示す本実施の形態の各PWM部、各インバータ及び各放電ランプの構成例を詳細に示す図である。図3に示す回路は、一般的に知られているバックライト用インバータ回路であり放電ランプ1本を点灯する場合を代表して示す。
図3において、電源201は図2のレギュレータ131から供給される直流電圧に相当するものであり、この直流電圧をインバータ回路で高周波電圧に変換し、放電ランプ111を駆動する。PWM調光回路部203は図2の各PWM部123〜126に相当するものであり、その他の回路部分は図2の各インバータ151〜154に相当するものである。
図2の調光パルス発生回路122により生成した調光パルスは、図3に示すPWM調光回路部の端子S1に入力され、発信回路を通じてインバータ回路部分に出力される。これにより、電源201から供給され、高周波電圧として放電ランプ111に出力される駆動電圧を、一定周期でオン/オフすることができるようになっている。
本実施の形態では、バックライト110の光源にCCFTを用いたバックライト点灯装置155について説明したが、これに限らず、例えば、バックライト110光源としてEL(Electro Luminescence)や白色LED(Light Emitting Diode)等の他の種類の光源を用いることが可能である。また、液晶パネル100を照明する照明光源部としては、上記バックライト110方式のほか、フロントライト方式があり、バックライト方式の中にはエッジライト方式も含まれる。さらに、バックライト方式とエッジライト方式のLEDを併用したものも含まれる。
次に、デジタルテレビジョン受信機の表示制御部167について説明する。
番組情報分離部163は、受信したデジタル放送信号(図4)に多重化されている番組付帯情報を分離する。放送内容検出部165は、番組付帯情報に含まれるEPG,CM情報を取得し表示制御部167に出力する。本例は、地上デジタル放送で配信されるEPG,CM情報を取得する例を示しているが、EPGの種類は限定されず、例えばGガイド、ADAMS−EPG、インターネットから番組データを取得するiEPG,DEPG,ADAMS−EPG+でもよい。
表示制御部167は、デコード部164によりデコードされた映像信号を処理してLCDコントローラ168に出力するとともに、放送内容検出部165により取得したEPGを基にユーザ操作による視聴予約番組設定を行う。また、表示制御部167は、内部にOSD(On Screen Display)発生機能部を有し、チャンネル、時刻、音量などの情報をテレビ等の画面上に表示する。OSDのデータは画像ではなく、ビットマップと呼ばれる形式で保持されており、このビットマップからY,Cb,Crで表されるYUV形式の画素値に変換され、その変換された画素がテレビ放送などの原画像の上に重畳される。
また、表示制御部167は、設定した視聴予約番組に基づいてバックライト輝度、液晶駆動の空間解像度、又は時間解像度の少なくともいずれか一つを制御する画像表示制御を行う。画像表示制御の一例として、ユーザ設定された視聴予約番組は必ず視聴できるように画像表示制御を行う。あるいは、視聴予約番組については他の番組よりも見やすくなるように画像表示制御を行う。画像表示制御は、制御対象によりバックライト制御と液晶駆動制御とに分けられる。バックライト制御は、表示制御部167からバックライト点灯装置155のマイコン120への表示制御信号によって行われ、表示制御信号を受けたマイコン120がバックライト110の輝度変更、並びにバックライト110の全体又は一部をオン/オフする。また、液晶駆動制御は、液晶駆動信号を供給するLCDコントローラ168への制御信号によって行われ、制御信号を受けたLCDコントローラ168が液晶駆動回路169に供給する液晶駆動信号を制御し、液晶パネル100の画像表示のサイズ、又はフレーム周波数fvを変える。このバックライト制御と液晶駆動制御の組合せも可能である。例えば、液晶パネル100の画像のサイズを縮小させたときは、それに合わせてバックライト110点灯領域を小さくする制御が好ましい。
以下、上述のように構成されたテレビジョン受信機の表示装置の動作を説明する。
まず、バックライト点灯装置155の動作を説明する。
図2において、ACアダプタ130により供給される電源電圧は、レギュレータ131において所定の直流電圧に変換され整流された後、マイコン120及びインバータ回路150に供給される。
マイコン120の制御手段121は、調光パルス発生回路122により所定周波数(本実施の形態では100〜400Hz)の調光パルスを発生させて、各PWM部123〜126に出力させる。各PWM部123〜126は、入力された調光パルスを予め設定されたパルス幅及び周波数に変調して、インバータ回路150の各インバータ151〜154に出力する。
インバータ回路150の各インバータ151〜154は、入力された調光パルスをトリガーとして、レギュレータ131からの直流電圧を所定の高周波電圧(40K〜200KHz)に変換し、この高周波電圧をバックライト110の各放電ランプ111〜114に供給する。
次に、テレビジョン受信機の表示装置の画像表示制御動作について説明する。
[バックライト制御]
画像表示制御として、バックライト制御を例に採り説明する。表示装置では、バックライト部において消費される電力が最も大きく、バックライト制御が有効に実行されると低消費電力化が図れるからである。バックライト制御は、バックライト輝度の変更、バックライトのオン/オフ、バックライトの部分点灯制御がある。
本テレビジョン受信機では、地上波やCATV、BS、CS等の放送のデジタルテレビ放送番組が受信される。放送されたテレビ放送番組は、入力端子より受信放送番組を含む信号として受信装置で受信され、その受信データは本テレビジョン受信機に入力される。
チューナ162は、アンテナ161からの放送信号を受信し、特定の一つ又は複数の番組放送を選択し次処理によって利用可能な放送ストリームとする処理部であり、番組を前処理するデスクランブラ等を含んで構成される。チューナ162で受信した放送ストリームは、図4に示すように番組付帯情報が多重化されて送信されているのが一般的である。図4は、放送ストリーム構成を示す図であり、この図に示すように、放送ストリームは映像、音声、番組付帯情報の各パケットを有し、この番組付帯情報パケットはヘッダ部と情報部とからなる。この番組付帯情報には、EPGと、放送内容が番組本編であるか、コマーシャルであるかを区別する情報とコマーシャルの放送時間(以下、CM情報という)が付加されている。
番組情報分離部163は、受信した放送信号に多重化されている番組付帯情報を分離し、分離した番組付帯情報を放送内容検出部165に送るとともに、放送ストリームをデコード部164に送る。
放送内容検出部165では、番組付帯情報に含まれるEPGを検出する。
表示制御部167は、デコードされた映像信号を処理してLCDコントローラ168に出力するとともに、取得したEPGを基にユーザ操作による視聴予約番組設定を行う。視聴予約番組設定は、リモコン装置などからなる操作部166に設置された番組表ボタンを押下して例えば液晶パネル100の画面上にEPG情報を一覧表示し、表示されたEPGから所望の番組を選択・決定する。
図5は、EPGを基に設定される視聴予約番組を示す図である。図5において、175は、例えばiEPGによる電子番組表であり、図5では電子番組表175は、1画面に5チャンネルずつ3時間の時間帯の番組を表示している。図5の表示は一例であり、さらに多くのチャンネル及び時間帯を表示したり、ジャンル別表示、時間順表示、キーワード検索表示するものでもよい。ユーザはリモコン装置に設置されているEPGボタンで電子番組表175を表示させ、十字キー操作と決定ボタンにより、電子番組表175を基に視聴予約番組176を設定する。ここでは、視聴予約番組176として「CH4 19:00放送開始のプロ野球」が視聴予約されている。
表示制御部167は、設定された視聴予約番組に基づいて画像表示制御(ここではバックライト制御)、画像表示制御設定処理を行う。詳細な画像表示制御処理については図6及び図7により後述する。
また、表示制御部167は、バックライト表示に関するメッセージをOSD表示により、放送信号に多重化してLCDコントローラ168に出力し、LCDコントローラ168は液晶パネル100の画面上にそのメッセージを表示する。
図6は、テレビジョン受信機の画像表示制御動作を示すフローチャートであり、図2の表示制御部167により実行される。図中、Sはフローの各ステップを示す。
まず、ステップS101で放送信号に重畳されている番組付帯情報からEPGを取得する。具体的には、番組情報分離部163により放送信号から番組付帯情報が分離・取得され、放送内容検出部165によりこの番組付帯情報に含まれるEPGが検出される。
次いで、ステップS102でユーザによる番組予約のための設定(選択)がなされ、視聴予約番組が設定される。この視聴予約番組の設定は、番組予約装置等で行う番組予約操作のようにユーザがEPG画面表示を見ながら番組名や視聴番組をチェックする(図5参照)ことにより行われる。表示制御部167では、上記EPG予約設定から視聴予約番組の時間帯を抽出し、以下のステップで抽出した視聴予約番組の時間帯の画像表示制御を行う。
次いで、ステップS103で、画像表示制御モードにあるか否かを判別する。画像表示制御モード(図7により後述する)にあるときは、ステップS104で、設定された視聴予約番組の視聴中か否かを判別する。視聴予約番組の視聴中であるときはステップS105で画像表示制御モードで設定された視聴予約番組の画像表示制御を実行して本フローを終了する。例えば、画像表示制御モードは省エネパターン組合せに依存しているので、前記図1のバックライト制御内容の〔パターン1〕に対応する場合には、ステップS105では設定された視聴予約番組の視聴中は基準レベル(通常時)よりバックライト輝度を上げる。このバックライト制御は、表示制御部167からバックライト点灯装置のマイコン120への表示制御信号によって行われる。この〔パターン1〕の画像表示制御ではバックライト制御のみが行われ液晶駆動制御は行われない。これにより図5の例では、「プロ野球」の視聴中についてはバックライト輝度が画像表示制御モードに入る前に比較して明るくなりより視聴しやすくなる。
一方、上記ステップS104で設定された視聴予約番組以外のときはステップS106で画像表示制御モードで設定された視聴予約番組以外の画像表示制御を実行して本フローを終了する。例えば、上記〔パターン1〕の場合には、バックライト輝度を基準レベル(通常時)にして本フローを終了する。これにより、設定された視聴予約番組以外の番組視聴時間帯やCM放送中についてはバックライト輝度が基準レベルとなる。同様に、画像表示制御モードが前述した〔パターン2〕に対応する場合には、ステップS105でバックライト輝度が基準レベルで保たれ、ステップS106でバックライト輝度が基準レベルよりも下げられて低消費電力化が図られる。
図7は、画像表示制御モード設定の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS111で画像表示制御設定画面をOSD表示し、ユーザ設定入力を待つ。次いで、ステップS112でOSD表示された画像表示制御設定画面から省エネパターン設定かカスタマイズ設定の、いずれが選択されたかを判別する。省エネパターン設定であればステップS113で省エネパターン選択による画像表示制御設定を行ってステップS115に進み、カスタマイズによる省エネパターン設定であればステップS114でカスタマイズによる画像表示制御設定を行ってステップS115に進む。
この画像表示制御設定画面には、見易さと低消費電力化の観点からあらかじめ複数の画像表示制御の組合せパターンが用意されている。本実施の形態では、「輝度優先」「お薦め(通常)」「省エネ1」「省エネ2」「省エネ3」「省エネ4」の各モードと、ユーザがよりきめ細かく画像表示制御パラメータを設定可能な「カスタマイズ」とを有する。ユーザは「輝度優先」などの項目を選択するだけでユーザの好みに合った画像表示制御が可能になる。「輝度優先」は、前述した〔パターン1〕とほぼ同じで「視聴予約番組視聴中についてはバックライトの輝度を上げる、また視聴予約番組以外の番組又はCM時のバックライトの輝度を保つ。液晶駆動制御は行わない。」、「お薦め」は上記「輝度優先」に「CM時はバックライトの輝度を下げる。」制御が付加される。「省エネ1」は、前述した〔パターン2〕とほぼ同じで「視聴予約番組視聴中についてはバックライトの輝度を確保、また視聴予約番組以外のバックライトの輝度を下げる。さらに、CM時はバックライトの輝度をより下げる。液晶駆動制御は行わない。」、「省エネ2」は、上記「省エネ1」に「CM時は液晶駆動制御のフレームレートを下げる。」制御が付加される。「省エネ3」は、上記「省エネ1」に「CM時は液晶駆動制御により空間解像度を変えて小画面表示にし、この小画面についてバックライト部分点灯を行う。」制御が付加される。「省エネ4」は、上記「省エネ1」に「CM時はバックライトをオフし、音声のみに切り替える。」制御が付加される。
一方、上記「カスタマイズ」は、上述した各パラメータをユーザが個別設定するものである。このカスタマイズにより、視聴予約番組、それ以外の番組又はCMごとにバックライト制御(輝度/オフ,部分点灯)、液晶パネルの空間解像度、又は時間解像度を個別に設定することができる。例えば「視聴予約番組視聴中についてはバックライトの輝度を上げ、視聴予約番組以外の番組又はCMについてはバックライト制御を行わず液晶駆動制御のみを行う」といった設定が可能になる。
ステップS115でユーザ設定が終了したか否かを判別し、ユーザ設定が終了すると、ステップS116でユーザ設定されたバックライト制御モードをテーブルデータとして保存して本フローを終了する。このテーブルデータは、例えば表示制御部167を構成するマイクロコンピュータの不揮発性メモリ領域に記憶する。
図23は、バックライト制御によるバックライト輝度の時間変化の一例を示す図である。図23(a)に示すように、あるチャンネルにおけるバックライト輝度を時間的経過に沿って観察すると、バックライト制御が実行されている場合にはバックライト輝度は時間的に変化する。この図ではバックライト輝度が基準レベルより高い場合は、視聴予約番組の放送時間帯であり、基準レベルの場合は視聴予約番組以外の放送時間帯である。また、バックライト輝度が基準レベルより低い場合は、CM放送時と省エネモードにおける視聴予約番組以外の放送時間帯である。
以上、設定された視聴予約番組についてバックライト輝度を制御する例について説明したが、画像表示制御として空間解像度、時間解像度を制御する変形例について説明する。
[空間解像度制御]
低消費電力化としては、バックライト制御が最も有効であるが、空間解像度、時間解像度制御によっても低消費電力化を図ることができる。空間解像度又は時間解像度のみを行う場合には、上記カスタマイズにおいて、視聴予約番組、それ以外の番組又はCMごとに空間解像度又は時間解像度制御を設定する。図8は、空間解像度制御による液晶パネルの表示画像例を示す図である。図8(a)は空間解像度制御による小画面表示により元の画像を1/4にし上部中央に表示した例である。これだけでは低消費電力化は殆ど期待できないが、図8(b)に示すように小画面表示に合わせたバックライト部分点灯を併用すると省エネ効果は大きくなる。さらに、図8(c)は小画面表示により元の画像を1/4にした表示例である。バックライト110にELや白色LED等の他の光源を用いる場合には、バックライトユニットは複数の面光源の組合せから構成することが容易であり、図8(c)に示すようにバックライトの部分点灯はこの面光源の一つに対応させることができる。また、図示は省略するが、空間解像度制御には、上記小画面表示のほか前記式(1)に示す垂直選択線の本数kを減少して低解像度にする場合も含まれる。
[時間解像度制御]
時間解像度のみを行う場合には、上記カスタマイズにおいて、視聴予約番組、それ以外の番組又はCMごとに時間解像度制御を設定する。図9は、時間解像度制御による液晶パネルの表示画像例を示す図である。図9(a)は通常の画面表示例、図9(b)は時間解像度によりフレーム周波数fvを下げた場合の画面表示例である。図9(b)に示すように、フレーム周波数fvを下げることによりフリッカー(表示画面のちらつき)が発生することがある。この時間解像度制御だけでは低消費電力化はあまり期待できないが、バックライト制御を併用すると低消費電力化は大きくなる。また、バックライト輝度が下げられるとフリッカーが却って目立たなくなる効果がある。さらに、空間解像度制御を併用することも可能である。
以上のように、本実施の形態のテレビジョン受信機は、番組付帯情報に含まれるEPGを検出する放送内容検出部165と、視聴予定番組やバックライト制御モードなどをユーザ設定する操作部166と、設定した視聴予約番組に基づいてバックライト輝度、液晶駆動の空間解像度、又は時間解像度の少なくともいずれか一つを制御する表示制御部167とを備え、表示制御部167は、設定した視聴予約番組に基づいて液晶パネル100のバックライト110の輝度、又は液晶パネル100の液晶駆動を制御する。具体的には、表示制御部167は、ユーザが視聴したい番組(番組名)や視聴時間を設定すれば、その視聴予約番組の視聴中はバックライト輝度を通常輝度よりも上げる又は通常輝度に保つとともに、視聴予約番組の以外の番組又はCMはバックライト輝度を保つ又は下げる制御を行う。同様に、視聴予約番組の視聴中とそれ以外とで空間解像度及び/又は時間解像度を制御する。これにより、視聴予約番組や時間帯にユーザが「この番組だけは視聴条件を良くして見たい」ときには明るく見やすいバックライトを確保しつつ、低消費電力化を図ることができ、省エネ効果を得ることができる。
また、EPGを用いるのでユーザは番組の選択がし易く、指定した視聴予約番組については所望の明るさで見ることができる。
なお、本実施の形態では、デジタル放送信号に含まれる番組付帯情報からEPGを検出する例について説明したが、アナログ放送からEPGを取得して行うこともでき、EPGを検出できるものであれば番組付帯情報には限定されず、例えばテレビジョン信号の垂直帰線消去期間のEDS(Extended Data Service)信号に含まれるEDS信号、又はTELETEXT信号に含まれる時間情報、コマーシャル情報を用いてもよい。また、上記EPGは、インターネット等のネットワークから取得する情報であってもよいことは勿論である。
第2の実施の形態
図10は、前記図1(B)の基本的な考え方に基づく本発明の第2の実施の形態の表示装置の構成を概略的に示すブロック図である。本実施の形態の表示装置は、バッテリ駆動が可能なディスプレイ部が分離型のワイヤレスTV受信機に適用した例である。
図10において、ワイヤレスAVシステム1は、ベース機器としてのワイヤレスセンタユニット(以下、ワイヤレスセンタという)2と、ポータブル端末としてのテレビジョン(TV)本体ユニット(以下、TV本体という)3とから構成され、ワイヤレスセンタ2(無線通信装置,センタ装置)とTV本体3(無線通信装置,表示装置)とはペアとなって無線伝送ネットワークを構成する。
ワイヤレスセンタ2は、BSアンテナ端子11,U/VHFアンテナ端子12,ダイバーシティ端子13の各アンテナ端子と、デジタルVTR,DVDプレーヤなどの機器を接続するS端子付きビデオ1入力端子14,デコーダ入力/ビデオ2入力端子15,モニタ/BS出力/ビデオ3入力端子16、AC電源部17及びCar−DC電源部18を備える。
TV本体3は、デジタルVTR,DVD(Digital Versatile Disc)プレーヤなどの機器を接続するTV出力/ビデオ4入力端子21、AC電源部22及びCar−DC電源部23を備える。
TV本体3は、ワイヤレスセンタ2と分離可能でバッテリ内蔵により携帯又は可搬できる薄型表示装置であり、例えば液晶テレビジョン(以下、液晶テレビという)、無機EL/有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、パーソナルコンピュータ用モニターなどの種々の表示装置を含む広い概念であり、表示機構により限定されるものではない。また、本明細書において、TV本体3は、主として表示機能や音響機能などを有し、一方、ワイヤレスセンタ2は、主としてチューナ部やTV本体3を制御する制御機能などを収容する。本実施の形態によるTV本体3は、薄型表示装置として液晶テレビを例にして説明する。
ワイヤレスセンタ2とTV本体3間は、IEEE802.11規格に準拠するSS(Spread Spectrum:スペクトラム拡散)無線方式によりデータが送受信される。最近、周波数帯として5GHz帯が開放され、2.4GHz帯の代わりに5GHz帯を用いる態様でもよい。ワイヤレスセンタ2からTV本体3へのデータ伝送は、MPEG(Moving Picture Expert Group)2の映像圧縮フォーマットを用いて、動画像伝送やDVD-Video、デジタル放送を10Mbpsを超える通信回線で伝送する。また、ワイヤレスセンタ2とTV本体3間のコマンド伝送は、SS無線方式により行う。
図11は、上記ワイヤレスAVシステムのワイヤレスセンタ2の構成を示すブロック図である。
図11において、ワイヤレスセンタ2は、BSアンテナ端子11に接続され選局信号によりBS放送を受信・選局するBSチューナ31と、U/VHFアンテナ端子12に接続され選局信号によりU/VHF放送を受信・選局するU/VHFチューナ32と、BSチューナ31又はU/VHFチューナ32で受信・選局された映像・音声(AV)信号からEDS信号を抽出し、スライスしてデータを取り込むデータスライサ処理部1000と、BSチューナ31又はU/VHFチューナ32で受信・選局された映像・音声(AV)信号を復調する映像・音声復調部33と、音声切換信号により受信した音声とEPGなどの番組に関する情報とを切換える音声切換部34と、ソース選択信号により受信した映像・音声情報、番組に関する情報、ビデオ1入力端子14、デコーダ入力/ビデオ2入力端子15、モニタ/BS出力/ビデオ3入力端子16からの外部入力情報を選択する第1のセレクタ35と、TVコマンドを送受信して第1のセレクタ35により選択されたデータをMPEG2の映像圧縮フォーマットに変換し、SS無線方式によりTV本体3に送信するSS送信ユニット36と、選局信号41,音声切換信号42,ソース選択信号43,データスライス制御信号等を送信するとともに、TVコマンド44を送受信して装置全体の制御を行うワイヤレスセンタマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)37と、ワイヤレスセンタマイコン37の制御プログラム、通信制御データ、さらに通信チャンネル変更プログラム等の種々のデータを記憶する電気的に書換可能な不揮発性メモリであるEEPROM(electrically erasable programmable ROM)38とを備えて構成される。
ワイヤレスセンタ2は、放送受信用チューナを複数(ここでは2台)備え、複数のBSチューナ31,U/VHFチューナのうち少なくとも一つは地上デジタル放送受信可能なチューナであってもよい。
データスライサ処理部1000は、マイコン37からのデータスライサ制御信号に従ってチューナ31,32で受信・選局された映像・音声(AV)信号から垂直帰線消去期間の第2フィールドの第21番目の水平走査線に重畳されたEDS信号を抽出するとともに、スライスしてデータを取り込むデータスライス処理を行う。このデータは、前述したスタートコードや時刻データ等のEDSデータがある。
ワイヤレスセンタマイコン37は、ワイヤレスセンタ装置全体の制御を行うとともに、データスライサ処理部1000を制御するデータスライサ制御部としての機能を有し、データスライサ処理部1000を制御してEDSデータ取り出しによるコード取得を実行する。また、上記EEPROM38には、EDSデータに含まれる放送局名や放送局の系列名などの情報が格納される。
さらに、ワイヤレスセンタマイコン37は、図2の番組情報分離部163、デコード部164、及び放送内容検出部165としての機能を有する。
SS送信ユニット36は、第1のセレクタ35により選択されたデータをデジタル信号に変換するA/D変換部51、データをMPEG2の映像圧縮フォーマットに変換するMPEG2エンコーダ52、送信データをSS無線方式により送信するSS無線機及び無線制御部からなるSS無線送信エンジン53、及びSS送信ユニット各部を制御するとともに、電波状態を検出する第1のSS−CPU54を備えて構成される。
SS無線送信エンジン53は、TV本体3のSS受信ユニット61(図12で後述する)に、MPEG2ストリームやコマンド等を送信する送信機能と、SS受信ユニット61からコマンド等を受信する受信機能とを備える。
データスライサ処理部1000は、EDSに含まれる番組付帯情報及び時間情報を検出する番組情報取得手段としての機能を有する。
図12は、上記ワイヤレスAVシステムのTV本体3の構成を示すブロック図であり、バッテリ駆動が可能な表示装置を備えるTV受信機に対応するものである。
図12において、TV本体3は、TVコマンドを送受信してワイヤレスセンタ2のSS送信ユニット36から送信されたMPEG2ストリームやコマンド伝送データを受信するとともに、受信したMPEG2ストリームなどを元データにデコード(復元)するSS受信ユニット61と、SS受信ユニット61により復元したデータとTV出力/ビデオ4入力端子21を介して外部から入力されるAV信号とを選択する第2のセレクタ62と、映像信号を表示し音声信号を出力するLCD等からなるTV表示部63と、TVコマンド71を送受信するとともに、ソース選択信号72、OSD73等を送信して装置全体の制御及び画像表示制御を行うTVマイコン64(画像表示制御手段,優先順位設定手段)と、TVマイコン64の制御プログラム、通信制御データ、さらに通信チャンネル変更プログラム等の種々のデータを記憶する電気的に書換可能な不揮発性メモリであるEEPROM65と、図示しないリモートコントロール装置(以下、リモコン装置という)からの制御コマンドを受光するリモコン受光部66と、バッテリ67と、バッテリ67の充放電を制御するとともにバッテリ残量を検知するバッテリチャージャマイコン68(バッテリ残量検出手段)とを備えて構成される。
上記リモコン装置は、視聴予約番組や視聴予定時間の設定やバックライト制御モード設定などのユーザ操作情報を入力する操作部としての機能を有する。
SS受信ユニット61は、SS無線方式により送信されたデータを受信するSS無線機及び無線制御部からなるSS無線受信エンジン81、受信したMPEG2ストリームをデコードするMPEG2デコーダ82、デコードされたデータをアナログ信号に変換するD/A変換部83、及びSS受信ユニット各部を制御するとともに、電波状態を検出する第2のSS−CPU84を備えて構成される。
SS無線受信エンジン81は、ワイヤレスセンタ2のSS送信ユニット36からのMPEG2ストリームやコマンド等を受信する受信機能と、SS受信ユニット61からコマンド等を送信する送信機能とを備える。
TV表示部63は、TV受信機の表示装置であり、図2と同様に、液晶パネルと、該液晶パネルに光を照射するバックライトと、供給電源電圧,バッテリ残量検知を基本パラメータとし,さらにはTVマイコン64からの表示制御信号に従ってバックライト輝度制御を行うバックライト点灯装置、液晶駆動信号を供給するLCDコントローラと、前記液晶駆動信号によって液晶パネルに駆動電圧を出力する液晶駆動回路とを内部に備える。
ここで、TV表示部63と図2のテレビジョン受信機の表示装置との対応関係について述べる。すなわち、図2のテレビジョン受信機の表示装置において、液晶パネル100、バックライト110、マイコン120、レギュレータ131、インバータ回路150、操作部166、表示制御部167、LCDコントローラ168及び液晶駆動回路169が、全体として、TV表示部63に対応する。
TVマイコン64は、図2の表示制御部167に対応するもので、デコードされた映像信号を処理してTV表示部63のLCDコントローラに出力するとともに、設定した視聴予約番組に基づいてバックライト輝度、液晶駆動の空間解像度、又は時間解像度の少なくともいずれか一つを制御する。TVマイコン64は、所定タイミングの時間のプログラム実行時間を割り当てられて図6、図7、図15に示す画像表示制御処理を実行するものである。画像表示制御処理内容については詳細に後述する。
バッテリ67は、リチウムイオン蓄電池等からなりTV本体3各部に所定の電源を供給する。バッテリチャージャマイコン68は、バッテリ67が充電可能状態になったとき、例えばTV本体3がワイヤレスセンタ2やその他のクレードル等に装着されたことを検知し、バッテリ67の充電媒体に対し電力供給端子(いずれも図示略)を介して充放電の制御を行う。バッテリチャージャマイコン68は、具体的には使用時間毎のバッテリパックの放電電流を積算し、バッテリパックの残存容量が所定値以下になったと判断したときに充電を開始するとともに、充電時にはバッテリパックへの充電電流を積算しバッテリパックが満充電状態になったと判断したときに充電を停止させる。充電されたバッテリ67は、TV本体3が商用電源から切り離された場合に携帯TVの主電源となり、本体各部に電力を供給する。
バッテリチャージャマイコン68は、バッテリ67の電圧を検出するためのバッテリ残量検出手段としての機能を有する。バッテリチャージャマイコン68は、バッテリ67の電圧を検出し、その値をバッテリ残量設定テーブルに格納されている各種バッテリ特性に基づいて補正する。
図21及び図22は、上記バッテリ残量設定テーブルのテーブルデータの基となるバッテリ放電特性を示す図であり、図21は、一般的なバッテリ放電特性、図22は、放電温度特性を示す図である。バッテリ残量設定テーブルには、これらのバッテリ放電特性を基にしたテーブルデータが格納されており、バッテリチャージャマイコン68は、このテーブルデータを参照して駆動電源を制御する。図22に示すように、バッテリ放電容量は周囲温度によって変化するため、装置又はバッテリの周辺に、図12に示すように例えばバッテリ67の近辺に温度センサ68aを設置し、設置された温度センサ68aにより使用中のバッテリ温度を検出する。そして検出した温度に応じた放電特性カーブを基にバッテリ残量設定テーブルを参照してバッテリ駆動時間を求める。
次に、TV受信機のTVマイコン64の画像表示制御について説明する。
図10乃至図12に戻って、ワイヤレスセンタマイコン37は、受信したデジタル放送信号(図4)に多重化されている番組付帯情報を分離し、番組付帯情報に含まれるEPGを取得する。本例は、地上デジタル放送で配信されるEPGを取得する例を示しているが、EPGの種類は限定されない。この情報はSS送信ユニット36により、TV本体3のSS受信ユニット61に送信される。SS受信ユニット61により受信された各種情報はTVマイコン64に出力される。
TVマイコン64は、デコードされた映像信号を処理してTV表示部63のLCDコントローラに出力するとともに、取得したEPGを基にユーザ操作による視聴予約番組設定を行う。
また、TVマイコン64が画像表示制御処理を行う場合には、設定した視聴予約番組に基づいてバックライト輝度、液晶駆動の空間解像度、又は時間解像度の少なくともいずれか一つを制御する画像表示制御を行う。
特に、本実施の形態では、バッテリ残量を検出することによって、画像表示制御の一例として、ユーザ設定された視聴予約番組は必ず視聴できるように画像表示制御を行う。あるいは、視聴予約番組については他の番組よりも見やすくなるように画像表示制御を行う。画像表示制御は、制御対象によりバックライト制御と液晶駆動制御とに分けられる。バックライト制御は、TVマイコン64によって行われ、TV表示部63のバックライトの輝度変更、並びにバックライトの全体又は一部をオン/オフする。また、液晶駆動制御は、液晶駆動信号を供給するTV表示部63のLCDコントローラへの制御信号によって行われ、該制御信号を受けたLCDコントローラが液晶駆動回路に供給する液晶駆動信号を制御し、液晶パネルの画像表示のサイズ、又はフレームレートを変える。このバックライト制御と液晶駆動制御の組合せも可能である。
TVマイコン64はまた、バッテリチャージャマイコン68により検知されたバッテリ残量検知結果と、設定された視聴予約番組(視聴予約番組が複数あるときはそのそれぞれについて)放送時間と、該視聴予約番組までの時間情報に基づいて画像表示制御を行う。バックライト制御を例に採ると、設定された視聴予約番組終了までバッテリ残量が所定以上あると判定され、かつユーザがバックライト制御モードを設定している場合には、設定視聴番組の視聴中はバックライト輝度を保つ又は上げる制御を行う。また、設定された視聴予約番組は必ず視聴できるように、該視聴予約番組以外の画面表示についてバックライト輝度を下げる。
図23は、バックライト制御によるバックライト輝度の時間変化の一例を示す図であり、図23(b)はバッテリ残量が所定以上ある場合を、図23(c)はバッテリ残量が所定より少ない場合を示す。図23(b)に示すようにバッテリ残量が所定以上ある場合には、バッテリ残量を検出しない図23(a)と同様なバックライト輝度の時間変化であるが、バッテリ残量が少なくなると、図23(c)に示すようにバックライト輝度の時間変化を維持したまま、バックライド輝度のレベルを下げるように制御を行う。
以下、上述のように構成されたテレビジョン受信機の表示装置の動作を説明する。
画像表示制御として、バックライト制御を例に採る。バックライト制御は、バックライト輝度の変更、バックライトのオン/オフ、バックライトの部分点灯制御がある。なお、バックライト制御を例に採るが、第1の実施の形態の変形例のように、液晶パネル100の画像表示のサイズやフレーム周波数fvを変える液晶表示制御についても同様の画像表示制御が可能である。
図13及び図14は、テレビジョン受信機のバックライト制御動作を示すフローチャートであり、図12のTVマイコン64により実行される。なお、本バックライト制御は、前述したバックライト制御内容の〔パターン1〕に対応するものである。
まず、ステップS1で放送信号に重畳されている番組付帯情報からEPGを取得する。具体的には、図11のワイヤレスセンタマイコン37により放送信号から番組付帯情報が分離・取得され、この番組付帯情報に含まれるEPGが検出され、SS送信ユニット36及びSS受信ユニット61を介してTVマイコン64が取得する。なお、第1の実施の形態と同様にインターネットから番組データを取り込むiEPG,DEPG,ADAMS−EPG+でもよい。
次いで、ステップS2でユーザによる視聴予約番組を設定する。この視聴予約番組の設定は、番組予約装置等で行う番組予約操作のようにユーザがEPG画面表示を見ながらリモコン装置により番組名や視聴番組をチェックする。例えば、前記図5において、電子番組表175を基に視聴予約番組176の「CH4 19:00放送開始のプロ野球」が視聴予約されているものとする。
ステップS3でバッテリチャージャマイコン68により現在のバッテリ残量を検知し、ステップS4で通常輝度で視聴した場合に全ての設定された視聴予約番組の視聴終了(視聴予約番組が複数ある場合はその最後の視聴予約番組の視聴終了)まで視聴できるか判定する。上記通常輝度とは、デフォルトの値によるバックライト輝度である。以下に述べるように、視聴時間より長く保つためにバックライト輝度を制御する、視聴予定番組表示時にはバックライト輝度を保つ又はより明るく制御するなどのバックライト制御の実効を図ることができる。
設定されたすべての視聴予約番組の視聴終了まで視聴できる場合は、ステップS5で設定された視聴予約番組開始時間か否かを判別し、設定された視聴予約番組開始時間になるまで待機する。例えば、前記図5に示す「CH4 19:00放送開始のプロ野球」が視聴予約番組176として視聴予約されている場合、視聴予約番組176の視聴予約開始時間(19:00)の所定時間前(例えば5分前)まで待機する。
ステップS6でバッテリチャージャマイコン68により現在のバッテリ残量を検知し、ステップS7で検出したバッテリ残量から設定された視聴予約番組の視聴中のバックライト輝度を上げることができるか否かを判別する。図5の例では、視聴予約開始時間(19:00)の3分前に現在のバッテリ残量を検知し、検出したバッテリ残量から設定された視聴予約番組176「プロ野球」の最大放送時間(19:00〜21:54)までの2時間54分の放送予定時間中においてバックライト輝度を上げることができるか否かを判別する。なお、本フローの説明において、視聴予約番組の視聴中は通常時よりバックライト輝度を上げると記載しているのは、設定された視聴予約番組については視聴可能な輝度を確保する意味である。より見やすくするためにバックライト輝度を上げる場合のほか、視聴予約番組の視聴中についてはバックライト輝度を保つ場合も含む。
バッテリ残量が所定以上ありバックライト輝度を上げることができる場合は、ステップS8でバックライト制御モードにあるか否かを判別する。バックライト制御モード(図15により後述する)にあるときは、ステップS9で設定された視聴予約番組の視聴中は通常時よりバックライト輝度を上げる。このバックライト制御は、表示制御部167からバックライト点灯装置のマイコン120への表示制御信号によって行われる。図5の例では、「プロ野球」の視聴中についてはバックライト輝度が明るくなりより視聴しやすくなる。
ステップS10では、設定された視聴予約番組の視聴時間が経過したか否かを判別し、設定された視聴予約番組の視聴時間が経過していなければ上記ステップS9に戻って設定された視聴番組の視聴時間が経過するまで通常時よりバックライト輝度を上げた状態を維持する。設定された視聴予約番組の視聴時間が経過したときは、ステップS11に進む。
上記ステップS7で検出したバッテリ残量からバックライト輝度を上げることができないとき、あるいは上記ステップS8でバックライト制御モードにないときはそのままステップS11に進み、ステップS11でバックライト輝度を通常時に戻して本フローを終了する。
一方、上記ステップS4で通常輝度で設定視聴予約番組の視聴終了まで視聴できないときは、ステップS12でバックライト輝度を落とした場合の設定視聴予約番組終了までの視聴可能時間を計算する。この視聴可能時間の計算は、バックライト輝度を各段階で落とした場合の夫々について計算することが好ましい。
ステップS13では、バックライト輝度を最低にした場合に設定視聴予約番組の視聴終了まで視聴できるか否かを判別する。バックライト輝度を最低にした場合に設定視聴予約番組の視聴終了まで視聴できる場合は、ステップS14でバックライト制御モードにあるか否かを判別する。バックライト制御モードにあれば、ステップS15で設定された視聴予約番組終了までは視聴できるようにバックライト輝度を制御して本フローを終了する。このバックライト制御モードにあれば、設定された視聴予約番組終了までは必ず視聴できるようにした上で、設定視聴予約番組の視聴中はできるだけバックライト輝度を上げる制御が可能になる。バックライト制御モードになければそのまま本フローを終了する。
上記ステップS13でバックライト輝度を最低にした場合に設定視聴予約番組の視聴終了まで視聴できないときは、ステップS16で設定された視聴番組終了まで視聴できない旨のメッセージ(図16参照)を出力して本フローを終了する。
図16は、TV表示部63の放送画面170に表示された視聴予約番組終了まで視聴できない旨のメッセージ171の一例を示す図である。図16に示すように、放送画面170の下方に「設定された番組終了まで視聴することができません。省エネモードにするとあと約○○分の視聴が可能です」と表示される。なお、表示位置や表示形態は図16に限定されるものではない。例えば、OSDにより視聴可能時間を示すゲージ(1秒を1個とするブロック表示など)と視聴可能時間値を合わせて表示してもよく、また視聴可能時間をフラッシング表示する、時間を画面に色識別で段階表示する態様でもよい。さらに、発音装置としてTVマイコン64からの出力信号をデジタル信号処理する音声コーデック(出力手段の一部)を設置する構成でもよい。音声コーデックは、PCM(Pulse Code Modulation)音源IC等により構成され、TVマイコン64から受け取った信号を音声信号に変換してスピーカから出力する。例えば、「設定された番組終了まで視聴することができません。省エネモードにするとあと約○○分の視聴が可能です。省エネモードの設定方法は△△です」などと、あらかじめ録音しておいた実際の人間の音声データを発音する。
本実施の形態では、設定された視聴予約番組についてバックライト輝度を制御する例について説明したが、視聴予約番組に限らず、ユーザが任意に設定した設定時間について応用することができる。例えば、ユーザが庭先等にいる時にバックライト輝度を変えたい場合など、ユーザが任意に画像表示制御時間を設定し、この制御時間については上記視聴予約番組と同様の制御を行うことができる。
図15は、バックライト制御モード設定の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS31でバックライト制御設定画面をOSD表示し、ステップS32でユーザ設定入力を待つ。ユーザ設定が終了すると、ステップS33でユーザ設定されたバックライト制御モードをテーブルデータとして保存する。このテーブルデータは、例えばTVマイコン64を構成するマイクロコンピュータの不揮発性メモリ領域に記憶する。バックライト制御モードは、例えばバックライト制御オン/オフと、通常モード/省エネモードがあり、省エネモードはCM時バックライトを変えない(ノーマル),低輝度,OFFがある。
以上、画像表示制御としてバックライト制御を例に採り説明したが、第1の実施の形態の変形例[空間解像度/時間解像度制御]のように、TV表示部63の液晶パネルの画像表示のサイズやフレーム周波数fvを変える液晶表示制御についても同様の画像表示制御が可能である。具体的には、図15のバックライト制御設定フローに代えて図7の画像表示制御設定フローを実行し、図14のバックライト制御ステップ(ステップS9、ステップS11、ステップS15)において図7のフローで設定された画像表示制御を実行すればよい。
以上のように、本実施の形態の表示装置は、ディスプレイ分離型のワイヤレスTV受信機の携帯型表示装置であるTV本体3に、バッテリ残量を検知するバッテリチャージャマイコン68を備え、TVマイコン64は、設定した視聴予約番組に基づいてTV表示部63の液晶パネルのバックライトの輝度、又は液晶パネルの液晶駆動を制御する。具体的には、TVマイコン64は、ユーザが視聴したい番組(番組名)や視聴時間を設定すれば、その設定された視聴予約番組や視聴時間は必ず視聴できるようにTV表示部63のバックライト輝度を制御する。また、ユーザがバックライト制御モードを設定している場合には、設定視聴番組の視聴中はバックライト輝度を通常輝度よりも上げる制御を行う。これにより、本来視聴したい時間帯にユーザにとって明るく見やすいバックライト輝度を確保しつつ、低消費電力化を図りバッテリ駆動時間を大幅に伸ばすことができる。
本実施の形態では、設定された視聴予約番組についてバックライト輝度を制御する例について説明したが、視聴予約番組に限らず、ユーザが任意に設定した設定時間について応用することができる。例えば、ユーザが庭先等にいる時にバックライト輝度を変えたい場合など、ユーザが任意に画像表示制御時間を設定し、この制御時間については上記視聴予約番組と同様の制御を行うことができる。
また、ユーザによる設定時間が容易に行えるため、短時間しか見ない場合(例えば、庭先で見る場合等)は輝度を明るくして見ることができる。
また、EPGを用いるので、今後のモバイルテレビ放送を受信するモバイルテレビに応用でき、バッテリ駆動のテレビに好適に使用できる。EPGを用いる装置やテレビジョン受信機には限定されず、各種のバックライト駆動機器にも応用できる。
以上のべたように、ディスプレイ分離型のワイヤレスTV受信機の携帯型表示装置であるTV本体3に、本バックライト制御を用いているので、第1及び第2の実施の形態と同様の効果を携帯型テレビに適用することができ、ユーザにとって明るく見やすいバックライトを確保しつつ、バッテリ駆動時間を大幅に伸ばすことができる。
したがって、モバイルテレビ放送を受信するモバイルテレビは勿論のこと、バックライトを備える表示装置を有する携帯型視聴装置全般、例えばパーソナルコンピュータやHDD等を内蔵し記録映像を再生する携帯型映像再生装置、携帯電話機/PHS(Personal Handy-Phone System)やPDA(Personal Digital Assistants:携帯情報端末)などの表示装置に適用してこれらの機器の、見易さの向上、バッテリ駆動時間の向上を図ることが可能になる。
第3の実施の形態
第1の実施の形態では、画像表示制御について説明し、第2の実施の形態では、バッテリ駆動される表示装置の画像表示制御についてバックライト制御を例に採り説明した。本実施の形態では、バッテリ駆動時の省エネの観点からバックライト制御と液晶駆動制御のより具体的で詳細な実施例について説明する。
本実施の形態に係るテレビジョン受信機の表示装置のハード的構成は第2の実施の形態と同じであるため説明を省略する。
図18及び図19は、本発明の第3の実施の形態の表示装置の画像表示制御動作を示すフローチャートであり、図12のTVマイコン64により実行される。図13及び図14のフローと同一処理を行うステップについては同一ステップ番号を付して説明を省略する。
ステップS4で通常輝度で視聴した場合に全ての設定された視聴予約番組の視聴終了(視聴予約番組が複数ある場合はその最後の視聴予約番組の視聴終了)まで視聴できないときは、ステップS41でバックライト輝度を各段階で落とした場合、及びTV表示部63の液晶パネルの画像表示のサイズやフレーム周波数fvを変える液晶表示制御を行った場合の設定視聴予約番組終了までの視聴可能時間を計算する。この視聴可能時間の計算は、画像表示サイズを小さくした場合に対応するバックライトの部分点灯について計算することが好ましい。
ステップS13では、バックライト輝度を最低にした場合に設定視聴予約番組の視聴終了まで視聴できるか否かを判別する。バックライト輝度を最低にした場合に設定視聴予約番組の視聴終了まで視聴できる場合は、ステップS14でバックライト制御モードにあるか否かを判別する。バックライト制御モードにあれば、ステップS15で設定された視聴予約番組終了までは視聴できるようにバックライト輝度を制御して本フローを終了する。このバックライト制御モードにあれば、設定された視聴予約番組終了までは必ず視聴できるようにした上で、設定視聴予約番組の視聴中はできるだけバックライト輝度を上げる制御が可能になる。バックライト制御モードになければそのまま本フローを終了する。
上記ステップS13でバックライト輝度を最低にした場合に設定視聴予約番組の視聴終了まで視聴できないときは、ステップS42で前記式(1)により示されるフレーム周波数fvを下げた場合に設定視聴予約番組の視聴終了まで視聴できるか否かを判別する。フレーム周波数fvを下げると設定視聴予約番組の視聴終了まで視聴できる場合は、ステップS43でバックライト輝度を最低にし、かつフレーム周波数fvを下げる画像表示制御を行って本フローを終了する。
上記ステップS43でフレーム周波数fvを下げても設定視聴予約番組の視聴終了まで視聴できない場合は、ステップS44でTV表示部63の液晶パネルの画像表示のサイズを小さく(例えば、前記図8(c)の1/4の縮小サイズ)し、かつ対応するバックライトの部分点灯を行った場合に設定視聴予約番組の視聴終了まで視聴できるか否かを判別する。画像表示のサイズを小さくし、かつ対応するバックライトの部分点灯を行うと設定視聴予約番組の視聴終了まで視聴できる場合は、ステップS45で画像表示のサイズを小さくし、かつ対応するバックライトの部分点灯を行う画像表示制御を行って本フローを終了する。
上記ステップS44で画像表示のサイズを小さくし、かつ対応するバックライトの部分点灯を行っても設定視聴予約番組の視聴終了まで視聴できないときは、ステップS16で設定された視聴番組終了まで視聴できない旨のメッセージ(図16参照)を出力して本フローを終了する。
このように、本実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様に、設定された視聴予約番組についてはユーザにとって明るく見やすいバックライトを確保し、それ視聴予約番組以外の本編については本画像表示制御によって低消費電力化を図ることができる。
特に、本実施の形態では、バックライト制御に加え、液晶駆動制御を行っているので、バックライト制御のみを行う場合よりもバッテリ駆動時間をより一層伸ばすことができる。また、設定された視聴予約番組終了まで視聴可能にする選択肢を増やすことができるので、該選択肢を組合せることによって設定された視聴予約番組についてはより確実に視聴できるようにする効果がある。
なお、本実施の形態では、液晶駆動制御とバックライト制御とを併用する例について説明したが、画像表示制御としてバックライト制御を併用せず液晶駆動制御のみを行う態様でもよいことは言うまでもない。
また、本実施の形態のバックライト制御は、第1及び第2の実施の形態と同様に前述したバックライト制御内容の〔パターン1〕に対応するものであるが、これに代えて〔パターン2〕のように「視聴予約番組視聴中についてはバックライトの輝度を確保、また視聴予約番組以外のバックライトの輝度を下げ、CM時はバックライトの輝度をより下げる又はオフする」態様でもよい。このような表示制御の組合せは「省エネモード」として、前記図7で述べたようにあらかじめ複数パターンをセットにして用意しておき、ユーザにより選択させることが好ましい。
本実施の形態では、液晶駆動制御とバックライト制御とを併用している。一例として、上記〔パターン2〕において「CM時はバックライトの輝度をより下げる又はオフする」だけではなく、またはこれに代えてTV表示部63の液晶パネルの画像表示のサイズを小さく(例えば、1/4の縮小サイズ)し、かつ対応する小画像表示領域のみについてバックライトの部分点灯を行うことも可能である。
また、第2の実施の形態と同様に、視聴予約番組に限らず、ユーザが任意に設定した設定時間について応用することができる。
第4の実施の形態
第4の実施の形態は、設定された視聴予約番組が複数ある場合に、優先度を設定する画像表示制御の例である。
本実施の形態に係るテレビジョン受信機の表示装置のハード的構成は第2の実施の形態と同じであるため説明を省略する。
図19及び図20は、本発明の第4の実施の形態の表示装置の画像表示制御動作を示すフローチャートであり、図12のTVマイコン64により実行される。図13及び図14のフローと同一処理を行うステップについては同一ステップ番号を付して説明を省略する。なお、本バックライト制御は、前述したバックライト制御内容の〔パターン1〕に対応するものである。
まず、ステップS1で放送信号に重畳されている番組付帯情報からEPGを取得し、ステップS2でユーザによる視聴予約番組を設定する。この視聴予約番組の設定は、前記図5に示すようにユーザがEPG画面表示を見ながら番組名や視聴番組をチェックする。
ステップS51では、設定された視聴予約番組の優先順位を設定する。視聴予約番組が複数ある場合には、本ステップS51で優先順位が付与される。優先順位をつける主な目的は、モバイル(バッテリ残量)との関係から優先度の高いものについてはまず視聴できるようにすることにある。優先順位の設定は、ユーザの意向ができるだけ反映されとともに設定手順は簡素であることが好ましい。本例では、視聴予約設定順に優先順位を付与する「視聴予約順設定」を用いている。ユーザは視聴したい番組から順に視聴予約をするものであるという経験則及び、特別な設定手順が不要でありユーザに負担をかけないことに基づく。また、視聴予約番組を設定する際、ユーザが優先順位を入力する「ユーザ設定」としてもよい。このようにすれば、ユーザの意向を確実に画像表示制御に反映させることができる。この場合、上記「視聴予約順設定」を基本に、ユーザが特に優先順位を付与したいときのみ上記「ユーザ設定」を行うようにすればユーザ負担もより少なくなる。さらに、シリーズ番組の優先順位を優先させる「シリーズ番組優先設定」を用いてもよい。これは、シリーズ番組抽出技術を用いて行うもので、ユーザが過去に視聴したシリーズ番組に関連するシリーズ番組については視聴優先順位を高く設定するものである。例えば、シリーズ番組など毎週見ているものは必ず見ると推定でき、ユーザ入力を行うことなくユーザの意向をより反映できる。
本例は、「視聴予約順設定」を用いているため、例えば、前記図5に示す「CH4 19時放送開始のプロ野球」が最初の視聴予約番組176として視聴予約され、次に「CH1 17:10放送開始の首都圏ネットワーク」が視聴予約番組177として視聴予約された場合には、優先順位は「プロ野球」、「首都圏ネットワーク」の順となる。
ステップS3でバッテリチャージマイコン68により現在のバッテリ残量を検知し、ステップS4で通常輝度で視聴した場合に全ての設定された視聴予約番組の視聴終了(視聴予約番組が複数ある場合はその最後の視聴予約番組の視聴終了)まで視聴できるか判定する。
設定されたすべての視聴予約番組の視聴終了まで視聴できる場合は、ステップS5で設定された視聴予約番組開始時間か否かを判別し、設定された視聴予約番組開始時間になるまで待機する。図5の例では、「17:10放送開始の首都圏ネットワーク」視聴予約開始時間の所定時間前(例えば3分前)まで待機する。
ステップS6でバッテリチャージマイコン68により現在のバッテリ残量を検知し、ステップS52で検出したバッテリ残量及び優先順位から設定された視聴予約番組の視聴中のバックライト輝度を上げることができるか否かを判別する。図5の例では、「首都圏ネットワーク」視聴予約開始時間の3分前に現在のバッテリ残量を検知し、検出したバッテリ残量から設定された視聴予約番組177「首都圏ネットワーク」の放送時間(50分)から視聴予約番組176「プロ野球」の最大放送時間(19時〜21時54分)終了まで放送予定時間中においてバックライト輝度を上げることができるか否かを判別する。この判定は、視聴予約番組176「プロ野球」及び視聴予約番組177「首都圏ネットワーク」のいずれもバックライト輝度を上げることができるか、優先順位の高い視聴予約番組176「プロ野球」のバックライト輝度は上げ視聴予約番組177「首都圏ネットワーク」のバックライト輝度は保つ場合はどうか、視聴予約番組176,177共にバックライト輝度は保つ場合はどうかなど複数の条件について判定する。
バッテリ残量が所定以上ありバックライト輝度を上げることができる場合は、ステップS8でバックライト制御モードにあるか否かを判別する。バックライト制御モードにあるときは、ステップS53で優先順位に基づいて設定された視聴予約番組の視聴中は通常時よりバックライト輝度を上げる。すなわち、上記ステップS52の判定結果を基にバッテリ残量の範囲内において優先順位の高いものから順に視聴予約番組のバックライト輝度を上げる。バッテリ残量に余裕があれば、視聴予約番組176「プロ野球」及び視聴予約番組177「首都圏ネットワーク」のいずれもバックライト輝度を上げられることになるが、バッテリ残量に余裕がなければ優先順位の高い視聴予約番組176「プロ野球」のバックライト輝度は上げられるものの視聴予約番組177「首都圏ネットワーク」のバックライト輝度はそのまま保たれる。本例では、上記判定の直前にバッテリ残量の再チェック(ステップS6)を行っているので、複数の視聴予約番組が設定する場合には、その視聴予約番組開始の直前のバッテリ残量によってバックライト輝度が上げられるか否かは動的に変化する。
ステップS10では、設定された視聴予約番組の視聴時間が経過したか否かを判別し、設定された視聴予約番組の視聴時間が経過していなければ上記ステップS9に戻って設定された視聴番組の視聴時間が経過するまで通常時よりバックライト輝度を上げた状態を維持する。設定された視聴予約番組の視聴時間が経過したときは、ステップS11に進む。
上記ステップS7で検出したバッテリ残量からバックライト輝度を上げることができないとき、あるいは上記ステップS8でバックライト制御モードにないときはそのままステップS11に進み、ステップS11でバックライト輝度を通常時に戻して本フローを終了する。
このように、本実施の形態では、視聴予約番組に優先順位を設定しているので、バッテリ残量が制限がある場合であっても優先順位の高い視聴予約番組については明るく見やすいバックライト輝度が確保される。
ところで、第1乃至第4の実施の形態は、バックライトの光源にCCFTを用いているため、画像表示のサイズを小さくした場合に対応するバックライトの部分点灯は、例えばバックライト110の上部のみ点灯させる態様となる。しかし、バックライトにELや白色LED等の他の光源を用いる場合には、バックライトユニットは複数の面光源の組合せから構成することが容易であり、上記バックライトの部分点灯はこの面光源の一つに対応させることができる。バックライトの光源に、白色LEDを用いれば、極めて低消費電力でかつ長寿命、インバータ回路等が不要になるため回路規模が小型化する。また、白色LEDは定電流回路から供給される定電流により発光するため、電流制御によりきめ細かなバックライト輝度制御が可能になる。
以上詳述したように、第1の実施の形態は、バッテリ駆動をしない表示装置に、第2乃至第4の実施の形態は、バッテリ駆動の表示装置に適用した例であり、いずれも低消費電力化の観点から有効な発明である。ユーザが本当に見たい視聴予約番組や設定時間のとき、バックライト輝度を上げて見やすくしたり、それ以外の時間帯のバックライト輝度を下げる、又はCM時はバックライト輝度を下げる/オフするなど、ユーザにとって見やすく親切な機器を実現することができる。
なお、本発明の表示装置及びテレビジョン受信機は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上述したようなテレビジョン受信機に適用することもできるが、これには限定されず、全てのシステムに適用可能である。記録再生装置やテレビジョン受信機の通信機能として組み込まれたものでもよい。さらに、パソコンに代表される情報機器機能に融合された装置であってもよい。
また、放送情報の種類及び放送信号、時間情報はどのようなものでもよい。また、EPG、時間情報は、放送信号に限らず、インターネット等のネットワークから取得する情報であってもよい。
また、上記各実施の形態では表示装置及びテレビジョン受信機という名称を用いたが、これは説明の便宜上であり、蛍光管点灯制御装置、バックライト制御装置、携帯型視聴機器、表示制御方法等であってもよいことは勿論である。
また、上記各実施の形態は、ディスプレイ背面に複数個の蛍光灯などからなる多灯式バックライトを使用した例について説明したが、表示パネルを用いて表示する画面の明るさの制御を行うものであればよく、反射型液晶ディスプレイを用いた場合のフロントライトにも同様に適用できることは言うまでもない。さらには、自己発光型の有機EL(Electro Luminescence)など自己発光型のディスプレイを使用した表示装置においてもユーザにとって見やすい輝度調整、省エネの観点から適用して好適である。
さらに、上記表示装置、テレビジョン受信機を構成するシステムの制御装置、記憶装置等の種類、データの種類、選択方法、画面表示方法などは前述した実施形態に限られないことは言うまでもなく、ソフトウェアに限らずハードウェアにより実現するようにしてもよい。
以上説明した表示装置及びテレビジョン受信機は、このテレビジョン受信機等を機能させるためのプログラムでも実現される。このプログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されている。本発明では、この記録媒体として、メインメモリそのものがプログラムメディアであってもよいし、また外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。いずれの場合においても、格納されているプログラムはCPUがアクセスして実行させる構成であってもよいし、あるいはいずれの場合もプログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であってもよい。このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。