JP4578124B2 - 高濃度に活性成分を球形核に付着させた医薬組成物 - Google Patents

高濃度に活性成分を球形核に付着させた医薬組成物 Download PDF

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Description

本発明は、活性成分を高濃度で含有する顆粒あるいは細粒に関し、さらにはこのような顆粒等を含有する医薬組成物、とりわけ放出が制御された顆粒あるいは細粒からなる医薬組成物並びにその製造方法に関する。
医薬品のなかで経口投与製剤は最も多用される剤形であり、これらの医薬品を提供する活性成分を含有する医薬組成物としては、液剤、粉末、細粒、顆粒、錠剤、カプセル剤などがある。近年では、単に活性成分を配合してなる医薬組成物だけでなく、活性成分が消化管内の環境、たとえば胃内のpHによって分解等により活性が低下することを防止するために、胃内の低pHから医薬組成物を保護し目的とする量の活性成分を分解なく投与できるように腸溶性の基剤等で被覆した腸溶性製剤が提供されている。また、QOL向上の観点から1日1−2回投与で薬効が持続する経口投与製剤が多く開発されてきている。化合物自身の合成段階から1日1−2回の投与で薬効が持続するような動態を示す化合物を合成する試みも行われているが、製剤的な工夫により持続性製剤を設計し動態を修正する場合も少なくない。経口持続性製剤の剤形としては、放出制御膜やマトリックスによる化合物拡散制御による放出制御、マトリックス(基剤)の浸食による化合物の放出制御、pH依存的な化合物の放出制御、一定のラグタイム後化合物を放出させる時限放出制御など種々の放出制御システムが開発され応用されている。上記放出制御システムに消化管移動速度の制御を組み合わせることによりさらに持続性を延長することが可能になると考えられる。
例えば、放出制御性の製剤の1つの実施形態としての腸溶性の製剤を提供する剤形としては、活性成分に医薬組成物を形成する賦形剤を混合して製した錠剤、細粒、顆粒、粉末に腸溶性を示す基剤を組み合わせたものが提供されるが、胃環境を経由したのちに十二指腸を含む下部の消化管で速やかに腸溶性基剤が溶解し、活性成分を速やかに溶出するものが好ましい。この観点から、通常の大きさの錠剤の場合、錠剤に比較して、細粒、顆粒、粉末に腸溶性基剤を組み合わせたもののほうが、比表面積が大きくなることからより好ましい。あるいは錠剤にする場合、通常の錠剤に比べ、小型化錠剤が好ましい。また、経口製剤を投与した場合、特に胃内で崩壊、溶解の起こらない腸溶性製剤では、製剤の胃内から十二指腸を含む下部消化管への移行は、消化管の動的な活動に支配され、特に錠剤では、胃排出時間に大きく支配される結果、投与後、十二指腸を含む下部消化管への移動時間は一定せず、活性成分の血中濃度の発現が一定しない。この欠点を改善し、安定したばらつきの少ない血中濃度発現を目的として、細粒、顆粒等の腸溶性製剤が開発されている。細粒、顆粒の腸溶性製剤は、製剤中の粒の数が複数であるmultiple unit製剤であるために、胃排出時間は全体としてばらつきが少なく、かつ胃排出後は速やかに溶解し活性成分を溶出するために医療の質が向上する。また、腸溶性以外の放出制御性の医薬組成物を提供する場合においても、活性成分の物理化学的特性に基づく消化管各部位での溶解性の変化やそれに伴う医薬組成物からの溶出や放出性の変動がある場合においても、食道から下部消化管にいたる移動の分布を安定的に提供することで、安定したばらつきの少ない血中濃度及びその時間的推移の発現を提供できる。
たとえば、プロトンポンプインヒビター(以下、PPIと称することがある)作用を有するベンズイミダゾール(ベンツイミダゾールともいう)系化合物(以下、本明細書ではベンズイミダゾール系化合物と称する)のような酸に不安定な特性を有する薬物を活性成分とする製剤では、腸溶性被膜を施す必要がある。すなわち、PPI作用を持つベンズイミダゾール系化合物を含有する組成物は小腸で速やかに崩壊することが必要であるため、錠剤よりも表面積が大きく、速やかに崩壊または溶解しやすい顆粒ないし細粒として製剤化されることが好ましく、錠剤の場合も小型の錠剤にすることが好ましい。
腸溶性顆粒あるいは細粒の製造は、一般的な製剤技術で製した顆粒、細粒に腸溶性基剤を被覆したり、腸溶性基剤を他の賦形剤や活性成分と混合して製しすることも可能であるが、例えば、医薬品の賦形剤として利用可能な物質から製した実質的に球形な核に、活性成分あるいは、活性成分及び適当な賦形剤を付着させて製した、実質的に球形な顆粒、細粒に腸溶性基剤を被覆して提供されている。
欧州特許出願公開第277741号明細書 米国特許第6274173号明細書
本発明の目的は、医薬品に適用可能な基剤からなる核に、活性成分を、必要に応じて医薬品に適用可能な基剤とともに付着させてなる顆粒において、活性成分を高量配合してかつ速やかに溶出させる、さらに、投薬可能な大きさに設計された医薬組成物を提供することである。
従来の技術では、医薬品に適用可能な基剤からなる核に、少なくとも活性成分を、さらに必要に応じて医薬品に適用可能な基剤を少なくとも一種付着させてなる顆粒の製造においては、活性成分を高量に配合する場合、製剤製造上の制約から、組成物の大きさが大きくなり、投薬される対象(例えば患者)にとって、服薬が困難となりコンプライアンスの低下や、製造コストが高くなり医療費等の高騰につながる。
すなわち、本発明は、
(1)核粒と、該核粒上に、活性成分と結合剤とを含有する溶液または懸濁液を噴霧して形成した活性成分含有A層と、結合剤含有溶液を噴霧しながら活性成分を含有する散布剤を散布して形成した活性成分含有B層とを有する顆粒、細粒または錠剤、
(2)A層を内側に形成し、B層をその外側に形成した上記(1)記載の顆粒、細粒または錠剤、
(3)さらに放出制御被膜により被覆されていることを特徴とする上記(1)記載の顆粒、細粒または錠剤、
(4)放出制御被膜が、pH依存的に溶解するポリマーを含む上記(3)記載の顆粒、細粒または錠剤、
(5)活性成分がプロトンポンプインヒビター(PPI)である上記(1)記載の顆粒、細粒または錠剤、
(6)PPIが式(I):
Figure 0004578124
〔式中、環Aは置換基を有していてもよいベンゼン環、R、RおよびRは、それぞれ同一または異なって、水素原子、置換基を有していもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基または置換基を有していてもよいアミノ基、およびYは窒素原子またはCHを示す〕で表されるベンズイミダゾール系化合物、そのプロドラッグもしくはその光学活性体またはその塩である上記(5)記載の顆粒、細粒または錠剤、
(7)PPIが、ランソプラゾール、オメラプラゾール、ラベプラゾール、パントプラゾール、レミノプラゾール、テナトプラゾール(TU−199)、そのプロドラッグもしくはその光学活性体またはその塩である上記(5)記載の顆粒、細粒または錠剤、
(8)PPIが、ランソプラゾール、そのプロドラッグもしくはその光学活性体またはその薬学的に許容される塩である上記(5)記載の顆粒、細粒または錠剤、
(9)A層およびB層中に、塩基性無機塩を含有することを特徴とする上記(5)〜(8)のいずれか1に記載の顆粒、細粒または錠剤、
(10)塩基性無機塩がマグネシウムの塩またはカルシウムの塩である上記(9)記載の顆粒、細粒または錠剤、
(11)さらに腸溶性被膜により被覆されている上記(5)〜(8)のいずれか1に記載の顆粒、細粒または錠剤、
(12)さらに放出制御被膜により被覆されている上記(5)〜(8)のいずれか1に記載の顆粒、細粒または錠剤、
(13)中間層で被覆された上に腸溶性被膜もしくは放出制御被膜で被覆されている上記(11)または(12)記載の顆粒、細粒または錠剤、
(14)核粒、A層、B層間の直接接触を断つための中間層を設けた上記(1)記載の顆粒、細粒または錠剤、
(15)核粒、A層、B層および放出制御被膜間の直接接触を断つための中間層を設けた上記(3)記載の顆粒、細粒または錠剤、
(16)上記(11)記載の顆粒、細粒もしくは錠剤および/または上記(12)記載の顆粒、細粒もしくは錠剤を含有する固形製剤、
(17)核粒上に、活性成分と結合剤とを含有する溶液または懸濁液を噴霧して活性成分含有A層を形成する工程と、
結合剤含有溶液を噴霧しながら活性成分を含有する散布剤を散布して活性成分含有B層を形成する工程とを組み合わせて含むことを特徴とする顆粒、細粒または錠剤の製造方法、
(18)核粒上に、A層を先ず形成し、該A層上にB層を形成することを特徴とする上記(17)記載の顆粒、細粒または錠剤の製造方法、
(19)上記(1)記載の顆粒、細粒または錠剤を含有する固形製剤、
(20)錠剤またはカプセル剤である上記(17)記載の固形製剤、および
(21)核粒上に、活性成分と結合剤とを含有する溶液または懸濁液を噴霧して活性成分含有A層を形成する方法と、結合剤含有溶液を噴霧しながら活性成分を含有する散布剤を散布して活性成分含有B層を形成する方法とを組み合わせることを特徴とする、顆粒、細粒または錠剤を含有する固形製剤の活性成分の溶出と大きさを制御する方法を提供する。
なお本発明において使用する放出制御とは、医薬業者に自明のことであるが、USPで規定されるmodified releaseの範疇に入る、delayed release, extented releaseを意味するだけでなく、これらを複合的に適用したものをも意味し、また、いわゆるIR(immediate release)製剤とは異なり活性成分の溶出や、放出を意図的に制御することをいう。
本発明の顆粒、細粒または錠剤は、活性成分を高量配合するとともに速やかに溶出する効果を奏する。さらには、このような顆粒、細粒または錠剤を含有するカプセル等の最終製剤は、服用しやすい大きさに設計でき、服用コンプライアンスを向上し、また製造コストも低減できる。
また、本発明の顆粒等を用いて、放出制御性製剤にすることにより、主薬の放出を長時間にわたって制御することにより治療有効濃度の持続を可能にするので、投与回数の低減のみならず、低投与量での治療の有効性および血中濃度の立ち上がりに起因する副作用の軽減された製剤を提供することがができる。
医薬品に適用可能な基剤からなる核に、少なくとも活性成分を、さらに必要に応じて医薬品に適用可能な基剤を少なくとも一種付着させてなる顆粒の製造においては、活性成分を高量に配合する場合、製剤製造上の制約から、組成物の大きさが大きくなり、加えて腸溶性や放出制御型の医薬組成物を提供する場合は、腸溶性あるいは放出制御のための基剤で被覆するためないしはこれらを共存させるために、医薬品組成物はさらに大きさが大きくなる、あるいは服用顆粒数が、またこれらの顆粒を例えば、カプセルや錠剤とする場合には、服用する製剤自体が大きくなったり、服用製剤数が多くなるという欠点があった。
特に腸溶性製剤では、服薬がしやすい大きさにする方法として高濃度に活性成分を核粒に付着させる方法がある。例えば、主薬を付着させるために必要な結合剤を含有する溶液に溶解あるいは懸濁させ、核粒に付着させる方法があるが、結合剤中に活性成分が分散されるために溶出が遅くなる。腸溶性製剤では胃排出後、速やかに溶解し活性成分を溶出することが医療上好ましいことから、さらなる改良が望まれる。
本発明者らは、医薬品に適用可能な基剤からなる核に高濃度に活性成分が付着し、かつ溶出性が良好な医薬組成物とそれを製造する方法について鋭意、検討した結果、核に結合剤を噴霧ないしは添加しながら活性成分を散布し、付着させる方法と、活性成分と結合剤を含有する溶液または懸濁液を核に付着する方法とを組み合わせて行えば、活性成分の高含量と良好な溶出性が達成できることを見出し、更に検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
本発明において、医薬品に適用可能な基剤からなる核としては実質的に球形のものが好ましく、例えば、ノンパレル(ノンパレル-101(粒径850-710、710‐500、500‐355)、ノンパレル-103(粒径850-710、710‐500、500‐355)、ノンパレル-105(粒径710‐500、500‐355、300‐180)、Freund社製)、セルフィア(CP-507(粒径500-710)、CP-305(粒径300-500)、旭化成(株)製))など、ショ糖や結晶セルロースを基剤として球形粒子を形成させたものなどがあげられ、活性成分との配合性や、製造性を考慮して選択が可能である。なお、上記の球形核以外にも医薬品として適用可能な基剤からなる実質的に球形であるものならば上記のように限定される必要はなく、例えばコーンスターチ、乳糖、マンニトール、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、エリスリトール、ソルビトールなどを基剤原料として製した球形核であってもよく、また上記のような基剤を複数使用してなる球形核であってもよく、あるいは、乳糖、マンニトール、コーンスターチ、結晶セルロースなどの賦形剤と活性成分をヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロースなどの結合剤を用い、必要ならばカルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルボキシメチルセルロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどを加えて撹拌造粒機などで練合して造粒することにより得られた顆粒あるいは細粒は篩い分け操作により所望の大きさの粒子を得ることでもよい。また、ローラーコンパクターなどによる乾式造粒により核粒子を調製してもよい。これらの球形核の大きさは特に規定する必要はないが、粒子の大きさとしては50μmから5mm、好ましくは100μmから3mm、さらに好ましくは100μmから2mmの粒子が用いられる。これらの核は実質的に球形のものが、出来上がり顆粒等の真球度を高める点で好ましい。
一般に、医薬品に適用可能な基剤からなる核に活性成分を付着させる方法として一般的に用いられる方法としては、例えば遠心転動造粒機(CF-mini、CF-360、Freund社製)あるいは転動造粒装置(パウレック MP-10)、一般的な流動層コーティング装置、ワスタータイプのコーティング装置などを用い湿式造粒により活性成分含有粒子を調製する方法が含まれるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
上記の装置を使用して活性成分を付着させる方法としては、結合剤を含む溶液を本発明でいう実質的に球形の核に噴霧等で添加しながら、活性成分を含有する散布剤を散布し付着する方法(以下、散布法と称す)があげられる。この場合、散布剤は粉状のみならず液状であってもよく、また、結合剤を含む溶液中において結合剤は溶解または、分散されたものであってもよく、さらに結合剤のほかに、医薬品に適用可能な賦形剤を溶解または懸濁させたものでもよい。活性成分を含有する散布剤を散布する場合は、活性成分単独から成る散布剤でもよく、また予め活性成分を適当な医薬品に適用可能な賦形剤と混合した散布剤を用いてもよく、活性成分と適当な医薬品に適用可能な賦形剤とを混合することなく散布することでもよい。活性成分とその他の賦形剤を散布する順番は特に規定されず、実質的に球形の核に付着させることができればよい。当然ながら、活性成分と配合する賦形剤の一部を混合した散布剤と、その他の賦形剤を混合することなく付着させることも可能であり、散布方法は特に限定されるものではない。なお、この方法の変形としては、結合剤溶液とは別に薬物の溶液あるいは懸濁液を噴霧することでもいい。このような散布法によって実質的に球形の核粒上に活性成分含有B層を形成する。
また別の形態としては、活性成分を結合剤含有溶液に溶解あるいは懸濁させたものを本発明でいう実質的に球形の核に噴霧等により付着させることも可能である。上記の活性成分および結合剤を含む溶液には、医薬品に適用可能な賦形剤を添加することも可能である。さらに、活性成分と結合剤等を含む溶液を噴霧し活性成分を付着させる方法(以下、液添加法と称す)においても上記の散布法の如く、さらに活性成分、賦形剤等を同時に散布することも可能である。ここで、液添加法によって実質的に球形の核粒上に形成した層を活性成分含有A層と称すが、本発明の顆粒、細粒または錠剤は、核粒上に活性成分含有A層およびB層を有すればよく、その核粒上に形成されているA層およびB層の順序は問わない。
これらの方法で医薬組成物を製造する場合、医薬品に適用可能な基剤からなる実質的に球形の核の重量に対して、10倍量程度まで活性成分あるいは活性成分並びに賦形剤等を付着させることが可能である。
散布法では活性成分等の物理化学的性質により付着性が左右され、実質的には他の賦形剤と予め混合された散布剤を散布することから実質的に球形の核の重量に対する活性成分量は限定される。また、散布法による付着では出来上がった医薬組成物の機械的強度を十分にするためには、好ましくは付着させる成分量は核の重量の2〜3倍が好ましい。散布法で製造された医薬組成物からの活性成分の溶出性は比較的速やかである。一方、医薬品として投薬されるべき用量の高い活性成分では、投与される医薬組成物の重量が大きくなり、医薬品製剤としての大きさが大きくなる。
液添加法では、活性成分が結合剤を含む溶液に溶解あるいは懸濁されていることから、医薬品に適用可能な基剤からなる実質的に球形の核への活性成分の付着は堅牢であり、高濃度に活性成分を核に付着させることができることから一般的には、前出の散布法に比較して高含量化が達成でき、同一の活性成分量を含有する医薬組成物としては医薬品製剤重量が小さく、大きさ・形状を小さくすることができる。一方、活性成分が医薬品組成物中で結合剤中に分散された状態で存在することから、散布法に比較して溶出速度が遅くなる傾向がある。溶出速度の遅延は、薬効発現の遅延につながること、生物学的利用能の低下にもつながる。さらに、医薬品に適用可能な基剤からなる実質的に球形の核に、少なくとも活性成分を、さらに必要に応じて医薬品に適用可能な基剤を少なくとも一種付着させてなる顆粒にさらに放出制御能を付与させるための例えば、腸溶性基剤で被覆した腸溶性製剤においては、胃排出後の下部消化管において速やかに活性成分を溶出することが重要であることから、液添加法としての懸念材料を解決し、さらに散布法の課題である製剤の大きさをよりコンプライアンスを向上させる大きさに設計することが重要となってくる。また、放出制御の一つとしてのいわゆる徐放性能を徐放性の基剤を被覆することで付与した場合、徐放性を有する被覆膜により溶出速度をコントロールするためには、浸透してきた水分により活性成分が速やかに溶解することが期待される。
投薬されるべき活性成分量の大きい医薬組成物においては、服薬のコンプライアンス向上の観点からは前出の液添加法による医薬品組成物の製造が好ましい。このため、後述の実施例で説明するとおり、液添加法により製造した医薬組成物に腸溶性基剤を被覆してなる腸溶性製剤では、in vitroの溶出試験において活性成分の溶出特性は好ましくなく、所定量の溶出が得られなかった。
一方、本発明によれば、医薬品に適用可能な基剤からなる実質的に球形の核の重量に対して、10倍量程度まで活性成分あるいは活性成分並びに賦形剤等を付着させることが可能である。本発明は活性成分と、さらに必要に応じて医薬品に適用可能な基剤を少なくとも一種付着させてなる顆粒において活性成分を高量配合してかつ速やかに溶出させ、さらに、投薬可能な大きさに設計された医薬組成物を提供するため、前出の液添加法と散布法を組み合わせることで、速やかな溶出性を確保し、かつ服薬する医薬品の大きさを服薬時のコンプライアンスが向上する大きさに設計できる製造法に関するものである。特に放出制御基剤を被覆した放出制御製剤に適用する場合に適切であり、とりわけ腸溶性製剤に適用する場合に効果的である。
本発明において期待する医薬品組成物を製造し提供するための具体的な方法は、活性成分の物理化学的特性、とくに水への溶解度に依存するものの、医薬品に適用可能な基剤からなる実質的に球形の核の重量に対して、10倍量程度まで活性成分あるいは活性成分並びに賦形剤等を付着させることが可能であるが、好ましくは3倍量程度、より好ましくは2倍量程度がよい。さらに、核に最終的に付着させる活性成分量の80%量以下の活性成分を、好ましくは50%量以下の活性成分を、さらに好ましくは30%量以下の活性成分を第一段階として、前出の液添加方法により、医薬品に適用可能な基剤からなる実質的に球形の核(以降、核粒)に付着させたのちに、さらに前出の散布法により、残りの活性成分を付着させる。本発明における第一段階の活性成分の付着工程における、結合剤濃度は特に限定されないが、通常0.01〜20w/w%、好ましくは0.5〜10w/w%の濃度がよい。より好ましくは1〜5w/w%である。この工程における活性成分を含む結合剤中に溶解あるいは懸濁させる活性成分の量は、結合剤重量の1〜20倍が適当で、好ましくは2〜10倍がよい。液添加による第一段の活性成分等の付着工程の後に実施する第二段の散布法による活性成分等の付着工程で用いる結合剤を含む溶液中の結合剤濃度は、通常0.5〜10w/w%の濃度が好ましい。より好ましくは1〜5w/w%である。
活性成分の顆粒全体に対する含量は特に限定されないが、通常、顆粒全体の約1〜70w/w%、好ましくは5〜50w/w%、さらに好ましくは10〜40w/w%配合するような高含量顆粒等の製造に適する。
液添加法、散布法ともに使用する製造機器は特に限定されないが、本発明の実施形態における液添加法による第一段階の活性成分の付着工程では、製造機器として転動造粒装置(例えば、パウレック MP-10)が、また第二段階の工程の散布法による活性成分の付着工程では、遠心転動造粒機(例えば、CF-mini、CF-360、Freund社製)が特に適当である。
なお、本発明における実施形態において使用する結合剤液は水性溶液であればよく、通常は水でよいが、必要に応じて、水と混和するアルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール)や、アセトン、アセトニトリル等を加えてもよい。さらに結合剤を含まない溶液中に活性成分あるいは賦形剤またはその両方を溶解、懸濁して核粒に付着させる場合においてもその溶液は結合剤溶液同様の形態であってもかまわない。
錠剤、顆粒あるいは細粒の大きさとしては、50μmから5mm、好ましくは100μmから3mm、さらに好ましくは100μmから2mmの粒子が用いられる。最も好ましくは約100−1500μmの細粒や顆粒である。錠剤自身に本発明を適用してもよいが、本発明を適用した顆粒、細粒を錠剤中に配合してもよいし、本発明で得られた錠剤や本発明を適用した顆粒、細粒を配合した錠剤をさらに錠剤に配合することも可能であり、また、錠剤と顆粒、細粒等を組み合わせて1つのカプセルにいれることも可能で、その実施形態に製剤的限定はない。上記のこれら錠剤、顆粒あるいは細粒には、必要により放出制御膜か腸溶性被膜で被覆することも可能である。また、本発明の錠剤、顆粒、細粒に、必要により放出制御か腸溶性被膜で被覆したをものを錠剤中に配合するなども可能である。このように、極小さい顆粒、細粒、錠剤の製造が可能になるので、これらの顆粒等を用いて小型で高濃度のカプセルや錠剤の製造が可能になる。
なお、核粒上に本発明の活性成分含有A層のみを有する錠剤、顆粒または細粒と活性成分含有B層のみを有する錠剤、顆粒または細粒の両者を含むカプセルや錠剤等にすることによって、小型で活性成分を高濃度で含有する医薬組成物としてもよい。
本発明によれば、さらに活性成分の属性に応じて、活性成分のA層、B層中に配合する割合を調整することにより、活性成分の溶出性や放出性を適宜調節/制御できかつ所望の顆粒等のサイズ及びこれらを含む錠剤・カプセル等の最終固形製剤を所望のサイズに調節できる。ここで言う最終製剤の所望のサイズとは、市場で受け入れやすいサイズのことを意味し、カプセルで言えば、00号から5号、好ましくは0号から4号、より好ましくは1号から4号である。また錠剤で言えば、錠剤重量50mgから2g、好ましくは100mgから1g、より好ましくは100mgから600mgである。本発明の機能、およびこれらに適用できる活性成分の特徴づけを機能的に記載する。より具体的には、A層すなわち、核粒と、該核粒上に、活性成分と結合剤とを含有する溶液または懸濁液を噴霧して形成した活性成分含有層に活性成分を多く配合する場合、結合剤を多量に用いるために溶出性が低下する傾向にあり、一方、B層すなわち、結合剤含有溶液を噴霧しながら活性成分を含有する散布剤を散布して形成した活性成分含有層中に、活性成分を多く配合した場合、溶出性は維持できるが賦形剤や崩壊剤および溶解補助剤などの添加物を多く配合することから容積が大きくなる傾向にあるので、A層とB層への活性成分の配合割合を調整することにより、使用する活性成分について所望する溶出性とサイズの錠剤、顆粒または細粒を得ることができる。自体溶解度の高い活性成分の場合、A層に多く配合しても、最終製剤の薬物の溶出性を損なうことなく、かなり小型の錠剤、顆粒または細粒等の単位製剤を製造でき、その結果これらを含有するカプセル剤や錠剤の最終固形製剤は所望のサイズに調節することができる。ここで言う溶解度が高いとは、精製水、日本薬局方第14改正崩壊試験液第2液あるいは燐酸緩衝液(pH6.8)(USP27)に対する、37℃における溶解度がいずれも10mg/mL以上であることを意味する。
一方、自体溶解度の低い活性成分の場合には、A層に多く配合すると、活性成分自体の溶解度に依存して、溶出性を損なう傾向にある。また、B層に多く配合すると、溶出性を改善することは可能となるが、賦形剤や崩壊剤および溶解補助剤などの添加物を多く配合することから容積が大きくなる傾向にある。本発明のようにA層とB層組み合わせることにより、B層が完全に崩壊するまでの時間に、A層部分も水和されることから、A層自体の溶出性低下の傾向も改善される傾向にある。ここで言う溶解度が低いとは、精製水、日本薬局方第14改正崩壊試験液第2液あるいは燐酸緩衝液(pH6.8)(USP27)のいずれかに対する、37℃における溶解度が10mg/mL未満を意味する。溶解度が低い活性成分において、最終製剤の所望されるサイズは、活性成分の臨床投与量に依存するものと考えられる。例えば最終製剤1個あたりの活性成分量が10mg以下の場合には、B層に多く活性成分を配合しても所望されるサイズに調節することが可能となる。最終製剤1個あたりの活性成分量が増加し、例えば10mgから300mg、好ましくは30mgから200mg、より好ましくは30mgから100mgの場合において、本発明により活性成分の溶出性や放出性を適宜調節/制御でき、かつ所望の顆粒等のサイズ及びこれらを含む錠剤・カプセル等の最終固形製剤を所望のサイズに調節することができる。
本発明の実施形態における好ましい形態、製造法については前出の通りであるが、これらの方法で医薬組成物を製造する場合、ここでいう活性成分は一種類の物質でなくとも複数の物質を同時に用いることも可能であり、結合剤も一種類の物質でなく、複数を用いてもかまわない。ここでいう結合剤とは、狭義の結合剤にとどまらず、薬学上許容できる物質であって、薬物を付着ないし固定できるものであればよく、特に限定されないが、例えば、スクロース、ゼラチン、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、結晶セルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、マクロゴール、アラビアゴム、デキストラン、ポリビニルアルコール(PVA)、でんぷん糊などがより好ましい結合剤として挙げられる。ここでいう賦形剤とは、狭義の賦形剤にとどまらず、滑沢剤、崩壊剤、コーティング剤、着色剤、遮光剤、着香剤、酸化防止剤、pH調整剤、還元剤、キレート剤、帯電防止剤なども意味する。
例えば、滑沢剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ワックス類、DL-ロイシン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、マクロゴール、エアロジル(帯電防止剤としても可能)などが、崩壊剤としては、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、架橋ポリビニルピロリドン、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、陽イオン交換樹脂、部分α化でんぷん、トウモロコシデンプンなどが挙げられる。
着色剤としては、医薬品に適用可能な合成着色剤(例えば、サンセットイエロー等及びそれらのアルミニウムレーキなど)、黄色三二酸化鉄(黄ベンガラ)、三二酸化鉄(赤ベンガラ)、リボフラビン、リボフラビン有機酸エステル(例えば、リボフラビン酪酸エステル)、リン酸リボフラビンあるいはそのアルカリ金属、アルカリ土類金属塩、フェノールフタレイン、酸化チタン、リコピン、β―カロチンなどが挙げられる。
遮光剤としては酸化チタンなどが挙げられる。
酸化防止剤としては、BHT,トコフェロール、トコフェロールエステル(例えば、酢酸トコフェロール)、アスコルビン酸あるいはそれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、リコピン、β―カロチンなどが挙げられる。
還元剤としては、シスチン、システインなどが挙げられる。
キレート剤としては、EDTA、EDTAのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、クエン酸、酒石酸などが、またpH調整剤としては、実質的にpHを調整できるものであって医薬品に適用可能あれば規制されないが、例えば、塩酸、硫酸、リン酸の無機塩(例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩)及び無機塩基(例えばアンモニウム)、有機塩基(例えば、メグルミン、アミノ酸)との塩、並びにそれらの水和物、溶媒和物、またホウ酸、有機酸(例えば蟻酸、酢酸、乳酸、りんご酸、クエン酸、マレイン酸、トシル酸、メシル酸、アスコルビン酸、イソソルビン酸、エリソルビン酸等の可食性の酸)およびそれらの無機塩(例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩)及び無機塩基(例えばアンモニウム)、有機塩基(例えば、メグルミン、塩基性アミノ酸、トロメタモール)との塩、並びにそれらの水和物、溶媒和物等が挙げられる。さらに、アミノ酸、塩基性アミノ酸及びそれらの塩類、酸性アミノ酸及びそれらの塩類、塩基性有機化合物およびそれらの塩類(例えばメグルミン、トロメタモール)でもよい。特に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、メグルミン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウム、リン酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウムおよびこれらの水和物が挙げられる。特に、モサプリド、シサプリドなどの消化管運動促進薬、胃炎、胃食道逆流症、胃・十二指腸潰瘍の治療薬であるファモチジン、ラニチジン、シメチジンなどのH2ブロッカーおよびランソプラゾールおよびその光学活性体(R体およびS体、好ましくはR体(以下、化合物Aと称することがある))、オメプラゾールおよびその光学活性体(S体:エスオメプラゾール)、ラベプラゾールおよびその光学活性体、パントプラゾールおよびその光学活性体などのベンズイミダゾール系プロトンポンプインヒビター(PPI)などにあっては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウム、酢酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カルシウム及びそれらの水和物がとりわけ好ましい。水和物の替わりに例えばエタノールなどの溶媒和物であってもよい。
賦形剤としては、さらに、乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトール、エリスリトール、麦芽糖、マルチトース、トウモロコシデンプン、小麦粉、部分α化デンプン、デキストリン、カルボキシメチルデンプン、ゼラチン、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酒石酸などが上げられる。なお、本発明の実施形態としては、上記の賦形剤に規定されるものではない。
本発明により製される活性成分を含有する顆粒には、さらに遮光の目的や、味のマスキング、着色防止のためフィルムコーティングを施すことが通常の製造法で可能であり、また放出制御のための被覆を施すことができる。フィルムコーティング基剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC),ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC),ポリビニルピロリドン(PVP),エチルセルロース、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、酢酸フタル酸セルロース、メタアクリル酸コポリマー類(例えば、メタクリル酸メチル・メタクリル酸共重合体(Eudragit L100 or S100、Rohm社製)、メタクリル酸・アクリル酸エチル共重合体(Eudragit L100-55,L30D-55)、メタクリル酸・アクリル酸メチル・メタクリル酸メチル共重合体(Eudragit FS30D、Rohm社製))、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP-55, HP-50、信越化学(株)製)、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC、フロイント産業(株)製)、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS 信越化学(株)製)、ポリビニルアセテートフタレート、シェラックなどが用いられる。これらは単独で、あるいは少なくとも2種以上のポリマーを組み合わせて、または少なくとも2種以上のポリマーを順次コーティングしてもよい。
活性成分の放出をpH依存的に制御するためのコーティング物質としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP-55, HP-50、信越化学(株)製)、セルロースアセテートフタレート、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC、フロイント産業(株)製)、メタクリル酸メチル・メタクリル酸共重合体(Eudragit L100 or S100、Rohm社製)、メタクリル酸・アクリル酸エチル共重合体(Eudragit L100-55,L30D-55)、メタクリル酸・アクリル酸メチル・メタクリル酸メチル共重合体(Eudragit FS30D、Rohm社製)、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS 信越化学(株)製)、ポリビニルアセテートフタレート、シェラックなどが用いられる。なお、腸溶性製剤とする場合には、好ましくはpH>6.0以上、より好ましくはpH>6.5、さらに好ましくはpH6.75以上で溶解するように、コーティング物質を単独であるいは必要により組み合わせて用いるのが望ましい。ここで、pH Mcllvain 溶液あるいは Clark-Lubs 溶液で調整したpHを意味する。以下、pH依存的に溶解する膜のpHとは、このpHを意味する。さらにコーティングには必要に応じてポリエチレングリコール、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、トリアセチン、クエン酸トリエチルなどの可塑剤、安定化剤などを用いてもよい。コーティング物質の量はコーティングの対象となる粒に対して0.5%−300%、好ましくは1%−100%、より好ましくは5%−60%が望ましい。
このようにして得られた活性成分含有粒にさらにコーティングを施して中間被覆層を設けて、このような粒子を核粒子としてもよい。主薬が、例えば、PPIなど酸に対して不安定な薬物である場合など、中間被覆層を設けて活性成分含有核粒子と放出制御膜との直接の接触を遮断することは、薬剤の安定性の向上を図る上で好ましい。このような中間被覆層は複数の層で形成されていてもよい。
中間被覆層用のコーティング物質としては、例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、TC-5等)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースなどの高分子基剤に、ショ糖〔精製白糖(粉砕したもの(粉糖)や粉砕しないもの)等〕、コーンスターチなどの澱粉糖、乳糖、蜂蜜および糖アルコール(D−マンニトール,エリスリトールなど)等の糖類を適宜配合したものなどが挙げられる。
また、酸性条件で不安定な活性成分や、賦形剤を配合し、本発明により製される活性成分を含有する顆粒に腸溶性基剤を被覆する場合にも、活性成分の安定性に影響しないいわゆる中間層を形成しておくことが好ましい。放出制御のためのコーティングを施す前に適当な賦形剤を活性成分を含まない散布法、液添加法で中間層を形成しておくことでもよいしフィルムコーティングしてもよい。特に放出制御の一つの形態である腸溶性コーティングでは中間層を施すことは好ましい形態である。中間被覆層の被覆量は、主薬を含有する顆粒1重量部に対して、通常、約0.02重量部〜約1.5重量部、好ましくは約0.05〜約1重量部である。被覆は常法によって行える。この中間層としては、例えば、マンニトール、ソルビトール、乳糖、コーンスターチ(とうもろこしでんぷん)、白糖、酸化チタン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、タルク、黄色三二酸化鉄(黄ベンガラ)、三二酸化鉄(赤ベンガラ)、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ゼラチン、プルランなどで構成されるが、前出の賦形薬として列挙した物質を添加してもよく、限定されるものではない。中間層をフィルムコーティング膜として構成する場合は、フィルムコーティング基剤としては、好ましくは、放出制御性のないものがよく、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC),ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、プルラン、白糖による糖衣などが選ばれ、フィルム層中には他の賦形剤を所望に応じて、例えば、タルク、酸化チタン、マクロゴール、黄色三二酸化鉄(黄ベンガラ)、三二酸化鉄(赤ベンガラ)、エアロジルなども適宜配合することも可能である。
このようにして得られた本発明における医薬組成物は、ポリエチレンオキサイド(PEO、例えばPolyox WSR-303 分子量7000000、Polyox WSR Coagulant 分子量5000000、Polyox WSR 301 分子量4000000、Polyox WSR N-60K 分子量2000000、Polyox WSR 205 分子量600000、Dow Chemical社製)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、Metlose 90SH10000、Metlose 90SH50000、Metlose 90SH30000、信越化学(株)製)、カルボキシメチルセルロース(CMC-Na、Sanlose F-1000MC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC、例えばHPC-H、日本曹達(株)製)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシビニルポリマー(ハイビスワコー(R)103、104、105、和光純薬(株)製、カーボポール943、Goodrich社製)、キトサン、アルギン酸ナトリウム、ペクチンなど水と接触することにより粘性を生じる物質を被覆した錠剤、顆粒あるいは細粒を放出制御顆粒としてもよい。
本発明における医薬組成物は自体最終的に投与される形態の医薬品として提供されるが、これらの錠剤、顆粒、細粒を用いて、さらに別の最終的に投与される形態に製剤化してもよい。このような剤形として、カプセル、カプレット、口腔内崩壊錠、バッカル製剤、ジンジバル製剤、粘膜付着製剤(顆粒、錠剤、シート、ゲルなど)等の経口固形製剤が挙げられ、このような製剤にするためにさらに賦形剤(例えば、ぶどう糖、果糖、乳糖、蔗糖、D−マンニトール、エリスリトール、マルチトール、トレハロース、ソルビトール、トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、コムギデンプン、コメデンプン、結晶セルロース、無水ケイ酸、無水リン酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウムなど)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、部分α化デンプン、α化デンプン、アルギン酸ナトリウム、プルラン、アラビアゴム末、ゼラチンなど)、崩壊剤(例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルスターチなど)、矯味剤(例えば、クエン酸、アスコルビン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、グルタミン酸ナトリウム、5'−イノシン酸ナトリウム、5'−グアニル酸ナトリウムなど)、界面活性剤(例えば、ポリソルベート(ポリソルベート80など)、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合物、ラウリル硫酸ナトリウムなど)、香料(例えば、レモン油、オレンジ油、メントール、はっか油など)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、蔗糖脂肪酸エステル、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、タルク、ポリエチレングリコールなど)、着色剤(例えば、酸化チタン、食用黄色5号、食用青色2号、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄など)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸ナトリウム、L−システイン、亜硫酸ナトリウムなど)、隠蔽剤(例えば、酸化チタンなど)、静電気防止剤(例えば、タルク、酸化チタンなど)などの添加剤を添加して用いることができる。加えて、カプセル(例えば、ゼラチンカプセル、プルランカプセル、HPMCカプセル、PVAカプセルなど)に充填して医薬品とすることができる。
活性成分が下記するPPIである製剤等においては、安定化剤として塩基性無機塩を添加するのが好ましい。
本発明で用いられる塩基性無機塩としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウムの塩基性無機塩が挙げられる。好ましくはマグネシウムまたはカルシウムの塩基性無機塩が挙げられる。さらに好ましくはマグネシウムの塩基性無機塩が挙げられる。またこれらは、水和物であても、溶媒和物であってもかまわない。以下の例では、特に表記しないが、水和物、溶媒和物も意味する。
ナトリウムの塩基性無機塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトルム、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。
カリウムの塩基性無機塩としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
マグネシウムの塩基性無機塩としては、例えば、重質炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム、珪酸マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト[Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O]及び水酸化アルミナ・マグネシウム[2.5MgOAl2O3・xH2O]、好ましくは、重質炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。
カルシウムの塩基性無機塩としては、沈降炭酸カルシウム、水酸化カルシウムなどが挙げられる。
塩基性無機塩としてより好ましくは、重質炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。
本発明で用いられる塩基性無機塩は、その1%水溶液または懸濁液のpHが塩基性(pH7以上)を示すものであればよい。
塩基性無機塩は、1種または2種以上を組み合わせて配合してもよく、その配合量はPPI(ベンズイミダゾール系化合物など)1重量部に対して、約0.2〜約0.6重量部、好ましくは約0.2〜約0.4重量部配合させるとよい。とりわけ、PPIがランソプラゾールまたはその光学活性体の時は、PPI1重量部に対し、約0.2〜約0.4重量部の塩基性無機塩(好ましくは、マグネシウム、カルシウムの塩基性無機塩、さらに好ましくは、炭酸マグネシウム)を配合するのが好ましい。
活性成分としては特に制限されるものではなく、薬効領域にかかわらず適用することができる。インドメタシン、アセトアミノフェンなどの抗炎症薬、モルヒネなどの鎮痛剤、ジアゼパム、ジルチアゼムなどの心血管系作用薬、クロルフェニラミンマレアートなどの抗ヒスタミン薬、フルオロウラシル、アクラルビシンなどの抗腫瘍薬、ミダゾラムなどの催眠薬、エフェドリンなどの抗鬱血薬、ハイドロクロロサイアザイド、フロセミドなどの利尿薬、テオフィリンなどの気管支拡張薬、コデインなどの鎮咳薬、キニジン、ジゾキシンなどの抗不整脈薬、トルブタマイド、ピログリタゾン、トログリタゾンなどの抗糖尿病薬、アスコルビン酸などのビタミン類、フェニトインなどの抗痙攣薬、リドカインなどの局所麻酔薬、ヒドロコルチゾンなどの副腎皮質ホルモン、エーザイなどの中枢神経に作用する薬、プラバスタチンなどの抗高脂血症薬、アモキシシリン、セファレキシンなどの抗生物質、モサプリド、シサプリドなどの消化管運動促進薬、胃炎、胃食道逆流症、胃・十二指腸潰瘍の治療薬であるファモチジン、ラニチジン、シメチジンなどのHブロッカーおよびランソプラゾールおよびその光学活性体(R体およびS体、好ましくはR体(以下、化合物Aと称することがある))、オメプラゾールおよびその光学活性体(S体:エスオメプラゾール)、ラベプラゾールおよびその光学活性体、パントプラゾールおよびその光学活性体などのベンズイミダゾール系プロトンポンプインヒビター(PPI)およびテナトプラゾ−ルなどイミダゾピリジン系PPI等が例として挙げられる。
とりわけ、ランソプラゾールとその光学活性体等の下記一般式(I)で表されるベンズイミダゾール系化合物もしくはその塩またはその光学活性体であるPPIなどの酸に不安定な活性成分を用いた製剤における薬効の持続効果が顕著であり、これらの活性成分に好ましく適用される。
Figure 0004578124
式中、環Aは置換基を有していてもよいベンゼン環、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアラルキル基、アシル基またはアシルオキシ基、R、RおよびRは、それぞれ同一または異なって、水素原子、置換基を有していもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基または置換基を有していてもよいアミノ基、およびYは窒素原子またはCHを示す。
前記式(I)において、好ましい化合物は、環Aが、ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC1-4アルキル基、ハロゲン化されていてもよいC1-4アルコキシ基および5または6員複素環基から選ばれた置換基を有していてもよいベンゼン環であり、Rは水素原子、置換されていてもよいアラルキル基、アシル基またはアシルオキシ基であり、RがC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基またはジ−C1−6アルキルアミノ基であり、Rが水素原子、C1−6アルコキシ−C1‐6アルコキシ基またはハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基であり、Rが水素原子またはC1−6アルキル基であり、Yが窒素原子である化合物である。
特に好ましくは、式(Ia):
Figure 0004578124
〔式中、RはC1−3アルキル基またはC1−3アルコキシ基、Rはハロゲン化されているかまたはC1−3アルコキシ基で置換されていてもよいC1−3アルコキシ基、Rは水素原子またはC1−3アルキル基、Rは、水素原子、ハロゲン化されていてもよいC1−3アルコキシ基またはピロリル基(例えば、1‐,2−または3−ピロリル基)を示す〕で表される化合物である。
式(Ia)において、RがC1−3アルキル基、Rがハロゲン化されていてもよいC1−3アルコキシ基、Rが水素原子、Rが水素原子またはハロゲン化されていてもよいC1−3アルコキシ基である化合物が特に好ましい。
上記式(I)で表される化合物〔以下、化合物(I)と称する〕中、環Aで示される「置換基を有していてもよいベンゼン環」の「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、ヒドロキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、カルボキシ基、アシル基、アシルオキシ基、5ないし10員複素環基などが挙げられ、これらの置換基はベンゼン環に1ないし3個程度置換していてもよい。置換基の数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。これらの置換基のうち、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基などが好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素原子などが挙げられる。なかでもフッ素が好ましい。
「置換基を有していてもよいアルキル基」の「アルキル基」としては、例えば、C1−7アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec‐ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル基など)が挙げられる。「置換基を有していてもよいアルキル基」の「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C1−6アルコキシ−カルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル基等)、カルバモイル基などで例示でき、これらの置換基の数は1ないし3個程度であってもよい。置換基の数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。
「置換基を有していてもよいアルコキシ基」の「アルコキシ基」としては、例えば、C1−6アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、ペントキシ等)などが挙げられる。「置換基を有していてもよいアルコキシ基」の「置換基」としては、上記「置換基を有していてもよいアルキル基」の「置換基」と同様のものが例示でき、置換基の置換数も同様である。
「アリール基」としては、例えば、C6−14アリール基(例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニル、2−アンスリル基等)などが挙げられる。
「アリールオキシ基」としては、例えば、C6−14アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ基等)などが挙げられる。
「アシル基」としては、例えば、ホルミル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、カルバモイル、アルキルカルバモイル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル基などが挙げられる。
「アルキルカルボニル基」としては、C1−6アルキル−カルボニル基(例えば、アセチル、プロピオニル基等)などが挙げられる。
「アルコキシカルボニル基」としては、例えば、C1−6アルコキシ−カルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル基等)などが挙げられる。
「アルキルカルバモイル基」としては、N−C1−6アルキル−カルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル基等)、N,N−ジC1−6アルキル−カルバモイル基(例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル基等)などが挙げられる。
「アルキルスルフィニル基」としては、例えば、C1−7アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル基等)が挙げられる。
「アルキルスルホニル基」としては、例えば、C1−7アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル基等)が挙げられる。
「アシルオキシ基」としては、例えば、アルキルカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルキルカルバモイルオキシ基、アルキルスルフィニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基などが挙げられる。
「アルキルカルボニルオキシ基」としては、C1−6アルキル−カルボニルオキシ基(例えば、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ基等)などが挙げられる。
「アルコキシカルボニルオキシ基」としては、例えばC1−6アルコキシ−カルボニルオキシ基(例えば、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシ基等)などが挙げられる。
「アルキルカルバモイルオキシ基」としては、C1−6アルキル−カルバモイルオキシ基(例えば、メチルカルバモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシ基等)などが挙げられる。
「アルキルスルフィニルオキシ基」としては、例えばC1−7アルキルスルフィニルオキシ基(例えば、メチルスルフィニルオキシ、エチルスルフィニルオキシ、プロピルスルフィニルオキシ、イソプロピルスルフィニルオキシ基等)が挙げられる。
「アルキルスルホニルオキシ基」としては、例えばC1−7アルキルスルホニルオキシ基(例えば、メチルスルホニルオキシ、エチルスルホニルオキシ、プロピルスルホニルオキシ、イソプロピルスルホニルオキシ基等)が挙げられる。
「5ないし10員複素環基」としては、例えば、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1個以上(例えば、1〜3個)を含む5ないし10員(好ましくは5または6員)複素環基が挙げられ、具体例としては、2−または3‐チエニル基、2−、3−または4‐ピリジル基、2−または3‐フリル基、1‐、2−または3−ピロリル基、2−、3‐、4‐、5−または8−キノリル基、1‐、3‐、4−または5−イソキノリル基、1‐、2−または3−インドリル基などが挙げられる。このうち好ましくは1‐、2−または3−ピロリル基などの5または6員複素環基である。
好ましくは環Aは、ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC1−4アルキル基、ハロゲン化されていてもよいC1−4アルコキシ基および5または6員複素環基から選ばれる置換基を1または2個有していてもよいベンゼン環である。
で示される「置換基を有していてもよいアラルキル基」の「アラルキル基」としては、例えば、C7−16アラルキル基(例えば、ベンジル、フェネチルなどのC6−10アリールC1−6アルキル基等)などが挙げられる。「置換基を有していてもよいアラルキル基」の「置換基」としては、上記「置換基を有していてもよいアルキル基」の「置換基」と同様の置換基が例示でき、置換基の数は1ないし4個程度である。置換基の数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。
で示される「アシル基」としては、例えば、上記環Aの置換基として記載した「アシル基」が挙げられる。
で示される「アシルオキシ基」としては、例えば、上記環Aの置換基として記載した「アシルオキシ基」が挙げられる。
好ましいRは水素原子である。
、RまたはRで示される「置換基を有していてもよいアルキル基」としては、上記環Aの置換基として記載した「置換基を有していてもよいアルキル基」が挙げられる。
、RまたはRで示される「置換基を有していてもよいアルコキシ基」としては、上記環Aの置換基として記載した「置換基を有していてもよいアルコキシ基」が挙げられる。
、RまたはRで示される「置換基を有してもよいアミノ基」としては、例えば、アミノ基、モノ−C1−6アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ等)、モノ−C6−14アリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ、1−ナフチルアミノ、2−ナフチルアミノ等)、ジーC1−6アルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等)、ジ−C6−14アリールアミノ基(例えば、ジフェニルアミノ等)などが挙げられる。
好ましいRは、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基、ジ−C1−6アルキルアミノ基である。さらに好ましいRはC1−3アルキル基またはC1−3アルコキシ基である。
好ましいRは、水素原子、C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基またはハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基である。さらに好ましいRはハロゲン化されているかまたはC1−3アルコキシ基で置換されていてもよいC1−3アルコキシ基である。
好ましいRは、水素原子またはC1−6アルキル基である。さらに好ましいRは水素原子またはC1−3アルキル基(特に水素原子)である。
好ましいYは窒素原子である。
化合物(I)の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−イミダゾール(ランソプラゾール)、
2−[[(3,5−ジメチルー4−メトキシ−2−ピリジニル)メチル]スルフィニル]‐5‐メトキシ−1H−ベンズイミダゾール、
2−[[[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチル−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール・ナトリウム塩、
5−ジフルオロメトキシ−2−[[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジニル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールなど。
これらの化合物のうち、特にランソプラゾールすなわち2−[[[3‐メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールが好ましい。
上記した、ベンズイミダゾール系化合物のPPIのほかにイミダゾピリジン系化合物のPPIも本発明が好適に適用される。このようなイミダゾピリジン系化合物のPPIとしては、例えば、テナトプラゾールが挙げられる。
なお、上記化合物(I)やイミダゾピリジン系化合物は、ラセミ体であってもよく、R−体、S−体などの光学活性体であってもよい。例えば、(R)−2−[[[3‐メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールおよび(S)−2−[[[3‐メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールなどの光学活性体が特に本発明に好適である。尚、ランソプラゾール、ランソプラゾールR体およびランソプラゾールS体等は通常結晶が好ましいが、後記するように製剤化すること自体で安定化されることに加え、塩基性無機塩を配合し、さらに中間被膜層を設けることにより、より安定化されるので、結晶のみならず非晶形のものも用いることができる。
化合物(I)の塩としては、薬学的に許容される塩が好ましく、例えば、無機塩基との塩、有機塩基との塩、塩基性アミノ酸との塩などが挙げられる。
無機塩基との塩の好適な例としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩などが挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、例えば、アルキルアミン(トリメチルアミン、トリエチルアミンなど)、複素環式アミン(ピリジン、ピコリンなど)、アルカノールアミン(エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなど)、ジシクロヘキシルアミン、N,N'−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられる。
これらの塩のうち好ましくは、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩である。とりわけナトリウム塩が好ましい。
化合物(I)は、自体公知の方法により製造でき、例えば、特開昭61‐50978号、米国特許4,628,098、特開平10‐195068号、WO 98/21201、特開昭52−62275号、特開昭54−141783号等に記載の方法またはこれらに準じた方法により製造される。なお、光学活性な化合物(I)は、光学分割法(分別再結晶法、キラルカラム法、ジアステレオマー法、微生物または酵素を用いる方法など)不斉酸化などの方法で得ることができる。また、ランソプラゾールR体は、例えばWO 00−78745、WO 01/83473等に記載の製造法などに従い製造することもができる。
本発明で用いる抗潰瘍作用を有するPPIであるベンズイミダゾール系化合物およびイミダゾピリジン系化合物としては、ランソプラゾール、オメプラゾール、ラベプラゾール、パントプラゾール、レミノプラゾールおよびテナトプラゾール(TU−199)などまたはそれらの光学活性体ならびにそれらの薬学的に許容される塩が好ましく、さらに好ましくはランソプラゾールまたはその光学活性体特にR体(以下、化合物Aと称することがある)が好ましい。ランソプラゾールまたはその光学活性体特にR体は、結晶形が好ましいが非晶形であってもよい。また、これらPPIのプロドラッグにも好都合に適用される。
これらのプロドラッグの好ましいものとして、化合物(I)に含まれるプロドラッグに加え、WO03/105845に記載されている下記一般式(II)で表される化合物および後述の一般式(III)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004578124

上記式(II)で表される化合物〔以下、化合物(II)と称する〕において、B環は「置換基を有していてもよいピリジン環」を示す。
B環で示される「置換基を有していてもよいピリジン環」のピリジン環はその置換可能な位置に1ないし4個の置換基を有していてもよい。置換基としては、例えばハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、置換基を有していてもよい炭化水素基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基等の炭素数1ないし6のアルキル基等)、置換基を有していてもよいアミノ基(例えば、アミノ;メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ基等の炭素数1ないし6のアルキル基でモノ−置換ないしジ−置換されたアミノ基等)、アミド基(例えば、ホルムアミド、アセトアミド等のC1−3アシルアミノ基等)、置換基を有していてもよい低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、3−メトキシプロポキシ基等の炭素数1ないし6のアルコキシ基)、低級アルキレンジオキシ基(例えば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ等のC1−3アルキレンジオキシ基等)等が挙げられる。
B環で示される「置換基を有していてもよいピリジン環」の置換基が有し得る置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル基等の炭素数1ないし6のアルキル基等)、低級アルケニル基(例えば、ビニル、アリル基等の炭素数2ないし6のアルケニル基等)、低級アルキニル基(例えば、エチニル、プロパルギル基等の炭素数2ないし6のアルキニル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル基等の炭素数3ないし8のシクロアルキル基等)、低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ基等の炭素数1ないし6のアルコキシ基等)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、チオール基、カルボキシル基、低級アルカノイル基(例えば、ホルミル;アセチル、プロピオニル、ブチリル基等の炭素数1ないし6のアルキル−カルボニル基等)、低級アルカノイルオキシ基(例えば、ホルミルオキシ;アセチルオキシ、プロピオニルオキシ基等の炭素数1ないし6のアルキル−カルボニルオキシ基等)、低級アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル基等の炭素数1ないし6のアルコキシ−カルボニル基等)、アラルキルオキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル基等の炭素数7ないし11のアラルキルオキシ−カルボニル基等)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル基等の炭素数6ないし14のアリール基等)、アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ基等の炭素数6ないし14のアリールオキシ基等)、アリールカルボニル基(例えば、ベンゾイル、ナフトイル基等の炭素数6ないし14のアリール−カルボニル基等)、アリールカルボニルオキシ基(例えば、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ基等の炭素数6ないし14のアリール−カルボニルオキシ基等)、置換基を有していてもよいカルバモイル基(例えば、カルバモイル;メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル基等の炭素数1ないし6のアルキル基でモノ−置換ないしジ−置換されたカルバモイル基等)、置換基を有していてもよいアミノ基(例えば、アミノ;メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ基等の炭素数1ないし6のアルキル基でモノ−置換ないしジ−置換されたアミノ基等)等が挙げられ、置換基の数および置換位置に特に限定はない。
B環で示される「置換基を有していてもよいピリジン環」の置換基の数および置換位置に特に限定はないが、1ないし3個の上記置換基がピリジン環の3、4、および5位のいずれかに置換しているのが好ましい。
B環で示される「置換基を有していてもよいピリジン環」としては、3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジルが好ましい。
上記式(II)において、C環はイミダゾール部分と縮合する「置換基を有していてもよいベンゼン環」または「置換基を有していてもよい芳香族単環式複素環」を示し、なかでも前者が好ましい。
C環で示される「置換基を有していてもよいベンゼン環」の該ベンゼン環はその置換可能な位置に1ないし4個の置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、置換基を有していてもよい炭化水素基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基等の炭素数1ないし6のアルキル基等)、置換基を有していてもよいアミノ基(例えば、アミノ;メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ基等の炭素数1ないし6のアルキル基でモノ−置換ないしジ−置換されたアミノ基等)、アミド基(例えば、ホルムアミド、アセトアミド等のC1-3アシルアミノ基等)、置換基を有していてもよい低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、ジフルオロメトキシ基等の炭素数1ないし6のアルコキシ基等)、低級アルキレンジオキシ基(例えば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ等のC1-3アルキレンジオキシ基等)等が挙げられる。
C環で示される「置換基を有していてもよいベンゼン環」の置換基が有し得る置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル基等の炭素数1ないし6のアルキル基等)、低級アルケニル基(例えば、ビニル、アリル基等の炭素数2ないし6のアルケニル基等)、低級アルキニル基(例えば、エチニル、プロパルギル基等の炭素数2ないし6のアルキニル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル基等の炭素数3ないし8のシクロアルキル基等)、低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ基等の炭素数1ないし6のアルコキシ基等)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、チオール基、カルボキシル基、低級アルカノイル基(例えば、ホルミル;アセチル、プロピオニル、ブチリル基等の炭素数1ないし6のアルキル−カルボニル基等)、低級アルカノイルオキシ基(例えば、ホルミルオキシ;アセチルオキシ、プロピオニルオキシ基等の炭素数1ないし6のアルキル−カルボニルオキシ基等)、低級アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル基等の炭素数1ないし6のアルコキシ−カルボニル基等)、アラルキルオキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル基等の炭素数7ないし17のアラルキルオキシ−カルボニル基等)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル基等の炭素数6ないし14のアリール基等)、アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ基等の炭素数6ないし14のアリールオキシ基等)、アリールカルボニル基(例えば、ベンゾイル、ナフトイル基等の炭素数6ないし14のアリール−カルボニル基等)、アリールカルボニルオキシ基(例えば、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ基等の炭素数6ないし14のアリール−カルボニルオキシ基等)、置換基を有していてもよいカルバモイル基(例えば、カルバモイル;メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル基等の炭素数1ないし6のアルキル基でモノ−置換ないしジ−置換されたカルバモイル基等)、置換基を有していてもよいアミノ基(例えば、アミノ;メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ基等の炭素数1ないし6のアルキル基でモノ−置換ないしジ−置換されたアミノ基等)等が挙げられ、置換基の数および置換位置に特に限定はない。
C環で示される「置換基を有していてもよいベンゼン環」としては、ベンゼン環が好ましい。
C環で示される「置換基を有していてもよい芳香族単環式複素環」の「芳香族単環式複素環」としては、例えば、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、フラザン、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン等の5ないし6員の芳香族単環式複素環等が挙げられる。これらC環で示される「芳香族単環式複素環」としては、とりわけ、ピリジン環が好ましい。C環で示される「置換基を有していてもよいベンゼン環」と同様の置換基をその置換可能な位置に1ないし4個有していてもよい。
「置換基を有していてもよい芳香族単環式複素環」の「芳香族単環式複素環」がイミダゾール部分と縮合する位置に特に限定はない。
上記式(II)において、X1、X2はそれぞれ酸素原子または硫黄原子を示す。X1およびX2がともに酸素原子を示す場合が好ましい。
上記式(II)において、Wは「置換基を有していてもよい二価の鎖状炭化水素基」、あるいは式:
Figure 0004578124
(式中、W1、W2はそれぞれ「二価の鎖状炭化水素基」または結合手を示し、Zは「置換基を有していてもよい二価の炭化水素環基」、「置換基を有していてもよい二価の複素環基」、酸素原子、SOn(式中、nは0、1または2を示す)または>N−E(式中、Eは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、低級アルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、チオカルバモイル基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基、スルファモイル基、モノ−低級アルキルスルファモイル基、ジ−低級アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、アリールスルフィニル基、アリールスルホニル基、アリールカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基を示す)を示し、Zが酸素原子、SOnまたは>N−Eである場合、W1、W2はそれぞれ「二価の鎖状炭化水素基」を示す)で表わされる二価の基を示す。なかでも、Wとしては「置換基を有していてもよい二価の鎖状炭化水素基」が好ましい。
Wで示される「置換基を有していてもよい二価の鎖状炭化水素基」の「二価の鎖状炭化水素基」および、W1、W2で示される「二価の鎖状炭化水素基」としては、例えば、C1-6アルキレン基(例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン等)、C2-6アルケニレン基(例えば、エテニレン等)、C2-6アルキニレン基(例えば、エチニレン等)等が挙げられる。Wの二価の鎖状炭化水素基は、C環で示される「置換基を有していてもよいベンゼン環」と同様の置換基をその置換可能な位置に1ないし6個有していてもよい。
Wで示される「置換基を有していてもよい二価の鎖状炭化水素基」の「二価の鎖状炭化水素基」および、W1、W2で示される「二価の鎖状炭化水素基」としては、メチレン基、エチレン基が好ましい。Wとしては、エチレン基が特に好ましい。Zが酸素原子、SOnまたは>N−E(n及びEは前義の通り)のとき、W1で示される「二価の鎖状炭化水素基」としては、炭素数2以上の炭化水素基が好ましい。
Zで示される「置換基を有していてもよい二価の炭化水素環基」の「炭化水素環」としては、例えば、脂環式炭化水素環および芳香族炭化水素環等が挙げられ、炭素数3ないし16のものが好ましく、C環で示される「置換基を有していてもよいベンゼン環」と同様の置換基をその置換可能な位置に1ないし4個有していてもよい。炭化水素環としては、例えば、シクロアルカン、シクロアルケンおよびアレーン等が用いられる。
Zで示される「置換基を有していてもよい二価の炭化水素環基」の「シクロアルカン」としては、例えば、低級シクロアルカン等が好ましく、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンおよびアダマンタン等のC3-10シクロアルカン等が汎用される。
Zで示される「置換基を有していてもよい二価の炭化水素環基」の「シクロアルケン」としては、例えば低級シクロアルケンが好ましく、例えばシクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等のC4-9シクロアルケン等が汎用される。
Zで示される「置換基を有していてもよい二価の炭化水素環基」の「アレーン」としては、例えばベンゼン、ナフタレン、フェナントレン等のC6-14アレーン等が好ましく、例えばフェニレン等が汎用される。
Zで示される「置換基を有していてもよい二価の複素環基」の「複素環」としては、環系を構成する原子(環原子)として、酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれるヘテロ原子1ないし3種(好ましくは1ないし2種)を少なくとも1個(好ましくは1ないし4個、さらに好ましくは1ないし2個)含む、5〜12員の「芳香族複素環」あるいは「飽和または不飽和の非芳香族複素環」等が挙げられ、C環で示される「置換基を有していてもよいベンゼン環」と同様の置換基をその置換可能な位置に1ないし4個有していてもよい。
Zで示される「置換基を有していてもよい二価の複素環基」の「芳香族複素環」としては、芳香族単環式複素環または芳香族縮合複素環等が挙げられる。
該「芳香族単環式複素環」としては、例えば、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、フラザン、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン等の5ないし6員の芳香族単環式複素環等が挙げられる。
該「芳香族縮合複素環」としては、例えば、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、1H−インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾオキサゾール、1,2−ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、1,2−ベンゾイソチアゾール、1H−ベンゾトリアゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、フタラジン、ナフチリジン、プリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、アクリジン、フェノキサジン、フェノチアジン、フェナジン、フェノキサチイン、チアントレン、フェナントリジン、フェナントロリン、インドリジン、ピロロ〔1,2−b〕ピリダジン、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリジン、イミダゾ〔1,2−a〕ピリジン、イミダゾ〔1,5−a〕ピリジン、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン、イミダゾ〔1,2−a〕ピリミジン、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−a〕ピリジン、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−b〕ピリダジン等の8〜12員の芳香族縮合複素環等が挙げられる。
Zで示される「置換基を有していてもよい二価の複素環基」の「飽和または不飽和の非芳香族複素環」としては、例えば、オキシラン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ピペリジン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、アゼパン、オキセパン、チエン、オキサゼパン、チアゼパン、アゾカン、オキソカン、チオカン、オキサゾカン、チアゾカン等の3〜8員(好ましくは5〜6員)の飽和あるいは不飽和(好ましくは飽和)の非芳香族複素環(脂肪族複素環)などが挙げられる。これらは、オキソ置換されていてもよく、例えば、2−オキソアゼチジン、2−オキソピロリジン、2−オキソピペリジン、2−オキソアゼパン、2−オキソアゾカン、2−オキソテトラヒドロフラン、2−オキソテトラヒドロピラン、2−オキソテトラヒドロチオフェン、2−オキソチアン、2−オキソピペラジン、2−オキソオキセパン、2−オキソオキサゼパン、2−オキソチエパン、2−オキソチアゼパン、2−オキソオキソカン、2−オキソチオカン、2−オキソオキサゾカン、2−オキソチアゾカン等でもよい。
Zで示される「置換基を有していてもよい二価の炭化水素環基」の「炭化水素環基」あるいは「置換基を有していてもよい二価の複素環基」の「複素環基」からの2本の結合手は可能な位置であればどこでもよい。
Eで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」および「置換基を有していてもよい複素環基」は、後述で定義する通りである。
Eで示される「低級アルカノイル基」として、例えば、ホルミル;アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル等のC1-6アルキル−カルボニル基等が用いられる。
Eで示される「低級アルコキシカルボニル基」として、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル等のC1-6アルコキシ−カルボニル基等が用いられる。
Eで示される「アラルキルオキシカルボニル」として、例えば、ベンジルオキシカルボニル等のC7-11アラルキルオキシ−カルボニル基等が用いられる。
Eで示される「低級アルキルスルフィニル基」として、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル等のC1-6アルキルスルフィニル基等が用いられる。
Eで示される「低級アルキルスルホニル基」として、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル等のC1-6アルキルスルホニル基等が用いられる。
Eで示される「モノ−低級アルキルスルファモイル基」として、例えば、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル等のモノ−C1-6アルキルスルファモイル基等が用いられる。
Eで示される「ジ−低級アルキルスルファモイル基」として、例えば、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル等のジ−C1-6アルキルスルファモイル基等が用いられる。
Eで示される「アリールスルファモイル基」として、例えば、フェニルスルファモイル、ナフチルスルファモイル等のC6-10アリールスルファモイル基等が用いられる。
Eで示される「アリールスルフィニル基」として、例えば、フェニルスルフィニル、ナフチルスルフィニル等のC6-10アリールスルフィニル基等が用いられる。
Eで示される「アリールスルホニル基」として、例えば、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル等のC6-10アリールスルホニル基等が用いられる。
Eで示される「アリールカルボニル基」として、例えば、ベンゾイル、ナフトイル等のC6-10アリール−カルボニル基等が用いられる。
Eで示される「置換基を有していてもよいカルバモイル基」として、例えば、式−CONR23(式中、R2およびR3はそれぞれ水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基もしくは置換基を有していてもよい複素環基を示す。また、式−CONR23において、R2とR3は隣接する窒素原子とともに環を形成してもよい。)で表わされる基等が用いられる。
上記式(II)において、Rは「置換基を有していてもよい炭化水素基」または「置換基を有していてもよい複素環基」を示し、また、RはWと結合することができ、なかでも、置換基を有していてもよいC1-6炭化水素基、とりわけ低級(C1-6)アルキル基が好ましい。Rで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」および「置換基を有していてもよい複素環基」は、後述で定義する通りである。また、RがWと結合する場合については後述にて詳説する。
上記式(II)において、D1、D2は、それぞれ、結合手、酸素原子、硫黄原子または>NR1を示し、式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。ただし、本発明においては、D1とD2がともに結合手である場合は除かれる。なかでも、D1、D2がそれぞれ結合手または酸素原子であるのが好ましく、特に、D1が酸素原子であり、かつD2が酸素原子または結合手であるのが好ましい。R1で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」は、後述で定義する通りである。
上記式(II)において、Gは「置換基を有していてもよい炭化水素基」または「置換基を有していてもよい複素環基」を示し、なかでも置換基を有していてもよいC1-6炭化水素基、または置換基を有していてもよく、環構成原子として酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する飽和複素環基が好ましい。とりわけ、Gとしては、置換基を有していてもよいC1-6炭化水素基、または置換基を有していてもよく、環構成原子として酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選ばれるヘテロ原子をさらに1ないし3個含有していてもよい飽和含酸素複素環基が好ましい。Gで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」または「置換基を有していてもよい複素環基」は、下記に定義する通りである。
上記E、R、R1、Gで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」としては、例えば、飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基、飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、飽和または不飽和の脂環式−脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香族−飽和または不飽和の脂環式炭化水素基等が挙げられ、好ましくは炭素数1ないし16、より好ましくは炭素数1ないし6のものが挙げられる。具体的には、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキルアルキル基、シクロアルケニルアルキル基、アリール基およびアリールアルキル基等が用いられる。
「アルキル基」は、例えば、低級アルキル基(C1-6アルキル基)等が好ましく、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、1−エチルプロピルおよびヘキシル等のC1-6アルキル基等が汎用される。Rにおいては低級アルキル基(C1-6アルキル基)が好ましく、特にメチル基が好ましい。
「アルケニル基」は、例えば、低級アルケニル基等が好ましく、例えばビニル、1−プロペニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニルおよび2,2−ジメチル−ペント−4−エニル等のC2-7アルケニル基等が汎用される。
「アルキニル基」は、例えば、低級アルキニル基等が好ましく、例えばエチニル、プロパルギルおよび1−プロピニル等のC2-6アルキニル基等が汎用される。
「シクロアルキル基」は、例えば、低級シクロアルキル基等が好ましく、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルおよびアダマンチル等のC3-10シクロアルキル基等が汎用される。
「シクロアルケニル基」は、例えば、低級シクロアルケニル基等が好ましく、例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル等のC3-10シクロアルケニル基等が汎用される。
「シクロアルキルアルキル基」は、例えば、低級シクロアルキルアルキル基等が好ましく、例えば、シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘキシルエチル等のC4-9シクロアルキルアルキル基等が汎用される。
「シクロアルケニルアルキル基」は、例えば、低級シクロアルケニルアルキル基等が好ましく、シクロペンテニルメチル、シクロヘキセニルメチル、シクロヘキセニルエチル、シクロヘキセニルプロピル、シクロヘプテニルメチル、シクロヘプテニルエチルおよびビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメチル等などのC4-9シクロアルケニルアルキル等が汎用される。
「アリール基」は、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリルおよび2−アンスリル等のC6-14アリール基等が好ましく、例えばフェニル基等が汎用される。
「アリールアルキル基」は、アリール部分としては上記で定義した「アリール基」を有し、アルキル部分としては上記で定義した「アルキル基」を有する。なかでも、例えば、C6-14アリール−C1-6アルキル基が好ましく、例えば、ベンジル、フェネチル等が汎用される。
上記E、R、R1、Gで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、チオール基、スルホ基、スルフィノ基、ホスホノ基、ハロゲン化されていてもよい低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、1−エチルプロピルおよびヘキシル等のC1-6アルキル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−ブロモエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、5,5,5−トリフルオロペンチル、6,6,6−トリフルオロヘキシル等のモノ−、ジ−またはトリ−ハロゲノ−C1-6アルキル基等)、オキソ基、アミジノ基、イミノ基、アルキレンジオキシ基(例えば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ等のC1-3アルキレンジオキシ基等)、低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等のC1-6アルコキシ基等)、ハロゲン化されていてもよい低級アルコキシ基(例えば、クロロメチルオキシ、ジクロロメチルオキシ、トリクロロメチルオキシ、フルオロメチルオキシ、ジフルオロメチルオキシ、トリフルオロメチルオキシ、2−ブロモエチルオキシ、2,2,2−トリフルオロエチルオキシ、ペンタフルオロエチルオキシ、3,3,3−トリフルオロプロピルオキシ、4,4,4−トリフルオロブチルオキシ、5,5,5−トリフルオロペンチルオキシ、6,6,6−トリフルオロヘキシルオキシ等のモノ−、ジ−またはトリ−ハロゲノ−C1-6アルコキシ基等)、低級アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ等のC1-6アルキルチオ基等)、カルボキシル基、低級アルカノイル基(例えば、ホルミル;アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル等のC1-6アルキル−カルボニル基等)、低級アルカノイルオキシ基(例えば、ホルミルオキシ;アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ等のC1-6アルキル−カルボニルオキシ基等)、低級アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル等のC1-6アルコキシ−カルボニル基等)、アラルキルオキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル等のC7-11アラルキルオキシ−カルボニル基等)、チオカルバモイル基、低級アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル等のC1-6アルキルスルフィニル基等)、低級アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル等のC1-6アルキルスルホニル基等)、スルファモイル基、モノ−低級アルキルスルファモイル基(例えば、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル等のモノ−C1-6アルキルスルファモイル基等)、ジ−低級アルキルスルファモイル基(例えば、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル等のジ−C1-6アルキルスルファモイル基等)、アリールスルファモイル基(例えば、フェニルスルファモイル、ナフチルスルファモイル等のC6-10アリールスルファモイル基等)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル等のC6-10アリール基等)、アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ等のC6-10アリールオキシ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、ナフチルチオ等のC6-10アリールチオ基等)、アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル、ナフチルスルフィニル等のC6-10アリールスルフィニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル等のC6-10アリールスルホニル基等)、アリールカルボニル基(例えば、ベンゾイル、ナフトイル等のC6-10アリール−カルボニル基等)、アリールカルボニルオキシ基(例えば、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ等のC6-10アリール−カルボニルオキシ基等)、ハロゲン化されていてもよい低級アルキルカルボニルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、トリフルオロアセチルアミノ等のハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル−カルボニルアミノ基等)、置換基を有していてもよいカルバモイル基(例えば、式−CONR23(式中、R2およびR3はそれぞれ水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基もしくは置換基を有していてもよい複素環基を示す。また、式−CONR23において、R2とR3は隣接する窒素原子とともに環を形成してもよい。)で表わされる基)、置換基を有していてもよいアミノ基(例えば、式−NR23(式中、R2およびR3は前記と同意義を示す。また、式−NR23において、R2とR3は隣接する窒素原子とともに環を形成してもよい。)で表わされる基)、置換基を有していてもよいウレイド基(例えば、式−NHCONR23(式中、R2およびR3は前記と同意義を示す。また、式−NHCONR23において、R2とR3は隣接する窒素原子とともに環を形成してもよい。)で表わされる基)、置換基を有していてもよいカルボキサミド基(例えば、式−NR2COR3(式中、R2およびR3は前記と同意義を示す)で表わされる基)、置換基を有していてもよいスルホンアミド基(例えば、式−NR2SO23(式中、R2およびR3は前記と同意義を示す)で表わされる基)、置換基を有していてもよい複素環基(R2およびR3で示されるものと同意義である)等が用いられる。
2およびR3における「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」としては、例えば、低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル基等の炭素数1ないし6のアルキル基等)、低級アルケニル基(例えば、ビニル、アリル基等の炭素数2ないし6のアルケニル基等)、低級アルキニル基(例えば、エチニル、プロパルギル基等の炭素数2ないし6のアルキニル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル基等の炭素数3ないし8のシクロアルキル基等)、シクロアルケニル基(例えば、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル基等の炭素数3ないし8のシクロアルケニル基等)、シクロアルキルアルキル基(例えば、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル基等の炭素数3ないし8のシクロアルキル−炭素数1ないし6のアルキル基等)、シクロアルケニルアルキル基(例えば、シクロブテニルメチル、シクロペンテニルメチル、シクロヘキセニルメチル基等の炭素数3ないし8のシクロアルケニル−炭素数1ないし6のアルキル基等)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル基等の炭素数6ないし14のアリール基等)、アリールアルキル基(例えば、ベンジル、ナフチルメチル基等の炭素数6ないし14のアリール−炭素数1ないし6のアルキル基等)等が挙げられる。
2およびR3で示される「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」としては、ピリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、2−オキソアゼピニル、フリル、デカヒドロイソキノリル、キノリニル、インドリル、イソキノリル、チエニル、イミダゾリル、モルホリニル等の窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれた1〜2種のヘテロ原子1〜4個を含有する、5〜12員の、単環式または縮合複素環基等が挙げられる。R2およびR3における「置換基を有していてもよい炭化水素基」および「置換基を有していてもよい複素環基」の置換基としては、それぞれ、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル基等の炭素数1ないし6のアルキル基等)、低級アルケニル基(例えば、ビニル、アリル基等の炭素数2ないし6のアルケニル基等)、低級アルキニル基(例えば、エチニル、プロパルギル基等の炭素数2ないし6のアルキニル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル基等の炭素数3ないし8のシクロアルキル基等)、低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ基等の炭素数1ないし6のアルコキシ基等)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、チオール基、カルボキシル基、低級アルカノイル基(例えば、ホルミル;アセチル、プロピオニル、ブチリル基等の炭素数1ないし6のアルキル−カルボニル基等)、低級アルカノイルオキシ基(例えば、ホルミルオキシ;アセチルオキシ、プロピオニルオキシ基等の炭素数1ないし6のアルキル−カルボニルオキシ基等)、低級アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル基等の炭素数1ないし6のアルコキシ−カルボニル基等)、アラルキルオキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル基等の炭素数7ないし17のアラルキルオキシ−カルボニル基等)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル基等の炭素数6ないし14のアリール基等)、アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ基等の炭素数6ないし14のアリールオキシ基等)、アリールカルボニル基(例えば、ベンゾイル、ナフトイル基等の炭素数6ないし14のアリール−カルボニル基等)、アリールカルボニルオキシ基(例えば、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ基等の炭素数6ないし14のアリール−カルボニルオキシ基等)、置換基を有していてもよいカルバモイル基(例えば、カルバモイル;メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル基等の炭素数1ないし6のアルキル基でモノ−置換ないしジ−置換されたカルバモイル基等)、置換基を有していてもよいアミノ基(例えば、アミノ;メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ基等の炭素数1ないし6のアルキル基でモノ−置換ないしジ−置換されたアミノ基等)等が挙げられる。置換基の数および位置に特に限定はない。
2とR3が隣接する窒素原子とともに形成する環としては、例えば、ピロリジン、ピペリジン、ホモピペリジン、モルホリン、ピペラジン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン等が挙げられる。
上記E、R、R1、Gで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」は、それぞれ前記の置換基を、炭化水素基の置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1〜3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合は各置換基は同一または異なっていてもよい。
上記E、R、Gで示される「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」としては、環系を構成する原子(環原子)として、酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれるヘテロ原子1ないし3種(好ましくは1ないし2種)を少なくとも1個(好ましくは1ないし4個、さらに好ましくは1ないし3個)含む、5〜12員の、芳香族複素環基あるいは飽和または不飽和の非芳香族複素環基等が挙げられる。Gで示される「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」としては、上述のように、環原子として、酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれるヘテロ原子1ないし4個、さらに好ましくは1ないし3個含む飽和含酸素複素環基等が好ましく、とりわけ5〜12員の、飽和含酸素複素環基等が好ましい。
該「芳香族複素環基」としては、芳香族単環式複素環基または芳香族縮合複素環基等が挙げられる。
「芳香族単環式複素環基」としては、例えば、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル等の5ないし6員の芳香族単環式複素環基等が挙げられる。
「芳香族縮合複素環基」としては、例えば、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチエニル、イソベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニル、γ−カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、インドリジニル、ピロロ〔1,2−b〕ピリダジニル、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジニル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−a〕ピリジル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−b〕ピリダジニル等の8〜12員の芳香族縮合複素環基(好ましくは、前記した5ないし6員の芳香族単環式複素環基がベンゼン環と縮合した複素環または前記した5ないし6員の芳香族単環式複素環基の同一または異なった複素環2個が縮合した複素環)等が挙げられる。
該「飽和または不飽和の非芳香族複素環基」としては、例えば、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、チアニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼパニル、チアゼパニル、アゾカニル、オキソカニル、チオカニル、オキサゾカニル、チアゾカニル等の3〜8員(好ましくは5〜6員)の飽和あるいは不飽和(好ましくは飽和)の非芳香族複素環基(脂肪族複素環基)などが挙げられる。これらは、オキソ置換されていてもよく、例えば、2−オキソアゼチジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソアゼパニル、2−オキソアゾカニル、2−オキソテトラヒドロフリル、2−オキソテトラヒドロピラニル、2−オキソチオラニル、2−オキソチアニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソオキセパニル、2−オキソオキサゼパニル、2−オキソチエパニル、2−オキソチアゼパニル、2−オキソオキソカニル、2−オキソチオカニル、2−オキソオキサゾカニル、2−オキソチアゾカニル等が挙げられる。好ましくは2−オキソピロリジニル等の5員非芳香族複素環基である。
上記E、R、Gで示される「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」が有していてもよい置換基としては、例えば、前記E、R、R1、Gで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」と同様のもの等が用いられる。
E、R、Gで示される「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」は、それぞれ前記の置換基を、複素環基の置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1〜3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合は各置換基は同一または異なっていてもよい。
上記式(II)において、RがWと結合する場合について説明する。RとWが結合する場合、RとWが結合する位置は、それぞれRおよびWにおける結合可能な位置であれば特に限定はない。
Rにおける結合可能な位置としては、上記Rで定義される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」および「置換基」における結合可能な位置、ならびに上記Rで定義される「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」および「置換基」における結合可能な位置が挙げられる。
Wにおける結合可能な位置としては、上記Wで定義される「置換基を有していてもよい二価の鎖状炭化水素基」の「二価の鎖状炭化水素基」における結合可能な位置、上記W1、W2で定義される「二価の鎖状炭化水素基」における結合可能な位置、ならびに上記Z環で定義される「置換基を有していてもよい炭化水素環」の「炭化水素環」における結合可能な位置および上記Z環で定義される「置換基を有していてもよい複素環」の「複素環」における結合可能な位置が挙げられる。
RとWは互いの結合可能な位置で結合し、隣接する窒素原子と一緒になって環を形成し得る。該環としては、例えば、飽和含窒素環(例えば、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ホモピペリジン等)、不飽和含窒素環(例えば、テトラヒドロピリジン等)、芳香族含窒素環(例えば、ピロール等)、RおよびWが隣接している窒素原子以外に窒素、酸素、硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子を少なくとも1つ含むヘテロ環(例えば、ピペラジン、モルホリン等)、縮合環(例えば、インドール、インドリン、イソインドール、イソインドリン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン等)等が挙げられる。なかでも4〜7員環が好ましい。
RとWが互いの結合可能な位置で結合し、隣接する窒素原子と一緒になって形成する環は、その置換可能な位置に1ないし4個の置換基を有していてもよい。置換基数が2以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。置換基としては、Rで定義される「置換基を有していてもよい炭化水素基」および「置換基を有していてもよい複素環基」の置換基、ならびにWで定義される「置換基を有していてもよい二価の鎖状炭化水素基」の置換基が挙げられる。具体的には、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、1−エチルプロピルおよびヘキシル等のC1-6アルキル基等の置換基が挙げられる。
RとWが結合することによって例えば、
Figure 0004578124
等が形成されるがこれらに限定されない。これらは、上記で定義するように置換基を有していてもよく、また、異性体を含み得ることは当業者に理解されるべきである。
本発明において、Xは、例えば、ハロゲン原子、ベンゾトリアゾリル基、(2,5−ジオキシピロリジン−1−イル)オキシ基等の脱離基を示し、中でもフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子が好ましく、塩素が特に好ましい。
本発明において、Mは水素原子、金属陽イオンまたは第4級アンモニウムイオンを示す。
本発明における「金属陽イオン」としては、アルカリ金属イオン(例えば、Na+、K+、Li+、Cs+など)が挙げられ、中でもNa+が好ましい。
本発明における「第4級アンモニウムイオン」としては、例えば、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンなどが挙げられ、中でもテトラブチルアンモニウムイオンが好ましい。
化合物(II)では、分子中の酸性基と無機塩基または有機塩基等とが薬理学的に許容され得る塩基塩を形成することができ、また分子中の塩基性基と無機酸または有機酸等とが薬理学的に許容され得る酸付加塩を形成することができる。
化合物(II)の無機塩基塩としては、例えば、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム等)、アンモニア等との塩等が、また化合物(II)の有機塩基塩としては、例えば、ジメチルアミン、トリエチルアミン、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、2−フェニルエチルアミン、ベンジルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピリジン、コリジン等との塩等が挙げられる。
化合物(II)の酸付加塩としては、例えば、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)、有機酸塩(例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、蓚酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等)等が挙げられる。
本発明の化合物(II)としては、水和物を包含している。該「水和物」としては、0.5水和物〜5.0水和物が挙げられる。このうち、0.5水和物、1.0水和物、1.5水和物、2.0水和物が好ましい。
本発明の化合物(II)としては、ラセミ体および光学的に活性な化合物を包含している。光学的に活性な化合物としては、一方のエナンチオマーが90%以上のエナンチオマー過剰率(e.e.)のものが好ましく、より好ましくは99%以上のエナンチオマー過剰率のものが挙げられる。光学活性体としては、一般式
Figure 0004578124
〔式中の記号は前記と同意義を示す〕で表わされる(R)体が好ましい。
化合物(II)に含まれる好ましい化合物としては、具体的には例えば次のような化合物が挙げられる。
すなわち、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル トリメチルアセテート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル シクロヘキサンカルボキシレート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル ベンゾエート、
2−[メチル[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル ベンゾエート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 4−メトキシベンゾエート、2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 3−クロロベンゾエート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 3,4−ジフルオロベンゾエート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 4−トリフルオロメトキシベンゾエート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 4−フルオロベンゾエート、2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 3,4,5−トリメトキシベンゾエート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 2−ピリジンカルボキシレート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル メトキシアセテート、
エチル 2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート、
イソプロピル 2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート、
イソプロピル 2−[メチル[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート、
ベンジル 2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル テトラヒドロピラン−4−イル カーボネート、
2−メトキシエチル 2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート、
2−[エチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート、
2−[イソプロピル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート、
エチル 2−[イソプロピル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート、
2−[シクロヘキシル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート、
2−[シクロヘキシル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル エチル カーボネート、
2−[[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](フェニル)アミノ]エチル アセテート、
2−[[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](フェニル)アミノ]エチル アセテート、
tert−ブチル [2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]−3−ピリジル]メチル カーボネート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]ベンジル アセテート、
2−[[2-(アセチルオキシ)エチル][[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート、
[(2S)−1−[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]−2−ピロリジニル]メチル アセテート、
エチル [メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]アセテート、
2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル ベンゾエート、
3−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]プロピル ベンゾエート、
2−[メチル[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル テトラヒドロピラン−4−イル カーボネート、
エチル 2−[メチル[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート、
エチル 2−[メチル[[(S)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート、
エチル 2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネート、
2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル アセテート、
2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル]カルボニル](フェニル)アミノ]エチル アセテート、
4−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]ブチル アセテート、
エチル 4−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]ブチル カーボネート、
エチル 3−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]プロピル カーボネート、
3−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]プロピル アセテート、
3−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]プロパン−1,2−ジイル ジアセテート、
ジエチル 3−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]プロパン−1,2−ジイル
ビスカーボネート、
2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル 3−クロロベンゾエート、
2−[メチル[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート、
2−エトキシエチル 2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート、
3−メトキシプロピル 2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル N,N−ジメチルグリシネート、
S−[2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル] チオアセテート、
エチル 2−[2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エトキシ]エチル カーボネート、
エチル 2−[メチル[[2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エトキシ]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート、
エチル 2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネート、
2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](フェニル)アミノ]エチル アセテート、
エチル 2−[[[(S)−5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネート、
エチル 2−[[[2−[[[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチル−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネート、
2−[[[2−[[[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチル−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](フェニル)アミノ]エチル アセテート、
2−[[[5−(ジフルオロメトキシ)−2−[[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル エチル カーボネート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 1−メチルピペリジン−4−カルボキシレート、
2−[[4−(アミノカルボニル)フェニル][[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 1−メチル−4−ピペリジニル カーボネート、
2−[[4−(アミノカルボニル)フェニル][[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート、
(−)−エチル 2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネートおよび
(+)−エチル 2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネートおよびその塩等が挙げられる。
とりわけ、下記の化合物及びその塩が好ましい。
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート、
エチル 2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル テトラヒドロピラン−4−イル カーボネート、
2−[メチル[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル テトラヒドロピラン−4−イル カーボネート、
エチル 2−[メチル[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート、
エチル 2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネート、
2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル アセテート、
2−[メチル[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート、
エチル 2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネート、
エチル 2−[[[(S)−5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネート、
エチル 2−[[[2−[[[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチル−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネート、および
2−[[[5−(ジフルオロメトキシ)−2−[[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル エチル カーボネート。
化合物(II)は、以下の方法AまたはBにより製造できる。
(方法A)
化合物(IV)またはその塩と、化合物(V)またはその塩とを塩基の存在下、あるいは非存在下で縮合させることによって化合物(II)またはその塩を得ることができる。化合物(IV)の塩、化合物(V)の塩としては、上記化合物(II)の塩と同様の塩が挙げられる。例えば、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)、有機酸塩(例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、蓚酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等)等の酸付加塩を挙げることができる。
Figure 0004578124
(式中の各記号は前記と同意義を示す。)
方法Aにおける反応は一般に溶媒中で行われ、方法Aの反応を阻害しない溶媒が適宜に選択される。このような溶媒としては、例えば、エーテル類(例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等)、エステル類(例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ハロゲン化炭化水素類(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクレン、1,2−ジクロロエタン等)、炭化水素類(例えば、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル等)等の他、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルホスホルアミド、水等が挙げられ、これらは単独または混合溶媒として用いられる。これらの溶媒の使用量は、反応混合物を撹拌できる量であれば特に限定はなく、化合物(IV)またはその塩1モルに対して、通常2〜100倍重量、好ましくは5〜50倍重量である。
化合物(V)またはその塩の使用量は、化合物(IV)またはその塩1モルに対して、通常1モル〜10モル、好ましくは1モル〜3モルである。
方法Aの反応は、通常0℃〜100℃、好ましくは20℃〜80℃の温度範囲で行われる。
方法Aの反応時間は化合物(IV)、(V)またはそれらの塩および溶媒の種類や反応温度等により異なるが、通常1分〜96時間、好ましくは1分〜72時間、より好ましくは15分〜24時間である。
方法Aの塩基としては、例えば、無機塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム等)、3級アミン(例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ピリジン、ルチジン、γ−コリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、4−ジメチルアミノピリジン等)、アルキレンオキシド類(例えば、プロピレンオキシド、エピクロルヒドリン等)等が挙げられる。当該塩基の使用量は、化合物(V)またはその塩1モルに対して、通常0.01モル〜10モル、好ましくは1モル〜3モルである。
化合物(IV)またはその塩は、特開昭61−50978号公報、USP4,628,098等に記載の方法またはこれらに準じた方法により製造される。
化合物(V)またはその塩は、自体公知の方法又はそれに準ずる方法によって製造することができる。例えば、Xが塩素原子の場合、脱酸剤の存在下、溶媒中(例えば、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジクロロメタン等)で、式(VII):
Figure 0004578124
(式中、各記号は前記と同義である)で表わされる化合物またはその塩にホスゲン、クロロギ酸トリクロロメチル、炭酸ビス(トリクロロメチル)、チオホスゲン等を作用させることにより得ることができる。あるいは、化合物(VII)またはその塩とクロロギ酸エチルを作用させることにより得られるエチルカルバメート体を、シンセティック コミュニケーションズ(SGnthetic Communications) 第17巻、1887頁(1987年)に記載の方法またはこれに準じた方法に従い、オキシ塩化リンで処理することによっても得ることができる。化合物(VII)の塩としては、例えば、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)、有機酸塩(例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、蓚酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等)等の酸付加塩等が挙げられる。
ここでいう脱酸剤としては、例えば、無機塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム等)、3級アミン(例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ピリジン、ルチジン、γ−コリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、4−ジメチルアミノピリジン等)等が挙げられる。
化合物(VII)またはその塩は、自体公知の方法又はそれに準ずる方法によって製造することができる。例えば、D1が結合手以外の場合は、適切な溶媒(例えば、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド等)中、式(VIII):
Figure 0004578124
(式中、R4は水素原子あるいは窒素原子の保護基、他の記号は前記と同義である)で表わされる化合物またはその塩と、式(IX):
Figure 0004578124
(式中、各記号は前記と同義である)で表わされるカルボン酸もしくはチオン酸またはそれらの反応性誘導体(例えば、無水物、ハロゲン化物等)、あるいはそれらの塩とを縮合させた後、必要に応じて脱保護することにより得ることができる。化合物(VIII)の塩としては、例えば、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)、有機酸塩(例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、蓚酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等)等の酸付加塩等が挙げられる。
あるいは、D1が結合手の場合は、適切な溶媒(例えば、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド等)中、式(X):
Figure 0004578124
(式中、各記号は前記と同義である)で表わされるカルボン酸またはチオン酸もしくはそれらの反応性誘導体(例えば、無水物、ハロゲン化物等)、あるいはそれらの塩と、G−D2−Hで表わされる化合物とを縮合させた後、必要に応じて脱保護することにより得ることができる。化合物(X)の塩としては、例えば、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)、有機酸塩(例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、蓚酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等)等の酸付加塩、例えば、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム等)、アンモニア等との塩等、及び例えば、ジメチルアミン、トリエチルアミン、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、2−フェニルエチルアミン、ベンジルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピリジン、コリジン等との有機塩基塩等が挙げられる。
式(VIII)、式(X)中、R4で示される保護基としては、例えば、ホルミル基、C1-6アルキル−カルボニル基(例えば、アセチル、エチルカルボニル等)、ベンジル基、tert−ブチルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、C7-10アラルキル−カルボニル基(例えば、ベンジルカルボニル等)、トリチル基等が用いられる。これらの基は1ないし3個のハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素等)、ニトロ基等で置換されていてもよい。
これらの保護基の除去方法としては、自体公知又はこれに準じる方法が用いられ、例えば酸、塩基、還元、紫外光、酢酸パラジウム等を使用する方法等が用いられる。
(方法B)
化合物(VI)またはその塩を酸化反応に付すことによって、化合物(II)またはその塩を得ることができる。
Figure 0004578124
(式中、各記号は前記と同義である)
方法Bにおける反応は、例えば、硝酸、過酸化水素、過酸類、過エステル、オゾン、四酸化二窒素、ヨードソベンゼン、N−ハロスクシンイミド、1−クロロベンゾトリアゾール、次亜塩素酸tert−ブチル、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン臭素錯体、メタ過ヨウ素酸ナトリウム、二酸化セレン、二酸化マンガン、クロム酸、硝酸セリウムアンモニウム、臭素、塩素、スルフリルクロライド、モノパーオキシフタル酸マグネシウム塩等の酸化剤を用いて行うことができる。酸化剤の使用量は、化合物(VI)またはその塩1モルに対して、通常0.5モル〜2モル、好ましくは0.8モル〜1.2モルである。上記過酸化水素や過酸類の酸化剤を用い、さらにバナジウムアセテート、酸化バナジウムアセチルアセトナート、チタンテトライソプロポキシド等の触媒存在下に酸化を行うこともできる。
方法Bの反応は、通常、上記酸化反応に不活性な溶媒中で行う。該「不活性な溶媒」としては、例えば、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等)、エーテル類(例えば、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、極性溶媒(例えば、スルホラン、ヘキサメチルホスホルアミド等)が挙げられ、これらは単独または二種以上の混合溶媒として用いる。該「不活性な溶媒」は、化合物(VI)またはその塩に対して、通常1倍重量〜100倍重量用いられる。
反応温度は、通常−80℃〜80℃、好ましくは0℃〜30℃である。
反応時間は、通常1分〜6時間、好ましくは15分〜1時間である。
方法Bの原料である化合物(VI)は、例えば、化合物(IV)の替わりに以下の式(XI):
Figure 0004578124
(式中、各記号は前記と同義である)で表される化合物を用い、方法Aと同様の反応によって得ることができる。
化合物(XI)は、以下の文献に記載の方法またはそれに準じた方法に従って合成することができる:特開昭61−50978号、特開昭54−141783号、特開昭61−22079号、特開平1−6270号、特開昭63−146882号。
化合物(VI)の塩としては、上記化合物(II)の塩と同様の塩が挙げられ、例えば、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)、有機酸塩(例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、蓚酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等)等の酸付加塩を挙げることができる。
上記方法AまたはBで得られた化合物(II)またはその塩は、自体公知の分離手段(例えば、濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等)により、反応混合物から単離、精製することができる。また、上記方法AまたはBで得られた化合物(II)またはその塩はそのあらゆる異性体を包含するため、化合物(II)またはその塩を光学分割に付すか、あるいは化合物(VI)またはその塩を不斉酸化することにより光学的に純粋な化合物(II)またはその塩を得ることができる。
光学分割の方法としては、自体公知の方法が挙げられ、例えば、分別再結晶法、キラルカラム法、ジアステレオマー法等が用いられる。不斉酸化は、自体公知の方法、例えば、WO96/02535に記載の方法等を用いてもよい。
「分別再結晶法」としては、ラセミ体と光学活性な化合物〔例えば、(+)−マンデル酸、(−)−マンデル酸、(+)−酒石酸、(−)−酒石酸、(+)−1−フェネチルアミン、(−)−1−フェネチルアミン、シンコニン、(−)−シンコニジン、ブルシン等〕とで塩を形成させ、これを分別再結晶法等によって分離し、所望により中和工程に付し、フリーの光学異性体を得る方法が挙げられる。
「キラルカラム法」としては、ラセミ体またはその塩を光学異性体分離用カラム(キラルカラム)に付す方法が挙げられる。例えば、液体クロマトグラフィーの場合、ENANTIO−OVM(トーソー社製)またはダイセル社製CHIRALシリーズ等のキラルカラムにラセミ体を添加し、水、緩衝液(例えば、リン酸緩衝液等)、有機溶媒(例えば、ヘキサン、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、トリフルオロ酢酸、ジエチルアミン、トリエチルアミン等)、またはこれらの混合溶媒で展開して光学異性体を分離する方法が挙げられる。例えば、ガスクロマトグラフィーの場合、CP−Chirasil−DeX CB(ジーエルサイセンス社製)等のキラルカラムを使用して分離する方法が挙げられる。
「ジアステレオマー法」としては、ラセミ体と光学活性な試薬を反応させてジアステレオマーの混合物を得、次いで通常の分離手段(例えば、分別再結晶、クロマトグラフィー法等)により一方のジアステレオマーを得た後、化学反応(例えば、酸加水分解反応、塩基性加水分解反応、加水素分解反応等)に付して光学活性な試薬部位を切り離し、目的とする光学異性体を得る方法が挙げられる。該「光学活性な試薬」としては、例えば、MTPA〔α−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸〕、(−)−メントキシ酢酸等の光学活性な有機酸;(1R−エンド)−2−(クロロメトキシ)−1,3,3−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン等の光学活性なアルコキシメチルハライド等が挙げられる。
また、下記一般式(III):
Figure 0004578124
で表わされるベンズイミダゾール化合物またはその塩も上記プロドラッグの具体例として挙げられる。
上記式(III)において、Dは酸素原子又は結合手を、Qは置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。
Qで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」は、脂肪族または芳香族の炭化水素基を包含し、ここでいう脂肪族炭化水素基とは、飽和または不飽和の、直鎖状、分岐鎖状または環状の炭化水素基を意味する。炭化水素基としては、炭素数が1〜14である炭化水素基が好ましく、例えば、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、C6-14アリール基が挙げられ、C1-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基、C6-14アリール基が好ましく、中でもC1-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基がより好ましい。
上記「アルキル基」とは、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基(「C1-6アルキル基」)であり、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−メチルプロピル、n−ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルプロピル、2−エチルブチル等が挙げられ、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。Qにおいては、中でもメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチルが好ましく、特にtert-ブチルが好ましい。
上記「C2-6アルケニル基」とは、直鎖状または分岐鎖状の炭素数2〜6のアルケニル基であり、例えば、ビニル、n−プロペニル、イソプロペニル、n−ブテニル、イソブテニル、sec−ブテニル、tert−ブテニル、n−ペンテニル、イソペンテニル、ネオペンテニル、1−メチルプロペニル、n−ヘキセニル、イソヘキセニル、1,1−ジメチルブテニル、2,2−ジメチルブテニル、3,3−ジメチルブテニル、3,3−ジメチルプロペニル、2−エチルブテニル等が挙げられ、炭素数2〜4のアルケニル基が好ましく、中でもビニル、n−プロペニル、イソプロペニルが好ましい。
上記「C2-6アルキニル基」とは、直鎖状または分岐鎖状の炭素数2〜6のアルキニル基であり、例えば、エチニル、n−プロピニル(1−プロピニル)、イソプロピニル(2−プロピニル)、n−ブチニル、イソブチニル、sec−ブチニル、tert−ブチニル、n−ペンチニル、イソペンチニル、ネオペンチニル、1−メチルプロピニル、n−ヘキシニル、イソヘキシニル、1,1−ジメチルブチニル、2,2−ジメチルブチニル、3,3−ジメチルブチニル、3,3−ジメチルプロピニル、2−エチルブチニル等が挙げられ、炭素数2〜3のアルキニル基が好ましく、中でもエチニル、1−プロピニル、2−プロピニルが好ましい。
上記「C3-8シクロアルキル基」とは、直鎖状または分岐鎖状の、炭素数3〜8のシクロアルキル基であり、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられ、炭素数5〜7のシクロアルキル基が好ましく、中でもシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルが好ましく、特にシクロヘキシルが好ましい。
上記「アリール基」とは、単環式または縮合多環式の芳香族炭化水素基であり、好ましくは炭素数6〜14の芳香族炭化水素基(「C6-14アリール基」)であり、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレニルが挙げられ、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基が好ましく、Qにおいては、中でもフェニルが特に好ましい。
上記「炭化水素基」は、置換されていてもよく、置換基の例としては、例えば、C6-14アリール基、水酸基、ハロゲン、ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、C7-12アラルキルオキシ基、C1-5アルコキシ−カルボニル基、ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルキル基、C1-6アルキル基で置換されていてもよいアミノ基などが挙げられる。
「置換基を有していてもよいアルキル基」における置換基としては、例えば、アリール基、水酸基、ハロゲン、1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいアルコキシ基、C7-12アラルキルオキシ基、C1-5アルコキシ−カルボニル基等が挙げられる。該置換基の数は1〜5個、好ましくは1〜3個である。
「置換基を有していてもよいアリール基」における置換基としては、例えば、ハロゲン、1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいアルキル基、アリール基、水酸基、1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいアルコキシ基、C7-12アラルキルオキシ基、C1-5アルコキシ−カルボニル基等が挙げられる。該置換基の数は1〜5個、好ましくは1〜3個である。
上記「C1-6アルキル基」、「C2-6アルケニル基」および「C2-6アルキニル基」は、置換されていてもよく、置換基の例としては、(i)C6-14アリール基、(ii)水酸基、(iii)ハロゲン、(iv)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、(v)C7-12アラルキルオキシ基、(vi)C1-5アルコキシ−カルボニル基、(vii)アシルアミノ基、(viii)C1-6アルキル基で置換されていてもよいアミノ基などが挙げられ、中でも(i)〜(vii)が好ましい。該置換基の数は1〜5個、好ましくは1〜3個である。
上記「C3-8シクロアルキル基」および「C6-14アリール基」は、置換されていてもよく、置換基の例としては、(i)C6-14アリール基、(ii)水酸基、(iii)ハロゲン、(iv)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、(v)C7-12アラルキルオキシ基、(vi)C1-5アルコキシ−カルボニル基、(vii)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルキル基、(viii)C1-6アルキル基で置換されていてもよいアミノ基などが挙げられ、中でも(i)〜(vii)が好ましい。該置換基の数は1〜5個、好ましくは1〜3個である。
式(III)においてQは、(i)C6-14アリール基、(ii)水酸基、(iii)ハロゲン、(iv)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、(v)C7-12アラルキルオキシ基、(vi)C1-5アルコキシ−カルボニル基および(vii)アシルアミノ基からなる群より選ばれる置換基を有していてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基又はC2-6アルキニル基であるか、あるいは
(i)C6-14アリール基、(ii)水酸基、(iii)ハロゲン、(iv)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、(v)C7-12アラルキルオキシ基、(vi)C1-5アルコキシ−カルボニル基および(vii)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルキル基からなる群より選ばれる置換基を有していてもよい、C3-8シクロアルキル基又はC6-14アリール基であるのが好ましく、
(1)(i)C6-14アリール基、(ii)水酸基、(iii)ハロゲン、(iv)1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、(v)C7-12アラルキルオキシ基および(vi)C1-5アルコキシ−カルボニル基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基を有していてもよいC1-6アルキル基、または(2)(i)ハロゲン、(ii)1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルキル基、(iii)C6-14アリール基、(iv)水酸基、(v)1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、(vi)C7-12アラルキルオキシ基および(vii)C1-5アルコキシ−カルボニル基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基を有していてもよいC6-14アリール基であるのがより好ましく、
(i)C6-14アリール基、(ii)水酸基、(iii)ハロゲン、(iv)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、(v)C7-12アラルキルオキシ基、(vi)C1-5アルコキシ−カルボニル基および(vii)アシルアミノ基からなる群より選ばれる置換基を有していてもよいC1-6アルキル基であるか、あるいは
(i)C6-14アリール基、(ii)水酸基、(iii)ハロゲン、(iv)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、(v)C7-12アラルキルオキシ基、(vi)C1-5アルコキシ−カルボニル基および(vii)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルキル基からなる群より選ばれる置換基を有していてもよい、C3-8シクロアルキル基又はC6-14アリール基であるのが更に好ましく、
中でも、QがC6-14アリール基で置換されていてもよいC1-6アルキル基またはC6-14アリール基であるのが好ましく、Qがフェニル基であるか、またはメチルもしくはtert−ブチル基であるのが特に好ましい。
化合物(III)は分子中の酸性基と無機塩基または有機塩基等とが薬理学的に許容され得る塩基塩を形成することができ、また分子中の塩基性基と無機酸または有機酸等とが薬理学的に許容され得る酸付加塩を形成することができる。
本発明の化合物(III)の好適な態様の1つとして、Dが結合手であり、かつQが置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基である化合物が挙げられる。
化合物(III)の無機塩基塩としては、例えば、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム等)、アンモニア等との塩等が、また化合物(III)の有機塩基塩としては、例えば、ジメチルアミン、トリエチルアミン、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、2−フェニルエチルアミン、ベンジルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピリジン、コリジン等との塩等が挙げられる。
化合物(III)の酸付加塩としては、例えば、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)、有機酸塩(例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、蓚酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等)等を挙げられる。
本発明の化合物(III)としては、水和物を包含している。該「水和物」としては、0.5水和物〜5.0水和物が挙げられる。このうち、0.5水和物、1.0水和物、1.5水和物、2.0水和物が好ましい。
本発明の化合物(III)としては、ラセミ体および光学的に活性な化合物を包含している。光学的に活性な化合物としては、一方のエナンチオマーが90%以上のエナンチオマー過剰(e.e.)のものが好ましく、より好ましくは99%以上エナンチオマー過剰のものが挙げられる。光学活性体としては、一般式
Figure 0004578124
〔式中の記号は前記と同意義を示す〕で表わされる(R)体が好ましい。
化合物(III)は、自体公知の方法により製造でき、例えば、特開2002‐187890号、WO 02/30920等に記載の方法またはこれらに準じた方法により製造される。なお、光学活性な化合物(III)は、光学分割法(分別再結晶法、キラルカラム法、ジアステレオマー法、微生物または酵素を用いる方法など)不斉酸化などの方法で得ることができる。その他のベンズイミダゾール系化合物誘導体のPPIとして、WO03/27098に記載の化合物も本願発明に適用できる。
本発明の好ましい医薬組成物として、本発明の顆粒、細粒または錠剤を含有するカプセルや顆粒または細粒を含有する錠剤が挙げられる。このような最終形態の組成物としては、放出特性や条件の異なる2種以上の本発明の顆粒、細粒または錠剤を組み合わせて含有する組成物であってもよい。例えば、ランソプラゾールまたはその光学活性体(R体など)等の式(I)で表されるベンズイミダゾール系PPIや式(II)および(III)で表されるプロドラッグタイプのイミダゾール系PPIを含有するカプセル剤の場合、それぞれ放出特性や条件の異なる放出制御膜を用いて、放出の仕方の異なる2種類以上の錠剤、顆粒或いは細粒(例えば、比較的早く放出する顆粒とより遅延して活性成分が放出されるタイプの2種類の顆粒等)を組み合わせて充填してもよい。より具体的には、通常の腸溶コーティングを施した錠剤、顆粒乃至細粒と放出制御コーティングを施した錠剤、顆粒乃至細粒を含むカプセル等がより好ましい態様として挙げられる。また、各顆粒や細粒、錠剤中にこのような2種類の放出制御膜を2層以上重ねてもよい。放出制御被膜を有する錠剤、顆粒あるいは細粒と消化管滞留性ゲル形成性ポリマーに加え、上記したような活性成分を含有する核粒子上に必要により中間被膜を施し、その上に通常の腸溶コーティングだけを施した顆粒(従って、本発明による上記の放出が制御された顆粒や細粒の中で、活性成分の放出が比較的速い顆粒)も合わせて含む製剤(好ましくはカプセル剤)にすることにより、または上記放出制御被膜を有する錠剤、顆粒あるいは細粒と消化管滞留性ゲル形成性ポリマーを含むカプセル剤と通常の腸溶コーティングを施した顆粒のみを含む製剤とを併用投与することにより、より早い段階から血中濃度が上がって薬効を奏し始め、その後放出制御された顆粒の薬効の発現により薬効が持続する製剤が可能になる。このような組み合わせ製剤や組み合わせ投与の場合、好ましくはより早い段階から血中濃度が上がって薬効を奏し始めて最初の極大血中濃度に達し、その後より放出制御された顆粒の活性成分の放出により2回目の極大血中濃度に達するような2回ピークが発現するような製剤にすることができる。尚、上記持続性カプセル剤等の持続性製剤と、通常の比較的早く活性成分が放出されるタイプのカプセル剤とは同時にまたは時間をおいて投与してもよい。このような併用投与によっても活性成分の高い血中濃度が長時間に亘って維持することができる。
また、ゲル形成性ポリマーとしては、水と接触することにより急速に高粘度のゲルを形成し、消化管内での滞留性を延長するポリマーであればよい。このようなゲル形成性ポリマーとしては、25℃における5%水溶液の粘度が約3000mPa・s以上のポリマーであるものが好ましい。また、通常ゲル形成性ポリマーが、分子量400000−10000000程度のポリマーが一般に好ましい。このようなゲル形成性ポリマーは粉末状、顆粒状ないしは細粒状のものが製剤化するうえで好適である。このようなゲル形成性ポリマーとしては、ポリエチレンオキサイド(PEO、例えばPolyox WSR-303 分子量7000000、Polyox WSR Coagulant 分子量5000000、Polyox WSR 301 分子量4000000、Polyox WSR N-60K 分子量2000000、Polyox WSR 205 分子量600000 ; Dow Chemical社製)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、Metlose 90SH10000、Metlose 90SH50000、Metlose 90SH30000 、信越化学(株)製)、カルボキシメチルセルロース(CMC-Na、Sanlose F-1000MC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC、例えばHPC-H、日本曹達(株)製)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシビニルポリマー(ハイビスワコー(R)103、104、105、和光純薬(株)製;カーボポール 943、Goodrich社製)、キトサン、アルギン酸ナトリウム、ペクチンなどが挙げられる。これらは単独または少なくとも2種以上の粉末を適当な比率で混合して用いてもよい。とりわけPEO、HPMC、HPC、CMC-Na、カルボキシビニルポリマーなどがゲル形成性ポリマーとして好ましく用いられる。
本発明の製剤のうち、活性成分としてランソプラゾールやその光学活性体のような一般式(I)で表されるベンズイミダゾール系PPI化合物やプロドラッグタイプのイミダゾール系化合物誘導体のPPI(とりわけ上記一般式(II)および(III)で表わされる化合物やその光学活性体)を含有する製剤は、生体内で、優れた抗潰瘍作用、胃酸分泌抑制作用、粘膜保護作用、抗ヘリコバクター・ピロリ作用等を有し、また、毒性は低いので、医薬として有用である。特に、上記一般式(II)で表わされるイミダゾール系化合物は、酸に安定なので、経口投与する際に腸溶製剤にする必要がなく、腸溶製剤化の費用を削減し、また、製剤が小さくなることにより嚥下力の弱い病人、特に老人や小人に服用しやすくなる。しかも、腸溶製剤よりも吸収が速いので胃酸分泌抑制作用が速く発現し、また生体内で徐々に元の化合物に変換されるので持続性があり、抗潰瘍剤等として有用である。本発明の化合物(I)またはその塩等のPPI化合物は、毒性が低く、そのままあるいは自体公知の方法に従って、薬理学的に許容される担体とともに混合した医薬組成物、例えば、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセルを含む)、口腔内崩壊錠、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤、貼布剤等の製剤として、経口的または非経口的(例、局所、直腸、静脈投与等)に安全に投与することができる。
本発明の錠剤、顆粒および細粒は、哺乳動物(例えば、ヒト、サル、ヒツジ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなど)において、消化性潰瘍(例えば、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍等)、ゾリンジャー・エリソン(Zollinger-Ellison)症候群、胃炎、逆流性食道炎、食道炎を伴わない胃食道逆流症(Symptomatic GastroesopHageal Reflux Disease (Symptomatic GERD))、NUD(Non Ulcer Dyspepsia)、胃癌(インターロイキン−1の遺伝子多形によるインターロイキン−1βの産生促進に伴う胃癌を含む)、胃MALTリンパ腫等の治療および予防、ヘリコバクター・ピロリ除菌、消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍および出血性胃炎による上部消化管出血の抑制、侵襲ストレス(手術後に集中管理を必要とする大手術や集中治療を必要とする脳血管障害、頭部外傷、多臓器不全、広範囲熱傷から起こるストレス)による上部消化管出血の抑制、非ステロイド系抗炎症剤に起因する潰瘍の治療および予防;手術後ストレスによる胃酸過多および潰瘍の治療および予防などを目的として経口投与できる。ヘリコバクター・ピロリ除菌等のためには、本発明の顆粒やカプセル剤と他の活性成分(例えば、1ないし3種の活性成分)と併用してもよい。
「他の活性成分」としては、例えば、抗ヘリコバクター・ピロリ活性物質、イミダゾール系化合物、キノロン系化合物等の抗菌剤やビスマス塩が挙げられる。とりわけ、本発明の顆粒やカプセル剤と抗菌剤と組み合わせてなる医薬が好ましい。このうち、抗ヘリコバクター・ピロリ活性物質、イミダゾール系化合物などの抗菌剤との併用が好ましい。「抗ヘリコバクター・ピロリ活性物質」としては、例えば、ペニシリン系抗生物質(例えば、アモキシシリン、ベンジルペニシリン、ピペラシリン、メシリナムなど)、セフェム系抗生物質(例えば、セフィキシム、セファクロルなど)、マクロライド系抗生物質(例えば、エリスロマイシン、クラリスロマイシンなどのエリスロマイシン系抗生物質)、テトラサイクリン系抗生物質(例えば、テトラサイクリン、ミノサイクリン、ストレプトマイシンなど)、アミノグリコシド系抗生物質(例えば、ゲンタマイシン、アミカシンなど)、イミペネムなどが挙げられる。中でもペニシリン系抗生物質、マクロライド系抗生物質などが好ましい。
「イミダゾール系化合物」としては、例えば、メトロニダゾール、ミコナゾールなどが挙げられる。「ビスマス塩」としては、例えば、ビスマス酢酸塩、ビスマスクエン酸塩などが挙げられる。「キノロン系化合物」の抗菌剤も好ましく、例えば、オフロキサシン、シプロキサシンなどが挙げられる。とりわけ、ヘリコバクター・ピロリ除菌のためには、本発明の顆粒やカプセル剤と、ペニシリン系抗生物質(例えば、アモキシシリン等)および/またはエリスロマイシン系抗生物質(例えば、クラリスロマイシン等)とを併用して用いるのが好ましい。
尚、例えば、ランソプラゾールの場合、従来結晶形のランソプラゾール15mg含有カプセル剤は3号カプセルに、また30mg含有カプセル剤は1号カプセルに充填されることが多かったが、中間被覆層を設けたり塩基性無機塩安定化剤を配合したり、さらには顆粒の粒度調整をすることにより予想外に高濃度に活性成分を含む顆粒にすることにより主薬や製剤の安定性をそこなうことなく主薬以外の成分の量を低減できるので、15mg含有カプセル剤は4号乃至5号カプセルに、また30mg含有カプセル剤は3号乃至5号カプセルにそれぞれ小型化することもできる。
さらに60mg含有するカプセル剤においても、1号乃至3号カプセルの使用が可能である。
また、ランソプラゾールの光学活性体の場合も、30mg、40mgおよび60mg含有するカプセル剤用に、それぞれ、3号乃至5号カプセル、2号乃至4号カプセルおよび1号乃至3号カプセルを用いることができる。
たとえば、ランソプラゾールまたはランソプラゾールR体を60mg含有するカプセル剤は、高濃度に活性成分を含有し小型化されたカプセル剤は、飲み易いため、とりわけゾリンジャー・エリソン症候群を含む酸過剰分泌症状の治療に好適である。
1日の投与量は、症状の程度、投与対象の年齢、性別、体重、投与の時期、間隔、有効成分の種類などによって異なり、特に限定されないが、例えば、抗潰瘍剤として、成人(60kg)に対し、経口的に投与する場合、有効成分として約0.5〜1500mg/日、好ましくは約5〜150mg/日である。これらベンツイミダソール系またはイミダゾール系化合物含有製剤は、1日1回または2〜3回に分けて投与してもよい。
尚、本発明の固形製剤を保管時や輸送時等の安定性を向上させるために、包装形態においても安定化を施してもよい。例えば、水分や酸素透過を抑制した包装、ガス置換包装(すなわち、酸素以外の気体で置換する包装)、真空包装および脱酸素剤封入包装等の包装形態を用いるなどにより、本発明のベンズイミダゾール系またはイミダゾール系化合物を含有するカプセル製剤の安定化の向上を図ることができる。このような包装形態にすることにより、固形製剤が直接接触する酸素量を低減することにより安定化が向上する。脱酸素剤を封入する場合は、酸素が透過する材料で医薬固形製剤を包装したのち、その包装品とともに新たな包装を施すことでもよい。
以下、合成例、参考例、実施例および試験例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の製剤実施例で用いられるトウモロコシデンプン(コーンスターチ)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L)、(滅菌)タルク、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール6000、酸化チタンとしては、第十四改正日本薬局方適合品を用いた。
以下の参考合成例、合成例において、室温は、約15〜30℃を意味する。
H−NMRは、Varian Gemini−200またはMercury−300を用いて測定し、CDCl、DMSO−d、CDODを溶媒として用い、内部標準のテトラメチルシランからのケミカルシフトδ(ppm)を示した。
その他の本明細書中の記号は以下の意味を示す。
s:シングレット
d:ダブレット
t:トリプレット
q:カルテット
m:マルチプレット
br:ブロード
bs:ブロードシングレット
bm:ブロードマルチプレット
J:結合定数
参考合成例1
2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル
Figure 0004578124
2−(メチルアミノ)エタノール(30.04g)と酢酸エチル(90mL)の混合物に氷冷下、二炭酸ジ−tert−ブチル(87.30g)と酢酸エチル(10mL)の混合物を滴下した。室温で2時間攪拌後、減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル(150mL)に溶解し、水(100mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、標題化合物(66.19g)を無色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):1.47(9H,s),2.92(3H,s),3.40(2H,t,J=5.1Hz),3.72−3.80(2H,m).
参考合成例2
2−(メチルアミノ)エチル アセテート塩酸塩
Figure 0004578124
2−(メチルアミノ)エタノール(1.50g)と酢酸エチル(20mL)の混合物に氷冷下、二炭酸ジ−tert−ブチル(4.37g)を添加した。氷冷下、1.5時間攪拌後、無水酢酸(2.08mL)、ピリジン(1.78mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.12g)を添加した。室温で2時間攪拌後、反応液に酢酸エチル(50mL)を加え、水(50mL)、5%クエン酸水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残留物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(20mL)を加え、室温で2時間攪拌した。ジエチルエーテル(10mL)を添加して、析出している固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(2.93g)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):2.07(3H,s),2.53(3H,s),3.12−3.17(2H,m),4.24−4.30(2H,m),9.29(2H,br).
参考合成例3
2−(メチルアミノ)エチル トリメチルアセテート塩酸塩
Figure 0004578124
参考合成例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.75g)と酢酸エチル(15mL)の混合物にトリエチルアミン(1.67mL)を添加した後、トリメチルアセチルクロリド(1.35mL)と酢酸エチル(5mL)の混合物を滴下した。室温で2時間攪拌後、ピリジン(1.62mL)を添加し、室温で終夜攪拌した。反応液に酢酸エチル(50mL)を加え、水(50mL)、5%クエン酸水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を添加した。室温で2時間攪拌後、ジエチルエーテル(10mL)を添加して、析出している固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(1.65g)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):1.18(9H,s),2.56(3H,s),3.17(2H,t,J=10.5Hz),4.22−4.28(2H,m),9.19(2H,br).
参考合成例4
2−(メチルアミノ)エチル シクロヘキサンカルボキシレート塩酸塩
Figure 0004578124
参考合成例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.75g)と酢酸エチル(20mL)の混合物にピリジン(0.97mL)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を添加した後、シクロヘキサンカルボニルクロリド(1.60mL)を滴下した。室温で2時間攪拌後、ピリジン(0.65mL)、シクロヘキサンカルボニルクロリド(0.58mL)を追加し、室温で終夜攪拌した。反応液に酢酸エチル(50mL)を加え、水(50mL)、5%クエン酸水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を添加した。室温で2時間攪拌後、ジエチルエーテル(10mL)を添加して、析出している固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(1.88g)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):1.10−1.45(5H,m),1.54−1.73(3H,m),1.83−1.93(2H,m),2.29−2.42(1H,m),2.54(3H,s),3.12−3.18(2H,m),4.23−4.29(2H,m),9.23(2H,br).
参考合成例5
2−(メチルアミノ)エチル ベンゾエート塩酸塩
Figure 0004578124
2−(メチルアミノ)エタノール(30.04g)と酢酸エチル(90mL)の混合物に氷冷下、二炭酸ジ−tert−ブチル(87.30g)と酢酸エチル(10mL)の混合物を滴下した。室温で1時間攪拌後、塩化ベンゾイル(61.8g)、ピリジン(38.8mL)を氷冷下添加した。室温で1時間攪拌後、固体を濾去した。固体を酢酸エチル(100mL)で洗浄し、濾液と洗浄液を合わせ、水(100mL)、飽和食塩水(100mL)で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル(100mL)に溶解し、4N塩化水素−酢酸エチル溶液(200mL)を加え、室温で30分間攪拌した。ジエチルエーテル(100mL)を添加後、固体を濾取した。酢酸エチル(100mL)で2回洗浄した後、減圧下60℃で乾燥し、標題化合物(57.4g)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):2.62(3H,s),3.32(2H,m),4.53(2H,t,J=9.9Hz),7.51−7.57(2H,m),7.68(1H,m),8.11(2H,d,J=7.8Hz),9.26(2H,bs).
参考合成例6
2−(メチルアミノ)エチル 4−メトキシベンゾエート塩酸塩
Figure 0004578124
参考合成例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.75g)と酢酸エチル(10mL)の混合物に4−メトキシベンゾイルクロリド(1.88g)、ピリジン(0.97mL)を添加した。室温で14時間攪拌後、4−メトキシベンゾイルクロリド(0.70g)、ピリジン(0.97mL)を追加し、室温で1時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(80mL)を加え、水(20mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)、水(20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を酢酸エチル(10mL)に溶解し、4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を添加した。室温で1時間攪拌後、ジエチルエーテル(20mL)を添加して、析出している固体を濾取した。酢酸エチル(15mL)で2回洗浄した後、減圧下60℃で乾燥し、標題化合物(1.99g)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):2.62(3H,s),3.32(2H,m),4.48(2H,t,J=5.0Hz),7.07(2H,d,J=8.7Hz),8.06(2H,d,J=8.7Hz),9.04(2H,bs).
参考合成例7
2−(メチルアミノ)エチル 3−クロロベンゾエート塩酸塩
Figure 0004578124
参考合成例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.75g)と酢酸エチル(10mL)の混合物に3−クロロベンゾイルクロリド(1.92g)、ピリジン(0.97mL)を添加した。室温で1時間攪拌後、60℃で6時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(80mL)を加え、水(20mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)、水(20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を添加した。室温で22時間攪拌後、ジエチルエーテル(15mL)を添加して、析出している固体を濾取した。酢酸エチル(15mL)で2回洗浄した後、減圧下60℃で乾燥し、標題化合物(2.01g)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):2.63(3H,s),3.32(2H,m),4.53(2H,t,J=4.9Hz),7.60(1H,t,J=8.0Hz),7.78(1H,d,J=8.0Hz),8.05(1H,d,J=8.0Hz),8.15(1H,s),9.07(2H,bs).
参考合成例8
2−(メチルアミノ)エチル 3,4−ジフルオロベンゾエート塩酸塩
Figure 0004578124
参考合成例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.75g)と酢酸エチル(10mL)の混合物に3,4−ジフルオロベンゾイルクロリド(1.77g)、ピリジン(0.97mL)を添加した。室温で3日間攪拌後、反応液に酢酸エチル(80mL)を加え、水(20mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)、水(20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を添加した。室温で4時間攪拌後、減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル(15mL)で洗浄後、減圧下60℃で乾燥し、標題化合物(2.05g)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):2.62(3H,s),3.32(2H,m),4.53(2H,t,J=5.0Hz),7.64(1H,m),8.00(1H,m),8.25(1H,m),9.25(2H,bs).
参考合成例9
2−(メチルアミノ)エチル 4−トリフルオロメトキシベンゾエート塩酸塩
Figure 0004578124
参考合成例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.30g)と酢酸エチル(10mL)の混合物に4−トリフルオロメトキシベンゾイルクロリド(1.83g)、ピリジン(0.72mL)を添加した。60℃で25時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(60mL)を加え、水(30mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)、水(20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を添加した。室温で14.5時間攪拌後、減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル(15mL)で2回洗浄した後、減圧下60℃で乾燥し、標題化合物(1.83g)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):2.63(3H,s),3.31(2H,m),4.54(2H,t,J=4.9Hz),7.55(2H,d,J=8.5Hz),8.24(2H,d,J=8.5Hz),9.02(2H,bs).
参考合成例10
2−(メチルアミノ)エチル 4−フルオロベンゾエート塩酸塩
Figure 0004578124
参考合成例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.75g)と酢酸エチル(10mL)の混合物に4−フルオロベンゾイルクロリド(1.74g)、ピリジン(0.97mL)を添加した。室温で6.5時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(80mL)を加え、水(30mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)、水(30mL)、飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を添加した。室温で1時間攪拌後、析出している固体を濾取した。酢酸エチル(15mL)で2回洗浄した後、減圧下60℃で乾燥し、標題化合物(1.89g)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):2.62(3H,s),3.32(2H,m),4.52(2H,t,J=4.9Hz),7.34−7.44(2H,m),8.16−8.24(2H,m),9.18(2H,bs).
参考合成例11
2−(メチルアミノ)エチル 3,4,5−トリメトキシベンゾエート塩酸塩
Figure 0004578124
参考合成例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.75g)と酢酸エチル(10mL)の混合物に3,4,5−トリメトキシベンゾイルクロリド(2.54g)、ピリジン(0.97mL)を添加した。60℃で14時間攪拌後、3,4,5−トリメトキシベンゾイルクロリド(1.30g)、ピリジン(0.97mL)、酢酸エチル(10mL)を追加し、60℃で24時間攪拌した。反応液を濾過し、濾液に酢酸エチル(50mL)、水(30mL)を添加した。分液後、酢酸エチル層を1N塩酸(30mL)、水(30mL)、硫酸銅(II)水溶液(30mL)、水(30mL)、飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1で溶出)で精製した。精製物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を添加した。室温で4時間攪拌後、減圧濃縮した。トルエン(10mL)を加え、減圧濃縮した。残留物を酢酸エチルに懸濁させ、固体を濾取した。酢酸エチル(15mL)で洗浄した後、減圧下乾燥し、標題化合物(1.79g)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):2.61(3H,s),3.28−3.35(2H,m),3.74(3H,s),3.87(6H,s),4.48−4.54(2H,m),7.40(2H,s),9.43(2H,br).
参考合成例12
2−(メチルアミノ)エチル 2−ピリジンカルボキシレート二塩酸塩
Figure 0004578124
参考合成例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.75g)、2−ピリジンカルボニルクロリド塩酸塩(2.67g)、ピリジン(1.21mL)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.122g)のテトラヒドロフラン溶液(100mL)に、氷冷下、トリエチルアミン(2.09mL)を滴下し、室温で6時間攪拌した。反応液に水(200mL)を加え酢酸エチル(150mL)で抽出した。有機層を5%硫酸銅(II)水溶液(100mL)、水(100mL)及び飽和食塩水(100mL)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧留去した。残留物を酢酸エチル(50mL)、エタノール(100mL)に溶解し、4N塩化水素−酢酸エチル溶液(15mL)を加え、室温で1時間攪拌した。析出している固体を濾取し、酢酸エチル(100mL)で2回洗浄した後、減圧下60℃で乾燥し、標題化合物(1.08g)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):2.62(3H,t,J=5.4Hz),3.35(2H,m),4.63(2H,t,J=5.0Hz),5.26(1H,bs),7.77−7.84(1H,m),8.14−8.18(1H,m),8.36−8.40(1H,m),8.70−8.90(1H,m),9.48(2H,br).
参考合成例13
2−(メチルアミノ)エチル メトキシアセテート
Figure 0004578124
参考合成例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.75g)と酢酸エチル(10mL)の混合物にメトキシアセチルクロリド(1.20g)、ピリジン(0.97mL)を添加した。室温で3時間攪拌後、反応液に酢酸エチル(70mL)を加え、水(20mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)、水(20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を酢酸エチル(5mL)に溶解し、4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を添加した。室温で1時間攪拌後、減圧濃縮した。残留物に水(60mL)とジエチルエーテル(30mL)を加え、攪拌した後、水層を分取した。水層を炭酸水素ナトリウムで塩基性にした後、酢酸エチル(40mL)で2回抽出した。酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、標題化合物(1.00g)を無色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):2.40(1H,bs),3.06(3H,s),3.44(3H,s),3.57(2H,t,J=5.1Hz),3.75−3.82(2H,m),4.13(2H,s).
参考合成例14
エチル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩
Figure 0004578124
参考合成例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.75g)と酢酸エチル(20mL)の混合物にピリジン(0.97mL)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を添加した後、クロロ炭酸エチル(1.25mL)を滴下した。室温で終夜攪拌した後、酢酸エチル(50mL)を加え、水(50mL)、5%クエン酸水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を添加した。室温で2時間攪拌後、ジエチルエーテル(10mL)を添加して、析出している固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(1.66g)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):1.23(3H,t,J=7.1Hz),2.54(3H,s),3.16−3.22(2H,m),4.15(2H,q,J=7.1Hz),4.32−4.37(2H,m),9.25(2H,br).
参考合成例15
イソプロピル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩
Figure 0004578124
参考合成例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(3.50g)と酢酸エチル(20mL)の混合物に氷冷下、クロロ炭酸イソプロピル(1.35g)、ピリジン(1.94mL)を添加した。氷冷下、3.5時間攪拌後、クロロ炭酸イソプロピル(1.84g)を追加し、室温で2.5時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(120mL)を加え、水(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を添加した。室温で2時間攪拌後、析出している固体を濾取した。酢酸エチル(15mL)で洗浄した後、減圧下60℃で乾燥し、標題化合物(1.38g)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):1.25(6H,d,J=6.2Hz),2.56(3H,s),3.20(2H,t,J=5.1Hz),4.32(2H,t,J=5.1Hz),4.80(1H,m),8.95(2H,bs).
参考合成例16
ベンジル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩
Figure 0004578124
参考合成例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.75g)と酢酸エチル(20mL)の混合物にピリジン(0.97mL)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を添加した後、クロロ炭酸ベンジル(1.57mL)を滴下した。室温で2時間攪拌後、ピリジン(0.65mL)、クロロ炭酸ベンジル(1.28mL)を追加した。室温で5日間攪拌後、氷冷下、ピリジン(0.81mL)を追加し、さらにクロロ炭酸ベンジル(1.43mL)の酢酸エチル溶液(5mL)をゆっくり滴下した。室温で2時間攪拌後、酢酸エチル(50mL)を加え、水(50mL)、5%クエン酸水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を添加した。室温で2時間攪拌後、ジエチルエーテル(10mL)を添加して、析出している固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(1.99g)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):2.55(3H,s),3.21(2H,t,J=5.1Hz),4.37(2H,t,J=5.1Hz),5.18(2H,s),7.30−7.50(5H,m),9.07(2H,br).
参考合成例17
2−(メチルアミノ)エチル テトラヒドロピラン−4−イル カーボネート塩酸塩
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(2.97g)のテトラヒドロフラン溶液(40mL)に氷冷下、ピリジン(2.43mL)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を滴下した。氷冷下、10分間攪拌後、テトラヒドロピラン−4−オール(1.91g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)をゆっくり滴下した。室温で2時間攪拌後、減圧濃縮し、残留物に酢酸エチル(50mL)と水(50mL)を加えた。酢酸エチル層を分取し、0.2N塩酸(20mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して、クロロ炭酸テトラヒドロピラン−4−イル(1.53g)を得た。参考合成例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.40g)とテトラヒドロフラン(20mL)の混合物にピリジン(0.78mL)を添加した後、上記で得られたクロロ炭酸テトラヒドロピラン−4−イル(1.53g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を滴下し、室温で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮後、水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。5%クエン酸水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=4:1、続いて3:2で溶出)で精製した。得られた無色油状物(2.03g)をジエチルエーテル(2mL)に溶解し、4N塩化水素−酢酸エチル溶液(5mL)を添加した。室温で30分間攪拌後、ジエチルエーテル(10mL)を添加して、終夜攪拌した。析出している固体を濾取し、減圧下乾燥して、標題化合物(1.20g)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):1.50−1.65(2H,m),1.87−1.98(2H,m),2.54(3H,s),3.20(2H,m),3.40−3.50(2H,m),3.74−3.83(2H,m),4.36(2H,t,J=5.1Hz),4.72−4.83(1H,m),9.32(2H,br).
参考合成例18
2−メトキシエチル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩
Figure 0004578124
参考合成例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.75g)と酢酸エチル(20mL)の混合物にピリジン(1.62mL)を添加した後、クロロ炭酸2−メトキシエチル(2.77g)の酢酸エチル溶液(5mL)をゆっくり滴下し、室温で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮後、水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。5%クエン酸水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をジエチルエーテル(2mL)に溶解し、4N塩化水素−酢酸エチル溶液(5mL)を添加した。室温で30分間攪拌後、ジエチルエーテル(10mL)を添加して、終夜攪拌した。析出している固体を濾取し、減圧下乾燥して、標題化合物(1.56g)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):2.54(3H,s),3.19(2H,m),3.26(3H,s),3.52−3.57(2H,m),4.20−4.25(2H,m),4.33−4.39(2H,m),9.26(2H,br).
参考合成例19
エチル(2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチル
Figure 0004578124
2−(エチルアミノ)エタノール(8.91g)と酢酸エチル(100mL)の混合物に氷冷下、二炭酸ジ−tert−ブチル(21.8g)を添加した。室温で3日間攪拌後、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、標題化合物(19.0g)を無色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):1.11(3H,t,J=7.0Hz),1.47(9H,s),3.27(2H,q,J=7.0Hz),3.37(2H,t,J=5.2Hz),3.73(2H,q,J=5.2Hz).
参考合成例20
2−(エチルアミノ)エチル アセテート塩酸塩
Figure 0004578124
参考合成例19で得られたエチル(2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.89g)と酢酸エチル(20mL)の混合物に無水酢酸(1.04mL)、ピリジン(0.89mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.061g)を添加した。室温で3時間攪拌後、酢酸エチル(50mL)を加え、水(50mL)、5%クエン酸水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残留物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を加え、室温で1時間攪拌した。酢酸エチル(10mL)、ジエチルエーテル(20mL)を添加して、析出している固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(1.54g)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):1.22(3H,t,J=7.3Hz),2.07(3H,s),2.95(2H,q,J=7.3Hz),3.15(2H,t,J=5.3Hz),4.24−4.30(2H,m),9.17(2H,br).
参考合成例21
2−ヒドロキシエチル(イソプロピル)カルバミン酸tert−ブチル
Figure 0004578124
2−(イソプロピルアミノ)エタノール(10.0g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に、二炭酸ジ−tert−ブチル(22.2g)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に水(100mL)を加え、酢酸エチル(200mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮することで、標題化合物(21.21g)を無色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):1.12(6H,d,J=6.6Hz),3.30(2H,t,J=5.0Hz),3.71(2H,t,J=5.0Hz),3.80−4.30(1H,m).
参考合成例22
2−(イソプロピルアミノ)エチル アセテート塩酸塩
Figure 0004578124
参考合成例21で得られた2−ヒドロキシエチル(イソプロピル)カルバミン酸tert−ブチル(5.0g)のテトラヒドロフラン溶液(15mL)にピリジン(6.0mL)と無水酢酸(2.79mL)を加え室温で18時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を5%クエン酸水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた無色油状物を4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)に溶解し、室温で1時間撹拌した。析出した固体を濾取し、減圧下乾燥することで、標題化合物(3.14g)を無色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):1.25(6H,d,J=6.6Hz),2.08(3H,s),3.10−3.40(3H,m),4.29(2H,t,J=6.0Hz),9.11(2H,br).
参考合成例23
エチル 2−(イソプロピルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩
Figure 0004578124
参考合成例21で得られた2−ヒドロキシエチル(イソプロピル)カルバミン酸tert−ブチル(5.0g)のテトラヒドロフラン溶液(15mL)にピリジン(6.0mL)とクロロ炭酸エチル(2.81mL)を加え室温で18時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を5%クエン酸水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた無色油状物を4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)に溶解し、室温で1時間撹拌した。析出した固体を濾取し、減圧下乾燥することで、標題化合物(3.34g)を無色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):1.20−1.30(9H,m),3.10−3.40(3H,m),4.17(2H,q,J=7.4Hz),4.37(2H,t,J=5.6Hz),9.13(2H,br).
参考合成例24
シクロヘキシル(2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチル
Figure 0004578124
2−(シクロヘキシルアミノ)エタノール(14.3g)のエタノール溶液(200mL)に、二炭酸ジ−tert−ブチル(21.8g)を滴下した。室温で2日間攪拌後、減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル(200mL)に溶解し、水(100mL)及び飽和食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、標題化合物(24.2g)を無色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):1.26−1.39(4H,m),1.47(9H,s),1.61−1.81(6H,m),3.30−3.40(2H,m),3.69(2H,t,J=5.4Hz),3.66−3.90(2H,br).
参考合成例25
2−(シクロヘキシルアミノ)エチル アセテート塩酸塩
Figure 0004578124
参考合成例24で得られたシクロヘキシル(2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチル(2.43g)のテトラヒドロフラン溶液(50mL)に氷冷下、ピリジン(1.05mL)、無水酢酸(1.23mL)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.122g)を加え、室温で12時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(100mL)を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)、5%硫酸銅(II)水溶液(100mL)及び飽和食塩水(100mL)で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル(15mL)に溶解し、4N塩化水素−酢酸エチル溶液(15mL)を添加した。室温で3時間攪拌後、ジイソプロピルエーテル(20mL)を加え、析出している固体を濾取することにより、標題化合物(1.78g)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):1.05−2.03(10H,m),2.07(3H,s),2.90−3.10(1H,m),3.17(2H,t,J=5.2Hz),4.29(2H,t,J=5.2Hz),9.19(2H,br).
参考合成例26
2−(シクロヘキシルアミノ)エチル エチル カーボネート塩酸塩
Figure 0004578124
参考合成例24で得られたシクロヘキシル(2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチル(2.43g)のテトラヒドロフラン溶液(50mL)に氷冷下、ピリジン(1.45mL)、クロロ炭酸エチル(1.71mL)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.122g)を加え、室温で15時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(100mL)を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)、5%硫酸銅(II)水溶液(100mL)、水(100mL)及び飽和食塩水(100mL)で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル(15mL)に溶解し、4N塩化水素−酢酸エチル溶液(15mL)を添加した。室温で3時間攪拌後、ジイソプロピルエーテル(20mL)を加え、析出している固体を濾取することにより、標題化合物(2.12g)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):1.01−2.08(10H,m),1.23(3H,t,J=7.0Hz),2.90−3.10(1H,m),3.21(2H,t,J=5.2Hz),4.16(2H,q,J=7.0Hz),4.39(2H,t,J=5.2Hz),9.27(2H,br).
参考合成例27
2−アニリノエチル アセテート塩酸塩
Figure 0004578124
2−アニリノエタノール(137g)のテトラヒドロフラン溶液(700mL)に氷冷下でピリジン(97.1mL)、無水酢酸(113.2mL)及び4−ジメチルアミノピリジン(12.22g)を加え、室温で20時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(1L)を加え、水(1L)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(1L)、5%硫酸銅(II)水溶液(1L)及び飽和食塩水(1L)で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧留去した。得られた残留物の酢酸エチル(700mL)溶液に氷冷下、4N塩化水素−酢酸エチル溶液(250mL)を加え、析出した固体を濾取することにより、標題化合物(156g)を白色固体として得た。
H−NMR(CDOD):2.11(3H,s),3.71−3.76(2H,m),4.32−4.37(2H,m),7.49−7.64(5H,m).
参考合成例28
tert−ブチル [2−(メチルアミノ)−3−ピリジル]メチル カーボネート
Figure 0004578124
[2−(メチルアミノ)−3−ピリジル]メタノール(2g:WO 01/32652に記載の方法で合成)のテトラヒドロフラン溶液(50mL)に二炭酸ジ−tert−ブチル(3.48g)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.18g)を加え、1時間還流した。反応液に水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出し、得られた有機層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮して得た残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:5で溶出)で精製することにより、標題化合物(1.51g)を白色固体として得た。
H−NMR(CDCl):1.49(9H,s),3.02(3H,d,J=4.8Hz),4.99(2H,s),5.00(1H,bs),6.55(1H,dd,J=7.0,5.0Hz),7.37(1H,dd,J=7.0,1.8Hz),8.16(1H,dd,J=5.0,1.8Hz).
参考合成例29
2−(メチルアミノ)ベンジル アセテート
Figure 0004578124
[2−(メチルアミノ)フェニル]メタノール(1.37g:WO 01/32652に記載の方法で合成)のテトラヒドロフラン溶液(50mL)にピリジン(1.05mL)、無水酢酸(1.23mL)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.18g)を加え、室温で8時間攪拌した。反応液に水(100mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を5%硫酸銅(II)水溶液(50mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:5、続いて1:3で溶出)で精製することにより、標題化合物(0.38g)を白色固体として得た。
H−NMR(CDCl):2.08(3H,s),2.87(3H,s),4.40(1H,br),5.08(2H,s),6.64−6.74(2H,m),7.17−7.32(2H,m).
参考合成例30
2−[(2−アセチルオキシエチル)アミノ]エチル アセテート塩酸塩
Figure 0004578124
2,2’−イミノジエタノール(2.10g)と酢酸エチル(20mL)の混合物に氷冷下、二炭酸ジ−tert−ブチル(4.37g)を添加した。氷冷下、1.5時間攪拌後、無水酢酸(2.08mL)、ピリジン(1.78mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.12g)を添加した。室温で2時間攪拌後、反応液に酢酸エチル(50mL)を加え、水(50mL)、5%クエン酸水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残留物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(20mL)を加え、室温で2時間攪拌した。ジエチルエーテル(10mL)を添加して、析出している固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(6.18g)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):2.07(6H,s),3.23(4H,t,J=5.3Hz),4.27−4.33(4H,m),9.40(2H,br).
参考合成例31
(S)−2−ピロリジニルメチル アセテート塩酸塩
Figure 0004578124
(S)−2−ピロリジニルメタノール(1.01g)と酢酸エチル(10mL)の混合物に氷冷下、二炭酸ジ−tert−ブチル(2.18g)を添加した。氷冷下、1時間攪拌後、無水酢酸(1.04mL)、ピリジン(0.89mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.061g)を添加した。室温で1時間攪拌後、反応液に酢酸エチル(50mL)を加え、水(50mL)、5%クエン酸水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残留物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を加え、室温で1時間攪拌した。ジエチルエーテル(10mL)を添加して、析出している固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(1.68g)を微褐色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):1.56−2.10(4H,m),2.06(3H,s),3.05−3.24(2H,m),3.63−3.68(1H,m),4.15(1H,dd,J=11.8,8.1Hz),4.26(1H,dd,J=11.8,4.1Hz),9.21(1H,br),9.87(1H,br).
参考合成例32
3−(メチルアミノ)プロピル ベンゾエート塩酸塩
Figure 0004578124
3−アミノ−1−プロパノ−ル(0.75g)と酢酸エチル(2.25mL)の混合物に氷冷下、二炭酸ジ−tert−ブチル(2.18g)の酢酸エチル溶液(0.25mL)を添加した。室温で21.5時間攪拌後、塩化ベンゾイル(1.30mL)、ピリジン(0.98mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.012g)を添加した。室温で5時間攪拌後、反応液に酢酸エチル(32.5mL)を加え、水(12.5mL)、飽和食塩水(12.5mL)で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残留物をN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)に溶解し、ヨウ化メチル(5mL)を添加した。氷冷下、60%水素化ナトリウム(0.4g)を添加した。室温で3時間攪拌後、反応液を氷冷した塩化アンモニウム水溶液(60mL)に注いだ。ジエチルエーテル(80mL)で抽出し、飽和食塩水(30mL)で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:1、続いて酢酸エチル、続いてアセトン:酢酸エチル=1:9)で精製し、3−[(tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]プロピル ベンゾエート(2.52g)を無色油状物として得た。4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を加え、室温で1時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物を酢酸エチル(10mL)を添加して析出している固体を濾取した。ジエチルエーテル(10mL)で洗浄後、減圧下乾燥し、標題化合物(1.73g)を無色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):2.02−2.16(2H,m),2.56(3H,s),3.05(2H,t,J=7.3Hz),4.35(2H,t,J=6.1Hz),7.51(2H,m),7.65−7.73(1H,m),8.01(2H,d,J=7.2Hz),8.95(2H,br).
参考合成例33
2−[(エトキシカルボニル)(メチル)アミノ]エチル エチル カーボネート
Figure 0004578124
2−(メチルアミノ)エタノール(100g)の酢酸エチル溶液(1000mL)にピリジン(222mL)を加え、氷冷下、クロロ炭酸エチル(240mL)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応液を室温で18時間攪拌した。水(300mL)を加え、酢酸エチル層を分離した後、1N塩酸(200mL)と飽和食塩水(200mL)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残留物を減圧蒸留することにより、標題化合物(180g)を沸点95−100℃(圧力:0.1−0.2mmHg)の無色留分として得た。
H−NMR(CDCl):1.20−1.40(6H,m),2.97(3H,s),3.50−3.60(2H,m),4.05−4.35(6H,m).
参考合成例34
2−[(クロロカルボニル)(メチル)アミノ]エチル エチル カーボネート
Figure 0004578124
参考合成例33で得た2−[(エトキシカルボニル)(メチル)アミノ]エチル エチル カーボネート(150g)のアセトニトリル溶液(1500mL)にオキシ塩化リン(200mL)を加え、4日間還流した。反応液を減圧濃縮した後、残留物を水(500mL)−氷(700g)−酢酸エチル(300mL)の混合物に少しずつ攪拌しながら加えた。1分間攪拌した後、飽和食塩水(500mL)を加え、酢酸エチル(500mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(300mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(300mL)、飽和食塩水(300mL)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残留物を減圧蒸留することにより、標題化合物(77g)を沸点100−105℃(圧力:0.1−0.2mmHg)の無色留分として得た。
H−NMR(CDCl):1.33(3H,t,J=7.2Hz),3.12(3H×0.4,s),3.22(3H×0.6,s),3.68(2H0.6,t,J=4.8Hz),3.78(2H×0.4,t,J=4.8Hz),4.23(2H,q,J=7.2Hz),4.30−4.40(2H,m).
参考合成例35
4−ヒドロキシブチルカルバミン酸tert−ブチル
Figure 0004578124
4−アミノブタノール(3.57g)と酢酸エチル(9mL)の混合物に氷冷下、二炭酸ジ−tert−ブチル(8.73g)と酢酸エチル(1mL)の混合物を滴下した。室温で24時間攪拌後、減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル(200mL)に溶解し、水(50mL)、1N塩酸(40mL)、水(30mL)、飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、標題化合物(7.54g)を無色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):1.44(9H,s),1.47−1.61(4H,m),3.07−3.22(2H,m),3.61−3.76(2H,m),4.62(1H,bs).
参考合成例36
4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ブチル アセテート
Figure 0004578124
参考合成例35で得られた4−ヒドロキシブチルカルバミン酸tert−ブチル(3.83g)と酢酸エチル(20mL)の混合物にピリジン(1.80mL)、無水酢酸(2.27g)を添加した後、室温で19時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(100mL)を加え、水(50mL)、硫酸銅水溶液(30mL)、水(30mL)、飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、標題化合物(4.55g)を無色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):1.44(9H,s),1.51−1.69(4H,m),2.05(3H,s),3.15(2H,m),4.07(2H,t,J=6.5Hz),4.55(1H,bs).
参考合成例37
4−(メチルアミノ)ブチル アセテート塩酸塩
Figure 0004578124
参考合成例36で得られた4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ブチル アセテート(4.50g)とヨウ化メチル(4.85mL)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(20mL)に氷冷下、水素化ナトリウム(60%油性,0.94g)を添加した。室温で4時間攪拌後、反応液を氷−塩化アンモニウム水溶液に注入した後、ジエチルエーテル(120mL)で抽出し、ジエチルエーテル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9で溶出)で精製した。精製物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(20mL)を加え、室温で2時間攪拌した。ジエチルエーテル(40mL)を添加して、析出している固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(2.28g)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):1.58−1.70(4H,m),2.01(3H,s),2.50(3H,s),2.82−2.90(2H,m),4.00(2H,t,J=6.0Hz),8.90(2H,br).
参考合成例38
4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ブチル エチル カーボネート
Figure 0004578124
参考合成例35で得られた4−ヒドロキシブチルカルバミン酸tert−ブチル(3.71g)と酢酸エチル(20mL)の混合物に氷冷下、ピリジン(1.71mL)、クロロ炭酸エチル(2.55g)を添加した後、室温で24時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(100mL)を加え、水(50mL)、硫酸銅水溶液(30mL)、水(30mL)、飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、標題化合物(4.92g)を無色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):1.31(3H,t,J=7.1Hz),1.44(9H,s),1.46−1.80(4H,m),3.15(2H,m),4.11−4.25(4H,m),4.54(1H,bs).
参考合成例39
エチル 4−(メチルアミノ)ブチル カーボネート塩酸塩
Figure 0004578124
参考合成例38で得られた4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ブチル エチル カーボネート(4.90g)とヨウ化メチル(4.67mL)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(20mL)に氷冷下、水素化ナトリウム(60%油性,0.90g)を添加した。室温で6時間攪拌後、反応液を氷−塩化アンモニウム水溶液に注入した後、ジエチルエーテル(120mL)で抽出し、ジエチルエーテル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9で溶出)で精製した。精製物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(20mL)を加え、室温で2時間攪拌した。ジエチルエーテル(40mL)を添加して、析出している固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(2.86g)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):1.21(3H,t,J=7.1Hz),1.51−1.73(4H,m),2.50(3H,s),2.82−2.94(2H,m),4.05−4.15(4H,m),8.88(2H,br).
参考合成例40
3−ヒドロキシプロピルカルバミン酸tert−ブチル
Figure 0004578124
3−アミノプロパノール(7.51g)と酢酸エチル(30mL)の混合物に氷冷下、二炭酸ジ−tert−ブチル(21.8g)と酢酸エチル(3mL)の混合物を滴下した。室温で22時間攪拌後、減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル(200mL)に溶解し、水(80mL)、1N塩酸(60mL)、水(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、標題化合物(16.01g)を無色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):1.45(9H,s),1.62−1.70(2H,m),3.24(2H,q,J=6.6Hz),3.66(2H,q,J=5.1Hz),4.73(1H,bs).
参考合成例41
3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル アセテート
Figure 0004578124
参考合成例40で得られた3−ヒドロキシプロピルカルバミン酸tert−ブチル(8.00g)と酢酸エチル(50mL)の混合物にピリジン(4.06mL)、無水酢酸(5.13g)を添加した後、室温で21時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(200mL)を加え、水(100mL)、硫酸銅水溶液(40mL)、水(60mL)、飽和食塩水(60mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、標題化合物(8.34g)を無色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):1.44(9H,s),1.77−1.86(2H,m),2.06(3H,s),3.20(2H,q,J=6.3Hz),4.12(2H,t,J=6.3Hz),4.67(1H,bs).
参考合成例42
3−(メチルアミノ)プロピル アセテート塩酸塩
Figure 0004578124
参考合成例41で得られた3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル アセテート(17.28g)とヨウ化メチル(19.8mL)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(80mL)に氷冷下、水素化ナトリウム(60%油性,3.82g)を添加した。室温で15時間攪拌後、反応液を氷−塩化アンモニウム水溶液に注入した後、ジエチルエーテル(300mL)で抽出し、ジエチルエーテル層を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:8で溶出)で精製した。精製物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(40mL)を加え、室温で2時間攪拌した。ジエチルエーテル(100mL)を添加して、析出している固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(2.93g)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):1.85−1.97(2H,m),2.02(3H,s),2.50(3H,s),2.87−2.96(2H,m),4.06(2H,t,J=6.3Hz),8.87(2H,br).
参考合成例43
3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル エチル カーボネート
Figure 0004578124
参考合成例40で得られた3−ヒドロキシプロピルカルバミン酸tert−ブチル(8.00g)と酢酸エチル(50mL)の混合物に氷冷下、ピリジン(4.06mL)、クロロ炭酸エチル(5.95g)を添加した後、室温で24時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(100mL)を加え、水(50mL)、硫酸銅水溶液(30mL)、水(30mL)、飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、標題化合物(9.31g)を無色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):1.31(3H,t,J=7.1Hz),1.44(9H,s),1.82−1.90(2H,m),3.22(2H,t,J=6.3Hz),4.15−4.23(4H,m),4.68(1H,bs).
参考合成例44
エチル 3−(メチルアミノ)プロピル カーボネート塩酸塩
Figure 0004578124
参考合成例43で得られた3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル エチル カーボネート(9.31g)とヨウ化メチル(9.00mL)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(40mL)に氷冷下、水素化ナトリウム(60%油性,1.82g)を添加した。室温で12時間攪拌後、反応液を氷−塩化アンモニウム水溶液に注入した後、ジエチルエーテル(200mL)で抽出し、ジエチルエーテル層を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:8で溶出)で精製した。精製物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(40mL)を加え、室温で2時間攪拌した。ジエチルエーテル(200mL)を添加して、析出している固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(4.98g)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):1.21(3H,t,J=7.1Hz),1.91−2.00(2H,m),2.50(3H,s),2.88−2.98(2H,m),4.08−4.16(4H,m),8.90(2H,br).
参考合成例45
(2,3−ジヒドロキシプロピル)メチルカルバミン酸tert−ブチル
Figure 0004578124
3−(メチルアミノ)−1,2−プロパンジオール(24.5g)と酢酸エチル(50mL)の混合物に氷冷下、二炭酸ジ−tert−ブチル(51.4g)と酢酸エチル(10mL)の混合物を滴下した。室温で15時間攪拌後、減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル(150mL)に溶解し、水(80mL)、1N塩酸(60mL)、水(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、標題化合物(26.9g)を無色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):1.47(9H,s),2.92(3H,s),3.20−3.36(2H,m),3.41(2H,bs),3.50−3.62(2H,m),3.73−3.88(1H,m).
参考合成例46
3−(メチルアミノ)プロパン−1,2−ジイル ジアセテート塩酸塩
Figure 0004578124
参考合成例45で得られた(2,3−ジヒドロキシプロピル)メチルカルバミン酸tert−ブチル(10.26g)と酢酸エチル(50mL)の混合物にピリジン(10.11mL)、無水酢酸(12.76g)を添加した後、室温で24時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(300mL)を加え、水(150mL)、硫酸銅水溶液(100mL)、水(100mL)、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:8で溶出)で精製した。精製物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(40mL)を加え、室温で3時間攪拌した。ジエチルエーテル(100mL)を添加して、析出している固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(2.76g)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):2.03(3H,s),2.07(3H,s),2.55(3H,s),3.18−3.22(2H,m),4.09−4.28(2H,m),5.20−5.27(1H,m),9.01(2H,br).
参考合成例47
ジエチル 3−(メチルアミノ)プロパン−1,2−ジイル ビスカーボネート塩酸塩
Figure 0004578124
参考合成例45で得られた(2,3−ジヒドロキシプロピル)メチルカルバミン酸tert−ブチル(15.53g)と酢酸エチル(100mL)の混合物に氷冷下、ピリジン(18.35mL)、クロロ炭酸エチル(24.62g)を添加した後、室温で96時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(300mL)を加え、水(150mL)、硫酸銅水溶液(100mL)、水(100mL)、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:6で溶出)で精製した。精製物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(80mL)を加え、室温で3時間攪拌した。ジエチルエーテル(200mL)を添加して、析出している固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(5.93g)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):1.20−1.28(6H,m),2.57(3H,s),3.12−3.28(2H,m),4.10−4.43(6H,m),5.13−5.22(1H,m),9.14(2H,br).
参考合成例48
2−エトキシエチル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(2.97g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、2−エトキシエタノール(1.80g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を滴下した。続いてピリジン(2.43mL)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を滴下した後、室温で2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を0.2N塩酸(20mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮することにより、クロロ炭酸2−エトキシエチル(1.29g)を得た。参考合成例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.23g)のテトラヒドロフラン溶液(15mL)にピリジン(0.68mL)を添加した後、上記で得られたクロロ炭酸2−エトキシエチルのテトラヒドロフラン溶液(5mL)を滴下し、室温で3日間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を5%クエン酸水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:5、続いて2:3で溶出)で精製した。精製物(1.60g)をジエチルエーテル(3mL)に溶解し、4N塩化水素−酢酸エチル溶液(3mL)を添加した。室温で終夜攪拌した後、析出している固体を濾取し、減圧下乾燥して、標題化合物(0.94g)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):1.10(3H,t,J=7.0Hz),2.57(3H,s),3.18−3.25(2H,m),3.44(2H,q,J=7.0Hz),3.56−3.60(2H,m),4.19−4.24(2H,m),4.30−4.37(2H,m),8.79(2H,br).
参考合成例49
3−メトキシプロピル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩
Figure 0004578124
水素化リチウムアルミニウム(2.85g)とジエチルエーテル(100mL)の混合物に氷冷下、メチル 3−メトキシプロパノエート(11.8g)のテトラヒドロフラン溶液(50mL)をゆっくり滴下した。室温で1時間攪拌後、再び氷冷し、水(3mL)、10%水酸化ナトリウム水溶液(3mL)を滴下した。室温に戻し、水(9mL)を滴下した後、しばらく攪拌した。析出物を濾別し、濾液を減圧濃縮することにより、3−メトキシプロパノール(7.64g)を無色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):1.83(2H,quintet,J=5.8Hz),2.43(1H,t,J=5.3Hz),3.36(3H,s),3.57(2H,t,J=6.0Hz),3.77(2H,q,J=5.5Hz).
炭酸ビス(トリクロロメチル)(4.45g)のテトラヒドロフラン溶液(50mL)に氷冷下、N−エチルジイソプロピルアミン(5.75mL)を滴下した。しばらく攪拌した後、上記で得られた3−メトキシプロパノール(2.70g)のテトラヒドロフラン溶液(15mL)を滴下した。氷冷下で30分間、室温で1日間攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に希塩酸(50mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。酢酸エチル層を0.2N塩酸(30mL)、飽和食塩水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮することにより、クロロ炭酸3−メトキシプロピル(4.39g)を得た。参考合成例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.75g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)にピリジン(0.97mL)を添加した後、上記で得られたクロロ炭酸3−メトキシプロピル(1.83g)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)を滴下し、室温で2時間攪拌した。ピリジン(0.65mL)、クロロ炭酸3−メトキシプロピル(1.22g)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)を追加して更に1時間攪拌した後、反応液を減圧濃縮した。残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。酢酸エチル層を5%クエン酸水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9、続いて3:7で溶出)で精製した。精製物(3.40g)をジエチルエーテル(5mL)に溶解し、4N塩化水素−酢酸エチル溶液(5mL)を添加した。室温で終夜攪拌した後、反応液を減圧濃縮した。ジエチルエーテルを加えて結晶化することにより、標題化合物(2.06g)を無色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):1.78−1.90(2H,m),2.54(3H,s),3.15−3.25(2H,m),3.23(3H,s),3.33−3.42(2H,m),4.16(2H,t,J=6.0Hz),4.36(2H,t,J=6.0Hz),9.27(2H,br).
参考合成例50
2−(メチルアミノ)エチル N,N−ジメチルグリシネート二塩酸塩
Figure 0004578124
参考合成例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(3.50g)、N,N−ジメチルグリシン塩酸塩(5.29g)、1−エチル−3−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド塩酸塩(7.67g)、トリエチルアミン(5.58mL)、4−ジメチルアミノピリジン(1.22g)及びN,N−ジメチルホルムアミド(50mL)の混合物を室温で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール:酢酸エチル=5:95、続いて20:80で溶出)で精製した。精製物(2.46g)に1N塩酸(24mL)を添加して、室温で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮することにより、標題化合物(2.14g)を無色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):2.52(3H,s),2.85(6H,s),3.20(2H,m),4.30(2H,s),4.43−4.49(2H,m),9.60(2H,br).10.81(1H,br).
参考合成例51
S−[2−(メチルアミノ)エチル] チオアセテート塩酸塩
Figure 0004578124
参考合成例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(3.50g)、チオ酢酸(1.72mL)、トリフェニルホスフィン(7.87g)のテトラヒドロフラン溶液(50mL)に氷冷下、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(5.91mL)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)をゆっくり滴下した。氷冷下で1時間、室温で2時間攪拌した。再度反応液を氷冷し、トリフェニルホスフィン(7.87g)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(5.91mL)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を追加して、氷冷下で30分間攪拌した。チオ酢酸(1.14mL)を追加して、氷冷下で30分間、室温で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物にヘキサン、ジイソプロピルエーテルを加え、析出物を濾別し、濾液を減圧濃縮した。この操作を再度繰り返した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=5:95、続いて15:85で溶出)で精製した。精製物(4.47g)に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を添加して、室温で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残留物に酢酸エチル、ジエチルエーテルを加えて結晶化することにより、標題化合物(1.79g)を淡黄色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d):2.38(3H,s),2.52(3H,s),2.96−3.08(2H,m),3.12−3.20(2H,m),9.35(2H,br).
参考合成例52
エチル 2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]エチル カーボネート塩酸塩
Figure 0004578124
2−(2−アミノエトキシ)エタノール(99.52g)と酢酸エチル(200mL)の混合物に氷冷下、二炭酸ジ−tert−ブチル(208.57g)と酢酸エチル(50mL)の混合物を滴下した。室温で60時間攪拌後、減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル(500mL)に溶解し、水(200mL)、1N塩酸(200mL)、水(300mL)、飽和食塩水(300mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]カルバミン酸tert−ブチル(169.2g)を無色油状物として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.45(9H,s),3.33(2H,q,J=5.1Hz),3.54−3.59(4H,m),3.74(2H,q,J=5.1Hz),4.88(2H,bs).
上記で得られた[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]カルバミン酸tert−ブチル(53.93g)と酢酸エチル(350mL)の混合物に氷冷下、ピリジン(53.78mL)、クロロ炭酸エチル(70.57g)を添加した後、室温で96時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(500mL)を加え、水(500mL)、硫酸銅水溶液(200mL)、水(300mL)、飽和食塩水(300mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、2−[2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]エトキシ]エチル エチル カーボネート(93.19g)を無色油状物として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.32(3H,t,J=7.2Hz),1.44(9H,s),3.32(2H,t、J=5.1Hz),3.54(2H,t、J=5.1Hz),3.67−3.74(2H,m),4.21(2H,q、J=7.2Hz),4.26−4.31(2H,m),4.91(1H,bs).
上記で得られた2−[2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]エトキシ]エチル エチル カーボネート(93.15g)とヨウ化メチル(83.6mL)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(350mL)に氷冷下、水素化ナトリウム(60%油性,16.12g)を添加した。室温で24時間攪拌後、反応液を氷−塩化アンモニウム水溶液に注入した後、ジエチルエーテル(800mL)で抽出し、ジエチルエーテル層を飽和食塩水(300mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:8で溶出)で精製した。精製物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(300mL)を加え、室温で2時間攪拌した。ジエチルエーテル(300mL)を添加して、析出した固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(33.21g)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):1.21(3H,t,J=7.2Hz),2.51(3H,s),3.02−3.09(2H,m),3.65−3.72(4H,m),4.12(2H,q,J=7.2Hz),4.22(2H,t,J=4.5Hz),9.06(2H,br).
参考合成例53
エチル 2−[メチル[[2−(メチルアミノ)エトキシ]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート塩酸塩
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(11.87g)のテトラヒドロフラン溶液(100mL)に氷冷下、ピリジン(9.71mL)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(17.52g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)を滴下後、室温で15時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(500mL)および無水硫酸ナトリウムを加え、ろ過した後、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物に、氷冷下、2−(メチルアミノ)エタノール(5.00g)の酢酸エチル溶液(50mL)とトリエチルアミン(10.0mL)を加え、室温で15時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(300mL)を加え、水(150mL)、飽和食塩水(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物と酢酸エチル(100mL)の混合物に氷冷下、ピリジン(2.91mL)、クロロ炭酸エチル(3.44g)を添加した後、室温で48時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(200mL)を加え、水(100mL)、硫酸銅水溶液(50mL)、水(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:3で溶出)で精製した。精製物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(30mL)を加え、室温で3時間攪拌した。ジエチルエーテル(100mL)を添加して、析出した固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(2.90g)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):1.21(3H,t,J=7.2Hz),2.57(3H,bs),2.86(1.5H,s),2.93(1.5H,s),3.16(2H,bs),3.34(1H,bs),3.48(1H,t,J=5.1Hz),3.58(1H,t,J=5.1Hz),4.12(2H,q,J=7.2Hz),4.16−4.24(4H,m),8.94(1H,br).
参考合成例54
2−(メチルアミノ)エチル 1−メチルピペリジン−4−カルボキシレート二塩酸塩
Figure 0004578124

エチル ピペリジン−4−カルボキシレート(4.72g)、ヨウ化メチル(2.24mL)、炭酸カリウム(8.29g)及びアセトニトリル(50mL)の混合物を室温で2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、水(150mL)を加え、酢酸エチル(150mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残留物(2.64g)に1N水酸化ナトリウム水溶液(20mL)を加え、室温で終夜攪拌した。反応液に1N塩酸(20mL)を加えて中和した後、減圧濃縮した。残留物にエタノールを加え、析出物を濾別し、濾液を減圧濃縮した。この操作を再度繰り返した後、残留物にエタノール、酢酸エチルを加えて結晶化することにより、1−メチルピペリジン−4−カルボン酸(1.79g)を無色固体として得た。
1H−NMR(CD3OD):1.80−1.98(2H,m),2.00−2.14(2H,m),2.28−2.42(1H,m),2.78(3H,s),2.88−3.04(2H.m),3.32−3.44(2H.m).
上記で得られた1−メチルピペリジン−4−カルボン酸(1.72g)、参考例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.75g)、1−エチル−3−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド塩酸塩(2.30g)、4−ジメチルアミノピリジン(0.24g)及びアセトニトリル(50mL)の混合物を室温で16時間攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=50:50、続いて80:20で溶出)で精製した。精製物(2.73g)に1N塩酸(25mL)を添加して、室温で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、イソプロパノールを加え、再度減圧濃縮した。析出した固体を濾取することにより、標題化合物(1.72g)を無色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):1.70−2.20(4H,m),2.40−3.50(13H,m),4.31(2H,m),9.25(2H,br),10.77(1H,br).
参考合成例55
2−[[4−(アミノカルボニル)フェニル]アミノ]エチル アセテート
Figure 0004578124
4−フルオロベンゾニトリル(6.06g)、2−アミノエタノール(3.71g)、炭酸カリウム(8.29g)及びジメチルスルホキシド(50mL)の混合物を100℃で終夜攪拌した。反応液に水(200mL)を加え、酢酸エチル(200mL×4)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=30:70、続いて50:50、続いて80:20、続いて酢酸エチルで溶出)で精製することにより、4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]ベンゾニトリル(5.89g)を黄色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):2.04(1H,t,J=4.8Hz),3.33(2H,m),3.86(2H,q,J=4.8Hz),4.66(1H,br),6.58(2H,d,J=8.7Hz),7.39(2H,d,J=8.7Hz).
上記で得た4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]ベンゾニトリル(0.81g)、水酸化カリウム(1.12g)及びtert−ブタノール(20mL)の混合物を100℃で1時間攪拌した。反応液に水(100mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(80mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残留物(0.83g)、ピリジン(0.49mL)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.061g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に、無水酢酸(0.57mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。室温で1時間攪拌した後、水(80mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(80mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=30:70、続いて60:40で溶出)で精製することにより、標題化合物(0.68g)を無色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):2.08(3H,s),3.44(2H,q,J=5.6Hz),4.29(2H,t,J=5.4Hz),4.48(1H,br),6.59(2H,d,J=8.9Hz),7.43(2H,d,J=8.9Hz).
参考合成例56
2−(メチルアミノ)エチル 1−メチル−4−ピペリジニル カーボネート二塩酸塩
Figure 0004578124
N,N'−カルボニルジイミダゾール(3.36g)のテトラヒドロフラン溶液(40mL)に、参考例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(3.30g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を氷冷下、ゆっくり滴下した。氷冷下で40分間、室温で2時間攪拌した後、N,N'−カルボニルジイミダゾール(0.31g)を加え、更に3日間攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に酢酸エチル(150mL)を加え、飽和食塩水(100mL×2)、水(50mL×3)、飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮することにより、2−[(tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]エチル 1H−イミダゾール−1−カルボキシレ−ト(5.24g)を無色油状物として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.39(9H×0.5,s),1.42(9H×0.5,s),2.94(3H,m),3.63(2H,m),4.51(2H,t,J=5.3Hz),7.06(1H,m),7.42(1H,m),8.13(1H,s).
上記で得た2−[(tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]エチル 1H−イミダゾール−1−カルボキシレ−ト(1.35g)、1−メチル−4−ピペリジノール(1.38g)及びアセトニトリル(20mL)の混合物を室温で終夜攪拌した。1−メチル−4−ピペリジノール(0.92g)を加えて更に終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物(1.60g)に1N塩酸(12mL)を添加して、室温で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、水、イソプロパノール、酢酸エチルを加えて、析出した固体を濾取することにより、標題化合物(1.09g)を無色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):1.85−2.20(4H,m),2.55(3H,s),2.70(3H×0.5,s),2.73(3H×0.5,s),2.90−3.50(6H,m),4.38(2H,m),4.65−5.00(1H,m),9.21(2H,br),11.10(1H,br).
合成例1
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.50g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に氷冷下、ピリジン(0.40mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考合成例2で得られた2−(メチルアミノ)エチル アセテート塩酸塩(0.77g)を添加した。トリエチルアミン(0.70mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で1時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.11g)、トリエチルアミン(0.84mL)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて酢酸エチルで溶出)で精製し、さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:1、続いて酢酸エチル、続いてアセトン:酢酸エチル=1:4、続いて1:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(1.13g)を黄色アモルファス状固体として得た。
H−NMR(CDCl):2.10(3H,s),2.24(3H,s),3.09(3H,bs),3.60−4.00(2H,br),4.25−4.50(4H,m),4.89(1H,d,J=13.3Hz),5.05(1H,d,J=13.3Hz),6.65(1H,d,J=5.5Hz),7.35−7.51(3H,m),7.80−7.90(1H,m),8.35(1H,d,J=5.5Hz).
合成例2
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル トリメチルアセテート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.50g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に氷冷下、ピリジン(0.40mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、1時間攪拌後、参考合成例3で得られた2−(メチルアミノ)エチル トリメチルアセテート塩酸塩(0.98g)を添加した。トリエチルアミン(0.70mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.11g)、トリエチルアミン(0.84mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトン:ヘキサン=1:3、続いて3:2で溶出)で精製した。アセトン−ジイソプロピルエーテルより結晶化し、アセトン−ジイソプロピルエーテルから再結晶することにより、標題化合物(1.01g)を無色固体として得た。
H−NMR(CDCl):1.23(9H,s),2.23(3H,s),3.08(3H,bs),3.40−4.30(2H,br),4.30−4.50(4H,m),4.80−5.20(2H,br),6.64(1H,d,J=5.7Hz),7.35−7.50(3H,m),7.78−7.88(1H,m),8.35(1H,d,J=5.7Hz).
合成例3
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル シクロヘキサンカルボキシレート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.50g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に氷冷下、ピリジン(0.40mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考合成例4で得られた2−(メチルアミノ)エチル シクロヘキサンカルボキシレート塩酸塩(1.11g)を添加した。トリエチルアミン(0.70mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で1時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.11g)、トリエチルアミン(0.84mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトン:ヘキサン=1:3、続いて3:2で溶出)で精製した。アセトン−ジイソプロピルエーテルより結晶化し、アセトン−ジイソプロピルエーテルから再結晶することにより、標題化合物(1.11g)を無色固体として得た。
H−NMR(CDCl):1.10−1.55(5H,m),1.55−1.82(3H,m),1.84−1.98(2H,m),2.23(3H,s),2.27−2.40(1H,m),3.08(3H,bs),3.40−4.30(2H,br),4.30−4.50(4H,m),4.80−5.15(2H,br),6.64(1H,d,J=5.4Hz),7.35−7.48(3H,m),7.84(1H,d,J=6.9Hz),8.34(1H,d,J=5.4Hz).
合成例4
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル ベンゾエート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.50g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に氷冷下、ピリジン(0.40mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、1時間攪拌後、参考合成例5で得られた2−(メチルアミノ)エチル ベンゾエート塩酸塩(1.08g)を添加した。トリエチルアミン(0.70mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.11g)、トリエチルアミン(0.84mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトン:ヘキサン=1:3、続いて3:2で溶出)で精製した。アセトン−ジエチルエーテルより結晶化し、アセトン−ジエチルエーテルから再結晶することにより、標題化合物(1.09g)を無色固体として得た。
H−NMR(CDCl):2.22(3H,s),3.12(3H,bs),3.50−4.30(2H,br),4.37(2H,q,J=7.8Hz),4.68(2H,m),4.80−5.20(2H,br),6.63(1H,d,J=5.7Hz),7.26−7.48(5H,m),7.53−7.61(1H,m),7.82(1H,d,J=8.1Hz),8.04(2H,d,J=7.2Hz),8.33(1H,d,J=5.7Hz).
合成例5
2−[メチル[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル ベンゾエート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.99g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に氷冷下、ピリジン(0.81mL)のテトラヒドロフラン溶液(2mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考合成例5で得られた2−(メチルアミノ)エチル ベンゾエート塩酸塩(2.16g)を添加した。トリエチルアミン(1.39mL)のテトラヒドロフラン溶液(2mL)を添加後、室温で1時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(100mL)と水(100mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(40mL)に溶解した。2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(2.90g)、トリエチルアミン(2.20mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.096g)を添加し、60℃で2時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(150mL)と水(80mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて酢酸エチルで溶出)で精製した。アセトンから再結晶することにより、標題化合物(2.62g)を無色固体として得た。
H−NMR(CDCl):2.22(3H,s),3.13(3H,bs),3.68−3.98(2H,bm),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.69(2H,m),4.80−5.10(2H,bm),6.64(1H,d,J=5.7Hz),7.27−7.48(5H,m),7.59(1H,m),7.83(1H,m),8.06(2H,d,J=6.0Hz),8.35(1H,d,J=5.7Hz).
合成例6
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 4−メトキシベンゾエート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.584g)のテトラヒドロフラン溶液(18mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、40分間攪拌後、参考合成例6で得られた2−(メチルアミノ)エチル 4−メトキシベンゾエート塩酸塩(1.48g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を添加後、室温で80分間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(80mL)と水(50mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(25mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.55g)、トリエチルアミン(1.17mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.051g)を添加し、60℃で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(150mL)と水(50mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて酢酸エチルで溶出)で精製した。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶することにより、標題化合物(1.08g)を無色固体として得た。
H−NMR(CDCl):2.22(3H,s),3.11(3H,bs),3.68−3.90(2H,bm),3.85(3H,s),4.37(2H,q,J=7.9Hz),4.58−4.72(2H,m),4.82−5.14(2H,bm),6.63(1H,d,J=5.7Hz),6.91(2H,d,J=9.0Hz),7.27−7.40(3H,m),7.82(1H,m),7.99(2H,d,J=9.0Hz),8.33(1H,d,J=5.7Hz).
合成例7
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 3−クロロベンゾエート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.582g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考合成例7で得られた2−(メチルアミノ)エチル 3−クロロベンゾエート塩酸塩(1.50g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を添加後、室温で2時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(80mL)と水(40mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水(25mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.44g)、トリエチルアミン(1.09mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.048g)を添加し、60℃で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(80mL)と水(40mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製し、標題化合物(0.84g)を無色シロップとして得た。
H−NMR(CDCl):2.21(3H,s),3.12(3H,bs),3.78−4.08(2H,bm),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.64−5.08(4H,bm),6.64(1H,d,J=5.2Hz),7.34−7.42(4H,m),7.56(1H,m),7.82(1H,m),7.94(1H,d,J=7.6Hz),8.02(1H,s),8.34(1H,d,J=5.2Hz).
合成例8
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 3,4−ジフルオロベンゾエート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.582g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考合成例8で得られた2−(メチルアミノ)エチル 3,4−ジフルオロベンゾエート塩酸塩(1.51g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を添加後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(80mL)と水(50mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(25mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.71g)、トリエチルアミン(1.29mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.056g)を添加し、60℃で17時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(100mL)と水(50mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、水層を酢酸エチル(20mL)で抽出した。酢酸エチル層を合わせ、飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて2:1で溶出)で精製し、さらに塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1で溶出)で精製した。アセトン−ジイソプロピルエーテルより結晶化し、酢酸エチル−ヘキサンから再結晶することにより、標題化合物(1.37g)を無色固体として得た。
H−NMR(CDCl):2.21(3H,s),3.11(3H,bs),3.82−4.08(2H,bm),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.60−5.14(4H,bm),6.63(1H,d,J=5.7Hz),7.20(1H,m),7.33−7.41(3H,m),7.78−7.92(3H,m),8.33(1H,d,J=5.7Hz).
合成例9
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 4−トリフルオロメトキシベンゾエート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.582g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考合成例9で得られた2−(メチルアミノ)エチル 4−トリフルオロメトキシベンゾエート塩酸塩(1.79g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を添加後、室温で1.5時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(80mL)と水(50mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(25mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.57g)、トリエチルアミン(1.18mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.052g)を添加し、60℃で4.5時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(100mL)と水(50mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、水層を酢酸エチル(30mL)で抽出した。酢酸エチル層を合わせ、飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1で溶出)で精製し、さらに塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(1.44g)を無色シロップとして得た。
H−NMR(CDCl):2.22(3H,s),3.11(3H,bs),3.85−4.05(2H,bm),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.60−5.12(4H,bm),6.64(1H,d,J=5.7Hz),7.24(2H,d,J=8.7Hz),7.25−7.40(3H,m),7.82(1H,d,J=7.2Hz),8.09(2H,d,J=8.7Hz),8.33(1H,d,J=5.7Hz).
合成例10
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 4−フルオロベンゾエート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.582g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考合成例10で得られた2−(メチルアミノ)エチル 4−フルオロベンゾエート塩酸塩(1.40g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を添加後、室温で2時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(80mL)と水(40mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.32g)、トリエチルアミン(1.00mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.049g)を添加し、60℃で14.5時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(150mL)と水(50mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を酢酸エチル:ヘキサン=1:1から結晶化し、濾取した。続いてアセトンから再結晶することにより、標題化合物(1.39g)を無色固体として得た。
H−NMR(CDCl):2.22(3H,s),3.12(3H,bs),3.78−4.20(2H,bm),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.58−5.08(4H,bm),6.65(1H,d,J=5.6Hz),7.11(2H,t,J=8.4Hz),7.28−7.44(3H,m),7.81−7.86(1H,m),8.03−8.11(2H,m),8.35(1H,d,J=5.6Hz).
合成例11
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 3,4,5−トリメトキシベンゾエート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.60g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、10分間攪拌後、参考合成例11で得られた2−(メチルアミノ)エチル 3,4,5−トリメトキシベンゾエート塩酸塩(1.22g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で1時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を希塩酸(20mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.11g)、トリエチルアミン(0.84mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃で3時間、室温で2日間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトン:ヘキサン=1:3、続いて3:2で溶出)で精製することにより、標題化合物(1.56g)を黄色アモルファス状固体として得た。
H−NMR(CDCl):2.21(3H,s),3.12(3H,bs),3.50−4.30(2H,br),3.83(6H,s),3.90(3H,s),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.67(2H,m),4.80−5.15(2H,br),6.64(1H,d,J=5.7Hz),7.25−7.40(5H,m),7.78−7.86(1H,m),8.33(1H,d,J=5.7Hz).
合成例12
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 2−ピリジンカルボキシレート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.422g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に氷冷下、ピリジン(0.345mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考合成例12で得られた2−(メチルアミノ)エチル 2−ピリジンカルボキシレート二塩酸塩(1.08g)を添加し、トリエチルアミン(1.19mL)を滴下後、室温で2時間攪拌した。析出した固体を濾別し、濾液を減圧濃縮した。残留物をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.31g)、トリエチルアミン(0.99mL)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.043g)を添加し、60℃で24時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(100mL)を加え、水(100mL)及び飽和食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=4:1で溶出)で精製した。アセトン−ジエチルエーテルから結晶化することにより、標題化合物(0.9g)を白色固体として得た。
H−NMR(CDCl):2.22(3H,s),3.16(3H,s),3.80−4.20(2H,m),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.60−5.10(4H,m),6.64(1H,d,J=5.8Hz),7.29−7.40(2H,m),7.47−7.52(2H,m),7.81−7.89(2H,m),8.14(1H,d,J=7.8Hz),8.34(1H,d,J=5.8Hz),8.75−8.79(1H,m).
合成例13
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル メトキシアセテート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.652g)のテトラヒドロフラン溶液(15mL)に氷冷下、ピリジン(0.55mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考合成例13で得られた2−(メチルアミノ)エチル メトキシアセテート(0.99g)を添加した。室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(80mL)と水(50mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(15mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.13g)、トリエチルアミン(0.86mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃で4日間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(80mL)と水(30mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、酢酸エチル層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)、水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル、続いてアセトン:酢酸エチル=1:3で溶出)で精製し、さらに塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて3:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(0.588g)を無色シロップとして得た。
H−NMR(CDCl):2.32(3H,s),2.68(3H,s),3.48(3H,s),3.69−4.02(4H,m),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.67(2H,t,J=6.6Hz),4.99(1H,d,J=13.9Hz),5.12(1H,d,J=13.9Hz),6.63(1H,d,J=5.7Hz),7.29−7.46(2H,m),7.62(1H,m),7.81(1H,m),8.25(1H,d,J=5.7Hz).
合成例14
エチル 2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(1.31g)のテトラヒドロフラン溶液(40mL)に氷冷下、ピリジン(1.07mL)のテトラヒドロフラン溶液(2mL)を滴下した。氷冷下、10分間攪拌後、参考合成例14で得られたエチル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩(2.02g)を添加した。トリエチルアミン(1.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(2mL)を滴下後、室温で1時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(100mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を0.2N塩酸(50mL)、飽和食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(50mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(3.69g)、トリエチルアミン(2.09mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.12g)を添加し、60℃で6時間、室温で8時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(100mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:7、続いて酢酸エチルで溶出)で精製した。ジエチルエーテルより結晶化し、ジエチルエーテルから再結晶することにより、標題化合物(3.84g)を無色固体として得た。
H−NMR(CDCl):1.32(3H,t,J=7.2Hz),2.23(3H,s),3.10(3H,bs),3.50−4.20(2H,br),4.22(2H,q,J=7.2Hz),4.39(2H,q,J=7.9Hz),4.45(2H,m),4.80−5.15(2H,br),6.65(1H,d,J=5.6Hz),7.36−7.50(3H,m),7.84(1H,d,J=7.8Hz),8.35(1H,d,J=5.6Hz).
合成例15
イソプロピル 2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.50g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に氷冷下、ピリジン(0.40mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、1時間攪拌後、参考合成例15で得られたイソプロピル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩(0.99g)を添加した。トリエチルアミン(0.70mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で1時間攪拌した。炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.50g)、ピリジン(0.40mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)、トリエチルアミン(0.70mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を順次追加し、室温で1時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.11g)、トリエチルアミン(0.84mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃で12時間、室温で3日間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトン:ヘキサン=1:3、続いて3:2で溶出)で精製し、さらに塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:7、続いて酢酸エチルで溶出)で精製した。ジエチルエーテルより結晶化し、アセトン−ジイソプロピルエーテルから再結晶することにより、標題化合物(0.58g)を無色固体として得た。
H−NMR(CDCl):1.31(6H,d,J=6.3Hz),2.23(3H,s),3.08(3H,bs),3.40−4.30(2H,br),4.37(2H,q,J=7.9Hz),4.32−4.53(2H,m),4.80−5.20(3H,m),6.63(1H,d,J=5.7Hz),7.35−7.50(3H,m),7.83(1H,d,J=7.2Hz),8.34(1H,d,J=5.7Hz).
合成例16
イソプロピル 2−[メチル[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.582g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考合成例15で得られたイソプロピル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩(1.18g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を添加後、室温で2時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(80mL)と水(30mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(25mL)に溶解した。2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.73g)、トリエチルアミン(1.31mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.057g)を添加し、60℃で5時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(100mL)と水(50mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1で溶出)で精製し、さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて2:1で溶出)で精製した。ジイソプロピルエーテル−ヘキサンより結晶化し、ジイソプロピルエーテルから再結晶することにより、標題化合物(1.20g)を無色固体として得た。
H−NMR(CDCl):1.31(6H,d,J=6.6Hz),2.23(3H,s),3.08(3H,bs),3.50−3.90(2H,bm),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.36−4.58(2H,bm),4.79−5.15(3H,m),6.64(1H,d,J=5.7Hz),7.35−7.48(3H,m),7.83(1H,d,J=7.5Hz),8.34(1H,d,J=5.7Hz).
合成例17
ベンジル 2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.50g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に氷冷下、ピリジン(0.40mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、1時間攪拌後、参考合成例16で得られたベンジル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩(1.08g)を添加した。トリエチルアミン(0.70mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.11g)、トリエチルアミン(0.84mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトン:ヘキサン=1:3、続いて3:2で溶出)で精製した。アセトン−ジエチルエーテルより結晶化し、アセトン−ジエチルエーテルから再結晶することにより、標題化合物(1.17g)を無色固体として得た。
H−NMR(CDCl):2.22(3H,s),3.05(3H,bs),3.50−4.20(2H,br),4.37(2H,q,J=7.8Hz),4.46(2H,m),4.80−5.10(2H,br),5.17(2H,s),6.62(1H,d,J=5.6Hz),7.26−7.48(8H,m),7.77−7.88(1H,m),8.33(1H,d,J=5.6Hz).
合成例18
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル テトラヒドロピラン−4−イル カーボネート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.48g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.39mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、20分間攪拌後、参考合成例17で得られた2−(メチルアミノ)エチル テトラヒドロピラン−4−イル カーボネート塩酸塩(0.96g)を添加した。トリエチルアミン(0.67mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で2時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を0.2N塩酸(20mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.26g)、トリエチルアミン(0.71mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.042g)を添加し、60℃で6時間、室温で8時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:7、続いて酢酸エチルで溶出)で精製した。ジエチルエーテルより結晶化し、アセトン−ジイソプロピルエーテルから再結晶することにより、標題化合物(1.45g)を無色固体として得た。
H−NMR(CDCl):1.64−1.81(2H,m),1.92−2.03(2H,m),2.23(3H,s),3.09(3H,bs),3.40−4.30(2H,br),3.45−3.57(2H,m),3.87−3.97(2H,m),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.45(2H,m),4.77−5.15(3H,m),6.64(1H,d,J=5.7Hz),7.35−7.50(3H,m),7.83(1H,d,J=6.9Hz),8.35(1H,d,J=5.7Hz).
合成例19
2−メトキシエチル 2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.59g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、10分間攪拌後、参考合成例18で得られた2−メトキシエチル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩(1.07g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で1時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を0.2N塩酸(20mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.85g)、トリエチルアミン(1.05mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.061g)を添加し、60℃で6時間、室温で8時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:7、続いて酢酸エチルで溶出)で精製した。酢酸エチル−ジエチルエーテルより結晶化し、酢酸エチル−ジイソプロピルエーテルから再結晶することにより、標題化合物(1.39g)を無色固体として得た。
H−NMR(CDCl):2.23(3H,s),3.09(3H,bs),3.37(3H,s),3.50−4.20(2H,br),3.59−3.65(2H,m),4.28−4.33(2H,m),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.46(2H,m),4.80−5.15(2H,br),6.64(1H,d,J=5.7Hz),7.35−7.47(3H,m),7.83(1H,d,J=7.8Hz),8.34(1H,d,J=5.7Hz).
合成例20
2−[エチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.59g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、10分間攪拌後、参考合成例20で得られた2−(エチルアミノ)エチル アセテート塩酸塩(0.67g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で1時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.11g)、トリエチルアミン(0.84mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:7、続いて酢酸エチルで溶出)で精製することにより、標題化合物(1.58g)を黄色アモルファス状固体として得た。
H−NMR(CDCl):1.25(3H,m),2.08(3H,s),2.23(3H,s),3.30−4.10(4H,br),4.23−4.45(2H,m),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.75−5.20(2H,br),6.64(1H,d,J=5.7Hz),7.35−7.46(3H,m),7.84(1H,d,J=6.9Hz),8.36(1H,d,J=5.7Hz).
合成例21
2−[イソプロピル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.543g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に氷冷下、ピリジン(0.445mL)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)を滴下し、0℃で30分間撹拌した。反応液に参考合成例22で得られた2−(イソプロピルアミノ)エチル アセテート塩酸塩(1.0g)を添加した。トリエチルアミン(0.805mL)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)を添加後、室温で30分間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた油状物をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解し、(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.73g)、トリエチルアミン(1.53mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.134g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に加え、40℃で12時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:1、続いて酢酸エチルで溶出)で精製し、標題化合物(1.50g)を淡黄色アモルファス状固体として得た。
H−NMR(CDCl):1.20−1.40(6H,m),2.05(3H×0.4,s),2.11(3H×0.6,s),2.18(3H×0.6,s),2.27(3H×0.4,s),3.40−3.60(1H,m),3.70−4.60(6H,m),4.70−5.25(2H,m),6.65(1H,d,J=5.8Hz),7.30−7.50(3H,m),7.75−7.90(1H,m),8.37(1H,d,J=5.8Hz).
合成例22
エチル 2−[イソプロピル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.467g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に氷冷下、ピリジン(0.381mL)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)を滴下し、0℃で30分間撹拌した。反応液に参考合成例23で得られたエチル 2−(イソプロピルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩(1.0g)を添加した。トリエチルアミン(0.69mL)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)を添加後、0℃で15分間、室温で30分間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた油状物をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解し、(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.48g)、トリエチルアミン(1.32mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.115g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に加え、40℃で12時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:1、続いて酢酸エチルで溶出)で精製し、標題化合物(1.20g)を淡黄色アモルファス状固体として得た。
H−NMR(CDCl):1.20−1.40(9H,m),2.17(3H×0.6,s),2.27(3H×0.4,s),3.40−3.70(1H,m),3.75−4.65(8H,m),4.70−5.30(2H,m),6.64(1H,d,J=5.8Hz),7.35−7.55(3H,m),7.75−7.90(1H,m),8.38(1H,d,J=5.8Hz).
合成例23
2−[シクロヘキシル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.593g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に氷冷下、ピリジン(0.485mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考合成例25で得られた2−(シクロヘキシルアミノ)エチル アセテート塩酸塩(1.33g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)を滴下後、室温で2時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(50mL)を加え、水(50mL)及び飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解し、(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.61g)、トリエチルアミン(1.21mL)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.053g)を添加し、60℃で24時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(50mL)を加え、水(20mL)及び飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4、続いて酢酸エチルで溶出)で精製することにより、標題化合物(2.12g)を薄黄色アモルファス状固体として得た。
H−NMR(CDCl):1.00−2.42(16H,m),3.30−3.70(2H,m),3.80−4.00(1H,m),4.27−4.42(2H,m),4.40(2H,q,J=8.2Hz),4.78(1H×0.5,d,J=13.2Hz),4.97(2H×0.5,s),5.20(1H×0.5,d,J=13.2Hz),6.67(1H,d,J=5.8Hz),7.36−7.46(3H,m),7.81−7.91(1H,m),8.39(1H,d,J=5.8Hz).
合成例24
2−[シクロヘキシル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル エチル カーボネート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.238g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に氷冷下、ピリジン(0.20mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考合成例26で得られた2−(シクロヘキシルアミノ)エチル エチル カーボネート塩酸塩(0.605g)を添加した。トリエチルアミン(0.335mL)を滴下後、室温で2時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(50mL)を加え、水(50mL)及び飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(0.60g)、トリエチルアミン(0.45mL)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.02g)を添加し、60℃で24時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(50mL)を加え、水(20mL)及び飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4、続いて酢酸エチルで溶出)で精製することにより、標題化合物(0.92g)を薄黄色アモルファス状固体として得た。
H−NMR(CDCl):1.02−2.27(16H,m),3.40−4.60(9H,m),4.78(1H×0.5,d,J=13.2Hz),4.97(2H×0.5,s),5.44(1H×0.5,d,J=13.2Hz),6.69(1H,d,J=5.6Hz),7.32−7.54(3H,m),7.80−7.91(1H,m),8.38(1H,d,J= 5.6Hz).
合成例25
2−[[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](フェニル)アミノ]エチル アセテート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(13.4g)のテトラヒドロフラン溶液(350mL)に氷冷下、ピリジン(10.38mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考合成例27で得られた2−アニリノエチル アセテート塩酸塩(25.9g)を添加した。トリエチルアミン(18.4mL)を滴下後、室温で2時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(500mL)と水(500mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水(500mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮することにより、2−[(クロロカルボニル)(フェニル)アミノ]エチル アセテートを得た。これをテトラヒドロフラン(300mL)に溶解し、(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(41.2g)、トリエチルアミン(15.6mL)及び4−ジメチルアミノピリジン(1.363g)を添加し、60℃で3時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(800mL)を加え、水(800mL)で2回、さらに飽和食塩水(800mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:7、続いて1:1で溶出)で精製した。ジエチルエーテルから結晶化することにより、標題化合物(54.1g)を白色固体として得た。
H−NMR(CDCl):2.00(3H,s),2.25(3H,s),4.15−4.48(6H,m),4.83(1H,d,J=13.6Hz),5.05(1H,d,J=13.6Hz),6.67(1H,d,J=5.4Hz),7.03−7.45(8H,m),7.64−7.69(1H,m),8.40(1H,d,J=5.4Hz).
合成例26
2−[[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](フェニル)アミノ]エチル アセテート
Figure 0004578124
合成例25と同様にして調製した2−[(クロロカルボニル)(フェニル)アミノ]エチル アセテート(0.58g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に、2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(0.739g)、トリエチルアミン(0.558mL)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.024g)を添加し、60℃で15時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(30mL)を加え、水(50mL)及び飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトン:ヘキサン=1:4、続いて3:2で溶出)で精製した。ジエチルエーテルから結晶化することにより、標題化合物(0.779g)を白色固体として得た。
H−NMR(CDCl):1.99(3H,s),2.25(3H,s),4.20−4.48(6H,m),4.83(1H,d,J=13.6Hz),5.05(1H,d,J=13.6Hz),6.67(1H,d,J=5.8Hz),7.03−7.45(8H,m),7.64−7.69(1H,m),8.40(1H,d,J=5.8Hz).
合成例27
tert−ブチル [2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]−3−ピリジル]メチル カーボネート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.30g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.24mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考合成例28で得られたtert−ブチル [2−(メチルアミノ)−3−ピリジル]メチル カーボネート(0.71g)を添加し、室温で2時間攪拌した。析出した固体を濾別し、濾液を減圧濃縮した。残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解し、(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(0.92g)、トリエチルアミン(0.70mL)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.031g)を添加し、60℃で1時間攪拌した。反応液に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトン:ヘキサン=1:2で溶出)で精製し、さらに塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチルで溶出)で精製することにより、標題化合物(0.38g)を薄黄色アモルファス状固体として得た。
H−NMR(CDCl):1.46(9H,s),2.25(3H,s),3.54(3H,s),4.37(2H,q,J=8.0Hz),4.95(2H,s),5.15(1H,d,J=14.0Hz),5.27(1H,d,J=14.0Hz),6.63(1H,d,J=5.4Hz),7.26−7.45(3H,m),7.69−7.87(3H,m),8.33(1H,d,J=5.4Hz),8.44−8.46(1H,m).
合成例28
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]ベンジル アセテート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(1.46g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に氷冷下、ピリジン(1.16mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考合成例29で得られた2−(メチルアミノ)ベンジル アセテート(2.57g)を添加し、室温で3時間攪拌した。析出した固体を濾別し、濾液を減圧濃縮した。残留物をテトラヒドロフラン(40mL)に溶解し、(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(4.41g)、トリエチルアミン(3.33mL)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.15g)を添加し、60℃で18時間攪拌した。反応液に水(100mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトン:ヘキサン=1:4、続いて1:2で溶出)で精製した。酢酸エチル−ジエチルエーテル−ヘキサンから結晶化することにより、標題化合物(2.76g)を白色固体として得た。
H−NMR(CDCl):2.10(3H,s),2.00−2.30(3H,br),3.20−3.50(3H,br),4.38(2H,q,J=7.6Hz),4.70−5.20(2H,m),5.20−5.50(2H,m),6.65(1H,d,J=5.4Hz),7.10−7.82(8H,m),8.38(1H,d,J=5.4Hz).
合成例29
2−[[2-(アセチルオキシ)エチル][[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.50g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に氷冷下、ピリジン(0.40mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、10分間攪拌後、参考合成例30で得られた2−[(2−アセチルオキシエチル)アミノ]エチル アセテート塩酸塩(1.13g)を添加した。トリエチルアミン(0.70mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で2時間攪拌した。析出した固体を濾別し、濾液を減圧濃縮した。残留物に酢酸エチル(20mL)を加え、析出した固体を濾別し、濾液を減圧濃縮した。残留物をテトラヒドロフラン(30mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.48g)、トリエチルアミン(1.12mL)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて酢酸エチルで溶出)で精製し、さらに塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて酢酸エチルで溶出)で精製した。酢酸エチル(20mL)に溶解し、活性炭を加えて終夜攪拌した。活性炭を濾別し、濾液を減圧濃縮することにより、標題化合物(1.60g)を黄色アモルファス状固体として得た。
H−NMR(CDCl):2.06(3H,s),2.08(3H,s),2.24(3H,s),3.40−4.45(8H,m),4.39(2H,q,J=7.9Hz),4.88(1H,d,J=13.2Hz),5.05(1H,d,J=13.2Hz),6.66(1H,d,J=5.6Hz),7.38−7.50(3H,m),7.87(1H,d,J=6.9Hz),8.36(1H,d,J=5.6Hz).
合成例30
[(2S)−1−[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]−2−ピロリジニル]メチル アセテート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.50g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に氷冷下、ピリジン(0.40mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、1時間攪拌後、参考合成例31で得られた(S)−2−ピロリジニルメチル アセテート塩酸塩(0.90g)を添加した。トリエチルアミン(0.70mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で2時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.11g)、トリエチルアミン(0.84mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃で1日間、室温で2日間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて酢酸エチルで溶出)で精製し、さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:1、続いて酢酸エチル、続いてアセトン:酢酸エチル=1:4、続いて2:3で溶出)で精製することにより、標題化合物(0.80g)を淡黄色アモルファス状固体として得た。
H−NMR(CDCl):1.80−2.30(4H,m),2.09(3H,s),2.30(3H,s),3.39(1H,m),3.50−3.62(1H,m),4.20−4.45(4H,m),4.58(1H,m),4.89(1H,d,J=13.5Hz),4.96(1H,d,J=13.5Hz),6.65(1H,d,J=5.9Hz),7.36−7.48(3H,m),7.89(1H,d,J=8.7Hz),8.38(1H,d,J=5.9Hz).
合成例31
エチル [メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]アセテート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.50g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に氷冷下、ピリジン(0.40mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、サルコシンエチルエステル塩酸塩(0.77g)を添加した。トリエチルアミン(0.70mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で1時間攪拌した。析出した固体を濾別し、濾液を減圧濃縮した。残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(33mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールナトリウム塩(1.37g)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて酢酸エチルで溶出)で精製することにより、標題化合物(0.40g)を黄色アモルファス状固体として得た。
H−NMR(CDCl):1.33(3H,t,J=7.1Hz),2.24(3H,s),3.10(3H,bs),3.70−4.30(2H,br),4.28(2H,q,J=7.1Hz),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.82−5.10(2H,br),6.63(1H,d,J=5.5Hz),7.34−7.52(2H,m),7.70−7.90(2H,m),8.32(1H,d,J=5.5Hz).
合成例32
2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル ベンゾエート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.344g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に氷冷下、ピリジン(0.281mL)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)を滴下し、0℃で30分間撹拌した。反応液に参考合成例5で得られた2−(メチルアミノ)エチル ベンゾエート塩酸塩(0.750g)を添加した。トリエチルアミン(0.485mL)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)を添加後、0℃で1時間、室温で30分間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた油状物をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解し、5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンゾイミダゾール(1.0g)、トリエチルアミン(0.808mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.071g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に加え、40℃で18時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて酢酸エチルで溶出)で精製し、標題化合物と2−[[[6−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル ベンゾエートの1:1混合物(1.50g)を淡黄色アモルファス状固体として得た。
H−NMR(CDCl):2.05−2.35(6H,m),3.00−3.30(3H,br),3.60−4.40(8H,m),4.60−5.10(4H,m),6.80−7.00(2H,m),7.20−7.70(4H,m),7.95−8.25(3H,m).
合成例33
3−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]プロピル ベンゾエート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.582g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.485mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、1時間攪拌後、参考合成例32で得られた3−(メチルアミノ)プロピル ベンゾエート塩酸塩(1.38g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で2時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(40mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(25mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.63g)、トリエチルアミン(1.23mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.054g)を添加し、60℃で4時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(40mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(1.26g)を黄色アモルファス状固体として得た。
H−NMR(CDCl):2.21(3H,s),2.20−2.30(2H,bm),3.06(3H,bs),3.60−3.75(2H,bm),4.36(2H,q,J=7.8Hz),4.30−4.50(2H,bm),4.80−5.15(2H,bm),6.62(1H,d,J=5.7Hz),7.26−7.44(5H,m),7.54(1H,m),7.81(1H,m),7.93−8.03(2H,bm),8.35(1H,d,J=5.7Hz).
合成例34
2−[メチル[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル テトラヒドロピラン−4−イル カーボネート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.582g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.485mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、20分間攪拌後、参考合成例17で得られた2−(メチルアミノ)エチル テトラヒドロピラン−4−イル カーボネート塩酸塩(1.43g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(20mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.63g)、トリエチルアミン(1.23mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.027g)を添加し、60℃で17.5時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(120mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製した。続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて2:1で溶出)で精製した。ジエチルエーテルより結晶化することにより、標題化合物(1.23g)を無色固体として得た。
H−NMR(CDCl):1.64−1.81(2H,m),1.92−2.03(2H,m),2.23(3H,s),3.10(3H,bs),3.40−4.30(2H,br),3.46−3.59(2H,m),3.87−3.99(2H,m),4.39(2H,q,J=7.9Hz),4.45(2H,m),4.77−5.15(3H,m),6.65(1H,d,J=5.4Hz),7.35−7.50(3H,m),7.85(1H,m),8.36(1H,d,J=5.4Hz).
合成例35
エチル 2−[メチル[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.582g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.485mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考合成例14で得られたエチル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩(1.10g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.63g)、トリエチルアミン(1.23mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.054g)を添加し、60℃で14時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(40mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製した。続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて2:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(1.27g)を黄色アモルファス状固体として得た。
H−NMR(CDCl):1.32(3H,t,J=7.1Hz),2.23(3H,s),3.09(3H,bs),3.50−4.76(4H,br),4.21(2H,q,J=7.1Hz),4.38(2H,q,J=7.9Hz),4.84−5.14(2H,m),6.64(1H,d,J=5.6Hz),7.36−7.46(3H,m),7.83(1H,d,J=7.2Hz),8.34(1H,d,J=5.6Hz).
合成例36
エチル 2−[メチル[[(S)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.582g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.485mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、1時間攪拌後、参考合成例14で得られたエチル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩(1.10g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で2時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(S)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.15g)、トリエチルアミン(0.87mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.035g)を添加し、60℃で12時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製した。ジエチルエーテルより結晶化することにより、標題化合物(0.40g)を無色固体として得た。
H−NMR(CDCl):1.32(3H,t,J=7.2Hz),2.23(3H,s),3.10(3H,bs),3.50−4.56(4H,br),4.22(2H,q,J=7.2Hz),4.38(2H,q,J=7.9Hz),4.84−5.14(2H,m),6.65(1H,d,J=5.6Hz),7.34−7.50(3H,m),7.85(1H,m),8.36(1H,d,J=5.6Hz).
合成例37
エチル 2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.582g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.485mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例14で得られたエチル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩(1.10g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で2.5時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。特開昭63−146882に記載の方法で合成した5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(1.44g)、トリエチルアミン(1.16mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.049g)を添加し、60℃で6時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製した。ジエチルエーテルより結晶化することにより、標題化合物(0.721g)を無色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.25−1.34(3H,m),2.23(6H,s),3.15,3.32(合計3H,s),3.72(3H,s),3.90−4.53(9H,m),4.86(1H,d,J=13.4Hz),4.95(1H,d,J=13.4Hz),6.79(1H,d,J=8.7Hz),7.95(1H,d,J=8.7Hz),8.22(1H,s).
合成例38
2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル アセテート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.582g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.485mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例2で得られた2−(メチルアミノ)エチル アセテート塩酸塩(0.922g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で2時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解した。特開昭63−146882に記載の方法で合成した5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(0.85g)、トリエチルアミン(0.70mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.025g)を添加し、60℃で5時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(90mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製した。ジエチルエーテルより結晶化することにより、標題化合物(0.173g)を無色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):2.04,2.09(合計3H,s),2.24(6H,s),3.13,3.30(合計3H,s),3.45−3.97(2H,m),3.72(3H,s),3.97(3H,s),4.15−4.50(2H,m),4.85(1H,d,J=13.1Hz),4.96(1H,d,J=13.1Hz),6.80(1H,d,J=8.9Hz),7.96(1H,d,J=8.9Hz),8.22(1H,s).
合成例39
2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル]カルボニル](フェニル)アミノ]エチル アセテート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.291g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に氷冷下、ピリジン(0.243mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例27で得られた2−アニリノエチル アセテート塩酸塩(0.647g)を添加した。トリエチルアミン(0.419mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(20mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(15mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解した。特開昭63−146882に記載の方法で合成した5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(0.867g)、トリエチルアミン(0.697mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.020g)を添加し、60℃で10時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(20mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(15mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1で溶出)で精製した。ジエチルエーテルより結晶化することにより、標題化合物(0.311g)を無色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.96(3H,s),2.23(3H,s),2.25(3H,s),3.72(3H,s),4.01(3H,s),4.12−4.52(4H,m),4.78−5.22(2H,m),6.62(1H,d,J=8.7Hz),7.02−7.18(3H,m),7.32−7.48(2H,m),7.73(1H,d,J=8.7Hz),8.26(1H,s).
合成例40
4−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]ブチル アセテート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.59g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考合成例37で得られた4−(メチルアミノ)ブチル アセテート塩酸塩(1.08g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.02g)、トリエチルアミン(0.77mL)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(0.93g)を黄色アモルファス状固体として得た。
H−NMR(CDCl):1.65−1.85(4H,m),2.03(3H,s),2.23(3H,s),3.02(3H,bs),3.45−3.63(2H,m),4.03−4.13(2H,m),4.37(2H,q,J=7.8Hz),4.85−5.13(2H,m),6.64(1H,d,J=5.6Hz),7.36−7.46(3H,m),7.84(1H,d,J=8.4Hz),8.35(1H,d,J=5.6Hz).
合成例41
エチル 4−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]ブチル カーボネート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.59g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考合成例39で得られたエチル 4−(メチルアミノ)ブチル カーボネート塩酸塩(1.27g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.26g)、トリエチルアミン(0.95mL)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(1.08g)を黄色アモルファス状固体として得た。
H−NMR(CDCl):1.31(3H,t,J=7.2Hz),1.73−1.91(4H,m),2.23(3H,s),3.01(3H,bs),3.50−3.62(2H,m),4.15−4.22(4H,m),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.87−5.13(2H,m),6.64(1H,d,J=5.4Hz),7.35−7.46(3H,m),7.83(1H,d,J=7.8Hz),8.35(1H,d,J=5.4Hz).
合成例42
エチル 3−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]プロピル カーボネート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.59g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考合成例44で得られたエチル 3−(メチルアミノ)プロピル カーボネート塩酸塩(1.18g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.10g)、トリエチルアミン(0.83mL)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(0.88g)を黄色アモルファス状固体として得た。
H−NMR(CDCl):1.29(3H,t,J=7.2Hz),2.10−2.20(2H,m),2.22(3H,s),3.02(3H,bs),3.55−3.77(2H,m),4.14−4.30(4H,m),4.37(2H,q,J=7.8Hz),4.83−5.13(2H,m),6.64(1H,d,J=5.6Hz),7.35−7.46(3H,m),7.82(1H,d,J=8.1Hz),8.35(1H,d,J=5.6Hz).
合成例43
3−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]プロピル アセテート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(1.19g)のテトラヒドロフラン溶液(40mL)に氷冷下、ピリジン(0.95mL)のテトラヒドロフラン溶液(2mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考合成例42で得られた3−(メチルアミノ)プロピル アセテート塩酸塩(1.90g)を添加した。トリエチルアミン(1.68mL)のテトラヒドロフラン溶液(2mL)を滴下後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(100mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(40mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.99g)、トリエチルアミン(1.50mL)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(100mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(1.22g)を黄色アモルファス状固体として得た。
H−NMR(CDCl):1.97(3H,s),2.05−2.15(2H,m),2.22(3H,s),3.03(3H,bs),3.42−3.72(2H,m),4.10−4.22(2H,m),4.37(2H,q,J=7.8Hz),4.85−5.13(2H,m),6.64(1H,d,J=5.6Hz),7.24−7.44(3H,m),7.83(1H,d,J=7.5Hz),8.35(1H,d,J=5.6Hz).
合成例44
3−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]プロパン−1,2−ジイル ジアセテート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.59g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考合成例46で得られた3−(メチルアミノ)プロパン−1,2−ジイル ジアセテート塩酸塩(1.35g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.27g)、トリエチルアミン(0.96mL)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(0.64g)を黄色アモルファス状固体として得た。
H−NMR(CDCl):2.05(3H,s),2.13(3H,s),2.23(3H,s),3.07(3H,bs),3.42−3.95(2H,m),4.06−4.43(2H,m),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.85−5.05(2H,m),5.42−5.50(1H,m),6.63−6.66(1H,m),7.38−7.51(3H,m),7.78−7.85(1H,m),8.33−8.36(1H,m).
合成例45
ジエチル 3−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]プロパン−1,2−ジイル ビスカーボネート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.59g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考合成例47で得られたジエチル 3−(メチルアミノ)プロパン−1,2−ジイル ビスカーボネート塩酸塩(1.71g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.53g)、トリエチルアミン(1.16mL)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(1.42g)を黄色アモルファス状固体として得た。
H−NMR(CDCl):1.28−1.34(6H,m),2.22(3H,s),3.07(3H,bs),3.42−4.60(10H,m),4.85−5.08(2H,m),5.30−5.42(1H,m),6.62−6.64(1H,m),7.37−7.42(3H,m),7.80−7.83(1H,m),8.32−8.35(1H,m).
合成例46
2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル 3−クロロベンゾエート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.194g)のテトラヒドロフラン溶液(7mL)に氷冷下、ピリジン(0.162mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例7で得られた2−(メチルアミノ)エチル 3−クロロベンゾエート塩酸塩(0.50g)を添加した。トリエチルアミン(0.279mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で2.5時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(15mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(15mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解した。特開昭63−146882に記載の方法で合成した5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(0.445g)、トリエチルアミン(0.357mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.012g)を添加し、60℃で14時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(70mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(20mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(0.360g)を無色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):2.21(3H,s),2.23(3H,s),3.32,3.38(合計3H,s),3.72(3H,s),3.81(3H,s),3.92−4.09(2H,m),4.50−4.73(2H,m),4.87(1H,d,J=13.4Hz),4.94(1H,d,J=13.4Hz),6.77(1H,d,J=8.8Hz)、7.36(1H,m),7.52(1H,m),7.80−8.03(3H,m),8.20(1H,s).
合成例47
2−[メチル[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.582g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.485mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、1時間攪拌後、参考合成例2で得られた2−(メチルアミノ)エチル アセテート塩酸塩(0.922g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で2.5時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(40mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(25mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(15mL)に溶解した。2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.10g)、トリエチルアミン(0.84mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.036g)を添加し、60℃で4.5時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(40mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて2:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(1.18g)を無色固体として得た。
H−NMR(CDCl):2.10(3H,s),2.24(3H,s),3.09(3H,bs),3.60−4.00(2H,br),4.25−4.50(2H,m),4.38(2H、q,J=7.8Hz),4.84−5.18(2H,m),6.64(1H,d,J=5.6Hz),7.36−7.48(3H,m),7.85(1H,d,J=7.8Hz),8.35(1H,d,J=5.6Hz).
合成例48
エチル 2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート
Figure 0004578124
(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(130g)、トリエチルアミン(63.8mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.86g)、参考合成例34で得た2−[(クロロカルボニル)(メチル)アミノ]エチル エチル カーボネート(84.8g)のテトラヒドロフラン(813mL)溶液を45−50℃で18時間攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に水(300mL)を加え、酢酸エチル(700mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(300mL)で3回洗浄した後、無水硫酸マグネシウム(130g)と活性炭(13g)を加えた。室温で30分間攪拌した後、濾過した。濾液を減圧濃縮した後、残留物をトリエチルアミン(0.49mL)を含むジエチルエーテル(600mL)に溶かし、減圧濃縮した。この操作をさらに2回繰り返した。得られた油状物をトリエチルアミン(2.45mL)を含むエタノール(200mL)に溶かし、氷冷下、水(120mL)を滴下した。析出した結晶を濾取し、氷冷したエタノール−水(体積比1:1,150mL)で3回洗浄し、乾燥することにより、標題化合物(172.2g)を無色固体として得た。H−NMR(CDCl)は合成例14で得られた化合物と同一のチャートを示した。
合成例49
2−エトキシエチル 2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.43g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.35mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、10分間攪拌後、参考合成例48で得られた2−エトキシエチル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩(0.82g)を添加した。トリエチルアミン(0.60mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で3日間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を0.2N塩酸(20mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.11g)、トリエチルアミン(0.63mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃で6時間、室温で11時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:7、続いて酢酸エチル:ヘキサン=7:3で溶出)で精製することにより、標題化合物(1.39g)を黄色アモルファス状固体として得た。
H−NMR(CDCl):1.19(3H,t,J=6.9Hz),2.23(3H,s),3.09(3H,bs),3.40−4.20(2H,br),3.53(2H,q,J=6.9Hz),3.63−3.69(2H,m),4.27−4.34(2H,m),4.39(2H,q,J=7.8Hz),4.47(2H,m),4.80−5.20(2H,m),6.65(1H,d,J=5.6Hz),7.30−7.52(3H,m),7.84(1H,d,J=7.5Hz),8.35(1H,d,J=5.6Hz).
合成例50
3−メトキシプロピル 2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.53g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.44mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、5分間攪拌後、参考合成例49で得られた3−メトキシプロピル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩(0.82g)を添加した。トリエチルアミン(0.75mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で1時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を0.2N塩酸(20mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.11g)、トリエチルアミン(0.63mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃で6時間、室温で6時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:7、続いて酢酸エチル:ヘキサン=7:3で溶出)で精製した。ジエチルエーテルから結晶化することにより、標題化合物(0.70g)を無色固体として得た。
H−NMR(CDCl):1.94(2H,quintet,J=6.2Hz),2.23(3H,s),3.09(3H,bs),3.31(3H,s),3.40−4.20(2H,br),3.44(2H,t,J=6.2Hz),4.25(2H,t,J=6.5Hz),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.44(2H,m),4.80−5.20(2H,m),6.64(1H,d,J=5.6Hz),7.35−7.48(3H,m),7.83(1H,d,J=7.8Hz),8.34(1H,d,J=5.6Hz).
合成例51
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル N,N−ジメチルグリシネート
Figure 0004578124
参考合成例50で得られた2−(メチルアミノ)エチル N,N−ジメチルグリシネート二塩酸塩(1.06g)をテトラヒドロフラン(40mL)に加えてしばらく攪拌した後、炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.77g)を加えた。氷冷した後、トリエチルアミン(2.17mL)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)を滴下し、室温で3時間攪拌した。析出した固体を濾別した後、酢酸エチル(80mL)を加え、氷冷した炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL×2)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.11g)、トリエチルアミン(0.63mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃で6時間、室温で3日間攪拌した。4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃でさらに6時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて酢酸エチル、続いてメタノール:酢酸エチル=1:19で溶出)で精製した。ジエチルエーテルから結晶化することにより、標題化合物(0.41g)を無色固体として得た。
H−NMR(CDCl):2.23(3H,s),2.35(6H,s),3.08(3H,bs),3.21(2H,s),3.50−4.20(2H,br),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.44(2H,m),4.80−5.18(2H,m),6.64(1H,d,J=5.6Hz),7.36−7.48(3H,m),7.84(1H,d,J=6.9Hz),8.35(1H,d,J=5.6Hz).
合成例52
S−[2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル] チオアセテート
Figure 0004578124
参考合成例51で得られたS−[2−(メチルアミノ)エチル] チオアセテート塩酸塩(0.75g)をテトラヒドロフラン(30mL)に加えてしばらく攪拌した後、炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.66g)を加えた。氷冷した後、トリエチルアミン(1.85mL)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を滴下し、氷冷下で30分間、室温で30分間攪拌した。析出した固体を濾別し、濾液に酢酸エチル(50mL)を加え、氷冷した0.2N塩酸(20mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(0.96g)、トリエチルアミン(0.54mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.032g)を添加し、60℃で6時間、室温で8時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトン:ヘキサン=3:7、続いてアセトン:ヘキサン=7:3で溶出)で精製することにより、標題化合物(1.19g)を黄色アモルファス状固体として得た。
H−NMR(CDCl):2.23(3H,s),2.34(3H,s),3.10(3H,bs),3.22(2H,t,J=6.6Hz),3.67(2H,m),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.80−5.20(2H,m),6.64(1H,d,J=5.7Hz),7.35−7.50(3H,m),7.83(1H,d,J=6.9Hz),8.35(1H,d,J=5.7Hz).
合成例53
エチル 2−[2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エトキシ]エチル カーボネート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(1.19g)のテトラヒドロフラン溶液(40mL)に氷冷下、ピリジン(0.95mL)のテトラヒドロフラン溶液(2mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例52で得られたエチル 2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]エチル カーボネート塩酸塩(2.73g)を添加した。トリエチルアミン(1.68mL)のテトラヒドロフラン溶液(2mL)を滴下後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(100mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(40mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(2.80g)、トリエチルアミン(2.11mL)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(100mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(2.19g)を黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.28(3H,t,J=7.2Hz),2.24(3H,s),3.10(3H,bs),3.38−3.80(6H,m),4.18(2H,q,J=7.2Hz),4.27−4.34(2H,m),4.38(2H,q,J=8.4Hz),4.83−5.30(2H,m),6.65(1H,d,J=5.7Hz),7.35−7.50(3H,m),7.84(1H,d,J=7.8Hz),8.36(1H,d,J=5.7Hz).
合成例54
エチル 2−[メチル[[2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エトキシ]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.59g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例53で得られたエチル 2−[メチル[[2−(メチルアミノ)エトキシ]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート塩酸塩(1.71g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.59g)、トリエチルアミン(1.20mL)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(1.62g)を黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.24−1.31(3H,m),2.24(3H,bs),2.97−2.99(3H,m),3.10(3H,bs),3.55−3.58(2H,m),4.09−4.50(10H,m),4.88−5.08(2H,m),6.65(1H,t,J=5.7Hz),7.36−7.48(3H,m),7.85(1H,d,J=6.9Hz),8.36(1H,d,J=5.7Hz).
合成例55
エチル 2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.291g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に氷冷下、ピリジン(0.243mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、1時間攪拌後、参考例14で得られたエチル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩(0.551g)を添加した。トリエチルアミン(0.418mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で2時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(15mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(15mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解した。5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(0.817g)、トリエチルアミン(0.661mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.012g)を添加し、60℃で12時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(20mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(15mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製することにより、標題化合物とエチル 2−[[[6−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネートの3:2の混合物(0.92g)を淡黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.27−1.34(3H,m),2.10−2.30(3H,m),2.23(3H,s),2.99−3.23(3H,m),3.40−3.85(2H,m),3.69(6/5H,s),3.71(9/5H,s),3.86(6/5H,s),3.88(9/5H,s),4.14−4.25(2H,m),4.38−4.60(2H,m),4.82−5.06(2H,m),6.92−7.08(7/5H,m),7.33(3/5H,d,J=9.0Hz),7.66(1H,m),8.21(1H,s).
合成例56
2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](フェニル)アミノ]エチル アセテート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.291g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に氷冷下、ピリジン(0.243mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例27で得られた2−アニリノエチル アセテート塩酸塩(0.647g)を添加した。トリエチルアミン(0.419mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(20mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(15mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解した。5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(0.829g)、トリエチルアミン(0.669mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.012g)を添加し、60℃で14時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(40mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(15mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2で溶出)で精製することにより、標題化合物と2−[[[6−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](フェニル)アミノ]エチル アセテートの1:1の混合物(1.10g)を無色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.99(3H,s),2.19(1.5H.s),2.21(1.5H,s),2.25(3H,s),3.70(1.5H,s),3.71(3H,s),3.78(1.5H,s),3.84(1.5H,s),4.15−4.56(4H,m),4.74−4.80(1H,m),4.91−4.98(1H,m),6.83−6.91(1.5H,m),7.04−7.19(3.5H,m),7.25−7.53(2.5H,m),7.51(0.5H,d,J=8.7Hz),8.25(1H,s).
合成例57
エチル 2−[[[(S)−5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネート
Figure 0004578124
特表平10−504290の合成例1に記載の方法で合成した(S)−5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.34g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に参考例34で得られた2−[(クロロカルボニル)(メチル)アミノ]エチル エチル カーボネート(0.9mL)、トリエチルアミン(1.08mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.010g)を添加し、60℃で6時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(15mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製することにより、標題化合物とエチル 2−[[[(S)−6−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネートの3:2の混合物(0.92g)を淡黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.25−1.34(3H,m),2.10−2.30(3H,m),2.23(3H,s),2.99−3.23(3H,m),3.40−3.85(2H,m),3.69(6/5H,s),3.71(9/5H,s),3.86(6/5H,s),3.88(9/5H,s),4.14−4.25(2H,m),4.38−4.60(2H,m),4.79−5.05(2H,m),6.92−7.08(7/5H,m),7.33(3/5H,d,J=9.3Hz),7.65(1H,m),8.21(1H,s).
合成例58
エチル 2−[[[2−[[[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチル−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.291g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に氷冷下、ピリジン(0.243mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例14で得られたエチル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩(0.551g)を添加した。トリエチルアミン(0.418mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で2.5時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(15mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(15mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解した。2−[[[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチル−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(0.723g)、トリエチルアミン(0.528mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.012g)を添加し、60℃で17時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(40mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(15mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2で溶出)、続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1続いて酢酸エチルで溶出)で精製することにより、標題化合物(0.44g)を無色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.31(3H,t,J=7.1Hz),2.05(2H,m),2.18(3H,s),3.08(3H,bs),3.34(3H,s),3.54(2H,t,J=6.1Hz),3.61−4.01(2H,m),4.08(2H,t,J=6.3Hz),4.21(2H,t,J=7.1Hz),4.38−4.54(2H,m),4.81−5.12(2H,m),6.68(1H,d,J=5.6Hz),7.34−7.48(3H,m),7.83(1H,d,J=7.8Hz),8.27(1H,d,J=5.6Hz).
合成例59
2−[[[2−[[[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチル−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](フェニル)アミノ]エチル アセテート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.291g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に氷冷下、ピリジン(0.243mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例27で得られた2−アニリノエチル アセテート塩酸塩(0.647g)を添加した。トリエチルアミン(0.419mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(20mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(15mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解した。2−[[[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチル−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(0.877g)、トリエチルアミン(0.641mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.012g)を添加し、60℃で16時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(40mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(15mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2で溶出)、続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチルで溶出)で精製することにより、標題化合物(0.93g)を無色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.99(3H,s),2.07(3H.s),2.19(3H,s),3.35(3H,s),3.54(2H,t,J=6.2Hz),4.09(2H,t,J=6.2Hz),4.14−4.40(4H,m),4.80(1H,d,J=13.7Hz),5.00(1H,d,J=13.7Hz),6.71(1H,d,J=5.7Hz),7.03−7.34(7H,m),7.38(1H,m),7.65(1H,m),8.32(1H,d,J=5.7Hz).
合成例60
2−[[[5−(ジフルオロメトキシ)−2−[[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル エチル カーボネート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.174g)のテトラヒドロフラン溶液(8mL)に氷冷下、ピリジン(0.146mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、1時間攪拌後、参考例14で得られたエチル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩(0.330g)を添加した。トリエチルアミン(0.250mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(10mL)を加え、酢酸エチル(30mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(10mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(8mL)に溶解した。5−(ジフルオロメトキシ)−2−[[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(0.432g)、トリエチルアミン(0.279mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.008g)を添加し、60℃で17.5時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(20mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(10mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)、続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:1、続いて酢酸エチルで溶出)で精製することにより、標題化合物と2−[[[6−(ジフルオロメトキシ)−2−[[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]メチルアミノ]エチル エチル カーボネートの1:1の混合物(0.09g)を淡黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.31(3H,t,J=7.2Hz),3.06(3H,s),3.42−3.98(2H,m),3.87(3H,s),3.90(3H,s),4.21(2H,q,J=7.2Hz),4.36−4.54(2H,m),4.90(1H,d,J=13.2Hz),4.98(1H,d,J=13.2Hz),6.54(0.5H,t,J=73.5Hz),6.61(0.5H,t,J=73.5Hz),6.78(1H,d,J=5.3Hz),7.15−7.25(1.5H,m),7.44(0.5H,d,J=9.0Hz),7.59(0.5H,s),7.80(0.5H,d,J=9.0Hz),8.17(1H,d,J=5.3Hz).
合成例61
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 1−メチルピペリジン−4−カルボキシレート
Figure 0004578124
参考例54で得られた2−(メチルアミノ)エチル 1−メチルピペリジン−4−カルボキシレート二塩酸塩(0.98g)をテトラヒドロフラン(50mL)に加えてしばらく攪拌した後、炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.53g)を加えた。氷冷した後、トリエチルアミン(2.01mL)のテトラヒドロフラン溶液(50mL)を滴下し、室温で3時間攪拌した。酢酸エチル(100mL)を加え、炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)、飽和食塩水(80mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(0.74g)、トリエチルアミン(0.56mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.049g)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=7:3、続いて酢酸エチル、続いてメタノール:酢酸エチル=1:19で溶出)で精製することにより、標題化合物(0.78g)を黄緑色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.65−2.05(6H,m),2.23(3H,s),2.25(3H,s),2.24−2.38(1H,m),2.75−2.85(2H,m),3.07(3H,bs),3.40−4.10(2H,br),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.40(2H,m),4.80−5.10(2H,br),6.64(1H,d,J=5.6Hz),7.36−7.47(3H,m),7.84(1H,d,J=7.8Hz),8.35(1H,d,J=5.6Hz).
合成例62
2−[[4−(アミノカルボニル)フェニル][[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.45g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、参考例55で得られた2−[[4−(アミノカルボニル)フェニル]アミノ]エチル アセテート(0.67g)とトリエチルアミン(0.63mL)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を滴下し、室温で1時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を0.2N塩酸(20mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(30mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.11g)、トリエチルアミン(0.63mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃で30分間、室温で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=4:6、続いて6:4、続いて8:2で溶出)で精製することにより、標題化合物(1.26g)を黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.99(3H,s),2.26(3H,s),4.15−4.55(4H,m),4.41(2H,q,J=7.9Hz),4.80−5.20(2H,br),6.69(1H,d,J=5.7Hz),7.26−7.38(3H,m),7.48(2H,d,J=8.9Hz),7.54(2H,d,J=8.9Hz),7.66−7.73(1H,m),8.39(1H,d,J=5.7Hz).
合成例63
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 1−メチル−4−ピペリジニル カーボネート
Figure 0004578124
参考例56で得られた2−(メチルアミノ)エチル 1−メチル−4−ピペリジニル カーボネート二塩酸塩(1.01g)をテトラヒドロフラン(30mL)に加えてしばらく攪拌した後、氷冷した。炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.69g)を添加後、トリエチルアミン(1.95mL)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を滴下した。氷冷下1時間、室温で1時間攪拌した後、析出した固体を濾別した。減圧濃縮後、酢酸エチル(50mL)を加え、氷冷した炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.11g)、トリエチルアミン(0.63mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて酢酸エチル、続いてメタノール:酢酸エチル=1:19で溶出)で精製することにより、標題化合物(0.70g)を黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.70−1.86(2H,m),1.90−2.04(2H,m),2.23(3H,s),2.28(3H,s),2.10−2.35(2H,m),2.60−2.72(2H,m),3.08(3H,bs),3.40−4.20(2H,br),4.39(2H,q,J=7.9Hz),4.44(2H,m),4.60−4.74(1H,m),4.80−5.15(2H,br),6.65(1H,d,J=5.9Hz),7.35−7.52(3H,m),7.84(1H,d,J=7.5Hz),8.35(1H,d,J=5.9Hz).
合成例64
2−[[4−(アミノカルボニル)フェニル][[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート
Figure 0004578124
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.12g)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)に氷冷下、参考例55で得られた2−[[4−(アミノカルボニル)フェニル]アミノ]エチル アセテート(0.22g)とトリエチルアミン(0.17mL)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)を滴下し、室温で30分間攪拌した。水(20mL)を加え、酢酸エチル(30mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(20mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解した。2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(0.37g)、トリエチルアミン(0.28mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.012g)を添加し、60℃で1時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)を加え、酢酸エチル(30mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(20mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:7、続いて5:5、続いて8:2で溶出)で精製することにより、標題化合物(0.34g)を淡黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.99(3H,s),2.26(3H,s),4.15−4.55(4H,m),4.41(2H,q,J=7.9Hz),4.80−5.20(2H,br),6.69(1H,d,J=5.9Hz),7.26−7.40(3H,m),7.47(2H,d,J=8.8Hz),7.54(2H,d,J=8.8Hz),7.65−7.74(1H,m),8.38(1H,d,J=5.9Hz).
合成例65
(−)−エチル 2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネート
Figure 0004578124
特開昭63−146882に記載の方法で合成した5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジンを分取HPLCで光学分割して得た(−)エナンチオマー体(0.10g)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)に、参考例34で得た2−[(クロロカルボニル)(メチル)アミノ]エチル エチル カーボネート(0.081g)、トリエチルアミン(0.080mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.007g)を添加し、50℃で18時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(0.053g)を無色油状物として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.30(3H,t,J=7.1Hz),2.24(6H,s),3.15,3.32(合計3H,s),3.73(3H,s),3.90−4.55(9H,m),4.85(1H,d,J=13.2Hz),4.97(1H,d,J=13.2Hz),6.80(1H,d,J=8.8Hz),7.96(1H,d,J=8.8Hz),8.23(1H,s).
合成例66
(+)−エチル 2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネート
Figure 0004578124
特開昭63−146882に記載の方法で合成した5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジンを分取HPLCで光学分割して得た(+)エナンチオマー体(0.10g)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)に、参考例34で得た2−[(クロロカルボニル)(メチル)アミノ]エチル エチル カーボネート(0.081g)、トリエチルアミン(0.080mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.007g)を添加し、50℃で18時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:1で溶出)で精製することにより、標題化合物と(+)−エチル 2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネートの2:1の混合物(0.115g)を無色油状物として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.20−1.38(3H,m),2.24(6H,s),3.08,3.15,3.33(合計3H,s),3.73(3H,s),3.88−4.55(9H,m),4.78−5.05(2H,m),6.80,6.86(1H,d,J=8.8Hz),7.76,7.96(1H,d,J=8.8Hz),8.21,8.22(合計1H,s).
参考例1
ランソプラゾールR体(以下、「化合物A」と称す)300g、炭酸マグネシウム105g、精製白糖195gおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース75gをよく混合し、主薬層散布剤とした。精製白糖75g、酸化チタン48.8gおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース18.8gをよく混合し、中間層散布剤とした。遠心転動造粒機(CF-360、フロイント産業株式会社製)に白糖・でんぶん球状顆粒375gを投入し、ヒドロキシプロピルセルロース溶液(2w/w%)を噴霧しながら上記の主薬層散布剤をコーティングし球形顆粒を得た。引き続き、ヒドロキシプロピルセルロース溶液(2w/w%)を噴霧しながら上記の中間層散布剤をコーティングし球形顆粒を得た。得られた球形顆粒を40℃で16時間真空乾燥し、丸篩で篩過し710μm〜1400μmの顆粒を得た。
顆粒120.0mg中の組成
白糖・でんぶん球状顆粒 37.5mg
ヒドロキシプロピルセルロース 0.75mg
主薬散布剤
化合物A 30.0mg
炭酸マグネシウム 10.5mg
精製白糖 19.5mg
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 7.5mg
中間層散布剤
精製白糖 7.5mg
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 1.875mg
酸化チタン 4.875mg
計 120.0mg
参考例2
精製水1206gにマクロゴール6000を25gおよびポリソルベート80を10g溶解し、得られる溶液にタルク78g、酸化チタン25gおよびメタクリル酸コポリマーLDを866.7g(固形分として260g)分散させ腸溶性コーティング溶液を製造した。参考例1で得た顆粒に、上記の腸溶性コーティング液を転動攪拌流動層コーティング機(SPIR-A-FLOW、フロイント産業株式会社製)中で給気温度45℃、ロータ回転数:200rpm、注液速度:3.8g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2の条件でコーティングし、そのまま乾燥し、丸篩で篩過し710μm〜1400μmの下記組成の腸溶性顆粒Iを得た。得られた球形顆粒を、40℃で16時間真空乾燥した。
腸溶性顆粒I149.86mg中の組成
参考例1の顆粒 120.00mg
メタクリル酸コポリマーLD 65mg(固形分として19.5mg)
タルク 5.85mg
マクロゴール6000 1.88mg
酸化チタン 1.88mg
ポリソルベート80 0.75mg
計 149.86mg
参考例3
精製水69.12gと無水エタノール622.08gの混液にメタクリル酸コポリマーSを36g、メタクリル酸コポリマーLを12gおよびクエン酸トリエチル4.8g溶解し、得られる溶液にタルク24gを分散させコーティング溶液を製造した。参考例2で得た腸溶性顆粒I100gに、上記コーティング溶液を転動攪拌流動層コーティング機(SPIR-A-FLOW、フロイント産業株式会社製)中で給気温度30℃、ロータ回転数:150rpm、注液速度:3.3g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2の条件でコーティングした。得られた球形顆粒を丸篩で篩過し710μm〜1400μmの腸溶性顆粒IIを得た。次いで、40℃で16時間真空乾燥した。
腸溶性顆粒II221.86mg中の組成
腸溶性顆粒I 149.86mg
メタクリル酸コポリマーS 33.75mg
メタクリル酸コポリマーL 11.25mg
タルク 22.5mg
クエン酸トリエチル 4.5mg
計 221.86mg
参考例4
精製水69.12gと無水エタノール622.08gの混液にメタクリル酸コポリマーSを24g、メタクリル酸コポリマーLを24gおよびクエン酸トリエチル4.8gを溶解し、得られる溶液にタルク24gを分散させコーティング溶液を製造した。参考例2で得た腸溶性顆粒I100gに、上記コーティング溶液を転動攪拌流動層コーティング機(SPIR-A-FLOW、フロイント産業株式会社製)中で給気温度30℃、ロータ回転数:150rpm、注液速度:3.3g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2の条件でコーティングした。得られた球形顆粒を丸篩で篩過し710μm〜1400μmの腸溶性顆粒IIIを得た。次いで、40℃で16時間真空乾燥した。
腸溶性顆粒III221.86mg中の組成
腸溶性顆粒I 149.86mg
メタクリル酸コポリマーS 22.5mg
メタクリル酸コポリマーL 22.5mg
タルク 22.5mg
クエン酸トリエチル 4.5mg
計 221.86mg
参考例5
参考例2で得た腸溶性顆粒I37.5mgと参考例3で得た腸溶性顆粒II167mgを混合し、さらに酸化ポリエチレン68.2mgを添加し、1号カプセル1個(化合物A:30mg相当)に充填してカプセル剤Iを得た。
参考例6
参考例2で得た腸溶性顆粒I37.5mgと参考例4で得た腸溶性顆粒III167mgを混合し、さらに酸化ポリエチレン68.2mgを添加し、1号カプセル1個(化合物A:30mg相当)に充填してカプセル剤IIを得た。
参考例7
化合物A 225g、炭酸マグネシウム75g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース37.5gおよびヒドロキシプロピルセルロース37.5gを精製水2122.5gに懸濁させて噴霧液とした。転動攪拌流動層コーティング機(SPIR-A-FLOW、フロイント産業株式会社製)に結晶セルロース(粒))を100g投入し、給気温度62℃、ロータ回転数:300rpm、注液速度:10g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2の条件で噴霧し該球形顆粒を得た。得られた球形顆粒を40℃で16時間真空乾燥し、丸篩で篩過し500μm〜1400μmの顆粒を得た。
上記の顆粒に中間層コーティング液を転動攪拌流動層コーティング機(SPIR-A-FLOW、フロイント産業株式会社製)を用いてコーティングしそのまま乾燥し、下記組成の顆粒を得た。中間層コーティング溶液は、精製水361.55gにヒドロキシプロピルメチルセルロース2910を20.09gを溶解し、得られる溶液に酸化チタン8.03gおよびタルク12.05gを分散させ製造した。コーティング操作条件は給気温度:62℃、ロータ回転数:200rpm、注液速度:3.0g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2で行った。得られた球形顆粒を40℃で16時間真空乾燥し、丸篩で篩過し710μm〜1400μmの顆粒を得た。
顆粒80mg中の組成
結晶セルロース(粒) 20.0mg
化合物A 30.0mg
炭酸マグネシウム 10.0mg
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 5.0mg
ヒドロキシプロピルセルロース 5.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 5.0mg
タルク 3.0mg
酸化チタン 2.0mg
計 80.0mg
参考例8
精製水1206gにマクロゴール6000を25gおよびポリソルベート80を10g溶解し、得られる溶液にタルク78g、酸化チタン25gおよびメタクリル酸コポリマーLDを866.7g(固形分として260g)分散させ腸溶性コーティング溶液を製造した。参考例7で得た顆粒に、上記の腸溶性コーティング液を転動攪拌流動層コーティング機(SPIR-A-FLOW、フロイント産業株式会社製)中で給気温度45℃、ロータ回転数:200rpm、注液速度:3.8g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2の条件でコーティングし、そのまま乾燥し、丸篩で篩過し710μm〜1400μmの下記組成の腸溶性顆粒IVを得た。得られた球形顆粒を、40℃で16時間真空乾燥した。
腸溶性顆粒IV99.9mg中の組成
参考例7の顆粒 80.00mg
メタクリル酸コポリマーLD 43.3mg(固形分として13.0mg)
タルク 4.0mg
マクロゴール6000 1.2mg
酸化チタン 1.2mg
ポリソルベート80 0.5mg
計 99.9mg
参考例9
精製水69.12gと無水エタノール622.08gの混液にメタクリル酸コポリマーSを36g、メタクリル酸コポリマーLを12gおよびクエン酸トリエチルを4.8g溶解し、得られる溶液にタルク24gを分散させコーティング溶液を製造した。参考例7で得た顆粒100gに、上記コーティング溶液を転動攪拌流動層コーティング機(SPIR-A-FLOW、フロイント産業株式会社製)中で給気温度30℃、ロータ回転数:100rpm、注液速度:3.0g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2の条件でコーティングした。得られた球形顆粒を丸篩で篩過し1180μm〜1700μmの腸溶性顆粒Vを得た。次いで、40℃で16時間真空乾燥した。
腸溶性顆粒V118.4mg中の組成
参考例7の顆粒 80.0mg
メタクリル酸コポリマーS 18.0mg
メタクリル酸コポリマーL 6.0mg
タルク 12.0mg
クエン酸トリエチル 2.4mg
計 118.4mg
参考例10
精製水69.12gと無水エタノール622.08gの混液にメタクリル酸コポリマーSを24g、メタクリル酸コポリマーLを24gおよびクエン酸トリエチル4.8gを溶解し、得られる溶液にタルク24gを分散させコーティング溶液を製造した。参考例7で得た顆粒に、上記コーティング溶液を転動攪拌流動層コーティング機(SPIR-A-FLOW、フロイント産業株式会社製)中で給気温度30℃、ロータ回転数:100rpm、注液速度:3.0g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2の条件でコーティングした。得られた球形顆粒を丸篩で篩過し1180μm〜1700μmの腸溶性顆粒VIを得た。次いで、40℃で16時間真空乾燥した。
腸溶性顆粒VI118.4mg中の組成
参考例7の顆粒 80.0mg
メタクリル酸コポリマーS 12.0mg
メタクリル酸コポリマーL 12.0mg
タルク 12.0mg
クエン酸トリエチル 2.4mg
計 118.4mg
参考例11
参考例8で得た腸溶性顆粒IV25mgと参考例9で得た腸溶性顆粒V88.8mgを混合し、さらに酸化ポリエチレン37.9mgを添加し、3号カプセル1個(化合物A:30mg相当)に充填してカプセル剤IIIを得た。
参考例12
参考例8で得た腸溶性顆粒IV25mgと参考例10で得た腸溶性顆粒VI88.8mgを混合し、さらに酸化ポリエチレン37.9mgを添加し、3号カプセル1個(化合物A:30mg相当)に充填してカプセル剤IVを得た。
参考例13
化合物A150g、炭酸マグネシウム50g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース25gおよびヒドロキシプロピルセルロース25gを精製水1420gに懸濁させて噴霧液とした。転動攪拌流動層コーティング機(SPIR-A-FLOW、フロイント産業株式会社製)に結晶セルロース(粒)200gを投入し、給気温度62℃、ロータ回転数:300rpm、注液速度:10g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2の条件で噴霧し下記組成の球形顆粒を得た。得られた球形顆粒を40℃で16時間真空乾燥し、丸篩で篩過し500μm〜1400μmの顆粒を得た。
顆粒41.25mg中の組成
結晶セルロース(粒) 22.5mg
化合物A 11.25mg
炭酸マグネシウム 3.75mg
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 1.87mg
ヒドロキシプロピルセルロース 1.87mg
計 41.24mg
化合物A90g、炭酸マグネシウム31.5g、精製白糖58.5gおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース22.5gをよく混合し、主薬層散布剤とした。遠心転動造粒機(CF-mini、フロイント産業株式会社製)に参考例13で得た顆粒110gを投入し、ヒドロキシプロピルセルロース溶液(2w/w%)を噴霧しながら上記の主薬層散布剤をコーティングし、下記組成の球形顆粒を得た。得られた球形顆粒を40℃で16時間真空乾燥し、丸篩で篩過し710μm〜1400μmの顆粒を得た。
顆粒118mg中の組成
参考例13の顆粒 41.25mg
化合物A 33.75mg
炭酸マグネシウム 11.81mg
精製白糖 21.94mg
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 8.44mg
ヒドロキシプロピルセルロース 0.84mg
計 118.03mg
実施例1で得られた顆粒に中間層コーティング液を転動攪拌流動層コーティング機(SPIR-A-FLOW、フロイント産業株式会社製)を用いてコーティングし、そのまま乾燥し下記組成の顆粒を得た。中間層コーティング溶液は、精製水361.55gにヒドロキシプロピルメチルセルロース2910を20.09gを溶解し、得られる溶液に酸化チタン8.03gおよびタルク12.05gを分散させ製造した。コーティング操作条件は給気温度:62℃、ロータ回転数:200rpm、注液速度:3.0g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2で行った。得られた球形顆粒を40℃で16時間真空乾燥し、丸篩で篩過し710μm〜1400μmの顆粒を得た。
顆粒133.0mg中の組成
実施例1の顆粒 118.03mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 7.5mg
タルク 4.5mg
酸化チタン 3.0mg
計 133.03mg
精製水1206gにマクロゴール6000を25gおよびポリソルベート80を10g溶解し、得られる溶液にタルク78g、酸化チタン25gおよびメタクリル酸コポリマーLDを866.7g(固形分として260g)分散させ腸溶性コーティング溶液を製造した。実施例2で得た顆粒に、上記の腸溶性コーティング液を転動攪拌流動層コーティング機(SPIR-A-FLOW、フロイント産業株式会社製)中で給気温度45℃、ロータ回転数:200rpm、注液速度:3.8g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2の条件でコーティングし、そのまま乾燥し、丸篩で篩過し710μm〜1400μmの下記組成の腸溶性顆粒VIIを得た。得られた球形顆粒を、40℃で16時間真空乾燥した。
腸溶性顆粒VII165.18mg中の組成
実施例2の顆粒 133.03mg
メタクリル酸コポリマーLD 70mg(固形分として21.00mg)
タルク 6.30mg
マクロゴール6000 2.02mg
酸化チタン 2.02mg
ポリソルベート80 0.81mg
計 165.18mg
精製水69.12gと無水エタノール622.08gの混液にメタクリル酸コポリマーSを36g、メタクリル酸コポリマーLを12gおよびクエン酸トリエチルを4.8g溶解し、得られる溶液にタルク24gを分散させコーティング溶液を製造した。実施例2で得た顆粒100gに、上記コーティング溶液を転動攪拌流動層コーティング機(SPIR-A-FLOW、フロイント産業株式会社製)中で給気温度30℃、ロータ回転数:100rpm、注液速度:3.0g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2の条件でコーティングした。得られた球形顆粒を丸篩で篩過し1180μm〜1700μmの腸溶性顆粒VIIIを得た。次いで、40℃で16時間真空乾燥した。
腸溶性顆粒VIII196.88mg中の組成
実施例2の顆粒 133.03mg
メタクリル酸コポリマーS 29.93mg
メタクリル酸コポリマーL 9.98mg
タルク 19.95mg
クエン酸トリエチル 3.99mg
計 196.88mg
精製水69.12gと無水エタノール622.08gの混液にメタクリル酸コポリマーSを24g、メタクリル酸コポリマーLを24gおよびクエン酸トリエチルを4.8g溶解し、得られる溶液にタルク24gを分散させコーティング溶液を製造した。実施例2で得た顆粒100gに、上記コーティング溶液を転動攪拌流動層コーティング機(SPIR-A-FLOW、フロイント産業株式会社製)中で給気温度30℃、ロータ回転数:100rpm、注液速度:3.0g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2の条件でコーティングした。得られた球形顆粒を丸篩で篩過し1180μm〜1700μmの腸溶性顆粒IXを得た。次いで、40℃で16時間真空乾燥した。
腸溶性顆粒IX196.88mg中の組成
実施例2の顆粒 133.03mg
メタクリル酸コポリマーS 19.95mg
メタクリル酸コポリマーL 19.95mg
タルク 19.95mg
クエン酸トリエチル 3.99mg
計 196.88mg
実施例3で得た腸溶性顆粒VII28mgと実施例4で得た腸溶性顆粒VIII98.7mgを混合し、さらに酸化ポリエチレン42.3mgを添加し、1号カプセル1個(化合物A:30mg相当)に充填してカプセル剤Vを得た。
実施例3で得た腸溶性顆粒VII28mgと実施例5で得た腸溶性顆粒IX98.7mgを混合し、さらに酸化ポリエチレン42.3mgを添加し、1号カプセル1個(化合物A:30mg相当)に充填してカプセル剤VIを得た。
実施例3で得た腸溶性顆粒VII56mgと実施例5で得た腸溶性顆粒IX197.4mgを混合し、2号カプセル1個(化合物A:60mg相当)に充填してカプセル剤VIIを得た。
実施例3で得た腸溶性顆粒VII84mgと実施例5で得た腸溶性顆粒IX296.1mgを混合し、1号カプセル1個(化合物A:90mg相当)に充填してカプセル剤VIIIを得た。
実施例3で得た腸溶性顆粒VII42mgと実施例5で得た腸溶性顆粒IX148.05mgを混合し、3号カプセル1個(化合物A:45mg相当)に充填してカプセル剤IXを得た。
試験例1
主薬含有率と形状の比較
(1)試験試料
(A)参考例3記載の腸溶性顆粒II。
(B)参考例4記載の腸溶性顆粒III。
(C)参考例9記載の腸溶性顆粒V。
(D)参考例10記載の腸溶性顆粒VI。
(E)実施例4記載の腸溶性顆粒VIII。
(F)実施例5記載の腸溶性顆粒IX。
(2)試験結果
主薬含有率と形状に関してまとめた表を下記の表1に示す。
Figure 0004578124
試験例2
溶出試験 (pH6.8)
(1)試験試料
(A)参考例4記載の腸溶性顆粒III。
(B)参考例10記載の腸溶性顆粒VI。
(C)実施例5記載の腸溶性顆粒IX。
(2)試験法
試験液として第十四改正日本薬局法の溶出試験第2法(パドル法)に従ってpH6.8リン酸緩衝液900mLを使用して化合物A量で換算して50mgに対して試験を行ない、75rpmでの各溶出試験開始からの一定時間後の溶出液を測定した。
(3)試験結果
化合物Aの溶出プロファイルを図1に示す。図1より、液添加法で製した参考例10の腸溶性顆粒VIでは、他の処方に比べ溶出が遅くなった。しかし、本発明による実施例5の腸溶性顆粒IXでは良好な溶出性を示した。
試験例3
溶出試験 (pH6.8)
(1)試験試料
(A)参考例3記載の腸溶性顆粒II。
(B)参考例9記載の腸溶性顆粒V。
(C)実施例4記載の腸溶性顆粒VIII。
(2)試験法
試験液として第十四改正日本薬局法の溶出試験第2法(パドル法)に従ってpH6.8リン酸緩衝液900mLを使用して化合物A量で換算して50mgに対して試験を行ない、75rpmでの各溶出試験開始からの一定時間後の溶出液を測定した。
(3)試験結果
化合物Aの溶出プロファイルを図2に示す。図2より、液添加法で製した参考例9の腸溶性顆粒Vでは、他の処方に比べ溶出が遅くなった。しかし、本発明による実施例4の腸溶性顆粒VIIIでは良好な溶出性を示した。
試験例4
ビーグル犬における吸収性
(1)試験試料
(A)参考例6記載のカプセル剤II。
(B)参考例12記載のカプセル剤IV。
(C)実施例7記載のカプセル剤VI。
(2)試験法
カプセル剤を絶食下のビーグル犬に投与量30mg/dogで水30mLとともに経口投与した。投与後、1時間、2時間、4時間、6時間、7時間、8時間の化合物Aの血漿中薬物濃度を測定した。
(3)試験結果
化合物Aの血漿中濃度プロファイルを図3に示す。図3より、液添加法で顆粒を製した参考例12のカプセル剤IVでは、他の処方に比べ吸収が低かった。しかし、本発明による実施例7のカプセル剤VIでは良好な吸収性を示した。
参考例4、10および実施例5で得られた腸溶性顆粒の化合物Aの溶出プロファイルを示す図である。 参考例3、9および実施例4で得られた腸溶性顆粒の化合物Aの溶出プロファイルを示す図である。 参考例6、12および実施例7で得られたカプセル剤を絶食下のビーグル犬に投与したときの化合物Aの血漿中濃度プロファイルを示す図である。

Claims (21)

  1. 核粒と、該核粒上に、活性成分と結合剤とを含有する溶液または懸濁液を噴霧して形成した活性成分含有A層と、結合剤含有溶液を噴霧しながら活性成分を含有する散布剤を散布して形成した活性成分含有B層とを有する顆粒、細粒または錠剤。
  2. A層を内側に形成し、B層をその外側に形成した請求項1記載の顆粒、細粒または錠剤。
  3. さらに放出制御被膜により被覆されていることを特徴とする請求項1記載の顆粒、細粒または錠剤。
  4. 放出制御被膜が、pH依存的に溶解するポリマーを含む請求項3記載の顆粒、細粒または錠剤。
  5. 活性成分がプロトンポンプインヒビター(PPI)である請求項1記載の顆粒、細粒または錠剤。
  6. PPIが式(I):
    Figure 0004578124
    〔式中、環Aは置換基を有していてもよいベンゼン環、R、RおよびRは、それぞれ同一または異なって、水素原子、置換基を有していもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基または置換基を有していてもよいアミノ基、およびYは窒素原子またはCHを示す〕で表されるベンズイミダゾール系化合物、そのプロドラッグもしくはその光学活性体またはその塩である請求項5記載の顆粒、細粒または錠剤。
  7. PPIが、ランソプラゾール、オメラプラゾール、ラベプラゾール、パントプラゾール、レミノプラゾール、テナトプラゾール(TU−199)、そのプロドラッグもしくはその光学活性体またはその塩である請求項5記載の顆粒、細粒または錠剤。
  8. PPIが、ランソプラゾール、そのプロドラッグもしくはその光学活性体またはその薬学的に許容される塩である請求項5記載の顆粒、細粒または錠剤。
  9. A層およびB層中に、塩基性無機塩を含有することを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の顆粒、細粒または錠剤。
  10. 塩基性無機塩がマグネシウムの塩またはカルシウムの塩である請求項9記載の顆粒、細粒または錠剤。
  11. さらに腸溶性被膜により被覆されている請求項5〜8のいずれか1項に記載の顆粒、細粒または錠剤。
  12. さらに放出制御被膜により被覆されている請求項5〜8のいずれか1項に記載の顆粒、細粒または錠剤。
  13. 中間層で被覆された上に腸溶性被膜もしくは放出制御被膜で被覆されている請求項11または12記載の顆粒、細粒または錠剤。
  14. 核粒、A層、B層間の直接接触を断つための中間層を設けた請求項1記載の顆粒、細粒または錠剤。
  15. 核粒、A層、B層および放出制御被膜間の直接接触を断つための中間層を設けた請求項3記載の顆粒、細粒または錠剤。
  16. 請求項11記載の顆粒、細粒もしくは錠剤および/または請求項12記載の顆粒、細粒もしくは錠剤を含有する固形製剤。
  17. 核粒上に、活性成分と結合剤とを含有する溶液または懸濁液を噴霧して活性成分含有A層を形成する工程と、
    結合剤含有溶液を噴霧しながら活性成分を含有する散布剤を散布して活性成分含有B層を形成する工程とを組み合わせて含むことを特徴とする顆粒、細粒または錠剤の製造方法。
  18. 核粒上に、A層を先ず形成し、該A層上にB層を形成することを特徴とする請求項17記載の顆粒、細粒または錠剤の製造法。
  19. 請求項1記載の顆粒、細粒または錠剤を含有する固形製剤。
  20. 錠剤またはカプセル剤である請求項17記載の固形製剤。
  21. 核粒上に、活性成分と結合剤とを含有する溶液または懸濁液を噴霧して活性成分含有A層を形成する方法と、結合剤含有溶液を噴霧しながら活性成分を含有する散布剤を散布して活性成分含有B層を形成する方法とを組み合わせることを特徴とする、顆粒、細粒または錠剤を含有する固形製剤の活性成分の溶出と大きさを制御する方法。
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