JP4577908B2 - 吸収冷温水機用再生器 - Google Patents

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Description

本発明は、吸収冷温水機の再生器に係り、特に、垂直の伝熱管を持つ再生器で、排熱源を有効利用することができる構成を有する吸収冷温水機用再生器に関する。
水を冷媒とし、無機塩類の水溶液等を吸収溶液とする吸収冷温水機において、吸収溶液は、再生器にて加熱され、冷媒を分離すると共に、吸収溶液は濃縮される。
再生器出口の溶液の沸騰温度は、入口濃度よりも濃いので入口溶液の沸騰温度よりも高くなる。
熱源ガス流体は、入口から出口に向かって温度が低下していくので、ガス流体の保有熱を有効に使うには、熱源ガス流体の流れと吸収溶液の流れをなるべく対向流となるようにするのが望ましい。
垂直伝熱管群を備え、垂直伝熱管内に吸収溶液が通り、垂直伝熱管外に熱源となるガス流体が通る吸収冷温水機用再生器は、例えば、図5に記載の特開平11−248291号公報では、溶液の流れと熱源のガス流体とは、溶液の出入口から全体として直交流になっており、熱源ガス流体を有効には使い切っていない。
また、図6に記載の実開昭57−148673号公報では、溶液の出入口関係からは、対向流の形態を取っているのであるが、缶体内で上下循環、長手方向での循環があり、缶体内が全体に混合された状態になり、溶液温度関係から見ると、直交流に近い形になる。
特開平11−248291号公報 実開昭57−148673号公報
本発明は、上記従来技術に鑑み、熱源ガス流体の流れと吸収溶液の流れを対向流とすると共に、吸収溶液が流れ方向で混合しないようにした熱源ガスを有効利用できる吸収冷温水機用再生器を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明では、上部管板と下部管板と、該管板間に垂直伝熱管群とを備え、該垂直伝熱管内に吸収溶液が通り、垂直伝熱管外に熱源となるガス流体が通る吸収冷温水機用再生器において、前記上部管板の上部に気液分離室を設け、該気液分離室内の上部管板上に、ガス流体の流れ方向に、垂直伝熱管群を複数の上部ブロックに分割する邪魔板を設け、また、前記下部管板の下部に溶液供給室を設け、該溶液供給室内に、ガス流体の流れに沿って、垂直伝熱管群を複数の下部ブロックに分割する邪魔板を設けると共に、前記気液分離室と溶液供給室との間に、前記上部ブロックと下部ブロック間で吸収溶液を循環させる複数の降液管を設け、前記吸収溶液の入口を、ガス流体の出口側に設け、吸収溶液の出口を、ガス流体の入口側に設け、該ガス流体の出口側に導入された吸収溶液は、一部を前記降液管により、前記気液分離室と溶液供給室の間を循環させながら、前記ガス流体の流れと全体として対向流とすると共に、前記吸収溶液がガス流体の出口側のブロックから順次濃度を高めながら、ガス流体の入口側のブロックに流れるように構成することとしたものである。
前記再生器において、邪魔板による垂直伝熱管群の分割により、上下部のブロックに開口する垂直伝熱管が、同一で同数であると共に、前記降液管を、同一順番同士の上部ブロックと下部ブロック間及び/又は上部ブロックから次の順番の下部ブロックに向けて設けるか、又は、前記吸収溶液入口側の上部ブロックに開口している垂直伝熱管の一部は、同一順番の下部ブロックに開口し、残部は次の下部ブロックに開口しており、詳しくは、上部ブロックに開口している垂直伝熱管の大部分の本数は、該吸収溶液入口側の下部ブロックに開口し、残部の垂直伝熱管は入口側から見て次の下部ブロックに開口し、順次、次々のブロックについて、垂直伝熱管の接続は、上部ブロックからは、入口側から数えて同一順番の下部ブロックと次の順番の下部ブロックにつながり、最終の上部ブロックからは、最終の下部ブロックにつながっていると共に、前記降液管を、同一順番同士の上部ブロックと下部ブロック間及び/又は上部ブロックから、次の順番の下部ブロックに向けて設けることができる。
また、本発明の再生器の邪魔板による垂直伝熱管の分割により、前記吸収溶液入口側の下部ブロックに開口している垂直伝熱管の一部は、同一順番の上部ブロックに開口し、残部は次の上部ブロックに開口しており、詳しくは、下部ブロックに開口している垂直伝熱管の大部分の本数は、該吸収溶液入口側の上部ブロックに開口し、残部の垂直伝熱管は入口側からみて次の上部ブロックに開口し、順次、次々のブロックについて、垂直伝熱管の接続は、下部ブロックからは、入口側から数えて同一順番の上部ブロックと次の順番の上部ブロックにつながり、最終の下部ブロックからは、最終の上部ブロックにつながっていると共に、前記降液管を、同一順番同士の上部ブロックと下部ブロック間及び/又は上部ブロックから、前の順番の下部ブロックに向けて設けることができる。
本発明は、前記のような構成としたことにより、熱源ガス流体の流れと吸収溶液の流れを対向流とすることができ、また、流れ方向で混合することが少ないため熱源ガスの有効利用をすることができた。
本発明は、垂直伝熱管群を備え、垂直伝熱管内に吸収溶液が通り、垂直伝熱管外に熱源となるガス流体が通る吸収冷温水機用再生器において、垂直伝熱管群の上部に、垂直伝熱管群の開口部を覆うように気液分離室を設け、気液分離室内に、ガス流体の流れ方向に、垂直管群を複数ブロックに分割する邪魔板を設け、また垂直伝熱管群の下部に、垂直伝熱管群の開口部を覆うように溶液供給室を設け、溶液供給室内に、ガス流体の流れに沿って垂直伝熱管群を複数ブロックに分割する邪魔板を設け、溶液入口を、ガス流体の出口側の垂直伝熱管上部ブロック、又は、下部ブロックに設け、溶液出口を、ガス流体の入口側の垂直伝熱管上部ブロックに設けたものである。
前記本発明の再生器では、出入口関係を全体として対向流にすると共に、邪魔
板で溶液の流れを規制し、溶液が流れ方向全体で混合しないようにしている。
次に、本発明を図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の再生器の一例を示す断面構成図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は(a)のA−A矢視図であり、図2〜4は本発明の再生器の他の例を示す概略構成図である。
図において、1は再生器、2は垂直伝熱管、3は降液管、4は上部管板、5は下部管板、6は上部邪魔板、7は下部邪魔板、8は吸収溶液(希溶液)、9は吸収溶液(濃溶液)、10は冷媒蒸気、11は熱源ガス、12は気液分離室、13は溶液供給室である。
図1の再生器の構造は、上部管板4と下部管板5との間に垂直伝熱管2群を取付け、垂直伝熱管2群の上部に、垂直伝熱管群の開口部を覆うように気液分離室12を、また垂直伝熱管群の下部に、垂直伝熱管群の開口部を覆うように溶液供給室13を設け、気液分離室12、溶液供給室13は、流れ方向に垂直伝熱管2を数ブロックに分割するように、邪魔板6、7を設けている。
そして、垂直伝熱管2内に吸収溶液8が通り、垂直伝熱管2外に熱源となるガス流体11が通る。
次に、図1の再生器の動作について説明すると、垂直伝熱管2にて、管内の吸収溶液8は、管外のガス11により加熱され、沸騰し、気液二相流となって、気液分離室12に吹出し、冷媒蒸気10と吸収溶液9とに分かれる。
垂直伝熱管下部には、溶液供給室13から吸収溶液8が供給される。
気液分離室12の吸収溶液の一部は、降液管3を通って、溶液供給室13に戻り、吸収溶液が循環する。残部の溶液は、気液分離室12の邪魔板6をオーバーフローして次のブロックに流れ込む。
次のブロックでは、気液分離室12から溶液供給室13に降液管3を通って溶液が供給され、一方垂直伝熱管2では上昇流が発生し、上下の室間で溶液の循環があり、一部は次のブロックにオーバーフローしていく。
図1では5分割にしているが、もっと多分割している場合にも、同様の流れが生じる。
最終ブロックには、前段の気液分離室12の邪魔板6をオーバーフローしてきた溶液が入ると共に、気液分離室12から溶液供給室13に降液管3を通って溶液が供給され、一方垂直伝熱管2では上昇流が発生し、上下の空間で溶液の循環があり、一部は再生器1出口から出ていく。
吸収溶液8は、入口ブロックから順次濃度を高め、従って沸騰温度を高めながら、出口ブロックに向って流れ、熱源となるガス流体とは対向流となっている。
図1は、排ガスを熱源とする場合を示している。図示していないが、図6のような平面燃焼バーナーがついた場合に対しても本発明は適用できる。また、図5のような炉筒式バーナーを用いた再生器に対しても、垂直伝熱管部に適用可能である。
図1では、降液管を垂直伝熱管群内に設けているが、図2〜図4のように降液管を缶体の外部に出しても差し支えない。
吸収冷温水機は、単効用でも、二重効用でも、再生器を連結させた一二重効用でも適用できる。
溶液供給室の邪魔板は、各ブロック間を仕切ってしまってもよいが、ブロック間で溶液がある程度流通できるように穴を設けてもよい。
気液分離室の邪魔板は、オーバーフロー形状としたが、下部に切り欠きを設け、一部の溶液が流れるようにしてもよい。
図2は、本発明の再生器の他の例を示す概略構成図であり、図1では、気液分離室12からオーバーフローで次のブロックに溶液が流れたが、図2のように、降液管3で、次のブロックに送り込んでもよい。
図3は、本発明の再生器の別の例を示す概略構成図であり、図3では、再生器の溶液供給室13に、吸収溶液8(希溶液)が供給され、垂直伝熱管内の吸収溶液8は管外のガス11によリ加熱され、沸騰し、気液二相流となって気液分離室12に吹出し冷媒蒸気10と吸収溶液9とに分かれる。
気液分離室12の吸収溶液は、降液管3を通って次の溶液供給室13入る。また、次のブロックヘの溶液は、全量降液管3を通して供給してもよいが、気液分離室12の邪魔板6をオーバーフローさせて供給してもよい。以下のブロックについても同様である。
溶液供給室13の第二ブロックの溶液は、垂直伝熱管2群を通して、一部が気液分離室12の第一ブロックヘ、残部が気液分離室12の第二ブロックへと上昇する。全体の流れは、第一ブロックから第二ブロックに流れるが、一部の溶液が第二ブロックから第一ブロックに戻って上下循環する。
気液分離室12の第二ブロックの吸収溶液は、降液管3を通って溶液供給室13の第三ブロックに入る。
溶液供給室13の第三ブロックの溶液は、垂直伝熱管2群を通して、一部が気液分離室12の第二ブロックヘ、残部が気液分離室12の第三ブロックへと上昇する。
気液分離室12の第三ブロックの溶液の一部は、降液管3を通して溶液供給室13に戻り、残部は再生器1から出ていく。
図4は、本発明の再生器の別の例を示す概略構成図であり、図4でも、吸収溶液8(希溶液)は、再生器の溶液供給室13に供給され、垂直伝熱管2内の吸収溶液8は、管外のガス11により加熱されて沸騰、気液二相流となって、大部分が同一順番の気液分離室12に、残部が次のブロックの気液分離室12に吹出し、冷媒蒸気10と吸収溶液9とに分かれる。
気液分離室12の吸収溶液は、降液管3を通って同一順番の溶液供給室13に入り、循環しながら一部が次の気液分離室12に進んでいく。気液分離室12の第三ブロックには、第二溶液供給室13から、垂直伝熱管2群を通して、溶液が蒸気と共に供給され、溶液の一部は第三ブロックの溶液供給室13に降液管3を通して戻って循環し、残部は再生器から出ていく。
本発明の再生器の一例を示す断面構成図で、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は(a)のA−A矢視図。 本発明の再生器の他の例を示す概略構成図。 本発明の再生器の別の例を示す概略構成図。 本発明の再生器の別の例を示す概略構成図。 公知の再生器の一例を示す断面構成図で、(a)は正面図、(b)は側面図。 公知の再生器の一例を示す断面構成図で、(a)は正面図、(b)は側面図。
符号の説明
1:再生器、2:垂直伝熱管、3:降液管、4:上部管板、5:下部管板、6、7:邪魔板、8:吸収溶液(希溶液)、9:吸収溶液(濃溶液)、10:冷媒蒸気、11:熱源ガス、12:気液分離室、13:溶液供給室

Claims (4)

  1. 上部管板と下部管板と、該管板間に垂直伝熱管群とを備え、該垂直伝熱管内に吸収溶液が通り、垂直伝熱管外に熱源となるガス流体が通る吸収冷温水機用再生器において、前記上部管板の上部に気液分離室を設け、該気液分離室内の上部管板上に、ガス流体の流れ方向に、垂直伝熱管群を複数の上部ブロックに分割する邪魔板を設け、また、前記下部管板の下部に溶液供給室を設け、該溶液供給室内に、ガス流体の流れに沿って、垂直伝熱管群を複数の下部ブロックに分割する邪魔板を設けると共に、前記気液分離室と溶液供給室との間に、前記上部ブロックと下部ブロック間で吸収溶液を循環させる複数の降液管を設け、前記吸収溶液の入口を、ガス流体の出口側に設け、吸収溶液の出口を、ガス流体の入口側に設け、該ガス流体の出口側に導入された吸収溶液は、一部を前記降液管により、前記気液分離室と溶液供給室の間を循環させながら、前記ガス流体の流れと全体として対向流とすると共に、前記吸収溶液がガス流体の出口側のブロックから順次濃度を高めながら、ガス流体の入口側のブロックに流れるように構成したことを特徴とする吸収冷温水機用再生器。
  2. 前記邪魔板による垂直伝熱管群の分割により、上下部のブロックに開口する垂直伝熱管が、同一で同数であると共に、降液管を、同一順番同士の上部ブロックと下部ブロック間及び/又は上部ブロックから次の順番の下部ブロックに向けて設けていることを特徴とする請求項1記載の吸収冷温水機用再生器。
  3. 前記邪魔板による垂直伝熱管群の分割により、上部ブロックに開口している垂直伝熱管の一部は、同一順番の下部ブロックに開口し、残部は次の下部ブロックに開口していると共に、降液管を、同一順番同士の上部ブロックと下部ブロック間及び/又は上部ブロックから、次の順番の下部ブロックに向けて設けていることを特徴とする請求項1記載の吸収冷温水機用再生器。
  4. 前記邪魔板による垂直伝熱管群の分割により、下部ブロックに開口している垂直伝熱管の一部は、同一順番の上部ブロックに開口し、残部は次の上部ブロックに開口していると共に、降液管を、同一順番同士の上部ブロックと下部ブロック間及び/又は上部ブロックから、次の順番の下部ブロックに向けて設けていることを特徴とする請求項1記載の吸収冷温水機用再生器。
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