JP4573429B2 - 磁気浮上型ポンプの制御回路 - Google Patents

磁気浮上型ポンプの制御回路 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は磁気浮上型ポンプの制御回路に関し、特に、磁気軸受を利用したクリーンポンプであって、たとえば人工心臓のような医療機器に用いられる磁気浮上型ポンプを制御する制御回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は従来の磁気浮上型ポンプを示す図であり、特に、図8(a)は縦断面図を示し、図8(b)は図8(a)の線A−Aに沿う断面図である。
【0003】
まず、図8を参照して、従来の磁気浮上型ポンプについて説明する。図8(a)に示すように、磁気浮上型ポンプ1はモータ部10とポンプ部20と磁気軸受部30とから構成される。ポンプ部20のケーシング21内にはポンプ室22が設けられていて、このポンプ室22内でインペラ23が回転する。インペラ23は図8(b)に示すように、複数の羽根27を有しており、渦巻型に形成されている。
【0004】
ケーシング21は非磁性部材からなり、インペラ23は非制御式磁気軸受を構成する永久磁石24を有する非磁性部材25と、制御式磁気軸受のロータに相当する軟質磁性部材26とを含む。永久磁石24はインペラ23の円周方向に分割されていて、互いに隣接する磁石は互いに反対方向の磁極に着磁されている。インペラ23の永久磁石24を有する側に対向するようにして、ポンプ室22外部には軸受17に軸支されたロータ12が設けられる。ロータ12はモータ13によって駆動されて回転する。ロータ12にはインペラ23の永久磁石24に対向しかつ吸引力が作用するようにインペラ23側と同数の永久磁石14が設けられている。この永久磁石14も互いに隣接する磁石が互いに反対方向の磁極に着磁されている。
【0005】
一方、インペラ23の軟質磁性部材26を有する側に対向するようにして、ポンプ室22において永久磁石24と14の吸引力に釣り合い、インペラ23をケーシング21の中心に保持できるように、円周上に3個以上の電磁石31および位置センサ32とが磁気軸受部30に設けられている。電磁石31の形状はC形であり、位置センサ32は磁気式センサが用いられている。
【0006】
上述のごとく構成された磁気浮上型ポンプ1において、ロータ12に埋込まれている永久磁石14とインペラ23に設けられている永久磁石24との間に軸方向の吸収力が働く。この吸引力を利用した磁気カップリングによってインペラ23を回転駆動させたり、半径方向の支持剛性を得ている。この吸引力と釣り合うようにC形の電磁石31のコイルに電流が流され、インペラ23が浮上する。そして、ロータ12がモータロータ15とモータステータ16とから構成されるモータ13の駆動力によって回転すると、永久磁石14と24とが磁気カップリングを構成し、インペラ23が回転して流体が吸入口60から吸い込まれ、出口70から排出される。インペラ23はケーシング21によってロータ12から隔離されておりかつ電磁石31からの汚染を受けることはないので、磁気浮上型ポンプ1から吐出された流体(血液ポンプとして使用した場合は血液)はクリーンな状態を保持する。
【0007】
図9は図8に示した磁気浮上型ポンプと制御回路を示す図である。図9において、磁気浮上型ポンプ200は図8の流入口60側から見た透視図で示されており、インペラ23の回転軸のまわりに3個の電磁石M1,M2,M3と、3個のセンサS1,S2,S3とが配置されている。各センサS1,S2,S3の出力はセンサアンプH1,H2,H3に与えられて増幅され、演算回路202に与えられる。
【0008】
演算回路202は、センサアンプH1,H2,H3で増幅されたセンサ出力を演算し、電磁石M1とインペラ23との間のギャップに比例した制御電圧a,電磁石M2とインペラ23との間のギャップに比例した制御電圧b,電磁石M3とインペラ23との間のギャップに比例した制御電圧cを出力して位相補償回路203に与える。
【0009】
位相補償回路203は各制御電圧a,b,cのそれぞれが与えられる比例微分回路PD1,PD2,PD3と積分回路I1,I2,I3とをふくむ。各比例微分回路PD1,PD2,PD3の出力と積分回路I1,I2,I3の出力は加算されてリミット回路LM1,LM2,LM3に与えられる。リミット回路LM1,LM2,LM3は入力信号が正電圧の信号の場合だけ通過させ、負電圧の信号は強制的に0Vにするように構成されている。リミット回路LM1,LM2,LM3の各出力信号はパワーアンプA1,A2,A3に与えられる。パワーアンプA1,A2,A3は制御電圧a,b,cをそれぞれ増幅して対応する電磁石M1,M2,M3を駆動する。これら制御回路によって、各電磁石M1,M2,M3が各センサS1,S2,S3の出力に基づいて個別に演算されて駆動される。
【0010】
図10は磁気浮上型ポンプの制御回路の他の例を示すブロック図である。図9に示した制御回路は、各電磁石M1,M2,M3に独立して比例微分回路PD1,PD2,PD3と積分回路I1,I2,I3とを有する位相補償回路203を設けていたのに対して、図7に示した制御回路は、各電磁石ごとに独立に位相補償回路を持つのではなく、磁気軸受で制御する各インペラの運動モードごとに位相補償回路を設けたものである。ここで、分離したインペラ23の運動モードは、インペラ回転軸方向の並進運動と、インペラ回転軸に対して互いに直交する軸回りの回転運動、すなわちピッチング運動とヨーイング運動がある。
【0011】
図10に示す分離回路204はセンサアンプH1,H2,H3から出力されたセンサ信号を演算し、インペラ23の並進運動パラメータz,インペラピッチング運動パラメータθx,インペラヨーイング運動パラメータθyを出力する。位相補償回路205は図9と同様にして、各運動モードを考慮して、比例微分回路PD1,PD2,PD3と、積分回路I1,I2,I3とによって構成され、それぞれの出力が各電磁石M1,M2,M3へ分配するための分配器206を介して、リミット回路LM1,LM2,LM3およびパワーアンプA1,A2,A3を介して各電磁石M1,M2,M3に電流が流される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
図8に示した磁気浮上型ポンプ1を携帯用に使用したり、血液ポンプ用として人体に埋込んで使用する場合には、インペラ23の回転中にポンプ全体が動いてしまう。図8に示したディスク状のインペラ23では、その回転時にポンプ全体がピッチングやヨーイングなどの回転運動に伴って、ジャイロモーメントの影響を受け、振れ回ってしまう歳差運動が生じるという問題がある。
【0013】
インペラ23の回転時に、ポンプにピッチングやヨーイング運動が加わると、その運動速度に比例したジャイロモーメントがインペラ23に働く。このジャイロモーメントによって、インペラ23はポンプに外乱として印加された回転運動(たとえばピッチング)と直交する回転軸を持つジャイロモーメントが作用し、インペラ23はポンプ室22内で変位し、さらにこれを契機にインペラ23の回転方向とは逆の方向で低周波数の歳差運動を生じる。
【0014】
特に、ポンプを血液ポンプに用いた場合には、この歳差運動によってケーシング21とインペラ23とが接触すると、その部分で血栓ができやすくなるため、極力この歳差運動を抑えることが望ましい。これを抑えるための方法として、電磁石のサイズを大きくし、磁気軸受剛性を向上させる方法が考えられるが、ポンプを体内埋込用血液ポンプに使用する場合には、極力小型であることが要求されているため、採用できない。
【0015】
それゆえに、この発明の主たる目的は、ポンプサイズを大きくすることなく、ポンプを携帯用途に使用してもポンプに対する回転外乱に対して発生するジャイロモーメントを補償することにより、回転時に安定したインペラを支持することができる磁気浮上型ポンプの制御回路を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明は、インペラの一方向から電磁吸引力を作用させ、電磁吸引力の反対側から磁気吸引力および流体力のいずれかもしくはその両方によってインペラを非接触で支承し、インペラの位置を検出するセンサと、インペラに電磁吸引力を作用させてインペラ位置決めする電磁石とを含む磁気浮上型ポンプを制御する制御回路であって、センサ出力に基づいて、インペラの運動を回転軸方向の並進運動と、ピッチング運動と、ヨーイング運動とに分離する分離回路と、分離されたそれぞれの運動ごとに比例微分回路と積分回路またはローパス回路とを並列に有する位相補償回路と、インペラの回転軸方向の並進運動を制御する積分回路またはローパス回路の入力または出力に接続される制限回路を備えたものである。この制限回路は、インペラの浮上設定位置よりも電磁石側にインペラが偏寄した場合に、積分回路またはローパス回路の入力または出力を遮断することを特徴とする。
【0017】
好ましくは、インペラの浮上設定位置よりも電磁石側にインペラが偏寄した場合は積分回路またはローパス回路の入力または出力が負電圧になり、制限回路は、積分回路またはローパス回路の入力または出力が負電圧である場合に、積分回路または前記ローパス回路の入力または出力を遮断する。
【0018】
また好ましくは、インペラの浮上設定位置よりも電磁石側にインペラが偏寄した場合は積分回路またはローパス回路の入力または出力が正電圧になり、制限回路は、積分回路またはローパス回路の入力または出力が正電圧である場合に、積分回路またはローパス回路の入力または出力を遮断する。
【0019】
他の発明は、インペラの一方向から電磁吸引力を作用させ、電磁吸引力の反対側から磁気吸引力および流体力のいずれかもしくはその両方によってインペラを非接触で支承し、インペラの位置を検出するセンサと、インペラの電磁吸引力を作用させてインペラ位置決めする電磁石とを含む磁気浮上型ポンプを制御する制御回路であって、センサ出力に基づいて、電磁石とインペラとの距離を演算して求める演算回路と、演算回路の出力信号を入力とする比例微分回路と積分回路またはローパス回路とを並列に有する位相補償回路と、積分回路またはローパス回路の入力または出力に接続される制限回路を備えたものである。この制限回路は、インペラの浮上設定位置よりも電磁石側にインペラが偏寄した場合に、積分回路またはローパス回路の入力または出力を遮断することを特徴とする。
【0020】
好ましくは、インペラの浮上設定位置よりも電磁石側にインペラが偏寄した場合は積分回路またはローパス回路の入力または出力が負電圧になり、制限回路は、積分回路またはローパス回路の入力または出力が負電圧である場合に、積分回路または前記ローパス回路の入力または出力を遮断する。
【0021】
また好ましくは、インペラの浮上設定位置よりも電磁石側にインペラが偏寄した場合は積分回路またはローパス回路の入力または出力が正電圧になり、制限回路は、積分回路またはローパス回路の入力または出力が正電圧である場合に、積分回路またはローパス回路の入力または出力を遮断する。
【0022】
さらに、磁気浮上型ポンプは、血液循環に使用されることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の一実施形態の磁気浮上型ポンプの制御回路を示すブロック図である。図1に示した制御回路は、前述の図9に示した制御回路の積分回路I1,I2,I3の前段にリミット回路L1,L2,L3を追加したものである。より具体的に説明すると、磁気浮上型ポンプ200は図8の流入口60側から見た透視図で示されており、インペラ23の回転軸のまわりに3個の電磁石M1,M2,M3と、3個のセンサS1,S2,S3とが配置されている。各センサS1,S2,S3の出力はセンサアンプH1,H2,H3に与えられて増幅されて演算回路202に与えられる。
【0024】
演算回路202はセンサアンプH1,H2,H3で増幅されたセンサ出力を演算し、電磁石M1とインペラ23との間のギャップに比例した制御電圧a,電磁石M2とインペラ23との間のギャップに比例した制御電圧b,電磁石M3とインペラ23との間のギャップに比例した制御電圧cを出力して位相補償回路207に与える。
【0025】
位相補償回路207は各制御電圧a,b,cのそれぞれが与えられる比例微分回路PD1,PD2,PD3と、リミット回路L1,L2,L3と、各リミット回路L1,L2,L3の出力が与えられる積分回路I1,I2,I3と、比例微分回路PD1および積分回路I1の出力を加算する加算回路AD1,比例微分回路PD2と積分回路I2の出力を加算する加算回路AD2,比例微分回路PD3と積分回路I3の出力を加算する加算回路AD3とを含む。位相補償回路207の出力はそれぞれリミット回路LM1,LM2,LM3を介してパワーアンプA1,A2,A3に与えられる。パワーアンプA1,A2,A3はそれぞれ対応の電磁石M1,M2,M3を駆動する。
【0026】
図1に示した制御回路において、リミット回路L1,L2,L3は入力信号が正電圧の信号の場合だけ通過させ、負電圧の信号は強制的に0Vに設定して積分回路I1,I2,I3に与える。
【0027】
図2は図1に示す制御回路において、インペラの電磁石との対向面上にステップ状の外乱を印加した場合の各部の信号およびインペラの動きを示し、図3は図1のリミット回路L1,L2,L3を外した場合に、図2と同様にしてインペラの電磁石との対向面上にステップ状の外乱を印加した場合の信号およびインペラの動きを示す図である。
【0028】
まず、図3を参照して、図3(b)に示すように、図1の比例微分回路PD1の出力A部と、図3(c)に示す積分回路I1の出力B部の信号は、図3(a)に示す外乱を印加した直後に反転した様相を示すことがわかる。すなわち、積分回路I1の出力の応答性が悪く、これが即応性に寄与する比例微分回路PD1の出力を妨げるように働き、その後の電磁石電流を決定する図3(d)に示すC部の電圧に影響を及ぼしていることがわかる。その結果、図3(e)に示すように、インペラ23の変位に相当するD部の電圧波形からインペラ23が大きく振動していることがわかる。
【0029】
一方、リミット回路L1を積分回路I1の前段に配置した場合、図2(c)に示すように、リミット回路L1によって積分回路I1には負の信号が入力されないため、図2(c)に示すように、B部の電圧波形には図3で見られたように比例微分回路PD1の出力を阻害する波形が現われない。その結果、インペラ23の変位に相当する図2(e)に示すD部の電圧波形では、図3(e)に示す波形と比べて、インペラ23の振動が小さくなり、改善していることがわかる。
【0030】
図8に示した磁気浮上型ポンプは、基本的に電磁石31の吸引力と永久磁石14と24の磁気カップリングの吸引力と釣合わせて構成されている。このため、インペラ23に対して外乱の向きが電磁石31側に加わり、さらにこの外乱の大きさが永久磁石14,24の吸引力にほぼ等しいかもしくはそれ以上になった場合には、電磁石31の作用によってインペラ23が磁気カップリング側に移動させるような力は発生できない。
【0031】
このため、インペラ23は電磁石31側に移動してしまう。この際、図9および図10に示した回路構成では、図3(d)に示す積分回路の出力が負の入力値(換言すればインペラ23が電磁石31側にある状態)を積算してしまい、その後に外乱がなくなった直後(図3(a)に示すb点)には、この積分回路I1の出力自体が大きくなったために、比例微分回路PD1出力が正の電圧を出力しても、積分回路I1の出力のために加算器AD1で加算した後の信号は負の電圧を示す結果、電磁石31にはインペラ23の変位に相当する図3(e)に示すD部の電圧波形のd点に見られるように、外乱が除かれた直後にインペラ23が磁気カップリング側に移動してしまう。
【0032】
これに対して、図1に示した実施形態では、リミット回路L1を積分回路I1の前段に接続することにより、積分回路I1は負の電圧を積分せず、外乱が除かれた直後から比例微分回路PD1の出力によって有効に電磁石31に電流を流し、インペラ23の位置を保つことができる。
【0033】
図4はこの発明の他の実施形態の制御回路のブロック図である。この図4に示した実施形態は、図1に示したリミット回路L1,L2,L3を積分回路I1,I2,I3の後段に接続したものであり、それ以外の構成は図1と同じである。この図4に示した実施形態においても、リミット回路L1,L2,L3は入力信号が正電圧の信号の場合だけ通過させ、負電圧の信号は強制的に0Vにするように構成されている。
【0034】
図5は図4に示した制御回路においてインペラの電磁石との対向面上にステップ状の外乱を印加した場合の、各部の信号およびインペラの動きを示す図である。この図5と前述の図2とを対比すれば明らかなように、図4に示すように積分回路I1,I2,I3の後段にリミット回路L1,L2,L3を設けた場合、図1に示すように積分回路I1,I2,I3の前段にリミット回路L1,L2,L3を設けた場合よりもその効果は小さいが、図3に示したリミット回路を設けていない場合の結果よりも大幅に改善されていることがわかる。
【0035】
図6は図1に示した積分回路に代えてローパス回路を使用した場合のインペラの電磁石との対向面上にステップ状の外乱を印加した場合の、各部の信号およびインペラの動きを示す図である。この図6と図2とを対比すれば明らかなように、外乱を加えた場合の各部の波形はほとんど変わらず、図1に示した積分回路I1,I2,I3に代えてローパス回路を用いてもよいことがわかる。
【0036】
図7は図10に示した従来例の制御回路の積分回路の前段にリミット回路を接続した例を示すブロック図である。この場合、ピッチングやヨーイング運動に対してはその出力値の値によって一意に各電磁石電流が決まらないので、インペラ回転軸方向の並進運動の制御系にのみリミット回路L1が接続される。
【0037】
上述の各実施形態では、リミット回路L1,L2,L3を入力信号が正電圧の信号の場合だけ通過させ、負電圧の場合は強制的に0Vにするように構成したが、回路構成によっては逆に負電圧の信号の場合だけ通過させ、正電圧の信号は強制的に0Vにするように構成した方がよい場合もある。
【0038】
さらに、リミット回路L1,L2,L3はそのリミット値を0Vに設定する必要はなく、たとえば入力信号が正電圧の信号の場合だけ通過させ、負電圧の信号は強制的に0Vにするように構成した場合に効果が発揮できる場合には、そのリミット電圧を−0.1Vのように負の側にシフトしても、また入力信号が負電圧の信号の場合だけ通過させ、正電圧の信号は強制的に0Vにするように構成した方が効果を発揮する場合には、そのリミット電圧を+0.1Vのように正の側にシフトをしてもよい。
【0039】
また、これらの回路構成は、アナログ回路で構成してもよく、あるいはデジタル回路で構成してもよい。
【0040】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、位相補償回路において積分回路もしくはローパス回路の入力あるいは出力に制限を設けるようにしたので、携帯用に使用したり、血液ポンプ用として人体に埋込んで使用し、インペラ回転中にポンプ全体が動いてしまうような場合にも、その磁気軸受電磁石サイズを大きくすることなく、ポンプに対する外乱に対して即応性のある磁気軸受制御を可能とし、安定したインペラの支持をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態の磁気浮上型ポンプと制御回路を示すブロック図である。
【図2】図1に示した制御回路においてインペラの電磁石との対向面上にステップ状の外乱を印加した場合の各部の信号およびインペラの動きを示す図である。
【図3】図1に示したリミット回路を外した場合に、インペラの電磁石との対向面上にステップ状の外乱を印加した場合の信号およびインペラを示す図である。
【図4】この発明の他の実施形態の磁気浮上型ポンプの制御回路を示すブロック図である。
【図5】図4に示した磁気浮上型ポンプにおいてインペラの電磁石との対向面上にステップ状の外乱を印加した場合の、各部の信号およびインペラの動きを示す図である。
【図6】図1に示した積分回路に代えてローパス回路を使用した場合のインペラの電磁石との対向面上にステップ状の外乱を印加した場合の、各部の信号およびインペラの動きを示す図である。
【図7】磁気軸受で制御する各インペラの運動モードごとに位相補償回路を設けた磁気浮上型ポンプにこの発明を適用した例を示すブロック図である。
【図8】この発明が適用される磁気浮上型ポンプの断面図である。
【図9】図8に示した磁気浮上型ポンプを制御する制御回路の一例を示すブロック図である。
【図10】図8に示した磁気浮上型ポンプを制御する制御回路の他の例を示すブロック図である。
【符号の説明】
23 インペラ、200 磁気浮上型ポンプ、202 演算回路、206 分配回路、207,210 位相補償回路、M1,M2,M3 電磁石、S1,S2,S3 センサ、H1,H2,H3 センサアンプ、PD1,PD2,PD3比例微分回路、I1,I2,I3 積分回路、L1,L2,L3,LM1,LM2,LM3 リミット回路、A1,A2,A3 パワーアンプ。

Claims (7)

  1. インペラの一方向から電磁吸引力を作用させ、前記電磁吸引力の反対側から磁気吸引力および流体力のいずれかもしくはその両方によって前記インペラを非接触で支承し、前記インペラの位置を検出するセンサと、前記インペラに前記電磁吸引力を作用させて前記インペラ位置決めする電磁石とを含む磁気浮上型ポンプを制御する制御回路であって、
    前記センサ出力に基づいて、前記インペラの運動を回転軸方向の並進運動と、ピッチング運動と、ヨーイング運動とに分離する分離回路と、
    前記分離回路によって分離されたそれぞれの運動ごとに比例微分回路と積分回路またはローパス回路とを並列に有する位相補償回路と、
    記インペラの回転軸方向の並進運動を制御する積分回路またはローパス回路の入力または出力に接続される制限回路を備え
    前記制限回路は、前記インペラの浮上設定位置よりも前記電磁石側に前記インペラが偏寄した場合に、前記積分回路または前記ローパス回路の入力または出力を遮断することを特徴とする、磁気浮上型ポンプの制御回路。
  2. 記インペラの浮上設定位置よりも前記電磁石側に前記インペラが偏寄した場合は前記積分回路または前記ローパス回路の入力または出力が負電圧になり、
    前記制限回路は、前記積分回路または前記ローパス回路の入力または出力が負電圧である場合に、前記積分回路または前記ローパス回路の入力または出力を遮断することを特徴とする、請求項1に記載の磁気浮上型ポンプの制御回路。
  3. 前記インペラの浮上設定位置よりも前記電磁石側に前記インペラが偏寄した場合は前記積分回路または前記ローパス回路の入力または出力が正電圧になり、
    前記制限回路は、前記積分回路または前記ローパス回路の入力または出力が正電圧である場合に、前記積分回路または前記ローパス回路の入力または出力を遮断することを特徴とする、請求項1に記載の磁気浮上型ポンプの制御回路。
  4. インペラの一方向から電磁吸引力を作用させ、前記電磁吸引力の反対側から磁気吸引力および流体力のいずれかもしくはその両方によって前記インペラを非接触で支承し、前記インペラの位置を検出するセンサと、前記インペラに前記電磁吸引力を作用させて前記インペラ位置決めする電磁石とを含む磁気浮上型ポンプを制御する制御回路であって、
    前記センサ出力に基づいて、前記電磁石と前記インペラとの距離を演算して求める演算回路と、
    前記演算回路の出力信号を入力とする比例微分回路と積分回路またはローパス回路とを並列に有する位相補償回路と、
    前記積分回路またはローパス回路の入力または出力に接続される制限回路を備え
    前記制限回路は、前記インペラの浮上設定位置よりも前記電磁石側に前記インペラが偏寄した場合に、前記積分回路または前記ローパス回路の入力または出力を遮断することを特徴とする、磁気浮上型ポンプの制御回路。
  5. 記インペラの浮上設定位置よりも前記電磁石側に前記インペラが偏寄した場合は前記積分回路または前記ローパス回路の入力または出力が負電圧になり、
    前記制限回路は、前記積分回路または前記ローパス回路の入力または出力が負電圧である場合に、前記積分回路または前記ローパス回路の入力または出力を遮断することを特徴とする、請求項4に記載の磁気浮上型ポンプの制御回路。
  6. 前記インペラの浮上設定位置よりも前記電磁石側に前記インペラが偏寄した場合は前記積分回路または前記ローパス回路の入力または出力が正電圧になり、
    前記制限回路は、前記積分回路または前記ローパス回路の入力または出力が正電圧である場合に、前記積分回路または前記ローパス回路の入力または出力を遮断することを特徴とする、請求項4に記載の磁気浮上型ポンプの制御回路。
  7. 前記磁気浮上型ポンプは、血液循環に使用されることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の磁気浮上型ポンプの制御回路。
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