JP4573426B2 - 形状平坦度に優れた高強度マルテンサイト系ステンレス鋼帯及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、形状平坦度に優れ、350以上の高強度マルテンサイト系ステンレス鋼帯又は鋼板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビッカース硬さが350以上の高強度ステンレス鋼として、マルテンサイト系ステンレス鋼,加工硬化型ステンレス鋼,析出硬化型ステンレス鋼等が知られている。
マルテンサイト系ステンレス鋼は、高温のオーステナイト状態から急冷してマルテンサイト変態させることによって硬質化した材料であり、SUS410,SUS420J2等の鋼種がある。マルテンサイト系ステンレス鋼の製造では、焼入れ−焼戻しの調質処理によってビッカース硬度350以上に調整することから、焼入れ−焼戻しの熱処理工程を必須とする。また、鋼帯でマルテンサイト変態を起こさせようとすると、焼入れ後の靭性低下や完全にマルテンサイト変態することに起因した形状変化が大きいため、製造条件にかなりの制約が加わる。
【0003】
そこで、形状変化が問題となる場合、加工硬化型オーステナイト系ステンレス鋼が通常使用されている。加工硬化型オーステナイト系ステンレス鋼は、SUS301,SUS304に代表され、溶体化処理状態でオーステナイト相を呈し、その後の冷間圧延で加工誘起マルテンサイトを生成することにより高強度が付与される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
冷間圧延によって鋼帯の形状も矯正されるが、硬度の圧延温度依存性が大きく、且つコイル長手方向でも形状が種々変動しているため、冷間圧延によって工業的に且つ安定的に形状矯正することは困難である。たとえば、SUS301,SUS304等のステンレス鋼を冷間圧延するとオーステナイトが加工誘起マルテンサイトに変態するが、同一圧延率での変態量は圧延時の温度に依存する。具体的には、圧延時の温度が高いと加工誘起マルテンサイトが生成しにくく硬度が低くなり、逆に圧延時の温度が低いと加工誘起マルテンサイトが生成しやすく硬度が上昇する。また、硬度上昇に応じて変形抵抗が大きくなり、形状矯正が困難になる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、マルテンサイトからオーステナイトへの逆変態を利用することにより、マルテンサイト変態に伴った形状悪化を抑え、形状平坦度に優れた高強度マルテンサイト系ステンレス鋼帯又は鋼板を提供することを目的とする。
【0006】
本発明の高強度マルテンサイト系ステンレス鋼帯は、その目的を達成するため、C:0.15質量%以下,Si:2.0質量%以下,Mn:2.0質量%以下,Ni:2.0〜6.0質量%,Cr:12.0〜20.0質量%,Mo:2.0質量%以下,N:0.10質量%以下を含み、残部がFeおよび不可避的不純物で、式(1)で定義されるMd(N)値が125以上となる組成をもち、逆変態オーステナイトから生じたマルテンサイトがマトリックスに分散していることを特徴とする。
Md(N)=580−520C−2Si−16Mn−16Cr−23Ni−300N−10Mo・・・(1)
【0007】
この高強度マルテンサイト系ステンレス鋼帯は、更にCu:3.0質量%以下,Nb:0.50質量%以下,Al:0.20質量%以下,B:0.015質量%以下,REM(希土類元素):0.2質量%以下,Y:0.2質量%以下,Ca:0.1質量%以下,Mg:0.10質量%以下の1種又は2種以上を含むことができる。この場合、式(2)で定義されるMd(N)値が採用される。
Md(N)=580−520C−2Si−16Mn−16Cr−23Ni−26Cu−300N−10Mo・・・(2)
【0008】
所定組成に調整したステンレス鋼を溶体化処理した後、550〜650℃に加熱してマトリックス中に3体積%以上のオーステナイトを生成させる逆変態処理を施すことにより製造される。溶体化処理されたステンレス鋼は、逆変態処理に先立って冷間圧延してもよい。また、8g/cm2以上の負荷を加えた状態で逆変態処理すると、形状平坦度が一層向上する。
【0009】
【作用】
本発明者等は、マルテンサイト系ステンレス鋼板の製造条件が硬度及び形状平坦度に及ぼす影響を種々調査検討した。その結果、溶体化処理後の冷却過程で生成するマルテンサイト及び冷間圧延時に生成する加工誘起マルテンサイトを加熱するとオーステナイトに逆変態するが、このとき体積変化が形状平坦度の向上に利用できることを見出した。なお、本件明細書では、鋼板を包含する意味で「鋼帯」を使用しているが、鋼板の熱処理にあっても同様に逆変態オーステナイトが生じ形状平坦度が向上することは勿論である。
【0010】
本発明に従った熱処理工程では、溶体化処理されたステンレス鋼帯を冷間圧延した後、逆変態処理を施す。冷却過程でオーステナイトからマルテンサイトに変態すると体積膨張が起こり、早く冷却された部分で生じたマルテンサイト変態に起因して鋼帯形状が崩れる。そこで、冷間圧延後のステンレス鋼帯を再加熱することによって加工誘起マルテンサイトをオーステナイトに逆変態させる。この逆変態により約10%の体積収縮が生じ、マルテンサイト変態時の鋼帯形状の崩れが解消される。また、逆変態時に外力を加えると、拘束を受け継ぐ状態で変態が進行するため、鋼帯形状が更に改善される。
【0011】
溶体化処理後の冷却過程及び冷間圧延過程でマルテンサイトを生成させ、更に逆変態処理でオーステナイトを生成させることによりマルテンサイト系ステンレス鋼帯の形状平坦度が改善される。本発明では、このようなマルテンサイト変態及び逆変態が形状平坦度に及ぼす効果及び高硬度を維持する上で、次の合金設計を採用した。
【0012】
C:0.15質量%以下
オーステナイト形成元素であり、マルテンサイト相の強化に極めて有効である。また、逆変態を低温側に下げることによって逆変態オーステナイト量が制御しやすくなり、形状矯正や高強度化に有効に作用する。しかし、C含有量の増加に伴って溶体化処理後の冷却過程や時効処理中にCr系炭化物が粒界に析出し、耐粒界腐食や疲労特性を低下させる原因になりやすい。そこで、Cr系炭化物の粒界析出が熱処理条件や冷却速度で抑制できるように、C含有量の上限を0.15質量%に設定した。
【0013】
Si:2.0質量%以下
フェライト形成元素であり、マルテンサイト相に固溶して硬質化し、冷間加工後の強度を向上させる作用を呈する。時効処理に際しては、歪時効を促進させることによって時効硬化能を向上する。しかし、過剰量のSi添加は高温割れを誘発し、製造上で種々のトラブルを発生させることから、Si含有量の上限を2.0質量%に設定した。
【0014】
Mn:2.0質量%以下
高温域でのδフェライトの生成を抑制すると共に、Cと同様に逆変態開始温度を低温側に下げる作用があるため、逆変態オーステナイト量を制御しやすくなる。しかし、2.0質量%を超える過剰量のMnが含まれると、焼鈍後の残留オーステナイト量が多くなり、強度低下の原因になる。
Ni:2.0〜6.0質量%
Mnと同様に高温域でのδフェライトの生成を抑制する作用を呈する。また、Cと同様に逆変態開始温度を低温側に下げる作用があるため、逆変態オーステナイト量を制御しやすくなる。Niは、析出硬化能を向上させる上でも有効な成分である。このような作用は、2.0質量%以上のNi量で顕著になる。しかし、6.0質量%を超えるNiの過剰添加は、残留オーステナイト量の増加を招き、強度低下の原因となる。
【0015】
Cr:12.0〜20.0質量%
耐食性向上に有効な合金成分であり、12.0質量%以上のCr量で意図する耐食性が確保される。しかし、フェライト形成元素であることから、過剰なCr含有は高温域でδフェライト相が多量に生成する原因となり、δフェライト相抑制のために必要なC,N,Ni,Mn,Cu等のオーステナイト形成元素の増量を招く。オーステナイト形成元素の多量添加は室温でオーステナイトを安定化させ、時効処理による高強度化に支障をきたす。そのため、オーステナイト形成元素の増量が必要とされないように、Cr含有量の上限を20.0質量%に設定した。
【0016】
Mo:2.0質量%以下
耐食性向上に有効な成分であり、逆変態処理時に炭窒化物を微細に分散させる作用を呈する。また、形状矯正に利用される逆変態処理では、加熱温度が通常の時効処理温度よりも高く設定されるが、Moを添加していると高温時効による急激な歪の解放が抑制される。更に、強度に寄与するMo系析出物が時効処理時に生成するため、かなりの高温域で逆変態処理しても強度低下が防止できる。このような作用は、1.5質量%以上のMo添加で顕著になる。しかし、2.0質量%を超える過剰量のMoが含まれると、高温域でδフェライトが生成しやすくなる。
N:0.10質量%以下
Cと同様にオーステナイト形成元素であり、逆変態開始温度を低温側に下げるため逆変態オーステナイト量を制御しやすく、形状矯正及び高強度化に有効に作用する。しかし、0.10質量%を超える過剰量のNが含まれると、鋳造時にブローホール等の欠陥が発生しやすくなる。
【0017】
Cu:3.0質量%以下
必要に応じて添加される合金成分であり、オーステナイト形成元素として働き、逆変態開始温度を低温側に下げると共に、逆変態時に時効硬化作用を発現する。しかし、3.0質量%を超えるCuの過剰添加は、熱間加工性を劣化させ、割れ発生の原因になる。
Nb:0.50質量%以下
必要に応じて添加される合金成分であり、逆変態時の強度上昇に有効である。しかし、高温強度上昇に起因して熱間加工性を低下させる成分であることから、Nbを添加する場合には上限を0.50質量%に設定する。
【0018】
Al:0.2質量%以下
必要に応じて添加される合金成分であり、製鋼段階での脱酸剤として働くと共に、プレス成形性に悪影響を及ぼすA2系介在物を激減する作用を呈する。しかし、0.2質量%を超えてAlを添加しても、A2系介在物の減少に及ぼす効果が飽和するばかりでなく、表面欠陥の増加等の悪影響が現れる。
B:0.015質量%以下
必要に応じて添加される合金成分であり、熱間圧延温度域においてδフェライト相とオーステナイト相の変形抵抗の差に起因してエッジクラックが熱延鋼帯に発生することを防止する作用を呈する。しかし、0.015質量%を超える過剰量のBを添加すると、低融点硼化物が生成しやすくなり、却って熱間加工性が低下する。
【0019】
REM(希土類元素):0.2質量%以下
Y:0.2質量%以下
Ca:0.1質量%以下
Mg:0.10質量%以下
必要に応じて添加される合金成分であり、何れも熱間加工性を向上させる作用を呈し、耐酸化性の向上にも有効である。しかし、これら作用は、REM(希土類元素):0.2質量%,Y:0.2質量%,Ca:0.1質量%,Mg:0.10質量%で飽和し、それ以上添加しても鋼材の清浄度が悪くなる。
【0020】
その他、P,S,O等が含まれることがある。Pは、固溶強化能の大きな成分ではあるが、靭性に悪影響を及ぼすことから、通常許容されている0.060質量%に上限を設定することが好ましい。Sは、熱間圧延時に耳割れ発生の原因となる有害元素であることから低いほど好ましい。S起因の悪影響はB添加によって抑制されるので、許容できるS量を0.020質量%以下とする。Oは、酸化物系の非金属介在物となり鋼材の清浄度を低下させ、プレス成形性や曲げ加工性に悪影響を及ぼすことから0.02質量%以下にすることが好ましい。
【0021】
Md(N)値:100以上
Md(N)=580−520C−2Si−16Mn−16Cr−23Ni−26Cu−300N−10Mo
本発明の高強度マルテンサイト系ステンレス鋼帯では、溶体化処理後又は冷間圧延後の逆変態処理によって逆変態オーステナイトを生成させ、該逆変態オーステナイトを再度マルテンサイト変態することにより形状矯正をしている。そのため、加工に対するオーステナイトの安定度を示す指標であるMd(N)値を100以上とすることにより、Mf点(冷却中にオーステナイトがマルテンサイトの完全に変態する終了温度)が0〜50℃となり、室温でほぼマルテンサイト単相の組織が得られる。
【0022】
以上のように成分調整されたステンレス鋼は、逆変態を利用して形状矯正される。逆変態処理は、溶体化処理後の冷却過程で生成するマルテンサイト及び冷延工程で生成する加工誘起マルテンサイトを逆変態オーステナイトにする処理であり、連続熱処理炉又はバッチ式加熱炉が使用される。逆変態処理では、マルテンサイトがオーステナイトに逆変態する温度域にステンレス鋼帯が加熱される。
【0023】
適正な速度で逆変態オーステナイトを生成させる上では、加熱温度を550〜650℃の範囲に設定する。550℃未満の加熱温度では、逆変態オーステナイトの生成反応が著しく遅く、工業生産上で不利になる。逆に650℃を超える加熱温度では、逆変態オーステナイトの生成反応が極端に早くなり、マルテンサイトも軟質化するため、350以上のビッカース硬度を安定して確保することが困難になる。高すぎる加熱温度は、炭化物析出に起因した鋭敏化によって耐食性を低下させる虞もある。
【0024】
マルテンサイトからオーステナイトに逆変態する際、収縮変形による形状矯正効果が発現し、コイル間の張力によって鋼帯の形状が良好に確保され、或いは鋼板自体の自重によって良好な鋼板形状が確保される。本発明者等の調査・研究によるとき、3%以上の逆変態オーステナイトを生成させると逆変態処理の効果が顕著になることを見出した。また、押し板等によって鋼板に荷重を加えた状態で逆変態処理すると、鋼板形状が更に改善される。この場合、逆変態時の高温強度を考慮すると、単位面積当り8g/cm2以上の荷重を加えることが好ましい。
【0025】
【実施例】
表1の組成をもつステンレス鋼を真空溶解炉で250kg溶製し、鍛造,熱延,焼鈍,冷延を経て板厚1.0〜1.5mmの冷延板を製造した。表中、1〜8が本発明で規定した条件を満足するステンレス鋼、9〜14が本発明で規定した条件を外れるステンレス鋼である。
【0026】
【0027】
各ステンレス鋼帯を1050℃×1分で焼鈍した後、一部の鋼帯を冷間圧延し、更に全鋼帯を600秒の逆変態処理を施した。冷間圧延及び逆変態処理の条件を表2に示す。
製造された各鋼帯について、冷却中300℃近傍でフェライト含量計を用いた磁気的測定法で保持時間600秒の逆変態処理で生成した逆変態オーステナイト量を測定した。逆変態処理された鋼帯の幅方向両側10mmを切り落として板幅200mm、長さ1500mmの鋼板を切り出し、最大耳高さで鋼帯の平坦度を評価した。測定結果を、表面ビッカース硬度(荷重10kg)と共に、表2に併せ示す。
【0028】
表2にみられるように、試験番号1〜11(本発明例)では、平均ビッカース硬度が350以上、逆変態処理された鋼帯の最大耳高さが3.0mm以下になっていた。試験番号12〜14は、本発明で規定した組成を満足するものではあるが、逆変態処理温度が550℃未満の試験番号13では十分な量の逆変態オーステナイトが生成せず、逆変態処理温度が650℃を超える試験番号12,14では軟化が著しく進行し、何れの場合も350未満のビッカース硬度を示した。
本発明で規定した組成を外れる試験番号15〜20では、ビッカース硬度350以上で且つ優れた形状の鋼帯が得られなかった。また、炭素含有量の多い試験番号18では逆変態処理後の放置期間に部分的な錆が発生した。
【0029】
【0030】
鋼板形状を更に強制するため、鋼帯幅方向両側10mmをカットして切り出した幅200mm,長さ300mmの鋼板に表3に示す各種押え圧で厚板を挟み込んだ。この条件下で600秒の逆変態処理し、鋼板に加えた荷重が鋼板平坦度に及ぼす影響を調査した。調査結果を、逆変態オーステナイト量及び表面平均ビッカース硬度(荷重10kg)と共に表3に示す。
表3にみられるように、逆変態処理中の鋼板に荷重を加えることにより、最大耳高さが1.0mm以下と更に小さくなった。加えた荷重と最大耳高さとの関係から、8g/cm2以上の荷重で鋼板が効果的に形状矯正されることが判る。
【0031】
【0032】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼帯は、成分を適正に管理すると共に逆変態オーステナイトに由来するマルテンサイトを分散させることにより良好な形状平坦度をもっている。ビッカース硬度も350以上の高い値を示し、耐食性にも優れていることから、プレスプレート,ステンレスフレーム,板バネ,フラッパーバルブ,メタルガスケット,ラッピングキャリア材,キャリアプレート,ステンレスミラー,ダンパースプリング,ディスクブレーキ,ブレーキマスターキー,スチールベルト,メタルマスク等の各種バネ材や高強度材として広範な分野で使用される。
Claims (5)
- C:0.074質量%〜0.15質量%,Si:2.0質量%以下,Mn:2.0質量%以下,Ni:2.0〜6.0質量%,Cr:12.0〜20.0質量%,Mo:2.0質量%以下,N:0.10質量%以下を含み、残部がFe及び不可避的不純物で、式(1)で定義されるMd(N)値が125以上となる組成をもち、逆変態オーステナイトから生じたマルテンサイトがマトリックスに分散していることを特徴とする形状平坦度に優れたビッカース硬さ350以上の高強度マルテンサイト系ステンレス鋼帯。
Md(N)=580−520C−2Si−16Mn−16Cr−23Ni−300N−10Mo・・・(1) - Cu:3.0質量%以下,Nb:0.50質量%以下,Al:0.20質量%以下,B:0.015質量%以下,REM(希土類元素):0.2質量%以下,Y:0.2質量%以下,Ca:0.1質量%以下,Mg:0.10質量%以下の1種又は2種以上を含み、式(2)で定義されるMd(N)値が125以上である請求項1記載の高強度マルテンサイト系ステンレス鋼帯。
Md(N)=580−520C−2Si−16Mn−16Cr−23Ni−26Cu−300N−10Mo
・・・(2) - 請求項1又は2の組成をもつステンレス鋼を溶体化処理した後、550〜650℃に加熱してマトリックス中に3体積%以上のオーステナイトを生成させる逆変態処理を施すことを特徴とする形状平坦度に優れた高強度マルテンサイト系ステンレス鋼帯の製造方法。
- 溶体化処理と逆変態処理との間で冷間圧延する請求項3記載の製造方法。
- 8g/cm2以上の負荷を加えた状態で逆変態処理し、最大耳高さを1mm以下とする請求項3又は4記載の製造方法。
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