JP4571370B2 - 動画像合成方法および装置並びにプログラム並びにデジタルカメラ - Google Patents
動画像合成方法および装置並びにプログラム並びにデジタルカメラ Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、動画像から高解像度の静止画像を取得する動画像合成方法および装置並びにプログラム並びにデジタルカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
戸外で集合写真などを撮像する際に、撮像範囲内を他の人物が通ると、撮像して得た画像に目的の被写体以外の被写体が入ってしまうため、通行人を止めたり、人通りがないときを見計らったりして撮像する必要があり、面倒である。風景や、建築物などを撮像する際においても、被写体の手前を他人が通り過ぎると、同様の問題がある。
【0003】
このような問題の解決方法の一つとして、カメラのシャッターを長時間開放してフィルム上に撮影することによって、静止している被写体のみをきれいに撮像し、局所的に動いているものをぼかす撮像方法が行われている。このときは、露出オーバーにならないように、特殊なフィルムあるいはフィルタを使用し、3脚も使用する。この方法によれば、静止の目的被写体(上述した集合写真が対象となる人物達、風景、建築物など)をきれいに撮像することができると共に、通行人などの動いている部分がぼかされるので、手前に邪魔物が写っていない静止画像を取得することができる。
【0004】
一方、近年のデジタルビデオカメラの普及により、動画像を1フレーム単位で扱うことが可能となっている。このような動画像から複数のフレームをサンプリングし、サンプリングした複数のフレームを統合することにより高解像度の合成フレームを作成する試みがされている。
【0005】
動画像の複数のフレームを統合する際に必要とされるのは、動領域における各フレーム間の画素の対応関係を求めることである。これには通常、ブロックマッチング法や勾配法が用いられるが、従来のブロックマッチング法は、ブロック内の動き量が同一方向であることを仮定したものであるため、回転、拡大、縮小、変形といった様々な動きに対応する柔軟性に欠けている上に、処理時間がかかり、実用的ではないという問題がある。一方、勾配法は、従来のブロックマッチング法と比較して安定に解を求めることができないという問題がある。これらの問題を克服した方法としては、統合される複数のフレームのうちの1つのフレームを基準フレームとし、基準フレームに1または複数の矩形領域からなる基準パッチを、基準フレーム以外の他のフレームに基準パッチと同様のパッチを配置し、パッチ内の画像が基準パッチ内の画像と一致するようにパッチを他のフレーム上において移動および/または変形し、移動および/または変形後のパッチおよび基準パッチに基づいて、他のフレーム上のパッチ内の画素と基準フレーム上の基準パッチ内の画素との対応関係を求めて複数フレームを精度よく合成する方法が提案されている(非特許文献1参照)。
【0006】
非特許文献1の方法においては、基準フレームと他のフレームとの対応関係を求め、求めた後、他のフレームと基準フレームとを、最終的に必要な解像度を有する統合画像上に割り当てることにより、高精細な合成フレームを得ることができる。
【0007】
しかし、非特許文献1に記載された方法においては、他のフレームに含まれる被写体の動きが非常に大きい場合や、局所的に含まれる被写体が複雑な動きをしていたり非常に高速で動いている場合には、被写体の動きにパッチの移動および/または変形が追従できない場合がある。このように、パッチの移動および/または変形が被写体の移動および/または変形に追従できないと、合成フレームの全体がぼけたり、フレームに含まれる動きの大きい被写体がぼけたりするため、高画質の合成フレームを得ることができないという問題がある。
【0008】
そのため、本願出願人は、動きの追従ができない部分(パッチ内の画像)に対しては基準フレーム内において補間を行い、動きの追従ができた部分に対しては他のフレームの情報を利用することによって、この問題を解消する方法を提案している(特許文献1参照)。この方法を利用して、集合写真を撮像する際に、動画像を撮像して高解像度の静止画(合成フレーム)を取得するようにすれば、他のフレーム内で局所的に動いているものが消去される(または暈される)ので、撮像する際に他の人物が通ったりしても合成フレームには残らないので、高品質な静止画像を得ることができる。
【0009】
【特許文献1】
特願2002−249212号
【0010】
【非特許文献1】
「フレーム間統合による高精細ディジタル画像の獲得」,中沢祐二、小松隆、斉藤隆弘,テレビジョン学会誌,1995年,Vol.49,No.3,p299−308
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に記載された方法を静止画の取得に利用すれば、ブレなど全体的な動きによる影響を無くすことができると共に、他のフレーム内で局所的に動いているものも消去されるが、基準フレームに動いているものがあれば、最終的に取得した静止画像(合成フレーム)にはやはりこの動いているものの画像が残ってしまう問題がある。
【0012】
また、カメラのシャッターを開放して高画質の静止画を撮影方法は、高価なカメラと、シャッターを開放して撮像するのに適したフィルムを必要とする上に、ブレの影響を無くすために、3脚を必要とするため、一般的ではない。
【0013】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、低価格なデジタルカメラを用いて手持ちで撮像しても高品質な静止画像を取得することができる動画像合成方法および装置並びにプログラム並びにデジタルカメラを提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1の動画像合成方法は、動画像を構成する複数のフレームから連続する2つのフレームをサンプリングし、
該2つのフレームのうち、基準となる1つの基準フレーム上に1つ以上の矩形領域からなる第1の基準パッチを配置し、該第1の基準パッチと同様の第1のパッチを該基準フレーム以外の他のフレーム上に配置し、該第1のパッチ内の画像が前記第1の基準パッチ内の画像と一致するように、該第1のパッチを前記他のフレーム上において移動および/または変形し、該移動および/または変形後の第1のパッチおよび前記第1の基準パッチに基づいて、前記他のフレーム上の前記第1のパッチ内の画素と前記基準フレーム上の前記第1の基準パッチ内の画素との対応関係を第1の対応関係として求め、
該第1の対応関係に基づいて、前記第1のパッチ内の画像、または前記第1のパッチ内の画像および前記基準パッチ内の画像に対して補間演算を施して、前記各フレームよりも解像度が高い第1の補間フレームを取得し、
前記第1の対応関係に基づいて、前記第1のパッチ内の画像を前記基準フレームの座標空間に座標変換して第1の座標変換済みフレームを取得し、
該第1の座標変換済みフレームと前記第1の基準パッチ内の画像との相関を表す相関値を算出し、
前記2つのフレームのうちの前記基準フレーム上に1つ以上の、前記第1の基準パッチの前記矩形領域より大きい矩形領域からなる第2の基準パッチを配置し、該第2の基準パッチと同様の第2のパッチを前記他のフレーム上に配置し、該第2のパッチ内の画像が前記第2の基準パッチ内の画像と一致するように、該第2のパッチを前記他のフレーム上において移動および/または変形し、該移動および/または変形後の第2のパッチおよび前記第2の基準パッチに基づいて、前記第2のパッチ内の画素と前記第2の基準パッチ内の画素との対応関係を第2の対応関係として求め、
該第2の対応関係に基づいて、前記第2のパッチ内の画像を前記基準フレームの座標空間に座標変換して第2の座標変換済みフレームを取得し、
前記第2の基準パッチ内の画像と前記第2の座標変換済みフレームとに対して平均処理を施して平均フレームを取得し、
前記平均フレームに対して補間演算を施して、前記各フレームよりも解像度が高い第2の補間フレームを取得し、
前記相関値に基づいて、前記第1の補間フレームと前記第2の補間フレームとを合成する際に、前記相関が大きいほど前記第1の補間フレームの重みを大きくする重み係数を取得し、
該重み係数に基づいて前記第1の補間フレームと前記第2の補間フレームとを重み付け合成することにより合成フレームを作成することを特徴とするものである。
【0015】
ここで、「相関値」は、第1の座標変換済みフレームと第1の基準パッチ内の画像との各画素毎に算出してもよいが、相対応する局所領域毎、パッチの矩形領域毎、あるいはフレーム単位で算出してもよい。この場合、重み係数は相関値を算出した単位毎、すなわち画素毎、局所領域毎、矩形領域毎あるいはフレーム毎に取得される。
【0016】
本発明による第2の動画像合成方法は、動画像を構成する複数のフレームから連続する3つ以上のフレームをサンプリングし、
該3つ以上のフレームのうち、基準となる1つの基準フレーム上に1つ以上の矩形領域からなる第1の基準パッチを配置し、該第1の基準パッチと同様の第1のパッチを該基準フレーム以外の他のフレーム上に配置し、該第1のパッチ内の画像が前記第1の基準パッチ内の画像と一致するように、該第1のパッチを前記他のフレーム上において移動および/または変形し、該移動および/または変形後の第1のパッチおよび前記第1の基準パッチに基づいて、複数の前記第1のパッチ内の画素と前記第1の基準パッチ内の画素との対応関係を第1の対応関係として求め、
該第1の対応関係に基づいて、複数の前記第1のパッチ内の画像、または複数の前記第1のパッチ内の画像および前記第1の基準パッチ内の画像に対して補間演算を施して、前記各フレームよりも解像度が高い複数の第1の補間フレームを取得し、
前記第1の対応関係に基づいて、複数の前記第1のパッチ内の画像を前記第1の基準フレームの座標空間に座標変換して複数の第1の座標変換済みフレームを取得し、
該複数の第1の座標変換済みフレームと前記第1の基準パッチ内の画像との相関をそれぞれ表す相関値を算出し、
前記3つ以上のフレームのうちの前記基準フレーム上に1つ以上の、前記第1の基準パッチの前記矩形領域より大きい矩形領域からなる第2の基準パッチを配置し、該第2の基準パッチと同様の第2のパッチを該基準フレーム以外の他のフレーム上に配置し、該第2のパッチ内の画像が前記第2の基準パッチ内の画像と一致するように、該第2のパッチを前記他のフレーム上において移動および/または変形し、該移動および/または変形後の第2のパッチおよび前記第2の基準パッチに基づいて、複数の前記第2のパッチ内の画素と前記第2の基準パッチ内の画素との対応関係を第2の対応関係として求め、
該第2の対応関係に基づいて、複数の前記第2のパッチ内の画像を前記基準フレームの座標空間に座標変換して複数の第2の座標変換済みフレームを取得し、
前記第2の基準パッチ内の画像と各々の前記第2の座標変換済みフレームとに対して平均処理を施して平均フレームを取得し、
前記平均フレームに対して補間演算を施して、前記各フレームよりも解像度が高い第2の補間フレームを複数の前記第1の補間フレームと対応付けて1つまたは複数取得し、
前記相関値に基づいて、互いに対応する前記第1の補間フレームと前記第2の補間フレームとを合成する際に、前記相関が大きいほど前記第1の補間フレームの重みを大きくする重み係数を取得し、
該重み係数に基づいて互いに対応する前記第1の補間フレームおよび前記第2の補間フレームを重み付け合成することにより中間合成フレームを取得し、該中間合成フレームを合成することにより合成フレームを作成することを特徴とするものである。
【0017】
ここで、本発明による第2の動画像合成方法においては、相関値は他のフレームに対応して複数算出されるが、複数の相関値の平均値や中間値を算出し、これを重み係数を取得するために用いてもよい。
【0018】
また、「第2の補間フレームを第1の補間フレームと対応付けて複数取得する」とは、1つの第1の補間フレームにおける画素値を有する画素位置と同様の画素位置に、平均フレーム内の画素値を補間演算により割り当てることによりその第1の補間フレームに対応する第2の補間フレームを取得し、さらにこの処理を複数の第1の補間フレームのそれぞれについて行って、第1の補間フレームと同数の第2の補間フレームを取得することをいう。
【0019】
一方、「第2の補間フレームを第1の補間フレームと対応付けて1つ取得する」とは、第1の補間フレームにおける画素値を有する画素位置に拘わらず、例えば第2の補間フレームにおける整数画素位置のような所定の画素位置に平均フレーム内の画素値を補間演算により割り当てて1つの第2の補間フレームを取得することをいう。この場合、複数の第1の補間フレームのそれぞれの画素位置の画素値と、これに最も近い第2の補間フレームにおける所定の画素位置の画素値とが互いに対応付けられることとなる。
【0020】
また、本発明による第1および第2の動画像合成方法においては、前記相関値が前記各フレームを構成する画素毎に算出されてなる場合、
前記重み係数に対して補間演算を施して前記第1および第2の補間フレームを構成する全ての画素についての重み係数を取得してもよい。
【0021】
すなわち、補間演算により各フレームよりも画素数が多い第1および第2の補間フレームが得られるが、重み係数はサンプリングしたフレームの画素にのみ対応して求められる。このため、その近傍の画素について取得された重み係数に対して補間演算を施して、増加した画素についての重み係数を求めるようにしてもよい。また、補間演算により増加した画素については、増加した画素の近傍にある元々存在する画素について取得された重み係数を用いて重み付け合成を行ってもよい。
【0022】
本発明の第1の動画像合成装置は、動画像を構成する複数のフレームから連続する2つのフレームをサンプリングするサンプリング手段と、
該2つのフレームのうち、基準となる1つの基準フレーム上に1つ以上の矩形領域からなる第1の基準パッチを配置し、該第1の基準パッチと同様の第1のパッチを該基準フレーム以外の他のフレーム上に配置し、該第1のパッチ内の画像が前記第1の基準パッチ内の画像と一致するように、該第1のパッチを前記他のフレーム上において移動および/または変形し、該移動および/または変形後の第1のパッチおよび前記第1の基準パッチに基づいて、前記第1のパッチ内の画素と前記第1の基準パッチ内の画素との対応関係を第1の対応関係として求める第1の対応関係求出手段と、
該第1の対応関係に基づいて、前記第1のパッチ内の画像または、前記第1のパッチ内の画像および前記第1の基準パッチ内の画像に対して補間演算を施して、前記各フレームよりも解像度が高い第1の補間フレームを取得する第1の補間手段と、
前記第1の対応関係に基づいて、前記第1のパッチ内の画像を前記基準フレームの座標空間に座標変換して第1の座標変換済みフレームを取得する第1の座標変換手段と、
該第1の座標変換済みフレームと前記第1の基準パッチ内の画像との相関を表す相関値を算出する相関値算出手段と、
前記2つのフレームのうちの前記基準フレーム上に1つ以上の、前記第1の基準パッチの前記矩形領域より大きい矩形領域からなる第2の基準パッチを配置し、該第2の基準パッチと同様の第2のパッチを前記他のフレーム上に配置し、該第2のパッチ内の画像が前記第2の基準パッチ内の画像と一致するように、該第2のパッチを前記他のフレーム上において移動および/または変形し、該移動および/または変形後の第2のパッチおよび前記第2の基準パッチに基づいて、前記第2のパッチ内の画素と前記第2の基準パッチ内の画素との対応関係を第2の対応関係として求める第2の対応関係求出手段と、
該第2の対応関係に基づいて、前記第2のパッチ内の画像を前記基準フレームの座標空間に座標変換して第2の座標変換済みフレームを取得する第2の座標変換手段と、
前記第2の基準パッチ内の画像と前記第2の座標変換済みフレームとに対して平均処理を施して平均フレームを取得する平均手段と、
前記平均フレームに対して補間演算を施して、前記各フレームよりも解像度が高い第2の補間フレームを取得する第2の補間手段と、
前記相関値算出手段により算出された前記相関値に基づいて、前記第1の補間フレームと前記第2の補間フレームとを合成する際に、前記相関が大きいほど前記第1の補間フレームの重みを大きくする重み係数を取得する重み係数取得手段と、
該重み係数に基づいて前記第1の補間フレームと前記第2の補間フレームとを重み付け合成することにより合成フレームを作成する合成手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0023】
本発明の第2の動画像合成装置は、動画像から連続する3つ以上のフレームをサンプリングするサンプリング手段と、
該3つ以上のフレームのうち、基準となる1つの基準フレーム上に1つ以上の矩形領域からなる第1の基準パッチを配置し、該第1の基準パッチと同様の第1のパッチを該基準フレーム以外の複数の他のフレーム上に配置し、該第1のパッチ内の画像が前記第1の基準パッチ内の画像と一致するように、該第1のパッチを前記他のフレーム上において移動および/または変形し、該移動および/または変形後の第1のパッチおよび前記第1の基準パッチに基づいて、前記複数の他のフレーム上の前記第1のパッチ内の画素と前記基準フレーム上の前記第1の基準パッチ内の画素との対応関係を第1の対応関係として求める第1の対応関係求出手段と、
該第1の対応関係に基づいて、前記複数の他のフレームの前記第1のパッチ内の画像または前記他のフレームの前記第1のパッチ内の画像および前記基準フレームの前記第1の基準パッチ内の画像に対して補間演算を施して、前記各フレームよりも解像度が高い複数の第1の補間フレームを取得する第1の補間手段と、
前記第1の対応関係に基づいて、前記複数の他のフレームの前記第1のパッチ内の画像を前記基準フレームの座標空間に座標変換して複数の第1の座標変換済みフレームを取得する第1の座標変換手段と、
該複数の第1の座標変換済みフレームと前記基準フレームの前記第1の基準パッチ内の画像との相関をそれぞれ表す相関値を算出する相関値算出手段と、
前記3つ以上のフレームのうちの前記基準フレーム上に1つ以上の、前記第1の基準パッチの前記矩形領域より大きい矩形領域からなる第2の基準パッチを配置し、該第2の基準パッチと同様の第2のパッチを該基準フレーム以外の複数の他のフレーム上に配置し、該第2のパッチ内の画像が前記第2の基準パッチ内の画像と一致するように、該第2のパッチを前記他のフレーム上において移動および/または変形し、該移動および/または変形後の第2のパッチおよび前記第2の基準パッチに基づいて、前記複数の他のフレーム上の前記第2のパッチ内の画素と前記基準フレーム上の前記第2の基準パッチ内の画素との対応関係を第2の対応関係として求める第2の対応関係求出手段と、
該第2の対応関係に基づいて、前記複数の他のフレームの前記第2のパッチ内の画像を前記基準フレームの座標空間に座標変換して複数の第2の座標変換済みフレームを取得するする第2の第1の座標変換手段と、
前記第2の基準パッチ内の画像と各々の前記第2の座標変換済みフレームとに対して平均処理を施して平均フレームを取得する平均手段と、
前記平均フレームに対して補間演算を施して、前記各フレームよりも解像度が高い第2の補間フレームを複数の前記第1の補間フレームと対応付けて1つまたは複数取得する第2の補間手段と、
前記相関値算出手段により算出された前記相関値に基づいて、互いに対応する前記第1の補間フレームと前記第2の補間フレームとを合成する際に、前記相関が大きいほど前記第1の補間フレームの重みを大きくする重み係数を取得する重み係数取得手段と、
該重み係数に基づいて互いに対応する前記第1の補間フレームおよび前記第2の補間フレームを重み付け合成することにより中間合成フレームを取得し、該中間合成フレームを合成することにより合成フレームを作成する合成手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0024】
本発明のデジタルカメラは、動画像を取得する撮像手段と、前記動画像から静止画像を取得する静止画像取得手段とを備え、
前記静止画取得手段が、本発明の第1の動画像合成装置または第2の動画像合成装置であることを特徴とするものである。
【0025】
なお、本発明による第1および第2の動画像合成方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして提供してもよい。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、動画像がサンプリングされて連続する複数のフレームが取得され、複数のフレームのうち、基準となる1の基準フレーム上に1つ以上の矩形領域からなる第1の基準パッチが配置される。また、基準フレーム以外の他のフレーム上に、第1の基準パッチと同様の第1のパッチが配置される。そして、第1のパッチ内の画像が第1の基準パッチ内の画像と一致するように移動および/または変形され、移動および/または変形後の第1のパッチおよび第1の基準パッチに基づいて、第1のパッチ内の画素と第1の基準パッチ内の画素との対応関係が第1の対応関係として求められる。
【0027】
そして求められた第1の対応関係に基づいて、第1のパッチ内の画像、または第1のパッチ内の画像および第1の基準パッチ内の画像に対して補間演算が施されて、各フレームよりも解像度が高い第1の補間フレームが取得される。なお、フレームが3以上サンプリングされた場合は、複数の第1の補間フレームが取得される。この第1の補間フレームは、各フレームに含まれる被写体が静止している、または動きが小さい場合には、各フレームよりも解像度が高い高精細な画像を表すものとなる一方、各フレームに含まれる被写体の動きが大きかったり動きが複雑な場合には、動いている被写体がぼけたものとなる。
【0028】
また、サンプリングされた複数のフレームのうち、基準フレーム上に1つ以上の、第1の基準パッチの矩形領域より大きい矩形領域からなる第2の基準パッチが配置される。また、基準フレーム以外の他のフレーム上に、第2の基準パッチと同様の第2のパッチが配置される。そして、第2のパッチ内の画像が第2の基準パッチ内の画像と一致するように移動および/または変形され、移動および/または変形後の第2のパッチおよび第2の基準パッチに基づいて、第2のパッチ内の画素と第2の基準パッチ内の画素との対応関係が第2の対応関係として求められる。そして、求められた第2の対応関係に基づいて、第2のパッチ内の画像が基準フレームの座標空間に変換され、この座標変換された第2のパッチ内の画像と第2の基準パッチ内の画像とが平均処理される。平均処理によって取得した平均フレームに対して補間演算が施されて第2の補間フレームが取得される。なお、フレームが3つ以上サンプリングされた場合、複数の第1の補間フレームに対して1つまたは複数の第2の補間フレームが取得される。この第2の補間フレームは平均フレームに対して補間演算を施して得たものであるので、動きが大きい被写体が目立たなくなる。
【0029】
さらに、第1の対応関係に基づいて他のフレームの第1のパッチ内の画像が基準フレームの座標空間に座標変換されて第1の座標変換済みフレームが取得され、第1の座標変換済みフレームと第1の基準パッチ内の画像との相関を表す相関値が算出され、さらに相関値に基づいて第1の補間フレームと第2の補間フレームとを合成する際の重み係数が算出される。この重み係数は第1の座標変換済みフレームと基準フレームとの相関が大きいほど第1の補間フレームの重みを大きくしたものである。なお、フレームが3以上サンプリングされた場合は、他のフレーム毎に第1の座標変換済みフレーム、相関値および重み係数が取得される。
【0030】
ここで、各フレームに含まれる被写体の動きが小さければ、第1の座標変換済みフレームと基準フレームとの相関は大きくなるが、被写体の動きが大きかったり複雑であったりすると、第1の座標変換済みフレームと基準フレームとの相関は小さくなる。したがって、取得された重み係数に基づいて第1の補間フレームおよび第2の補間フレームを重み付け合成することにより、動きが小さい場合は高精細な第1の補間フレームが占める割合が多く、動きが大きい場合には動きのある被写体を暈した第2の補間フレームの占める割合が多い合成フレームが作成される。なお、フレームが3以上サンプリングされた場合は、対応する第1および第2の補間フレームが合成されて中間合成フレームが取得され、さらに中間合成フレームが合成されて合成フレームが取得される。
【0031】
このため、合成フレームは、フレームに含まれる被写体の動きが大きい場合には被写体がぼけて目立たなくなり、被写体の動きが小さい場合には高精細なものとなり、これにより、フレームに含まれる被写体が動いても、静止または動きの少ない部分の被写体(前述した集合写真の対象となる人達や、風景、建築物など)が高精細で、大きく動いた部分(集合写真を撮像する時の通行人など)がぼけて目立たなくなるため、基準フレームに大きく動くものがあっても、高画質の合成フレーム、すなわち静止画像を得ることができる。
【0032】
また、動画像からサンプリングした複数のフレームに対して動き追従を行って合成フレームを作成することにより静止画像を取得するようにしているので、ブレなどがあっても合成フレームに影響を与えない。そのため、3脚を必要とせず、カメラを手持ちで撮像しても、高品質な静止画像を得ることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0034】
図1は本発明の実施形態によるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。図示のように、本実施形態のデジタルカメラは、被写体を撮像して動画像データM0を得る撮像手段100と、撮像して得た動画像データM0から複数のフレームをサンプリングするサンプリング手段1と、複数のフレームのうち、基準となる1つの基準フレームの画素および基準フレーム以外の他のフレームの画素の対応関係(第1の対応関係)を求める第1の対応関係求出手段2と、第1の対応関係求出手段2において求められた第1の対応関係に基づいて、他のフレームをそれぞれ基準フレームの座標空間上に座標変換して第1の座標変換済みフレームFrT0(1)を取得する第1の座標変換手段3と、第1の対応関係求出手段2において求められた第1の対応関係に基づいて、他のフレームに対して補間演算を施して各フレームよりも解像度が高い第1の補間フレームFrH1を取得する時空間補間手段4と、第1の座標変換済みフレームFrT0(1)と基準フレームとの相関を表す相関値を算出する相関値算出手段5と、サンプリング手段1によりサンプリングした複数のフレームのうち、基準フレームの画素および他のフレームの画素の対応関係(第2の対応関係)を求める第2の対応関係求出手段12と、第2の対応関係求出手段12において求められた第2の対応関係に基づいて、他のフレームをそれぞれ基準フレームの座標空間上に座標変換して第2の座標変換済みフレームFrT0(2)を取得する第2の座標変換手段13と、基準フレームおよび各々の第2の座標変換済みフレームFrT0(2)に対して平均処理を施して平均フレームFrAを取得する平均手段14と、平均フレームFrAに対して補間演算を行って各フレームよりも解像度が高い第2の補間フレームFrH2を取得する空間補間手段15と、第1の補間フレームFrH1と第2の補間フレームFrH2とを重み付け加算するための重み係数を相関値算出手段5において算出された相関値に基づいて算出する重み算出手段6と、重み算出手段6において算出された重み係数に基づいて第1の補間フレームFrH1とFrH2とを重み付け加算して合成フレームFrGを取得する合成手段20と、合成手段20により得られた合成フレームFrGを記憶保存する記憶手段25とを備える。なお、本実施形態において合成フレームFrGはサンプリングしたフレームの縦横それぞれ2倍の画素を有するものとする。なお、以降では、合成フレームFrGはサンプリングしたフレームの縦横それぞれ2倍の画素数を有する場合について説明するが、n倍(n:正数)の画素数を有するものであってもよい。
【0035】
サンプリング手段1は、動画像データM0から複数のフレームをサンプリングするが、ここでは、例として動画像データM0から2つのフレームFrNおよびフレームFrN+1をサンプリングするものとする。なお、フレームFrNを基準フレームとする。また、動画像データM0はカラーの動画像を表すものであり、フレームFrN,FrN+1はY,Cb,Crの輝度色差成分からなるものとする。なお、以降の説明において、Y,Cb,Crの各成分に対して処理が行われるが、行われる処理は全ての成分について同様であるため、本実施形態においては輝度成分Yの処理について詳細に説明し、色差成分Cb,Crに対する処理については説明を省略する。
【0036】
第1の対応関係求出手段2および第2の対応関係求出手段12は、以下のようにしてフレームFrN+1と基準フレームFrNとの対応関係を求める。なお、第1の対応関係求出手段2は、フレーム上に16×16個の矩形領域からなるパッチを配置することに対して、第2の対応関係求出手段12は、4×4個の矩形領域からなるパッチを配置して対応関係を求めるものである。すなわち、第2の対応関係求出手段12に用いられるパッチの矩形領域のサイズが第1の対応関係2に用いられたパッチの矩形領域より大きい点を除いて、第1の対応関係求出2と第2の対応関係求出手段12の動作が同様であるので、ここで、第2の対応関係求出手段12の動作の詳細について説明する。
【0037】
図2は第2の対応関係求出手段12によるフレームFrN+1と基準フレームFrNとの対応関係の求出を説明するための図である。なお、図2において、基準フレームFrNに含まれる円形の被写体が、フレームFrN+1においては図面上右側に若干移動しているものとする。
【0038】
まず、第2の対応関係求出手段12は、基準フレームFrN上に4×4の矩形領域からなる基準パッチP0を配置する。図2(a)は、基準フレームFrN上に基準パッチP0が配置された状態を示す図である。次いで、図2(b)に示すように、フレームFrN+1の適当な位置に基準パッチP0と同様のパッチP1を配置し、基準パッチP0内の画像とパッチP1内の画像との相関を表す相関値を算出する。なお、相関値は下記の式(1)により平均二乗誤差として算出することができる。また、座標軸は紙面左右方向にx軸、紙面上下方向にy軸をとるものとする。
【0039】
【数1】
但し、E:相関値
pi,qi:基準パッチP0,P1内にそれぞれ対応する画素の画素値
N:基準パッチP0およびパッチP1内の画素数
次いで、フレームFrN+1上のパッチP1を上下左右の4方向に一定画素±Δx,±Δy移動し、このときのパッチP1内の画像と基準フレームFrN上の基準パッチP0内の画像との相関値を算出する。ここで、相関値は上下左右方向のそれぞれについて算出され、各相関値をそれぞれE(Δx,0),E(−Δx,0),E(0,Δy),E(0,−Δy)とする。
【0040】
そして、移動後の4つの相関値E(Δx,0),E(−Δx,0),E(0,Δy),E(0,−Δy)から相関値が小さく(すなわち相関が大きく)なる勾配方向を相関勾配として求め、この方向に予め設定した実数値倍だけ図2(c)に示すようにパッチP1を移動する。具体的には、下記の式(2)により係数C(Δx,0),C(−Δx,0),C(0,Δy),C(0,−Δy)を算出し、これらの係数C(Δx,0),C(−Δx,0),C(0,Δy),C(0,−Δy)から下記の式(3),(4)により相関勾配gx,gyを算出する。
【0041】
【数2】
そして、算出された相関勾配gx,gyに基づいてパッチP1の全体を(−λ1gx,−λ1gy)移動し、さらに上記と同様の処理を繰り返すことにより、図2(d)に示すようにパッチP1がある位置に収束するまで反復的にパッチP1を移動する。ここで、λ1は収束の速さを決定するパラメータであり、実数値をとるものとする。なお、λ1をあまり大きな値とすると反復処理により解が発散してしまうため、適当な値(例えば10)を選ぶ必要がある。
【0042】
さらに、パッチP1の格子点を座標軸に沿った4方向に一定画素移動させる。
このとき、移動した格子点を含む矩形領域は例えば図3に示すように変形する。
そして、変形した矩形領域について基準パッチP0の対応する矩形領域との相関値を算出する。この相関値をそれぞれE1(Δx,0),E1(−Δx,0),E1(0,Δy),E1(0,−Δy)とする。
【0043】
そして、上記と同様に、変形後の4つの相関値E1(Δx,0),E1(−Δx,0),E1(0,Δy),E1(0,−Δy)から相関値が小さく(すなわち相関が大きく)なる勾配方向を求め、この方向に予め設定した実数値倍だけパッチP1の格子点を移動する。これをパッチP1の全ての格子点について行い、これを1回の処理とする。そして格子点の座標が収束するまでこの処理を繰り返す。
【0044】
これにより、パッチP1の基準パッチP0に対する移動量および変形量が求まり、これに基づいて基準パッチP0内の画素とパッチP1内の画素との対応関係(第2の対応関係)を求めることができる。
【0045】
第1の対応関係求出手段2も、同様の処理をして基準フレームFrNに配置した基準パッチ内の画素と他のフレームFrN+1に配置したパッチ内の画素との対応関係(第1の対応関係)を求める。
【0046】
第1の座標変換手段3および第2の座標変換手段13は、夫々第1の対応関係求出手段2により求められた第1の対応関係と第2の対応関係求出手段12により求められた第2の対応関係に基づいて、フレームFrN+1を基準フレームFrNの座標空間に変換して座標変換済みフレームFrT0(1)とFrT0(2)を夫々取得するものである。なお、パッチを構成する矩形領域のサイズが異なる点以外、第1の座標変換手段3と第2の座標変換手段13は、同様の動作をするものであるので、ここでも第1の対応関係求出手段2と第2の対応関係求出手段12の動作の説明と同様に、第2の座標変換手段13の動作についてのみ詳細的に説明する。
【0047】
第2の座標変換手段13は以下のようにしてフレームFrN+1を基準フレームFrNの座標空間に座標変換して座標変換済みフレームFrT0(2)を取得する。なお、以降の説明においては、基準フレームFrNの基準パッチ内の領域およびフレームFrN+1のパッチ内の領域についてのみ変換、補間演算および合成が行われる。
【0048】
本実施形態においては、座標変換は双1次変換を用いて行うものとする。双1次変換による座標変換は、下記の式(5),(6)により定義される。
【0049】
【数3】
式(5),(6)は、2次元座標上の4点(xn,yn)(1≦n≦4)で与えられたパッチP1内の座標を、正規化座標系(u,v)(0≦u,v≦1)によって補間するものであり、任意の2つの矩形内の座標変換は、式(5),(6)および式(5),(6)の逆変換を組み合わせることにより行うことができる。
【0050】
ここで、図4に示すように、パッチP1(xn,yn)内の点(x,y)が対応する基準パッチP0(x′n,y′n)内のどの位置に対応するかを考える。
まずパッチP1(xn,yn)内の点(x,y)について、正規化座標(u,v)を求める。これは式(5),(6)の逆変換により求める。そしてこのときの(u,v)と対応する基準パッチP0(x′n,y′n)を元に、式(5),(6)から点(x,y)に対応する座標(x′,y′)を求める。ここで、点(x,y)が本来画素値が存在する整数座標であるのに対し、点(x′,y′)は本来画素値が存在しない実数座標となる場合があるため、変換後の整数座標における画素値は、基準パッチP0の整数座標に隣接する8近傍の整数座標に囲まれた領域を設定し、この領域内に変換された座標(x′,y′)の画素値の荷重和として求めるものとする。
【0051】
具体的には、図5に示すように基準パッチP0上における整数座標b(x,y)について、その8近傍の整数座標b(x−1,y−1),b(x,y−1),b(x+1,y−1),b(x−1,y),b(x+1,y),b(x−1,y+1),b(x,y+1),b(x+1,y+1)に囲まれる領域内に変換されたフレームFrN+1の画素値に基づいて算出する。ここで、フレームFrN+1のm個の画素値が8近傍の画素に囲まれる領域内に変換され、変換された各画素の画素値をItj(x°,y°)(1≦j≦m)とすると、整数座標b(x,y)における画素値It(x^,y^)は、下記の式(7)により算出することができる。なお、式(7)においてφは荷重和演算を表す関数である。
【0052】
【数4】
但し、Wi(1≦j≦m):画素値Itj(x°,y°)が割り当てられた位置における近傍の整数画素から見た座標内分比の積
ここで、簡単のため、図5を用いて8近傍の画素に囲まれる領域内にフレームFrN+1の2つの画素値It1,It2が変換された場合について考えると、整数座標b(x,y)における画素値It(x^,y^)は下記の式(8)により算出することができる。
【0053】
【数5】
但し、W1=u×v、W2=(1−s)×(1−t)
第2の座標変換手段13は、以上の処理をパッチP1内の全ての画素について行うことにより、パッチP1内の画像が基準フレームFrNの座標空間に変換されて、第2の座標変換済みフレームFrT0(2)が得られる。
【0054】
なお、第1の座標変換手段3も、第2の座標変換手段13と同様の処理をフレームFrN+1に配置したパッチ内の全ての画素について行って、第1の座標変換済みフレームFrT0(1)を得る。
【0055】
時空間補間手段4は、フレームFrN+1に対して補間演算を施して第1の補間フレームFrH1を取得する。具体的には、まず図6に示すように、最終的に必要な画素数を有する統合画像(本実施形態においては、フレームFrN,FrN+1の縦横それぞれ2倍の画素数を有する場合について説明するが、n倍(n:正数)の画素数を有するものであってもよい)を用意し、第1の対応関係求出手段2において求められた第1の対応関係に基づいて、フレームFrN+1(フレームFrN+1に配置したパッチ内の領域)の画素の画素値を統合画像上に割り当てる。この割り当てを行う関数をΠとすると、下記の式(9)によりフレームFrN+1の各画素の画素値が統合画像上に割り当てられる。
【0056】
【数6】
但し、I1N+1(x°,y°):統合画像上に割り当てられたフレームFrN+1の画素値
FrN+1(x,y):フレームFrN+1の画素値
このように統合画像上にフレームFrN+1の画素値を割り当てることにより画素値I1N+1(x°,y°)を得、各画素についてI1(x°,y°)(=I1N+1(x°,y°))の画素値を有する第1の補間フレームFrH1を取得する。
【0057】
ここで、画素値を統合画像上に割り当てる際に、統合画像の画素数とフレームFrN+1の画素数との関係によっては、フレームFrN+1上の各画素が統合画像の整数座標(すなわち画素値が存在すべき座標)に対応しない場合がある。
本実施形態においては、後述するように合成時において統合画像の整数座標における画素値を求めるものであるが、以下、合成時の説明を容易にするために統合画像の整数座標における画素値の算出について説明する。
【0058】
統合画像の整数座標における画素値は、統合画像の整数座標に隣接する8近傍の整数座標に囲まれた領域を設定し、この領域内に割り当てられたフレームFrN+1上の各画素の画素値の荷重和として求める。
【0059】
すなわち、図7に示すように統合画像における整数座標p(x,y)については、その8近傍の整数座標p(x−1,y−1),p(x,y−1),p(x+1,y−1),p(x−1,y),p(x+1,y),p(x−1,y+1),p(x,y+1),p(x+1,y+1)に囲まれる領域内に割り当てられたフレームFrN+1の画素値に基づいて算出する。ここで、フレームFrN+1のk個の画素値が8近傍の画素に囲まれる領域内に割り当てられ、割り当てられた各画素の画素値をI1N+1i(x°,y°)(1≦i≦k)とすると、整数座標p(x,y)における画素値I1N+1(x^,y^)は、下記の式(10)により算出することができる。なお、式(10)においてΦは荷重和演算を表す関数である。
【0060】
【数7】
但し、Mi(1≦i≦k):画素値I1N+1i(x°,y°)が割り当てられた位置における近傍の整数画素から見た座標内分比の積
ここで、簡単のため、図7を用いて8近傍の画素に囲まれる領域内にフレームFrN+1の2つの画素値I1N+11,I1N+12が割り当てられた場合について考えると、整数座標p(x,y)における画素値I1N+1(x^,y^)は下記の式(11)により算出することができる。
【0061】
【数8】
但し、M1=u×v、M2=(1−s)×(1−t)
そして、統合画像の全ての整数座標について、フレームFrN+1の画素値を割り当てることにより画素値I1N+1(x^,y^)を得ることができる。この場合、第1の補間フレームFrH1の各画素値I1(x^,y^)はI1N+1(x^,y^)となる。
【0062】
なお、上記ではフレームFrN+1に対して補間演算を施して第1の補間フレームFrH1を取得しているが、フレームFrN+1とともに基準フレームFrNをも用いて第1の補間フレームFrH1を取得してもよい。この場合、基準フレームFrNの画素は、統合画像の整数座標に補間されて直接割り当てられることとなる。
【0063】
平均手段14は、第2の座標変換手段13によりFrN+1の画像を基準フレームFrNの座標空間に変換して得た第2の座標変換済みフレームFrT0(2)と基準フレームFrNとに対して平均処理を施して平均フレームFrAを取得し、空間補間手段15は、平均フレームFrAに対して、統合画像上のフレームFrN+1の画素が割り当てられた座標(実数座標(x°,y°))に画素値を割り当てる補間演算を施すことにより、第2の補間フレームFrH2を取得する。ここで、第2の補間フレームFrH2の実数座標の画素値をI2(x°,y°)とすると、画素値I2(x°,y°)は下記の式(12)により算出される。
【0064】
【数9】
但し、f:補間演算の関数
なお、補間演算としては、線形補間演算、スプライン補間演算等の種々の補間演算を用いることができる。
【0065】
また、本実施形態においては、合成フレームFrGは基準フレームFrNの縦横それぞれ2倍の画素数であるため、平均フレームFrAに対して縦横方向に画素数を2倍とする補間演算を施すことにより、統合画像の画素数と同一の画素数を有する第2の補間フレームFrH2を取得してもよい。この場合、補間演算により得られる画素値は統合画像における整数座標の画素値であり、この画素値をI2(x^,y^)とすると、画素値I2(x^,y^)は下記の式(13)により算出される。
【0066】
【数10】
相関値算出手段5は、第1の座標変換済みフレームFrT0(1)と基準フレームFrNとの相対応する画素同士の相関値d0(x,y)を算出する。具体的には下記の式(14)に示すように、第1の座標変換済みフレームFrT0(1)と基準フレームFrNとの対応する画素における画素値FrT0(1)(x,y),FrN(x,y)との差の絶対値を相関値d0(x,y)として算出する。なお、相関値d0(x,y)は第1の座標変換済みフレームFrT0(1)と基準フレームFrNとの相関が大きいほど小さい値となる。
【0067】
【数11】
なお、本実施形態では第1の座標変換済みフレームFrT0(1)と基準フレームFrNとの対応する画素における画素値FrT0(1)(x,y),FrN(x,y)との差の絶対値を相関値d0(x,y)として算出しているが、差の二乗を相関値として算出してもよい。また、相関値を画素毎に算出しているが、第1の座標変換済みフレームFrT0(1)および基準フレームFrNを複数の領域に分割し、領域内の全画素値の平均値または加算値を算出して、領域単位で相関値を得てもよい。また、画素毎に算出された相関値d0(x,y)のフレーム全体についての平均値または加算値を算出して、フレーム単位で相関値を得てもよい。また、第1の座標変換済みフレームFrT0(1)および基準フレームFrNのヒストグラムをそれぞれ算出し、第1の座標変換済みフレームFrT0(1)および基準フレームFrNのヒストグラムの平均値、メディアン値または標準偏差の差分値、もしくはヒストグラムの差分値の累積和を相関値として用いてもよい。また、基準フレームFrNに対する第1の座標変換済みフレームFrT0(1)の動きを表す動きベクトルを基準フレームFrNの各画素または小領域毎に算出し、算出された動きベクトルの平均値、メディアン値または標準偏差を相関値として用いてもよく、動きベクトルのヒストグラムの累積和を相関値として用いてもよい。
【0068】
重み算出手段6は、相関値算出手段5により算出された相関値d0(x,y)から第1の補間フレームFrH1および第2の補間フレームFrH2を重み付け加算する際の重み係数α(x,y)を取得する。具体的には、図8に示すテーブルを参照して重み係数α(x,y)を取得する。なお、図8に示すテーブルは、相関値d0(x,y)が小さい、すなわち第1の座標変換済みフレームFrT0(1)および基準フレームFrNの相関が大きいほど、重み係数α(x,y)の値が1に近いものとなる。なお、ここでは相関値d0(x,y)は8ビットの値をとるものとする。
【0069】
さらに、重み算出手段6は、フレームFrN+1を統合画像上に割り当てた場合と同様に重み係数α(x,y)を統合画像上に割り当てることにより、フレームFrN+1の画素が割り当てられた座標(実数座標)における重み係数α(x°,y°)を算出する。具体的には、空間補間手段15における補間演算と同様に、重み係数α(x,y)に対して、統合画像上のフレームFrN+1の画素が割り当てられた座標(実数座標(x°,y°))に画素値を割り当てる補間演算を施すことにより、重み係数α(x°,y°)を取得する。
【0070】
なお、統合画像の上記実数座標における重み係数α(x°,y°)を補間演算により算出することなく、基準フレームFrNを統合画像のサイズとなるように拡大または等倍して拡大または等倍基準フレームを取得し、統合画像におけるフレームFrN+1の画素が割り当てられた実数座標の最近傍に対応する拡大または等倍基準フレームの画素について取得された重み係数α(x,y)の値をその実数座標の重み係数α(x°,y°)として用いてもよい。
【0071】
さらに、統合画像の整数座標における画素値I1(x^,y^),I2(x^,y^)が取得されている場合には、統合画像上に割り当てた重み係数α(x°,y°)について上記と同様に荷重和を求めることにより、統合画像の整数座標における重み係数α(x^,y^)を算出すればよい。
【0072】
合成手段20は、第1の補間フレームFrH1および第2の補間フレームFrH2を重み算出手段6により算出された重み係数α(x°,y°)に基づいて重み付け加算するとともに荷重和演算を行うことにより、統合画像の整数座標において画素値FrG(x^,y^)を有する合成フレームFrGを取得する。具体的には、下記の式(15)により第1の補間フレームFrH1および第2の補間フレームFrH2の対応する画素の画素値I1(x°,y°),I2(x°,y°)を重み係数α(x°,y°)により重み付け加算するとともに荷重和演算を行い合成フレームFrGの画素値FrG(x^,y^)を取得する。
【0073】
【数12】
なお、式(15)において、kは合成フレームFrGすなわち統合画像の整数座標(x^,y^)の8近傍の整数座標に囲まれる領域に割り当てられたフレームFrN+1の画素の数であり、この割り当てられた画素がそれぞれ画素値I1(x°,y°),I2(x°,y°)および重み係数α(x°,y°)を有するものである。
【0074】
本実施形態においては、基準フレームFrNと第1の座標変換済みフレームFrT0(1)との相関が大きいほど、第1の補間フレームFrH1の重み付けが大きくされて、第1の補間フレームFrH1および第2の補間フレームFrH2の重み付け加算が行われる。
【0075】
なお、統合画像の全ての整数座標に画素値を割り当てることができない場合がある。このような場合は、割り当てられた画素値に対して前述した空間補間手段15と同様の補間演算を施して、割り当てられなかった整数座標の画素値を算出すればよい。
【0076】
また、上記では輝度成分Yについての合成フレームFrGを求める処理について説明したが、色差成分Cb,Crについても同様に合成フレームFrGが取得される。そして、輝度成分Yから求められた合成フレームFrG(Y)および色差成分Cb,Crから求められた合成フレームFrG(Cb),FrG(Cr)を合成することにより、最終的な合成フレームが得られることとなる。なお、処理の高速化のためには、輝度成分Yについてのみ基準フレームFrNとフレームFrN+1との対応関係を求め、色差成分Cb,Crについては輝度成分Yについて求められた対応関係に基づいて処理を行うことが好ましい。
【0077】
また、統合画像の整数座標について画素値を有する第1の補間フレームFrH1および第2の補間フレームFrH2並びに整数座標の重み係数α(x^,y^)を取得した場合には、下記の式(16)により第1の補間フレームFrH1および第2の補間フレームFrH2の対応する画素の画素値I1(x^,y^),I2(x^,y^)を重み係数α(x^,y^)により重み付け加算して合成フレームFrGの画素値FrG(x,y)を取得すればよい。
【0078】
【数13】
次いで、図9のフローチャートを用いて本実施形態のデジタルカメラの動作について説明する。なお、ここでは統合画像のフレームFrN+1の画素が割り当てられた実数座標について第1の補間フレームFrH1、第2の補間フレームFrH2および重み係数α(x°,y°)を取得するものとして説明する。まず、本実施形態のデジタルカメラの撮像手段100により、被写体を撮像して動画像データM0を取得する(S1)。サンプリング手段1は、動画像データM0から基準フレームFrNおよびフレームFrN+1をサンプリングする(S3)。続いて、第1の対応関係求出手段2により、基準フレームFrNとフレームFrN+1との第1の対応関係が求められる(S5)。
【0079】
そして、求められた第1の対応関係に基づいて、第1の座標変換手段3によりフレームFrN+1が基準フレームFrNの座標空間に変換されて第1の座標変換済みフレームFrT0(1)が取得される(S7)。そして、相関値算出手段5により第1の座標変換済みフレームFrT0(1)と基準フレームFrNとの対応する画素の相関値d0(x,y)が算出される(S9)。さらに、相関値d0に基づいて重み算出手段6により重み係数α(x°,y°)が算出される(S11)。
【0080】
一方、第1の対応関係求出手段2により求められた第1の対応関係に基づいて、時空間補間手段4により第1の補間フレームFrH1が取得される(S13)。
【0081】
片方、第2の対応関係求出手段12は、第1の対応関係求出手段2に用いられた基準パッチおよびパッチを構成する矩形領域よりサイズの大きい矩形領域から構成された基準パッチおよび基準パッチと同様のパッチを夫々基準フレームFrNとフレームFrN+1に配置して、基準フレームFrNとフレームFrN+1との第2の対応関係を求める(S15)。
【0082】
第2の座標変換手段13は、第2の対応関係求出手段12により求められた第2の対応関係に基づいて、フレームFrN+1を基準フレームFrNの座標空間に変換して第2の座標変換済みフレームFrT0(2)を取得する(S17)。
【0083】
平均手段14は、基準フレームFrNと第2の座標変換済みフレームFrT0(2)に対して平均処理を施して平均フレームFrAを取得する(S19)。
【0084】
空間補間手段15は、平均フレームFrAに対して補間演算を行って第2の補間フレームFrH2を取得する(S21)。
【0085】
なお、ステップS7〜S11の処理と、ステップS13の処理と、ステップS15〜S21の処理とを、先後に行ってもよいし、並列に行ってもよい。
【0086】
合成手段20は、ステップS11において算出された重み係数を用いて第1の補間フレームFrH1と第2の補間フレームFrH2とを重み付け合成して合成フレームFrGを取得する(S23)。合成フレームFrGが、デジタルカメラの記憶手段25に記憶保存され(S25)ことをもって、処理を終了する。
【0087】
ここで、第1の補間フレームFrH1は、基準フレームFrNおよびフレームFrN+1に含まれる被写体が動いていないまたは動きが小さい場合には、基準フレームFrNおよびフレームFrN+1よりも解像度が高い高精細な画像を表すものとなる。
【0088】
また、第2の補間フレームFrH2は第1の補間フレームFrH1と比較して、基準フレームFrNと他のフレームFrN+1とに対して平均を取って得た平均フレームFrAを補間演算して取得したものであるので、撮像範囲内を大きく動いているものや、複雑に動いているもの(集合写真を撮像する時の通行人など)がぼけたものとなる。
【0089】
さらに、重み算出手段6により算出される重み係数α(x°,y°)は、座標変換済みフレームFrT0(1)と基準フレームFrNとの相関が大きいほど第1の補間フレームFrH1の重みが大きくされてなるものである。
【0090】
ここで、各フレームFrN,FrN+1に含まれる被写体の動きがなくまたは小さければ、座標変換済みフレームFrT0(1)と基準フレームFrNとの相関は大きくなるが、被写体の動きが大きかったり複雑であったりすると、座標変換済みフレームFrT0(1)と基準フレームFrNとの相関は小さくなる。したがって、取得された重み係数α(x°,y°)に基づいて第1の補間フレームFrH1および第2の補間フレームFrH2を重み付け加算することにより、動きが小さい場合は高精細な第1の補間フレームFrH1が占める割合が多く、動きが大きい場合には大きく動いた被写体がぼけた第2の補間フレームFrH2の占める割合が多い合成フレームFrGが作成される。
【0091】
このため、合成フレームFrGは、基準フレームFrNおよびフレームFrN+1に含まれる被写体が静止または動きが小さい場合には高精細なものとなると共に、撮像範囲に大きく動いたものがあっても、そのものの映像がぼけたものとなるので、基準フレームFrNおよびフレームFrN+1に含まれる被写体の動きに拘わらず、目標とする静止画像、すなわち静止または動きが小さい目的被写体(前述した集合写真の対象となる人達や、風景、建築物など)が高精細な、大きく動いたもの(通行人など)がぼけた静止画像(合成フレームFrG)を得ることができる。
【0092】
また、動画像からサンプリングした複数のフレームに対して動き追従を行って合成フレームを作成することにより静止画像を取得するようにしているので、ブレなどがあっても合成フレームに影響を与えない。そのため、3脚を必要とせず、カメラを手持ちで撮像しても、高品質な静止画像を得ることができる。
【0093】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、本発明の主旨を変えない限り、種々の増減、変更を加えることができる。
【0094】
例えば、図1に示す実施形態においては、デジタルカメラの中において、撮像した動画像を静止画像(合成フレーム)に作成してから記憶手段に保存するようにしているが、動画像を撮像して記録媒体などに保存し、後にプリントなどの必要に応じて記録媒体に保存された動画像から静止画像を作成するようにしてもよい。
【0095】
また、図1に示す実施形態のデジタルカメラにおいて、重み算出手段6は、相関値算出手段5により算出した相関値d0(x,y)を直接用いて重み係数を算出しているが、相関値d0(x,y)に対してローパスフィルタによるフィルタリング処理を施してから重み係数を算出するようにしてもよい。そうすることによって、統合画像上における重み係数の変化が滑らかになり、その結果、相関が変化する領域における画像の変化を滑らかにすることができ、合成フレームFrGの見え方を自然なものとすることができる。
【0096】
また、フィルタリングに用いるフィルタは、ローパスフィルタに限らず、メディアンフィルタ、最大値フィルタまたは最小値フィルタであってもよい。
【0097】
上記実施形態のデジタルカメラにおいて、基準フレームFrNおよびフレームFrN+1の輝度色差成分Y,Cb,Cr毎に合成フレームFrGを取得しているが、輝度成分Yについてのみ合成フレームFrGを取得し、色差成分Cb,Crについては、基準フレームFrNの色差成分Cb,Crを線形補間して色差成分の合成フレームを求めてもよく、色差成分Cb,Crについて第1の補間フレームFrH1のみを取得し、これを色差成分の合成フレームとしてもよい。
【0098】
また、フレームFrN,FrN+1がRGBの色データからなる場合には、RGB各色データ毎に処理を行って合成フレームFrGを取得してもよい。
【0099】
また、上記実施形態のデジタルカメラにおいては、輝度色差成分Y,Cb,Cr毎に相関値d0(x,y)を算出しているが、下記の式(17)に示すように、輝度成分の相関値d0Y(x,y)、色差成分の相関値d0Cb(x,y),d0Cr(x,y)を重み係数a,b,cにより重み付け加算することにより、1の相関値d1(x,y)を算出し、この1の相関値d1(x,y)を用いて輝度色差成分Y,Cb,Crそれぞれについての重み係数α(x,y)を算出してもよい。
【0100】
【数14】
また、下記の式(18)に示すように、第1の座標変換済みフレームFrT0(1)の輝度成分FrT0(1)Y(x,y)および色差成分FrT0(1)Cb(x,y),FrT0(1)Cr(x,y)と、基準フレームFrNのFrNY(x,y)および色差成分FrNCb(x,y),FrNCr(x,y)との重み係数a,b,cを用いたユークリッド距離を算出し、これを重み係数α(x,y)を取得するための1の相関値d1(x,y)としてもよい。
【0101】
【数15】
また、上記実施形態のデジタルカメラにおいては、重み算出手段6において図8に示すようにテーブルを用いて重み係数α(x,y)を取得しているが、図10に示すように、値が変化する境界部分において滑らかにかつ緩やかに重み係数α(x,y)の値が変化する非線形のテーブルを用いてもよい。
【0102】
このように、図10に示すような非線形のテーブルを用いることにより、相関が変化する局所領域において画像の変化の度合いが緩やかになるため、合成フレームの見え方を自然なものとすることができる。
【0103】
また、上記実施形態のデジタルカメラにおいては、2つのフレームFrN,FrN+1から合成フレームFrGを取得しているが、3以上の複数のフレームから合成フレームFrGを取得してもよい。例えば、T個のフレームFrN+t′(0≦t′≦T−1)から合成フレームFrGを取得する場合、基準フレームFrN(=FrN+0)以外の他のフレームFrN+t(1≦t≦T−1)について、基準フレームFrNとの第1の対応関係を求め、統合画像上に画素値を割り当てて複数の第1の補間フレームFrH1tを得る。なお、第1の補間フレームFrH1tの画素値をI1t(x°,y°)とする。
【0104】
また、FrH1を取得するための第1の対応関係を求める際に用いた基準パッチおよびパッチの矩形領域より大きい矩形領域からなる基準パッチおよびパッチを用いて動き追従を行って平均フレームFrAを取得し、この平均フレームFrAに対して、統合画像上のフレームFrN+tの画素が割り当てられた座標(実数座標(x°,y°))に画素値を割り当てる補間演算を施すことにより、フレームFrN+tに対応した第2の補間フレームFrH2tを取得する。なお、第2の補間フレームFrH2tの画素値をI2t(x°,y°)とする。
【0105】
さらに、第1の対応関係に基づいて、対応する第1の補間フレームFrH1t,FrH2tを重み付け加算する重み係数αt(x°,y°)を取得する。
【0106】
そして、互いに対応する第1の補間フレームFrH1t,FrH2tを重み係数αt(x°,y°)により重み付け加算するとともに荷重和演算を行うことにより、統合画像の整数座標において画素値FrGt(x^,y^)を有する中間合成フレームFrGtを取得する。具体的には、下記の式(19)により第1の補間フレームFrH1tおよび第2の補間フレームFrH2tの対応する画素の画素値I1t(x°,y°),I2t(x°,y°)を対応する重み係数αt(x°,y°)により重み付け加算するとともに荷重和演算を行い、中間合成フレームFrGtの画素値FrGt(x^,y^)を取得する。
【0107】
【数16】
なお、式(19)において、kは中間合成フレームFrGtすなわち統合画像の整数座標(x^,y^)の8近傍の整数座標に囲まれる領域に割り当てられたフレームFrN+tの画素の数であり、この割り当てられた画素がそれぞれ画素値I1t(x°,y°),I2t(x°,y°)および重み係数αt(x°,y°)を有するものである。
【0108】
そして、中間合成フレームFrGtを加算することにより合成フレームFrGを取得する。具体的には、下記の式(20)により中間合成フレームFrGtを対応する画素同士で加算することにより、合成フレームFrGの画素値FrG(x^,y^)を取得する。
【0109】
【数17】
なお、統合画像の全ての整数座標に画素値を割り当てることができない場合がある。このような場合は、割り当てられた画素値に対して前述した空間補間手段と同様の補間演算を施して、割り当てられなかった整数座標の画素値を算出すればよい。
【0110】
また、3以上の複数のフレームから合成フレームFrGを取得する場合、統合画像の整数座標について画素値を有する第1の補間フレームFrH1tおよび第2の補間フレームFrH2t並びに整数座標の重み係数αt(x^,y^)を取得してもよい。この場合、各フレームFrN+t(1≦t≦T−1)について、各フレームFrN+tの画素値FrN+t(x,y)を統合座標の全ての整数座標に割り当てて画素値I1N+t(x^,y^)すなわち画素値I1t(x^,y^)を有する第1の補間フレームFrH1tを取得する。そして、全てのフレームFrN+tについて割り当てられた画素値I1t(x^,y^)と第2の補間フレームFrH2tの画素値I2t(x^,y^)とを加算することにより複数の中間合成フレームFrGtを取得し、これらをさらに加算して合成フレームFrGを取得すればよい。
【0111】
具体的には、まず、下記の式(21)に示すように、全てのフレームFrN+tについて、統合画像の整数座標における画素値I1N+t(x^,y^)を算出する。そして、式(22)に示すように、画素値I1t(x^,y^)と画素値I2t(x^,y^)とを重み係数α(x^,y^)により重み付け加算することにより中間合成フレームFrGtを得る。そして、上記式(20)に示すように、中間合成フレームFrGtを加算することにより合成フレームFrGを取得する。
【0112】
【数18】
なお、3以上の複数のフレームから合成フレームFrGを取得する場合、第1の座標変換済みフレームFrT0(1)は複数取得されるため、相関値および重み係数もフレーム数に対応して複数取得される。この場合、複数取得された重み係数の平均値や中間値を対応する第1および第2の補間フレームFrH1、FrH2を重み付け加算する際の重み係数としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態によるデジタルカメラの構成を示すブロック図
【図2】フレームFrN+1と基準フレームFrNとの対応関係の求出を説明するための図
【図3】パッチの変形を説明するための図
【図4】パッチP1と基準パッチP0との対応関係を説明するための図
【図5】双1次内挿を説明するための図
【図6】フレームFrN+1の統合画像への割り当てを説明するための図
【図7】統合画像における整数座標の画素値の算出を説明するための図
【図8】重み係数を求めるテーブルを示す図(その1)
【図9】本実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【図10】重み係数を求めるテーブルを示す図(その2)
【符号の説明】
1 サンプリング手段
2 第1の対応関係求出手段
3 第1の座標変換手段
4 時空間補間手段
5 相関値算出手段
6 重み算出手段
12 第2の対応関係求出手段
13 第2の座標変換手段
14 平均手段
15 空間補間手段
20 合成手段
25 記憶手段
100 撮像手段
Claims (7)
- 動画像を構成する複数のフレームから連続する2つのフレームをサンプリングし、
該2つのフレームのうち、基準となる1つの基準フレーム上に1つ以上の矩形領域からなる第1の基準パッチを配置し、該第1の基準パッチと同様の第1のパッチを該基準フレーム以外の他のフレーム上に配置し、該第1のパッチ内の画像が前記第1の基準パッチ内の画像と一致するように、該第1のパッチを前記他のフレーム上において移動および/または変形し、該移動および/または変形後の第1のパッチおよび前記第1の基準パッチに基づいて、前記他のフレーム上の前記第1のパッチ内の画素と前記基準フレーム上の前記第1の基準パッチ内の画素との対応関係を第1の対応関係として求め、
該第1の対応関係に基づいて、前記第1のパッチ内の画像、または前記第1のパッチ内の画像および前記基準パッチ内の画像に対して補間演算を施して、前記各フレームよりも画素数が多い第1の補間フレームを取得し、
前記第1の対応関係に基づいて、前記第1のパッチ内の画像を前記基準フレームの座標空間に座標変換して第1の座標変換済みフレームを取得し、
該第1の座標変換済みフレームと前記第1の基準パッチ内の画像との相関を表す相関値を算出し、
前記2つのフレームのうちの前記基準フレーム上に1つ以上の、前記第1の基準パッチの前記矩形領域より大きい矩形領域からなる第2の基準パッチを配置し、該第2の基準パッチと同様の第2のパッチを前記他のフレーム上に配置し、該第2のパッチ内の画像が前記第2の基準パッチ内の画像と一致するように、該第2のパッチを前記他のフレーム上において移動および/または変形し、該移動および/または変形後の第2のパッチおよび前記第2の基準パッチに基づいて、前記第2のパッチ内の画素と前記第2の基準パッチ内の画素との対応関係を第2の対応関係として求め、
該第2の対応関係に基づいて、前記第2のパッチ内の画像を前記基準フレームの座標空間に座標変換して第2の座標変換済みフレームを取得し、
前記第2の基準パッチ内の画像と前記第2の座標変換済みフレームとに対して平均処理を施して平均フレームを取得し、
前記平均フレームに対して補間演算を施して、前記各フレームよりも画素数が多い第2の補間フレームを取得し、
前記相関値に基づいて、前記第1の補間フレームと前記第2の補間フレームとを合成する際に、前記相関が大きいほど前記第1の補間フレームの重みを大きくする重み係数を取得し、
該重み係数に基づいて前記第1の補間フレームと前記第2の補間フレームとを重み付け合成することにより合成フレームを作成することを特徴とする動画像合成方法。 - 動画像を構成する複数のフレームから連続する3つ以上のフレームをサンプリングし、
該3つ以上のフレームのうち、基準となる1つの基準フレーム上に1つ以上の矩形領域からなる第1の基準パッチを配置し、該第1の基準パッチと同様の第1のパッチを該基準フレーム以外の他のフレーム上に配置し、該第1のパッチ内の画像が前記第1の基準パッチ内の画像と一致するように、該第1のパッチを前記他のフレーム上において移動および/または変形し、該移動および/または変形後の第1のパッチおよび前記第1の基準パッチに基づいて、複数の前記第1のパッチ内の画素と前記第1の基準パッチ内の画素との対応関係を第1の対応関係として求め、
該第1の対応関係に基づいて、複数の前記第1のパッチ内の画像、または複数の前記第1のパッチ内の画像および前記第1の基準パッチ内の画像に対して補間演算を施して、前記各フレームよりも画素数が多い複数の第1の補間フレームを取得し、
前記第1の対応関係に基づいて、複数の前記第1のパッチ内の画像を前記第1の基準フレームの座標空間に座標変換して複数の第1の座標変換済みフレームを取得し、
該複数の第1の座標変換済みフレームと前記第1の基準パッチ内の画像との相関をそれぞれ表す相関値を算出し、
前記3つ以上のフレームのうちの前記基準フレーム上に1つ以上の、前記第1の基準パッチの前記矩形領域より大きい矩形領域からなる第2の基準パッチを配置し、該第2の基準パッチと同様の第2のパッチを該基準フレーム以外の他のフレーム上に配置し、該第2のパッチ内の画像が前記第2の基準パッチ内の画像と一致するように、該第2のパッチを前記他のフレーム上において移動および/または変形し、該移動および/または変形後の第2のパッチおよび前記第2の基準パッチに基づいて、複数の前記第2のパッチ内の画素と前記第2の基準パッチ内の画素との対応関係を第2の対応関係として求め、
該第2の対応関係に基づいて、複数の前記第2のパッチ内の画像を前記基準フレームの座標空間に座標変換して複数の第2の座標変換済みフレームを取得し、
前記第2の基準パッチ内の画像と各々の前記第2の座標変換済みフレームとに対して平均処理を施して平均フレームを取得し、
前記平均フレームに対して補間演算を施して、前記各フレームよりも画素数が多い第2の補間フレームを複数の前記第1の補間フレームと対応付けて1つまたは複数取得し、
前記相関値に基づいて、互いに対応する前記第1の補間フレームと前記第2の補間フレームとを合成する際に、前記相関が大きいほど前記第1の補間フレームの重みを大きくする重み係数を取得し、
該重み係数に基づいて互いに対応する前記第1の補間フレームおよび前記第2の補間フレームを重み付け合成することにより中間合成フレームを取得し、該中間合成フレームを合成することにより合成フレームを作成することを特徴とする動画像合成方法。 - 動画像を構成する複数のフレームから連続する2つのフレームをサンプリングするサンプリング手段と、
該2つのフレームのうち、基準となる1つの基準フレーム上に1つ以上の矩形領域からなる第1の基準パッチを配置し、該第1の基準パッチと同様の第1のパッチを該基準フレーム以外の他のフレーム上に配置し、該第1のパッチ内の画像が前記第1の基準パッチ内の画像と一致するように、該第1のパッチを前記他のフレーム上において移動および/または変形し、該移動および/または変形後の第1のパッチおよび前記第1の基準パッチに基づいて、前記第1のパッチ内の画素と前記第1の基準パッチ内の画素との対応関係を第1の対応関係として求める第1の対応関係求出手段と、
該第1の対応関係に基づいて、前記第1のパッチ内の画像または、前記第1のパッチ内の画像および前記第1の基準パッチ内の画像に対して補間演算を施して、前記各フレームよりも画素数が多い第1の補間フレームを取得する第1の補間手段と、
前記第1の対応関係に基づいて、前記第1のパッチ内の画像を前記基準フレームの座標空間に座標変換して第1の座標変換済みフレームを取得する第1の座標変換手段と、
該第1の座標変換済みフレームと前記第1の基準パッチ内の画像との相関を表す相関値を算出する相関値算出手段と、
前記2つのフレームのうちの前記基準フレーム上に1つ以上の、前記第1の基準パッチの前記矩形領域より大きい矩形領域からなる第2の基準パッチを配置し、該第2の基準パッチと同様の第2のパッチを前記他のフレーム上に配置し、該第2のパッチ内の画像が前記第2の基準パッチ内の画像と一致するように、該第2のパッチを前記他のフレーム上において移動および/または変形し、該移動および/または変形後の第2のパッチおよび前記第2の基準パッチに基づいて、前記第2のパッチ内の画素と前記第2の基準パッチ内の画素との対応関係を第2の対応関係として求める第2の対応関係求出手段と、
該第2の対応関係に基づいて、前記第2のパッチ内の画像を前記基準フレームの座標空間に座標変換して第2の座標変換済みフレームを取得する第2の座標変換手段と、
前記第2の基準パッチ内の画像と前記第2の座標変換済みフレームとに対して平均処理を施して平均フレームを取得する平均手段と、
前記平均フレームに対して補間演算を施して、前記各フレームよりも画素数が多い第2の補間フレームを取得する第2の補間手段と、
前記相関値算出手段により算出された前記相関値に基づいて、前記第1の補間フレームと前記第2の補間フレームとを合成する際に、前記相関が大きいほど前記第1の補間フレームの重みを大きくする重み係数を取得する重み係数取得手段と、
該重み係数に基づいて前記第1の補間フレームと前記第2の補間フレームとを重み付け合成することにより合成フレームを作成する合成手段とを備えたことを特徴とする動画像合成装置。 - 動画像から連続する3つ以上のフレームをサンプリングするサンプリング手段と、
該3つ以上のフレームのうち、基準となる1つの基準フレーム上に1つ以上の矩形領域からなる第1の基準パッチを配置し、該第1の基準パッチと同様の第1のパッチを該基準フレーム以外の複数の他のフレーム上に配置し、該第1のパッチ内の画像が前記第1の基準パッチ内の画像と一致するように、該第1のパッチを前記他のフレーム上において移動および/または変形し、該移動および/または変形後の第1のパッチおよび前記第1の基準パッチに基づいて、前記複数の他のフレーム上の前記第1のパッチ内の画素と前記基準フレーム上の前記第1の基準パッチ内の画素との対応関係を第1の対応関係として求める第1の対応関係求出手段と、
該第1の対応関係に基づいて、前記複数の他のフレームの前記第1のパッチ内の画像または前記他のフレームの前記第1のパッチ内の画像および前記基準フレームの前記第1の基準パッチ内の画像に対して補間演算を施して、前記各フレームよりも画素数が多い複数の第1の補間フレームを取得する第1の補間手段と、
前記第1の対応関係に基づいて、前記複数の他のフレームの前記第1のパッチ内の画像を前記基準フレームの座標空間に座標変換して複数の第1の座標変換済みフレームを取得する第1の座標変換手段と、
該複数の第1の座標変換済みフレームと前記基準フレームの前記第1の基準パッチ内の画像との相関をそれぞれ表す相関値を算出する相関値算出手段と、
前記3つ以上のフレームのうちの前記基準フレーム上に1つ以上の、前記第1の基準パッチの前記矩形領域より大きい矩形領域からなる第2の基準パッチを配置し、該第2の基準パッチと同様の第2のパッチを該基準フレーム以外の複数の他のフレーム上に配置し、該第2のパッチ内の画像が前記第2の基準パッチ内の画像と一致するように、該第2のパッチを前記他のフレーム上において移動および/または変形し、該移動および/または変形後の第2のパッチおよび前記第2の基準パッチに基づいて、前記複数の他のフレーム上の前記第2のパッチ内の画素と前記基準フレーム上の前記第2の基準パッチ内の画素との対応関係を第2の対応関係として求める第2の対応関係求出手段と、
該第2の対応関係に基づいて、前記複数の他のフレームの前記第2のパッチ内の画像を前記基準フレームの座標空間に座標変換して複数の第2の座標変換済みフレームを取得するする第2の第1の座標変換手段と、
前記第2の基準パッチ内の画像と各々の前記第2の座標変換済みフレームとに対して平均処理を施して平均フレームを取得する平均手段と、
前記平均フレームに対して補間演算を施して、前記各フレームよりも画素数が多い第2の補間フレームを複数の前記第1の補間フレームと対応付けて1つまたは複数取得する第2の補間手段と、
前記相関値算出手段により算出された前記相関値に基づいて、互いに対応する前記第1の補間フレームと前記第2の補間フレームとを合成する際に、前記相関が大きいほど前記第1の補間フレームの重みを大きくする重み係数を取得する重み係数取得手段と、
該重み係数に基づいて互いに対応する前記第1の補間フレームおよび前記第2の補間フレームを重み付け合成することにより中間合成フレームを取得し、該中間合成フレームを合成することにより合成フレームを作成する合成手段とを備えたことを特徴とする動画像合成装置。 - 動画像を構成する複数のフレームから連続する2つのフレームをサンプリングするサンプリング処理と、
該2つのフレームのうち、基準となる1つの基準フレーム上に1つ以上の矩形領域からなる第1の基準パッチを配置し、該第1の基準パッチと同様の第1のパッチを該基準フレーム以外の他のフレーム上に配置し、該第1のパッチ内の画像が前記第1の基準パッチ内の画像と一致するように、該第1のパッチを前記他のフレーム上において移動および/または変形し、該移動および/または変形後の第1のパッチおよび前記第1の基準パッチに基づいて、前記他のフレーム上の前記第1のパッチ内の画素と前記基準フレーム上の前記第1の基準パッチ内の画素との対応関係を第1の対応関係として求める第1の対応関係求出処理と、
該第1の対応関係に基づいて、前記第1のパッチ内の画像、または前記第1のパッチ内の画像および前記基準パッチ内の画像に対して補間演算を施して、前記各フレームよりも画素数が多い第1の補間フレームを取得する第1の補間処理と、
前記第1の対応関係に基づいて、前記第1のパッチ内の画像を前記基準フレームの座標空間に座標変換して第1の座標変換済みフレームを取得する第1の座標変換処理と、
該第1の座標変換済みフレームと前記第1の基準パッチ内の画像との相関を表す相関値を算出する相関値算出処理と、
前記2つのフレームのうちの前記基準フレーム上に1つ以上の、前記第1の基準パッチの前記矩形領域より大きい矩形領域からなる第2の基準パッチを配置し、該第2の基準パッチと同様の第2のパッチを前記他のフレーム上に配置し、該第2のパッチ内の画像が前記第2の基準パッチ内の画像と一致するように、該第2のパッチを前記他のフレーム上において移動および/または変形し、該移動および/または変形後の第2のパッチおよび前記第2の基準パッチに基づいて、前記第2のパッチ内の画素と前記第2の基準パッチ内の画素との対応関係を第2の対応関係として求める第2の対応関係求出処理と、
該第2の対応関係に基づいて、前記第2のパッチ内の画像を前記基準フレームの座標空間に座標変換して第2の座標変換済みフレームを取得する第2の座標変換処理と、
前記第2の基準パッチ内の画像と前記第2の座標変換済みフレームとに対して平均処理を施して平均フレームを取得する平均処理と、
前記平均フレームに対して補間演算を施して、前記各フレームよりも画素数が多い第2の補間フレームを取得する第2の補間処理と、
前記相関値に基づいて、前記第1の補間フレームと前記第2の補間フレームとを合成する際に、前記相関が大きいほど前記第1の補間フレームの重みを大きくする重み係数を取得する重み係数取得処理と、
該重み係数に基づいて前記第1の補間フレームと前記第2の補間フレームとを重み付け合成することにより合成フレームを作成する合成処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。 - 動画像を構成する複数のフレームから連続する3つ以上のフレームをサンプリングするサンプリング処理と、
該3つ以上のフレームのうち、基準となる1つの基準フレーム上に1つ以上の矩形領域からなる第1の基準パッチを配置し、該第1の基準パッチと同様の第1のパッチを該基準フレーム以外の他のフレーム上に配置し、該第1のパッチ内の画像が前記第1の基準パッチ内の画像と一致するように、該第1のパッチを前記他のフレーム上において移動および/または変形し、該移動および/または変形後の第1のパッチおよび前記第1の基準パッチに基づいて、複数の前記第1のパッチ内の画素と前記第1の基準パッチ内の画素との対応関係を第1の対応関係として求める第1の対応関係求出処理と、
該第1の対応関係に基づいて、複数の前記第1のパッチ内の画像、または複数の前記第1のパッチ内の画像および前記第1の基準パッチ内の画像に対して補間演算を施して、前記各フレームよりも画素数が多い複数の第1の補間フレームを取得する第1の補間処理と、
前記第1の対応関係に基づいて、複数の前記第1のパッチ内の画像を前記第1の基準フレームの座標空間に座標変換して複数の第1の座標変換済みフレームを取得する第1の座標変換処理と、
該複数の第1の座標変換済みフレームと前記第1の基準パッチ内の画像との相関をそれぞれ表す相関値を算出する相関値算出処理と、
前記3つ以上のフレームのうちの前記基準フレーム上に1つ以上の、前記第1の基準パッチの前記矩形領域より大きい矩形領域からなる第2の基準パッチを配置し、該第2の基準パッチと同様の第2のパッチを該基準フレーム以外の他のフレーム上に配置し、該第2のパッチ内の画像が前記第2の基準パッチ内の画像と一致するように、該第2のパッチを前記他のフレーム上において移動および/または変形し、該移動および/または変形後の第2のパッチおよび前記第2の基準パッチに基づいて、複数の前記第2のパッチ内の画素と前記第2の基準パッチ内の画素との対応関係を第2の対応関係として求める第2の対応関係求出処理と、
該第2の対応関係に基づいて、複数の前記第2のパッチ内の画像を前記基準フレームの座標空間に座標変換して複数の第2の座標変換済みフレームを取得する第2の座標変換処理と、
前記第2の基準パッチ内の画像と各々の前記第2の座標変換済みフレームとに対して平均処理を施して平均フレームを取得する平均処理と、
前記平均フレームに対して補間演算を施して、前記各フレームよりも画素数が多い第2の補間フレームを複数の前記第1の補間フレームと対応付けて1つまたは複数取得する第2の補間処理と、
前記相関値に基づいて、互いに対応する前記第1の補間フレームと前記第2の補間フレームとを合成する際に、前記相関が大きいほど前記第1の補間フレームの重みを大きくする重み係数を取得する重み係数取得処理と、
該重み係数に基づいて互いに対応する前記第1の補間フレームおよび前記第2の補間フレームを重み付け合成することにより中間合成フレームを取得し、該中間合成フレームを合成することにより合成フレームを作成する合成処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。 - 動画像を撮像する撮像手段と、
前記動画像から静止画像を取得する静止画像取得手段とを備えたデジタルカメラであって、
前記静止画取得手段が、請求項3または4記載の動画像合成装置であることを特徴とするデジタルカメラ。
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