JP4568355B2 - アンテナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、基板上に形成されるアンテナ装置に関する。
従来より、GPS(Global Positioning System )やETC(Electronic Toll Collection)等の車載無線端末との通信を行うシステムでは、電波の到来方向によらず車載用無線端末にて確実に電波が受信されるように円偏波が用いられている。そして、車載無線端末では、その円偏波を受信するアンテナとして、パッチアンテナが多用されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、この種のアンテナは、電波伝搬状態が良好であり、且つ、車両の美観や運転者の視界を確保できる位置に設置することが望ましく、通常、インストルメントパネルの上部や内部、ルームミラーの内部やその周囲に設置される。
特開2001−267834号公報
また、アンテナは、限られた車室空間内に設置されることから小型であること、車室内で反射した不要な電波を可能な限り受信することがないように、後方への放射が十分に抑制された特性を有していることが望まれる。
しかし、パッチアンテナでは、このような特性を得るためには、理想的には無限大のグランド面を有している必要がある。つまり、パッチアンテナでは、後方への放射の抑制と、サイズの小型化とは、トレードオフの関係にあり、両者を同時に満たすことができないという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するために、アンテナ後方への放射が十分に抑制された小型のアンテナ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明のアンテナ装置は、導電性を有し、且つ特定周波数帯の電磁波の伝搬を阻止するバンドギャップ面を備えた基板と、それぞれがコの字状となるように屈曲された形状を有する一対の進行波型の線状アンテナを、基板の前記バンドギャップ面側に、そのバンドギャップ面に沿って、且つ、アンテナ中心に対して180度回転対称となるように配置することで、特定周波数帯に属する作動周波数帯の円偏波を送受信する形状を有するように構成された放射素子部とを備えることを特徴とする。
つまり、基板は、特定周波数において高いインピーダンス特性を有する、いわゆるHIP(High Impedance ground Plane) である。
このように構成された本発明のアンテナ装置によれば、HIPである基板のバンドギャップ面に、線状アンテナの鏡像が生じることがないため、線状アンテナをバンドギャップ面に最大限に接近させて配置すること、即ち、アンテナを低姿勢化することができる。
即ち、単純なグランド面を有する基板に沿って線状アンテナを配置した場合、線状アンテナを流れる電流によって、基板のグランド面には、その電流を打ち消す方向に電流が流れる(いわゆる鏡像が発生する)ことにより、線状アンテナの特性を劣化させてしまう。このため、線状アンテナは、鏡像の影響が十分に小さくなる位置まで基板から離した位置に配置する必要があるが、HIPからなる基板では、このような鏡像の影響を考慮する必要がないためである。
また、本発明のアンテナ装置では、進行波型の線状アンテナを、HIP上により近接配置することによって、HIP表面を伝わり裏面へ伝搬する電波を抑制しているため、アンテナ地板が大きいほど裏面放射(アンテナ背面への電波の漏洩)の抑制効果が向上するパッチアンテナと比較して、同サイズの基板(アンテナ地板)を用いるのであれば、パッチアンテナよりも裏面放射を効率よく抑制することができる。
このように、HIPである基板と進行波型の線状アンテナとを組み合わせた本発明のアンテナ装置によれは、基板の厚さ方向および面方向のサイズの小型化と、アンテナの裏面放射の抑制とをいずれも達成することができる。
また、進行波型のアンテナは、定在波を発生させないで(即ち、共振周波数が存在しない)電磁波を送受信するため、定在波の共振を用いる定在波型のアンテナと比較して、より広い周波数帯の電磁波を送受信することができる。
また、本発明のアンテナ装置において、基板は、特定周波数帯が互いに異なった複数のバンドギャップ面を有し、そのバンドギャップ面のそれぞれに、作動周波数帯が互いに異なる放射素子部が設けられていてもよい。
このように構成された本発明のアンテナ装置によれば、複数の放射素子部によって、周波数が異なる複数の電磁波を送受信することができる。更に、線状アンテナとして、クランクライン型、モノポール型を組み合わせて用いれば、円偏波,直線偏波の両方を送受信することもできる。
なお、放射素子部を複数設ける場合、これらに対応するバンドギャップ面は、同心状に形成されていることが望ましい。
このように構成された本発明のアンテナ装置によれば、限られたサイズの基板の中に効率良く円偏波用の線状アンテナを配置することができ、基板サイズをより小さく抑えることができる。
更に、本発明のアンテナ装置において、基板は、導電層、及び該導電層を挟んで配置された一対の誘電体層からなる基部と、基部の一方の面に互いに等間隔の隙間を空けて二次元的に配置された同一形状を有する複数の金属小板と、基部内にて導体層と金属小板のそれぞれとを電気的に連結する第1の連結部とからなり、金属小板の配置面が、バンドギャップ面となるように構成されていてもよい。
このように構成された基板は、いわゆるEBG(Electromagnetic Band-Gap)構造と呼ばれるものであり、隣接する金属小板間のギャップに生じるキャパシタンス成分、その隣接する金属小板間の電流経路(金属小板−連結部−導体板−連結部−金属小板)に生じるインダクタンス成分で構成される多数のLC共振回路を並列接続した等価回路で表される。そして、バンドギャップ面が高インピーダンスとなるLC共振回路の共振周波数付近が特定周波数帯となるように設定される。
ところで、この種のアンテナ装置では、一般的に小型化,薄型化への要求があるが、EBG構造を有した基板では、薄型化のために金属小板と導体板とを接近させ過ぎると、金属小板と導体板との間に生じる浮遊容量によってインダクタンス成分の効果を低下させてしまうため、所望の周波数帯で基板をHIPとして機能させることができなくなるという問題がある。
そこで、本発明のアンテナ装置において、導電層と金属小板とに挟まれた誘電体層である第1の誘電体層は、金属小板の形成面側に位置する高誘電率層と、導電層の形成面側に位置し高誘電率層より誘電率が低い低誘電率層とからなる二層構造を有することが望ましい。
このように構成された本発明のアンテナ装置によれば、高誘電率層によって金属小板間の容量を確保しつつ、低誘電率層によって金属小板と導電層との間に生じる浮遊容量を小さく抑えることができ、低誘電率層が存在しない場合と比較して、導電層と金属小板とをより接近させて配置すること、即ち、当該アンテナ装置を薄型化することができる。さらに高誘電率層の厚みを低誘電率層の厚みに対して薄くすることで、金属小片と導体板に生じる浮遊容量をさらに低下させることができる。
また、この場合、それぞれが二つ以上の金属小板と対向するように高誘電率層に埋設された複数の対向金属小板と、基部内にて導体層と対向金属小板のそれぞれとを電気的に連結する第2の連結部とを備えていてもよい。
このように構成された本発明のアンテナ装置によれば、対向金属小板によってバンドギャップ面の特性を決める容量分を増大させることができるため、より低い周波数帯で基板をHIPとして機能させることができる。
また、基板は、高誘電率層と低誘電率層との接触面にて2分割され、高誘電率層を含んだ第1部材と低誘電率層を含んだ第2部材とからなり、これら両部材を一体に接合することで構成されていてもよい。この場合、連結部は、第1部材及び第2部材のそれぞれ分割して設けられ、該連結部の分割端には、接触面にて互いに対向する対向電極が設けられていることが望ましい。
このように構成された本発明のアンテナ装置によれば、誘電率が異なる誘電体層を有した第1部材と第2部材とを個別に製造できるため、製造工程を簡略化することができる。
なお、対向電極は、第1部材と第2部材とを接合した時に当接し合うように接触面に露出させて形成してもよいが、第1部材側の対向電極が高誘電率層が埋設されるように形成してもよい。
この場合、第1部材側の対向電極と第2部材側の対向電極との間に容量が形成されるため、この容量分を調整することによって、基板をHIPとして機能させる周波数帯を簡単に調整することができる。
また、本発明のアンテナ装置において、低誘電率層を省略し、高誘電率層と導電層とが非接触状態で対向するように基部を形成してもよい。
つまり、低誘電率層が省略された空間には誘電率が低い空気(ε=1)が充填されることになるため、金属小板と導電層との間に生じる浮遊容量を効率良く抑制することができる。
本発明のアンテナ装置において、基部の金属小板配置面とは反対側の面には、放射素子部の駆動又は調整に用いる伝送線路を形成してもよい。
更に、本発明のアンテナ装置には、バンドギャップ層を放射素子部を含めて覆う誘電体からなる被覆層を設けてもよい。
この場合、誘電体からなる被覆層による波長短縮作用により、放射素子部のサイズを縮小すること、ひいては、当該アンテナ装置をより小型化することができる。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[第1実施形態]
<全体構成>
図1は、GPSやETCの車載器に使用するアンテナ装置1の外観を示す斜視図、図2は、(a)がアンテナ装置1の平面図,(b)が正面図,(c)が底面図である。
図1及び図2に示すように、アンテナ装置1は、予め設定された特定周波数帯で高インピーダンスとなる構造を有した基板3と、その基板3上に、ほぼ正方形の輪郭を形成するように配置された一対の線状アンテナ51,52からなる放射素子部5とからなる。
<放射素子部の構成>
放射素子部5を構成する一対の線状アンテナ51,52のうち、一方の線状アンテナ(以下、第1線状アンテナという)51は、特定周波数帯に属する作動周波数帯の電磁波の1波長分に相当する全長を有し、コの字状となるように2箇所で90°に屈曲され、3本の直線辺部を有する、いわゆるクランクライン型に形成されている。但し、直線辺部のうち、両端に位置して互いに対向する直線辺部は、一端(以下,短端辺という)が他端(長端辺という)より短く形成されている。
また、他方の線状アンテナ(以下、第2線状アンテナという)52は、第1線状アンテン51と同様に構成されている。そして、第1線状アンテナ51の短端辺と第2線状アンテナ52の長端辺、及び、第1線状アンテナ51の長端辺と第2線状アンテナ52の短端辺が、それぞれ同一辺を形成し、両線状アンテナ51,52で正方形の輪郭を形成すると共に、両線状アンテナ51,52は、アンテナ中心に対して180度回転対称となる形状を有するように配置されている。
なお、第1線状アンテナ51の両端部51a,51b(図4参照)は、基板3に形成されたスルーホールからなる一対の取付孔41,42に、第2線状アンテナ52の両端部52a,52b(図4参照)は、同じく基板3に設けられたスルーホールからなる一対の取付孔43,44に、それぞれ固定されている。但し、両線状アンテナ51,52は、その両端部51a,51b,52a,52b以外の部分が基板3と接触することがないように、基板面から隙間を開けて配置されている。
<基板の構成>
基板3は、金属製の導電層31aおよび導電層31aを挟んで積層された板状の誘電体からなる第1及び第2誘電体層31b,31cからなる基板基部31と、基板基部31の第1誘電体層31b側の外面(以下、基板基部31の表面という)を覆い、且つ、互いに等間隔の隙間を空けて二次元格子状に配列された同一形状(本実施形態では正方形)を有する複数の金属小板33と、基板基部31(特に、第1誘電体層31b)内にて前記導電層31aと前記金属小板33のそれぞれとを電気的に連結する連結部34(図3参照)とからなる。
なお、図3は、基板3を、第1及び第2誘電体層31b,31cを除いて示した説明図である。また、このような基板構造は、第1誘電体層31bに、予め連結部34となる微小貫通孔を形成しておくと共に、第1誘電体層31bの表面に、金属小板33のパターンを印刷しておき、その後、第1誘電体層31bの表面のパターン、裏面、微小貫通孔に、金属メッキなどにより金属膜を形成し、更に、金属膜(即ち、導電層31a)で覆われた第1誘電体層31bの裏面に第2誘電体層31cを積層することにより、容易に製造することができる。つまり、図1,3において、金属小板33の中心に示された正方形のパターンは、この製造上必要となる微小貫通孔の名残である。
また、以下では、金属小板33が配列された基板3の表面をバンドギャップ面ともいう。そして、第1及び第2誘電体層31b,31cの厚さや材質(誘電率)、金属小板33の数や大きさ、金属小板33間の隙間の幅は、特定周波数帯にてバンドギャップ面が高インピーダンスとなるように設定されている。
更に、取付孔41〜44の形成箇所に位置する金属小板33には、その取付孔41〜44や第1及び第2線状アンテナ51,52と接触することがないように、取付孔41〜44の周囲に第1誘電体層31bを露出させるための切欠部が形成されている。また、ここでは図示されていないが、取付孔41〜44に固定された第1及び第2線状アンテナ51,52の端部51a,51b,52a,52bと導電層31aとが接触することがないように、導電層31aにも、金属小板33に形成された切欠部と同サイズの切欠部が取付孔41〜44の周囲に形成されている
次に、基板基部31の第2誘電体層31c側の面(以下、基板3の裏面という)には、図2(c)に示すように、取付孔41〜44が開口しており、このうち、取付孔41は、第1及び第2線状アンテナ51,52への給電点61として使用される。
なお給電点61には、ここでは図示していないが、高周波用のコネクタが接続される。また、第1及び第2線状アンテナ51,52への給電は、導電層31aをGNDとして行われるため、コネクタのGND側は導電層31aに接続される。
また、基板3の裏面には、取付孔42と取付孔43とを接続するコの字状の接続ライン45、取付孔42から延設され、取付孔42にて第1線状アンテナ51を伝搬してくる信号が取付孔42(即ち、第1線状アンテナ51と接続ライン45との境界)にて反射することがないように、第1線状アンテナ51を終端する整合用スタブ46、接続ライン45を伝搬してくる信号が取付孔43(即ち、接続ライン45と第2線状アンテナ52との境界)にて反射することがないように、接続ライン45を終端する整合用スタブ47、第2線状アンテナ52を伝搬してくる信号が取付孔44(即ち、第2線状アンテナ52の先端)にて反射することがないように、第2線状アンテナ52を終端する整合用スタブ48が形成されている。なお、これら、接続ライン45及び整合用スタブ46〜48は、マイクロストリップラインからなる。
ここで、図4は、第1及び第2線状アンテナ51,52、その両端部51a,51b,52a,52bが固定される取付孔41〜44、接続ライン45、整合用スタブ46〜48の接続関係を、3次元的に示した説明図である。
つまり、給電点61(取付孔41)から供給された高周波電流は、第1線状アンテナ51に供給されるだけでなく、接続ライン45を介して第2線状アンテナ52にも供給され、また、整合用スタブ46,48により終端された第1及び第2線状アンテナ51,52は、進行波型のアンテナとして作用するように構成されている。更に、接続ライン45の長さ(ひいては、両線状アンテナ51,52に供給される高周波電流の位相差)は、第1及び第2線状アンテナ51,52によって円偏波が放射されるように設定されている。
<効果>
以上説明したようにアンテナ装置1では、導電性を有し、且つ特定周波数帯の電磁波の伝搬を阻止するバンドギャップ面を備えた基板3、いわゆるEBG構造を有したHIP上に、特定周波数帯に属する作動周波数帯の円偏波を送受信する進行波型の第1及び第2線状アンテナ51,52を、バンドギャップ面に沿って配置している。
従って、アンテナ装置1によれば、基板3のバンドギャップ面(金属小板33の配列面)に、第1及び第2線状アンテナ51,52の鏡像が生じることがないため、これら第1及び第2線状アンテナ51,52をバンドギャップ面に最大限に接近させて配置することができ、アンテナを低姿勢化、ひいてはアンテナ装置1を小型化することができる。
また、進行波型の第1及び第2線状アンテナ51,52を用いるアンテナ装置1では、進行波型の第1及び第2線状アンテナ51,52をバンドギャップ面に最大限接近させて配置することで、第1及び第2線状アンテナ51,52より背面に回りこむ電磁波を抑制している。このため、アンテナ装置1によれば、アンテナ地板が大きいほど裏面放射(アンテナ背面への電波の漏洩)の抑制効果が向上するパッチアンテナと比較して、同じサイズの基板3を用いるのであれば、パッチアンテナより背面放射を効率よく抑制することができる。
ここで、図5は、アンテナ装置1と、アンテナ地板が基板3と同じサイズであり、作動周波数帯が同じであるパッチアンテナとで放射特性を測定した結果を表すグラフであり、(a)がアンテナ装置1、(b)がパッチアンテナである。
但し、測定条件は、基板3の誘電体層31は、縦:60mm×横:60mm×厚さ:3.2mm、比誘電率が4のガラスエポキシ樹脂からなり、HIP基板の作動周波数帯は5.8GHz、線状アンテナ51,52が形成する正方形の一辺が約20mmである。比較するパッチアンテナの金属地板サイズ縦:60mm×横:60mm×厚さ0.5mm、誘電体パッチアンテナ部分のサイズ縦:13mm×横:13mm×厚さ:5mmである。
なお、図5では、バンドギャップ面に対して直交する方向のうち、基板3の裏面側から表面側に向かう方向を0°、その逆方向を180°とした。
図5からは、アンテナ装置1では、パッチアンテナと比較して、裏面放射が大幅に改善されていることがわかる。つまり、裏面放射を同程度とするならば、アンテナ装置1は、パッチアンテナより基板3のサイズを小さくすることができ、基板3とアンテナ地板のサイズが同じであれば、アンテナ装置1は、パッチアンテナより裏面放射をより抑えることができるのである。
このように、バンドギャップ面を備えた基板3と進行波型の線状アンテナ51,52とを組み合わせたアンテナ装置1によれは、基板3のサイズの小型化と、アンテナの裏面放射の抑制とをいずれも達成することができる。
更に、進行波型の線状アンテナ51,52を用いるアンテナ装置1では、定在波の共振を用いる定在波型のアンテナと比較して、より広い作動周波数を得ることができ、更に、第1線状アンテナ51と第2線状アンテナ52とを接続する接続ライン45の長さを適宜選択して、両線状アンテナ51,52を伝搬する信号の位相差を調整することにより、円偏波の指向性を天頂方向に対し、斜め方向に放射することもできる。
なお、本実施形態では、第1及び第2線状アンテナ51,52が、個々の金属小板33の中心位置を結ぶ直線に沿って配置されているが、これに限るものではなく、例えば、図6に示すアンテナ装置1aのように、金属小板33間の隙間に沿って配置されていてもよい。
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。
<全体構成>
図7は、本実施形態のアンテナ装置10の外観を示す斜視図、図8は(a)がアンテナ装置10の平面図,(b)が正面図,(c)が底面図である。
図7及び図8に示すように、アンテナ装置10は、それぞれが異なる特定周波数帯で高インピーダンスとなる三つの部位13a,13b,13cを有した基板13と、各部位13a〜13cにそれぞれ配置された三つの放射素子部15(15a,15b,15c)とからなる。
以下では、基板13の三つの部位のうち、基板13のほぼ中央に位置する正方形の領域を第1部位13a、第1部位13aに隣接し、長辺が第1部位13aの一辺と同じ長さを有する長方形の領域を第2部位13b、基板13の外周に沿って、第1部位13a及び第2部位13bを囲う環状の領域を第3部位13cとよぶ。
<放射素子部の構成>
そして、第1放射素子部15aは、第1部位13a上に配置され、円偏波を送受信できるように第1実施形態の第1及び第2線状アンテナ51,52同様に形成された一対の線状アンテナ151,152からなる。また、第2放射素子部15bは、特定周波数帯に属する作動周波数帯の電磁波の1/4波長分に相当する全長を有し第2の部位13b上に配置され、直線偏波を送受信できるように直線的に配置された一本の線状アンテナ153からなる。第3放射素子部15cは、第3部位13c上に配置され、円偏波を送受信できるように第1部位13aの線状アンテナ151,152を相似的に拡大した形状を有する一対の線状アンテナ154,155からなる。
なお、線状アンテナ151,152,154,155の両端部151a,151b,152a,152b,154a,154b,155a,155b、及び線状アンテナ153の一方の端部153aは、それぞれ、基板13に形成されたスルーホールからなる取付孔141〜144,341〜344,241に固定されている。但し、各線状アンテナ151〜155は、その固定された端部以外の部分が基板13と接触することがないように、基板面から隙間を開けて配置されている。
<基板の構成>
基板13は、第1実施形態と同様に、導体層31a,第1及び第2誘電体層31b,31cからなる基板基部31と金属小板33と連結部34(図示せず)とからなる。
但し、各部位13a〜13cに配置される放射素子部15a〜15cが送受信する電磁波の周波数(作動周波数帯)に従って、各部位13a〜13cの金属小板33(33a〜33c)の大きさは、第1部位13aに配置された金属小板33aが最も小さく、第3部位13cに配置された金属小板33cが最も大きくなるように設定されている。
また、同一部位13a〜13cに属する金属小板33a〜33c間の隙間の幅は、部位13a〜13cによらず一定とされ(但し、かならずしも金属小板33a〜33c間の隙間は全て一定でなくても金属小板33a,33b,33cのそれぞれで一定であればよい)、各部位13a〜13c間の幅は、上記隙間の幅より十分に大きく(例えば、5倍以上に)なるように設定されている。
なお、本実施形態では、各部位13a〜13cでは、誘電体層31の厚さや材質(誘電率)、金属小板33a〜33c間の隙間の幅はそれぞれ一定であるため、金属小板33a〜33cの数や大きさを適宜選択することにより、各部位13a〜13c毎に設定された特定周波数帯にてバンドギャップ面が高インピーダンスとなるように設定されている。
また、線状アンテナ151〜155を取り付ける取付孔141〜144,241,242,341〜344の形成箇所に位置する金属小板33a〜33cには、第1実施形態の場合と同様に、その取付孔141〜144,241,242,341〜344や線状アンテナ151〜155と接触することがないように切欠部が形成されている。
次に、基板基部31の第2誘電体31c側の面(即ち、基板13の裏面)には、図8(c)に示すように、取付孔141〜144,241,341〜344が開口しており、このうち、取付孔141,241,341は、各放射素子部15a〜15cへの給電点(第1〜第3給電点)161,162,163として使用される。
特に、基板の第1部位13aの裏面には、第1実施形態における接続ライン45,整合用スタブ46〜48と同様に形成された接続ライン145,整合用スタブ146〜148が設けられている。但し、これら接続ライン145,整合用スタブ146〜148についての説明は、第1実施形態の対応する記載において、取付孔41〜44を取付孔141〜144、線状アンテナ51,52(両端部51a,51b,52a,52b)を線状アンテナ151,152(両端部151a,151b,152a,152b)に読み替えればよい(図4参照)。
つまり、第1給電点161(取付孔141)から供給された高周波電流は、線状アンテナ151に供給されるだけでなく、接続ライン145を介して線状アンテナ152にも供給され、また、整合用スタブ146,148により終端された線状アンテナ151,152は、進行波型のアンテナとして作用する。更に、接続ライン145の長さ(即ち、両線状アンテナ151,152に供給される高周波電流の位相差)は、線状アンテナ151,152によって円偏波が放射されるように設定されている。
また、基板の第3部位13cの裏面には、第1実施形態における接続ライン45,整合用スタブ46〜48を相似的に拡大して形成した接続ライン345(但し、その一部は第3部位13cの裏面からはみだして形成されている),整合用スタブ346〜348が設けられている。但し、これら接続ライン345,整合用スタブ346〜348についての説明は、第1実施形態の対応する記載において、取付孔41〜44を取付孔341〜344、給電点61を第3給電点163、線状アンテナ51,52(両端部51a,51b,52a,52b)を線状アンテナ154,155(両端部154a,154b,155a,155b)に読み替えればよい(図9(a)参照)。
つまり、第3給電点163(取付孔341)から供給された高周波電流は、線状アンテナ154に供給されるだけでなく、接続ライン345を介して線状アンテナ155にも供給され、また、整合用スタブ346,348により終端された線状アンテナ154,155は、進行波型のアンテナとして作用する。更に、接続ライン345の長さ(即ち、両線状アンテナ154,155に供給される高周波電流の位相差)は、線状アンテナ154,155によって第1放射素子部15aより低い周波数帯の円偏波が放射されるように設定されている。
また、第2給電点162(取付孔241)から供給された高周波電流は、線状アンテナ153に供給され、取付孔242側の端部が開放された線状アンテナ153は、共振型のアンテナとして作用し、第1放射素子部15aより低く、第3放射素子部15cより高い周波数帯の直線偏波が放射されるように設定されている(図9(b)参照)。
なお、第2放射素子部15bを構成する線状アンテナ153の共振周波数は所望の周波数を送受するために必要に応じ調整するもので、第1及び第3放射素子部15a,15cと第2放射素子部15bの共振周波数の関係はこれ以外のケースもありうる。ここでは第2放射素子部15bとして、線状のアンテナを用いたが、直線偏波を放射するアンテナであれば折返し、ミアンダ形状等でもよい。また、共振型のアンテナとしたが第1放射素子部15aのように直線状の進行波型アンテナでもよい。
なお、図9(a)は、線状アンテナ154,155、その両端部154a,154b,155a,155bを固定する取付孔341〜344、接続ライン345、整合用スタブ346〜348の接続関係を、3次元的に示した説明図であり、図9(b)は、線状アンテナ153、線状アンテナの端部153aを固定する取付孔241の接続関係を、3次元的に示した説明図である。
<効果>
以上説明したように、アンテナ装置10では、基板13の各部位13a〜13cが、いずれも、導電性を有し、且つ特定周波数帯の電磁波の伝搬を素子するバンドギャップ面を備えた、いわゆるEBG構造を有したHIPとして構成され、その各部位13a〜13c上に、特定周波数帯に属する作動周波数帯の円偏波、又は直線偏波を送受信する線状アンテナ151〜155を、バンドギャップ面に沿って配置している。
従って、アンテナ装置10によれば、第1実施形態のアンテナ装置1と同様の効果を得ることができる。
また、アンテナ装置10では、円偏波を送受信する第1及び第3放射素子部15a,15cが形成される第1及び第3部位13a,13cは、同心状に形成されているため、限られたサイズの基板13の中に効率よく第1及び第3放射素子部15a,15cを配置することができ、複数周波数帯の電磁波を送受信するにも関わらず、基板サイズを小さく抑えることができる。
なお、上述のアンテナ装置10では、基板13が三つの部位13a〜13cからなるが、図10に示すアンテナ装置10aのように、第2部位13b(第2放射素子部15b)を省略して、第1部位13a(第1放射素子部15a)及び第3部位13c(第3放射素子部15c)のみからなる構成や、図11に示すアンテナ装置10bのように、第3部位13c(第3放射素子部15c)を省略して、第1部位13a(第1放射素子部15a)及び第2部位13b(第2放射素子部15b)のみからなる構成としてもよい。
[第3実施形態]
次に第3実施形態について説明する。
<全体構成>
図12は、(a)が本実施形態のアンテナ装置100の平面図,(b)がA−A断面図であり、図13は、アンテナ装置100の底面図、である。
図12及び図13に示すように、アンテナ装置100は、予め設定された特定周波数帯で高インピーダンスとなる構造を有した基板103と、その基板103上に配置され、第1実施形態の放射素子部5と同様に形成された一対の線状アンテナ51,52からなる放射素子部105とを備えている。
また、アンテナ装置100は、開口を有する金属製ケースSCに、放射素子部105の配置面が開口部から露出するように収納され、金属製ケースSCの底面(開口部とは反対側の面)には、アンテナ装置100に対する給電用の同軸コネクタCNが設置されている。
なお、アンテナ装置100は、基板103の構成が第1実施形態とは異なるだけであるため、以下では、基板103の構成を中心に説明する。
<基板の構成>
基板103は、金属製の導電層71および導電層71を挟んで積層された板状の誘電体からなる第1及び第2誘電体層72,73からなる基板基部70と、基板基部70の第1誘電体層72側の外面(以下、基板基部70の表面という)を覆い、且つ、互いに等間隔の隙間を空けて二次元格子状に配列された同一形状(本実施形態では正方形)を有する複数の金属小板74と、基板基部70(特に、第1誘電体層72)内にて前記導電層71と金属小板74のそれぞれとを電気的に連結する連結部75とからなる。
また、第1誘電体層72は、誘電率の異なる2つの部位からなる2層構造を有しており、第1の誘電率ε1を有し金属小板74の形成面側に位置する部位を高誘電率層72a、第1の誘電率ε1より低い第2の誘電率ε2を有し導電層71の形成面側に位置する部位を低誘電率層72bという。
そして、基板基部70は、高誘電率層72aと低誘電率層72bとが接する接触面で分割してなる第1部材70a(高誘電率層72aを含む側)と、第2部材70b(低誘電率層72bを含む側)とからなり、これら両部材70a,70bを接合することで構成されている。
また、連結部75は、第1部材70a、及び第2部材70bのそれぞれに分割して設けられ、各部材70a,70bに設けられた連結部75a,75bの分割端には、前記接触面にて互いに対向する対向電極が設けられている。但し、この対向電極は、金属小板74と比較して面積が十分に小さい(例えば、1/2以下)ものが用いられている。
また、第1部材70a側の対向電極は、高誘電率層72aに埋設され、第2部材70b側の対向電極は、低誘電率層72b側の接触面に露出するように設置されている。つまり、第1部材70aと第2部材70bとを接合すると、両部材70a,70bに設けられた対向電極がコンデンサを形成するように構成されている。
そして、高誘電率層72a,低誘電率層72bの厚さや材質(誘電率)、金属小板74の数や大きさ、金属小板74間の隙間の幅、分割電極(連結部75)が形成するコンデンサの容量は、特定周波数帯にてバンドギャップ面(金属小板74が配列された基板103の表面)が高インピーダンスとなるように設定されている。
更に、第1及び第2線状アンテナ51,52の両端部を固定するために基板103に形成された取付孔81〜84は、両部材70a,70bを接合した時に、両部材70a,70b(即ち、基板基部70)を貫通するように形成されている。
なお、取付孔81〜84の形成箇所に位置する金属小板74には、その取付孔81〜84や第1及び第2線状アンテナ51,52と接触することがないように、取付孔81〜84の周囲に高誘電率層72aを露出させるための切欠部が形成されている。また、ここでは図示されていないが、取付孔81〜84に固定された第1及び第2線状アンテナ51,52の端部と導電層71とが接触することがないように、導電層71にも、金属小板74に形成された切欠部と同サイズの切欠部が取付孔81〜84の周囲に形成されている
次に、基板基部70の第2誘電体層73側の面(以下、基板103の裏面という)には、取付孔81〜84が開口していると共に、給電用の同軸コネクタCNを接続するための電極(給電点)85,86、及び電極85,86を介して給電される電力を電力分配するためのウィルキンソン分配器87が設けられている。但し、電極85は、同軸コネクタCNの中心導体に接続され、電極86は同軸コネクタCNの外部導体に接続されると共に、導電層71と導通するように構成されている。
また、取付孔81,83には、それぞれ第1線状アンテナ51,第2線状アンテナ52を終端するための終端負荷88,89が接続され、取付孔82,84には、ウィルキンソン分配器87を介して給電点85からの給電が行われるように配線されている。なお、これらの配線には、マイクロストリップラインが用いられている。
つまり、給電点85から供給された高周波電流は、ウィルキンソン分配器87にて分配され、取付孔82,84を介して第1及び第2線状アンテナ51,52に供給される。また、終端負荷88,89により終端された第1及び第2線状アンテナ51,52は、進行波型のアンテナとして動作する。但し、ウィルキンソン分配器87から取付孔82,84に至る配線の長さ(ひいては、両線状アンテナ51,52に供給される高周波電流の位相差)は、第1及び第2線状アンテナ51,52によって円偏波が放射されるように設定されている。
<効果>
以上説明したようにアンテナ装置100では、導電性を有し、且つ特定周波数帯の電磁波の伝搬を阻止するバンドギャップ面を備えた基板103、いわゆるEBG構造を有したHIP上に、特定周波数帯に属する作動周波数帯の円偏波を送受信する進行波型の第1及び第2線状アンテナ51,52を、バンドギャップ面に沿って配置している。
従って、アンテナ装置100によれば、第1実施形態のアンテナ装置1と同様に、第1及び第2線状アンテナ51,52をバンドギャップ面に最大限に接近させて配置することができ、アンテナを低姿勢化、ひいてはアンテナ装置100を小型化することができる。
また、アンテナ装置100では、金属小板74と導電層71との間に介在する第1誘電体層72が、誘電率の異なる高誘電率層72aと低誘電率層72bとで構成されている。 従って、アンテナ装置100によれば、高誘電率層72aによって金属小板74間の容量を確保しつつ、低誘電率層72bによって金属小板74と導電層71との間に生じる浮遊容量を小さく抑えることができ、その結果、基板基部70(ひいては当該アンテナ装置100)をより薄型に構成することができる。
また、本実施形態では、進行波型の第1及び第2線状アンテナ51,52をバンドギャップ面に最大限接近させて配置するだけでなく、アンテナ装置100を金属製ケースに収納することで、第1及び第2線状アンテナ51,52より背面に回りこむ電磁波を抑制しているため、アンテナ装置100の背面放射をより効果的に抑制することができる。
更に、第1実施形態とはことなり、第1及び第2線状アンテナ51,52を、直列に給電するのではなく、分配器87を用いて並列に給電しているため、両線状アンテナ51,52にバランスよく給電できる。このため所望の円偏波(ここでは右旋)に対して不要な円偏波(ここでは左旋)が生じる比率を小さく抑えることができる。
ここで、図14は、アンテナ装置100の放射特性を測定した結果を示すグラフであり、バンドギャップ面の法線方向をZ軸として、(a)がYZ面、(b)XZ面についての測定結果である。
但し、基板103のサイズは縦:60mm×横:60mmであり、高誘電率層72aは、厚さ:0.5mm、比誘電率が7の高誘電率樹脂材からなり、低誘電率層72bは、厚さ:1.5mm、比誘電率が4のガラスエポキシ基板からなり、第2誘電体層73は、厚さ0.5mm、比誘電率が4のガラスエポキシ基板からなる。また、HIP基板の作動周波数帯は1.6GHz、線状アンテナ51,52が形成する正方形の一辺が約10mmである。
図14からは、アンテナ装置100では、放射すべき右旋の円偏波に対して、不要な左旋の円偏波の放射が十分に抑制されていることがわかる。
このように、アンテナ装置100によれは、アンテナ特性を劣化させることなく、基板103のサイズの小型化を達成することができる。
なお、本実施形態では、第1及び第2線状アンテナ51,52が、個々の金属小板74の中心位置を結ぶ直線に沿って配置されているが、これに限るものではなく、図6に示したアンテナ装置1aと同様に、金属小板74間の隙間に沿って配置されていてもよい。
[第4実施形態]
次に第4実施形態について説明する。
<全体構成>
図15は、(a)が本実施形態のアンテナ装置110の平面図,(b)がB−B断面図、(c)がC−C断面図であり、図16は、図15(c)におけるアンテナ装置110のD−D断面図である。
図15及び図16に示すように、アンテナ装置110は、予め設定された特定周波数帯で高インピーダンスとなる構造を有した基板113と、その基板113上に配置され、第1実施形態の放射素子部5と同様に形成された一対の線状アンテナ51,52からなる放射素子部105とを備えている。但し、図15(b)(c)では、線状アンテナ51,52の図示を省略している。
なお、アンテナ装置110は、基板113の構成の一部が第3実施形態の基板103と異なるだけであるため、以下では、基板113について説明する。
<基板の構成>
基板113は、金属小板174の形状が第3実施形態における金属小板74とは異なっていると共に、一部構成が追加されているだけであるため、第3実施形態における構成と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略し、構成が相違する部分についてのみ説明する。
金属小板174は、正方形の各辺の中心から正方形の中心に向けて、それぞれスリットを形成した形状を有している。以下では、スリットによって区切られた4つの部位を小片部位とよぶものとする。
そして、高誘電率層72aには、金属小板174と相似形状に形成された対向金属小板176が、金属小板174と対向するように埋設されている(特に、図15(c)及び図16参照)。
なお、対向金属小板176は、その四つの小片部位のそれぞれが、互いに異なった金属小板174に属する四つの小片部位と対向するように配置されていると共に、連結部75と同様に構成された第2の連結部178(178a,178b)を介して導電層71と電気的に連結するように構成されている。
<効果>
以上説明したように、アンテナ装置110では、対向金属小板176と、その対向金属小板176を接地する第2の連結部178とが設けられているため、バンドギャップ面の特性を決める容量分やインダクタンス分を増大させることができ、バンドギャップ面の差動周波数帯を、より低い周波数帯に設定可能とすることができる。
[他の実施形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、上記第3及び第4実施形態のアンテナ装置100,110では、基板基部70に低誘電率層72bが設けられているが、図17(a)に示すように、低誘電率層72bを省略し、高誘電率層72aと導電層71とが空間を介して対向するように構成してもよい。
上記第3及び第4実施形態のアンテナ装置100,110では、金属小板74,174は、板厚部分でのみ対向しているが、図17(b)に示すように、隣接する金属小板の下方に延設された腕部179を設け、金属小板74,174間の対向面積を増加させることによって、バンドギャップ面の特性を決める容量分を増大させるように構成してもよい。
上記第3及び第4実施形態のアンテナ装置100,110では、第1部材70a側の対向電極は、高誘電率層72aに埋設されているが、図17(c)に示すように、第1部材70a側の対向電極も、第2部材70b側の対向電極と同様に、接触面に露出するように設置してもよい。この場合、両部材70a,70bの対向電極は当接し合って導通することになり、容量分を増大させることはない。
上記第3及び第4実施形態のアンテナ装置100,110では、基板基部70は、第1部材70aと第2部材70bとに分割(即ち、第1誘電体層72を高誘電率層72aと低誘電率層72bとに分割)して構成したものを接合することで構成されているが、図17(d)に示すように、はじめから一体に構成してもよい。この場合、当然、対向電極を設ける必要がない。図17ではすべて72a層は72b層に対して同等かあるいはそれより厚くなっているが、72a層が72b層に対してより薄いほうが、導電層71と金属小片74で形成される浮遊容量の影響はより軽減される。
上記アンテナ装置1(1a,10,10a,10b,100,110)では、放射素子部5(15,105)が外部に露出した状態とされているが、図18に示すように、この放射素子部5(15,105)を含めた基板3(13,103,113)のバンドギャップ面全体を高誘電体層4で覆うように構成してもよい。
この場合、高誘電体層4による波長短縮効果により、放射素子部5(15,105)のサイズを小さくすることができ、アンテナ装置1(1a,10,10a,10b,100,110)をより小型化することができる。
また、上記アンテナ装置1(1a,10,10a,10b,100,110)では、放射素子部5(15,105)が基板3(13,103,113)のバンドギャップ面と接触しないように、両者間に隙間を設けて配置したが、隙間を設ける代わりに、バンドギャップ面を絶縁体(例えば、誘電体)で覆い、その絶縁体と接触させて放射素子部5(15,105)を配置してもよい。
この場合、両者間の絶縁を確実なものとすることができると共に、バンドギャップ面からの放射素子部5(15,105)の突出量を最小限に抑えることができ、アンテナ装置1(1a,10,10a,10b,100,110)をより薄型化することができる。
また、アンテナ装置10(10a)では、第3部位13cの金属小板33cを一列とし外周を周回しているが、複数列で外周を周回するように配置してもよい。
アンテナ装置10(10b)の第2部位13bも同様に一列ではなく、複数列配置してもよい。
アンテナ装置1(1a,10,10a,10b,100,110)では、基板3(13,103,113)の裏面のパターンは導電層31aと誘電体層31cを構成要素としたマイクロストリップラインで構成されているが、ストリップライン、あるいは他の伝送線路で構成してもよい。
また、第3実施形態で示した給電方式(第1及び第2線状アンテナ51,52に対する並列給電)を他の実施形態に適用してもよい。
第1実施形態のアンテナ装置の外観を示す斜視図。 第1実施形態のアンテナ装置の平面図,正面図,底面図。 第1実施形態における基板を、誘電体層を除いて示した説明図。 第1実施形態における取付孔、線状アンテナ、接続ライン、整合用スタブの接続関係を、3次元的に示した説明図。 第1実施形態のアンテナ装置、及び従来装置(パッチアンテナ)について放射特性を測定した結果を示すグラフ。 第1実施形態の変形例の外観を示す斜視図。 第2実施形態のアンテナ装置の外観を示す斜視図。 第2実施形態のアンテナ装置の平面図,正面図,底面図。 第2実施形態において、第2部位,第3部位における取付孔、線状アンテナ、接続ライン、整合用スタブの接続関係を3次元的に示した説明図。 第2実施形態の変形例の外観を示す斜視図。 第2実施形態の変形例の外観を示す斜視図。 第3実施形態のアンテナ装置の平面図,A−A断面図。 第3実施形態のアンテナ装置の底面図。 第3実施形態のアンテナ装置の放射特性を測定した結果を示すグラフ。 第4実施形態のアンテナ装置の平面図,B−B断面図,C−C断面図。 第4実施形態のアンテナ装置のD−D断面図。 第3及び第4実施形態の変形例の構成を示す断面図。 他の変形例の外観を示す斜視図。
符号の説明
1,1a,10,10a,10b,100,110…アンテナ装置 3,13,103,113…基板 4…高誘電体層 5,15(15a〜15c),105…放射素子部 31,70…基板基部 31a,71…導電層 31b,72…第1誘電体層 31c,73…第2誘電体層 33(33a〜33c),74,174…金属小板 34,75(75a,75b),178(178a,178b)…連結部 41〜44,81〜84,141〜144,241,242,341〜344…取付孔 45,145,345…接続ライン 46〜48,146〜148,346〜348…整合用スタブ 51,52,151〜155…線状アンテナ 61,161〜63…給電点 70a…第1部材 70b…第2部材 72a…高誘電率層 72b…低誘電率層 85,86…電極 87…ウィルキンソン分配器 88,89…終端抵抗 176…対向金属小板 179…腕部 CN…同軸コネクタ SC…金属製ケース

Claims (11)

  1. 導電性を有し、且つ特定周波数帯の電磁波の伝搬を阻止するバンドギャップ面を備えた基板と、
    それぞれがコの字状となるように屈曲された形状を有する一対の進行波型の線状アンテナを、前記基板の前記バンドギャップ面側に、該バンドギャップ面に沿って、且つ、アンテナ中心に対して180度回転対称となるように配置することで、前記特定周波数帯に属する作動周波数帯の円偏波を送受信する形状を有するように構成された放射素子部と、
    を備えることを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記基板は、前記特定周波数帯が互いに異なった複数のバンドギャップ面を有し、
    前記バンドギャップ面のそれぞれに、前記作動周波数帯が互いに異なる前記放射素子部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記バンドギャップ面の少なくとも一部は、同心状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記基板は、
    導電層、及び該導電層を挟んで配置された一対の誘電体層からなる基部と、
    前記基部の一方の面に互いに等間隔の隙間を空けて二次元的に配置された同一形状を有する複数の金属小板と、
    前記基部内にて前記導体層と前記金属小板のそれぞれとを電気的に連結する第1の連結部と、
    からなり、前記金属小板の配置面が、前記バンドギャップ面とされていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のアンテナ装置。
  5. 前記導電層と前記金属小板とに挟まれた誘電体層である第1の誘電体層は、前記金属小板の形成面側に位置する高誘電率層と、前記導電層の形成面側に位置し前記高誘電率層より誘電率が低い低誘電率層とからなる二層構造を有することを特徴とする請求項4に記載のアンテナ装置。
  6. それぞれが二つ以上の前記金属小板と対向するように前記高誘電率層に埋設された複数の対向金属小板と、
    前記基部内にて前記導体層と前記対向金属小板のそれぞれとを電気的に連結する第2の連結部と、
    を備えることを特徴とする請求項5に記載のアンテナ装置。
  7. 前記基板は、前記高誘電率層と前記低誘電率層との接触面にて2分割され、前記高誘電率層を含んだ第1部材と前記低誘電率層を含んだ第2部材とからなり、これら両部材を一体に接合することで構成され、
    前記連結部は、前記第1部材及び第2部材のそれぞれに分割して設けられ、該連結部の分割端には、前記接触面にて互いに対向する対向電極が設けられていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のアンテナ装置。
  8. 前記第1部材側の対向電極は前記高誘電率層に埋設されていることを特徴とする請求項7に記載のアンテナ装置。
  9. 前記低誘電率層を省略し、前記高誘電率層と前記導電層とが非接触状態で対向するように前記基部が形成されていることを特徴とする請求項5乃至請求項8のいずれかに記載のアンテナ装置。
  10. 前記基部の前記金属小板配置面とは反対側の面には、前記放射素子部の駆動又は調整に用いる伝送線路が形成されていることを特徴とする請求項4乃至請求項9のいずれかに記載のアンテナ装置。
  11. 前記バンドギャップ面を前記放射素子部を含めて覆う誘電体からなる被覆層を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のアンテナ装置。
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