JP4565845B2 - 細胞の培養状態検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、細胞の培養状態を検出する培養状態検出装置に係り、特に、細胞培養の継代を行うタイミングの判定に好適な培養状態検出装置に関する。
細胞培養において、細胞の増殖により、細胞の密度つまり単位面積当たりの細胞数が過度に高い状態、例えば隣り合う細胞同士が接触するような状態になると、細胞増殖を妨げる場合がある。特に、ある細胞種では、細胞密度が過度に高い状態になると、多種細胞に変質してしまう場合があり、細胞増殖を妨げるだけでなく、培養している細胞の品質にも影響を及ぼす場合がある。このため、細胞培養では、適切な細胞密度を保つため、細胞密度が過度に高くなる前に継代培養を行う必要がある。一方で、細胞の生産性を考慮すると、一つのシャーレやT型フラスコといった培養容器で、できるだけ多くの細胞を得るため、細胞を植え継ぐまでに、できるだけ密な状態になるまで培養を行う必要がある。
このため、細胞培養において、作業者は、細胞密度が過度に高い状態にならないように細胞の培養状態を観察し、作業者の経験などによって、細胞の新たな培地への植え継ぎのタイミング、つまり継代のタイミングを決める必要があり、細胞培養に関する作業が煩雑なものとなっている。さらに、作業者の経験などによって、継代のタイミングを決めているため、継代のタイミングに対する精度が低く、また、作業者によってタイミングにばらつきが生じるため、必要な生産性が得られない場合や、細胞の品質が低下してしまう場合があるなどといった問題も生じている。
これに対して、細胞の培養状態を検出する機能を有する細胞培養装置として、培養容器を撮影して得た画像データから細胞密度に相関する値となる接着細胞数、接着細胞濃度、接着細胞占有面積、または、接着細胞占有率を算出し、これらの値から継代培養を実行するタイミングを判定する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような装置を用いることにより、継代のタイミングを一定化でき、また、生産性の向上や品質の低下の抑制などが可能となる。
特開2001−275659号公報(第5−9頁、第6−8図)
ところで、特許文献1のような装置では、画像データの特徴抽出処理を行って部分領域データを切り取り、この切り取った部分領域データと予め装置に記憶されていた細胞パターンデータとの照合を行い、この照合においてこれらのデータが一致したときに、部分領域データに基づいて接着細胞数、接着細胞濃度、接着細胞占有面積、または、接着細胞占有率といった値を算出している。このため、継代のタイミングなどを決める基となる、細胞密度に相関する接着細胞数、接着細胞濃度、接着細胞占有面積、または、接着細胞占有率といった値を得るまで、つまり、細胞の培養状態を検出するまでに特徴抽出処理、パターンデータの照合処理といった画像解析処理や、演算処理などを行うといったように複雑な処理が必要となるという問題がある。そして、このように細胞の培養状態の検出に複雑な処理が必要となることによって、細胞密度に相関する値を得るまでの時間が長くなる、装置コストが増大する、装置が大型化するなどといった問題が生じてしまう。
このため、細胞の培養状態の検出処理を簡素化した培養状態検出装置が求められている。
本発明の課題は、細胞の培養状態の検出処理を簡素化することにある。
本発明の第1の特徴によれば、細胞培養している培地を撮影して得られた複数の細胞を含む2次元画像データを多値化する多値化手段と、この多値化手段で多値化した2次元画像データを横切る任意に設定された直線状の計測ラインにおける細胞に対応する画像データ部分のランレングス、または、細胞に対応していない画像データ部分のランレングスを計測するランレングス計測手段と、ランレングスと培地の単位面積あたりの細胞密度との予め定めた相関に基づいて、培地の単位面積あたりの細胞密度を判定する判定手段とを備えた培養状態検出装置を提供する。
また、本発明の第2の特徴によれば、顕微鏡を介して細胞培養している培地を撮影するカメラと、このカメラで撮影した複数の細胞を含む2次元画像データを多値化する多値化手段と、この多値化手段で多値化した2次元画像データを横切る任意に設定された直線状の計測ラインにおける細胞に対応する画像データ部分のランレングス、または、細胞に対応していない画像データ部分のランレングスを計測するランレングス計測手段と、ランレングスと培地の単位面積あたりの細胞密度との予め定めた相関に基づいて、培地の単位面積あたりの細胞密度を判定する判定手段とを備えた培養状態検出装置を提供する。
このような構成とすれば、多値化した2次元画像データを横切る直線である計測ラインにおける細胞に対応する画像データ部分のランレングス、または、細胞に対応していない画像データ部分のランレングスが細胞密度といった細胞の培養状態に対応する値に相関する値となる。したがって、細胞の培養状態の検出処理として、装置が行う処理は、撮影した2次元画像データの多値化処理や、計測ラインにおけるランレングスを求める処理などで済むため、細胞の培養状態の検出処理を簡素化できる。
さらに、本発明の第3の特徴によれば、本発明の第2の特徴におけるランレングス計測手段は、交わる少なくとも2方向の計測ラインにおけるランレングスを各々求める構成とすれば、ランレングスの値を用いた継代のタイミングの判定の精度を向上できる。
また、本発明の第4の特徴によれば、本発明の第3の特徴におけるランレングス計測手段は、直角に交わる2方向の計測ラインにおけるランレングスを各々求め、この求めた各ランレングスの乗算値を算出する構成とする。このような構成とすれば、細胞の占有面積を、直角に交わる2方向の計測ラインにおけるランレングスを各々求める処理と、求めた各ランレングスの乗算する処理とにより推定することができる。したがって、画像データから実際の細胞の占有面積を画像解析処理により求める場合に比べて、細胞の占有面積を容易に求めることができる。
さらに、本発明の第5の特徴によれば、本発明の第1から4の特徴におけるランレングス計測手段は、平行な複数の計測ラインにおけるランレングスを各々求め、この求めた複数のランレングスに基づいて複数のランレングスの値に相関する相関値を算出する構成とする。このとき、ランレングス計測手段は、複数のランレングスの値に相関する相関値として、複数のランレングスの加算平均を求める構成とする。また、ランレングス計測手段は、複数のランレングスの値に相関する相関値として、複数のランレングスの値の分布のピークとなるランレングス値を求める構成とする。さらに、ランレングス計測手段は、交わる少なくとも2方向で、各方向に各々設定した平行な複数の計測ラインにおけるランレングスを各々求めてなる構成とする。このような構成とすれば、ランレングスの値を用いた継代のタイミングの判定の精度をより向上できる。
また、本発明の第6の特徴によれば、本発明の第5の特徴におけるランレングス計測手段は、このランレングス計測手段で求めた複数のランレングスのうち、予め設定した下限値よりも小さいランレングスの値を相関値の算出に用いない構成とする。このような構成とすれば、死んだ細胞や成長に異常がある細胞など、通常よりも小さな異常な細胞を含む可能性がある計測ラインにおけるランレングスの値を相関値の算出から排除できるため、継代のタイミングの判定に用いる上で、相関値の信頼性を向上できる。
さらに、本発明の第7の特徴によれば、本発明の第1から6の特徴における多値化手段で多値化した2次元画像データに対してランレングスの計測を行う領域を設定する計測領域設定手段を備え、ランレングス計測手段は、計測領域設定手段で設定された領域内の計測ラインにおけるランレングスを求める構成とする。このような構成とすれば、例えば、細胞密度がほかのコロニーよりも高くなっている大きなコロニーに計測領域を設定し、この計測領域内のみの計測ラインでのランレングスを求めることができるため、培地全体での計測ラインでのランレングスを求める場合に比べ、細胞の培養状態の検出処理時間を短縮できる。
また、本発明の第8の特徴によれば、本発明の第1から7の特徴におけるランレングス計測手段で求めたランレングスまたは相関値と、このランレングスまたはこの相関値に対して予め設定した判定値とを比較して細胞培養を継代するタイミングか否かを判定する判定手段を備えた構成とする。このような構成とすれば、作業者が計測ラインを設定するといった作業を行うだけで、装置が継代のタイミングを判定してくれるため、継代培養において作業者が行う作業を簡素化できる。
本発明によれば、細胞の培養状態の検出処理を簡素化できる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を適用してなる培養状態検出装置の第1の実施形態について図1乃至図7を参照して説明する。図1は、本発明を適用してなる培養状態検出装置の概略構成を示すブロック図である。図2は、本発明を適用してなる培養状態検出装置を顕微鏡に取り付けた状態を示す図である。図3は、本発明を適用してなる培養状態検出装置の動作を示すフロー図である。図4乃至図6は、本発明を適用してなる培養状態検出装置によるランレングスの計測方法を説明する図であり、(a)は2値化した2次元画像データに設定した計測ラインにおけるランレングスの計測法を示す模式図、(b)は、平行な複数の計測ラインにおけるランレングスの分布を示す図である。図7は、本発明を適用してなる培養状態検出装置の別の動作を示すフロー図である。
本実施形態の培養状態検出装置1は、図1に示すように、各構成要素の動作の制御や細胞の培養状態の検出のための様々な処理などを行う中央処理装置つまりCPU3、CPU3での細胞の培養状態の検出のための様々な処理のためのプログラムや、細胞画像、ランレングスなどの演算結果、培養の継代を行うタイミングの判定値などを格納した磁気ディスク5、2次元画像データなどの一時的な格納を行う主メモリ7、CCDカメラなどのカメラ9を接続するためのインターフェイスつまりI/F11、画像などを表示する表示手段となるCRTディスプレイ13、様々な操作のためのマウス15及びそのコントローラ17、各種設定などを入力するためのキーやスイッチなどを有するキーボード19、そして、継代のタイミングを知らせる警報音などを発信するスピーカ21などを備えている。
また、CPU3、磁気ディスク5、主メモリ7、I/F11、CRTディスプレイ13、コントローラ17、キーボード19、スピーカ21などの各構成要素は、共通バス23によって電気的に接続されている。なお、本実施形態では、主メモリ7以外の記憶装置として、磁気ディスク5のみが接続されている場合を示しているが、これ以外にフロッピディスクドライブやハードディスクドライブなどの記憶手段が接続された構成にすることもできる。
このような本実施形態の培養状態検出装置1では、CPU3及び磁気ディスク5に格納されたプログラムなどが、2次元画像データを多値化する多値化手段、多値化した2次元画像データを横切る直線状の計測ラインでのランレングスを求めるランレングス計測手段、そして、ランレングスやランレングスに相関する相関値と、ランレングスや相関値に対して予め設定した判定値とを比較して細胞培養を継代するタイミングか否かを判定する判定手段を形成している。また、このような培養状態検出装置1では、CPU3、磁気ディスク5、主メモリ7、I/F11、CRTディスプレイ13、コントローラ17、キーボード19、スピーカ21といった各構成要素部分は、その構成から判るように一般に用いられるパーソナルコンピュータで代用可能である。
本実施形態の培養状態検出装置1は、顕微鏡を介して撮影して得た2次元画像データを用いるため、図2に示すように、顕微鏡25と組み合わせて用いられる。したがって、培養状態検出装置1は、カメラ9や顕微鏡25を備えた構成にすることもできる。また、顕微鏡25を使用者が所有している場合には、培養状態検出装置1は、カメラ9までを備えた構成とし、カメラ9を、使用者が所有している顕微鏡25の鏡筒25aの接眼レンズ側に取り付けて用いる。さらに、カメラ9を備えた顕微鏡25を使用者が有している場合には、図1及び図2に示すように、培養状態検出装置1は、CPU3、磁気ディスク5、主メモリ7、I/F11、CRTディスプレイ13、コントローラ17、キーボード19、スピーカ21などといった基本構成要素のみを備えた構成、例えばパーソナルコンピュータ1aにI/F11を設けた構成とし、I/F11に使用者が所有しているカメラ9を、ケーブル27を介して電気的に接続して用いる。
本実施形態では、生育状態での接着依存性動物細胞の培養を一例として説明するため、用いる顕微鏡25は、倒立型位相差方式の顕微鏡である。したがって、顕微鏡25は、図2に示すように、鏡筒25aのカメラ9を取り付けた接眼レンズ側と反対側には、対物レンズ25bを、対物レンズ25bの上方に試料台25cを、試料台25cの上方に光源25dを備えている。さらに、顕微鏡25の光源25dには、図示していないが光投射部にリング型絞りが、鏡筒25aには、図示していないが位相板などが設けられている。なお、顕微鏡は、対象とする細胞の特性、見たい対象、例えば細胞の辺縁、核、蛍光標識細胞などによって様々なタイプのものを利用できる。また、顕微鏡は、倒立型位相差方式の顕微鏡である必要はなく、観察する対象細胞の種類などに応じて、細胞が通常明視野で見えるコントラストを有していれば正立型明視野顕微鏡などを用いることもできる。このように顕微鏡の形式に関係なく、細胞の辺縁や核の濃淡差などが認識できる顕微鏡であれば本発明を適用できる。
培養状態検出装置1を構成するパーソナルコンピュータ1aは、I/F11にケーブル27を介してカメラ9が電気的に接続され、カメラ9で撮影した2次元画像データを取り込めるようになっている。2次元画像データは、各ビットの位置情報と濃淡情報が得られるものであれば特に限定されるものではない。なお、細胞増殖は非常にゆっくりしたものであるため、2次元画像データは、必ずしも動画像データである必要はなく、静止画像データにすることもできる。
このような構成の培養状態検出装置の動作と本発明の特徴部などについて説明する。図2に示すように、顕微鏡25の試料台25c上に細胞培養を行っている培養容器29を載せる。培養容器29中には培地が入っており、培養容器29の内壁に接着した状態で細胞が増殖している。この状態で、カメラ9で撮影された画像に培地中の細胞が移るように調整し、培養状態検出装置1により、細胞の培養状態の検出を開始する。検出を開始すると、図1乃至図3に示すように、カメラ9によって撮影された2次元画像データをパーソナルコンピュータ1aに取り込んで主メモリ7に一時的に格納する2次元画像データの取り込みを行う(ステップ101)。
培養状態検出装置1のCPU3は、ステップ101で主メモリ7に格納した2次元画像データに対し、予め使用者がキーボード19やコントローラ17に接続されたマウス15などを使って入力、設定することなどで主メモリ7に格納されていた闇値に基づいて白と黒に2値化するといった画像処理において周知の方法により2値化処理を行い(ステップ103)、2値化した2次元画像データを再び主メモリ7に一時的に格納する。これにより、図4(a)に示すように、細胞に対応する部分が白く、細胞がない培地部分が黒い2値化した2次元画像データ31が得られる。
ステップ103の後、図3に示すように、CPU3は、主メモリ7に格納された2値化した2次元画像データ31に対し、使用者がキーボード19やコントローラ17に接続されたマウス15などを使って任意に設定した直線状の計測ライン33におけるランレングスを求めるランレングス計測処理を行う(ステップ105)。培養状態検出装置1は、継代の時期などを判断するために培養状態を検出するものであるため、細胞密度などに相関する値としてランレングスが得られればよく、ステップ105で求めるランレングスは、計測ライン33における細胞に対応する白色部分のランレングス、つまり図4(a)における白色部分の長さの計D1+D2+D3+D4+D5であっても、また反対に、細胞がない培地部分に対応する黒色部分のランレングス、つまり図4(a)における黒色部分の長さの計d1+d2+d3+d4+d5であってもよい。ここでは、計測ライン33における細胞に対応する白色部分のランレングスを求めている場合を例として説明する。
本実施形態では、CPU3は、ステップ105のランレングス計測処理において、使用者が任意に設定した計測ライン33以外の計測ライン33に平行な複数の計測ラインでも各々ランレングスを求めている。さらに、ステップ105において、図4(b)に示すように、計測ライン33を含む平行な複数の計測ラインで得られたランレングスの値の分布を求めている。そして、CPU3は、得られたランレングスの分布から、ピークとなるランレングスの値P1、つまり、最も多くの計測ラインで得られたランレングスの値P1を複数の計測ライン33で得られた複数のランレングスの値に相関する相関値として用いる。
ステップ105でピークとなるランレングスの値を求めた後、CPU3は、磁気ディスク5に予め記憶されている判定値と、ステップ105で求めたピークとなるランレングスの値P1とを比較し、細胞培養を継代するタイミングか否かの判定処理を行う(ステップ107)。ステップ107において、ピークとなるランレングスの値P1が判定値よりも小さい場合、使用者がキーボード19やコントローラ17に接続されたマウス15などを使って予め設定した時間の間休止した後(ステップ109)、ステップ101に戻り、再びステップ101からステップ107を繰り返す。なお、判定値は、複数のランレングスの値に相関する相関値に対するものであり、予め細胞密度とランレングスの値との相関を実験的に調べておき、この細胞密度とランレングスの値との相関の情報に基づいて選択したものである。
ステップ107において、ピークとなるランレングスの値P1が判定値よりも小さく、ステップ109の休止期間を経て、再びステップ101からステップ107を繰り返すとき、培養が進み、細胞の増殖により、図5(a)に示すように、細胞密度が継代を行うのに適したタイミングになっている場合、図3及び図5(b)に示すように、ステップ101からステップ105までの処理を行うことによって、ステップ105でピークとなるランレングスの値P2を得る。ピークとなるランレングスの値P2は、細胞の増殖によって細胞密度が高くなっているため、培養開始後の経過時間が短いときのピークとなるランレングスの値P1よりも大きくなっている。
そして、図3に示すように、ステップ107において、ピークとなるランレングスの値P2と判定値とを比較したとき、ピークとなるランレングスの値P2が判定値よりも小さくなく、ピークとなるランレングスの値P2が判定値以上になっていることによって、CPU3は、細胞培養を継代するタイミングになっていることを使用者に知らせるために警告信号を発信し、スピーカ21より警報音を出す(ステップ111)。ステップ111の後、予め設定した時間の間休止するステップ113を経てステップ101に戻り、細胞を植え継いだ新たな継代培養に対してステップ101からステップ107を繰り返し、培養状態を検出する。
なお、図6(a)に示すように、細胞の増殖が進み過ぎ、細胞密度が隣り合う細胞同士が接触するような過度に高い状態になった場合、ステップ101からステップ105までの処理を行うことによって、ステップ105でピークとなるランレングスの値P3は、図6(b)に示すように、継代を行うのに適したピークとなるランレングスの値P2よりも大きな値となる。このような状態でも、培養状態検出装置1は、ステップ107からステップ111に進むことによって警報音を出すが、継代のタイミングとしては遅すぎる。したがって、胞培養状態検出装置1によって細胞の培養状態を検出する時間間隔、例えばステップ109において予め設定した休止時間は、培養している細胞の増殖速度を考慮して選択している。
このように、本実施形態の培養状態検出装置1では、2値化した2次元画像データを横切る直線である計測ラインにおけるランレングスを、細胞密度といった細胞の培養状態に対応する値に相関する値として求めている。したがって、細胞の培養状態の検出処理として、装置が行う処理は、カメラ9で撮影した2次元画像データの2値化処理や、計測ラインにおけるランレングスを求める処理などといった簡単な処理で済むため、細胞の培養状態の検出処理を簡素化できる。
さらに、本実施形態では、CPU3は、平行な複数の計測ラインにおけるランレングスを各々求め、この求めた複数のランレングスに基づいて複数のランレングスの値に相関する相関値となるランレングスの分布のピークとなるランレングスの値を算出している。したがって、1本の計測ラインにおけるランレングスの値を継代のタイミングの判定に用いる場合に比べて、ランレングスを用いた継代のタイミングの判定の精度をより向上できる。加えて、継代のタイミングの判定の精度をより向上できることにより、良い状態の細胞をできるだけ多く得ることができるようになり、細胞の生産性をより向上できる。
なお、計測ラインの本数が多くなるほど精度が向上するが、一方で、計測ラインの本数が多くなるに連れて処理が複雑化する場合や、処理時間が長くなってしまう場合などが生じる。このため、計測ラインの本数は、継代のタイミングの判定に必要な精度が得られる最小限の本数を選択している。また、精度上の問題がなければ、計測ラインは1本にすることもできる。計測ラインを1本にした場合、この計測ラインにおいて得られたランレングスと判定値を直接比較して、継代のタイミングの判定を行う。
また、本実施形態では、複数のランレングスの値に相関する相関値として、ランレングスの分布のピークとなるランレングスの値を用いている。しかし、複数のランレングスの値に相関する相関値は、ランレングスの分布のピークとなるランレングスの値に限らず、複数のランレングスの値に相関した値であれば、様々な値を用いることができる。例えば、図7に示すように、ステップ105のランレングス計測処理において、ランレングスの分布のピークとなるランレングスの値に代えて、複数のランレングスの加算平均を算出し、ステップ107の継代のタイミングの判定処理において、求めた複数のランレングスの加算平均と、この複数のランレングスの加算平均に対して設定した判定値とを比較することでも、細胞の継代のタイミングを判定することができる。
また、本実施形態では、ステップ107の継代のタイミングの判定処理を行い、培養状態検出装置1が細胞の継代のタイミングを判定し、使用者に継代のタイミングであることを報知している。しかし、培養状態検出装置は、判定手段つまり判定を行うためのプログラムなどを有せず、ステップ107の継代のタイミングの判定処理を行わない構成にすることもできる。この場合、培養状態検出装置は、ステップ105で算出した値をCRTディスプレイ13などに表示し、使用者つまり継代培養を行っている作業者などがこの表示された値と判定値とを比較して細胞の継代のタイミングを判断する。
(第2の実施形態)
以下、本発明を適用してなる培養状態検出装置の第2の実施形態について図8及び図9を参照して説明する。図8は、本発明を適用してなる培養状態検出装置の動作を示すフロー図である。図9は、本発明を適用してなる培養状態検出装置によるランレングスの計測方法を説明する図であり、(a)は2値化した2次元画像データに任意に設定したX軸方向の計測ラインにおけるランレングスの計測法を示す模式図、(b)は、2値化した2次元画像データに任意に設定したX軸に直角に交わるY軸方向の計測ラインにおけるランレングスの計測法を示す模式図である。なお、本実施形態では、第1の実施形態と同一の構成などには同じ符号を付して説明を省略し、第1の実施形態と相違する構成や特徴部などについて説明する。
本実施形態の培養状態検出装置が第1の実施形態と相違する点は、ランレングス計測手段が、直角に交わる2方向の計測ラインにおけるランレングスを各々求め、この求めた各ランレングスの乗算値を算出することで、細胞の占有面積を推定していることにある。すなわち、本実施形態の培養状態検出装置1でも、装置を構成する各構成要素は、第1に実施形態と同様に、図1及び図2に示したような構成となっている。ただし、本実施形態の培養状態検出装置が有する磁気ディスク5には、2値化した2次元画像データ上に任意に設定したX軸方向の複数の計測ラインにおけるランレングスの平均値を求めるプログラム、X軸に直角に交わるY軸方向の複数の計測ラインにおけるランレングスの平均値を求めるプログラム、X軸方向のランレングスの平均値とY軸方向のランレングスの平均との乗算値つまり占有面積の推定値を求めるプログラム、そして、占有面積の推定値の対する継代のタイミングを判定するための判定値などが格納されている。
培養状態検出装置1により、細胞の培養状態の検出を開始すると、図8に示すように、カメラ9によって撮影された2次元画像データをパーソナルコンピュータ1aに取り込んで主メモリ7に一時的に格納する2次元画像データの取り込みを行う(ステップ201)。
培養状態検出装置1のCPU3は、ステップ201で主メモリ7に格納した2次元画像データに対し、白と黒に2値化する2値化処理を行い(ステップ203)、再び主メモリ7に一時的に格納する。これにより、図9に示すように、細胞に対応する部分が白く、細胞がない培地部分が黒い2値化した2次元画像データ31が得られる。
ステップ203の後、図8及び図9に示すように、CPU3は、主メモリ7に格納された2値化した2次元画像データ31に対し、使用者がキーボード19やコントローラ17に接続されたマウス15などを使って任意に設定したX軸方向の直線状の計測ライン33aにおけるランレングス、さらに、X軸に直角に交わるY軸方向の直線状の計測ライン33bにおけるランレングス、そして、X軸方向のランレングスとY軸方向のランレングスとの乗算値などを求めるランレングス計測処理を行う(ステップ205)。本実施形態の培養状態検出装置1は、継代の時期などを判断するために、細胞密度などに相関する値として軸方向のランレングスとY軸方向のランレングスとの乗算値を求めることにより、細胞の占有面積、または、細胞がない培地部分の占有面積を推定している。
さらに、本実施形態では、CPU3は、ステップ205のランレングス計測処理において、使用者が任意に設定したX軸方向の計測ライン33a以外の計測ライン33aに平行なX軸方向の複数の計測ライン、そして、Y軸方向の計測ライン33b以外の計測ライン33bに平行なY軸方向の複数の計測ラインでも各々ランレングスを求めている。そして、X軸方向の複数の計測ラインにおけるランレングスの平均値であるDx平均と、Y軸方向の複数の計測ラインにおけるランレングスの平均値であるDy平均とを乗算して占有面積を推定している。
なお、第1の実施形態と同様に、ステップ205で求めるランレングスは、計測ライン33a、33bにおける細胞に対応する白色部分のランレングス、つまり図9における白色部分の長さの計D1+D2+D3+D4であっても、また反対に、細胞がない培地部分に対応する黒色部分のランレングス、つまり図9における黒色部分の長さの計d1+d2+d3+d4+d5であってもよい。ここでは、細胞の占有面積を推定するため、計測ライン33a、33bにおける細胞に対応する白色部分のランレングスを求めている場合を例として説明する。
ステップ205で細胞の占有面積の推定値を求めた後、CPU3は、磁気ディスク5に予め記憶されている判定値と、ステップ205で求めた細胞の占有面積の推定値とを比較し、細胞培養を継代するタイミングか否かの判定処理を行う(ステップ207)。ステップ207において、細胞の占有面積の推定値が判定値よりも小さい場合、使用者がキーボード19やコントローラ17に接続されたマウス15などを使って予め設定した時間の間休止した後(ステップ209)、ステップ201に戻り、再びステップ201からステップ207を繰り返す。なお、本実施形態で用いる判定値は、細胞の占有面積に対して設定したものである。
一方、ステップ207において、細胞の占有面積の推定値と判定値とを比較したとき、細胞の占有面積の推定値が判定値よりも小さくない場合、つまり、細胞の占有面積の推定値が判定値以上になっている場合、CPU3は、細胞培養を継代するタイミングになっていることを使用者に知らせるために警告信号を発信し、スピーカ21より警報音を出す(ステップ211)。ステップ211の後、予め設定した時間の間休止するステップ213を経てステップ201に戻り、細胞を植え継いだ新たな継代培養に対してステップ201からステップ207を繰り返し、培養状態を検出する。
このように、本実施形態の培養状態検出装置1でも、直交する計測ラインにおけるランレングスを乗算することで占有面積を推定しているため、2値化した2次元画像データから画像解析などにより実際の占有面積を求める処理を行うのに比べて簡単な処理で済むため、細胞の培養状態の検出処理を簡素化できる。
また、本実施形態では、X軸、Y軸各方向の複数の計測ラインを設定しているが、精度上の問題がなければ、計測ラインは各方向1ずつにすることもできる。
(第3の実施形態)
以下、本発明を適用してなる培養状態検出装置の第3の実施形態について図10を参照して説明する。図10は、本発明を適用してなる細胞培養状態検出
装置の動作を示すフロー図である。なお、本実施形態では、第1及び第2の実施形態と同一の構成などには同じ符号を付して説明を省略し、第1及び第2の実施形態と相違する構成や特徴部などについて説明する。
本実施形態の培養状態検出装置は、直角に交わる2方向の各々複数の計測ラインにおけるランレングスおよび各方向のランレングスの平均値を求め、この各方向のランレングスの平均値の乗算値を算出することで、細胞の占有面積を推定している点は、第2の実施形態と同じであるが、本実施形態の培養状態検出装置が第1及び第2の実施形態と相違する点は、ランレングス計測手段が、複数のランレングスを計測したとき、予め設定した下限値よりも小さいランレングスの値を各方向のランレングスの平均値の算出に用いないことにある。
すなわち、本実施形態の培養状態検出装置1でも、装置を構成する各構成要素は、第2の実施形態と同様に、図1及び図2に示したような構成となっている。ただし、本実施形態の培養状態検出装置が有する磁気ディスク5には、2値化した2次元画像データ上に任意に設定したX軸方向の複数の計測ラインにおけるランレングスの平均値を求めるプログラム、X軸に直角に交わるY軸方向の複数の計測ラインにおけるランレングスの平均値を求めるプログラム、X軸方向のランレングスの平均値とY軸方向のランレングスの平均との乗算値つまり占有面積の推定値を求めるプログラム、そして、占有面積の推定値の対する継代のタイミングを判定するための判定値などに加えて、ランレングスの平均値を求めるときに用いないランレングスの値を判別するための下限値、この下限値と計測したランレングスの値とを比較して下限値よりも小さいランレングスの値を削除するプログラムが格納されている。
培養状態検出装置1により、細胞の培養状態の検出を開始すると、図10に示すように、カメラ9によって撮影された2次元画像データをパーソナルコンピュータ1aに取り込んで主メモリ7に一時的に格納する2次元画像データの取り込みを行う(ステップ301)。
培養状態検出装置1のCPU3は、ステップ301で主メモリ7に格納した2次元画像データに対し、白と黒に2値化する2値化処理を行い(ステップ303)、再び主メモリ7に一時的に格納する。
ステップ303の後、CPU3は、主メモリ7に格納された2値化した2次元画像データ31に対し、使用者がキーボード19やコントローラ17に接続されたマウス15などを使って任意に設定したX軸方向の直線状の計測ライン33aにおけるランレングス、さらに、X軸に直角に交わるY軸方向の直線状の計測ライン33bにおけるランレングスを求め、求めた各ランレングスの値と磁気ディスク5に予め記憶されていた下限値とを比較し、下限値よりも小さいランレングスの値を削除する第1ランレングス計測処理を行う(ステップ304)。なお、下限値は、成長に問題がある細胞や死んだ細胞などの異常がある通常よりも小さな細胞の大きさに基づいて選択したものである。
そして、ステップ304の後、削除されていないランレングスの値を用いてX軸方向のランレングスの平均値とY軸方向のランレングスの平均値を各々算出し、算出したX軸方向のランレングスの平均値とY軸方向のランレングスの平均値とを乗算して占有面積を推定する第2ランレングス計測処理を行う(ステップ305)。
ステップ305で細胞の占有面積の推定値を求めた後、CPU3は、第2の実施形態と同様に、磁気ディスク5に予め記憶されている判定値と、ステップ305で求めた細胞の占有面積の推定値とを比較し、細胞培養を継代するタイミングか否かの判定処理を行う(ステップ307)。ステップ307において、細胞の占有面積の推定値が判定値よりも小さい場合、使用者がキーボード19やコントローラ17に接続されたマウス15などを使って予め設定した時間の間休止した後(ステップ309)、ステップ301に戻り、再びステップ301からステップ307を繰り返す。
一方、ステップ307において、細胞の占有面積の推定値と判定値とを比較したとき、細胞の占有面積の推定値が判定値よりも小さくない場合、つまり、細胞の占有面積の推定値が判定値以上になっている場合、CPU3は、細胞培養を継代するタイミングになっていることを使用者に知らせるために警告信号を発信し、スピーカ21より警報音を出す(ステップ311)。ステップ311の後、予め設定した時間の間休止するステップ313を経てステップ301に戻り、細胞を植え継いだ新たな継代培養に対してステップ301からステップ307を繰り返し、
培養状態を検出する。
このように、本実施形態の培養状態検出装置1では、複数の計測ラインを設定してランレングスを計測した場合、成長に問題がある細胞や死んだ細胞、死んだ細胞の断片など、通常よりも小さい異常な細胞や細胞の断片などを比較的多く含む計測ラインにおけるランレングスの値を平均値の算出に用いないようにできる。したがって、X軸方向のランレングスの平均値とY軸方向のランレングスの平均値の乗算値つまり占有面積の推定値といった継代のタイミングの判定に用いる複数のランレングスの値に相関する相関値に誤差を招く可能性があるランレングスの値をこの相関値の算出に用いないようにできるため、占有面積の推定値といった複数のランレングスの値に相関する相関値の精度を向上できる。
また、本実施形態では、第2の実施形態と同様に、直角に交わる2方向の各々複数の計測ラインにおけるランレングスおよび各方向のランレングスの平均値を求め、この各方向のランレングスの平均値の乗算値を算出することで、細胞の占有面積を推定している場合を例として説明した。しかし、本実施形態の下限値よりも小さいランレングス値を削除する構成や方法は、第1の実施形態のように一方向に複数の計測ラインを設定して平均値や分布のピークとなるランレングスの値を求める場合にも適用できる。
(第4の実施形態)
以下、本発明を適用してなる培養状態検出装置の第4の実施形態について図11及び図12を参照して説明する。図11は、本発明を適用してなる培養状態検出装置の動作を示すフロー図である。図12は、本発明を適用してなる培養状態検出装置によるランレングスの計測方法を説明する図であり、(a)は2値化した2次元画像データに設定した計測ラインにおけるランレングスの計測法を示す模式図、(b)は、平行な複数の計測ラインにおけるランレングスの分布を示す図である。なお、本実施形態では、第1乃至第3の実施形態と同一の構成などには同じ符号を付して説明を省略し、第1乃至第3の実施形態と相違する構成や特徴部などについて説明する。
本実施形態の培養状態検出装置は、一方向の複数の計測ラインにおけるランレングスの分布を求め、このランレングスの分布ピークとなるランレングスの
値を求めている点は、第1の実施形態と同じであるが、本実施形態の培養状態検出装置が第1乃至第3の実施形態と相違する点は、使用者がランレングスの計測を行う領域を設定する計測領域設定手段を有し、ランレングス計測手段が、2値化した2次元画像データのうち、計測領域設定手段により使用者が設定した領域内の計測ラインにおけるランレングスのみを計測することにある。
すなわち、本実施形態の培養状態検出装置1でも、装置を構成する各構成要素は、第1の実施形態と同様に、図1及び図2に示したような構成となっている。ただし、本実施形態の培養状態検出装置は、2値化した2次元画像データ上に、使用者がキーボード19やコントローラ17に接続されたマウス15などを使って任意にランレングスの計測を行う領域を設定できる機能を与えるプ口グラムが磁気ディスク5に格納されている。このように、キーボード19やコントローラ17に接続されたマウス15やランレングスの計測を行う領域を設定できる機能を与えるプログラムなどが計測領域設定手段を形成している。
培養状態検出装置1により、細胞の培養状態の検出を開始すると、図11に示すように、カメラ9によって撮影された2次元画像データをパーソナルコンピュータ1aに取り込んで主メモリ7に一時的に格納する2次元画像データの取り込みを行う(ステップ401)。
ステップ401の後、使用者は、図12に示すように、ステップ401において取り込まれた2次元画像データ35をCRTディスプレイ13で確認し、ランレングスの計測を行う計測領域37をキーボード19やコントローラ17に接続されたマウス15などを用いて設定する(ステップ402)。ステップ402において、ランレングスの計測を行う計測領域として、例えば最も大きなコロニーの部分といったように、最も細胞密度が高くなっている可能性がある部分に計測領域を設定する。
ステップ402の後、図11に示すように、培養状態検出装置1のCPU3は、ステップ401で主メモリ7に格納した2次元画像データのステップ402で設定された計測領域37に対し、白と黒に2値化する2値化処理を行い(ステップ403)、再び主メモリ7に一時的に格納する。
ステップ403の後、CPU3は、主メモリ7に格納された2次元画像データ
35に対し、使用者がキーボード19やコントローラ17に接続されたマウス15などを使って任意に設定した直線状の計測ライン33の計測領域37部分におけるランレングスを求めるランレングス計測処理を行う(ステップ405)。ここでは、第1の実施形態と同様に計測ライン33の計測領域37部分における細胞に対応する白色部分のランレングスを求めている場合を例として説明する。また、本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、CPU3は、ステップ405のランレングス計測処理において、使用者が任意に設定した計測ライン33以外の計測ライン33に平行な複数の計測ラインの計測領域37部分でも各々ランレングスを求めている。
そして、ステップ405において、CPU3は、計測ライン33を含む平行な複数の計測ラインの計測領域37部分におけるランレングスから、図12(b)に示すように、ランレングスの値の分布を求め、得られたランレングスの分布から、ピークとなるランレングスの値P1やP2を複数の計測ライン33の計測領域37部分で得られた複数のランレングスの値に相関する相関値として用いる。
ステップ405でピークとなるランレングスの値P1やP2を求めた後、第1の実施形態と同様、CPU3は、図11に示すように、磁気ディスク5に予め記憶されている判定値と、ステップ405で求めたピークとなるランレングスの値P1やP2とを比較し、細胞培養を継代するタイミングか否かの判定処理を行う (ステップ407)。ステップ407において、ピークとなるランレングスの値P1は判定値よりも小さいため、使用者がキーボード19やコントローラ17に接続されたマウス15などを使って予め設定した時間の間休止した後(ステップ409)、ステップ401に戻り、再びステップ401からステップ407を繰り返す。
一方、ステップ407において、ピークとなるランレングスの値P2は判定値以上になっているため、CPU3は、細胞培養を継代するタイミングになっていることを使用者に知らせるために警告信号を発信し、スピーカ21より警報音を出す(ステップ411)。ステップ411の後、予め設定した時間の間休止するステップ413を経てステップ401に戻り、細胞を植え継いだ新たな継代培養に対してステップ401からステップ407を繰り返し、培養状態を検出する。
このように、本実施形態の培養状態検出装置1では、計測領域設定手段で設定した領域のみを2値化し、計測ラインの計測領域37部分におけるランレングスのみを計測しているため、培養状態の検出処理を一層簡素化でき、培養状態の検出処理に要する時間を短縮できる。
また、本実施形態では、計測領域設定手段で設定した計測領域のみを2値化しているが、2次元画像データ35全体を2値化し、計測ラインの計測領域37部分におけるランレングスのみを計測する構成や方法にすることもできる。ただし、計測領域のみを2値化する方が、培養状態の検出処理に要する時間をより短縮できる。
また、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、一方向に複数の計測ラインを設定して平均値や分布のピークとなるランレングスの値を求める場合を例として説明した。しかし、本実施形態の計測領域設定手段を有する構成は、第2及び第3の実施形態のように、直角に交わる2方向の各々複数の計測ラインにおけるランレングスおよび各方向のランレングスの平均値を求め、この各方向のランレングスの平均値の乗算値を算出することで、細胞の占有面積を推定する場合にも適用できる。
また、第1乃至第4の実施形態では、カメラ9で撮影して得た2次元画像データを2値化しているが、2値化に限らず、2次元画像データを多値化すればランレングスを計測することができる。ただし、カメラ9で撮影して得た2次元画像データを2値化してランレングスを計測する方が、培養状態の検出処理に要する時間をより短縮できる。
また、第1乃至第4の実施形態では、2値化したときに細胞全体に対応する白色部分の計測ラインにおけるランレングスを計測する場合を示している。しかし、細胞がない培地に対応する黒色部分の計測ラインにおけるランレングスを計測することもできる。さらに、継代のタイミングを判定する上では、細胞密度に相関する細胞数などといった数値に相関する値が得られれば良い。このため、細胞に対応する画像データ部分のランレングスとして、細胞の核を染色して他の部分とコントラストを付け、細胞核の計測ラインにおけるランレングスを計測する構成とすることもできる。
また、第1乃至第4の実施形態では、接着依存性動物細胞を例として説明したが、本発明の培養状態検出装置は、接着依存性動物細胞に限らず、様々な接着性細胞、また、浮遊性細胞などにも適用できる。
また、本発明の培養状態検出装置は、第1乃至第4の実施形態に示した構成に限らず、多値化手段やランレングス計測手段などを有する構成であれば、様々な構成にできる。
本発明を適用してなる培養状態検出装置の第1の実施形態の概略構成を示すブロック図である。 本発明を適用してなる第1の実施形態の培養状態検出装置を顕微鏡に取り付けた状態を示す図である。 本発明を適用してなる培養状態検出装置の第1の実施形態の動作を示すフロー図である。 本発明を適用してなる第1の実施形態の培養状態検出装置によるランレングスの計測方法を細胞密度が疎な状態で説明する図であり、(a)は2値化した2次元画像データに設定した計測ラインにおけるランレングスの計測法を示す模式図、(b)は、平行な複数の計測ラインにおけるランレングスの分布を示す図である。 本発明を適用してなる第1の実施形態の培養状態検出装置によるランレングスの計測方法を細胞密度が継代に適した状態で説明する図であり、(a)は2値化した2次元画像データに設定した計測ラインにおけるランレングスの計測法を示す模式図、(b)は、平行な複数の計測ラインにおけるランレングスの分布を示す図である。 本発明を適用してなる第1の実施形態の培養状態検出装置によるランレングスの計測方法を細胞密度が過度に高い状態で説明する図であり、(a)は2値化した2次元画像データに設定した計測ラインにおけるランレングスの計測法を示す模式図、(b)は、平行な複数の計測ラインにおけるランレングスの分布を示す図である。 本発明を適用してなる培養状態検出装置の第1の実施形態の変形例を示すフロー図である。 本発明を適用してなる培養状態検出装置の第2の実施形態の動作を示すフロー図である。 本発明を適用してなる第2の実施形態の培養状態検出装置によるランレングスの計測方法を説明する図であり、(a)は2値化した2次元画像データに任意に設定したX軸方向の計測ラインにおけるランレングスの計測法を示す模式図、(b)は、2値化した2次元画像データに任意に設定したX軸に直角に交わるY軸方向の計測ラインにおけるランレングスの計測法を示す模式図である。 本発明を適用してなる培養状態検出装置の第3の実施形態の動作を示すフロー図である。 本発明を適用してなる培養状態検出装置の第4の実施形態の動作を示すフロー図である。 本発明を適用してなる第4の実施形態の培養状態検出装置によるランレングスの計測方法を説明する図であり、(a)は2値化した2次元画像データに設定した計測ラインにおけるランレングスの計測法を示す模式図、(b)は、平行な複数の計測ラインにおけるランレングスの分布を示す図である。
符号の説明
1 培養状態検出装置
3 CPU
5 磁気ディスク
7 主メモリ
9 カメラ
11 インターフェイス
13 CRTディスプレイ
15 マウス
17 コントローラ
19 キーボード
21 スピー力
23 共通バス

Claims (3)

  1. 細胞培養している培地を撮影して得られた複数の細胞を含む2次元画像データを多値化する多値化手段と、該多値化手段で多値化した2次元画像データを横切る任意に設定された直線状の計測ラインにおける細胞に対応する画像データ部分のランレングス、または、細胞に対応していない画像データ部分のランレングスを計測するランレングス計測手段と、該ランレングスと培地の単位面積あたりの細胞密度との予め定めた相関に基づいて、培地の単位面積あたりの細胞密度を判定する判定手段とを備え
    該判定手段は、前記相関に基づいて判定した細胞密度と、予め設定した判定値とを比較して細胞培養を継代するタイミングか否かを判定する培養状態検出装置。
  2. 顕微鏡を介して細胞培養している培地を撮影するカメラと、該カメラで撮影した複数の細胞を含む2次元画像データを多値化する多値化手段と、該多値化手段で多値化した2次元画像データを横切る任意に設定された直線状の計測ラインにおける細胞に対応する画像データ部分のランレングス、または、細胞に対応していない画像データ部分のランレングスを計測するランレングス計測手段と、該ランレングスと培地の単位面積あたりの細胞密度との予め定めた相関に基づいて、培地の単位面積あたりの細胞密度を判定する判定手段とを備え
    該判定手段は、前記相関に基づいて判定した細胞密度と、予め設定した判定値とを比較して細胞培養を継代するタイミングか否かを判定する培養状態検出装置。
  3. 前記ランレングス計測手段は、交わる少なくとも2方向の前記計測ラインにおけるランレングスを各々求めてなることを特徴とする請求項1または2に記載の培養状態検出装置。
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