JP4565809B2 - 注出具付きの液体容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、染髪剤や整髪剤等の溶液を収容した中空容器、中でも、手指や衣服等を汚すことなく綺麗に、且つ、満遍なく頭髪に染髪剤や整髪剤、養毛剤等の化粧液を塗布できるように形成された櫛歯やブラシ等の塗布具を具えた塗布容器に係わるもので、更に詳細には、染髪剤や整髪剤等の頭髪化粧溶液を塗布する櫛歯やブラシ等の塗布具を各種の塗布容器に着脱自在に装着可能に形成すると共に、塗布具を交換可能に形成して、塗布具を共用可能にした塗布具付き頭髪化粧用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から染髪剤や整髪剤等を用いて頭髪を化粧する場合には、容器から少量づつ染髪剤等を掌に取って、指先で延ばすようにして頭髪に揉み込んで塗布するか、塗布専用の櫛歯やブラシを具えた塗布具に少量の染髪剤を付着させてから、塗布しようとする頭髪部分に塗り込んで塗布してから、櫛やブラシで頭髪を丹念に梳いて整髪していた。
しかし、このような頭髪の化粧方法にあっては、染髪剤で手先や頭皮が汚れるばかりか、衣服を汚すこともあり、また、薬液を頭髪に均一になるように確実に塗布するのが困難であり、化粧むらが出たりすることから、手先や衣服等を汚すことなしに、もう少し簡単で確実に整髪、化粧ができるようにした化粧用塗布容器の出現が望まれる。
【0003】
その結果、染髪剤や整髪剤等の化粧料を収容した容器の口頸部に、内部の化粧溶液を頭部に塗布するための櫛やブラシ等の塗布具を装着して、化粧料を直接容器から塗布具に自動的に供給することができて、手先を汚さずに塗布できるようにした塗布容器が色々と開発されている。
そうした中で、化粧料を収容した容器に塗布具を装着したものとして、特開昭61−240904号や特開平11−9330号公報等に見るように、染髪剤等の化粧料を収容した胴壁部を押圧変形可能な中空容器の口頸部に櫛歯を装着した絞り出し形式のものと、実開平5−51786号や特開平8−131235号公報等に見るように、染髪剤等の化粧料を加圧ガスと一緒に中空容器に収容したエアゾール容器の口頸部に櫛歯を装着した泡状エアゾール形式のもの等が、従来から一般に知られている。
【0004】
前者の絞り出し形式のものは、図7に示すように、胴壁部が押圧変形可能な中空容器31の口頸部32にノズル部33を有する肩カバー部33aを螺着して、前記ノズル部の先端に櫛部35の支持体34を嵌合、固定して、前記中空容器内の染髪剤等の化粧料を塗布可能に構成したものである。
そして、染髪剤等の化粧料を収容した前記中空容器31の本体の胴壁31a部分を手中に持って胴壁を押圧変形させると、前記容器31内に収容された染髪剤等の化粧料はノズル先端の開口部33aから櫛部35の支持体34内部に形成された導出路35aへ吐出されて、排出口35bを通して櫛歯36に設けられた吐出路36aを経て吐出口36bから櫛歯36の間に排出されるので、頭髪に櫛歯36を当てて梳くことにより染髪剤を頭髪に塗布することができる。
【0005】
このような絞り出し形式の容器を用いたものは、染髪剤等の化粧料を充分な量だけ櫛歯部分に供給しつつ、手先や頭皮への付着や周囲への飛散もなしに、広い範囲の頭髪に対して塗布操作を行うことができて便利である。
しかし、このような櫛歯を設けた塗布容器は、ノズル部に注出される化粧料を調整する弁体がないので、胴壁を押圧変形させる際に強く押圧し過ぎると、化粧料が余分に出過ぎて、頭髪がべとついて困る場合があり、また、内溶液の減少により内部が減圧状となることから、容器の外形が変形したり、容器内に外気が流入するので、内溶液が変質する欠点がある。
そして、上記の塗布容器に装着して使用する櫛歯は、用いる容器によって異なることから、容器の大きさや形状または種類により別々のものを準備しなければならず、既存品との間の互換性がないので、上記のような塗布具を具えた塗布容器は製造コストが嵩むことになり、改良の余地がある。
【0006】
また、後者のエアゾール容器を用いた泡状塗布式のものは、手に持った容器を傾けてから噴射ステムを押し下げると、内部の染髪剤等の化粧料を泡状にして一定量ずつ噴出させて塗布することができて非常に便利であり、容器の外形が変形することがなくて、内部の加圧ガスとして内容液に不活性なガスを用いると、内容液が変質することもない。
しかし、櫛歯による泡の保持力が弱いために塗布中に染髪剤等が櫛歯から落下し易くて、皮膚や衣服に等に付着することがあり、また、エアゾール容器は製造コストが高くつくので、塗布容器の生産コストを下げることは難しい。
【0007】
そして、櫛歯やブラシ等の塗布具を装着した塗布容器に於いて、塗布操作による内溶液の減少による内部の減圧化に伴って、容器の外形が変形したり、容器内に外気が流入するのを防止したものとして、特開2002−46783号や特開2002−68330号公報等にみるように、収縮変形可能な内部容器を重ね合わせた構造の二重容器からなるもの、あるいは、特開平4−339759号や特開平9−23922号公報に見るように、柔軟なフィルムからなる剥離可能に袋状の内層を設けた二層構造の容器からなるものが知られている。
しかし、前者の二重容器からなるものは、構造が複雑になり、生産コストを低減するのが難しい。
【0008】
そこで、櫛歯やブラシ等の塗布具を装着する中空容器として、容器本体の胴壁層(外層)の内側にナイロンやエチレンビニルアルコール樹脂等を用いた柔軟なフィルム層からなる内層を剥離可能に形成した容器を用いて、内容液が変質するのを防止した塗布容器を、出願人は既に、特開2000−41727号や特開平4−339759号公報に提案している。
上記発明の塗布容器は、図8に示すように、内部剥離層を有する2層構造をした中空容器(デラミネート容器、通称デラミ容器)41に染髪剤等の化粧料を収容して、前記中空容器の口頸部41aの螺着筒部41bに櫛支持筒部42を立設した接合キャップ43を螺着して、前記接合キャップ43の櫛支持筒部42に櫛体45の取付け筒部44を嵌着して櫛歯付きの塗布容器を構成して、染髪剤等の化粧料を塗布可能としたものである。
【0009】
しかし、上記櫛歯付きの塗布容器は、用いる中空容器の口頸部に合わせた螺着筒部を有する接合キャップ43を前記螺着筒部41bに嵌合する中栓46を用意して、前記接合キャップ43の櫛支持筒部42に嵌着可能に形成した櫛体45を用いなければならず、従って、用いる中空容器の種類ごとに異なる接合キャップや中栓、櫛体を製造しなければならず、生産コストを低減することが難しい。
そこで、剥離可能な内層と外層を設けた2層構造の中空容器を用いた塗布具付きの塗布容器を、汎用部品を使用可能にした共通性を持たせて、構造をできるだけ簡単にして、安価に製造可能な塗布容器の出現が望まれる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、上記したような種々の問題を解決せんとして創案されたもので、胴壁部を押圧変形が可能な中空容器に収容された染髪剤等の化粧料を、前記中空容器の口頸部に装着された櫛歯やブラシ等の塗布具に注出せしめて、手先や衣服を汚すことなしに、頭髪部に綺麗に満遍なく塗布できるような構造をした塗布容器に構成して、前記中空容器の口頸部に装着される櫛歯やブラシ等の塗布具は、容器の種類や大きさ、形状が異なる容器にも共通して使用することができるような構造に形成すると共に、前記櫛歯やブラシ等の塗布具には一定圧力の液流が送られて、櫛歯から吐出されるように形成する。
そして、更に、前記中空容器は内溶液の減少に伴う外気の流入がないようにして、容器内の溶液の変質を極力防止できるような構造にすると共に互換性があるように形成された化粧用中空容器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するために、染髪剤等の化粧料を収容する中空容器を、容器本体の外層壁内に剥離可能にした内層部を形成した2層構造に形成して、容器内への外気の流入を防止して、また、前記中空容器の胴壁部を押圧変形可能に形成すると共に、前記中空容器の口頸部に塗布具が着脱可能に形成された接合筒体を螺着可能に形成する。
また、前記中空容器の口頸部に装着される櫛歯やブラシ等の塗布具は、前記中空容器の口頸部に螺着可能に形成された螺合筒体に嵌着された弁体を有する筒状の結合部材に既成の櫛歯やブラシ等を着脱自在に結合して構成することにより、本願発明の塗布容器は、その製造コストが低減されると共に、前記螺合筒体または結合部材に減圧空気の流入開閉弁と内容液の流出開閉弁を設けて、内容液の注出量を調整可能に形成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
熱可塑性合成樹脂をブロー成形により成形した中空容器の内部に、剥離可能で且つ変形自在な内袋を設けて、該内袋に染髪剤や整髪剤等の液体化粧料を収容して塗布容器の容器本体1を形成する。
一端部を容器の口頸部1aに螺合可能に形成すると共に他端部に吸気弁体4を有する筒状の結合部材3を嵌合可能に形成した螺合筒体(筒状蓋体)2を、前記容器本体1の口頸部1aに螺着して、前記螺合筒体2に塗布具等6を結合可能に形成した筒状の結合部材3を嵌合、固定して、櫛歯やブラシ等の塗布具6を装着可能にした容器本体1を形成する。
【0013】
続いて、上記容器本体1の結合部材3に、筒状をした中間の接合用蓋体5を介在させるか、または、介在させずして、櫛歯やブラシ等の塗布具6を着脱可能に嵌合、接続して、染髪剤や整髪剤等の液体化粧料を注出可能にした塗布具付きの塗布容器を構成する。
そして、上記のように構成された塗布具付きの塗布容器を使用するには、2層構造をした塗布容器の胴部を手中に持って、その胴壁部を押圧すると、内圧が上昇して前記結合部材の弁体が開いて、容器内の内容物が液通路を通って各櫛歯に送られて、吐出口から櫛歯面に吐出されるので、頭髪部に塗布できる。
【0014】
【実施例】
本願の発明について、最適な一つの実施例に基づいて、図面を参照しつつ以下に説明する。
本願の発明は、図1に示すように、中空容器の外層1dから容易に剥離可能な薄い内層1eを設けて2層構造に形成した押圧変形が可能な中空容器(俗称デラミ容器)に、染髪剤や整髪剤等の液体化粧料を収容した容器本体1の口頸部1aに螺合筒体2を螺合、固定して、前記螺合筒体2に吸気弁体4を設けた結合部材3を嵌着して、前記結合部材3に蓋体5を螺合、固定して、前記蓋体5に櫛歯やブラシ等の塗布具6を着脱可能に嵌合、接続して、染髪剤や整髪剤等の液体化粧料を注出可能となして、塗布具付きの塗布容器を構成したものである。
【0015】
上記のような構成をした塗布具付きの塗布容器を形成するには、先ず、熱可塑性合成樹脂を用いて通常の押出しブロー成形により成形して、口頸部1aに螺合筒体(又は筒状蓋体)2を螺合可能なネジ部1bと外気導入孔1cとを形成した中空の容器本体1の内部に、前記容器本体の胴壁面から容易に剥離可能なナイロンやポバール等の柔軟性を有する合成樹脂から形成した変形自在な袋状体を挿入、固定して、染髪剤や整髪剤等の液体化粧料を収容可能にした、図1に示すような2層構造をした中空の容器本体1を形成する。
【0016】
続いて、熱可塑性合成樹脂を射出成形して、図2に示すような円筒体からなる螺合筒体2を形成して、円筒体の下端部の内周面には前記中空の容器本体1の口頸部1aに螺合可能なネジ部2aを設けると共に、円筒体の上端部の内周面には櫛歯やブラシ等の塗布具6を結合可能な蓋体を結合する結合部材3が嵌着する嵌合部2bを設けて、且つ、前記円筒体の中程の内周面には環状のフランジ部2cを形成すると共に、該フランジ部には通気孔2hを形成する。(図2(d)参照)
そして、前記フランジ部の下面には円筒壁2dを垂設して容器本体の口頸部1aの内周面に密着可能に形成すると共に、前記フランジ部2cの上面には内筒2eと外筒2fとを立設して吸気弁体4を嵌合可能にした嵌合凹溝2gを有する内外二重筒体を形成して、容器本体の口頸部1aに螺合、固定する螺合筒体(又は筒状蓋体)2を成形する。
【0017】
同じように射出成形して、前記螺合筒体2に嵌着可能で且つ蓋体を螺着可能な筒状体からなる結合部材3を成形して、筒状体の円筒壁3aの上部外周面に塗布具を嵌合、接合するための蓋体(接合体)が螺合されるネジ部3bを設けて、前記筒状体の内部底壁3cの下面には外気吸入用の吸気弁体4を密着して係合する係合筒3dを突設すると共に、該係合筒の内側の内部底壁の一部に連結片3eで連結されて、他の部分が円形状に切り離された開閉可能な弁部3fに形成されて、内容液の流出を調節可能にする。
更に、前記筒状体からなる結合部材3の下部外周にフランジ状に設けた外部底壁3gの下面には前記螺合筒体2に嵌合する嵌合筒部3hを垂設して、螺合筒体2に嵌着、固定可能に形成すると共に、前記筒状体の前記円筒壁3aと外部底壁3gの周縁との連接部に連通孔3jを設けて、外気を吸入可能に成形する。(図2(b)参照)
【0018】
また、同様に射出成形して、前記筒状の結合部材3と螺合筒体2との間に設ける吸気弁体4を、図2(c)に示すように、前記結合部材3の内部底部3cの係合筒3dに密着、係合が可能な円筒体4aに成形して、該円筒体4aの上端部に内側に向けたフランジ部4dを形成すると共に、円筒体の下端部4cを前記螺合筒体2の上部に設けた嵌合凹溝2gに嵌合可能に形成して、更に、円筒体4aの中程の外周面に薄肉の環状片を設けて吸気弁4bを形成して、該吸気弁4bを結合部材3と螺合筒体2とに密着せしめて嵌合可能にする。
【0019】
同じようにして、櫛歯やブラシ等の塗布具を装着可能にする接合用の蓋体5を前記結合部材3に螺着可能な筒状に成形して、前記蓋体5の下端部を形成する円筒部5aの内周面に前記結合部材3の上部の円筒壁3aの外周面に設けられたネジ部3bに螺合可能なネジ5bを形成すると共に、前記蓋体の円筒部5aの上端部から湾曲状に絞るようにして縮径した先端部5dに櫛歯やブラシ等の塗布具6の後端の接合筒部6aを嵌合せしめて固定可能にした嵌合凹部5cを設けて、塗布具6を接合可能な蓋体を形成する。(図2(a)参照)
【0020】
上記のように形成された本願発明の各構成部材は、2層構造をした中空の容器本体(デラミ容器)1内に染髪剤や整髪剤等の液体化粧料を収容して、前記容器本体の口頸部1aに螺合筒体2が円筒部のネジ部2aを螺合して固定される。
次いで、前記螺合筒体2の内筒2eに吸気弁体4の円筒体の下端部4cを被着して嵌合凹溝2gに嵌合、固定してから、結合部材3の下端部の嵌合筒部3hを前記螺合筒体2上部の嵌合部2bに嵌合せしめると共に、結合部材3の内部底壁3cに垂設した係合筒3dを前記吸気弁体4の円筒体4aに係合せしめて、櫛歯やブラシ等の塗布具を装着する蓋体5を螺着可能に固定する。
【0021】
そして、上記のようにして結合部材3が固定された容器本体には、櫛歯やブラシ等の塗布具が装着可能に形成された前記蓋体5を、前記結合部材3の円筒体の円筒壁3aのネジ部3bに円筒部5aを螺合して固定する。
このようにして、塗布具を装着可能な蓋体5が固定された容器本体に対して、櫛歯やブラシ等の塗布具6の後端の接合筒部6aを、前記蓋体5の円筒部5aの先端部に設けられた嵌合凹部5cに嵌合せしめることにより、塗布具付きの塗布容器が形成される。
【0022】
上記のように形成された図1に示すような塗布具付きの塗布容器は、容器本体1の胴部を手中に持って胴壁部を押圧すると、内部の圧力が上昇して弁部3fが開いて、内部の容液は櫛歯やブラシ等の塗布具6の液流路6bを通って、塗布具先端に設けられた吐出口から吐出されて塗布可能になる。
そして、胴壁部の押圧力が解除されると、容器の胴壁部が復元することにより容器内が減圧状態になって弁部3fが閉じると同時に、前記蓋体5の下部の円筒部5aの端面と結合部材3との間の隙間から外気が吸入されて、結合部材3の連通孔3jを通って吸気弁体4の吸気弁4bを押し下げて、通気孔2hを通過して、容器の口頸部1aの外気導入孔1cから容器本体1内へと吸引される。
【0023】
このようにして、外気導入孔1cから容器本体1内へと吸引された外気は、胴壁部の外層1dと内層1eとの間に導入されて内層を剥離させる結果、剥離した内層1eは内部が減圧状態になるのに伴って収縮するので、内溶液を収容した内層内に外気が流入することがないので、容器本体内の溶液が酸化したりして変質するようなことはない。
尚、上記した実施例に於いては、各種の塗布具等を接続可能にするために、塗布具6と螺合筒体2との間に塗布具6を装着可能にする蓋体5と該蓋体を螺合筒体に結合する結合部材3とを設けたことにより、種々の櫛歯やブラシ等の塗布具6、特に汎用されている既存の塗布具および容器本体が使用可能な構造にしたが、本願発明は、このような構造に限定されるものでなくて、例えば、図3および図5に示すように、前記結合部材3を省略した簡単な構造にして、前記蓋体5に前記結合部材としての機能を持たせた構造にして、同様な効果をもたらすことが可能である。
【0024】
例えば、図3に示す第二の実施例は、2層構造をした中空の容器本体1の口頸部1aに螺着する螺合筒体12を、熱可塑性合成樹脂の射出成形により図4に示すような円筒体に形成して、円筒体の下端部に容器の口頸部1aに螺合可能なネジ部12aを内周面に設けると共に、その上端部に塗布具6を装着するための蓋体(接合用蓋体)15を嵌着可能にした嵌合部12bを設けて、更に、前記円筒体の中程の内周面に環状のフランジ部12cを形成して、前記フランジ部の下面に容器本体1の口頸部1aの内周面に密着可能な円筒壁12dと蓋体5を支持する支持筒12eとを垂設すると共に、前記円筒壁12dと円筒体の中間部のフランジ部12cに通気孔12hを設けて口頸部1aに螺着可能に形成する。(図4(c)参照)
【0025】
また、上記第一実施例と同じように、櫛歯やブラシ等の塗布具6を装着するための前記蓋体15を前記螺合筒体12に嵌着可能に成形して、前記蓋体15の円筒部15aを前記螺合筒体12の嵌合部12bに嵌合可能に形成して、前記円筒部15aの上端部から絞るように湾曲状に縮径した先端部15dを内側に折り返した逆V字状に形成して塗布具6の後端の接合筒部6aを嵌合、密着可能に形成すると共に湾曲面に吸気孔15fを形成して、前記逆V字状の先端部を前記螺合筒体12の支持筒12eの内周面に密着可能にした内部円筒部15cを設けて、更に、前記内部円筒部の底部に開閉弁15eを形成する。(図4(a)参照)
【0026】
同じようにして、前記螺合筒体12と蓋体15の間に嵌着して設ける吸気弁体14を射出成形により成形して、前記蓋体15の内部円筒部15cに嵌合可能な円筒体14aを形成すると共に、該円筒体14aの中程の外周面に設けた環状の薄肉片からなる吸気弁14bを形成して、その薄肉片の先端部を前記蓋体15の円筒部15aの上端部の内周面に密着可能にした吸気弁体14を形成する。(図4(b)参照)
【0027】
上記のように形成された各構成部材は、2層構造をした中空容器に液体化粧料が収容された容器本体1の口頸部1aに、前記螺合筒体12を螺合して、接合用の蓋体15を嵌着可能に形成する。
そして、前記蓋体15の内部円筒部15cに前記吸気弁体14が嵌合された蓋体を、前記螺合筒体12の支持筒12e内に前記内部円筒部15cの下端部を挿入するようにして、前記螺合筒体12の嵌合部12bに嵌合せしめて固定した後で、前記蓋体15の先端部に設けた塗布具を支持可能な嵌合筒部15dに櫛歯やブラシ等の塗布具6の接合筒部6aを嵌合、固定すると、図3に示したような塗布具付きの塗布容器が形成される。
【0028】
上記のように、本願発明は、容器本体1の口頸部1aに螺合した螺合筒体12と塗布具6との間に、吐出弁となる弁部15eを有する接合用の蓋体15と、変形可能な吸気弁14bを有する吸気弁体14とを設けて、前記蓋体15の円筒部15aを螺合筒体12の嵌合筒部12bに嵌着可能に形成すると共に、前記蓋体15の上端部に塗布具6後端の接合筒部6aを着脱可能に形成したことにより、汎用されている既存品の色々な塗布容器と塗布具を用いた塗布具付きの塗布容器を形成することができるので、種々の塗布具付きの塗布容器を安価に製造することができる。
【0029】
上記のように形成された塗布具付きの塗布容器は、容器本体1を手中に持って胴壁部を押圧すると、胴壁部が変形して内部の圧力が上昇して前記蓋体15の弁部15eを開いて、押し上げられた内容液は塗布具6の液流路6bを通って、塗布具先端に設けられた吐出口から吐出されれて塗布可能になる。
そして、胴壁部の押圧力が解除されると、変形した容器の胴壁部が復元して容器内が減圧状態になるので、前記弁部15eが閉じられると同時に、蓋体15の吸気孔15fから外気が吸引されて、前記吸気弁体14の吸気弁14bの先端部が下方へ変形し、外気は前記螺合筒体12の通気孔12hを通って、口頸部1aの外気導入孔1cから容器本体1内へと吸引されて内層1eが外層から剥離して分離する結果、剥離した内層1eは内部が減圧状態になり収縮するので、内溶液を収容した内層内に外気が流入することがなくて、容器本体内の溶液が酸化したりして変質するようなことがない。
【0030】
また、図5は、本発明の参考例を示し、同例は、前記第二の実施例に於ける吸気弁体14を螺合筒体12側に嵌合するように形成したもので、接合用の蓋体15の円筒部15aに吸気孔15hが開口された構造に形成されている。
前記螺合筒体12と塗布具を装着する蓋体15との間に設けられる前記吸気弁体24は、図6(b)に示すようなフランジ部を有する円筒体状に射出成形されて、円筒体24aの上端部が前記蓋体15の上端部に設けられた逆V字状の係合凹部15gに係合可能に形成されると共に該円筒体の上端縁に吸気孔24dが形成されて、前記円筒体24aの内周面には下向きに傾斜した環状片からなる薄肉の吸気弁24bが設けられて、薄肉の環状片の先端部が前記蓋体15の内部円筒部15cの外周面に密着するように成形されている。
更に、前記吸気弁体の円筒体24aの下端部には外向きのフランジ24cが環状に形成されると共に、前記螺合筒体12の嵌合部12bの内面に接するように形成されて、前記フランジ24cの下面にはリブ状に突出した凹溝が設けられて、前記フランジ24cの下面は前記螺合筒体12のフランジ部12cの上面に接するように形成されて、両者の間には外気が流通する間隙が形成される。
【0031】
そして、前記吸気弁体24は前記第二実施例と同様にして、液体化粧料やその他の各種の溶液が収容された容器本体1の口頸部1aに螺着されてなる前記螺合筒体12の嵌合部12bに嵌着すると共に、前記蓋体15の内部円筒部15cを吸気弁体24の円筒体24aを貫通せしめて螺合筒体12の支持筒12e内に挿入して、蓋体15の円筒部15aを螺合筒体12の嵌合部12bに嵌合して、前記蓋体15を固定して、図5に示す塗布具付きの塗布容器を構成する。
【0032】
上記のように形成された塗布具付き塗布容器は、容器本体を手中に持って胴壁部を押圧して内容液を吐出せしめてから胴壁部の押圧力を解除してやると、胴壁部が復元して容器内は減圧状態になるので、前記蓋体15の弁部15eが閉じられると同時に、前記蓋体15と螺合筒体12の間の吸気孔15hから外気が吸引されて、前記吸気弁体24の円筒体24aの上端部に設けた吸気孔24dを通って導入された外気は、前記吸気弁体24の吸気弁24bを押し下げて前記フランジ24cの下面の隙間を通り、前記螺合筒体12の通気孔12hを経て、口頸部1aの外気導入孔1cから容器本体内へと吸引されて、外層1dと内層1eとの間に流入するので、内層は外層から分離されて収縮する。
尚、上記した実施例に於いては、蓋体に連結して使用するのに櫛歯やブラシ等の塗布具を用いたものであったが、本願発明はこのような塗布具に限定されるものではなくて、内容液を注出可能な各種の注出ノズルや吐出具を装着して使用することも可能である。
【0033】
【発明の効果】
上記のように形成された本願発明の塗布具付き塗布容器は、容器本体の口頸部に設けた螺合筒体と塗布具の間に、吸気弁体を設けた結合部材や蓋体を設けて、既成品の櫛歯やブラシ等の塗布具を蓋体に着脱可能に接合できるように構成したので、結合部材または蓋体を塗布具の接合端部および螺合筒体の嵌合端部に合わせて形成したものを用意しておくだけで、汎用されている色々な既成の櫛歯やブラシ等の塗布具と塗布容器を用いた互換性のある塗布具付き塗布容器を形成することができるので、塗布容器の生産コストを低減することができる。
また、本願発明は、内容液を収容した中空容器の口頸部に装着する塗布具として、従来から既に使用されている櫛歯やブラシ等の部材、および、塗布容器本体を用いたものであるから、注出される内溶液が飛び散ったり、漏れたりする点については解決済みであるから、新しい塗布具付きの容器を製造しても、人肌その他を汚すような恐れは生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の発明である塗布具付き塗布容器を示す断面図である。。
【図2】図1に示す塗布容器に用いる結合部材等の分解斜視図である。
【図3】本願発明の第二実施例を示す断面図である。
【図4】図3に示す塗布容器に用いる結合部材等の分解斜視図である。
【図5】本願発明の第三実施例を示す断面図である。
【図6】図5に示す塗布容器に用いる結合部材等の分解斜視図である。
【図7】従来の塗布具付き塗布容器を示す断面図である。。
【図8】本願発明の先行例の塗布具付き塗布容器を示す断面図である。。
【符号の説明】
1. 中空容器
1a.口頸部
1c.外気導入孔
2. 螺合筒体
2a.ネジ部
2b.嵌合部
3. 結合部材
3a.円筒壁
3b.ネジ部
3d.係合筒
4. 吸気弁体
5. 蓋体
6. 塗布具
Claims (4)
- 容易に剥離可能な薄い内層壁を設けた2層構造をした押圧変形可能な中空の容器本体と、当該容器本体の口頸部に螺合、固定される、円筒体としてなる螺合筒体と、当該螺合筒体の内周面に設けたフランジ部を介して内外二重に立設した内筒と外筒の間に嵌合する円筒体を有して前記螺合筒体に固定されてなる吸気弁体と、内容物の流出を調整可能な弁部を有して前記吸気弁体を覆うように前記螺合筒体に被着して嵌合することで前記吸気弁体の円筒体外周面に形成された環状の吸気弁が密着する筒状の結合部材と、蓋体とを有し、
当該結合部材の下端部に設けた嵌合筒部を、該嵌合筒部に前記吸気弁を密着せしめるように、前記螺合筒体の内周面に設けた嵌合部に嵌着、固定して、該螺合筒体と前記結合部材との間に前記吸気弁体を嵌合可能にし、
更に、前記結合部材の先端筒部の外周面に、前記蓋体の下端部を形成する円筒部を螺着、結合させる一方、当該円筒部の先端部に、注出具後端の接合筒部を嵌合可能に形成した嵌合凹部を設け、当該嵌合凹部に注出具後端の接合筒部を着脱可能に嵌合してなることを特徴とする注出具付きの液体容器。 - 前記螺合筒体は、容器本体の口頸部に螺合可能な円筒体からなり、当該円筒体の内周面に設けたフランジ部には、その下面から容器本体の口頸部内周面に密着可能な円筒壁を垂設すると共に外気を吸入可能な通気孔が設けられ、
更に、前記フランジ部の上面に内筒及び外筒を内外二重に立設し、これら内筒及び外筒が、当該内筒及び外筒の間に、前記吸気弁体の円筒体下端部が嵌合、固定可能となるように形成されてなることを特徴とする請求項1に記載する注出具付きの液体容器。 - 前記結合部材は、前記螺合筒体に設けられた前記嵌合部に嵌合可能に形成された嵌合筒部を有し、当該嵌合筒部の上部に設けたフランジ状の壁部を介して前記蓋体が螺合可能な円筒壁が立設されて、当該円筒壁の底壁の下面には、前記吸気弁体に係合する係合筒が突設されていると共に、当該係合筒に取り囲まれた前記底壁の領域には、前記弁部が開閉可能に形成されていることを特徴とする請求項1に記載する注出具付きの液体容器。
- 容易に剥離可能な薄い内層壁を有する2層構造をした押圧変形可能な中空の容器本体と、当該容器本体の口頸部に螺合、固定される、円筒体としてなる螺合筒体と、当該螺合筒体に接合される塗布具接合用の蓋体と、該蓋体及び前記螺合筒体の間に嵌着する吸気弁体とを有する注出容器であって、
前記螺合筒体は、その内周面に、フランジ部を設け、該フランジ部の下面に支持筒を垂設すると共に、蓋体を嵌着可能な嵌合部を設けることで、当該螺合筒体の上端部に、前記蓋体を嵌合、固定してなり、
また、前記蓋体は、螺合筒体に設けた前記嵌合部に嵌合可能な円筒部が形成され、当該円筒部の上端部から筒状に縮径した先端部を内側へ逆V字状に折り返すことで、塗布具の接合筒部を嵌合、密着可能な嵌合部が形成されると共に、
逆V字状に折り返して下向きに指向する前記先端部に、当該先端部に連接して前記螺合筒体の支持筒内に密着、嵌合可能な内部円筒部を設けると共に、
当該内部円筒部の底部に開閉弁を設けて、且つ、前記蓋体のうち、前記円筒部の上端部を除く当該上端部から筒状に縮径した部分に吸気孔を設けてなり、
更に、前記吸気弁体は、前記蓋体の内部円筒部に嵌合可能な円筒体を有し、該円筒体に設けた環状の吸気弁を前記蓋体の内周面に密着可能なように、該蓋体の内部円筒部の下端部を前記螺合筒体の支持筒内に挿入することで、該螺合筒体及び前記蓋体の間に嵌着することを特徴とする注出具付きの液体容器。
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