JP4565490B2 - 救急業務シミュレーションシステム及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、救急、交通事故処理を含む緊急車両の運用データを取得するためのシミュレーション方法及びシステムに関し、特に、対象エリアにおける少なくとも道路情報、消防署情報、病院情報を含む地図情報及び対象期間における救急車の運用データを取得するためのシミュレーションシステム及びその方法に関するものである。
近年、都市部では年々人口が増加するにつれて一般市民の119番通報による消防隊の出動要請件数が増加する傾向にある。しかし、現状の消防署に配分される予算は現実的に限られており、消防救急隊員数の大幅な増員は望めない状況にある。このような状況が継続する場合に起こり得る状態として、救命率の低下、救急サービスの低下、及び救急隊員の勤務状況の悪化等が心配されており、これを改善する方法が求められている。
前記問題の現実的な改善方法としては効率的に運用する救急業務システムを確立することであり、これを実現するために従来技術において複数のシステムが提案されている。
その一例として、特許文献1では、ポリゴンを利用した出動隊編成方法及び出動隊編成システムを開示している。当該特許文献1は、公衆通信回線を経由して消防隊や救急隊の出動要請を受け付け、ポリゴンを地図データに重畳し、出動隊に関するポリゴン属性データをリンクし、受け付けデータに基づいて出動隊を容易に編成する。その効果として住所のない地点でも地図上の出動地点を容易に抽出すると共に出動隊編成情報を的確に検索することで、出動データ作成作業を簡素化し、作業指示等の関連業務の迅速化を可能にするというものである。
また、特許文献2では、集合住宅救助支援システムが開示されており、異常が検知されると、住宅各戸における要介護者の存在等を示すよう介護情報が表示及び音声出力されて、火災発生時に救助者は要介護者を優先的に救助できるというものである。
特開2003−6380号公報 特開2003−256963号公報 特開2003−203289号公報
上記2件の先行技術文献は、救急業務方法の効率化及びサービスの向上を図ることを目的としたものではあるが、出動要請の増加傾向が今後とも継続した場合に、将来、救命率、待ち時間の長さを含む救急サービスの質、及び救急隊員の勤務状況等がどのように変化するかについて具体的な情報を提供するものではない。したがって、業務効率化施策の基本となる上述の指標を提供する方法が求められている。
上記の要請にこたえるために、本出願人は、都市の地域情報、人口情報、道路情報、病院情報、救急要請情報等に基づいて救急事象を発生させ、各救急隊又は救急車の出動状況及び出動実績時間等を把握することを目的とし、特定地域における任意の救急発生点の指定によって消防署検索、病院検索及びルート一覧検索を行い、消防署の配置移動や救急患者の症状別によって救急隊を選択するシミュレーションを行う方法を提案する。本発明にかかる方法を実施することにより、将来のあるいは一定の仮定の下での救急隊の活動に関する基本的な指標を把握することができ、当該指標が把握されることによって、現状と比較して効率的に救急隊を配置したり、救急隊の出動状況を効率化したりすることが可能になる。
本発明の好ましい実施形態によれば、対象エリアにおける少なくとも道路情報、消防署情報、病院情報を含む地図情報及び対象期間における救急車の運用データを取得するための本発明によるシミュレーション方法は、
A)対象エリアにおける少なくとも道路情報、消防署情報、病院情報を含む地図情報、対象期間および救急事象の発生確率を規定するパラメータを含むシミュレーション条件を読み込む過程と、
B)前記救急事象の発生確率を規定するパラメータに基づいて、少なくとも救急事象の場所、日時および原因となる事故種別によって特定される救急事象の発生をシミュレートする過程と、
C)前記シミュレートされた救急事象のそれぞれに対して、出動すべき救急隊を決定する過程と、
D)前記救急隊が救急事象の発生場所に到着するまでに要する時間を算出する過程と、
E)前記救急事象の発生場所から搬送先病院に到着するまでに要する時間を算出する過程と、
F)前記搬送先病院から救急隊が所属消防署に帰還するまでに要する時間を算出する過程とを備え、
対象エリアおよび対象期間における各救急事象について救急隊の出動履歴を記憶し、統計的処理を可能とする。
本発明のシミュレーション方法において使用される地図情報とは、例えば、一般的な住所(地区名、丁目、番地、号)を特定することが可能な情報を意味し、道路情報とは、敷設された道路が緯度及び経度に基づいて地図上で特定することが可能な情報を意味し、道路交通情報等を含んでいてもよい。また、本明細書を通じて使用される「出動」及び「出場」なる用語は、ほぼ同等の意味を有するものとして理解されたい。
本発明のシミュレーション方法の各過程を順に説明する。
まず、A)の過程で、本シミュレーションに必要な道路情報、消防署情報、病院情報を含む地図情報及びパラメータを含むシミュレーション条件を指定する。
次に、B)の過程で、ある特定地域における救急隊出動時に選択された消防署、選択された病院、選択された出動経路等の情報を有する複数の救急事象の中から所定の発生確率で指定パラメータと一致する救急事象の各々について場所、日時、事故種別を設定する。
次に、C)の過程で、前記設定した場所、日時、事故種別によって最適な消防署に所属する救急隊を決定する。
次に、D)の過程で、例えば、道路情報を含む地図情報に基づいて決定された救急隊が救急隊の所属する消防署から救急事象の発生場所まで移動する最適な経路を選択し、所要時間を算出する。
次に、E)の過程で、救急隊が救急事象の発生場所に到着後、例えば、病院を選定し、道路情報を含む地図情報に基づいて救急隊が救急事象の発生場所から搬送先病院まで移動する最適な経路を選択し、所要時間を算出する。
次に、F)の過程で、搬送先病院に到着後、道路情報を含む地図情報に基づいて救急隊が搬送先病院から所轄の消防署まで移動する最適経路を選択し、所要時間を算出する。
以上のように、各救急事象に対して救急隊の出動から帰還までのA)からF)の一連の過程によって救急隊の出動履歴を把握することができると同時に、救急事象ごとの救急隊の出動実績を統計的に求めることができる。これによって、救急隊が救急事象発生時に使用する救急車の運用データを取得することができ、当該運用データに基づいて、例えば、各管轄消防署に配置すべき救急隊員数及び救急車台数の割り当てを効率的に行うことができる。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本発明によるシミュレーション方法は、前記発生確率を規定するパラメータが、地域の人口情報、年齢層毎の人口、月日、曜日、時刻、地域、緊急度のうちの少なくとも1つを含んで行われる。
救急事象の発生確率を規定するパラメータが複数存在することによって多様なパラメータの選択肢の中から救急事象の発生確率を特定することが可能となり、例えば、上記パラメータを利用して、道路情報を含む地図情報に基づいて救急隊の移動時間を算出する場合、平日又は休日、時間帯によっても交通状況は異なるため、さらに精確な移動時間の算出が可能となる。
また、地域の人口情報及び年齢層毎の人口パラメータは、該パラメータの現状データのみならず、人口の将来予測法を基にシミュレーションを行うことができる。救急要請件数予測は、年度別に対する各予測分類に対応した人口当たりの救急隊出場件数から、将来的な人口当たりの救急隊出場件数を予測して、それに将来人口予測を乗ずることにより求められる。なお、予測分類として、例えば、年齢(数区分等)、発生場所(住宅、住宅外等)、地域(市、区、町等)、曜日(平日、休日等)、時間(1時間単位等)、事故種別(急病、交通事故、一般負傷等)、傷病程度(数区分等)を例示することができる。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本発明のシミュレーション方法は、前記地域の人口情報が時間帯別の状況を含んで行われる。
例えば、ある都市における特定地域では、昼及び夜等、時間帯によって人口密度が異なり、一例として、商業地域又は工業地域では特定の時間帯のみ労働者によって一時的に人口密度が高くなる。よって、時間帯別の地域の人口情報をシミュレーションパラメータ条件とすることによって、より精確にシミュレーションを行うことができる。具体的には、昼夜別人口統計データを引用し、任意に定めた時間帯別係数を乗じて救急事象の発生を算出する。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本発明による前記救急事象の発生のシミュレーションは、前記パラメータによって規定された救急事象の発生確率を反映させた乱数を発生させることで行う。
例えば、各設定されたパラメータによる緊急事象の要請確率aのオーダーより十分大きな範囲の整数Nで発生させた乱数値をbとし、a≧b/Nを満足したときに救急要請されたものと認識させて、救急事象をシミュレーションにより発生させることができる。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本発明によるシミュレーション方法において、前記救急事象の発生確率は少なくとも事故種別又は緊急度ごとに定められる。
例えば、過程B)において、救急事象の発生が事故種別又は緊急度によって特定されてもよい。事故種別とは、例えば、「交通事故」、「急病」、「転院」、「一般負傷」、「不搬送」、「その他」の種別で定義されることができる。救急事象を発生させる際、救急事象の発生確率を規定するパラメータを含む過去の統計データに基づいて上記種別の起こり得る確率を種別ごとに発生させる。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本発明のシミュレーション方法の過程C)において、前記出動すべき救急隊は、管轄消防署に複数の救急隊が待機しているときは待機時間の長い方、管轄消防署に1つの救急隊のみが待機しているときは当該待機している救急隊、管轄消防署に待機している救急隊が無いときは管轄消防署外の直近の救急隊とする。
出動すべき救急隊を選定するに際し、救急隊は出動中又は消防署に待機中である場合が考えられる。よって、救急隊の現状に応じて選定する選定過程を定めておく必要がある。
例えば、救急隊が待機している状況下で、救急隊が1隊のみ待機していれば、当該救急隊が出動し、複数の救急隊が存在していれば、待機時間の長い救急隊から出動順位が決定される。救急隊が出動中で消防署内に存在しない場合は、管轄消防署以外の救急事象の発生現場から最寄りの救急隊が出動要請を受ける。このようにして、救急隊の選定が行われる。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本発明のシミュレーション方法において、前記救急隊が救急事象の発生場所に到着するまでに要する時間を算出する過程は、複数の経路のうち救急事象の発生場所に最短時間で到着する経路を採った場合に必要な時間を当該救急隊が救急事象の発生場所に到着するまでに要する時間とする。
例えば、救急隊が救急事象の発生現場に向かう最短時間は、道路情報を含む地図情報を基に求められた最短距離及び複数の経路による所要時間、並びに当該時刻による時間帯別の交通状況等の条件を考慮して求めることができる。当該技術は、本出願人による出願済みの特許文献3を参照されたい。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本発明によるシミュレーション方法は、さらに、救急事象の発生場所において、予め設定された比率を反映させるように、前記事故種別に基づいて不搬送、搬送または転院のいずれかをランダムに選択する。
例えば、実際に救急隊が救急事象の発生場所に到着し、その際には、患者を搬送する必要がない場合、患者を病院に搬送する場合、又は病院から別の病院への転院の場合が想定される。そこで、例えば、上記事故種別に基づいて、発生確率によって特定された各々の救急事象における比率となるように、上記各場合の選定をランダムに決定することができる。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本発明のシミュレーション方法において、前記救急事象の発生場所から前記搬送先病院に到着するまでに要する時間を算出する過程は、搬送先の候補である複数の病院から、予め設定された各病院に対する搬送割合を反映させるように特定の病院をランダムに選択して搬送先病院とする。
例えば、救急事象の発生場所において、救急隊が患者を病院へ搬送又は転院すべき旨を選択し、搬送先の病院を選定する場合、地域に所在する複数の病院の中から決定される必要がある。これは、発生確率によって特定された救急事象における実際に搬送又は転院された病院の搬送割合を算出し、その割合を反映するように搬送先の病院を決定することができる。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本発明のシミュレーション方法において、前記病院の選択は、患者の重症度、患者による選択、救急隊による選択、地域ごとに応じて前記搬送割合を変更することにより行われる。
さらに、搬送病院を選択する場合、患者の症状、患者自身、救急隊、病院が担当する地域の少なくとも1つのパラメータ条件に基づいて搬送割合を変更することもできる。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本発明のシミュレーション方法において、前記救急事象の発生場所から前記搬送先病院に到着するまでに要する時間を算出する過程は、複数の経路のうち搬送先病院に最短時間で到着する経路を採った場合に必要な時間を当該救急事象の発生場所から前記搬送先病院に到着するまでに要する時間とする。
例えば、救急隊が救急事象の発生現場から搬送先病院に向かう最短時間は、道路情報を含む地図情報を基に求められた最短距離及び複数の経路による所要時間、並びに当該時刻による時間帯別の交通状況等の条件を考慮して求めることができる。この最短時間を救急事象の発生場所から搬送先病院に到着する所要時間として計算する。これも、上述したように、特許文献3を参照されたい。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本発明のシミュレーション方法は、前記D)の過程の次に、少なくとも救急事象の発生場所における現場処置時間、或いは、前記E)の過程の次に、少なくとも前記搬送先病院における病院待機時間を算出する過程とを含む。
救急隊が出動して救急事象の発生場所に到着してから、現実的には、救急隊が救急事象の発生場所において患者に対して治療措置等を行うための処置時間が経過し、救急隊が搬送先又は転院先病院に到着してから、現実的には、病院で待機する時間が経過する。よって、救急隊の出動実績時間の算出において、これらの付加的な時間も加算する必要がある。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本発明のシミュレーション方法において、前記搬送先病院から救急隊が所属消防署に帰還するまでに要する時間を算出する過程は、搬送先病院から救急隊が管轄エリアに帰還するまでに要する時間を算出する過程を備え、救急隊が管轄エリアに帰還した後に次の救急事象の発生を確認し、所属消防署に帰還する前に救急事象が発生し、かつ、その時点で所属消防署には当該救急事象に出動する救急隊が無い場合は、救急隊は直接救急事象の発生場所に向かうことができることとする。
救急隊が所轄消防署へ帰還中に新規救急事象が発生した場合、出動中の救急隊に出動が要請される可能性がある。この場合、現実的には、出動中の救急隊が所轄エリア外に所在している場合は、該所轄エリアに帰還するまでは救急事象の連絡を受けないように設定し、管轄エリアに帰還後から救急事象の連絡を受け付けるように設定している。つまり、救急事象の発生時に所轄消防署に救急隊が存在せず、出動中の救急隊に要請する場合は、救急隊が所轄エリア内に帰還した後に当該要請の受付けを開始し、直接救急事象の発生場所に急行する。この一連の新規救急事象の連絡受付けによる救急隊の出動実績時間を算出することができる。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本発明のシミュレーション方法において、前記救急隊を処置能力のレベルによって分類すると共に救急事象を緊急度のレベルによって分類し、前記出動する救急隊を決定する過程は、救急事象の緊急度のレベルに従って所定の処置能力レベルを有する救急隊を出動させる。
例えば、消防署に所属する救急隊が緊急度別に処置能力が異なるように分類されており、発生した救急事象の緊急度レベルによって出動する救急隊が決定されれば、発生した救急事象に対してより効率的に対処することができる。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本発明のシミュレーション方法は、前記救急隊を処置能力のレベルによって分類すると共に救急事象を緊急度のレベルによって分類し、前記救急事象の発生した場所に到着した救急隊は、救急事象の緊急度のレベルに従って、必要に応じて所定の処置能力レベルを有する救急隊を要請する。
例えば、救急隊が処置能力レベルに分類されており、救急発生事象が緊急度のレベルに分類されている場合、緊急度が高い救急事象に対しては処置能力が高い救急隊が出動する。このとき、要請された救急事象の緊急度レベルが高く、処理能力レベルが高い救急隊が出動したが、救急事象の発生現場において、実際には緊急度が低い救急事象であることが判明するような場合が想定できる。そのような場合には、改めて処置能力レベルが低い救急隊を要請することによって緊急度が高い次の救急事象に備えることができる。このような方法を採用した方が救急事象に対する対応処置が適切かつ効率的な場合がある。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本発明のシミュレーション方法は、前記地図情報における消防署の位置情報、救急隊の待機位置情報、又は病院の位置情報を変更してシミュレーションを行う。
救急隊員数と出動実績時間とを総合的に比較するために、消防署の所在地、救急隊の場所の所在地、又は病院の所在地を追加、変更等し、発生確率に対して特定された緊急事象に出動する救急隊の出動実績時間をシミュレーションすることができる。このシミュレーションの結果に基づいて、適所に消防署を配置して新たな管轄エリアを特定したり、救急隊の待機場所を消防署以外の位置に設置したり、病院の建設予定地を取り入れたりすることで、最も効率的な各所在地の配置設定を行うことができる。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本発明のコンピュータプログラムは、コンピュータに請求項1ないし16に記載の1つの方法を実行させる。
上述したような過程を実行するプログラムをコンピュータ上で動作させて所定の計算を行うことによって救急隊又は救急車の出動実績時間を統計的に算出することができる。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、対象エリアにおける少なくとも道路情報、消防署情報、病院情報を含む地図情報及び対象期間における救急車の運用データを取得するための本発明によるシミュレーションシステムは、
A)対象エリアにおける少なくとも道路情報、消防署情報、病院情報を含む地図情報、対象期間および救急事象の発生確率を規定するパラメータを含むシミュレーション条件を読み込む手段と、
B)前記救急事象の発生確率を規定するパラメータに基づいて、少なくとも救急事象の場所、日時および原因となる事故種別によって特定される救急事象の発生をシミュレートする手段と、
C)前記シミュレートされた救急事象のそれぞれに対して、出動すべき救急隊を決定する手段と、
D)前記救急隊が救急事象の発生場所に到着するまでに要する時間を算出する手段と、
E)前記救急事象の発生場所から前記搬送先病院に到着するまでに要する時間を算出する手段と、
G)前記搬送先病院から救急隊が所属消防署に帰還するまでに要する時間を算出する手段とを備え、
対象エリアおよび対象期間における各救急事象について救急隊の出動履歴を記憶し、統計的処理を可能とする。
上記方法の請求項に記載した効果を有するシステムも、例えば、コンピュータを利用して構築することができる。
なお、本発明において、消防署を営業所或いは待機所、病院情報は修理工場とすることにより、パソコン、コピー機等の修理業においても適用でき、都市の地域情報、人口情報、道路情報、修理工場情報等に基づいて緊急修理事象を発生させ、各緊急修理者の出動状況及び出動実績時間等を把握することを目的とし、特定地域における任意の緊急発生点の指定によって営業所検索、修理工場検索及びルート一覧検索を行い、営業所の配置移動や修理品の故障症状別によって緊急修理者を選択するシミュレーションを行う方法にも適用できる。
また、家屋修繕等において、修理工場が必要ない場合は、その発明特定事項を除いての適用も可能である。
図1は、本発明の方法を利用した救急隊出動実績時間を出力可能な救急業務シミュレーション方法を示した概略的なフローチャートである。入力時点で使用されるデータは、地域の人口情報、年齢層毎の人口、月日、曜日、時刻、地域、緊急度、救急搬送人口を含んだ、ある都市全域における消防局のデータである。本発明の方法を利用した全体的な構成は、救急需要発生予測データ発生プロセス、救急隊種別選択プロセス、消防署から救急現場までのルート探索プロセス、応急手当時間予測プロセス、最適病院探索プロセス、救急現場から病院ルート探索プロセス、病院待機時間予測プロセス、病院から帰署ルート探索プロセス、救急隊運用データ取得プロセスからなり、これらのプロセスを経て最終的に各救急隊出動時間予測を出力する。各ルート探索プロセスは、対象エリアにおける少なくとも道路情報、消防署情報、病院情報を含む地図情報を利用して行われる。
図2は、本発明の方法を利用したシミュレーション方法による入出力データを表示した入出力関係図である。入力では、年月日、時刻、住所、緊急度、年齢区分を救急発生予測データとし、各プロセスで使用される所要のマスタデータ及びシミュレーションケースを取り入れて図1で示したシミュレーション方法を利用したシミュレータを経て、消防隊ID,消防署名、現場到着時間、現場出発時間、病院名、病院到着時間、病院引揚時間、帰署時間、出動実績時間等の救急隊運用データ出力を取得する。
図3及び図5ないし図7は、本発明のシミュレーション方法を一括処理可能な一連のフローチャートである。図3は、図4で以下に詳細に説明する救急発生予測を行う基本処理ブロックを示すフローチャートであり、以下に当該フローチャートを順に説明する。まず、所定のシミュレーション条件の読込みを行い、次に、ある都市における救急発生データの一括読込みを行う。該当する救急発生データを一時的に保存する。各発生データを1件ずつ読み込んで全ての救急発生データに対して処理が終了したらデータ終了を判断するプロセスで「はい」へ進み、救急運用予測データ出力を取得して当該データを、例えば、CSV形式で保存する。そして、最後に本シミュレーションを終了する。
各発生データの処理が終了していない場合、つまり、前記データ終了を判断するプロセスで「いいえ」に進んだ場合における救急発生データの1件毎の処理を説明する。発生データを1件読込む。次に、図5に示した救急隊選定ブロックを示すフローチャートへ進む。
ここで、図3の基本処理ブロックを説明するために、図4に示された救急発生予測シミュレーションのアルゴリズムを参照して詳細に説明する。まず、入力条件として所定の計算条件の読み込みを行う。所定の計算条件とは、例えば、地域情報、年齢層、年月日、曜日、時間帯、人口情報、救急時の緊急度等を含んだパラメータと規定する。なお、前記時間帯パラメータについては、さらに時間帯別に分類することができ、具体的には、昼夜別人口統計データを引用し、各地域において、昼間時間帯(朝7時〜夜7時:12時間)と夜間時間帯(夜7時〜朝7時:12時間)に分類して任意に定めた時間帯別係数を乗じて算出することにより救急事象を発生させることができる。さらに、人口情報については、将来予測表を含むこともできる。
各救急パラメータの設定後、各設定されたパラメータに該当する人が救急要請するかを判断する。
当該判断は、乱数を利用して以下のステップを経て判定される。ステップ1では、設定されたパラメータ条件を満たす救急要請確率をデータベースから検索する(例:要請確率が0.0005)。ステップ2では、要請確率をaとする(本事例ではa=0.0005=5/10000)。ステップ3では、設定された救急要請確率aオーダーより十分大きな範囲Nで乱数を発生させる(例:N=1〜10000)。ステップ4では、発生させた乱数の値をbとする(例:1〜10000の整数)。ステップ5では、a≧b/Nの条件を満足したら救急要請されたと仮定する(10000回に5回の要請確率となる)。
前記救急要請の判断において、「要請あり」と判断した場合は、データベースに登録された救急要請記録を抽出して各パラメータを取得し、次いで、各パラメータの計算が終了したかを判断して、いずれかのパラメータで終了していないと判断されれば各パラメータの設定プロセスに戻って再度救急要請の判断プロセスに続き、全てのパラメータが終了したら処理は終了する。
前記救急要請の判断において、「要請なし」と判断した場合は、各パラメータの計算が終了したかを判断して、いずれかのパラメータで終了していないと判断されれば各パラメータの設定プロセスに戻って再度救急要請の判断プロセスに続き、全てのパラメータが終了したら処理は終了する。以上のプロセスを経て「要請あり」と判断されて特定された各パラメータが、本発明のシミュレーション方法における図5ないし7のプロセスで使用される。
図5は、図3において発生データを1件読込んだ後に継続される救急隊選定ブロック処理のフローチャートを示している。前記発生データを1件読込んで、次に、前記特定されたパラメータのうち地域情報(住所等)によって救急発生点が確定される。次に、当該発生地点を管轄する消防署が決定される。次に消防署隊数カウンタを参照し、救急事象が発生した時点で当該消防署に待機する救急隊の残存数を確認する。管轄消防署に待機する救急隊が存在する場合は、各救急隊固有のIDと共に待機時間の長い救急隊を選定して出動させる。管轄消防署に待機する救急隊が存在しない場合は、出動中の救急隊が関わっている事故種別を判断し、転院の場合で患者を搬送中は、管轄消防署の各救急隊の管轄エリア帰署予定時間を参照し、管轄消防署に所属する救急隊のエリア内帰還時間が最も早い救急隊IDを検索して当該救急隊IDを決定する。転院でない場合で帰署中は、時間的に救急発生点から直近の救急隊を検索し、帰署モードの救急隊が存在しない場合は他管轄の消防署を検索して救急隊IDと共に出動可能な救急隊を決定する。その後、決定された救急隊の位置から救急発生点への現場到着時刻を算出し、それと同時に前記消防所隊数カウンタから1を減算する。次いで、救急発生点の現場到着後における応急処置時間を加算する。以上のように、救急隊選定ブロック処理を行い、次の病院選定ブロックに継続される。
図6は、図5の応急処置時間を加算した後に継続される病院選定ブロックのフローチャートを示している。応急処置時間加算プロセス後、事故種別を判断する。事故種別は、「交通事故」、「急病」、「転院」、「一般負傷」、「不搬送」、「その他」に分別されている。患者を不搬送の場合は所轄消防署に帰還するための帰還モードに入り、以下で説明する帰署判断ブロックに継続する。患者の転院の場合は、前記救急発生予測により特定された転院搬送割合テーブルを参照し、乱数により転院搬送割合の発生をシミュレーションする。シミュレーションにより特定された転院先の病院を前記転院搬送割合テーブルに登録された転院先病院IDと共に決定する。急病、交通事故、一般負傷、その他の病院搬送の場合は、前記救急発生予測により特定された搬送病院割合テーブルを参照し、乱数により搬送病院割合の発生をシミュレーションする。シミュレーションにより特定された搬送先病院を搬送病院割当テーブルに登録された搬送先病院IDと共に決定する。病院ID決定後、病院到着時刻を算出し、病院到着後の病院待機時刻を算出する。以上のように、病院選定ブロック処理を行い、前記帰署判断ブロックに継続される。
図7は、図6の帰署モード又は病院待機時刻算出プロセス後に継続される帰署判断ブロックのフローチャートを示している。帰署モード又は病院を出発後、救急隊が所属する管轄エリア外にいる場合は当該管轄エリア内に進入するまでのエリア帰還予定時刻を算出し、救急隊が所属する消防署の管轄エリア内に所在する救急隊を対象として、各救急隊の帰署予定時刻を算出すると同時に帰署予定時刻を一時的に保存する。その後、基本処理ブロックで取得された救急発生データを参照し、エリア帰還予定時刻と帰署予定時刻との間の時間的範囲内に次の救急事象が発生しているかを照合する。該時間範囲内に該当する救急発生事象が存在する場合は、当該救急事象が前記消防署の管轄エリア内で発生しているかを判断する。救急事象が管轄エリア外で発生している場合は他消防署に所属する救急隊に出動を要請し、管轄エリア内で発生している場合は管轄エリア内に所在する救急隊数を確認し、該救急隊数から該当する救急事象の発生数を減算することにより管轄エリア内に所在する救急隊だけで発生した救急事象を処理できるかを判断する。処理できる場合、つまり、前記減算の結果が0以上であれば管轄消防署に所属する他救急隊が出動し、処理できない場合、つまり、0未満であれば時間的に直近の他事象に関わる管轄消防署に属する救急隊を要請して救急隊の帰署時刻を救急発生事象に対する要請時間とする。また、前記時間範囲内に該当する救急発生事象が存在しない場合は、そのまま帰署モードに入り、帰署時刻を決定すると同時に該帰署時刻を一時的に保存する。次いで、次の救急発生事象に対してもこのようなプロセスを実施し、全ての救急発生事象に対して繰り返し実施する。
本発明によるシミュレーション方法に利用される各種マスタデータ(データベース)には、図9に示したように、消防署マスタ、診療科目マスタ、町名マスタ、緊急車両マスタ、年齢層マスタ、発生場所マスタ、事故種別マスタ、搬送病院割合マスタ、転送病院割合マスタ、病院選定区分マスタ、病院マスタ、緊急度区分マスタがあり、所要の計算、所定の決定事項に対して各マスタ項目が選定される。
別の実施形態として、図8に示すように、管轄消防署に所属する救急隊に対して緊急度に応じた出場体制を構築することもできる。本明細書で表示される救急隊選定とは、負傷の程度による治療優先順位の区分けを意味する。図8は、その1実施例であり、緊急度レベルを4段階に区分し、さらに、救急隊を中・重症以上の患者に対応処置可能な高度処理救急隊と、軽症に対応処置可能な基礎処理救急隊とに区分している。また、救急隊の出場体制は5形態に分類できる。第1形態の体制では救急隊を選定してから出動指令し、高度処理隊のみが出動して緊急度に限らず患者を病院へ搬送する。第2形態の体制では出動指令から高度処理救急隊が出動し、現場の救急隊選定の状況に応じて改めて救急隊選定が行われ、そのまま患者を病院へ搬送するか、或いは、基礎処理救急隊を要請してから病院に搬送する。第3形態の体制では緊急度レベルを確認し、救急隊を選定してから出動指令し、対応する救急隊を出動させて患者をそのまま病院へ搬送する。第4形態の体制では出動指令の段階で高度処理救急隊及び基礎処理救急隊の双方を出動させ現場の緊急度レベルに応じて救急隊選定が行われ、対応する救急隊が患者を病院へ搬送する。第5形態の体制では緊急度レベルを確認し、救急隊を選定してから出動指令し、消防隊と高度処理救急隊とを同時に出動させてから現場の状況に応じて高度処理救急隊が患者を病院へ搬送するか、又は、緊急度レベルに応じて改めて救急隊を選定して基礎処理救急隊を要請し、基礎処理救急隊が患者を病院へ搬送する。
このように、緊急度に応じた出場体制を構築していれば、例えば、救急隊選定ブロックにおける応急処置時間を加算する過程の前に、救急事象の発生現場の緊急度レベルに応じて別の救急隊を新たに要請し、当該救急隊は帰署モードに入るようにする過程も含みうる。
以上のように、本発明によるシミュレーション方法は、コンピュータ上で実行可能な一括処理ルーチンプログラムとして作成することができる。また、このようなプログラムはコンピュータの記憶媒体に格納することができ、上記実施形態で説明した形態のシステムを構築することもできる。
また、本発明のシミュレーション方法のさらに別の実施形態では、特に、救急事象を発生させるシミュレーションに代えて救急発生点を任意に指定することができ、前記救急発生予測データの1件が算出される過程を説明する。まず、救急発生点を指定するために救急発生点の住所等の地域情報、及び緊急度に応じた出場体制を有する場合は緊急度を入力する。地域情報入力は、周知技術を用いて表示装置上に表示された地図上の任意の点をクリックすることによって行われてもよい。続いて、救急発生点と緊急度に対する消防署一覧とルート/所要時間を算出する。これから救急発生点に対して緊急度/最短時間距離が取得されていることがわかる。これらは、表示装置上に表示された地図上に表示されてもよい。続いて、救急発生点に対する最寄りの病院一覧とルート/所要時間を算出する。これから最短時間距離が取得されていることがわかる。これらは、表示装置上に表示された地図上に表示されてもよい。最後に、消防署〜救急発生点〜最寄りの病院〜帰還消防署ルート一覧を算出する。これから救急発生点に対して、緊急度/最短時間距離による消防署、病院、帰署ルートが取得されていることがわかる。これらは、表示装置上に表示された地図上で表示されてもよい(図10参照)。
また、本発明のシミュレーション方法のさらに別の実施形態では、既に配置された消防署の移動を行ったり、緊急度レベルに応じた救急隊の配置を行ったりして、現状と比較してどのような効果があるか算出することができる。例えば、消防署の配置を移動する場合、一定期間の救急発生データを入力条件としてバッチ処理を行い、この結果、消防隊や病院の選択状況、出署時間、帰署時間等のマスタデータに登録されたパラメータの変化の様子を確認することができる。また、救急隊の待機場所を消防署内に限定せず、地図情報の任意の位置に配置したり、病院の位置情報を変更したりして前記バッチ処理を行うことも可能である。
本発明によるシミュレーション方法のさらに別の実施形態では、図4に示された救急発生予測シミュレーションは、現状のパラメータデータのみならず、将来的なパラメータデータに基づいて行うことができる。救急要請件数予測手法は、年度別の各パラメータに対応した人口当たりの出場件数の増加率に基づいて将来の予測値を算出するというものである。当該救急要請件数予測は、図11に示したように、前記パラメータごとの出場件数を将来人口と乗算することにより、年度別の出場件数データを取得してグラフ表示したり、或いは、地図情報を利用して地区ごとに出場件数を地区形状で立体的にグラフ表示したりすることもできる。一例として、図12では、時間帯別の救急事象発生確率を実際に算出した予測表を示しており、図13では、ある地区の昼夜別の人口数を実際に算出した予測表を示している。パラメータ分類例は、事故種別や重傷度も含むことができる。救急発生予測シミュレーションは、各パラメータにおける将来的な救急隊の出場予測件数データに基づいても行うことができる。
図1は、本発明の方法を利用した救急隊出動実績時間を出力可能な救急業務シミュレーション方法を示した概略的なフローチャートである。 図2は、本発明の方法を利用したシミュレーション方法による入出力データを表示した入出力関係図である。 図3は、救急発生予測を行う基本処理ブロックを示すフローチャートである。 図4は、救急発生予測シミュレーションのアルゴリズムを示すフローチャートである。 図5は、救急隊選定ブロック処理を示すフローチャートである。 図6は、病院選定ブロック処理を示すフローチャートである。 図7は、帰署判断ブロック処理を示すフローチャートである。 図8は、管轄消防署に所属する救急隊に対する緊急度に応じた出動体制を示している。 図9は、マスタデータ実態関連図である。 図10は、救急発生地点を指定した場合における病院の検索及びそのルート検索を表示装置上に表示しているシミュレーション実施図である。 図11は、救急要請件数予測手法の説明図である。 図12は、時間帯別の救急事象発生確率を実際に算出した予測表を示している。 図13は、ある地区の昼夜別の人口数を実際に算出した予測表を示している。

Claims (17)

  1. 対象エリアにおける少なくとも道路情報、消防署情報、病院情報を含む地図情報及び対象期間における救急車の運用データを取得し、地図情報における消防署の位置情報、救急隊の待機位置情報、又は病院の位置情報を変更することによって救急事象に対して業務効率化施策の効果について事前にシミュレーションを行う方法であって、
    A)対象エリアにおける少なくとも道路情報、消防署情報、病院情報を含む地図情報、対象期間および救急事象の発生確率を規定するパラメータを含むシミュレーション条件を読み込む過程と、
    B)前記救急事象の発生確率を規定するパラメータに基づいて、少なくとも救急事象の場所、日時および原因となる事故種別によって特定される救急事象の発生をシミュレートする過程と、
    C)前記シミュレートされた救急事象のそれぞれに対して、出動すべき救急隊を決定する過程と、
    D)前記救急隊が救急事象の発生場所に到着するまでに要する時間を算出する過程と、
    E)前記救急事象の発生場所から搬送先病院に到着するまでに要する時間を算出する過程と、
    F)前記搬送先病院から救急隊が所属消防署に帰還するまでに要する時間を算出する過程とを備え、
    対象エリアおよび対象期間における各救急事象について救急隊の出動履歴を記憶し、統計的処理を可能とするシミュレーションを行う方法。
  2. 前記発生確率を規定するパラメータは、地域の人口情報、年齢層毎の人口、月日、曜日、時刻、地域、緊急度のうちの少なくとも1つを含み、変更できる請求項1に記載の方法。
  3. 前記地域の人口情報は時間帯別の状況を含む請求項2に記載の方法。
  4. 前記救急事象の発生のシミュレーションは、前記パラメータによって規定された救急事象の発生確率を反映させた乱数を発生させることで行う請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記救急事象の発生確率は少なくとも事故種別又は緊急度ごとに定められる請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記出動すべき救急隊は、管轄消防署に複数の救急隊が待機しているときは待機時間の長い方、管轄消防署に1つの救急隊のみが待機しているときは当該待機している救急隊、管轄消防署に待機している救急隊が無いときは管轄消防署外の直近の救急隊とする請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記救急隊が救急事象の発生場所に到着するまでに要する時間を算出する過程は、複数の経路のうち救急事象の発生場所に最短時間で到着する経路を採った場合に必要な時間を当該救急隊が救急事象の発生場所に到着するまでに要する時間とする請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。
  8. さらに、救急事象の発生場所において、予め設定された比率を反映させるように、前記事故種別に基づいて不搬送、搬送または転院のいずれかをランダムに選択する請求項1ないし7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記救急事象の発生場所から前記搬送先病院に到着するまでに要する時間を算出する過程は、搬送先の候補である複数の病院から、予め設定された各病院に対する搬送割合を反映させるように特定の病院をランダムに選択して搬送先病院とする請求項1ないし8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記病院の選択は、患者の重症度、患者による選択、救急隊による選択、地域ごとに応じて前記搬送割合を変更することにより行われる請求項9に記載の方法。
  11. 前記救急事象の発生場所から前記搬送先病院に到着するまでに要する時間を算出する過程は、複数の経路のうち搬送先病院に最短時間で到着する経路を採った場合に必要な時間を当該救急事象の発生場所から前記搬送先病院に到着するまでに要する時間とする請求項1ないし10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記D)の過程の次に、少なくとも救急事象の発生場所における現場処置時間、或いは前記E)の過程の次に、少なくとも前記搬送先病院における病院待機時間を算出する過程とを含む請求項1ないし11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記搬送先病院から救急隊が所属消防署に帰還するまでに要する時間を算出する過程は、搬送先病院から救急隊が管轄エリアに帰還するまでに要する時間を算出する過程を備え、救急隊が管轄エリアに帰還した後に次の救急事象の発生を確認し、所属消防署に帰還する前に救急事象が発生し、かつ、その時点で所属消防署には当該救急事象に出動する救急隊が無い場合は、救急隊は直接救急事象の発生場所に向かうことができることとする請求項1ないし12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記救急隊を処置能力のレベルによって分類すると共に救急事象を緊急度のレベルによって分類し、前記出動すべき救急隊を決定する過程は、救急事象の緊急度のレベルに従って所定の処置能力レベルを有する救急隊を出動させる請求項1ないし13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記救急隊を処置能力のレベルによって分類すると共に救急事象を緊急度のレベルによって分類し、前記救急事象の発生した場所に到着した救急隊は、救急事象の緊急度のレベルに従って、必要に応じて所定の処置能力レベルを有する救急隊を要請する請求項1ないし14のいずれかに記載の方法。
  16. コンピュータに請求項1ないし15に記載の1つの方法を実行させるためのコンピュータプログラム。
  17. 対象エリアにおける少なくとも道路情報、消防署情報、病院情報を含む地図情報及び対象期間における救急車の運用データを取得し、地図情報における消防署の位置情報、救急隊の待機位置情報、又は病院の位置情報を変更することによって救急事象に対して業務効率化施策の効果について事前にシミュレーションを行うシミュレーションシステムであって、
    A)対象エリアにおける少なくとも道路情報、消防署情報、病院情報を含む地図情報、対象期間および救急事象の発生確率を規定するパラメータを含むシミュレーション条件を読み込む手段と、
    B)前記救急事象の発生確率を規定するパラメータに基づいて、少なくとも救急事象の場所、日時および原因となる事故種別によって特定される救急事象の発生をシミュレートする手段と、
    C)前記シミュレートされた救急事象のそれぞれに対して、出動すべき救急隊を決定する手段と、
    D)前記救急隊が救急事象の発生場所に到着するまでに要する時間を算出する手段と、
    E)前記救急事象の発生場所から前記搬送先病院に到着するまでに要する時間を算出する手段と、
    G)前記搬送先病院から救急隊が所属消防署に帰還するまでに要する時間を算出する手段とを備え、
    対象エリアおよび対象期間における各救急事象について救急隊の出動履歴を記憶し、統計的処理を可能とするシミュレーションシステム。
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