JP4564504B2 - 表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、表示装置に関する。より詳しくは、液晶表示デバイス等の表示デバイスと異方性散乱フィルムとを備える表示装置に関するものである。
表示性能に視角依存性(視野角特性)がある表示装置の典型例としては、ツイステッド・ネマチック(Twisted nematic:TN)モードに代表される液晶表示装置が知られている。なお、「表示性能に視角依存性がある」とは、正面方向(表示装置の観察面法線方向、視角が0°の方向)から観察した場合と斜め方向(視角が0°より大きい方向)から観察した場合とで、コントラスト比、階調特性、色度等の表示性能が異なることを意味する。一般的に、これらの表示性能は、正面方向から観察した場合よりも斜め方向から観察した場合の方がよくないことが知られている。
TNモードの液晶表示装置では、コントラスト比は、視角を上下左右方向(時計の3時/6時/9時/12時の方向)に大きくするにつれて徐々に低下する。例えば、正面方向から観察した場合にコントラスト比が320であっても、上方向(12時の方向)では視角75°から観察した場合に、下方向(6時の方向)では視角50°から観察した場合に、左方向(9時の方向)では視角65°から観察した場合に、右方向(3時の方向)では視角68°から観察した場合に、コントラスト比は10になる。また、表示色は、正面方向から観察した場合にはニュートラルである(色付きが起こらない)が、上下左右方向から観察した場合には黄味を帯びる。特に、下方向から観察した場合には、表示画像のネガポジが反転したように見える階調反転とよばれる階調特性の異常現象も観察されることがある。このような液晶表示装置における表示性能の視角依存性は、液晶分子の屈折率異方性や偏光板の偏光吸収特性及び偏光透過特性等、構成部品の光学的異方性に起因しており、液晶表示装置に本質的に備わる特性であると言える。
液晶表示装置の表示性能の視角依存性を改良する方法としては、これまでに種々の方法が提案されている。このような方法としては、例えば、画素分割法(一つの画素を複数に分割して各画素に印加する電圧を一定の比で変えるハーフトーングレイスケール法や、一つの画素を複数のドメインに分割してドメインごとに液晶の配向を制御するドメイン分割法等がある。)、液晶に横方向の電界を印加する面内スイッチング(In−Plane Switching:IPS)モード、電圧無印加時に垂直配向させた液晶を駆動するマルチドメイン垂直配向(Multi−domain Vertical Alignment:MVA)モード、ベンド配向セルと位相差フィルムとを組み合わせたOCB(Optically Compensated Birefringence)モード等の表示モード、及び、位相差フィルムを用いた光学補償法等が提案され、適宜組み合わせて使用することも検討され、既に商品化されている液晶表示装置の多くが、これらの方法を採用している。
しかしながら、画素分割法や上述の表示モードを採用する場合には、配向膜、電極等の構造を変える必要があり、そのための製造技術の確立や製造設備の新設が必要となり、結果として製造の困難さ及びコスト高を招来するという点で改善の余地があった。また、その視角依存性の改良効果も充分ではない。更に、位相差フィルムを用いた光学補償法も、その改良効果に限界がある。例えば、液晶セルの位相差補償に最適な位相差値が黒表示時と白表示時とで異なるため、黒表示及び白表示の両方で液晶セルの位相差補償を行うことはできない。加えて、偏光板の偏光軸(透過軸及び吸収軸)の軸方位では、位相差フィルムによる補償効果が原理的に全く得られず、改良効果は特定の方位角範囲内に限られるという点でも改善の余地があった。
上記以外に液晶表示装置の表示性能の視角依存性を改良する方法としては、液晶表示デバイスの観察面側に散乱フィルムを設けて出射光を平均化する方法が知られている。この方法は、全ての表示モードに適用することができ、表示セルの構造変更は基本的に不要である。また、上述の位相差フィルムを用いた光学補償法と異なり、黒表示時及び白表示時の両方で効果が得られ、偏光板の偏光軸の軸方位でもその効果はなくならない。
また、通常の液晶表示装置の光源としては、拡散光を出射する拡散バックライトシステムが用いられる。液晶表示モードや偏光板のほとんどは、垂直に入射する光に対して最も特性がよいため、拡散バックライトシステムからの光は、レンズフィルム等によって可能な限り平行光化され、液晶表示デバイス(液晶セル)に垂直に入射される。これにより、より一層の視角依存性の改良効果を得ることが可能であるため、これに関連する技術が多く提案されている。
しかしながら、簡便に効率よく平行光を得る方法は未だ確立されていないため、散乱フィルムによる視角依存性の改良方法は、上述したように実質的には拡散バックライトシステムと組み合わせて用いられる。その場合、上述したように視角依存性の改良効果は得られるものの、黒表示状態において、液晶セルに斜めに入出射する漏れ光の一部が、散乱フィルムにより正面方向にその進路を曲げられるため、正面方向で光漏れが増し、正面方向のコントラスト比を大きく低下させるという点で改善の余地があった。これは、散乱フィルムの散乱性能が等方的であるため、入射角を多少変化させても、その透過光に対する散乱フィルムの散乱特性が大きく異ならないことに起因している。
これに対し、それぞれの屈折率に差がある分子内に1個以上の光重合性の炭素−炭素二重結合を有する化合物の複数からなる樹脂組成物に対し、線状光源から所定の角度範囲で紫外線を照射し、該樹脂組成物を硬化させて製造した光制御板(例えば、特許文献1〜13参照。)、及び、このような光制御板を装着した液晶表示装置(例えば、特許文献14及び15参照。)が開示されている。このような光制御板は、斜め方向から入射した光を透過させ、正面方向から入射した光を散乱する、すなわち正面方向から入射した光を選択的に散乱するものである。したがって、この光制御板を用いれば、上述したような正面方向のコントラスト比の低下をある程度解消することが可能であると考えられる。
しかしながら、この光制御板の樹脂硬化物内には、図33に示すように、光制御板50の作製時にその上空に配置した線状光源51の長さ方向に一致して、周辺領域と屈折率が異なる板状の領域40が互いに平行に形成されていると考えられている。このため、光制御板50が示す散乱特性の入射角依存性は、図33中の周辺領域と屈折率が異なる板状の領域40が交互に現れるようにA−A軸を中心に回転させた場合には見られるが、屈折率の変化がなく均質であるB−B軸を中心に回転させた場合にはほとんど見られない。
図34は、図33中の光制御板50が示す散乱特性の入射角依存性を示す模式図である。縦軸は散乱の程度を表す指標である直線透過光量(所定の光量の平行光線を入射させたときに、入射方向と同じ方向に出射された平行光線の光量)を示し、横軸は入射角を示す。また、図34中の実線及び破線はそれぞれ、図33中のA−A軸及びB−B軸を中心に光制御板50を回転させた場合を示す。なお、入射角の正負は、光制御板50を回転させる方向が反対であることを示す。
図34中の実線は、0°近傍の方向で直線透過光量が小さくなっており、入射角が大きい方向で直線透過光量が増加している。これは、A−A軸を中心に回転させた場合には、光制御板50が正面方向の光に対しては散乱状態であり、斜め方向の光に対しては透過状態であることを意味している。しかしながら、図34中の破線は、正面方向でも斜め方向でも直線透過光量が小さいままである。これは、B−B軸を中心に回転させた場合には、光制御板50が入射角に無関係に散乱状態であることを意味している。
このように、従来の光制御板では、異方散乱特性(入射角を変えたときに散乱特性が変化する特性)が特定の方位でしか得られないため、視角依存性の改良効果が特定の方位でしか得られず、他の方位においては斜め方向から入射した光が入射角に無関係に略均一に散乱されるため、他の方向の表示品位が低下してしまうという点で改善の余地があった。
特開昭63−309902号公報 特開昭64−40903号公報 特開昭64−40905号公報 特開昭64−40906号公報 特開平1−77001号公報 特開平1−147405号公報 特開平1−147406号公報 特開平2−51101号公報 特開平2−54201号公報 特開平2−67501号公報 特開平3−87701号公報 特開平3−109501号公報 特開平6−9714号公報 特開平7−64069号公報 特開2000−180833号公報
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、表示デバイスの基本構造を設計変更することなく、白表示状態又は黒表示状態に限定されることなく、他の方向の表示品位を損なうことなく、少なくとも特定の方位におけるコントラスト比の視角依存性を改善することができる表示装置を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、コントラスト比が視角依存性を有する表示デバイスと、異方性散乱層を有する異方性散乱フィルムとを備える表示装置について種々検討したところ、まず、表示デバイスのコントラスト比の視角依存性に着目した。そして、表示デバイスには、通常、極角が大きくなるにつれてコントラスト比が低くなりやすい方位(視野角が狭い方位)と高いまま維持される方位(視野角が広い方位)とが存在することに着目した。例えば、典型的なVAモードの液晶表示デバイスでは、上方向(方位角が90°の方向)、下方向(方位角が270°の方向)、左方向(方位角が180°の方向)及び右方向(方位角が0°の方向)では、極角を大きくしてもコントラスト比が高く維持されるものの、右上方向(方位角が45°の方向)、左上方向(方位角が135°の方向)、左下方向(方位角が225°の方向)及び右下方向(方位角が315°の方向)では、上下左右方向に比べて、極角を大きくするにつれてコントラスト比が低くなりやすい。
次に、本発明者らは、散乱中心軸を有する異方性散乱フィルムの散乱特性に着目した。上記散乱中心軸を有する異方性散乱フィルムは、異方散乱特性(入射角を変えたときに散乱特性が変化する特性)が散乱中心軸を中心にして略対称性を示すものである。そこで、この異方性散乱フィルムを、散乱中心軸の軸方位が表示デバイスの観察面の法線方向から一定の角度傾斜した方向におけるコントラスト比が極小となる方位(視野角が狭い方位。以下「極小方位」ともいう。)と略一致するように、表示デバイスの観察面側に配置することにより、散乱中心軸の軸方向に略平行に入射した光(黒輝度)を、散乱中心軸を中心とした全方向に散乱(拡散)させて平均化することができるため、少なくとも散乱中心軸の軸方位と略一致する極小方位においてコントラスト比の視角依存性を改善することができることを見いだした。例えば、表示デバイスの観察面の法線方向に散乱中心軸を有する異方性散乱フィルムを、表示デバイスの観察面側に配置した場合には、全ての方位において、極角0°の方向を中心にコントラスト比の視角依存性の改善効果を得ることができる。また、表示デバイスの観察面の法線方向から30°傾斜した方向に散乱中心軸を有する異方性散乱フィルムを、散乱中心軸の軸方位が表示デバイスの極小方位と略一致するように、表示デバイスの観察面側に配置した場合には、その極小方位において、極角30°の方向を中心に極角の大きな範囲でコントラスト比の視角依存性の改善効果を得ることができる。
また、この異方性散乱フィルムによれば、特定の方位でしか異方散乱特性を示さない従来の異方性散乱フィルムと異なり、散乱中心軸の軸方位以外の方位においても異方散乱特性を示し、散乱中心軸の軸方向と略平行な方向以外の方向から入射した光は弱くしか散乱されないため、同方向から入射した光の散乱によって、コントラスト比が大きい方向等における表示品位が低下するのを抑制することができることを見いだした。
更に、通常の表示デバイスでは、ガンマカーブ、色度等の各表示性能は、コントラスト比が最大となる方向で最適設計されており、これらの表示性能の視角依存性もコントラスト比の視角依存性と同様の傾向を示す。したがって、少なくとも散乱中心軸の軸方位と略一致する極小方位において、ガンマカーブ、色度等の各表示性能の視角依存性も改善することができることを見いだした。そして、上記異方性散乱フィルムによる表示性能の視角依存性の改善効果は、位相差フィルムと異なり、白表示状態又は黒表示状態に限定されることなく得られるものであり、そのメカニズムから、表示性能が視角依存性を有する任意の表示デバイスに対して、表示デバイスの基本構造の設計変更を行うことなく得られるものであることを見いだした。以上により、本発明者らは、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、コントラスト比が視角依存性を有する表示デバイスと、異方性散乱層を有する異方性散乱フィルムとを備える表示装置であって、上記異方性散乱フィルムは、表示デバイスの観察面の法線方向から一定の角度傾斜させた方向におけるコントラスト比が極小となる方位と略一致する方位に散乱中心軸を有し、表示デバイスの観察面側に配置された表示装置である。
以下に本発明を詳述する。
本発明の表示装置は、コントラスト比が視角依存性を有する表示デバイスと、異方性散乱層を有する異方性散乱フィルムとを備える。上記表示デバイスは、コントラスト比が視角依存性を有する。なお、本明細書において、表示デバイスとは、表示を行うためのデバイスである限り特に限定されず、例えば、液晶表示デバイスが挙げられる。コントラスト比とは、表示デバイスの表示性能の1つであり、通常、最大輝度を最小輝度で割った値で表される。視角依存性とは、正面方向(表示装置の観察面の法線方向、極角が0°の方向)から観察した場合と斜め方向(極角が0°より大きい方向)から観察した場合とで、また、極角が同一であっても、ある方位から観察した場合と別の方位から観察した場合とで、表示デバイスの表示性能が異なることを意味する。したがって、「コントラスト比が視角依存性を有する」とは、正面方向から観察した場合と斜め方向から観察した場合とで、また、極角が同一であっても、ある方位から観察した場合と別の方位から観察した場合とで、コントラスト比が異なることを意味する。
上記表示デバイスのコントラスト比は、通常、正面方向に近いほど大きいが、その逆であってもよい。
上記異方性散乱フィルムは、異方性散乱層を有するものである。なお、本明細書において、異方性散乱層とは、少なくとも1つの方位において、異方散乱特性(入射角を変えたときに散乱特性が変化する特性)を示すものであれば、特に限定されない。方位とは、異方性散乱フィルムのフィルム面、又は、表示デバイスの観察面の面内方向を示すものであり、方位角Φ(0°≦Φ<360°)で表される。また、入射角とは、フィルム面の法線方向と入射方向とがなす角度を意味する。上記異方性散乱フィルムの形態としては、例えば、異方性散乱層のみからなる形態、異方性散乱層の片側(観察面側又は背面側)に透明基体を積層した形態、異方性散乱層の両側(観察面側及び背面側)に透明基体を積層した形態が挙げられる。なお、上記異方性散乱層は、単層構造を有してもよく、積層構造を有してもよい。
上記透明基体としては、透明性が高いものほど好ましい。したがって、上記透明基体の全光線透過率(JIS K7361−1)は、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。また、上記透明基体のヘイズ値(JIS K7136)は、3.0以下であることが好ましく、1.0以下であることがより好ましく、0.5以下であることが更に好ましい。上記透明基体としては、透明なプラスチックフィルムやガラス板等が挙げられるが、薄型性、軽量性、耐衝撃性及び生産性に優れる点で、プラスチックフィルムが好ましい。上記プラスチックフィルムの材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート、ポリイミド(PI)、芳香族ポリアミド、ポリスルホン(PS)、ポリエーテルスルホン(PES)、セロファン、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルアルコール(PVA)、シクロオレフィン樹脂等が挙げられ、上記プラスチックフィルムの形態としては、上記材料を単独で又は混合してフィルム化したものからなる形態、上記フィルム化したものを積層してなる形態等が挙げられる。上記透明基体の厚さは、用途や生産性を考慮すると、1μm〜5mmであることが好ましく、10〜500μmであることがより好ましく、50〜150μmであることが更に好ましい。
本発明では、上記異方性散乱フィルムは、散乱中心軸を有する。本明細書において、散乱中心軸とは、その軸方向を中心として異方散乱特性が略対称性を示す軸のことである。なお、本明細書において、散乱中心軸の軸方向は、例えば図2(b)に示すように、背面側から観察面側を向いているものとし、フィルム面の法線方向(Z軸方向)もまた、背面側から観察面側を向いているものとする。このとき、散乱中心軸Sの軸方向とフィルム面の法線方向(Z軸方向)とがなす角度ωを散乱中心軸Sの極角ともいう。上記散乱中心軸Sは、フィルム面の法線方向から傾斜している場合(ω≠0°)には、例えば図2(b)に示すように、フィルム面に投影してなる軸方位Sを有し、フィルム面の法線方向と略一致する場合(ω≒0°)には、軸方位Sを全ての方位に有するとみなすものとする。なお、散乱中心軸の軸方位Sもまた、所定の向きを有するものとし、軸方位の向きは、軸方向に対応して決まるものとする。
上記散乱中心軸を有する異方性散乱フィルムは、全ての方位で異方散乱特性を示すものである。したがって、異方性散乱フィルムの散乱特性は、一意的に表すことができるものではないが、直線透過光量を散乱特性の指標として用いる場合、本発明の表示装置を構成する異方性散乱フィルムについて、直線透過光量は、散乱中心軸を中心として、略対称に変化する。なお、直線透過光量とは、所定の光量の平行光線を入射させたときに、入射方向と同じ方向に出射される平行光線の光量のことである。上記直線透過光量の測定方法としては、例えば図6に示す方法が挙げられる。図6に示す方法では、光源(図示せず)からの直進光を受ける位置に受光部(例えば、ゴニオフォトメータ)30を固定し、光源と受光部30との間に試験片10aを配置する。この方法によれば、例えば、L−L軸(回転軸)を中心として試験片10aを回転させることにより、フィルム面内のL−L軸に垂直なM−M方位(測定方位)において入射角を変更して直線透過光量を測定することができる。上記測定方位は、回転軸を変えることで、適宜変更することができる。したがって、この方法によれば、様々な方向における直線透過光量を測定することができる。
本発明では、上記異方性散乱フィルムは、表示デバイスの観察面の法線方向から一定の角度傾斜させた方向におけるコントラスト比が極小となる方位(極小方位)と略一致する方位に散乱中心軸を有し、表示デバイスの観察面側に配置される。これによれば、表示デバイスの極小方位と異方性散乱フィルムの散乱中心軸の軸方位とが略一致することにより、該極小方位において、散乱中心軸の軸方向に略平行に入射した光(黒輝度)を、散乱中心軸を中心として全方向に散乱させて平均化することができるため、少なくとも該極小方位においてコントラスト比の視角依存性を改善することができる。また、上記異方性散乱フィルムは、上述したように、全ての方位で異方散乱特性を示すことから、散乱中心軸の軸方向から外れた入射角が大きい方向等の光は弱くしか散乱されず、ほとんどが透過することができるため、同方向の入射光の散乱によってコントラスト比が大きい方向等の表示品位が低下するのを抑制することができる。
更に、通常の表示デバイスでは、ガンマカーブ、色度等の各表示性能は、コントラスト比が最大となる方向で最適設計されており、これらの表示性能の視角依存性もコントラスト比の視角依存性と同様の傾向を示す。したがって、本発明によれば、通常、ガンマカーブ、色度等の各表示性能の視角依存性も改善することができる。そして、本発明の作用効果は、そのメカニズムから、白表示状態又は黒表示状態に限定されることなく、表示性能が視角依存性を有する任意の表示デバイスに対して基本構造の設計変更を行うことなく得ることができる。
以下、「表示デバイスの観察面の法線方向から一定の角度傾斜させた方向におけるコントラスト比が極小となる方位(極小方位)」について、図1(a)〜(c)を用いて具体的に説明する。
図1(a)は、「表示デバイスの観察面の法線方向から一定の角度傾斜させた方向」を説明する模式図である。
図1(a)において、点線は極角Θの方向を示しており、点線矢印は表示デバイス15の観察面の法線方向を示している。「表示デバイスの観察面の法線方向から一定の角度Θ傾斜させた方向」とは、極角がΘである全ての方向Dのことであり、該方向Dは、背面側から観察面側を向いている。
なお、表示デバイス15の観察面の法線方向は、通常は、表示装置の観察面の法線方向(Z軸方向)及び異方性散乱フィルムのフィルム面の法線方向と一致する。
図1(b)は、表示デバイスの方位を説明する模式図である。
図1(b)に示すように、表示デバイス15の方位は方位角Φ(0°≦Φ<360°)で表される。なお、本明細書においては、Φ=0°の方向を右方向ともいい、Φ=90°の方向を上方向ともいい、Φ=180°の方向を左方向ともいい、Φ=270°の方向を下方向ともいう。なお、図1(a)及び(b)から分かるように、方位角Φかつ極角−Θ(0°≦Θ<90°)の方向と、方位角Φ+180°(方位角Φの方位と反対の方位)かつ極角Θの方向とは、完全に一致する。本明細書においては、通常は、極角の数値範囲を0°以上とすることにより、方位角Φの方位と方位角Φ+180°の方位とを区別し、各方向については、方位角Φ(0°≦Φ<360°)及び極角Θ(0°≦Θ<90°)の方向として表すものとする。
図1(c)は、表示デバイスの極小方位を説明する模式図である。
「表示デバイスの極小方位」とは、表示デバイスの観察面の法線方向から一定の角度傾斜させた方向におけるコントラスト比の方位角依存性を示すグラフにおいて、谷状の曲線の底に当たる方位を意味する。例えば図1(c)においては、B1〜B4が表示デバイスの極小方位にあたる。上記表示デバイスの極小方位の数は特に限定されないが、通常は、4つである。上記表示デバイスが2以上の極小方位を有する場合、上記異方性散乱フィルムは、表示デバイスの極小方位の1つと略一致する方位に散乱中心軸を有すればよい。なお、4つの極小方位を有する表示デバイスとしては、例えば、一対の偏光板がその吸収軸(透過軸)同士が直交するように、液晶セルの表裏に配置(クロスニコル配置)されてなる液晶表示デバイスが挙げられる。このような液晶表示デバイスは、偏光板の吸収軸と透過軸とがなす角度を二等分するような方位から観察した場合には、視角を倒していくと(極角を大きくしていくと)、吸収軸(透過軸)同士のなす角度が90°からずれるため、コントラスト比が低くなる。したがって、このような場合、これら4つの方位が極小方位になると考えられる。これに対して、偏光板の吸収軸(透過軸)の軸方位から観察した場合には、視角を倒しても、吸収軸(透過軸)同士のなす角度が90°からずれないため、コントラスト比が高いまま維持される。これら4つの方位は、表示デバイスの観察面の法線方向から一定の角度傾斜させた方向におけるコントラスト比の方位角依存性を示すグラフにおいて、山状の曲線の頂点に当たる方位(極大方位)になると考えられる。
上記表示デバイスがVAモード及びIPSモードの液晶表示デバイスである場合、極小方位は、方位角Φ=45°、135°、225°、315°の4方位であることが好ましい。上記表示デバイスがTNモード及びOCBモードの液晶表示デバイスである場合、極小方位は、方位角Φ=0°、90°、180°、270°の4方位であることが好ましい。
なお、本明細書において、「略一致」とは、一致した状態だけでなく、本発明の作用効果に鑑みて一致した状態と同視し得るような状態をも含むものである。また、本明細書において、「略平行」とは、平行である状態だけでなく、本発明の作用効果に鑑みて平行である状態と同視し得るような状態をも含むものである。
上記散乱中心軸は、上述した通り、(i)表示デバイスの観察面の法線方向と略一致してもよく、(ii)表示デバイスの観察面の法線方向から、表示デバイスの極小方位と略一致する方位に傾斜していてもよい。したがって、上記散乱中心軸の極角ωは、0°以上、90°未満である限り、特に限定されないが、0°以上、60°未満であることが好ましい。また、散乱中心軸の極角ωは、TNモードの液晶表示デバイス等の表示品位を向上させる観点からは、略0°であることがより好ましく、特定の方位において極角の大きな方向での表示品位を向上させる観点からは、30°以上、50°以下であることがより好ましい。
なお、上記表示デバイスの観察面の法線方向から傾斜した方向に散乱中心軸を有する異方性散乱フィルムでは、通常は、散乱中心軸の軸方位において、直線透過光量は、入射角η(−90°<η<90°)が散乱中心軸の極角ω(0°≦ω<90°)よりも大きい方向(ω<η<90°)と小さい方向(−90°<η<ω)とで入射角に依存して、略相似的に変化する。例えば極角30°の方向に散乱中心軸を有する異方性散乱フィルムによれば、図7に示すように、散乱中心軸の軸方位において、極角が30°よりも大きい方向では、直線透過光量は、入射角の増加とともに小さな山を描くように変化しているのに対し、極角が30°よりも小さい方向では、入射角の減少とともに大きな山を描くように変化している。また、上記表示デバイスの観察面の法線方向から傾斜した方向に散乱中心軸を有する異方性散乱フィルムでは、通常は、散乱中心軸の軸方位に垂直な方位において、入射角角η(−90°<η<90°)が0°よりも大きい方向と小さい方向とで、直線透過光量は、入射角に依存して略対称的に変化する。例えば極角30°の方向に散乱中心軸を有する異方性散乱フィルムによれば、図7に示すように、散乱中心軸の軸方位に垂直な方位において、入射角が0°よりも大きい方向と小さい方向とで、直線透過光量は、入射角に依存して略対称的に変化する。
上記異方性散乱フィルムと表示デバイスとの配置形態は、特に限定されないが、異方性散乱フィルムは、表示デバイスに貼り合わされていることが好ましい。上記異方性散乱フィルムを表示デバイスに貼り合わせる方法としては、特に限定されず、例えば、接着剤を用いた方法、粘着剤を用いた方法が挙げられる。
本発明の表示装置の構成としては、上記表示デバイス及び異方性散乱フィルムを構成要素として有するものである限り、その他の構成要素を有しても有していなくてもよく、特に限定されるものではない。
なお、異方性散乱フィルムの散乱中心軸の軸方向における直線透過光量は、本発明の作用効果を効果的に得る観点から、小さいほど好ましい。
以下、本発明の表示装置の好ましい形態について詳しく説明する。
上記異方性散乱フィルムは、表示デバイスの観察面の法線方向から20°以上の一定の角度傾斜させた方向におけるコントラスト比が極小となる方位と略一致する方位に散乱中心軸を有することが好ましい。また、上記異方性散乱フィルムは、表示デバイスの観察面の法線方向から45°傾斜させた方向におけるコントラスト比が極小となる方位と略一致する方位に散乱中心軸を有することがより好ましい。表示デバイスの極小方位は、表示デバイスの観察面の法線方向から一定の角度(以下「測定角度」ともいう。)傾斜させた方向におけるコントラスト比を測定し、例えば図1(c)に示すようなコントラスト比の方位角依存性を示すグラフを作成することによって、求めることができる。本発明においては、測定角度は、0°より大きく、90°より小さいものである限り、特に限定されない。しかしながら、図3に示すように、液晶表示デバイス等の一般的な表示デバイスでは、測定角度が10°程度である場合には、コントラスト比が全ての方位で一律に大きくなり、コントラスト比の極大及び極小の判別が困難となるおそれがある。このような観点から、測定角度は、20°以上であることが好ましく、より好ましくは、45°である。
したがって、本発明においては、上記散乱中心軸の軸方位は、表示デバイスの極小方位のいずれかと略一致すればよいが、測定角度20°以上の一定の角度で求めた表示デバイスの極小方位と略一致することが好ましく、測定角度45°で求めた表示デバイスの極小方位と略一致することがより好ましい。
なお、表示デバイスの極小方位は、測定角度によって、数や方位角が異なっていてもよい。
上記異方性散乱層は、光硬化性化合物を含む組成物を硬化させてなることが好ましい。これによれば、上述の異方散乱特性を有する異方性散乱フィルム、すなわち全ての方位で異方散乱特性を示す異方性散乱フィルムを簡便に製造することができる。なお、上記組成物を硬化させてなる異方性散乱層は、断面を顕微鏡観察すると、例えば、斜め方向に延在する構造が見られる場合がある。この場合、図2(a)に示すように、異方性散乱層10の内部には、屈折率が周辺領域と僅かに異なる微小な棒状硬化領域20が斜め方向に多数形成されていると考えられる。また、この場合、図2(b)に示すように、本発明の表示装置を構成する異方性散乱フィルム10aの散乱中心軸Sは、表示装置の観察面の法線方向(Z軸方向)に対して斜めに傾斜しているが、その軸方向は、図2(a)の棒状硬化領域20の延在方向と平行の関係にあると考えられる。更に、この場合、傾斜した散乱中心軸Sは、図2(b)に示すように、X−Y平面上に投影された軸方位Sを有しているが、その軸方位Sは棒状硬化領域20をX−Y平面に投影した場合の影の方位と平行の関係にあると考えられる。したがって、上述の異方性散乱フィルムの異方散乱特性は、異方性散乱層の内部構造に起因して発現されるものであると考えられる。なお、図2(a)では、棒状硬化領域20の形状は、円柱状に表されているが、特に限定されるものではない。また、図2(a)では、好ましい例の一つとして、棒状硬化領域20は、斜め方向に延在しているが、棒状硬化領域20の延在する方向は、散乱中心軸の軸方向と同様、特に限定されるものではない。更に、異方性散乱層10の形状は、シート状に表されているが、特に限定されるものではない。
上記光硬化性化合物を含む組成物の形態としては、(A)光重合性化合物単独の形態、(B)光重合性化合物を複数混合して含む形態、(C)単独又は複数の光重合性化合物と光重合性を有しない高分子樹脂とを混合して含む形態等が挙げられる。上記(A)〜(C)の形態によれば、上述したように光照射により異方性散乱層中に、周辺領域と屈折率の異なるミクロンオーダの微細構造(棒状硬化領域)が形成される結果、上述した直線透過光量の入射角依存性を発現することができると考えられる。
したがって、上記(A)及び(C)の形態における単独の光重合性化合物は、光重合の前後で屈折率変化が大きいものが好ましい。また、上記(B)及び(C)の形態における複数の光重合性化合物としては、硬化後の屈折率の異なる組み合わせが好ましい。更に、上記(C)の形態における光重合性化合物と光重合性を有しない高分子樹脂としては、各々の硬化後の屈折率が異なる組み合わせが好ましい。なお、本発明の作用効果を効果的に得る観点から、上記屈折率変化及び屈折率の差は、0.01以上であることが好ましく、0.05以上であることがより好ましく、0.10以上であることが更に好ましい。
更に、上記光硬化性化合物は、ラジカル重合性若しくはカチオン重合性の官能基を有するポリマー、オリゴマー又はモノマーの光重合性化合物(ラジカル重合性化合物又はカチオン重合性化合物)と光開始剤とを含み、紫外線及び可視光線を照射することで重合硬化する性質を有するものであることが好ましい。
上記ラジカル重合性化合物は、主に分子中に1個以上の不飽和二重結合を含有するものであり、具体的には、例えば、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、シリコーンアクリレート等の名称で呼ばれるアクリルオリゴマーと、2−エチルヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、イソノルボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2,2,2−トリフロロエチルメタクリレート、2−パーフルオロオクチル−エチルアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド(EO)変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のアクリレートモノマーが挙げられる。
上記カチオン重合性化合物としては、分子中にエポキシ基、ビニルエーテル基、及び/又は、オキセタン基を1個以上含有する化合物を用いることができる。上記分子中にエポキシ基を含有する化合物としては、ビスフェノールA、水添ビスフェノ−ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラクロロビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA等のビスフェノール類のジグリシジルエーテル類、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ブロム化フェノールノボラック、オルトクレゾールノボラック等のノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル類、エチレングリコール、ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ビスフェノールAのエチレンオキサイド(EO)付加物等のアルキレングリコール類のジグリシジルエーテル類、ヘキサヒドロフタル酸のグリシジルエステル、ダイマー酸のジグリシジルエステル等のグリシジルエステル類等が挙げられる。更に、3,4−エポキシシクロヘキサンメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート等の脂環式エポキシ化合物、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、3−エチル−3−(ヒドロキシメチル)−オキセタン等のオキセタン化合物、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のビニルエーテル化合物等も用いることができる。
上記光重合性化合物は、上述したものに限定されない。また、充分な屈折率の差を生じさせるべく、上記光重合性化合物には、低屈折率化を図るために、フッ素原子(F)を導入してもよく、高屈折率化を図るために、硫黄原子(S)、臭素原子(Br)、各種金属原子を導入してもよい。また、上記異方性散乱層の高屈折率化を図るために、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化錫(SnO)等の高屈折率の金属酸化物からなる超微粒子の表面にアクリル基やエポキシ基等の光重合性官能基を導入した機能性超微粒子を光重合性化合物に添加することも有効である。
上記ラジカル重合性化合物を重合させることができる光開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンゾインイソプロピルエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)チタニウム、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
上記カチオン重合性化合物を重合させることができる光開始剤は、光照射によって酸を発生し、この発生した酸により上述のカチオン重合性化合物を重合させることができる化合物であり、一般的には、オニウム塩、メタロセン錯体が好適に用いられる。オニウム塩としては、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、セレニウム塩等が用いられ、これらの対イオンには、テトラフルオロホウ酸イオン(BF )、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF )、ヘキサフルオロ砒素酸イオン(AsF )、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン(SbF )等のアニオンが用いられる。カチオン重合性化合物の光開始剤としては、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、(η5−イソプロピルベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(II)ヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
上記光開始剤は、光重合性化合物100重量部に対して、0.01重量部以上、10重量部以下で配合されることが好ましい。上記光開始剤が、0.01重量部未満であると、光硬化性が低下するおそれがあり、10重量部を超えると、表面だけが硬化して内部の硬化性が低下するおそれがあるからである。上記光開始剤は、光重合性化合物100重量部に対して、0.1重量部以上、7重量部以下で配合されることがより好ましく、0.1重量部以上、5重量部以下で配合されることが更に好ましい。
上記(C)の形態における光重合性を有しない高分子樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、セルロース系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。これらの高分子樹脂は、光重合の前には、光重合性化合物と充分な相溶性を有していることが必要であり、このような相溶性を確保するために、各種有機溶剤や可塑剤等を用いることも可能である。なお、光重合性化合物としてアクリレートを用いる場合、高分子樹脂は、相溶性の観点から、アクリル樹脂の中から選択されることが好ましい。
上記組成物を硬化させる方法としては、特に限定されないが、例えば、上記組成物を基体上にシート状に設け、これに所定の方向から平行光線(紫外線等)を照射する方法が挙げられる。これにより、平行光線の照射方向に平行に延在する複数の棒状硬化領域の集合体(例えば、図2(a)参照。)を形成することができる。
上記組成物を基体上にシート状に設ける手法としては、通常の塗工方式(コーティング)や印刷方式を用いることができる。具体的には、エアドクターコーティング、バーコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースロールコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスロールコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、ダムコーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等の塗工方式や、グラビア印刷等の凹版印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印刷方式を用いることができる。また、上記組成物の粘度が低い場合には、基体の周囲に所定の高さの構造物を設け、この構造物で囲まれた領域に液状の組成物を塗布する方法も用いることができる。
上記平行光線(紫外線等)を照射するために用いる光源としては、通常は、ショートアークの紫外線ランプが用いられ、具体的には、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。所定の方向から平行光線(紫外線等)を照射するために用いる装置としては、特に限定されないが、一定面積に均一な強度の平行紫外線を照射できるもので、市販装置の中から選択することが可能であるという観点から、レジスト露光用の露光装置を用いることが好ましい。なお、サイズが小さい異方性散乱層を形成する場合は、紫外線スポット光源を点光源として、充分離れた距離から照射する方法も用いることが可能である。
上記組成物をシート状にしたものに照射される平行光線は、光重合性化合物を重合硬化することが可能な波長を含んでいることが必要であり、通常、水銀灯の365nmを中心とする波長の光線が用いられる。この波長帯の光線を用いて異方性散乱層を形成する場合、照度は、0.01mW/cm以上、100mW/cm以下であることが好ましい。照度が0.01mW/cm未満であると、硬化に長時間を要するため、生産効率が悪くなるおそれがあり、100mW/cmを超えると、光重合性化合物の硬化が速過ぎて構造形成を生じず、所望の異方散乱特性を発現できなくなるおそれがあるからである。上記照度は、0.1mW/cm以上、20mW/cm以下であることがより好ましい。
上記異方性散乱フィルムは、直線透過光量が散乱中心軸の軸方向における直線透過光量以下である方向を有し、該直線透過光量以下である方向の方位は、表示デバイスの観察面の法線方向から一定の角度傾斜させた方向におけるコントラスト比が極小となる方位と一致することが好ましい。直線透過光量が散乱中心軸の軸方向における直線透過光量以下である方向は、通常は、散乱中心軸の軸方向に近接しており、散乱中心軸の軸方向を中心として略放射状に配置される。これによれば、散乱中心軸の軸方位を表示デバイスの極小方位と一致させた場合と同等かそれ以上の作用効果を得ることができる。
図4は、本発明の表示装置を構成する異方性散乱フィルムの散乱中心軸の軸方位と、表示デバイスの極小方位との関係を示す説明図である。なお、図中の2本の実線矢印はそれぞれ、表示デバイスの極小方位MI1及び散乱中心軸の軸方位Sを表す。また、Aは、表示デバイスの極小方位MI1と表示装置の方位角0°の方位とのなす角度を表し、δは、表示デバイスの極小方位MI1と散乱中心軸の軸方位Sとのなす角度を表す。
以下、本発明の表示装置について、図4を参照しながら説明するが、本発明の表示装置は、図4の構成に限定されるものではない。例えば、表示デバイスの極小方位MI1と散乱中心軸の軸方位Sとの配置関係は、図4に示す関係に限定されるものではない。
上記散乱中心軸の軸方位は、表示デバイスの観察面の法線方向から一定の角度傾斜させた方向におけるコントラスト比が極小となる方位(極小方位)とのなす角度(δ)が15°以下であることが好ましい。散乱中心軸の軸方位と表示デバイスの極小方位とのなす角度が15°を超えると、散乱させる黒輝度の量が少なくなり、コントラスト比の向上の効果が得にくくなるおそれがある。
例えば、図5の散乱特性を示す異方性散乱フィルムは、入射角が−15〜15°の範囲にある方向では、散乱中心軸の軸方向(入射角0°の方向)と同様又はそれ以下の直線透過光量を示す。したがって、散乱中心軸の軸方位と表示デバイスの極小方位とのなす角度(δ)を15°以下とすることにより、異方性散乱フィルムは、散乱中心軸の軸方位と略一致する表示デバイスの極小方位において、充分な拡散性能を発揮することができるため、本発明の作用効果を得ることができる。なお、図5に示すように、入射角が−15〜15°の範囲を超えた方向では、直線透過光量が散乱中心軸の軸方向における直線透過光量よりも大きい。したがって、散乱中心軸の軸方位と表示デバイスの極小方位とのなす角度(δ)が15°を超えると、異方性散乱フィルムは、散乱中心軸の軸方位と略一致する表示デバイスの極小方位において、充分な拡散性能を発揮することができず、その極小方位においては、表示デバイスのコントラスト比の視角依存性が、そのまま表示装置のコントラスト比の視角依存性として現れてしまうおそれがある。
上記散乱中心軸の軸方位は、表示デバイスの観察面の法線方向から一定の角度傾斜させた方向におけるコントラスト比が極小となる方位(極小方位)とのなす角度(δ)が10°以下であることがより好ましく、5°以下であることが更に好ましい。これにより、散乱中心軸の軸方位が表示デバイスの極小方位とより一致するため、最大コントラスト比や、散乱中心軸の軸方位と略一致する極小方位以外の方向のコントラスト比を大きく低下させることなく、少なくとも散乱中心軸の軸方位と略一致する表示デバイスの極小方位において、コントラスト比の視角依存性をより改善することができる。
なお、上記散乱中心軸の軸方位は、表示デバイスの観察面の法線方向から20°以上傾斜させた方向におけるコントラスト比が極小となる方位とのなす角度(δ)が15°以下であることがより好ましく、表示デバイスの観察面の法線方向から45°傾斜させた方向におけるコントラスト比が極小となる方位とのなす角度(δ)が15°以下であることが更に好ましい。
上記異方性散乱フィルムは、直線透過光量が最小になる方向と散乱中心軸の軸方向とのなす角度が、直線透過光量が最大になる方向と散乱中心軸の軸方向とのなす角度よりも小さいことが好ましい。これは、直線透過光量が最小になる方向が散乱中心軸の軸方向となす角度をαとし、直線透過光量が最大になる方向が散乱中心軸の軸方向となす角度をβとしたとき、0°≦α<βで表される。通常は、表示デバイスのコントラスト比が大きい方向は、コントラスト比が小さい方向よりも極角が小さいものである。したがって、これによれば、表示デバイスのコントラスト比が大きい方向の光が、コントラスト比が小さい方向の光よりも強く散乱されるため、本発明の作用効果をより効果的に得ることができる。上記異方性散乱フィルムのより好ましい形態としては、入射角−直線透過光量を示す図において、散乱特性の入射角依存性を示すグラフが、(i)略W字状になる形態(例えば、図5参照。)、(ii)略U字状になる形態が挙げられる。以下、(i)の形態を有し、散乱中心軸がフィルム面の法線方向にある異方性散乱フィルムを一例に挙げて説明する。
上記(i)の形態を有し、散乱中心軸がフィルム面の法線方向にある異方性散乱フィルムの場合、直線透過光量は、散乱中心軸の軸方向(フィルム面の法線方向)で充分に小さいものの、散乱中心軸の軸方向とのなす角度(入射角の大きさ)が大きい方向ほど徐々に減少し、入射角の大きさが5〜20°(α)の方向で最小値を示す。そして、入射角の大きさがαよりも大きい方向では、入射角の大きさが大きい方向ほど、直線透過光量は大きくなり、入射角の大きさが40〜65°(β)の方向で最大値を示す。そして、入射角の大きさがβよりも大きい方向では、入射角の大きさが大きい方向ほど、直線透過光量は小さくなる。このような散乱特性の入射角依存性は、全ての方位で略同一に得られるものであり、すなわち、入射角−直線透過光量を示す図は、散乱中心軸(入射角0°の軸)を中心に、略対称性を示す(例えば、図5参照。)。
なお、上記散乱中心軸の軸方向、及び、直線透過光量が最小値又は最大値を示す入射角の範囲は、一例であり、これに限定されない。また、(i)の形態において、散乱中心軸の軸方向における直線透過光量は小さいほど好ましく、上記直線透過光量が散乱中心軸の軸方向において最小になる形態が、上記(ii)の形態である。
上記(ii)の形態を有する異方性散乱フィルムの散乱特性の入射角依存性は、全ての方向の入射光線について直線透過光量及びその進行方向を1つの出射点を起点とするベクトルで表し、そのベクトルの先端部を結んで表す場合、図32に示すように、散乱中心軸の軸方向を対称中心軸とする釣鐘状曲面(図中の破線)が得られることが好ましい。異方性散乱フィルムが上記のような異方散乱特性を示すことにより、最大コントラスト比の低下を特に小さくすることができるとともに、極小方位を含む広い方位でコントラスト比の視野角特性を改善することができる。また、コントラスト比の視角依存性の改善効果を全ての方位で均一に得ることができる。更に、上述した作用効果は、表示デバイスの観察面の法線方向と異方性散乱フィルムのフィルム面の法線方向とを一致させる、すなわち表示デバイスと異方性散乱フィルムとを貼り合せることで得ることができるため、上述した作用効果は容易に得ることができる。
上記(i)及び(ii)の形態において、直線透過光量が所定の値以下である入射角の範囲は、広くなってもよい。これによれば、表示デバイスのコントラスト比が大きい、広い範囲の方向の光が、コントラスト比が小さい方向の光よりも強く散乱されるため、本発明の作用効果を更に効果的に得ることができる。
なお、異方性散乱フィルムについて、上記直線透過光量が最小となる方向と散乱中心軸の軸方向とのなす角度は、0°に近いことが好ましい。また、上記直線透過光量の最小値は、入射角−直線透過光量を示す図(例えば、図5参照。)において、最大値の50%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましく、20%以下であることが更に好ましい。
上記異方性散乱フィルムは、いずれかの方位で、直線透過光量が最小になる方向の極角が、直線透過光量が最大になる方向の極角よりも小さいことが好ましい。通常は、上記表示デバイスのコントラスト比が大きい方向は、コントラスト比が小さい方向よりも極角が小さいものである。したがって、これによれば、上記方位において、表示デバイスのコントラスト比が大きい方向の光が、コントラスト比が小さい方向の光よりも強く散乱されるため、本発明の作用効果をより効果的に得ることができる。
本発明の作用効果を更に効果的に得る観点から、上記異方性散乱フィルムは、全ての方位で、直線透過光量が最小になる方向の極角が、直線透過光量が最大になる方向の極角よりも小さいことがより好ましい。
上記異方性散乱フィルムは、散乱中心軸の軸方位で、散乱中心軸よりも極角が大きい方向における直線透過光量の最大値が、散乱中心軸よりも極角が小さい方向における直線透過光量の最大値よりも小さいことが好ましい。なお、この形態においては、「散乱中心軸よりも極角が大きい方向」とは、方位が散乱中心軸の軸方位と同一でありかつ極角が散乱中心軸の極角よりも大きい方向のことであり、「散乱中心軸よりも極角が小さい方向」は、方位が散乱中心軸の軸方位と同一でありかつ極角が散乱中心軸の極角よりも小さい方向のみならず、方位が散乱中心軸の軸方位と反対の方向をも含むものとする。本発明では、上記異方性散乱フィルムは、散乱中心軸の軸方位が表示デバイスの極大方位と略一致するよう配置されている。したがって、これによれば、散乱中心軸の軸方位と反対の方位における表示品位を損なうことなく、コントラスト比が大きい方向の光(黒輝度)を散乱中心軸を中心として散乱させることにより、散乱中心軸の軸方位と略一致する表示デバイスの極小方位において、コントラスト比の視野角依存性をより改善することができる。
上記異方性散乱フィルムのより好ましい形態としては、(iii)散乱中心軸の軸方位に垂直な方位で、直線透過光量が最小になる方向の極角が、直線透過光量が最大になる方向の極角よりも小さい形態が挙げられる。この形態によれば、散乱中心軸の軸方位に垂直な方位における表示品位を損なうことなく、散乱中心軸の軸方位と略一致する表示デバイスの極小方位における表示品位を向上させることができる。上記(iii)の形態について、図7を一例に挙げて説明する。なお、上記散乱中心軸の軸方向、及び、直線透過光量が最小値又は最大値を示す入射角の範囲は一例であり、図7で示すものに限定されない。
図7は、本発明の表示装置を構成する異方性散乱フィルムの散乱特性の入射角依存性の一例を示す図である。
図7に示す異方性散乱フィルムでは、散乱中心軸の極角ωは、30°である。すなわち、図7の異方性散乱フィルムでは、散乱中心軸の極角ωが大きいため、直線透過光量の入射角依存性が散乱中心軸の軸方位と該軸方位に垂直な方位とで大きく異なる。
まず、散乱中心軸の軸方位における散乱特性の入射角依存性について説明する。散乱中心軸よりも極角が大きい方向では、直線透過光量は、散乱中心軸の軸方向(入射角が30°の方向)で充分に小さいものの、入射角が大きい方向ほど徐々に減少し、入射角が30〜40°の方向で最小となる。入射角が30〜40°よりも大きい方向では、入射角が大きい方向ほど、直線透過光量は大きくなり、入射角が50〜60°の方向で最大となる。そして、入射角が50〜60°よりも大きい方向では、入射角が大きい方向ほど、直線透過光量は小さくなる。また、散乱中心軸よりも極角が小さい方向では、入射角が小さい方向ほど徐々に減少し、入射角が15〜25°の方向で最小となる。入射角が15〜25°よりも小さい方向では、入射角が小さい方向ほど、直線透過光量は大きくなり、入射角が−55〜−45°の方向で最大となる。そして、入射角が−55〜−45°よりも小さい方向では、該角度が小さい方向ほど、直線透過光量は小さくなる。
次に、上記散乱中心軸の軸方位に垂直な方位における散乱特性の入射角依存性について説明する。この方位では、直線透過光量は、入射角が0°より大きい方向と小さい方向とで類似した傾向を示すことから、入射角が0°より大きい方向についてのみ説明する。直線透過光量は、入射角が0〜10°の方向で最小となる。そして、入射角が0〜10°よりも大きい方向では、入射角が大きい方向ほど、直線透過光量は大きくなり、入射角が55〜65°の方向で最大となる。そして、入射角が55〜65°よりも大きい方向では、該角度が大きい方向ほど、直線透過光量は小さくなる。
本発明の作用効果を効果的に得る観点から、散乱中心軸の軸方向における直線透過光量は小さいほど好ましく、上記直線透過光量は、散乱中心軸の軸方向において最小になっていてもよい。
上記表示デバイスは、液晶表示デバイスであることが好ましい。これにより、表示装置の薄型軽量化及び低消費電力化を実現することができるとともに、散乱中心軸の軸方位と略一致する液晶表示デバイスの極小方位においてコントラスト比の視角依存性を改善することができる。したがって、本発明の表示装置は、運転席の方向等の特定方位において高い視認性が要求されるカーナビゲーション等に好適に用いることができる。
なお、上記液晶表示デバイスは、透過型液晶表示デバイスであってもよく、透過反射両用型(半透過型)液晶表示デバイスであってもよく、反射型液晶表示デバイスであってもよい。
上記液晶表示デバイスは、1対の基板間に狭持された液晶を有する液晶セルと、支持フィルム及び偏光素子を含む偏光板を有することが好ましい。このような形態を有する液晶表示デバイスは、少なくとも液晶の屈折率異方性や偏光板の偏光吸収特性及び偏光透過特性に起因して、コントラスト比の視角依存性を発現する。したがって、このような液晶表示デバイスの観察面側に上記異方性散乱フィルムを配置することにより、液晶表示デバイスのコントラスト比の視角依存性を改善することができる。なお、上述したように、一対の偏光板がその吸収軸(透過軸)同士が直交するように液晶セルの表裏に配置(クロスニコル配置)されてなる液晶表示デバイスにおいては、通常、液晶表示デバイスの極小方位は、偏光板の吸収軸と透過軸とがなす角度を二等分するような4つの方位と一致する。
上記液晶セルの形態としては、特に限定されず、例えば、薄膜トランジスタアレイ基板とカラーフィルタ基板との間に狭持された液晶を有する形態が挙げられる。また、上記偏光板の形態としては、特に限定されないが、液晶セルの側から偏光素子、支持フィルムの順に含む形態、液晶セルの側から支持フィルム、偏光素子の順に含む形態、液晶セルの側から第1の支持フィルム、偏光素子、第2の支持フィルムの順に含む形態が挙げられる。上記支持フィルムとしては、異方性散乱フィルムの透明基体と同様のものを用いることができる。更に、上記偏光板は、通常、液晶セルの観察面側及び背面側の両方に配置されるが、観察面側のみに配置されてもよく、背面側のみに配置されてもよい。上記偏光板は、位相差フィルムを更に含むことが好ましい。これにより、液晶表示デバイスの色度等の視角依存性も改善することもできる。
上記液晶表示デバイスの表示モードとしては、特に限定されないが、例えばVA(Vertical Alignment)モード、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane Switching)モード又はOCB(Optically Compensated Birefringence)モードが好ましい。
VAモードとは、電圧無印加時に液晶分子が基板面に略垂直に配向しており、電圧の印加で液晶分子を倒れ込ますことで表示を行う方式である。VAモードとしては、基板上に突起構造物、及び/又は、スリットを設けて、液晶セルを複数のドメインに分割したMVA(Multi−domain Vertical Alignment)モード等が挙げられる。なお、VAモードの液晶表示デバイスでは、液晶は、負の誘電率異方性を有することが好ましい。
TNモードとは、電圧無印加時に液晶分子の長軸が基板面に略平行かつ1対の基板間で所定の角度(ねじれ角)だけ連続的にねじれるように配向しており、電圧の印加で長軸を電場方向と平行になるように再配列させることで表示を行う方式である。なお、TNモードは、ねじれ角が90°である通常のTNモードのみならず、ねじれ角が180°以上であるSTNモード等をも含むものである。また、TNモードの液晶表示デバイスでは、液晶は、正の誘電率異方性を有することが好ましい。
IPSモードとは、一方の基板に設けた櫛形電極対に印加された横方向の電界により、液晶を基板面内で回転させて表示を行う方式である。なお、液晶分子が負の誘電率異方性を有する場合には、電圧無印加時に液晶分子の長軸は櫛形電極の櫛歯方向に略垂直な方向に配置され、電圧の印加で櫛形電極の櫛歯方向に略平行な方向に回転される。また、液晶分子が正の誘電率異方性を有する場合には、電圧無印加時に液晶分子の長軸は櫛形電極の櫛歯方向に略平行な方向に配置され、電圧の印加で櫛形電極の櫛歯方向に略垂直な方向に回転される。また、電圧無印加時には、液晶分子の誘電率異方性の正負に関わらず、液晶分子の長軸は、基板面及び一方の偏光素子の偏光軸に略平行に配置される。
OCBモードとは、液晶の厚さ方向で光学的に相補的な配向構造(ベンド配向)を付与するとともに、位相差フィルムを用いて三次元の光学補償を行う方式である。
本発明の表示装置によれば、表示デバイスの基本構造を設計変更することなく、白表示状態又は黒表示状態に限定されることなく、他の方向の表示品位を損なうことなく、少なくとも特定の方位においてコントラスト比の視角依存性を改善することができる。
1. 液晶表示装置の作製
<実施例1>
(第1の異方性散乱フィルムの作製)
まず、厚さ75μm、76×26mmサイズのポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム(商品名:コスモシャイン(登録商標)、品番:A4300、東洋紡績社製)の縁部に、ディスペンサを用いて液状樹脂を吐出した後、この液状樹脂を硬化させることによって、高さ0.2mmの隔壁を形成した。次に、隔壁で囲まれた領域内に下記組成の光重合性組成物を滴下した後、別のPETフィルムで被覆した。
≪光重合性組成物の組成≫
2−(パーフルオロオクチル)−エチルアクリレート 50重量部
1,9−ノナンジオールジアクリレート 50重量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン 4重量部
次に、上下両面をPETフィルムで挟まれた厚さ0.2mmの液膜に対して、UVスポット光源(商品名:L2859−01、浜松ホトニクス社製)の落射用照射ユニットから、垂直方向から30°傾いた角度から照射強度30mW/cmの紫外線を1分間照射し、第1の異方性散乱フィルムを得た。なお、第1の異方性散乱フィルムについて、断面を顕微鏡観察すると、図2(a)に示すようなフィルム面の法線方向に対して30°傾いて延在した棒状硬化領域20の存在が確認された。
(第1の異方性散乱フィルムの散乱特性の測定)
図6は、第1の異方性散乱フィルムの異方散乱特性の測定方法を示す斜視模式図である。
図6に示す方法によれば、所定の方向を回転軸として試験片10aを回転させることにより、光軸と試験面の法線方向とが一致する場合(入射角が0°の場合)の直線透過光量のみならず、光軸と試験面の法線方向とが一致しない場合(入射角が0°以外の場合)の直線透過光量も測定することができる。具体的には、まず、ゴニオフォトメータ(商品名:自動変角光度計GP−5、村上色彩技術研究所製)を用いて、図6に示すように、光源(図示せず)からの直進光を受ける位置に受光部30を固定し、光源と受光部30との間のサンプルホルダー(図示せず)に、試験片10aとして、第1の異方性散乱フィルムを取り付けた。次に、図6に示すように、第1の異方性散乱フィルム10aの短辺方向を回転軸(L)として第1の異方性散乱フィルム10aを回転(以下「短辺軸回転」ともいう。)させながら、それぞれの入射角に対応する直線透過光量を測定した。次に、第1の異方性散乱フィルム10aの長辺方向を回転軸(M)として第1の異方性散乱フィルム10aを回転(以下「長辺軸回転」ともいう。)させながら、それぞれの入射角に対応する直線透過光量を測定した。
なお、第1の異方性散乱フィルム10aの短辺軸方向は、棒状硬化領域20の延在方位に垂直な方位と一致し、長辺軸方向は、棒状硬化領域20の延在方位に一致する。すなわち、第1の異方性散乱フィルム10aを短辺軸回転させることにより、棒状硬化領域20の延在方位における異方散乱特性を測定し、長辺軸回転させることにより、棒状硬化領域20の延在方位に垂直な方位における異方散乱特性を測定した。
図7は、第1の異方性散乱フィルムについて、上記2つの回転軸を中心に回転させた場合の入射角と直線透過光量との関係を示す図である。なお、入射角の正負は、第1の異方性散乱フィルムを回転させる方向が反対であることを示す。
図7より、棒状硬化領域20の延在方位においては、入射角30°に小さい山を含む深い谷状であることが分かった。また、棒状硬化領域20の延在方位に垂直な方位においては、入射角0°が最深となる谷状であることがわかった。したがって、第1の異方性散乱フィルム10aが、棒状硬化領域20の延在方向に一致する方向に散乱中心軸を有し、すなわち散乱中心軸の極角が30°であることが分かった。
図8は、本発明の実施例1に係るVAモード液晶表示装置の構成を示す斜視模式図である。なお、各フィルムの貼り合せ、及び、軸方向の相対関係は図8及び表1に示す通りである。
Figure 0004564504
(VAモード液晶表示デバイス15aの作製)
まず、液晶材料の複屈折Δnとセル厚dとの関係がΔnd=300nmに調整され、液晶分子の傾斜方位が電圧印加時に方位角45°、135°、225°及び315°の4方向に分割されるVAモード液晶セル11aを試作した。次に、VAモード液晶セル11aのバックライト側に第1の位相差フィルム12aを貼り合せ、更に、第1の位相差フィルム12aのバックライト側、及び、VAモード液晶セル11aの観察面側に、VAモード液晶セル11a側の支持フィルムがTAC(トリアセチルセルロース)フィルムである第1の偏光板13aを貼り合せ、VAモード液晶表示デバイス15aとした。
なお、第1の位相差フィルム12aの位相差は、Re=3nm、Rth=250nmである。上記Reは、屈折率楕円体の3つの主屈折率のうち、面内の2つの主屈折率をnx、ny(nx≧ny)、法線方向の1つの主屈折率をnz、位相差フィルムの厚みをdと定義したとき、下記式(1)で表される。
Re=(nx−ny)×d (1)
また、Rthは、nx、ny、nz、dを上記のように定義したとき、下記式(2)で表される。
Rth=(nx−nz)×d (2)
Re及びRthの算出方法については、以下の各実施例、各比較例においても同様である。また、第1の偏光板13aを構成する偏光素子の性能は、平行透過率36.25%、直交透過率0.005%、偏光度99.99%である。
(VAモード液晶表示デバイス15aの光学特性の測定)
実施例1で作製したVAモード液晶表示デバイス15aの極角Θ=45°の方向におけるコントラスト比の方位角依存性を視野角測定装置(商品名:EZContrast160R、ELDIM社製)を用いて測定した。その結果を図17に示す。図17から分かるように、VAモード液晶表示デバイス15aの極角Θ=45°の方向におけるコントラスト比が極小となる方位(極小方位)は、方位角Φ=45°、135°、225°、315°の4方位であった。
(VAモード液晶表示装置100aの作製)
次に、VAモード液晶表示デバイス15aの方位角Φ=45°の方位(極小方位)と第1の異方性散乱フィルム10aの散乱中心軸の軸方位Sとがほぼ一致するように、液晶表示デバイス15aの観察面側に第1の異方性散乱フィルム10aを貼り合せ、VAモード液晶表示装置100aとした。
<実施例2>
図9は、本発明の実施例2に係るVAモード液晶表示装置100aの構成を示す斜視模式図である。なお、各フィルムの貼り合せ、及び、軸方向の相対関係は図9及び表2に示す通りである。
Figure 0004564504
(VAモード液晶表示デバイス15aの作製)
まず、実施例1にて試作したVAモード液晶セル11aの観察面側に、液晶セル11a側の支持フィルムが第2の位相差フィルム12bである第2の偏光板13bを貼り合せ、バックライト側に、液晶セル11a側の支持フィルムが第3の位相差フィルム12cである第3の偏光板13cを貼り合せ、VAモード液晶表示デバイス15aとした。
なお、第2の位相差フィルム12bの位相差は、Re=140nm、Rth=138nmである。また、第3の位相差フィルム12cの位相差は、Re=2nm、Rth=190nmである。更に、偏光素子3aの性能は、実施例1の偏光素子と同じである。
(VAモード液晶表示デバイス15aの光学特性の測定)
実施例2で作製したVAモード液晶表示デバイス15aの極角Θ=45°の方向におけるコントラスト比の方位角依存性を視野角測定装置(商品名:EZContrast160R、ELDIM社製)を用いて測定したところ、実施例1と同様に、VAモード液晶表示デバイス15aの極角Θ=45°の方向におけるコントラスト比が極小となる方位(極小方位)は、方位角Φ=45°、135°、225°、315°の4方位であった。
(VAモード液晶表示装置100aの作製)
次に、VAモード液晶表示デバイス15aの方位角Φ=45°の方位(極小方位)と第1の異方性散乱フィルム10aの散乱中心軸の軸方位Sとがほぼ一致するように、液晶表示デバイス15aの観察面側に第1の異方性散乱フィルム10aを貼り合せ、VAモード液晶表示装置100aとした。
<実施例3>
図10は、本発明の実施例3に係るVAモード液晶表示装置100aの構成を示す斜視模式図である。なお、各フィルムの貼り合せ、及び、軸方向の相対関係は図10及び表3に示す通りである。
Figure 0004564504
(VAモード液晶表示デバイス15aの作製)
まず、実施例1にて試作したVAモード液晶セル11aのバックライト側に第4の位相差フィルム12dを貼り合せ、更に、第4の位相差フィルム12dのバックライト側、及び、液晶セル11aの観察面側に、液晶セル11a側の支持フィルムがTACフィルムである第1の偏光板13aを貼り合せ、VAモード液晶表示デバイス15aとした。
なお、第4の位相差フィルム12dの位相差は、Re=50nm、Rth=220nmである。また、第1の偏光板13aの性能は、実施例1と同じである。
(VAモード液晶表示デバイス15aの光学特性の測定)
実施例3で作製したVAモード液晶表示デバイス15aの極角Θ=45°の方向におけるコントラスト比の方位角依存性を視野角測定装置(商品名:EZContrast160R、ELDIM社製)を用いて測定したところ、実施例1と同様に、VAモード液晶表示デバイス15aの極角Θ=45°の方向におけるコントラスト比が極小となる方位(極小方位)は、方位角Φ=45°、135°、225°、315°の4方位であった。
(VAモード液晶表示装置100aの作製)
次に、VAモード液晶表示デバイス15aの方位角Φ=45°の方位(極小方位)と第1の異方性散乱フィルム10aの散乱中心軸の軸方位Sとがほぼ一致するように、液晶表示デバイス15aの観察面側に第1の異方性散乱フィルム10aを貼り合せ、VAモード液晶表示装置100aとした。
<実施例4>
図11は、本発明の実施例4に係るVAモード液晶表示装置100aの構成を示す斜視模式図である。なお、各フィルムの貼り合せ、及び、軸方向の相対関係は図11及び表4に示す通りである。
Figure 0004564504
(VAモード液晶表示デバイス15aの作製)
まず、実施例1にて試作したVAモード液晶セル11aの観察面側に、液晶セル11a側の支持フィルムが第5の位相差フィルム12eである第5の偏光板13eを貼り合せ、バックライト側に、液晶セル11a側の支持フィルムが第6の位相差フィルム12fである第6の偏光板13fを貼り合せ、VAモード液晶表示デバイス15aとした。
なお、第5及び第6の位相差フィルム12e及び12fの位相差はともに、Re=60nm、Rth=90nmである。また、偏光素子3aの性能は、実施例1の偏光素子と同じである。
(VAモード液晶表示デバイス15aの光学特性の測定)
実施例4で作製したVAモード液晶表示デバイス15aの極角Θ=45°の方向におけるコントラスト比の方位角依存性を視野角測定装置(商品名:EZContrast160R、ELDIM社製)を用いて測定したところ、実施例1と同様に、VAモード液晶表示デバイス15aの極角Θ=45°の方向におけるコントラスト比が極小となる方位(極小方位)は、方位角Φ=45°、135°、225°、315°の4方位であった。
(VAモード液晶表示装置100aの作製)
次に、VAモード液晶表示デバイス15aの方位角Φ=45°の方位(極小方位)と第1の異方性散乱フィルム10aの散乱中心軸の軸方位Sとがほぼ一致するように、液晶表示デバイス15aの観察面側に第1の異方性散乱フィルム10aを貼り合せ、VAモード液晶表示装置100aとした。
<実施例5>
図12は、本発明の実施例5に係るVAモード液晶表示装置100aの構成を示す斜視模式図である。なお、各フィルムの貼り合せ、及び、軸方向の相対関係は図12及び表5に示す通りである。
Figure 0004564504
(VAモード液晶表示デバイス15aの作製)
まず、実施例1にて試作したVAモード液晶セル11aの観察面側に、液晶セル11a側の支持フィルムが第7の位相差フィルム12gである第7の偏光板13gを貼り合せ、バックライト側に、液晶セル11a側の支持フィルムが第8の位相差フィルム12hである第8の偏光板13hを貼り合せ、VAモード液晶表示デバイス15aとした。
なお、第7の位相差フィルム12gの位相差は、Re=90nm、Rth=100nmであり、第8の位相差フィルム12hの位相差は、Re=3nm、Rth=100nmである。また、偏光素子3aの性能は、実施例1の偏光素子と同じである。
(VAモード液晶表示デバイス15aの光学特性の測定)
実施例5で作製したVAモード液晶表示デバイス15aの極角Θ=45°の方向におけるコントラスト比の方位角依存性を視野角測定装置(商品名:EZContrast160R、ELDIM社製)を用いて測定したところ、実施例1と同様に、VAモード液晶表示デバイス15aの極角Θ=45°の方向におけるコントラスト比が極小となる方位(極小方位)は、方位角Φ=45°、135°、225°、315°の4方位であった。
(VAモード液晶表示装置100aの作製)
次に、VAモード液晶表示デバイス15aの方位角Φ=45°の方位(極小方位)と第1の異方性散乱フィルム10aの散乱中心軸の軸方位Sとがほぼ一致するように、液晶表示デバイス15aの観察面側に第1の異方性散乱フィルム10aを貼り合せ、VAモード液晶表示装置100aとした。
<実施例6>
図13は、本発明の実施例6に係るTNモード液晶表示装置100bの構成を示す斜視模式図である。なお、各フィルムの貼り合せ、及び、軸方向の相対関係は図13及び表6に示す通りである。
Figure 0004564504
(TNモード液晶表示デバイス15bの作製)
まず、液晶材料の複屈折Δnとセル厚dとの関係がΔnd=350nmに調整されたTNモード液晶セル11bを試作し、その両外側にワイドビュー(WV)フィルム4付偏光板(商品名:視角補償フィルム付偏光板NWF−KD・EG、日東電工社製)13iを貼り合せ、TNモード液晶表示デバイス15bとした。
なお、偏光素子3bは、偏光素子3aとは異なるものである。また、偏光板13iの性能は、平行透過率36.10%、直交透過率0.005%、偏光度99.99%であった。
(TNモード液晶表示デバイス15bの光学特性の測定)
TNモード液晶表示デバイス15bの極角Θ=45°の方向におけるコントラスト比の方位角依存性を視野角測定装置(商品名:EZContrast160R、ELDIM社製)を用いて測定した。その結果を図18に示す。図18から分かるように、TNモード液晶表示デバイス15bの極角Θ=45°の方向におけるコントラスト比が極小となる方位(極小方位)は、方位角Φ=0°、90°、180°、270°の4方位であった。
(TNモード液晶表示装置100bの作製)
次に、TNモード液晶表示デバイス15bの方位角Φ=270°の方位(極小方位)と第1の異方性散乱フィルム10aの散乱中心軸の軸方位Sとがほぼ一致するように、液晶表示デバイス15bの観察面側に、第1の異方性散乱フィルム10aを貼り合せ、TNモード液晶表示装置100bとした。
<実施例7>
(第2の異方性散乱フィルムの作製)
UVスポット光源(商品名:L2859−01、浜松ホトニクス社製)の落射用照射ユニットから垂直に照射強度30mW/cmの紫外線を1分間照射したこと以外は、第1の異方性散乱フィルムの作製方法と同じである。これにより、第2の異方性散乱フィルムを得た。なお、第2の異方性散乱フィルムについて、断面を顕微鏡観察すると、図2(c)に示すようなフィルム面の法線方向に延在した棒状硬化領域20の存在が確認された。
(第2の異方性散乱フィルムの散乱特性の測定)
図5は、第2の異方性散乱フィルムについて、互いに直交する2つの回転軸(長辺軸及び短辺軸)を中心に回転させた場合の入射角と直線透過光量との関係を示す図である。なお、図中の実線は、短辺軸回転させた場合を示し、破線は、長辺軸回転させた場合を示す。また、入射角の正負は、回転させる方向が反対であることを示す。
第2の異方性散乱フィルムの散乱特性について、第1の異方性散乱フィルムと同様に測定したところ、図5より、短辺軸回転させた場合及び長辺軸回転させた場合の両方において、第2の異方性散乱フィルムは、入射角0°に小さい山を含む深い谷状で、略左右対称な異方散乱特性を示すことが分かった。また、第2の異方性散乱フィルムは、短辺軸回転させた場合と長辺軸回転させた場合とで、略同一の異方散乱特性を示すことが分かった。更に、これにより、第2の異方性散乱フィルムは、フィルム面の法線方向に散乱中心軸を有することが分かった。なお、直線透過光量の変化率は、短辺軸回転させた場合及び長辺軸回転させた場合の両方において、0.90であった。
(TNモード液晶表示装置200bの作製)
図14は、本発明の実施例7に係るTNモード液晶表示装置200bの構成を示す斜視模式図である。なお、各フィルムの貼り合せ、及び、軸方向の相対関係は図14及び表7に示す通りである。
TNモード液晶表示デバイス15bの観察面側に、第1の異方性散乱フィルム10aの代りに、第2の異方性散乱フィルム10bを貼り合わせたこと以外は、実施例6と同じである。なお、第2の異方性散乱フィルム10bは、フィルム面の法線方向に散乱中心軸を有するため、散乱中心軸の軸方位Sを全ての方位に有するとみなされる。
Figure 0004564504
<実施例8>
図15は、本発明の実施例8に係るIPSモード液晶表示装置100cの構成を示す斜視模式図である。なお、各フィルムの貼り合せ、及び、軸方向の相対関係は図15及び表8に示す通りである。
Figure 0004564504
(IPSモード液晶表示デバイス15cの作製)
まず、市販のIPSモードの液晶TV(商品名:TH−26LX50、松下電器産業社製)の観察面側及びバックライト側に貼り合わされた偏光板を剥離し、IPSモード液晶セル11cを準備した。次に、液晶セル11cのバックライト側に第9の位相差フィルム12jを貼り合せ、更に、第9の位相差フィルム12jのバックライト側、及び、液晶セル11cの観察面側に第9の偏光板13jを貼り合せ、IPSモード液晶表示デバイス15cとした。
なお、第9の位相差フィルム12jの位相差は、Re=140nm、Rth=45nmである。更に、第9の偏光板13jの性能は、平行透過率35.95%、直交透過率0.004%、偏光度99.99%であった。
(IPSモード液晶表示デバイス15cの光学特性の測定)
IPSモード液晶表示デバイス15cの極角Θ=45°の方向におけるコントラスト比の方位角依存性を視野角測定装置(商品名:EZContrast160R、ELDIM社製)を用いて測定した。その結果を図19に示す。図19から分かるように、IPSモード液晶表示デバイス15cの極角Θ=45°の方向におけるコントラスト比が極小となる方位(極小方位)は、方位角Φ=45°、135°、225°、315°の4方位であった。
(IPSモード液晶表示装置100cの作製)
次に、IPSモード液晶表示デバイス15cの方位角Φ=45°の方位(極小方位)と第1の異方性散乱フィルム10aの散乱中心軸の軸方位Sとがほぼ一致するように、液晶表示デバイス15cの観察面側に、第1の異方性散乱フィルム10aを貼り合せ、IPSモード液晶表示装置100cとした。
<実施例9>
(OCBモード液晶表示デバイスの作製及び光学特性の測定)
市販のOCBモードの液晶TV(商品名:VT23XD1、ナナオ社製)のバックライト側の偏光板の一部を剥離し、観察面側に貼り合せ、OCBモード液晶表示デバイスとした。なお、一部が剥離された偏光板の性能は、平行透過率36.30%、直交透過率0.005%、偏光度99.99%であった。次に、OCBモード液晶表示デバイスの極角Θ=45°の方向におけるコントラスト比の方位角依存性を視野角測定装置(商品名:EZContrast160R、ELDIM社製)を用いて測定した。その結果を図20に示す。図20から分かるように、OCBモード液晶表示デバイス15cの極角Θ=45°の方向におけるコントラスト比が極小となる方位(極小方位)は、方位角Φ=0°、90°、180°、270°の4方位であった。
(OCBモード液晶表示装置の作製)
次に、OCBモード液晶表示デバイスの方位角Φ=0°の方位(極小方位)と第1の異方性散乱フィルム10aの散乱中心軸の軸方位Sとがほぼ一致するように、OCBモード液晶表示デバイスの観察面側の表面に第1の異方性散乱フィルム10aを貼り合せ、OCBモード液晶表示装置とした。
<比較例1>
(等方性散乱フィルムの作製)
厚さ75μmのPETフィルム(商品名:コスモシャイン(登録商標)、品番:A4300、東洋紡績社製)の片面に、下記処方のUV塗料をワイヤーバーにて塗布した。次に、UV塗料を塗布したフィルムを乾燥、UV照射(硬化)し、膜厚約3μmの塗工層を有する等方性散乱フィルムを得た。
≪UV塗料≫
UV硬化型樹脂(商品名:ビームセット(登録商標)575CB、不揮発分100%、荒川化学工業社製) 98重量部
ポリスチレン製微粒子(商品名:SX350H、平均粒子径:3.5μm、綜研化学社製) 12重量部
MIBK(メチルイソブチルケトン) 100重量部
(等方性散乱フィルムの散乱特性の測定)
測定方法については、第1の異方性散乱フィルムと同様である。等方性散乱フィルムの散乱特性を図16に示す。等方性散乱フィルムの場合、図16に示すように、散乱特性の入射角依存性を示すグラフは、入射角0°を中心として上に凸の形状になる。これは、入射角が大きくなるほど、フィルムを通過する距離が大きくなることに起因する。
なお、入射角の正負は、回転させる方向が反対であることを示す。
(液晶表示装置の作製)
実施例1にて試作したVAモード液晶表示デバイス15aの観察面側に、濁度計(商品名;NDH−2000、日本電色工業社製)にて測定した濁度が30%である等方性散乱フィルムを貼り合せ、VAモード液晶表示装置とした。なお、第1の異方性散乱フィルムの代りに等方性散乱フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同じである。
<比較例2>
(液晶表示装置の作製)
実施例3にて試作したVAモード液晶表示デバイス15aの観察面側に視角制御フィルム(製品名:ルミスティー(登録商標)、品番:MFY−1060、住友化学社製)を貼り合せ、VAモード液晶表示装置とした。なお、ルミスティー(登録商標)は、特定の方向において異方散乱特性を示すフィルムである。本比較例では、ある方位(以下「散乱方向」ともいう。)において極角Θ=10〜60°で入射した光を散乱するルミスティー(登録商標)を、その散乱方向がVAモード液晶表示デバイス15aの方位角Φ=45°の方位(極小方位)とほぼ一致するように、VAモード液晶表示デバイス15aの観察面側に貼り合せた。したがって、本比較例の構成は、第1の異方性散乱フィルムの代りにルミスティー(登録商標)を用いたこと以外は、実施例3と同じである。
2. 液晶表示装置の光学特性の測定
実施例1〜9並びに比較例1及び2の液晶表示装置について、視野角測定装置(商品名;EZContrast160R、ELDIM社製)を用いて、256階調表示を行う場合の黒表示時(階調値:0)、中間調表示時(階調値:128)及び白表示時(階調値:255)の輝度及び色度の視角依存性を測定した。なお、視角については、極角Θ及び方位角Φで表す。
<コントラスト比の改善の評価>
各液晶表示装置について、液晶表示デバイスの極角Θ=45°の方向におけるコントラスト比が極小となる方位(極小方位)でのコントラスト比の極角依存性を評価した。すなわち、VAモード及びIPSモードの液晶表示装置では、方位角Φ=45°、135°、225°、315°の4方位、TNモード及びOCBモードの液晶表示装置では、方位角Φ=0°、90°、180°、270°の4方位におけるコントラスト比の極角依存性を評価した。
なお、コントラスト比は、測定した黒表示時(階調値:0)及び白表示時(階調値:255)における輝度から、下記式(3)を用いて求めた。
(コントラスト比)=(白表示輝度)/(黒表示輝度) (3)
実施例1〜9並びに比較例1及び2に係る液晶表示装置及び液晶表示デバイスの極小方位でのコントラスト比の極角依存性について、図21〜31の(a)及び(b)に示す。なお、各図中の実線は、液晶表示装置のコントラスト比の極角依存性を示しており、破線は、液晶表示デバイスのコントラスト比の極角依存性を示している。
図21〜31の(a)は、第1の異方性散乱フィルム10a又は第2の異方性散乱フィルム10bの散乱中心軸の軸方位にほぼ平行な2つの極小方位におけるコントラスト比の極角依存性を示しており、(b)は、該極小方位に垂直な2方位におけるコントラスト比の極角依存性を示す。
本発明の実施例1〜5に係るVAモード液晶表示装置では、図21〜25の(a)から明らかなように、散乱中心軸の軸方位とほぼ一致する極小方位(方位角Φ=45°の方位)において、散乱中心軸の軸方向(極角Θ=30°の方向)付近でコントラスト比が向上しており、コントラスト比の視角依存性改善の効果が得られた。また、該極小方位と反対の方位(方位角Φ=225°の方位)、及び、該極小方位に垂直な2方位(方位角Φ=135、270°の方位)においては、図21〜25の(a)及び(b)から明らかなように、コントラスト比が低下する等の影響は出ていなかった。
しかしながら、比較例1に係るVAモード液晶表示装置では、図30(a)及び(b)に示すように、いずれの方位においてもコントラスト比は向上していなかった。また、比較例2に係るVAモード液晶表示装置では、図31(a)に示すように、散乱方向とほぼ一致する極小方位(方位角Φ=45°の方位)で視野角が向上していたが、図31(b)に示すように、散乱方向にほぼ垂直な2方位(方位角Φ=135、270°の方位)でコントラスト比が広い範囲で極端に低下しており、また正面方向(極角Θ=0°の方向)で得られる最大コントラスト比も極端に低下していた。
また、本発明の実施例6に係るTNモード液晶表示装置では、図26(a)から明らかなように、散乱中心軸の軸方位とほぼ一致する極小方位(方位角Φ=270°の方位)において、散乱中心軸の軸方向(極角Θ=30°の方向)付近でコントラスト比が向上しており、コントラスト比の視角依存性改善の効果が得られた。また、該極小方位と反対の方位(方位角Φ=90°の方位)、及び、該極小方位に垂直な2方位(方位角Φ=0、180°の方位)においても、図26(a)及び(b)から明らかなように、コントラスト比が低下する等の影響は出ていなかった。
更に、本発明の実施例7に係るTNモード液晶表示装置では、図27(a)及び(b)から明らかなように、観察面の法線方向から方位角180°の方位に10°だけ傾斜した方向で得られる最大コントラスト比をほとんど低下させることなく、4つの極小方位(方位角Φ=0、90、180、270°の方位)におけるコントラスト比の視角依存性が改善されていた。
そして、本発明の実施例8に係るIPSモード液晶表示装置では、図28(a)から明らかなように、散乱中心軸の軸方位とほぼ一致する極小方位(方位角Φ=45°の方位)において、散乱中心軸の軸方向(極角Θ=30°の方向)付近でコントラスト比が向上しており、コントラスト比の視角依存性改善の効果が得られた。また、該極小方位と反対の方位(方位角Φ=225°の方位)、及び、該極小方位に垂直な2方位(方位角Φ=135、315°の方位)においても、図28(a)及び(b)から明らかなように、コントラスト比が低下する等の影響は出ていなかった。
そして、本発明の実施例9に係るOCBモード液晶表示装置では、図29(a)から明らかなように、散乱中心軸の軸方位とほぼ一致する極小方位(方位角Φ=0°の方位)において、散乱中心軸の軸方向(極角Θ=30°の方向)付近でコントラスト比が向上しており、コントラスト比の視角依存性改善の効果が得られた。また、該極小方位と反対の方位(方位角Φ=180°の方位)、及び、該極小方位に垂直な2方位(方位角Φ=90、270°の方位)においても、図29(a)及び(b)から明らかなように、コントラスト比が低下する等の影響は出ていなかった。
これについては、次のように説明される。本発明の実施例1〜9に係る液晶表示装置によれば、第1の異方性散乱フィルム又は第2の異方性散乱フィルムが、その散乱中心軸の軸方位が液晶表示デバイスの観察面の法線方向から45°傾斜させた方向におけるコントラスト比が極小となる方位(極小方位)とほぼ一致するように液晶表示デバイスの観察面側に貼り合わされており、散乱中心軸の軸方向に略平行に入射した光(黒輝度)を、散乱中心軸を中心とした全方向に散乱(拡散)させて平均化することができるため、少なくとも散乱中心軸の軸方位とほぼ一致する極小方位においてコントラスト比の視角依存性を改善することができる。また、第1の異方性散乱フィルムは、図7に示すような散乱特性を示し、第2の異方性散乱フィルムは、図5に示すような散乱特性を示し、散乱中心軸の軸方向と略平行な方向以外の方向から入射した光は弱くしか散乱されないため、同方向から入射した光の散乱によって、コントラスト比が大きい方向等における表示品位が低下するのを抑制することができる。
これに対し、比較例1に係る液晶表示装置によれば、第1の異方性散乱フィルム又は第2の異方性散乱フィルムの代りに用いた等方性散乱フィルムは、図16に示すような散乱特性を示し、特定の方向の入射光を全ての方向に散乱させて平均化するようなことができないため、コントラスト比の視角依存性を改善することができない。また、比較例3に係る液晶表示装置によれば、第1の異方性散乱フィルム又は第2の異方性散乱フィルムの代りに用いたルミスティー(登録商標)は、特定の方位でしか異方散乱特性を示さないため、異方散乱特性を示さない方位においては、コントラスト比が小さい方向の入射光までも強く散乱してしまう結果、同方向の入射光の散乱によって正面方向等で得られる最大コントラスト比を低下させてしまう。
<ガンマカーブのずれ改善の評価>
正面方向(極角Θ=0°の方向)におけるガンマカーブ、及び、斜め方向(極角Θ=40°であり、方位が各液晶表示デバイスの極角Θ=40°の方向におけるコントラスト比が極小となる方位である方向)におけるガンマカーブを求め、白表示輝度が1となるように、各階調表示での輝度を規格化し、中間調表示時(階調値:128)における正面方向の規格化輝度と各斜め方向の規格化輝度との差(ずれ量)を算出した。液晶表示デバイスからの改善の効果の割合を表9に示す。すなわち、表中に記載された数値が大きいほど改善の効果が大きいということになる。
Figure 0004564504
表9から明らかなように、本発明の実施例1〜5に係る液晶表示装置では、散乱中心軸の軸方位とほぼ一致する極小方位(方位角Φ=45°の方位)において、ガンマカーブのずれ改善効果が大きく得られた。また、該極小方位以外の3つの極小方位(方位角Φ=135°、225°、315°の方位)においても、ガンマカーブのずれ改善効果が得られた。しかしながら、比較例1に係る液晶表示装置では、いずれの極小方位においても、ガンマカーブのずれ改善効果が小さかった。また、比較例2に係る液晶表示装置では、散乱方向とほぼ一致する極小方位(方位角Φ=45°の方位)において、ガンマカーブのずれ改善効果が得られたものの、上述のコントラスト比の視角依存性改善の評価結果に示す通り、最大コントラスト比が大幅に低下していた。
これについては、次のように説明される。VAモード液晶表示デバイスのガンマカーブは、通常、コントラスト比が最大となる方向で最適設計されており、その視角依存性は、コントラスト比の視角依存性と同様の傾向を示す。本発明の実施例1〜5及び比較例2に係る液晶表示装置によれば、第1の異方性散乱フィルム及びルミスティー(登録商標)が、少なくとも一つの方位で異方散乱特性を示すため、各フィルムをVAモード液晶表示デバイスの観察面側に貼り合せる際に、各フィルムの異方散乱特性を示す方位とVAモード液晶表示デバイスの極小方位とをほぼ一致させることにより、該極小方位において、ガンマカーブの視角依存性を大きく改善することができる。なお、本発明の実施例1〜5に係る液晶表示装置によれば、第1の異方性散乱フィルムは全ての方位で異方散乱特性を示すため、各フィルムの異方散乱特性を示す方位とほぼ一致する極小方位以外の3つの極小方位においても、ガンマカーブの視角依存性を改善することができる。これに対し、比較例1に係る液晶表示装置によれば、第1の異方性散乱フィルムの代りに用いた等方性散乱フィルムは、異方散乱特性を示さないため、特定の方向の入射光のみを全ての方向に散乱させて平均化するようなことができず、その結果、ガンマカーブの視角依存性を改善することができない。
(a)は、表示デバイスの極角Θの方向を説明する模式図である。(b)は、表示デバイスの方位を説明する模式図である。(c)は、表示デバイスの極角Θ(一定)の方向におけるコントラスト比の方位角依存性を説明する模式図である。 (a)は、本発明の表示装置を構成する異方性散乱フィルム(異方性散乱層)の構造の一例を示す斜視模式図である。(b)は、異方性散乱フィルムの散乱中心軸の極角及び軸方位を説明する図である。(c)は、本発明の表示装置を構成する異方性散乱フィルム(異方性散乱層)の構造の一例を示す斜視模式図である。 VAモードの液晶表示デバイスの極角が10°、20°及び45°の方向におけるコントラスト比の方位角依存性を示すグラフである。 本発明の表示装置を構成する異方性散乱フィルムの散乱中心軸の軸方位と、表示デバイスの極小方位との関係を示す説明図である。 本発明の表示装置を構成する異方性散乱フィルムの散乱特性の入射角依存性の一例を示す図である。なお、図中の実線及び破線は、互いに直交する2つの回転軸(短辺軸及び長辺軸)を中心に回転させた場合の散乱特性の入射角依存性を示す。 散乱フィルムの散乱特性の測定方法を示す斜視模式図である。 第1の異方性散乱フィルムの散乱特性の入射角依存性を示す図である。 本発明の実施例1に係るVAモード液晶表示装置の構成を示す斜視模式図である。 本発明の実施例2に係るVAモード液晶表示装置の構成を示す斜視模式図である。 本発明の実施例3に係るVAモード液晶表示装置の構成を示す斜視模式図である。 本発明の実施例4に係るVAモード液晶表示装置の構成を示す斜視模式図である。 本発明の実施例5に係るVAモード液晶表示装置の構成を示す斜視模式図である。 本発明の実施例6に係るTNモード液晶表示装置の構成を示す斜視模式図である。 本発明の実施例7に係るTNモード液晶表示装置の構成を示す斜視模式図である。 本発明の実施例8に係るIPSモード液晶表示装置の構成を示す斜視模式図である。 等方性散乱フィルムの散乱特性の入射角依存性を示す図である。 本発明の実施例1で作製したVAモード液晶表示デバイスの極角Θ=45°の方向におけるコントラスト比の方位角依存性を示す図である。 本発明の実施例6で作製したTNモード液晶表示デバイスの極角Θ=45°の方向におけるコントラスト比の方位角依存性を示す図である。 本発明の実施例8で作製したIPSモード液晶表示デバイスの極角Θ=45°の方向におけるコントラスト比の方位角依存性を示す図である。 本発明の実施例9で作製したOCBモード液晶表示デバイスの極角Θ=45°の方向におけるコントラスト比の方位角依存性を示す図である。 (a)は、本発明の実施例1に係るVAモード液晶表示デバイス(破線)、及び、液晶表示装置(実線)の方位角Φ=45°、225°の2方位におけるコントラスト比の極角依存性を示す図である。(b)は、方位角Φ=135°、315°の2方位におけるコントラスト比の極角依存性を示す図である。 (a)は、本発明の実施例2に係るVAモード液晶表示デバイス(破線)、及び、液晶表示装置(実線)の方位角Φ=45°、225°の2方位におけるコントラスト比の極角依存性を示す図である。(b)は、方位角Φ=135°、315°の2方位におけるコントラスト比の極角依存性を示す図である。 (a)は、本発明の実施例3に係るVAモード液晶表示デバイス(破線)、及び、液晶表示装置(実線)の方位角Φ=45°、225°の2方位におけるコントラスト比の極角依存性を示す図である。(b)は、方位角Φ=135°、315°の2方位におけるコントラスト比の極角依存性を示す図である。 (a)は、本発明の実施例4に係るVAモード液晶表示デバイス(破線)、及び、液晶表示装置(実線)の方位角Φ=45°、225°の2方位におけるコントラスト比の極角依存性を示す図である。(b)は、方位角Φ=135°、315°の2方位におけるコントラスト比の極角依存性を示す図である。 (a)は、本発明の実施例5に係るVAモード液晶表示デバイス(破線)、及び、液晶表示装置(実線)の方位角Φ=45°、225°の2方位におけるコントラスト比の極角依存性を示す図である。(b)は、方位角Φ=135°、315°の2方位におけるコントラスト比の極角依存性を示す図である。 (a)は、本発明の実施例6に係るTNモード液晶表示デバイス(破線)、及び、液晶表示装置(実線)の方位角Φ=90°、270°の2方位におけるコントラスト比の極角依存性を示す図である。(b)は、方位角Φ=0°、180°の2方位におけるコントラスト比の極角依存性を示す図である。 (a)は、本発明の実施例7に係るTNモード液晶表示デバイス(破線)、及び、液晶表示装置(実線)の方位角Φ=90°、270°の2方位におけるコントラスト比の極角依存性を示す図である。(b)は、方位角Φ=0°、180°の2方位におけるコントラスト比の極角依存性を示す図である。 (a)は、本発明の実施例8に係るIPSモード液晶表示デバイス(破線)、及び、液晶表示装置(実線)の方位角Φ=45°、225°の2方位におけるコントラスト比の極角依存性を示す図である。(b)は、方位角Φ=135°、315°の2方位におけるコントラスト比の極角依存性を示す図である。 (a)は、本発明の実施例9に係るOCBモード液晶表示デバイス(破線)、及び、液晶表示装置(実線)の方位角Φ=90°、270°の2方位におけるコントラスト比の極角依存性を示す図である。(b)は、方位角Φ=0°、180°の2方位におけるコントラスト比の極角依存性を示す図である。 (a)は、比較例1に係るVAモード液晶表示デバイス(破線)、及び、液晶表示装置(実線)の方位角Φ=45°、225°の2方位におけるコントラスト比の極角依存性を示す図である。(b)は、方位角Φ=135°、315°の2方位におけるコントラスト比の極角依存性を示す図である。 (a)は、比較例2に係るVAモード液晶表示デバイス(破線)、及び、液晶表示装置(実線)の方位角Φ=45°、225°の2方位におけるコントラスト比の極角依存性を示す図である。(b)は、方位角Φ=135°、315°の2方位におけるコントラスト比の極角依存性を示す図である。 (a)は、本発明の表示装置を構成する異方性散乱フィルムの散乱特性の一例を示す斜視模式図である。なお、図中、Pは入射角0°の方向を示し、Sは散乱中心軸を示し、P(S)は、入射角0°の方向と散乱中心軸の軸方向とを一致させたことを示す。また、散乱中心軸と異方性散乱フィルムとの交点から釣鐘状曲面(図中の破線)に伸びる矢印の長さは、各方向の直線透過光量を示す。(b)は、(a)中の直線透過光量を規定する釣鐘状曲面を正面から見たときの平面模式図である。 従来の異方性散乱フィルムの構造を示す斜視模式図である。 従来の異方性散乱フィルムの散乱特性を示す模式図である。
符号の説明
3:偏光子フィルム
3a、3b:偏光素子
4:WVフィルム
10:異方性散乱層
10a:第1の異方性散乱フィルム
10b:第2の異方性散乱フィルム
11a:VAモード液晶セル
11b:TNモード液晶セル
11c:IPSモード液晶セル
12a:第1の位相差フィルム
12b:第2の位相差フィルム
12c:第3の位相差フィルム
12d:第4の位相差フィルム
12e:第5の位相差フィルム
12f:第6の位相差フィルム
12g:第7の位相差フィルム
12h:第8の位相差フィルム
12j:第9の位相差フィルム
13a:第1の偏光板
13b:第2の偏光板
13c:第3の偏光板
13e:第5の偏光板
13f:第6の偏光板
13g:第7の偏光板
13h:第8の偏光板
13i:WVフィルム付偏光板
13j:第9の偏光板
15:表示デバイス
15a:VAモード液晶表示デバイス
15b:TNモード液晶表示デバイス
15c:IPSモード液晶表示デバイス
20:周辺領域と屈折率が異なる領域(棒状硬化領域)
30:受光部
40:周辺領域と屈折率が異なる板状の領域
50:光制御板
51:線状光源
100:表示装置
100a:VAモード液晶表示装置
100b、200b:TNモード液晶表示装置
100c:IPSモード液晶表示装置
a:吸収軸
A:表示デバイスの極小方位MI1と表示装置の方位角0°の方位とのなす角度
b:WVフィルム内のディスコティック液晶の配向制御方向
C:直線透過光量の等量線
d:液晶セル内の液晶の配向制御方向
D:表示デバイスの観察面の法線方向からΘ傾斜させた方向
I1:表示デバイスの極小方位
s:遅相軸
S:散乱中心軸
:散乱中心軸Sの軸方位
δ:表示デバイスの極小方位MI1と散乱中心軸の軸方位Sとのなす角度
Φ:方位角
ω:散乱中心軸Sの極角

Claims (12)

  1. コントラスト比が視角依存性を有する表示デバイスと、該表示デバイスの観察面側に配置された、異方性散乱層を有する異方性散乱フィルムとを備える表示装置であって、
    該異方性散乱フィルムは、散乱中心軸を有し、かつ入射角を変えたときに散乱特性が変化する特性を全ての方位で示すものであり、
    該散乱中心軸は、表示デバイスの観察面の法線方向と一致する異方性散乱フィルムのフィルム面の法線方向に対して、傾斜しており、
    該散乱中心軸の軸方位は、表示デバイスの観察面の法線方向から一定の角度傾斜させた方向におけるコントラスト比が極小となる方位とのなす角度が15°以下である
    ことを特徴とする表示装置。
  2. 前記表示デバイスの観察面の法線方向から傾斜させる一定の角度とは、20°以上であることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  3. 前記表示デバイスの観察面の法線方向から傾斜させる一定の角度とは、45°であることを特徴とする請求項2記載の表示装置。
  4. 前記異方性散乱層は、光硬化性化合物を含む組成物を硬化させてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表示装置。
  5. 前記異方性散乱フィルムは、直線透過光量が散乱中心軸の軸方向における直線透過光量以下である方向を有し、
    該直線透過光量以下である方向の方位は、表示デバイスの観察面の法線方向から一定の角度傾斜させた方向におけるコントラスト比が極小となる方位と一致することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の表示装置。
  6. 前記散乱中心軸の軸方位は、表示デバイスの観察面の法線方向から一定の角度傾斜させた方向におけるコントラスト比が極小となる方位とのなす角度が10°以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の表示装置。
  7. 前記異方性散乱フィルムは、直線透過光量が最小になる方向と散乱中心軸の軸方向とのなす角度が、直線透過光量が最大になる方向と散乱中心軸の軸方向とのなす角度よりも小さいことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の表示装置。
  8. 前記異方性散乱フィルムは、いずれかの方位で、直線透過光量が最小になる方向の極角が、直線透過光量が最大になる方向の極角よりも小さいことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の表示装置。
  9. 前記異方性散乱フィルムは、散乱中心軸の軸方位で、散乱中心軸よりも極角が大きい方向における直線透過光量の最大値が、散乱中心軸よりも極角が小さい方向における直線透過光量の最大値よりも小さいことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の表示装置。
  10. 前記表示デバイスは、液晶表示デバイスであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の表示装置。
  11. 前記液晶表示デバイスは、1対の基板間に液晶が狭持された液晶セルと、
    支持フィルム及び偏光素子を含む偏光板とを有することを特徴とする請求項10記載の表示装置。
  12. 前記液晶表示デバイスは、表示モードがVAモード、TNモード、IPSモード又はOCBモードであることを特徴とする請求項10又は11記載の表示装置。
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