JP4564399B2 - 無線端末装置及び無線通信システム - Google Patents

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本発明は、例えば無線アドホックネットワークを用いてマルチホップ通信を行う無線端末装置及び無線通信システムに関する。
従来、無線アドホックネットワークを用いてマルチホップデータ通信を行う無線通信システムのルーティングプロトコルとしては、例えば図11及び図12に示されたものが知られている。
まず、図11に示された従来の無線通信システムは、パケットを含むフレームの送信元である送信元端末装置Sと、フレームの宛先である宛先端末装置Dと、送信元端末装置Sと宛先端末装置Dとの間でフレームを中継することができる端末装置a、b及びcとを備え、フレームがS→a→Dの経路(図11(a))を流れている場合に、S→aのリンクが切断されたとき(図11(b))、送信元端末装置Sが、S→aの経路以外の経路を探索して例えばS→c→Dの経路(図11(c))に切り替えることによって、経路上のリンクが切断されても新たな経路を確保することができるようになっている(例えば、非特許文献1参照。)。
次に、図12に示された従来の無線通信システムは、パケットを含むフレームの送信元である送信元端末装置Sと、フレームの宛先である宛先端末装置Dと、送信元端末装置Sと宛先端末装置Dとの間でフレームを中継することができる端末装置a、b及びcとを備え、例えばS→a→Dの経路及びS→c→Dの2つの経路(図12(a))を予め設定してフレームを並行して伝送し、例えばS→aのリンクが切断された場合(図12(b))でも、S→c→Dの経路で伝送されるフレームを宛先端末装置Dが採用することによって、リンクの切断によるパケットロスの発生を抑制することができるようになっている(例えば、非特許文献2参照。)。
C.E.Perkins,E.M.Royer,and S.R.Das,"Ad Hoc On−Demand Distance Vector(AODV) Routing,"IETF Mobile Ad Hoc Networks Working Group,IETF RFC 3561 Perumal Sambasivam,Ashwin Murthy and Elizabeth M.Belding−Royer."Dynamically Adaptive Multipath Routing based on AODV."Proceedings of the 3rd Annual Mediterranean Ad hoc Networking Workshop(MedHocNet),Bodrum,Turkey,June 2004.
しかしながら、非特許文献1に示されたものでは、経路が切断された場合、この切断によるパケットロスと、経路が切断されてから新たな経路に切り替わるまでの時間内に発生するパケットロスとを取り戻すことができず、また、切り替えに要した時間だけフレームの到達が遅延するという問題があった。
また、非特許文献1に示されたものでは、ノイズの影響を受けている場合や受信電界強度が低い場合などリンク状態が不安定なときにパケットの再送制御が繰り返し実行されるので、必要なスループットが確保できなくなったり、宛先端末装置におけるフレームの到着時の遅延時間のゆらぎが大きくなったりするという問題があった。
一方、非特許文献2に示されたものでは、リンクの切断によるパケットロスの発生を抑制することはできるが、同一のフレームを伝送するのに複数の経路を使用する構成なので、伝送効率が低下する問題や、フレームを中継する端末装置間において中継処理の譲り合いによるフレーム遅延の問題、複数の端末装置から送信されたフレームを宛先端末装置が受信する際にパケットの衝突が増加して再送制御が繰り返し実行されることによる到着遅延時間のゆらぎが増大するという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、パケットロスの発生を抑制するとともに、フレームの到達遅延時間の短縮及び到着遅延時間のゆらぎの縮減を図ることができる無線端末装置及び無線通信システムを提供するものである。
本発明の無線端末装置は、宛先端末装置及び次ホップ端末装置のアドレス情報を含むフレームを送受信するフレーム送受信手段と、前記フレームを転送する経路制御を行う経路制御手段と、前記フレームを送信する送信元端末装置から前記宛先端末装置までの経路の通信を監視し、前記経路において再送されたフレームの再送回数をカウントする再送管理手段とを備え、前記フレーム送受信手段は、前記再送されたフレームを前記経路とは異なる経路を介して受信し、前記経路制御手段は、前記再送回数が所定回数を超えたとき、前記再送されたフレームを前記宛先端末装置に転送する経路制御を行う構成を有している。
この構成により、本発明の無線端末装置は、送信元端末装置から宛先端末装置までの経路において再送されたフレームを宛先端末装置に別経路を介して転送することができ、パケットロスの発生を抑制するとともに、フレームの到達遅延時間の短縮及び到着遅延時間のゆらぎの縮減を図ることができる。
また、本発明の無線端末装置の前記フレーム送受信手段は、前記宛先端末装置及び前記次ホップ端末装置のいずれかのアドレス情報と予め定められた自装置のアドレス情報とが一致したフレームを受信する第1の受信部と、前記自装置のアドレス情報に関わらず全フレームを受信する第2の受信部とを備えた構成を有している。
この構成により、本発明の無線端末装置は、自装置宛のフレームを受信するだけでなく、自装置宛以外のフレームも受信し、送信元端末装置から宛先端末装置までの経路において再送されたフレームを宛先端末装置に転送することができる。
さらに、本発明の無線端末装置は、前記フレーム送受信手段が予め定められた複数のフレームを複数の経路を介して受信する際に、前記複数のフレームの到着順序を前記複数の経路毎に所定期間比較する経路比較制御手段を備えた構成を有している。
この構成により、本発明の無線端末装置は、経路比較制御手段がフレームの到着順を所定期間比較することにより、複数の経路のうち最も早くパケットが到着する経路を把握し、経路制御手段がその情報に基づいて経路を選択することにより、フレームの到達遅延時間の短縮を図ることができる。
さらに、本発明の無線端末装置は、前記経路制御手段は、前記複数のフレームの到着順序に基づいて前記複数の経路から1つの経路を選択する構成を有している。
この構成により、本発明の無線端末装置は、前述の非特許文献2に示された方法を用いて複数の経路からフレームを受信する場合よりも少ないトラフィックでフレームを転送することができる。
さらに、本発明の無線端末装置は、前記再送管理手段は、前記フレームを送信する送信元端末装置から前記宛先端末装置までの経路の通信を監視することにより、端末装置間のリンク状態の情報を取得する構成を有している。
この構成により、本発明の無線端末装置は、リンク状態が不安定な箇所を特定することができる。
本発明の無線通信システムは、無線端末装置を複数備えた構成を有している。
この構成により、本発明の無線通信システムは、送信元端末装置から宛先端末装置までの経路において再送されたフレームを宛先端末装置に別経路を介して転送することができ、パケットロスの発生を抑制するとともに、フレームの到達遅延時間の短縮及び到着遅延時間のゆらぎの縮減を図ることができる。
本発明は、パケットロスの発生を抑制するとともに、フレームの到達遅延時間の短縮及び到着遅延時間のゆらぎの縮減を図ることができるという効果を有する無線端末装置及び無線通信システムを提供することができるものである。
以下、本発明の実施の形態の無線通信システムについて図面を用いて説明する。なお、本実施の無線通信システムを5つの無線端末装置で構成し、無線アドホックネットワークを用いてマルチホップ通信を行うマルチホップ通信システムに適用した例を挙げて説明する。ここで、無線アドホックネットワークとは、基地局を必要としないで無線で接続できる無線端末装置のみで構成されたネットワークをいい、マルチホップ通信とは、無線端末装置を中継して行う通信をいう。
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態のマルチホップ通信システムの構成について説明する。
図1に示すように、本実施の形態のマルチホップ通信システム10は、宛先端末装置及び次ホップ端末装置のアドレス情報を含むフレームの送信元端末装置としての無線端末装置20と、フレームの宛先端末装置としての無線端末装置30と、無線端末装置20と無線端末装置30との間でリンク11a及び11bを介してフレームを中継する無線端末装置40と、無線端末装置20と無線端末装置30との間における通信を監視する無線端末装置50及び無線端末装置60とを備えている。なお、無線端末装置40は、無線端末装置20の次ホップ端末装置であり、無線端末装置20から送信されるフレームは、次ホップの無線端末装置40のアドレス情報を含む。また、以下の記載において、宛先端末装置のアドレス情報を単に「宛先アドレス」、次ホップ端末装置のアドレス情報を単に「次ホップアドレス」という。
図1において、無線端末装置20は、無線端末装置40、50及び60と無線通信を直接行える位置に存在するが、無線端末装置30とは無線通信を直接行えない位置に存在しているものとする。したがって、無線端末装置20から送信されたフレームは、無線端末装置40を中継無線端末装置として無線端末装置30に届けられるようになっており、無線端末装置20と無線端末装置40との間のリンク11aと、無線端末装置40と無線端末装置30との間のリンク11bとが設定されている。
また、無線端末装置50は、リンク12a及び12bを介して無線端末装置20及び60と無線通信ができる位置に存在し、無線端末装置20及び60の通信を監視している。また、無線端末装置60は、リンク12b〜12eを介して無線端末装置20、30、40及び50と無線通信ができる位置に存在し、これらの無線端末装置の通信を監視している。なお、無線端末装置20から無線端末装置30までのリンク11a及び11bによる伝送経路は、例えば公知の経路制御プロトコルにより設定される経路であり、以下「本経路」という。また、本経路とは異なる経路で本経路と並行してフレームが伝送される場合、この経路を以下「副経路」という。
無線端末装置60は、フレームを送受信するフレーム送受信部61と、フレームの再送を制御する再送制御部62と、フレームを伝送する経路制御を行う経路制御部63と、経路の伝送状況を比較する経路比較制御部64と、フレームの再送を管理する再送管理部65とを備えている。
無線端末装置60の構成は、ディジタル通信に一般的に用いられる階層制御におけるスタック構成に基づき、スタック構成に含まれる層毎に決定されることが好ましい。例えば、OSI(Open System Interconnection)参照モデルのプロトコル階層を簡素化したTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)のスタック構成にあてはめると、無線端末装置60の構成は、フレーム送受信部61は物理層、再送制御部62はデータリンク層、経路制御部63はネットワーク層、経路比較制御部64はネットワーク層以上の層にそれぞれ属する構成とするのが好ましい。また、再送管理部65は、前述の全層と独立した構成としているが、前述の各層のいずれかの層に属する構成としてもよい。
なお、無線端末装置60の構成は、前述の構成に限定されるものではなく、各部はそれぞれ前述の各層と異なる層に含まれるものであってもよい。特に、経路比較制御部64はネットワーク層以上の階層で構成されるのが好ましい。
また、フレーム送受信部61における伝送単位をフレームといい、フレーム送受信部61以外の各部における伝送単位をパケットという。また、再送制御部62、経路制御部63、経路比較制御部64及び再送管理部65は、例えばCPU、ROM、RAM等によって構成され、CPUが実行するプログラムによって動作するようになっている。
また、図1においては無線端末装置60の構成のみ示しているが、無線端末装置20、30、40及び50の構成も無線端末装置60と同様に構成されるのが好ましく、無線端末装置毎にそれぞれ各装置の符号に対応した符号を、無線端末装置60を構成する各部と同様に付して説明する。例えば、無線端末装置20は、図示を省略したが、フレーム送受信部21と、再送制御部22と、経路制御部23と、経路比較制御部24と、再送管理部25とを備えているものとする。また、無線端末装置30、40及び50も同様に、図示を省略したが、それぞれの装置の符号に応じた各部を備えているものとする。また、図1において、TCP/IPのスタック構成のうちトランスポート層の図示は省略しているが、従来と同様に例えばユニキャスト通信を行うためのプログラムがトランスポート層に実装されるのが好ましい。
フレーム送受信部61は、第1のネットワークインターフェースカード(以下「NIC」という。)61aと、第2のNIC61bと、電波を送受信するアンテナ(図示省略)とを備えている。なお、フレーム送受信部61は、本発明のフレーム送受信手段を構成している。
第1のNIC61aは、予め定められた自装置のMAC(Media Access Control)アドレスを有し、このMACアドレスと一致するアドレス情報を含むフレーム、すなわち自装置宛のフレームのみを受信処理するモード(以下「通常モード」という。)で動作するようになっている。また、第1のNIC61aは、所定の無線端末装置にアンテナ経由でフレームを送信することもできるようになっている。なお、第1のNIC61aは、本発明の第1の受信部を構成している。
第2のNIC61bは、フレームに含まれるアドレス情報に関わらず、受信可能範囲内にある無線端末装置が送信する全フレームを受信処理するモード(以下「プロミスキャスモード」という。)で動作するようになっている。なお、第2のNIC61bは、本発明の第2の受信部を構成している。
再送制御部62は、例えばデータリンク層のプロトコルに基づいて動作し、無線端末装置間で消失したフレームを再送することによってパケットロスを補完するようになっている。フレームの再送は、後述の再送管理部65が検知するようになっている。
具体的には、例えば無線端末装置20から送信されたフレームが、無線端末装置20と無線端末装置40との間のリンク11aで消失したとき、無線端末装置20は、フレームの再送を行う。無線端末装置60の再送管理部65は、再送されたフレーム(以下、「再送フレーム」という。)をリンク12c経由で検知し、フレーム送受信部61が受信する。再送制御部62は、フレーム送受信部61が受信した再送フレームを、宛先アドレスと自端末が有する経路情報とに基づいてリンク12e経由で無線端末装置30に転送し、リンク11aでのフレームの消失によって生じたパケットロスを補完する。
経路制御部63は、例えばネットワーク層のプロトコルに基づいて動作し、パケットに含まれるアドレス情報に応じてパケットを転送する経路制御を行うようになっている。なお、経路制御部63は、本発明の経路制御手段を構成している。
経路比較制御部64は、例えばアプリケーション層に実装し、同一のパケットが複数の経路から伝送される場合、複数の経路間でパケットの到着状況を所定期間比較して最も早く到着したパケットを次の制御に渡すようになっている。また、パケットが伝送される複数の経路のうち、パケットの採用率が最も高い経路を本経路として設定する制御を行うようになっている。なお、経路比較制御部64は、本発明の経路比較制御手段を構成している。
再送管理部65は、フレーム送受信部61の第2のNIC61bによる受信フレームに基づいて本経路の通信を監視し、本経路におけるフレームの再送を検出することによって、本経路におけるフレームの到着遅延の短縮やフレームロスを補完するよう管理するようになっている。
例えば、無線端末装置20が無線端末装置30にフレームを送信する際に、リンク11aにおいて通信障害が発生した場合について説明する。この場合、無線端末装置20は、通信障害が発生してから解消するまでの間、無線端末装置40に対してフレームの再送を試みることになる。その結果、通信障害が解消されないときはロスとなる。また、通信障害が解消されたとしても解消に要した時間だけフレームの到着遅延が発生してしまう。
そこで、前述のような通信障害が発生した場合に備えて、再送管理部65は、第2のNIC61bが受信したフレームのうち再送フレームを検出し、経路制御部63に経路制御を行わせて再送フレームを無線端末装置30に送信することによって、宛先である無線端末装置30においてフレームの到着遅延の短縮やフレームロスを補完するよう管理するようになっている。
また、再送管理部65は、本経路におけるフレームの再送を検出することによって、ノイズの影響を受けている場合や受信電界強度が低い場合などリンク状態が不安定なリンクを特定できるようになっており、リンク状態が不安定なリンクを示すデータをパケットに付加して例えば無線端末装置30に通知することができるようになっている。なお、再送管理部65は、本発明の再送管理手段を構成している。
次に、本実施の形態のマルチホップ通信システム10の動作について図2を用いて説明する。図2は、5つの無線端末装置で構成されたマルチホップ通信システム10において、無線端末装置Sから無線端末装置Dまでフレームを転送する場合の動作を示すものである。図2において、無線端末装置S、D、a、b及びcは、それぞれ、図1における無線端末装置20、30、40、50及び60に相当するものとして以下説明する。
まず、公知の経路制御プロトコルにより、無線端末装置Sから無線端末装置aを経由して無線端末装置Dに至る本経路が設定される。例えば、公知のブロードキャストプロトコルによって、無線端末装置Sから無線端末装置Dまでの最適経路が探索された後、図2(a)の実線矢印で示された本経路が設定される。
次いで、無線端末装置Sによって、無線端末装置aを介して無線端末装置Dに向かってフレームの送信が開始される。このとき、無線端末装置aは、無線端末装置Sによって送信されたフレームを第1のNIC41aの通常モードで受信する。
また、前述のように無線端末装置bは、無線端末装置Sと無線通信ができる範囲内にあり、無線端末装置bの第2のNIC51bはプロミスキャスモードで動作しているので、無線端末装置Sによって送信されたフレームを受信することができる。また、前述のように無線端末装置cは、無線端末装置S及びaと無線通信ができる範囲内にあり、無線端末装置cの第2のNIC61bはプロミスキャスモードで動作しているので、無線端末装置S及びaによって送信されたフレームを受信することができる。
また、本経路が設定された後、無線端末装置b及びcによって、本経路における通信の監視が開始され、フレームの再送が発生したか否かが検出される。
例えば、無線端末装置Sと無線端末装置aとの間において通信障害が発生したとき(図2(b))、無線端末装置Sによって、フレームの再送が実行される。このとき、例えば無線端末装置cの再送管理部65によって、本経路においてフレームの再送が発生したことが検出され、再送フレームを宛先端末に転送する処理(以下「再送フレーム転送処理」という。)が実行される。
ここで、無線端末装置Sと無線端末装置aとの間において通信障害が発生したときを例に挙げ、本実施の形態に係るマルチホップ通信システム10の動作について図2及び図3を用い説明する。
まず、図3に示すように、無線端末装置cにおいて、プロミスキャスモードで動作している第2のNIC61bによって、本経路の全フレームが受信され、再送管理部65によって、本経路における通信が監視される。本経路においてフレームの再送が発生したとき、再送管理部65によって、再送フレームの再送回数がカウントされる。この再送回数が予め設定された回数を超えたとき、再送管理部65によって、再送フレームのデータが経路制御部63に渡される。
続いて、経路制御部63によって、該当パケットを宛先端末まで転送するための経路制御が実行され、転送するための転送経路が決定される。そして、通常モードで動作している第1のNIC61aによって、該当パケットを含むフレームが宛先端末に向かって送信される。なお、仮に無線端末装置cが本経路上にあるときは、通常モードで動作している第1のNIC61aによってフレームの受信及び送信を行うことが好ましい。
図2に戻り、無線端末装置bにおいても、再送管理部55によって、本経路においてフレームの再送が発生したことが検出され、無線端末装置Sによって再送された再送フレームが無線端末装置bを経由して無線端末装置cに転送される(図2(b))。しかしながら、このフレームは、無線端末装置cが無線端末装置Sから既に受信したフレームと同一なので、無線端末装置cは、このフレームを受信して破棄する。その結果、無線端末装置Dは、本経路上の無線端末装置aと、副経路上の無線端末装置cとからフレームを受信することとなる(図2(c))。
続いて、無線端末装置Dの経路比較制御部34によって、無線端末装置a及びcから受信したフレームに含まれるパケットのうち、最も早く到着したパケットが採用されて上位層に渡される。
さらに、パケットの到着状況を所定期間比較し、その結果、本経路上の無線端末装置aからのパケットよりも副経路上の無線端末装置cからのパケットの方が早く到着する頻度が多くなった場合は、無線端末装置Dの経路比較制御部34によって、無線端末装置S→c→Dの経路が本経路に変更される(図2(d))。
次に、経路の変更について、図4〜図6を用いてさらに具体的に説明する。
図4(a)に示すように、本経路を無線端末装置S→a→D、副経路を無線端末装置S→b→c→Dとした場合、無線端末装置Dは、本経路と副経路とから同じフレームを取得する可能性がある。この場合は、前述のように、無線端末装置Dの経路比較制御部34によって、本経路と副経路とにおけるパケットの到着順序が所定期間比較され、無線端末装置Dに早く到着したパケットが採用され、採用されたパケットは例えばアプリケーションによって利用される。
さらに、無線端末装置Dの経路比較制御部34によって、本経路と副経路とにおける所定期間内でのパケットの採用数が比較され、例えば図4(b)に示すように、副経路からの採用数が本経路からの採用数よりも多ければ、経路制御部33によって、副経路が本経路に変更される。なお、図4(b)、(c)及び(d)において、経路を示す矢印の太さにより、副経路の方が本経路よりもパケットの採用数が多いことを示している。
経路の変更は、まず、無線端末装置Dの経路制御部33によって、無線端末装置Dが受信しているフレームの送信元である無線端末装置cが探索される。無線端末装置cの経路制御部63によって、無線端末装置cが受信しているフレームの送信元である無線端末装置bが探索される。さらに、無線端末装置bの経路制御部53によって、無線端末装置bが受信しているフレームの送信元である無線端末装置Sが探索される(図4(c))。
引き続き、副経路の送信元端末である無線端末装置bが、経路変更の制御信号を無線端末装置Sに出すよう制御される。そして、無線端末装置Sの経路制御部23によって、経路変更の制御信号が受信され、経路制御部23が有する経路情報が書き換えられることにより、無線端末装置bとリンクが張られる。その結果、無線端末装置S→b→c→Dが本経路とされる(図4(d))。経路変更後、元の本経路上にある無線端末装置aは、他の無線端末装置からのパケットを監視する動作を行う。
なお、無線端末装置Dの経路制御部33による経路の切り替えは、無線端末装置Sに経路切断を通知して強制的に経路を変更させることもできる。例えば、経路制御部33が、本経路上でパケットを中継している無線端末装置aに対し、無線端末装置Sからのパケットを受信しないよう無線端末装置Sのアドレスでフィルタをかけさせたり、リンク不良を通知するためのパケットを無線端末装置Sに送信させたりすることによって、経路を変更させることができる。
また、無線端末装置の配置によっては、副経路が複数でき、かつ副経路が重なる場合がある。例えば、図5(a)に示すように無線端末装置が配置されている場合、図5(b)に示すように無線端末装置c→D、無線端末装置b→c→Dのように2つの副経路が重なる場合が生じる。副経路では再送パケットしか転送されないので、副経路が重なっても問題は生じない場合もあるが、伝送効率をより向上させるには複数の副経路を1つに集約するのが好ましい。以下、複数の副経路を1つに集約するための対処法の例を2つ挙げて説明する。
第1の対処法は、宛先端末である無線端末装置Dで副経路を管理する方法である。具体的には、無線端末装置Dの経路制御部33が、2つの副経路のうち、パケットが早く到着する方の副経路を選択し、パケットが遅く到着する方の副経路の送信元端末装置にパケットの送信を停止させる制御パケットを送信する。例えば、無線端末装置c→Dの副経路のパケットが無線端末装置b→c→Dの副経路のパケットよりも早く到着する場合は、無線端末装置Dの経路制御部33が無線端末装置bに対し、パケットの送信を停止させる制御パケットを送信する(図5(c))。その結果、図5(d)に示すように、2つ存在していた副経路を無線端末装置c→Dの1つに集約することができ、2つの副経路がある場合よりも伝送効率を向上させることができる。
第2の対処法は、各無線端末装置で副経路を管理する方法である。図6(a)に示すように無線端末装置が配置されていると、無線端末装置cは、複数の異なる経路から本経路上の無線端末装置からのパケットと同じパケットを受信する場合がある(図6(b))。この場合、無線端末装置Dの経路制御部33は、早く受信できる経路を選択し、遅い経路の送信元端末(例えば無線端末装置b)に対し送信を停止する制御パケットを送るようにする(図6(c))。その結果、図6(d)に示すように、2つ存在していた副経路を無線端末装置c→Dの1つに集約することができ、2つの副経路がある場合よりも伝送効率を向上させることができる。
ところで、前述の実施の形態においては、動作をわかりやすく説明するため、中継端末装置を経由することによる遅延時間はゼロとして扱っている。中継端末装置でパケットがバッファリングされるために遅延が生じる場合は、宛先端末装置において、中継端末装置での経由数に応じた遅延時間を考慮して経路を決定するのが好ましい。
例えば、図6(d)において、無線端末装置S→a→Dが本経路のとき、無線端末装置cは、無線端末装置S→aの再送パケットと、無線端末装置a→Dの再送パケットとを宛先である無線端末装置Dに転送する場合がある。この場合、全ての中継端末装置で生じる遅延時間が同じときは、本経路である無線端末装置S→a→Dでの遅延時間と、副経路である無線端末装置S→c→Dでの遅延時間とが一致する。しかしながら、例えば無線端末装置S→a→c→Dと経由してくる再送パケットの遅延時間は、本経路である無線端末装置S→a→Dでの遅延時間と比べて中継数が1つ多いため遅延時間が長くなり、無線端末装置Dにおいて採用される可能性が低くなる。
したがって、例えば、パケットが中継端末装置を通過するたびに該当中継端末装置で通過ホップ数をカウントしてパケットに記述し、各端末において各経路からのパケットの採用率を比較する際には、パケットに記述されている通過ホップ数を参照する構成とすれば、遅延時間を考慮したパケットの採用が実現できる。
例えば、1つの中継端末装置における遅延時間を全て同じtとし、2つの中継端末装置を経由したパケットP2の伝送時間をTP2、3つの中継端末装置を経由したパケットP3の伝送時間をTP3とするとき、無線端末装置Dの経路比較制御部34が、伝送時間から中継装置の遅延時間を差し引いた(TP3−3t)と(TP2−2t)とを比較して、その値が小さい方のパケットを採用する構成とするのが好ましい。なお、比較の方法としては、上式の計算を行う以外にも、例えば、受信パケットを一旦遅延バッファに蓄積して(3t−2t)だけ遅延させた後、比較を行う手法もある。
以上のように、本実施の形態のマルチホップ通信システム10によれば、本経路において再送された再送フレームを無線端末装置60が宛先である無線端末装置30に再送する構成としたので、本経路において再送されたフレームを宛先端末装置30に別経路を介して転送することができ、パケットロスの発生を抑制するとともに、フレームの到達遅延時間の短縮及び到着遅延時間のゆらぎの縮減を図ることができる。
また、本実施の形態のマルチホップ通信システム10によれば、再送管理部65が本経路におけるフレームの再送を監視する構成としたので、リンク状態が不安定な箇所を特定することができる。
なお、前述の実施の形態において、無線アドホックネットワークを用いてマルチホップ通信を行うマルチホップ通信システムに適用した例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、無線ネットワークで前述のようにフレームを伝送するものであれば同様の効果が得られる。
また、前述の実施の形態において、マルチホップ通信システム10を5つの無線端末装置で構成した例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
(第2の実施の形態)
まず、本発明の第2の実施の形態のマルチホップ通信システムの構成について説明する。
図7に示すように、本実施の形態のマルチホップ通信システム70は、アドレス情報を含むフレームの送信元端末装置としての無線端末装置80と、フレームの宛先端末装置としての無線端末装置90と、無線端末装置80と無線端末装置90との間でリンク71a及び71bを介してフレームを中継する無線端末装置100と、無線端末装置80と無線端末装置90との間における通信を監視する無線端末装置110及び無線端末装置120とを備えている。
無線端末装置80から送信されたフレームは、無線端末装置100を中継無線端末装置として無線端末装置90に届けられるよう、リンク71a及び71bが設定されている。また、無線端末装置110は、リンク72a及び72bを介して無線端末装置80及び120と無線通信ができる位置に存在し、無線端末装置80及び120の通信を監視している。また、無線端末装置120は、リンク72b〜72eを介して無線端末装置80、90、100及び110と無線通信ができる位置に存在し、これらの無線端末装置の通信を監視している。
なお、本実施の形態のマルチホップ通信システム70の構成は、本発明の第1の実施の形態に係るマルチホップ通信システム10に対し、各無線端末装置の構成が異なるものである。したがって、マルチホップ通信システム70に係る各無線端末装置の構成を無線端末装置120で代表して説明し、本発明の第1の実施の形態に係るマルチホップ通信システム10の説明と重複する説明は省略する。
無線端末装置120は、フレームを送受信するフレーム送受信部121と、フレームを伝送する経路制御を行う経路制御部122と、フレームの再送を制御する再送制御部123と、経路の伝送状況を比較する経路比較制御部124と、フレームの再送を管理する再送管理部125とを備えている。なお、再送制御部123は、本発明の再送制御手段を構成している。
無線端末装置120の構成は、TCP/IPのスタック構成にあてはめると、フレーム送受信部121は物理層、経路制御部122はネットワーク層、再送制御部123はトランスポート層、経路比較制御部124はアプリケーション層にそれぞれ属する構成とするのが好ましい。また、再送管理部125は、前述の全層と独立した構成としているが、前述の各層のいずれかの層に属する構成としてもよい。
なお、無線端末装置120の構成は、前述の構成に限定されるものではなく、各部はそれぞれ前述の各層と異なる層に含まれるものであってもよい。特に、再送制御部123及び経路比較制御部124はネットワーク層以上の階層で構成されるのが好ましい。
また、図7において、TCP/IPのスタック構成のうちデータリンク層の図示は省略しているが、従来と同様な機能を有するプログラムがデータリンク層に実装されるのが好ましい。
フレーム送受信部121は、マルチキャストMACアドレス情報、又はブロードキャストMACアドレス情報を含む予め定められたフレームヘッダを備えたフレームを送受信するようになっている。
例えば、フレーム送受信部121は、図8(a)に示すマルチキャストのフレームヘッダを備えたフレームを送受信するようになっている。図8(a)において、「source MAC addr」は送信元端末装置のMACアドレス、「multicast MAC addr」はマルチキャストMACアドレス、「source IP addr」は送信元端末装置のIPアドレス、「dest1 IP addr」は宛先端末装置のIPアドレス、「dest2 IP addr」は次ホップのIPアドレスを表している。
次に、本実施の形態のマルチホップ通信システム70の動作について図7及び図8を用いて説明する。なお、本実施の形態のマルチホップ通信システム70の動作は、本発明の第1の実施の形態に係るマルチホップ通信システム10の動作に対し、フレームの再送の有無を検出するための監視動作と、再送フレーム転送処理とが異なっている。したがって、無線端末装置120に係る前述の2点についての動作を主に説明し、その他の動作については説明を省略する。また、図8(b)において、「dest1 IP addr」及び「dest2 IP addr」をそれぞれ「dest1 addr」及び「dest2 addr」と略記している。
まず、図8(b)に示すように、無線端末装置120のフレーム送受信部121によって、無線端末装置80から送信されたマルチキャストのフレームが受信される。次いで、経路制御部122によって、フレーム送受信部121が受信したフレームに含まれるパケットがデータリンク層を介して受け取られ、「dest1 IP addr」が自装置のIPアドレスか否かが判断される。
ここで、無線端末装置120において「dest1 IP addr」は自装置のIPアドレスとは異なるので、さらに経路制御部122によって、「dest2 IP addr」が自装置のIPアドレスか否かが判断される。なお、宛先である無線端末装置90においては、「dest1 IP addr」は自装置のIPアドレスと一致するので、受信したパケットは上位層に渡されアプリケーション等で利用される。
次いで、無線端末装置120においては、「dest2 IP addr」は自装置のIPアドレスとは異なるので、再送管理部125によって、本経路におけるフレームの再送が監視され、該当フレームの再送回数が所定回数を超えたら、経路制御部122によって、「dest1 IP addr」への経路制御が行われ、宛先である無線端末装置90に向けてパケットが送信される。
なお、「dest2 IP addr」が自装置のIPアドレスとなる無線端末装置100においては、まず、再送制御部103によって、再送制御が行われる。ここで再送制御を行う理由は、マルチキャストによるフレーム伝送においては一般に再送制御が行われないが、本実施の形態に係るフレーム送受信部101は、マルチキャストのフレームを受信する構成となっているので、再送制御が必要となるからである。再送制御部103によって実行される再送制御は、公知の方式で行われる。例えば伝達通知を行うack方式や、パケットが欠落したことを通知するnack方式等で再送制御が行われるのが好ましい。
次いで、経路制御部122によって、「dest1 IP addr」への経路制御に基づいた次ホップのIPアドレスに「dest2 IP addr」が置換され、データリンク層を介してフレーム送受信部121に渡される。
そして、フレーム送受信部121によって、フレームヘッダが書き換えられたフレームがマルチキャストにより送信され、無線端末装置90のフレーム送受信部91によって受信される。
以上のように、本実施の形態のマルチホップ通信システム70によれば、無線端末装置120のフレーム送受信部121は、マルチキャストやブロードキャストで送信された再送フレームを受信し、再送制御部123は、ネットワーク層以上の階層で再送制御を行う構成としたので、本経路において再送されたフレームを宛先端末装置90に別経路を介して転送することができ、パケットロスの発生を抑制するとともに、フレームの到達遅延時間の短縮及び到着遅延時間のゆらぎの縮減を図ることができる。
なお、前述の実施の形態において、マルチキャストによるフレームヘッダで説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、マルチキャストに代えてブロードキャストによるフレームヘッダとしても同様の効果が得られる。
(第3の実施の形態)
まず、本発明の第3の実施の形態のマルチホップ通信システムの構成について説明する。
図9に示すように、本実施の形態のマルチホップ通信システム130は、フレームの送信元端末装置としての無線端末装置140と、フレームの宛先端末装置としての無線端末装置150と、無線端末装置140と無線端末装置150との間でリンク131a及び131bを介してフレームを中継する無線端末装置160と、無線端末装置140と無線端末装置150との間における通信を監視する無線端末装置170及び無線端末装置180とを備えている。
無線端末装置140から送信されたフレームは、無線端末装置160を中継無線端末装置として無線端末装置150に届けられるよう、リンク131a及び131bが設定されている。また、無線端末装置170は、リンク132a及び132bを介して無線端末装置140及び180と無線通信ができる位置に存在し、無線端末装置140及び180の通信を監視している。また、無線端末装置180は、リンク132b〜132eを介して無線端末装置140、150、160及び170と無線通信ができる位置に存在し、これらの無線端末装置の通信を監視している。
なお、本実施の形態のマルチホップ通信システム130の構成は、本発明の第1の実施の形態に係るマルチホップ通信システム10に対し、各無線端末装置の構成が異なるものである。したがって、マルチホップ通信システム130に係る各無線端末装置の構成を無線端末装置180で代表して説明し、本発明の第1の実施の形態に係るマルチホップ通信システム10の説明と重複する説明は省略する。
無線端末装置180は、フレームを送受信するフレーム送受信部181と、フレームの再送を制御する再送制御部182と、フレームを伝送する経路制御を行う経路制御部183と、経路の伝送状況を比較する経路比較制御部184と、フレームの再送を管理する再送管理部185とを備えている。なお、再送制御部182は、本発明の再送制御手段を構成している。
無線端末装置180の構成は、TCP/IPのスタック構成にあてはめると、フレーム送受信部181は物理層、再送制御部182はデータリンク層、経路制御部183はネットワーク層、経路比較制御部184はアプリケーション層にそれぞれ属する構成とするのが好ましい。また、再送管理部185は、前述の全層と独立した構成としているが、前述の各層のいずれかの層に属する構成としてもよい。
なお、無線端末装置180の構成は、前述の構成に限定されるものではなく、各部はそれぞれ前述の各層と異なる層に含まれるものであってもよい。特に、経路比較制御部184はネットワーク層以上の階層で構成されるのが好ましい。
また、図9において、TCP/IPのスタック構成のうちトランスポート層の図示は省略しているが、従来と同様に例えばユニキャスト通信を行うためのプログラムがトランスポート層に実装されるのが好ましい。
フレーム送受信部181は、マルチキャストMACアドレス情報、又はブロードキャストMACアドレス情報を含む予め定められたフレームヘッダを備えたフレームを受信し、ユニキャストのフレームを送信するようになっている。
例えば、フレーム送受信部181は、図10(a)に示すマルチキャストのフレームヘッダを備えたフレームを受信するようになっている。図10(a)において、「source MAC addr」は送信元端末装置のMACアドレス、「multicast MAC addr」はマルチキャストMACアドレス、「destination MAC addr」は次ホップのMACアドレス、「source IP addr」は送信元端末装置のIPアドレス、「destination IP addr」は宛先端末装置のIPアドレスを表している。
次に、本実施の形態のマルチホップ通信システム130の動作について図9及び図10を用いて説明する。なお、本実施の形態のマルチホップ通信システム130の動作は、本発明の第1の実施の形態に係るマルチホップ通信システム10の動作に対し、フレームの再送の有無を検出するための監視動作と、再送フレーム転送処理とが異なっているので、この2点について説明し、その他の動作については説明を省略する。また、図10(b)において、「destination MAC addr」及び「multicast MAC addr」をそれぞれ「dest MAC」及び「multicast MAC」と略記している。
まず、無線端末装置140によって、マルチキャストのフレームが無線端末装置160に送信される。このとき、無線端末装置170及び180もマルチキャストのフレームを受信する。以下、本経路上にある無線端末装置160と、本経路上にはない無線端末装置180における動作について説明する。
第1に、本経路上にある無線端末装置160の動作について説明する。無線端末装置160においては、図10(b)に示すように、フレーム送受信部161(図示せず)によって、無線端末装置140から送信されたマルチキャストのフレームが受信される。
次いで、再送制御部162(図示せず)によって、受信されたフレームのフレームヘッダに含まれる「destination MAC addr」が自装置のMACアドレスと一致するか否か、つまり自装置が次ホップに設定されているか否かが判断される。
ここで、無線端末装置160は本経路上にあり次ホップとされているので、「destination MAC addr」は自装置のMACアドレスと一致する。したがって、無線端末装置160においては、経路制御部163(図示せず)によって、通常モードと同様にユニキャスト処理による経路制御が行われる。
引き続き、経路制御部163によって、「destination MAC addr」が次ホップのMACアドレスに置換される。この次ホップのMACアドレスは、例えば本経路の設定時に経路制御部163によって取得されたものである。その後、「multicast MAC addr」が付加され、フレーム送受信部161によって、フレームヘッダが書き換えられたフレームがユニキャストにより送信され、無線端末装置150のフレーム送受信部151によって受信される。
第2に、本経路上にはない無線端末装置180の動作について説明する。無線端末装置180においては、フレーム送受信部181によって、無線端末装置140から送信されたマルチキャストのフレームが受信される。
次いで、再送制御部182によって、受信されたフレームのフレームヘッダに含まれる「destination MAC addr」が自装置のMACアドレスと一致するか否か、つまり自装置が次ホップに設定されているか否かが判断される。
ここで、無線端末装置180は本経路上にはないので、「destination MAC addr」は自装置のMACアドレスと一致しない。したがって、無線端末装置180においては、再送管理部185によって本経路の通信が監視され、所定回数を超えるフレームの再送があった場合は、その再送フレームに含まれるパケットが経路制御部183に渡される。
引き続き、経路制御部183によって、経路制御が行われ、「destination MAC addr」に次ホップのMACアドレスが挿入される。この次ホップのMACアドレスは、例えば本経路の設定時に経路制御部183によって取得されたものである。その後、「multicast MAC addr」が付加され、フレーム送受信部161によって、フレームヘッダが書き換えられたフレームがユニキャストにより送信され、無線端末装置150のフレーム送受信部151によって受信される。
以上のように、本実施の形態のマルチホップ通信システム130によれば、本経路上にある無線端末装置160において、フレーム送受信部161は、マルチキャストやブロードキャストで送信されたフレームを受信し、経路制御部163は、ユニキャストアドレスに基づいて経路制御を行う構成としたので、受信したフレームを宛先である無線端末装置150に送信することができる。
また、本実施の形態のマルチホップ通信システム130によれば、本経路上にない無線端末装置180において、フレーム送受信部181は、マルチキャストやブロードキャストで送信された再送フレームを受信し、経路制御部183は、ユニキャストアドレスに基づいて経路制御を行う構成としたので、本経路において再送されたフレームを宛先端末装置150に別経路を介して転送することができ、パケットロスの発生を抑制するとともに、フレームの到達遅延時間の短縮及び到着遅延時間のゆらぎの縮減を図ることができる。
なお、前述の実施の形態において、マルチキャストによるフレームヘッダで説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、マルチキャストに代えてブロードキャストによるフレームヘッダとしても同様の効果が得られる。
本発明の第1の実施の形態に係るマルチホップ通信システムのブロック図 (a)本発明の第1の実施の形態に係るマルチホップ通信システムにおいて、無線端末装置Sから無線端末装置Dまでの本経路の設定例を示す図 (b)本発明の第1の実施の形態に係るマルチホップ通信システムにおいて、無線端末装置Sと無線端末装置aとの間に通信障害が発生した様子を表した図 (c)本発明の第1の実施の形態に係るマルチホップ通信システムにおいて、無線端末装置Dが、本経路上の無線端末装置aと、副経路上の無線端末装置cとからフレームを受信する様子を表した図 (d)本発明の第1の実施の形態に係るマルチホップ通信システムにおいて、無線端末装置S→c→Dの経路が本経路に変更された様子を表した図 本発明の第1の実施の形態に係るマルチホップ通信システムの再送フレーム転送処理の動作説明図 (a)本発明の第1の実施の形態に係るマルチホップ通信システムにおいて、無線端末装置S→a→Dの本経路と、無線端末装置b→c→Dの副経路とを示す図 (b)本発明の第1の実施の形態に係るマルチホップ通信システムにおいて、副経路からのフレームの採用数が本経路からの採用数よりも多い例を示す図 (c)本発明の第1の実施の形態に係るマルチホップ通信システムにおいて、フレームの送信元が探索される例を示す図 (d)本発明の第1の実施の形態に係るマルチホップ通信システムにおいて、無線端末装置S→b→c→Dが本経路とされた例を示す図 (a)本発明の第1の実施の形態に係るマルチホップ通信システムにおいて、無線端末装置の配置例を示す図 (b)本発明の第1の実施の形態に係るマルチホップ通信システムにおいて、2つの副経路が重なった場合を示す図 (c)本発明の第1の実施の形態に係るマルチホップ通信システムにおいて、無線端末装置bに対し、パケットの送信を停止させる制御パケットを送信する例を示す図 (d)本発明の第1の実施の形態に係るマルチホップ通信システムにおいて、2つの副経路を無線端末装置c→Dの1つに集約した例を示す図 (a)本発明の第1の実施の形態に係るマルチホップ通信システムにおいて、無線端末装置の配置例を示す図 (b)本発明の第1の実施の形態に係るマルチホップ通信システムにおいて、複数の異なる経路から本経路上の無線端末装置からのパケットと同じパケットを受信する例を示す図 (c)本発明の第1の実施の形態に係るマルチホップ通信システムにおいて、遅い経路の送信元端末bに対し送信を停止する制御パケットを送る例を示す図 (d)本発明の第1の実施の形態に係るマルチホップ通信システムにおいて、2つの副経路を無線端末装置c→Dの1つに集約した例を示す図 本発明の第2の実施の形態に係るマルチホップ通信システムのブロック図 (a)本発明の第2の実施の形態に係るマルチホップ通信システムにおいて、マルチキャスト通信で用いられるフレームヘッダの一例を示す図 (b)本発明の第2の実施の形態に係るマルチホップ通信システムにおける監視動作と再送フレーム転送処理とを示す図 本発明の第3の実施の形態に係るマルチホップ通信システムのブロック図 (a)本発明の第3の実施の形態に係るマルチホップ通信システムにおいて、マルチキャスト通信で用いられるフレームヘッダの一例を示す図 (b)本発明の第3の実施の形態に係るマルチホップ通信システムにおける監視動作と再送フレーム転送処理とを示す図 従来の無線通信システム 従来の無線通信システム
符号の説明
10、70、130 マルチホップ通信システム(無線通信システム)
11a、11b、12a〜12e リンク
20、30、40、50、60 無線端末装置
61、121、181 フレーム送受信部(フレーム送受信手段)
61a 第1のNIC(第1の受信部)
61b 第2のNIC(第2の受信部)
62 再送制御部
123、182 再送制御部(再送制御手段)
63、122、183 経路制御部(経路制御手段)
64、124、184 経路比較制御部(経路比較制御手段)
65、125、185 再送管理部(再送管理手段)
71a、71b、72a〜72e リンク
80、90、100、110、120 無線端末装置
131a、131b、132a〜132e リンク
140、150、160、170、180 無線端末装置

Claims (6)

  1. 宛先端末装置及び次ホップ端末装置のアドレス情報を含むフレームを送受信するフレーム送受信手段と、前記フレームを転送する経路制御を行う経路制御手段と、前記フレームを送信する送信元端末装置から前記宛先端末装置までの経路の通信を監視し、前記経路において再送されたフレームの再送回数をカウントする再送管理手段とを備え、
    前記フレーム送受信手段は、前記再送されたフレームを前記経路とは異なる経路を介して受信し、前記経路制御手段は、前記再送回数が所定回数を超えたとき、前記再送されたフレームを前記宛先端末装置に転送する経路制御を行うことを特徴とする無線端末装置。
  2. 前記フレーム送受信手段は、前記宛先端末装置及び前記次ホップ端末装置のいずれかのアドレス情報と予め定められた自装置のアドレス情報とが一致したフレームを受信する第1の受信部と、前記自装置のアドレス情報に関わらず全フレームを受信する第2の受信部とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の無線端末装置。
  3. 前記フレーム送受信手段が予め定められた複数のフレームを複数の経路を介して受信する際に、前記複数のフレームの到着順序を前記複数の経路毎に所定期間比較する経路比較制御手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の無線端末装置。
  4. 前記経路制御手段は、前記複数のフレームの到着順序に基づいて前記複数の経路から1つの経路を選択することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の無線端末装置。
  5. 前記再送管理手段は、前記フレームを送信する送信元端末装置から前記宛先端末装置までの経路の通信を監視することにより、端末装置間のリンク状態の情報を取得することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の無線端末装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の無線端末装置を複数備えたことを特徴とする無線通信システム。
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