JP4562973B2 - Ceramic multilayer capacitor and manufacturing method thereof - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミック積層コンデンサ及びその製造方法に関し、より詳細には、卑金属からなる内部電極ペーストを用いて構成されるセラミック積層コンデンサの製造方法及び該セラミック積層コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、セラミック積層コンデンサでは、PdやAg−Pd合金などの貴金属からなる内部電極が用いられていた。しかしながら、これらの貴金属は高価であるため、安価な卑金属、例えばNiやCuなどを内部電極として用いたセラミック積層コンデンサが種々提案されている。
【0003】
ところで、セラミック積層コンデンサの製造に際しては、セラミックグリーンシート上に内部電極ペーストを印刷し、内部電極ペーストが印刷されたセラミックグリーンシートを積層して積層体を得、該積層体を焼成することによりセラミック焼結体が得られていた。また、NiやCuなどの卑金属を用いた内部電極ペーストには、セラミックスとの密着性を高めるために、NiあるいはCuなどの卑金属粉末以外に、ガラスなどの焼結助剤が添加されている。ガラスが添加されていない内部電極ペーストでは、セラッミクスと内部電極との間の接合強度が十分でないため、焼成工程においてデラミネーションなどの内部欠陥が発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ガラスを含む内部電極ペーストを用いた場合においても、得られたセラミック焼結体においてセラミックスと内部電極との接合強度はなお十分でなく、デラミネーションなどの内部欠陥不良が発生することがあった。また、局部的に焼結が進行し、内部電極に不連続部分が生じ、等価直列抵抗(ESR)が増大することがあった。
【0005】
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、卑金属を用いた内部電極とセラミックスとの接合強度に優れ、内部電極の不連続部分が生じ難い、セラミック積層コンデンサの製造方法及び該製造方法により得られたセラミック積層コンデンサを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は卑金属を主体とする内部電極を有するセラミック積層コンデンサの製造方法であって、主成分が[(CaSr1−a)O][(TiZr1−b)O]と表されたときに、a,b及びmが、それぞれ、0≦a≦1.0、0≦b≦0.5及び0.80≦m≦1.10であり、副成分としてSi酸化物をSiOに換算して0.5〜2.5モル%、及びMn酸化物をMnOに換算して0.5〜3.5モル%の割合でこれらを含む非還元性誘電体材料を用いたセラミックグリーンシートを用意する工程と、前記セラミックグリーンシート上に、卑金属を含む内部電極ペーストを印刷する工程と、前記内部電極が印刷されたセラミックグリーンシートを積層し、積層体を得る工程と、前記積層体を焼成して焼結体を得る工程とを備え、前記内部電極ペーストが、卑金属100重量部に対し、添加剤1〜25重量部を含み、上記添加剤の全体を100重量%とした時に、該セラミック粉末が、前記非還元性誘電体材料の主成分をα重量%(ただし、0≦α≦99重量%)と、Si酸化物(ただし、ガラスを除く)が0〜50重量%と、Ti酸化物が0.25〜33.33重量%と、Al酸化物が0.25〜33.33重量%と、Mn酸化物が0.25〜33.33重量%の割合で含まれている組成を有することを特徴とする。
【0009】
明における上記内部電極ペーストに含まれている添加剤は、粉末状態のまま内部電極ペースト中に含有されていてもよく、あるいは内部電極ペースト中の卑金属粒子表面にコーティングまたは金属レジネートの形で含有されていてもよい。
【0010】
本発明にかかる積層セラミックコンデンサは、本発明の製造方法により得られるものであり、セラミック焼結体と、セラミック焼結体内に配置されておりかつ卑金属からなる内部電極とを有し、前記セラミック焼結体の焼結体層と内部電極との界面に、Si−Mn−O系化合物の二次相及びガラス相が析出していることを特徴とする。
【0011】
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明にかかる製造方法では、上記特定の組成の非還元性誘電体材料を用いたセラミックグリーンシートが用意される。
【0012】
このセラミックグリーンシートを形成する工程は、上記非還元性誘電体材料を含むセラミックスラリーを、ドクターブレード法などの適宜のシート成形法によりシート成形することにより行われる。
【0013】
上記特定の組成の非還元性誘電体材料を用いるのは、卑金属の融点が低いため、卑金属からなる内部電極を有するセラミック焼結体を構成する場合、焼成温度が1400℃以下と低くなければならないからである。上記特定の組成の非還元性誘電体材料を用いることにより1300℃以下での焼成が可能となる。
【0014】
上記非還元性誘電体材料の主成分においてa,b及びmが、それぞれ、0〜1、0〜0.5及び0.8〜1.10の範囲外の場合には、1300℃以下で焼成することができない。
【0015】
また、上記非還元性誘電体材料において、副成分として、Si酸化物をSiO2に換算して0.5〜2.5モル%の範囲で、Mn酸化物をMnOに換算して0.5〜3.5モル%の割合で用いるのは、以下の理由による。
【0016】
すなわち、Si酸化物の含有割合が0.5モル%未満では焼結不足となり、2.5モル%を超えても焼結不足となる。好ましくは、Si酸化物は、0.5〜2.5モル%の範囲で用いられる。
【0017】
また、Mn酸化物の含有割合が0.5モル%未満の場合には、焼結不足となり、3.5モル%を超えると不良となる。好ましくは、Mn酸化物は、0〜3.5モル%の範囲で含有される。
【0018】
本発明においては、上記セラミックグリーンシート上に、卑金属を含む内部電極ペーストが印刷される。この場合、卑金属としては、特に限定されるわけではないが、Ni、Cu又はこれらの合金などが用いられる。これらの卑金属は融点が1455℃以下であるため、上記非還元性誘電体材料は、1400℃で焼成される必要がある。
【0019】
また、上記内部電極ペーストは、卑金属粉末100重量部に対し、添加剤1〜25重量部を含む。この添加剤としては、その全体を100重量%としたときに、上記非還元性誘電体材料の主成分をα重量%(ただし、0<α≦99重量%)含まれている組成を有する。
【0020】
このように、内部電極ペースト中に上記非還元性誘電体材料の主成分を上記特定の割合で配合することにより、焼成後の内部電極とセラミック焼結体との接合強度が高められる。内部電極ペーストにおいて、上記卑金属粉末100重量部に対し、添加剤の配合割合が1重量部未満の場合には、内部電極とセラミックスとの接合強度を十分に高めることができず、デラミネーションなどが発生しやすくなり、25重量部を超えると、内部電極に不連続部分が生じたりし、等価直列抵抗(ESR)が高くなったりする。
【0021】
また、上記内部電極ペーストにおいて、添加剤中の非還元性誘電体材料の主成分の含有割合が0の場合には、内部電極とセラミックスとの接合強度を高めることができず、99重量%を超えると、焼結体に内部欠陥が生じる。
【0022】
上記内部電極ペーストに含有される添加剤において、上記非還元性誘電体材料の主成分の含有割合は、より好ましくは、1〜25重量%の範囲である。
【0023】
本発明では、上記内部電極ペーストに含まれる添加剤を100重量%としたとき該添加剤が前記非還元性誘電体材料の主成分をα重量%(ただし、0<α≦99重量%)と、Si酸化物(ただし、ガラスを除く)が0〜50重量%と、Ti酸化物が0.25〜33.33重量%と、Al酸化物が0.25〜33.33重量%と、Mn酸化物が0.25〜33.33重量%の割合で含まれている組成を有する。添加剤の組成がこの範囲外である場合、内部電極とセラミックスとの接合強度が低下し、デラミネーションなどの内部欠陥不良が発生する。
【0024】
また、発明の参考例では、上記添加剤の全体を100重量%とした時に、上記非還元性誘電体材料の主成分がα重量%含有されており、残りがアルカリ金属酸化物またはアルカリ土類金属酸化物の少なくとも1種であり、各アルカリ金属酸化物またはアルカリ土類金属酸化物は、多くとも50重量%の割合で配合されている。アルカリ金属酸化物またはアルカリ土類金属酸化物の1種の含有割合が50重量%を越えると、内部電極とセラミックスとの接合強度が低下し、デラミネーションなどの内部欠陥不良が発生する。
【0025】
*アルカリ金属及びアルカリ土類金属については、特に限定されるわけではないが、Li、Ba、Mg、Rbなどを挙げることができる。
【0026】
また、発明の他の参考例においては、上記添加剤の全体を100重量%とした時に、上記非還元性誘電体材料の主成分がα重量%配合されており、残部が少なくとも1種の希土類元素酸化物からなり、1種の希土類元素酸化物は多くとも50重量%の割合で配合されている。1種の希土類元素酸化物の配合割合が50重量%を越えると、内部電極とセラミックスとの接合強度が低下し、デラミネーションなどの内部欠陥が生じる。なお、上記希土類元素としては、特に限定されるわけではないが、Nd、Ce、Dy、La、Pr、Smなどが挙げられる。
【0027】
本発明において、内部電極ペーストを調製するに際しては、上記卑金属粉末と上記特定の添加剤と、溶剤とを混練することにより行われ、この場合添加剤は内部電極ペースト中に粉末の状態で含有されてもよい。また、上記添加剤は内部電極ペースト中の卑金属粒子表面にコーティングまたは金属レジネートの形で含有されていてもよい。
【0028】
なお、本発明は、上記特定の組成のセラミックグリーンシートを用いること、並びに上記特定の組成の内部電極ペーストを用いることを特徴とし、その他の工程については従来より周知のセラミック積層コンデンサの製造方法に従って行い得る。すなわち、セラミックグリーンシート上に内部電極ペーストを印刷する工程、内部電極が印刷されたセラミックグリーンシートを積層し、積層体を得る工程、積層体を焼成して焼結体を得る工程については、従来より周知の方法に従って行うことができる。また、最終的に、セラミック焼結体の外表面に内部電極に電気的に接続される外部電極も、周知の積層セラミックコンデンサの製造方法に従って形成される。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施例を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0030】
[実験例1]
非還元性誘電体材料の原料として、CaZrO3、SrZrO3、CaTiO3、SrTiO3、SiO2及びMnOの各酸化物粉末を用意した。これらの粉末を最終組成が下記の表1に示されているように秤量し、湿式混合した後、脱水、乾燥し、試料番号1〜39の各非還元性誘電体材料用の試料を得た。
【0031】
上記のようにして得られた非還元性誘電体材料用の試料に有機バインダー及び可塑材を添加し、混練することによりセラミックスラリーを得た。
上記セラミックスラリーをポリエチレンテレフタレートフィルムからなる支持フィルム上において、焼結後の厚みに換算して5μmとなる厚みにシート成形し、セラミックグリーンシートを得た。
【0032】
他方、平均粒径0.5μmのNi粉末100重量部と、表3のNo.42の組成の添加剤1重量部と、有機ビヒクル溶液(エチルセルロース樹脂5重量%をブチルカルビトール90重量%に溶解したもの)30重量部と、ブチルカルビトール7重量部とを混練し、内部電極ペーストを得た。
【0033】
上記セラミックグリーンシート上に、上記内部電極ペーストを印刷し、乾燥し、複数枚積層し、マザーの積層体を得た。このマザーの積層体を所定の大きさに切断し、個々の積層セラミックコンデンサ用積層体を得た。
【0034】
このようにして得られた積層体を280℃及び6時間の条件で脱脂し、次に焼成し、セラミック焼結体を得た。なお、焼成は、雰囲気ガスとして加湿されたN2 及びH2 の混合ガスを用い、酸素分圧が10-10atmの条件で、1300℃の温度に2時間維持することにより行った。
【0035】
次に、得られたセラミック焼結体をバレル研磨し、外部電極ペーストを塗布し、窒素雰囲気中で850℃の温度で30分間焼付け外部電極を形成した。外部電極ペーストとしては、平均粒径0.8μmのCu粉末100重量%に、内部電極ペーストに用いたのと同じ有機ビヒクル30重量%及びブチルカルビトール7重量%を配合し、混合したものを用いた。上記外部電極ペーストの焼付け後に、外部電極表面に、さらにNi膜及びSn膜をメッキにより形成した。
【0036】
このようにして、3.2×1.6×0.6mmの寸法を有し、内部電極間の厚さ5μmの誘電体セラミック層が10層構成されており、内部電極の厚みが1.5μmであるセラミックコンデサを得た。
【0037】
上記のようにして試料番号1〜72の各セラミック積層コンデンサについて、▲1▼比誘電率、▲2▼Q値、▲3▼静電容量温度変化率TCC及び▲4▼高温負荷試験結果を下記の要領で評価した。
【0038】
▲1▼比誘電率…1kHz−1Vrmsの条件で通電し、静電容量を測定し、該静電容量から比誘電率εを求めた。
▲2▼Q値…1kHz−1Vrmsの電流を通電しQ値を測定した。
▲3▼静電容量温度変化率TCC…JIS C 5102−1986に以下のように規定されている静電容量温度変化率特性を測定した。
Tc(ppm/℃)={(C125 −C25)/C25}×{1/(125−25)}×106
▲4▼高温負荷試験…上記のようにして得られた積層コンデンサに高湿負荷[125℃ 2W.V.(定格)]を与えることより評価し、絶縁抵抗値logΩが10以上であるものを良品とした。
【0039】
結果を下記の表1,表2に示す。
【0040】
【表1】

Figure 0004562973
【0041】
【表2】
Figure 0004562973
【0042】
試料番号1〜15の結果から、非還元性誘電体材料の主成分におけるbの値が0.50を超えると(試料番号14)、静電容量温度変化率TCCがSL特性を満足しない。また、試料番号1〜15から明らかなように、Ti/Zr比、すなわちb/(1−b)を制御することにより、静電容量温度変化率TCCにおいて、CG特性〜SL特性の各種温度特性を任意に実現し得ることがわかる。なお、CH特性、CG特性、SS特性、UJ特性、TH特性、PH特性、CG特性、SL特性は、いずれも、JIS C 5102−1986に記載の静電容量温度変化率についての要求特性を示す。
【0043】
また、上記非還元性誘電体材料の組成分において、m、すなわちCaa Sr1-a)Oの(Tib,Zr1-b)O2に対する割合が1.10を超えると、1300℃では焼結しなかった。さらに、mが0.80未満では、静電容量温度変化率特性においてSL特性を満足しなかった。
【0044】
さらに、上記非還元性誘電体材料の副成分としてのSi酸化物の配合割合がSiO2に換算して0.5モル%未満及び2.5モル%を超える場合において、1300℃で焼結しなかった。
【0045】
他方、非還元性誘電体材料の副成分において、Mn酸化物がMnOに換算して0.5モル%未満の割合で配合されている場合には1300℃で焼結せず、3.5モル%を超えるとQ値が劣化した(試料番号31,38,39)。
【0046】
したがって、上記セラミック積層コンデンサにおける非還元性誘電体材料として、上記特定の主成分に上記特定の副成分を上記特定の割合で含有させることにより、1300℃以下で焼結でき、積層コンデンサにおけるQ値を10000以上とし得ることがわかる。
【0047】
[実験例2]
上記実験例1の結果を踏まえて、主成分として、a=0.90、1−a=0.10、b=0.10、1−b=0.90、及びm=1.00の主成分、すなわち[(Ca0.9Sr0.1)O][(Ti0.1Zr0.9)O2]となる非還元性誘電体材料用の試料を実験例1の場合と同様にして用意し、セラミックスラリーを得た。
【0048】
上記セラミックスラリーを用い、さらに、下記の表3〜表5に示す組成の内部電極ペーストを用い、その他の点については実験例1と同様にしてセラミック積層コンデンサを得た。
【0049】
上記のようにして、試料番号41〜73,81〜113,121〜153の各セラミック積層コンデンサを得た。
上記各セラミック積層コンデンサについて、(1)非誘電率ε及び(2)を実験例1の場合と同様にして評価した。さらに、(3)焼成後内部欠陥及び(4)バレル後内部欠陥を以下の要領で評価した。
【0050】
(3)焼成後内部欠陥…超音波探傷により得られたセラミック焼結体の内部欠陥を評価した。
(4)バレル後内部欠陥…セラミック焼結体をバレル研磨した後に、セラミック焼結体の内部欠陥を超音波探傷により評価した。
【0051】
結果を下記の表3〜表5に合わせて示す。
【0052】
【表3】
Figure 0004562973
【0053】
【表4】
Figure 0004562973
【0054】
【表5】
Figure 0004562973
【0055】
内部電極ペーストにおける添加剤の配合割合が0重量%、すなわち添加剤が配合されていない場合には、内部欠陥不良が発生しており(試料番号41,81,121)、25重量%を超えると、比誘電率はεが低下し、Q値が小さくなった(試料番号48,88,128)。
【0056】
従って、上記添加剤の配合割合は卑金属粉末100重量部に対し1〜25重量部の範囲とすべきことがわかる。
他方、上記添加剤における非還元性誘電体材料の主成分の含有割合αが0である場合には、焼結体において内部欠陥が発生しており(試料番号49,89,129)、100重量%を占めると同様に、焼結体において内部欠陥が生じた(試料番号63,103,143)。従って、αは、0より大きく99以下とすべきことがわかる。
【0057】
さらに、上記内部電極ペーストにおける添加剤中のSi酸化物の含有割合が0の場合にも内部電極とセラミックスとの密着力は保たれるものの、50重量%を超えると、内部電極とセラミックスとの接合強度が低下したことにより、内部欠陥不良が発生していた(試料番号64,73)。従って、Si酸化物は、SiO2 に換算して、上記内部電極ペーストに含まれる添加剤中50重量%以下の割合で配合すべきであることがわかる。
【0058】
なお、Si酸化物とAl酸化物、Mn酸化物及びTi酸化物は同様に作用するため、すなわちセラミック焼結過程において形成される中間物質としてSi−Mn化合物(セラミック焼結体側で生成される化合物)に対し、Si、Al、Mn及びTiは同様に作用すると考えられるので、上記実施例において内部電極ペースト中に用いられたSi酸化物に代えて、Al酸化物、Mn酸化物及びTi酸化物を用いた場合にも、同様に多くとも50重量%の割合でこれらを用いることにより、上記と同様に内部電極とセラミック焼結体との接合強度を高めることができ、内部欠陥不良発生を抑制し得ると考えられる。
【0059】
さらに、上記内部電極ペーストにおける添加剤中のLi酸化物の含有割合が0の場合にも内部電極とセラミックスとの密着力は保たれるものの、50重量%を超えると、内部電極とセラミックスとの接合強度が低下したことにより、内部欠陥不良が発生していた(試料番号104,113)。従って、Li酸化物は、SiO2 に換算して、上記内部電極ペーストに含まれる添加剤中50重量%以下の割合で配合すべきであることがわかる。
【0060】
なお、Li酸化物とBa酸化物、Mg酸化物は同様に作用するため、すなわちセラミック焼結過程において形成される中間物質としてSi−Mn化合物(セラミック焼結体側で生成される化合物)に対し、Li、Ba、Mgは同様に作用すると考えられるので、上記実施例において内部電極ペースト中に用いられたLi酸化物に代えて、Ba酸化物、Mg酸化物を用いた場合にも、同様に多くとも50重量%の割合でこれらを用いることにより、上記と同様に内部電極とセラミック焼結体との接合強度を高めることができ、内部欠陥不良発生を抑制し得ると考えられる。
【0061】
さらに、上記内部電極ペーストにおける添加剤中のNd酸化物の含有割合が0の場合にも内部電極とセラミックスとの密着力は保たれるものの、50重量%を超えると、内部電極とセラミックスとの接合強度が低下したことにより、内部欠陥不良が発生していた(試料番号143,153)。従って、Nd酸化物は、Nd23に換算して、上記内部電極ペーストに含まれる添加剤中50重量%以下の割合で配合すべきであることがわかる。
【0062】
なお、Nd酸化物とCe酸化物、Dy酸化物は同様に作用するため、すなわちセラミック焼結過程において形成される中間物質としてSi−Mn化合物(セラミック焼結体側で生成される化合物)に対し、Nd、Ce、Dyは同様に作用すると考えられるので、上記実施例において内部電極ペースト中に用いられたNd酸化物に代えて、Ce酸化物、Dy酸化物を用いた場合にも、同様に多くとも50重量%の割合でこれらを用いることにより、上記と同様に内部電極とセラミック焼結体との接合強度を高めることができ、内部欠陥不良発生を抑制し得ると考えられる。
【0063】
本発明にかかる製造方法では、セラミック焼結体の焼成工程において、中間生成物として、上記非還元性誘電体材料がSi,Mn酸化物を含むので、Si−Mn化合物が形成され、液相焼結を促進する。従って、焼成後にSi−Mnの2次層及びガラス層が形成される。
【0064】
【発明の効果】
本発明にかかるセラミック積層コンデンサの製造方法では、上記特定の組成の非還元性誘電体材料を用いて構成されているので、焼成温度を1300℃以下とすることができ、従って融点の低いCuやNiなどの卑金属からなる内部電極ペーストを用いて内部電極を形成することができる。従って、セラミック積層コンデンサのコストを低減することができる。
【0065】
また、上記内部電極ペーストが、卑金属粉末100重量部に対し、上記特定の組成の添加剤1〜25重量部を含むので、セラミックスと内部電極との接合強度が高められ、焼成時の内部欠陥不良を大幅に低減することができる。
【0066】
また、上記実験例から明らかなように、湿式バレル研磨を行った場合においても、デラミネーションの発生等の内部欠陥不良の発生を抑制することができる。
よって、本発明によれば、安価であり、かつ内部欠陥不良が少なく、信頼性に優れたセラミック積層コンデンサを高い生産性で製造することが可能となる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a ceramic multilayer capacitor and a method for manufacturing the same, and more particularly to a method for manufacturing a ceramic multilayer capacitor formed using an internal electrode paste made of a base metal and the ceramic multilayer capacitor.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, internal electrodes made of noble metals such as Pd and Ag—Pd alloys have been used in ceramic multilayer capacitors. However, since these noble metals are expensive, various ceramic multilayer capacitors using inexpensive base metals such as Ni and Cu as internal electrodes have been proposed.
[0003]
By the way, in the production of a ceramic multilayer capacitor, an internal electrode paste is printed on a ceramic green sheet, a ceramic green sheet printed with the internal electrode paste is laminated to obtain a multilayer body, and the multilayer body is fired to produce a ceramic. A sintered body was obtained. In addition, a sintering aid such as glass is added to the internal electrode paste using a base metal such as Ni or Cu, in addition to a base metal powder such as Ni or Cu, in order to improve adhesion to ceramics. In the internal electrode paste to which glass is not added, the bonding strength between the ceramics and the internal electrode is not sufficient, and thus internal defects such as delamination occur in the firing process.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, even when an internal electrode paste containing glass is used, the obtained ceramic sintered body still does not have sufficient bonding strength between the ceramic and the internal electrode, and internal defect defects such as delamination may occur. It was. In addition, the sintering locally progressed, and a discontinuous portion was generated in the internal electrode, thereby increasing the equivalent series resistance (ESR).
[0005]
An object of the present invention is to solve the problems described above, excellent in bonding strength between the internal electrode and the ceramic using a base metal, discontinuities component hardly occurs in the internal electrodes, the multilayer ceramic capacitor manufacturing method and the An object of the present invention is to provide a ceramic multilayer capacitor obtained by the manufacturing method.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present invention is a method for producing a ceramic multilayer capacitor having an internal electrode mainly composed of a base metal, the main component of which is [(Ca a Sr 1-a ) O] m [(Ti b Zr 1-b ) O 2 ]. A, b and m are 0 ≦ a ≦ 1.0, 0 ≦ b ≦ 0.5 and 0.80 ≦ m ≦ 1.10. Non-reducing dielectric materials containing 0.5 to 2.5 mol% in terms of SiO 2 and 0.5 to 3.5 mol% in terms of Mn oxide in terms of MnO were used. A step of preparing a ceramic green sheet, a step of printing an internal electrode paste containing a base metal on the ceramic green sheet, a step of laminating a ceramic green sheet printed with the internal electrode, and obtaining a laminate, Firing the laminate to obtain a sintered body; When the internal electrode paste contains 1 to 25 parts by weight of additive with respect to 100 parts by weight of the base metal, and the total amount of the additive is 100% by weight, the ceramic powder becomes the non-reducing dielectric. The main component of the material is α wt% (where 0 ≦ α ≦ 99 wt%), Si oxide (except glass) is 0 to 50 wt%, and Ti oxide is 0.25 to 33.33. It is characterized by having a composition containing 0.25% to 33.33% by weight of Al oxide and 0.25 to 33.33% by weight of Mn oxide .
[0009]
Additives contained in the internal electrode paste definitive to the onset Ming, while the internal electrode paste in may be contained in, or form of a coating or a metal resinate to the base metal particle surface in the internal electrode paste powder form It may be contained.
[0010]
A multilayer ceramic capacitor according to the present invention is obtained by the manufacturing method of the present invention, and includes a ceramic sintered body and an internal electrode made of a base metal and disposed in the ceramic sintered body. The secondary phase and glass phase of the Si—Mn—O-based compound are precipitated at the interface between the sintered body layer of the bonded body and the internal electrode.
[0011]
Details of the present invention will be described below.
In the manufacturing method according to the present invention, a ceramic green sheet using a non-reducing dielectric material having the above specific composition is prepared.
[0012]
The step of forming the ceramic green sheet is performed by forming a sheet of ceramic slurry containing the non-reducing dielectric material by an appropriate sheet forming method such as a doctor blade method.
[0013]
The non-reducible dielectric material having the above specific composition is used because the melting point of the base metal is low. Therefore, when forming a ceramic sintered body having an internal electrode made of a base metal, the firing temperature must be as low as 1400 ° C. or less. Because. By using the non-reducing dielectric material having the above specific composition, firing at 1300 ° C. or lower is possible.
[0014]
When a, b, and m are outside the ranges of 0 to 1, 0 to 0.5, and 0.8 to 1.10. Can not do it.
[0015]
Further, in the non-reducible dielectric material, as subcomponents, Si oxide is converted to SiO 2 in the range of 0.5 to 2.5 mol%, and Mn oxide is converted to MnO to 0.5 The reason why it is used at a ratio of ˜3.5 mol% is as follows.
[0016]
That is, if the content ratio of the Si oxide is less than 0.5 mol%, the sintering is insufficient, and if it exceeds 2.5 mol%, the sintering is insufficient. Preferably, Si oxide is used in the range of 0.5 to 2.5 mol%.
[0017]
Further, when the content ratio of the Mn oxide is less than 0.5 mol%, the sintering is insufficient, and when it exceeds 3.5 mol%, it becomes defective. Preferably, the Mn oxide is contained in the range of 0 to 3.5 mol%.
[0018]
In the present invention, an internal electrode paste containing a base metal is printed on the ceramic green sheet. In this case, the base metal is not particularly limited, but Ni, Cu, or an alloy thereof is used. Since these base metals have a melting point of 1455 ° C. or less, the non-reducing dielectric material needs to be fired at 1400 ° C.
[0019]
The internal electrode paste contains 1 to 25 parts by weight of additive with respect to 100 parts by weight of the base metal powder. This additive has a composition containing α% by weight (where 0 <α ≦ 99% by weight) of the main component of the non-reducing dielectric material when the total amount is 100% by weight.
[0020]
Thus, the joint strength between the fired internal electrode and the ceramic sintered body can be increased by blending the main component of the non-reducing dielectric material in the internal electrode paste at the specific ratio. In the internal electrode paste, when the blending ratio of the additive is less than 1 part by weight with respect to 100 parts by weight of the base metal powder, the bonding strength between the internal electrode and the ceramic cannot be sufficiently increased, and delamination or the like may occur. When the amount exceeds 25 parts by weight, a discontinuous portion is generated in the internal electrode, and the equivalent series resistance (ESR) is increased.
[0021]
Further, in the internal electrode paste, when the content ratio of the main component of the non-reducing dielectric material in the additive is 0, the bonding strength between the internal electrode and the ceramic cannot be increased, and 99 wt% If exceeded, an internal defect occurs in the sintered body.
[0022]
In the additive contained in the internal electrode paste, the content ratio of the main component of the non-reducing dielectric material is more preferably in the range of 1 to 25% by weight.
[0023]
In the present invention, when the additive contained in the internal electrode paste is 100% by weight, the additive makes the main component of the non-reducing dielectric material α% by weight (however, 0 <α ≦ 99% by weight). And 0 to 50% by weight of Si oxide (excluding glass), 0.25 to 33.33% by weight of Ti oxide, 0.25 to 33.33% by weight of Al oxide, It has a composition containing Mn oxide in a proportion of 0.25 to 33.33% by weight. When the composition of the additive is outside this range , the bonding strength between the internal electrode and the ceramic is lowered, and internal defect defects such as delamination occur.
[0024]
Further, in the reference example of the present invention , when the total amount of the additive is 100% by weight, the main component of the non-reducing dielectric material is contained in an amount of α% by weight, and the rest is alkali metal oxide or alkaline earth. At least one kind of metal oxide, each alkali metal oxide or alkaline earth metal oxide is blended in a proportion of at most 50% by weight. When the content ratio of one kind of alkali metal oxide or alkaline earth metal oxide exceeds 50% by weight, the bonding strength between the internal electrode and the ceramic decreases, and internal defect defects such as delamination occur.
[0025]
* Alkali metal and alkaline earth metal are not particularly limited, and examples thereof include Li, Ba, Mg, and Rb.
[0026]
In another reference example of the present invention , when the total amount of the additive is 100% by weight, the main component of the non-reducing dielectric material is blended in an amount of α% by weight, and the balance is at least one kind. It consists of rare earth element oxide, and one kind of rare earth element oxide is blended at a ratio of at most 50% by weight. When the blending ratio of one kind of rare earth element oxide exceeds 50% by weight, the bonding strength between the internal electrode and the ceramic is lowered, and internal defects such as delamination occur. The rare earth element is not particularly limited, and examples thereof include Nd, Ce, Dy, La, Pr, and Sm.
[0027]
In the present invention, the internal electrode paste is prepared by kneading the base metal powder, the specific additive, and a solvent. In this case, the additive is contained in the internal electrode paste in a powder state. May be. The additive may be contained in the form of a coating or metal resinate on the surface of the base metal particles in the internal electrode paste.
[0028]
The present invention is characterized by using the ceramic green sheet having the above specific composition and using the internal electrode paste having the above specific composition, and the other steps are in accordance with a conventionally known method for manufacturing a ceramic multilayer capacitor. Can be done. That is, a process for printing an internal electrode paste on a ceramic green sheet, a process for laminating a ceramic green sheet on which internal electrodes are printed, obtaining a laminate, and a process for obtaining a sintered body by firing the laminate, It can be performed according to a more well-known method. Finally, an external electrode electrically connected to the internal electrode on the outer surface of the ceramic sintered body is also formed in accordance with a well-known method for manufacturing a multilayer ceramic capacitor.
[0029]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be clarified by describing specific examples of the present invention.
[0030]
[Experimental Example 1]
As raw materials for the non-reducing dielectric material, oxide powders of CaZrO 3 , SrZrO 3 , CaTiO 3 , SrTiO 3 , SiO 2 and MnO were prepared. These powders were weighed as shown in Table 1 below, wet-mixed, then dehydrated and dried to obtain samples for each of the non-reducing dielectric materials of sample numbers 1 to 39. .
[0031]
An organic binder and a plasticizer were added to the sample for the non-reducing dielectric material obtained as described above, and kneaded to obtain a ceramic slurry.
The ceramic slurry was formed into a thickness of 5 μm in terms of the thickness after sintering on a support film made of a polyethylene terephthalate film to obtain a ceramic green sheet.
[0032]
On the other hand, 100 parts by weight of Ni powder having an average particle size of 0.5 μm and 42 parts by weight of an additive having the composition of 42, 30 parts by weight of an organic vehicle solution (5% by weight of ethyl cellulose resin dissolved in 90% by weight of butyl carbitol) and 7 parts by weight of butyl carbitol were kneaded to form an internal electrode A paste was obtained.
[0033]
The internal electrode paste was printed on the ceramic green sheet, dried, and a plurality of layers were laminated to obtain a mother laminate. The mother laminate was cut to a predetermined size to obtain individual laminates for multilayer ceramic capacitors.
[0034]
The laminated body thus obtained was degreased under conditions of 280 ° C. and 6 hours, and then fired to obtain a ceramic sintered body. The firing was performed by using a mixed gas of N 2 and H 2 that was humidified as an atmospheric gas and maintaining the temperature at 1300 ° C. for 2 hours under the condition of an oxygen partial pressure of 10 −10 atm.
[0035]
Next, the obtained ceramic sintered body was barrel-polished, an external electrode paste was applied, and an external electrode was formed by baking at a temperature of 850 ° C. for 30 minutes in a nitrogen atmosphere. As the external electrode paste, 100% by weight of Cu powder having an average particle size of 0.8 μm and 30% by weight of the same organic vehicle used for the internal electrode paste and 7% by weight of butyl carbitol were mixed and used. It was. After baking the external electrode paste, a Ni film and a Sn film were further formed on the surface of the external electrode by plating.
[0036]
In this way, 10 dielectric ceramic layers having dimensions of 3.2 × 1.6 × 0.6 mm and a thickness of 5 μm between the internal electrodes are formed, and the thickness of the internal electrodes is 1.5 μm. A ceramic condenser which is
[0037]
For each of the ceramic multilayer capacitors of sample numbers 1 to 72 as described above, (1) relative dielectric constant, (2) Q value, (3) capacitance temperature change rate TCC, and (4) high temperature load test results are shown below. It was evaluated in the manner of.
[0038]
(1) Relative permittivity: A current was passed under the condition of 1 kHz-1 Vrms, the capacitance was measured, and the relative permittivity ε was determined from the capacitance.
(2) Q value: A Q value was measured by applying a current of 1 kHz-1 Vrms.
(3) Capacitance temperature change rate TCC: A capacitance temperature change rate characteristic defined as follows in JIS C 5102-1986 was measured.
Tc (ppm / ° C.) = {(C 125 −C 25 ) / C 25 } × {1 / (125−25)} × 10 6
(4) High-temperature load test: A high-humidity load [125 ° C. 2 W. V. (Rating)] was evaluated, and a product having an insulation resistance value logΩ of 10 or more was regarded as a non-defective product.
[0039]
The results are shown in Tables 1 and 2 below.
[0040]
[Table 1]
Figure 0004562973
[0041]
[Table 2]
Figure 0004562973
[0042]
From the results of sample numbers 1 to 15, when the value of b in the main component of the non-reducing dielectric material exceeds 0.50 (sample number 14), the capacitance temperature change rate TCC does not satisfy the SL characteristics. Further, as apparent from the sample numbers 1 to 15, by controlling the Ti / Zr ratio, i.e., b / (1-b), various temperature characteristics of CG characteristics to SL characteristics are obtained in the capacitance temperature change rate TCC. It can be seen that can be realized arbitrarily. Note that each of the CH characteristics, CG characteristics, SS characteristics, UJ characteristics, TH characteristics, PH characteristics, CG characteristics, and SL characteristics indicates the required characteristics for the capacitance temperature change rate described in JIS C 5102-1986. .
[0043]
In the composition of the non-reducing dielectric material, if m, that is, the ratio of Ca a Sr 1-a ) O to (Ti b , Zr 1-b ) O 2 exceeds 1.10, at 1300 ° C. Not sintered. Further, when m is less than 0.80, the SL characteristic is not satisfied in the capacitance temperature change rate characteristic.
[0044]
Further, when the blending ratio of Si oxide as a subcomponent of the non-reducing dielectric material is less than 0.5 mol% and more than 2.5 mol% in terms of SiO 2 , sintering is performed at 1300 ° C. There wasn't.
[0045]
On the other hand, in the subcomponent of the non-reducing dielectric material, when Mn oxide is blended at a ratio of less than 0.5 mol% in terms of MnO, it is not sintered at 1300 ° C., and 3.5 mol When the ratio exceeds%, the Q value deteriorated (sample numbers 31, 38, 39).
[0046]
Therefore, the non-reducing dielectric material in the ceramic multilayer capacitor can be sintered at 1300 ° C. or lower by containing the specific subcomponent in the specific main component at the specific ratio, and the Q value in the multilayer capacitor can be reduced. It can be seen that can be 10,000 or more.
[0047]
[Experiment 2]
Based on the results of Experimental Example 1, the main components are a = 0.90, 1-a = 0.10, b = 0.10, 1-b = 0.90, and m = 1.00. A sample for a non-reducing dielectric material as a component, that is, [(Ca 0.9 Sr 0.1 ) O] [(Ti 0.1 Zr 0.9 ) O 2 ], is prepared in the same manner as in Experimental Example 1 to obtain a ceramic slurry. It was.
[0048]
Using the ceramic slurry, an internal electrode paste having the composition shown in Tables 3 to 5 below was used, and a ceramic multilayer capacitor was obtained in the same manner as in Experimental Example 1 for the other points.
[0049]
As described above, the ceramic multilayer capacitors of sample numbers 41 to 73, 81 to 113, and 121 to 153 were obtained.
About each said ceramic multilayer capacitor, (1) Non-dielectric constant ( epsilon ) and (2) Q value were evaluated similarly to the case of Experimental example 1. FIG. Furthermore, (3) internal defects after firing and (4) internal defects after barrel were evaluated in the following manner.
[0050]
(3) Internal defects after firing: Internal defects of the ceramic sintered body obtained by ultrasonic flaw detection were evaluated.
(4) Internal defect after barrel: After the ceramic sintered body was barrel-polished, the internal defect of the ceramic sintered body was evaluated by ultrasonic flaw detection.
[0051]
The results are shown in Tables 3 to 5 below.
[0052]
[Table 3]
Figure 0004562973
[0053]
[Table 4]
Figure 0004562973
[0054]
[Table 5]
Figure 0004562973
[0055]
When the mixing ratio of the additive in the internal electrode paste is 0% by weight, that is, when the additive is not blended, an internal defect defect has occurred (Sample Nos. 41, 81, 121) and exceeds 25% by weight. As for the dielectric constant, ε decreased and the Q value decreased (sample numbers 48, 88, 128).
[0056]
Therefore, it turns out that the mixture ratio of the said additive should be made into the range of 1-25 weight part with respect to 100 weight part of base metal powder.
On the other hand, when the content ratio α of the main component of the non-reducing dielectric material in the additive is 0, internal defects have occurred in the sintered body (sample numbers 49, 89, 129), and 100 weights. In the same manner, internal defects occurred in the sintered body (sample numbers 63, 103, and 143). Therefore, it can be seen that α should be greater than 0 and less than or equal to 99.
[0057]
Further, even when the content ratio of the Si oxide in the additive in the internal electrode paste is 0, the adhesion between the internal electrode and the ceramic is maintained. Due to the decrease in bonding strength, an internal defect defect occurred (Sample Nos. 64 and 73). Therefore, it can be seen that the Si oxide should be blended at a ratio of 50% by weight or less in the additive contained in the internal electrode paste in terms of SiO 2 .
[0058]
Si oxide and Al oxide, Mn oxide and Ti oxide work in the same way, that is, Si-Mn compound (compound generated on the ceramic sintered body side) as an intermediate substance formed in the ceramic sintering process. In contrast, Si, Al, Mn, and Ti are considered to work in the same manner, so that instead of the Si oxide used in the internal electrode paste in the above embodiment, Al oxide, Mn oxide, and Ti oxide are used. In the same manner as above, by using these at a ratio of at most 50% by weight, the bonding strength between the internal electrode and the ceramic sintered body can be increased in the same manner as described above, and the occurrence of defective internal defects is suppressed. It is considered possible.
[0059]
Furthermore, even when the content ratio of the Li oxide in the additive in the internal electrode paste is 0, the adhesion between the internal electrode and the ceramic is maintained. Due to the decrease in bonding strength, an internal defect defect occurred (sample numbers 104 and 113). Therefore, it can be seen that the Li oxide should be blended at a ratio of 50 wt% or less in the additive contained in the internal electrode paste in terms of SiO 2 .
[0060]
In addition, since Li oxide, Ba oxide, and Mg oxide act similarly, that is, with respect to a Si-Mn compound (compound produced | generated by the ceramic sintered compact side) as an intermediate substance formed in a ceramic sintering process, Since Li, Ba, and Mg are considered to act in the same manner, a large amount of Ba oxide and Mg oxide are used in place of the Li oxide used in the internal electrode paste in the above embodiment. By using these at a ratio of 50% by weight, it is considered that the bonding strength between the internal electrode and the ceramic sintered body can be increased as described above, and the occurrence of defective internal defects can be suppressed.
[0061]
Further, even when the content ratio of the Nd oxide in the additive in the internal electrode paste is 0, the adhesion between the internal electrode and the ceramic is maintained. Due to the decrease in bonding strength, internal defect defects occurred (Sample Nos. 143 and 153). Therefore, it can be understood that the Nd oxide should be blended at a ratio of 50% by weight or less in the additive contained in the internal electrode paste in terms of Nd 2 O 3 .
[0062]
In addition, since Nd oxide, Ce oxide, and Dy oxide act similarly, that is, as an intermediate substance formed in the ceramic sintering process, an Si-Mn compound (compound generated on the ceramic sintered body side), Since Nd, Ce, and Dy are considered to work in the same manner, a large amount of Nd, Ce, and Dy are used when Ce oxide and Dy oxide are used in place of the Nd oxide used in the internal electrode paste in the above embodiment. By using these at a ratio of 50% by weight, it is considered that the bonding strength between the internal electrode and the ceramic sintered body can be increased as described above, and the occurrence of defective internal defects can be suppressed.
[0063]
In the manufacturing method according to the present invention, since the non-reducing dielectric material contains Si and Mn oxide as an intermediate product in the firing step of the ceramic sintered body, a Si-Mn compound is formed and liquid phase firing is performed. Promote ties. Therefore, a Si—Mn secondary layer and a glass layer are formed after firing.
[0064]
【The invention's effect】
In the method for producing a ceramic multilayer capacitor according to the present invention, since the non-reducing dielectric material having the above specific composition is used, the firing temperature can be set to 1300 ° C. or lower, and therefore Cu or Cu having a low melting point can be used. An internal electrode can be formed using an internal electrode paste made of a base metal such as Ni. Therefore, the cost of the ceramic multilayer capacitor can be reduced.
[0065]
Further, since the internal electrode paste contains 1 to 25 parts by weight of the additive having the above specific composition with respect to 100 parts by weight of the base metal powder, the bonding strength between the ceramic and the internal electrode is increased, and the internal defect is poor during firing. Can be greatly reduced.
[0066]
Further, as is clear from the above experimental example, even when wet barrel polishing is performed, it is possible to suppress the occurrence of defective internal defects such as the occurrence of delamination.
Therefore, according to the present invention, it is possible to manufacture a ceramic multilayer capacitor that is inexpensive, has few internal defect defects, and is excellent in reliability with high productivity.

Claims (4)

卑金属を主体とする内部電極を有するセラミック積層コンデンサの製造方法であって、
主成分が[(CaSr1−a)O][(TiZr1−b)O]と表されたときに、a,b及びmが、それぞれ、0≦a≦1.0、0≦b≦0.5及び0.80≦m≦1.10であり、副成分としてSi酸化物をSiOに換算して0.5〜2.5モル%、及びMn酸化物をMnOに換算して0.5〜3.5モル%の割合でこれらを含む非還元性誘電体材料を用いたセラミックグリーンシートを用意する工程と、
前記セラミックグリーンシート上に、卑金属を含む内部電極ペーストを印刷する工程と、
前記内部電極が印刷されたセラミックグリーンシートを積層し、積層体を得る工程と、
前記積層体を焼成して焼結体を得る工程とを備え、
前記内部電極ペーストが、卑金属100重量部に対し、添加剤1〜25重量部を含み、
前記添加剤の全体を100重量%とした時に、該添加剤が前記非還元性誘電体材料の主成分をα重量%(ただし、0<α≦99重量%)と、
Si酸化物(ただし、ガラスを除く)が0〜50重量%と、
Ti酸化物が0.25〜33.33重量%と、
Al酸化物が0.25〜33.33重量%と、
Mn酸化物が0.25〜33.33重量%の割合で含まれている組成を有することを特徴とする、セラミック積層コンデンサの製造方法。
A method for producing a ceramic multilayer capacitor having an internal electrode mainly composed of a base metal,
When the main component is represented as [(Ca a Sr 1-a ) O] m [(Ti b Zr 1-b ) O 2 ], a, b and m are each 0 ≦ a ≦ 1.0. 0 ≦ b ≦ 0.5 and 0.80 ≦ m ≦ 1.10, and the subcomponent is 0.5 to 2.5 mol% in terms of Si oxide converted to SiO 2 , and Mn oxide is MnO Preparing a ceramic green sheet using a non-reducing dielectric material containing these at a ratio of 0.5 to 3.5 mol% in terms of
A step of printing an internal electrode paste containing a base metal on the ceramic green sheet;
Laminating ceramic green sheets on which the internal electrodes are printed, and obtaining a laminate;
And firing the laminate to obtain a sintered body,
The internal electrode paste contains 1 to 25 parts by weight of additive with respect to 100 parts by weight of base metal,
When the total amount of the additive is 100% by weight, the additive has a main component of the non-reducing dielectric material of α% by weight (where 0 <α ≦ 99% by weight),
Si oxide (excluding glass) is 0 to 50% by weight,
0.25 to 33.33 wt% of Ti oxide,
0.25 to 33.33% by weight of Al oxide,
A method for producing a ceramic multilayer capacitor, comprising a composition containing Mn oxide in a proportion of 0.25 to 33.33 % by weight.
前記添加剤が、内部電極ペースト中に含有されている、請求項1に記載のセラミック積層コンデンサの製造方法。  The method for manufacturing a ceramic multilayer capacitor according to claim 1, wherein the additive is contained in the internal electrode paste. 前記添加剤が、内部電極ペースト中の卑金属粒子表面にコーティングまたは金属レジネートの形で内部電極ペースト中に含有されている、請求項1に記載のセラミック積層コンデンサの製造方法。  The method for producing a ceramic multilayer capacitor according to claim 1, wherein the additive is contained in the internal electrode paste in the form of a coating or a metal resinate on the surface of the base metal particles in the internal electrode paste. 請求項1〜3のいずれかに記載のセラミック積層コンデンサの製造方法により得られたセラミック積層コンデンサであって、
セラミック焼結体と、セラミック焼結体内に配置されておりかつ卑金属からなる内部電極とを有し、
前記セラミック焼結体の焼結体層と内部電極との界面に、Si−Mn−O系化合物の二次相及びガラス相が析出していることを特徴とする、セラミック積層コンデンサ。
A ceramic multilayer capacitor obtained by the method for producing a ceramic multilayer capacitor according to claim 1,
A ceramic sintered body, and an internal electrode made of a base metal and disposed in the ceramic sintered body,
The interface between the sintered layer and the internal electrode of the ceramic sintered body, characterized in that the secondary phase and glass phase Si-Mn-O compound is precipitated, the ceramic product Soko capacitor.
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