JP4560690B2 - 定電流電源装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、定電流電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
空港では、航空機の安全な離着陸のために滑走路の周辺に多数の照明器具(灯火)が設置されている。そして、各照明器具に装着された照明負荷は、定電流電源装置によって給電されている。そして、各照明負荷は、例え1灯の照明負荷が断芯しても、常に一定電流が供給できるように、直列接続された可飽和特性を有する変流器(カレントトランス)を介して接続されている。変流器は、照明負荷が断芯するとトランスの磁心が飽和し、入力巻線のインピーダンスが低下し直列接続された他の照明負荷には電流を通じることができる。また、各照明負荷が直列接続され、一定電流の供給がされることによって、広大な範囲に配線された電線の電圧降下が対策され、各照明器具の光度を均一に維持することができる。これにより、広大な範囲に設置された照明負荷は、メンテナンス上、断芯検出が必須となっている。
【0003】
従来、定電流電源装置は、サイリスタを位相制御することで定電流制御を行っており、負荷電流の実効値等を検出してサイリスタの点弧角を制御していた。そして、出力電圧および出力電流を検出して照明負荷の断芯を検出していた。その一例として、特許第2543993号公報(従来技術1)に開示された定電流電源装置を図17に示す。
【0004】
図17に示す定電流電源装置60において、時間積分値演算部61は、計器用変流器62の出力信号と変圧器63の出力信号に基づき、定電流用電源装置64の出力電圧波形の立上がり時点および出力電流波形の立上がり時点をそれぞれ検出し、出力電圧の立上がり時点から出力電流波形の立上がり時点までの定電流用電源装置64の出力電圧の時間積分値を演算する。そして、波形変化時間判定部65は、この時間積分値が所定値を超え、かつ、短絡状態の時間積分値がこれよりも小さくなるような変化が複数回繰り返されたことを確認して断芯検出信号を発生する。また、断芯位置判定部66は、波形変化時間判定部65の断芯検出信号の発生時刻と時計部67の時刻データとに基づき、多数の灯火L1,L2,…,Lnのうちのどれが断芯したかを判定するものである。
【0005】
ところで、近年、照明負荷に供給する電流波形を正弦波として、この正弦波形の大小によって定電流制御する定電流電源装置が提供されている。その一例として、特開平11−184541号公報(従来技術2)に開示されたものがあり、図18にその回路図を示す。
【0006】
図18に示す定電流電源装置68は、入力側が交流電源69に接続された双方向スイッチ回路70と、共振回路71と、出力トランス72と、負荷回路73と、負荷電流検出器74と、パルス幅変調信号発生器75とを備えている。交流電源69は正弦波の交流電圧を出力するものであり、双方向スイッチ回路70はパルス幅変調信号発生器75からのパルス幅変調信号に基づいて、交流電源69からの交流電圧を、当該交流電圧の周期より十分に短い一定の周期で、かつ、当該各周期におけるパルス幅がパルス幅変調信号に応じたパルス幅となるように、チョッピング制御して、チョッピングされた交流電圧を出力するものである。共振回路71は、チョッピングされた交流電圧を交流電源69からの交流電圧と同じ周波数を有する正弦波の交流電流(交流電圧)にして出力する。出力トランス72は、共振回路71の出力電流I1を1次巻線と2次巻線との巻数比に応じて変換し、負荷電流I2として2次巻線側に出力する。
【0007】
そして、負荷回路73には、負荷電流I2が流れ、負荷電流I2は負荷電流検出器74によって検出される。パルス幅変調信号発生器75は負荷電流検出器74の負荷電流I2に応じた検出信号に基づいて、負荷電流I2が一定となるようにパルス幅変調信号を発生するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術1の定電流電源装置60は、照明負荷である灯火L1,L2,…,Lnの断芯を検出するために、出力電圧検出回路63、出力電流検出回路62、演算回路61および判定回路65など複雑な回路構成が必要であり、また、複雑な回路構成にも関わらず、高感度、高精度の断芯検出が困難であるという欠点を有する。
【0009】
また、従来技術2の定電流電源装置68には、照明負荷の断芯など、照明負荷の異常状態を判定することは開示されていない。定電流電源装置は、照明負荷を空港などの広大な範囲に設置する場合が多く、メンテナンス上、断芯検出など照明負荷の異常検出が必須である。したがって、照明負荷に正弦波電流を供給する定電流電源装置においても、照明負荷の異常を判定する必要がある。
【0010】
本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、負荷に正弦波電流を供給するとともに、簡易で高精度である負荷の異常を判定する判定回路を具備した定電流電源装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の定電流電源装置の発明は、直流電源と;直流電源に接続され、直流電源の出力電圧を高周波でスイッチングする主スイッチ素子を備え、主スイッチ素子のスイッチング動作によってスイッチング周波数より低周波の周期でデューティー比が変化するパルス電圧を出力するインバータ回路と;インバータ回路から出力されたパルス電圧より高周波成分を除去して低周波の略正弦波電圧を出力するフィルタ回路と;入力巻線および出力巻線を有し、インバータ回路の出力が供給される主トランスと;入力巻線および出力巻線をそれぞれ有し、主トランスの出力が直列接続された入力巻線に供給される可飽和特性を有する複数のカレントトランスと;複数のカレントトランスの出力巻線の両端に各々接続された複数の略線形な負荷と;インバータ回路の出力電流の瞬時値および/またはフィルタ回路の出力電流の瞬時値を検出する瞬時値検出回路と;インバータ回路の出力電流の実効値または平均値および/またはフィルタ回路の出力電流の実効値または平均値を検出する電流値検出回路と;電流値検出回路が検出した出力電流の実効値または平均値と予め設定された第1の基準値との比較値に対して、基準正弦波を乗算して出力する乗算手段と;瞬時値検出回路が検出した出力電流の瞬時値と乗算手段の乗算値とが一致するように、主スイッチ素子のオンオフ比率を可変させ、負荷に供給される出力電流が定電流となるように制御する制御手段と;インバータ回路の出力電流波形または出力電圧波形および/またはフィルタ回路の出力電流波形または出力電圧波形を検出する出力波形検出回路と;出力波形検出回路が検出した出力波形の歪み成分を検出し、歪み成分と予め設定された第2の基準値とを比較して、歪み成分が第2の基準値以上のときに負荷の異常を判定する歪み検出回路と;を具備していることを特徴とする。
【0012】
本発明において、特に言及しない限り用語の定義および技術的意味は次のとおりとする。
【0013】
直流電源は、バッテリ、直流電源装置、商用交流電圧を整流または整流平滑したもの、商用交流電源に整流平滑回路およびチョッパ回路を接続し整流平滑されたものなど、直流電圧を出力するものであればよい。
【0014】
インバータ回路では、主スイッチ素子のスイッチング動作によって必然的に高周波成分が発生する。そして、フィルタ回路は、インバータ回路から出力されたパルス電圧より高周波成分を除去するものである。これにより、フィルタ回路から略正弦波電圧が出力される。
【0015】
フィルタ回路は、インバータ回路の出力側に接続してもよく、主トランスの出力巻線間に接続してもよい。
【0016】
主トランスの出力がカレントトランスの直列接続された入力巻線に供給されるとは、カレントトランスの直列接続された入力巻線が主トランスの出力巻線間に接続されて主トランスの出力巻線間の出力が供給されること、主トランスの出力巻線間にフィルタ回路が接続され、そのフィルタ回路の出力側にカレントトランスの直列接続された入力巻線が接続されてフィルタ回路の出力が供給されることのいずれであってもよい。
【0017】
略線形な負荷とは、負荷に印加される電圧が増加すると、負荷に流れる電流がほぼ比例して増加する負荷であり、例えば、電球である。
【0018】
電流値検出回路がインバータ回路の出力電流の実効値または平均値および/またはフィルタ回路の出力電流の実効値または平均値を検出することの意味は、インバータ回路の出力電流の実効値または平均値、フィルタ回路の出力電流の実効値または平均値のうち、少なくとも一方を検出することである。
【0025】
瞬時値検出回路がインバータ回路の出力電流の瞬時値および/またはフィルタ回路の出力電流の瞬時値を検出するとは、インバータ回路の出力電流の瞬時値、フィルタ回路の出力電流の瞬時値のうち、少なくとも一方を検出することである。
【0031】
瞬時値検出回路が検出した出力電流の瞬時値と乗算手段の乗算値とが一致するように制御するとは、乗算値に瞬時値を一致させる他に、乗算値に瞬時値を近づけるように制御することも包含される。
【0032】
乗算手段および制御手段はマイコンで構成され、基準値,定電流制御方法などのプログラム化により、負荷に供給される出力電流を定電流制御するようにしてもよい。
【0033】
出力波形検出回路がインバータ回路の出力電圧波形または出力電流波形および/またはフィルタ回路の出力電圧波形または出力電流波形を検出するとは、インバータ回路の出力電圧波形または出力電流波形、フィルタ回路の出力電圧波形または出力電流波形のうち、少なくとも一方を検出することである。また、出力波形検出回路とは、出力電流波形検出回路または出力電圧波形検出回路であることを意味する。したがって、出力波形検出回路の出力波形とは、出力電流波形または出力電圧波形のことである。
【0034】
出力電流の実効値または平均値と出力電流の瞬時値の両方による定電流制御によれば、負荷の断芯時に出力電流波形および出力電圧波形は中程度に歪む。したがって、歪み検出回路は、出力電流波形または出力電流波形のいずれにおいても、感度および精度よく負荷の断芯を検出できる。
【0035】
本発明によれば、瞬時値検出回路が出力電流の瞬時値を検出し、電流値検出回路が出力電流の実効値または平均値を検出し、乗算手段は、出力電流の実効値または平均値と予め設定された第1の基準値との比較値に対して基準正弦波を乗算し、負荷が断芯や短絡などをして出力電流が変化したときに、制御手段は、瞬時値検出回路が検出した出力電流の瞬時値と乗算手段の乗算値とが一致するように、主スイッチ素子のオンオフ比率を可変させるので、負荷に供給される出力電流は定電流となると共に、歪み検出回路は、出力波形検出回路が検出した出力波形の歪み成分と予め設定された第2の基準値との比較において、歪み成分が第2の基準値以上のときに負荷の異常を判定することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、図1〜図16を参照して説明する。
【0041】
まず、第1実施形態について説明する。
【0042】
図1,図3〜図5は、本発明の第1の実施形態を示す定電流電源装置の回路図である。図中、1,21,22,23は定電流電源装置、2は直流電源、3はインバータ回路、4はフィルタ回路、5はカレントトランス、6は負荷、7は電流値検出回路、8は制御手段を構成する制御回路、9は出力電流波形検出回路、10は歪み検出回路、Tは主トランスである。
【0043】
図1において、定電流電源装置1のインバータ回路3は、直流電源2に接続されている。インバータ回路3は、主スイッチ素子としての伝導度変調型電界効果トランジスタ(IGBT)Tr1〜Tr4を備え、これらのトランジスタTr1〜Tr4をフルブリッジ形に接続して構成している。すなわち、トランジスタTr1およびトランジスタTr2の直列回路と、トランジスタTr3およびトランジスタTr4の直列回路とが直流電源2に並列的に接続され、トランジスタTr1およびトランジスタTr2の接続点aと、トランジスタTr3およびトランジスタTr4の接続点bとの間に出力側が形成されている。そして、各々のトランジスタTr1〜Tr4のゲート,エミッタ間は、駆動回路11に接続されている。駆動回路11はゲート,エミッタ間に駆動電圧を印加してトランジスタTr1〜Tr4をスイッチング動作させる。また、制御回路8によって、トランジスタTr1およびトランジスタTr4は同時にスイッチング動作され、トランジスタTr2およびトランジスタTr3は同時にスイッチング動作されると共に、トランジスタTr1およびトランジスタTr4と、トランジスタTr2およびトランジスタTr3は、交互に所定周波数でスイッチング動作される。すなわち、インバータ回路3は、直流電源2の出力電圧を高周波でスイッチングする。そして、トランジスタTr1〜Tr4のスイッチング動作によって、図2(a)に示すように、スイッチング周波数より低周波(例えば、50Hz)の周期でデューティー比が変化するパルス電圧を出力する。
【0044】
フィルタ回路4は、インダクタンス素子としてのインダクタL1およびキャパシタンス素子としてのコンデンサC1から構成され、インダクタL1およびコンデンサC1の直列回路の両端を入力側、コンデンサC1の両端を出力側としている。そして、フィルタ回路4の入力側は、インバータ回路3の出力側に接続されている。そして、フィルタ回路4は、図2(b)に示すように、インバータ回路3から出力されたパルス電圧(図2(a))より高周波成分を除去して低周波(例えば、50Hz)の略正弦波電圧を出力端子4a,4b間に出力する。ここで、略正弦波電圧とは、正弦波電圧あるいは正弦波に近似する波形を有する電圧を意味する。
【0045】
主トランスTは、入力巻線Taおよび入力巻線Taと磁気的に結合された出力巻線Tbを有し、フィルタ回路4の出力端子4a,4b間に入力巻線Taの両端が接続されている。入力巻線Taの両端には略正弦波電圧が印加されるので、入力巻線Taに略正弦波電流が流れる。この略正弦波電流は、入力巻線Taと出力巻線Tbの巻数比に応じた略正弦波電流(例えば、6.6A)となって出力巻線Tbに流れる。
【0046】
複数のカレントトランス5,…,5は入力巻線5a,…,5aおよび出力巻線5b,…,5bを有し、入力巻線5a,…,5aが直列接続されて主トランスTの出力巻線Tbの両端に接続されている。カレントトランス5,…,5は可飽和特性を有し、入力巻線5a,…,5aに電流が流れている状態で出力巻線5b,…,5bの両端間が開放すると、磁心が飽和して入力巻線5a,…,5aのインピーダンスが低下するものである。
【0047】
カレントトランス5,…,5の出力巻線5b,…,5bの両端には、各々、略線形な負荷としての電球6,…,6が図示しない電源端子を介して接続されている。
【0048】
そして、カレントトランス5,…,5の入力巻線5a,…,5a側には、電流値検出回路7が設けられている。そして、電流値検出回路7はRMS変換器12に接続されている。電流値検出回路7は電球6,…,6に供給される主トランスTの出力電流、すなわち、フィルタ回路4の出力電流を検出し、RMS変換器12は電流値検出回路7によって検出された出力電流の実効値を算出する。
【0049】
RMS変換器12の出力端子は、誤差増幅器13の反転入力端子に接続されており、RMS変換器12によって算出された実効値は、この反転入力端子に入力される。一方、誤差増幅器13の非反転入力端子には、基準電源Ref1が接続されて第1の基準電圧値(予め設定された基準電圧値)が入力されている。誤差増幅器13は、RMS変換器12によって算出された実効値と基準電源Ref1の第1の基準電圧値とを比較し、その差分(比較値)を増幅して制御回路8に出力する。
【0050】
制御回路8はパルス幅変調回路14および乗算回路15を含んで構成され、乗算回路15の一方の入力端子に誤差増幅器13から出力された差分(比較値)が入力される。そして、乗算回路15の他方の入力端子には、基準正弦波電源16の低周波の基準正弦波(電圧)が入力される。乗算回路15は、誤差増幅器13から出力された差分と基準正弦波(電圧)とを乗算して乗算値をパルス幅変調回路14に出力する。
【0051】
パルス幅変調回路14は、乗算回路15から出力された乗算値に応じて、トランジスタTr1およびトランジスタTr4、トランジスタTr2およびトランジスタTr3のオンオフ比率を可変する制御信号を駆動回路11に送出する。すなわち、パルス幅変調回路14は、RMS変換器12によって算出された実効値と基準電源Ref1の第1の基準電圧値との差分に応じて、継続してオンオフ比率を可変する制御信号を駆動回路11に送出する。この結果、負荷である電球6,…,6に供給される電流がほぼ一定となり、出力電流は定電流制御されることになる。なお、制御回路8、電流値検出回路7、RMS変換器12、誤差増幅器13および基準電源Ref1によって、制御手段が構成されている。
【0052】
また、電流値検出回路7は歪み検出回路10に接続されている。ここで、電流値検出回路7は出力電流波形検出回路9を構成するものである。出力電流波形検出回路9も、電流値検出回路7と同様に、フィルタ回路4の出力電流を主トランスTの出力巻線Tb側で検出しているので、両者を共用させたものである。もちろん、出力電流波形検出回路9が電流値検出回路7と異なる出力電流を検出するときには、両者を各々設ける必要がある。
【0053】
歪み検出回路10は、差分演算回路17、基準正弦波電源18、整流・平均値化回路19、比較器20および基準電源Ref2を含んで構成されている。そして、出力電流波形検出回路9は差分演算回路17の反転入力端子に接続されており、その差分演算回路17の非反転入力端子には基準正弦波電源18が接続されている。差分演算回路17の反転入力端子には、出力電流波形検出回路9によって検出された出力電流の電圧変換値が入力され、非反転入力端子には、低周波(例えば、50Hz)の基準正弦波電圧が入力される。差分演算回路17は、出力電流の電圧変換値と基準正弦波電圧の差分を演算・増幅して出力する。すなわち、差分演算回路17は、出力電流波形検出回路9によって検出された出力電流と基準正弦波電流の差、すなわち、出力電流波形の歪み成分を出力する。
【0054】
差分演算回路17の出力端子は、整流・平均値化回路19を介して誤差増幅器20の非反転入力端子に接続されている。一方、比較器20の反転入力端子には、基準電源Ref2が接続されて、第2の基準電圧値(予め設定された基準値)が入力されている。整流・平均値化回路19は、差分演算回路17によって演算された出力電流波形の歪み成分を整流、平均化して一定電圧とする。比較器20は、この一定電圧と予め設定された基準値である第2の基準電圧値とを比較し、この一定電圧が第2の基準電圧値以上のときにHigh信号(例えば、DC5V)を出力する。すなわち、歪み成分が予め設定された基準値以上のときにHigh信号を出力する。
【0055】
なお、整流・平均値化回路19は、必ずしも設ける必要がないものである。
【0056】
次に、図1の定電流電源装置1の作用について述べる。
【0057】
直流電源2が投入されると、カレントトランス5,…,5の入力巻線5a,…,5aに低周波(例えば、50Hz)の略正弦波電流が流れて電球6,…,6が点灯する。そして、略正弦波電流は、制御回路8により、例えば6.6Aの定電流に制御される。
【0058】
電球6,…,6のいずれか一つの電源端子間が断芯して、カレントトランス5の出力巻線5bの両端が開放すると、カレントトランス5,…,5の入力巻線5a,…,5aに流れる出力電流は減少すると共に、出力電流波形が大きく歪む。
この出力電流は、出力電流波形検出回路9によって検出され、差分演算回路17において、基準正弦波電流との差、すなわち、歪み成分が演算される。差分演算回路17は、この歪み成分を増幅し、電圧に変換して整流・平均値化回路19を介して比較器20に送出する。そして、比較器20は、差分演算回路17から出力された歪み成分と予め設定された基準値(第2の基準電圧値)とを比較し、歪み成分が基準値以上のときにHigh信号(例えば、DC5V)を出力する。このHigh信号は、異常検出信号(断芯検出信号)であり、High信号に応じて、表示灯や警報などの報知手段等を動作させたり、インバータ回路3の動作を停止させるように構成すればよい。
【0059】
上述したように、歪み検出回路10は、出力電流波形検出回路9が検出した出力電流の歪み成分と予め設定された基準値(第2の基準電圧値)とを比較し、歪み成分が基準値以上のときに比較器20より異常検出信号(断芯検出信号)が出力されるので、負荷としての電球6,…,6の異常を判定できる。そして、差分演算回路17における単純な演算(引き算)を用いているので、簡易な方法により高精度で電球6,…,6の異常を検出できる。
【0060】
また、カレントトランス5,…,5の入力巻線5a,…,5aに流れる出力電流が増加または減少すると、誤差増幅器13での電流値検出回路7で検出された出力電流の実効値と基準電源Ref1の第1の基準電圧値との比較において、大きな差分が発生する。この差分は、乗算回路15で基準正弦波(電圧)が乗算された後、パルス幅変調回路14に送出される。パルス幅変調回路14は、差分が零となるようにあるいは零に近づくように、トランジスタTr1およびトランジスタTr4、トランジスタTr2およびトランジスタTr3のオンオフ比率を可変する制御信号を駆動回路11に送出する。駆動回路11は、この制御信号により、トランジスタTr1およびトランジスタTr4、トランジスタTr2およびトランジスタTr3を駆動させる。これにより、電球6,…,6に流れる出力電流が定電流(例えば、6.6A)に制御される。
【0061】
誤差増幅器13では、電流値検出回路7で検出された出力電流の実効値と基準電源Ref1の第1の基準電圧値(予め設定された基準電圧値)との比較を行うが、言い換えれば、電流値検出回路7が検出した出力電流値と予め設定された基準電流値とを比較するものである。そして、制御回路8は、電流値検出回路7が検出した出力電流値と予め設定された基準電流値とが一致するように、トランジスタTr1〜トランジスタTr4のオンオフ比率を可変させるものである。
【0062】
上述したように、電流値検出回路7が出力電流を検出し、負荷としての電球6,…,6が断芯や短絡などをして出力電流が変化したときに、制御回路8は、電流値検出回路7が検出した出力電流値と予め設定された基準電流値とが一致するように、主スイッチ素子としてのトランジスタTr1〜Tr4のオンオフ比率を可変させるので、負荷としての電球6,…,6に供給される出力電流が定電流となると共に、歪み検出回路10において、出力電流波形検出回路9が検出した出力電流波の歪み成分と予め設定された基準値との比較によって、歪み成分が基準値以上のときに電球6,…,6の異常を判定することができる。
【0063】
図3に示す定電流電源装置21は、図1に示す定電流電源装置1において、電流値検出回路7を主トランスTの入力巻線Ta側とフィルタ回路4の出力側の間に設けたものである。主トランスTは、例えば、入力電圧200V、出力電圧4545Vの昇圧トランスであり、出力巻線Tbの両端には高電圧が発生する。電流値検出回路7は低圧側に設けられるので、耐圧の低い回路部品を用いることができ、低コスト化できる。
【0064】
図4に示す定電流電源装置22は、図1に示す定電流電源装置1において、フィルタ回路4を主トランスTの出力側に設けたものである。低周波の略正弦波電圧は、定電流電源装置1では主トランスTの入力側で形成され、定電流電源装置22では主トランスTの出力側で形成される。また、図5に示す定電流電源装置23は、主トランスTをリーケージトランスT1で構成すると共に、リーケージトランスT1の出力巻線Tbをインダクタンス素子としてのインダクタL2とし、出力巻線Tbと並列的にキャパンタンス素子としてのキャパシタC2を接続してフィルタ回路4を構成したものである。インダクタL2を出力巻線Tbと共用するので、回路構成が簡素となる。
【0065】
なお、図1,図3〜図5の定電流電源装置1,21,22,23において、電流値検出回路7はインバータ回路3の出力側に設け、インバータ回路3の出力電流を検出してもよい。この場合、RMS変換器12などに高周波成分を除去するフィルタ回路を設ける必要がある。また、RMS変換器12を用いずに平均値を算出して平均値制御としてもよい。また、乗算回路15は制御回路8内に設けなくてもよく、独立して構成してもよい。
【0066】
また、図3に示すように、電流値検出回路7を主トランスTの入力巻線Ta側とフィルタ回路4の出力側に設けること、図4に示すように、フィルタ回路4を主トランスTの出力側に設けること、図5に示すように、フィルタ回路4をリーケージトランスT1の出力巻線Tbを用いて構成することは、以下の第2〜第9の実施形態で示す定電流電源装置24,27,31,35,40,49,52,53,54にも適用されるものである。
【0067】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0068】
図6は、本発明の第2の実施形態を示す定電流電源装置の回路図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0069】
図6に示す定電流電源装置24は、図1に示す定電流電源装置1において、歪み検出回路10の差分演算器17および基準正弦波電源18に代え、帯域阻止フィルタBEF25を接続して歪み検出回路26を構成したものである。帯域阻止フィルタBEF25は、出力電流波形検出回路9が検出した出力電流より基準正弦波、例えば50Hzの波形部分を除去して歪み成分のみを通過させるものであり、例えば、図7に示すような周知の回路で構成することができる。すなわち、抵抗R1〜R3およびコンデンサC3〜C5を図示のようにツインT型に接続したものである。
【0070】
歪み検出回路26は、電球6,…,6の断芯など異常が発生したときに、帯域阻止フィルタBEF25を用いて歪み波形(歪み成分)を検出するので、高精度で簡易に構成することができる。
【0071】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0072】
図8は、本発明の第3の実施形態を示す定電流電源装置の回路図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0073】
図8に示す定電流電源装置27は、図1に示す定電流電源装置1において、歪み検出回路10の差分演算器17、基準正弦波電源18および整流・平均値化回路19に代え、微分演算回路28を接続するとともに、比較器20の出力側にラッチ回路29を接続して歪み検出回路30を構成したものである。微分演算回路28は、入力端子28aおよび出力端子28b間にコンデンサC6を介挿し、出力端子28bおよびアースE間に抵抗R4を介挿して構成され、出力電流波形検出回路9が検出した出力電流を微分するものである。すなわち、出力電流の高周波成分、すなわち、歪み波形(歪み成分)に相当する部分を通過させるものである。この歪み波形(歪み成分)に相当する部分は、比較器20において、基準電源Ref2の第2の基準電圧値(予め設定された基準値)と比較され、その歪み波形(歪み成分)が基準値以上のときに電球6,…,6の断芯など異常が発生したと判断される。また、ラッチ回路29は、比較器20のHigh信号、すなわち、異常検出信号(断芯検出信号)を保持するものである。
【0074】
歪み検出回路30は、微分演算回路28を用いて歪み波形(歪み成分)を検出し、歪み波形(歪み成分)が予め設定された基準値(第2の基準電圧値)以上のときに、断芯検出信号(異常検出信号)を出力するので、高精度で簡易な回路構成で電球6,…,6の断芯など異常を判定できる。
【0075】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0076】
図9は、本発明の第4の実施形態を示す定電流電源装置の回路図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0077】
図6に示す定電流電源装置31は、図1に示す定電流電源装置1において、歪み検出回路10の差分演算器17および整流・平均値化回路19に代え、位相検波器32および積分器33を接続して歪み検出回路34を構成したものである。
電球6,…,6が断芯など異常が発生していないときには、基準正弦波電源18の基本波である基準正弦波電圧の位相と、主トランスTの出力電流(フィルタ回路4の出力電流)の位相とは同相になっている。しかし、電球6,…,6が断芯などすると、主トランスTの出力電圧に対して出力電流が遅れる。すなわち、出力電流は基準正弦波電圧に対して遅れて位相差が発生する。位相検波器32は、この位相差を演算して出力する。積分器33は、入力および出力間に抵抗R5を介挿し、出力およびアースE間にコンデンサC7を介挿して構成され、位相検波器32が出力した位相差を積分するものである。比較器20において、位相差の積分値と基準電源Ref2の第2の基準電圧値(予め設定された基準値)が比較され、歪み成分である位相差の積分値が予め設定された基準値以上のときに電球6,…,6の断芯など異常が発生したと判断される。
【0078】
歪み検出回路34は、出力電流波形検出回路9が検出した出力電流波形と基準正弦波電源18の基準正弦波電圧波形(基本波)の位相差を演算し、その位相差が予め設定された基準値(第2の基準電圧値)以上のときに、断芯検出信号(異常検出信号)を出力するので、高精度かつ簡易な回路構成で電球6,…,6の断芯など異常を判定できる。
【0079】
なお、積分器33は、必ずしも設ける必要はないものである。
【0080】
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
【0081】
図10は、本発明の第5の実施形態を示す定電流電源装置の回路図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0082】
図7に示す定電流電源装置35は、図1に示す定電流電源装置1において、歪み検出回路10の差分演算器17および整流・平均値化回路19に代え、サンプル・ホールド回路36、ゼロクロス検出回路37およびクロック回路38を接続して歪み検出回路39を構成したものである。すなわち、サンプル・ホールド回路36の一方の入力端子に出力電流波形検出回路9を接続し、サンプル・ホールド回路36の他方の入力端子にゼロクロス検出回路37およびクロック回路38を介して基準正弦波電源18を接続し、サンプル・ホールド回路36の出力端子を比較器20の非反転入力端子に接続したものである。
【0083】
電球6,…,6に断芯が発生していない正常時には、主トランスTの出力電流波形(フィルタ回路4の出力電流波形)は、略正弦波の電流波形である。そして、電球6,…,6が断芯すると、図11に示すように、出力電流波形は大きく歪む。出力電流波形と基準正弦波電源18の基準正弦波電圧波形は同期しており、ゼロクロス検出回路37は、基準正弦波電圧波形のゼロクロス点、すなわち、出力電流波形のゼロクロス点を検出する。クロック回路38はゼロクロス点より遅延時間後の出力電流の検出信号(クロック信号)をサンプル・ホールド回路36に送出する。ここで、クロック信号の送出は、電球6,…,6が断芯したときに出力電流が大きく歪んでいる位置に予め設定するとよい。サンプル・ホールド回路36はクロック信号が入力される(図11の検出点)と、出力電流波形検出回路9が検出している出力電流を取り込み、正常時の出力電流波形に対して反比例した電圧に変換して比較器20に出力する。比較器20において、検出点における出力電流値の電圧変換値と基準電源Ref2の第2の基準電圧値(予め設定された基準値)が比較され、その電圧変換値が基準値以上のときに電球6,…,6の断芯が発生したと判断される。
【0084】
歪み検出回路39は、出力電流波形検出回路9が検出した出力電流が基準電源Ref2の予め設定された基準値(第2の基準電圧値)以上のときに、電球6,…,6の断芯が発生したと判断して異常検出信号(断芯検出信号)を出力するので、高精度で簡易な回路構成である。また、アナログ演算回路を用いずに電球6,…,6の断芯を検出できるので、定電流電源装置35の動作制御のデジタル化に好適である。
【0085】
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
【0086】
図12は、本発明の第6の実施形態を示す定電流電源装置の回路図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0087】
図12に示す定電流電源装置40は、図1に示す定電流電源装置1において、カレントトランス5,…,5の入力巻線5a,…,5a側に瞬時値検出回路41を設け、瞬時値検出回路41が比較器42の入力端子の一端(−)に接続され、比較器42の他方の入力端子(+)には、基準正弦波電源43が接続されている。そして、比較器42の出力端子は、パルス幅変調回路14に接続されている。そして、パルス幅変調回路14、比較器42および基準正弦波電源43により制御回路44が構成されている。また、主トランスTの出力巻線Tbの両端に電圧検出器45を設け、電圧検出器45の出力端子が出力電圧検出回路46を介して歪み検出回路47に接続されたものである。電圧検出器45は、主トランスTの出力巻線Tbの両端間の電圧波形を検出するものであり、例えば、計器用変圧器PT、分圧器などで構成される。出力電圧検出回路46は、電圧検出器46で検出した交流電圧波形を直流電圧に変換して歪み検出回路47に入力する。そして、電圧検出器45および出力電圧検出回路46によって、出力電圧波形検出回路48が構成されている。そして、歪み検出回路47は、上述した図1の歪み検出回路10,図6の歪み検出回路26,図8の歪み検出回路30等によって構成されるものである。
【0088】
瞬時値検出回路41は、主トランスTの出力電流(フィルタ回路4の出力電流)の瞬時値を検出して比較器42に入力する。基準正弦波電源43は、予め設定された低周波(例えば、50Hz)の基準電流波形値を比較器42に入力する。比較器42は、出力電流の瞬時値と基準電流波形値を比較して、その差分を増幅してパルス幅変調回路14に送出する。パルス幅変調回路14は、出力電流の瞬時値と基準電流波形値との差分に応じて、継続してオンオフ比率を可変する制御信号を駆動回路11に送出する。この結果、負荷である電球6,…,6に供給される電流がほぼ一定となり、出力電流は定電流制御される。
【0089】
電球6,…,6に断芯が発生すると、出力電圧波形が大きく歪む。その結果、出力電圧波形検出回路48が検出する出力電圧波形は大きく変化して、歪み検出回路47は、断芯検出信号(異常検出信号)を出力する。
【0090】
また、他の実施例としては、出力電圧波形検出回路48が出力電圧を検出し、その電圧波形のピーク値が予め設定された基準値以上のときに、歪み検出回路47が電球6,…,6の異常を判定するようにしてもよい。
【0091】
上述したように、瞬時値検出回路41が出力電流の瞬時値を検出し、負荷としての電球6,…,6が断芯や短絡などをして出力電流が変化したときに、制御回路44は、瞬時値検出回路41が検出した出力電流の瞬時値と予め設定された基準正弦波電源43の基準電流波形値とが一致するように、主スイッチ素子としてのトランジスタTr1〜Tr4のオンオフ比率を可変させるので、電球6,…,6に供給される出力電流は定電流制御されるとともに、歪み検出回路47は出力電圧波形検出回路48が検出した出力電圧波形の歪み成分と予め設定された基準値とを比較して、歪み成分が基準値以上のときに負荷の異常を判定して断芯検出信号(異常検出信号)を精度よく出力するので、電球6,…,6の断芯等を報知等できる。
【0092】
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。
【0093】
図13および図14は、本発明の第7の実施形態を示す定電流電源装置の回路図である。なお、図1および図12と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0094】
図13に示す定電流電源装置49は、図1に示す定電流電源装置1において、カレントトランス5,…,5の入力巻線5a,…,5a側に瞬時値検出回路41を設け、瞬時値検出回路41が比較器42の入力端子の一端(−)に接続され、比較器42の他方の入力端子(+)には、乗算手段としての乗算器15の出力端子が接続されている。そして、比較器42の出力端子は、パルス幅変調回路14に接続されている。そして、パルス幅変調回路14および比較器42により制御手段としての制御回路50が構成されている。また、歪み検出回路51は、上述した図1,図6,図8〜図10の歪み検出回路10,26,30,34,39等によって構成されるものである。また、出力電流波形検出回路9は、出力波形検出回路を構成するものである。
【0095】
瞬時値検出回路41は、主トランスTの出力電流の瞬時値を検出して比較器42の一方の入力端子(−)に入力する。また、比較器42の他方の入力端子(+)には、乗算回路15の出力値、すなわち、誤差増幅器13から出力された差分と基準正弦波電源16の基準正弦波(電圧)との乗算値が入力される。比較器42は、主トランスTの出力電流の瞬時値と乗算回路15の乗算値とを比較して、その差分を増幅してパルス幅変調回路14に送出する。パルス幅変調回路14は、出力電流の瞬時値と乗算値の差分に応じて、継続してオンオフ比率を可変する制御信号を駆動回路11に送出する。この結果、負荷である電球6,…,6に供給される電流がほぼ一定となり、出力電流は定電流制御される。
【0096】
そして、電球6,…,6に断芯が発生すると、出力電流波形が中程度に歪む。その結果、出力電流波形検出回路9が検出する出力電流値はある程度大きく変化して、歪み検出回路51は、断芯検出信号(異常検出信号)を出力する。
【0097】
図14に示す定電流電源装置52は、図13に示す定電流電源装置49において、出力電流波形の検出に代えて、出力電圧波形を検出するものである。そして、出力電圧波形検出回路48は、出力波形検出回路を構成するものである。
【0098】
定電流電源装置52は、電球6,…,6に断芯が発生すると、出力電圧波形が中程度に歪む。その結果、出力電圧波形検出回路48が検出する出力電圧値はある程度大きく変化して、歪み検出回路51は、断芯検出信号(異常検出信号)を出力するものである。
【0099】
また、他の実施例としては、出力波形検出回路9,48が出力電圧波形および出力電流波形を検出し、その電圧波形と電流波形の差分が所定値以上のときに、歪み検出回路51が電球6,…,6の異常を判定するようにしてもよい。このときは、出力電圧波形および出力電流波形のどちらか一方を基準値とすればよい。
【0100】
上述したように、瞬時値検出回路41が出力電流の瞬時値を検出し、電流値検出回路7が出力電流の実効値を検出し、乗算回路15は、出力電流の実効値と予め設定された基準値との比較値に対して基準正弦波電源16の基準正弦波(電圧)を乗算し、負荷としての電球6,…,6が断芯や短絡などをして出力電流が急変したときに、制御回路50は、瞬時値検出回路41が検出した出力電流の瞬時値と乗算回路15の乗算値とが一致するように、主スイッチ素子Tr1〜Tr4のオンオフ比率を可変させるので、電球6,…,6に供給される出力電流は良好に定電流制御されるとともに、歪み検出回路51は、出力波形検出回路9,48が検出した出力波形(出力電流波形または出力電圧波形)の歪み成分と予め設定された第2の基準値とを比較して、歪み成分が第2の基準値以上のときに電球6,…,6の異常を判定して断芯検出信号(異常検出信号)を精度よく出力するので、電球6,…,6の断芯等を報知等できる。
【0101】
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。
【0102】
図15は、本発明の第8の実施形態を示す定電流電源装置の回路図である。なお、図13と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0103】
図15に示す定電流電源装置53は、図13に示す定電流電源装置49において、電流値検出回路7および出力電流波形検出回路9、瞬時値検出回路41を主トランスTの入力巻線Ta側に設けたものである。そして、主トランスTは、例えば、入力巻線Taの両端にフィルタ回路4から200Vの略正弦波電圧が入力され、出力巻線Tbの両端に4545Vの出力電圧を発生すると共に、密結合された絶縁型の昇圧トランスで構成されているものである。
【0104】
電流値検出回路7および出力電流波形検出回路9、瞬時値検出回路41は、低圧側である主トランスTの入力巻線Ta側に設けているので、電路との絶縁が低圧の絶縁で済む。その結果、電流値検出回路7および出力電流波形検出回路9、瞬時値検出回路41を低圧の回路部品で構成できるので、定電流電源装置53を小形、低コストに構成することができる。
【0105】
次に、本発明の第9の実施形態について説明する。
【0106】
図16は、本発明の第9の実施形態を示す定電流電源装置の回路図である。なお、図15と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0107】
図16に示す定電流電源装置54は、図15に示す定電流電源装置53において、電流値検出回路7および出力電流波形検出回路9、瞬時値検出回路41をインバータ回路3の出力側に設けたものである。そして、電流値検出回路7および出力電流波形検出回路9は、フィルタ回路55を介して、各々、RMS変換器12および歪み検出回路51に接続されている。また、瞬時値検出回路41は、フィルタ回路56を介して、比較器42の入力端子(−)に接続されている。フィルタ回路55およびフィルタ回路56は、インバータ回路3から出力された高周波成分を除去するものである。そして、インバータ回路3の出力電流の検出によっても、上述と同様に、電球6,…,6に供給される出力電流は定電流制御されるとともに、歪み検出回路51が断芯検出信号(異常検出信号)を精度よく出力することができるものである。
【0110】
請求項1の発明によれば、瞬時値検出回路が出力電流の瞬時値を検出し、電流値検出回路が出力電流の実効値または平均値を検出し、乗算手段は、出力電流の実効値または平均値と予め設定された第1の基準値との比較値に対して基準正弦波を乗算し、負荷が断芯や短絡などをして出力電流が急変したときに、制御手段は、瞬時値検出回路が検出した出力電流の瞬時値と乗算手段の乗算値とが一致するように、主スイッチ素子のオンオフ比率を可変させるので、負荷に供給される出力電流は定電流となると共に、歪み検出回路は、出力波形検出回路が検出した出力波形の歪み成分と予め設定された第2の基準値との比較において、歪み成分が第2の基準値以上のときに負荷の異常を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す第1の定電流電源装置の回路図。
【図2】同じく、出力電圧を示し、(a)はインバータ回路の出力電圧、(b)はフィルタ回路の出力電圧の波形図。
【図3】同じく、第2の定電流電源装置の回路図。
【図4】同じく、第3の定電流電源装置の回路図。
【図5】同じく、第4の定電流電源装置の回路図。
【図6】本発明の第2の実施形態を示す定電流電源装置の回路図。
【図7】同じく、帯域阻止フィルタの回路図。
【図8】本発明の第3の実施形態を示す定電流電源装置の回路図。
【図9】本発明の第4の実施形態を示す定電流電源装置の回路図。
【図10】本発明の第5の実施形態を示す定電流電源装置の回路図。
【図11】同じく、負荷の断芯時における出力電流波形を示す説明図。
【図12】本発明の第6の実施形態を示す定電流電源装置の回路図。
【図13】本発明の第7の実施形態を示す第1の定電流電源装置の回路図。
【図14】同じく、第2の定電流電源装置の回路図。
【図15】本発明の第8の実施形態を示す定電流電源装置の回路図。
【図16】本発明の第9の実施形態を示す定電流電源装置の回路図。
【図17】従来技術1の定電流電源装置の回路図。
【図18】従来技術2の定電流電源装置の回路図。
【符号の説明】
T…………主トランス
1,21,22,23,24,27,31,35,40,49,52,53,
54………定電流電源装置
2…………直流電源
3…………インバータ回路
4…………フィルタ回路
5…………カレントトランス
6…………負荷としての電球
7…………電流値検出回路
8,44,50…制御手段を構成する制御回路
9…………出力電流波形検出回路(出力波形検出回路)
10,26,30,34,39,47,51…歪み検出回路
15………乗算手段としての乗算回路
41………瞬時値検出回路
48………出力電圧波形検出回路(出力波形検出回路)
Claims (1)
- 直流電源と;
直流電源に接続され、直流電源の出力電圧を高周波でスイッチングする主スイッチ素子を備え、主スイッチ素子のスイッチング動作によってスイッチング周波数より低周波の周期でデューティー比が変化するパルス電圧を出力するインバータ回路と;
インバータ回路から出力されたパルス電圧より高周波成分を除去して低周波の略正弦波電圧を出力するフィルタ回路と;
入力巻線および出力巻線を有し、インバータ回路の出力が供給される主トランスと;
入力巻線および出力巻線をそれぞれ有し、主トランスの出力が直列接続された入力巻線に供給される可飽和特性を有する複数のカレントトランスと;
複数のカレントトランスの出力巻線の両端に各々接続された複数の略線形な負荷と;
インバータ回路の出力電流の瞬時値および/またはフィルタ回路の出力電流の瞬時値を検出する瞬時値検出回路と;
インバータ回路の出力電流の実効値または平均値および/またはフィルタ回路の出力電流の実効値または平均値を検出する電流値検出回路と;
電流値検出回路が検出した出力電流の実効値または平均値と予め設定された第1の基準値との比較値に対して、基準正弦波を乗算して出力する乗算手段と;
瞬時値検出回路が検出した出力電流の瞬時値と乗算手段の乗算値とが一致するように、主スイッチ素子のオンオフ比率を可変させ、負荷に供給される出力電流が定電流となるように制御する制御手段と;
インバータ回路の出力電流波形または出力電圧波形および/またはフィルタ回路の出力電流波形または出力電圧波形を検出する出力波形検出回路と;
出力波形検出回路が検出した出力波形の歪み成分を検出し、歪み成分と予め設定された第2の基準値とを比較して、歪み成分が第2の基準値以上のときに負荷の異常を判定する歪み検出回路と;
を具備していることを特徴とする定電流電源装置。
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