JP4558971B2 - 燃焼器具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼器具の脚部の改良技術に関する。より詳細には、アウトドアスポーツ等で使用される燃焼器具の脚部を収束させてコンパクトにし、収納し易くする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、アウトドアでのキャンプなどで使用されるガソリンストーブ等と称される燃焼器具は、気化燃料を噴出するバーナーヘッド部を備えるバーナー本体を持ち上げるようにして保持する脚部を複数備えている。
【0003】
この脚部は、一般に金属製の棒材を所定形状に折り曲げて形成することによって、燃焼器具を地面に安定して据え置きできるとともに、該脚部の上端部には、加熱対象のクッカー等の容器を載置できる形態に工夫されている。このため、各脚部は、バーナー本体から側方側に大きくせり出すように設けられることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の燃焼器具では、次の技術的課題があった。
【0005】
従来の燃焼器具は、脚部がバーナー本体から側方側にせり出した形態を備えているため、収納の際に脚部が邪魔になり、ザックやバッグの中に収容し難く、持ち運びにも不便であった。
【0006】
特に、アウトドアスポーツを行う場合は、様々な用具をコンパクトに収納して持ち運びする必要があることから、嵩張ってしまう燃焼器具のコンパクト化機能に対する技術的要請が高まっていた。
【0007】
そこで、本発明の目的は、地面に安定的に据え置きでき、かつ容器を載置できるという脚部本来の機能を損なわずに、収納性を向上させることができる燃焼器具を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、気化燃料を噴出するバーナーヘッド部を備えるバーナー本体と、このバーナー本体を保持するとともに、加熱対象の容器を載置できる構成の複数の脚部と、弾性部材と、を少なくとも備える燃焼器具であって、前記脚部を前記バーナー本体回りに回動させることによって、前記脚部が所定箇所に収束され、前記バーナー本体にはその下方部分において上下方向に貫通する取り付け孔が形成されており、前記取り付け孔には半径方向外側に延びる溝部が形成されており、前記脚部は、上下方向に延び、前記取り付け孔に嵌合可能な第一部分と、前記第一部分の下端と連結し、水平方向に延びる第二部分と、前記第二部分の先端から前記バーナーヘッド部を越えて上方に延びる第三部分と、前記第三部分の上端から内側に延び、前記容器が載置される第四部分と、からなり、前記第一部分には前記溝部に嵌合する凸耳部が形成されており、前記脚部は、前記凸耳部が前記溝部に嵌合しているときは回動不能であり、前記凸耳部が前記溝部から外れているときは回動可能であり、前記第一部分は前記弾性部材を介して上方に付勢された状態において前記取り付け孔に嵌合されている燃焼器具を提供する
【0010】
この手段では、バーナー本体から側方にせり出している脚部を所定箇所に収束できるので、燃焼器具全体がコンパクトになる。このため、燃焼器具をザックやバッグの中に収納し易くなるので、アウトドアースポーツ用具として好適なものととなる。
【0011】
次に、本発明に係る燃焼器具の脚部は、前記バーナー本体側方に突設された気化燃料量調整レバーの周辺位置に収束可能とできるように構成する。
【0012】
この手段では、一般に、バーナー本体から側方側に突き出ている気化燃料量調整レバーの取り付け位置と脚部の収束位置とを別々の位置とはせず、両位置を一致させる。即ち、バーナー本体から突設された部材である脚部と気化燃料量調整レバーをまとめることによって、燃焼器具はよりコンパクトな収納形態となる。
【0013】
ここで、クッカーや鍋等の加熱容器を載置する機能を備える脚部が常に回動できる状態とされた構成では、調理中に脚部の位置が動いて、湯や調理物がこぼれてしまい、場合によっては火傷を負うおそれもある。
【0014】
このため、本発明に係る燃焼器具の脚部を、バーナー本体を保持する場合の回動不能状態と、該脚部を収束させる場合の回動可能状態と、を自在に選択できるように工夫する。具体的には、脚部を回動できない固定された安定な状態を選択することによって、バーナー本体を地面等に確実に保持できるようにする。一方、燃焼器具を収納する場合には、脚部を回動可能状態となるように構成する。
【0015】
例えば、脚部の基軸部を、前記バーナー本体に、弾性部材を介して上方側に付勢させた状態で取り付けて脚部を固定し、この基軸部を下方側に押し込んだり、引き下げたりしてスライドさせたときには、脚部が前記回動可能状態となるように構成する。
【0016】
このとき、前記回動可能状態を維持するために、脚部の基軸部に付勢防止ストッパーを設けることによって、脚部を円滑に回動させて所定位置に収束させることができるようになる。
【0017】
以上のように、本発明は、燃焼器具に備わる脚部に対して、収納に適した収束機能を付加するという技術的意義を有している。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本発明に係る燃焼器具の使用状態を示す全体斜視図、図2は、同燃焼器具の側面図、図3は、同燃焼器具を上方から見た時の平面図、である。これら図1〜図3に基づいて、本発明に係る燃焼器具の全体構成及び使用態様について説明する。
【0020】
図1等に表されている符号1は、本発明に係る燃焼器具を示している。この燃焼器具1は、主にアウトドアでのキャンプ等の際に使用される。符号8で示されるフューエルボトル(燃料容器)に収容されたガソリン等の燃料は、該フューエルボトル8に着脱自在に連結されたホース7を介して、バーナー本体2に送り込まれ、該バーナー本体2上部に設けられたバーナーヘッド部3から気化状態で噴出し、数秒程度のプレヒート作業により青火燃焼する。
【0021】
火力調整は、バーナー本体2の側方へ突設された気化燃料量調整レバー5(以下、単に「レバー5」と称する。)を回動することによって、ホース7に連通する燃料送通管6の開口量を調節することによって行う。
【0022】
ここで、バーナー本体2には、所定形態の棒状体からなる計四本の脚部4,4,4,4が、上方視放射状(図3参照)に取り付けられている。具体的には、脚部4,4,4,4は、それぞれがバーナー本体2の下方側部分に、その各基軸部403が取り付けられている。
【0023】
各基軸部403はそのまま下方へ垂下し、その後斜め下方の側方側に延びて、最下端部においては平坦な据え置き部401を形成する。続いて、前記据え置き部401から上方に立ち上がり、所定高さ位置に達すると、中央のバーナーヘッド部3に向けてやや下方に傾斜して延び、載置部402をそれぞれ形成している。
なお、図3中符号402aで示された凹部は、容器の滑り止めである。
【0024】
図2に示すように、載置部402,402,402,402には、クッカー等と称される加熱容器Cが載せられ、該加熱容器Cの底面に下方に配置されたバーナーヘッド部3から立ち上がる炎(図示せず)があたって、加熱容器Cに収容された水や材料を加熱する。
【0025】
以下、図4から図6に基づいて、脚部4の基本構成について説明する。
【0026】
図4(A)は、燃焼器具1に設けられた脚部4の回動不能状態のときの構成を示す図、図4(B)は、同脚部4の回動可能状態の構成を示す図、図5(A)は、係止されて回動不能状態とされた脚部4の部分拡大図、図5(B)は、取り付け孔10の上方から見た脚部4の部分断面図、図6は、回動可能状態とされた脚部4の部分拡大図、である。
【0027】
まず、図4に示すように、各脚部4の基軸部403は、バーナー本体2の下方部分に形成された上下に延設された筒状の取り付け孔10に挿通されている。基軸部403の上端部分には、該上端部に固着されたリング状のストッパー405が設けられている。このストッパー405の下面に当接するようにスプリング9が介装されている。このスプリング9は基軸部403(脚部4)を上方に付勢している。
【0028】
図5は、脚部4が最上端位置(図4(A)に対応する位置)で回動不能状態となった様子を表している。このとき、脚部4の基軸部403下方の周壁から左右に突設された一対の凸耳部404が、取り付け孔10の下端部に形成された溝部10aに係止され、脚部4が回動できない状態で固定されている。
【0029】
一方、図6は、脚部4の基軸部403を図4(B)において符号Zで示される矢印に一致する下方側に押圧するか、脚部4のいずれかの部分を把持して矢印Z側に引き下げるかしてスライドさせることによって、脚部4の凸耳部404は取り付け孔10に形成された溝部10aから外れて、係止状態が解放される。その結果、脚部4は、図6の矢印Mに示す方向に回動可能な状態となる。なお、図6の状態は、図4(B)の状態に対応している。
【0030】
ここで、図7は、脚部4の凸耳部404の上端部404aがバーナー本体2の下方壁面2aに付勢当接している様子を簡略に示す図である。
【0031】
脚部4は、凸耳部404を溝部10aから外して回動(図6の矢印M参照)させると脚部4の回動可能状態を維持できる。それとともに、凸耳部404の上端部404aが、スプリング9の付勢力(図7の矢印S方向へ脚部4を引き上げる力)によってバーナー本体2の下方壁面2aに当接し、脚部4の動きを制限する。
【0032】
即ち、この構成によって、脚部4を円滑に回動させて収束させることができるとともに、脚部4を一旦収束させると、スプリング9の付勢力によって脚部4の位置が固定され、収束状態を保持することができる。
【0033】
なお、本発明に係る燃焼器具1では、脚部4が、回動不能状態と回動可能状態のいずれかを自在に選択できる構成であればよく、上記実施形態の構成に限定するものではない。
【0034】
ここで、図8は、脚部4,4,4,4が収束された状態の燃焼器具1を上方から見た平面図である。上記構成により、各脚部4が回動可能状態とされると、各脚部4はバーナー本体2の側方側へ突設されたレバー5の周辺にまとめられ、ほぼ一塊りの部材集合体を作ることができる。
【0035】
具体的には、レバー5の近傍に配設された二本の脚部4,4は、図8に示す矢印X方向にそれぞれ回動し、レバー5に近接する位置P1,P1に収束される。そして、レバー5からより離間した位置で固定されている二本の脚部4,4は、図8に示す矢印Y方向にそれぞれ回動して、前記位置P1,P1よりやや外側位置P2,P2に収束される。
【0036】
図8に示された状態の燃焼器具1では、バーナー本体2の側方側に突き出ているすべての部材、即ち、脚部4,4,4,4及びレバー5が、ほぼ同じ位置に収束され、燃焼器具1のコンパクト化に寄与し、収納性を向上させる。
【0037】
【発明の効果】
本発明に係る燃焼器具によって奏される主な効果は、次の通りである。
【0038】
(1)燃焼器具に備わる脚部をバーナー本体回りに回動させることによって、各脚部を所定箇所に収束できるようにしたことから、燃焼器具全体をコンパクトにできる。このため、燃焼器具をザックやバッグの中に収納し易くできる。
【0039】
(2)燃焼器具の脚部を、前記バーナー本体側方に突設された気化燃料量調整レバーの周辺位置に収束可能とできるようにすることによって、バーナー本体から突き出ているすべての部材を一カ所にまとめることができ、燃焼器具をよりコンパクトな収納形態とすることができる。
【0040】
(3)燃焼器具の脚部を、バーナー本体を保持する場合の回動不能状態と、該脚部を収束させる場合の回動可能状態と、を自在に選択できるので、調理中に脚部の位置が動いてしまって、加熱容器の湯や調理物がこぼれてしまうおそれがなく、火傷を負うおそれもない。
【0041】
(4)燃焼器具に備わる脚部に収納に適した収束機能を付加することによって、アウトドアでのキャンプなどに適したコンパクトな燃焼器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃焼器具(1)の使用状態を示す全体斜視図
【図2】同燃焼器具(1)の側面図
【図3】同燃焼器具(1)を上方から見た時の平面図
【図4】(A)同燃焼器具(1)の脚部(4)の回動不能状態を示す図
(B)同脚部(4)の回動可能状態を示す図
【図5】(A)回動不能状態の脚部(4)周辺の一部を断面化して見た部分側面図
(B)脚部(4)の取り付け孔(10)の上方から見た同脚部(4)の部分断面図
【図6】回動可能状態とされた脚部(4)の部分側面図
【図7】脚部4の凸耳部(404)の上端部(404a)がバーナー本体(2)の下方壁面(2a)に付勢当接している様子を簡略に示す図
【図8】各脚部(4)が収束された状態の燃焼器具(1)を上方から見た平面図
【符号の説明】
1 燃焼器具
2 バーナー本体
3 バーナーヘッド部
4,4,4,4 脚部
5 レバー(気化燃料量調整レバー)
9 スプリング(弾性部材)
403 (脚部4の)基軸部
404、404 凸耳部
C 加熱対象の容器(クッカ−等)
M (脚部4の)回動方向
P(P1,P2,P3,P4) 脚部の収束位置
Z 下方側方向

Claims (2)

  1. 気化燃料を噴出するバーナーヘッド部を備えるバーナー本体と、このバーナー本体を保持するとともに、加熱対象の容器を載置できる構成の複数の脚部と、弾性部材と、を少なくとも備える燃焼器具であって
    前記脚部を前記バーナー本体回りに回動させることによって、前記脚部が所定箇所に収束され
    前記バーナー本体にはその下方部分において上下方向に貫通する取り付け孔が形成されており、
    前記取り付け孔には半径方向外側に延びる溝部が形成されており、
    前記脚部は、上下方向に延び、前記取り付け孔に嵌合可能な第一部分と、前記第一部分の下端と連結し、水平方向に延びる第二部分と、前記第二部分の先端から前記バーナーヘッド部を越えて上方に延びる第三部分と、前記第三部分の上端から内側に延び、前記容器が載置される第四部分と、からなり、
    前記第一部分には前記溝部に嵌合する凸耳部が形成されており、
    前記脚部は、前記凸耳部が前記溝部に嵌合しているときは回動不能であり、前記凸耳部が前記溝部から外れているときは回動可能であり、
    前記第一部分は前記弾性部材を介して上方に付勢された状態において前記取り付け孔に嵌合されている燃焼器具。
  2. 前記脚部は、前記バーナー本体側方に突設された気化燃料量調整レバーの周辺位置に収束可能とされたことを特徴とする請求項1記載の燃焼器具。
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