JP4557073B2 - 旋回駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば建設機械や特装車等に使用される旋回駆動装置に関する。
従来、旋回駆動装置としては、特開平9−195322号公報(特許文献1)に記載されたものがある。
この旋回駆動装置は、エンジンにより駆動される可変容量式の油圧ポンプと、この油圧ポンプからの作動油を動力源にして油圧ショベルの上部旋回体を旋回駆動する旋回モータとを備えている。
上記油圧ポンプと旋回モータとの間には、作動油の流量を調節する流量調節弁が設置されている。この流量制御弁を旋回モータに接続する管路に発生する圧力は検知手段で検知される。
上記検知手段は、上記圧力を示す検知信号を制御装置へ送出する。そして、上記制御装置は、検知手段からの検知信号に基づいて、油圧ポンプの吐出流量を減少させる。
このように、上記制御装置は、検知手段からの検知信号に基づいて、油圧ポンプの吐出流量を減少させるので、旋回モータの起動時や加速時のリリーフロスを低減することができる。
しかしながら、上記従来の旋回駆動装置には、エンジンが油圧ポンプを常時駆動するため、上部旋回体の非旋回時、油圧ポンプが吐出した作動油は仕事をせずに熱となり、エネルギが無駄になるという問題がある。
特開平9−195322号公報
そこで、本発明の課題は、大きな省エネルギが図れる旋回駆動装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の旋回駆動装置は、
旋回体と、
上記旋回体を旋回させる油圧モータと、
上記油圧モータに作動油を送る油圧ポンプと、
上記油圧ポンプを駆動する電動機と、
上記油圧ポンプから上記油圧モータへ流れる作動油の圧力を規制するリリーフ弁と、
上記電動機に供給する電流の周波数を制御するインバータと、
上記油圧モータのメータイン圧力が上記リリーフ弁のリリーフ圧未満となるように、上記電動機の回転数を上記インバータを介して制御する制御装置と
上記油圧ポンプの吐出圧を検出する吐出圧センサと、
上記油圧ポンプと上記油圧モータとの間に設けられ、上記旋回体の旋回速度を調整するコントロールバルブと
を備え
上記制御装置は、
上記コントロールバルブのメータイン開口面積およびブリードオフ開口面積を、パイロット圧または上記コントロールバルブのスプール位置に基づいて求める開口面積計算手段と、
上記吐出圧センサが検出した吐出圧と、上記油圧ポンプまたは上記電動機の回転数とに基づいて、上記油圧ポンプの吐出量を推定する吐出量推定手段と、
上記吐出圧センサが検出した吐出圧と、上記開口面積計算手段が求めた上記コントロールバルブのブリードオフ開口面積と、上記吐出流推定手段が推定した上記油圧ポンプの吐出量とに基づいて、上記油圧モータのメータイン流量を推定する流量推定手段と、
上記開口面積計算手段が求めた上記コントロールバルブのメータイン開口面積と、上記流量推定手段が推定した上記油圧モータのメータイン流量とに基づいて、上記油圧ポンプから上記油圧モータまでの圧力損失を推定する圧力損失推定手段と、
上記吐出圧センサが検出した吐出圧から、上記圧力損失推定手段が推定した圧力損失を引いた値が、上記リリーフ弁のリリーフ圧未満となるように、上記電動機の回転数を制御する回転数制御手段と
を有することを特徴としている。
上記構成の旋回駆動装置によれば、上記油圧ポンプは電動機によって駆動されるので、旋回体の非旋回時には、電動機を止めて、油圧ポンプによる無駄な作動油の吐出を低減することができる。
また、上記制御装置は、油圧モータのメータイン圧力がリリーフ弁のリリーフ圧未満となるように、電動機の回転数をインバータを介して制御するので、リリーフ弁の開放を抑制して、その開放による動力損失を低減することができる。
このように、上記旋回駆動装置は、油圧ポンプによる無駄な作動油の吐出を低減することができて、リリーフ弁の開放による動力損失を低減することができるので、大きな省エネルギを図ることができる。
また、上記制御装置が、開口面積計算手段、吐出量推定手段、流量推定手段、圧力損失推定手段および回転数制御手段を有することによって、リリーフ弁の開放を抑制できる。
したがって、上記油圧モータのメータイン圧力を検出する圧力センサを設置しなくても、リリーフ弁の開放による動力損失を低減することができる。
このような旋回駆動装置は、油圧モータのメータイン圧力を検出する圧力センサの設置が困難な場合に好適である。
また、本発明の旋回駆動装置は、
旋回体と、
上記旋回体を旋回させる油圧モータと、
上記油圧モータに作動油を送る油圧ポンプと、
上記油圧ポンプを駆動する電動機と、
上記油圧ポンプから上記油圧モータへ流れる作動油の圧力を規制するリリーフ弁と、
上記電動機に供給する電流の周波数を制御するインバータと、
上記油圧モータのメータイン圧力が上記リリーフ弁のリリーフ圧未満となるように、上記電動機の回転数を上記インバータを介して制御する制御装置と、
上記油圧ポンプと上記油圧モータとの間に設けられ、上記旋回体の旋回速度を調整するコントロールバルブと
を備え、
上記制御装置は、
上記コントロールバルブのメータイン開口面積およびブリードオフ開口面積を、パイロット圧または上記コントロールバルブのスプール位置に基づいて求める開口面積計算手段と、
上記油圧ポンプまたは上記電動機の回転数と、上記油圧ポンプまたは上記電動機のトルクとに基づいて、上記油圧ポンプの吐出圧を推定する吐出圧推定手段と、
上記吐出圧推定手段が推定した上記油圧ポンプの吐出圧と、上記油圧ポンプまたは上記電動機の回転数とに基づいて、上記油圧ポンプの吐出量を推定する吐出量推定手段と、
上記吐出圧推定手段が推定した上記油圧ポンプの吐出圧と、上記開口面積計算手段が求めた上記コントロールバルブのブリードオフ開口面積と、上記吐出流推定手段が推定した上記油圧ポンプの吐出量とに基づいて、上記油圧モータのメータイン流量を推定する流量推定手段と、
上記開口面積計算手段が求めた上記コントロールバルブのメータイン開口面積と、上記流量推定手段が推定した上記油圧モータのメータイン流量とに基づいて、上記油圧ポンプから上記油圧モータまでの圧力損失を推定する圧力損失推定手段と、
上記吐出圧推定手段が推定した上記油圧ポンプの吐出圧から、上記圧力損失推定手段が推定した圧力損失を引いた値が、上記リリーフ弁のリリーフ圧未満となるように、上記電動機の回転数を制御する回転数制御手段と
を有することを特徴としている。
上記構成の旋回駆動装置によれば、上記油圧ポンプは電動機によって駆動されるので、旋回体の非旋回時には、電動機を止めて、油圧ポンプによる無駄な作動油の吐出を低減することができる。
また、上記制御装置は、油圧モータのメータイン圧力がリリーフ弁のリリーフ圧未満となるように、電動機の回転数をインバータを介して制御するので、リリーフ弁の開放を抑制して、その開放による動力損失を低減することができる。
このように、上記旋回駆動装置は、油圧ポンプによる無駄な作動油の吐出を低減することができて、リリーフ弁の開放による動力損失を低減することができるので、大きな省エネルギを図ることができる。
また、上記制御装置が、開口面積計算手段、吐出圧推定手段、吐出量推定手段、流量推定手段、圧力損失推定手段および回転数制御手段を有するので、リリーフ弁の開放を抑制できる。
したがって、上記油圧モータのメータイン圧力を検出する圧力センサや、油圧ポンプの吐出圧を検出する吐出圧センサを設置しなくても、リリーフ弁の開放による動力損失を低減することができる。
また、上記油圧モータのメータイン圧力を検出する圧力センサや、油圧ポンプの吐出圧を検出する吐出圧センサを設置しなくてもよいので、部品点数を少なくして、製造コストを低減することができる。
一実施形態の旋回駆動装置は、
上記油圧モータのメータイン圧力を検出する圧力センサを備える。
上記実施形態の旋回駆動装置によれば、上記圧力センサが油圧モータのメータイン圧力を検出するので、制御装置による電動機の回転数制御の信頼性を高めることができる。
一実施形態の旋回駆動装置では、
上記制御装置は、上記リリーフ弁の動作に基づいて、上記電動機の回転数を制御する。
上記実施形態の旋回駆動装置によれば、上記制御装置は、リリーフ弁の動作に基づいて、電動機の回転数を制御するので、リリーフ弁の開放による動力損失を確実に低減することができる。
一実施形態の旋回駆動装置では、
上記制御装置は、上記リリーフ弁を通過する作動油の流量に基づいて、上記電動機の回転数を制御する。
上記実施形態の旋回駆動装置によれば、上記制御装置は、リリーフ弁を通過する作動油の流量に基づいて、電動機の回転数を制御するので、リリーフ弁の開放による動力損失を確実に低減することができる。
本発明の旋回駆動装置によれば、旋回体の非旋回時には、油圧ポンプを駆動する電動機を止めて、油圧ポンプによる無駄な作動油の吐出を低減することができると共に、制御装置が電動機の回転数をインバータを介して制御し、リリーフ弁の開放を抑制して、その開放による動力損失を低減することができるので、省エネルギ効果を大きくすることができる。
以下、本発明の旋回駆動装置を図示の実施の形態により詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、バッテリ式ショベル1を斜め上方から見た概略図である。
上記バッテリ式ショベル1は、下部走行体2と、この下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、この上部旋回体3に取り付けられ、掘削作業等を行う掘削作業機4とを備えている。また、上記下部走行体2および上部旋回体3は、バッテリ式ショベル1の車両本体を構成している。なお、以下の説明では、特に断らない限り「前側」、「後側」、「左側」および「右側」はそれぞれ下部走行体2を基準として前側、後側、左側および右側を意味する。なお、上記上部旋回体3は旋回体の一例である。
上記下部走行体2には、走行用のクローラ5と、整地作業等を行うためのブレード6とが設けられている。そして、上記下部走行体2には、クローラ5を駆動するための走行用油圧モータ15と、ブレード6を駆動するためのブレードシリンダ16とが設けられている。
上記上部旋回体3にはオペレータキャビン7が設けられている。このオペレータキャビン7の後側には作動油タンク8を、また、オペレータキャビン7の右側にはマシンキャブ9を設置している。そして、上記上部旋回体3は旋回用油圧モータ13を搭載しており、この旋回用油圧モータ13が上部旋回体3を下部走行体2に対して旋回させる。なお、上記旋回用油圧モータ13は油圧モータの一例である。
上記掘削作業機4は、基端部が上部旋回体3に回動可能に連結されるブーム10と、このブーム10の先端部に回動可能に連結されるアーム11と、このアーム11の先端部に回動可能に連結されるバケット12とを有している。そして、上記掘削作業機4には、ブーム10を駆動するためのブームシリンダ17と、アーム11を駆動するためのアームシリンダ18と、バケット12を駆動するためのバケットシリンダ19とが設けられている。
上記ブームシリンダ17は、一端が上部旋回体3に回動可能に支持され、他端であるロッド17aの先端がブーム10の基端部寄りに回動可能に連結されており、伸縮によりブーム10を基端部を中心に回動(起伏)させる。
上記アームシリンダ18は、一端がブーム10の上面に回動可能に支持され、他端であるロッド18aの先端がアーム11に回動可能に連結されており、伸縮によりアーム11をブーム10との連結軸を中心に回動させる。
上記バケットシリンダ19は、一端がアーム11の前面に回動可能に支持され、他端であるロッド19aの先端がバケット12に回動可能に連結されており、伸縮によりバケット12をアーム11との連結軸を中心に回動させる。
図示しないが、上記バッテリ式ショベル1は、ブレードシリンダ16、ブームシリンダ17、バケットシリンダ19および走行用油圧モータ15を駆動するための駆動システムも備えている。
なお、図1の14はリモコン部である。このリモコン部14は、オペレータキャビン7内に設けられた操作レバー(図示せず)に接続されている。
図2は、上記バッテリ式ショベル1の要部の構成のブロック図である。
上記バッテリ式ショベル1は、バッテリ20と、このバッテリ20の電気を使用して第1油圧ポンプ23を電動駆動する第1電動駆動部21と、バッテリ20の電気を使用して第2,第3油圧ポンプ24,25を電動駆動する第2電動駆動部22とを備えている。
上記第1電動駆動部21は、インバータ機能を有し、駆動軸の回転速度の変更が可能となっている。この第1電動駆動部21には固定容量の第1油圧ポンプ23が接続され、第1油圧ポンプ23の作動油が旋回用油圧モータ13およびブレードシリンダ16に供給される。
上記第2電動駆動部22は、インバータ機能を有し、駆動軸の回転速度の変更が可能となっている。この第2電動駆動部22には、固定容量の第2油圧ポンプ24と固定容量の第3油圧ポンプ25とが同軸に接続されている。上記第2油圧ポンプ24の作動油が、走行用油圧モータ15、ブームシリンダ17、アームシリンダ18およびバケットシリンダ19に供給される。一方、上記第3油圧ポンプ25の作動油はリモコン部14に供給される。
図3は、上記バッテリ式ショベル1に搭載された旋回駆動装置26の回路図である。
上記旋回駆動装置26は、下部走行体2に対して上部旋回体3を旋回させる旋回用油圧モータ13と、この旋回用油圧モータ13に作動油を送る固定容量の第1油圧ポンプ23と、この第1油圧ポンプ23を駆動する電動モータ31と、第1油圧ポンプ23から旋回用油圧モータ13へ流れる作動油の圧力を規制する第1,第2リリーフ弁33,34と、電動モータ31に供給する電流の周波数を制御するインバータ32と、電動モータ31の回転数をインバータ32を介して制御する制御装置28とを備えている。なお、上記電動モータ31とインバータ32とが第1電動駆動部21を構成している。また、上記第1,第2リリーフ弁33,34はリリーフ弁の一例であり、電動モータ31は電動機の一例である。
また、上記旋回用油圧モータ13と第1油圧ポンプ23との間には4ポート3位置の電磁切替弁27が設けられている。この電磁切替弁27のポンプポートPは、第1チェック弁38およびメインライン36を介して第1油圧ポンプ23に接続されている。なお、上記電磁切替弁27はコントロールバルブの一例である。
上記第1チェック弁38は、第1油圧ポンプ23から電磁切替弁27のポンプポートPに向けての流れが順方向とするものである。つまり、上記第1油圧ポンプ23からポンプポートPに向かって作動油が流れるときには、第1チェック弁38が開放する。逆に、上記ポンプポートPから第1油圧ポンプ23に向かって作動油が流れるときには、第1チェック弁38が閉鎖する。
上記電磁切替弁27のタンクポートTは排出ライン37を介して作動油タンク8に接続されている。この排出ライン37とメインライン36との間には第3リリーフ弁35が接続されている。
上記電磁切替弁27の第1モータポートAと旋回用油圧モータ13との間には第1圧力センサ29が接続されている。この第1圧力センサ29は、第1モータポートAと旋回用油圧モータ13との間の作動油の圧力を検出し、その圧力を示す信号を制御装置28へ送出する。なお、上記第1圧力センサ29は圧力センサの一例である。
また、上記第1モータポートAと旋回用油圧モータ13との間は、第1リリーフ弁33および第2チェック弁39を介してリリーフライン38に接続されている。上記第1モータポートAと旋回用油圧モータ13との間の高圧の作動油は、第1リリーフ弁33、リリーフライン38および排出ライン37を介して作動油タンク8に戻される。
上記電磁切替弁27の第2モータポートBと旋回用油圧モータ13との間には第2圧力センサ30が接続されている。この第2圧力センサ30は、第2モータポートBと旋回用油圧モータ13との間の作動油の圧力を検出し、その圧力を示す信号を制御装置28へ送出する。なお、上記第2圧力センサ30は圧力センサの一例である。
また、上記第2モータポートBと旋回用油圧モータ13との間は、第2リリーフ弁34および第3チェック弁40が接続されている。上記第2モータポートBと旋回用油圧モータ13との間の高圧の作動油は、第2リリーフ弁34、リリーフライン38および排出ライン37を介して作動油タンク8に戻される。
上記制御装置28は、第1圧力センサ29または第2圧力センサ30からの信号に基づき、インバータ32を介して電動モータ31の回転数を制御する。また、上記制御装置28は、上部旋回体3の操作方向を検出する操作方向検出手段41を有している。
上記操作方向検出手段41は、上記操作レバーからの信号に基づいて、または、電磁切替弁27の位置に基づいて、上部旋回体3の操作方向を検出する。なお、上記操作方向検出手段41は、マイクロコンピュータから成っている。
上記制御装置28の制御により、電磁切替弁27の位置が中立位置S0になると、ポンプポートPと第1モータポートAとの間が閉鎖すると共に、タンクポートTと第2モータポートBとの間も閉鎖する。
また、上記電磁切替弁27の位置が順旋回位置S11になると、ポンプポートPと第1モータポートAとの間が互いに連通し、作動油が第1モータポートAから旋回用油圧モータ13へ向かって流れる。このとき、上記第1モータポートAから旋回用油圧モータ13へ向かって流れる作動油の圧力が、旋回用油圧モータ13のメータイン圧力となる。そして、上記旋回用油圧モータ13から第2モータポートBへ向かって流れる作動油の圧力が、旋回用油圧モータ13のメータアウトの圧力となる。
また、上記電磁切替弁27の位置が逆旋回位置S12になると、ポンプポートPと第2モータポートBとの間が互いに連通し、作動油が第2モータポートBから旋回用油圧モータ13へ向かって流れる。このとき、上記第2モータポートBから旋回用油圧モータ13へ向かって流れる作動油の圧力が、旋回用油圧モータ13のメータイン圧力となる。そして、上記旋回用油圧モータ13から第1モータポートAへ向かって流れる作動油の圧力が、旋回用油圧モータ13のメータアウトの圧力となる。
上記構成の旋回駆動装置26によれば、上部旋回体3を順旋回または逆旋回させる指令が操作レバーから出ていない場合、制御装置28は電動モータ31を止めて、第1油圧ポンプ23が作動油を無駄に吐出するのを防ぐことができる。
また、上記制御装置28は、動力損失を低減するため、旋回用油圧モータ13のメータイン圧力を制御する。
以下、図4のフロチャートを用いて、旋回用油圧モータ13のメータイン圧力の制御について説明する。
まず、ステップS1で、電動モータ31が回転しているか否かを判定する。このステップS1で、電動モータ31が回転していると判定された場合は、次のステップS2に進む。一方、ステップS1で、電動モータ31が回転していないと判定された場合は、再び、ステップS1を行う。すなわち、ステップS1は、電動モータ31が回転していると判定されまで繰り返される。
次に、ステップS2で、旋回用油圧モータ13のメータイン圧力Pを検出する。このとき、上記操作方向検出手段41による上部旋回体3の旋回方向の検出結果に基づき、第1圧力センサ29と第2圧力センサ30とのうちの一方を選択する。より詳しくは、上記上部旋回体3が順旋回していることが検出された場合、第1モータポートAと旋回用油圧モータ13との間の作動油の圧力を第1圧力センサ29で検出し、その圧力をメータイン圧力Pとする。逆に、上記上部旋回体3が逆旋回していることが検出された場合、第2モータポートBと旋回用油圧モータ13との間の作動油の圧力を第2圧力センサ30で検出し、その圧力をメータイン圧力Pとする。
次に、ステップS3で、上記メータイン圧力Pが設定圧力Pth未満であるか否かを判定する。このステップS3で、上記メータイン圧力Pが設定圧力Pth未満であると判定された場合は、次のステップS4に進む。一方、上記ステップS3で、上記メータイン圧力Pが設定圧力Pth以上であると判定された場合は、ステップS5で、インバータ32を介して電動モータ31の回転速度を減速させた後、ステップS3に戻る。なお、上記設定圧力Pthは、第1リリーフ弁33および第2リリーフ弁34のリリーフ圧より小さくなるように予め設定されている。また、ステップS5では、予め設定された速度だけ、電動モータ31の回転速度を減速させる。
次に、ステップS4で、電動モータ31は停止したか否かを判定する。このステップS4で、電動モータ31が停止していると判定された場合は、処理を終了する。一方、ステップS4で、電動モータ31が停止していると判定された場合は、ステップS3に戻る。
このように、上記メータイン圧力Pが設定圧力Pth以上とならないように、電動モータ31の回転速度を制御するので、第1リリーフ弁33および第2リリーフ弁34の無駄な開放による動力損失を低減することできる。
したがって、上記上部旋回体3の非旋回時には第1油圧ポンプ23が作動油を吐出せず、第1リリーフ弁33および第2リリーフ弁34の無駄な開放による動力損失を低減することできるので、省エネルギ効果を大きくできる。
[第2実施形態]
図5は、本発明の第2実施形態の旋回駆動装置126の回路図である。また、図5において、図3の第1実施形態の構成部と同一構成部は、図3の構成部と同一参照番号を付して説明を省略する。
本実施形態の旋回駆動装置126は、上記第1実施形態と同様に、バッテリ式ショベルの上部旋回体を旋回駆動するものであるが、第1圧力センサ29および第2圧力センサ30を備えておらず、吐出圧センサ42とを備えている点が、上記第1実施形態と異なっている。
上記吐出圧センサ42はメインライン36に接続されている。そして、上記吐出圧センサ42は、第1油圧ポンプ23の吐出圧を検出し、その吐出圧を示す信号を制御装置128へ送出する。
上記制御装置128は、スプール位置検出手段143、開口面積計算手段144、吐出量推定手段145、流量推定手段146、回転数制御手段147、モータ回転数検出手段148および圧力損失推定手段149を有している。このスプール位置検出手段143、開口面積計算手段144、吐出量推定手段145、流量推定手段146、回転数制御手段147、モータ回転数検出手段148および圧力損失推定手段149は、マイクロコンピュータにより構成されている。
上記構成の旋回駆動装置126が上部旋回体を旋回駆動する場合、図6に示すように、まず、モータ回転数検出手段148が電動モータ31の回転数を検出し、吐出圧センサ42が第1油圧ポンプ23の吐出圧を検出し、スプール位置検出手段143が電磁切替弁27のスプール位置を検出する。
次に、上記吐出量推定手段145が、上記電動モータ31の回転数と、上記第1油圧ポンプ23の吐出圧とに基づいて、第1油圧ポンプ23の吐出量を推定する。
次に、上記開口面積計算手段144が、上記電磁切替弁27のスプール位置に基づいて、電磁切替弁27のメータイン開口面積およびブリードオフ開口面積を計算する。
上記メータイン開口面積とは、電磁切替弁27の位置が順旋回位置S11である場合、ポンプポートPから第1モータポートAに至る流路の等価有効断面積であり、また、電磁切替弁27の位置が逆旋回位置S12である場合、ポンプポートPから第2モータポートBに至る流路の等価有効断面積である。
上記ブリードオフ開口面積とは、電磁切替弁27の位置が順旋回位置S11である場合、第1モータポートAからタンクポートTに至る流路の等価有効断面積であり、また、電磁切替弁27の位置が逆旋回位置S12である場合、第2モータポートBからタンクポートTに至る流路の等価有効断面積である。
次に、上記流量推定手段146が、上記第1油圧ポンプ23の吐出圧と、上記電磁切替弁27のブリードオフ開口面積と、上記第1油圧ポンプ23の吐出量とに基づいて、旋回用油圧モータ13のメータイン流量を推定する。
次に、上記圧力損失推定手段149が、上記電磁切替弁27のメータイン開口面積と、上記旋回用油圧モータ13のメータイン流量とに基づいて、第1油圧ポンプ23から旋回用油圧モータ13までの圧力損失を推定する。
次に、上記回転数制御手段147が、上記第1油圧ポンプ23の吐出圧から、圧力損失推定手段149が推定した圧力損失を引いた値が、第1リリーフ弁33および第2リリーフ弁34のリリーフ圧未満となるように、電動モータ31の回転数をインバータ32を介して制御する。ここで、上記第1油圧ポンプ23の吐出圧から、圧力損失推定手段149が推定した圧力損失を引いた値は、旋回用油圧モータ13のメータイン圧力に相当すると推定できる。
したがって、上記第1リリーフ弁33および第2リリーフ弁34の無駄な開放による動力損失を低減することできる。
すなわち、本実施形態の旋回駆動装置126も、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、上記第1実施形態では、第1圧力センサ29および第2圧力センサ30の2つのセンサを備える必要があったが、本実施形態では、1つの吐出圧センサ42を備えるだけでよい。
したがって、上記第1実施形態に比べて本実施形態の方が製造コストを低く抑えることができる。
また、上記第1圧力センサ29および第2圧力センサ30に比べて、吐出圧センサ42の方が、空きスペース等の理由から、設置が容易である。
上記第2実施形態では、制御装置128に、電磁切替弁27のメータイン開口面積およびブリードオフ開口面積を、電磁切替弁27のスプール位置に基づいて求める開口面積計算手段144を設けていたが、電磁切替弁27のメータイン開口面積およびブリードオフ開口面積を、パイロット圧に基づいて求める開口面積計算手段144を設けてもよい。
上記第2実施形態では、制御装置128に、吐出圧センサ42が検出した吐出圧と、電動モータ31の回転数とに基づいて、第1油圧ポンプ23の吐出量を推定する吐出量推定手段145を設けていたが、吐出圧センサ42が検出した吐出圧と、第1油圧ポンプ23の回転数とに基づいて、第1油圧ポンプ23の吐出量を推定する吐出量推定手段145を設けてもよい。
[第3実施形態]
図7は、本発明の第3実施形態の旋回駆動装置226の回路図である。また、図7において、図5の第2実施形態の構成部と同一構成部は、図5の構成部と同一参照番号を付して説明を省略する。
本実施形態の旋回駆動装置226は、上記第2実施形態と同様に、バッテリ式ショベルの上部旋回体を旋回駆動するものであるが、吐出圧センサ42を備えておらず、制御装置228を備えている点が、上記第2実施形態と異なっている。
上記制御装置228は、上記第2実施形態には無かった吐出圧推定手段250を有している。この吐出圧推定手段250は、スプール位置検出手段143等と同様に、マイクロコンピュータにより構成されている。そして、上記吐出圧推定手段250は、第1油圧ポンプ23または電動モータ31の回転数と、第1油圧ポンプ23または電動モータ31のトルクとに基づいて、第1油圧ポンプ23の吐出圧を推定する。
上記構成の旋回駆動装置226は、上記吐出圧推定手段250は吐出圧センサ42の代わりを果たすことができるので、上記第2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、上記吐出圧センサ42は不要であるから、吐出圧センサ42分の製造コストを下げることができる。
[第4実施形態]
図8は、本発明の第4実施形態の旋回駆動装置326の回路図である。また、図8において、図7の第3実施形態の構成部と同一構成部は、図7の構成部と同一参照番号を付して説明を省略する。
本実施形態の旋回駆動装置326は、制御装置228の代わりに制御装置328を備えている点が、上記第3実施形態と異なる。
上記制御装置328は、マイクロコンピュータにより構成された開放検知手段351を有している。この開放検知手段351は第1リリーフ弁33および第2リリーフ弁34の開放を検知する。この検知は、例えば、第1リリーフ弁33および第2リリーフ弁34のピストンの位置を検出するセンサの出力に基づいて行われる。
上記構成の旋回駆動装置326によれば、開放検知手段351が第1リリーフ弁33または第2リリーフ弁34の開放を検知すると、インバータ32を介して電動モータ31の回転速度を、予め設定された速度だけ減速させる。その後、上記開放検知手段351が第1リリーフ弁33または第2リリーフ弁34の開放が検知しているなら、さらに、インバータ32を介して電動モータ31の回転速度を、予め設定された速度だけ減速させる。
したがって、上記第1リリーフ弁33および第2リリーフ弁34の無駄な開放による動力損失を低減することできる。
[第5実施形態]
図9は、本発明の第5実施形態の旋回駆動装置426の回路図である。また、図9において、図3の第1実施形態の構成部と同一構成部は、図3の構成部と同一参照番号を付して説明を省略する。
本実施形態の旋回駆動装置426は、上記第1実施形態と同様に、バッテリ式ショベルの上部旋回体を旋回駆動するものであるが、第1圧力センサ29および第2圧力センサ30を備えておらず、流量センサ452を備えている点が、上記第1実施形態と異なっている。
上記流量センサ452はリリーフライン38に接続されている。そして、上記流量センサ452は、リリーフライン38を流れる作動油の流量を検出し、その流量を示す信号を制御装置428に送出する。
上記制御装置428は、流量センサ452からの信号に基づき、インバータ32を介して電動モータ31の回転数を制御する。
上記構成の旋回駆動装置426によれば、旋回用油圧モータ13のメータイン圧力が高くなって、第1リリーフ弁33または第2リリーフ弁34が開放すると、作動油がリリーフライン38を流れる。このとき、上記制御装置428は、流量センサ452からの信号に基づき第1リリーフ弁33または第2リリーフ弁34の開放を検知する。そうすると、上記制御装置428は、インバータ32を介して電動モータ31の回転速度を、予め設定された速度だけ減速させる。その後、上記制御装置428は、第1リリーフ弁33または第2リリーフ弁34の開放を検知しているなら、さらに、インバータ32を介して電動モータ31の回転速度を、予め設定された速度だけ減速させる。
したがって、上記第1リリーフ弁33および第2リリーフ弁34の無駄な開放による動力損失を低減することできる。
本発明は、上記第1〜5実施形態に限定されず、様々な実施形態がある。例えば、上記第1〜第5実施形態を適宜組み合わしたものを、本発明の一実施形態としてもよい。
図1はバッテリ式ショベルを斜め上方から見た概略図である。 図2は上記バッテリ式ショベルの要部の構成のブロック図である。 図3は本発明の第1実施形態の旋回駆動装置の回路図である。 図4は上記第1実施形態の旋回駆動装置の旋回用油圧モータのメータイン圧力の制御を説明するためのフロチャートである。 図5は本発明の第2実施形態の旋回駆動装置の回路図である。 図6は上記第2実施形態の旋回駆動装置の旋回用油圧モータのメータイン圧力の制御を説明するためのブロック図である。 図7は本発明の第3実施形態の旋回駆動装置の回路図である。 図8は本発明の第4実施形態の旋回駆動装置の回路図である。 図9は本発明の第5実施形態の旋回駆動装置の回路図である。
3 上部旋回体
13 旋回用油圧モータ
23 第1油圧ポンプ
27 電磁切替弁
26,126,226,326,426 旋回駆動装置
28,128,228,328,428 制御装置
31 電動モータ
32 インバータ
33 第1リリーフ弁
34 第2リリーフ弁
42 吐出圧センサ
144 開口面積計算手段
145 吐出量推定手段
146 流量推定手段
147 回転数制御手段
149 圧力損失推定手段
250 吐出圧推定手段

Claims (5)

  1. 旋回体(3)と、
    上記旋回体(3)を旋回させる油圧モータ(13)と、
    上記油圧モータ(13)に作動油を送る油圧ポンプ(23)と、
    上記油圧ポンプ(23)を駆動する電動機(31)と、
    上記油圧ポンプ(23)から上記油圧モータ(13)へ流れる作動油の圧力を規制するリリーフ弁(33,34)と、
    上記電動機(31)に供給する電流の周波数を制御するインバータ(32)と、
    上記油圧モータ(13)のメータイン圧力が上記リリーフ弁(33,34)のリリーフ圧未満となるように、上記電動機(31)の回転数を上記インバータ(32)を介して制御する制御装置(28,128,228,328,428)と
    上記油圧ポンプ(23)の吐出圧を検出する吐出圧センサ(42)と、
    上記油圧ポンプ(23)と上記油圧モータ(13)との間に設けられ、上記旋回体(3)の旋回速度を調整するコントロールバルブ(27)と
    を備え
    上記制御装置(128)は、
    上記コントロールバルブ(27)のメータイン開口面積およびブリードオフ開口面積を、パイロット圧または上記コントロールバルブ(27)のスプール位置に基づいて求める開口面積計算手段(144)と、
    上記吐出圧センサ(42)が検出した吐出圧と、上記油圧ポンプ(23)または上記電動機(31)の回転数とに基づいて、上記油圧ポンプ(23)の吐出量を推定する吐出量推定手段(145)と、
    上記吐出圧センサ(42)が検出した吐出圧と、上記開口面積計算手段(144)が求めた上記コントロールバルブ(27)のブリードオフ開口面積と、上記吐出流推定手段が推定した上記油圧ポンプ(23)の吐出量とに基づいて、上記油圧モータ(13)のメータイン流量を推定する流量推定手段(146)と、
    上記開口面積計算手段(144)が求めた上記コントロールバルブ(27)のメータイン開口面積と、上記流量推定手段(146)が推定した上記油圧モータ(13)のメータイン流量とに基づいて、上記油圧ポンプ(23)から上記油圧モータ(13)までの圧力損失を推定する圧力損失推定手段(149)と、
    上記吐出圧センサ(42)が検出した吐出圧から、上記圧力損失推定手段(149)が推定した圧力損失を引いた値が、上記リリーフ弁(33,34)のリリーフ圧未満となるように、上記電動機(31)の回転数を制御する回転数制御手段(147)と
    を有することを特徴とする旋回駆動装置。
  2. 旋回体(3)と、
    上記旋回体(3)を旋回させる油圧モータ(13)と、
    上記油圧モータ(13)に作動油を送る油圧ポンプ(23)と、
    上記油圧ポンプ(23)を駆動する電動機(31)と、
    上記油圧ポンプ(23)から上記油圧モータ(13)へ流れる作動油の圧力を規制するリリーフ弁(33,34)と、
    上記電動機(31)に供給する電流の周波数を制御するインバータ(32)と、
    上記油圧モータ(13)のメータイン圧力が上記リリーフ弁(33,34)のリリーフ圧未満となるように、上記電動機(31)の回転数を上記インバータ(32)を介して制御する制御装置(28,128,228,328,428)と
    上記油圧ポンプ(23)と上記油圧モータ(13)との間に設けられ、上記旋回体(3)の旋回速度を調整するコントロールバルブ(27)と
    を備え
    上記制御装置(228)は、
    上記コントロールバルブ(27)のメータイン開口面積およびブリードオフ開口面積を、パイロット圧または上記コントロールバルブ(27)のスプール位置に基づいて求める開口面積計算手段(144)と、
    上記油圧ポンプ(23)または上記電動機(31)の回転数と、上記油圧ポンプ(23)または上記電動機(31)のトルクとに基づいて、上記油圧ポンプ(23)の吐出圧を推定する吐出圧推定手段(250)と、
    上記吐出圧推定手段(250)が推定した上記油圧ポンプ(23)の吐出圧と、上記油圧ポンプ(23)または上記電動機(31)の回転数とに基づいて、上記油圧ポンプ(23)の吐出量を推定する吐出量推定手段(145)と、
    上記吐出圧推定手段(250)が推定した上記油圧ポンプ(23)の吐出圧と、上記開口面積計算手段(144)が求めた上記コントロールバルブ(27)のブリードオフ開口面積と、上記吐出流推定手段が推定した上記油圧ポンプ(23)の吐出量とに基づいて、上記油圧モータ(13)のメータイン流量を推定する流量推定手段(146)と、
    上記開口面積計算手段(144)が求めた上記コントロールバルブ(27)のメータイン開口面積と、上記流量推定手段(146)が推定した上記油圧モータ(13)のメータイン流量とに基づいて、上記油圧ポンプ(23)から上記油圧モータ(13)までの圧力損失を推定する圧力損失推定手段(149)と、
    上記吐出圧推定手段(250)が推定した上記油圧ポンプ(23)の吐出圧から、上記圧力損失推定手段(149)が推定した圧力損失を引いた値が、上記リリーフ弁(33,34)のリリーフ圧未満となるように、上記電動機(31)の回転数を制御する回転数制御手段(147)と
    を有することを特徴とする旋回駆動装置。
  3. 請求項1または2に記載の旋回駆動装置において、
    上記油圧モータ(13)のメータイン圧力を検出する圧力センサ(29,30)を備えたことを特徴とする旋回駆動装置。
  4. 請求項1からまでのいずれか一項に記載の旋回駆動装置において、
    上記制御装置(328)は、上記リリーフ弁(33,34)の動作に基づいて、上記電動機(31)の回転数を制御することを特徴とする旋回駆動装置。
  5. 請求項1からまでのいずれか一項に記載の旋回駆動装置において、
    上記制御装置(428)は、上記リリーフ弁(33,34)を通過する作動油の流量に基づいて、上記電動機(31)の回転数を制御することを特徴とする旋回駆動装置。
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