請求項1に記載の発明は、熱溶着層を有するガスバリア性の外被材と、板状の芯材とを有し、前記熱溶着層同士が対向する前記外被材の間に前記芯材が減圧密封され、前記外被材の間に前記芯材がない外被材部分の全てが熱溶着された真空断熱材の製造方法であって、前記熱溶着層同士が対向する前記外被材の間に前記芯材がある部分全部を含む前記外被材全体に対して、1kg/cm 2 以上の加圧力が加えられている状態で、前記熱溶着層が溶融するのに必要な熱を加えることにより前記外被材を熱溶着することを特徴とする真空断熱材の製造方法である。
本発明の真空断熱材の製造方法は、外被材の間に芯材がある部分全部を含む外被材全体に対して、1kg/cm 2 以上の加圧力が加えられている状態で、熱溶着層が溶融するのに必要な熱を加えることにより外被材を熱溶着することにより、外被材の熱溶着層が溶融して、外被材の間に芯材がない部分の熱溶着層は、対向する熱溶着層同士の溶融により、外被材の熱溶着部を形成しているのである。
また、芯材の周囲に形成される、芯材を間に含まず密着した外被材のみから構成される、真空断熱材の周縁部の全ての外被材、すなわち、芯材の存在しない外被材部分の全てを熱溶着させたことにより、真空断熱材の周縁部に外被材が溶着されていない無駄な部分の発生を抑制することができ、芯材と熱溶着部との間において、外被材間に芯材を含まない部分が存在していないことから、有効断熱面積を拡大することができると共に、周縁部を芯材形状に合わせることによって容易に任意形状の真空断熱材が作製できる。
請求項2に記載の発明は、熱溶着層を有するガスバリア性の外被材と、板状の芯材とを有し、前記熱溶着層同士が対向する前記外被材の間に前記芯材が減圧密封され、前記芯材の周囲に前記外被材の熱溶着部が形成され、前記芯材の周囲の前記熱溶着部と前記芯材との間に、前記外被材が密着しただけで溶着されていない部分がない真空断熱材の製造方法であって、前記熱溶着層同士が対向する前記外被材の間に前記芯材がある部分全部から前記芯材の周囲における前記外被材の間に前記芯材がない部分にわたって前記外被材に対して、1kg/cm 2 以上の加圧力が加えられている状態で、前記熱溶着層が溶融するのに必要な熱を加えることにより前記外被材を熱溶着することを特徴とする真空断熱材の製造方法である。
本発明の真空断熱材の製造方法は、熱溶着層同士が対向する外被材の間に芯材がある部分全部から芯材の周囲における外被材の間に芯材がない部分にわたって外被材に対して、1kg/cm 2 以上の加圧力が加えられている状態で、熱溶着層が溶融するのに必要な熱を加えることにより外被材を熱溶着して、芯材の周囲に形成される外被材の熱溶着部と芯材との間に、外被材が密着しただけで溶着されていない部分が発生しないように、芯材の周囲の外被材を熱溶着したので、真空断熱材の周縁部に外被材が溶着されていない無駄な部分の発生を抑制することができ、芯材と熱溶着部との間において、外被材間に芯材を含まない部分が存在していないことから、有効断熱面積を拡大することができると共に、周縁部を芯材形状に合わせることによって容易に任意形状の真空断熱材が作製できる。
なお、芯材の存在しない外被材部分は、芯材が薄いほどぎりぎりまで熱溶着が確実にでき、芯材形状に沿うように熱溶着部を有する真空断熱材とすることができる。
なお、真空断熱材の厚みが5mmを超えると周縁部にしわができるなどの不具合が発生しやすく、厚みが10mmを超えるような場合は、芯材の存在しない外被材部分は、芯材と熱溶着部の間に芯材を含まない外被材部分が形成されたり、しわの発生およびそれに伴うピンホールの発生が起こりやすくなり、芯材形状に沿うように熱溶着部を形成することがより困難になる。一方、厚みが0.5mmを下回ると、内部の芯材厚さが充分に確保できず、優れた断熱性能が確保することが困難になる。
なお、所定の厚さに加圧圧縮された状態で、芯材の存在しない外被材部分すべてを溶着すれば、加圧を取り除いても大気圧縮による圧縮が発生しないため外被材の余分が出ることなく、外被材が溶着されない無駄な部分である非熱溶着部の発生を抑制して有効断熱面積を大きくすることができる。
また、外被材の間に芯材がある部分を含めて加熱加圧すれば、芯材の周囲まで確実に熱溶着でき、外被材の非熱溶着部の発生を抑制して有効断熱面積が大きい真空断熱材を提供することができる。
また、外被材の間に芯材がある部分の全てを加熱加圧すれば、真空包装後の大気開放時においても、大気圧による芯材の圧縮変形の影響を最小限とすることができ、外被材の非熱溶着部の発生を抑制することができる。
なお、加熱加圧時の加圧力を1kg/cm2 以上とすれば、大気開放時の大気圧縮による芯材の圧縮変形が完全に抑制できるため、圧縮変形の大きい芯材を適用した場合にも、芯材端部は芯材形状に沿うように熱溶着部が形成される真空断熱材とすることができる。
また、芯材の形状は、三角形、四角形、多角形、略円形、略楕円形、L型、およびこれらの組み合わせからなる任意形状とすることができ、真空断熱材を配設する場所にリブやボスなどの突起等があっても形状で避けることができ、複雑な形状でも最小限の枚数で対応できる。
また、真空断熱材を製造するときの熱溶着において、弾性体で構成された熱板を使用すれば、外被材の間の芯材の有無を熱板の変形によって吸収することにより、容易に対向する熱溶着層同士を芯材形状に沿うように熱溶着することができる。また、溶着において芯材の形状に関わりなく汎用的に対応でき、きわめて容易にかつ効率よく本発明の真空断熱材を製造することができる。
次に、真空断熱材の構成材料について詳細に説明する。
芯材に使用する材料は、気相比率90%前後の多孔体をシート状または板状に加工したものであり、工業的に利用できるものとして、発泡体、粉体、および繊維体等がある。これらは、その使用用途や必要特性に応じて公知の材料を使用することができる。
このうち、発泡体としては、ウレタンフォーム、スチレンフォーム、フェノールフォーム等の連続気泡体が利用できる。また、粉体としては、無機系、有機系、およびこれらの混合物を利用できるが、工業的には、乾式シリカ、湿式シリカ、パーライト等を主成分とするものが使用できる。
また、繊維体としては、無機系、有機系、およびこれらの混合物が利用できるが、コストと断熱性能の観点から無機繊維が有利である。無機繊維の一例としては、グラスウール、グラスファイバー、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、シリカ繊維、ロックウール等、公知の材料を使用することができる。
また、これら、発泡体、粉体、および繊維体等の混合物も適用することができる。
外被材に使用するラミネートフィルムは、最内層を熱溶着層とし、中間層にはガスバリア層として、金属箔、或いは金属蒸着層を有し、最外層には表面保護層を設けたラミネートフィルムが適用できる。また、ラミネートフィルムは、金属箔を有するラミネートフィルムと金属蒸着層を有するラミネートフィルムの2種類のラミネートフィルムを組み合わせて適用しても良い。
なお、熱溶着層としては、低密度ポリエチレンフィルム、鎖状低密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、無延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、或いはそれらの混合体等を用いることができる。
表面保護層としては、ナイロンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルムの延伸加工品など、公知の材料が利用できる。
以下、本発明による実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における多芯真空断熱材の平面図、図2は図1のA−A線断面図である。
本実施の形態の真空断熱材10は、16個の略正八角形に成形された粉体の圧縮成形体からなる厚さ3mmの芯材11をガスバリア性のラミネートフィルムからなる外被材12で覆い外被材12の内部を減圧して成り、この16個の芯材11は、格子状に、縦(横)方向に隣接する芯材11と横(縦)の辺が対向するように、かつ、互いに、略八角形の芯材11の一辺の長さに芯材11を覆う外被材12の厚みの4倍の大きさを加えた大きさより若干大きい所定間隔で隔離して配置しており、この16個の芯材11のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材11の周囲に外被材12の熱溶着部13が設けられているものである。熱溶着部13は、略八角形の芯材11の周囲に沿うように外被材12に形成されている。
なお、この時、外被材12のガスバリア層にはアルミ蒸着フィルムを積層したものを使用した。
本実施の形態では、真空断熱材10の外被材12は、隣接する芯材11の間に位置する部分の外被材12がすべて熱溶着されているので、芯材11と熱溶着部13の間に芯材を間に含まない外被材の非熱溶着部が存在しておらず、熱溶着部13は芯材形状に沿うように真空断熱材10が形成されている。
次に、この真空断熱材10の製造方法の一例について説明する。
図3は本発明の実施の形態1における真空断熱材の製造方法で使用する真空包装機の概略断面図である。
図3において、気密室を構成できる真空包装機14の内部には、長方形にカットされたガスバリア性の外被材12aが、熱溶着層側を上側にして真空包装機14の供試台15に設置されている。この供試台15にはコンベア(図示せず)が設置されており、外被材12aを図中右から左へ移動させることができる。
外被材12aの上には芯材11が配置され、その上に外被材12bがその熱溶着層側が芯材11側を向くように、かつ上下の外被材12a,12bの各端面がほぼ一致するように配置される。
真空包装機14において、加熱加圧により熱溶着するための熱板16は供試台15の中央付近の上下部位に位置しており、外被材12a,12bを図3の手前側から奥行き側の方向に渡り熱溶着することができる位置に配置されている。
また、芯材11はそれぞれが所定間隔をおいて配置されている。真空包装機14の蓋17を閉じて真空ポンプ18の運転を開始すると、真空包装機14の内部は排気され10Pa以下に減圧した後、コンベアが動いて外被材12a,12bを熱板16の幅以下で所定距離移動させた後停止し、熱板16が加熱加圧することにより外被材12a,12bに熱溶着部13が形成される。
この操作を減圧中で繰り返すことにより、すべての芯材11がそれぞれが独立した空間内に位置し、かつ、芯材11の周囲に沿うように熱溶着部13が形成された真空断熱材10を製造することができる。
このように熱溶着することにより、外被材12a,12b間に芯材11がある部分の全てが加熱加圧されているため、真空包装後の大気開放時においても、大気圧による芯材11の圧縮変形の影響を最小限とすることができる。特に、加熱加圧時の加圧力を1kg/cm2 以上とすることで、大気開放時の大気圧縮による芯材11の圧縮変形が完全に抑制できるため、圧縮変形の大きい芯材材料を適用した場合にも、芯材端部は芯材形状に沿うように熱溶着部13を有する真空断熱材10とすることができる。
また同時に、外被材12a,12b間に芯材11がある部分の全てが加熱加圧されているため、外被材12a,12bの間に芯材11を挟んでいる部分の熱溶着層が加熱加圧時に溶融して芯材11の表面部分と結着するため、外被材12と芯材11とのサンドイッチ構造がより強固なものとなり、剛性の高い真空断熱材10とすることができる。
なお、本実施の形態では、外被材12間に芯材11がある部分を含めて所定回数加熱加圧することにより、対向する外被材12の熱溶着層同士を芯材形状に沿うように熱溶着する真空断熱材の製造法を示したが、熱板16をガスバリア性の外被材12a,12bの寸法より大きくすると、熱板16を一回だけ加熱加圧することで熱溶着部13を形成する製造方法とすることができる。
また、本実施の形態では、一度に複数の芯材11を真空包装する方法を示したが、真空包装時の芯材数量は形状等に応じて1個から任意に製造することができる。
また、本実施の形態による真空断熱材10の芯材11の形状は略八角形であるが、三角形、四角形、多角形、円形、L型、およびこれらの組み合わせからなる任意形状が選定できる。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2における真空断熱材について説明するが、実施の形態1と同一構成については同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図4、図5、および図6は、本発明の実施の形態2における真空断熱材の平面図である。
本実施の形態の真空断熱材20,22,25は、実施の形態1における真空断熱材10の熱溶着部13において、芯材11との間に所定幅の熱溶着部が残るように切断して形成した真空断熱材である。
このうち、図4に示す真空断熱材20は、芯材11との間に所定幅の熱溶着部21が残るように略芯材形状に切断して形成した真空断熱材である。
図5に示す真空断熱材22は、芯材11との間に所定幅の熱溶着部23が残るように略芯材形状に切断し、かつその熱溶着部23のコーナー部24を円形に切り落としている。
図6に示す真空断熱材25は、芯材形状よりも一回り大きい円形の熱溶着部26となるように形成したものである。
このように本実施の形態では、真空断熱材20,22,25の周縁部において非熱溶着部が存在しておらず、芯材形状に沿うように熱溶着部21,23,26が形成されているため有効断熱面積が大きく、かつ任意形状の真空断熱材20,22,25が成形できる。また、熱溶着部21,23,26は芯材11との間に所定幅が残るように切断されているため適用するアプリケーションに適した形状の真空断熱材とすることが可能となり、その適合性が飛躍的に改善される。
なお、真空断熱材20の熱溶着部21は、幅が5mmとなるように切断している。この熱溶着部21の幅は断熱性能の経時性能に影響する因子であり、この幅が大きいほど経時断熱性能は良好であるが、真空断熱材20の適用環境や必要とする耐久年数に応じて任意に設定することができる。しかし、有効断熱面積を大きくするという観点から、熱溶着部21の幅は3mm〜5mm程度に設定することが望ましい。
更に、熱溶着部の形状は特に指定されるものではなく、真空断熱材22,25のように、使用環境やアプリケーションに対する適合性に応じて任意の形状が選定できる。
次に、この真空断熱材20,22,25の製造方法の一例について説明する。
まず、実施の形態1と同様の方法で、多芯真空断熱材を作製する。多芯真空断熱材において、外被材の熱溶着部分を、芯材11との間に所定幅の熱溶着部が残存するようにトムソンやカッター等を用いて切断することで、所定の真空断熱材20,22,25が作製できる。
よって、真空断熱材の芯材外周部の熱溶着部により構成される周縁部は小さくなり、かつ任意の形状を有する真空断熱材が作製できる。また、このように略同一平面上に複数の芯材を互いに離間して配置する多芯真空断熱材を製造し、その後、多芯真空断熱材から所定の真空断熱材を順次切り離すことで、一回の減圧操作で、多数の真空断熱材、或いは大きさや形の異なる複数の真空断熱材を効率的に作製することができる。
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3における真空断熱材について説明するが、実施の形態1または2と同一構成については同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図7と図8は、本発明の実施の形態3における真空断熱材の平面図である。
本実施の形態の真空断熱材30と真空断熱材35は、粉体の圧縮成形体からなる厚さ2mmの板状の芯材を所定のトムソンを用いて切り抜いた四角形と円形の組み合わせからなる所定形状を有し、1乃至2箇所の貫通孔33,36を有する芯材31a,31bを、それぞれガスバリア性の外被材12a,12bで覆い外被材12a,12bの内部を減圧して成り、芯材31a,31bの周囲に沿うように熱溶着部32aを形成したものである。この時、熱溶着部32aは芯材の周縁部に3mmの幅で残るように切断し、真空断熱材30および真空断熱材35を形成している。
ここで、図7に示す真空断熱材30には、貫通孔33が形成されているが、この貫通孔33の内周部においても芯材形状に沿うように熱溶着部32bが設けられている。この時、熱溶着部32bは外周と同様に芯材31aとの間に幅3mmが残るように切断され、貫通孔33を有する真空断熱材30を形成している。
一方、図8に示す真空断熱材35には、芯材31bに円形の貫通孔36を2個有するが、この貫通孔36に位置する外被材12bには孔が設けられておらず、熱溶着層同士が熱溶着した外被材がそのまま残っている。
これらの結果、真空断熱材30と真空断熱材35は、芯材31a,31bが四角形と円形の組み合わせからなり、適用するアプリケーションの形状に適合した複雑な形状であるが、芯材形状に沿うように熱溶着部32a,32bが形成されるため、略芯材形状の真空断熱材が容易に作製できる。
また、図7に示す真空断熱材30は貫通孔33を有するため、断熱を必要とする部位にリブやその他部品等の突起部が存在する場合にも、貫通孔33にてそれをさけることで効率良く真空断熱材30を適用することができる。
図8に示す真空断熱材35は、芯材31bの貫通孔36の部分において、外被材12bの間に芯材31bを含まず、かつ、熱溶着層同士が熱溶着した外被材12bを有するため、この部位をビス等で固定することができ、真空断熱材35を容易に固定配設することができ、優れた取付け性を有するものになる。
このように、断熱を必要とする機器の形状に応じて任意形状を有する真空断熱材を成形することができるため、アプリケーションに対する適合性が飛躍的に拡大する。
なお、本実施の形態では厚さ2mmの板状の芯材を適用しており、真空断熱材の厚さは2.1mmを超えない程度であるが、真空断熱材の厚さが5mmを超えるような場合、芯材の存在しない周縁部はしわなどの不具合が発生しやすくなり、厚さが10mmを超えると芯材形状に沿うように熱溶着部を形成できず、芯材と熱溶着部の間に芯材を含まない非溶着部が形成されるようになる。
これは、真空断熱材の芯材厚さが大きくなるほど、熱溶着時に弾性体からなる熱板が芯材形状に追従しなくなったり、厚みに起因する外被材の余り分をきれいに処理できなくなったりするためである。
一方、真空断熱材の厚さが0.5mmを下回る場合は、内部の芯材厚さが充分に確保できず、優れた断熱性能が確保することが困難になる。ただし、スペースが極薄い中で、必要な断熱性能が小さいのであれば適用することは不可能ではない。
(実施の形態4)
以下、本発明の実施の形態4における真空断熱材について説明するが、実施の形態1または2と同一構成については同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図9は、本発明の実施の形態4における真空断熱材の平面図、図10は図9のB−B線断面図である。
本実施の形態の真空断熱材40は、粉体の圧縮成形体からなる厚さ1mmの板状の芯材を所定のトムソンを用いて切り抜いた所定形状を有する2枚の芯材41を、ガスバリア性の外被材12で覆い外被材12の内部を減圧して成り、芯材41の周囲に沿うように熱溶着部分を設け、芯材41の周縁部に所定幅の熱溶着部42が残るように溶断して真空断熱材40を形成している。
また、真空断熱材40は、熱溶着部分の溶断時において、そのコーナー部43を円形に溶断している。これにより、真空断熱材40は、コーナー部43のフィルムエッジ部にて、他の真空断熱材や、適用するアプリケーションのハーネス等を傷つけることがなく、その取り扱い性が大幅に改善する。更に、溶断部が内向きのL型となる内向きコーナー部分44についても円形とすることで、L型コーナー部を起因とするクラックの発生が抑制され、その取り扱い性、および真空断熱材40の信頼性が大幅に改善される。
更には、真空断熱材40は、熱溶着部分が溶断により切断されていることから、溶断部45は、その断面が略円形状態になって丸みを帯び、他の真空断熱材や適用するアプリケーションのハーネス等に対する傷つけ防止を図ることができる。
また、熱溶着部分を溶断すると外被材12を構成するラミネートフィルム最外層の樹脂が溶融し、溶融樹脂が少なくとも溶断断面の一部を被覆することから、外被材端面から経時的に侵入する侵入ガスを低減することができる。
本実施の形態の真空断熱材40における侵入ガス量を実験的に算出した結果、溶断せずにトムソンにて切り出したものと比較して、外被材端面部から侵入する侵入ガス量は約10%低減することが確認できた。
(実施の形態5)
図11は本発明の真空断熱材の実施の形態5を示す平面図、図12は図11のC−C線断面図である。
本実施の形態の真空断熱材50は、16個の略正八角形に成型されたガラス繊維からなる厚さ5mm前後の芯材51をガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、この16個の芯材51は、隣接する芯材51の間に位置する部分で、芯材51の八角形の各辺に平行に、縦、横、斜めの4方向の折曲線50a,50b,50c,50dを形成できるように、格子状に、縦(横)方向に隣接する芯材51と横(縦)の辺が対向するように、且つ、互いに略八角形の芯材51の一辺の長さに芯材51を覆う外被材52の厚みの4倍の大きさを加えた大きさより若干大きい所定間隔離して配置されており、この16個の芯材51のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材51の周囲に外被材52の熱溶着部53が設けられているものである。
外被材52としては、アルミ蒸着層またはアルミ箔層を中間層に有するラミネートフィルムを使用できる。また、芯材51は、シート状のガラス繊維を重ねて多層化したものでもよい。
本実施の形態の真空断熱材50は、隣接する芯材51の間に位置する外被材52の熱溶着部53で、縦方向、横方向、縦または横に対して45度の斜め方向の4方向に曲げることができるが、縦と横方向は、斜め方向より曲げやすい。
以上のように本実施の形態の真空断熱材50は、複数の略正八角形の芯材51をガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、複数の芯材51は、隣接する芯材の間に位置する部分で4方向の折曲線50a,50b,50c,50dを形成できるように格子状に互いに所定間隔離して配置されており、複数の芯材51のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材51の周囲に外被材52の熱溶着部53が設けられているので、4方向に真空断熱材50を折り曲げることができ、そのため従来の真空断熱材よりも適用する対象物の形状に制限が少なく、用途が広い。
また、特定の芯材51が入った空間の真空度が低下することが起きても、他の芯材51が入った空間の真空度まで低下することはなく、断熱性能の低下を最小限に抑えることができる。
本実施の形態では、真空断熱材50の外周部に位置する外被材52と隣接する芯材51の間に位置する部分の外被材52がすべて熱溶着されているので、熱溶着部53の幅が広く、そのため熱溶着部53を通して各芯材51が入った空間の真空度が低下する可能性をかなり低くできる。
また、芯材51の形状を、略正八角形にしたので、4方向に折り曲げ可能な真空断熱材としては、芯材51の占める面積の割合が大きいため、比較的断熱性能が高い。したがって、柔軟性と断熱性能のバランスが良い。
なお、本実施の形態の真空断熱材50は、縦横方向にそれぞれ4つの芯材51が並ぶものであったが、これに限定するものではない。
また、真空断熱材50の適用時は、必要な大きさ、形に切断して使用することができるが、切断時は、断熱性能の低下を最小限に止めるために、外被材52の熱溶着部53の部分を切断することが好ましい。
(実施の形態6)
以下、本発明の実施の形態6の真空断熱材について説明するが、実施の形態5と同一構成については、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図13は本発明の真空断熱材の実施の形態6を示す平面図である。
本実施の形態の真空断熱材60は、13個の略正八角形に成型されたガラス繊維からなる厚さ5mm前後の芯材51をガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、この13個の芯材51は、隣接する芯材51の間に位置する部分で、芯材51の八角形の各辺に平行に、縦、横、斜めの4方向の折曲線60a,60b,60c,60dを形成できるように、千鳥状に、斜め45度方向に隣接する芯材51と斜めの辺が対向するように、且つ、互いに略八角形の芯材51の一辺の長さに芯材51を覆う外被材52の厚みの4倍の大きさを加えた大きさより若干大きい所定間隔離して配置されており、この13個の芯材51のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材51の周囲に外被材52の熱溶着部53が設けられているものである。
本実施の形態の真空断熱材60は、隣接する芯材51の間に位置する外被材52の熱溶着部53で、縦方向、横方向、縦または横に対して45度の斜め方向の4方向に曲げることができるが、斜め方向は、縦または横方向より曲げやすい。
以上のように本実施の形態の真空断熱材60は、複数の略正八角形の芯材51をガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、複数の芯材51は、隣接する芯材の間に位置する部分で4方向の折曲線60a,60b,60c,60dを形成できるように千鳥状に互いに所定間隔離して配置されており、複数の芯材51のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材51の周囲に外被材52の熱溶着部53が設けられているので、4方向に真空断熱材60を折り曲げることができ、そのため従来の真空断熱材よりも適用する対象物の形状に制限が少なく、用途が広い。
また、特定の芯材51が入った空間の真空度が低下することが起きても、他の芯材51が入った空間の真空度まで低下することはなく、断熱性能の低下を最小限に抑えることができる。
本実施の形態では、真空断熱材50の外周部に位置する外被材52と隣接する芯材51の間に位置する部分の外被材52がすべて熱溶着されているので、熱溶着部53の幅が広く、そのため熱溶着部53を通して各芯材51が入った空間の真空度が低下する可能性をかなり低くできる。
また、芯材51の形状を、略正八角形にしたので、4方向に折り曲げ可能な真空断熱材としては、芯材51の占める面積の割合が大きいため、比較的断熱性能が高い。したがって、柔軟性と断熱性能のバランスが良い。
なお、本実施の形態の真空断熱材60は、13個の芯材51が千鳥状に並ぶものであったが、これに限定するものではない。
また、真空断熱材60の適用時は、必要な大きさ、形に切断して使用することができるが、切断時は、断熱性能の低下を最小限に止めるために、外被材52の熱溶着部53の部分を切断することが好ましい。
(実施の形態7)
以下、本発明の実施の形態7の真空断熱材について説明するが、実施の形態5と同一構成については、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図14は本発明の真空断熱材の実施の形態7を示す平面図、図15は図14のD−D線断面図である。
本実施の形態の真空断熱材70は、16個の略正八角形に成型されたガラス繊維からなる厚さ5mm前後の芯材51をガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、この16個の芯材51は、隣接する芯材51の間に位置する部分で、芯材51の八角形の各辺に平行に、縦、横、斜めの4方向の折曲線を形成できるように、格子状に、縦(横)方向に隣接する芯材51と横(縦)の辺が対向するように、且つ、互いに略八角形の芯材51の一辺の長さに芯材51を覆う外被材52の厚みの4倍の大きさを加えた大きさより若干大きい所定間隔離して配置されており、この16個の芯材51のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材51の周囲に外被材52の熱溶着部73が設けられ、隣接する芯材51の間で、且つ、熱溶着部73を間に挟んで芯材51の外周側に、外被材52が熱溶着されていない非熱溶着部74を有するものである。
本実施の形態の真空断熱材70は、隣接する芯材51の間に位置する外被材52の部分で、縦方向、横方向、縦または横に対して45度の斜め方向の4方向に曲げることができるが、縦と横方向は、斜め方向より曲げやすい。
以上のように本実施の形態の真空断熱材70は、複数の略正八角形の芯材51をガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、複数の芯材51は、隣接する芯材の間に位置する部分で4方向の折曲線を形成できるように格子状に互いに所定間隔離して配置されており、複数の芯材51のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材51の周囲に外被材52の熱溶着部73が設けられているので、4方向に真空断熱材70を折り曲げることができ、そのため従来の真空断熱材よりも適用する対象物の形状に制限が少なく、用途が広い。
また、特定の芯材51が入った空間の真空度が低下することが起きても、他の芯材51が入った空間の真空度まで低下することはなく、断熱性能の低下を最小限に抑えることができる。
また、隣接する芯材51の間で、且つ、熱溶着部73を間に挟んで芯材51の外周側に、外被材52が熱溶着されていない非熱溶着部74を有するので、熱溶着部73をパターン化しやすいので、溶着装置の小型化、簡略化が可能になり、溶着作業が容易に行える。
また、芯材51の形状を、略正八角形にしたので、4方向に折り曲げ可能な真空断熱材としては、芯材51の占める面積の割合が大きいため、比較的断熱性能が高い。したがって、柔軟性と断熱性能のバランスが良い。
なお、本実施の形態の真空断熱材70は、縦横方向にそれぞれ4つの芯材51が並ぶものであったが、これに限定するものではない。
なお、図16に示す本実施の形態の変形例の真空断熱材70aのように、芯材51の周囲に設けられる外被材52の熱溶着部73aは、芯材51のそれぞれに対して独立して設けられる、芯材51を囲む略正八角形のドーナツ形とし、熱溶着部73a以外の部分の外被材52を非熱溶着部74aとしても構わない。
また、真空断熱材70の適用時は、必要な大きさ、形に切断して使用することができるが、切断時は、断熱性能の低下を最小限に止めるために、外被材52の熱溶着部73または非熱溶着部74の部分を切断することが好ましい。
なお、図16に示す本実施の形態の変形例の真空断熱材70aの切断時は、断熱性能の低下を最小限に止めるために、外被材52の非熱溶着部74aの部分を切断することが好ましい。
(実施の形態8)
以下、本発明の実施の形態8の真空断熱材について説明するが、実施の形態5と同一構成については、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図17は本発明の真空断熱材の実施の形態8を示す平面図、図18は図17のE−E線断面図である。
本実施の形態の真空断熱材80は、16個の略正八角形に成型されたガラス繊維からなる厚さ5mm前後の芯材51をガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、この16個の芯材51は、隣接する芯材51の間に位置する部分で、芯材51の八角形の各辺に平行に、縦、横、斜めの4方向の折曲線を形成できるように、格子状に、縦(横)方向に隣接する芯材51と横(縦)の辺が対向するように、且つ、互いに略八角形の芯材51の一辺の長さに芯材51を覆う外被材52の厚みの4倍の大きさを加えた大きさより若干大きい所定間隔離して配置されており、この16個の芯材51のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材51の周囲に外被材52の熱溶着部83が設けられ、さらに、隣接する芯材51との間に所定幅の熱溶着部83が残るように、外被材52に円形の孔84を設けたものである。
本実施の形態の真空断熱材80は、隣接する芯材51の間に位置する外被材52の熱溶着部83で、縦方向、横方向、縦または横に対して45度の斜め方向の4方向に曲げることができるが、縦と横方向は、斜め方向より曲げやすい。
以上のように本実施の形態の真空断熱材80は、複数の略正八角形の芯材51をガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、複数の芯材51は、隣接する芯材の間に位置する部分で4方向の折曲線を形成できるように格子状に互いに所定間隔離して配置されており、複数の芯材51のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材51の周囲に外被材52の熱溶着部83が設けられているので、4方向に真空断熱材80を折り曲げることができ、そのため従来の真空断熱材よりも適用する対象物の形状に制限が少なく、用途が広い。
また、特定の芯材51が入った空間の真空度が低下することが起きても、他の芯材51が入った空間の真空度まで低下することはなく、断熱性能の低下を最小限に抑えることができる。
本実施の形態では、真空断熱材80の外周部に位置する外被材52と隣接する芯材51の間に位置する部分の外被材52がすべて熱溶着されているので、熱溶着部83の幅が広く、そのため熱溶着部83を通して各芯材51が入った空間の真空度が低下する可能性をかなり低くできる。
また、芯材51の形状を、略正八角形にしたので、4方向に折り曲げ可能な真空断熱材としては、芯材51の占める面積の割合が大きいため、比較的断熱性能が高い。したがって、柔軟性と断熱性能のバランスが良い。
また、本実施の形態の真空断熱材80は、隣接する芯材51との間に所定幅の熱溶着部83が残るように、外被材52に孔84を設けたものであり、真空断熱材80における断熱性能の低下の影響が少ない部分に孔84があいているので、真空断熱材80の一方の面から他方の面に、空気や水を排出する必要がある用途や、適用箇所の都合上、物(例えば、管などの部品)を通す必要がある用途や、真空断熱材80と発泡断熱材と組み合わせた複合断熱材において、製造の都合上、真空断熱材の一方の面から他方の面に、発泡断熱材を流す必要がある所にも適用できる。例えば、この真空断熱材80を衣類に設けて防寒具とした場合は、この孔84から、汗の蒸気を外部に放出することができ、防寒具の内側が蒸れず快適である。
なお、本実施の形態の真空断熱材80は、縦横方向にそれぞれ4つの芯材51が並ぶものであったが、これに限定するものではない。
また、真空断熱材80の適用時は、必要な大きさ、形に切断して使用することができるが、切断時は、断熱性能の低下を最小限に止めるために、外被材52の熱溶着部83の部分を切断することが好ましい。
(実施の形態9)
以下、本発明の実施の形態9の真空断熱材について説明するが、実施の形態5または3と同一構成については、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図19は本発明の真空断熱材の実施の形態9を示す平面図、図20は図19のF−F線断面図である。
本実施の形態の真空断熱材90は、16個の略正八角形に成型されたガラス繊維からなる厚さ5mm前後の芯材51をガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、この16個の芯材51は、隣接する芯材51の間に位置する部分で、芯材51の八角形の各辺に平行に、縦、横、斜めの4方向の折曲線を形成できるように、格子状に、縦(横)方向に隣接する芯材51と横(縦)の辺が対向するように、且つ、互いに略八角形の芯材51の一辺の長さに芯材51を覆う外被材52の厚みの4倍の大きさを加えた大きさより若干大きい所定間隔離して配置されており、この16個の芯材51のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材51の周囲に外被材52の熱溶着部93が設けられ、且つ、隣接する芯材51の間で、且つ、熱溶着部93を間に挟んで芯材51の外周側に、外被材52が熱溶着されていない非熱溶着部95を有し、隣接する芯材51との間に所定幅の熱溶着部93が残るように、外被材52の非熱溶着部95に孔94を設けたものである。
本実施の形態の真空断熱材90は、隣接する芯材51の間に位置する外被材52の部分で、縦方向、横方向、縦または横に対して45度の斜め方向の4方向に曲げることができるが、縦と横方向は、斜め方向より曲げやすい。
以上のように本実施の形態の真空断熱材90は、複数の略正八角形の芯材51をガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、複数の芯材51は、隣接する芯材の間に位置する部分で4方向の折曲線を形成できるように格子状に互いに所定間隔離して配置されており、複数の芯材51のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材51の周囲に外被材52の熱溶着部93が設けられているので、4方向に真空断熱材90を折り曲げることができ、そのため従来の真空断熱材よりも適用する対象物の形状に制限が少なく、用途が広い。
また、特定の芯材51が入った空間の真空度が低下することが起きても、他の芯材51が入った空間の真空度まで低下することはなく、断熱性能の低下を最小限に抑えることができる。
また、隣接する芯材51の間で、且つ、熱溶着部93を間に挟んで芯材51の外周側に、外被材52が熱溶着されていない非熱溶着部95を有するので、熱溶着部93をパターン化しやすいので、溶着装置の小型化、簡略化が可能になり、溶着作業が容易に行える。
また、芯材51の形状を、略正八角形にしたので、4方向に折り曲げ可能な真空断熱材としては、芯材51の占める面積の割合が大きいため、比較的断熱性能が高い。したがって、柔軟性と断熱性能のバランスが良い。
また、本実施の形態の真空断熱材90は、隣接する芯材51との間に所定幅の熱溶着部93が残るように、外被材52に孔94を設けたものであり、真空断熱材90における断熱性能の低下の影響が少ない部分に孔94があいているので、真空断熱材90の一方の面から他方の面に、空気や水を排出する必要がある用途や、適用箇所の都合上、物(例えば、管などの部品)を通す必要がある用途や、真空断熱材90と発泡断熱材と組み合わせた複合断熱材において、製造の都合上、真空断熱材の一方の面から他方の面に発泡断熱材を流す必要がある所にも適用できる。例えば、この真空断熱材90を衣類に設けて防寒具とした場合は、この孔94から、汗の蒸気を外部に放出することができ、防寒具の内側が蒸れず快適である。
なお、本実施の形態の真空断熱材90は、縦横方向にそれぞれ4つの芯材51が並ぶものであったが、これに限定するものではない。
また、芯材51の周囲に設けられる外被材52の熱溶着部93は、芯材51のそれぞれに対して独立して設けられる、芯材51を囲む略正八角形のドーナツ形であっても構わない。
また、孔94の縁は、外被材52の密封性向上のため、熱溶着されていることが好ましく、孔94を取付け等に利用する場合は、孔94の縁から外被材52が破損しないように、孔94の縁を補強することが好ましい。
また、真空断熱材90の適用時は、必要な大きさ、形に切断して使用することができるが、切断時は、断熱性能の低下を最小限に止めるために、外被材52の熱溶着部93または非熱溶着部95の部分を切断することが好ましい。
(実施の形態10)
以下、本発明の実施の形態10の真空断熱材について説明するが、実施の形態5と同一構成については、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図21は本発明の真空断熱材の実施の形態10を示す平面図、図22は図21のG−G線断面図である。
本実施の形態の真空断熱材100は、16個の略正八角形に成型されたガラス繊維からなる厚さ5mm前後の芯材51を熱可塑性樹脂からなるシート部材104の片面に接着固定した状態でガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、この16個の芯材51は、隣接する芯材51の間に位置する部分で、芯材51の八角形の各辺に平行に、縦、横、斜めの4方向の折曲線を形成できるように、格子状に、縦(横)方向に隣接する芯材51と横(縦)の辺が対向するように、且つ、互いに略八角形の芯材51の一辺の長さに芯材51を覆う外被材52の厚みの4倍の大きさを加えた大きさより若干大きい所定間隔離して配置されており、この16個の芯材51のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材51の周囲に外被材52の熱溶着部103が設けられ、熱溶着部103では外被材52とシート部材104が熱溶着されているものである。
本実施の形態の真空断熱材100は、隣接する芯材51の間に位置する外被材52の熱溶着部103で、縦方向、横方向、縦または横に対して45度の斜め方向の4方向に曲げることができるが、縦と横方向は、斜め方向より曲げやすい。
以上のように本実施の形態の真空断熱材100は、複数の略正八角形の芯材51を熱可塑性樹脂からなるシート部材104の片面に接着固定した状態でガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、複数の芯材51は、隣接する芯材の間に位置する部分で4方向の折曲線を形成できるように格子状に互いに所定間隔離して配置されており、複数の芯材51のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材51の周囲に外被材52の熱溶着部103が設けられているので、4方向に真空断熱材100を折り曲げることができ、そのため従来の真空断熱材よりも適用する対象物の形状に制限が少なく、用途が広い。
また、本実施の形態の真空断熱材100は、複数の芯材51をシート部材104の片面の所定位置に接着固定した後、その複数の芯材51を接着固定したシート部材104を、一端が開口した袋状に形成された外被材52の中に挿入し、減圧下で外被材52の開口部を封止することにより製造できるので、複数の芯材51を所定位置に固定しやすく真空断熱材100の製造が容易である。
また、シート部材104が熱可塑性樹脂からなるので、外被材52における隣接する芯材51の間の部分を熱溶着した時に、外被材52と一緒にシート部材104を熱溶着することができるので、複数の芯材51を所定位置に固定するためにシート部材104を用いた場合であっても、複数の芯材51のそれぞれを独立した空間内に位置させることができる。
また、特定の芯材51が入った空間の真空度が低下することが起きても、他の芯材51が入った空間の真空度まで低下することはなく、断熱性能の低下を最小限に抑えることができる。
本実施の形態では、真空断熱材100の外周部に位置する外被材52と隣接する芯材51の間に位置する部分の外被材52がすべて熱溶着されているので、熱溶着部103の幅が広く、そのため熱溶着部103を通して各芯材51が入った空間の真空度が低下する可能性をかなり低くできる。
また、芯材51の形状を、略正八角形にしたので、4方向に折り曲げ可能な真空断熱材としては、芯材51の占める面積の割合が大きいため、比較的断熱性能が高い。したがって、柔軟性と断熱性能のバランスが良い。
なお、本実施の形態の真空断熱材100は、縦横方向にそれぞれ4つの芯材51が並ぶものであったが、これに限定するものではない。
また、芯材51をシート部材114の両面に対向するように接着固定しても構わない。
また、真空断熱材100の適用時は、必要な大きさ、形に切断して使用することができるが、切断時は、断熱性能の低下を最小限に止めるために、外被材52の熱溶着部103の部分を切断することが好ましい。
(実施の形態11)
以下、本発明の実施の形態11の真空断熱材について説明するが、実施の形態5と同一構成については、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図23は本発明の真空断熱材の実施の形態11を示す平面図、図24は図23のH−H線断面図である。
本実施の形態の真空断熱材110は、16個の略正八角形に成型されたガラス繊維からなる厚さ5mm前後の芯材51を熱可塑性樹脂からなるシート部材114の片面に接着固定した状態でガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、この16個の芯材51は、隣接する芯材51の間に位置する部分で、芯材51の八角形の各辺に平行に、縦、横、斜めの4方向の折曲線を形成できるように、格子状に、縦(横)方向に隣接する芯材51と横(縦)の辺が対向するように、且つ、互いに略八角形の芯材51の一辺の長さに芯材51を覆う外被材52の厚みの4倍の大きさを加えた大きさより若干大きい所定間隔離して配置されており、この16個の芯材51のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材51の周囲に外被材52の熱溶着部113が設けられ、隣接する芯材51の間で、且つ、熱溶着部113を間に挟んで芯材51の外周側に外被材52が熱溶着されていない非熱溶着部115を有するたものである。
本実施の形態の真空断熱材110は、隣接する芯材51の間に位置する外被材52の部分で、縦方向、横方向、縦または横に対して45度の斜め方向の4方向に曲げることができるが、縦と横方向は、斜め方向より曲げやすい。
以上のように本実施の形態の真空断熱材110は、複数の略正八角形の芯材51を熱可塑性樹脂からなるシート部材114の片面に接着固定した状態でガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、複数の芯材51は、隣接する芯材の間に位置する部分で4方向の折曲線を形成できるように格子状に互いに所定間隔離して配置されており、複数の芯材51のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材51の周囲に外被材52の熱溶着部113が設けられているので、4方向に真空断熱材110を折り曲げることができ、そのため従来の真空断熱材よりも適用する対象物の形状に制限が少なく、用途が広い。
また、本実施の形態の真空断熱材110は、複数の芯材51をシート部材114の片面の所定位置に接着固定した後、その複数の芯材51を接着固定したシート部材114を、一端が開口した袋状に形成された外被材52の中に挿入し、減圧下で外被材52の開口部を封止することにより製造できるので、複数の芯材51を所定位置に固定しやすく真空断熱材110の製造が容易である。
また、シート部材114が熱可塑性樹脂からなるので、外被材52における隣接する芯材51の間の部分を熱溶着した時に、外被材52と一緒にシート部材114を熱溶着することができるので、複数の芯材51を所定位置に固定するためにシート部材114を用いた場合であっても、複数の芯材51のそれぞれを独立した空間内に位置させることができる。
また、特定の芯材51が入った空間の真空度が低下することが起きても、他の芯材51が入った空間の真空度まで低下することはなく、断熱性能の低下を最小限に抑えることができる。
また、隣接する芯材51の間で、且つ、熱溶着部113を間に挟んで芯材51の外周側に、外被材52が熱溶着されていない非熱溶着部115を有するので、熱溶着部113をパターン化しやすいので、溶着装置の小型化、簡略化が可能になり、溶着作業が容易に行える。
また、芯材51の形状を、略正八角形にしたので、4方向に折り曲げ可能な真空断熱材としては、芯材51の占める面積の割合が大きいため、比較的断熱性能が高い。したがって、柔軟性と断熱性能のバランスが良い。
なお、本実施の形態の真空断熱材110は、縦横方向にそれぞれ4つの芯材51が並ぶものであったが、これに限定するものではない。
また、芯材51の周囲に設けられる外被材52の熱溶着部113は、芯材51のそれぞれに対して独立して設けられる、芯材51を囲む略正八角形のドーナツ形であっても構わない。
また、芯材51をシート部材114の両面に対向するように接着固定しても構わない。
また、真空断熱材110の適用時は、必要な大きさ、形に切断して使用することができるが、切断時は、断熱性能の低下を最小限に止めるために、外被材52の熱溶着部113または非熱溶着部115の部分を切断することが好ましい。
(実施の形態12)
以下、本発明の実施の形態12の真空断熱材について説明するが、実施の形態5と同一構成については、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図25は本発明の真空断熱材の実施の形態12を示す平面図、図26は図25のI−I線断面図である。
本実施の形態の真空断熱材120は、16個の略正八角形に成型されたガラス繊維からなる厚さ5mm前後の芯材51を熱可塑性樹脂からなるシート部材124の片面に接着固定した状態でガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、この16個の芯材51は、隣接する芯材51の間に位置する部分で、芯材51の八角形の各辺に平行に、縦、横、斜めの4方向の折曲線を形成できるように、格子状に、縦(横)方向に隣接する芯材51と横(縦)の辺が対向するように、且つ、互いに略八角形の芯材51の一辺の長さに芯材51を覆う外被材52の厚みの4倍の大きさを加えた大きさより若干大きい所定間隔離して配置されており、この16個の芯材51のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材51の周囲に外被材52の熱溶着部123が設けられ、さらに、隣接する芯材51との間に所定幅の熱溶着部123が残るように外被材52に円形の孔125を設けたものである。
本実施の形態の真空断熱材120は、隣接する芯材51の間に位置する外被材52の熱溶着部123で、縦方向、横方向、縦または横に対して45度の斜め方向の4方向に曲げることができるが、縦と横方向は、斜め方向より曲げやすい。
以上のように本実施の形態の真空断熱材120は、複数の略正八角形の芯材51を熱可塑性樹脂からなるシート部材124の片面に接着固定した状態でガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、複数の芯材51は、隣接する芯材の間に位置する部分で4方向の折曲線を形成できるように格子状に互いに所定間隔離して配置されており、複数の芯材51のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材51の周囲に外被材52の熱溶着部123が設けられているので、4方向に真空断熱材120を折り曲げることができ、そのため従来の真空断熱材よりも適用する対象物の形状に制限が少なく、用途が広い。
また、本実施の形態の真空断熱材120は、複数の芯材51をシート部材124の片面の所定位置に接着固定した後、その複数の芯材51を接着固定したシート部材124を、一端が開口した袋状に形成された外被材52の中に挿入し、減圧下で外被材52の開口部を封止することにより製造できるので、複数の芯材51を所定位置に固定しやすく真空断熱材120の製造が容易である。
また、シート部材124が熱可塑性樹脂からなるので、外被材52における隣接する芯材51の間の部分を熱溶着した時に、外被材52と一緒にシート部材124を熱溶着することができるので、複数の芯材51を所定位置に固定するためにシート部材124を用いた場合であっても、複数の芯材51のそれぞれを独立した空間内に位置させることができる。
また、特定の芯材51が入った空間の真空度が低下することが起きても、他の芯材51が入った空間の真空度まで低下することはなく、断熱性能の低下を最小限に抑えることができる。
本実施の形態では、真空断熱材120の外周部に位置する外被材52と隣接する芯材51の間に位置する部分の外被材52がすべて熱溶着されているので、熱溶着部123の幅が広く、そのため熱溶着部123を通して各芯材51が入った空間の真空度が低下する可能性をかなり低くできる。
また、芯材51の形状を、略正八角形にしたので、4方向に折り曲げ可能な真空断熱材としては、芯材51の占める面積の割合が大きいため、比較的断熱性能が高い。したがって、柔軟性と断熱性能のバランスが良い。
また、本実施の形態の真空断熱材120は、隣接する芯材51との間に所定幅の熱溶着部123が残るように、外被材52に孔125を設けたものであり、真空断熱材120における断熱性能の低下の影響が少ない部分に孔125があいているので、真空断熱材120の一方の面から他方の面に、空気や水を排出する必要がある用途や、適用箇所の都合上、物(例えば、管などの部品)を通す必要がある用途や、真空断熱材120と発泡断熱材と組み合わせた複合断熱材において、製造の都合上、真空断熱材の一方の面から他方の面に、発泡断熱材を流す必要がある所にも適用できる。例えば、この真空断熱材120を衣類に設けて防寒具とした場合は、この孔125から、汗の蒸気を外部に放出することができ、防寒具の内側が蒸れず快適である。
なお、本実施の形態の真空断熱材120は、縦横方向にそれぞれ4つの芯材51が並ぶものであったが、これに限定するものではない。
また、真空断熱材120の適用時は、必要な大きさ、形に切断して使用することができるが、切断時は、断熱性能の低下を最小限に止めるために、外被材52の熱溶着部123の部分を切断することが好ましい。
(実施の形態13)
以下、本発明の実施の形態13の真空断熱材について説明するが、実施の形態5と同一構成については、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図27は本発明の真空断熱材の実施の形態13を示す平面図、図28は図27のJ−J線断面図である。
本実施の形態の真空断熱材130は、16個の略正八角形に成型されたガラス繊維からなる厚さ5mm前後の芯材51を熱可塑性樹脂からなるシート部材134の片面に接着固定した状態でガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、この16個の芯材51は、隣接する芯材51の間に位置する部分で、芯材51の八角形の各辺に平行に、縦、横、斜めの4方向の折曲線を形成できるように、格子状に、縦(横)方向に隣接する芯材51と横(縦)の辺が対向するように、且つ、互いに略八角形の芯材51の一辺の長さに芯材51を覆う外被材52の厚みの4倍の大きさを加えた大きさより若干大きい所定間隔離して配置されており、この16個の芯材51のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材51の周囲に外被材52の熱溶着部133が設けられ、且つ、隣接する芯材51の間で、且つ、熱溶着部133を間に挟んで芯材51の外周側に、外被材52が熱溶着されていない非熱溶着部136を有し、且つ、隣接する芯材51との間に所定幅の熱溶着部133が残るように外被材52の非熱溶着部136に孔135を設けたものである。
本実施の形態の真空断熱材130は、隣接する芯材51の間に位置する外被材52の部分で、縦方向、横方向、縦または横に対して45度の斜め方向の4方向に曲げることができるが、縦と横方向は、斜め方向より曲げやすい。
以上のように本実施の形態の真空断熱材130は、複数の略正八角形の芯材51を熱可塑性樹脂からなるシート部材134の片面に接着固定した状態でガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、複数の芯材51は、隣接する芯材の間に位置する部分で4方向の折曲線を形成できるように格子状に互いに所定間隔離して配置されており、複数の芯材51のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材51の周囲に外被材52の熱溶着部133が設けられているので、4方向に真空断熱材130を折り曲げることができ、そのため従来の真空断熱材よりも適用する対象物の形状に制限が少なく、用途が広い。
また、本実施の形態の真空断熱材130は、複数の芯材51をシート部材134の片面の所定位置に接着固定した後、その複数の芯材51を接着固定したシート部材134を、一端が開口した袋状に形成された外被材52の中に挿入し、減圧下で外被材52の開口部を封止することにより製造できるので、複数の芯材51を所定位置に固定しやすく真空断熱材130の製造が容易である。
また、シート部材134が熱可塑性樹脂からなるので、外被材52における隣接する芯材51の間の部分を熱溶着した時に、外被材52と一緒にシート部材134を熱溶着することができるので、複数の芯材51を所定位置に固定するためにシート部材134を用いた場合であっても、複数の芯材51のそれぞれを独立した空間内に位置させることができる。
また、特定の芯材51が入った空間の真空度が低下することが起きても、他の芯材51が入った空間の真空度まで低下することはなく、断熱性能の低下を最小限に抑えることができる。
また、隣接する芯材51の間で、且つ、熱溶着部133を間に挟んで芯材51の外周側に、外被材52が熱溶着されていない非熱溶着部136を有するので、熱溶着部133をパターン化しやすいので、溶着装置の小型化、簡略化が可能になり、溶着作業が容易に行える。
また、芯材51の形状を、略正八角形にしたので、4方向に折り曲げ可能な真空断熱材としては、芯材51の占める面積の割合が大きいため、比較的断熱性能が高い。したがって、柔軟性と断熱性能のバランスが良い。
また、本実施の形態の真空断熱材130は、隣接する芯材51との間に所定幅の熱溶着部133が残るように、外被材52に孔135を設けたものであり、真空断熱材130における断熱性能の低下の影響が少ない部分に孔135があいているので、真空断熱材130の一方の面から他方の面に、空気や水を排出する必要がある用途や、適用箇所の都合上、物(例えば、管などの部品)を通す必要がある用途や、真空断熱材130と発泡断熱材と組み合わせた複合断熱材において、製造の都合上、真空断熱材の一方の面から他方の面に、発泡断熱材を流す必要がある所にも適用できる。例えば、この真空断熱材130を衣類に設けて防寒具とした場合は、この孔135から、汗の蒸気を外部に放出することができ、防寒具の内側が蒸れず快適である。
なお、本実施の形態の真空断熱材130は、縦横方向にそれぞれ4つの芯材51が並ぶものであったが、これに限定するものではない。
また、芯材51の周囲に設けられる外被材52の熱溶着部133は、芯材51のそれぞれに対して独立して設けられる、芯材51を囲む略正八角形のドーナツ形であっても構わない。
また、孔135の縁は、外被材52の密封性向上のため、熱溶着されていることが好ましく、孔135を取付け等に利用する場合は、孔135の縁から外被材52が破損しないように、孔135の縁を補強することが好ましい。
また、真空断熱材130の適用時は、必要な大きさ、形に切断して使用することができるが、切断時は、断熱性能の低下を最小限に止めるために、外被材52の熱溶着部133または非熱溶着部136の部分を切断することが好ましい。
(実施の形態14)
以下、本発明の実施の形態14の真空断熱材について説明するが、実施の形態5と同一構成については、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図29は本発明の真空断熱材の実施の形態14を示す平面図である。
本実施の形態の真空断熱材140は、16個の略正六角形に成型されたガラス繊維からなる厚さ5mm前後の芯材141をガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、この16個の芯材141は、2つの辺が横方向に平行になるように配置され、隣接する芯材141の間に位置する部分で、芯材141の六角形の各辺に垂直に、縦と、縦に対して左右60度の斜めの3方向の折曲線140a,140b,140cを形成できるように、千鳥状(蜂の巣状)に、隣接する芯材141と辺が対向するように、且つ、互いに略六角形の芯材141の一辺の長さの約0.87倍に芯材141を覆う外被材52の厚みの4倍の大きさを加えた大きさより若干大きい所定間隔離して配置されており、この16個の芯材141のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材141の周囲に略正六角形のドーナツ状の外被材52の熱溶着部143が設けられているものである。
本実施の形態の真空断熱材140は、隣接する芯材141の間に位置する外被材52の熱溶着部143で、縦方向と、縦に対して左右60度の斜め方向の3方向に曲げることができる。
以上のように本実施の形態の真空断熱材140は、複数の略正六角形の芯材141をガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、複数の芯材141は、隣接する芯材141の間に位置する部分で3方向の折曲線140a,140b,140cを形成できるように千鳥状に互いに所定間隔離して配置されており、複数の芯材141のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材141の周囲に略正六角形のドーナツ状の外被材52の熱溶着部143が設けられているので、3方向に真空断熱材140を折り曲げることができ、そのため従来の真空断熱材よりも適用する対象物の形状に制限が少なく、用途が広い。
また、特定の芯材141が入った空間の真空度が低下することが起きても、他の芯材141が入った空間の真空度まで低下することはなく、断熱性能の低下を最小限に抑えることができる。
本実施の形態では、真空断熱材140の外周部に位置する外被材52と隣接する芯材141の間に位置する部分の外被材52がすべて熱溶着されているので、熱溶着部143の幅が広く、そのため熱溶着部143を通して各芯材141が入った空間の真空度が低下する可能性をかなり低くできる。
また、熱溶着部143を、略正六角形のドーナツ状パターンの繰り返し、または蜂の巣状にパターン化しやすいので、溶着装置の小型化、簡略化が可能になり、溶着作業が容易に行える。
なお、複数の略正六角形の芯材141は、熱可塑性樹脂からなるシート部材の片面に接着固定した状態でガスバリア性の外被材52で覆っても構わない。
また、真空断熱材140の適用時は、必要な大きさ、形に切断して使用することができるが、切断時は、断熱性能の低下を最小限に止めるために、外被材52の熱溶着部143の部分を切断することが好ましい。
(実施の形態15)
以下、本発明の実施の形態15の真空断熱材について説明するが、実施の形態5と同一構成については、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図30は本発明の真空断熱材の実施の形態15を示す平面図である。
本実施の形態の真空断熱材150は、16個の略正六角形に成型されたガラス繊維からなる厚さ5mm前後の芯材151をガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、この16個の芯材151は、2つの辺が縦方向に平行になるように配置され、隣接する芯材151の間に位置する部分で、芯材151の六角形の各辺に平行に、縦と、縦に対して左右60度の斜めの3方向の折曲線150a,150b,150cを形成できるように、千鳥状に、隣接する芯材151と角が対向するように、所定間隔離して配置されており、この16個の芯材151のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材151の周囲に外被材52の熱溶着部153が設けられ、さらに、隣接する芯材151との間に所定幅の熱溶着部153が残るように、隣接する3つの芯材151の間に位置する外被材52の熱溶着部153に円形の孔154を有するものである。
本実施の形態の真空断熱材150は、隣接する芯材151の間に位置する外被材52の熱溶着部153で、縦方向と、縦に対して左右60度の斜め方向の3方向に曲げることができる。
以上のように本実施の形態の真空断熱材150は、複数の略正六角形の芯材151をガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、複数の芯材151は、隣接する芯材151の間に位置する部分で3方向の折曲線150a,150b,150cを形成できるように千鳥状に互いに所定間隔離して配置されており、複数の芯材151のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材151の周囲に外被材52の熱溶着部153が設けられているので、3方向に真空断熱材150を折り曲げることができ、そのため従来の真空断熱材よりも適用する対象物の形状に制限が少なく、用途が広い。
また、特定の芯材151が入った空間の真空度が低下することが起きても、他の芯材151が入った空間の真空度まで低下することはなく、断熱性能の低下を最小限に抑えることができる。
本実施の形態では、真空断熱材150の外周部に位置する外被材52と隣接する芯材151の間に位置する部分の外被材52がすべて熱溶着されているので、熱溶着部153の幅が広く、そのため熱溶着部153を通して各芯材151が入った空間の真空度が低下する可能性をかなり低くできる。
本実施の形態は、16個の芯材151を、2つの辺が縦方向に平行になるように配置し、隣接する芯材151の間に位置する部分で、芯材151の六角形の各辺に平行に、縦と、縦に対して左右60度の斜めの3方向の折曲線150a,150b,150cを形成できるように、千鳥状に、隣接する芯材151と角が対向するように、所定間隔離して配置したので、実施の形態14の配置(2つの辺が横方向に平行になるように配置し、隣接する芯材の間に位置する部分で、芯材の六角形の各辺に垂直に、縦と、縦に対して左右60度の斜めの3方向以上の折曲線を形成できるように、千鳥状に、隣接する芯材と辺が対向するように、所定間隔離して配置)よりも、芯材151の間隔を狭くして、芯材151の占める面積の割合を大きくできるため、比較的断熱性能を高くできる。
また、本実施の形態の真空断熱材150は、隣接する芯材151との間に所定幅の熱溶着部153が残るように、外被材52に孔154を設けたものであり、真空断熱材150における断熱性能の低下の影響が少ない部分に孔154があいているので、真空断熱材150の一方の面から他方の面に、空気や水を排出する必要がある用途や、適用箇所の都合上、物(例えば、管などの部品)を通す必要がある用途や、真空断熱材150と発泡断熱材と組み合わせた複合断熱材において、製造の都合上、真空断熱材の一方の面から他方の面に発泡断熱材を流す必要がある所にも適用できる。例えば、この真空断熱材150を衣類に設けて防寒具とした場合は、この孔154から、汗の蒸気を外部に放出することができ、防寒具の内側が蒸れず快適である。
また、本実施の形態は、実施の形態8のように、複数の略正八角形の芯材を格子状に配置し隣接する4つの芯材の間に位置する外被材52の熱溶着部に孔を設ける場合よりも、孔154の数を多くできる。
なお、複数の略正六角形の芯材151は、熱可塑性樹脂からなるシート部材の片面に接着固定した状態でガスバリア性の外被材52で覆っても構わない。
また、真空断熱材150の適用時は、必要な大きさ、形に切断して使用することができるが、切断時は、断熱性能の低下を最小限に止めるために、外被材52の熱溶着部153の部分を切断することが好ましい。
(実施の形態16)
以下、本発明の実施の形態16の真空断熱材について説明するが、実施の形態5と同一構成については、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図31は本発明の真空断熱材の実施の形態16を示す平面図である。
本実施の形態の真空断熱材160は、28個の略正六角形に成型されたガラス繊維からなる厚さ5mm前後の芯材161をガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、この28個の芯材161は、2つの辺が縦方向に平行になるように配置され、隣接する芯材161の間に位置する部分で、芯材161の六角形の各辺に平行に、縦と、縦に対して左右60度の斜めの3方向の折曲線160a,160b,160cを形成できるように、所定間隔離れて隣接する芯材161の辺同士が対向するように略正六角形の芯材161を6つ環状に並べたものを1組として、各組を千鳥状に、所定間隔離して配置されており、この28個の芯材161のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材161の周囲に外被材52の熱溶着部163が設けられ、さらに、隣接する芯材161との間に所定幅の熱溶着部163が残るように、各組の環状に配置された6つの芯材161の間に位置する外被材52の熱溶着部163に円形の孔164を有するものである。
本実施の形態の真空断熱材160は、隣接する芯材の間に位置する外被材52の熱溶着部163で、縦方向と、縦に対して左右60度の斜め方向の3方向に曲げることができる。
以上のように本実施の形態の真空断熱材160は、複数の略正六角形の芯材161をガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、複数の芯材161は、隣接する芯材161の間に位置する部分で3方向の折曲線160a,160b,160cを形成できるように環状に配置された6つ一組の芯材161(辺同士が対向するように所定間隔離れて横に並ぶ2つ一組の芯材161)を千鳥状に互いに所定間隔離して配置されており、複数の芯材161のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材161の周囲に外被材52の熱溶着部163が設けられているので、3方向に真空断熱材160を折り曲げることができ、そのため、従来の真空断熱材よりも適用する対象物の形状に制限が少なく、用途が広い。
また、特定の芯材161が入った空間の真空度が低下することが起きても、他の芯材161が入った空間の真空度まで低下することはなく、断熱性能の低下を最小限に抑えることができる。
本実施の形態では、真空断熱材160の外周部に位置する外被材52と隣接する芯材161の間に位置する部分の外被材52がすべて熱溶着されているので、熱溶着部163の幅が広く、そのため熱溶着部163を通して各芯材161が入った空間の真空度が低下する可能性をかなり低くできる。
本実施の形態では、複数の芯材161を、2つの辺が縦方向に平行になる向きで配置し、隣接する芯材161の間に位置する部分で、芯材161の六角形の各辺に平行に、縦と、縦に対して左右60度の斜めの3方向の折曲線160a,160b,160cを形成できるように、所定間隔離れて隣接する芯材161の辺同士が対向するように略正六角形の芯材161を6つ環状に並べたものを1組として、各組を千鳥状に、所定間隔離して配置したので、芯材161の占める面積の割合を大きくでき、比較的断熱性能を高くできる。
また、本実施の形態の真空断熱材160は、隣接する芯材161との間に所定幅の熱溶着部163が残るように、外被材52に孔164を設けたものであり、真空断熱材160における断熱性能の低下の影響が少ない部分に孔164があいているので、真空断熱材160の一方の面から他方の面に、空気や水を排出する必要がある用途や、適用箇所の都合上、物(例えば、管などの部品)を通す必要がある用途や、真空断熱材160と発泡断熱材と組み合わせた複合断熱材において、製造の都合上、真空断熱材の一方の面から他方の面に発泡断熱材を流す必要がある所にも適用できる。例えば、この真空断熱材160を衣類に設けて防寒具とした場合は、この孔164から、汗の蒸気を外部に放出することができ、防寒具の内側が蒸れず快適である。
本実施の形態では、孔164の大きさを、実施の形態15よりも大きく、芯材161の略正六角形に内接する円の大きさまで大きくすることができるが、実施の形態15とは逆に、孔164をあけることのできる位置が少なくなる。
なお、複数の略正六角形の芯材161は、熱可塑性樹脂からなるシート部材の片面に接着固定した状態でガスバリア性の外被材52で覆っても構わない。
また、真空断熱材160の適用時は、必要な大きさ、形に切断して使用することができるが、切断時は、断熱性能の低下を最小限に止めるために、外被材52の熱溶着部163の部分を切断することが好ましい。
(実施の形態17)
以下、本発明の実施の形態17の真空断熱材について説明するが、実施の形態5と同一構成については、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図32は本発明の真空断熱材の実施の形態17を示す平面図である。
本実施の形態の真空断熱材170は、16個の略正方形に成型されたガラス繊維からなる厚さ5mm前後の芯材171をガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、この16個の芯材171は、隣接する芯材171の間に位置する部分で、芯材171の正方形の各辺に平行に、縦、横の2方向の折曲線170a,170bを形成できるように、格子状に、縦(横)方向に隣接する芯材171と横(縦)の辺が対向するように、所定間隔離して配置されており、この16個の芯材171のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材171の周囲に外被材52の熱溶着部173が設けられているものである。
以上のように本実施の形態の真空断熱材170は、複数の略正方形の芯材171をガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、複数の芯材171は、隣接する芯材171の間に位置する部分で2方向の折曲線170a,170bを形成できるように格子状に互いに所定間隔離して配置されており、複数の芯材171のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材171の周囲に外被材52の熱溶着部173が設けられているので、2方向に真空断熱材170を折り曲げることができ、そのため従来の真空断熱材よりも適用する対象物の形状に制限が少なく、用途が広い。
また、特定の芯材171が入った空間の真空度が低下することが起きても、他の芯材171が入った空間の真空度まで低下することはなく、断熱性能の低下を最小限に抑えることができる。
本実施の形態の熱溶着部173のパターンは、所定間隔離れた所定幅の複数の縦線と所定間隔離れた所定幅の複数の横線と外周枠とからなるので、溶着装置の小型化、簡略化が可能になり、溶着作業が容易に行える。
本実施の形態では、真空断熱材170の外周部に位置する外被材52と隣接する芯材171の間に位置する部分の外被材52がすべて熱溶着されているので、熱溶着部173の幅が広く、そのため熱溶着部173を通して各芯材171が入った空間の真空度が低下する可能性をかなり低くできる。
また、芯材171の形状を、略正方形(長方形)にしたので、2方向に折り曲げ可能な真空断熱材としては、芯材171の占める面積の割合が大きいため、比較的断熱性能が高い。したがって、柔軟性と断熱性能のバランスが良い。
なお、本実施の形態の真空断熱材170は、縦横方向にそれぞれ4つの芯材171が並ぶものであったが、これに限定するものではない。
なお、複数の略正方形の芯材171は、熱可塑性樹脂からなるシート部材の片面に接着固定した状態でガスバリア性の外被材52で覆っても構わない。
また、真空断熱材170の適用時は、必要な大きさ、形に切断して使用することができるが、切断時は、断熱性能の低下を最小限に止めるために、外被材52の熱溶着部173の部分を切断することが好ましい。
(実施の形態18)
以下、本発明の実施の形態18の真空断熱材について説明するが、実施の形態5と同一構成については、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図33は本発明の真空断熱材の実施の形態18を示す平面図である。
本実施の形態の真空断熱材180は、13個の略正方形に成型されたガラス繊維からなる厚さ5mm前後の芯材181をガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、この13個の芯材181は、隣接する芯材181の間に位置する部分で、縦、横、斜めの4方向の折曲線180a,180b,180c,180dを形成できるように、千鳥状に、斜め45度方向に隣接する芯材181と角が対向するように、所定間隔離して配置されており、この13個の芯材181のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材181の周囲に外被材52の熱溶着部183が設けられ、隣接する芯材181の間で、且つ、熱溶着部183を間に挟んで芯材181の外周側に、外被材52が熱溶着されていない非熱溶着部184を有するものである。
本実施の形態の真空断熱材180は、隣接する芯材181の間に位置する外被材52の熱溶着部183で、縦方向、横方向、縦または横に対して45度の斜め方向の4方向に曲げることができるが、斜め方向は、縦または横方向より曲げやすい。
以上のように本実施の形態の真空断熱材180は、複数の略正方形の芯材181をガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、複数の芯材181は、隣接する芯材181の間に位置する部分で4方向の折曲線180a,180b,180c,180dを形成できるように千鳥状に互いに所定間隔離して配置されており、複数の芯材181のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材181の周囲に前記フィルムの熱溶着部が設けられているので、4方向に真空断熱材180を折り曲げることができ、そのため従来の真空断熱材よりも適用する対象物の形状に制限が少なく、用途が広い。
また、特定の芯材181が入った空間の真空度が低下することが起きても、他の芯材181が入った空間の真空度まで低下することはなく、断熱性能の低下を最小限に抑えることができる。
また、4つの隣接する芯材181の間で、且つ、熱溶着部183を間に挟んで芯材181の外周側に、外被材52が熱溶着されていない非熱溶着部184を有しており、熱溶着部183のパターンは、実施の形態17と同様に、所定間隔離れた所定幅の複数の縦線と所定間隔離れた所定幅の複数の横線と外周枠とからなる単純なパターンなので、溶着装置の小型化、簡略化が可能になり、溶着作業が容易に行える。
本実施の形態の真空断熱材180は、実施の形態17の真空断熱材170と比較して、芯材181の占める面積の割合が半分になるが、折曲線180a,180b,180c,180dを形成できる方向の数は、実施の形態17の真空断熱材170の2方向の倍の4方向になる。
なお、必要であれば、本実施の形態における4つの芯材に囲まれた非熱溶着部184に、孔を設けても構わない。その場合、この孔は、4つの隣接する芯材181との間に所定幅の熱溶着部183が残るように、外被材52に設けられるので、真空断熱材180における断熱性能の低下の影響が少ない。
本実施の形態の真空断熱材180における4つの芯材181に囲まれた非熱溶着部183に孔を設けた場合は、真空断熱材180の一方の面から他方の面に、空気や水を排出する必要がある用途や、適用箇所の都合上、物(例えば、管などの部品)を通す必要がある用途や、真空断熱材180と発泡断熱材と組み合わせた複合断熱材において、製造の都合上、真空断熱材の一方の面から他方の面に、発泡断熱材を流す必要がある所にも適用できる。例えば、この孔を設けた真空断熱材180を衣類に設けて防寒具とした場合は、この孔から、汗の蒸気を外部に放出することができ、防寒具の内側が蒸れず快適である。
なお、本実施の形態の真空断熱材180は、13個の芯材181が千鳥状に並ぶものであったが、これに限定するものではない。
なお、複数の略正方形の芯材181は、熱可塑性樹脂からなるシート部材の片面に接着固定した状態でガスバリア性の外被材52で覆っても構わない。
また、真空断熱材180の適用時は、必要な大きさ、形に切断して使用することができるが、切断時は、断熱性能の低下を最小限に止めるために、外被材52の熱溶着部183または非熱溶着部184の部分を切断することが好ましい。
(実施の形態19)
以下、本発明の実施の形態19の真空断熱材について説明するが、実施の形態5と同一構成については、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図34は本発明の真空断熱材の実施の形態19を示す平面図である。
本実施の形態の真空断熱材190は、32個の略正三角形に成型されたガラス繊維からなる厚さ5mm前後の芯材191をガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、この32個の芯材は191、隣接する芯材191の間に位置する部分で、芯材191の三角形の各辺に平行に、横(0度の方向)と横に対して約60度、約120度の斜めの3方向の折曲線190a,190b,190cを形成できるように、千鳥状に、隣接する芯材191と辺が対向するように、所定間隔離して配置されており、この32個の芯材191のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材191の周囲に外被材52の熱溶着部193が設けられているものである。
以上のように本実施の形態の真空断熱材190は、複数の略正三角形の芯材191をガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、複数の芯材191は、隣接する芯材191の間に位置する部分で3方向の折曲線190a,190b,190cを形成できるように千鳥状に互いに所定間隔離して配置されており、複数の芯材191のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材191の周囲に外被材52の熱溶着部193が設けられているので、3方向に真空断熱材190を折り曲げることができ、そのため従来の真空断熱材よりも適用する対象物の形状に制限が少なく、用途が広い。
また、特定の芯材191が入った空間の真空度が低下することが起きても、他の芯材191が入った空間の真空度まで低下することはなく、断熱性能の低下を最小限に抑えることができる。
本実施の形態では、真空断熱材190の外周部に位置する外被材52と隣接する芯材191の間に位置する部分の外被材52がすべて熱溶着されているので、熱溶着部193の幅が広く、そのため熱溶着部193を通して各芯材191が入った空間の真空度が低下する可能性をかなり低くできる。
また、真空断熱材190の外周部を除く、隣接する芯材191の間に位置する熱溶着部193は、所定間隔離れた所定幅の複数の横線と所定間隔離れた所定幅の複数の約60度の斜め線と所定間隔離れた所定幅の複数の約120度の斜め線とからなる単純なパターンなので、溶着装置の小型化、簡略化が可能になり、溶着作業が容易に行える。
本実施の形態の真空断熱材190は、芯材191の占める面積の割合を比較的多くできる。
なお、本実施の形態の真空断熱材190は、32個の芯材171が千鳥状に並ぶものであったが、これに限定するものではない。
なお、複数の略正三角形の芯材は、熱可塑性樹脂からなるシート部材の片面に接着固定した状態でガスバリア性の外被材52で覆っても構わない。
また、真空断熱材190の適用時は、必要な大きさ、形に切断して使用することができるが、切断時は、断熱性能の低下を最小限に止めるために、外被材52の熱溶着部193の部分を切断することが好ましい。
(実施の形態20)
以下、本発明の実施の形態20の真空断熱材について説明するが、実施の形態5と同一構成については、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図35は本発明の真空断熱材の実施の形態20を示す平面図である。
本実施の形態の真空断熱材200は、32個の略直角二等辺三角形に成型されたガラス繊維からなる厚さ5mm前後の芯材201をガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、この32個の芯材201は、隣接する芯材201の間に位置する部分で、芯材201の直角二等辺三角形の各辺に平行に、縦、横、縦または横に対して45度の斜めの4方向の折曲線200a,200b,200c,200dを形成できるように、2つの芯材201を略正方形になるように組み合わせたもの(4つの芯材201を略正方形を45度回転させた形になるように直角の角をつきあわせるように組み合わせたもの)を、千鳥状に、隣接する芯材201と辺が対向するように、所定間隔離して配置されており、この32個の芯材201のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材201の周囲にフィルムの熱溶着部203が設けられているものである。
本実施の形態では、所定間隔離れて隣接する2つの略直角二等辺三角形の芯材201を、略正方形になるように、長辺が対向するように組み合わせ、所定間隔離れて隣接する4つの略直角二等辺三角形の芯材201を、略正方形になるように、略直角の角が集まるように組み合わせている。
以上のように本実施の形態の真空断熱材200は、複数の略直角二等辺三角形の芯材201をガスバリア性の外被材52で覆い外被材52の内部を減圧して成り、複数の芯材201は、隣接する芯材201の間に位置する部分で4方向の折曲線200a,200b,200c,200dを形成できるように、2つの芯材201を略正方形になるように組み合わせたもの(4つの芯材201を略正方形を45度回転させた形になるように直角の角をつきあわせるように組み合わせたもの)を、千鳥状に互いに所定間隔離して配置されており、複数の芯材201のそれぞれが独立した空間内に位置するように芯材201の周囲にフィルムの熱溶着部203が設けられているので、4方向に真空断熱材200を折り曲げることができ、そのため従来の真空断熱材よりも適用する対象物の形状に制限が少なく、用途が広い。
また、特定の芯材201が入った空間の真空度が低下することが起きても、他の芯材201が入った空間の真空度まで低下することはなく、断熱性能の低下を最小限に抑えることができる。
本実施の形態では、真空断熱材200の外周部に位置する外被材52と隣接する芯材201の間に位置する部分の外被材52がすべて熱溶着されているので、熱溶着部203の幅が広く、そのため熱溶着部203を通して各芯材201が入った空間の真空度が低下する可能性をかなり低くできる。
また、真空断熱材200の外周部を除く、隣接する芯材201の間に位置する熱溶着部203は、所定間隔離れた所定幅の複数の縦線と所定間隔離れた所定幅の複数の横線と所定間隔離れた所定幅の複数の約45度の斜め線と所定間隔離れた所定幅の複数の約135度の斜め線とからなる単純なパターンなので、溶着装置の小型化、簡略化が可能になり、溶着作業が容易に行える。
本実施の形態の真空断熱材200は、芯材201の占める面積の割合を比較的多くできる。
なお、本実施の形態の真空断熱材200は、32個の芯材201が千鳥状に並ぶものであったが、これに限定するものではない。
なお、複数の略直角二等辺三角形の芯材201は、熱可塑性樹脂からなるシート部材の片面に接着固定した状態でガスバリア性の外被材52で覆っても構わない。
また、真空断熱材200の適用時は、必要な大きさ、形に切断して使用することができるが、切断時は、断熱性能の低下を最小限に止めるために、外被材52の熱溶着部203の部分を切断することが好ましい。
本実施の形態の真空断熱材200は、縦横の折曲線の間隔を斜め45度の折曲線の間隔より狭くしているが、縦横の折曲線の間隔を斜め45度の折曲線の間隔より広くしたい場合は、本実施の形態の真空断熱材200を正(反時計回り)方向または負(時計回り)方向に45度回転させた配列の芯材201を用いる。
また、真空断熱材200の適用時は、必要な大きさ、形に切断して使用することができるが、切断時は、断熱性能の低下を最小限に止めるために、外被材52の熱溶着部203の部分を切断することが好ましい。
(実施の形態21)
以下、本発明の実施の形態21の真空断熱材を用いた防寒具について説明するが、実施の形態5と同一構成については、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図36は本発明の真空断熱材を用いた防寒具の実施の形態21を示す正面図、図37は同実施の形態の真空断熱材を用いた防寒具の背面図である。
本実施の形態の防寒具210は、衣料としてのジャケット211の中に、芯材の数と大きさとフィルムの形状をジャケット211用に調整した実施の形態5の真空断熱材50を設けたものである。
真空断熱材50は、所定の大きさの長方形の真空断熱材を製造した後に、ジャケット211に合わせて切断したものでも構わない。その場合、切断されて役に立たない部分の芯材を最初からフィルム内に配置しないようにして真空断熱材50を製造しても構わない。
ここで、真空断熱材50は、4方向に折り曲げ可能であるため、芯材の大きさを適切に選択することにより、動きやすい防寒具用に適した柔軟性を確保できるので、真空断熱材の高い断熱性能を活かした薄くて断熱性能の高い防寒具を提供できる。
なお、真空断熱材50が、ジャケット211に形成された袋部に挿入されるようにすると、真空断熱材50を見えないようにでき、ジャケット211に形成された袋部に真空断熱材50を挿入するだけで、真空断熱材50に損傷を与える心配なく、ジャケット211と真空断熱材50を容易に一体化でき、真空断熱材50の取り外し、取り替えが比較的簡単にできる。
また、真空断熱材50が、マジックテープ(登録商標)、ファスナー、ボタン、フォックその他の係止具により、ジャケット211に着脱可能に取り付けられるようにすると、温暖な気候になって高い断熱性が不要な時や、クリーニング時に、防寒具から真空断熱材を取り外せて便利である。
本実施の形態の防寒具は、実施の形態5の真空断熱材50を用いたが、実施の形態6から20のいずれかの真空断熱材を用いても良く、通気性が必要であれば、実施の形態8、9、12、13、15、16のような孔のあいた真空断熱材を用いることができる。孔のあいた真空断熱材を用いた場合は、この孔から、汗の蒸気を外部に放出することができ、防寒具の内側が蒸れず快適である。
なお、本実施の形態では、ジャケットで説明したが、他の衣類にも適用可能である。
(実施の形態22)
図38は、本発明の実施の形態22によるパーソナルコンピューターの側面図、図39は本発明の実施の形態22によるパーソナルコンピューターを上から見た透視図である。
本実施の形態のパーソナルコンピューター220は、いわゆるノート型と称される形態で、本体の上面にキーボード221を有し、内部にはプリント基板222上にCPU223とその他各チップを実装している。CPU223は冷却装置224で発熱から保護され、冷却装置224はCPU223に接する伝熱ブロック225、熱を移送するヒートパイプ226、移送された熱をパーソナルコンピューター220より強制的に放熱するヒートシンク227とファン228により構成される。放熱板229は内部の熱を拡散し、かつ本体底面230に伝えて放熱する。真空断熱材231は、CPU223の真下で本体底面230の内側、およびCPU223の真上のキーボード裏面221aに接着剤で密着させて装着している。
この真空断熱材231は、本発明の実施の形態3に準じて任意の形状に作製したものである。材料は、芯材として湿式シリカ粉末の圧縮成形体をトムソンで切り抜いたもの、外被材として表面保護層にポリエチレンテレフタレートフィルム、ガスバリア層にエチレンビニルアルコール共重合体樹脂フィルムにアルミ蒸着を施したもの、熱溶着層に高密度ポリエチレンを使用している。真空断熱材231の内圧は133.3Paで、厚さは2mm、大きさは95mm×50mmの長方形の中で、リブを避けるために2箇所に切欠き231aを設けたものとしている。この真空断熱材231の熱伝導率を測定したところ0.0080W/mKであった。
このように構成されたパーソナルコンピューター220の表面温度を測定したところ、真空断熱材未装着時より、CPU223の真下の本体底面230で約4K低減させることができ、CPU223の真上のキーボードで約3.5K低減させることができた。さらに本体底面全体でも2K以上低減させることができた。
これはリブを避けられずに50mm×50mmの大きさの真空断熱材しか装着できないと想定した場合には、CPU223の真下の本体底面230で約1.5K、CPU223の真上のキーボードで約1Kの温度低減しか観測されなかったのと比較して大きな効果が得られ、利用者がパーソナルコンピューターを長時間膝の上において作業した場合の底面から受ける熱による不快感や、利用者が作業中キーボード上に手を置いたときに受ける熱による不快感を減らすことができる。
なお、真空断熱材231を装着する位置は、局所発熱を起こすものならばCPU223に限らず、本体底面230の内側には放熱等のために放熱板229やアルミの蒸着が全面に施されている場合もあるが、真空断熱材231の装着はこれらの上でもかまわない。