JP4550007B2 - 光変調デバイス - Google Patents

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    • G02B26/004Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements based on a displacement or a deformation of a fluid

Description

本発明は、特定波長の光を吸収する吸収特性を示し、該吸収特性により光を変調する新規な光変調デバイスに関するものである。
特定波長の光を吸収する吸収特性を示し、該吸収特性により光を変調する光変調デバイスとして、例えば、エタロン等の干渉フィルタが実用化されている。従来の干渉フィルタは、平滑度や膜厚精度が高レベルに要求されるため製造が難しく高価であり、大面積化も困難であった。また、構造が固定化されているため光変調特性が固定化されており、吸収(透過)させたい光の波長が異なれば異なる干渉フィルタを用意しなければならず、光学系の設計変更等に柔軟に対応することができなかった。
かかる背景下、特許文献1には、1.0〜1.6μmの径の細孔(ノード)を有する細孔体に流体を充填して光変調を行う光変調デバイスが開示されている。この光変調デバイスは、細孔径が光の波長よりも大きくフォトニック結晶構造を呈しており、フォトニック結晶の干渉効果により光を変調するデバイスである。
特許文献2には、光路方向に離間配置されかつ離間距離が変更可能な一対の透光性壁体を備えた容器内に流体を充填して光変調を行う光変調デバイスが開示されている。この光変調デバイスでは、一対の透光性壁体間で多重反射(共振)が生じて多重干渉が起こり、特定波長の光が吸収されて光が変調される。
特表2004−533635号公報 特開2001−174719号公報
特許文献1及び2に記載の光変調デバイスはいずれも、中に充填する流体を変更することで光変調特性を変更できるものの、エタロンのような高精細高分解な光変調が難しく、光フィルタとして良好な光変調特性を示すものではない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、高精細高分解な光変調を実施でき、光変調特性を変更することができ、しかも製造が容易で大面積化も可能な新規の光変調デバイスを提供することを目的とするものである。
本発明の光変調デバイスは、光入射側から、半透過半反射性を有する第1の反射体と、透光性物質が充填される入射光の波長より充分に小さい径の複数の微細孔を有する透光性微細孔体と、完全反射性又は半透過半反射性を有する第2の反射体とを順次備えてなり、
前記第1の反射体の平均複素屈折率と、前記第2の反射体の平均複素屈折率と、前記透光性微細孔体の平均複素屈折率及び厚みとに応じて、特定波長の光を吸収する吸収特性を示し、該吸収特性により前記入射光が変調されて、前記第1の反射体及び/又は前記第2の反射体から変調光が出射されるものであることを特徴とするものである。
本明細書において、「半透過半反射性」とは透過性と反射性を共に有することを意味し、透過率と反射率は任意である。「入射光の波長より充分に小さい径」とは、変調しようとする波長領域の最短波長の1/2以下の径と定義する。「透光性微細孔体の平均複素屈折率」とは、透光性微細孔体の複素屈折率とその微細孔内の物質(透光性物質を充填した状態では透光性物質、透光性物質を充填しない状態では空気)の複素屈折率とを合わせて平均化した平均複素屈折率を意味する。
本発明の光変調デバイスにおいては、前記透光性微細孔体の平均複素屈折率を変更可能とし、該平均複素屈折率に応じて吸収される光の波長を変更可能とすることができる。
本明細書において、「透光性微細孔体の平均複素屈折率の変更」には、充填する透光性物質の複素屈折率の変更と、透光性物質を充填しない空状態と透光性物質を充填した充填状態との間の変更とが含まれるものとする。
例えば、前記複数の微細孔に充填される前記透光性物質の種類及び/又は量を変更可能とすることで、前記複数の微細孔に充填される前記透光性物質の複素屈折率を変更することができ、該変更によって前記透光性微細孔体の平均複素屈折率を変更可能とすることができる。
本明細書において、「透光性物質の種類の変更」には、透光性物質の成分を変更する他、成分は同一で濃度を変更する場合も含まれるものとする。
本発明の光変調デバイスの好適な態様としては、前記透光性微細孔体は被陽極酸化金属体の一部を陽極酸化して得られる金属酸化物体からなり、前記第2の反射体は前記被陽極酸化金属体の非陽極酸化部分からなり、前記第1の反射体は前記透光性微細孔体に成膜された金属層からなるものが挙げられる。
本発明の光変調デバイスの他の好適な態様としては、前記透光性微細孔体は、被陽極酸化金属体の全体を陽極酸化して得られる金属酸化物体、若しくは、被陽極酸化金属体の一部を陽極酸化し、さらに該被陽極酸化金属体の非陽極酸化部分を除去して得られる金属酸化物体からなり、前記第1の反射体及び前記第2の反射体はいずれも前記透光性微細孔体に成膜された金属層からなるものが挙げられる。
本発明の光変調デバイスは、光入射側から、半透過半反射性を有する第1の反射体と、透光性物質が充填される入射光の波長より充分に小さい径の複数の微細孔を有する透光性微細孔体と、完全反射性又は半透過半反射性を有する第2の反射体とを順次備えたものである。
かかる構成では、第1の反射体を透過して透光性微細孔体に入射した光が第1の反射体と第2の反射体との間で反射を繰り返して多重反射が効果的に起こり、多重反射光による多重干渉が効果的に起こる。かかる構成では、多重干渉条件が第1の反射体の平均複素屈折率と第2の反射体の平均複素屈折率と透光性微細孔体の平均複素屈折率及び厚みとに応じて変わるので、これらファクターに応じて特定波長の光を吸収する吸収特性を示す。この吸収特性により入射光が変調されて、第1の反射体及び/又は第2の反射体から変調光が出射される。
本発明の光変調デバイスでは、多重干渉によって特定波長において強い吸収特性を示すので、高精細高分解な光変調を実施できる。また、複数の微細孔に充填する透光性物質の複素屈折率を変更するなどして、透光性微細孔体の平均複素屈折率を簡易に変更することができるので、本発明の光変調デバイスが組み込まれる光学系の設計変更等に応じて光変調特性を簡易に変更することも可能である。
本発明の光変調デバイスは、入射光の波長より充分に小さい構造を光変調の最小単位として有しているので、特許文献1及び2に記載の光変調デバイスよりもはるかに高精細高分解な光変調特性を示す。また、微細孔体を2種類の反射体で挟む構造を有し、陽極酸化等を利用して簡易に製造できるので、エタロン等の従来の干渉フィルタに比して製造も容易で大面積化も可能である。
「第1実施形態」
図1及び図2を参照して、本発明に係る第1実施形態の光変調デバイスの構成について説明する。図1(a)は本実施形態の光変調デバイスの全体厚み断面図(ハッチングは省略)、図1(b)は反射光スペクトルの例である。図2(a)〜(c)は本実施形態の光変調デバイスの製造工程図(斜視図)である。
図1(a)に示す如く、本実施形態の光変調デバイス1は、光入射側(図示上側)から、半透過半反射性を有する第1の反射体10と透光性微細孔体20と半透過半反射性を有する第2の反射体30とを順次備えたデバイス構造を有する。
入射光L1は、太陽光や室内光等の外光、特定の光源から出射されたブロード光又は単波長光など、任意である。
図1(a)及び図2(c)に示す如く、透光性微細孔体20はアルミナ(Al、透光性金属酸化物)からなり、第1の反射体10側から第2の反射体30側に延びる略ストレートな複数の微細孔21が開孔されたものである。複数の微細孔21はいずれも透光性微細孔体20を貫通しており、第1の反射体10側の面及び第2の反射体30側の面において開口している。透光性微細孔体20において、複数の微細孔21は入射光L1の波長より充分に小さい径及びピッチで略規則的に配列されている。
本実施形態では、複数の微細孔21に透光性物質22が充填される。透光性物質22としては特に制限されない。ただし、透光性物質22を出入可能であることから、流動性物質、すなわち液体や液晶等が好ましい。液体としては、水等の無機溶媒、アルコール(メタノール、エタノール等)等の有機溶媒、これらの混合液、無機溶媒及び/又は有機溶媒にグリセロールやショ糖等の溶質を溶解した各種溶液等が挙げられる。透光性物質22の出入は難しいが、透光性物質22として粉体等の固体を用いてもよい。透光性物質22として気体を用いてもよい。
図2に示す如く、透光性微細孔体20は、アルミニウム(Al)を主成分とし不純物を含んでいてもよい被陽極酸化金属体40(好ましくは純度90%以上)の一部を陽極酸化し、陽極酸化後の被陽極酸化金属体40の非陽極酸化部分42及びその近傍部分をエッチング除去して、製造されたものである。
陽極酸化は、被陽極酸化金属体40を陽極とし陰極と共に電解液に浸漬させ、陽極陰極間に電圧を印加することで実施できる。被陽極酸化金属体40の形状は制限されず、板状等が好ましい。また、支持体の上に被陽極酸化金属体40が層状に成膜されたものなど、支持体付きの形態で用いることも差し支えない。陰極としてはカーボンやアルミニウム等が使用される。電解液としては制限されず、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸、アミドスルホン酸等の酸を、1種又は2種以上含む酸性電解液が好ましく用いられる。
図2に示す如く、被陽極酸化金属体40を陽極酸化すると、表面40sから該面に対して略垂直方向に酸化反応が進行し、金属酸化物体(Al)41が生成される。陽極酸化により生成される金属酸化物体41は、多数の平面視略正六角形状の微細柱状体41aが隙間なく配列した構造を有するものとなる。各微細柱状体41aの略中心部には、表面40sから深さ方向に略ストレートに延びる微細孔21が開孔され、各微細柱状体41aの底面は丸みを帯びた形状となる。陽極酸化により生成される金属酸化物体の構造は、益田秀樹、「陽極酸化法によるメソポーラスアルミナの調製と機能材料としての応用」、材料技術Vol.15,No.10、1997年、p.34等に記載されている。
規則配列構造の金属酸化物体41を生成する場合の好適な陽極酸化条件例としては、電解液としてシュウ酸を用いる場合、電解液濃度0.5M、液温14〜16℃、印加電圧40〜40±0.5V等が挙げられる。この条件で生成される微細孔21は例えば孔径が30〜95nm、ピッチが100nm程度である。
透光性微細孔体20は、非陽極酸化部分42を残さず被陽極酸化金属体40の全体を陽極酸化することでも製造できる。
第1の反射体10及び第2の反射体30はいずれも金属層からなり、透光性微細孔体20への金属蒸着等によって成膜されたものである。透光性微細孔体20には透光性微細孔体20を貫通する複数の微細孔21が開孔されているので、図1(a)に示す如く、微細孔21の開孔部分には金属が成膜されず、第1の反射体10及び第2の反射体30は透光性微細孔体20の複数の微細孔21に各々連通する複数の貫通孔11、31を有している。貫通孔11、31は透光性微細孔体20の微細孔21と同じパターンで開孔されるので、貫通孔11、31は入射光L1の波長より充分に小さい径及びピッチで略規則的に配列されている。
第1の反射体10と第2の反射体30とは同一材質でも異なる材質でもよい。第1の反射体10及び第2の反射体30の材質は、反射性を有する金属であれば制限なく、Au、Ag、Cu、Al、及びこれらの合金等が挙げられ、2種以上の金属を含むものであってもよい。第1の反射体10及び第2の反射体30は、不純物として金属以外の任意成分を含むものであってもよい。
本実施形態では、第1の反射体10の複数の貫通孔11及び/又は第2の反射体30の複数の貫通孔31を介して、透光性微細孔体20の複数の微細孔21に透光性物質22を充填することができ、透光性物質22の出入・交換も可能である。充填する透光性物質22の量を調整することもできる。透光性微細孔体20の微細孔21だけでなく、第1の反射体10の貫通孔11及び/又は第2の反射体30の貫通孔31にも、透光性物質22を充填することができる。図1(a)は、第1の反射体10の貫通孔11及び第2の反射体30の貫通孔31にも透光性物質22を充填し、透光性物質22を最大限充填した場合について図示してある。
透光性微細孔体20において、複数の微細孔21は入射光L1の波長より充分に小さい径及びピッチで開孔されているので、微細孔21に透光性物質22が充填される前の空の透光性微細孔体20も、微細孔21に透光性物質22が充填された透光性微細孔体20も、いわゆる電磁メッシュシールド効果により光に対しては薄膜として作用する。
同様に、第1の反射体10及び第2の反射体30において、貫通孔11、31は入射光L1の波長より充分に小さい径及びピッチで開孔されているので、貫通孔11、31に透光性物質22が充填される前の空の第1の反射体10及び第2の反射体30も、貫通孔11、31に透光性物質22が充填された第1の反射体10及び第2の反射体30も、光に対しては薄膜として作用する。
また、第1の反射体10及び第2の反射体30は反射性金属からなるが貫通孔11、31を有しているので光透過性を有し、半透過半反射性を有する。第1の反射体10の透過率と反射率は、材質、厚み、貫通孔の開孔密度により決まり、第2の反射体30の透過率と反射率も同様である。
図1(a)に示す如く、光変調デバイス1に入射光L1が入射すると、第1の反射体10の透過率と反射率に応じて、一部は第1の反射体10の表面で反射され(図示略)、一部は第1の反射体10を透過して透光性微細孔体20に入射する。透光性微細孔体20に入射した光は、第1の反射体10と第2の反射体30との間で反射を繰り返す。すなわち、光変調デバイス1は、第1の反射体10と第2の反射体30との間で多重反射が起こる共振構造を有している。
かかるデバイスでは、多重反射光による多重干渉が起こり、特定波長の光が選択的に吸収される吸収特性を示す。多重干渉条件は第1の反射体10の平均複素屈折率と第2の反射体30の平均複素屈折率と透光性微細孔体20の平均複素屈折率及び厚みとに応じて変わるので、これらファクターに応じて特定波長の光を吸収する吸収特性を示す。
第1の反射体10の平均複素屈折率をn−ik、透光性微細孔体20の平均複素屈折率をn、第2の反射体30の平均複素屈折率をn−ik、透光性微細孔体20の厚みをdとする(k及びkは消衰係数であり、−ik及び−ikは虚数部を示す。本実施形態では、透光性微細孔体20の平均複素屈折率の虚数部は0である。)。
本発明者は、入射光L1が略垂直入射光の場合、多重干渉により吸収される光のピーク波長(吸収ピーク波長)λは、透光性微細孔体20の平均複素屈折率nと厚みdとに大きく依存し、これらは概ね下記式の関係にあることを見出している
d≒(m+1)/2×λ、
λ≒(m+1)×2n
式中、mは任意の整数(0,±1,±2,・・・・)である。
特に、第1の反射体10、透光性微細孔体20、及び第2の反射体30のうち少なくとも1つを複素誘電率の虚数部が0でない光吸収体により構成すると、吸収ピークがシャープになり、特定波長の光に対して強い吸収を示すものとなる。本実施形態では、金属層である第1の反射体10及び第2の反射体30が光吸収体である。
光変調デバイス1では、透光性微細孔体20内における多重反射回数(フィネスF)が最大となるよう、光インピーダンスマッチングを取ったデバイス構造とすることが好ましい。フィネスFは一般的に下記式で表され、反射体の反射率Rが大きい程、フィネスFは大きくなり、吸収ピークがシャープになる傾向にある。
フィネスF=πR1/2/(1−R)
本実施形態の光変調デバイス1は、上記吸収特性によって入射光L1を変調し、変調光L2を出射するものである。本実施形態では、第1の反射体10及び第2の反射体30がいずれも半透過半反射性を有するので、第1の反射体10の平均複素屈折率と第2の反射体30の平均複素屈折率と透光性微細孔体20の平均複素屈折率及び厚みとに応じて、第1の反射体10から変調光L2が出射される反射型デバイス、第2の反射体30から変調光L2が出射される透過型デバイス、第1の反射体10及び第2の反射体30から変調光L2が出射される半透過半反射型デバイスのいずれかとなる。
光変調デバイス1では、透光性微細孔体20の平均複素屈折率nを変更することで、多重干渉により吸収される光のピーク波長λを変化させることができ、光変調特性を変更することができる。光変調デバイス1では、反射型デバイス、透過型デバイス、及び半透過半反射型デバイスのうちいずれかを選択することもできる。
透光性微細孔体20の厚みdは制限されない。例えば、厚みdを300nm以下とすることで、可視光波長領域の吸収ピーク波長を1つとすることができ、好ましい。
反射型の条件で、透光性微細孔体20の平均複素屈折率nを変更したときの反射光スペクトル(第1の反射体10から出射された光のスペクトル)の変化例を図1(b)に示す。図1(b)は、吸収ピーク波長がλ1からλ2に変化した様子を示している。
本実施形態では、(1)透光性微細孔体20の微細孔21に透光性物質22を充填しない空状態と透光性物質22を充填した充填状態とを切り替える、あるいは(2)透光性微細孔体20の微細孔21に充填する透光性物質22の種類及び/又は量を変更することで、透光性微細孔体20の平均複素屈折率nを変更することができる。「透光性物質22の種類の変更」には、透光性物質22の成分を変更する他、成分は同一で濃度を変更する場合も含まれる。また、透光性物質22が液晶等の場合には、(3)透光性微細孔体20に充填された透光性物質22の複素屈折率を電気的に変更して、透光性微細孔体20の平均複素屈折率nを変更することもできる。上記の(1)〜(3)を組み合わせて、平均複素屈折率nを変更することもできる。
本実施形態の光変調デバイス1は以上のように構成されている。
本実施形態の光変調デバイス1は、光入射側から、半透過半反射性を有する第1の反射体10と、透光性物質22が充填される入射光L1の波長より充分に小さい径の複数の微細孔21を有する透光性微細孔体20と、半透過半反射性を有する第2の反射体30とを順次備えたものである。
かかる構成では、第1の反射体10を透過して透光性微細孔体20に入射した光が第1の反射体10と第2の反射体30との間で反射を繰り返して多重反射が効果的に起こり、多重反射光による多重干渉が効果的に起こる。かかる構成では、多重干渉条件が第1の反射体10の平均複素屈折率と第2の反射体30の平均複素屈折率と透光性微細孔体20の平均複素屈折率及び厚みとに応じて変わるので、これらファクターに応じて特定波長の光を吸収する吸収特性を示す。この吸収特性により入射光L1が変調されて、第1の反射体10及び/又は第2の反射体30から変調光L2が出射される。本実施形態の光変調デバイス1では、多重干渉によって特定波長において強い吸収特性を示すので、高精細高分解な光変調を実施できる。
本実施形態の光変調デバイス1は、入射光L1の波長より充分に小さい構造を光変調の最小単位として有しているので、特許文献1及び2に記載の光変調デバイスよりもはるかに高精細高分解な光変調特性を示す。また、複数の微細孔21が規則配列した透光性微細孔体20を有する本実施形態の光変調デバイス1では、光変調構造が規則的であり、光変調特性の面内均一性が高く、安定した光変調特性が得られる。
なお、本実施形態では、多重反射光による多重干渉が効果的に起こり、高精細高分解な光変調を実施できるが、反射光の干渉が起こる条件であれば、透光性微細孔体20内における反射回数は任意であり少なくてもよい。
本実施形態の光変調デバイス1では、複数の微細孔21に充填する透光性物質22の複素屈折率を変更する、透光性微細孔体20に充填された透光性物質22の複素屈折率を電気的に変更するなどして、透光性微細孔体20の平均複素屈折率を簡易に変更することができるので、本実施形態の光変調デバイス1が組み込まれる光学系の設計変更等に応じて光変調特性を簡易に変更することができる。
本実施形態では、透光性微細孔体20をなす複数の微細孔21が、第1の反射体10側から第2の反射体側30に向けて延び、第1の反射体10側の面及び第2の反射体30側の面において開口した略ストレート孔であり、第1の反射体10及び第2の反射体30が透光性微細孔体20の微細孔21と同じパターンで開孔された貫通孔11、31を有しているので、第1の反射体10側及び/又は第2の反射体30側から透光性物質22を出入し、透光性物質22の種類及び/又は量を簡易に変更し、透光性微細孔体20の平均複素屈折率を簡易に変更することができる。
本実施形態の光変調デバイス1は、透光性微細孔体20を2つの反射体10、30で挟む構造を有し、陽極酸化を利用して簡易に製造できるので、エタロン等の従来の干渉フィルタに比してはるかに製造も容易で大面積化も容易である。
本実施形態の光変調デバイス1は構造による波長選択性を有するので、デバイスの劣化(退色等)が起こりにくく、長期使用安定性にも優れる。
「第2実施形態」
次に、図3(a)に基づいて、本発明に係る第2実施形態の光変調デバイスの構成について説明する。本実施形態は第1実施形態と基本構造は同様であるので、同じ構成要素には同じ参照符号を付し、説明は省略する。図3(a)は第1実施形態の図1(a)に対応した断面図である。
図3(a)に示す如く、本実施形態の光変調デバイス2は、第1実施形態の光変調デバイス1の異なる面に、異なる複素屈折率の透光性物質が充填された透光性セル51、52が接合されたものである。
具体的には、光変調デバイス1の第1の反射体10に、透光性物質A(流動性物質、好ましくは液体)が充填された透光性セル51が接合されている。透光性セル51の第1の反射体10側の面は透光性物質Aが透過するようになっており、透光性セル51に接続されたポンプ61によって、透光性セル51内の透光性物質Aが透光性微細孔体20の複数の微細孔21に注入可能とされている。
同様に、光変調デバイス1の第2の反射体30に、透光性物質Aとは異なる複素屈折率の透光性物質B(流動性物質、好ましくは液体)が充填された透光性セル52が接合されている。透光性セル52の第2の反射体30側の面は透光性物質Bが透過するようになっており、透光性セル52に接続されたポンプ62によって、透光性セル52内の透光性物質Bが透光性微細孔体20の複数の微細孔21に注入可能とされている。
本実施形態の光変調デバイス2では、透光性物質22として、透光性物質Aと透光性物質Bのうちいずれかを選択して、透光性微細孔体20の複数の微細孔21に充填することができる。また、ポンプ61、62による透光性物質A、Bの注入力を調整することで、透光性物質Aと透光性物質Bとを任意の割合で充填することもできる。この場合、透光性物質Aと透光性物質Bとの間には気泡23等を介在させて、透光性物質Aと透光性物質Bとが互いに混じり合わない構成とすることが好ましい。透光性物質Aと透光性物質Bとを同量充填した場合について図示してある。
ポンプ61、62としては特に制限なく、電気流体力学式ポンプ、電気浸透式ポンプ、電気泳動ポンプ、熱毛管現象ポンプ、電気ウエッティングポンプ、電気毛管現象ポンプ等が挙げられる。ポンプ61とポンプ62とは種類を変えてもよい。
本実施形態では、透光性微細孔体20に充填する透光性物質22の平均複素屈折率nを、透光性物質Aの複素屈折率、透光性物質Bの複素屈折率、及びこれらの間の任意の複素屈折率の間で簡易に変更し、簡易に光変調特性を変更することができる。ポンプ61、62を自動制御することで、透光性微細孔体20の平均複素屈折率nを自動変更することも可能である。
本実施形態の光変調デバイス2は、第1実施形態の光変調デバイス1を基本構成とし、充填する透光性物質22の複素屈折率を簡易に変更することを可能としたものであるので、高精細高分解な光変調を実施でき、しかも光変調特性を簡易に変更することができるものである。
「第2実施形態の設計変更例」
上記第2実施形態を設計変更して、透光性セル51、52のうち少なくとも一方に対して、複数の透光性物質を充填可能とすることで、透光性微細孔体20の平均複素屈折率nの選択幅を広げ、光変調特性の選択幅を広げることができる。また、透光性セル51、52のうち一方は透光性微細孔体20に充填された透光性物質を排出するための空セルとしてもよい。
例えば、図3(b)に示す如く、透光性セル51は排出用の空セルとし、透光性セル52にポンプ63〜66を介して異なる複素屈折率の複数の透光性物質A〜D(いずれも流動性物質、好ましくは液体)が各々貯蔵される貯蔵タンク53〜56を接続する構成とすることができる。かかる構成では、透光性物質A〜Dのうちいずれかを透光性セル52に充填し、透光性物質22として透光性微細孔体20に充填することができる。透光性物質A〜Dのうち複数の透光性物質を任意の割合で混合して透光性微細孔体20に充填することもできる。
かかる構成では、透光性微細孔体20に充填する透光性物質22を入れ替える際には、先に入っている透光性物質22を空セルの透光性セル51に押し出して排出し、新たな透光性物質22を注入することができ、好ましい。透光性セル52に接続する貯蔵タンクの数については、4個に限らず適宜設計できる。
さらには、図3(c)に示す如く、透光性セル51にポンプ67を介して洗浄液Eが貯蔵される洗浄用タンク57を接続する構成とすることもできる。かかる構成では、透光性微細孔体20に充填する透光性物質22を入れ替える際には、先に入っている透光性物質22を空セルの透光性セル51に押し出して排出した後、透光性微細孔体20に洗浄液Eを注入して洗浄することができる。かかる構成では、先に充填した透光性物質22のコンタミネーションを抑制でき、好ましい。
「第3実施形態」
次に、図4に基づいて、本発明に係る第3実施形態の光変調デバイスの構成について説明する。本実施形態は第1実施形態と基本構造は同様であるので、同じ構成要素には同じ参照符号を付し、説明は省略する。図4は第1実施形態の図1(a)に対応した断面図である。
本実施形態の光変調デバイス3は、第1実施形態と同様、光入射側(図示上側)から、第1の反射体10と透光性微細孔体20と第2の反射体30とを順次備えたデバイス構造を有するが、第1実施形態と異なり、透光性微細孔体20の微細孔21が貫通孔ではなく、第2の反射体30が完全反射性を有するデバイスである。透光性微細孔体20の微細孔21は、第1の反射体10側の面においてのみ開口し、第2の反射体30側は閉じられている。
透光性微細孔体20は、図2(b)に示した被陽極酸化金属体40の一部を陽極酸化して得られる金属酸化物体(Al)41からなり、第2の反射体30は同図に示した被陽極酸化金属体40の非陽極酸化部分(Al)42からなり、第1の反射体10は透光性微細孔体20に成膜された金等の金属層からなるデバイスである。
本実施形態の光変調デバイス3も、第1実施形態と同様に多重干渉構造を有しており、第1実施形態と同様に高精細高分解な光変調を実施できる。
第1実施形態と同様、複数の微細孔21が規則配列した透光性微細孔体20を有する本実施形態の光変調デバイス3では、光変調構造が規則的であり、光変調特性の面内均一性が高く、安定した光変調特性が得られる。
本実施形態では、第2の反射体30が完全反射体であるので、第1実施形態と異なり、第1の反射体10から変調光L2が出射される反射型デバイスのみが得られる。
本実施形態の光変調デバイス3では、第1実施形態と同様、複数の微細孔21に充填する透光性物質22の複素屈折率を変更するなどして、透光性微細孔体20の平均複素屈折率を簡易に変更することができ、光変調デバイス3が組み込まれる光学系の設計変更等に応じて光変調特性を変更することができる。
本実施形態は、透光性微細孔体20をなす複数の微細孔21が第1の反射体10側のみが開口した略ストレート孔であり、第1の反射体10が透光性微細孔体20の微細孔21と同じパターンで形成された貫通孔11を有するので、第1の反射体10側から透光性微細孔体20に充填する透光性物質22の種類及び/又は量を簡易に変更し、透光性微細孔体20の平均複素屈折率を簡易に変更することができる。
本実施形態においても、透光性物質22が液晶等の場合には、透光性微細孔体20に充填された透光性物質22の複素屈折率を電気的に変更して、透光性微細孔体20の平均複素屈折率を変更することもできる。
本実施形態の光変調デバイス3は、第1実施形態と同様、微細孔体20を2つの反射体10、30で挟む構造を有し、陽極酸化を利用して簡易に製造できるので、エタロン等の従来の干渉フィルタに比してはるかに製造も容易で大面積化も容易である。
第1実施形態と同様、本実施形態の光変調デバイス3は構造による波長選択性を有するので、デバイスの劣化(退色等)が起こりにくく、長期使用安定性にも優れる。
(設計変更)
本発明は上記実施形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において適宜設計変更できる。
第1〜第3実施形態では、透光性微細孔体20の形成に用いる被陽極酸化金属体40の主成分としてAlのみを挙げたが、陽極酸化可能で生成される金属酸化物が透光性を有するものであれば、任意の金属が使用できる。Al以外では、Ti、Ta、Hf、Zr、Si、In、Zn等が使用できる。被陽極酸化金属体40は、陽極酸化可能な金属を2種以上含むものであってもよい。
陽極酸化を利用することで、複数の微細孔21が規則配列した透光性微細孔体20を簡易に製造でき、大面積化も容易である。また、構造規則性に優れた透光性微細孔体20を簡易に製造できるので、光変調特性の面内均一性が高く、安定した光変調特性の本発明の光変調デバイスを簡易に製造できる。
このように陽極酸化を利用することは好ましいが、本発明は陽極酸化に限らず、他の微細孔形成技術を利用して製造されたものであってもよい。例えば、透光性基体に集束イオンビーム(FIB)や電子ビーム(EB)等の電子描画技術により任意のパターンの微細孔(貫通孔でも貫通しない孔(凹部)でもよい)を描画する、完全反射性又は半透過半反射性の基体の表面にリソグラフィー技術により任意の凹凸パターンの透光性微細孔体を形成する(この場合凹部が微細孔となる)等の方法を用いることで、本発明の光変調デバイスを製造することができる。陽極酸化以外の方法を用いることで、透光性微細孔体20の材質や微細孔21の開孔パターン等の設計自由度が広がる。
第1の反射体10及び第2の反射体30の材質は、金属に限らず、反射性を有する材質であればよい。
透光性微細孔体20における微細孔21の形状は任意である。上記実施形態では、円柱状の略ストレート孔のみを挙げたが、三角柱状、四角柱状等の角柱状でもよく、柱状にも限らない。微細孔21はランダム形状であってもよい。
微細孔21の配列パターンも任意である。複数の微細孔21が第1の反射体10の光入射面に平行な方向に一次元配列したものでも、二次元配列したものでもよい。上記実施形態は、複数の微細孔21が第1の反射体10の光入射面に平行な方向に二次元配列した例である。また、複数の微細孔21が第1の反射体10の光入射面に平行な方向に二次元配列し、さらにこの二次元配列が厚み方向にも繰り返される三次元配列構造であってもよい。微細孔21の配列はランダム配列でもよい。
本発明に係る実施例について説明する。
(実施例)
<光変調デバイスの製造>
下記手順にて、第3実施形態の光変調デバイスを製造した。Alを主成分とする被陽極酸化金属体40の一部を陽極酸化して、厚みd=250nm、微細孔21の開口率(=微細孔21の合計開口面積/透光性微細孔体20の全面積)が1/2の透光性微細孔体(Al)20を形成し、透光性微細孔体20と非陽極酸化部分(Al)からなる第2の反射体30とからなるナノ構造体(図2(b)参照)を得た。このナノ構造体の表面に金を蒸着して第1の反射体10を成膜し、反射型の光変調デバイス3を製造した。
物質の複素屈折率は入射光の波長によって異なる。参考までに、波長600nmの条件におけるAu、Al、Alの複素屈折率、第1の反射体10の平均複素屈折率、微細孔21に透光性物質22を充填しない空状態(空気(屈折率n=1)が入った状態、後記条件1)の透光性微細孔体20の平均複素屈折率、第2の反射体30の平均複素屈折率を以下に示しておく。第1の反射体10の平均複素屈折率は、微細孔21の開口率を考慮して算出してある。第2の反射体30は孔がないので、その平均複素屈折率はAlの複素屈折率と同じである。
Auの複素屈折率:0.175−i3.10、
Alの複素屈折率:1.767、
Alの複素屈折率:0.97−i6.00、
第1の反射体10の平均複素屈折率n−ik:0.725−i3.10、
透光性微細孔体20(空状態)の平均複素屈折率n:1.256、
第2の反射体30の平均複素屈折率n−ik:0.97−i6.00。
<評価>
透光性微細孔体20の微細孔21に透光性物質22を充填しない空状態(空気(屈折率n=1)が入った状態)について、分光計器製「ポリクロメータ−M25型」を用い、白色光(キセノン光源)を照射して反射光スペクトルを測定した(条件1)。反射強度は別途取得したアルミナの反射光スペクトルでもって規格化した。
透光性微細孔体20の微細孔21に透光性物質22を充填し、透光性物質22の種類を変えて同様の評価を行った。充填する透光性物質22としては、水(屈折率n=1.33、条件2)とエタノール(純度100%、屈折率n=1.36、条件3)を用いた。
各条件における透光性微細孔体20の平均複素屈折率nは、以下の通りであった。条件1:1.256、条件2:1.476、条件3:1.496。
<結果>
得られた反射光スペクトルを図5に示す。図5に示す如く、微細孔21に透光性物質を充填しない空状態(空気が入った状態、条件1)、微細孔21に水を充填した状態(条件2)、微細孔21にエタノールを充填した状態(条件3)では、いずれも多重干渉による吸収が見られ、条件によって異なる吸収ピーク波長を有する反射光スペクトルが得られた。吸収ピーク波長λは、条件1:730nm、条件2:804nm、条件3:810nmであった。条件1と条件2、条件1と条件3では、吸収ピーク波長λの相違により異なる色の反射光が出射されていることが肉眼でも確認された。
以上の評価から、本発明によれば、特定波長の光に対して吸収特性を示す光変調デバイスが得られ(実施例では反射光スペクトルが白色光を入射したときの変調光スペクトルである。)、透光性微細孔体20の微細孔21に充填する透光性物質22の種類を変更することで透光性微細孔体20の平均複素屈折率を簡易に変更することができ、光変調特性を簡易に変更することができることが示された。
本発明の光変調デバイスは、干渉フィルタ、表示デバイス等として利用できる。
(a)は本発明に係る第1実施形態の光変調デバイスの全体厚み断面図、(b)は反射光スペクトルの例 (a)〜(c)は図1(a)の光変調デバイスの製造工程図 (a)は本発明に係る第2実施形態の光変調デバイスの全体厚み断面図、(b)及び(c)は第2実施形態の設計変更例 本発明に係る第3実施形態の光変調デバイスの全体厚み断面図 本発明に係る実施例の評価結果を示す図
符号の説明
1、2、3 光変調デバイス
10 第1の反射体
11 貫通孔
20 透光性微細孔体
21 微細孔
22 透光性物質
30 第2の反射体
31 貫通孔
40 被陽極酸化金属体
41 金属酸化物体
42 非陽極酸化部分
L1 入射光
L2 変調光

Claims (8)

  1. 光入射側から、半透過半反射性を有する第1の反射体と、透光性物質が充填される入射光の波長より充分に小さい径の複数の微細孔を有する透光性微細孔体と、完全反射性を有する第2の反射体とを順次備え、前記第1の反射体と前記第2の反射体とが、該両反射体間で前記入射光が多重反射を生じる共振構造を有してなり、
    記透光性微細孔体の平均複素屈折率及び厚みに応じて、前記両反射体間における前記入射光の多重反射光の多重干渉により特定波長の光を吸収する吸収特性を示し、該吸収特性により前記入射光が変調されて、前記第1の反射体から変調光が出射されるものであることを特徴とする光変調デバイス。
  2. 光入射側から、半透過半反射性を有する第1の反射体と、透光性物質が充填される入射光の波長より充分に小さい径の複数の微細孔を有する透光性微細孔体と、半透過半反射性を有する第2の反射体とを順次備え、前記第1の反射体と前記第2の反射体とが、該両反射体間で前記入射光が多重反射を生じる共振構造を有してなり、
    記透光性微細孔体の平均複素屈折率及び厚みに応じて、前記両反射体間における前記入射光の多重反射光の多重干渉により特定波長の光を吸収する吸収特性を示し、該吸収特性により前記入射光が変調されて、前記第1の反射体及び前記第2の反射体の少なくとも一方から変調光が出射されるものであることを特徴とする光変調デバイス。
  3. 前記複数の微細孔に充填される前記透光性物質が、電気的に複素屈折率が変更可能な液晶であり、
    前記透光性微細孔体の平均複素屈折率が、前記透光性物質の複素屈折率が電気的に変更されることにより変更可能とされており、
    該平均複素屈折率の変更に応じて吸収される光の波長が変更可能とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光変調デバイス。
  4. 前記透光性微細孔体は前記複数の微細孔が前記第1の反射体側の面において開口したものであり、前記第1の反射体は前記複数の微細孔に各々連通する複数の貫通孔を有し、該複数の貫通孔を介して前記複数の微細孔に対して各々前記透光性物質が出入自在とされており、
    前記透光性微細孔体の平均複素屈折率が、前記複数の微細孔に充填される前記透光性物質の種類及び量の少なくとも一方が前記貫通孔を介する該透光性物質の出し入れにより変更されることにより変更可能とされており
    該平均複素屈折率の変更に応じて吸収される光の波長が変更可能とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光変調デバイス。
  5. 前記透光性微細孔体は前記複数の微細孔が前記第2の反射体側の面において開口したものであり、前記第2の反射体は前記複数の微細孔に各々連通する複数の貫通孔を有し、該複数の貫通孔を介して前記複数の微細孔に対して各々前記透光性物質が出入自在とされており、
    前記透光性微細孔体の平均複素屈折率が、前記複数の微細孔に充填される前記透光性物質の種類及び量の少なくとも一方が前記貫通孔を介する該透光性物質の出し入れにより変更されることにより変更可能とされており、
    該平均複素屈折率の変更に応じて吸収される光の波長が変更可能とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光変調デバイス。
  6. 前記複数の微細孔は、前記第1の反射体側から前記第2の反射体側に向けて延びる略ストレート孔であることを特徴とする請求項又はに記載の光変調デバイス。
  7. 前記透光性微細孔体は被陽極酸化金属体の一部を陽極酸化して得られる金属酸化物体からなり、前記第2の反射体は前記被陽極酸化金属体の非陽極酸化部分からなり、前記第1の反射体は前記透光性微細孔体に成膜された金属層からなることを特徴とする請求項に記載の光変調デバイス。
  8. 前記透光性微細孔体は、被陽極酸化金属体の全体を陽極酸化して得られる金属酸化物体、若しくは、被陽極酸化金属体の一部を陽極酸化し、さらに該被陽極酸化金属体の非陽極酸化部分を除去して得られる金属酸化物体からなり、前記第1の反射体及び前記第2の反射体はいずれも前記透光性微細孔体に成膜された金属層からなることを特徴とする請求項又はに記載の光変調デバイス。
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