JP4548114B2 - ヘッドスペース・ガスサンプラ装置 - Google Patents

ヘッドスペース・ガスサンプラ装置 Download PDF

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Description

本発明は、ヘッドスペース・ガスサンプラ装置に関し、更に詳しくは、2種類以上の成分を有する試料液を揮発させて試料ガスを生成し、ガスクロマト装置に試料ガスを供給するヘッドスペース・ガスサンプラ装置に関する。
ヘッドスペース・ガスクロマトグラフ(GC)法は、2種類以上の成分を含む試料液を揮発させ、その揮発させたガス中の各成分の濃度を測定するガスクロマトグラフィーである。ヘッドスペースGC法は、少量の試料液を利用して気相の各成分濃度が検出できること、ガスサンプラ装置の構成が簡素であり且つその操作手順が簡単であること、取扱いが比較的容易であるなどの利点を有しており、工業的な蒸留条件の決定や蒸留装置の設計などに利用されている。従来のヘッドスペース・ガスサンプラ装置(以下、単にガスサンプラ装置と呼ぶ)は、例えば特許文献1及び2に記載されている。
図11は、特許文献1に記載のガスサンプラ装置の構成を示している。ガスサンプラ装置50は、2種類以上の成分を有する試料液が導入され、試料液を沸点以下の温度で揮発させて試料ガスを生成する試料容器(バイアル)51と、試料容器51に接続され試料ガスを抜き出すサンプル管52と、サンプル管52を経由して試料ガスを所定量サンプルする計量管53と、引出し管58に接続され、試料容器51からサンプル管52を経由して計量管53に向けて試料ガスを引き出す、ポンプ機能を有するシリンジ装置54と、引出し管58を経由してサンプル管52及び計量管53に不活性ガスを供給するパージライン55と、計量管53に向けて試料ガスを引き出す試料ガス引出しモードと計量管53からガスクロマトグラフ装置60に向けて不活性ガスを供給する試料ガス供給モードとの間で切り替えるサンプル切替え弁56と、試料供給側のラインを試料ガス供給モードとパージモードとの間で切り替える供給切替弁57とを有する。計量管53によって計量された所定量の試料ガスは、キャリアガスと共にガスクロマトグラフ装置のカラム60に供給され、そこで各成分の濃度が検出される。
特開平2−91564号公報(第1図) 特開平3−113364号公報(第1図)
従来のヘッドスペースGC法で用いられるガスサンプラ装置は、揮発温度が高い成分や凝固点の高い成分を有する試料液の場合には、一旦揮発させたガス成分が温度の低い配管や装置内で再び凝縮し配管等を閉塞させる可能性がある。また、ガスサンプラ装置を用いない手動法で実施する場合は、取り扱いの安全性、凝縮の問題から揮発温度が150℃程度の成分を含む試料液の濃度測定が限度である。しかし、従来から、例えば合成樹脂などの試料溶液では、200℃程度までの揮発温度を有する成分を含む試料液の気相における成分濃度を検出したいという要望があった。
また、上記凝縮の問題にも関連して、ヘッドスペースGC法では、成分濃度の検出に際してその再現性が低いという問題があり、測定精度は例えば10%程度と低いものであった。更に、試料ガスの高温や漏れ出る有害なガスやなどのため、装置の取扱いに際して危険が伴うという問題もあった。
本発明は、上記に鑑み、サンプル可能な成分の揮発温度が高いため、従来はヘッドスペースGC法による測定に対して有効なサンプルができなかった試料液のサンプルが可能であり、ヘッドスペースGC装置での測定精度を高めることができ、且つ、取扱いも容易なガスサンプラ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のヘッドスペース・ガスサンプラ装置は、2種類以上の成分を有する試料液が導入され該試料液を揮発させて試料ガスを生成する試料容器と、該試料容器から試料ガスを抜き出すサンプル管と、該サンプル管を経由して前記試料ガスを所定量サンプルする計量管と、前記サンプル管及び計量管を経由して前記試料容器と接続される引出し管と、該引出し管に接続され前記サンプル管、計量管及び引出し管を経由して前記試料容器から試料ガスを抜き出すシリンジ装置と、前記引出し管を経由して前記サンプル管及び計量管にパージガスを供給するパージ管、および前記試料ガスを前記計量管からガスクロマトグラフ装置に向けて供給するためのキャリアガスを導入するキャリアガス供給管とを備え、前記計量管で計測された所定量の試料ガスをガスクロマトグラフ装置に向けて供給するヘッドスペース・ガスサンプラ装置において、前記試料容器、サンプル管、及び、計量管を一体的に収容するオーブンと、前記オーブンの内部加熱する第1ヒータと、前記引出し管を加熱する第2ヒータとを備えることを特徴とする。
本発明のヘッドスペース・ガスサンプラ装置は、オーブンの内部に、試料容器、サンプル管、及び計量管を一体的に収容したことにより、ガス供給ラインでの高温や漏出する危険ガスにも拘わらず装置取り扱いの安全度が高まる。また。オーブンの内部を第1ヒータで加熱することにより、高い沸点を持つ成分を有する試料液についても、装置内でガス成分の凝縮が発生し難いので、測定精度を低下させることなく成分濃度の検出が可能である。更に、試料容器から計量管に向けて試料ガスを抜き出すための引出し管を加熱する第2ヒータを備えることにより、試料容器から引き出されて引出し管内に滞留する試料ガスの成分、特に高い沸点を有する成分が配管内に凝縮した場合も、該凝縮物を高温に過熱して再蒸発させ除去することができるため、ガスサンプラ装置の安定な運転が可能となる。
本発明のガスサンプラ装置の好ましい態様では、前記第2ヒータの少なくとも一部は、前記引き出し管がオーブンの壁を貫通する位置に配置される。この場合、第2ヒータは、引出し管内で試料ガスが特に凝縮しや易い位置で引出し管を加熱するので、試料ガス中の成分が凝縮した場合にも、凝縮物を効果的に除去することができる。
また、前記第2ヒータは、第1ヒータの最高加熱温度よりも高い最高加熱温度を有することも本発明の好ましい態様である。引出し管は、試料ガスが特に滞留しやすい場所であり、第2ヒータによる加熱温度を高めることで、特に効果的に凝縮成分の除去ができる。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態のガスサンプラ装置を含むヘッドスペースGC装置の構成を示すブロック図である。ヘッドスペースGC装置100は、試料液を揮発させた気相の試料(試料ガス)を供給するガスサンプラ装置10と、ガスサンプラ装置10から供給された試料ガス中の各成分の濃度を測定するガスクロマトグラフ装置40と、ガスサンプラ装置10からガスクロマトグラフ装置に試料ガスを供給する試料ガス供給ライン34とから構成される。
ガスサンプラ装置10は、同図の例では第1及び第2系統のガスサンプラと、各系統毎に配設されたシリンジユニット15、25と、各系統のガスサンプラと対応するシリンジユニット15、25とを接続する引出し管16、26と、双方の系統に共通のキャリアガス供給管32とを含み、双方の系統の試料容器11、21で試料液1及び試料液2をそれぞれ揮発させ、キャリアガスを利用して、交互にまたは個別に、試料ガス供給ライン33を経由してガスクロマトグラフ装置40のカラム41に供給する。
各系統のガスサンプラは、試料液を揮発させる試料容器(バイアル)11、21と、試料液をそれぞれ一定量づつサンプリングする計量管(サンプルループ)12、22と、試料容器11、21と計量管12、22とを接続するサンプル管13、23と、シリンジ14、24、引出し管16、26の一部及び電磁弁SV1〜SV6を含み、所定量の試料ガスを採取するために、試料容器11、21から、サンプル管13、23を経由して計量管12、22に向けて試料ガスをサンプリングする、ポンプ機能を有するシリンジユニット15、25と、試料ガスの計量管12、22へのサンプリングモードと計量管12、22からガスクロマトグラフ装置40への試料ガスの供給モードとの間で切替えるサンプル切替弁17、27とを有する。
ガスサンプラ装置10は、更に、引出し管16、26の一部と、ガスクロマトグラフ装置40への試料ガス供給ライン33を、試料ガス供給モードと液体試料供給モードとの間で切り替える供給切替弁31と、引出し管16、26を経由して窒素ガスまたはヘリウムから成る不活性ガス(パージガス)を供給するパージライン18、28と、試料ガスを計量管12、22からガスクロマトグラフ装置40に向けて供給するためのキャリアガスを導入するキャリアガス供給管32を有する。
各試料容器11、21には、攪拌機(STR)19、29が付属しており、攪拌機19、29は、試料容器11、21内の試料液の各成分の揮発を促す。
ガスクロマトグラフ装置40は、試料ガスを受け入れるカラム41と、カラム41に受け入れた試料ガスの各成分濃度を測定する濃度検出装置(FID)42と、キャリアガス供給管44、試料ガス供給ライン33、及び、供給切替弁31を経由し、カラム41に向けて液体試料の注入を行う注入装置43と、注入された液体試料を気化する気化室45とから成る。注入装置43は、本クロマトグラフ装置40を、試料液の成分濃度を気相で検出するヘッドスペースGC装置として利用する他に、試料液のままで注入し成分濃度を検出するガスクロマトグラフ装置として利用するために、試料液をそのまま注入する機能を有している。
試料容器11、21と、サンプル管12、22と、サンプル切替弁17、27と、供給切替弁31と、引出し管16、26及びキャリアガス供給管32の一部とは、恒温槽(サブオーブン)20内に収容されている。恒温槽20には、槽内正面の送風機71奥に第1ヒータ70が配設されており、送風機71により槽内の風を循環して恒温槽20の内部を一様に加熱している。第1ヒータによって加熱される恒温槽20内部の最高温度は例えば200℃である。恒温槽20には、更に、第2ヒータ30が配設され、第2ヒータ30は、引出し管16、26が恒温槽20から引き出される部分の壁内に埋め込まれている。恒温槽20には、恒温槽20内部の可燃性ガスを検出するために、ガス検知器34が警報の目的で配設されている。
シリンジユニット15、25と、パージライン18、28と、引出し管16、26、及び、キャリアガス供給管32の一部とが、恒温槽20の外部に配設されている。第2ヒータ30は、引出し管16、26を加熱する。第2ヒータによる最高加熱温度は、引き出し管内に凝縮物が発生した場合に、これを良好に蒸発させるため、例えば250℃程度まで昇温可能とされている。
上記ガスクロマトグラフ装置100は、制御コンピュータを含む制御装置によって、以下のように制御される。まず、図2に示すように、第1系統のサンプル切替弁17のポート2と3、ポート4と5、ポート1と6をそれぞれ接続し、供給弁31のポートを全て接続し、また、第1系統の引出し管16の電磁弁SV1〜SV3は、シリンジ14と引出し管16とが導通状態とされている。次いで、シリンジ14を操作してガス吸入を行い、第1系統の試料容器11から、サンプル管13、サンプル切替弁17のポート1及び6、計量管12、サンプル切替弁17のポート3及び2、引出し管16を経由して、試料容器11内の試料液の気相分である試料ガスを計量管12内にサンプリングする。
一方、ガスクロマトグラフ装置40にはガスサンプラ装置10付属のキャリアガス供給管32から、第1系統のサンプル切替弁17のポート4及び5、第2系統のサンプル切替弁27のポート4及び5、供給切替弁31のポート4及び3、試料ガス供給ライン33を経由して、キャリアガスが常に流されており、ガスクロマトグラフ装置40へのサンプル供給に先立って、安定した状態(定常状態)が保たれている。また、ガスクロマトグラフ装置40付属のキャリアガス供給管44からのキャリアガスにより、供給切替弁31のポート2及び1の経路はガス封されている。これらのガスには、ヘリウム又は窒素ガスなどの不活性ガスが用いられる。
次いで、図3に示すように、第1系統のサンプル切替弁17を切り替えて、ポート3と4、ポート5と6をそれぞれ接続し、キャリアガス供給管32からキャリアガスを注入し、計量管12内に蓄積された所定量の試料ガスを、計量管12からサンプル切替弁27、供給切替弁31、及び、試料ガス供給ライン33を経由してガスクロマトグラフ装置40に注入する。ガスクロマトグラム装置40は、受け入れた試料ガスの各成分濃度を測定する。キャリアガス供給管32からのキャリアガスの供給はそのまま継続する。また、第1系統のシリンジ14に導入された試料ガスを排出するため、電磁弁SV2をベント側に切り替えシリンジユニット15と引出し管16とを切り離し、シリンジ14をポンピングして、シリンジユニット15をクリーニングする。
ガスクロマトグラフ装置40による試料ガスの成分濃度の測定中に、図4に示すように、第1系統のサンプル切替弁17を切り替え、ポート4を5に接続して、計量管12を流路から外し、試料ガス供給ライン33及びカラム41を定常状態とする。また、電磁弁SV3、SV2を切り替えパージライン18によりSV3とSV2間の配管をパージする。
測定終了後、図5に示すように、キャリアガス供給管32から、キャリアガスの供給を継続して、引き続き試料ガス供給ライン33及びカラム41の定常状態を保つ。同時に、第2ヒータ30をオンとし、第1系統のガスパージライン18から不活性ガスを導入し、電磁弁SV1〜SV3、第1系統のサンプル切替弁17のポート2及び3、計量管12、ポート6及び1、試料容器11の上部空間を経由して、引出し管16及びサンプル管13のガス洗浄を行う。この加熱、不活性ガス洗浄を実施することによって、引出し管16内に凝縮物が発生した場合にも、その凝縮物を効果的に除去することができる。
上記サンプリングは、試料容器11と試料容器21に収容された試料液について交互に又は個別に行われる。それぞれの試料液の気相の成分濃度が平衡に達するまで、計測は繰り返し行われる。各繰り返しの計測において、先の計測値と今回の計測値とを比較し、計測値が平衡に達したと判定されると、ヘッドスペースGC装置100は、当該試料液についての測定を終了する。試料容器21に収容された試料液についてのサンプル手順は、試料容器11に収容された試料液についてのサンプル手順と同様である。
図6は、引出し管16及びサンプル管13のガス洗浄が終了した際の処理の様子を示している。試料容器11内の試料液についての計算値が平衡に達したと判定され、成分濃度の計測が終了した後は、図5に示す、引出し管16及びサンプル管13の不活性ガス洗浄の終了を待って、図6に示すように、第1系統の電磁弁SV1の引出し管16側のポートをベント側となるように切り替えて、第1系統のサンプル管13及び引出し管16を開放とした後に、試料容器11を取り外す。第2系統のガスサンプラも上記と同様に操作される。
図7は、上記ガスクロマトグラフ装置40で液体試料の分析をする際の制御の様子を示している。液体試料は、ガスクロマトグラフ装置40付属の注入装置43から、供給切替弁31のポート2及び3、試料ガス供給ライン33を経由して直後にガスクロマトグラフ装置40のカラム41に供給される。この状態では、キャリアガス供給管32から、第1系統のサンプル切替弁17のポート4及び5、第2系統のサンプル切替弁27のポート4及び5、供給切替弁31のポート4及び1の経路はガス封されている。
上記実施形態のガスサンプラ装置10では、試料容器11、21、計量管12、22、及び、切替え弁17、27を含むガスサンプルライン及びガス供給ラインを、同一の恒温槽20内に設置したことにより、試料液から揮発して得られた試料ガスの系内での凝縮を防止し、これによって、ヘッドスペースGC装置100における成分濃度の測定精度を高めている。
また、恒温槽20に付属の第1ヒータとは別に、シリンジユニット15、25に連結された引出し管16、26に導入された試料ガスを加熱する第2ヒータ30を設けたことにより、比較的高い沸点を有する成分が系内で凝縮した場合でも、効果的に除去することができ、引き出し管16、26における管の閉塞を防止でき、信頼性が高いガスサンプラ装置10が得られる。
更に、試料容器11、21を恒温槽20内に収容した後は、自動的にガスクロマトグラフ装置40に試料ガスを供給し、ガスクロマトグラフ装置40で測定された成分濃度が平衡に達した後は、当該試料液についての測定を自動的に停止させるので、高い温度による人体への危険が回避でき、測定精度及び測定効率に加えて、安全性が向上する利点がある。
上記実施形態のヘッドスペースGC装置100を製作し、その性能を検証した。製作したヘッドスペースGC装置100は、ガスサンプラを収容する恒温槽20と、ガスクロマトグラフ装置40を収容する筐体とを併置し、双方のライン間などを金属チューブで接続した。恒温槽20内の最高温度を約200℃とした。シリンジ14及び電磁弁SV1〜SV6を含むシリンジユニット15、25は、恒温槽20の外壁に取り付けたボックス内に収容した。ボックスから恒温槽20内に貫通する引出し管16、26の周囲に第2ヒータ30を設置し、各引出し管16、26を個別に加熱した。第2ヒータ30によって引出し管16、26の最高温度を約250℃とした。
ガラス製の試料容器11、21には、その内部に回転攪拌機19、29を設置し、試料容器11、21全体を更に金属性ホルダーで囲んで、その内部温度を均一に保った。ガスサンプラ装置10内のラインは、全て金属チューブで接続した。
上記ガスサンプラ装置によって、AT(アセトン)/MeOH(メタノール)の2成分を有する試料液を分析することにより装置の性能検証を行った。第1の検証では、試料液としては、AT/MeOHの重量比が50℃で0.5/0.5である試料液1と、重量比が50℃で0.9/0.1である試料液2とを用意した。試料液1を第1の系統のガスサンプラで、試料液2を第2の系統のガスサンプラでサンプリングした。
予め作成したプログラムにより、試料液1は、試料液の加熱を開始してから、10分、30分、50分、...後の成分濃度を測定し、試料液2は、加熱を開始してから、20、40分、60分、...後の成分濃度を測定するというように、双方の成分濃度を交互に測定することとした。それぞれの成分濃度の測定値が平衡に達したか否かを、前回からの測定値の変化率で判定し、平衡に達したと判定したときに測定を終了することとした。なお、判定の基準として、測定値の変化率が0.999以上であることとした。
図8(a)及び(b)はそれぞれ、第1の検証における、試料液1及び試料液2の測定結果をグラフで示している。2種類の試料液の成分濃度が効率的に得られたこと、各成分濃度の測定値が高い精度で得られた旨が理解できる。
第2の性能検証は、本装置で測定されたy−x線図及びα−x線図の正確さによって行った。y−x線図は、試料液の液相における成分濃度(x)と気相における成分濃度(y)との関係を示す線図であり、α−x線図は、一方の成分の液相中の成分濃度(x)とα値との関係を示す線図である。α値は、例えばAT/MeOHの試料液では、K(AT)を、試料液の気相中のAT成分の濃度/試料液中におけるAT成分の濃度の比とし、K(MeOH)を、試料液の気相中のMeOH成分の濃度/試料液中におけるMeOH成分の濃度の比とすると、α=K(AT)/K(MeOH)で示される。図9(a)及び(b)はそれぞれ、AT/MeOHの試料液中におけるATの組成とその試料液の気相におけるATの組成との関係を示すy−x線図、及び、AT/MeOHの試料液におけるATの組成とα値との関係を示すα−x線図である。
図9には、本ヘッドスペースGC装置で得られた恒温槽20内での温度40℃、45℃、及び、50℃での実測値(HSGC実測値)に基づくy−x線図及びα−x線図と、ドルトムントデータバンクに示された同温度での文献値(DDB文献値)とを対比して示した。なお、同図(a)では、横軸(x)に試料液でのATのモル分率を、縦軸(y)に気相でのATのモル分率を示し、同図(b)では、横軸(x)に試料液でのATのモル分率を縦軸にα値を示している。
図9(a)及び(b)には、本実施形態のガスサンプラ装置を用いることにより、文献値と極めて良く整合したデータが得られた旨が示されており、本ヘッドスペースGC装置の測定精度が高い旨が理解できる。
第3の性能検証は、成分濃度測定値の再現性について行った。図10は、本ヘッドスペースGC装置で同じ試料液を複数回測定したときに同じデータが得られるかについて調べた結果を示している。表は、左から、計測回数(n)、計測されたMeOHのArea値(測定値の積分値)、計測されたATのArea値、試料液の作成時のATのモル分率、計測値から得られた気相におけるATのモル分率、α値、第1系統又は第2系統の別、液相でクロマトグラフ装置によって計測されたMeOHのArea値、及び、同ATのArea値である。同図から理解できるように、測定回数nが6の場合において、再現精度(R.S.D)が目標値の5%を大幅にクリアしている。特に、α値のR.S.Dは0.35%であった。また、液相での測定についても、良好な再現性が得られた。
本発明のガスサンプラ装置の測定結果は、試料液の蒸留条件の判断や、蒸留塔の設計の際に、特に好適に使用できる。
以上、本発明をその好適な実施形態例に基づいて説明したが、本発明のガスサンプラ装置は、上記実施形態例の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態例の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
本発明の一実施形態のガスサンプラ装置を含むヘッドスペースGC装置の構成を示す系統図。 図1のヘッドスペースGC装置における、一ステップにおけるガスの流れを示す系統図。 図1のヘッドスペースGC装置における、一ステップにおけるガスの流れを示す系統図。 図1のヘッドスペースGC装置における、一ステップにおけるガスの流れを示す系統図。 図1のヘッドスペースGC装置における、一ステップにおけるガスの流れを示す系統図。 図1のヘッドスペースGC装置における、一ステップにおけるガスの流れを示す系統図。 図1のヘッドスペースGC装置における、一ステップにおけるガスの流れを示す系統図。 図1のヘッドスペースGC装置による成分濃度の検出性能を示すグラフ。 図1のヘッドスペースGC装置による成分濃度の検出性能を示すグラフ。 図1のヘッドスペースGC装置による成分濃度の検出性能を示す表。 従来のヘッドスペースGC装置の構成を示す系統図。
符号の説明
100:ヘッドスペースGC装置
10:ガスサンプラ装置
11、21:試料容器
12、22:計量管
13、23:サンプル管
14、24:シリンジ
15、25:シリンジユニット
16、26:引出し管
17、27:サンプル切替弁
18、28:パージライン
19、29:回転攪拌機
20:恒温槽
30:第2ヒータ
31:供給切替弁
32:キャリアガス供給管
33:試料ガス供給ライン
34:ガス検知器
40:ガスクロマトグラフ装置
41:カラム
42:濃度測定装置
43:注入装置
44:キャリアガス供給管

Claims (3)

  1. 2種類以上の成分を有する試料液が導入され該試料液を揮発させて試料ガスを生成する試料容器と、該試料容器から試料ガスを抜き出すサンプル管と、該サンプル管を経由して前記試料ガスを所定量サンプルする計量管と、前記サンプル管及び計量管を経由して前記試料容器と接続される引出し管と、該引出し管に接続され前記サンプル管、計量管及び引出し管を経由して前記試料容器から試料ガスを抜き出すシリンジ装置と、前記引出し管を経由して前記サンプル管及び計量管にパージガスを供給する配管、および前記試料ガスを前記計量管からガスクロマトグラフ装置に向けて供給するためのキャリアガスを導入するキャリアガス供給管とを備え、前記計量管で計測された所定量の試料ガスをガスクロマトグラフ装置に向けて供給するヘッドスペース・ガスサンプラ装置において、前記試料容器、サンプル管、及び、計量管を一体的に内部に収容するオーブンと、前記オーブンの内部を加熱する第1ヒータと、前記引出し管を加熱する第2ヒータとを備えることを特徴とするヘッドスペース・ガスサンプラ装置。
  2. 前記第2ヒータの少なくとも一部は、前記引出し管が前記オーブンの壁を貫通する位置に配設される、請求項1に記載のヘッドスペース・ガスサンプラ装置。
  3. 前記第2ヒータは、前記第1ヒータの最高加熱温度よりも高い最高加熱温度を有する、請求項1に記載のヘッドスペース・ガスサンプラ装置。
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