JP4545930B2 - アゴニストまたはアンタゴニストホルモン特性を有する17β−ニトロ−11β−アリルステロイドとその誘導体 - Google Patents

アゴニストまたはアンタゴニストホルモン特性を有する17β−ニトロ−11β−アリルステロイドとその誘導体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロゲスチンレセプターに結合すると考えられており、また、強力な抗プロゲステロン活性を示す、新規クラスのステロイドに関する。かかる化合物は、フィブロイド、子宮内膜症およびあるタイプの腫瘍の処置、分娩の前の頸部熟成を引き起こす際、ホルモン置換療法の際、並びに受胎能と生殖の調節において使用できる。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
プロゲステロンは、生殖の健全および生殖機能において重要な役割を演じる。例えば、子宮、乳房、子宮頸および視床下部−下垂体ユニットにおけるその効果は、よく研究されている。また、脳、免疫系、血管内皮系および脂質代謝における効果のような、よく研究されていない特別な生殖活性も有する。この広範にわたる効果から、プロゲステロンの効果の一部をまねる化合物(アゴニスト)、これらの効果をアンタゴナイズする化合物(アンタゴニスト)、または混ぜ合わさった効果を示す化合物(部分的アゴニストまたは混合したアゴニスト/アンタゴニスト)が、種々の疾患状態または症状を処置することに使用できることは明らかである。
【0003】
ステロイドホルモンは、部分的に、細胞内レセプターに結合することによって、その効果を発揮する。適切なレセプターに結合し、かつ、エストロゲンおよびアンドロゲンホルモンのアンタゴニストまたは部分的アゴニストである化合物は長く知られているが、プロゲステロンレセプターに結合し、かつプロゲステロンの効果をアンタゴナイズする化合物の発見は、1982年頃初めて発表された。そのときから、多数のかかる化合物が科学および特許文献に報告され、in vitro、動物およびヒトにおけるその効果が研究されてきた。エストロゲンおよび一部の酵素インヒビターのような化合物は、内因性プロゲステロンの生理学的効果を妨げることができるが、本文において“抗黄体ホルモン”は、プロゲスチンレセプターに結合する化合物に制限される。
【0004】
抗黄体ホルモンが多数の医学的状態において有効であることを示す情報は、現在入手可能である。この情報は、Institute of Medicine(Donaldson, Molly S.; Dorflinger, L.;Brown,Sarah S.;Benet,Leslie Z.,Editors,Clinical Applications of Mifepristone (RU486) and Other Antiprogestins, Committee on Antiprogestins: Assessing the Science, Institute of Medicine, National Academy Press, 1993)の報告に要約されている。プロゲステロンが生殖において作用するという中心的役割の観点から、抗黄体ホルモンが、避妊(長期および緊急時または性交後)、月経誘導および妊娠の医学的終結を含めた生殖能調節において役割を演じうることは驚くべきことではないが、僅かな臨床的または臨床前の研究によって支持された他の多くの潜在的な用途が存在する。これらの中には、以下のものがある:
1.分娩および出産−抗黄体ホルモンは、胎児の死亡により分娩が誘導されなければならない期間または時点のような、分娩誘導前の頸部熟成のために用いられてもよい。また、これらは、妊娠期間または過期妊娠期間に分娩誘導を助けるために使用されてもよい。
2.子宮平滑筋腫(フィブロイド)の処置−これらの非悪性腫瘍は、30歳以上の女性の20%までが発病し、生殖可能な年齢における最も一般的な女性の手術原因の一つである。
3.子宮内膜症の処置−この一般的(5ないし15%の発病率、不妊女性ではこれよりはるかに大きい)かつ多くの場合に痛みを伴う症状は、現在、重大な副作用を有するダナゾールまたはゴナドトロピン放出ホルモンアナログのような薬剤を用いて処置されるか、外科的に扱われなければならない。
4.ホルモン置換療法、プロゲスチンの活性を阻害または縮小するために適用されてもよい。
5.ガン、特に乳ガン−多くの乳ガンにおけるプロゲスチンレセプターの存在が、転移ガンの処置またはガンの再発または初期発達の防止における抗黄体ホルモンの使用を示唆している。
6.髄膜腫等の他の腫瘍−これらの脳膜腫瘍は、非悪性ではあるが、患者の死亡を引き起こし、非外科的処置に乏しい。
7.男性避妊−抗黄体ホルモンは、精子の生存能を阻害しうるが、かかる化合物の抗グルココルチコイド活性に関連するかもしれないので、これが抗黄体ホルモンの作用か否かについては議論されている。
8.抗エストロゲン効果−少なくとも一部の抗黄体ホルモンは、一部のテストにおいて、しかし明らかに古典的なホルモンレセプターに関係しないメカニズムを介して、エストロゲンの作用に対抗するものである。これは、これらの医学的使用の種々の可能性を開くものである。
9.抗グルココルチコイド効果−これは、クッシング症候群の処置のような一部の場合に有益であり、かつ、例えば、免疫疾患において役割を演じうる、抗黄体ホルモンの一般的な副作用である。他の場合には、係る効果を最小限にすることが望ましい。
【0005】
プロゲステロンアゴニストの効果および使用は、詳細に示されている。さらに、周知の抗黄体ホルモンに構造的に関連する一部の化合物が、一部の生物学的システムにおいて強いアゴニスト活性を有することが最近になって示された(例えば、エストロゲンが適用された未熟なウサギの子宮における古典的なプロゲスチン効果;C.E.Cookら.,Life Sciences,52,155-162(1993)参照)。かかる化合物は、ヒトの細胞誘導レセプターシステムにおける部分的アゴニストであり、プロゲスチンおよび抗黄体ホルモン部位の両方から離れた部位に結合する(Wagnerら,Proc.Natl.Acad.Sci.,93,8739-8744(1996))。かくして、一般的なクラスの抗黄体ホルモンは、その臨床プロフィールにおいて変化に富んだサブクラスを有する。
【0006】
当初の抗黄体ホルモンは、11β-アリール置換基を有することに加えて、17βヒドロキシル基と種々の17α-置換基で置換されていた。(例えば、Teutsch,Jean G.;Costerousse,Germain;Philibert,Daniel,およびDeraedt,Roger.新規ステロイド.U.S.4,386,085.1983; Philibert,Daniel;Teutsch,Jean G.;Costerousse,Germain,およびDeraedt,Roger.3-ケト-19-nor-△-4,9-ステロイド.U.S.4,477,445.1983; Teutsch,Jean G.;Pantin,Germain;Costerousse,Saint-Maurice;Daniel Philibert;La Varenne Saint Hilaire;Roger Deraedt,発明者。ステロイド誘導体.Roussel Uclaf,譲受人(assignee).U.S.4,447,424.1984; Cook,C.Edgar;Tallent,C.Ray;Reel,Jerry R.,およびWani,Mansukh C.17α-(置換メチル)-17β-ヒドロキシ/エステル化ヒドロキシステロイドおよびこれらを含む薬学的組成物。U.S.4,774,236(1988)および4,861,763(1989)を参照)。次いで、11β-アリールの存在下で、17β-アセチル、17α-アシルオキシ基も抗プロゲステロン効果を有する化合物を生じうることが見出された(Cook,C.Edgar;Lee,Y.-W.;Reel,Jerry R.;Wani,Mansukh C.,Rector,Douglas.11β-置換プロゲステロンアナログ。米国特許第4954490号(1990)および5073548号(1991))。そして、かかる知見の種々の変更も行われた。しかしながら、17β-アシル系化合物の17α位に16α-エチル基または水素置換基を導入することは、アゴニストまたは部分的アゴニスト活性を引き起こす(C.E.Cookら,Life Sciences,52,155-162(1993))。
【0007】
一般的に、抗黄体ホルモン活性は、△4,9-3-ケトンまたは△4-3-ケトン部を伴う、ステロイド核における11β-アリール置換基の存在と関連している。しかしながら、ステロイドのDの置換基が、これらの化合物の生物学的プロフィールに顕著な影響を及ぼしうることが示された(上記参照)。かくして、ステロイドのD環の変更は、生物学的活性に広範な変化をもたらす。
【0008】
現行の抗黄体ホルモンの17β位は、炭素または酸素原子による置換に特徴を有することが分かる。11β-アリール置換基を有するステロイドの17β位におけるスピロニトロン(spironitrone)のようなニトロまたはニトロ関連置換基の効果の報告はされていない。本発明は、11β-置換、特に11βアリール置換によって特徴付けされる新規の17βニトロステロイド群を提供する。一般的な化学文献または特許文献のいずれにも、17β-ニトロステロイドステロイドについてはほとんど、そして、11β-置換されたものについては全く、報告されていない。参考として、例えば、Patchett, Arthur A.;Metuchen,Glen E.;Arth,Cranford, およびHoffman,Frances G. アルカノイルチオおよびピラゾロアンドロスタン誘導体. U.S.3094521, 1963。この特許は、17−ニトロステロイドの合成とメチルアクリラートとのMichael反応について記載し、ニトロ化合物に関連するような生物学的活性については報告していなかった。
【0009】
さらに、本発明は、新規17,17-スピロ環式ニトロン(nitrone)ステロイド群を提供する。17,17-スピロ環式ニトロンステロイドは僅かに知られているが(参考:Keana,John F.W.;Tamura,Toshinari;McMillen,Debra A.,およびJost,Patricia C.新規コレステロールニトロオキシドスピンラベルの合成および特徴決定。ヒト高密度脂質リポプロテインの分子構成に対する適用。J.Am.Chem.Soc.1981;103(16):4904-4912)、これらは、スピンラベルを現すために用いられ、生物学的特性に関するものではない。11β-アリール置換基を有するかかる化合物は、全く報告されていない。
【0010】
1998年5月1日の抗黄体ホルモンの臨床的約束にも関わらず、米国または他の多くの国で市販されている抗黄体ホルモン薬剤はなかった。唯一の抗黄体ホルモン剤のみが認可され、臨床的用途のために世界中で入手可能であり、その薬剤、すなわちミフェプリストンは、主に妊娠の医学的終結のために用いられている。多数のファクターが、かかる状況の原因であるが、確かに、上記状態に使用できる新規の抗黄体ホルモン剤が必要とされている。従って、より高い特異性を示す抗黄体ホルモン化合物が依然として必要とされている。
【0011】
それゆえ、新規かつ強力なプロゲスチンアンタゴニスト(抗黄体ホルモン)および混合または部分的プロゲスチンアゴニストを提供すること、およびヒトを含む哺乳動物におけるその医学的使用方法を提供することが本発明の目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、11β-置換、特に11β-アリール置換により特徴付けされる、新規17β-ニトロステロイド群を提供する。さらに、本発明は、新規の17,17-スピロ環式ニトロンステロイド群を提供する。それゆえ、本発明は、副作用を低減する能力を備え、さらに、プロゲスチンレセプターに対して強い結合を示し、かつ、強いプロゲステロンまたは抗プロゲステロン活性を有する化合物に向けられている。
【0013】
本発明にかかるステロイド化合物は、以下の構造Iであってもよい。
【化9】
Figure 0004545930
[式中、
1は(R23N(O)r)-
(rは0または1であり、R2およびR3はそれぞれ独立にH、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、これらはいずれも任意に置換されてもよい)であるか;
1
【化10】
Figure 0004545930
(qは0または1であり、Yは-(CH2m-(mは0から5の整数)、またはYは-(CH2n-Z-(CH2p-(nは0から2の整数、pは0から2の整数、Zはヘテロ原子(任意に置換可能))、かつ、CH2基はいずれも任意に置換されてもよい)であるか;あるいは
1は、N-イミダゾリル、-N-ピロリル、ハロ-、HO-、CF3SO2O-、C1-6アルキル-O-、C1-6アルキル-S-、C1-6アルキル-S(O)-、C1-6アルキル-S(O2)-、C1-6アルキル-CO-、C1-6アルキル-CH(OH)-、NC-、HCC-、C65CC-、2'-フリル、3'-フリル、2'-チオフェニル、3'-チオフェニル、2'-ピリジル、3'-ピリジル、4'-ピリジル、2'-チアゾリル、2'-N-メチルイミダゾリル、5'-ピリミジニル、C65-、H2C=CH-、C1-6アルキル、またはMeC(=CH2)-であり;
12はHまたはハロであり;または
1およびR12が結合して環:
【化11】
Figure 0004545930
[式中、WはCH2、CH、NH、N、OまたはSであり、R4はHまたはC1-6アルキルである]を形成し;
XはOまたはNOR5(式中、R5はHまたはC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-12アリール、またはヘテロアリールであり、これらはいずれも任意に置換されてもよい)であるか;
Xは(H、H)、(H、OH)、(H、OSi(C1-6アルキル)3)、または(H、OCOR5)(式中、R5はC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-12アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニルまたはヘテロアラルキニルであり、これらはいずれも任意に置換されてもよい)であるか;あるいは
Xは
【化12】
Figure 0004545930
(式中、Yは-(CH2m-(mは0から3の整数)であるか、またはYは-(CH2n-Z-(CH2p-(nは0から2の整数、pは0から2の整数、Zはヘテロ原子(任意に置換可能)、または、Zは一つまたは二つのC1-6アルキル基で置換された炭素原子)であり);
6はH、C1-6アルキルまたはハロゲン;
7はH、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-12アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニルまたはヘテロアラルキニルであり、これらはいずれも任意に置換されてもよい];および、
薬学的に許容できるこれらの塩。
【0014】
本発明に係るステロイド化合物は、以下の構造IIの環式ニトロンユニットを含んでもよい。
【化13】
Figure 0004545930
[式中、
1は(R23N(O)r)-
(rは0または1であり、R2およびR3はそれぞれ独立にH、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、これらはいずれも任意に置換されてもよい)であるか;
1
【化14】
Figure 0004545930
(qは0または1であり、Yは-(CH2m-(mは0から5の整数)、またはYは-(CH2n-Z-(CH2p-(nは0から2の整数、pは0から2の整数、Zはヘテロ原子(任意に置換可能))、かつ、CH2基はいずれも任意に置換されてもよい)であるか;あるいは
1は、N-イミダゾリル、-N-ピロリル、ハロ-、HO-、CF3SO2O-、C1-6アルキル-O-、C1-6アルキル-S-、C1-6アルキル-S(O)-、C1-6アルキル-S(O2)-、C1-6アルキル-CO-、C1-6アルキル-CH(OH)-、NC-、HCC-、C65CC-、2'-フリル、3'-フリル、2'-チオフェニル、3'-チオフェニル、2'-ピリジル、3'-ピリジル、4'-ピリジル、2'-チアゾリル、2'-N-メチルイミダゾリル、5'-ピリミジニル、C65-、H2C=CH-、C1-6アルキル、またはMeC(=CH2)-であり;
12はHまたはハロであり;または
1およびR12が結合して環:
【化15】
Figure 0004545930
[式中、WはCH2、CH、NH、N、OまたはSであり、R4はHまたはC1-6アルキルである]を形成し;
XはOまたはNOR5(式中、R5はHまたはC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-12アリール、またはヘテロアリールであり、これらはいずれも任意に置換されてもよい)であるか;
Xは(H、H)、(H、OH)、(H、OSi(C1-6アルキル)3)、または(H、OCOR5)(式中、R5はC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-12アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニルまたはヘテロアラルキニルであり、これらはいずれも任意に置換されてもよい)であるか;あるいは
Xは
【化16】
Figure 0004545930
(式中、Yは-(CH2m-(mは0から3の整数)であるか、またはYは-(CH2n-Z-(CH2p-(nは0から2の整数、pは0から2の整数、Zはヘテロ原子(任意に置換可能)、または、Zは一つまたは二つのC1-6アルキル基で置換された炭素原子)であり);
6はH、C1-6アルキルまたはハロゲン;
8は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、またはC2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-12アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニルまたはヘテロアラルキニルであり、これらのいずれも任意に置換されてもよい]および、
薬学的に許容できるこれらの塩。
【0015】
式IおよびIIの上記化合物は、特に、A環の3位において、二つの水素原子で置換された化合物を含む。これらの化合物は、in vivoでの酸化を受けて対応するカルボニル化合物になると考えられている。
【0016】
本発明の範囲内において、用語ヘテロ原子は、酸素、窒素、硫黄、ケイ素またはホウ素原子を意味する。ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味し、ハロはフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。アラルキル、アラルケニルまたはアラルキニルは、アリール置換基を有するC1−C4アルキル、C2−C4アルケニルまたはC2−C4アルキニル基を意味する。低級アルキルは、C1−C6アルキル基を意味する。ヘテロアリールは、融合または結合してもよい一以上の環構造からなる5ないし12の非水素原子のユニットであって、1ないし5のヘテロ原子を含み、かつ、一般に当業者に芳香族電子特性を有すると理解されているものを意味する。
【0017】
ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニル、またはヘテロアラルキニルは、ヘテロアリール置換基を有する、C1−C4アルキル、C2−C4アルケニルまたはC2−C4アルキニル基を意味する。
【0018】
“任意に置換”とは、一以上のヘテロ原子、および/または、ハロゲン、および/または、1ないし4の炭素原子のアルキル基、および/または、2ないし4の炭素原子のアルケニルおよび/またはアルキニル基、および/または、3ないし7の炭素原子のシクロアルキル基、および/または、6ないし12の炭素原子のアリール基、および/または、ヘテロアリール基で置換された、または未置換であることを意味し、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基が、一つ以上のヘテロ原子および/またはハロゲンでさらに置換されてもよい。置換は、環式アミン複素環のCH2基に直接行われてもよい。原子価が許す場所で、ヘテロ原子は、炭素鎖内または、単一または二重結合による付着のいずれかによって、置換されてもよい。例えば、-CH2CH2C(=O)H、-CH2(C=O)CH3、-CH2CH2OCH3、-CH2CH2CH2OH、CH3CH2CH2O-、CH2CH2C(=O)NH2、CH3CH2C(=O)NH-、-CH2COOCH3、CH3CH2COO-、およびCF3CC-であり、全てこの定義に含まれる。
【0019】
原子価および立体的考察が許す全ての場合に、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキル基はさらに二重または三重結合および/または分枝鎖を含んでもよい。
【0020】
構造IおよびIIに見られるC6におけるR6基は、αまたはβ位のいずれかに存在しうる。好ましい実施態様では、基R6は、α位に位置する。
【0021】
別の実施態様では、C11βアリール基は、上述したようにR1およびR12基で置換されたピリジン基で置き換えられてもよい。
【0022】
好ましい実施態様では、構造Iを有するステロイドが、以下のように置換される:
1-Phが、4-アミノフェニル、4-(N-メチルアミノ)フェニル、4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル、4-(N-ピペリジノ)フェニル、4-(N-ピロリジノ)フェニル、4-(N-モルホリノ)フェニル、1-メチルインドール-5-イルまたは1-メチル-2,3-ジヒドロインドール-5-イルであり、
XがO、NOHまたはNOCH3であり;
6がH、CH3、FまたはClであり;
7がH、メチル、エチル、1-プロピニル、3-プロピニル、3-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシ-1-プロペニル(E-またはZ-)、3,3,3-トリフルオロプロピン-1-イル、3-ヒドロキシプロピン-1-イル、(CH22COOCH3、(CH22COOC25、(CH22COCH3、CC-C66またはCH265である。
【0023】
好ましい実施態様では、構造IIを有するステロイドが、以下のように置換される:
1-Phが、4-アミノフェニル、4-(N-メチルアミノ)フェニル、4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル、4-(N-ピペリジノ)フェニル、4-(N-ピロリジノ)フェニル、4-(N-モルホリノ)フェニル、1-メチルインドール-5-イルまたは1-メチル-2,3-ジヒドロインドール-5-イルであり;
XがO、NOHまたはNOCH3であり;
6がH、CH3、FまたはClであり;かつ
8がH、CH3またはCH265である。
【0024】
本発明の内容の範囲で、R1を含む、特に基
【化17】
Figure 0004545930
、(CH2m、(CH2n、(CH2p、を含む各-CH2-基は、上記のように置換されてもよい。
【0025】
特定の非限定的な例は、以下の化合物を含む:
11β-(4-アセチルフェニル)-17α-(1-プロピニル)-17β-ニトロエストラ-4,9-ジエン-3-オン;11β-(4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル)-17α-(1-プロピニル)-17β-ニトロエストラ-4,9-ジエン-3-オン;3',4'-ジヒドロ-11β-(4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル)-5'-メチル-1'-オキソ-スピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'(2'H)-ピロール]-3-オン;3',4'-ジヒドロ-11β-(4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル)-1'-オキソ-スピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'(2'H)-ピロール]-3-オン;11β-(4-アセチルフェニル)-17α-(E-3-ヒドロキシ-1-プロペニル)-17β-ニトロエストラ-4,9-ジエン-3-オン;11β-(4-アセチルフェニル)-17α-(3-ヒドロキシプロピル)-17β-ニトロエストラ-4,9-ジエン-3-オン;11β-(4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル)-17α-(E-3-ヒドロキシ-1-プロペニル)-17β-ニトロエストラ-4,9-ジエン-3-オン;17β-ニトロ-11β-(4-(N-ピペリジノ)フェニル)-17α-プロピニル-エストラ-4,9-ジエン-3-オン;3',4'-ジヒドロ-11β-(4-(N-ピペリジノ)フェニル)-5'-メチル-1'-オキソ-スピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'(2'-H)-ピロール]-3-オン;11β-(4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル)-17α-(3-ヒドロキシプロピル)-17β-ニトロエストラ-4,9-ジエン-3-オン。
【0026】
上記、C11フェニル基にアミノ基を有する本発明の化合物は、アミンとの塩を含んでもよい。薬学的に許容できる適切な塩は、当業者に知られており、カルボキシラート、スルファート、ホスファートおよびハロゲン化物を含む。
【0027】
プロゲステロン、抗プロゲステロンおよび/または抗グルココルチコイド活性を有するステロイドは、ヒトや、霊長類、家庭用ペットおよび家畜のようなヒト以外の哺乳動物における生殖能のコントロール、およびかかる活性が有益である動物またはヒトにおける医学的状態の処置において用途がある。かくして、これらは、受精能および生殖のコントロールにおける用途に加えて、フィブロイド、クッシング症候群、緑内障、子宮内膜症、分娩前の頸部熟成、ホルモン置換療法、月経前症候群およびガンのような症状の処置に使用できる。
【0028】
本発明の化合物は、種々の方法により投与することができる。かくして、経口経路により活性である本発明の産物は、溶液、懸濁液、エマルション、舌下および口内タブレットを含むタブレット、柔軟なゼラチンカプセルに用いられる溶液を含む柔らかいゼラチンカプセル、水性または油性懸濁液、エマルション、丸剤、ロゼンジ、トローチ、タブレット、シロップまたはエリキシル剤等で投与されてもよい。非経口投与に活性な本発明の産物は、蓄積注射、Silastic(登録商標)を含む移植物および生分解移植物、筋内および静脈内注入によって投与することができる。
【0029】
組成物は、薬学的組成物の製造について当業者に知られた方法に従って調製することができ、かかる組成物は、甘味料、調味料、着色剤および防腐剤からなる群から選択される一以上の薬剤を含んでもよい。タブレットの製造に適した非毒性の薬学的に許容できる賦形剤と混合して活性剤を含むタブレットが許容できる。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム、粒状化および崩壊剤、例えばトウモロコシデンプン、あるいはアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼラチンまたはアカシア;および潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクとすることができる。タブレットは、未被覆であっても、あるいは、胃腸管における崩壊および吸収を遅延させ、より長期にわたって持続した作用を与えるために周知技術によって被覆されていてもよい。例えば、グリセリルモノステアラートまたはグリセリルジステアラートのような遅延物質を単独またはワックスと共に用いることができる。
【0030】
経口的使用のための製剤は、活性成分が不活性固型希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合された固いゼラチンカプセルとして、あるいは、活性成分が水または油性媒体、例えば落花生油、パラフィン油またはオリーブ油と混合された柔らかいゼラチンカプセルとして存在することもできる。
【0031】
本発明の水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合して活性物質を含む。かかる賦形剤は、懸濁剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガムおよびアカシアガム、並びに分散または湿潤剤、例えば天然に生じるホスファチド(例えばレシチン)、脂肪酸とアルキレンオキシドの縮合物(例えば、ポリオキシエチレンステアラート)、エチレンオキシドと長鎖脂肪アルコールとの縮合物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、脂肪酸とヘキシトールから誘導された部分エステルとエチレンオキシドとの縮合物(例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレアート)、または脂肪酸とヘキシトール無水物から誘導された部分エステルとエチレンオキシドとの縮合物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート)を含む。水性懸濁液は、エチルまたはn-プロピル p-ヒドロキシベンゾアートのような一以上の防腐剤、一以上の着色剤、一以上の調味剤、およびスクロース、アスパルテームまたはサッカリンのような一以上の甘味剤を含んでもよい。眼病用製剤は、当該技術分野において知られているように、浸透圧について調節される。
【0032】
油懸濁液は、落花生油、オリーブ油、ゴマ油またはヤシ油等の植物油、またはパラフィン油のような鉱油中に活性成分を懸濁させることによって製剤することができる。油懸濁液は、増粘剤、例えばミツロウ、固形パラフィンまたはセチルアルコールを含んでもよい。甘味剤は、味の良い経口調製物を提供するために添加されてもよい。これらの組成物は、アスコルビン酸のような酸化防止剤を添加することによって保存されてもよい。
【0033】
水の添加による水性懸濁液の調製に適した本発明に係る分散性粉末および顆粒は、分散、懸濁および/または湿潤剤、および一以上の防腐剤と混合した活性成分から製剤化されてもよい。適切な分散または湿潤剤および懸濁剤は、上に例示されている。付加的な賦形剤、例えば甘味、調味および着色剤も添加することができる。
【0034】
本発明の薬学的組成物は、水中油型エマルションの形態であってもよい。油性相は、オリーブ油または落花生油のような植物油、パラフィン油のような鉱油であってもよい。適切な乳化剤は、天然に生じるガム、例えばアカシアガムおよびトラガカントガム、天然に生じるホスファチド、例えば大豆レシチン、脂肪酸とヘキシトール無水物から誘導されたエステルまたは部分エステル、例えばソルビタンモノオレアート、並びにこれらの部分エステルとエチレンオキシドとの縮合物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートを含む。エマルションは、甘味および調味剤を含んでもよい。
【0035】
シロップおよびエリキシル剤は、グリセロール、ソルビトールまたはスクロースのような甘味剤と共に製剤化されてもよい。かかる製剤は、粘滑薬、防腐剤、調味剤または着色剤を含んでもよい。
【0036】
本発明の薬学的組成物は、無菌注入用調製物、例えば無菌注入用水性または油性懸濁液の形態であってもよい。この懸濁液は、上述した、適切な分散または湿潤剤および懸濁剤を用いて、周知技術に従って製剤化されてもよい。無菌注入用調製物は、1,3-ブタンジオールの溶液のような、非毒性経口用希釈剤または溶剤中の、無菌注入用溶液または懸濁液であってもよい。使用することができるビヒクルおよび溶媒は、水およびリンガー溶液、等張性塩化ナトリウムである。さらに、無菌不揮発性油が、通常通りに溶媒または懸濁媒体として用いられてもよい。かかる目的では、合成モノまたはジグリセリドを含むあらゆる刺激性の低い不揮発性油を用いることができる。さらに、オレイン酸のような脂肪酸が、同様に、注入物の調製に用いられてもよい。滅菌濾過、放射線またはターミナル滅菌(例えばオートクレーブ)のような、当業者に周知の常法により滅菌が行われてもよい。
【0037】
水性製剤(すなわち、水中油型エマルション、シロップ、エリキシルおよび注入用調製物)は、最適の安定性のpHを得るために製剤化されてもよい。最適pHの測定は、当業者に周知の常法によって行うことができる。適切なバッファーは、製剤のpHを維持するために用いられてもよい。
【0038】
本発明の化合物は、薬剤の直腸投与用の坐薬の形態で投与されてもよい。これらの組成物は、常温では固体であるが直腸の温度で液体であり、そのため直腸で溶けて薬剤を放出する安定な非刺激性賦形剤と薬剤とを混合することによって調製することができる。かかる物質の非限定的な例は、ココアバターとポリエチレングリコールである。
【0039】
これらは、坐薬、吸入剤、粉末およびエアゾール製剤を含む、鼻腔内、眼球内、膣内および直腸内経路によって投与されてもよい。
【0040】
局所的経路で投与される本発明の産物は、適用棒、溶液、懸濁液、エマルション、ゲル、クリーム、軟膏、ペースト、ゼリー、塗布剤、粉末およびエアゾールとして投与されてもよい。
【0041】
抗グルココルチコイド活性を有する産物は、クッシング症候群、男性型多毛症、および特に副腎性器症候群に関連する場合のような、過剰な内因性グルココルチコイドに特徴を有する病状、グルココルチコイド過剰に関連した眼の症状、例えば緑内障、過剰なグルココルチコイド分泌に関連したストレス症状等に特に価値がある。
【0042】
プロゲステロン活性を有する産物は、プロゲステロン剤、排卵阻害剤、月経制御剤、避妊剤、畜牛における繁殖期の同期化、子宮内膜症等のための薬剤として特に価値がある。避妊目的に用いられる場合には、例えばエチニルエストラジオールまたはエストラジオールエステル等のエストロゲン様剤と適切に混合してもよい。
【0043】
抗プロゲステロン活性を有する産物は、プロゲステロンの効果をアンタゴナイズすることに特徴を有する。これらは、月経周期におけるホルモン性の不整のコントロール、および畜牛における繁殖期の同期化に価値がある。
【0044】
本発明の化合物は、繁殖周期の間の生殖能のコントロールに用いられてもよい。子宮を着床に不都合にするための性交後の避妊薬、および、“月一回の(once a month)”避妊剤として特に価値がある。これらは、プロスタグランジン、分娩促進薬、エストロゲン等と併せて用いられてもよい。
【0045】
本発明の産物にとってさらに重要な有用性は、ホルモン依存性ガンの成長を遅延させる能力にある。かかるガンは、腎臓、乳房、子宮内膜、卵巣ガン、および前立腺ガンを含み、これらはプロゲステロンレセプターを有することに特徴を有し、本発明の産物に反応することが期待される。抗プロゲステロン剤の他の有用性は、乳房線維嚢胞病の処置を含む。一部のガンおよび特に黒色腫は、コルチコイド/アンチコルチコイド療法に有利に反応するかもしれない。
【0046】
本発明に係る化合物は、ヒト、家庭用ペットおよび家畜のようなあらゆる温血哺乳動物に適用することができる。家庭用ペットは、イヌ、ネコ等を含む。家畜は、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ等を含む。
【0047】
一回分の投与量形態を産生するためにキャリアー物質と組み合わされてもよい活性成分の量は、処置される疾患、哺乳動物種、および投与形式に依存して変化する。治療に有効な量は、機械的な実験、および類似ステロイド化合物で同一症状を処置するのに用いられる量からの類推により決定できる。例えば、ステロイドの単位投与量は、好ましくは0.1ミリグラムから1グラムの活性成分の間を含むことができる。より好ましい単位投与量は、0.001から0.5グラムの間である。子宮内膜症またはフィブロイドの特異的処置のためには、体重に対して0.01ないし10mg/kg、好ましくは0.1ないし3mg/kgの量が投与されてもよい。同様の投薬は、これらの化合物の他の治療目的のために用いることができる。通常、化合物は、1日に1〜4回、好ましくは一日に1〜2回で毎日投与されるが、例えばホルモン置換療法における使用では、シクロファシック法(cyclophasic regimen)で投与されてもよい。いずれにせよ、投与頻度およびタイミングは、体内における特定の化合物の半減期、投薬製剤および投与経路のようなファクターに依存する。しかしながら、いずれか特定の患者に対する特定の投薬レベルは、当業者に理解されているように、用いた特定の化合物の活性;処置される個人の年齢、体重、一般的健康状態、性別および食事、投与時間および経路;排出速度;以前に投与された他の薬剤;および治療を受ける特定の疾患の深刻さを含む種々のファクターに依存する。
【0048】
かかる化合物は、子宮内膜症、子宮平滑筋腫(フィブロイド)および一部のガンおよび腫瘍の処置、ホルモン置換療法、並びに、避妊のような、生殖の種々の段階および生殖能のコントロールにおいて使用できる。かかる化合物の可能な用途のより詳細な記載は、Donaldson,Molly S.;Dorflinger,L.;Brown,Sarah S.;Benet,Leslie Z.,Editors, Clinical Applications of Mifepristone (RU486) and Other Antiprogestins, Committee on Antiprogestins: Assessing the Science, INstitute of Medicine, National Academy Press,1993に記載されている。
【0049】
本発明の化合物は、当業者に周知の通常の方法で調製されてもよい。例として、以下の一般的な合成方法が与えられる。
【0050】
本発明の化合物は、3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-エストラ-5(10),9(11)-ジエン-17-オン(A-1)から出発して、チャートA−C(図1−3)に記載された方法に従って調製することができる。この化合物は、好ましくは、H22、ヘキサフルオロアセトンおよびCH2Cl2中のNa2HPO4を用いたA-1の処理を含む種々の方法によって、5(10)α-エポキシドA-2に変換され、銅(1)塩、好ましくはCuClと混合したアリールグリニャール試薬を用いた処理により11β-アリール化合物A-3に変換される(Teutsch,G.,らSteroids 59:22-26(1994)参照)。ピリジンにおけるヒドロキシルアミンヒドロクロリドとのオキシム形成は、優れた収率で化合物A-4を与える。A-4のN-ブロモスクシンイミド(NBS)を用いた処理は、中間体17-ブロモ-17-ニトロ化合物を与える。これは、NaBH4で処理することにより、17-ニトロ化合物A-5に容易に還元される。
【0051】
α,β-不飽和エステルの存在下におけるニトロ化合物のMichael(1,4)付加(Patchettらの方法,J.Org.Chem.,27,3822(1962))は、対応する付加物A-6を与える。例えば、メチルアクリラートまたはメチルプロピオラートが不飽和エステルとして使用される場合には、付加物A-6は、それぞれR7がCH2CH2COOMeまたはCH=CHCOOMeで形成される。メチルプロピオラートとの付加物は、主にE−異性体である。A-5またはA-6の化合物は、弱い酸(好ましくはCH2Cl2中の水およびトリフルオロ酢酸)で処理されて、ジエノンA-8を形成することができる。A-6型の化合物における基R7は、別の反応を受けてもよい。かくして、エステル基は、ジイソブチルアルミニウムヒドリド(DIBAL−H)を用いて第一アルコールに還元されて、それぞれ例えばA-7(R7=CH2CH2CH2OH)およびA-7(R7=CH=CHCH2OH)を生じてもよい。好ましくはCH2Cl2中の水およびトリフルオロ酢酸を用いた酸処理は、対応するジエノンA-8への脱ケタール化(deketalization)および脱水をもたらす。
【0052】
A-4の芳香環が、例えばN-ジアルキルアミノまたはN-ヘテロシクロアルキルのような、アリール環を求電子反応に対して特に敏感にする置換基を含む場合には、NBSを用いた処理は、電子供与置換基へのオルト位での臭素化、並びに、17-ブロモ-17-ニトロ化合物への変換をもたらす。得られたアリールブロミドは、残りの工程の間中保有されるか、アリールブロミドは、適切な化合物をt-ブチルリチウムで処理し、次いで水素イオン源で処理することにより、最終産物A-8が得られる前のいずれかに水素原子で置換されうる(例えば、KobrichとBuck,J.Amer.Chem.Soc.,103,1412(1970)参照)。もしトリチウムまたはジューテリウム化合物が水素イオン源として使用されれば、同位元素によりラベルされた化合物が得られ、これはトレーサー研究、例えば代謝、薬物動力学またはレセプター結合研究において有益である。
【0053】
ハロゲン化アリール基を有することを望まないのであれば、臭素を水素で置換する必要性が、この方法の全体的な収率を低減する。本発明の知見の一つは、R1がR1−Arが第三級アミンであるようなアミノ基である場合には、Ar環は、窒素を第三級アミンN-オキシドへと最初に酸化することにより、置換に対して不活性化されることである。
【0054】
それゆえ、二者択一的かつ好適に、第三級アミン置換基が芳香核に存在する場合には、この環は、第三級アミンのアミンオキシド(A-4、R1=R2N(O)−)への変換により臭素化に対して不活性化されうる。当該技術分野において周知の多数の酸化剤を用いることができる。例えばジメチルジオキシランは優れた収率を与える。僅かに低い収率が、H22およびヘキサフルオロアセトンを用いた処理によって与えられるが、便利性から一般的に好ましいものとされる。アミンオキシドは、反応混合物を硫酸鉄 (II)水溶液と単に混合することにより、NBS反応後に、アミンへと還元される。これは、通常、NBS反応のワークアップ(workup)において用いられる。得られた17-ブロモ-17-ニトロ化合物は、前述したように、NaBH4により17-ニトロ化合物A-5へと還元される。A-5の場合には、17-ニトロ置換基は、本来17β-位に存在するが、Michael反応において産生されたアニオンが、容易に平衡化され、不飽和エステルの付加が分子のα-側から生じるように、α-またはβ-化合物のいずれかが次の工程に用いられてもよい。
【0055】
A-5が、図2に示されているようにメチルビニルケトンのようなα,β-不飽和カルボニル化合物に対するMichael付加を受ける場合には、得られたカルボニル産物B−1は、例えば亜鉛およびNH4Clを用いて処理することにより、還元および環化されて、ニトロンB−2を形成することができる(Bonnettら,J.Chem.Soc.,2094-2102(1959)の方法を参照)。もしB−2におけるR12が臭素であるなら、上述したt-ブチルリチウム処理によりB−2(R12=H)に還元されてもよい。ケタールB−2の酸処理は、ジエノンB−3をもたらす。例えば、α,β-不飽和ケトンがメチルビニルケトンであるなら、得られた最終産物は、メチルニトロンB−3(R8=CH3)である。アルドニトロン(B−2,R8=H)は、特別のDIBAL−H(Millerら,J.Org.Chem.,24,627(1959)の方法を参照)を用いてエステルA-6(R7=CH2CH2COOR)のアルデヒド(A-6 R7=CH2CH2CHO)への還元、その後、亜鉛/NH4Cl還元およびニトロンB−2(R=H)の環化並びに脱ケタール化/脱水によりジエノンB−3(R8=H)とすることにより好ましく調製される。
【0056】
17α-炭素置換は、アルキニル残基によりニトロ化合物A-5に導入されてもよい。例えば、アニオンA-5を、ジメチルスルホキシド(DMSO)中でアルキニル鉛(IV)(alkynyllead (IV))トリアセタート化合物を用いて処理(Pinhey,J.T.ら,J.Chem.Soc.Perkin Trans.,1,333(1989)の方法)すると、対応する17α-アルキニル-17β-ニトロ化合物C−1(図3、チャートC)が得られる。上記酸処理は、ジエノンC−2をもたらす。
【0057】
本発明について一般的に記載したが、例証のためのみに記載され、特に言及しない限り限定することを意図しない、以下の特定の例を参照することによりさらなる理解が得られるであろう。
【0058】
一般的手法。他に記載しない限り、試薬級の化学薬品を商業的供給元から入手し、さらに精製することなく用いた。エーテルおよびテトラヒドロフラン(THF)を窒素下でナトリウムベンゾフェノンケチルペアから新たに蒸留した。全ての湿気および空気に敏感な反応および試薬の移し替えは乾燥窒素またはアルゴン下で行った。薄層クロマトグラフィー(TLC)は、EM Scienceプレコートシリカゲル60F-254プレートで行った。通常、化合物はUV光(254nm)またはp-アニスアルデヒドスプレーによって視覚化された。調製用カラムクロマトグラフィーは、EM Scienceシリカゲル、60オングストローム(230−400メッシュ)を用いた。溶液は、周囲温度で、水分アスピレーター圧下で回転エバポレーターを用いて濃縮した。融点は、Mel-Temp IIで計り、無修正である。他に言及しなければ、1H NMRスペクトルは、内標準としてテトラメチルシラン(TMS)と共に溶媒としてCDCl3中におけるBruker AC250分光計を用いて250MHzで得た。化学シフトは、TMSからのppmダウンフィールド(downfield)の単位で示されている。質量スペクトルは通常、Hewlett Packard 5989A装置で70eVにおける電子衝撃によって得られた。元素分析は、Atlantic Microlab Inc.,Atlanta,GAによって実施された。
【0059】
【実施例】
実施例1.11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-17β-ニトロエストラ-4,9-ジエン-3-オン[A-8(R1=4-Me2N、R7=R12=H)]の合成。
3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α,10α-(オキシド)エストル-9(11)-エン-17-オン(A-2)。0℃において、192mLのCH2Cl2中の32.0g(102mmol)の3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]エストラ-5(10),9(11)-ジエン-17-オンの溶液に、7.04mL(50.9mmol)のヘキサフルオロアセトントリヒドラート(Lancaster Synthesis, Inc.)を添加し、次いで、2.46g(17.3mmol)のNa2HPO4を添加し、その後8.64mL(153mmol)の50%H22を有効に攪拌した混合物(オーバーヘッド機械攪拌)に滴下して加えた。有効な攪拌を18時間続け、その間、温度を徐々に室温まで上昇させ、192mLの飽和Na223水溶液を加えた。20分間攪拌した後、この混合物を、この時点までに並行して同様に調製された別の(32.0g)バッチと組合せた。水性相(下)を分離し、80mLのEtOAcで3回抽出した。組み合わせられた有機溶液を、240mLのEtOAcで希釈し、80mLの飽和NaHCO3水溶液で二回洗浄し、80mLのブラインで二回洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。黄色い固体(76.1g)を、密閉したフラスコ内で、12時間磁気攪拌しながら320mLのジエチルエーテルを用いて摩砕した。得られた白色のスラリーを、この時点までに並行して同様(かつ釣り合った)に調製された三つの別のバッチ(3x32.0g)と混合し、目の粗い多孔性焼結ガラス漏斗を介して吸引濾過し、40mLのジエチルエーテルを用いて3回すすぎ、次いで1.5時間吸引乾燥させた。得られた白色の濾過ケークを細かい白色粉末に破砕し、真空下で乾燥させて、エポキシドA-2を得た(89.5g、53%の収率)。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ6.06(br s,1)、3.98-3.88(m,4)、2.52-2.44(m,2)、1.32-1.12(m,1)、0.88(s,3)。
【0060】
11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシエストル-9-エン-17-オン[A-3(R1=4-Me2N-、R12=H)]。オーバーヘッド機械攪拌装置を備え、11.6g(475mmol)のマグネシウム片を充填したフラスコを、乾燥窒素気流下で炎乾燥させた。室温まで冷却させた後、400mLのTHFを加え、次いで、ヨウ素の少量の結晶を添加し、かくして、明るい褐色を付与した。効率よく攪拌した混合物に、400mLのTHF中の91.4g(457mmol)の4-ブロモ-N,N-ジメチルアニリンの溶液35mLを添加した。この混合物を加熱して5分間還流した後、ヨウ素の色が速やかに消えて無色となり、そのときにこの混合物を室温まで冷却させた。臭化物溶液の残りを、2時間にわたって滴下して加えた。この混合物を1.8時間氷水バスで冷却させ、18.1g(183mmol)の微粒状のCuClを一度に添加した。この混合物を60秒間効率的に攪拌した後、60.4g(183mmol)のA-2の453mLのTHF中における溶液を25秒にわたって添加(注入)し、大量の明るい黄色の沈降物の形成を引き起こした。15分後、300mLの飽和NH4Cl水溶液をゆっくりと添加し、次いで755mLのEtOAcを添加した。10分間攪拌した後、水性層を分離し、EtOAcで3回抽出した。組み合わせられた有機溶液を、300mLのブラインで8回洗浄し(ブライン洗浄液が比較的透明となるまで)、MgSO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。黒い粘性のある油を30mLのCH2Cl2に取り込み、シリカゲルでクロマトグラフして(CH2Cl2を用いてアニリン試薬副産物の溶出、次いでEtOAcを用いて産物の溶出)、付加物A-3(R1=4-Me2N-、R12=H)(75.4g、91%の収率)を得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.06(d,2,J=8.3Hz)、6.64(d,2,J=8.8Hz),4.37(s,1)、4.24(d,1,J=7.3Hz)、4.02-3.90(m,4)、2.91(s,6)0.52(s,3)。
【0061】
11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシエストル-9-エン-17-オキシム[A-4(R1=4-Me2N-、R12=H)]。窒素下で室温において、333mLの無水ピリジン中の44.3g(98.1mmol)のケトンA-3(R1=4-Me2N-、R12=H)の溶液に、11.3g(162mmol)のヒドロキシルアミン塩酸塩を加えた。17時間攪拌した後、1.10Lの水と333mLのEtOAcを添加した。10分間攪拌した後、この水性相を分離し、160mLのEtOAcを用いて3回抽出した。この混合有機溶液をブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除いた。得られた泡を、40℃において160mLのトルエンを用いて繰り返し3回、回転エバポレーターによって減圧下で濃縮した。真空下でさらに溶媒を除き、1H NMR分析によるとピリジンを含まない褐色の泡(48.4g)を得た。この物質はさらに精製することなく用いられた。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ8.62(br s,1)、7.07(d,2,J=9.4Hz),6.63(d,2,J=9.0Hz)、4.38(s,1)、4.22(d,1,J=6.6Hz),4.03-3.88(m,4)、2.89(s,6),0.56(s,3)。
【0062】
11β-[4-(N,N-ジメチル-N-(オキシ)アミノ)フェニル]-3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシエストル-9-エン-17-オキシム[A-4(R1=4-Me2N(O)-、R12=H)]。0℃において26mLのCH2Cl2中の6.16g(13.2mmol)のA−4(R1=4-Me2N-、R12=H)の溶液に、0.92mL(6.60mmol)のヘキサフルオロアセトントリヒドラートを添加した。激しく攪拌しながら、1.60mL(27.7mmol)の50%のH22を滴下して加えた。0℃で5時間にわたり激しく攪拌した後、得られた赤い混合物をEtOAcと水を用いて希釈した。水性層を分離し、EtOAcを用いて3回抽出した。水性層を減圧下で濃縮して、アミンオキシドA−4(R1=4-Me2N(O)-、R12=H)を白色固体として得た(5.31g、83%の収率)。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ11.01(br s,1)、7.89,7.35(ABq,4,J=8.7Hz),4.42(br s,1)、4.33(d,1,J=6.9Hz)、4.05-3.89(m,4),3.65(s,3)、3.64(s,3),2.61-1.01(m,18),0.483(s,3)。
【0063】
17-ブロモ-11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-17-ニトロエストル-9-エン。室温において20mLの1,4-ジオキサンおよび20mLの水中の4.39g(24.7mmol)のNBS溶液に、20mLの水中の2.47g(24.7mmol)のKHCO3の溶液を添加した。5分後、35mLの1,4-ジオキサンおよび20mLの水中の4.60g(9.86mmol)のオキシムA−4(R1=4-Me2N(O)-、R12=H)を5分間にわたって添加し、ライムグリーン/黄色を生じ、徐々に黄色に変わった。16時間後、新たに調製したFeSO4飽和水溶液(120mL)を添加し、褐色の沈降物を生じた。15分間激しく攪拌した後に、EtOAcを用いて3回抽出した。合わせた有機溶液を新たに調製したFeSO4飽和水溶液で3回洗浄し、ブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、17-ブロモ-11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-17-ニトロエストル-9-エンを黄褐色の泡(5.57g)として得た。これを精製することなく次の工程に直接用いた。
【0064】
11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-17-ニトロエストル-9-エン[A-5(R1=4-Me2N-、R12=H)]。室温において、102mLのTHFと20mLの水中における5.57g(9.61mmol)の上記17-ブロモ-17-ニトロアルコールの溶液に、1.21g(31.8mmol)のNaBH4を数回に分けて添加し、毎回激しい気体の発生を確認した。2時間後、175mLの水中の7.01g(101mmol)のヒドロキシルアミンヒドロクロリドの溶液を慎重に添加し、次いでEtOAcを添加した。25分間攪拌した後、この混合物をEtOAcを用いて3回抽出した。合わせた有機層を水で3回、NaHCO3飽和水溶液を用いて一回、ブラインで1回洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。得られた泡を、最小量のCH2Cl2に取り込み、シリカゲル(ヘキサン中50%EtOAc)でクロマトグラフして、ニトロ中間体A-5(R1=4-Me2N-、R12=H)(2.39g、3回の工程で50%の収率)を黄色い固体として得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.03,6.63(ABq,4,J=8.8Hz),4.39(s,1),4.39-4.30(m,1),4.23(d,1,J=7.0Hz)、4.02-3.93(m,4),2.90(s,6),0.372(s,3)。
【0065】
11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-17β-ニトロエストラ-4,9-ジエン-3-オン[A-8(R1=4-Me2N、R7=R12=H)]。0℃において、300mg(0.622mmol)のニトロ中間体A-6(R1=4-Me2N-、R7=R12=H)、10mLのCH2Cl2、および0.56mLの水の激しく攪拌した混合物に、0.84mL(10.9mmol)のトリフルオロ酢酸(TFA)を滴下して加えた。激しく45分間攪拌した後、この混合物を1.5時間にわたってNaHCO3飽和水溶液と共に攪拌した。水性層を分離して、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機溶液をNaHCO3飽和水溶液で3回洗浄し、ブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。シリカゲル(ヘキサン中45%EtOAc)でクロマトグラフして、A-8(R1=4-Me2N-、R7=R12=H)(235mg、90%の収率)をオフホワイトの泡として得た。この物質のサンプルをメタノールを用いて2回の摩砕し、得られたメタノール溶液を濃縮することにより、>97%の純度のサンプルを得た(HPLC分析による)。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.00,6.64(ABq,4,J=8.6Hz),5.77(s,1),4.42-4.33(m,2),2.91(s,6),0.446(s,3)。MS m/z相対強度(rel inten)420(M+、27)、121(100)。C263223・0.25H2Oの計算値:C、73.47;H、7.71;N、6.59。実測値:C、73.11;H、7.61;N、6.55。
【0066】
実施例2.11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-17α-(3-ヒドロキシプロピル)-17β-ニトロエストラ-4,9-ジエン-3-オン[A-8(R1=4-Me2N、R7=-(CH23OH、R12=H)]の合成。
11β-[3-ブロモ-4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-17-ニトロエストル-9-エン[A-5(R1=4-Me2N-、R12=3-Br)]。5mLの水および5mLのジオキサン中の1.28gの細かい粉状のN-ブロモスクシンイミドの激しく攪拌した懸濁液に、5mLの水中の1.07gの重炭酸ナトリウムの溶液を添加した。得られた懸濁液に、10mLのジオキサン中の1.28gのオキシムA−4(R1=4-Me2N-、R12=H)を添加した。得られた懸濁液を2日間にわたって攪拌し、最後に油を分離した。水を反応混合物に添加し、エーテルを用いて抽出した。このエーテル層を水で洗浄し、希釈した硫酸鉄 (II)溶液で洗浄し、減圧下で濃縮した。粗製産物を18mLのTHFおよび3.5mLの水中に溶解した。水素化ホウ素ナトリウム(350mg)を15分にわたって添加した。1時間室温で攪拌した後にさらに150mgのホウ化水素を添加した。この反応物をさらに1.5時間攪拌し、次いで、水中のヒドロキシルアミンヒドロクロリドを用いてpH7とした。この混合物をエーテルを用いて抽出し、エーテル層を洗浄し、乾燥させ、濾過し、濃縮して1.3gの粗製産物を得た。この物質を2:1のヘキサン−エチルアセタートを用いてシリカゲルでクロマトグラフし、325mgのA-5(R1=4-Me2N-、R12=3-Br)を白色固体(47%の収率)として得た。IR3680,3005,2860,1595,1535,1412,1379,1345,119,836cm-11H NMR(250MHz、CDCl3)δ0.38(s,3,C18H),2.91(s,6,N(CH3)2),3.99(m,4,O(CH2)2O),4.12(d,1,C11 αH),4.31(t,1,C17 αH),4.42(s,1,C5OH),6.88-7.37(m,3,ArH)。
【0067】
11β-[3-ブロモ-17α-(2-カルボメトキシエチル)-4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-17β-ニトロエストル-9-エン[A-6(R1=4-Me2N-、R7=-(CH22COOMe、R12=3-Br)]。8.0mLのt-ブタノールと15mLのメチルアクリラート中の1.5gのニトロ化合物A-5(R1=4-Me2N-、R12=3-Br)の懸濁液に、1.5mLのTritonBを添加した。この混合物を室温で一晩攪拌し、氷冷水に注いで冷却した。これをエーテルを用いて3回抽出し、飽和塩化アンモニウムを用いて洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させて、1.2g(88%の収率)のA-6(R1=4-Me2N-、R7=-(CH22COOMe、R12=3-Br)を得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.36(s,1,ArH),6.95(d,1,J=8.4Hz,ArH),7.09(d,1,J=8.4Hz,C5ArH),4.36(s,1,C5OH),4.29(d,1,J=6.5Hz,C11 αH),3.95(m,4,(OCH2)2),3.68(s,3,CO2CH3),2.90(s,6,N(CH3)2),0.39(s,3,C18H)。
【0068】
11β-[3-ブロモ-4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-17α-(3-ヒドロキシプロピル)-17β-ニトロエストル-9-エン[A-7(R1=Me2N-、R7=-(CH23OH、R12=3-Br)]。6.3mLのトルエン中の1.14mg(1.75mmol)のA-6(R1=4-Me2N-、R7=-(CH22COOMe、R12=3-Br)の溶液に、室温においてヘキサン中の1M溶液のジイソブチルアルミニウムヒドリド(DIBAL−H)の5.23mLを滴下して添加した。添加の間に温度が45℃まで上昇し、添加後さらに2時間この温度に維持された。この反応を、0.93mLのトルエン中の0.63mLのメタノールを添加し、次いで、0.26mLの水および0.27mLのメタノールを添加して抑制した。この混合物を30分間攪拌して、Celiteを通して濾過し、減圧下で濃縮した。この粗製産物を、溶剤として、ジクロロメタン中の5%アセトンを用いてシリカゲルでクロマトグラフィーにより精製して、945mg(87%の収率)のA-7(R1=4-Me2N-、R7=-(CH23OH、R12=3-Br)を得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ0.39(s,3,C18H),2.76(s,6,N(CH3)2),3.61-3.68(m,2,CH2OH),3.95(m,4,O(CH2)2O),4.28(d,1,C11 αH),4.42(s,1,C5OH),6.88-7.37(m,3,ArH)。
【0069】
11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-17α-(3-ヒドロキシプロピル)-17β-ニトロエストル-9-エン[A-7(R1=Me2N-、R7=-(CH23OH、R12=H)]。不活性雰囲気下で−78℃で50mLのTHF中に溶解された615mg(1.09mmol)のA-7(R1=4-Me2N-、R7=-(CH23OH、R12=3-Br)の溶液に、30分間にわたり−78℃で3.0mLの1.7M t-ブチルリチウムを添加した。これは、明るい黄色の溶液を生じ、10−15分間−78℃で攪拌された。この反応混合物を飽和塩化アンモニウムを用いて冷却し、エチルアセタートを用いて抽出し、水およびブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥させた溶液を濾過し、真空で濃縮し、粗製産物を10:3:2のヘキサン−EtOAc−Et2Oを用いてシリカゲルでクロマトグラフして、270mg(49%の収率)の純粋なA-7(R1=Me2N-、R7=-(CH23OH、R12=H)を得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.00(d,2,J=8.6Hz,ArH),6.59(d,2,J=8.8Hz,ArH),4.37(s,1,C5OH),4.25(d,1,J=6.3Hz,C11 αH),3.88-3.98(m,4,(OCH2)2),3.49-3.70(m,2,CH2OH),2.88(s,6,N(CH3)2),0.34(s,3,C18H)。
【0070】
11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-17α-(3-ヒドロキシプロピル)-17β-ニトロエストラ-4,9-ジエン-3-オン[A-8(R1=4-Me2N-、R7=-(CH23OH、R12=H)]。25mLのCH2Cl2中の270mg(0.5mmol)のA-7(R1=4-Me2N-、R7=-(CH23OH、R12=H)の溶液を0℃まで冷却した。これに、0.5mLの水、次いで1.5mLのTFAを滴下して添加した。この反応混合物は明るい黄色に変わった。0℃で1時間攪拌した後、この反応を飽和NaHCO3で抑え、200mLのCH2Cl2を用いて抽出した。この有機層を水で洗浄し、ブラインで洗浄し、無水MgSO4で乾燥させた。CH2Cl2層を濾過し、濃縮し、CH2Cl2中の10%アセトンを用いてシリカゲルでクロマトグラフして、167mg(70%の収率)の乾燥したジエノンA-8(R1=4-Me2N-、R7=-(CH23OH、R12=H)を得た。80%メタノール水を用いてYMC C−18逆相カラムで調製HPLC精製を行い、97%より高純度の物質を得た:1H NMR(250MHz、CDCl3)δ6.99(d,2,J=8.6Hz,ArH),6.63(d,2,J=8.9Hz,ArH),5.77(s,1,C4H),4.40(d,1,J=6.5Hz,C11 αH),3.63-3.74(m,2,CH2OH),2.90(s,6,N(CH3)2),0.45(s,3,C18H);質量スペクトル、m/z相対強度(rel intensity)478(14)、428(27)、147(8)、121(100)、91(10);正確な質量;C293824の計算値:478.2831。実測値:478.2837。C293824・H2Oの計算値:C、70.13;H、8.12;N、5.64。実測値:C、69.72;H、8.01;N、5.00。
【0071】
実施例3.11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-17α-(3-ヒドロキシプロピル)-17β-ニトロエストラ-4,9-ジエン-3-オン[A-8(R1=4-Me2N-、R7=-(CH23OH、R12=H)]の他の合成。
17α-(2-カルボメトキシエチル)-11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-17β-ニトロエストル-9-エン[A-6(R1=4-Me2N-、R7=-(CH22COOMe、R12=H)]。8.3mLのt-ブタノール中の1.5g(0.047mmol)のA-5(R1=4-Me2N-、R12=H)の溶液に、16.5mLのメチルアクリラートを添加した。これに、メタノール中のTritonBの溶液1.5mLを添加した。この反応混合物を2時間攪拌し、次いで、氷冷水に注いで、エチルアセタートで抽出した。有機層を水、およびブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。粗製産物を、溶剤として2:1のヘキサン−エチルアセタートを用いてシリカゲルでクロマトグラフし、1.56g(88%の収率)のA-6(R1=4-Me2N-、R7=-(CH22COOMe、R12=H)を得た。1H NMR(250MHz、CDCl3);δ0.39(s,3,C18H),2.90(s,6,N(CH3)2),3.68(s,3,CO2CH3),3.95(m,4,O(CH2)2),4.29(d,1,C11 αH),4.36(s,1,C5OH),6.63(d,2,ArH),7.03(d,2,ArH)。
【0072】
11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-17α-(3-ヒドロキシプロピル)-17β-ニトロエストル-9-エン[A-7(R1=4-Me2N-、R7=-(CH23OH、R12=H)]。3mLのトルエン中に溶解され、窒素気流下で維持された83mg(0.147mmol)のA-6(R1=4-Me2N-、R7=-(CH22COOMe、R12=H)に、ヘキサン中のDIBAL−Hの1M溶液0.44mLを滴下して加えた。添加中に、温度が約45℃まで上昇した。この反応混合物を45℃で2時間維持した。この反応を、0.5mLのトルエン中の0.2mLのメタノールを添加し、次いで0.3mLのメタノール中の0.1mLの水を添加することによって止めた。次いで、これをceliteを通して濾過し、濃縮した。粗製産物を、ジクロロメタン中の5%アセトンを用いてシリカゲルでクロマトグラフし、70mgの白色固体を得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ0.39(s,3,C18H),2.86(s,6,N(CH3)2),3.61-3.64(m,2,CH2OH),3.95(m,4,O(CH2)2),4.28(d,1,C11 αH),4.42(s,1,C5OH),6.63(d,2,ArH),7.03(d,2,ArH)。
【0073】
11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-17α-(3-ヒドロキシプロピル)-17β-ニトロエストラ-4,9-ジエン-3-オン[A-8(R1=4-Me2N-、R7=-(CH23OH、R12=H)]。1mLのアセトン中の70mg(0.12mol)のA-7(R1=4-Me2N-、R7=-(CH23OH、R12=H)の溶液に、−10℃において、触媒量のp-トルエンスルホン酸を添加した。この反応を、周囲温度までゆっくりと温め、さらに3時間攪拌した。この反応を、飽和重炭酸ナトリウムを用いて抑え、メチレンクロリドを用いて抽出し、有機層を水およびブラインで洗浄した。メチレンクロリド層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製産物を溶剤としてジクロロメタン中5%アセトンを用いてシリカゲルでクロマトグラフし、収率約50%の35mgのA-8(R1=4-Me2N-、R7=-(CH23OH、R12=H)を得た。1H NMR(250MHz、CDCl3);実施例2で示したものと同じ。
【0074】
実施例4.11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-17α-[1-(3-ヒドロキシ)プロピル]-17β-ニトロエストラ-4,9-ジエン-3-オン[A-8(R1=4-Me2N-、R7=HOCH2CH=CH-、R12=H)]の合成。11β-[3-ブロモ-17α-(2-(E)-カルボメトキシエテニル)-3,3-4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-17β-ニトロエストル-9-エン[A-6(R1=4-Me2N-、R7=(E)-CH=CHCOOMe、R12=3-Br)]。12.5mLのDMSO中の3.14g(5.6mmol)のA-5(R1=4-Me2N-、R12=3-Br)、1.632g(28.0mmol)のKFおよび1.821g(5.6mmol)のn-Bu4NBrの溶液を室温で30分間攪拌した。次いで、1.0mL(11.2mmol)のメチルプロピオラートを滴下して加え、この溶液を1時間攪拌した。反応混合物を水で希釈し、エチルアセタートで抽出した。有機層を水で洗浄し、ブラインで洗浄し、無水MgSO4で乾燥させた。有機層を濾過し、濃縮し、粗製産物を1:1のヘキサン−エチルアセタートを用いてシリカゲルでクロマトグラフして、2.02gの純粋なE-異性体、0.6gの純粋なZ-異性体、および0.40gの異性体の混合物を、全部で85%の収率のA-6(R1=4-Me2N-、R7=-CH=CHCOOMe、R12=H)で得た。E-異性体は以下のスペクトルデータを有する:1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.36(d,1,J=15.9Hz,CH=CHCO2Me),7.35(s,1,ArH),7.08(d,1,J=8.6Hz,ArH),6.96(d,1,J=8.6Hz,ArH),5.87(d,1,J=15.9Hz,CH=CHCO2Me),4.46(s,1,C5OH),4.21(d,1,J=7.0Hz,C11 αH),3.93-4.02(m,4,(OCH2)2),3.80(s,3,CO2CH3),2.76(s,6,N(CH3)2),0.49(s,3,C18H)。Z-異性体は以下のスペクトルデータを有する:1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.32(s,1,ArH),7.05(d,1,J=8.6Hz,ArH),6.94(d,1,J=8.2Hz,ArH),6.58(d,1,J=12.7Hz,CH=CHCO2Me),6.05(d,1,J=12.3Hz,CH=CHCO2Me),4.46(s,1,C5OH),4.31(d,1,J=7.0Hz,C11 αH),3.96-4.02(m,4,(OCH2)2),3.68(s,3,CO2CH3),2.75(s,6,N(CH3)2),0.44(s,3,C18H)。
【0075】
11β-[3-ブロモ-4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-17α-[(E)-1-(3-ヒドロキシ)プロピル]-17β-ニトロエストル-9-エン[A-7(R1=4-Me2N-、R7=(E)-CH=CHCH2OH、R12=3-Br)]。25mLのCH2Cl2中に溶解され、78℃で窒素雰囲気下で維持された2.025g(3.14mmol)のA-6(R1=4-Me2N-、R7=(E)-CH=CHCOOMe、R12=3-Br)の溶液に、ヘキサン中のDIBAL−Hの1M溶液12.96mLを滴下して加えた。この反応混合物をゆっくりと室温まで温め、1時間攪拌した。この反応を、5mLのメタノールを添加し、次いで飽和Rochelle's塩溶液およびエチルアセタートを添加することによって止めた。この混合物を沈降物が観察されなくなるまで攪拌した。有機層を水で洗浄し、ブラインで洗浄し、無水MgSO4で乾燥させ、濾過した。この濾過物を濃縮し、粗製産物をジクロロメタン中の5%アセトンを用いてシリカゲルでクロマトグラフして、1.40g(72%の収率)のアルコールA-7(R1=4-Me2N-、R7=(E)-CH=CHCH2OH、R12=3-Br)を得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.36(s,1,ArH),7.08(d,1,J=8.4Hz,ArH),6.95(d,1,J=8.2Hz,ArH),6.58(d,1,J=15.9Hz,CH=CHCH2OH),5.80(dt,1,J1=4.37Hz,J2=15.5Hz,CH=CHCH2OH),4.49(s,1,C5OH),4.20-4.26(br d,3,CH2OH,C11 αH),3.92-4.02(m,4,(OCH2)2),3.68(s,3,CO2CH3),2.75(s,6,N(CH3)2),0.46(s,3,C18H)。
【0076】
11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-17α-[(E)-1-(3-ヒドロキシ)プロペニル]-17β-ニトロエストル-9-エン[A-7(R1=4-Me2N-、R7=(E)-CH=CHCH2OH、R12=H)]。−78℃、アルゴン下において、100mLのTHFに溶解された1.40g(2.27mmol)のA-7(R1=4-Me2N-、R7=(E)-CH=CHCH2OH、R12=3-Br)の溶液に、−78℃で、10分間にわたって、1.7Mのt-ブチルリチウム溶液5.5mLを添加した。この反応混合物を飽和塩化アンモニウムを用いて抑制し、エチルアセタートで抽出し、水およびブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥させた溶液を濾過し、真空下で濃縮し、この粗製産物をさらに精製することなく次の工程に用いた。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.04(d,2,J=8.8Hz,ArH),6.64(d,2,J=8.8Hz,ArH),6.58(d,1,J=15.9Hz,CH=CHCH2OH),5.80(dt,1,J1=4.7Hz,J2=15.5Hz,CH=CHCH2OH),4.45(s,1,C5OH),4.27(d,2,J=4.0Hz,CH2OH),4.27(d,1,J=7.4Hz,C11 αH),3.90-4.02(m,4,(OCH2)2),2.90(s,6,N(CH3)2),0.46(s,3,C18H)。
【0077】
11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-17α-[(E)-1-(3-ヒドロキシ)プロペニル]-17β-ニトロエストラ-4,9-ジエン-3-オン[A-8(R1=4-Me2N-、R7=(E)-CH=CHCH2OH、R12=H)]。25mLのCH2Cl2における1.08g(0.5mmol)の粗製A-7(R1=4-Me2N-、R7=(E)-CH=CHCH2OH、R12=H)の溶液を0℃まで冷却した。これに、1.0mLの水、次いで5.0mLのTFAを滴下して加えた。この反応混合物は明るい黄色になった。0℃で1時間攪拌した後、飽和NaHCO3で抑え、250mLのCH2Cl2を用いて抽出した。この有機層を水で洗浄し、ブラインで洗浄し、無水MgSO4で乾燥させた。乾燥させた溶液を濾過し、濃縮し、CH2Cl2中の10%アセトンを用いてシリカゲルでクロマトグラフして、50%の収率で515mgの所望のジエノンA-8(R1=4-Me2N-、R7=(E)-CH=CHCH2OH、R12=H)を得た。80%メタノール水を用いてYMC C−18逆相カラムで調製HPLC精製を行い、97%より高純度の物質を得た:1H NMR(250MHz、CDCl3)δ6.99(d,2,J=8.6Hz,ArH),6.64(d,2,J=8.8Hz,ArH),6.30(d,1,J=16.0Hz,CH=CHCH2OH),5.83(dt,1,J1=4.7Hz,J2=15.5Hz,CH=CHCH2OH),5.76(s,1,C4H),4.34-4.28(br d,3,CH2OH,C11 αH),2.90(s,6,N(CH3)2),0.53(s,3,C18H);質量スペクトル、m/z相対強度(rel intensity)476(9)、429(16)、415(18)、143(17)、121(100);正確な質量;C293824の計算値:478.2831。実測値:478.2837。C293624・0.25H2Oの計算値:C、73.54;H、7.99;N、5.62。実測値:C、73.31;H、8.31;N、4.96。
【0078】
実施例5.11β-(4-アセチルフェニル)-17α-(3-ヒドロキシプロピル)-17β-ニトロエストラ-4,9-ジエン-3-オン[A-8(R1=4-CH3C(O)-、R7=-(CH23OH、R12=H)]の合成。
4−ブロモアセトフェノンエチレンケタール。350mLのトルエンにおける25.0g(126mmol)のp-ブロモアセトフェノン、70.0mL(1.26mol)のエチレングリコール、および2.38g(12.5mmol)のp-TsOHのよく攪拌した混合物を熱して、Dean-Stark装置で還流させた。22時間後、この混合物を周囲温度まで冷却して、飽和NaHCO3水溶液を慎重に添加して、混合物をエーテルを用いて抽出した。合わせた有機溶液を水で洗浄し、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。得られた固体を周囲温度にて真空下で乾燥させ、4−ブロモアセトフェノンエチレンケタール(30.2g、99%の収率)を白色固体として得た。これを、精製することなく用いた。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.46(m,2),7.36(m,2),4.03(m,2),3.77(m,2),1.63(s,3)。
【0079】
3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-11β-{4-{1,1-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]エチル}フェニル}-5α-ヒドロキシエストル-9-エン-17-オン[A-3(R1=4-CH3C(OCH22-、R12=H)]。周囲温度における窒素下で1.09g(44.7mmol)のマグネシウム片と50mLのTHFの混合物に、100mLのTHF中の9.44g(38.8mmol)の4−ブロモアセトフェノンエチレンケタールの溶液15mLを添加した。得られた混合物を緑/黄色が現れるまで優しく加熱し(15分)、この時点で残りのアリールブロミド溶液を、外的に加熱することなく10分間かけて滴下して加えた。2時間後、得られたオリーブグリーンの懸濁液を−10℃から−13℃の間に冷却し、次いで、851mg(8.60mmol)のCuClを一回で添加し、さらに、15秒後に、25mLのTHF中の2.85g(8.60mmol)の3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α,10α-(オキシド)エストル-9(11)-エン-17-オン(A-2)の溶液を添加し、その後5mLのTHFですすいだ。20分後、得られた透明な黄色い混合物をNH4Cl飽和水溶液を用いて抑え、環境温度まで温めた。エーテルおよび水を添加し、この混合物をエーテルで抽出した。合わせた有機溶液を、水で洗浄し、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。得られた固体を最小量のCH2Cl2に取り込み、シリカゲル(ヘキサン-エーテル、1:22から100%エーテル)でクロマトグラフして、1,4-付加物A-3(R1=4-CH3C(OCH22-、R12=H)(3.45g、81%の収率)を白色の泡状の固体として得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.35,7.19(ABq,4,J=8.3Hz),4.39(s,1),4.32(d,1,J=7.4Hz)、4.03-3.77(m,8),1.64(s,3),0.47(s,3)。
【0080】
3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-11β-{4-{1,1-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]エチル}フェニル}-5α-ヒドロキシエストル-9-エン-17-オキシム[A-4(R1=4-CH3C(OCH22-、R12=H)]。環境温度において、窒素下で、3.45g(6.97mmol)のケトンA-3(R1=4-CH3C(OCH22-、R12=H)および557mg(8.02mmol)のヒドロキシルアミンヒドロクロリドの混合物に、25mLの無水ピリジンを添加し、2.5時間後に、242mg(3.49mmol)の付加ヒドロキシルアミンヒドロクロリドを添加した。12時間後、反応混合物を250mLの水に注ぎ、エーテルで抽出した。合わせた有機溶液を、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。得られた白色固体を最小量のCH2Cl2に取り込み、シリカゲル(CH2Cl2中の14%Me2CO)でクロマトグラフして、オキシムA-4(R1=4-CH3C(OCH22-、R12=H)(2.97g、84%の収率)を白色の泡状の固体として得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.34,7.19(ABq,4,J=8.4Hz),6.95(br s,1),4.38(s,1),4.30(d,1,J=6.8Hz)、4.05-3.77(m,4),1.64(s,3),0.51(s,3)。
【0081】
17-ブロモ-3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-11β-{4-{1,1-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]エチル}フェニル}-5α-ヒドロキシ-17-ニトロエストル-9-エン。周囲温度において、1.7mLの水と1.7mLのジオキサン中における523mg(2.94mmol)のNBSの激しく攪拌している溶液に、1.7mLの水中の295mg(2.94mmol)のKHCO3の溶液を添加した。得られた混合物に、3.4mLのジオキサン中の500mg(0.981mmol)のオキシムA-4(R1=4-CH3C(OCH22-、R12=H)の溶液を添加し、0.4mLのジオキサンを用いてすすぎ、明るいライムグリーンの色を生じた。激しく17時間攪拌した後、得られたオフホワイトの混合物をエーテルと水を用いて希釈し、エーテルを用いて抽出した。合わせた有機溶液を水で1回、50%のFeSO4飽和水溶液で3回洗浄し、ブラインで2回洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。遅れすぎることなく、得られたガラス状の黄色い泡を最小量のCH2Cl2に取り込み、シリカゲル(ヘキサン中の50%EtOAc)でクロマトグラフして、所望の、しかし高度に不安定な17-ブロモ-17-ニトロ化合物(437mg、74%の収率)を白色固体状の泡として得た。IR(CCl4)n3500,1548cm-11H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.35,7.17(ABq,4,J=8.3Hz),4.43(s,1),4.39(d,1,J=7.2Hz)、4.08-3.75(m,8),3.32(m,1),1.63(s,3),0.45(s,3)。
【0082】
3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-11β-{4-{1,1-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]エチル}フェニル}-5α-ヒドロキシ-17-ニトロエストル-9-エン[A-5(R1=4-CH3C(OCH22-、R12=H)]。環境温度において、3.4mLのTHFと0.6mLの水中における200mg(0.331mmol)の上記17-ニトロ-17-ブロモアルコール化合物の溶液に、39.0mg(1.03mmol)のNaBH4を一回で添加し、激しい発熱反応を確認した。1.4時間後、11.0mg(0.30mmol)のNaBH4をさらに添加した。2.6時間後、エーテルを添加してこの反応混合物の量を二倍にし、6mLの水における228mg(3.28mmol)のヒドロキシルアミンヒドロクロリドの溶液を、激しく攪拌した反応混合物に4分間にわたって滴下して添加した。5分間攪拌した後に、この混合物をエーテルで抽出した。合わせた有機溶液を、水、NaHCO3飽和水溶液、およびブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。得られた泡を最小量のCH2Cl2に取り込み、シリカゲル(ヘキサン中の50%EtOAc)でクロマトグラフして、脱臭素化ニトロアルコールA-5(R1=4-CH3C(OCH22-、R12=H)(152mg、87%の収率)を白色の綿状の固体として得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.34,7.16(ABq,4,J=8.3Hz),4.41(s,1),4.38-4.31(m,2),4.02-3.72(m,4),2.74(d,1,J=13Hz)、1.63(s,3),0.32(s,3)。
【0083】
17α-(2-カルボメトキシエチル)-3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-11β-{4-{1,1-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]エチル}フェニル}-5α-ヒドロキシ-17β-ニトロエストル-9-エン[A-6(R1=4-CH3C(OCH22-、R7=-(CH22COOMe、R12=H)]。環境温度において、0.80mLのt-BuOHと1.51mL(16.7mmol)のメチルアクリラートにおける146mg(0.278mmol)のニトロアルコールA-5(R1=4-CH3C(OCH22-、R12=H)の混合物に、メタノール中の40%w/wのTritonBの0.16mL(0.35mmol)を滴下して加え、均質な僅かに黄色い反応溶液を生じた。1時間後、エーテルと飽和NH4Cl水溶液を添加し、この混合物をエーテルで抽出した。合わせた有機溶液を、水およびブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。得られたオフホワイトの固体を最小量のCH2Cl2に取り込み、シリカゲル(ヘキサン中の70%EtOAc)でクロマトグラフして、メチルエステルA-6(R1=4-CH3C(OCH22-、R7=-(CH22COOMe、R12=H)(142mg、84%の収率)を白色の泡状の固体として得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.34,7.16(ABq,4,J=8.1Hz),4.37(br s,2),4.01-3.74(m,4),3.69(s,3),1.62(s,3),0.33(s,3)。
【0084】
3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-11β-{4-{1,1-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]エチル}フェニル}-5α-ヒドロキシ-17α-(3-ヒドロキシプロピル)-17β-ニトロエストル-9-エン[A-7(R1=CH3C(OCH22-、R7=-(CH23OH、R12=H)]。−78℃において窒素下で2.3mLのTHF中の142mg(0.232mmol)のエステルA-6(R1=4-CH3C(OCH22-、R7=-(CH22COOMe、R12=H)の溶液に、ヘキサン中の0.80mL(0.80mmol)の1.0M DIBAL−Hを滴下して加えた。1.25時間後、飽和Rochelle's塩溶液を添加し、この混合物を環境温度まで温め、得られたエマルションが透明となるまで攪拌した(1.5時間)。エーテルと水を加え、得られた混合物をエーテルで抽出した。合わせた有機溶液を、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、出発エステルA-6(R1=4-CH3C(OCH22-、R7=-(CH22COOMe、R12=H)と中間体アルデヒドの混合物を1H NMR分析により、白色の油状固体として得た(141mg)。
【0085】
−78℃において窒素下で、2.3mLのTHF中の上記粗製混合産物(141mg)に、1.0Mのヘキサン中のDIBAL−Hの1.20mL(1.20mmol)を滴下して加えた。45分後、反応混合物を0℃まで15分間温め、次いで再度−78℃まで冷却し、飽和Rochelle's塩溶液で抑制して、環境温度まで温めて攪拌した。得られた白色混合物をエーテルで抽出した。合わせた白色有機溶液を、ブライン、飽和Rochelle's塩溶液、水、2回のブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、白色固体(74mg)を得た。約2時間後、合わせた水性層が透明になり、EtOAcで再抽出した。EtOAc抽出物を、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、白色固体を得た(54mg)。二つの粗製生成物を、最小量のCH2Cl2に取り込み、シリカゲル(ヘキサン中の90%EtOAc)でクロマトグラフして、ジオールA-7(R1=CH3C(OCH22-、R7=-(CH23OH、R12=H)(98mg、73%の収率)を白色固体として得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.34,7.16(ABq,4,J=8.2Hz),4.37(m,2),4.02-3.66(m,10),2.83(m,1),2.60(d,1,J=13Hz),1.63(s,3),0.33(s,3)。
【0086】
11β-(4-アセチルフェニル)-17α-(3-ヒドロキシプロピル)-17β-ニトロエストラ-4,9-ジエン-3-オン[A-8(R1=4-CH3CO-、R7=-(CH23OH、R12=H)]。0℃において、67.0mg(0.115mmol)のジオールA-7(R1=CH3C(OCH22-、R7=-(CH23OH、R12=H)、3.0mLのCH2Cl2、および0.05mLのH2Oのよく攪拌した混合物に、0.50mLのTFAを滴下して加え、黄色い着色を生じた。15分後、飽和NaHCO3水溶液を添加し、層を分離し、水性層をCH2Cl2で3回抽出した。合わせた有機溶液を、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗製産物を最小量のCH2Cl2に取り込み、シリカゲル(ヘキサン中の85%EtOAc)でクロマトグラフして、A-8(R1=4-CH3CO-、R7=-(CH23OH、R12=H)(47.2mg、86%の収率)を得た。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.87,7.28(ABq,4,J=8.3Hz),5.80(s,1),4.51(d,1,J=7.1Hz),3.72(m,1),3.62(m,1),2.86(t,1,J=13.4Hz),2.72(m,2),2.60(m,2),2.56(s,3),2.55-2.51(m,1),2.46-2.26(m,5),2.09-2.04(m,1),1.96-1.90(m,1),1.84-1.74(m,2),1.70-1.61(m,3),1.53-1.42(m,2),1.21-1.14(m,1),0.39(s,3)。
【0087】
実施例6.E-およびZ-11β-(4-アセチルフェニル)-17α-[1-(3-ヒドロキシ)プロペニル]-17β-ニトロエストラ-4,9-ジエン-3-オン[A-8(R1=4-CH3CO-、R7=HOCH2CH=CH-、R12=H)]の合成。17α-[(E)-2-カルボメトキシエテニル]-3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-11β-{4-{1,1-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]エチル}フェニル}-5α-ヒドロキシ-17β-ニトロエストル-9-エン[A-6(R1=4-CH3C(OCH22、R7=(E)MeOOCCH=CH-、R12=H)]および17α-[(Z)-2-カルボメトキシエテニル]-3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-11β-{4-{1,1-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]エチル}フェニル}-5α-ヒドロキシ-17β-ニトロエストル-9-エン[A-6(R1=4-CH3C(OCH22、R7=(Z)MeOOCCH=CH-、R12=H)]。室温において、窒素下で、燃焼乾燥させたフラスコ中の、2000mg(3.80mmol)の窒素化合物A-5(R1=4-CH3C(OCH22-、R12=H)、2.45g(7.61mmol)のBu4NBr、1.10g(19.0mmol)のKFおよび10mLのDMSOの混合物に、0.68mL(7.61mmol)のメチルプロピオラートを添加した。1.5時間後、フラスコの側面を3mLのDMSOですすいだ。2.5時間後、EtOAcおよびH2Ow添加し、水性層を分離し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。得られた褐色の泡状の固体を最小量のCH2Cl2に取り込み、シリカゲル(ヘキサン中の60%EtOAc)でクロマトグラフして、3:1の混合物のA-6(R1=4-CH3C(OCH22、R7=(E)MeOOCCH=CH-、R12=H)およびA-6(R1=4-CH3C(OCH22、R7=(Z)MeOOCCH=CH-、R12=H)(2.13g、92%)を得た。シリカゲルでの中圧クロマトグラフィー(MPLC)(最小量のCH2Cl2で添加、32:67:1のTHF−ヘキサン−MeOHで溶出)は、純粋なA-6(R1=4-CH3C(OCH22、R7=(E)MeOOCCH=CH-、R12=H)(1.104g)と、二つの混合物A-6(R1=4-CH3C(OCH22、R7=(E)MeOOCCH=CH-、R12=H)およびA-6(R1=4-CH3C(OCH22、R7=(Z)MeOOCCH=CH-、R12=H)(それぞれ142mgの1:1と304mgの13:87)を生じた。32:67:1のTHF−ヘキサン−MeOHから304mgの13:87の混合物の二つの再結晶は、純粋なA-6(R1=4-CH3C(OCH22、R7=(Z)MeOOCCH=CH-、R12=H)(200mg)を生じた。1H NMR(250MHz、CDCl3)A-6(R1=4-CH3C(OCH22、R7=(E)MeOOCCH=CH-、R12=H)δ7.35,7.16(ABq,4,J=8.2Hz),7.36(d,1,J=16Hz),5.86(d,1,J=16Hz),4.44(s,1),4.30(d,1,J=7.5Hz),4.05-3.72(m,8),3.81(s,3),2.95(m,1),2.67(d,1,J=13Hz),1.63(s,3),0.43(s,3);A-6(R1=4-CH3C(OCH22、R7=(Z)MeOOCCH=CH-、R12=H)δ7.33,7.13(ABq,4,J=8.2Hz),6.60(d,1,J=13Hz),5.99(d,1,J=13Hz),4.44(s,1),4.39(br s,1),4.06-3.68(m,8),3.68(s,3),3.34(m,1),1.62(s,3),0.38(s,3)。
【0088】
3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-11β-{4-{1,1-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]エチル}フェニル}-5α-ヒドロキシ-17α-[(E)-1-(3-ヒドロキシ)プロペニル]-17β-ニトロエストル-9-エン[A-7(R1=4-CH3C(OCH22、R7=(E)HOCH2CH=CH-、R12=H)]。−78℃において窒素下で、9.2mLのTHF中の557mg(0.914mmol)のエステルA-6(R1=4-CH3C(OCH22、R7=(E)MeOOCCH=CH-、R12=H)の溶液に、1.0Mのヘキサン中のDIBAL−Hの4.6mL(4.57mmol)を滴下して加えた。35分後、反応混合物を0℃まで30分間温め、次いで再度−78℃まで冷却し、飽和Rochelle's塩溶液で抑制して、室温まで温めて12時間攪拌した。得られた透明な混合物をEtOAcで希釈し、水相を分離して3回EtOAcで抽出した。合わせた白色有機溶液を、ブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。得られた白色固体を、最小量のCH2Cl2に取り込み、シリカゲル(EtOAc)でクロマトグラフして、アリルアルコールA-7(R1=4-CH3C(OCH22、R7=(E)HOCH2CH=CH-、R12=H)(464mg、87%)を得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.33,7.16(ABq,4,J=8.1Hz),6.26(d,1,J=16Hz),5.80(d,1,J=16,4.7Hz),5.02(s,1),4.47(m,2),4.13-3.75(8H,m),2.85(m,1),2.65(d,1,J=13Hz),1.63(s,3),0.40(s,3)。
【0089】
11β-(4−アセチルフェニル)-17α-[(Z)-1-(3-ヒドロキシ)プロペニル]-17β-ニトロエストラ-4、9-ジエン-3-オン[A-8(R1=4-CH3CO-、R7=(Z)HOCH2CH=CH-、R12=H)]。−78℃において窒素下で、6.6mLのTHF中の200mg(0.328mmol)のエステルA-6(R1=4-CH3C(OCH22、R7=(E)MeOOCCH=CH-、R12=H)の溶液に、1.0Mのヘキサン中のDIBAL−Hの1.7mL(1.64mmol)を滴下して加えた。30分後、この溶液を0℃まで30分間温め、次いで再度−78℃まで冷却し、飽和Rochelle's塩溶液で抑制した。得られた混合物を室温まで温めて12時間攪拌した。得られた透明な混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機溶液を、ブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物のシリカゲル(EtOAc)でのクロマトグラフィーにより、アリルアルコールA-7(R1=4-CH3C(OCH22、R7=(Z)HOCH2CH=CH-、R12=H)が得られた。この産物を7.8mLのCH2Cl2および0.14mLのH2O中に懸濁し、0℃まで冷却し、1.3mLのTFAを激しく攪拌させた混合物に滴下して混合した。20分後、飽和NaHCO3溶液を添加し、この混合物を20分間激しく攪拌した。この水性層を分離し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機溶液を、ブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。この産物を、二回に分けて、最小量のCH2Cl2に取り込み、シリカゲル(ヘキサン中の80%EtOAc)でクロマトグラフして、ジエノンアルケノールA-8(R1=4-CH3CO-、R7=(Z)HOCH2CH=CH-、R12=H)(78mg、50%の収率、二回の工程)を得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.88,7.28(ABq,4,J=7.5Hz),6.00(d,1,J=13Hz),5.88-5.78(m,2),4.51(d,1,J=7.5Hz),4.15-4.08(m,2),3.14(m,1),2.58(s,3),0.41(s,3)。
【0090】
11β-(4−アセチルフェニル)-17α-[(EZ)-1-(3-ヒドロキシ)プロペニル]-17β-ニトロエストラ-4、9-ジエン-3-オン[A-8(R1=4-CH3CO-、R7=(E)HOCH2CH=CH、R12=H)]。0℃において、464mg(0.798mmol)のジオールA-7(R1=4-CH3C(OCH22、R7=(E)HOCH2CH=CH-、R12=H)、19mLのCH2Cl2、および0.35mLのH2Oの激しく攪拌した混合物に、3.25mLのTFAを滴下して加え、黄色い発色を生じた。15分後、飽和NaHCO3溶液をゆっくりと添加し、この混合物を0℃で20分間激しく攪拌し、この時点で水性層を分離し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。得られた黄色い固体を、最小量のCH2Cl2に取り込み、シリカゲル(ヘキサン中の80%EtOAc)でクロマトグラフして、標的化合物A-8(R1=4-CH3CO-、R7=(E)HOCH2CH=CH-、R12=H)(313mg、82%)を得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.88,7.28(ABq,4,J=8.4Hz),6.29(d,1,J=16Hz),5.91-5.80(m,2),4.44(d,1,J=7.5Hz),4.30(d,2,J=3.1Hz),2.90(m,1),2.57(s,3),0.47(s,3)。
【0091】
実施例7.17α-(3-ヒドロキシプロピル)-11β-[4-(メチルスルフィニル)フェニル]-17β-ニトロエストラ-4,9-ジエン-3-オン[A-8(R1=4-CH3S(O)-、R7=-(CH23OH、R12=H)]および17α-(3-ヒドロキシプロピル)-11β-[4-(メチルチオ)フェニル]-17β-ニトロエストラ-4,9-ジエン-3-オン[A-8(R1=4-CH3S-、R7=-(CH23OH、R12=H)]の合成
3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-11β-[4-(メチルチオ)フェニル)]エストル-9-エン-17-オン[A-3(R1=4-CH3S-、R12=H)]。攪拌棒、還流冷却器、付加的漏斗および乾燥窒素取り込み口および取り出し口を備えたフラスコに、2.27g(93.1mmol)のMg片を入れ、この装置を乾燥窒素気流下で燃焼乾燥させた。窒素気流下で室温まで冷却した後、残りのプロトコールを、室温かつ乾燥窒素の静圧下で行った。マグネシウム片に、100mLのTHFを添加し、100mLのTHF中18.2g(89.5mmol)の4-ブロモチオアニソール溶液10mLを素早く添加し、かくして数分後にグリニャール試薬イニシエーションを引き起こした。残りの4-ブロモチオアニソール溶液を1.5時間かけて滴下して加えた。30分後、3.54g(35.8mmol)のCuCl粉末を十分に攪拌しながら添加し、45秒後に、100mLのTHF中の11.8g(35.8mmol)のエポキシドA-2の溶液を素早く添加した。10分後、この反応混合物を、室温で過剰飽和NH4Cl水溶液で慎重に抑えた。この混合物を水で希釈し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機溶液を、ブラインで3回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。得られた褐色の油状固体(22.6g)を、シリカゲル(ヘキサン中の60%EtOAc)でクロマトグラフして、チオエーテルA-3(R1=4-CH3S-、R12=H)を白色固体(14.0g、86%の収率)として得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.14(s,4),4.38(s,1),4.28(d,1,J=7.2Hz),4.02-3.90(m,4),2.46(s,3),0.498(s,3)。
【0092】
3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-11β-[4-(メチルチオ)フェニル)]エストル-9-エン-17-オキシム[A-4(R1=4-CH3S-、R12=H)]。室温において、窒素下で、120mLの無水ピリジン中の15.2g(33.4mmol)のケトンA-3(R1=4-CH3S-、R12=H)の溶液に、3.83g(55.2mmol)のH2NOH・HClを添加した。25時間後、この溶液の500mLの水に注いだ。この混合物を、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機溶液を、ブラインで3回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。3回連続して、残りをトルエンで希釈し、減圧下で蒸発させた(ピリジンを除去するため)。シリカゲル(ヘキサン中の70%EtOAc)でクロマトグラフして、オキシムA-4(R1=4-CH3S-、R12=H)(15.3g、98%の収率)を白色の泡として得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ8.18(br s,1),7.14(s,4),4.38(s,1),4.26(d,1,J=6.9Hz),4.08-3.89(m,4),2.46(s,3),0.539(s,3)。
【0093】
3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-11β-[4-(メチルスルフィニル)フェニル)]-17-ニトロエストル-9-エン[A-5(R1=4-CH3S(O)-、R12=H)]。室温において、80mLの1,4-ジオキサンと80mLの水中における21.0g(118mmol)のNBSの溶液に、80mLの水中の11.8g(118mmol)のKHCO3の溶液を添加した。5分後に、120mLの1,4-ジオキサンと80mLの水中における15.8g(33.7mmol)のオキシムA-4(R1=4-CH3S-、R12=H)の溶液を5分間にわたって添加し、明るいライムグリーンの色を生じさせた。20時間後、新たに調製した飽和FeSO4(1000mL)水溶液とEtOAcを添加した。この混合物をCelite 545のパッドを通して濾過し、これはEtOAcを用いてすすいだ。得られた緑色の水性層を分離し、EtOAcで2回抽出した。合わせた有機溶液を、新たに調製した飽和FeSO4水溶液、次いで、ブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、粗製の17-ニトロ-17-ブロモ中間体(21.6g)を黄色い泡として得た。これはさらに精製することなく使用された。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.56,7.40(Abq,4,J=8.1Hz),4.44(br s,2),4.30-3.93(m,4),3.32(m,1),2.72(s,3),0.454(s,3)。MS m/z相対強度(rel inten)563(M+、3)、561(M+、2)、483(17)、467(20)、334(31)99(100)。
【0094】
室温において、300mLのTHFと60mLの水中におけるこの粗製産物に、30分間にわたって4.33g(144mmol)のNaBH4を少しずつ慎重に添加した。室温において1.5時間後、500mLの水中の24.6g(353mmol)のH2NOH・HClの溶液を慎重に加えた。10分間激しく攪拌した後、この混合物をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機溶液を、ブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、ニトロ中間体A-5(R1=4-CH3S(O)-、R12=H)[15.8g、94%の収率(高度に純粋なTLC分析)]を得た。先のより小さい(75mg)のスケールの工程において、シリカゲル(EtOAc中4%のMeOH)でのクロマトグラフィーにより、49.2mg(76%の収率)のニトロ中間体A-5(R1=4-CH3S(O)-、R12=H)が得られた。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.50(dd,2,J=3.0,8.4Hz),7.33(d,2,J=8.3Hz),4.36-4.31(m,3),3.97-3.87(m,4),2.66(s,3),0.271(s,3)。MS m/z相対強度(rel inten)501(M+、18)、483(50)、466(32)、380(39)、99(100)。
【0095】
17α-(2-カルボメトキシエチル)-3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-11β-[4-(メチルスルフィニル)フェニル]-17β-ニトロエストル-9-エン[A-6(R1=4-CH3S(O)-、R7=-(CH22COOMe、R12=H)]。室温において、5.80mLのt-BuOHおよび11.0mL(122mmol)のメチルアクリラートにおける1.00g(1.99mmol)のニトロスルホキシドA-5(R1=4-CH3S(O)-、R12=H)の混合物に、メタノール中の40%w/w TritonB の1.15mL(2.51mmol)を滴下して加えて、均一の僅かに黄色い反応溶液を得た。3時間後、飽和NH4Cl水溶液およびEtOAcを添加し、この混合物をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機溶液を、ブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。得られた僅かに黄色い液体を、トルエンで3回連続して共沸して、黄色い粘性の油(1.29g)を得た。この油は、さらに精製することなく次の反応に用いた。1H NMRδ7.55(dd,2,J=3.0,8.4Hz),7.38(d,2,J=8.3Hz),4.43(d,1,J=7.2Hz),4.39(s,1),4.03-3.96(m,4),2.69(s,3),2.71(d,3,J=1.2Hz),0.336(s,3,C18H)。
【0096】
3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-17α-(3-ヒドロキシプロピル)-11β-[4-(メチルチオ)フェニル]-17β-ニトロエストル-9-エン[A-7(R1=4-CH3S-、R7=-(CH23OH、R12=H)]および3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-17α-(3-ヒドロキシプロピル)-11β-[4-(メチルスルフィニル)フェニル]-17β-ニトロエストル-9-エン[A-7(R1=4-CH3S(O)-、R7=-(CH23OH、R12=H)]。−78℃において25.0mLのTHF中の1.29g(推定1.99mmol)のメチルエステルA-6(R1=4-CH3S(O)-、R7=-(CH22COOMe、R12=H)の溶液に、1.0Mのヘキサン中のDIBAL−Hの12.0mL(12.0mmol)を滴下して加えた。10分後、この溶液を0℃まで1時間温めた。この時点でのTLC分析は出発材料の完全な消費と、二つの新たな化合物の存在を示した。飽和Rochelle's塩溶液とEtOAcを添加し、得られた濁った混合物を室温で8時間攪拌し、透明な混合物を得た。水性層を分離し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機溶液を、ブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。クロマトグラフィー(2.5%のEtOAc中のMeOHから5.0%のEtOAc中のMeOH)により、スルフィドジオールA-7(R1=4-CH3S、R7=-(CH23OH、R12=H)(397mg、37%の収率、2回の工程)を白色の泡として、また、スルホキシドジオールA-7(R1=4-CH3S(O)-、R7=-(CH23OH、R12=H)(310mg、28%の収率、2回の工程)を白色の泡として得た。1H NMR:スルフィドA-7(R1=4-CH3S-、R7=-(CH23OH、R12=H)のデータδ7.13(s,4,ArH),4.40(s,1,C5OH),4.32(d,1,J=5.0Hz,C11H),4.02-3.90(m,4,(OCH2)2),3.58(m,2,CH2OH),2.83(m,1),2.44(s,3,SCH3),0.362(s,3,C18H)。スルホキシドA-7(R1=4-CH3S(O)-、R7=-(CH23OH、R12=H)のデータδ7.57(dd,2,J=2.2,8.5Hz),7.36(d,2,J=8.3Hz),5.81(s,1),4.52(d,1,J=6.7Hz),3.71-3.62(m,4),2.72(s,3),0.395(s,3,C18H)。
【0097】
17α-(3-ヒドロキシプロピル)-11β-[4-(メチルチオ)フェニル]-17β-ニトロエストラ-4,9-ジエン-3-オン[A-8(R1=4-CH3S-、R7=-(CH23OH、R12=H)]。0℃において、397mg(0.727mmol)のスルフィドジオールA-7(R1=4-CH3S-、R7=-(CH23OH、R12=H)、32.0mLのCH2Cl2、および0.67mLの水の激しく攪拌した混合物に、0.89mLのトリフルオロ酢酸を加えた。3時間後に、飽和NaHCO3溶液を添加し、この混合物を室温で8時間攪拌した。この混合物を、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残りをクロマトグラフした(ヘキサン中75%のEtOAc)。分析HPLCで>97%の純度と調べられたフラクションを回収することにより、化合物A-8(R1=4-CH3S-、R7=-(CH23OH、R12=H)(186mg、53%の収率)を白色の泡として得た。1H NMRδ7.16(d,2,J=8.5Hz,ArH),7.08(d,2,J=8.5Hz,ArH),5.78(s,1,ビニルH),4.43(d,1,J=6.5Hz,C11H),3.69-3.59(m,2,CH2OH),2.44(s,3,SCH3),0.427(s,3,C18H)。
【0098】
17α-(3-ヒドロキシプロピル)-11β-[4-(メチルスルフィニル)フェニル]-17β-ニトロエストラ-4,9-ジエン-3-オン[A-8(R1=4-CH3S(O)-、R7=-(CH23OH、R12=H)]。0℃において、310mg(0.552mmol)のスルフォキシドジオールA-7(R1=4-CH3S(O)-、R7=-(CH23OH、R12=H)、25.0mLのCH2Cl2、および0.51mLの水の激しく攪拌した混合物に、0.67mLのトリフルオロ酢酸を加えた。3時間後に、飽和NaHCO3溶液を添加し、この混合物を室温で8時間攪拌した。この混合物を、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残りをクロマトグラフした(EtOAc中6%のMeOH)。分析HPLCで>97%の純度と調べられたフラクションを回収することにより、化合物A-8(R1=4-CH3S(O)-、R7=-(CH23OH、R12=H)(175mg、63%の収率)を白色の泡として得た。1H NMRδ7.57,7.35(ABq,4,J=7.7Hz),5.81(s,1),4.56(d,1,J=6.7Hz),3.75-3.55(m,2),2.72(s,3),0.393(s,3,C18H)。
【0099】
実施例8.11β-(4-アセチルフェニル)-3',4'-ジヒドロ-5'-メチル-1'-オキソ-スピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'(2'H)-ピロール]-3-オン[B-3(R1=4-CH3CO-、R8=CH3、R12=H)]の合成
3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-11β-{4-{1,1-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]エチル}フェニル}-5α-ヒドロキシ-17β-ニトロ-17α-(3-オキソブチル)エストル-9-エン[B-1(R1=4-CH3C(OCH22-、R8=CH3、R12=H)]。10mLのDMSO中の2.4g(4.5mmol)のA-5(R1=4-CH3C(OCH22)、R12=H)の溶液に、1.3g(22.5mmol)のKFと1.45g(4.5mmol)のn-Bu4NBrを添加し、この混合物を室温で30分間攪拌した。この混合物に0.5mL(9.0mmol)のメチルビニルケトンを滴下して加え、攪拌をさらに1時間続けた。この反応混合物を水で希釈し、エチルアセタートで抽出した。有機層を水で洗浄し、ブラインで洗浄し、無水MgSO4で乾燥させた。有機層を濾過し、濃縮し、粗製産物を5:5:1のメチレンクロリド−ヘキサン−アセトンを用いてシリカゲルでクロマトグラフして、2.45g(88%の収率)のB−1(R1=4-CH3C(OCH22-、R8=CH3、R12=H)を得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ0.33(s,3,C18H),1.64(s,3,PhC(OCH2CH2O)CH3),2.18(s,3,COCH3),3.74-4.01(m,8,(OCH2)2),4.37(d,1,C11 αH),4.34(s,1,C5OH),7.15(d,2,J=8.1Hz,ArH),7.34(d,2,J=8.3Hz,ArH)。
【0100】
3',4'-ジヒドロ-3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-11β-{4-{1,1-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]エチル}フェニル}-5α-ヒドロキシ-5'-メチル-1'-オキソ-スピロ[エストル-17β,2'(2'H)-ピロール]-9-エン[B-2(R1=4-CH3C(OCH22-、R8=CH3、R12=H)]。10mLの50%水性エタノールと5.0mLのTHF中における1.5g(2.52mmol)のB−1(R1=4-CH3C(OCH22-、R8=CH3、R12=H)の溶液に、263mgのアンモニウムクロリドと1.3gの亜鉛粉を加えた。反応混合物を24時間攪拌し、celiteを通して濾過した。粗製産物をシリカゲルでクロマトグラフして、最初に5:5:1のヘキサン−メチレンクロリド−アセトン、次いで5:5:1のヘキサン−メチレンクロリド−メタノールで溶出し、1.13g(80%の収率)のB-2(R1=4-CH3C(OCH22-、R8=CH3、R12=H)を得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ0.56(s,3,C18H),1.64(s,3,PhC(OCH2CH2O)CH3),2.21(s,3,ON=C-CH3),3.68-4.02(m,8,(OCH2)2),4.35(d,1,C11 αH),5.01(s,1,OH),7.10(d,2,J=8.3Hz,ArH),7.31(d,2,J=8.3Hz,ArH)。
【0101】
11β-(4-アセチルフェニル)-3',4'-ジヒドロ-5'-メチル-1'-オキソ-スピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'(2'H)-ピロール]-3-オン[B-3(R1=4-CH3CO-、R8=CH3、R12=H)]。5mLのCH2Cl2における300mgのB-2(R1=4-CH3C(OCH22-、R8=CH3、R12=H)の溶液に、0℃において1.0mLのトリフルオロ酢酸(TFA)を加え、この混合物を室温まで温めた。この反応を、飽和NaHCO3溶液で抑え、エチルアセタートで抽出した。エチルアセタート層を水で洗浄し、ブラインで洗浄し、無水MgSO4で乾燥させた。乾燥した溶液を濾過し、真空下で濃縮して255mgの粗製産物を得た。これを5:5:1のヘキサン−メチレンクロリド−メタノールを用いてシリカゲルでクロマトグラフして、以下のスペクトルデータを有する177mgの純粋な化合物を得た:1H NMR(250MHz、CDCl3)δ0.64(s,3,C18H),2.17(s,3,ON=C-CH3),2.59(s,3,PhCOCH3),4.44(d,1,C11 αH),5.81(s,1,C4H),7.23(d,2,J=8.3Hz,ArH),7.87(d,2,J=8.4Hz,ArH)。MS m/z 457(M+)、441,371,324,204,96,83.
【0102】
実施例9.3',4'-ジヒドロ-11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-5'-メチル-1'-オキソ-スピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'(2'H)-ピロール]-3-オン[B-3(R1=4-Me2N-、R8=CH3、R12=H)]の合成
11β-[3-ブロモ-4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-17α-(3-オキソブチル)-3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-17β-ニトロエストル-9-エン[B-1(R1=4-Me2N-、R8=CH3、R12=3-Br)]。5mLのDMSO中の1.51g(2.69mmol)のA-5(R1=4-Me2N-、R12=3-Br)の溶液に、785mg(13.45mmol)のKFと876mg(2.69mmol)のn-Bu4NBrを添加し、この混合物を30分間攪拌した。この混合物に0.27mL(5.38mmol)のメチルビニルケトンを滴下して加え、1時間攪拌した。この反応混合物を水で希釈し、エチルアセタートで抽出した。有機層を水で洗浄し、ブラインで洗浄し、無水MgSO4で乾燥させた。有機層を濾過し、濃縮し、粗製産物を5:5:1のメチレンクロリド−ヘキサン−アセトンを用いてシリカゲルでクロマトグラフして、1.49g(88%の収率)のB−1(R1=4-Me2N-、R8=CH3、R12=3-Br)を得た。I.R.(溶液、CDCl3)3485,2935,2775,1707,1528,1481,1437,1349,1131,965,935,826cm-11H NMR(250MHz、CDCl3)δ0.39(s,3,C18H),2.14(s,3,COCH3),2.75(s,6,N(CH3)2),3.91-4.06(m,4,(OCH2)2),4.33(d,1,C11 αH),4.39(s,1,C5OH),6.95(d,1,J=8.4Hz,ArH),7.09(d,1,J=8.5Hz,ArH),7.36(s,1,ArH)。
【0103】
11β-[3-ブロモ-4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3',4'-ジヒドロ-3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-5'-メチル-1'-オキソ-スピロ[エストル-9-エン-17β,2'(2'H)-ピロール][B-2(R1=4-Me2N-、R8=CH3、R12=3-Br)]。5.0mLの50%水性エタノールと2.5mLのTHF中に、ケトンB−1(R1=Me2N-、R8=CH3、R12=3-Br)(1.1g、1.599mmol)の溶液を調製した。この溶液に、65mg(1.2mmol)のNH4Clと325mg(4.9mmol)の亜鉛粉を加えた。反応混合物を一晩攪拌し、さらに325mgのZnと65mgのアンモニウムクロリドを添加し、攪拌を8時間続けた。この反応混合物をceliteを通して濾過し、濾過物を濃縮した。粗製産物をシリカゲルでクロマトグラフして、7:3:0.3のメチレンクロリド−ヘキサン−メタノールで溶出し、600mg(61%の収率)の純粋なB-2(R1=Me2N-、R8=CH3、R12=3-Br)を得た。I.R.(溶液、CDCl3);3490、2936、2775、1588、1481,1447,1382,1214,966,887cm-11H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.34(s,1,ArH),7.00(d,1,J=8.0Hz),6.95(d,1,J=8.5Hz,ArH),4.39(s,1,C5OH),4.21(br d,1,C11 αH),3.93-4.02(m,4,(OCH2)2),2.74(s,6,N(CH3)2),2.14(s,3,ON=C-CH3),0.61(s,3,C18H)。
【0104】
3',4'-ジヒドロ-11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-5'-メチル-1'-オキソ-スピロ[エストル-9-エン-17β,2'(2'H)-ピロール][B-2(R1=4-Me2N-、R8=CH3、R12=H)]。アリールブロミドB-2(R1=Me2N-、R8=CH3、R12=3-Br)(466mg、0.77mmol)を50mLのTHFに溶解し、アルゴン下で−78℃に維持した。これに、1.9mLのt−BuLi(ペンタン中に1.7M)を滴下して加えた。添加終了後、この反応を10分間攪拌し、−78℃で、メタノール(5mL)、次いで飽和NH4Cl溶液で抑えた。この反応混合物をエチルアセタートで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、無水MgSO4で乾燥させた。乾燥した溶液を濾過し、濃縮して398mgのB-2(R1=Me2N-、R8=CH3、R12=H)を得た。これはさらに精製することなく次の工程に用いた。I.R.(溶液、CDCl3)3490,2950,2800,1608,1516,1436,1345,1216,943、840cm-11H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.00(d,2,J=8.7Hz,ArH),6.62(d,2,J=8.7Hz,ArH),4.39(s,1,C5OH),4.21(d,1,J=5.9Hz,C11 αH),3.90-4.02(m,4,(OCH2)2),2.89(s,6,N(CH3)2),2.13(s,3,ON=C-CH3),0.61(s,3,C18H)。
【0105】
3',4'-ジヒドロ-11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-5'-メチル-1'-オキソ-スピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'(2'H)-ピロール]-3-オン[B-3(R1=4-Me2N-、R8=CH3、R12=H)]。40mLのCH2Cl2中の398mg(0.76mmol)のB-2(R1=Me2N-、R8=CH3、R12=H)の溶液に、2mLの水を添加した。この溶液を0℃まで冷却した。冷却した溶液に、約4mLのTFAを滴下して加えた。この反応を0℃で1時間攪拌した。この反応を飽和重炭酸ナトリウム溶液で抑え、CH2Cl2で抽出した。CH2Cl2層を水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させた。乾燥した溶液を濾過し、真空下で濃縮した。粗製産物を溶出剤として7:3:0.3のメチレンクロリド−ヘキサン−メタノールを用いてシリカゲルでクロマトグラフし、251mgの純粋なB-3(R1=Me2N-、R8=CH3、R12=H)を得た。50%アセトニトリルと水を用いてC−18逆相カラムで調製HPLCでさらに精製を行った:1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.03(d,2,J=8.7Hz,ArH),6.81(d,2,J=8.7Hz,ArH),5.78(s,1,C4H),4.33(d,1,J=6.4Hz,C11 αH),2.94(s,6,N(CH3)2),2.13(s,3,ON=C-CH3),0.66(s,3,C18H);質量スペクトル、m/z相対強度(rel intensity)458(19)、442(28)、134(100)、121(40)、96(11);C303822・0.25H2Oの計算値:C、77.80;H、8.38;N、6.05。実測値:C、77.90;H、8.89;N、5.51。
【0106】
実施例10.11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-17β-ニトロ-17α-(1-プロピニル)エストラ-4,9-ジエン-3-オン[C-2(R1=4-Me2N-、R9=CH3、R12=H)]の合成
11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-17β-ニトロ-17α-(1-プロピニル)エストル-9-エン[C-1(R1=4-Me2N-、R9=CH3、R12=H)]および3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-11β-[4-(N-メチルアミノ)フェニル]-17β-ニトロ-17α-(1-プロピニル)エストル-9-エン[C-1(R1=4-MeHN-、R9=CH3、R12=H)]。室温において窒素下で50mLのDMSO中の2.39g(4.94mmol)の窒素化合物A-5(R1=4-Me2N-、R12=H)の溶液に、312mg(12.4mmol)のNaHを添加した。3.5時間後、7.0mLのDMSO中の4.89g(14.8mmol)のトリブチル(1−プロピニル)スズ(Pinhey,J.T.;Maloney,M.G.:Roche,E.G."The α-Alk-1-ynylation of β-Dicarbonyl Compounds and Nitronate Salts by Alk-1-ynyl-lead Triacetates,"J.Chem.Cos.Perkin Trans.1,333(1989)に従って調製)の溶液を、室温において、35mLのDMSO中の6.59g(14.8mmol)の99.99%のPb(OAc)4[ProChem Chemical Co.;使用前に室温で3時間真空下で攪拌され、窒素下で厳密に取り扱われた(酢酸の全ての形跡を取り除くため)]の溶液に素早く添加した。30秒後、上記の黒いニトロナート溶液を、得られたSn-Pb混合物に素早く添加し、緩く加温した。40分後、EtOAcと400mLの1:1の飽和NH4Cl溶液を添加した。激しく攪拌した後に、水性層を分離し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機溶液をKF水溶液と攪拌し、濾過し、分離し、ブラインで二回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下でほぼ除去して、褐色の僅かに粘性の油を得た。過剰に遅れることなくこの油をクロマトグラフィーして(ヘキサン中の50%EtOAc)、プロピンC−1(R1=4-Me2N-、R9=CH3、R12=H)(646mg、25%の収率)を黄色い泡として得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.03,6.62(ABq,4,J=8.8Hz),4.49(s,1),4.29(br s,1),4.03-3.93(m,4),2.90(s,6),2.89(m,1),1.93(s,3),0.369(s,3)。カラムをさらに溶出することにより、モノ-N-メチル化誘導体[C−1(R1=4-MeHN-、R9=CH3、R12=H)(497mg、20%の収率)を得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ6.99,6.50(ABq,4,J=8.6Hz),4.49(br s,1),4.28(br s,1),4.02(m,4),3.65(br s,1),2.89(m,1),2.78(s,3),1.92(s,3),0.377(s,3)。
【0107】
11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-17β-ニトロ-17α-(1-プロピニル)エストラ-4,9-ジエン-3-オン[C-2(R1=4-Me2N-、R9=CH3、R12=H)]。0℃において、300mg(0.576mmol)のC−1(R1=4-Me2N-、R9=CH3、R12=H)、9.3mLのCH2Cl2、および0.52mLの水の激しく攪拌した混合物に、0.78mL(10.1mmol)のトリフルオロ酢酸を滴下して加えた。45分間0℃で激しく攪拌した後に、飽和NaHCO3溶液を慎重に添加し、この混合物を室温で2時間攪拌した。水性層を分離し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機溶液を、ブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残りをシリカゲルでクロマトグラフし(ヘキサン中45%のEtOAc)、>97%の純度(HPLC分析)の化合物C-2(R1=4-Me2N-、R9=CH3、R12=H)(178.5mg、68%の収率)を得た。97%より僅かに低い純度の化合物C-2(R1=4-Me2N-、R9=CH3、R12=H)が、後のカラムフラクションから得られた(26.4mg、10%の収率)。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.00,6.64(ABq,4,J=8.6Hz),5.77(s,1),4.40(d,1,J=6.0Hz),2.90(s,6),1.94(s,3),0.442(s,3)。MS m/z相対強度(rel inten)458(M+、53)、413(14)、263(25)、134(55)、121(100)。C293423・0.25H2Oの計算値:C、75.21;H、7.51;N、6.05。実測値:C、75.17;H、7.49;N、5.98。
【0108】
実施例11.11β-(4-アセチルフェニル)-17α-エチニル-17β-ニトロエストラ-4,9-ジエン-3-オン[C-2(R1=4-CH3CO-、R9=R12=H)]の合成
3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-11β-{4-{1,1-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]エチル}フェニル}-5α-ヒドロキシ-17α-エチニル-17β-ニトロエストル-9-エン[C-1(R1=4-CH3C(OCH22-、R9=R12=H)]。室温において窒素下で20mLのDMSO中の1000mg(1.90mmol)の窒素化合物A-5(R1=4-CH3C(OCH22-、R12=H)の溶液に、101mg(4.00mmol)のNaHを一回で添加し、ガスが発生し、濁った褐色の色になった。1.2時間後、8mLのDMSO中の1.68mL(5.70mmol)のトリブチル(エチニル)スズ(Aldrich Chemical Co.)の溶液を、室温において、窒素下で、10mLのDMSO中の2.53g(5.70mmol)の99.99%のPb(OAc)4[ProChem Chemical Co.;使用前に乾燥トルエンと3回混合し、減圧下で蒸発させ、かつ窒素を用いて戻した(酢酸の全ての形跡を取り除くため)]の溶液に素早く添加した。30秒後、上記の黒いニトロナート溶液を、得られたSn-Pb混合物に素早く添加し、緩い加温を生じた。22時間後、200mLの1:1の飽和NH4Cl溶液を添加し、続いてEtOAcを添加した。激しく攪拌した後に、水性層を分離し、EtOAcで3回抽出した。合わせた褐色の有機溶液を、ブラインで二回洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、褐色の油を得た。遅れることなくこの粗製産物をシリカゲルでクロマトグラフして(ヘキサン中の55%EtOAc)、エチニル産物C−1(R1=4-CH3C(OCH22-、R9=R12=H)(586mg、56%の収率)を得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.34,7.16(ABq,4,J=8.1Hz),4.45(s,1),4.38(d,1,J=4.4Hz),4.11-3.77(m,8),3.05(m,1),2.79(s,1),1.62(s,3),0.34(s,3)。
【0109】
11β-(4-アセチルフェニル)-17α-エチニル-17β-ニトロエストラ-4,9-ジエン-3-オン[C-2(R1=4-CH3CO-、R9=R12=H)]。0℃において、75.0mg(0.136mmol)のアルコールC−1(R1=4-CH3C(OCH22-、R9=R12=H)、3.6mLのCH2Cl2、および0.06mLの水の激しく攪拌した混合物に、0.58mLのTFAを滴下して加えて、明るい黄色を生じた。20分後、飽和NaHCO3溶液を添加し、水性層を分離し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機溶液を、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残りをシリカゲルでクロマトグラフし(ヘキサン中50%のEtOAc)、C-2(R1=4-CH3CO-、R9=R12=H)(38.3mg、64%の収率)を得た。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.88,7.28(ABq,4,J=8.4Hz),5.82(s,1),4.53(s,1),3.06(dt,1,J=3.0,12Hz),2.84(s,1),2.57(s,3),0.41(s,3)。
【0110】
実施例12.11β-(4-アセチルフェニル)-17β-ニトロ-17α-(1-プロピニル)-エストラ-4,9-ジエン-3-オン[C-2(R1=4-CH3CO-、R8=CH3、R12=H)]の合成
3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-11β-{4-{1,1-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]エチル}フェニル}-5α-ヒドロキシ-17β-ニトロ-17α-(1-プロピニル)-エストル-9-エン[C-1(R1=4-CH3C(OCH22-、R9=CH3、R12=H)]。室温において窒素下で20mLのDMSO中の1000mg(推定で1.90mmol)の純粋でない窒素化合物A-5(R1=4-CH3C(OCH22-、R12=H)の溶液に、101mg(4.00mmol)のNaHを一回で添加し、ガスが発生し、黒い/緑色の色になった。1.6時間後、6mLのDMSO中の1.88mL(5.70mmol)のトリブチル(1−プロピニル)スズ(Phinheyら,1989に従って調製)の溶液を、室温において、窒素下で、14mLのDMSO中の2.53g(5.70mmol)の99.99%のPb(OAc)4[ProChem Chemical Co.;使用前に乾燥トルエンと3回混合し、減圧下で蒸発させ、かつ窒素を用いて戻した(酢酸の全ての形跡を取り除くため)]の溶液に素早く添加した。35秒後、上記の黒いニトロナート溶液を、得られたSn-Pb混合物に素早く添加し、緩い加温を生じた。24時間後、200mLの1:1の飽和NH4Cl溶液を添加し、続いてEtOAcを添加した。激しく攪拌した後に、水性層を分離し、EtOAcで3回抽出した。合わせた褐色の有機溶液を、ブラインで二回洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、褐色の油を得た。遅れることなくこの粗製産物をシリカゲルでクロマトグラフして(ヘキサン中の55%EtOAc)、次いで、シリカゲルで二度目のクロマトグラフ(ヘキサン中の55%EtOAc)を行って、1−プロピニル産物C−1(R1=4-CH3C(OCH22-、R9=CH3、R12=H)(161mg、15%の収率)を得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.33,7.16(ABq,4,J=8.2Hz),4.50(s,1),4.38(br s,1),4.10-3.74(m,8),2.98(m,1),1.93(s,3),0.32(s,3)。
【0111】
11β-(4-アセチルフェニル)-17β-ニトロ-17α-(1-プロピニル)-エストラ-4,9-ジエン-3-オン[C-2(R1=4-CH3CO-、R9=CH3、R12=H)]。0℃において、161mg(0.286mmol)のC−1(R1=4-CH3C(OCH22-、R9=CH3、R12=H)、7.6mLのCH2Cl2、および0.13mLの水のよく攪拌した混合物に、0.5mLのTFAを滴下して加えて、僅かに暗い反応混合物を生じた。1時間後、飽和NaHCO3溶液を激しく攪拌しながら添加した。水とEtOAcを添加し、水性層を分離し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機溶液を、飽和NaHCO3溶液で3回洗浄し、ブラインで2回洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残りをシリカゲルでクロマトグラフし(ヘキサン中53%のEtOAc)、C-2(R1=4-CH3CO-、R9=CH3、R12=H)(104mg、79%の収率)を得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.88,7.29(ABq,4,J=8.4Hz),5.82(s,1),4.52(br s,1),2.97(m,1),2.57(s,3),1.95(s,3),0.38(s,3)。
【0112】
実施例13.11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3',4'-ジヒドロ-1'-オキソ-スピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'(2'H)-ピロール]-3-オン[B-3(R1=4-Me2N-、R8=R12=H)]の合成
11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-17α-(プロパン-3-アル)-17β-ニトロエストル-9-エン[B-1(R1=Me2N-、R8=R12=H)]。2.0mLのトルエンに溶解され、−78℃において窒素環境下で維持された、0.500g(0.883mmol)のエステルA-5(R1=4-Me2N-、R7=-(CH22COOMe、R12=H)に、1Mのヘキサン中のDIBAL−Hの0.97mLを滴下して加えた。1時間後に、さらに1.7mLのDIBAL−Hを添加し、この混合物を−78℃で30分間攪拌した。この反応を、0.4mLのトルエン中の0.24mLのメタノールを添加し、次いで0.22mLのメタノール中の0.13mLの水を添加することにより抑えた。この反応混合物を30分間攪拌し、celiteを通して濾過した。濾過物を濃縮し、粗製アルデヒドを1.5:1のEtOAc−ヘキサンを用いてシリカゲルでクロマトグラフして、456mgの純粋なB−1(R1=Me2N-、R8=R12=H)を96%の収率で得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ8.76(s,1,CHO),7.04(d,2,J=8.7Hz,6.63(d,2,J=8.7Hz,ArH),4.35(s,1,C5OH),4.28(d,1,J=6.6Hz,C11 αH),3.95(m,4,O(CH2)2),3.93-4.02(m,2,CH2OH),2.90(s,6,N(CH3)2),0.40(s,3,C18H),ArH)。
【0113】
3',4'-ジヒドロ-11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-1'-オキソ-スピロ[エストル-9-エン-17β,2'(2'H)-ピロール][B-2(R1=4−Me2N-、R8=R12=H)]。アルデヒドB−1(R1=Me2N-、R8=R12=H)(0.400g、0.74mmol)の溶液を、4.0mLの50%水性エタノールおよび2.0mLのTHF中に調製した。これに、64mg(1.19mmol)の塩化アンモニウムと304mg(4.65mmol)の亜鉛末を加えた。この混合物を一晩攪拌し、304mgのZnと64mgの塩化アンモニウムをさらに加え、攪拌を24時間続けた。この反応混合物をceliteを通して濾過し、濾過物を濃縮した。粗製産物をシリカゲルでクロマトグラフして、5:5:1のメチレンクロリド−ヘキサン−メタノールを用いて溶出して、293mg(78%の収率)の純粋なB−2(R1=4−Me2N-、R8=R12=H)を得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.00(d,1,J=8.4Hz,ArH),6.98(s,1,ON=CH),6.62(d,2,J=8.8Hz,ArH),4.40(s,1,C5OH),4.21(d,1,J=6.4Hz,C11 αH),3.93-4.02(m,4,(OCH2)2),2.88(s,6,N(CH3)2),0.62(s,3,C18H)。
【0114】
3',4'-ジヒドロ-11β-([4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-1'-オキソ-スピロ[エストル-4,9-ジエン-17β,2'(2'H)-ピロール]-3-オン[B-3(R1=4-Me2N-、R8=R12=H)]。2.5mLのCH2Cl2中の120mg(0.23mmol)の2(R1=4−Me2N-、R8=R12=H)の溶液に、0.1mLの水を添加し、この混合物を0℃まで冷却した。この冷却した溶液に、0.5mLのTFAを滴下して加えた。この反応物を0℃で1時間攪拌した。この反応を飽和重炭酸ナトリウム溶液で抑え、CH2Cl2で抽出した。CH2Cl2層を水で洗浄し、ブラインで洗浄し、無水MgSO4で乾燥させた。乾燥した溶液を濾過し、真空下で濃縮した。粗製産物を溶出剤として5:5:1のメチレンクロリド−ヘキサン−メタノールを用いてシリカゲルでクロマトグラフし、79mg(76%の収率)の純粋なB-3(R1=4-Me2N-、R8=R12=H)を得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.00(s,1,ON=CH),6.96(d,2,J=8.4Hz,ArH),6.63(d,2,J=8.9Hz,ArH),5.77(s,1,C4H),4.34(d,1,J=6.8Hz,C11 αH),2.90(s,6,N(CH3)2),0.70(s,3,C18H);質量スペクトル、m/z相対強度(rel intensity)444(43)、428(62)、278(12)、134(86)、121(100)、91(12);C293622・1.25H2Oの計算値:C、74.40;H、8.50;N、5.98。実測値:C、74.56;H、8.50;N、5.43。
【0115】
実施例14.3',4'-ジヒドロ-5'-メチル-1'-オキソ-11β-[4-(N,N-ピペリジノ)フェニル-スピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'(2'H)-ピロール]-3-オン[B-3(R1=4-(N-ピペリジノ)、R8=R12=H)]の合成
11β-[4-(N-ピペリジノ)フェニル]-3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-17β-ニトロ-17α-(3-オキソブチル)-エストル-9-エン[B-1(R1=4-(N-ピペリジノ)-、R8=CH3、R12=H)]。3.5mLのDMSO中の0.750g(1.44mmol)のA-5(R1=4-(N-ピペリジノ)-、R12=H)、416mg(7.175mmol)のKFと462mg(1.43mmol)のn-Bu4NBrの溶液を、室温で30分間攪拌した。この混合物に0.14mL(2.87mmol)のメチルビニルケトンを滴下して加え、1時間攪拌した。この反応混合物を水で希釈し、エチルアセタートで抽出した。有機層を水で洗浄し、ブラインで洗浄し、無水MgSO4で乾燥させた。有機層を濾過し、濃縮し、粗製産物を1:1のヘキサン−エチルアセタートを用いてシリカゲルでクロマトグラフして、0.74g(87%の収率)のB−1(R1=4-(N-ピペリジノ)-、R8=CH3、R12=H)を得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ7.04(d,2,J=8.5Hz,ArH),6.81(d,2,J=8.7Hz,ArH),4.32(s,1,C5OH),4.32(br d,1,C11 αH),3.93-4.00(m,4,(OCH2)2),3.09(t,4,N(CH2)2),2.17(s,3,COCH3),0.37(s,3,C18H)。
【0116】
3',4'-ジヒドロ-3,3-[1,2-エタンジイルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-5'-メチル-1'-オキソ-11β-[4-(N-ピペリジノ)フェニル]-スピロ[エストル-9-エン-17β,2'(2'H)-ピロール][B-2(R1=4-(N-ピペリジノ)-、R8=CH3、R12=H)]。5.0mLの50%水性エタノールと2.5mLのTHF中に、ケトンB−1(R1=4-(N-ピペリジノ)-、R8=CH3、R12=H)(0.740g、1.25mmol)の溶液を調製した。この溶液に、56mg(1.04mmol)の塩化アンモニウムと283mg(4.42mmol)の亜鉛粉を加えた。反応混合物を一晩攪拌し、さらに283mgのZnと56mgのアンモニウムクロリドを添加し、攪拌を8時間続けた。この反応混合物をceliteを通して濾過し、濾過物を濃縮した。粗製産物をシリカゲルでクロマトグラフして、5:1のEtOAc−MeOHで溶出し、670mg(96%の収率)の純粋なB-2(R1=4-(N-ピペリジノ)-、R8=CH3、R12=H)を得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ6.99(d,2,J=8.6Hz,ArH),6.81(d,2,J=8.6Hz,ArH),4.39(s,1,C5OH),4.18(d,1,J=7.8Hz,C11 αH),3.93-4.02(m,4,(OCH2)2),3.08(br t,4,N(CH2)2),2.05(s,3,ON=C-CH3),0.60(s,3,C18H)。
【0117】
3',4'-ジヒドロ-5'-メチル-1'-オキソ-11β-[4-(N-ピペリジノ)フェニル-スピロ[エストル-4,9-ジエン-17β,2'(2'H)-ピロール]-3-オン[B-3(R1=4-(N-ピペリジノ)-、R8=CH3、R12=H)]。ケタールB-2(R1=4-(N-ピペリジノ)-、R8=CH3、R12=H)(3.87g、6.9mmol)を25mLのCH2Cl2に溶かした。これに1.0mLの水を添加し、この混合物を0℃まで冷却した。この溶液に、5。0mLのTFAを滴下して加えた。この反応物を0℃で1時間攪拌した。この間に、褐色ピンクから薄い黄色に変わった。この反応を飽和重炭酸ナトリウム溶液で30分攪拌した後に抑え、CH2Cl2で抽出した。有機層を水で洗浄し、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させた。乾燥した溶液を濾過し、真空下で濃縮した。粗製産物を溶出剤として5:1のEtOAc−MeOHを用いてシリカゲルでクロマトグラフし、1.67gの純粋なB-3(R1=4-(N-ピペリジノ)-、R8=CH3、R12=H)と他の1.04gの僅かに不純な物質を全体で78%の収率で得た。1H NMR(250MHz、CDCl3)δ6.96(d,2,J=8.5Hz,ArH),6.80(d,2,J=8.6Hz,ArH),5.77(s,1,C4H),4.32(d,1,J=6.1Hz,C11 αH),3.08(br t,4,N(CH2)2),2.09(s,3,ON=C-CH3),0.68(s,3,C18CH3);質量スペクトル、m/z相対強度(rel intensity)498(49)、481(54)、320(22)、174(100)、161(40);C303822・1.75H2Oの計算値:C、74.75;H、8.65;N、5.28。実測値:C、74.76;H、8.56;N、5.26。
【0118】
本発明の化合物の生物学的活性をin vitroおよびin vivoテストにより調べた。
ウサギのプロゲスチンとグルココルチコイドのホルモンレセプターの化合物の親和性をC.E.Cookら,Human Reproduction,Volume 9,supplement 1,pp.32-39(1994)に記載されている方法と同じ標準的な手法により調べた。しかしながら、グルココルチコイドレセプターの起源は、エストロゲン投与した未熟のメスのウサギの胸腺であった。ヒトプロゲステロンホルモンレセプターに対する化合物の親和性を、Horwitzら,Cell,28:633-42(1982)およびMockusら,Endocrinology,110:1564-71(1982)に記載されている方法と同様の標準的な方法で調べた。レセプターは、ヒトT-47D胸部細胞から細胞質ゾル中に得られ、[3H]-R5020を放射性リガンドとして用いた。T47D細胞(10億/ml)をTEDGバッファー(10mM Tris、1.5mM EDTA、1mM ジチオトレイトール、1mM モリブデン酸ナトリウムおよび10%グリセロール)で、Dounce pestle Aを用いてホモジナイズし、ホモジナートを34000xgで1時間遠心した。この上清を−80℃で貯蔵した。レセプター調製物の分注量を試験化合物、0.4nM[3H]-R5020、およびTEDGバッファーと合わせて、最終量を150μLとし、ミクロタイタープレートで4℃で4時間インキュベートした。インキュベーションの最後に、40μLの40%ポリエチレングリコールと15μLの1%ヒトガンマグロブリンをインキュベートしたものに加え、各ウェルの内容物をTomTecハーベスターを用いて二重の厚さのBフィルターマット(Wallac LKB)に回収した。乾燥したフィルターマットに、Meltiluxシンチラント(scintillant)のフィルムを適用し、このマットをシンチレーションカウンターで計測して、[3H]-R5020結合の阻害を測定した。データは、IC50値、すなわち、放射性リガンドの結合を50%まで阻害する化合物の濃度として示されている。
【0119】
表1は、本発明の化合物が、親和性の程度は様々であるが、プロゲスチンレセプターに強く結合することを示す。特に注意すべきは、グルココルチコイドレセプターと比較したプロゲスチンレセプターの親和性の驚くべき高い比率である。かかる化合物は、ミフェプリストンのような周知の抗黄体ホルモンと関連した抗グルココルチコイド効果を減少または消失することに有利である。表2は、ウサギのプロゲスチンレセプターに対する高い親和性がヒトのレセプターにもわたることを示している。
細胞および動物試験も、本発明の化合物の生物学的活性をさらに特徴づけるべく行われた。
【0120】
ヒト細胞におけるプロゲステロンおよび抗プロゲステロン活性の測定
栄養培地で生育させたヒトT-47D胸部細胞を、標準的なプロゲスチンR5020のみ、またはR5020と試験化合物とを用いてインキュベートし、測定として[3H]-チミジンの取り込みを用いた増殖の標準的な方法によって評価した。表3はこれらのアッセイの結果を示す。抗黄体ホルモン活性のデータは、EC50値、すなわち、0.15nMのR5020介在増殖を50%まで阻害する化合物の濃度として示されている。最大%阻害(化合物の効力の尺度)も示されている。このアッセイのアゴニストフォーマットでは、化合物は0.01から10nMまでの範囲の濃度で試験され、いずれの投与量における最大%刺激が表3に記載されている。このアッセイでは、一部の化合物が、有力な抗黄体ホルモン活性を示すが、これらに関連した一部のアゴニスト活性も存在することがわかる。
【0121】
in vivoでプロゲステロンおよび抗プロゲステロン活性の測定:
プロゲステロン活性および抗プロゲステロン活性を、McGinty試験(試験化合物単独、McGintyら,Endocrinology,24:829-832(1939)の方法)または抗McGinty試験(試験化合物+プロゲステロン、Tamaraら,Jpn.J.Fertil.Steril.24:48-81(1979)の方法)により、ウサギで調べた。結果をMcPhail(McPhail,J.Physiol.,83:146(1934))に従って評価した。これらは、当業者に周知の標準的な方法である。これらのアッセイの結果は、表4(アゴニスト活性)および5(アンタゴニスト活性)に示されている。プロゲスチンとグルココルチコイドレセプター親和性の優れた分離を示した、ニトロン化合物の一つ(II、R1=4-Me2N-、X=O、R6=R12=H、R8=CH3)は、抗McGinty試験において強力な抗黄体ホルモンであることがわかる。I(R1=4-CH3CO-、X=O、R6=R12=H、R7=CC-CH3)のような他の化合物は、混合(アゴニスト/アンタゴニスト)プロフィールを示した。化合物I(R1=4-Me2N-、X=O、R6=R12=H、R7=CC-CH3)は、抗クラウベルク試験において、皮下でプロゲステロンを投与すると共に、エストロゲン投与した未成熟の雌のウサギに経口的に投与され、マクファイルインデックスにより評価した場合(McPhail,J.Physiol.,83:146(1934))に、有力な抗黄体ホルモンであった。
【0122】
本発明の11β-アリール-17β-ニトロ化合物は、プロゲスチンレセプターに良好な親和性で結合し(表1および2)、in vitroにおいて(表3)またはin vivoにおいて(表5)抗黄体ホルモン活性を備える。本発明の17,17-スピロニトロン化合物はプロゲスチンレセプターに強力に結合し(表1)、抗黄体ホルモン活性を示す(表5)だけでなく、グルココルチコイドレセプターにも弱く結合し(表1)、かくして重要なグルココルチコイドまたは抗グルココルチコイド活性を有するという見込みを顕著に低減する。これは、ミフェプリストンのような現行の抗黄体ホルモンの重大な副作用である。
【0123】
【表1】
Figure 0004545930
【0124】
【表2】
Figure 0004545930
【0125】
【表3】
Figure 0004545930
【0126】
【表4】
Figure 0004545930
【0127】
【表5】
Figure 0004545930
【0128】
明らかに、本発明の多数の修正および変更が、上記技術の範囲で可能である。それゆえ、特許請求の範囲内で、本発明は、特別にここに記載された以外の方法で実施可能であると解する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 17β-ニトロ置換化合物の調製を示す。
【図2】 C17スピロ環式ニトロン化合物の調製を示す。
【図3】 ニトロアルキニル化合物の調製を示す。

Claims (14)

  1. 構造Iのホルモン性または抗ホルモン性ステロイド化合物
    Figure 0004545930
    [式中、R1は(R23N(O)r)-{rは0または1であり、R2およびR3はそれぞれ独立にH、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、これらはいずれも一以上のヘテロ原子、および/または、ハロゲン、および/または、1ないし4の炭素原子のアルキル基、および/または、2ないし4の炭素原子のアルケニル および/またはアルキニル基、および/または、3ないし7の炭素原子のシクロアルキル基、および/または、6ないし12の炭素原子のアリール基、および/または、ヘテロアリール基で置換された、または未置換である}であるか;
    1
    Figure 0004545930
    {qは0または1であり、Yは-(CH2m-(mは0から5の整数)、またはYは-(CH2n-Z-(CH2p-(nは0から2の整数、pは0から2の整数、Zはヘテロ原子(一以上のヘテロ原子、および/または、ハロゲン、および/または、1ないし4の炭素原子のアルキル基、および/または、2ないし4の炭素原子のアルケニル および/またはアルキニル基、および/または、3ないし7の炭素原子のシクロアルキル基、および/または、6ないし12の炭素原子のアリール基、および/または、ヘテロアリール基で置換された、または未置換である))、かつ、CH2基はいずれも一以上のヘテロ原子、および/または、ハロゲン、および/または、1ないし4の炭素原子のアルキル基、および/または、2ないし4の炭素原子のアルケニル および/またはアルキニル基、および/または、3ないし7の炭素原子のシクロアルキル基、および/または、6ないし12の炭素原子のアリール基、および/または、ヘテロアリール基で置換された、または未置換である}であるか;あるいはR1は、N-イミダゾリル、-N-ピロリル、ハロ-、HO-、CF3SO2O-、C1-6アルキル-O-、C1-6アルキル-S-、C1-6アルキル-S(O)-、C1-6アルキル-S(O2)-、C1-6アルキル-CO-、C1-6アルキル-CH(OH)-、NC-、HCC-、C65CC-、2'-フリル、3'-フリル、2'-チオフェニル、3'-チオフェニル、2'-ピリジル、3'-ピリジル、4'-ピリジル、2'-チアゾリル、2'-N-メチルイミダゾリル、5'-ピリミジニル、C65-、H2C=CH-、C1-6アルキル、またはMeC(=CH2)-であり;
    12はHまたはハロであり;またはR1およびR12が結合して環:
    Figure 0004545930
    [式中、WはCH2、CH、NH、N、OまたはSであり、R4はHまたはC1-6アルキルである]を形成し;
    XはOまたはNOR5(式中、R5はHまたはC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-12アリール、またはヘテロアリールであり、これらはいずれも一以上のヘテロ原子、および/または、ハロゲン、および/または、1ないし4の炭素原子のアルキル基、および/または、2ないし4の炭素原子のアルケニル および/またはアルキニル基、および/または、3ないし7の炭素原子のシクロアルキル基、および/または、6ないし12の炭素原子のアリール基、および/または、ヘテロアリール基で置換された、または未置換である)であるか;
    Xは(H、H)、(H、OH)、(H、OSi(C1-6アルキル)3)、または(H、OCOR5)(式中、R5はC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-12アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニルまたはヘテロアラルキニルであり、これらはいずれも一以上のヘテロ原子、および/または、ハロゲン、および/または、1ないし4の炭素原子のアルキル基、および/または、2ないし4の炭素原子のアルケニル および/またはアルキニル基、および/または、3ないし7の炭素原子のシクロアルキル基、および/または、6ないし12の炭素原子のアリール基、および/または、ヘテロアリール基で置換された、または未置換である)であるか;あるいはXは
    Figure 0004545930
    (式中、Yは-(CH2m-(mは0から3の整数)であるか、またはYは-(CH2n-Z-(CH2p-(nは0から2の整数、pは0から2の整数、Zはヘテロ原子(一以上のヘテロ原子、および/または、ハロゲン、および/または、1ないし4の炭素原子のアルキル基、および/または、2ないし4の炭素原子のアルケニル および/またはアルキニル基、および/または、3ないし7の炭素原子のシクロアルキル基、および/または、6ないし12の炭素原子のアリール基、および/または、ヘテロアリール基で置換された、または未置換である)、または、Zは一つまたは二つのC1-6アルキル基で置換された炭素原子)であり);
    6はH、C1-6アルキルまたはハロゲン;
    7はH、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-12アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニルまたはヘテロアラルキニルであり、これらはいずれも一以上のヘテロ原子、および/または、ハロゲン、および/または、1ないし4の炭素原子のアルキル基、および/または、2ないし4の炭素原子のアルケニル および/またはアルキニル基、および/または、3ないし7の炭素原子のシクロアルキル基、および/または、6ないし12の炭素原子のアリール基、および/または、ヘテロアリール基で置換された、または未置換である];または、薬学的に許容できるこれらの塩。
  2. 構造IIのホルモン性または抗ホルモン性ステロイド化合物
    Figure 0004545930
    [式中、R1は(R23N(O)r)-(rは0または1であり、R2およびR3はそれぞれ独立にH、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、これらはいずれも一以上のヘテロ原子、および/または、ハロゲン、および/または、1ないし4の炭素原子のアルキル基、および/または、2ないし4の炭素原子のアルケニル および/またはアルキニル基、および/または、3ないし7の炭素原子のシクロアルキル基、および/または、6ないし12の炭素原子のアリール基、および/または、ヘテロアリール基で置換された、または未置換である)であるか;
    1
    Figure 0004545930
    (qは0または1であり、Yは-(CH2m-(mは0から5の整数)、またはYは-(CH2n-Z-(CH2p-(nは0から2の整数、pは0から2の整数、Zはヘテロ原子(一以上のヘテロ原子、および/または、ハロゲン、および/または、1ないし4の炭素原子のアルキル基、および/または、2ないし4の炭素原子のアルケニル および/またはアルキニル基、および/または、3ないし7の炭素原子のシクロアルキル基、および/または、6ないし12の炭素原子のアリール基、および/または、ヘテロアリール基で置換された、または未置換である))、かつ、CH2基はいずれも一以上のヘテロ原子、および/または、ハロゲン、および/または、1ないし4の炭素原子のアルキル基、および/または、2ないし4の炭素原子のアルケニル および/またはアルキニル基、および/または、3ないし7の炭素原子のシクロアルキル基、および/または、6ないし12の炭素原子のアリール基、および/または、ヘテロアリール基で置換された、または未置換である)であるか;あるいはR1は、N-イミダゾリル、-N-ピロリル、ハロ-、HO-、CF3SO2O-、C1-6アルキル-O-、C1-6アルキル-S-、C1-6アルキル-S(O)-、C1-6アルキル-S(O2)-、C1-6アルキル-CO-、C1-6アルキル-CH(OH)-、NC-、HCC-、C65CC-、2'-フリル、3'-フリル、2'-チオフェニル、3'-チオフェニル、2'-ピリジル、3'-ピリジル、4'-ピリジル、2'-チアゾリル、2'-N-メチルイミダゾリル、5'-ピリミジニル、C65-、H2C=CH-、C1-6アルキル、またはMeC(=CH2)-であり;
    12はHまたはハロであり;またはR1およびR12が結合して環:
    Figure 0004545930
    [式中、WはCH2、CH、NH、N、OまたはSであり、R4はHまたはC1-6アルキルである]を形成し;
    XはOまたはNOR5(式中、R5はHまたはC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-12アリール、またはヘテロアリールであり、これらはいずれも一以上のヘテロ原子、および/または、ハロゲン、および/または、1ないし4の炭素原子のアルキル基、および/または、2ないし4の炭素原子のアルケニル および/またはアルキニル基、および/または、3ないし7の炭素原子のシクロアルキル基、および/または、6ないし12の炭素原子のアリール基、および/または、ヘテロアリール基で置換された、または未置換である)であるか;
    Xは(H、H)、(H、OH)、(H、OSi(C1-6アルキル)3)、または(H、OCOR5)(式中、R5はC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-12アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニルまたはヘテロアラルキニルであり、これらはいずれも一以上のヘテロ原子、および/または、ハロゲン、および/または、1ないし4の炭素原子のアルキル基、および/または、2ないし4の炭素原子のアルケニル および/またはアルキニル基、および/または、3ないし7の炭素原子のシクロアルキル基、および/または、6ないし12の炭素原子のアリール基、および/または、ヘテロアリール基で置換された、または未置換である)であるか;あるいはXは
    Figure 0004545930
    (式中、Yは-(CH2m-(mは0から3の整数)であるか、またはYは-(CH2n-Z-(CH2p-(nは0から2の整数、pは0から2の整数、Zはヘテロ原子(一以上のヘテロ原子、および/または、ハロゲン、および/または、1ないし4の炭素原子のアルキル基、および/または、2ないし4の炭素原子のアルケニル および/またはアルキニル基、および/または、3ないし7の炭素原子のシクロアルキル基、および/または、6ないし12の炭素原子のアリール基、および/または、ヘテロアリール基で置換された、または未置換である)、または、Zは一つまたは二つのC1-6アルキル基で置換された炭素原子)であり);
    6はH、C1-6アルキルまたはハロゲン;
    8は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、またはC2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-12アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニルまたはヘテロアラルキニルであり、これらのいずれも一以上のヘテロ原子、および/または、ハロゲン、および/または、1ないし4の炭素原子のアルキル基、および/または、2ないし4の炭素原子のアルケニル および/またはアルキニル基、および/または、3ないし7の炭素原子のシクロアルキル基、および/または、6ないし12の炭素原子のアリール基、および/または、ヘテロアリール基で置換された、または未置換であるまたは、薬学的に許容できるこれらの塩。
  3. 1-Phが、4-アミノフェニル、4-(N-メチルアミノ)フェニル、4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル、4-(N-ピペリジノ)フェニル、4-(N-ピロリジノ)フェニル、4-(N-モルホリノ)フェニル、1-メチルインドール-5-イルまたは1-メチル-2,3-ジヒドロインドール-5-イルであり、XがO、NOHまたはNOCH3であり;
    6がH、CH3、FまたはClであり;
    7がH、メチル、エチル、1-プロピニル、3-プロピニル、3-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシ-1-プロペニル(E-またはZ-)、3,3,3-トリフルオロプロピン-1-イル、3-ヒドロキシプロピン-1-イル、(CH22COOCH3、(CH22COOC25、(CH22COCH3、CC-C66またはCH265である、請求項1記載の構造Iを有するステロイド。
  4. 1-Phが、4-アミノフェニル、4-(N-メチルアミノ)フェニル、4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル、4-(N-ピペリジノ)フェニル、4-(N-ピロリジノ)フェニル、4-(N-モルホリノ)フェニル、1-メチルインドール-5-イルまたは1-メチル-2,3-ジヒドロインドール-5-イルであり;
    XがO、NOHまたはNOCH3であり;
    6がH、CH3、FまたはClであり;かつR8がH、CH3またはCH265である、請求項2記載のステロイド。
  5. 11β-(4-アセチルフェニル)-17α-(1-プロピニル)-17β-ニトロエストラ-4,9-ジエン-3-オン;11β-(4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル)-17α-(1-プロピニル)-17β-ニトロエストラ-4,9-ジエン-3-オン;11β-(4-アセチルフェニル)-17α-(E-3-ヒドロキシ-1-プロペニル)-17β-ニトロエストラ-4,9-ジエン-3-オン;11β-(4-アセチルフェニル)-17α-(3-ヒドロキシプロピル)-17β-ニトロエストラ-4,9-ジエン-3-オン;11β-(4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル)-17α-(E-3-ヒドロキシ-1-プロペニル)-17β-ニトロエストラ-4,9-ジエン-3-オン;11β-(4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル)-17α-(3-ヒドロキシプロピル)-17β-ニトロエストラ-4,9-ジエン-3-オンおよび17β-ニトロ-11β-(4-(N-ピペリジノ)フェニル)-17α-プロピニル-エストラ-4,9-ジエン-3-オンからなる群から選択される請求項1記載のステロイド。
  6. 3',4'-ジヒドロ-11β-(4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル)-5'-メチル-1'-オキソ-スピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'(2'H)-ピロール]-3-オン;3',4'-ジヒドロ-11β-(4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル)-1'-オキソ-スピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'(2'H)-ピロール]-3-オンおよび3',4'-ジヒドロ-11β-(4-(N-ピペリジノ)フェニル)-5'-メチル-1'-オキソ-スピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'(2'-H)-ピロール]-3-オンからなる群から選択される、請求項2記載のステロイド。
  7. 療に有効な量の請求項1記載の化合物を含むプロゲステロンの活性調節剤
  8. 宮内膜症または子宮フィブロイドの処置のための、請求項7記載の活性調節剤を含む、薬学的組成物
  9. 娩に対する頸部熟成準備および子供の出産のための、請求項7記載の活性調節剤を含む、薬学的組成物
  10. 胎能の調節または制御のための、請求項7記載の活性調節剤を含む、薬学的組成物
  11. 瘍またはガンの処置のための、請求項7記載の活性調節剤を含む、薬学的組成物
  12. ルモン置換療法のための、請求項7記載の活性調節剤を含む、薬学的組成物
  13. プロスタグランジン、分娩促進薬、エストロゲンおよびこれらの混合物からなる群から選択された化合物をさらに含む、請求項10記載の組成物
  14. 療に有効な量の請求項2記載の化合物を含むプロゲステロンの活性調節剤
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