JP4544699B2 - 3段階流量制御電磁弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、カーエアコン等の冷凍サイクルに組み込むのに好適な電磁弁に係り、特に、流量を3段階に切り換える切り換え弁の機能に加えて膨張弁の機能をも併せ持つことができるようにされた3段階流量制御電磁弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、カーエアコンの冷凍サイクルにおいては、通常、冷媒通路がフロント側(運転席側)冷房用とリア側冷房用とに分岐され、それら両通路にそれぞれエバポレータが備えられ、それら両エバポレータの上流側にそれぞれ膨張弁が配置されるが、特に、リア側の膨張弁の上流側には、必要に応じてリア側冷媒通路を開閉(冷房のON/OFF)すべく、電磁弁が配置されることが多い。
【0003】
しかしながら、従来、前記冷媒通路に配置されている電磁弁は、単純に通路を開閉するだけで、流量調整は行えないという問題があった。
本件の出願人は、前記問題を解消すべく、以前に、前記した如くの冷媒通路に配置されてその流量を2段階に切り換える、つまり、冷房ONの状態で弱と強の2段階に切り換えることができる電磁弁を提案した(実公平3−5739号参照)。
【0004】
しかしながら、かかる提案の電磁弁においても、▲1▼冷媒流量を2段階にしか切り換えることができず、もっと細やかに流量調節を行いたいとの要望には応えられない、▲2▼流量切り換え弁の役目しか果たさず、それが組み込まれた冷凍サイクルにあっては別途に膨張弁が必要である等の課題があった。
【0005】
そこで、本件の出願人は、先に、特開平11−82801号公報等に所載のように、弁室、流入口、流出口、及び弁座を有する弁本体部と、この弁本体部における前記弁座とは反対側に配設された吸引子を有するソレノイドと、前記弁本体部の弁座と前記吸引子との間に摺動自在に配在されたプランジャと、を備え、前記プランジャに第1弁体が設けられるとともに、前記弁座に後段オリフィスが形成され、前記第1弁体と弁座との間に前記プランジャにより前記弁座から離れる方向に順次引き上げられる第2弁体と第3弁体とが配在されるとともに、前記吸引子とプランジャとの間に、前記第1弁体、第2弁体、及び第3弁体を前記プランジャを介して前記弁座側に付勢する第1コイルばねが介装され、前記第2弁体に、前記第1弁体により開閉される、実効通路断面積が前記後段オリフィスより小なる前段オリフィスが形成され、前記第3弁体に、前記第2弁体により開閉される、実効通路断面積が前記前段オリフィスより大で前記後段オリフィスより小なる中段オリフィスが形成され、かつ、前記第3弁体により前記後段オリフィスが開閉せしめられるようにされていて、前記ソレノイドに対する印加電圧を段階的に大きくすることによって、前記第1弁体、第2弁体、第3弁体が、順次、前記前段オリフィス、中段オリフィス、後段オリフィスを開くようになし、もって、流量を3段階に制御できるようにした電磁弁(3段階流量制御電磁弁)を提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
かかる提案の3段階流量制御電磁弁においては、従来の流量を2段階にしか切り換えることができなかった電磁弁に比して、より細やかな流量調節を行えると共に、流量切り換え弁と膨張弁の両方の機能を併せ持つという所期の目的は一応達成できたものの、未だ、次のような課題があった。
【0007】
すなわち、前記従来の3段階流量制御電磁弁においては、プランジャをソレノイドの吸引子(ステータ)から遠ざける方向に付勢する付勢手段として、実質的に1本のコイルばね(複数本を直列に配置した場合を含む)が用いられており、前記プランジャは、前記ソレノイドに所定電圧が印加されたとき、その吸引子に対して、ソレノイドの吸引力と前記コイルばねの付勢力(+流体の背圧)とがバランスする位置まで引き上げられて、その位置で保持されるようになっている。
【0008】
より具体的には、前記吸引子に対してプランジャは、ソレノイドに対する印加電圧が例えば4ボルト(第1段階電圧)であるときには、第1弁体が前段オリフィスを開く位置までは引き上げられるが、第2弁体が前記中段オリフィスを開く位置よりは離され、前記印加電圧が例えば7ボルト(第2段階電圧)であるときは、第2弁体が中段オリフィスを開く位置までは引き上げられるが、第3弁体が後段オリフィスを開く位置よりは離され、前記印加電圧が例えば12ボルト(第3段階電圧)のときは、第3弁体が後段オリフィスを開く位置まで引き上げられるようにされている。
【0009】
この場合、電磁弁は、それが組み込まれる機器類のスペース上の制約や電源電圧の大きさ等の観点から、その全体の大きさ、ソレノイドの吸引力(励磁力)等には自ずと制限が課され、前記プランジャを引き上げる距離(リフト量)は、通常、最大で3〜4mm程度が限界であり、そのため、前記各段階毎のリフト量は、0.5〜2mm程度となり、3段階流量制御には極めて高い精度が要求される。
【0010】
ところが、プランジャに作用する前記ソレノイドの吸引力及びコイルばねの付勢力は、ソレノイドやコイルばねの製造時における加工誤差等による固体差、経年変化(励磁力の低下、ばねのへたり具合等)等により、ばらつきが生じ、このばらつきにより前記吸引力と付勢力とがバランスする位置、つまり、吸引子に対するプランジャの引き上げ位置に狂いが生じると共に、構成部品(プランジャ、弁体等)の寸法誤差、組立て誤差等によっても、吸引子に対するプランジャの引き上げ位置が所望の位置からずれてしまう。また、ソレノイドに対する印加電圧(車載バッテリの電圧)や弁本体部内に導入される流体(特に冷媒)の圧力にも変動が生じる。
【0011】
そのため、従来の3段階流量制御電磁弁においては、前記吸引力や付勢力のばらつき、寸法誤差、組立て誤差等に起因するプランジャの引き上げ位置のずれや印加電圧、流体圧の変動等により、前記第1段階、第2段階、及び第3段階において、プランジャがとるべき位置から大きくずれたり、前記印加電圧や流体圧が多少変動しただけで、前記バランスが崩れて、プランジャの位置が大きく変動したりする等、流量の切り換えが適正に行われなくなる場合が少なからずあった。
言い換えれば、従来の3段階流量制御電磁弁では、ソレノイドの吸引力やコイルばねの付勢力のばらつき、寸法誤差、組立て誤差等に起因するプランジャの位置ずれや電圧変動、流体圧変動等に対して対拠(許容)できる範囲が狭いものであった。
【0012】
本発明は、上述の如くの問題を解消すべくなされたもので、その目的とするところは、構造が比較的簡単でかつ低コストで容易に製作できるものでありながら、流量を3段階に切り換えることができると共に、流量切り換え弁と膨張弁の両方の役目を果たし得るようにされ、しかも、ソレノイドの吸引力やコイルばねの付勢力のばらつき、寸法誤差、組立て誤差等に起因するプランジャの位置ずれや電圧変動、流体圧変動等に対して対拠(許容)できる範囲を広げることができ、もって、流量切り換え動作の確実性、信頼性を向上させることのできる電磁弁を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成すべく、本発明に係る電磁弁は、基本的には、弁室、流入口、流出口び弁座を有する弁本体部と、前記弁座から離れた方向から順次設けられた第1弁体、第2弁体及び第3弁体と、前記各弁体を順次引き上げるように備えると共に前記弁本体部に設けられた案内スリーブ内に配在され、前記第1弁体及び第2弁体の間に形成される空間、並びに前記第2弁体及び第3弁体の間に形成される空間に前記流入口からの流体が導入されるようにされたプランジャと、前記第2弁体、第3弁体及び弁座にそれぞれ形成され、それぞれ前記第1弁体、第2弁体及び第3弁体により開閉される、実効通路断面積が順次大なる前段オリフィス、中段オリフィス及び後段オリフィスと、前記プランジャを前記弁座とは反対側に吸引する吸引子を有するソレノイドと、前記プランジャにおける前記吸引子側に形成された凹所と、顎状部を有し、該顎状部が前記凹所内に配置された第1可動ストッパと、前記第1可動ストッパの先端が前記プランジャから前記吸引子側に突出するように、前記プランジャの凹所の先端部に設けられたばね受けと、前記第1可動ストッパの顎状部の外側に配置され、該第1可動ストッパの顎状部と当接可能な係止部を備えた第2可動ストッパと、前記ばね受け及び前記吸引子の間に縮装された第1コイルばねと、前記第1可動ストッパの顎状部及び前記凹所の間に縮装された第2コイルばねと、前記第2可動ストッパ及び前記プランジャの凹所の間に縮装された第3コイルばねと、を備えてなる。
【0014】
そして、前記ソレノイドに対する印加電圧が第1段階電圧Vaのときに、前記第1コイルばねが圧縮されて前記プランジャが前記吸引子側に吸引され、これにより前記第1可動ストッパが前記吸引子に接当し、前記第1弁体が前記第2弁体より引き上げられて前記前段オリフィスが開き、前記ソレノイドに対する印加電圧が前記第1段階電圧Vaよりも大きい第2段階電圧Vbのときに、前記第1コイルばねと共に前記第2コイルばねが圧縮されて前記プランジャが前記吸引子側にさらに吸引され、これにより前記第2可動ストッパの係止部が前記第1ストッパの顎状部に接当し、前記第2弁体が前記第3弁体より引き上げられて前記中段オリフィスが開き、前記ソレノイドに対する印加電圧が前記第2段階電圧Vbよりも大きい第3段階電圧Vcのときに、前記第1コイルばね及び第2コイルばねと共に第3コイルばねが圧縮されて前記プランジャが前記吸引子側にさらに吸引され、これにより前記ばね受けが前記第2可動ストッパから離れ、前記第3弁体が前記弁座より引き上げられて前記後段オリフィスが開くようにされたことを特徴としている。
【0019】
前記に加え、本発明に係る3段階流量制御電磁弁の他の態様として、弁室、流入口、流出口及び弁座を有する弁本体部と、前記弁座から離れた方向から順次設けられた第1弁体、第2弁体及び第3弁体と、前記各弁体を順次引き上げるように備えると共に前記弁本体部に設けられた案内スリーブ内に配在され、前記第1弁体及び第2弁体の間に形成される空間、並びに前記第2弁体及び第3弁体の間に形成される空間に前記流入口からの流体が導入されるようにされたプランジャと、前記第2弁体、第3弁体及び弁座にそれぞれ形成され、それぞれ前記第1弁体、第2弁体及び第3弁体により開閉される、実効通路断面積が順次大なる前段オリフィス、中段オリフィス及び後段オリフィスと、前記プランジャを前記弁座とは反対側に吸引する吸引子を有するソレノイドと、前記吸引子における前記プランジャとは反対側に形成された凹所と、顎状部を有し、該顎状部が前記凹所内に配置された第1可動ストッパと、前記第1可動ストッパの先端が前記吸引子から前記プランジャ側に突出するように、前記吸引子の凹所の先端部に設けられたばね受けと、前記第1可動ストッパの顎状部の外側に配置され、該第1可動ストッパの顎状部と当接可能な係止部を備えた第2可動ストッパと、前記プランジャ及び前記吸引子の間に縮装された第1コイルばねと、前記第1可動ストッパの顎状部及び前記ばね受けの間に縮装された第2コイルばねと、前記第2可動ストッパ及び前記ばね受けの間に縮装された第3コイルばねとを備え、前記ソレノイドに対する印加電圧が第1段階電圧Vaのときに、前記第1コイルばねが圧縮されて前記プランジャが前記吸引子側に吸引され、これにより前記プランジャが第1可動ストッパに接当し、前記第1弁体が前記第2弁体より引き上げられて前記前段オリフィスが開き、前記ソレノイドに対する印加電圧が前記第1段階電圧Vaよりも大きい第2段階電圧Vbのときに、前記第1コイルばねと共に前記第2コイルばねが圧縮されて前記プランジャが前記吸引子側にさらに吸引され、これにより前記第1可動ストッパの顎状部が前記第2可動ストッパの係止部に接当し、前記第2弁体が前記第3弁体より引き上げられて前記中段オリフィスが開き、前記ソレノイドに対する印加電圧が前記第2段階電圧Vbよりも大きい第3段階電圧Vcのときに、前記第1コイルばね及び第2コイルばねと共に第3コイルばねが圧縮されて前記プランジャが前記吸引子側にさらに吸引され、これにより前記第2可動ストッパが前記吸引子の凹所の底部から離れ、前記第3弁体が前記弁座より引き上げられて前記後段オリフィスが開くようにされたことを特徴としている。
【0020】
さらに好ましい態様では、前記ばね受けは、前記吸引子の凹所の端部に螺合するナット部材により押し下げ可能とされ、該ナット部材の回転により前記第2コイルばね及び第3コイルばねの初期セット荷重が調整可能であることを特徴とする。
【0021】
また、別の好ましい態様では、前記プランジャの外周と前記案内スリーブとの間には前記流入口と連通する外周通路部が形成され、前記プランジャの側面には、前記外周通路部と前記第1弁体及び第2弁体の間に形成される空間とを連通する横穴が形成され、前記第2弁体には、前記第1弁体及び第2弁体の間に形成される空間と前記第2弁体及び第3弁体の間に形成される空間とを連通する縦溝が形成されたことを特徴としている。
【0022】
このような構成とされた本発明に係る3段階流量制御電磁弁の好ましい態様においては、流量を3段階に切り換えるべく、ソレノイドには、第1段階において小電圧Va(例えば4ボルト)が印加され、第2段階において中電圧Vb(例えば7ボルト)が印加され、第3段階において大電圧Vc(例えは12ボルト)が印加される。
一般に、ソレノイドの印加電圧−吸引力特性は、図6に示される如くとなり、図のように、ソレノイドに対する印加電圧が大きくなるほど吸引力が増大し、その増大率は、印加電圧が高くなるほど大きくなる。
【0023】
ここでは、ソレノイドに対する印加電圧が前記小電圧Va(第1段階電圧)のときには、ソレノイドの吸引力がFaとなり、ソレノイドに対する印加電圧が前記中電圧Vb(第2段階電圧)のときには、ソレノイドの吸引力がFaより大なるFbとなり、ソレノイドに対する印加電圧が前記大電圧Vc(第3段階電圧)のときには、ソレノイドの吸引力がFbよりかなり大きなFcとなる。
【0024】
一方、本発明の3段階流量制御電磁弁では、前記ソレノイドの吸引力によってプランジャが引き上げられて、順次、第1弁体、第2弁体、及び第3弁体が各オリフィスを開くべく開弁作動するようになっていると共に、前記ソレノイドのプランジャ吸引力に抗するように、全段階において第1コイルばねが働き(圧縮され)、第1段階の終期、第2段階、及び第3段階において第2コイルばねが働き(圧縮され)、第2段階の終期及び第3段階において第3コイルばねが働く(圧縮される)ようになっており、各コイルばねは、圧縮されるほど(圧縮量が大きくなるほど)その付勢力(プランジャに対する荷重)が大きくなる。
【0025】
かかる各コイルばねの付勢力に打ち勝つようにプランジャがソレノイドの吸引力により引き上げられるのであるが、本発明の3段階流量制御電磁弁では、予め、前記第1弁体、第2弁体、及び第3弁体が開弁(各オリフィスを開く)するのに必要とされるソレノイドの吸引力F1 、F2 、及びF3 が、それぞれ前記第1段階電圧Va、第2段階電圧Vb、及び第3段階電圧Vcよりも小なる電圧V1 、V2 、及びV3 で済むように設定されている。言い換えれば、前記電圧Va、Vb、及びVcよりも小なる電圧V1 、V2 、及びV3 をソレノイドに印加すれば、前記第1弁体、第2弁体、及び第3弁体が開弁(各オリフィスを開く)するように、予め、前記各コイルばねのばね定数、初期セット荷重等が設定されている。
【0026】
このため、前記ソレノイドに対する印加電圧が第1段階電圧Vaのときには、前記プランジャが前記吸引力Faで引き上げられ、このときには、前記第1コイルばねが圧縮せしめられて、前記第1弁体が前記前段オリフィスを開き、かつ、前記第1可動ストッパを介して前記第2コイルばねが若干圧縮せしめられ、プランジャは、前記吸引力と第1コイルばね及び第2コイルばねの付勢力とがバランスした引き上げ位置にて停止保持される。
【0027】
また、ソレノイドの対する印加電圧が第2段階電圧Vbのときには、前記プランジャが前記吸引力Fbで引き上げられ、このときには、前記第1コイルばね及び第2コイルばねが共に圧縮せしめられて、前記第2弁体が前記中段オリフィスを開き、かつ、前記第3コイルばねが若干圧縮せしめられ、プランジャは、前記吸引力と第1コイルばね、第2コイルばね、及び第3コイルばねの付勢力とがバランスした引き上げ位置にて停止保持される。
【0028】
さらに、前記印加電圧が第3段階電圧Vcのときには、前記プランジャが前記吸引力Fcで引き上げられ、前記第1コイルばね及び第2コイルばねに加えて前記第3コイルばねも圧縮せしめられて、前記第3弁体が前記後段オリフィスを開き、かつ、前記プランジャが吸引子側パッキンに接当せしめられた位置(最大引き上げ位置)にて停止保持される。
【0029】
上記のように、本発明に係る電磁弁では、前記第1弁体、第2弁体、及び第3弁体が開弁(各オリフィスを開く)する電圧V1 、V2 、及びV3 は、それぞれ第1段階電圧Va、第2段階電圧Vb、及び第3段階電圧Vcよりも小さいので、それらの間の電圧差Ua、Ub、及びUcは、電圧降下等のプランジャを弁座側に押し下げる方向の、位置ずれ、変動を吸収する許容電圧範囲となる(図6参照)。
【0030】
一方、第1段階の終期においては、第2コイルばねが若干圧縮せしめられ働き始めるようにされ、また、第2段階の終期においては第3コイルばねが若干圧縮せしめられて働き始めるようにされ、さらに、第3段階においては、プランジャが吸引子側パッキンに接当せしめられて停止保持されるようになっているので、電圧上昇等のプランジャを吸引子側に引き上げる方向の、位置ずれ、変動は、前述した従来の3段階流量制御電磁弁のような、コイルばねが実質的に1本だけのものに比して、極めて効果的に抑えられる。
【0031】
このため、本発明に係る電磁弁は、構造が比較的簡単でかつ低コストで容易に製作できるものでありながら、流量を3段階に切り換えることができると共に、流量切り換え弁と膨張弁の両方の役目を果たし得るようにされ、しかも、ソレノイドの吸引力やコイルばねの付勢力のばらつき、寸法誤差、組立て誤差等に起因するプランジャの位置ずれや電圧変動、流体圧変動等に対して対拠(許容)できる範囲を広げることができ、その結果、流量切り換え動作の確実性、信頼性を向上させることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照して本発明の実施の形態を説明する。
〔I〕第1実施形態
図1は、本発明に係る3段階流量制御電磁弁の第1実施形態を示している。
図示実施形態の電磁弁1は、カーエアコンの冷凍サイクルのリア側冷房用冷媒通路に組み込まれるもので、図1は冷房OFF時を示している。
【0033】
本実施形態の電磁弁1は、弁室32、流入口8、流出口9、及び弁座35を有する弁本体部30と、該弁本体部30に螺着されたフランジ付きの管状の取付台33と、プランジャ20と、このプランジャ20を前記弁座35に接近離隔する方向に進退させるべくその外周に配置されたソレノイド10と、を備えている。
【0034】
前記ソレノイド10は、ヨーク13、コイル14,吸引子(ステータ)15、止めネジ17、電源ケーブル18、案内スリーブ12等からなっており、車載電源(バッテリ)200からエアコン制御部100を介して第1段階電圧Va、第2段階電圧Vb、及び第3段階電圧Vc(例えば4V、7V、及び12Vの3段階)が印加されるようになっている。
【0035】
前記案内スリーブ12の下部は、前記取付台33の内周にろう付け等により接合固定されている。前記取付台33と弁本体部30との間にはOリング34が装着されている。
前記弁本体部30に形成された弁室32には、先端に若干の丸みが付けられた弁座35が突設され、前記弁室32に連なって冷媒流入口8が設けられると共に、前記弁座35に設けられた後段オリフィス43の下流に冷媒流出口9が設けられている。
【0036】
前記ソレノイド10の案内スリーブ12内に摺動自在に配在されたプランジャ20には、図2の拡大図を参照すればよくわかるように、その中央部付近に断面逆凸字状でその下端部にボール21aが保持された第1弁体21が摺動自在に嵌挿され、この第1弁体21の下側に、該第1弁体21により開閉される段付きの前段オリフィス41が貫設された概略十字状断面の第2弁体22が摺動自在に嵌挿され、この第2弁体22の下側に、該第2弁体により開閉される、前記前段オリフィス41より実効通路断面積が大なる中段オリフィス42が貫設された本体部23a及びその外周に嵌着されてカシメ固定された外周嵌着部23bからなる第3弁体23が摺動自在に嵌挿され、この第3弁体23により、前記弁座35に形成された、前記中段オリフィス42より実効通路断面積が大なる後段オリフィス43を開閉するようになっている。
【0037】
また、プランジャ20の下部は、その外径が上部より若干小さくされており、その下部外周面と前記本体部30、取付台33、案内スリーブ12の内周面との間には、前記流入口8からの流体(冷媒)を、前記第1弁体21と第2弁体22との間に形成される空間(第1弁室32A)に横穴62、62を介して導くための外周通路部60が形成され、また、前記第2弁体22の外周部には、前記流入口8からの流体(冷媒)を、前記第2弁体22と第3弁体23との間に形成される空間(第2弁室32B)に導くための所定数のスリット状の縦溝25、25、…が形成されている。
【0038】
また、プランジャ20には、前記第1弁体21、第2弁体22、及び第3弁体23を、順次引き上げるべく、上から順に、第1係止リング71、第2係止リング72、及び第3係止リング73がそれぞれ第1弁体21、第2弁体22、及び第3弁体23の下側にカシメ固定されている。
【0039】
この場合、前記ソレノイド10に電圧が印加されていないとき(冷房OFF、初期セット状態)では、図1、図2に示される如くに、前記第1弁体21は、その上側に介装されたコイルばね65により前記第2弁体22側(下向き)に付勢されて、その先端のボール21aが前記第2弁体22に圧接してその前段オリフィス41を閉じているが、前記第1係止リング71との間には組立て誤差、加工誤差等を吸収するための所要の隙間が形成されている。また、前記第2弁体22と前記第2係止リング72との間及び前記第3弁体23と前記第3係止リング73との間にも、それぞれ所要の隙間が形成されている。
【0040】
一方、プランジャ20の上部には段付きの凹所27が穿設されており、この凹所27の上部に嵌着された断面凹字状の環状ばね受け45と前記吸引子15の下側に配在された吸引子側パッキン44を兼用するばね受け44との間には、前記第1弁体21、第2弁体22、及び第3弁体23を前記プランジャ20を介して前記弁座35側に付勢する第1コイルばね51が縮装されている。
【0041】
また、前記吸引子15と前記プランジャ20の凹所27(及び前記環状ばね受け45)との間には、断面概略十字状の、鍔状部50a付きの第1可動ストッパ50が摺動自在に介装されており、該第1可動ストッパ50の鍔状部50aと前記プランジャ20の凹所27の底面との間には、第2コイルばね52が縮装されている。
【0042】
また、前記第1可動ストッパ50の鍔状部50a及び第2コイルばね52の外周側で、かつ、前記環状ばね受け45の下側には、L形断面を有する円筒形で、係止部54a(図2)付きの第2可動ストッパ54が配在されるとともに、該第2可動ストッパ54と前記プランジャ20の凹所27との間には第3コイルばね53が縮装されている。前記凹所27には横穴29が形成されると共に、前記凹所27とその下に形成された前記第1弁体21が収納されている空洞部26との間は連通穴28により連通せしめられている。
【0043】
なお、本実施形態では、前記第1コイルばね51、第2コイルばね52、及び第3コイルばね53は、それぞれ前記ソレノイド10によるプランジャ20引き上げ時に最初から大きな弾発力(反発力)が得られるようにするため、組立て時に圧縮された状態で組み込まれている。
【0044】
〔冷房OFF、印加電圧V=0、(図1、図2)〕
このような構成の3段階流量制御電磁弁1においては、前記ソレノイド10に対して電圧が印加されていないとき、つまり、前記ソレノイド10が通電励磁されていないとき(OFF時)には、図1、図2に示される如くに、プランジャ20が第1コイルばね51の付勢力によって弁座35側(下側)に押し下げられ、第1弁体21が第2弁体22に圧接して前段オリフィス41を閉じると共に、第2弁体22が第3弁体23側に押し下げられ、それに圧接して中段オリフィス42を閉じ、さらに、第3弁体23が弁座35側に押し下げられ、それに圧接して後段オリフィス43を閉じ、全弁体21、22、23が閉弁状態となり、流入口8から流出口9へは流体(冷媒)は流出されない。
【0045】
このとき、前記吸引子側パッキン44とプランジャ20(の上端面)との間には、最大隙間Lmaxが形成される。
また、前記吸引子15の下面と前記第1可動ストッパ50の上端面との間には隙間Qが形成され、さらに、前記第1可動ストッパ50(の鍔状部50a)及び第2可動ストッパ54は、それぞれ前記第2コイルばね52及び第3コイルばね53の付勢力により、前記環状ばね受け45の下面に接当せしめられており、また、前記第1可動ストッパ50の鍔状部50aと前記第2可動ストッパ54の係止部54aとの間には、隙間Sが形成される。
【0046】
〔冷房ON:弱、印加電圧V=Va(図3)〕
一方、前記ソレノイド10に第1段階電圧Va(例えば4ボルト)が印加されると、前記ソレノイド10が通電励磁されてON状態となり、図3に示される如くに、プランジャ20が第1コイルばね51の付勢力に抗して吸引子15側の途中まで引き上げられ、これに伴い、第1コイルばね51が若干圧縮され、第1弁体21が前記プランジャ20の第1係止リング71に支承係止されてそれと一緒に引き上げられる。これにより、第1弁体21が第2弁体22から離れて前段オリフィス41を開き、かつ、前記第1可動ストッパ50が前記吸引子15に接当せしめられて、前記第2コイルばね52が若干圧縮せしめられる。ただし、前記第2弁体22及び第3弁体23は、その内外の圧力差(流入側が高く流出側が低い)により、中段オリフィス42、後段オリフィス43を閉じた閉弁状態のままである。
【0047】
このとき、前記吸引子側パッキン44とプランジャ20(の上端面)との間には、前記最大隙間Lmaxより小なる隙間Laが形成される。
また、前記第1可動ストッパ50と吸引子15との間には隙間Qが無くなり(第1可動ストッパ50が接当)、前記第1可動ストッパ50の鍔状部50aと前記第2可動ストッパ54の係止部54aとの間に形成される隙間は、前記OFF時のまま、隙間Sの状態を維持する。
【0048】
これにより、前記流入口8からの冷媒が、前記外周通路部60、横穴62、62を介して、前記第1弁体21と第2弁体22との間に形成される空間(第1弁室32A)に導かれ、前段オリフィス41、中段オリフィス42、及び後段オリフィス43を通じて流出口9に流出して膨張せしめられると共に、下流のエバポレータに導かれる。
このときの冷媒の流量は、前記前段オリフィス41の実効通路断面積により決まるので、比較的少なく、冷房力は弱となる。
【0049】
〔冷房ON:中、印加電圧V=Vb、(図4)〕
前記ソレノイド10に第2段階電圧Vb(例えば7ボルト)が印加されると、前記ソレノイド10が通電励磁されてON状態となり、図4に示される如くに、プランジャ20が第1コイルばね51及び第2コイルばね52の付勢力に抗して前記印加電圧Vが小電圧Vaのときよりさらに吸引子15側に引き上げられ、これに伴い、第1コイルばね51及び第2コイルばね52が共に圧縮せしめられて、第1弁体21が第2弁体22から離れて前段オリフィス41を開いたまま、前記第2弁体22が前記プランジャ20の第2係止リング72に支承係止されて前記プランジャ20と一緒に引き上げられ、これにより、第2弁体22が前記中段オリフィス42を開き、かつ、第1可動ストッパ50の鍔状部50aが第2可動ストッパ54の係止部54aに接当して前記第3コイルばねが若干圧縮せしめられるが、第3弁体23は後段オリフィス43を閉じたままである。
【0050】
このとき、前記吸引子側パッキン44とプランジャ20(の上端面)との間には、前記印加電圧Vが小電圧Vaのときより小なる隙間Lbが形成される。
また、前記第1可動ストッパ50と吸引子15との間には隙間Qは生じず、(第1可動ストッパ50が接当)、前記第2可動ストッパ54と前記第1可動ストッパ50の鍔状部50aとの間に形成される隙間Sは無くなる(第2可動ストッパ54が接当)。
【0051】
これにより、流入口8から第2弁体22に形成された縦溝25、25、…を介して前記第2弁体22と第3弁体23との間に形成された第2弁室32Bに流入した冷媒が、中段オリフィス42に流入し、後段オリフィス43を介して冷媒流出口9に流出して膨張せしめられると共に、下流のエバポレータに導かれる。 このときの冷媒の流量は、前記中段オリフィス42の実効通路断面積により決まるので、前記印加電圧Vが第1段階電圧Vaのときよりは多くなり、冷房力は中となる。
【0052】
〔冷房ON:強、印加電圧V=Vc、(図5)〕
また、前記ソレノイド10に第3段階電圧Vc(例えば12ボルト)が印加されると、前記吸引子15の吸引力が最大となり、図5に示される如くに、前記プランジャ20が前記第1コイルばね51、第2コイルばね52、及び第3コイルばね53の付勢力に抗して最上昇位置(前記吸引子側パッキン44に接当する位置)まで引き上げられ、前記第1コイルばね51、第2コイルばね52、及び第3コイルばね53が共に圧縮せしめられ、それにより、前記第1弁体21が前記前段オリフィス41を開き、かつ、前記第2弁体22が前記中段オリフィス42を開いた状態で、第3弁体23がプランジャ20の第3係止リング73に支承係止されて前記プランジャ20と一緒に引き上げられ、前記弁座35から離れて前記後段オリフィス43を開く。
【0053】
このとき、前記吸引子側パッキン44とプランジャ20(の上端面)との間には、隙間が形成されず(プランジャ20が接当)、また、前記第1可動ストッパ50と吸引子15との間にも隙間Qは生じず、(第1可動ストッパ50が接当)、前記第2可動ストッパ54と前記第1可動ストッパ50の鍔状部50aとの間にも隙間は生じない(第2可動ストッパ54が接当)が、第2可動ストッパ54は第1可動ストッパ50に接当して動かないので、該第2可動ストッパ54と前記環状ばね受け45との間には隙間Kが形成される。
【0054】
それによって、流入口8からの冷媒が直接的に第3弁体23の下面と弁座35との間を通って前記後段オリフィス43に流れ込み、後段オリフィス43を介して冷媒流出口9に流出して膨張せしめられると共に、下流のエバポレータに導かれる。
したがって、この第3段階電圧Vc印加時には、前記後段オリフィス43の実効通路断面積により決まるので、前記流入口8から流出口9に流れる冷媒の流量が最大となり、冷房力が強となる。
【0055】
このようにして、流量を3段階に切り換える本実施形態の電磁弁1においては、前述した如くに、ソレノイド10には、第1段階において小電圧Va(例えば4ボルト)が印加され、第2段階において中電圧Vb(例えば7ボルト)が印加され、第3段階において大電圧Vc(例えは12ボルト)が印加されるのであるが、本実施形態の電磁弁1が従来の、プランジャを実質的に1本のコイルばねだけで付勢するようにした3段階流量制御電磁弁に比べて有利な点とその理由を以下に説明する。
一般に、ソレノイド10の印加電圧−吸引力特性は、図6に示される如くとなり、図のように、ソレノイド10に対する印加電圧が大きくなるほど吸引力が増大し、その増大率は、印加電圧が高くなるほど大きくなる。
【0056】
ここでは、ソレノイド10に対する印加電圧Vが前記小電圧Va(第1段階電圧)のときには、ソレノイド10の吸引力がFaとなり、ソレノイド10に対する印加電圧が前記中電圧Vb(第2段階電圧)のときには、ソレノイド10の吸引力がFaより大なるFbとなり、ソレノイド10に対する印加電圧Vが前記中電圧Vc(第3段階電圧)のときには、ソレノイド10の吸引力がFbよりかなり大きなFcとなる。
【0057】
一方、本実施形態の電磁弁1では、前記プランジャ20に対して並列に3本のコイルばね、すなわち、第1コイルばね51、第2コイルばね52、及び第3コイルばね53が配在されており、前記ソレノイド10の吸引力によってプランジャ20が引き上げられて、順次、第1弁体21、第2弁体22、及び第3弁体23が各オリフィス41、42、43を開くべく開弁作動するようになっていると共に、前記ソレノイド10のプランジャ吸引力に抗するように、全段階において第1コイルばね51が働き(圧縮され)、第1段階の終期、第2段階、及び第3段階において第2コイルばね52が働き(圧縮され)、第2段階の終期及び第3段階において第3コイルばね53が働く(圧縮される)ようになっており、各コイルばね51、52、53は、圧縮されるほど(圧縮量が大きくなるほど)その付勢力が大きくなる。
【0058】
かかる各コイルばね51、52、53の付勢力(+流体の背圧)に打ち勝つようにプランジャ20がソレノイド10の吸引力により引き上げられるのであるが、本実施形態の電磁弁1では、予め、前記第1弁体21、第2弁体22、及び第3弁体23が開弁(各オリフィス41、42、43を開く)するのに必要とされるソレノイド10の吸引力F1 、F2 、及びF3 が、それぞれ前記電圧Va、Vb、及びVcよりも小なる電圧V1 、V2 、及びV3 で済むように設定されている。言い換えれば、前記第1段階電圧Va、第2段階電圧Vb、及び第3段階電圧Vcよりも小なる電圧V1 、V2 、及びV3 をソレノイド10に印加すれば、前記第1弁体21、第2弁体22、及び第3弁体23が開弁(各オリフィス41、42、43を開く)するように、予め、前記各コイルばね51、52、53のばね定数、初期セット荷重等が設定されている。
【0059】
このため、前記ソレノイド10に対する印加電圧Vが第1段階電圧Vaのときには、前記プランジャ20が前記吸引力Faで引き上げられ、このときには、前記第1コイルばね51が圧縮せしめられて、前記第1弁体21が前記前段オリフィス41を開き、かつ、前記第1可動ストッパ50が前記吸引子15に接当せしめられて、前記第2コイルばね52が若干圧縮せしめられ、プランジャ20は、前記吸引力と第1コイルばね51及び第2コイルばね52の付勢力とがバランスした引き上げ位置にて停止保持される。
【0060】
また、ソレノイド10の対する印加電圧Vが第2段階電圧Vbのときには、前記プランジャ20が前記吸引力Fbで引き上げられ、このときには、前記第1コイルばね51及び第2コイルばね52が共に圧縮せしめられて、前記第2弁体22が前記中段オリフィス42を開き、かつ、前記第3コイルばね53が若干圧縮せしめられ、プランジャ20は、前記吸引力と第1コイルばね51、第2コイルばね52、及び第3コイルばね53の付勢力とがバランスした引き上げ位置にて停止保持される。
【0061】
さらに、前記印加電圧Vが第3段階電圧Vcのときには、前記プランジャ20が前記吸引力Fcで引き上げられ、前記第1コイルばね51及び第2コイルばね52に加えて前記第3コイルばね53も圧縮せしめられて、前記第3弁体23が前記後段オリフィス43を開き、かつ、前記プランジャ20が吸引子側パッキン44に接当せしめられた位置(最大引き上げ位置)にて停止保持される。
【0062】
上記のように、本実施形態の電磁弁1では、前記第1弁体21、第2弁体22、及び第3弁体23が開弁(各オリフィス41、42、43を開く)する電圧V1 、V2 、及びV3 は、第1段階電圧Va、第2段階電圧Vb、及び第3段階電圧Vcよりも小さいので、それらの間の電圧差Ua、Ub、及びUcは、電圧降下等のプランジャを弁座側に押し下げる方向の、位置ずれ、変動を吸収する許容電圧範囲となる(図6参照)。
【0063】
一方、第1段階の終期においては、第2コイルばね52が若干圧縮せしめられて働き始めるようにされ、また、第2段階の終期においては第3コイルばね53が若干圧縮せしめられて働き始めるようにされ、さらに、第3段階においては、プランジャ20が吸引子側パッキン44に接当せしめられて停止保持されるようになっているので、電圧上昇等のプランジャを吸引子側に引き上げる方向の、位置ずれ、変動は、前述した従来の3段階流量制御電磁弁のような、コイルばねが実質的に1本だけのものに比して、極めて効果的に抑えられる。
【0064】
このため、本実施形態の電磁弁1は、構造が比較的簡単でかつ低コストで容易に製作できるものでありながら、流量を3段階に切り換えることができると共に、流量切り換え弁と膨張弁の両方の役目を果たし得るようにされ、しかも、ソレノイドの吸引力やコイルばねの付勢力のばらつき、寸法誤差、組立て誤差等に起因するプランジャの位置ずれや電圧変動、流体圧変動等に対して対拠(許容)できる範囲を広げることができ、その結果、流量切り換え動作の確実性、信頼性を向上させることができる。
【0065】
〔II〕第1参考例
図7は、本発明に係る3段階流量制御電磁弁の第1参考例を示しており、この第1参考例の3段階流量制御電磁弁1’については、第1実施形態の3段階流量制御電磁弁1の各部と同一機能部分については同一の符号を付してそれらの重複説明を省略し、以下においては相違点を重点的に説明する。
【0066】
この第1参考例の3段階流量制御電磁弁1’では、前記吸引子15と前記プランジャ20の凹所27(及び前記環状ばね受け45)との間には、断面概略十字状の、前記第1実施形態のものより大径の鍔状部50a付きの第1可動ストッパ50’が摺動自在に介装され、該第1可動ストッパ50’の鍔状部50aと前記プランジャ20の凹所27の底面との間には、第2コイルばね52が縮装されるとともに、該第2コイルばね52の外周側に第3コイルばね53が実質的に圧縮されていない自然状態で配在されており、この第3コイルばね53上には断面概略矩形でリング状の第2可動ストッパ55(単なるばね受け部材)が乗せられている。
【0067】
この第1参考例の3段階流量制御電磁弁1’においては、第1実施形態の3段階流量制御電磁弁1では第3コイルばね53が第2可動ストッパ54により最初から圧縮状態で組み込まれていたのに対して、組立て時において第3コイルばね53は実質的に圧縮されておらず、単にその上にリング状の第2可動ストッパ55を乗せただけの構成となっている。
【0068】
▲1▼〔冷房OFF、印加電圧V=0、(図1、図2)〕
このような構成の電磁弁1においては、前記ソレノイド10に対して電圧が印加されていないとき、前記吸引子側パッキン44とプランジャ20(の上端面)との間には、最大隙間Lmaxが形成される。
【0069】
また、前記第1可動ストッパ50’は、前記第2コイルばね52の付勢力により、その鍔状部50aが前記環状ばね受け45の下面に圧接せしめられており、その上端(頂面)と前記吸引子15との間には隙間Qが形成される。
さらに、前記第3コイルばね53上の第2可動ストッパ55と前記第1可動ストッパ50’の鍔状部50aとの間には隙間Jが形成される。
【0070】
▲2▼〔冷房ON:弱、印加電圧V=Va(図9)〕
一方、前記ソレノイド10に第1段階電圧Va(例えば4ボルト)が印加されると、図9に示される如くに、プランジャ20が引き上げられて、第1コイルばね51が若干圧縮され、第1弁体21が前記プランジャ20と一緒に引き上げられ、第1弁体21が第2弁体21から離れて前段オリフィス41を開き、かつ、前記第1可動ストッパ50’が前記吸引子15に接当せしめられて、前記第2コイルばね52が若干圧縮せしめられる。
このとき、前記吸引子側パッキン44とプランジャ20(の上端面)との間には、前記最大隙間Lmaxより小なる隙間Laが形成される。
【0071】
また、前記第1可動ストッパ50’と吸引子15との間には隙間Qが無くなり(第1可動ストッパ50’が接当)、前記第3コイルばね53上のリング部材54と前記第1可動ストッパ50’の鍔状部50aとの間に形成される隙間は、前記OFF時のまま、隙間Jの状態を維持する。
このときの冷媒の流量は、前記前段オリフィス41の実効通路断面積により決まるので、比較的少なく、冷房力は弱となる。
【0072】
▲3▼〔冷房ON:中、印加電圧V=Vb、(図10)〕
前記ソレノイド10に第2段階電圧(例えば7ボルト)が印加されると、図10に示される如くに、プランジャ20が第1コイルばね51及び第2コイルばね52の付勢力に抗して前記印加電圧Vが第1段階電圧Vaのときよりさらに吸引子15側に引き上げられ、これに伴い、第1コイルばね51及び第2コイルばね52が共に圧縮せしめられて、第1弁体21が第2弁体22から離れて前段オリフィス41を開いたまま、前記第2弁体22が前記プランジャ20と一緒に引き上げられ、これにより、第2弁体22が前記中段オリフィス42を開き、かつ、前記第3コイルばね53上の第2可動ストッパ55が第1可動ストッパ50’の鍔状部50aに接当して前記第3コイルばねが若干圧縮せしめられるが、第3弁体23は後段オリフィス43を閉じたままである。
【0073】
このとき、前記吸引子側パッキン44とプランジャ20(の上端面)との間には、前記印加電圧Vが第1段階電圧Vaのときより小なる隙間Lbが形成される。
また、前記第1可動ストッパ50’と吸引子15との間には隙間Qは生じず、(第1可動ストッパ50’が接当)、前記第3コイルばね53上の第2可動ストッパ55と前記第1可動ストッパ50’の鍔状部50aとの間に形成される隙間Jは無くなる(第2可動ストッパ54が接当)。
このときの冷媒の流量は、前記中段オリフィス42の実効通路断面積により決まるので、前記印加電圧Vが小電圧Vaのときよりは多くなり、冷房力は中となる。
【0074】
▲4▼〔冷房ON:強、印加電圧V=Vc、(図11)〕
また、前記ソレノイド10に第3段階電圧Vc(例えば12ボルト)が印加されると、前記吸引子15の吸引力が最大となり、図11に示される如くに、前記プランジャ20が前記第1コイルばね51、第2コイルばね52、及び第3コイルばね53の付勢力に抗して最上昇位置(前記吸引子側パッキン44に接当する位置)まで引き上げられ、前記第1コイルばね51、第2コイルばね52、及び第3コイルばね53が共に圧縮せしめられ、それにより、前記第1弁体21が前記前段オリフィス41を開き、かつ、前記第2弁体22が前記中段オリフィス42を開いた状態で、第3弁体23がプランジャ20と一緒に引き上げられ、前記弁座35から離れて前記後段オリフィス43を開く。
【0075】
このとき、前記吸引子側パッキン44とプランジャ20(の上端面)との間には、隙間が形成されず(プランジャ20が接当)、また、前記第1可動ストッパ50’と吸引子15との間には隙間Qは生じず、(第1可動ストッパ50’が接当)、前記第3コイルばね53上の第2可動ストッパ55と前記第1可動ストッパ50’の鍔状部50aとの間にも隙間は生じない(第2可動ストッパ55が接当)。
【0076】
したがって、この最大電圧Vc印加時には、前記後段オリフィス43の実効通路断面積により決まるので、前記流入口8から流出口9に流れる冷媒の流量が最大となり、冷房力が強となる。
この第1参考例の3段階流量制御電磁弁1’においても第1実施形態のものと略同様な作用効果が得られる。
【0077】
〔III〕第実施形態
図12は、本発明に係る3段階流量制御電磁弁の第実施形態を示しており、この第実施形態の3段階流量制御電磁弁3についても、第1実施形態及び第1参考例の3段階流量制御電磁弁1の各部と同一機能部分については同一の符号を付してそれらの重複説明を省略し、以下においては相違点を重点的に説明する。
【0078】
この第実施形態の3段階流量制御電磁弁3では、吸引子15’におけるプランジャ20側に前記第1コイルばね51が配在され、前記吸引子15’における前記プランジャ20とは反対側に前記第2コイルばね52、第3コイルばね53、断面十字状の第1可動ストッパ56及び内周係止部57aが設けられた第2可動ストッパ57が配在されている。
【0079】
また、前記第2コイルばね52及び第3コイルばね53の初期セット荷重を外部から調節できるようにすべく、前記吸引子15’における前記プランジャ20とは反対側(上側)に、前記第2コイルばね52及び第3コイルばね53を受け止める逆凸字状断面を有するばね受け部材85がOリング84を介して摺動可能に嵌挿される筒状嵌挿部81が延設されるとともに、該筒状嵌挿部81の外周に雄ねじ部82が形成され、この雄ねじ部82に、前記ばね受け部材85を介して前記第2コイルばね52及び第3コイルばね53を押し下げるようにして圧縮することにより、それらの初期セット荷重を調節する逆立有底円筒状のナット部材90の雌ねじ部91が螺合せしめられている。
【0080】
より詳細には、ソレノイド10のコイル14、ヨーク13等の外装ユニットを前記案内スリーブ12に上から挿入して外嵌するため、前記吸引子15’の筒状嵌挿部81の雄ねじ部82の外径は、前記コイル14、ヨーク13等の外装ユニットの内径よりも小さくされている。前記コイル14、ヨーク13等の外装ユニットは、取付台33と前記筒状嵌挿部81に外嵌固定されたCリング78とで挟まれるようにして固定されている。
【0081】
前記第1コイルバネ51は、前記吸引子15’の下側に配在された吸引子側パッキン44とプランジャ20の上面に設けられたばね受け凹部20aとの間に縮装され、前記第1可動ストッパ56は、下半分が吸引子15’に貫設された挿通穴15aに挿入され、その鍔状部56aが前記筒状嵌挿部81の底面15b(吸引子上面)に接当せしめられている。前記ばね受け部材85と前記第1可動ストッパ56の鍔状部56aとの間には第2コイルバネ52が縮装され、前記ばね受け部材85と前記第2可動ストッパ57との間には第3コイルバネ53が縮装されている。
【0082】
したがって、かかる構成のもとでは、組立て後に、外部から前記ナット部材90を前記筒状嵌挿部81にねじ込むように回せば、それらの雄ねじ部82と雌ねじ部91が螺合して前記ばね受け部材85が押し下げられ、それによって、第2コイルバネ52及び第3コイルバネ53が同時に圧縮されて、それらの初期セット荷重が調節されることになる。
【0083】
▲1▼〔冷房OFF、印加電圧V=0、(図12)〕
このような構成の電磁弁3においても、前記ソレノイド10に対して電圧が印加されていないとき、前記吸引子側パッキン44とプランジャ20(のばね受け凹部20a)との間には、最大隙間Lmaxが形成される。
【0084】
また、前記第1可動ストッパ56は、前記第2コイルばね52の付勢力により、その鍔状部56aが前記筒状嵌挿部81の底面15b(吸引子上面)に接当せしめられており、その下端面と前記プランジャ20との間には隙間Rが形成される。
さらに、前記第2可動ストッパ57の内周係止部57aと前記第1可動ストッパ56の鍔状部56aとの間には隙間Pが形成される。
【0085】
▲2▼〔冷房ON:弱、印加電圧V=Va(図13)〕
一方、前記ソレノイド10に第1段階電圧Va(例えば4ボルト)が印加されると、図13に示される如くに、プランジャ20が引き上げられて、第1コイルばね51が若干圧縮され、第1弁体21が前記プランジャ20と一緒に引き上げられ、第1弁体21が第2弁体21から離れて前段オリフィス41を開き、かつ、前記前記プランジャ20が第1可動ストッパ56に接当せしめられて、前記第2コイルばね52が若干圧縮せしめられる。
【0086】
このとき、前記吸引子側パッキン44とプランジャ20(の上端面)との間には、前記最大隙間Lmaxより小なる隙間Laが形成され、前記第2可動ストッパ57の内周係止部57aと前記第1可動ストッパ56の鍔状部56aとの間に形成される隙間は、前記OFF時のまま、隙間Pの状態を維持する。
このときの冷媒の流量は、前記前段オリフィス41の実効通路断面積により決まるので、比較的少なく、冷房力は弱となる。
【0087】
▲3▼〔冷房ON:中、印加電圧V=Vb、(図14)〕
前記ソレノイド10に第2段階電圧(例えば7ボルト)が印加されると、図14に示される如くに、プランジャ20が第1コイルばね51及び第2コイルばね52の付勢力に抗して前記印加電圧Vが第1段階電圧Vaのときよりさらに吸引子15側に引き上げられ、これに伴い、第1コイルばね51及び第2コイルばね52が共に圧縮せしめられて、第1弁体21が第2弁体22から離れて前段オリフィス41を開いたまま、前記第2弁体22が前記プランジャ20と一緒に引き上げられ、これにより、第2弁体22が前記中段オリフィス42を開き、かつ、第2可動ストッパ57の内周係止部57aが第1可動ストッパ56の鍔状部56aに接当して前記第3コイルばねが若干圧縮せしめられるが、第3弁体23は後段オリフィス43を閉じたままである。
【0088】
このとき、前記吸引子側パッキン44とプランジャ20(の上端面)との間には、前記印加電圧Vが第1段階電圧Vaのときより小なる隙間Lbが形成される。
【0089】
また、前記第1可動ストッパ56とプランジャ20との間には隙間Rは生じず、(第1可動ストッパ56が接当)、第2可動ストッパ57の内周係止部57aと前記第1可動ストッパ56の鍔状部56aとの間に形成される隙間Pは無くなり(第2可動ストッパ57が接当)第1可動ストッパ56の鍔状部56aと筒状嵌挿部81の底面15bとの間に隙間Mが形成される。
このときの冷媒の流量は、前記中段オリフィス42の実効通路断面積により決まるので、前記印加電圧Vが小電圧Vaのときよりは多くなり、冷房力は中となる。
【0090】
▲4▼〔冷房ON:強、印加電圧V=Vc、(図15)〕
また、前記ソレノイド10に第3段階電圧Vc(例えば12ボルト)が印加されると、前記吸引子15の吸引力が最大となり、図15に示される如くに、前記プランジャ20が前記第1コイルばね51、第2コイルばね52、及び第3コイルばね53の付勢力に抗して最上昇位置(前記吸引子側パッキン44に接当する位置)まで引き上げられ、前記第1コイルばね51、第2コイルばね52、及び第3コイルばね53が共に圧縮せしめられ、それにより、前記第1弁体21が前記前段オリフィス41を開き、かつ、前記第2弁体22が前記中段オリフィス42を開いた状態で、第3弁体23がプランジャ20と一緒に引き上げられ、前記弁座35から離れて前記後段オリフィス43を開く。
【0091】
このとき、前記吸引子側パッキン44とプランジャ20(の上端面)との間には、隙間が形成されず(プランジャ20が接当)、また、前記第1可動ストッパ56とプランジャ20との間には隙間Rは生じず、(第1可動ストッパ56が接当)、前記第2可動ストッパ57の内周係止部57aと前記第1可動ストッパ56の鍔状部50aとの間にも隙間は生じない(第2可動ストッパ56が接当)。
さらに、第2可動ストッパ57の下端と前記筒状嵌挿部81の底面15b(吸引子上面)との間に隙間Zが形成される。
【0092】
したがって、この最大電圧Vc印加時には、前記後段オリフィス43の実効通路断面積により決まるので、前記流入口8から流出口9に流れる冷媒の流量が最大となり、冷房力が強となる。
この第実施形態の3段階流量制御電磁弁3においても第1実施形態のものと略同様な作用効果が得られる。
【0093】
〔IV〕第2参考例
図16は、本発明に係る3段階流量制御電磁弁の第2参考例の主要部を示しており(冷房OFF時)、この第2参考例の3段階流量制御電磁弁4については、第1実施形態及び第1参考例の3段階流量制御電磁弁1、1’の各部と同一機能部分については同一の符号を付してそれらの重複説明を省略し、以下においては相違点を重点的に説明する。
この第2参考例の3段階流量制御電磁弁4は、組立て性の向上、製造コストの削減等を図るべく、主として、前記第1実施形態、第1参考例におけるプランジャ20の第1弁体21及び第2弁体22周りを改造したものである。
【0094】
すなわち、プランジャ20’には、その中央部を上下方向に貫通するように段付きの貫通穴20Aが形成されており、この貫通穴20A内に、弁座35側(下側)から吸引子15側(上側)にかけて、第3弁体23、第2弁体22’、前記第1弁体21’、第2コイルばね52、及び、第1可動ストッパ50’が、それぞれ当該プランジャ20の長さ方向に沿って(上下方向に)移動可能に、かつ、順次、当接した状態で直列に挿入されている。
【0095】
詳細には、前記第1弁体21’は、前記第1実施形態、第1参考例の第1弁体21のように、前段オリフィス41を開閉するためのボール21aをカシメ固定した構造ではなく、前記ボール21aに代えて半球状突部21bが一体に突設された構造となっている。これにより、当該第1弁体の製造、組立コストが低減される。また、第1実施形態、第1参考例では、第1弁体21を下向きに付勢するコイルばね65が必要であったが、第2参考例では不要である。
【0096】
前記第2弁体22’は、前記第1、第2実施形態の第2弁体22のように、縦溝25、25、…を有する複雑な形状ではなく、中央部に前段オリフィス41が形成された断面逆凸字状の単純な段付き円筒状となっている。その代わり、前記プランジャ20’における前記第2係止部102より前記第3弁体23側に、前記流入口8からの冷媒を、前記第2弁体22’を通さずに直接前記中段オリフィス42に導く横穴105、105、…が形成されている。これにより、当該第2弁体22’及びその周辺の製造、組立コストが低減される。
【0097】
さらに、前記プランジャ20’には、前記第1弁体21’の前記第2弁体22’側への移動を阻止するが、前記第2弁体22’は通す内径の、前記第1実施形態、第1参考例における第1係止リング71に代わる第1係止部101が一体に設けられるとともに、前記第2弁体22’の前記第3弁体23側への移動を阻止する、前記第1実施形態、第1参考例における第2係止リング72に代わる第2係止部102が一体に設けられている。
【0098】
上記のような構成にしたことにより、当該3段階流量制御電磁弁の組立てに際し、前記第1実施形態、第1参考例のものでは、プランジャ20の下側から、順次、コイルばね65及び第1弁体21を挿入した後、第1係止リング71を挿入してそれをカシメ固定し、しかる後、第2弁体22を挿入し、その後、第2係止リング72を挿入してそれをカシメ固定するという煩わしい作業が必要であったが、第2参考例では、プランジャ20’の上側から、第2弁体22’を先頭にして順次、前記第1弁体21’、第2コイルばね52及び第3コイルばね53及び第1可動ストッパ50を落とし込めばよく、煩わしいカシメ作業が不要となる。そのため、製造コスト、組立コストが一層低減される。
【0099】
なお、第1実施形態、第1参考例では、第1弁体21と第1係止リング71との間には組立て誤差、加工誤差等を吸収するための所要の隙間が形成されているが、第2参考例では、第1弁体21’は第1係止部101に接当せしめられており、組立て誤差、加工誤差等は、第3体23bの上端面とこの上端面と対向するプランジャ20の下端面との間に形成される隙間L’で吸収するようになっている。
【0100】
また、弁本体部30’には、第1実施形態、第1参考例における取付台33に代えて、カシメ用筒状取付部110が設けられ、このカシメ用筒状取付部110に、案内スリーブ12の下端に形成された鍔状部12aがOリング34に乗るように挿入されて、その下端部外周に外嵌された取付リング112を介して前記カシメ用筒状取付部110の上端部によりカシメ固定されている。これによっても、第1実施形態、第1参考例における、案内スリーブ12、取付台33を固定するためのねじ切り、ロー付け等が不要となるので、製造コスト、組立コストの低減が図られる。
【0101】
なお、第1実施形態の3段階流量制御電磁弁1では、第3コイルばね53が第2可動ストッパ54により最初から圧縮状態で組み込まれていたのに対して、第2参考例では、第1参考例と同様に、組立て時において第3コイルばね53は実質的に圧縮されておらず、しかも、第1参考例における第2可動ストッパ55の役目は、第3コイルばね53の上端部で担うようになっている。
このような構成とされた第2参考例の3段階流量制御電磁弁4においても、前記実施形態と同様に3段階流量制御が行われ、前記実施形態と略同様な作用効果が得られる。
【0102】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明に係る電磁弁は、構造が比較的簡単でかつ低コストで容易に製作できるものでありながら、流量を3段階に切り換えることができると共に、流量切り換え弁と膨張弁の両方の役目を果たし得るようにされ、しかも、ソレノイドの吸引力やコイルばねの付勢力のばらつき、寸法誤差、組立て誤差等に起因するプランジャの位置ずれや電圧変動、流体圧変動等に対して対拠(許容)できる範囲を広げることができ、流量切り換え動作の確実性、信頼性を向上させることができる。
【0103】
簡単な構成を付加するだけで、各コイルバネの初期セット荷重を外部から調節することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電磁弁の第1実施形態の印加電圧が0Vの状態(初期セット状態)を示す断面図。
【図2】 図1に示される電磁弁のプランジャ周辺を拡大して示す断面図。
【図3】 図1に示される電磁弁の印加電圧が小のときの状態を示す断面図。
【図4】 図1に示される電磁弁の印加電圧が中のときの状態を示す断面図。
【図5】 図1に示される電磁弁の印加電圧が大のときの状態を示す断面図。
【図6】 本発明に係る電磁弁の作用効果の説明に供される、ソレノイドの電圧−吸引力特性を示すグラフ。
【図7】 本発明に係る電磁弁の第1参考例の印加電圧が0Vの状態(初期セット状態)を示す断面図。
【図8】 図7に示される電磁弁のプランジャ周辺を拡大して示す断面図。
【図9】 図7に示される電磁弁の印加電圧が小のときの状態を示す断面図。
【図10】 図7に示される電磁弁の印加電圧が中のときの状態を示す断面図。
【図11】 図7に示される電磁弁の印加電圧が大のときの状態を示す断面図。
【図12】 本発明に係る電磁弁の第実施形態の印加電圧が0Vの状態(初期セット状態)を示す断面図。
【図13】 図12に示される電磁弁の印加電圧が小のときの状態を示す断面図。
【図14】 図12に示される電磁弁の印加電圧が中のときの状態を示す断面図。
【図15】 図12に示される電磁弁の印加電圧が大のときの状態を示す断面図。
【図16】 本発明に係る電磁弁の第2参考例の主要部の印加電圧が0Vの状態(初期セット状態)を示す断面図。
【符号の説明】
1 電磁弁
8 流入口
9 流出口
10 ソレノイド
12 案内スリーブ
15 吸引子(ステータ)
20 プランジャ
21 第1弁体
22 第2弁体
23 第3弁体
27 凹所
30 弁本体部
32 弁室
32A 第1弁室
32B 第2弁室
41 前段オリフィス
42 中段オリフィス
43 後段オリフィス
44 吸引子側パッキン
50 第1可動ストッパ
51 第1コイルばね
52 第2コイルばね
53 第3コイルばね
54 第2可動ストッパ
60 外周通路部
81 筒状嵌挿部
82 雄ねじ部
85 ばね受け部材
90 ナット部材
91 雌ねじ部
100 エアコン制御部
200 電源(車載バッテリ)

Claims (4)

  1. 弁室、流入口、流出口及び弁座を有する弁本体部と、
    前記弁座から離れた方向から順次設けられた第1弁体、第2弁体及び第3弁体と、
    前記各弁体を順次引き上げるように備えると共に前記弁本体部に設けられた案内スリーブ内に配在され、前記第1弁体及び第2弁体の間に形成される空間、並びに前記第2弁体及び第3弁体の間に形成される空間に前記流入口からの流体が導入されるようにされたプランジャと、
    前記第2弁体、第3弁体び弁座にそれぞれ形成され、それぞれ前記第1弁体、第2弁体び第3弁体により開閉される、実効通路断面積が順次大なる前段オリフィス、中段オリフィスび後段オリフィスと、
    前記プランジャを前記弁座とは反対側に吸引する吸引子を有するソレノイドと、
    前記プランジャにおける前記吸引子側に形成された凹所と、
    顎状部を有し、該顎状部が前記凹所内に配置された第1可動ストッパと、
    前記第1可動ストッパの先端が前記プランジャから前記吸引子側に突出するように、前記プランジャの凹所の先端部に設けられたばね受けと、
    前記第1可動ストッパの顎状部の外側に配置され、該第1可動ストッパの顎状部と当接可能な係止部を備えた第2可動ストッパと、
    前記ばね受け及び前記吸引子の間に縮装された第1コイルばねと、
    前記第1可動ストッパの顎状部及び前記凹所の間に縮装された第2コイルばねと、
    前記第2可動ストッパ及び前記プランジャの凹所の間に縮装された第3コイルばねとを備え、
    前記ソレノイドに対する印加電圧が第1段階電圧Vaのときに、前記第1コイルばねが圧縮されて前記プランジャが前記吸引子側に吸引され、これにより前記第1可動ストッパが前記吸引子に接当し、前記第1弁体が前記第2弁体より引き上げられて前記前段オリフィスが開き、
    前記ソレノイドに対する印加電圧が前記第1段階電圧Vaよりも大きい第2段階電圧Vbのときに、前記第1コイルばねと共に前記第2コイルばねが圧縮されて前記プランジャが前記吸引子側にさらに吸引され、これにより前記第2可動ストッパの係止部が前記第1可動ストッパの顎状部に接当し、前記第2弁体が前記第3弁体より引き上げられて前記中段オリフィスが開き、
    前記ソレノイドに対する印加電圧が前記第2段階電圧Vbよりも大きい第3段階電圧Vcのときに、前記第1コイルばね及び第2コイルばねと共に第3コイルばねが圧縮されて前記プランジャが前記吸引子側にさらに吸引され、これにより前記ばね受けが前記第2可動ストッパから離れ、前記第3弁体が前記弁座より引き上げられて前記後段オリフィスが開くようにされたことを特徴とする3段階流量制御電磁弁。
  2. 弁室、流入口、流出口及び弁座を有する弁本体部と、
    前記弁座から離れた方向から順次設けられた第1弁体、第2弁体及び第3弁体と、
    前記各弁体を順次引き上げるように備えると共に前記弁本体部に設けられた案内スリーブ内に配在され、前記第1弁体及び第2弁体の間に形成される空間、並びに前記第2弁体及び第3弁体の間に形成される空間に前記流入口からの流体が導入されるようにされたプランジャと、
    前記第2弁体、第3弁体及び弁座にそれぞれ形成され、それぞれ前記第1弁体、第2弁体及び第3弁体により開閉される、実効通路断面積が順次大なる前段オリフィス、中段オリフィス及び後段オリフィスと、
    前記プランジャを前記弁座とは反対側に吸引する吸引子を有するソレノイドと、
    前記吸引子における前記プランジャとは反対側に形成された凹所と、
    顎状部を有し、該顎状部が前記凹所内に配置された第1可動ストッパと、
    前記第1可動ストッパの先端が前記吸引子から前記プランジャ側に突出するように、前記吸引子の凹所の先端部に設けられたばね受けと、
    前記第1可動ストッパの顎状部の外側に配置され、該第1可動ストッパの顎状部と当接可能な係止部を備えた第2可動ストッパと、
    前記プランジャ及び前記吸引子の間に縮装された第1コイルばねと、
    前記第1可動ストッパの顎状部及び前記ばね受けの間に縮装された第2コイルばねと、
    前記第2可動ストッパ及び前記ばね受けの間に縮装された第3コイルばねとを備え、
    前記ソレノイドに対する印加電圧が第1段階電圧Vaのときに、前記第1コイルばねが圧縮されて前記プランジャが前記吸引子側に吸引され、これにより前記プランジャが第1可動ストッパに接当し、前記第1弁体が前記第2弁体より引き上げられて前記前段オリフィスが開き、
    前記ソレノイドに対する印加電圧が前記第1段階電圧Vaよりも大きい第2段階電圧Vbのときに、前記第1コイルばねと共に前記第2コイルばねが圧縮されて前記プランジャが前記吸引子側にさらに吸引され、これにより前記第1可動ストッパの顎状部が前記第2可動ストッパの係止部に接当し、前記第2弁体が前記第3弁体より引き上げられて前記中段オリフィスが開き、
    前記ソレノイドに対する印加電圧が前記第2段階電圧Vbよりも大きい第3段階電圧Vcのときに、前記第1コイルばね及び第2コイルばねと共に第3コイルばねが圧縮されて前記プランジャが前記吸引子側にさらに吸引され、これにより前記第2可動ストッパが前記吸引子の凹所の底部から離れ、前記第3弁体が前記弁座より引き上げられて前記後段オリフィスが開くようにされたことを特徴とする3段階流量制御電磁弁。
  3. 前記ばね受けは、前記吸引子の凹所の端部に螺合するナット部材により押し下げ可能とされ、該ナット部材の回転により前記第2コイルばね及び第3コイルばねの初期セット荷重が調整可能であることを特徴とする請求項2に記載の3段階流量制御電磁弁。
  4. 前記プランジャの外周と前記案内スリーブとの間には前記流入口と連通する外周通路部が形成され、
    前記プランジャの側面には、前記外周通路部と前記第1弁体及び第2弁体の間に形成される空間とを連通する横穴が形成され、
    前記第2弁体には、前記第1弁体及び第2弁体の間に形成される空間と前記第2弁体及び第3弁体の間に形成される空間とを連通する縦溝が形成されたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の3段階流量制御電磁弁。
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