JP4541649B2 - ギャップフィラー装置およびレベル減衰装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放送局側から送信された放送信号を、電波の不感地帯へ再送信するギャップフィラー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、放送局側から送信される放送信号を直接受信することができない電波の不感地帯に対して、放送信号を直接受信できる地帯で受信された放送信号を再送信することが行われている。
【0003】
このような用途には、放送局側から送信された放送信号を受信用のアンテナにより受信し、この受信した放送信号の信号レベルを増幅したうえで送信用のアンテナにより送信する装置、いわゆるギャップフィラー装置が利用されている。
この種のギャップフィラー装置は、送信用のアンテナにより再送信された放送信号が受信用のアンテナにより受信されてしまうと、正帰還による発振現象が起きて特定周波数成分のピークレベルがノイズとして大きくなってしまい、これにより、正常な放送信号を再送信できなくなってしまう恐れがある。そのため、周辺環境による反射波を含めて再送信された放送信号が受信用のアンテナにより受信されることのないような位置関係で設置される。
【0004】
ただし、ギャップフィラー装置を設置した後においても、再送信された放送信号が受信用のアンテナにより受信されるようになってしまう恐れはある。この対策として、ギャップフィラー装置は、増幅器により増幅された放送信号のピークレベルが大きくなるほど増幅器へ入力される放送信号の信号レベルを減衰器により大きく減衰させるように構成することが一般的であり、これにより、発振現象を防止することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、このようなギャップフィラー装置のように、放送信号のピークレベルを検出して減衰器を動作させるためには、通常、放送信号における信号レベルのピークレベル(尖頭値)を検出するピーク検出器と、ピーク検出器により検出されたピークレベルに応じた信号レベルの信号を減衰器の作動用信号(出力信号)として減衰器へ出力する積分回路(第2時定数回路)と、からなる構成(自動利得制御器付増幅器)が利用されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平09−098130号公報
【特許文献2】
実開昭60−32860号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のように、減衰器を積分回路からなる構成により作動させる場合、ピーク検出器によりピークレベルが検出されてから、実際に減衰器の減衰量が大きくなるまでには、積分回路の時定数に応じた時間がかかってしまう。
【0008】
そのため、発振現象が急峻な時間変化で発生してしまうと、減衰器の減衰量が大きくなるまでの間は、発振現象が継続してしまい、一時的に放送信号を正常に再送信できなくなってしまう。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ギャップフィラー装置において、急峻な時間変化で発生する発振現象をも防止するための技術を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記問題を解決するため請求項1に記載のギャップフィラー装置は、放送局側から送信された放送信号を受信用のアンテナにより受信し、該受信した放送信号を、第1増幅器で信号レベルを増幅したうえで、送信用のアンテナにより放送信号の不感地帯へ再送信するギャップフィラー装置であって、第1減衰手段、第1ピーク検出手段および第1減衰制御手段を備えている。このギャップフィラー装置においては、まず、第1ピーク検出手段が、第1増幅器により増幅された放送信号における信号レベルのピークレベルを検出する。続いて、第1減衰制御手段が、第1ピーク検出手段により検出されたピークレベルを所定周期でサンプリングすると共に、サンプリングしたピークレベルの信号を第1制御信号として第1減衰手段へ出力する。なお、この第1減衰制御手段は、サンプルホールド回路からなるものである。そして、第1減衰手段が、第1増幅器に入力される放送信号の信号レベルを、外部から入力される第1制御信号の信号レベルに応じたレベルに減衰させる。
【0010】
このように構成されたギャップフィラー装置によれば、第1減衰手段による信号レベルの減衰量が、サンプルホールド回路からなる第1減衰制御手段によって制御される。そのため、第1ピーク手段によりピークレベルが検出されてから、第1減衰手段による信号レベルの減衰量が大きくなるまでは、積分回路のように時定数に応じた時間がかかってしまうことはない。
【0011】
そのため、積分回路からなる構成で第1減衰手段を制御する構成と比べて、第1減衰手段による信号レベルの減衰量を高速に大きくすることができる。よって、発振現象が急峻な時間変化で発生するような場合であっても、発振現象が継続してしまうことはなく、正常な放送信号を再送信できなくなることを防止できる。
【0012】
また、請求項2に記載のギャップフィラー装置は、受信用のアンテナにより受信された放送信号を、直列接続された第1増幅器および第2増幅器で信号レベルを順次増幅したうえで送信用のアンテナにより送信するように構成されており、第2減衰手段、第2ピーク検出手段および第2減衰制御手段を備えている。このギャップフィラー装置においては、第2ピーク検出手段が、第2増幅器により増幅された放送信号における信号レベルのピークレベルを検出する。続いて、第2減衰制御手段が、第2ピーク検出手段により検出されたピークレベルに応じた信号レベルの信号を第2制御信号として第2減衰手段へ出力する。そして、第2減衰手段が、第2増幅器に入力される放送信号の信号レベルを、外部から入力される第2制御信号の信号レベルに応じた信号レベルに減衰させる。
【0013】
このように構成されたギャップフィラー装置によれば、第1減衰手段だけでなく、第2減衰手段によっても放送信号の信号レベルを減衰させることができる。なお、上述した第1,第2増幅器は、それぞれが直列接続されていれば、いずれの増幅器が前段(受信用のアンテナ側)または後段(送信用のアンテナ側)
であってもよい。
【0014】
ところで、上述した第1減衰制御手段は、サンプルホールド回路からなるものであるため、この第1減衰制御手段が第1制御信号を出力(ホールド)している期間中は、ピークレベルのサンプリングを行わない。よって、この期間中に発振現象が起きてしまうと、次にピークレベルのサンプリングを行うまでの間は、第1減衰手段による減衰量が変更されず、発振現象が継続してしまう恐れがある。この対策としては、第2減衰制御手段を、第1減衰制御手段が第1制御信号を出力している期間中に第2制御信号を出力するように構成すればよく、これによって、第1減衰制御手段が第1制御信号を出力している期間中に発振現象が起きてしまうような場合であっても、第2減衰手段によって発振現象による信号レベルの異常な増幅を抑えることができる。
【0015】
具体的は構成としては、第2減衰制御手段を、積分回路や平均値検波回路などからなるものとしておき、第2制御信号の信号レベルを時間に対して線形に変化させるように構成すればよい。このように構成すれば、第2減衰制御手段は、第1減衰制御手段が第1制御信号を出力している期間中であるか否かに拘わらず第2制御信号を出力することができる。
【0016】
また、第2減衰制御手段を、上述の第1減衰制御手段と同様に構成してもよく、この場合、請求項3に記載のように構成することが望ましい。
請求項3に記載のギャップフィラー装置は、第2減衰制御手段が、第2ピーク検出手段により検出されたピークレベルを所定周期でサンプリングすると共に、サンプリングしたピークレベルの信号を第2制御信号として第2減衰手段へ出力するサンプルホールド回路からなるものであって、ピークレベルのサンプリングを、第1減衰制御手段が第1制御信号を出力するタイミングで行うように構成されている。
【0017】
このように構成されたギャップフィラー装置によれば、第2減衰制御手段は、第1減衰制御手段が第1制御信号を出力するタイミングで第2制御信号を出力することができる。この第2減衰制御手段は、第1減衰制御手段と同様、サンプルホールド回路からなるものであるため、第1減衰制御手段が第1制御信号を出力している期間中に、発振現象が急峻な時間変化で発生するような場合であっても、第2減衰手段による信号レベルの減衰量を高速に大きくすることができる。
【0018】
また、請求項4に記載のギャップフィラー装置は、増幅器(第1増幅器または第2増幅器)により増幅された放送信号における信号レベルのピークレベルまたは平均レベルを検出するレベル検出手段と、レベル検出手段により検出されたピークレベルまたは平均レベルが所定のレベルまで低下した以降、レベルが低下した旨を所定のタイミングで報知する報知手段と、を備えている。
【0019】
このように構成されたギャップフィラー装置によれば、報知手段によって、増幅器により増幅された放送信号における信号レベルのピークレベルまたは平均レベルが所定のレベルまで低下した旨を報知することができる。
ここで、報知手段が報知を行う際の契機となるピークレベルまたは平均レベルを、発振現象に伴い減衰手段が減衰させると想定されるレベルに設定しておけば、利用者(ギャップフィラー装置の管理者)は、報知手段による報知で、発振現象が起きた、または、起きそうになったことを確認することができる。ギャップフィラー装置は、発振現象が起きないように設置されることが一般的であるため、このように、報知手段によりレベルが低下した旨の報知が行われることは、ギャップフィラー装置の設置後に周辺環境が変化したことを示唆している。そのため、利用者は、報知手段による報知を確認した後、ギャップフィラー装置における各アンテナの位置関係を変更するなどといった対策をとることができるようになる。
【0020】
なお、上述した報知手段は、レベルが低下した旨を所定のタイミングで報知する手段であって、報知を行うタイミングについては、特に限定されず、例えば、レベル検出手段により検出されたレベルが所定のレベルまで低下した直後に報知を行うように構成すればよい。また、利用者による所定の操作を受けたタイミングで報知を行うように構成してもよい。
【0021】
また、報知手段が報知を行う際の契機となるレベルは、あらかじめ定められたレベルとしておけばよいが、利用者の操作により任意に設定できるようになっていてもよい。具体的には、請求項5に記載のような構成を考えることができる。
請求項5に記載のギャップフィラー装置は、利用者の操作を受けて、レベル検出手段により検出されたピークレベルまたは平均レベルを登録する登録手段を備えている。また、このギャップフィラー装置において、報知手段は、レベル検出手段により検出されたピークレベルまたは平均レベルが、登録手段により登録されたレベルから所定のレベルだけ低下したレベルとなった以降、レベルが低下した旨を所定のタイミングで報知する。
【0022】
このように構成されたギャップフィラー装置によれば、登録手段により登録されたレベルから所定のレベルだけ低下したレベルを、報知手段が報知を行う契機となるレベルとすることができる。登録手段により登録されたレベルは、利用者によってレベル検出手段により検出されたピークレベルまたは平均レベルが指定されたものである。そのため、例えば、本ギャップフィラー装置が正常に動作している状態でレベル検出手段により検出されるレベルを登録手段により登録しておくことによって、発振現象が起きたときなどのように、放送信号のピークレベルまたは平均レベルが正常な状態から大きく減衰されるような動作状態となったことを報知することができるようになる。
【0023】
なお、上述した報知手段は、レベルが低下した旨を報知する手段であって、報知を行うための具体的な構成は特に限定されない。例えば、レベルが低下した旨のメッセージを含む文字や画像を、表示装置に表示させたり印刷装置に印刷させることにより報知を行うように構成すればよい。また、上述のメッセージをスピーカで音声として出力することにより報知を行うように構成してもよい。
【0024】
また、より具体的な例として、本ギャップフィラーがランプを備えている場合には、報知手段を、請求項6に記載のように、ランプを点灯させることで報知を行うように構成すればよい。
このように構成されたギャップフィラー装置によれば、ランプの点灯によりレベルが低下した旨を報知することができる。
【0025】
また、本ギャップフィラー装置が通信回線の一種である電話回線に接続されている場合には、報知手段を、請求項7に記載のように、電話回線経由で所定の報知先を発呼することで報知を行うように構成すればよい。
このように構成されたギャップフィラー装置によれば、報知先の利用者に対して呼び出しを行うことによって、この利用者にレベルが低下した旨を報知することができる。
【0026】
なお、この構成においては、報知先の発呼を行った後、この報知先が発呼に応答した場合、レベルが低下した旨のメッセージを報知先へ出力するように構成してもよい。このように構成すれば、報知先の利用者に、メッセージによってもレベルが低下した旨を報知することができる。
【0027】
また、本ギャップフィラー装置が通信回線経由でデータ通信可能に構成されている場合、報知手段は、請求項8に記載のように、レベルの低下を報知するための報知データを、通信回線経由で所定の報知先へ送信することによって報知を行うように構成すればよい。
【0028】
このように構成されたギャップフィラー装置によれば、報知先へ報知データを送信することによって、レベルが低下した旨を報知することができる。
また、この構成においては、請求項9に記載のように、各種データを記録する記録手段と、ピークレベルまたは平均レベルが所定のレベルまで低下した際、該レベルの低下を報知するための報知データを記録手段に記録させる記録指令手段と、を備え、報知手段は、所定の報知先から通信回線経由で報知データを要求する旨の要求データを受信した際に、記録手段に記録された報知データを返信することによって報知を行う、ように構成するとよい。
【0029】
このように構成されたギャップフィラー装置によれば、通信回線を介して要求データを受信したときにのみ、報知データを送信することができる。
ところで、上述した減衰制御手段(第1,第2減衰制御手段)のサンプルホールド回路によるサンプリング周期は、特に限定されないが、例えば、請求項10に記載のように、正帰還による発振現象が発生した場合に該発生から下記ノイズとなる周波数成分のピークレベルが所定の信号レベルに到達するのに要すると想定される時間よりも短い時間周期とすればよい。
[ノイズとなる周波数成分] 正帰還による発振現象が起きて放送信号における特定周波数成分のピークレベルがノイズとして大きくなった場合におけるその周波数成分
【0030】
このように構成されたギャップフィラー装置によれば、減衰制御手段のサンプルホールド回路が、ノイズとなる周波数成分のピークレベルが所定の信号レベルに到達するのに要する時間よりも短い時間周期でサンプリングを行う。そのため、このギャップフィラー装置で発振現象が発生したとしても、少なくともノイズとなる周波数成分が所定の信号レベルに到達するより前に、第1減衰手段による信号レベルの減衰量を大きくすることができるため、発振現象を長時間にわたって継続させてしまう恐れがない。
【0031】
なお、この構成において「所定の信号レベルに到達するのに要する時間」としては、例えば、発振現象がノイズとなる周波数成分のピークレベルを一定時間(または一定周期)で飽和させるような場合であれば、このピークレベルに到達するまでの時間を「所定の信号レベルに到達するのに要する時間」として設定すればよい。
【0032】
また、減衰制御手段(第1,第2減衰制御手段)のサンプルホールド回路によるサンプリング時間は、特に限定されないが、例えば、請求項11に記載のように、発振現象が発生した場合にノイズになると想定される周波数成分の一周期以上の時間とすればよい。
【0033】
このように構成されたギャップフィラー装置によれば、減衰制御手段のサンプルホールド回路が、ノイズとなる周波数成分の一周期以上の時間をかけてサンプリングを行う。そのため、このギャップフィラー装置で発振現象が発生したとしても、少なくともノイズとなる周波数成分のピークレベルが一周期にわたって変化する間で最も大きな信号レベルを確実にサンプリングすることができる。
【0034】
ギャップフィラー装置で発振現象が発生したとき、サンプルホールド回路がノイズとなる周波数成分の一周期において最も大きな信号レベルをサンプリングできない場合、次回のサンプリングまで第1減衰手段による信号レベルの減衰量を大きくすることができず、発振現象を継続させてしまう恐れがある。よって、サンプルホールド回路が、ノイズとなる周波数成分の一周期以上の時間をかけてサンプリングを行うように構成することは、発振現象を短時間で収束させるためには好適である。
【0035】
また、請求項12に記載のギャップフィラー装置監視システムは、請求項8に記載のギャップフィラー装置と、このギャップフィラー装置の動作状態を監視するための監視装置とが、通信回線を介して接続されてなるギャップフィラー装置監視システムである。このシステムのうち、ギャップフィラー装置は、報知データを通信回線経由で監視装置へ送信するように構成されており、監視装置は、各種データを記録する記録手段と、ギャップフィラー装置から通信回線経由で送信されてきた報知データを受信した際に、報知データを記録手段に記録させる記録指令手段と、を備えている。
【0036】
このように構成されたギャップフィラー装置監視システムによれば、ギャップフィラー装置から監視装置へ送信された報知データが、監視装置側において記録される。そのため、この報知データで示される内容を確認することによって、監視装置側においてレベルが低下した旨を確認することができる。また、監視装置は、ギャップフィラー装置との距離が離れていたり、ギャップフィラー装置が利用者にとって視認しにくい位置に設置されている場合であっても、通信回線を介して接続されてさえいれば、このギャップフィラー装置から報知データを受信し、レベルが低下した旨を監視装置側で確認することができる。
【0037】
また、この構成においては、請求項13に記載のように、ギャップフィラー装置が、請求項9に記載の記録手段および記録指令手段を備えており、監視装置は、要求データを通信回線経由でギャップフィラー装置へ送信する要求手段を備えているとよい。
【0038】
このように構成されギャップフィラー装置監視システムによれば、監視装置が、要求手段により要求データを送信することによりギャップフィラー装置から報知データを取得することができる。そのため、監視装置の動作状態、監視装置の利用者の都合などに合わせて報知データを収集することができる。よって、例えば、監視装置が起動していない、他の処理を実行している、などといった監視装置側において報知データを受信する準備が整っていないときに、ギャップフィラー装置側から報知データが送信されてしまうことはないため、このような状況で送信されてきた報知データに基づく報知が行えなくなってしまうようなことがない。
【0039】
また、この構成においては、請求項14に記載のように、監視装置を、複数のギャップフィラー装置に通信回線経由で接続され、要求手段によって、複数のギャップフィラー装置それぞれに対して順番に要求データを送信するように構成するとよい。
【0040】
このように構成されたギャップフィラー装置監視システムによれば、複数のギャップフィラー装置それぞれから順番に報知データを取得することができる。
なお、この構成における報知データは、レベルの低下を報知することができればよく、例えば、レベルが低下した日付、時間、ギャップフィラー装置それぞれを識別する識別コードなどが付加されていてもよい。
【0041】
また、請求項15に記載のレベル減衰装置は、請求項1から請求項11のいずれかに記載の第1減衰手段、第1ピーク検出手段および第1減衰制御手段を備えている。このように構成されたレベル減衰装置は、請求項1から請求項11のいずれかに記載のギャップフィラー装置の一部を構成することができる。
【0042】
また、請求項16に記載のレベル減衰装置は、請求項2から請求項11のいずれかに記載の第2減衰手段、第2ピーク検出手段および第2減衰制御手段を備えている。このように構成されたレベル減衰装置は、請求項2から請求項11のいずれかに記載のギャップフィラー装置の一部を構成することができる。
【0043】
また、請求項17に記載のレベル減衰装置は、請求項4から請求項11のいずれかに記載のレベル検出手段および報知手段を備えている。このように構成されたレベル減衰装置は、請求項4から請求項11のいずれかに記載のギャップフィラー装置の一部を構成することができる。
【0044】
また、請求項18に記載のレベル減衰装置は、請求項5に記載の登録手段を備えている。このように構成されたレベル減衰装置は、請求項5に記載のギャップフィラー装置の一部を構成することができる。
また、請求項19に記載のレベル減衰装置は、請求項9に記載の記録手段および記録指令手段を備えている。このよう構成されたレベル減衰装置は、請求項8に記載のギャップフィラー装置の一部を構成することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態について例を挙げて説明する。
ギャップフィラー装置1は、図1に示すように、通信回線網100を介してデータ通信可能に接続された監視装置200と共にギャップフィラー装置監視システムを構成するものである。
【0046】
なお、監視装置200は、周知のコンピュータシステムからなるものであって、複数(m;0<m)のギャップフィラー装置1と接続されている。
このギャップフィラー装置1は、放送局側から送信された放送信号を受信用のアンテナ12により受信し、この受信した放送信号を、直列接続された第1,第2増幅器14,16で信号レベルを増幅したうえで、送信用のアンテナ18により電波の不感地帯へ再送信する装置であって、各増幅器14,16と並列に設けられたレベル減衰部20、ギャップフィラー装置1全体の動作を制御する制御部30などを備えている。
【0047】
レベル減衰部20は、増幅器14,16から出力された放送信号の一部成分を分岐させる方向性結合器22、方向性結合器22により分岐された成分における信号レベルのピークレベルを検出する検波器24、検波器24により検出されたピークレベルを制御部30から供給されるクロックパルスの周期に基づいてサンプリングすると共に、このピークレベルの制御信号を外部(減衰器28)へ出力するサンプルホールド回路(S/H)26、増幅器14,16に入力される放送信号の信号レベルを、サンプルホールド回路26から入力される制御信号の信号レベルに応じたレベルに減衰させる減衰器28などにより構成される。
【0048】
このレベル減衰部20は、増幅器14,16により増幅された放送信号における信号レベルのピークレベルをレベルL0とするように動作する。例えば、発振現象が起きると、増幅器14,16により増幅された放送信号における信号レベルのピークレベルが、レベルL0よりも高いレベルL1となり(図2(a)参照)、増幅器14,16へ入力される放送信号の信号レベルが減衰器28により減衰させられる(図2(b)参照)。このように、放送信号の周波数帯域全域にわたって信号レベルが減衰され、これにより、発振現象が起きることを防止できる。
【0049】
制御部30は、通信制御部31、ユーザインターフェース部(以降、ユーザI/Fとする)32、平均化回路33、マイコン34、メモリ35などにより構成される。
これらのうち、通信制御部31は、ギャップフィラー装置1を通信回線網100に接続するためのインターフェースである。
【0050】
また、ユーザI/F32は、入力キー32a、表示ランプ32bなどからなる。これらのうち、入力キー32aは、文字キーや数字キーの他、後述するしきい値レベル設定処理(図4)において利用される設定キーおよび決定キーなどにより構成される。
【0051】
また、平均化回路33は、後段(送信用のアンテナ18側)に配置されたレベル減衰部20の検波器24により検出されたピークレベルの信号を平均化した平均レベルの信号に変換する変換回路33a、変換回路33aにより変換された平均レベルのアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換部(以降、A/Dとする)33bなどからなる。
【0052】
また、マイコン34は、レベル減衰部20および制御部30の各構成要素との間で、各種信号を入出力することによりギャップフィラー装置1全体の動作を制御する。例えば、レベル減衰部20それぞれのサンプルホールド回路26に、クロックパルスを供給することによって、検波器24により検出されたピークレベルのサンプリング、および、制御信号の減衰器28への出力を行わせる。
【0053】
また、マイコン34が各サンプルホールド回路26へ供給するクロックパルスは、それぞれ1/2周期の位相差を有しており、これにより、一方のサンプルホールド回路26が制御信号の出力を行っている期間中は、他方のサンプルホールド回路26がサンプリングを行うことになる。
【0054】
また、このクロックパルスは、ギャップフィラー装置1で発振現象が発生した場合にノイズになると想定される周波数成分の一周期に相当するパルス幅のパルスが、発振現象が発生した場合にノイズとなる周波数成分のピークレベルが飽和するのに要すると想定される時間周期で繰り返されるものである。このクロックパルスによって、レベル減衰部20のサンプルホールド回路26は、ノイズとなる周波数成分のピークレベルが飽和するのに要する時間周期で、ノイズとなる周波数成分の一周期に相当する時間のサンプリングを行うことになる。
【0055】
[マイコン34による動作状態監視処理]
以下に、マイコン34により実行される動作状態監視処理の処理手順を図3に基づいて説明する。この動作状態監視処理は、ギャップフィラー装置1が起動された以降、繰り返し実行される。
【0056】
まず、レベル減衰部20から平均化回路33を介して入力される信号の信号レベル(平均レベル)が、所定のしきい値以下のレベルとなるまで待機する(s110:NO)。メモリ35には、しきい値となる信号レベル(以下、しきい値レベルとする)を示す値のセットされた「しきい値変数」があらかじめ記録されているため、このs110の処理では、平均化回路33から入力された平均レベルと、しきい値変数にセットされたしきい値レベルとを比較する。このしきい値レベルは、ギャップフィラー装置1が正常に動作している状態における平均レベルより一定レベル(本実施形態においては、−6dB)低い信号レベルとして定められたものであって(図2(b)におけるL2参照)、発振現象に伴い減衰器28が減衰させると想定されるレベルである。
【0057】
なお、この「しきい値変数」は、初期値として特定のしきい値レベルを示す値がセットされているが、この値は、後述するしきい値レベル設定処理(図4)において変更可能である。
このs110の処理で、平均レベルが所定のしきい値以下のレベルとなったら(s110:YES)、平均レベルがしきい値レベルより低くなった旨を報知する(s120)。この処理では、ユーザI/F32の表示ランプ32bを一定時間(本実施形態においては、1分)だけ点灯させることにより報知を行う。
【0058】
そして、報知ログをメモリ35に記録する(s130)。この「報知ログ」は、ギャップフィラー装置1に割り当てられた識別コード、および、このs130の処理が行われた日時を特定可能なデータであって、平均レベルがしきい値レベルより低くなった旨を示すデータである。
【0059】
こうして、s130の処理を終えた後、s110の処理へ戻る。
[マイコン34によるしきい値レベル設定処理]
以下に、マイコン34により実行されるしきい値レベル設定処理の処理手順を図4に基づいて説明する。このしきい値レベル設定処理は、ユーザI/F32の入力キー32aを構成する設定キーが押下された際に開始される。
【0060】
まず、決定キーが押下されるまで待機する(s210:NO)。
このs210の処理で決定キーが押下されたら(s210:YES)、レベル減衰部20から平均化回路33を介して入力される信号の平均レベルをチェックする(s220)。
【0061】
そして、s220の処理でチェックされた平均レベルに基づいてしきい値レベルを決定する(s230)。この処理では、s220の処理でチェックされた平均レベルより一定のレベル(−6dB)だけ低い信号レベルを「しきい値レベル」として決定し、このレベルを示す値をしきい値変数にセットする。
【0062】
[マイコン34による要求応答処理]
以下に、マイコン34により実行される要求応答処理の処理手順を、図5に基づいて説明する。この要求応答処理は、通信回線網100および通信制御部31を介して監視装置200から要求データを入力した際に開始される。なお、この「要求データ」は、後述するポーリング処理(図6)において監視装置200側から送信されてくるデータである。
【0063】
まず、メモリ35から報知ログを読み出す(s310)。この「報知ログ」は、図3におけるs130の処理でメモリ35に記録されるデータである。
次に、s310の処理で読み出された報知ログに基づいて報知データを生成する(s320)。この処理においては、s310の処理で読み出された報知ログの内容(日付および識別コード)が記述されたテキストデータを「報知データ」として生成する。なお、メモリ35に報知ログが記録されていない場合には、ギャップフィラー装置に割り当てられた識別コードのみが記述されたテキストデータが「報知データ」として生成される。
【0064】
そして、s320の処理で生成された報知データを監視装置200へ送信する(s330)。
[監視装置200によるポーリング処理]
以下に、監視装置200(に内蔵されたCPU)により実行されるポーリング処理の処理手順を図6に基づいて説明する。このポーリング処理は、監視装置200が起動された以降、所定時間(本実施形態においては、1時間)毎に繰り返し実行される。
【0065】
まず、変数Nを初期化する(s410)。この処理においては、変数Nに「1」をセット(1→N)する。なお、以降に記載の「n」は、変数Nにセットされた値を示すものとする。
次に、第n番目のギャップフィラー装置1に対して要求データを送信する(s420)。監視装置200(に内蔵された記憶装置)には、複数のギャップフィラー装置1それぞれの位置情報が順番に「1」から「m」まで登録された第1データテーブルが記録されており、この第1データテーブルのうち第n番目の位置情報に基づいて第n番目のギャップフィラー装置1に要求データが送信される。この要求データは、マイコン34が要求応答処理(図5)を開始するための契機となるデータである。また、このs420の処理では、タイマーによるカウントが開始される。
【0066】
次に、ギャップフィラー装置1から報知データを受信したかどうかをチェックする(s430)。この「報知データ」は、図5におけるs330の処理でギャップフィラー装置1から送信されてくるものである。
このs430の処理で、報知データを受信していなければ(s430:NO)、要求データに対してタイムアウトとなったかどうかをチェックする(s440)。この処理では、s420の処理でカウントが開始されたタイマーのカウント値が所定の値(本実施形態においては、10秒)を超えた場合に、タイムアウト(つまり、時間切れ)であると判定する。
【0067】
このs440の処理でタイムアウトとなっていなければ(s440:NO)、s430の処理へ戻る。
また、s430の処理で、報知データを受信していたら(s430:YES)、この報知データで示される内容を記録する(s450)。この処理では、監視装置200(に内蔵された記憶装置)には、報知データで示される識別コードおよび日時を対応づけた状態で登録する第2データテーブルが記録されており、このs450の処理では、各データ(識別コードおよび日時)を第2データテーブルへの登録を行う。
【0068】
こうして、s450の処理を終えた後、または、s440の処理でタイムアウトとなっている場合(s440:YES)、変数Nに「1」を加算(n+1→N)する(s460)。また、この処理では、s420の処理でカウントを開始したタイマーをストップおよびリセットする。
【0069】
そして、第n番目のギャップフィラー装置1が存在するかどうかをチェックする(s470)。この処理では、上述の第1データテーブルに第n番目の位置情報が登録されている場合に、第n番目のギャップフィラー装置1が存在していると判定する。
【0070】
このs470の処理で、第n番目のギャップフィラー装置1が存在していれば(s470:YES)、s420の処理へ戻る一方、存在していなければ(s470:NO)、本ポーリング処理を終了する。
[効果]
このように構成されたギャップフィラー装置1によれば、減衰器28による信号レベルの減衰量が、サンプルホールド回路26によって制御される。そのため、検波器24によりピークレベルが検出されてから、減衰器28による信号レベルの減衰量が大きくなるまでに、積分回路のように時定数に応じた時間がかかってしまうことはない。
【0071】
そのため、積分回路からなる構成で減衰器28を制御する構成と比べて、減衰器28による信号レベルの減衰量を高速に大きくすることができる。よって、発振現象が急峻な時間変化で発生するような場合であっても、発振現象が継続してしまうことはなく、正常な放送信号を再送信できなくなることを防止できる。
【0072】
また、2つのレベル減衰部20それぞれによって放送信号の信号レベルを減衰させることができる。
また、各サンプルホールド回路26へ供給されるクロックパルスは、それぞれ1/2周期の位相差を有しているため、一方のサンプルホールド回路26が制御信号の出力を行っている期間中は、他方のサンプルホールド回路26がサンプリングを行う。サンプルホールド回路26は、制御信号を出力(ホールド)している期間中は、ピークレベルのサンプリングを行わない。よって、この期間中に発振現象が起きてしまうと、次にピークレベルのサンプリングを行うまでの間は、減衰器28による減衰量が変更されず、発振現象が継続してしまう恐れがある。そのため、一方が制御信号の出力を行っている期間中に、他方がサンプリングを行うように構成することは、一方のサンプルホールド回路26が制御信号を出力している期間中に発振現象が起きてしまうような場合に、他方のサンプルホールド回路26により発振現象に起因する信号レベルの異常な増幅を抑えることができるため好適である。
【0073】
また、図3におけるs120の処理では、レベル減衰部20から平均化回路33を介してマイコン34入力される信号の信号レベル(平均レベル)が、所定のしきい値以下のレベルまで低下した旨を、表示ランプ32bの点灯により報知することができる。この低下したレベルは、発振現象に伴い減衰器28が減衰させると想定されるレベルであるため、利用者(ギャップフィラー装置1の管理者)は、s120の処理による報知で、発振現象が起きそうになったことを確認することができる。ギャップフィラー装置1は、発振現象が起きないように設置されることが一般的であるため、このように、レベルが低下した旨の報知が行われることは、ギャップフィラー装置1の設置後に周辺環境が変化したことを示唆している。そのため、利用者は、s120の処理による報知を確認した後、ギャップフィラー装置1における各アンテナ12,18の位置関係を変更するなどといった対策をとることができるようになる。
【0074】
また、図4におけるs210からs230の処理で、レベル減衰部20から平均化回路33を介してマイコン34入力される信号の平均レベルのうち、決定キーが押下されたときの平均レベルを、図3の動作状態監視処理で報知を行う際の契機となる「しきい値レベル」として決定し直すことができる。そのため、例えば、ギャップフィラー装置1が正常に動作している状態における平均レベルを「しきい値レベル」に決定し直すことによって、発振現象が起きたときなどのように放送信号の平均レベルが、最新のしきい値レベルから大きく減衰されるような動作状態となったことを報知することができるようになる。
【0075】
また図5におけるs330の処理で、監視装置200へ報知データを送信することによって、レベルが低下した旨を報知することができる。
また、図5の要求応答処理は、通信回線網100を介して要求データを受信したときのみ実行されるため、このタイミングでのみ報知データを送信することができる。
【0076】
また、上述の監視装置200によれば、図6におけるs450の処理で、ギャップフィラー装置1から通信回線網100を介して受信した報知データで示される内容を記録することができる。そのため、この報知データで示される内容を確認することによって、ギャップフィラー装置1側においてレベルが低下した旨を確認することができる。また、監視装置200は、ギャップフィラー装置1との距離が離れていたり、ギャップフィラー装置1が利用者にとって視認しにくい位置に設置されている場合であっても、通信回線網100を介して接続されてさえいれば、このギャップフィラー装置1から報知データを受信し、この報知データで示される内容を監視装置200側で確認することができる。
【0077】
また、図6におけるs420からs460の処理を繰り返すことによって、要求データを複数のギャップフィラー装置1へ順番に送信し、報知データを取得することができる。そのため、監視装置200の動作状態、監視装置200の利用者の都合などに合わせて報知データを収集することができる。よって、例えば、監視装置200が起動していない、他の処理を実行している、などといった監視装置200側において報知データを受信する準備が整っていないときに、ギャップフィラー装置1側から報知データが送信されてしまうことはないため、このような状況で送信されてきた報知データを記録できなくなってしまうようなことがない。
【0078】
また、レベル減衰部20のサンプルホールド回路26は、発振現象が発生した場合にノイズとなる周波数成分のピークレベルが飽和するのに要すると想定される時間周期でサンプリングを行う。そのため、ギャップフィラー装置1で発振現象が発生したとしても、少なくともノイズとなる周波数成分が飽和する以前に、減衰器28による信号レベルの減衰量を大きくすることができるため、発振現象を長時間にわたって継続させてしまう恐れがない。
【0079】
また、レベル減衰部20のサンプルホールド回路26は、発振現象が発生した場合にノイズとなる周波数成分の一周期に相当する時間をかけてサンプリングを行う。そのため、ギャップフィラー装置1で発振現象が発生したとしても、少なくともノイズとなる周波数成分のピークレベルが一周期にわたって変化する間で最も大きな信号レベルを確実にサンプリングすることができる。
【0080】
ギャップフィラー装置1で発振現象が発生したとき、サンプルホールド回路26がノイズとなる周波数成分の一周期において最も大きな信号レベルをサンプリングできない場合、次回のサンプリングまで減衰器28による信号レベルの減衰量を大きくすることができず、発振現象を継続させてしまう恐れがある。よって、サンプルホールド回路26を、ノイズとなる周波数成分の一周期に相当する時間をかけてサンプリングを行うように構成することは、発振現象を短時間で収束させるためには好適である。
【0081】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されず、このほかにも様々な形態で実施することができる。
例えば、図3から図5の各処理がマイコン34により実行されるように構成されたものを例示した。しかし、これらの処理の一部または全部と同様の機能を論理回路により実現してもよい。このように構成すると、マイコン34を使った場合に比べてより高速に処理を行うことができる。
【0082】
また、上記実施形態においては、第1,第2増幅器14,16それぞれに対して、サンプルホールド回路26を備えたレベル減衰部20が並列に設けられているものを例示した。しかし、第1,第2増幅器14,16いずれかに対しては、サンプルホールド回路26以外の回路からなるレベル増幅部を並列に設けてもよい。具体的な例としては、例えば、第1増幅器14に対して、サンプルホールド回路26の替わりに積分回路を備えたレベル減衰部を並列に設けてもよい。また、図7に示すギャップフィラー装置2のように、第1増幅器14に対して、検波器24およびサンプルホールド回路26の替わりに平均検波回路46を備えたレベル減衰部40を並列に設けてもよい。このように構成すれば、前段(受信用のアンテナ12側)のレベル減衰部40は、後段のレベル減衰部20が制御信号を出力している期間中であるか否かに拘わらず制御信号を出力することができる。そのため、後段のレベル減衰部20においてサンプルホールド回路26が制御信号を出力している期間中に発振現象が起きてしまうような場合であっても、前段のレベル減衰部40において平均検波回路46(または、積分回路)により発振現象に起因する信号レベルの異常な増幅を抑えることができる。
【0083】
また、この構成においては、平均検波回路46が放送信号における信号レベルの平均レベルを検出しているため、平均検波回路46により出力される制御信号を、平均化回路33を介して検出する放送信号の平均レベルの代わりとして使用するように構成してもよい。この場合、制御信号は、第2増幅器16により増幅される前のレベルとなっているため、マイコン34内部では、第2増幅器16の増幅度を考慮した値として扱われるように構成するとよい。このように構成すれば、制御部30において平均レベルを検出するための構成が必要なくなるため、ギャップフィラー装置としての構成を単純化することができる。
【0084】
また、上記実施形態においては、図3におけるs120の処理で、表示ランプ32bを点灯することにより報知を行うように構成されたものを例示した。しかし、このs120の処理においては、報知データを生成して監視装置200へ送信するように構成してもよい。また、他の方法により報知を行うように構成してもよい。例えば、ギャップフィラー装置1に表示装置が備えられている場合には、レベルが低下した旨のメッセージを含む文字や画像を表示装置に表示させるように構成すればよい。また、印刷装置が備えられている場合には、上述のメッセージを含む文字や画像を印刷装置により印刷させるように構成すればよい。また、スピーカが備えられている場合には、上述のメッセージをスピーカで音声として出力させるように構成すればよい。
【0085】
また、図3におけるs120の処理で報知を行うための構成としては、利用者の携帯電話機など所定の発呼先へ通信回線網100を介して発呼することにより報知を行うように構成してもよい。このように構成すれば、利用者に対して呼び出しを行うことによって、この利用者にレベルが低下した旨を報知することができる。なお、この構成においては、発呼を行った後、この発呼先が応答した場合、レベルが低下した旨のメッセージを発呼先へ出力するように構成してもよい。このように構成すれば、発呼先の利用者に、メッセージによってもレベルが低下した旨を報知することができる。
【0086】
また、上記実施形態においては、図3におけるs120の処理で、平均レベルがしきい値レベル以下となった直後に、表示ランプ32bによる報知が行われるように構成されたものを例示した。しかし、このs120の処理では報知を行わないものとし、以降、ユーザI/F32の入力キー32aにより何らかの操作が行われたタイミングで報知を行うように構成してもよい。このように構成すれば、平均レベルがしきい値レベル以下となったときに、ギャップフィラー装置1付近に利用者がいなかった場合でも、利用者が任意のタイミングで、平均レベルがしきい値レベル以下となっていたかどうかを確認することができる。
【0087】
また、上記実施形態においては、各サンプルホールド回路26へ供給されるクロックパルスを、それぞれ1/2周期の位相差を持たせることにより、一方のサンプルホールド回路26が制御信号の出力を行っている期間中に、他方のサンプルホールド回路26がサンプリングを行うように構成されているものを例示した。しかし、一方のサンプルホールド回路26が制御信号の出力を行っている期間中に、他方のサンプルホールド回路26がサンプリングを行うことができれば、各サンプルホールド回路26に供給されるクロックパルスは特に限定されない。
【0088】
また、上記実施形態においては、ギャップフィラー装置1が、直列接続された2つの増幅器14,16により放送信号の信号レベルを増幅するように構成されたものを例示した。しかし、このギャップフィラー装置1は、直列接続された3つ以上増幅器により放送信号の信号レベルを増幅するように構成してもよく、この場合、各増幅器に対してレベル減衰部20を設ければよい。また、このギャップフィラー装置1は、単一の増幅器により放送信号の信号レベルを増幅するように構成してもよい。
【0089】
[本発明との対応関係]
以上説明した実施形態において、減衰器28は本発明における第1または第2減衰手段、検波器24,サンプルホールド回路26は本発明における第1または第2ピーク検出手段、サンプルホールド回路26,マイコン34は本発明における第1または第2減衰制御手段、平均化回路33は本発明におけるレベル検出手段、メモリ35は本発明における記録手段である。
【0090】
また、図3におけるs120の処理は本発明における報知手段、s130の処理は本発明における記録指令手段である。
また、図4におけるs230の処理は、本発明における登録手段である。
また、図5におけるs330の処理は、本発明における報知手段である。
【0091】
また、図6におけるs420の処理は、本発明における要求手段、s450の処理は記録指令手段である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態におけるギャップフィラー装置の制御系統を示すブロック図
【図2】レベル減衰部が放送信号の信号レベルを減衰させる様子を示す図
【図3】動作状態監視処理の処理手順を示すフローチャート
【図4】しきい値レベル設定処理の処理手順を示すフローチャート
【図5】要求応答処理の処理手順を示すフローチャート
【図6】ポーリング処理の処理手順を示すフローチャート
【図7】別の実施形態におけるギャップフィラー装置の制御系統を示すブロック図
【符号の説明】
1・・・ギャップフィラー装置、12・・・受信用のアンテナ、14・・・第1増幅器、16・・・第2増幅器、18・・・送信用のアンテナ、20・・・レベル減衰部、22・・・方向性結合器、24・・・検波器、26・・・サンプルホールド回路、28・・・減衰器、30・・・制御部、31・・・通信制御部、32・・・ユーザインターフェース部、32a・・・入力キー、32b・・・表示ランプ、33・・・平均化回路、33a・・・変換回路、33b・・・アナログ−デジタル変換部、34・・・マイコン、35・・・メモリ、200・・・監視装置。
Claims (3)
- 放送局側から送信された放送信号を受信用のアンテナにより受信し、該受信した放送信号を、第1増幅器および第2増幅器で信号レベルを増幅したうえで、送信用のアンテナにより放送信号の不感地帯へ再送信するギャップフィラー装置であって、
前記第1増幅器に入力される放送信号の信号レベルを、外部から入力される第1制御信号の信号レベルに応じたレベルに減衰させる第1減衰手段と、
前記第1増幅器により増幅された放送信号における信号レベルのピークレベルを検出する第1ピーク検出手段と、
該第1ピーク検出手段により検出されたピークレベルを所定周期でサンプリングすると共に、該サンプリングしたピークレベルの信号を前記第1制御信号として前記第1減衰手段へ出力するサンプルホールド回路からなる第1減衰制御手段と、を備えており、
さらに、
前記受信用のアンテナにより受信された放送信号を、直列接続された前記第1増幅器および第2増幅器で信号レベルを順次増幅したうえで前記送信用のアンテナにより送信するように構成され、
前記第2増幅器に入力される放送信号の信号レベルを、外部から入力される第2制御信号の信号レベルに応じた信号レベルに減衰させる第2減衰手段と、
前記第2増幅器により増幅された放送信号における信号レベルのピークレベルを検出する第2ピーク検出手段と、
該第2ピーク検出手段により検出されたピークレベルに応じた信号レベルの信号を前記第2制御信号として前記第2減衰手段へ出力する第2減衰制御手段と、を備えており、
前記第2減衰制御手段は、前記第2ピーク検出手段により検出されたピークレベルを所定周期でサンプリングすると共に、該サンプリングしたピークレベルの信号を前記第2制御信号として前記第2減衰手段へ出力するサンプルホールド回路からなるものであって、前記ピークレベルのサンプリングを、前記第1減衰制御手段が前記第1制御信号を出力するタイミングで行うように構成されており、
さらに、
前記減衰制御手段は、サンプルホールド回路によるサンプリング周期が、正帰還による発振現象が発生した場合に該発生から下記「ノイズとなる周波数成分」のピークレベルが所定の信号レベルに到達するのに要すると想定される時間よりも短い時間周期となっており、
上記「ノイズとなる周波数成分」は、正帰還による発振現象が起き、放送信号における特定周波数成分のピークレベルがノイズとして大きくなった場合におけるその周波数成分のことである
ことを特徴とするギャップフィラー装置。 - 前記減衰制御手段は、サンプルホールド回路によるサンプリング時間が、発振現象が発生した場合にノイズになると想定される周波数成分の一周期以上の時間となっている
ことを特徴とする請求項1に記載のギャップフィラー装置。 - 放送局側から送信された放送信号を受信用のアンテナにより受信し、該受信した放送信号を、第1増幅器で信号レベルを増幅したうえで、送信用のアンテナにより放送信号の不感地帯へ再送信するレベル減衰装置であって、
前記第1増幅器に入力される放送信号の信号レベルを、外部から入力される第1制御信号の信号レベルに応じたレベルに減衰させる第1減衰手段と、
前記第1増幅器により増幅された放送信号における信号レベルのピークレベルを検出する第1ピーク検出手段と、
該第1ピーク検出手段により検出されたピークレベルを所定周期でサンプリングすると共に、該サンプリングしたピークレベルの信号を前記第1制御信号として前記第1減衰手段へ出力するサンプルホールド回路からなる第1減衰制御手段と、を備えており、
さらに、
前記受信用のアンテナにより受信された放送信号を、直列接続された前記第1増幅器および第2増幅器で信号レベルを順次増幅したうえで前記送信用のアンテナにより送信するように構成され、
前記第2増幅器に入力される放送信号の信号レベルを、外部から入力される第2制御信号の信号レベルに応じた信号レベルに減衰させる第2減衰手段と、
前記第2増幅器により増幅された放送信号における信号レベルのピークレベルを検出する第2ピーク検出手段と、
該第2ピーク検出手段により検出されたピークレベルに応じた信号レベルの信号を前記第2制御信号として前記第2減衰手段へ出力する第2減衰制御手段と、を備えており、
前記第2減衰制御手段は、前記第2ピーク検出手段により検出されたピークレベルを所定周期でサンプリングすると共に、該サンプリングしたピークレベルの信号を前記第2制御信号として前記第2減衰手段へ出力するサンプルホールド回路からなるものであって、前記ピークレベルのサンプリングを、前記第1減衰制御手段が前記第1制御信号を出力するタイミングで行うように構成されており、
さらに、
前記減衰制御手段は、サンプルホールド回路によるサンプリング周期が、正帰還による発振現象が発生した場合に該発生から下記「ノイズとなる周波数成分」のピークレベルが所定の信号レベルに到達するのに要すると想定される時間よりも短い時間周期となっており、
上記「ノイズとなる周波数成分」は、正帰還による発振現象が起き、放送信号における特定周波数成分のピークレベルがノイズとして大きくなった場合におけるその周波数成分のことである
ことを特徴とするレベル減衰装置。
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