JP4541379B2 - 酸化シリコンエッチング方法及び酸化シリコンエッチング装置 - Google Patents
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Description
高周波の周波数が高くなる一つの大きな要因は、プロセスの低圧化の要請である。プロセスの低圧化の要請は、デバイスの高集積度化や回路の微細化といった点と密接に関連している。回路がより微細化すると、僅かな異物(塵埃,パーティクル等)の混入によっても製品不良が発生する可能性が高い。従って、処理チャンバー内の圧力をより低くすることで、このような異物の混入を防止する必要がある。
また、プラズマCVD等では、基板へのイオンの入射量や入射エネルギーが処理に影響を与えるため、それらを最適範囲に維持する必要がある。しかしながら、それとは別にプラズマを形成するための高周波の最適な印加条件があり、両者が両立しない場合も多い。
このような点を考慮し、最近では、プラズマ形成用としてVHF帯の高周波を印加し、VHF帯より周波数の低いHF帯の高周波を基板へのイオン入射用として別に印加する構成が採用されるようになってきている。
本願の発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、二つの異なる周波数の高周波を使用して酸化シリコンをエッチングする処理において、プラズマの形成や維持が充分に且つ安定して行えるようにし、それら二周波を利用するメリットを充分に享受できるようにするという技術的意義を有する。
第一の周波数の高周波電力を放電空間に供給して高周波放電を開始させる第一のステップと、 高周波放電を開始させた後、前記第一の周波数の高周波のプラズマからの反射波がプラズマへの進行波に対して20%以下に低下したことを確認してから、第一の周波数とは異なる第二の周波数の高周波電力を放電空間に供給する第二のステップとを有し、前記第一のステップは、前記高周波放電の開始に適した第一のインピーダンス整合条件で高周波電力を供給して放電を開始させるものであり、その後、インピーダンス整合条件を、第二のインピーダンス整合条件に変更する動作を含み、前記第二のインピーダンス整合条件は、プラズマが形成されている放電空間に結合する高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となる条件であり、放電空間への高周波電力の供給状況をモニタすることによりこの条件となるよう自動制御が行われるものであるという構成を有する。
上記課題を解決するため、本願の請求項2記載の発明は、処理チャンバー内に基板を配置するとともに処理チャンバー内に高周波放電によるプラズマを形成し、基板の表面に存在する酸化シリコンをプラズマによってエッチングする酸化シリコンエッチング方法であって、
第一の周波数の高周波電力を放電空間に供給して高周波放電を開始させる第一のステップと、
高周波放電を開始させた後、前記第一の周波数の高周波のプラズマからの反射波がプラズマへの進行波に対して20%以下に低下したことを確認してから、第一の周波数とは異なる第二の周波数の高周波電力を放電空間に供給する第二のステップとを有し、前記第一のステップは、前記高周波放電の開始に適した第一のインピーダンス整合条件で高周波電力を供給して放電を開始させるものであり、その後、インピーダンス整合条件を、第二のインピーダンス整合条件に変更する動作を含み、前記第二のインピーダンス整合条件は、予め設定された条件であり、この条件を所定時間固定して維持し、その後、放電空間への高周波電力の供給状況をモニタすることにより、放電空間に結合する高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となるよう自動制御が行われるものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、前記請求項1又は2の構成において、前記第一の周波数はVHF帯に属するものであり、前記第二の周波数はHF帯に属するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、前記請求項1乃至3いずれかの構成において、前記第二の周波数の高周波電力は、基板に自己バイアス電圧を与えるものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、請求項1又は2記載の構成において、
前記第二のインピーダンス整合条件への変更は、プラズマが形成されたことを確認した際又はその後行われるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項6記載の発明は、前記請求項1乃至5いずれかの構成において、前記第二の周波数の高周波電力の供給を開始した後、基板の処理の際に供給されるべき値として設定された設定値にその供給電力が達するまで0.5秒以上6秒以下となるよう、徐々にその供給電力を増加させるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項7記載の発明は、前記請求項1乃至6いずれかの構成において、所定のインピーダンス整合条件で前記第二の周波数の高周波電力の供給を開始した後、プラズマが形成されている放電空間に結合する前記第二の周波数の高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの前記第二の周波数の高周波の反射波が極小値となるようインピーダンス整合条件の自動制御を行いながら前記第二の周波数の高周波電力を供給するという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項8記載の発明は、前記請求項1乃至4いずれかの構成において、前記第一の周波数の高周波電力によりプラズマを形成して基板に所定の処理を施す際、放電空間への第一の周波数の高周波電力の供給状況をモニタすることにより、放電空間に結合する第一の周波数の高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となるようにするインピーダンス整合条件でインピーダンス整合の自動制御を行うとともに、基板の処理が終了した際のインピーダンス整合条件を保持し、次回の基板の処理の際、保持されたインピーダンス整合条件で自動制御を開始するという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項9記載の発明は、前記請求項8の構成において、前記第一のステップは、前記高周波放電の開始に適したインピーダンス整合条件で高周波電力を供給して放電を開始させるものであり、その後、前記自動制御が行われるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項10記載の発明は、前記請求項9の構成において、前記自動制御は、プラズマが形成されたことを確認した際又はその後行われるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項11記載の発明は、前記請求項7の構成において、基板の処理が終了した際の前記第二の周波数の高周波電力についてのインピーダンス整合条件を保持し、次回の基板の処理の際、保持されたインピーダンス整合条件で前記第二の周波数の高周波電力についての前記自動制御を開始するという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項12記載の発明は、前記請求項1乃至4いずれかの構成において、前記第一の周波数の高周波電力の供給を開始した後、予め設定されたインピーダンス整合条件を所定時間固定して維持し、その後、放電空間への前記第一の周波数の高周波電力の供給状況をモニタすることにより、放電空間に結合する高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となるようにする自動制御を行うという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項13記載の発明は、前記請求項8乃至10いずれかの構成において、前記第一の周波数の高周波電力の供給を開始した後、予め設定されたインピーダンス整合条件を所定時間固定して維持し、その後、前記保持されたインピーダンス整合条件で前記自動制御を開始するという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項14記載の発明は、前記請求項7又は11の構成において、前記第二の周波数の高周波電力の供給を開始した後、予め設定されたインピーダンス整合条件を所定時間固定して維持し、その後、前記第二の周波数の高周波電力についての前記自動制御を行うという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項15記載の発明は、処理対象である基板が内部に配置される処理チャンバーと、処理チャンバー内にプロセスガスを導入するプロセスガス導入系と、処理チャンバー内に設けられた高周波電極と、高周波電極に高周波電圧を印加することで処理チャンバー内に高周波電界を設定して高周波放電を生じさせてプロセスガスのプラズマを形成する第一の高周波電源とを備え、基板の表面に存在する酸化シリコンをプラズマによってエッチングする酸化シリコンエッチング装置であって、 前記高周波電極又はこの高周波電極とは別に設けられた高周波電極に前記第一の高周波電源とは異なる周波数の高周波電圧を印加する第二の高周波電源が設けられており、放電空間への高周波電力の供給状況をモニタする電力供給状況モニタ手段が設けられており、さらに、前記第一の高周波電源を動作させた後、電力供給状況モニタ手段のモニタ結果により、前記第一の周波数の高周波のプラズマからの反射波がプラズマへの進行波に対して20%以下に低下したことを確認してから、前記第二の高周波電源を動作させるシーケンス制御を行うコントローラが設けられており、前記第一の高周波電源と前記放電空間との間の高周波線路上にはプラズマ用整合器が設けられているとともに、このプラズマ用整合器を制御する整合器制御系が設けられており、前記コントローラは、前記高周波放電の開始に適した第一のインピーダンス整合条件で高周波電力の供給を開始して放電を開始させ、その後、インピーダンス整合条件を、第二のインピーダンス整合条件に変更するよう整合器制御系を制御するものであり、前記第二のインピーダンス整合条件は、放電空間に結合する高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となる最適状態を達成する条件であり、放電空間への高周波電力の供給状況をモニタする電力供給状況モニタ手段が設けられており、前記整合器制御系は、電力供給状況モニタ手段からの信号により前記最適状態となるよう自動制御を行うものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項16記載の発明は、処理対象である基板が内部に配置される処理チャンバーと、処理チャンバー内にプロセスガスを導入するプロセスガス導入系と、処理チャンバー内に設けられた高周波電極と、高周波電極に高周波電圧を印加することで処理チャンバー内に高周波電界を設定して高周波放電を生じさせてプロセスガスのプラズマを形成する第一の高周波電源とを備え、基板の表面に存在する酸化シリコンをプラズマによってエッチングする酸化シリコンエッチング装置であって、 前記高周波電極又はこの高周波電極とは別に設けられた高周波電極に前記第一の高周波電源とは異なる周波数の高周波電圧を印加する第二の高周波電源が設けられており、放電空間への高周波電力の供給状況をモニタする電力供給状況モニタ手段が設けられており、さらに、前記第一の高周波電源を動作させた後、電力供給状況モニタ手段のモニタ結果により、前記第一の周波数の高周波のプラズマからの反射波がプラズマへの進行波に対して20%以下に低下したことを確認してから、前記第二の高周波電源を動作させるシーケンス制御を行うコントローラが設けられており、前記第一の高周波電源と前記放電空間との間の高周波線路上にはプラズマ用整合器が設けられているとともに、このプラズマ用整合器を制御する整合器制御系が設けられており、前記コントローラは、前記高周波放電の開始に適した第一のインピーダンス整合条件で高周波電力の供給を開始して放電を開始させ、その後、インピーダンス整合条件を、第二のインピーダンス整合条件に変更するよう整合器制御系を制御するものであり、前記第二のインピーダンス整合条件は、予め設定された条件であり、前記コントローラは、この条件を所定時間固定して維持した後、放電空間への高周波電力の供給状況をモニタすることにより、放電空間に結合する高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となるよう自動制御を行うものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項17記載の発明は、前記請求項15又は16の構成において、前記第一の周波数はVHF帯に属するものであり、前記第二の周波数はHF帯に属するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項18記載の発明は、前記請求項15又は17の構成において、前記第二の周波数の高周波電力は、前記基板に自己バイアス電圧を与えるものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項19記載の発明は、前記コントローラは、プラズマが形成されたことを確認した際又はその後前記第二のインピーダンス整合条件への変更を行うものであることを特徴とする請求項15又は16記載の酸化シリコンエッチング装置。
また、上記課題を解決するため、請求項20記載の発明は、前記請求項15乃至19いずれかの構成において、前記コントローラは、前記第二の周波数の高周波電力の供給を開始した後、基板の処理の際に供給されるべき値として設定された設定値にその供給電力が達するまで0.5秒以上6秒以下となるよう、徐々にその供給電力を増加させる制御を行うものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項21記載の発明は、前記請求項15乃至20いずれかの構成において、前記第二の高周波電源と前記放電空間との間の高周波線路上には整合器が設けられているとともに、この整合器を制御する整合器制御系が設けられており、前記コントローラは、所定のインピーダンス整合条件で前記第二の周波数の高周波電力の供給を開始した後、プラズマが形成されている放電空間に結合する前記第二の周波数の高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの前記第二の周波数の高周波の反射波が極小値となるようインピーダンス整合の自動制御を整合器制御系に行わせながら前記第二の周波数の高周波電力を供給する制御を行うものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項22記載の発明は、前記請求項15乃至18いずれかの構成において、前記第一の周波数の高周波電源から高周波電極への高周波線路上に設けられたプラズマ用整合器と、プラズマ用整合器が与えるインピーダンスを変更して最適な整合状態とする整合器制御系と、放電空間への前記第一の周波数の高周波電力の供給状況をモニタする電力供給状況モニタとが設けられており、前記最適な整合状態は、放電空間に結合する高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となる状態であって、前記整合器制御系は、この状態となるようインピーダンス整合の自動制御を行うものであり、さらに、前記整合器制御系は、基板の処理が終了した際のインピーダンス整合条件を保持し、次回の基板の処理の際、保持されたインピーダンス整合条件で前記自動制御を開始するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項23記載の発明は、前記請求項22の構成において、前記コントローラは、前記高周波放電の開始に適したインピーダンス整合条件で高周波電力の供給を開始して放電を開始させ、その後、前記自動制御への変更が行われるよう前記整合器制御系を制御するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項24記載の発明は、前記請求項23の構成において、前記コントローラは、プラズマが形成されたことを確認した際又はその後に前記自動制御への変更が行われるよう前記整合器制御系を制御するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項25記載の発明は、前記請求項21の構成において、前記第二の高周波電源について設けられた整合器制御系は、基板の処理が終了した際の前記第二の周波数の高周波電力についてのインピーダンス整合条件を保持し、次回の基板の処理の際、保持されたインピーダンス整合条件で前記第二の周波数の高周波電力についての前記自動制御を開始するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項26記載の発明は、前記請求項15乃至18いずれかの構成において、前記第一の高周波電源と前記放電空間との間の高周波線路上にはプラズマ用整合器が設けられているとともに、このプラズマ用整合器を制御する整合器制御系が設けられており、前記整合器制御系は、前記放電を開始した後、予め設定されたインピーダンス整合条件を所定時間固定して維持し、その後、放電空間への高周波電力の供給状況をモニタすることにより、放電空間に結合する高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となるよう自動制御を行うものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項27記載の発明は、前記請求項22乃至24いずれかの構成において、前記整合器制御系は、前記放電を開始した後、予め設定されたインピーダンス整合条件を所定時間固定して維持し、その後、前記保持されたインピーダンス整合条件で前記自動制御を開始するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項28記載の発明は、前記請求項21又は25の構成において、前記第二の高周波電源について設けられた整合器制御系は、前記第二の周波数の高周波電力の供給を開始した後、予め設定されたインピーダンス整合条件を所定時間固定して維持し、その後、前記第二の周波数の高周波電力についての前記自動制御を行うものであるという構成を有する。
また、請求項1の方法又は請求項15の装置によれば、上記効果に加え、放電の開始の際と、プラズマの安定維持の際とで、それぞれ異なる最適なインピーダンス整合条件で整合が行われるので、放電開始時及びプラズマ形成後ともに、反射波が少なく、放電の開始やプラズマの維持にための電力効率が高くなる。
また、請求項1の方法又は請求項15の装置によれば、上記効果に加え、放電空間に結合する高周波電力が最大となるようインピーダンス整合が自動制御により行われるので、電力の効率が常に高く維持される。
また、請求項2記載の方法又は請求項16の装置によれば、プラズマが安定化した後に第二の周波数の高周波が印加されるので、第二の周波数の高周波の影響による反射波の増大のような問題が第一の周波数の高周波の印加について生じない。
また、請求項2の方法又は請求項16の装置によれば、上記効果に加え、放電の開始の際と、プラズマの安定維持の際とで、それぞれ異なる最適なインピーダンス整合条件で整合が行われるので、放電開始時及びプラズマ形成後ともに、反射波が少なく、放電の開始やプラズマの維持にための電力効率が高くなる。
また、請求項2の方法又は請求項16の装置によれば、上記効果に加え、自動制御開始時における反射波を小さくできるので、目的する状態から外れた状態でインピーダンス整合が取られることがなく、正しい条件での処理を常に行うことができる。このため、再現性や信頼性の点で優れた方法又は装置となる。
また、請求項3の方法又は請求項17の装置によれば、上記効果に加え、VHF帯の高周波によってプラズマを形成しつつHF帯の高周波を特定の目的のために利用することができる。
また、請求項4の方法又は請求項18の装置によれば、上記効果に加え、基板に自己バイアス電圧を与えながら上記効果を得てプラズマ処理を行うことができる。
また、請求項5の方法又は請求項19の装置によれば、上記効果に加え、プラズマの安定維持のためのインピーダンス整合条件への変更が、プラズマの形成を確認した際又はその後に行われるので、インピーダンス整合条件の変更が誤って行われる事故が発生しない。
また、請求項6の方法又は請求項20の装置によれば、上記効果に加え、放電の開始の際と、プラズマの安定維持の際とで、それぞれ異なる最適なインピーダンス整合条件で整合が行われるので、放電開始時及びプラズマ形成後ともに、反射波が少なく、放電の開始やプラズマの維持にための電力効率が高くなる。
また、請求項7の方法又は請求項21の装置によれば、上記効果に加え、第二の周波数の高周波電力の投入においてインピーダンス整合の自動制御が行われるので、第二の周波数の高周波電力の投入効率が高くなる。
また、請求項8の方法又は請求項22の装置によれば、上記効果に加え、自動制御を行う際の初期のインピーダンス整合条件が、前回の基板の処理の終了時の条件と同じとされるので、放電開始時の最適整合条件と、プラズマ維持の際の最適整合条件とがそれほど変わらない場合に好適である。
また、請求項9の方法又は請求項23の装置によれば、上記請求項8又は22の発明の効果に加え、放電の開始の際と、プラズマの安定維持の際とで、それぞれ異なる最適なインピーダンス整合条件で整合が行われるので、放電開始時及びプラズマ形成後ともに、反射波が少なく、放電の開始やプラズマの維持にための電力効率が高くなる。
また、請求項10の方法又は請求項24の装置によれば、上記請求項9又は23の発明の効果に加え、プラズマの安定維持のためのインピーダンス整合条件への変更が、プラズマの形成を確認した際又はその後に行われるので、インピーダンス整合条件の変更が誤って行われる事故が発生しない。
また、請求項11の方法又は請求項25の装置によれば、上記請求項7又は21の発明の効果に加え、自動制御を行う際の初期のインピーダンス整合条件が、前回の基板の処理の終了時の条件と同じとされるので、放電開始時の最適整合条件と、プラズマ維持の際の最適整合条件とがそれほど変わらない場合に好適である。
また、請求項12の方法又は請求項26の装置によれば、上記請求項1乃至4いずれか又は請求項15乃至18いずれかの発明の効果に加え、自動制御開始時における反射波を小さくできるので、目的する状態から外れた状態でインピーダンス整合が取られることがなく、正しい条件での処理を常に行うことができる。このため、再現性や信頼性の点で優れた方法又は装置となる。
また、請求項13の方法又は請求項27の装置によれば、上記請求項8乃至10いずれか又は請求項22乃至24いずれかの発明の効果に加え、自動制御開始時における反射波を小さくできるので、目的する状態から外れた状態でインピーダンス整合が取られることがなく、正しい条件での処理を常に行うことができる。このため、再現性や信頼性の点で優れた方法又は装置となる。
図1は、第一の実施形態に係る酸化シリコンエッチング装置の正面断面概略図である。図1に示す装置は、排気系11を備えた処理チャンバー1と、処理チャンバー1内にプロセスガスを導入するプロセスガス導入系2と、導入されたプロセスガスに高周波放電を生じさせて処理チャンバー1内にプラズマを形成するプラズマ形成手段と、形成されたプラズマによって処理される位置に基板9を保持する基板ホルダー5とを備えている。
図1に示す装置は、エッチングを行う装置となっている。具体的には、プロセスガス導入系2は、フッ素系ガス等のエッチング作用のあるガスを導入するようになっている。プロセスガス導入系2は、バルブ21や流量調整器22を備え、プロセスガスを所定の流量で導入するようになっている。
高周波電極3は、基板ホルダー5に平行に対向させた円盤状である。高周波電極3は、絶縁材31を介して処理チャンバー1の上壁部の開口に気密に取り付けられている。
また、基板ホルダー5は、基板9を静電吸着して保持するようになっている。即ち、図1には明示していないが、基板ホルダー5は、上側が誘電体製であり、その誘電体製の部分の内部に不図示の吸着電極が埋設されている。そして、吸着電極に静電吸着用の直流電圧を印加する不図示の吸着電源が設けられている。吸着電源が電圧を印加すると、基板ホルダー5の上面に静電気が誘起され、基板9が静電吸着されるようになっている。
この基板ホルダー5は、高周波電極3とともに放電空間を形成する別の高周波電極になっている。基板ホルダー5は、高周波電極3と同軸上に配置されて対向している。つまり、基板ホルダー5と高周波電極3とは、平行平板電極を構成している。
また、基板ホルダー5は、同軸に設けられた支柱61によって支えられている。円筒部62、支柱61、基板ホルダー5、処理チャンバー1等は、すべて同軸である。イオン入射用電源50は、支柱61を介して基板ホルダー5に接続されている。尚、円筒部62には、イオン入射用整合器51が設けられており、イオン入射用電源50は、イオン入射用整合器51を介して基板ホルダー5に高周波電圧を印加するようになっている。
また、本実施形態の装置は、高周波電極3への高周波電力の供給状況をモニタする電力供給状況モニタ43を備えている。電力供給状況モニタ43は、プラズマ用電源4からの高周波電極3への高周波線路における進行波電力に対する反射波電力の比をモニタするものである。このような電力供給状況モニタ43としては、方向性結合器を使用したものが使用できる。
プロセスガス導入系2に設けられた不図示の流量計や処理チャンバー1に設けられた不図示の真空計により流量や圧力が所定の値に維持されていることが確認された後、コントローラ7は、まず、プラズマ用電源4を動作させる。この結果、プラズマ用整合器41を介して高周波電極3に高周波電圧が印加され、プラズマが形成される。
この際、コントローラ7は、高周波電極3への高周波電圧の印加開始と同時にタイマーをスタートさせる。そして、タイマーが設定経過時間をカウントすると、コントローラ7は、イオン入射用電源50を動作させる。この結果、基板ホルダーに高周波電圧が印加され、前述したように、基板9に自己バイアス電圧が与えられる。これにより、イオン入射用電界が設定される。
発明者の研究によると、プラズマ用電源4のようなVHF帯の高周波電源と、イオン入射用電源50のようにHF帯の高周波電源とを同時に動作させて放電を開始させた場合、プラズマが安定状態に移行できず、電源の保護回路等が働いてプラズマ形成が不能になってしまうような事態が生ずることが確認された。以下、この点について説明する。
周知のように、高周波気体放電によるプラズマ形成のメカニズムにおいては、まず、原初的に存在する電子が電界によって加速されて中性ガス分子に衝突して電離させる。電離より生じた二次イオンがさらに別の中性ガス分子に衝突して電離させ、このような過程が繰り返されて、急激に電子とイオンの量が増えて放電が始動する。そして、イオン化したガスの量が多くなり、プラズマ状態に移行する。
この際、図4に示すように、高周波電圧の印加後の初期状態においては、放電空間のガスの電離度は低く、空間インピーダンスが高い。従って、整合器によっても最適整合状態から少し外れており、反射波はある程度多い。しかしながら、高周波電力は放電空間に供給されており、供給された電力により中性ガス分子のイオン化が進むと、徐々にガスの電離度は高くなり、ガスはプラズマ状態に近づく。この結果、整合器による最適整合状態に近づくため、反射波も徐々に低減する。そして、プラズマが安定すると、反射波も低い安
このような高周波気体放電によるプラズマ形成において、VHF帯の高周波によってプラズマを形成するものの、何らかの目的でHF帯の高周波も同時に印加すると、図4に示すように、VHF帯の高周波の反射波は低減せず、逆に反射波が大きくなってしまうことがある。
図5は、電源側に戻るVHF帯の反射波の状況について示した図である。図5中の(1)は、VHF帯の高周波が最適整合状態で供給されている際にHF帯の高周波が供給された場合の反射波の状況、図5中の(2)は、VHF帯の高周波の供給がまだ最適整合状態でない段階でHF帯の高周波が供給される場合の反射波の状況について示している。
基板9は、大気側から不図示のロードロックチャンバーに搬入される。ロードロックチャンバー及び処理チャンバー1が所定の真空圧力まで排気された後、不図示のゲートバルブが開けられ、不図示の搬送系により基板9は処理チャンバー1内に搬入され、基板ホルダー5の上の所定位置に載置される。不図示の吸着電源が動作して、基板9が基板ホルダー5に静電吸着される。
この後、プロセスガス導入系2が動作して所定のエッチング作用のあるガスが所定の流量で導入される。この状態で、前述したようにまずプラズマ用電源4が動作し、高周波放電が生じてプラズマが形成される。そして、設定経過時間の経過後、イオン入射用電源50が動作し、基板9に自己バイアス電圧が与えられる。プラズマ中では、活性種やイオン、もしくはラジカルが生成され、これらの化学種が基板9に達して、基板9の表面に存在する酸化シリコンがエッチングされる。基板9に与えられた自己バイアス電圧により、プラズマ中のイオンは効率良く引き出されて基板9に入射し、エッチングを促進する。
図6は、第二の実施形態に係る酸化シリコンエッチング装置の正面断面概略図である。第二の実施形態の装置は、第一の実施形態の装置の構成をさらに最適化するため、プラズマが形成されたことを確認するプラズマ形成確認手段を備えている。また、これに伴い、コントローラ7のシーケンス制御プログラム70も多少変更が加えられている。
プラズマモニタ81は、処理チャンバー1内からの発光を検出することによりプラズマが形成されたかどうかをモニタするものである。具体的には、プラズマモニタ81には、照度計やスペクトルモニタ(分光器)等の光測定器が使用される。尚、処理チャンバー1の側壁には光学窓811が設けられている。光学窓811は、モニタする発光波長の光を充分透過できる材質で設けられており、プラズマモニタ81は光学窓811を通して内部の発光をモニタするようになっている。
自己バイアス電圧検出器82は、高周波電極3の電位変化をモニタし、その時間平均値又は上下のピーク値の平均値を算出する。そして、その値をアース電位と比較して自己バイアス電圧の大きさを検出するようになっている。尚、図6に示すように、自己バイアス電圧検出器82は、直接的には内導体421の電位をモニタしているが、この部分の電位と高周波電極3の電位とは実効的に同じであるとして良い。
コントローラ7は、同様に、処理チャンバー1内に所定の流量でプロセスガスが導入され、処理チャンバー1内が所定の真空圧力に維持されていることを確認した後、プラズマ用電源4を動作させる。コントローラ7は、高周波電極3への高周波電圧の印加開始と同時又はその以前から、プラズマモニタ81及び自己バイアス電圧検出器82からの信号の入力させている。
タイマーが設定経過時間をカウントすると、コントローラ7は、イオン入射用電源50を動作させる。この結果、基板ホルダー5に高周波電圧が印加され、前述したように、基板9に自己バイアス電圧が与えられる。これにより、イオン入射用電界が設定される。
図10は、第三の実施形態に係る酸化シリコンエッチング装置の正面断面概略図である。第三の実施形態の装置の大きな特徴点は、プラズマ形成の前後における放電空間のインピーダンスの違いを考慮して装置を最適化したものとなっている。具体的には、第三の実施形態の装置は、図10に示すように、第二の実施形態の装置の構成に加え、プラズマ用整合器41を制御する整合器制御系44を備えている。また、同様の目的でコントローラ7におけるシーケンス制御プログラム70も変更が加えられている。
図11は、第三の実施形態の装置に設けられたプラズマ用整合器41及び整合器制御系44の詳細を示す図である。図11に示すように、プラズマ用整合器41は、抵抗411と、抵抗411の両端とアースとの間に設けられた一対の可変容量コンデンサ412,413とから成っている。抵抗411の一方の側がプラズマ用電源4側、他端が負荷側(高周波電極3側)である。
整合器制御系44は、各可変容量コンデンサ412,413の一方の電極を他方の電極に対して変位させてキャパシタンスを変えるモータ441,442と、モータ441,442のドライバ回路443,444、ドライバ回路443,444に制御信号を送る制御部445等から構成されている。モータ441,442には、高精度のサーボモータが使用される。
上記プラズマ用整合器41の構成において、それが持つインピーダンスは、二つの可変容量コンデンサ412,413が持つキャパシタンスの関数であり、二つのキャパシタンスをC1,C2とすると、インピーダンスZは、Z=f(C1,C2)となる。
一方、放電開始後のインピーダンス整合は、プラズマを効率良く維持できるようにするためのものである。つまり、高周波電極3を介してプラズマに印加される高周波電力のうち、反射波が最も少なく、プラズマに結合する(正確には、プラズマが形成されている放電空間に結合する)高周波電力の割合が最も多くなるようにするのが理想的である。このような理想的な状態が達成されるインピーダンス整合条件は、非常に狭いものであり、いわばピンポイントの条件である。以下、この条件を最良点と呼ぶ。
より具体的に説明すると、二つの可変容量コンデンサ412,413のうちの一方を第一コンデンサ412としこれを駆動するモータ441を第一モータ441とする。また、他方の可変容量コンデンサ413を第二コンデンサ413としこれを駆動するモータ442を第二モータ442とする。第一第二コンデンサ412,413において、キャパシタンスを多くする向きを+方向、少なくする向きを−方向とする。
尚、最良点のインピーダンス整合条件は、常に一定という訳ではなく、各回のプラズマ処理において異なる場合がある。これは、処理条件(処理チャンバー1内の圧力やプロセスガスの種類等)が変わった場合に生ずるが、それだけではなく、処理チャンバー1の内壁面に堆積物が生じたりする場合にも生ずる。整合器制御系44は、そのときどきの最良点になるようプラズマ用整合器41を制御する。
整合器制御系44は、前述したように電力供給状況モニタ43からの信号により二つの可変容量コンデンサ412,413を駆動し、最良点になるよう自動制御を行う。コントローラ7は、タイマーのカウントが設定経過時間に一致したら、前述した実施形態と同様に、イオン入射用電源50を動作させる。この結果、基板ホルダー5に高周波電圧が印加され、前述したように、基板9に自己バイアス電圧が与えられる。これにより、イオン入射用電界が設定される。
これに加え、放電開始点のインピーダンス整合条件下で放電が開始され、プラズマの形成を確認した後、最良点でインピーダンス整合が取れた状態になるようにする自動制御が行われるので、放電開始時及びプラズマ形成後ともに最適なインピーダンス整合の状態が確保される。このため、放電開始時及びプラズマ形成後ともに、反射波が少なく、放電の開始やプラズマの維持にための電力効率が高くなる。
第五の実施形態の装置におけるコントローラ7は、同様に、放電開始点の条件でプラズマ用電源4を動作させて放電を開始する。この際、プラズマ用電源4の動作開始から、コントローラ7は、整合器制御系44の制御を、最良点になるようにする自動制御とする。また、第一の実施形態と同様に、プラズマ用電源4と同時にタイマーのカウントをスタートさせる。
プラズマが安定化するのに要する時間よりも充分に長い時間に設定されている設定経過時間をタイマーがカウントすると、コントローラ7は、コントローラ7は、イオン入射用電源50を動作させる。この結果、イオン入射用電界が設定される。
この実施形態の構成によれば、プラズマ形成確認手段が不要になり、この点で装置が簡略化できるメリットがある。
また、プラズマの安定化確認は、電力供給状況モニタ43からの信号によらず、整合器制御系44からの信号によっても良い。即ち、上述したように、プラズマが安定化すると、可変容量コンデンサ412,413の駆動量が殆どゼロになり、整合用インピーダンスはある値に落ち着く。従って、前述したように、可変容量コンデンサ412,413の駆動量をモニタしてそのデータをコントローラ7に送るようにし、このデータからプラズマ安定化を確認しても良い。
前述した第三の実施形態において、放電開始点でのインピーダンス整合から自動制御に切り替えた際、前述したように、最良点になるよう整合器制御系が動作する。整合器制御系は、整合用インピーダンスを調節し、より反射波が少なくなるようにする。これにより、プラズマに投入されるパワーが増し、電離度が高くなる。そして、これに伴い、プラズマのインピーダンスも変化するので、それに追従するように整合器制御系が自動制御を行う。そして、プロセスガスが殆どすべて電離し、プラズマの状態が安定すると、最良点となり、プラズマへの投入パワーも安定して整合用インピーダンスもある一定に落ち着く。
具体的に説明すると、図21に示すように、本実施形態では、イオン入射用整合器51を制御する整合器制御系53を備えている。コントローラ7は、この整合器制御系53も制御可能となっている。また、整合器制御系53は、イオン入射用電源50が高周波を供給する際の進行波に対する反射波の大きさを常時モニタする不図示の電力供給モニタを含んでおり、進行波に対する反射波の大きさが最も小さくなるインピーダンス整合条件を自動制御することが可能となっている。
図22に示すように、タイマーが所定の経過時間をカウントするまで、プラズマ形成確認手段によるプラズマ形成の確認が成されなかった場合、シーケンス制御プログラム70は、プラズマ用電源4を一旦オフにし、タイマーのカウントをゼロに戻す。そして、スタートに戻り、放電開始点の条件で再びプラズマ用電源4を動作させる。
この際、図23に示すように、イオン入射用電源50は、徐々に投入電力を増加させ、イオン入射のために最終的に必要な投入電力に到達させるようになっている。例えば、イオン入射用電源50が1.6MHzのHF電源であり、最終的な投入電力が1.8kWである場合、1秒程度の時間で0kWから1.8kWに到達させる。尚、この際、整合器制御系53は、イオン入射用整合器51のインピーダンスを固定された値に保持する。
まず、プラズマ用電源4の動作開始後、所定の経過時間内にプラズマ形成が確認されなかった場合、プログラムがリセットされてスタートに戻るので、何らかの事情でプラズマの形成が確認されない場合、プラズマ用電源4が動作し続けてしまう問題がない。場合によっては、リセットの回数をカウントしておき、所定回数(例えば3回)リセットしてもプラズマの形成が確認されない場合、プログラムを完全に中止し、エラー信号を発生するようにしてもよい。
本実施形態の構成によれば、イオン入射用電源50の投入電力が徐々に増加するので、このような問題はなく、プラズマ用整合器41のインピーダンスも、短時間のうちに安定化する。従って、イオン入射用電源50の投入電力を徐々に増加させるとは、整合器制御系44が追従してプラズマ用整合器41の自動制御を行える範囲内にプラズマのインピーダンス条件変化を抑えるよう徐々に増加させる、という意味である。
尚、各実施形態において、設定経過時間は、プラズマの安定化に要する時間であり、2秒とされたが、もっと長い時間とされる場合もある。プラズマの安定化に要する時間は、装置の構造や放電空間の大きさ、圧力などによって変化する。従って、これらの要素を考慮に入れて設定経過時間は適宜変更される。
尚、各実施形態において、複数のADコンバータ75をまとめて1つにした構成が採用されることもある。即ち、タイムシェアリングによって1つのADコンバータ75によって複数のデータをデジタル化する場合もある。
また、HF帯の高周波は、基板9に自己バイアス電圧を与えてイオン入射用の電界を設定するものであったが、他の目的の場合もあり得る。例えば、自己バイアス電圧を利用して基板9を基板ホルダー5に静電吸着する場合等である。
処理対象である基板9としては、半導体ウェーハの他、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の表示デバイス用の基板、磁気ヘッド等の磁気デバイス用の基板等を対象とすることができる。
11 排気系
2 プロセスガス導入系
3 高周波電極
4 プラズマ用電源
41 プラズマ用整合器
411 抵抗
412 可変容量コンデンサ
413 可変容量コンデンサ
43 電力供給状況モニタ
44 整合器制御系
441 モータ
442 モータ
443 ドライバ回路
444 ドライバ回路
445 制御部
5 基板ホルダー
50 イオン入射用電源
51 イオン入射用整合器
53 整合器制御系
7 コントローラ
70 シーケンス制御プログラム
75 ADコンバータ
81 プラズマモニタ
82 自己バイアス電圧検出器
9 基板
Claims (28)
- 処理チャンバー内に基板を配置するとともに処理チャンバー内に高周波放電によるプラズマを形成し、基板の表面に存在する酸化シリコンをプラズマによってエッチングする酸化シリコンエッチング方法であって、
第一の周波数の高周波電力を放電空間に供給して高周波放電を開始させる第一のステップと、
高周波放電を開始させた後、前記第一の周波数の高周波のプラズマからの反射波がプラズマへの進行波に対して20%以下に低下したことを確認してから、第一の周波数とは異なる第二の周波数の高周波電力を放電空間に供給する第二のステップとを有し、
前記第一のステップは、前記高周波放電の開始に適した第一のインピーダンス整合条件で高周波電力を供給して放電を開始させるものであり、その後、インピーダンス整合条件を、第二のインピーダンス整合条件に変更する動作を含み、
前記第二のインピーダンス整合条件は、プラズマが形成されている放電空間に結合する高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となる条件であり、放電空間への高周波電力の供給状況をモニタすることによりこの条件となるよう自動制御が行われることを特徴とする酸化シリコンエッチング方法。 - 処理チャンバー内に基板を配置するとともに処理チャンバー内に高周波放電によるプラズマを形成し、基板の表面に存在する酸化シリコンをプラズマによってエッチングする酸化シリコンエッチング方法であって、
第一の周波数の高周波電力を放電空間に供給して高周波放電を開始させる第一のステップと、
高周波放電を開始させた後、前記第一の周波数の高周波のプラズマからの反射波がプラズマへの進行波に対して20%以下に低下したことを確認してから、第一の周波数とは異なる第二の周波数の高周波電力を放電空間に供給する第二のステップとを有し、
前記第一のステップは、前記高周波放電の開始に適した第一のインピーダンス整合条件で高周波電力を供給して放電を開始させるものであり、その後、インピーダンス整合条件を、第二のインピーダンス整合条件に変更する動作を含み、
前記第二のインピーダンス整合条件は、予め設定された条件であり、この条件を所定時間固定して維持し、その後、放電空間への高周波電力の供給状況をモニタすることにより、放電空間に結合する高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となるよう自動制御が行われることを特徴とする酸化シリコンエッチング方法。 - 前記第一の周波数はVHF帯に属するものであり、前記第二の周波数はHF帯に属するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の酸化シリコンエッチング方法。
- 前記第二の周波数の高周波電力は、基板に自己バイアス電圧を与えるものであることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の酸化シリコンエッチング方法。
- 前記第二のインピーダンス整合条件への変更は、プラズマが形成されたことを確認した際又はその後行われることを特徴とする請求項1又は2記載の酸化シリコンエッチング方法。
- 前記第二の周波数の高周波電力の供給を開始した後、基板の処理の際に供給されるべき値として設定された設定値にその供給電力が達するまで0.5秒以上6秒以下となるよう、徐々にその供給電力を増加させることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の酸化シリコンエッチング方法。
- 所定のインピーダンス整合条件で前記第二の周波数の高周波電力の供給を開始した後、プラズマが形成されている放電空間に結合する前記第二の周波数の高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの前記第二の周波数の高周波の反射波が極小値となるようインピーダンス整合条件の自動制御を行いながら前記第二の周波数の高周波電力を供給することを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の酸化シリコンエッチング方法。
- 前記第一の周波数の高周波電力によりプラズマを形成して基板に所定の処理を施す際、放電空間への第一の周波数の高周波電力の供給状況をモニタすることにより、放電空間に結合する第一の周波数の高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となるようにするインピーダンス整合条件でインピーダンス整合の自動制御を行うとともに、基板の処理が終了した際のインピーダンス整合条件を保持し、次回の基板の処理の際、保持されたインピーダンス整合条件で自動制御を開始することを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の酸化シリコンエッチング方法。
- 前記第一のステップは、前記高周波放電の開始に適したインピーダンス整合条件で高周波電力を供給して放電を開始させるものであり、その後、前記自動制御が行われることを特徴とする請求項8記載の酸化シリコンエッチング方法。
- 前記自動制御は、プラズマが形成されたことを確認した際又はその後行われることを特徴とする請求項9記載の酸化シリコンエッチング方法。
- 基板の処理が終了した際の前記第二の周波数の高周波電力についてのインピーダンス整合条件を保持し、次回の基板の処理の際、保持されたインピーダンス整合条件で前記第二の周波数の高周波電力についての前記自動制御を開始することを特徴とする請求項7記載の酸化シリコンエッチング方法。
- 前記第一の周波数の高周波電力の供給を開始した後、予め設定されたインピーダンス整合条件を所定時間固定して維持し、その後、放電空間への前記第一の周波数の高周波電力の供給状況をモニタすることにより、放電空間に結合する高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となるようにする自動制御を行うことを特徴とする請求項1乃至4記載の酸化シリコンエッチング方法。
- 前記第一の周波数の高周波電力の供給を開始した後、予め設定されたインピーダンス整合条件を所定時間固定して維持し、その後、前記保持されたインピーダンス整合条件で前記自動制御を開始することを特徴とする請求項8乃至10いずれかに記載の酸化シリコンエッチング方法。
- 前記第二の周波数の高周波電力の供給を開始した後、予め設定されたインピーダンス整合条件を所定時間固定して維持し、その後、前記第二の周波数の高周波電力についての前記自動制御を行うことを特徴とする請求項7又は11記載の酸化シリコンエッチング方法。
- 処理対象である基板が内部に配置される処理チャンバーと、処理チャンバー内にプロセスガスを導入するプロセスガス導入系と、処理チャンバー内に設けられた高周波電極と、高周波電極に高周波電圧を印加することで処理チャンバー内に高周波電界を設定して高周波放電を生じさせてプロセスガスのプラズマを形成する第一の高周波電源とを備え、基板の表面に存在する酸化シリコンをプラズマによってエッチングする酸化シリコンエッチング装置であって、
前記高周波電極又はこの高周波電極とは別に設けられた高周波電極に前記第一の高周波電源とは異なる周波数の高周波電圧を印加する第二の高周波電源が設けられており、
放電空間への高周波電力の供給状況をモニタする電力供給状況モニタ手段が設けられており、
さらに、前記第一の高周波電源を動作させた後、電力供給状況モニタ手段のモニタ結果により、前記第一の周波数の高周波のプラズマからの反射波がプラズマへの進行波に対して20%以下に低下したことを確認してから、前記第二の高周波電源を動作させるシーケンス制御を行うコントローラが設けられており、
前記第一の高周波電源と前記放電空間との間の高周波線路上にはプラズマ用整合器が設けられているとともに、このプラズマ用整合器を制御する整合器制御系が設けられており、前記コントローラは、前記高周波放電の開始に適した第一のインピーダンス整合条件で高周波電力の供給を開始して放電を開始させ、その後、インピーダンス整合条件を、第二のインピーダンス整合条件に変更するよう整合器制御系を制御するものであり、
前記第二のインピーダンス整合条件は、放電空間に結合する高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となる最適状態を達成する条件であり、放電空間への高周波電力の供給状況をモニタする電力供給状況モニタ手段が設けられており、前記整合器制御系は、電力供給状況モニタ手段からの信号により前記最適状態となるよう自動制御を行うものであることを特徴とする酸化シリコンエッチング装置。 - 処理対象である基板が内部に配置される処理チャンバーと、処理チャンバー内にプロセスガスを導入するプロセスガス導入系と、処理チャンバー内に設けられた高周波電極と、高周波電極に高周波電圧を印加することで処理チャンバー内に高周波電界を設定して高周波放電を生じさせてプロセスガスのプラズマを形成する第一の高周波電源とを備え、基板の表面に存在する酸化シリコンをプラズマによってエッチングする酸化シリコンエッチング装置であって、
前記高周波電極又はこの高周波電極とは別に設けられた高周波電極に前記第一の高周波電源とは異なる周波数の高周波電圧を印加する第二の高周波電源が設けられており、
放電空間への高周波電力の供給状況をモニタする電力供給状況モニタ手段が設けられており、
さらに、前記第一の高周波電源を動作させた後、電力供給状況モニタ手段のモニタ結果により、前記第一の周波数の高周波のプラズマからの反射波がプラズマへの進行波に対して20%以下に低下したことを確認してから、前記第二の高周波電源を動作させるシーケンス制御を行うコントローラが設けられており、
前記第一の高周波電源と前記放電空間との間の高周波線路上にはプラズマ用整合器が設けられているとともに、このプラズマ用整合器を制御する整合器制御系が設けられており、前記コントローラは、前記高周波放電の開始に適した第一のインピーダンス整合条件で高周波電力の供給を開始して放電を開始させ、その後、インピーダンス整合条件を、第二のインピーダンス整合条件に変更するよう整合器制御系を制御するものであり、
前記第二のインピーダンス整合条件は、予め設定された条件であり、前記コントローラは、この条件を所定時間固定して維持した後、放電空間への高周波電力の供給状況をモニタすることにより、放電空間に結合する高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となるよう自動制御を行うものであることを特徴とする酸化シリコンエッチング装置。 - 前記第一の周波数はVHF帯に属するものであり、前記第二の周波数はHF帯に属するものであることを特徴とする請求項15又は16記載の酸化シリコンエッチング装置。
- 前記第二の周波数の高周波電力は、前記基板に自己バイアス電圧を与えるものであることを特徴とする請求項15乃至17いずれかに記載の酸化シリコンエッチング装置。
- 前記コントローラは、プラズマが形成されたことを確認した際又はその後前記第二のインピーダンス整合条件への変更を行うものであることを特徴とする請求項15又は16記載の酸化シリコンエッチング装置。
- 前記コントローラは、前記第二の周波数の高周波電力の供給を開始した後、基板の処理の際に供給されるべき値として設定された設定値にその供給電力が達するまで0.5秒以上6秒以下となるよう、徐々にその供給電力を増加させる制御を行うものであることを特徴とする請求項15乃至18いずれかに記載の酸化シリコンエッチング装置。
- 前記第二の高周波電源と前記放電空間との間の高周波線路上には整合器が設けられているとともに、この整合器を制御する整合器制御系が設けられており、前記コントローラは、所定のインピーダンス整合条件で前記第二の周波数の高周波電力の供給を開始した後、プラズマが形成されている放電空間に結合する前記第二の周波数の高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの前記第二の周波数の高周波の反射波が極小値となるようインピーダンス整合の自動制御を整合器制御系に行わせながら前記第二の周波数の高周波電力を供給する制御を行うものであることを特徴とする請求項15乃至20いずれかに記載の酸化シリコンエッチング装置。
- 前記第一の周波数の高周波電源から高周波電極への高周波線路上に設けられたプラズマ用整合器と、
プラズマ用整合器が与えるインピーダンスを変更して最適な整合状態とする整合器制御系と、
放電空間への前記第一の周波数の高周波電力の供給状況をモニタする電力供給状況モニタとが設けられており、
前記最適な整合状態は、放電空間に結合する高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となる状態であって、前記整合器制御系は、この状態となるようインピーダンス整合の自動制御を行うものであり、
さらに、前記整合器制御系は、基板の処理が終了した際のインピーダンス整合条件を保持し、次回の基板の処理の際、保持されたインピーダンス整合条件で前記自動制御を開始するものであることを特徴とする請求項15乃至18いずれかに記載の酸化シリコンエッチング装置。 - 前記コントローラは、前記高周波放電の開始に適したインピーダンス整合条件で高周波電力の供給を開始して放電を開始させ、その後、前記自動制御への変更が行われるよう前記整合器制御系を制御するものであることを特徴とする請求項22記載の酸化シリコンエッチング装置。
- 前記コントローラは、プラズマが形成されたことを確認した際又はその後に前記自動制御への変更が行われるよう前記整合器制御系を制御するものであることを特徴とする請求項23記載の酸化シリコンエッチング装置。
- 前記第二の高周波電源について設けられた整合器制御系は、基板の処理が終了した際の前記第二の周波数の高周波電力についてのインピーダンス整合条件を保持し、次回の基板の処理の際、保持されたインピーダンス整合条件で前記第二の周波数の高周波電力についての前記自動制御を開始するものであることを特徴とする請求項21記載の酸化シリコンエッチング装置。
- 前記第一の高周波電源と前記放電空間との間の高周波線路上にはプラズマ用整合器が設けられているとともに、このプラズマ用整合器を制御する整合器制御系が設けられており、前記整合器制御系は、前記放電を開始した後、予め設定されたインピーダンス整合条件を所定時間固定して維持し、その後、放電空間への高周波電力の供給状況をモニタすることにより、放電空間に結合する高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となるよう自動制御を行うものであることを特徴とする請求項15乃至18いずれかに記載の酸化シリコンエッチング装置。
- 前記整合器制御系は、前記放電を開始した後、予め設定されたインピーダンス整合条件を所定時間固定して維持し、その後、前記保持されたインピーダンス整合条件で前記自動制御を開始するものであることを特徴とする請求項22乃至24いずれかに記載の酸化シリコンエッチング装置。
- 前記第二の高周波電源について設けられた整合器制御系は、前記第二の周波数の高周波電力の供給を開始した後、予め設定されたインピーダンス整合条件を所定時間固定して維持し、その後、前記第二の周波数の高周波電力についての前記自動制御を行うものであることを特徴とする請求項21又は25記載の酸化シリコンエッチング装置。
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