JP4541379B2 - 酸化シリコンエッチング方法及び酸化シリコンエッチング装置 - Google Patents

酸化シリコンエッチング方法及び酸化シリコンエッチング装置 Download PDF

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Description

本願の発明は、高周波エネルギーにより形成されたプラズマを利用した処理に関するものであり、特に、異なる二つの周波数の高周波を使用する処理に関するものである。
高周波エネルギーにより形成されたプラズマを利用した処理(以下、単に高周波プラズマ処理)は、LSI(大規模集積回路)等の半導体デバイスやLCD(液晶ディスプレイ)等の表示デバイスの製造に盛んに利用されている。このような高周波プラズマ処理においては、VHF帯のような周波数のより高い高周波を使用することが多くなってきている。以下、この点について説明する。
高周波の周波数が高くなる一つの大きな要因は、プロセスの低圧化の要請である。プロセスの低圧化の要請は、デバイスの高集積度化や回路の微細化といった点と密接に関連している。回路がより微細化すると、僅かな異物(塵埃,パーティクル等)の混入によっても製品不良が発生する可能性が高い。従って、処理チャンバー内の圧力をより低くすることで、このような異物の混入を防止する必要がある。
また、プロセスの低圧化は、より微細な加工を可能にする点からも重要な課題となっている。例えば、回路の微細化が進むと、コンタクトホールやビアホールのようなホールのアスペクト比は高くなる傾向にある。アスペクト比の高いホールを形成する技術として、プラズマ中のイオンを引き出して基板に入射させて利用するリアクティブイオンエッチング(RIE)が多用されている。イオン入射によって高アスペクト比のホール形成を行うためには、多くのイオンを基板に垂直な方向に加速して入射させることが重要である。しかしながら、圧力が高いと、イオンがガス分子に衝突してその方向を変えてしまうため、基板に斜めに入射し易い。この結果、ホールの側壁に多くイオンが入射して、いわゆる中膨れ形状(ボーイング形状)のホールとなってしまったりする問題がある。
また、プラズマ中の気相反応を利用して薄膜を作成するプラズマ化学蒸着(CVD)では、圧力が高いと、プラズマ中で生成された活性種が衝突によって失活する可能性が高くなる。この結果、ダストと呼ばれる未反応生成物が多く残留し、処理チャンバー内の雰囲気を悪くする原因となり易い。また、成膜中の基板の表面からは、蒸気圧の低い副生成物が蒸発して放出されることがあるが、処理チャンバー内の圧力が高いと、それが再び基板に戻って残留し、薄膜の品質を損ねることがある。
このようなことから、プロセスの低圧化の要請が顕著となってきている。一方、プロセスの低圧化とともに、生産性を向上させるためのプロセスの高速化の要請も依然として強い。プロセスの高速化のためには、一般的にはプラズマ密度(プラズマ中の荷電粒子の数密度)を高くすることが必要である。しかしながら、プロセスの高速化とプロセスの低圧化は、ある面では相反する要請である。つまり、低圧化すればするほど気体分子の数は少なくなるのであるから、プラズマ密度は低くならざるを得ない。
圧力が低くなってもプラズマ密度を充分に高く維持するには、プラズマの形成効率を高めることが肝要になる。高周波プラズマ処理において、より高い周波数の高周波が使用されるようになってきている背景は、この点にある。具体的に説明すると、以前のプラズマ処理ではMF帯からHF帯の高周波がしばしば使用されたが、最近ではVHF帯の高周波が多く使用されるようになってきている。周波数が高くなると、電子が電界に追従して移動の向きを変える際の周期が短くなる。この結果、電子と中性ガス分子との衝突の頻度が高くなり、プラズマの形成効率が向上する。
しかしながら、VHF帯のようなより高い周波数の高周波により形成したプラズマを利用して処理する場合、処理の品質や再現性を高く維持する観点から、別の問題が発生することがある。例えば、前述したRIEに見られるように、プラズマ処理ではプラズマ中からイオンを引き出して基板に入射させることがしばしば行われる。イオンの入射には、基板に向かって徐々に電位が下がる電界をプラズマと基板との間に設定する必要がある。この電界は、一般的にはプラズマが固体に接する際にその固体とプラズマとの間に現れるシース電界に相当している。基板をアースから絶縁することで基板を浮遊電位(floating potential)とすると、プラズマ電位(≒0V)を持つプラズマに対して負のシース電界を与えることができる。
この負のシース電界により、プラズマ中からイオンを引き出して基板に入射させることができるのであるが、プラズマ形成用の高周波の周波数がVHF帯程度まで高くなってくると、シース電界が小さくなる問題がある。これは、あまりにも周波数が高くなるため、イオンのみならず電子についても電界の変化に追従することが難しくなるからである。基板を介して高周波を印加することで、基板に対して自己バイアス電圧を与えることで上記イオン入射を行うことも頻繁に行われるが、VHF帯程度まで周波数が高くなると、やはり電子が電界に追従して移動する量が少なくなるので、充分に大きな自己バイアス電圧が与えられなくなってしまう問題がある。
また、プラズマCVD等では、基板へのイオンの入射量や入射エネルギーが処理に影響を与えるため、それらを最適範囲に維持する必要がある。しかしながら、それとは別にプラズマを形成するための高周波の最適な印加条件があり、両者が両立しない場合も多い。
このような点を考慮し、最近では、プラズマ形成用としてVHF帯の高周波を印加し、VHF帯より周波数の低いHF帯の高周波を基板へのイオン入射用として別に印加する構成が採用されるようになってきている。
特開平09−064159号公報 特開平11−274141号公報 特開平01−106432号公報 特開平09−260096号公報 特開平01−106432号公報 特開2001−267291号公報
しかしながら、本願の発明者の研究によると、VHF帯とHF帯のように、異なる二つの周波数の高周波を印加してプラズマを形成すると、プラズマへの高周波の結合が不充分になるためにプラズマが上手く維持でなかったり、プラズマが初期状態において不安定になる問題があることが判明した。
本願の発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、二つの異なる周波数の高周波を使用して酸化シリコンをエッチングする処理において、プラズマの形成や維持が充分に且つ安定して行えるようにし、それら二周波を利用するメリットを充分に享受できるようにするという技術的意義を有する。
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、処理チャンバー内に基板を配置するとともに処理チャンバー内に高周波放電によるプラズマを形成し、基板の表面に存在する酸化シリコンをプラズマによってエッチングする酸化シリコンエッチング方法であって、
第一の周波数の高周波電力を放電空間に供給して高周波放電を開始させる第一のステップと、 高周波放電を開始させた後、前記第一の周波数の高周波のプラズマからの反射波がプラズマへの進行波に対して20%以下に低下したことを確認してから、第一の周波数とは異なる第二の周波数の高周波電力を放電空間に供給する第二のステップとを有し、前記第一のステップは、前記高周波放電の開始に適した第一のインピーダンス整合条件で高周波電力を供給して放電を開始させるものであり、その後、インピーダンス整合条件を、第二のインピーダンス整合条件に変更する動作を含み、前記第二のインピーダンス整合条件は、プラズマが形成されている放電空間に結合する高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となる条件であり、放電空間への高周波電力の供給状況をモニタすることによりこの条件となるよう自動制御が行われるものであるという構成を有する。
上記課題を解決するため、本願の請求項2記載の発明は、処理チャンバー内に基板を配置するとともに処理チャンバー内に高周波放電によるプラズマを形成し、基板の表面に存在する酸化シリコンをプラズマによってエッチングする酸化シリコンエッチング方法であって、
第一の周波数の高周波電力を放電空間に供給して高周波放電を開始させる第一のステップと、
高周波放電を開始させた後、前記第一の周波数の高周波のプラズマからの反射波がプラズマへの進行波に対して20%以下に低下したことを確認してから、第一の周波数とは異なる第二の周波数の高周波電力を放電空間に供給する第二のステップとを有し、前記第一のステップは、前記高周波放電の開始に適した第一のインピーダンス整合条件で高周波電力を供給して放電を開始させるものであり、その後、インピーダンス整合条件を、第二のインピーダンス整合条件に変更する動作を含み、前記第二のインピーダンス整合条件は、予め設定された条件であり、この条件を所定時間固定して維持し、その後、放電空間への高周波電力の供給状況をモニタすることにより、放電空間に結合する高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となるよう自動制御が行われるものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項1又は2の構成において、前記第一の周波数はVHF帯に属するものであり、前記第二の周波数はHF帯に属するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項1乃至3いずれかの構成において、前記第二の周波数の高周波電力は、基板に自己バイアス電圧を与えるものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、請求項1又は2記載の構成において、
前記第二のインピーダンス整合条件への変更は、プラズマが形成されたことを確認した際又はその後行われるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項1乃至いずれかの構成において、前記第二の周波数の高周波電力の供給を開始した後、基板の処理の際に供給されるべき値として設定された設定値にその供給電力が達するまで0.5秒以上6秒以下となるよう、徐々にその供給電力を増加させるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項1乃至いずれかの構成において、所定のインピーダンス整合条件で前記第二の周波数の高周波電力の供給を開始した後、プラズマが形成されている放電空間に結合する前記第二の周波数の高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの前記第二の周波数の高周波の反射波が極小値となるようインピーダンス整合条件の自動制御を行いながら前記第二の周波数の高周波電力を供給するという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項1乃至4いずれかの構成において、前記第一の周波数の高周波電力によりプラズマを形成して基板に所定の処理を施す際、放電空間への第一の周波数の高周波電力の供給状況をモニタすることにより、放電空間に結合する第一の周波数の高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となるようにするインピーダンス整合条件でインピーダンス整合の自動制御を行うとともに、基板の処理が終了した際のインピーダンス整合条件を保持し、次回の基板の処理の際、保持されたインピーダンス整合条件で自動制御を開始するという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項の構成において、前記第一のステップは、前記高周波放電の開始に適したインピーダンス整合条件で高周波電力を供給して放電を開始させるものであり、その後、前記自動制御が行われるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項10記載の発明は、前記請求項の構成において、前記自動制御は、プラズマが形成されたことを確認した際又はその後行われるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項11記載の発明は、前記請求項の構成において、基板の処理が終了した際の前記第二の周波数の高周波電力についてのインピーダンス整合条件を保持し、次回の基板の処理の際、保持されたインピーダンス整合条件で前記第二の周波数の高周波電力についての前記自動制御を開始するという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項12記載の発明は、前記請求項1乃至4いずれかの構成において、前記第一の周波数の高周波電力の供給を開始した後、予め設定されたインピーダンス整合条件を所定時間固定して維持し、その後、放電空間への前記第一の周波数の高周波電力の供給状況をモニタすることにより、放電空間に結合する高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となるようにする自動制御を行うという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、前記請求項乃至10いずれかの構成において、前記第一の周波数の高周波電力の供給を開始した後、予め設定されたインピーダンス整合条件を所定時間固定して維持し、その後、前記保持されたインピーダンス整合条件で前記自動制御を開始するという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項14記載の発明は、前記請求項又は11の構成において、前記第二の周波数の高周波電力の供給を開始した後、予め設定されたインピーダンス整合条件を所定時間固定して維持し、その後、前記第二の周波数の高周波電力についての前記自動制御を行うという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、処理対象である基板が内部に配置される処理チャンバーと、処理チャンバー内にプロセスガスを導入するプロセスガス導入系と、処理チャンバー内に設けられた高周波電極と、高周波電極に高周波電圧を印加することで処理チャンバー内に高周波電界を設定して高周波放電を生じさせてプロセスガスのプラズマを形成する第一の高周波電源とを備え、基板の表面に存在する酸化シリコンをプラズマによってエッチングする酸化シリコンエッチング装置であって、 前記高周波電極又はこの高周波電極とは別に設けられた高周波電極に前記第一の高周波電源とは異なる周波数の高周波電圧を印加する第二の高周波電源が設けられており、放電空間への高周波電力の供給状況をモニタする電力供給状況モニタ手段が設けられており、さらに、前記第一の高周波電源を動作させた後、電力供給状況モニタ手段のモニタ結果により、前記第一の周波数の高周波のプラズマからの反射波がプラズマへの進行波に対して20%以下に低下したことを確認してから、前記第二の高周波電源を動作させるシーケンス制御を行うコントローラが設けられており、前記第一の高周波電源と前記放電空間との間の高周波線路上にはプラズマ用整合器が設けられているとともに、このプラズマ用整合器を制御する整合器制御系が設けられており、前記コントローラは、前記高周波放電の開始に適した第一のインピーダンス整合条件で高周波電力の供給を開始して放電を開始させ、その後、インピーダンス整合条件を、第二のインピーダンス整合条件に変更するよう整合器制御系を制御するものであり、前記第二のインピーダンス整合条件は、放電空間に結合する高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となる最適状態を達成する条件であり、放電空間への高周波電力の供給状況をモニタする電力供給状況モニタ手段が設けられており、前記整合器制御系は、電力供給状況モニタ手段からの信号により前記最適状態となるよう自動制御を行うものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項16記載の発明は、処理対象である基板が内部に配置される処理チャンバーと、処理チャンバー内にプロセスガスを導入するプロセスガス導入系と、処理チャンバー内に設けられた高周波電極と、高周波電極に高周波電圧を印加することで処理チャンバー内に高周波電界を設定して高周波放電を生じさせてプロセスガスのプラズマを形成する第一の高周波電源とを備え、基板の表面に存在する酸化シリコンをプラズマによってエッチングする酸化シリコンエッチング装置であって、 前記高周波電極又はこの高周波電極とは別に設けられた高周波電極に前記第一の高周波電源とは異なる周波数の高周波電圧を印加する第二の高周波電源が設けられており、放電空間への高周波電力の供給状況をモニタする電力供給状況モニタ手段が設けられており、さらに、前記第一の高周波電源を動作させた後、電力供給状況モニタ手段のモニタ結果により、前記第一の周波数の高周波のプラズマからの反射波がプラズマへの進行波に対して20%以下に低下したことを確認してから、前記第二の高周波電源を動作させるシーケンス制御を行うコントローラが設けられており、前記第一の高周波電源と前記放電空間との間の高周波線路上にはプラズマ用整合器が設けられているとともに、このプラズマ用整合器を制御する整合器制御系が設けられており、前記コントローラは、前記高周波放電の開始に適した第一のインピーダンス整合条件で高周波電力の供給を開始して放電を開始させ、その後、インピーダンス整合条件を、第二のインピーダンス整合条件に変更するよう整合器制御系を制御するものであり、前記第二のインピーダンス整合条件は、予め設定された条件であり、前記コントローラは、この条件を所定時間固定して維持した後、放電空間への高周波電力の供給状況をモニタすることにより、放電空間に結合する高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となるよう自動制御を行うものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項17記載の発明は、前記請求項15又は16の構成において、前記第一の周波数はVHF帯に属するものであり、前記第二の周波数はHF帯に属するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項18記載の発明は、前記請求項15又は17の構成において、前記第二の周波数の高周波電力は、前記基板に自己バイアス電圧を与えるものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項19記載の発明は、前記コントローラは、プラズマが形成されたことを確認した際又はその後前記第二のインピーダンス整合条件への変更を行うものであることを特徴とする請求項15又は16記載の酸化シリコンエッチング装置。
また、上記課題を解決するため、請求項20記載の発明は、前記請求項15乃至19いずれかの構成において、前記コントローラは、前記第二の周波数の高周波電力の供給を開始した後、基板の処理の際に供給されるべき値として設定された設定値にその供給電力が達するまで0.5秒以上6秒以下となるよう、徐々にその供給電力を増加させる制御を行うものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項21記載の発明は、前記請求項15乃至20いずれかの構成において、前記第二の高周波電源と前記放電空間との間の高周波線路上には整合器が設けられているとともに、この整合器を制御する整合器制御系が設けられており、前記コントローラは、所定のインピーダンス整合条件で前記第二の周波数の高周波電力の供給を開始した後、プラズマが形成されている放電空間に結合する前記第二の周波数の高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの前記第二の周波数の高周波の反射波が極小値となるようインピーダンス整合の自動制御を整合器制御系に行わせながら前記第二の周波数の高周波電力を供給する制御を行うものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項22記載の発明は、前記請求項15乃至18いずれかの構成において、前記第一の周波数の高周波電源から高周波電極への高周波線路上に設けられたプラズマ用整合器と、プラズマ用整合器が与えるインピーダンスを変更して最適な整合状態とする整合器制御系と、放電空間への前記第一の周波数の高周波電力の供給状況をモニタする電力供給状況モニタとが設けられており、前記最適な整合状態は、放電空間に結合する高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となる状態であって、前記整合器制御系は、この状態となるようインピーダンス整合の自動制御を行うものであり、さらに、前記整合器制御系は、基板の処理が終了した際のインピーダンス整合条件を保持し、次回の基板の処理の際、保持されたインピーダンス整合条件で前記自動制御を開始するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項23記載の発明は、前記請求項22の構成において、前記コントローラは、前記高周波放電の開始に適したインピーダンス整合条件で高周波電力の供給を開始して放電を開始させ、その後、前記自動制御への変更が行われるよう前記整合器制御系を制御するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項24記載の発明は、前記請求項23の構成において、前記コントローラは、プラズマが形成されたことを確認した際又はその後に前記自動制御への変更が行われるよう前記整合器制御系を制御するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項25記載の発明は、前記請求項21の構成において、前記第二の高周波電源について設けられた整合器制御系は、基板の処理が終了した際の前記第二の周波数の高周波電力についてのインピーダンス整合条件を保持し、次回の基板の処理の際、保持されたインピーダンス整合条件で前記第二の周波数の高周波電力についての前記自動制御を開始するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項26記載の発明は、前記請求項15乃至18いずれかの構成において、前記第一の高周波電源と前記放電空間との間の高周波線路上にはプラズマ用整合器が設けられているとともに、このプラズマ用整合器を制御する整合器制御系が設けられており、前記整合器制御系は、前記放電を開始した後、予め設定されたインピーダンス整合条件を所定時間固定して維持し、その後、放電空間への高周波電力の供給状況をモニタすることにより、放電空間に結合する高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となるよう自動制御を行うものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項27記載の発明は、前記請求項22乃至24いずれかの構成において、前記整合器制御系は、前記放電を開始した後、予め設定されたインピーダンス整合条件を所定時間固定して維持し、その後、前記保持されたインピーダンス整合条件で前記自動制御を開始するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項28記載の発明は、前記請求項21又は25の構成において、前記第二の高周波電源について設けられた整合器制御系は、前記第二の周波数の高周波電力の供給を開始した後、予め設定されたインピーダンス整合条件を所定時間固定して維持し、その後、前記第二の周波数の高周波電力についての前記自動制御を行うものであるという構成を有する。
以下に説明する通り、本願の請求項1記載の方法又は請求項15の装置によれば、プラズマが安定化した後に第二の周波数の高周波が印加されるので、第二の周波数の高周波の影響による反射波の増大のような問題が第一の周波数の高周波の印加について生じない。
また、請求項1の方法又は請求項15の装置によれば、上記効果に加え、放電の開始の際と、プラズマの安定維持の際とで、それぞれ異なる最適なインピーダンス整合条件で整合が行われるので、放電開始時及びプラズマ形成後ともに、反射波が少なく、放電の開始やプラズマの維持にための電力効率が高くなる。
また、請求項1の方法又は請求項15の装置によれば、上記効果に加え、放電空間に結合する高周波電力が最大となるようインピーダンス整合が自動制御により行われるので、電力の効率が常に高く維持される。
また、請求項2記載の方法又は請求項16の装置によれば、プラズマが安定化した後に第二の周波数の高周波が印加されるので、第二の周波数の高周波の影響による反射波の増大のような問題が第一の周波数の高周波の印加について生じない。
また、請求項2の方法又は請求項16の装置によれば、上記効果に加え、放電の開始の際と、プラズマの安定維持の際とで、それぞれ異なる最適なインピーダンス整合条件で整合が行われるので、放電開始時及びプラズマ形成後ともに、反射波が少なく、放電の開始やプラズマの維持にための電力効率が高くなる。
また、請求項2の方法又は請求項16の装置によれば、上記効果に加え、自動制御開始時における反射波を小さくできるので、目的する状態から外れた状態でインピーダンス整合が取られることがなく、正しい条件での処理を常に行うことができる。このため、再現性や信頼性の点で優れた方法又は装置となる。
また、請求項の方法又は請求項17の装置によれば、上記効果に加え、VHF帯の高周波によってプラズマを形成しつつHF帯の高周波を特定の目的のために利用することができる。
また、請求項の方法又は請求項18の装置によれば、上記効果に加え、基板に自己バイアス電圧を与えながら上記効果を得てプラズマ処理を行うことができる。
また、請求項の方法又は請求項19の装置によれば、上記効果に加え、プラズマの安定維持のためのインピーダンス整合条件への変更が、プラズマの形成を確認した際又はその後に行われるので、インピーダンス整合条件の変更が誤って行われる事故が発生しない。
また、請求項の方法又は請求項20の装置によれば、上記効果に加え、放電の開始の際と、プラズマの安定維持の際とで、それぞれ異なる最適なインピーダンス整合条件で整合が行われるので、放電開始時及びプラズマ形成後ともに、反射波が少なく、放電の開始やプラズマの維持にための電力効率が高くなる。
また、請求項の方法又は請求項21の装置によれば、上記効果に加え、第二の周波数の高周波電力の投入においてインピーダンス整合の自動制御が行われるので、第二の周波数の高周波電力の投入効率が高くなる。
また、請求項の方法又は請求項22の装置によれば、上記効果に加え、自動制御を行う際の初期のインピーダンス整合条件が、前回の基板の処理の終了時の条件と同じとされるので、放電開始時の最適整合条件と、プラズマ維持の際の最適整合条件とがそれほど変わらない場合に好適である。
また、請求項の方法又は請求項23の装置によれば、上記請求項又は22の発明の効果に加え、放電の開始の際と、プラズマの安定維持の際とで、それぞれ異なる最適なインピーダンス整合条件で整合が行われるので、放電開始時及びプラズマ形成後ともに、反射波が少なく、放電の開始やプラズマの維持にための電力効率が高くなる。
また、請求項10の方法又は請求項24の装置によれば、上記請求項9又は23の発明の効果に加え、プラズマの安定維持のためのインピーダンス整合条件への変更が、プラズマの形成を確認した際又はその後に行われるので、インピーダンス整合条件の変更が誤って行われる事故が発生しない。
また、請求項11の方法又は請求項25の装置によれば、上記請求項又は21の発明の効果に加え、自動制御を行う際の初期のインピーダンス整合条件が、前回の基板の処理の終了時の条件と同じとされるので、放電開始時の最適整合条件と、プラズマ維持の際の最適整合条件とがそれほど変わらない場合に好適である。
また、請求項12の方法又は請求項26の装置によれば、上記請求項1乃至4いずれか又は請求項15乃至18いずれかの発明の効果に加え、自動制御開始時における反射波を小さくできるので、目的する状態から外れた状態でインピーダンス整合が取られることがなく、正しい条件での処理を常に行うことができる。このため、再現性や信頼性の点で優れた方法又は装置となる。
また、請求項13の方法又は請求項27の装置によれば、上記請求項乃至10いずれか又は請求項22乃至24いずれかの発明の効果に加え、自動制御開始時における反射波を小さくできるので、目的する状態から外れた状態でインピーダンス整合が取られることがなく、正しい条件での処理を常に行うことができる。このため、再現性や信頼性の点で優れた方法又は装置となる。
以下、本願発明の実施形態について説明する。
図1は、第一の実施形態に係る酸化シリコンエッチング装置の正面断面概略図である。図1に示す装置は、排気系11を備えた処理チャンバー1と、処理チャンバー1内にプロセスガスを導入するプロセスガス導入系2と、導入されたプロセスガスに高周波放電を生じさせて処理チャンバー1内にプラズマを形成するプラズマ形成手段と、形成されたプラズマによって処理される位置に基板9を保持する基板ホルダー5とを備えている。
プラズマ形成手段は、処理チャンバー1内に設けられた高周波電極3と、高周波電極3に高周波電圧を印加してプラズマを形成する高周波電源(以下、プラズマ用電源)4とから成っている。さらに、プラズマからイオンを引き出して基板9に入射させるための高周波電源(以下、イオン入射用電源)50が、プラズマ用高周波電源4とは別に設けられている。イオン入射用高周波電源50は、基板ホルダー5に接続されている。
処理チャンバー1は気密な真空容器であり、不図示のゲートバルブを介して不図示のロードロックチャンバーが接続されている。排気系11は、ターボ分子ポンプ又は拡散ポンプ等により処理チャンバー1内を所定の真空圧力まで排気できるようになっている。
図1に示す装置は、エッチングを行う装置となっている。具体的には、プロセスガス導入系2は、フッ素系ガス等のエッチング作用のあるガスを導入するようになっている。プロセスガス導入系2は、バルブ21や流量調整器22を備え、プロセスガスを所定の流量で導入するようになっている。
高周波電極3は、基板ホルダー5に平行に対向させた円盤状である。高周波電極3は、絶縁材31を介して処理チャンバー1の上壁部の開口に気密に取り付けられている。
プラズマ用電源4は、プラズマ用整合器41を介して高周波電極3に接続されている。プラズマ用整合器41から高周波電極3への伝送路には、図1に示すように同軸管42が使用されている。同軸管42は、内導体421と、内導体421と同軸の円筒状の外導体422とから成る。尚、同軸管42は、高周波電極3と同軸である。
基板ホルダー5は、上面に基板9を載置して保持するものである。基板9の保持位置は、基板9が高周波電極3と同軸になる位置である。尚、基板9は薄い円形状であり、高周波電極3や基板ホルダー5も同軸の円盤状である。
また、基板ホルダー5は、基板9を静電吸着して保持するようになっている。即ち、図1には明示していないが、基板ホルダー5は、上側が誘電体製であり、その誘電体製の部分の内部に不図示の吸着電極が埋設されている。そして、吸着電極に静電吸着用の直流電圧を印加する不図示の吸着電源が設けられている。吸着電源が電圧を印加すると、基板ホルダー5の上面に静電気が誘起され、基板9が静電吸着されるようになっている。
この基板ホルダー5は、高周波電極3とともに放電空間を形成する別の高周波電極になっている。基板ホルダー5は、高周波電極3と同軸上に配置されて対向している。つまり、基板ホルダー5と高周波電極3とは、平行平板電極を構成している。
処理チャンバー1の下側には、同軸の円筒部62が設けられている。円筒部62は底板部を有し、その中央部分で接地されている。従って、処理チャンバー1は、直流的には接地電位である。基板ホルダー5は、処理チャンバー1から絶縁材52によって絶縁されている。従って、基板ホルダー5は、直流的には接地電位から浮いた状態、つまり浮遊電位を取るようになっている。
また、基板ホルダー5は、同軸に設けられた支柱61によって支えられている。円筒部62、支柱61、基板ホルダー5、処理チャンバー1等は、すべて同軸である。イオン入射用電源50は、支柱61を介して基板ホルダー5に接続されている。尚、円筒部62には、イオン入射用整合器51が設けられており、イオン入射用電源50は、イオン入射用整合器51を介して基板ホルダー5に高周波電圧を印加するようになっている。
基板ホルダー5の周囲を取り囲むようにして、シールド12が設けられている。シールド12も、基板ホルダー5等と同様に、基板9と同軸であり、円筒形である。シールド12は、処理チャンバー1の底壁部に下端が固定されている。シールド12は、基板ホルダー5の周囲で放電が生ずるのを防止するものである。尚、基板ホルダー5、シールド12、処理チャンバー1の底板部、円筒部62、支柱61等が、プラズマ用電源4の周波数で共振するよう構成されていると、基板ホルダー5が高周波的に接地された状態となり、高周波電極3と基板ホルダー5との間の電圧が最も高くなって高周波放電が最も効率よくなるので、効果的である。
さて、本実施形態の装置は、前述したような二周波タイプの装置となっている。即ち、プラズマ用電源4は、本実施形態では、VHF帯に属する周波数例えば60MHzの高周波を発生させるものとなっている。一方、イオン入射用電源50は、本実施形態では、HF帯に属する周波数例えば1.6MHzの高周波を発生させるものとなっている。プラズマ用電源4の出力は、500W〜10kW程度である。イオン入射用電源50の出力は、0〜10kW程度である。
また、本実施形態の装置は、高周波電極3への高周波電力の供給状況をモニタする電力供給状況モニタ43を備えている。電力供給状況モニタ43は、プラズマ用電源4からの高周波電極3への高周波線路における進行波電力に対する反射波電力の比をモニタするものである。このような電力供給状況モニタ43としては、方向性結合器を使用したものが使用できる。
本実施形態の大きな特徴点は、上述したような二周波数を使用したプラズマ処理を最適化するため、プラズマ用電源4とイオン入射用電源50の動作のタイミングを制御するコントローラ7が設けられている点である。コントローラ7は、プラズマ形成のためのシーケンス制御の他、装置の各部のシーケンス制御も行うものである。コントローラ7は、シーケンス制御用の信号が入力される入力部71と、シーケンス制御のためのシーケンス制御プログラム70を記憶した記憶部72と、入力部71から入力される信号に従ってシーケンス制御プログラム70を実行するプロセッサ73と、制御用の信号を出力する出力部74等から構成されている。入力部71には、装置の各部の動作状態をモニタする不図示の各モニタや検出器からの信号が入力されるようになっている。各信号の入力ラインには、ADコンバータ75が設けられている。
次に、酸化シリコンエッチング方法の発明の実施形態の説明も兼ねて、コントローラ7に備えられたシーケンス制御プログラム70について、図2及び図3を使用して説明する。図2は、コントローラ7に備えられたシーケンス制御プログラム70を概略的に示したフローチャート、図3は、図2のシーケンス制御プログラム70おけるプラズマ用電源4とイオン入射用電源50の動作のタイミングについて示すタイミングチャートである。図2に示すフローチャートは、プラズマ形成及びイオン入射用電界の設定の部分を抜粋して概略的に示したものとなっている。尚、図3中、「プラズマ形成の状況」の欄は、放電空間のガスの電離度の推移を概略的に示したものである。電離度が高くなって安定した値に落ち着くと、プラズマが安定的に形成されたとすることができる。
処理チャンバー1内は、排気系11により予め所定の真空圧力に排気されている。プラズマ形成は、まず、プロセスガス導入系2によるプロセスガスの導入によりスタートする。コントローラ7は、プロセスガス導入系2に制御信号を送り、プロセスガスを所定の流量で導入させる。また、コントローラ7は、排気系11に制御信号を送り、処理チャンバー1内の圧力を所定の値に維持させる。
プロセスガス導入系2に設けられた不図示の流量計や処理チャンバー1に設けられた不図示の真空計により流量や圧力が所定の値に維持されていることが確認された後、コントローラ7は、まず、プラズマ用電源4を動作させる。この結果、プラズマ用整合器41を介して高周波電極3に高周波電圧が印加され、プラズマが形成される。
この際、コントローラ7は、高周波電極3への高周波電圧の印加開始と同時にタイマーをスタートさせる。そして、タイマーが設定経過時間をカウントすると、コントローラ7は、イオン入射用電源50を動作させる。この結果、基板ホルダーに高周波電圧が印加され、前述したように、基板9に自己バイアス電圧が与えられる。これにより、イオン入射用電界が設定される。
上述したシーケンス制御プログラム70において、設定経過時間は、高周波電極3への高周波電圧の印加後、イオン入射用電源50を動作させるまでのタイムラグとして設定された時間である。この設定経過時間は、高周波電極3への高周波電圧印加後、プラズマが安定してから基板ホルダー5にイオン入射用の高周波電圧を印加すべく設定されたものである。以下、この点について説明する。
発明者の研究によると、プラズマ用電源4のようなVHF帯の高周波電源と、イオン入射用電源50のようにHF帯の高周波電源とを同時に動作させて放電を開始させた場合、プラズマが安定状態に移行できず、電源の保護回路等が働いてプラズマ形成が不能になってしまうような事態が生ずることが確認された。以下、この点について説明する。
図4は、整合器によってインピーダンス整合を行いながら高周波気体放電によるプラズマ形成を行う場合の反射波の大きさの推移について示した図である。
周知のように、高周波気体放電によるプラズマ形成のメカニズムにおいては、まず、原初的に存在する電子が電界によって加速されて中性ガス分子に衝突して電離させる。電離より生じた二次イオンがさらに別の中性ガス分子に衝突して電離させ、このような過程が繰り返されて、急激に電子とイオンの量が増えて放電が始動する。そして、イオン化したガスの量が多くなり、プラズマ状態に移行する。
本実施形態におけるプラズマ用整合器41のように、プラズマ形成用の高周波電源と負荷である放電空間との間に設けられた整合器は、通常、プラズマ形成時に負荷側のインピーダンスが最適なインピーダンスになるよう構成される。つまり、プラズマ形成時に、負荷側のインピーダンスが線路の特性インピーダンスに精度良く一致し、反射波が少なくて最も多くの電力がプラズマに結合するよう構成される。
この際、図4に示すように、高周波電圧の印加後の初期状態においては、放電空間のガスの電離度は低く、空間インピーダンスが高い。従って、整合器によっても最適整合状態から少し外れており、反射波はある程度多い。しかしながら、高周波電力は放電空間に供給されており、供給された電力により中性ガス分子のイオン化が進むと、徐々にガスの電離度は高くなり、ガスはプラズマ状態に近づく。この結果、整合器による最適整合状態に近づくため、反射波も徐々に低減する。そして、プラズマが安定すると、反射波も低い安
尚、高周波電源は、通常、出力電圧を一定に維持するよう制御されている。そして、負荷からの反射波をモニタする反射波モニタを有しており、反射波が限度以上に多くなると、自動的に出力電圧をダウンさせて電源を保護する保護回路が設けられている。
このような高周波気体放電によるプラズマ形成において、VHF帯の高周波によってプラズマを形成するものの、何らかの目的でHF帯の高周波も同時に印加すると、図4に示すように、VHF帯の高周波の反射波は低減せず、逆に反射波が大きくなってしまうことがある。
VHF帯の高周波とHF帯の高周波とを電空間に供給すると、放電空間の電界は、VHF帯の高周波がHF帯の高周波により変調された状態となる。この場合、電源側に戻るVHF帯の反射波も、HF帯の高周波で変調された状態となる。
図5は、電源側に戻るVHF帯の反射波の状況について示した図である。図5中の(1)は、VHF帯の高周波が最適整合状態で供給されている際にHF帯の高周波が供給された場合の反射波の状況、図5中の(2)は、VHF帯の高周波の供給がまだ最適整合状態でない段階でHF帯の高周波が供給される場合の反射波の状況について示している。
図5(1)に示すように、VHF帯が充分に整合が取れた状態で放電空間に供給されている際にHF帯の高周波が供給される場合、元々の反射波が少ないので、HF帯の高周波により変調されてもピーク値として大きな値を持つことはない。しかしながら、図5(2)に示すように、VHF帯の供給が最適整合整合でないときにHF帯の高周波が供給される場合、反射波が大きいので、それがHF帯の高周波により変調された場合、ピーク値として大きな値を持つ。反射波モニタは、この大きなピーク値を捉えて反射波が増大したと判断し、この結果、図4に示すように、保護回路がVHF帯の電源をダウンさせてしまうことがある。
本実施形態における設定経過時間は、このような知見及び検討に基づくものである。即ち、高周波電極3からの反射波が限度以上に大きくならないようにしてイオン入射用の高周波を重畳させるため、プラズマ用電源4による高周波電力供給が最適整合状態になった後、イオン入射用電源50を動作させるという技術的意義を有するものである。高周波電極3へのVHF帯の高周波電圧印加後、プラズマが安定して最適整合状態になるまでの時間は、本実施形態では約1秒程度である。従って、安全を見込んで、設定経過時間は2秒に設定されている。
次に、酸化シリコンエッチング方法の発明の実施形態の説明も兼ねて、本実施形態の装置の全体の動作について概略的に説明する。
基板9は、大気側から不図示のロードロックチャンバーに搬入される。ロードロックチャンバー及び処理チャンバー1が所定の真空圧力まで排気された後、不図示のゲートバルブが開けられ、不図示の搬送系により基板9は処理チャンバー1内に搬入され、基板ホルダー5の上の所定位置に載置される。不図示の吸着電源が動作して、基板9が基板ホルダー5に静電吸着される。
この後、プロセスガス導入系2が動作して所定のエッチング作用のあるガスが所定の流量で導入される。この状態で、前述したようにまずプラズマ用電源4が動作し、高周波放電が生じてプラズマが形成される。そして、設定経過時間の経過後、イオン入射用電源50が動作し、基板9に自己バイアス電圧が与えられる。プラズマ中では、活性種やイオン、もしくはラジカルが生成され、これらの化学種が基板9に達して、基板9の表面に存在する酸化シリコンがエッチングされる。基板9に与えられた自己バイアス電圧により、プラズマ中のイオンは効率良く引き出されて基板9に入射し、エッチングを促進する。
より具体的に説明すると、例えばプロセスガスとして四フッ化炭素と水素の混合ガスが導入される。プラズマ中では、フッ素活性種、フッ素イオン、水素活性種、水素イオンが生成され、これらの化学種は、基板9の表面に存在する酸化シリコンと反応して、フッ化シリコンや水等の揮発物を作り出す。この結果、酸化シリコンがエッチングされる。この際、イオン衝撃エネルギー制御用電圧が基板9に与えられているので、フッ素イオンや水素イオンのエネルギーによりエッチングが促進され、またそれらイオンが基板9により垂直に入射するので、サイドエッチングの少ない良好なエッチング形状が得られる。
このようなエッチングを所定時間行った後、プラズマ用電源4、イオン入射用電源50及びプロセスガス導入系2の動作を止める。処理チャンバー1内を再度排気するとともに、基板9の静電吸着を解除する。そして、基板9を基板ホルダー5から取り去り、不図示のロードロックチャンバーを経由して大気側に取り出す。このような動作を繰り返して、各基板9に対してエッチングの枚葉処理を行う。
上記構成及び動作に係る本実施形態の装置によれば、プラズマ用電源4によるVHF帯の高周波電力の供給が最適整合状態になってからイオン入射用電源50によるHF帯の高周波電力の供給が開始されるので、反射波が多くなってプラズマ用電源4が出力をダウンさせてしまうような事態が発生しない。従って、プラズマ形成を常に安定して行うことができ、信頼性の高い装置となる。
次に、本願発明の第二の実施形態の装置について説明する。
図6は、第二の実施形態に係る酸化シリコンエッチング装置の正面断面概略図である。第二の実施形態の装置は、第一の実施形態の装置の構成をさらに最適化するため、プラズマが形成されたことを確認するプラズマ形成確認手段を備えている。また、これに伴い、コントローラ7のシーケンス制御プログラム70も多少変更が加えられている。
プラズマ形成確認手段として、処理チャンバー1内に形成されるプラズマをモニタするプラズマモニタ81と、高周波電極3に自己バイアス電圧が与えられたどうかを検出する自己バイアス電圧検出器82とが設けられている。プラズマ形成確認手段の構成としては、これらのいずれか一方のみが設けられている構成でも良い。
プラズマモニタ81は、処理チャンバー1内からの発光を検出することによりプラズマが形成されたかどうかをモニタするものである。具体的には、プラズマモニタ81には、照度計やスペクトルモニタ(分光器)等の光測定器が使用される。尚、処理チャンバー1の側壁には光学窓811が設けられている。光学窓811は、モニタする発光波長の光を充分透過できる材質で設けられており、プラズマモニタ81は光学窓811を通して内部の発光をモニタするようになっている。
自己バイアス電圧検出器82は、高周波電極3の電位変化から自己バイアス電圧の大きさを検出するものとなっている。図7は、自己バイアス電圧を説明する図である。図7に示すように、高周波電極3に対しキャパシタンスを介して高周波電圧Vを印加してプラズマを形成した場合、高周波電極3の表面の電位変化は、Vとして示すように高周波に負の直流電圧Vdcを重畳したようなものとなる。このVdcが自己バイアス電圧である。
自己バイアス電圧検出器82は、高周波電極3の電位変化をモニタし、その時間平均値又は上下のピーク値の平均値を算出する。そして、その値をアース電位と比較して自己バイアス電圧の大きさを検出するようになっている。尚、図6に示すように、自己バイアス電圧検出器82は、直接的には内導体421の電位をモニタしているが、この部分の電位と高周波電極3の電位とは実効的に同じであるとして良い。
図8及び図9を使用して、第二の実施形態におけるシーケンス制御プログラム70について説明する。図8は、第二の実施形態におけるシーケンス制御プログラム70を概略的に示したフローチャート、図9は、図8のシーケンス制御プログラム70おけるプラズマ用電源4とイオン入射用電源50の動作のタイミングについて示すタイミングチャートである。
コントローラ7は、同様に、処理チャンバー1内に所定の流量でプロセスガスが導入され、処理チャンバー1内が所定の真空圧力に維持されていることを確認した後、プラズマ用電源4を動作させる。コントローラ7は、高周波電極3への高周波電圧の印加開始と同時又はその以前から、プラズマモニタ81及び自己バイアス電圧検出器82からの信号の入力させている。
高周波電極3への高周波電圧の印加により、前述したように、放電空間に絶縁破壊が生じて放電が開始され、ガスの電離度が急激に高くなり、プラズマの形成が始まる。プラズマ密度(プラズマ中の電子又はイオンの数密度)がある程度高くなると、プラズマモニタ81又は自己バイアス電圧検出器82からの信号により、コントローラ7は、プラズマが形成されたことを確認する。図8に示すように、コントローラ7は、このプラズマ形成確認のタイミングでタイマーのカウントを開始する。
タイマーが設定経過時間をカウントすると、コントローラ7は、イオン入射用電源50を動作させる。この結果、基板ホルダー5に高周波電圧が印加され、前述したように、基板9に自己バイアス電圧が与えられる。これにより、イオン入射用電界が設定される。
この第二の実施形態においても、プラズマが安定するのに充分な時間が経過した後にHF帯の高周波電力が供給されるので、反射波の増大によってプラズマ用電源4がダウンしてしまうような事故が生じない。これに加えて、プラズマ用電源4を動作させた後、プラズマの形成を確認してからタイマーのカウントをスタートさせるので、プラズマが形成されていない状態で誤ってイオン入射用電源50を動作させてしまう事故が発生しない。
尚、第二の実施形態における設定経過時間については、0秒以上の任意の値を設定することができる。つまり、プラズマ形成確認と同時にイオン入射用電源50を動作させても良い。プラズマが形成される過程で、プラズマモニタ81からの信号及び自己バイアス電圧検出器82からの信号は連続的に大きくなるが、それらがどの程度の大きさになった時点でプラズマが形成されたと確認するかによっても、設定経過時間は適宜変更される。また、プラズマ形成からプラズマが安定化するまでの時間も、圧力等によって変わるので、それらに応じて設定経過時間は適宜変更される。
次に、本願発明の第三の実施形態について説明する。
図10は、第三の実施形態に係る酸化シリコンエッチング装置の正面断面概略図である。第三の実施形態の装置の大きな特徴点は、プラズマ形成の前後における放電空間のインピーダンスの違いを考慮して装置を最適化したものとなっている。具体的には、第三の実施形態の装置は、図10に示すように、第二の実施形態の装置の構成に加え、プラズマ用整合器41を制御する整合器制御系44を備えている。また、同様の目的でコントローラ7におけるシーケンス制御プログラム70も変更が加えられている。
まず、整合器制御系44について説明する。
図11は、第三の実施形態の装置に設けられたプラズマ用整合器41及び整合器制御系44の詳細を示す図である。図11に示すように、プラズマ用整合器41は、抵抗411と、抵抗411の両端とアースとの間に設けられた一対の可変容量コンデンサ412,413とから成っている。抵抗411の一方の側がプラズマ用電源4側、他端が負荷側(高周波電極3側)である。
整合器制御系44は、各可変容量コンデンサ412,413の一方の電極を他方の電極に対して変位させてキャパシタンスを変えるモータ441,442と、モータ441,442のドライバ回路443,444、ドライバ回路443,444に制御信号を送る制御部445等から構成されている。モータ441,442には、高精度のサーボモータが使用される。
次に、整合器制御系44が行うプラズマ用整合器41の制御について説明する。図12は、整合器制御系44が行うプラズマ用整合器41の制御について説明した図である。周知のように、インピーダンスマッチングは、負荷側のインピーダンスを線路の特性インピーダンスに一致させて反射波を無くすようにすることである。図12に示すように、本実施形態では、抵抗の両端に並列に設けられた可変容量コンデンサ412,413を制御することでプラズマ用整合器41から負荷側のインピーダンスを調整して整合を取っている。これは、本実施形態のように高周波を使用する装置では、抵抗の変動に比べてキャパシタンスの変動が全体のインピーダンスの変化に与える影響が大きく、キャパシタンスを調整する方が効率的だからである。
上記プラズマ用整合器41の構成において、それが持つインピーダンスは、二つの可変容量コンデンサ412,413が持つキャパシタンスの関数であり、二つのキャパシタンスをC1,C2とすると、インピーダンスZは、Z=f(C1,C2)となる。
本実施形態のように高周波による気体放電によりプラズマ形成を行う場合に特に注意しなければならないのは、放電の開始前と放電の開始後では、負荷である放電空間のインピーダンスが大きく変わってしまうことである。放電の開始前には、放電空間にはガスが導入されているものの絶縁体でありインピーダンスは高い。しかしながら、放電が開始されてプラズマが形成されると、プラズマは周知のようにマクロ的には導体に相当するので、インピーダンスが低くなる。プラズマが形成された場合、インピーダンスは、高周波電極3とプラズマとの間のシース容量に大きく依存する。従って、インピーダンス整合も、放電開始前と放電開始後に分けて考える必要がある。
ここで、放電開始させるために必要なインピーダンス整合の条件について考えている。放電開始に必要なインピーダンス整合条件とは、放電空間を絶縁破壊させるのに必要な条件である。この条件を達成するC1,C2の範囲(以下、放電開始可能範囲)は、図12に示すように比較的広い。放電開始可能範囲は、放電空間の圧力が高くなると、さらに広がる傾向がある。
一方、放電開始後のインピーダンス整合は、プラズマを効率良く維持できるようにするためのものである。つまり、高周波電極3を介してプラズマに印加される高周波電力のうち、反射波が最も少なく、プラズマに結合する(正確には、プラズマが形成されている放電空間に結合する)高周波電力の割合が最も多くなるようにするのが理想的である。このような理想的な状態が達成されるインピーダンス整合条件は、非常に狭いものであり、いわばピンポイントの条件である。以下、この条件を最良点と呼ぶ。
最良点のインピーダンス整合条件は、放電開始可能範囲内に入っている場合もあるが、その外側にある場合が多い。従って、放電開始可能範囲内の条件でインピーダンス整合を行って放電を開始させた後、インピーダンス整合条件を変えて最良点でインピーダンス整合がされるようにすることが最も好ましい。本実施形態の整合器制御系44は、このような考え方のもと、まず、放電開始可能範囲内のインピーダンス整合条件として設定放電開始点でまずインピーダンス整合を行い、その後、最良点でのインピーダンス整合に切り替えている。
本実施形態では、設定放電開始点は、予め実験的に求めて定められる。より具体的に説明すると、プロセスガスを導入していない状態で処理チャンバー1内を4Pa程度の真空に保ち、実際の基板9の処理の場合と同程度の電力を高周波電極3に印加する。この場合、放電は生じないが、可変容量コンデンサ412,413を駆動してインピーダンスを変えると、高周波電極3から戻ってくる反射波の大きさを変化する。そして、電圧供給状況モニタ43により、反射波が最も小さくなった際のC1,C2を記憶し、それを設定放電開始点とする。コントローラ7の記憶部72は、このような設定放電開始点を記憶するよう
また、最良点でのインピーダンス整合は、本実施形態では、電力供給モニタからの信号に従って自動的に行うようになっている。即ち、制御部445は、電力供給モニタからの信号を常時入力させており、進行波に対する反射波の大きさが常時モニタされている。そして、進行波に対する反射波の大きさが最も小さくなるよう、整合器制御系44に制御信号を送る。
より具体的に説明すると、二つの可変容量コンデンサ412,413のうちの一方を第一コンデンサ412としこれを駆動するモータ441を第一モータ441とする。また、他方の可変容量コンデンサ413を第二コンデンサ413としこれを駆動するモータ442を第二モータ442とする。第一第二コンデンサ412,413において、キャパシタンスを多くする向きを+方向、少なくする向きを−方向とする。
制御部445は、第一コンデンサ412が例えば+方向に駆動されるようドライバ回路443に信号を送る。この際、反射波が増加したら逆に−方向に第一コンデンサ412が駆動されるようにする。+方向又は−方向に駆動させた際、反射波が減少していき、極小値を越えて上昇に転じたら、−方向又は+方向に逆転させる。第一モータ441はサーボモータであり、反射波が極小値を取るよう、常に第一コンデンサ412を駆動する。第二コンデンサ413を駆動する第二モータ442についても同様であり、反射波が極小値となるようサーボ制御が行われる。
図12には、上述した整合器制御系44における制御の結果、C1,C2がどのように変化していくかが軌跡として示されている。図12に示すように、C1,C2は、最初は設定放電開始点に一致し、この状態で放電が開始される。放電が開始した後、電力供給状況モニタ43による自動制御になり、C1,C2は不安定に変化する。そして、プラズマが安定化すると、C1,C2も最良点に一致した状態で安定化する。プラズマが安定化すると、二つの可変容量コンデンサ412,413の駆動量(モータ441,442の回転量)は極小値になる。整合器制御系44は、二つの可変容量コンデンサ412,413の駆動量をコントローラ7に常時出力している。コントローラ7は、二つの可変容量コンデンサ412,413の駆動量がある設定値以下の大きさになったことを確認すると、プラズマが安定したと判断する。
尚、最良点のインピーダンス整合条件は、常に一定という訳ではなく、各回のプラズマ処理において異なる場合がある。これは、処理条件(処理チャンバー1内の圧力やプロセスガスの種類等)が変わった場合に生ずるが、それだけではなく、処理チャンバー1の内壁面に堆積物が生じたりする場合にも生ずる。整合器制御系44は、そのときどきの最良点になるようプラズマ用整合器41を制御する。
次に、本実施形態におけるシーケンス制御プログラム70について、図13及び図14を使用して説明する。図13は、第三の実施形態におけるシーケンス制御プログラム70を概略的に示したフローチャート、図14は、図13のシーケンス制御プログラム70おけるプラズマ用電源4とイオン入射用電源50の動作のタイミングについて示すタイミングチャートである。尚、図14中の「整合用インピーダンス」の欄は、プラズマ用整合器41のインピーダンスの大きさの推移を例示的に且つ模式的に示したものである。
コントローラ7は、同様に、処理チャンバー1内に所定の流量でプロセスガスが導入され、処理チャンバー1内が所定の真空圧力に維持されていることを確認した後、プラズマ用電源4を動作させる。この際、コントローラ7は、前述した放電開始点の条件でインピーダンス整合が予め行われるよう、整合器制御系44の制御部445に信号を予め送っている。整合器制御系44は、放電開始点の条件になるよう、二つの可変容量コンデンサ412,413を予め駆動しておく。 プラズマ用電源4によって高周波電極3に高周波電圧が印加されると、前述したように、放電空間に絶縁破壊が生じて放電が開始され、プラズマが形成される。コントローラ7は、高周波電極3への高周波電圧の印加開始と同時又はその以前から、プラズマモニタ81及び自己バイアス電圧検出器82からの信号を入力させている。
コントローラ7は、プラズマモニタ81もしくは自己バイアス電圧検出器82又はその双方からの信号により、放電が始動してプラズマが形成されたことを確認すると、整合器制御系44に制御信号を送り、インピーダンス整合条件を変える。即ち、前述した最良点で整合が取れるようにする自動制御に切り替えるよう整合器制御系44に信号を送る。と同時に、コントローラ7は、タイマーのカウントをスタートさせる。
整合器制御系44は、前述したように電力供給状況モニタ43からの信号により二つの可変容量コンデンサ412,413を駆動し、最良点になるよう自動制御を行う。コントローラ7は、タイマーのカウントが設定経過時間に一致したら、前述した実施形態と同様に、イオン入射用電源50を動作させる。この結果、基板ホルダー5に高周波電圧が印加され、前述したように、基板9に自己バイアス電圧が与えられる。これにより、イオン入射用電界が設定される。
本実施形態の装置においても、プラズマが安定するのに充分な時間が経過した後にHF帯の高周波電力が供給されるので、反射波の増大によってプラズマ用電源4がダウンしてしまうような事故が生じない。プラズマが安定するのに充分な時間が経過した後にHF帯の高周波電力が供給されるので、反射波の増大によってプラズマ用電源4がダウンしてしまうような事故が生じない。
これに加え、放電開始点のインピーダンス整合条件下で放電が開始され、プラズマの形成を確認した後、最良点でインピーダンス整合が取れた状態になるようにする自動制御が行われるので、放電開始時及びプラズマ形成後ともに最適なインピーダンス整合の状態が確保される。このため、放電開始時及びプラズマ形成後ともに、反射波が少なく、放電の開始やプラズマの維持にための電力効率が高くなる。
尚、第三の実施形態において、プラズマ安定維持のため、前述した最良点になるようにする自動制御を行うことは必ずしも必須条件ではない。例えば、プラズマ安定維持に最適なプラズマ用整合器41におけるインピーダンス値(設定最良点)を予め求めておき、プラズマ形成確認後、放電開始点からその設定最良点にスイッチするだけで良い場合もある。また、プラズマ形成確認後、設定最良点にスイッチし、その状態からさらに最良点になるようにする自動制御を行っても良い。
尚、放電開始に適した条件でのインピーダンス整合からプラズマ安定維持に適した条件でのインピーダンス整合への切り替えは、プラズマ形成確認手段によるプラズマ形成確認と同時であったが、それからさらに少しタイムラグをおいた方が良い場合もある。例えば、3Pa程度以下の低圧で放電を開始させる場合、放電開始後プラズマが安定状態に移行するまでに多少長い時間を要する。この時間は長くても3秒を越えることはない。従って、プラズマ用電源4への高周波電圧印加後、安全を見込んで6秒程度経過した際にプラズマ安定維持に適したインピーダンス整合条件に切り替えるようにすると好適である。この場合も、プラらズマ安定維持に適したインピーダンス整合条件に切り替えてから2秒程度経過した後、イオン入射用電源50を動作させる。
また、この第三の実施形態において、イオン入射用電源50については、基板の処理の際に供給されるべき値として設定された設定値にその供給電力が達するまで0.5秒以上6秒以下となるよう、徐々にその供給電力を増加させることが好ましい。いきなり設定値の電力を印加すると、放電空間の条件やプラズマの状態が大きく変化してしまう。この場合、そのような変化が大きいと、プラズマ用電源4の自動制御が追従できなくなり、インターロックが働いてプラズマ用電源4がダウン(自己保護のための出力停止)してしまう可能性がある。このような事故が無いようにするには、イオン入射用電源50は、動作開始後、0.5秒以上かけて設定値にもっていくようにすることが好ましい。尚、この時間が6秒を越えると、生産性の点で問題が生ずるので、6秒以下とすることが好ましい。
次に、本願発明の第四の実施形態について説明する。第四の実施形態の装置は、シーケンス制御プログラム70の構成が第三の実施形態と異なっている。他の部分は基本的に同一である。図15は、第四の実施形態におけるシーケンス制御プログラム70を概略的に示したフローチャート、図16は、図15のシーケンス制御プログラム70おけるプラズマ用電源4とイオン入射用電源50の動作のタイミングについて示すタイミングチャートである。
第四の実施形態の装置の大きな特徴点は、電力供給状況モニタ43からの信号により、プラズマが安定したことを確認した後、イオン入射用電源50を動作させることである。具体的に説明すると、第三の実施形態と同様に、放電開始点の条件でプラズマ用電源4を動作させてプラズマを形成する。電力供給状況モニタ43は、進行波に対する反射波の相対的な割合を計測し、そのデータをADコンバータ75を介してコントローラ7に送る。コントローラ7は、プラズマ形成確認手段からの信号によりプラズマ形成を確認した後、最良点での自動制御に切り替える。自動制御の過程で、プラズマは安定状態に移行する。
プラズマが安定状態に移行する過程で、図16に示すように、反射波が徐々に低下していく。コントローラ7は、反射波が所定の基準値以下の低い値に安定したかどうかを判断し、これが真値であった場合、これをもってプラズマが安定したとする。コントローラ7は、このタイミングでイオン入射用電源50を動作させ、イオン入射用電界を設定する。
本実施形態の装置によれば、上述した効果に加え、プラズマの安定化を確認してからイオン入射用電源50を動作させるので、プラズマ形成後、何らかの事情で安定状態に移行していないにもかかわらず、イオン入射用電源50が動作してしまう事故が発生しない。反射波がどの程度まで低下したらプラズマが安定化したと判断するかについては、例えば、「進行波の20%以下に低下した場合」とすることができる。
次に、本願の第五の実施形態について説明する。第五の実施形態の装置も、シーケンス制御プログラム70の構成が他の実施形態と異なっている。それ以外の部分は基本的に同一である。図17は、第五の実施形態におけるシーケンス制御プログラム70を概略的に示したフローチャート、図18は、図17のシーケンス制御プログラム70おけるプラズマ用電源4とイオン入射用電源50の動作のタイミングについて示すタイミングチャートである。
第五の実施形態の装置におけるコントローラ7は、同様に、放電開始点の条件でプラズマ用電源4を動作させて放電を開始する。この際、プラズマ用電源4の動作開始から、コントローラ7は、整合器制御系44の制御を、最良点になるようにする自動制御とする。また、第一の実施形態と同様に、プラズマ用電源4と同時にタイマーのカウントをスタートさせる。
放電が開始されてガスの電離度が高まるにつれ、反射波も徐々に低下する。これに追従するようにして整合器制御系44がインピーダンスを変えるので、整合用インピーダンスは図18に示すように不安定に変化する。そして、プラズマが安定化すると、反射波の低下も落ち着いて安定化するので、整合用インピーダンスもある値に落ち着く。
プラズマが安定化するのに要する時間よりも充分に長い時間に設定されている設定経過時間をタイマーがカウントすると、コントローラ7は、コントローラ7は、イオン入射用電源50を動作させる。この結果、イオン入射用電界が設定される。
この実施形態の構成によれば、プラズマ形成確認手段が不要になり、この点で装置が簡略化できるメリットがある。
尚、この第五の実施形態においても、タイマーによる設定経過時間のカウントによらず、電力供給状況モニタ43からの信号によりプラズマの安定化を確認した際にイオン入射用電源50を動作させても良い。
また、プラズマの安定化確認は、電力供給状況モニタ43からの信号によらず、整合器制御系44からの信号によっても良い。即ち、上述したように、プラズマが安定化すると、可変容量コンデンサ412,413の駆動量が殆どゼロになり、整合用インピーダンスはある値に落ち着く。従って、前述したように、可変容量コンデンサ412,413の駆動量をモニタしてそのデータをコントローラ7に送るようにし、このデータからプラズマ安定化を確認しても良い。
次に、本願の第六の実施形態について説明する。第六の実施形態の装置も、シーケンス制御プログラム70の構成が他の実施形態と異なっている。それ以外の部分は基本的に同一である。図19は、第六の実施形態におけるシーケンス制御プログラム70を概略的に示したフローチャート、図20は、図19のシーケンス制御プログラム70おけるプラズマ用電源4とイオン入射用電源50の動作のタイミングについて示すタイミングチャートである。
第六の実施形態の装置におけるコントローラ7は、同様に、放電開始点の条件でプラズマ用電源4を動作させて放電を開始する。電力供給状況モニタ43は、進行波に対する反射波の相対的な割合を計測し、そのデータをADコンバータ75を介してコントローラ7に送る。コントローラ7は、プラズマ形成確認手段からの信号によりプラズマ形成を確認した際、まず、インピーダンス整合条件を設定最良点とするとともに、タイマーのカウントをスタートさせる。コントローラ7は、インピーダンス整合条件を設定最良点に固定して維持し、タイマーのカウントが所定の経過時間(以下、インピーダンス固定時間)に達したら、自動制御に切り替える。そして、前述した第3の実施形態と同様、自動制御が安定するまの時間が経過した後、イオン入射用電源50を動作させる。
この実施形態の構成は、放電開始点でのインピーダンス整合から自動制御によるインピーダンス整合への切り替えをより確実にスムーズにする技術的意義がある。以下、この点について説明する。
前述した第三の実施形態において、放電開始点でのインピーダンス整合から自動制御に切り替えた際、前述したように、最良点になるよう整合器制御系が動作する。整合器制御系は、整合用インピーダンスを調節し、より反射波が少なくなるようにする。これにより、プラズマに投入されるパワーが増し、電離度が高くなる。そして、これに伴い、プラズマのインピーダンスも変化するので、それに追従するように整合器制御系が自動制御を行う。そして、プロセスガスが殆どすべて電離し、プラズマの状態が安定すると、最良点となり、プラズマへの投入パワーも安定して整合用インピーダンスもある一定に落ち着く。
しかしながら、自動制御を開始した直後の段階で、反射波がある程度大きい場合、目的とする状態からかなり外れた状態で整合を取るよう自動制御が行われてしまうことがある。具体的に説明すると、放電開始点と最良点との差異が比較的大きい場合、放電開始点でのインピーダンス整合から自動制御に切り替えた直後では、ある程度大きな反射波が存在している場合がある。その場合にも、自動制御により、前述したように最良点に落ち着く筈なのであるが、反射波がある一定以上存在している場合、最良点に落ち着く前にプラズマ用電源4の保護回路が働き、プラズマ用電源4は出力を大きくダウンさせてしまうことがある。
こうなると、プラズマへの投入パワーが大きく変化する結果、プラズマの状態(プラズマシースの厚さ、シース電位、プラズマ密度等)も大きく変化してしまう。そして、この変化したプラズマの状態において最良点になるよう自動制御が続行されるので、結果的に、目的としていた状態からかなり外れた状態で整合を取ろうとすることになってしまう。つまり、かなり投入パワーの低い状態で整合を取ろうとすることになってしまう。従って、整合が取れたとしても、プラズマ密度がかなり低い等、正しい処理条件とは異なる処理条件となってしまう。
一方、この第六の実施形態によれば、放電開始点での制御から自動制御に切り替える前に、設定最良点で固定して一定時間維持する制御を行う。設定最良点は、圧力、プロセスガスの流量、印加電圧等の諸条件に従い、自動制御において到達するであろう最良点を予め予想して、実験的に又は理論的に定めておく。設定最良点の条件を一定時間維持する間に、プロセスガスの電離がほぼ飽和する等、プラズマの状態が最良点に近い状態となる。この状態から自動制御が開始されるので、自動制御開始時における反射波は上記第三の実施形態に比べてかなり小さい。従って、目的する状態から外れた状態でインピーダンス整合が取られることがなく、正しい条件での処理を常に行うことができる。このため、再現性や信頼性の点で優れたプラズマ処理装置となる。尚、このような技術的意義は、放電開始点でのインピーダンス整合を予め行う場合に限られるものではなく、最良点の自動制御を行う場合一般に妥当する。また、設定最良点に固定して維持する時間は、好ましくは0.5秒以上5秒以下、例えば1秒程度でよい。
次に、本願の第七の実施形態について説明する。第七の実施形態の装置も、シーケンス制御プログラム70の構成が他の実施形態と異なっている。それ以外の部分は基本的に同一である。図21は、第七の実施形態に係る酸化シリコンエッチング装置の正面断面概略図、図22は、第七の実施形態におけるシーケンス制御プログラム70を概略的に示したフローチャート、図23は、図22のシーケンス制御プログラム70おけるプラズマ用電源4とイオン入射用電源50の動作のタイミングについて示すタイミングチャートである。
第七の実施形態では、次の二つのポイントが前述した各実施形態と異なっている。一つめは、放電開始点の条件でプラズマ用電源4をスタートさせた後、所定時間内にプラズマの形成が確認されなかった場合、リセットをしてプログラムを最初からやり直す点である。二つめは、プラズマ用電源4に加えてイオン入射用電源50の投入電力制御も最適化している点である。
具体的に説明すると、図21に示すように、本実施形態では、イオン入射用整合器51を制御する整合器制御系53を備えている。コントローラ7は、この整合器制御系53も制御可能となっている。また、整合器制御系53は、イオン入射用電源50が高周波を供給する際の進行波に対する反射波の大きさを常時モニタする不図示の電力供給モニタを含んでおり、進行波に対する反射波の大きさが最も小さくなるインピーダンス整合条件を自動制御することが可能となっている。
図22に示すように、第七の実施形態の装置におけるコントローラ7は、同様に、放電開始点の条件でプラズマ用電源4を動作させて放電を開始させる。同時に、タイマーのカウントをスタートさせる。電力供給状況モニタ43は、進行波に対する反射波の相対的な割合を計測し、そのデータをADコンバータ75を介してコントローラ7に送る。
図22に示すように、タイマーが所定の経過時間をカウントするまで、プラズマ形成確認手段によるプラズマ形成の確認が成されなかった場合、シーケンス制御プログラム70は、プラズマ用電源4を一旦オフにし、タイマーのカウントをゼロに戻す。そして、スタートに戻り、放電開始点の条件で再びプラズマ用電源4を動作させる。
所定の経過時間内にプラズマ形成確認手段からの信号によりプラズマ形成を確認した場合、コントローラ7は、まず、インピーダンス整合条件を設定最良点とするとともに、タイマーをゼロに戻してカウントをスタートさせる。コントローラ7は、インピーダンス整合条件を設定最良点に固定して維持し、タイマーのカウントが所定の経過時間(以下、インピーダンス固定時間)に達したら、自動制御に切り替える。そして、前述した第三の実施形態と同様、自動制御が安定するまの時間が経過した後、イオン入射用電源50を動作させる。
この際、図23に示すように、イオン入射用電源50は、徐々に投入電力を増加させ、イオン入射のために最終的に必要な投入電力に到達させるようになっている。例えば、イオン入射用電源50が1.6MHzのHF電源であり、最終的な投入電力が1.8kWである場合、1秒程度の時間で0kWから1.8kWに到達させる。尚、この際、整合器制御系53は、イオン入射用整合器51のインピーダンスを固定された値に保持する。
さらに、図22に示すように、シーケンス制御プログラム70は、イオン入射用電源50からの投入電力が切替基準値になった時点で、整合器制御系53に信号を送り、イオン入射用整合器51を自動制御に切り替えさせる。切替基準値は、ある程度小さな値であり、例えば、最終的な投入電力1.8kWである場合、10Wである。イオン入射用整合器51が自動制御に切り替わる結果、イオン入射用電源50から基板ホルダ5に供給される高周波の反射波が最も小さくなる。そして、この状態を保ちながら、イオン入射用電源50の投入電力は徐々に増加し、最終的に必要な電力に達したら、その値を保持するよう制御される。
本実施形態の構成は、以下のような技術的意義を有する。
まず、プラズマ用電源4の動作開始後、所定の経過時間内にプラズマ形成が確認されなかった場合、プログラムがリセットされてスタートに戻るので、何らかの事情でプラズマの形成が確認されない場合、プラズマ用電源4が動作し続けてしまう問題がない。場合によっては、リセットの回数をカウントしておき、所定回数(例えば3回)リセットしてもプラズマの形成が確認されない場合、プログラムを完全に中止し、エラー信号を発生するようにしてもよい。
また、イオン入射用電源50の投入電力を徐々に増加させる点は、プラズマ用電源4の自動制御との関連で顕著な技術的意義を有する。即ち、プラズマ用電源4の自動制御が行われている状態でイオン入射用電源50の投入電力を一気に設定値(イオン入射に必要な電力値)に増加させると、プラズマのインピーダンス条件が急激に変化するため、プラズマ用電源4の自動制御が不安定化する恐れがある。プラズマ用整合器41は、自動制御のため、そのインピーダンスが激しくふらついた後、やがて安定した値に落ち着くが、あまりにもプラズマのインピーダンス条件の変化が激しいと、整合器制御系44の追従制御可能な範囲を越えてしまい、いつまで経ってもプラズマ用整合器41のインピーダンスが安定化しなくなってしまうこともあり得る。
本実施形態の構成によれば、イオン入射用電源50の投入電力が徐々に増加するので、このような問題はなく、プラズマ用整合器41のインピーダンスも、短時間のうちに安定化する。従って、イオン入射用電源50の投入電力を徐々に増加させるとは、整合器制御系44が追従してプラズマ用整合器41の自動制御を行える範囲内にプラズマのインピーダンス条件変化を抑えるよう徐々に増加させる、という意味である。
尚、上述した第三乃至第七の実施形態において、最良点になるようにする自動制御が開始される際、初期の整合用インピーダンスは放電開始点の条件になるようにするものであったが、前回の基板処理の終了時の整合用インピーダンスを記憶して保持し、これを初期設定として用いても良い。この場合、処理チャンバー1内の環境等に大きな変化が無い限り、整合用インピーダンスも大きく変化することがない。この構成は、放電開始時の最適整合条件と、プラズマ維持の際の最適整合条件とがそれほど変わらない場合に好適である。
尚、各実施形態において、設定経過時間は、プラズマの安定化に要する時間であり、2秒とされたが、もっと長い時間とされる場合もある。プラズマの安定化に要する時間は、装置の構造や放電空間の大きさ、圧力などによって変化する。従って、これらの要素を考慮に入れて設定経過時間は適宜変更される。
また、プラズマの安定維持のためのインピーダンス整合は、前述したような自動制御によらなくても本願発明は実施可能である。例えば、プラズマ安定維持に適したインピーダンス整合条件を予め実験的に求めて設定し、この設定された条件で固定してインピーダンス整合を行っても良い。また、プラズマの形成を確認した後、放電開始点から、プラズマ安定維持用に設定された条件に変更した後、そこからさらに自動制御に変更しても良い。
尚、各実施形態において、複数のADコンバータ75をまとめて1つにした構成が採用されることもある。即ち、タイムシェアリングによって1つのADコンバータ75によって複数のデータをデジタル化する場合もある。
上述した各実施形態では、第一の周波数の高周波はVHF帯、第二の周波数の高周波はHF帯であったが、本願発明はこれに限られる訳ではない。異なる二つの周波数を印加した場合の変調現象は一般的に見られるものであり、本願発明の構成は、これに起因した問題を解決する技術的意義がある。
また、HF帯の高周波は、基板9に自己バイアス電圧を与えてイオン入射用の電界を設定するものであったが、他の目的の場合もあり得る。例えば、自己バイアス電圧を利用して基板9を基板ホルダー5に静電吸着する場合等である。
上記各実施形態及び各請求項に係る発明では、基板処理は酸化シリコンのエッチングであったが、上述した各実施形態の構成は、上位概念としての高周波プラズマ処理一般に適用が可能である。即ち、「高周波プラズマ処理方法」の発明や「高周波プラズマ処理装置」の発明として捉えることができる。このような高周波プラズマ処理の例としては、エッチングの他、スパッタリングやプラズマ化学蒸着(CVD)等の成膜処理、表面酸化や表面窒化等の表面改質処理、さらにはアッシング処理等が挙げられる。
処理対象である基板9としては、半導体ウェーハの他、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の表示デバイス用の基板、磁気ヘッド等の磁気デバイス用の基板等を対象とすることができる。
第一の実施形態に係る酸化シリコンエッチング装置の正面断面概略図である。 図1に示すコントローラ7に備えられたシーケンス制御プログラム70を概略的に示したフローチャートである。 図2のシーケンス制御プログラム70おけるプラズマ用電源4とイオン入射用電源50の動作のタイミングについて示すタイミングチャートである。 整合器によってインピーダンス整合を行いながら高周波気体放電によるプラズマ形成を行う場合の反射波の大きさの推移について示した図である。 電源側に戻るVHF帯の反射波の状況について示した図である。 第二の実施形態に係る酸化シリコンエッチング装置の正面断面概略図である。 自己バイアス電圧を説明する図である。 第二の実施形態におけるシーケンス制御プログラム70を概略的に示したフローチャートである。 図8のシーケンス制御プログラム70おけるプラズマ用電源4とイオン入射用電源50の動作のタイミングについて示すタイミングチャートである。 第三の実施形態に係る酸化シリコンエッチング装置の正面断面概略図である。 第三の実施形態の装置に設けられたプラズマ用整合器41及び整合器制御系44の詳細を示す図である。 図10及び図11に示す整合器制御系44が行うプラズマ用整合器41の制御について説明した図である。 第三の実施形態におけるシーケンス制御プログラム70を概略的に示したフローチャートである。 図13のシーケンス制御プログラム70おけるプラズマ用電源4とイオン入射用電源50の動作のタイミングについて示すタイミングチャートである。 第四の実施形態におけるシーケンス制御プログラム70を概略的に示したフローチャートである。 図15のシーケンス制御プログラム70おけるプラズマ用電源4とイオン入射用電源50の動作のタイミングについて示すタイミングチャートである。 第五の実施形態におけるシーケンス制御プログラム70を概略的に示したフローチャートである。 図17のシーケンス制御プログラム70おけるプラズマ用電源4とイオン入射用電源50の動作のタイミングについて示すタイミングチャートである。 第六の実施形態におけるシーケンス制御プログラム70を概略的に示したフローチャートである。 図19のシーケンス制御プログラム70おけるプラズマ用電源4とイオン入射用電源50の動作のタイミングについて示すタイミングチャートである。 第七の実施形態に係る酸化シリコンエッチング装置の正面断面概略図である。 第七の実施形態におけるシーケンス制御プログラム70を概略的に示したフローチャートである。 図22のシーケンス制御プログラム70おけるプラズマ用電源4とイオン入射用電源50の動作のタイミングについて示すタイミングチャートである。
符号の説明
1 処理チャンバー
11 排気系
2 プロセスガス導入系
3 高周波電極
4 プラズマ用電源
41 プラズマ用整合器
411 抵抗
412 可変容量コンデンサ
413 可変容量コンデンサ
43 電力供給状況モニタ
44 整合器制御系
441 モータ
442 モータ
443 ドライバ回路
444 ドライバ回路
445 制御部
5 基板ホルダー
50 イオン入射用電源
51 イオン入射用整合器
53 整合器制御系
7 コントローラ
70 シーケンス制御プログラム
75 ADコンバータ
81 プラズマモニタ
82 自己バイアス電圧検出器
9 基板

Claims (28)

  1. 処理チャンバー内に基板を配置するとともに処理チャンバー内に高周波放電によるプラズマを形成し、基板の表面に存在する酸化シリコンをプラズマによってエッチングする酸化シリコンエッチング方法であって、
    第一の周波数の高周波電力を放電空間に供給して高周波放電を開始させる第一のステップと、
    高周波放電を開始させた後、前記第一の周波数の高周波のプラズマからの反射波がプラズマへの進行波に対して20%以下に低下したことを確認してから、第一の周波数とは異なる第二の周波数の高周波電力を放電空間に供給する第二のステップとを有し、
    前記第一のステップは、前記高周波放電の開始に適した第一のインピーダンス整合条件で高周波電力を供給して放電を開始させるものであり、その後、インピーダンス整合条件を、第二のインピーダンス整合条件に変更する動作を含み、
    前記第二のインピーダンス整合条件は、プラズマが形成されている放電空間に結合する高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となる条件であり、放電空間への高周波電力の供給状況をモニタすることによりこの条件となるよう自動制御が行われることを特徴とする酸化シリコンエッチング方法。
  2. 処理チャンバー内に基板を配置するとともに処理チャンバー内に高周波放電によるプラズマを形成し、基板の表面に存在する酸化シリコンをプラズマによってエッチングする酸化シリコンエッチング方法であって、
    第一の周波数の高周波電力を放電空間に供給して高周波放電を開始させる第一のステップと、
    高周波放電を開始させた後、前記第一の周波数の高周波のプラズマからの反射波がプラズマへの進行波に対して20%以下に低下したことを確認してから、第一の周波数とは異なる第二の周波数の高周波電力を放電空間に供給する第二のステップとを有し、
    前記第一のステップは、前記高周波放電の開始に適した第一のインピーダンス整合条件で高周波電力を供給して放電を開始させるものであり、その後、インピーダンス整合条件を、第二のインピーダンス整合条件に変更する動作を含み、
    前記第二のインピーダンス整合条件は、予め設定された条件であり、この条件を所定時間固定して維持し、その後、放電空間への高周波電力の供給状況をモニタすることにより、放電空間に結合する高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となるよう自動制御が行われることを特徴とする酸化シリコンエッチング方法。
  3. 前記第一の周波数はVHF帯に属するものであり、前記第二の周波数はHF帯に属するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の酸化シリコンエッチング方法。
  4. 前記第二の周波数の高周波電力は、基板に自己バイアス電圧を与えるものであることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の酸化シリコンエッチング方法。
  5. 前記第二のインピーダンス整合条件への変更は、プラズマが形成されたことを確認した際又はその後行われることを特徴とする請求項1又は2記載の酸化シリコンエッチング方法。
  6. 前記第二の周波数の高周波電力の供給を開始した後、基板の処理の際に供給されるべき値として設定された設定値にその供給電力が達するまで0.5秒以上6秒以下となるよう、徐々にその供給電力を増加させることを特徴とする請求項1乃至いずれかに記載の酸化シリコンエッチング方法。
  7. 所定のインピーダンス整合条件で前記第二の周波数の高周波電力の供給を開始した後、プラズマが形成されている放電空間に結合する前記第二の周波数の高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの前記第二の周波数の高周波の反射波が極小値となるようインピーダンス整合条件の自動制御を行いながら前記第二の周波数の高周波電力を供給することを特徴とする請求項1乃至いずれかに記載の酸化シリコンエッチング方法。
  8. 前記第一の周波数の高周波電力によりプラズマを形成して基板に所定の処理を施す際、放電空間への第一の周波数の高周波電力の供給状況をモニタすることにより、放電空間に結合する第一の周波数の高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となるようにするインピーダンス整合条件でインピーダンス整合の自動制御を行うとともに、基板の処理が終了した際のインピーダンス整合条件を保持し、次回の基板の処理の際、保持されたインピーダンス整合条件で自動制御を開始することを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の酸化シリコンエッチング方法。
  9. 前記第一のステップは、前記高周波放電の開始に適したインピーダンス整合条件で高周波電力を供給して放電を開始させるものであり、その後、前記自動制御が行われることを特徴とする請求項記載の酸化シリコンエッチング方法。
  10. 前記自動制御は、プラズマが形成されたことを確認した際又はその後行われることを特徴とする請求項記載の酸化シリコンエッチング方法。
  11. 基板の処理が終了した際の前記第二の周波数の高周波電力についてのインピーダンス整合条件を保持し、次回の基板の処理の際、保持されたインピーダンス整合条件で前記第二の周波数の高周波電力についての前記自動制御を開始することを特徴とする請求項記載の酸化シリコンエッチング方法。
  12. 前記第一の周波数の高周波電力の供給を開始した後、予め設定されたインピーダンス整合条件を所定時間固定して維持し、その後、放電空間への前記第一の周波数の高周波電力の供給状況をモニタすることにより、放電空間に結合する高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となるようにする自動制御を行うことを特徴とする請求項1乃至4記載の酸化シリコンエッチング方法。
  13. 前記第一の周波数の高周波電力の供給を開始した後、予め設定されたインピーダンス整合条件を所定時間固定して維持し、その後、前記保持されたインピーダンス整合条件で前記自動制御を開始することを特徴とする請求項乃至10いずれかに記載の酸化シリコンエッチング方法。
  14. 前記第二の周波数の高周波電力の供給を開始した後、予め設定されたインピーダンス整合条件を所定時間固定して維持し、その後、前記第二の周波数の高周波電力についての前記自動制御を行うことを特徴とする請求項又は11記載の酸化シリコンエッチング方法。
  15. 処理対象である基板が内部に配置される処理チャンバーと、処理チャンバー内にプロセスガスを導入するプロセスガス導入系と、処理チャンバー内に設けられた高周波電極と、高周波電極に高周波電圧を印加することで処理チャンバー内に高周波電界を設定して高周波放電を生じさせてプロセスガスのプラズマを形成する第一の高周波電源とを備え、基板の表面に存在する酸化シリコンをプラズマによってエッチングする酸化シリコンエッチング装置であって、
    前記高周波電極又はこの高周波電極とは別に設けられた高周波電極に前記第一の高周波電源とは異なる周波数の高周波電圧を印加する第二の高周波電源が設けられており、
    放電空間への高周波電力の供給状況をモニタする電力供給状況モニタ手段が設けられており、
    さらに、前記第一の高周波電源を動作させた後、電力供給状況モニタ手段のモニタ結果により、前記第一の周波数の高周波のプラズマからの反射波がプラズマへの進行波に対して20%以下に低下したことを確認してから、前記第二の高周波電源を動作させるシーケンス制御を行うコントローラが設けられており、
    前記第一の高周波電源と前記放電空間との間の高周波線路上にはプラズマ用整合器が設けられているとともに、このプラズマ用整合器を制御する整合器制御系が設けられており、前記コントローラは、前記高周波放電の開始に適した第一のインピーダンス整合条件で高周波電力の供給を開始して放電を開始させ、その後、インピーダンス整合条件を、第二のインピーダンス整合条件に変更するよう整合器制御系を制御するものであり、
    前記第二のインピーダンス整合条件は、放電空間に結合する高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となる最適状態を達成する条件であり、放電空間への高周波電力の供給状況をモニタする電力供給状況モニタ手段が設けられており、前記整合器制御系は、電力供給状況モニタ手段からの信号により前記最適状態となるよう自動制御を行うものであることを特徴とする酸化シリコンエッチング装置。
  16. 処理対象である基板が内部に配置される処理チャンバーと、処理チャンバー内にプロセスガスを導入するプロセスガス導入系と、処理チャンバー内に設けられた高周波電極と、高周波電極に高周波電圧を印加することで処理チャンバー内に高周波電界を設定して高周波放電を生じさせてプロセスガスのプラズマを形成する第一の高周波電源とを備え、基板の表面に存在する酸化シリコンをプラズマによってエッチングする酸化シリコンエッチング装置であって、
    前記高周波電極又はこの高周波電極とは別に設けられた高周波電極に前記第一の高周波電源とは異なる周波数の高周波電圧を印加する第二の高周波電源が設けられており、
    放電空間への高周波電力の供給状況をモニタする電力供給状況モニタ手段が設けられており、
    さらに、前記第一の高周波電源を動作させた後、電力供給状況モニタ手段のモニタ結果により、前記第一の周波数の高周波のプラズマからの反射波がプラズマへの進行波に対して20%以下に低下したことを確認してから、前記第二の高周波電源を動作させるシーケンス制御を行うコントローラが設けられており、
    前記第一の高周波電源と前記放電空間との間の高周波線路上にはプラズマ用整合器が設けられているとともに、このプラズマ用整合器を制御する整合器制御系が設けられており、前記コントローラは、前記高周波放電の開始に適した第一のインピーダンス整合条件で高周波電力の供給を開始して放電を開始させ、その後、インピーダンス整合条件を、第二のインピーダンス整合条件に変更するよう整合器制御系を制御するものであり、
    前記第二のインピーダンス整合条件は、予め設定された条件であり、前記コントローラは、この条件を所定時間固定して維持した後、放電空間への高周波電力の供給状況をモニタすることにより、放電空間に結合する高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となるよう自動制御を行うものであることを特徴とする酸化シリコンエッチング装置。
  17. 前記第一の周波数はVHF帯に属するものであり、前記第二の周波数はHF帯に属するものであることを特徴とする請求項15又は16記載の酸化シリコンエッチング装置。
  18. 前記第二の周波数の高周波電力は、前記基板に自己バイアス電圧を与えるものであることを特徴とする請求項15乃至17いずれかに記載の酸化シリコンエッチング装置。
  19. 前記コントローラは、プラズマが形成されたことを確認した際又はその後前記第二のインピーダンス整合条件への変更を行うものであることを特徴とする請求項15又は16記載の酸化シリコンエッチング装置。
  20. 前記コントローラは、前記第二の周波数の高周波電力の供給を開始した後、基板の処理の際に供給されるべき値として設定された設定値にその供給電力が達するまで0.5秒以上6秒以下となるよう、徐々にその供給電力を増加させる制御を行うものであることを特徴とする請求項15乃至18いずれかに記載の酸化シリコンエッチング装置。
  21. 前記第二の高周波電源と前記放電空間との間の高周波線路上には整合器が設けられているとともに、この整合器を制御する整合器制御系が設けられており、前記コントローラは、所定のインピーダンス整合条件で前記第二の周波数の高周波電力の供給を開始した後、プラズマが形成されている放電空間に結合する前記第二の周波数の高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの前記第二の周波数の高周波の反射波が極小値となるようインピーダンス整合の自動制御を整合器制御系に行わせながら前記第二の周波数の高周波電力を供給する制御を行うものであることを特徴とする請求項15乃至20いずれかに記載の酸化シリコンエッチング装置。
  22. 前記第一の周波数の高周波電源から高周波電極への高周波線路上に設けられたプラズマ用整合器と、
    プラズマ用整合器が与えるインピーダンスを変更して最適な整合状態とする整合器制御系と、
    放電空間への前記第一の周波数の高周波電力の供給状況をモニタする電力供給状況モニタとが設けられており、
    前記最適な整合状態は、放電空間に結合する高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となる状態であって、前記整合器制御系は、この状態となるようインピーダンス整合の自動制御を行うものであり、
    さらに、前記整合器制御系は、基板の処理が終了した際のインピーダンス整合条件を保持し、次回の基板の処理の際、保持されたインピーダンス整合条件で前記自動制御を開始するものであることを特徴とする請求項15乃至18いずれかに記載の酸化シリコンエッチング装置。
  23. 前記コントローラは、前記高周波放電の開始に適したインピーダンス整合条件で高周波電力の供給を開始して放電を開始させ、その後、前記自動制御への変更が行われるよう前記整合器制御系を制御するものであることを特徴とする請求項22記載の酸化シリコンエッチング装置。
  24. 前記コントローラは、プラズマが形成されたことを確認した際又はその後に前記自動制御への変更が行われるよう前記整合器制御系を制御するものであることを特徴とする請求項23記載の酸化シリコンエッチング装置。
  25. 前記第二の高周波電源について設けられた整合器制御系は、基板の処理が終了した際の前記第二の周波数の高周波電力についてのインピーダンス整合条件を保持し、次回の基板の処理の際、保持されたインピーダンス整合条件で前記第二の周波数の高周波電力についての前記自動制御を開始するものであることを特徴とする請求項21記載の酸化シリコンエッチング装置。
  26. 前記第一の高周波電源と前記放電空間との間の高周波線路上にはプラズマ用整合器が設けられているとともに、このプラズマ用整合器を制御する整合器制御系が設けられており、前記整合器制御系は、前記放電を開始した後、予め設定されたインピーダンス整合条件を所定時間固定して維持し、その後、放電空間への高周波電力の供給状況をモニタすることにより、放電空間に結合する高周波電力の大きさが極大値となるか又は放電空間からの反射波が極小値となるよう自動制御を行うものであることを特徴とする請求項15乃至18いずれかに記載の酸化シリコンエッチング装置。
  27. 前記整合器制御系は、前記放電を開始した後、予め設定されたインピーダンス整合条件を所定時間固定して維持し、その後、前記保持されたインピーダンス整合条件で前記自動制御を開始するものであることを特徴とする請求項22乃至24いずれかに記載の酸化シリコンエッチング装置。
  28. 前記第二の高周波電源について設けられた整合器制御系は、前記第二の周波数の高周波電力の供給を開始した後、予め設定されたインピーダンス整合条件を所定時間固定して維持し、その後、前記第二の周波数の高周波電力についての前記自動制御を行うものであることを特徴とする請求項21又は25記載の酸化シリコンエッチング装置。
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