JP4540173B2 - 昇降装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は昇降装置に関する。特に、本発明は、エレベータ昇降路に沿ってエレベータかごを昇降させる昇降装置(エレベータ装置)に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、建築物内に含まれるエレベータ昇降路に沿って昇降するエレベータかごと建築物に設けた制御装置との通信はケーブルを利用して行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このケーブル通信方式は、ケーブル荷重の一部がエレベータかごに作用する、エレベータかごの位置に応じてエレベータかごに架かるケーブル荷重及び偏荷重が変化する、エレベータかごの昇降の際にケーブルが揺れるとその揺れがエレベータかごに作用する、ケーブルの配置スペースを確保する必要があるといった問題がある。
【0004】
このような問題を解消するために、特開昭49−26953号公報に、エレベータ昇降路に沿って漏洩同軸ケーブルを配置すると共に、エレベータかごには同軸ケーブルとの間で非接触で信号を送受信可能な送受信装置を設け、これら同軸ケーブルと送受信装置との間で必要な通信を行なう昇降装置が提案されている。しかし、この昇降装置は、エレベータ昇降路に沿って同軸ケーブルを配置しなければならない。また、数百メートルの高層建築物の場合、当然、同軸ケーブルが非常に長くなり、同軸ケーブルの設置、メンテナンスに多大な労力と費用を必要とする。
【0005】
また、特開昭55−2537号公報には、エレベータ昇降路の上端部又は下端部若しくはエレベータかごに発振器を設け、発振器から発信された電磁波と、エレベータ昇降路の上端部又は下端部若しくはエレベータかごで反射した反射波との位相差等からエレベータ昇降路におけるエレベータかごの位置を検出する位置検出方式が開示されている。また、この公報には、電磁波として、可視光線、紫外線、赤外線、超音波などを利用することが開示されているが、光に近い電磁波は誇りや煙などの影響を受けて安定した受信状態が得られないという問題があり、他方、超音波などの波長の長い電磁波では必要な検出精度が得られないという問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願発明に係る昇降装置は、
(a) 昇降路内に位置する固定部位と、
(b) 昇降路に沿って昇降する第1可動部位と、
(c) 第1可動部位を挟んで固定部位の反対側に配置され、昇降路に沿って昇降する第2可動部位と、
(d) 固定部位、第1可動部位、及び第2可動部位にそれぞれ設けた3つの通信部とを有し、
第2可動部位の通信部と固定部位の通信部との通信を第1可動部位の通信部を介して行なうことを特徴とすることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
図1は、本発明に係る昇降装置の実施の形態1を示す。この実施の形態の昇降装置10において、エレベータ昇降路10は、建築物の適宜個所に形成されている。そして、エレベータ昇降路12を構成している一対の対向する側壁(図示せず)には、上下方向にガイドレール14がそれぞれ設けてある。また、エレベータ昇降路12の中には、エレベータ昇降路12の上限位置16と下限位置18(第1部位又は固定部位)の間を、ガイドレール14にガイドされながら昇降するエレベータかご20(第2の部位)が設けてある。なお、エレベータかご20は、このエレベータかご20にリニアモータを備えたロープレスエレベータでもよいし、エレベータ昇降路10の天井部に設けた巻胴式昇降装置により昇降される吊下式エレベータのいずれでもよい。
【0020】
エレベータ昇降路12の側壁にはまた、給電部又は給電線22が上下方向に途切れることなく配置してある。この給電線22は、建築物の適宜個所に設けた主給電装置(一次電源)24に接続され、この主給電装置24から給電線22に対して交流が供給されている。一方、エレベータかご20には、給電線22に対向する個所に、エレベータかご20が昇降する際に給電線22とほぼ一定の間隔をあけて対向する非接触受電部26が設けてある。この受電部26は、エレベータかご20の適宜個所(本実施の形態では、エレベータかご20の天井部28)に設けた副給電装置(二次電源)30に接続されている。これにより、主給電装置24から給電線22に交流が印加されると、この給電線22の周囲に発生する電界の変化により受電部26に交流が誘導される。また、誘導された交流は必要に応じて適宜変換され、副給電装置30からエレベータかご20の各種制御部(副制御盤34など)に供給される。したがって、このような給電方式を採用した場合、エレベータかご20に対する電力供給ケーブルが不要になり、必要スペースの軽減、エレベータかご20に架かる動荷重が減少するという利点がある。
【0021】
エレベータ昇降路12とエレベータかご20には、エレベータかご20の位置検出(速度検出)用と動作制御用に種々の制御機器が設けてある。具体的に、エレベータ昇降路12の上限位置16の近傍に、主制御盤32が設けてある。また、エレベータかご20には、その天井部28に副制御盤34が設けてある。なお、本実施の形態では、主制御盤32は主給電装置24に接続されており、この主給電装置24から必要な電力の供給を受ける。
【0022】
主制御盤32は、エレベータ昇降路12の上限位置16の近傍に配置されており、図2に示す第1送受信部36に接続されている。この第1送受信部36は、主制御盤32が設置されているエレベータ昇降路12の上限位置16とエレベータかご20との距離を測定する(距離測定)と共に、エレベータかご20に対して必要なデータ(例えば、階床ボタン信号、ドアの開閉信号など)を送信する(データ送信)ために利用される。そのために、第1送受信部36は、距離測定(速度測定)用の基準信号を発生する距離測定用基準信号発生器38と、データ送信に利用されるデータ信号を発生する通信データ発生器40と、距離測定用基準信号にデータ信号を合成する合成器42と、合成器42で合成された合成信号をエレベータかご20及び副制御盤34に向けて送信する第1送信器44を有する。なお、図示するように、通信データ発生器40は、データ送信に利用される基準信号を発生する第1データ送信用基準信号発生器46と、送信すべきデータに応じてデータ送信用基準信号を変調する第1データ変調器48とで構成し、この第1データ変調器48で変調された信号をデータ信号として利用してもよい。
【0023】
第1送受信部36はまた、副制御盤34に接続されている第2送受信部50から発信された信号を受信する第1受信器52と、第1受信器52で受信した信号をもとに、主制御盤32が配置されているエレベータ昇降路上限位置16とエレベータかご20との距離を演算する距離演算器54と、後述するように第2送信部50で発生した基準信号と同一周波数の信号を発生する第1復調用基準信号発生器56と、第1受信器52で受信した信号と第1復調用基準信号発生器56で発生した信号とをもとに副制御盤34から発信された送信データを復調する第1データ復調器58とを有する。
【0024】
他方、副制御盤34は、主制御盤32との間で必要なデータを送受信する第2送受信部50に接続されている。第2送受信部50は、エレベータかご20の天井部28に配置されており、データ送信に利用される基準信号を発生する第2データ送信用基準信号発生器60と、送信すべきデータに応じてデータ送信用基準信号を変調する第2データ変調器62と、第2データ変調器62で変調されたデータ送信用基準信号をエレベータかご20に向けて送信する第2送信器64を有する。第2送受信部50はまた、第1送受信部36の第1送信器44から発信された信号を受信する第2受信器66と、第1データ送信用基準信号発生器46と同一周波数の信号を発生する第2復調用基準信号発生器68と、第2受信器66で受信した信号と第2復調用基準信号発生器68で発生した信号とをもとに第1送受信部36から発信された送信データを復調する第2データ復調器70とを有する。
【0025】
なお、第1送信器44と第2送信器64から発信される信号はミリ波である。ミリ波は、埃や煙などの影響を受けて減衰することが少ないという特性を有する。また、ミリ波は、一般的な通信に利用されている短波やFM波に比べて波長が短いので、指向性が高く、送受信できる情報量が多く、高精度の距離測定が得られるという利点がある。
【0026】
通信に利用する好ましいミリ波の周波数は40〜100GHzである。また、周波数が55〜65GHzのミリ波は特に大気中での減衰が大きく、昇降装置以外の装置に悪い影響を及ぼす危険がないので、特に好ましい。したがって、実用上は、周波数が60GHzのミリ波が最も好ましい。
また、以下に説明する実施の形態では特に言及しないが、送受信部の間で行なわれる通信は、ミリ波を利用するものである。
【0027】
これら主制御盤32と副制御盤34との相互の動作について説明する。具体的に、主給電装置24から主制御盤32に電気が供給され、副給電装置30から副制御盤34に電気が供給されている状態で、まず、主制御盤32に接続された第1送受信部36では、距離測定用基準信号発生器38が距離測定用基準信号を発生する。また、主制御盤32から副制御盤34に対して送信する必要な制御データがあれば、この制御データに応じて、第1データ送信用基準信号発生器46で発生したデータ送信用基準信号が第1データ変調器48で変調される。次に、距離測定用基準信号と、変調されたデータ送信用基準信号は合成器42で合成され、第1送信器44からエレベータかご20に向けて発信される。
【0028】
第1送信器44から発信された信号は、エレベータかご20の第2受信器66で受信される。受信された信号は第2データ復調器70に送られる。また、第2データ復調器70は、第2復調用基準信号発生器68で発生した、第1データ送信用基準信号と同一周波数の信号を利用して、制御データを復調する。そして、副制御盤34は、復調された制御データに基づいて、該副制御盤34に設けた各種制御回路を制御する。
【0029】
第1送信器44から発信された信号は、エレベータかご20に反射し、再び主制御盤32に向かって送られ、第1受信器52で受信される。第1受信器52で受信された信号は距離演算器54に送られる。距離演算器54は、距離測定用基準信号発生器38で発生した距離測定用基準信号と第1受信器52で受信した信号との位相差、または伝送時間から、エレベータ昇降路12の上限位置16とエレベータかご20との距離を演算する。また、必要ならば、演算された距離を微分して、エレベータかご20の速度が演算される。なお、第1送信器44から送信された信号が当たるエレベータかご20の部分(上記実施の形態では、エレベータかご20の天井部28)は、この信号が反射し易い材料で形成するのが好ましい。
【0030】
エレベータ昇降路12の上限位置16とエレベータかご20との距離が、両者の間に確保すべき安全最小距離(危険距離)以下か否かを判断し、この安全最小距離以下の場合にはエレベータかご20の昇降を停止するための安全装置を設けるのが好ましい。このような安全装置としては、例えば、図2に示すように、距離演算器54で演算された距離と安全最小距離とを比較する比較器72と、比較器72で距離演算器54で演算された距離が安全最小距離以下と判断されたときにエレベータかご20を緊急停止させるブレーキや非常止めなどを作動させる制動装置76を備えたものが考えられる。
【0031】
一方、第2副制御盤34に接続された第2送受信部50では、この副制御盤34から主制御盤32に対して送信する必要な制御データがあれば、この制御データに応じて、第2データ送信用基準信号発生器60で発生した第2データ送信用基準信号が第2データ変調器62で変調される。第2データ変調器62で変調された第2データ送信用基準信号は、第2送信器64から主制御盤32に向けて発信される。
【0032】
第2送信器64から発信された信号は、第1送受信部36の第1受信器52で受信される。受信された信号は第1データ復調器58に送られる。また、第1データ復調器58は、第1復調用基準信号発生器56で発生した、第2データ送信用基準信号と同一周波数の信号を利用して、制御データを復調する。そして、主制御盤32は、復調された制御データに基づいて、該主制御盤32に接続されている各種装置(昇降モータ74など)を制御する。
【0033】
以上のように、本実施の形態の昇降装置10によれば、エレベータ昇降路12に設けた第1送受信部36とエレベータかご20に設けた第2送受信部50との送受信がミリ波を利用して行なわれる。そして、上述のように、ミリ波は、指向性が高く、送受信できる情報量が多く、高精度の距離測定が得られるという利点があるため、第1送受信部36と第2送受信部50との間の高速データ送受信が確実に行なわれる。また、一方の送受信部から発信された信号は他方の送受信部に真っ直ぐ進行し、周囲の壁で反射することも少ないので、受信した信号から必要な情報だけを容易に取り出すことができ、そのために、安全なエレベータかご20の昇降が保証される。さらに、2つの送受信部36、50により、エレベータかご20の位置と速度が検出できると共に、相互のデータ通信が行なえる。すなわち、位置検出、速度検出、データ通信のそれぞれの目的に応じて別々の機器を設ける必要がないので、全体として、スペースが減り、コストが低下する。さらにまた、複数のリミットスイッチやカム類を利用した従来の位置検出及び速度検出に比べ、エレベータかご20の位置と速度を連続的に検出できる。そしてまた、エレベータかご20の位置検出及び速度検出用のスイッチ、ケーブルが不要となるので、その分、スペース及びコストが減少する。また、非接触の給電装置と併用することにより、給電ケーブルを無くすことができる。さらに、給電を有線で行なう場合でも、ケーブルを細くできる。
【0034】
以上の説明では、エレベータ昇降路12の上限位置16とエレベータかご20との距離だけを測定したが、この距離に代えて、またはこの距離と共に、エレベータ昇降路12の下限位置18とエレベータかご20との距離を測定してもよい。この場合、例えば、図1に示すように、エレベータ昇降路12の下限位置18に、上記第1送受信部36と同様の送受信部80を設け、この送受信部80からエレベータかご20の底部に向けて距離測定用基準信号を発信し、その反射波を再び送受信部80で受信し、エレベータかご20とエレベータ昇降路12の下限位置18との距離を演算してもよい。当然、演算して得られた距離が安全最小距離(危険距離)以下か否か判断し、安全最小距離以下であれば、制動装置76を起動してエレベータかご20を緊急停止させることが好ましい。この場合、エレベータかご20の上昇及び下降をより安全に制御できるという利点がある。また、エレベータかご20と上限位置16又は下限位置18との距離とエレベータかご20の速度を時間的に連続して検出できるので、これら距離と速度の両方を利用することで、エレベータかご20と上限位置16又は下限位置18との距離が安全最小距離以下になる前に、エレベータかご20が安全最小距離以下の領域に入ることが予想し、事前にエレベータかご20に制動をかけることができる。
【0035】
また、上記説明では、エレベータ昇降路12の上限位置16の近傍に設けた第1送受信部36とエレベータかご20の天井部28に設けた第2送受信部50とでデータの送受信を行なったが、これに代えて、又はこれに加えて、エレベータ昇降路12の下限位置18の近傍に送受信部80を設け、エレベータかご20の底部82に第2送受信部50と同様の送受信部84を設け、これら送受信部80と送受信部84との間でデータの送受信を行なってもよい。この場合、一部のデータを第1送受信部36と第2送受信部50との間で送受信し、残るデータを送受信部80と送受信部84との間で送受信するように設計することができる。
【0036】
さらに、上記説明では、第1送受信部36に距離測定用基準信号発生器38を設け、この距離測定用基準信号発生器38で発生した距離測定用基準信号を利用して、エレベータ昇降路12の上限位置16とエレベータかご20との距離を求めたが、図3に示すように、データ変調器86において、第1データ送信用基準信号発生器46で発生したデータ基準信号を通信データに基づいて変調し、その変調した信号に含まれる基準信号を利用して距離測定してもよい。
【0037】
また、上記説明では、距離測定に必要な構成を含む第1送受信部36をエレベータ昇降路12に設け、第2送受信部50をエレベータかご20に設けたが、逆に、第1送受信部36をエレベータかご20に設け、第2送受信部50をエレベータ昇降路12に設けてもよい。この場合、第1送受信部36には、上記実施の形態と同様に、比較器72を設け、その比較結果を第2送受信部50に送信し、この第2送信器64からの信号にしたがって昇降モータの駆動を制御(遮断)するように構成することができる。
【0038】
実施の形態2
実施の形態1では、エレベータ昇降路12に一台のエレベータかご20を設けたが、図4に示すように、2台のエレベータかご120,121を配置した昇降装置110や、2台以上のエレベータかごを有する昇降装置(図示せず)にも本発明は適用可能である。
【0039】
この実施の形態の昇降装置110では、エレベータ昇降路12の上限位置16と下限位置18に、上述した第1送受信部と同様の上部第1送受信部122と下部第1送受信部124を設置する。一方、上部エレベータかご120の天井部126と下部エレベータかご121の底部128には、上部第2送受信部130と下部第2送受信部132を配置する。これにより、上限位置16の上部第1送受信部122と上部エレベータかご120の上部第2送受信部130と間で通信が行なわれ、上限位置16と上部エレベータかご120との距離が測定され、上部第1送受信部122と上部第2送受信部130との間で必要な制御データが送受信される。また、下限位置18の下部第1送受信部124と下部エレベータかご121の第2送受信部132と間で通信が行なわれ、下限位置18と下部エレベータかご121との距離が測定され、下部第1送受信部124と下部第2送受信部132との間で必要な制御データが送受信される。
【0040】
また、図5に示すように、上部エレベータかご120と下部エレベータかご121との距離を測定するために、上部エレベータかご20の底部134と下部エレベータかご121の天井部136の少なくともいずれか一方に、第2送受信器と同様の送受信部138又は140を設けてもよい。
【0041】
さらに、図4に示すように、上部エレベータかご120の底部134と下部エレベータかご121の天井部136にそれぞれ、第2送受信器と同様の送受信部138、140を設け、それぞれの送受信部138、140を同一のエレベータかご120,121に設けた第2送受信部130、132に接続し、これにより、上部第1制御部122又は下部第1制御部124と、上部エレベータかご120の送受信部130,138と、下部エレベータかご121の送受信部132,140を利用して、主制御盤32とエレベータかごの副制御盤142、144との間で必要なデータを送受信するようにしてもよい。
【0042】
この実施の形態の昇降装置によれば、複数のエレベータかごの位置検出及び速度検出、またエレベータかごの制御データの送受信を、ケーブル無しで行なうことができる。特に、同一のエレベータ昇降路に複数のエレベータかごを設けた昇降装置では、ケーブルによる通信方式を採用した場合、上方のエレベータかごに接続されているケーブルが下方のエレベータかごに接触する危険や、上方のエレベータかごと下方のエレベータかごとの間隔が上方のエレベータかごから垂れ下がっているケーブルにより制限されるという問題があるが、エレベータかごに昇降モータを設けると共に、該昇降モータへの電力供給をケーブルレス給電方式で行なうことにより、以上の問題は解決できる。さらに、ミリ波を用いて信号の送受信が行なわれるので、高速データ通信、正確な距離検出(速度検出)が行なえる。さらにまた、給電ケーブルレスでない昇降装置でも、ケーブルを細くできるので、ケーブルの占有するスペースやケーブルの重量を減らすことができる。
【0043】
実施の形態3
実施の形態1と2では、エレベータかごで反射した信号を利用してエレベータかごの位置や速度を求めたが、例えば、図5に示すように、一方の送受信部36の送信器44から送信されたデータ信号を他方の送受信部50の受信器66で受信し、この受信した信号をデータ復調器70からデータ変調器62に送信して基準信号を復調し、この復調した基準信号にデータ変調器62で必要なデータ(通信データ)を合成し、再び一方の送受信部36に送り戻し、この一方の送受信部36の受信器52で受信した信号と基準信号発生器38で発生した基準信号をもとに、距離演算部(速度演算部)54でエレベータかごの位置を求めてもよい。
【0044】
また、図6に示すように、演算された距離をもとに速度演算部80でエレベータかごの昇降速度を演算し、演算した昇降速度をもとに、速度制御部82でエレベータかごの昇降速度を制御してもよい。このような速度制御は、上述したすべての実施の形態に適用可能である。
【0045】
以上、ミリ波を用いた距離測定(速度検出)及び2つの部位の間のデータ通信を昇降装置に適用した場合を説明したが、これらの距離測定(速度検出)及びデータ通信は、複数の移動体の相互間の距離測定(相対速度検出)及びデータ通信や、固定部と移動体との間の距離測定(移動体の速度検出)及びデータ通信にも利用できる。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、
(a) 昇降路内に位置する固定部位と、
(b) 昇降路に沿って昇降する第1可動部位と、
(c) 第1可動部位を挟んで固定部位の反対側に配置され、昇降路に沿って昇降する第2可動部位と、
(d) 固定部位、第1可動部位、及び第2可動部位にそれぞれ設けた3つの通信部とを有し、
第2可動部位の通信部と固定部位の通信部との通信を第1可動部位の通信部を介して行なう昇降装置によれば、複数の可動部位を干渉することなく安全に昇降制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の昇降装置の斜視図。
【図2】 実施の形態1の昇降装置における送受信部の構成を示すブロック図。
【図3】 送受信部の他の形態のブロック図。
【図4】 実施の形態2の昇降装置の斜視図。
【図5】 実施の形態3の昇降装置における送受信部の構成を示すブロック図。
【図6】 送受信部の他の形態のブロック図。
【符号の説明】
10 昇降装置、12 エレベータ昇降路、16 上限位置(第1の部位)、20 エレベータかご、22 給電線(給電部)、36 第1送受信部、50 第2送受信部
Claims (1)
- (a) 昇降路内に位置する固定部位と、
(b) 昇降路に沿って昇降する第1可動部位と、
(c) 第1可動部位を挟んで固定部位の反対側に配置され、昇降路に沿って昇降する第2可動部位と、
(d) 固定部位、第1可動部位、及び第2可動部位にそれぞれ設けた3つの通信部とを有し、
第2可動部位の通信部と固定部位の通信部との通信を第1可動部位の通信部を介して行なうことを特徴とすることを特徴とする昇降装置。
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