JP4539301B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェットプリンタに関するものである。
従来、記録用紙等の被記録媒体に記録を行う記録装置として、被記録媒体にインクを噴射して記録するインクジェットプリンタが知られている。このようなインクジェットプリンタは、インクを噴射する複数のノズル穴を有し被記録媒体に対し印字を行う記録領域とパージ処理を行うパージ領域との間を移動可能である記録ヘッドと、前記記録ヘッドのノズル穴からパージ処理で排出されるインクを受けるパージキャップを有するメンテナンスユニットとを備え、前記記録領域に隣接する前記パージ領域で前記記録ヘッドのインクが噴射されるインク噴射面を前記パージキャップにて覆い、前記ノズル穴からインクを排出するパージ処理を行うものである。
そして、インクジェットプリンタ用ヘッドにおいては、ノズルフィルムとしては、例えばポリイミドフィルムが用いられ、撥水処理が施されるのが一般的であるが、このようなノズルフィルムでは、被記録媒体面(記録用紙面)との摩擦で撥水膜、及びノズルフィルム自体が傷付くという問題がある。また、近年の高速印字の要求と共に、ノズルサイズも大きくなり、ノズルダメージの可能性が高くなりつつある。
これらの対策として、従来より、ノズル近傍まで金属製のカバープレートを設けることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−201000号公報(段落0020,0021および図1,図2)
このようにカバープレートを設けると、パージ処理に直後にワイパー部材でノズル面を拭うワイピングで、ノズル面上の残留インクを完全に除去することができない。
また、パージ処理後のパージキャップ内は、微小気泡とインク滴が混合した状態であり、ノズル近傍に付着した気泡混合インクは、パージキャップのアンキャップと同時に、記録ヘッド内負圧によってノズル内に引き込まれる。その結果、記録ヘッドのインク流路内に気泡が残り、印字時にアクチュエータの発生する圧力波を減衰させてしまうので、安定した吐出ができない場合が多い。
そのため、インクは脱気状態のものを使用し混入した気泡を溶融させ、性能回復が図れるように工夫されたりしているが、印字までに一定の時間が必要となっている。
本発明は、パージキャップでノズル面を覆って行うパージ処理時に発生する気泡が、アンキャップ時にノズル穴に吸い込まれるの防止することができるインクジェットプリンタを提供することを目的とする。
請求項1の発明は、インクを噴射する複数のノズル穴をインク噴射面に開口し被記録媒体に対し印字を行う記録領域とパージ処理を行うパージ位置との間を移動可能である記録ヘッドと、前記パージ位置において前記インク噴射面を覆い前記記録ヘッドのノズル穴から前記パージ処理で排出されるインクを受けるパージキャップを有するメンテナンスユニットとを備えるインクジェットプリンタにおいて、前記パージ位置で前記インク噴射面が前記パージキャップにて覆われるとき、前記ノズル穴に対向した位置から前記インク噴射面に沿って延びる凹部であって前記各ノズル穴に対向した一端部に空隙部を形成する複数の第1の凹部と、前記複数の第1の凹部の他端部を相互に連通する第2の凹部とが、前記パージキャップのキャップ面に形成され、前記第2の凹部が排出穴に接続されていることを特徴とする。ここで、「空隙部」は、パージキャップのキャップ面の第1の凹部のみにて形成される場合だけでなく、パージキャップのキャップ面側の第1の凹部とインク噴射面側の凹部とにより形成される場合も含む。「パージ処理」には、吸引方式のパージ処理と、加圧方式のパージ処理とが含まれる。
このようにすれば、パージ位置で前記インク噴射面が前記パージキャップにて覆われるとき、パージキャップのキャップ面に形成される第1の凹部の一端部によって、前記キャップ面とインク噴射面との間に前記ノズル穴に対向した空隙部が形成される。その空隙部は、第1の凹部の他端部及び第2の凹部を通じて排気穴に連通されているので、パージ初期に発生した気泡はインクとともに排出される。ノズル穴近傍の空隙部は容易にインクで満たされるので、その後は気泡の発生はなくなる。また、ノズル穴近傍に空隙部しか形成されないようしているので、ノズル穴近傍に存在する気体体積を減少させ、気泡発生の低減及びすみやかな排出を図る上で有利な構造になる。
請求項2の発明は、請求項1記載のインクジェットプリンタにおいて、前記第2の凹部が、前記第1の凹部よりも深く形成されている。これにより、上記作用を良好に達成することができる。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記複数のノズル穴が、ノズル列をなして配置され、前記第1の凹部が、そのノズル列と交差する方向に延び、前記第2の凹部が、前記第1の凹部の他端部と連通して前記ノズル列に沿って延びている。これにより、列をなして配置され複数のノズル穴に対して上記作用を良好に達成することができる。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェットプリンタにおいて、前記ノズル穴が前記空隙部を介して対向するのは、前記第1の凹部の底面であり、前記第2の凹部が、前記ノズル穴と対向しない位置にある。これにより、上記作用を良好に達成することができる。
請求項5の発明は、請求項3に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記ノズル列が、複数列設けられ、前記第2の凹部が、前記各ノズル列に沿って平行に複数設けられ、前記各第2の凹部が、前記各ノズル列に対応する前記第1の凹部にのみ連通している。これにより、複数のノズル列に対して上記作用を良好に達成することができる。また、各ノズル列ごとにインク色が異なる場合、インクの混色がなくなる。
請求項6の発明は、請求項5に記載のインクジェットプリンタにおいて、隣接する前記ノズル列に属する前記ノズル穴に対応する前記第1の凹部の他端部が、それぞれ他方のノズル列と反対方向に延びている。これにより、各ノズル列ごとに上記作用を良好に達成することができる。
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェットプリンタにおいて、前記インク噴射面が前記パージキャップにて覆われるとき、前記第1の凹部が、前記各ノズル穴に対向して相互に独立した空隙部を前記一端部に形成する。これにより、パージ初期に発生した気泡はインクとともにすみやかに排出される。ノズル穴近傍の空隙部はインクで満たされるので、その後は気泡の発生はなくなる。
請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェットプリンタにおいて、前記インク噴射面が、前記ノズル穴が形成されたノズルフィルムを、前記各ノズル穴に対向する貫通穴が形成されたカバープレートにて覆われて構成されている。これにより、空隙部を形成するのに、カバープレートの貫通穴を利用することができる。この貫通穴を含んでいても、空隙部内での気泡の発生は少なく、生じてもすみやかに排出されてしまい、インクと置換される
請求項9の発明は、請求項8に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記第1の凹部において前記貫通穴に対向する部分は、その貫通穴の開口面積よりも広い面積を有している。これにより、インク噴射面とパージキャップが位置ずれして当接しても第1の凹部に対向して貫通穴が配置される。
請求項10の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載のインクジェットプリンタにおいて、前記第2の凹部は、前記排出穴から離れるにしたがって断面積が次第に小さくなっている。これにより、排出穴に向けインクがスムーズに流れる。
請求項11の発明は、請求項1〜10のいずれかに記載のインクジェットプリンタにおいて、前記メンテナンスユニットは、前記記録ヘッドを前記パージ位置に案内するためのヘッド案内ホルダを有する。
請求項12の発明は、請求項11に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記キャップ面には位置決めピン、前記インク噴射面には、前記位置決めピンに対応する位置に位置決め穴がそれぞれ設けられ、前記記録ヘッドが、前記ヘッド案内ホルダによって案内されることで、前記位置決めピンが前記位置決め穴に係脱可能に係合し、その係合状態で前記ノズル穴に前記第1の凹部の一端部が対向される。
このようにすれば、パージ位置で、ヘッド案内ホルダによって記録ヘッドが案内され、記録ヘッド側の位置決め穴とパージキャップ側の位置決めピンとが係脱可能に係合され、その係合状態で前記ノズル穴に前記第1の凹部の一端部が連結されて、前記空隙部が形成される。
以上のように構成したから、本発明は、パージ位置でインク噴射面がパージキャップにて覆われるとき、前記パージキャップのキャップ面に形成される第1の凹部の一端部によってノズル穴に対向した空隙部が形成され、その空隙部が第1の凹部の他端部及び第2の凹部を通じて排穴に連通されるので、パージ初期に発生した気泡をインクとともに排出することができる。よって、ノズル穴近傍の空隙部をすみやかにインクで満たし、その後の気泡発生を防止することができる。また、ノズル穴近傍に空隙部しか形成しないようにしているので、ノズル穴近傍に存在する気体体積を減少させ、気泡発生の低減を図る上で有利になっている。
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。
図1は本発明に係るインクジェットプリンタの主たる構成要素を示す概略構成図、図2は記録ヘッド、パージキャップ及びヘッド案内ホルダの関係を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、インクジェットプリンタは、インクを噴射する複数のノズル穴11aを有し記録用紙(被記録媒体)に対し印字を行う記録領域S1とパージ処理を行うパージ領域S2との間を移動可能であるインクジェット式の記録ヘッド11と、記録ヘッド11のノズル穴11aからパージ処理で排出されるインクを受けるパージキャップ12aを有するメンテナンスユニット13とを備える。また、記録領域S1に対し、パージ領域S2と反対側に、フラッシング領域S3が設けられている。このフラッシング領域S3には、記録動作中に定期的にノズルの乾燥防止のためのインク吐出(フラッシング)を行うためにインク受け部14が配設されている。
このインクジェットプリンタでは、インクの初期導入時や所定期間放置されたときにパージ処理が行われる。あるいは、フラッシングでは改善できない程度のインクの噴射特性が変化したときなどにも適宜パージ処理が行われる。主に、ノズルに至る流路内に存在することがある気泡や異物を排出するためで、記録ヘッド11を記録領域S1に隣接するパージ領域S2に移動する。このパージ領域S2では、記録ヘッド11のインクが噴射されるインク噴射面をパージキャップ12aにて覆い、ノズル穴11aからインクを排出するパージ処理を行うようになっている。
記録ヘッド11は、具体的には図示していないが、図示しないヘッドホルダ上にバッファタンクとともに搭載されて、特定方向に搬送される記録用紙に対して、前記特定方向に直交する方向に往復移動しつつ、印字を行う記録手段15を構成する。そして、記録ヘッド11には、インクタンク(図示せず)からインク供給チューブ16a〜16dを介してインクが供給される。このインクは、前記ヘッドホルダに搭載された前記バッファタンクで一時的に貯留され、それからそのバッファタンクを経て記録ヘッド11に供給される。なお、前記インクタンクは、プリンタフレーム(図示せず)に着脱可能に載置され、記録ヘッド11に供給する大量のインクを貯留するものである。具体的に図示していないが、カラー記録のために、複数のインクタンク(個別の色、即ち、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー用のインクタンク)が前記プリンタフレームに配設されている。
記録手段15は、前記プリンタフレームの前後において平行に設けられた左右方向に延びる1対のガイド部材(図示せず)にスライド移動可能に支持されている。さらに、駆動プーリ16と従動プーリ17との間に巻き掛けられたエンドレスのタイミングベルト18の一部が連結され、駆動プーリ16を駆動モータ(図示せず)で回転駆動することで、タイミングベルト18を介して前記ガイド部材に沿って左右方向に往復移動する構成とされている。なお、具体的に図示しないが、周知の用紙搬送機構により、記録用紙は記録ヘッド11の下面側で記録手段15の移動方向と直交する方向に、記録可能な状態で搬送される。
記録ヘッド11の下面(ノズル穴11aが形成されたノズル面であるノズル噴射面)には、図2に示すように、配列する複数のノズル穴11aからなる複数のノズル列が設けられている。具体的には、ブラックインク(BK)用のノズル穴からなるノズル列と、シアンインク(C)用のノズル穴からなるノズル列と、イエローインク(Y)用のノズル穴からなるノズル列と、マゼンタインク(M)用のノズル穴からなるノズル列とが、記録ヘッド11の移動方向(主走査方向)と直交する方向に長く形成されている。そして、記録用紙の上面に対向するように各ノズル穴11aが下向きにて露出している。
具体的には、記録ヘッド11は、インクを噴射する複数のノズル穴11a、ノズル穴11a毎に連通した複数の圧力室及び前記圧力室に開孔を通じて供給するインクを一時的に貯留するマニホールド等を含むキャビティユニット21と、ノズル穴11aからインクを噴射させるアクチュエータ(図示せず)とを有し、記録用紙に前記インクを噴射して記録するものである。ここで、図4に、キャビティユニット21のノズル面の一部拡大図を示す。図5には、図4中にA−A線で示されたノズル穴11a付近の拡大断面図を示す。このうち、図4には、隣接する2つのノズル列が示されている。図から分かるように、各ノズル列を構成するノズル11aは、互いにノズル列の延在方向に半ピッチだけずれて形成されており、全体として千鳥配列となっている。そして、図4,5に示すように、ノズル穴11aが形成されたノズル面は、それを保護するために、各ノズル穴11aに対向する貫通穴23aが形成されたカバープレート23にて覆われて、前記インク噴射面を構成している。図5に示されるように、カバープレート23に形成された貫通穴23aは、ノズル穴11aをほぼ中央にしてその周囲のノズル面を一部露出している。また、貫通穴23aは、ノズル面側の開口面積よりも表面側の開口面積の方が大きく形成されている。また、このインク噴射面には、撥水膜24が形成されている。本実施の形態では、この撥水膜24は、ノズル穴11a周囲の露出したノズル面も含めて、貫通穴23aの内側まで形成されている。これにより、例えば、記録用紙との摩擦により、ノズル穴11aやその周囲に形成された撥水膜24が受ける損傷を回避することができるようになっている。すなわち、インクの安定した噴射特性が持続的に確保されている。
次に、図7を用いて、キャビティユニット21の積層構造を説明する。この図7は、ノズル穴11aを含むキャビティユニット21の一部拡大断面図であり、図中には、インク噴射面に当接するパージキャップ12aも一点鎖線で示してある。
ノズル穴11aは、図7に示すように、キャビティユニット21を構成するノズルフィルム21A(例えばポリイミドフィルム)に形成されている。このノズルフィルム21Aの一側にカバープレート23が、他側に複数のプレートが積層されている。すなわち、1対のマニホールドプレート21B,21C、サプライプレート21Dなどがそれぞれ重ねられて接着剤にて接合され、キャビティユニット21が構成されている。なお、マニホールドプレート21B,21Cには前記圧力室に連通するマニホールド穴21Ba,21Caとともにノズル穴11aに連通し前記圧力室からのインクが流れる連通穴21Bb,21Cbが形成されている。また、サプライプレート21Dにも、連通穴21Bb,21Cbに連通し前記圧力室からノズル穴11aへのインクが流れる連通穴21Daが形成されている。カバープレート23には、マニホールド(マニホールド穴21Ba,21Ca)内のインクの振動を減衰させるダンパー室となる凹部23bが形成されている。このとき、ノズルフィルム21Aは、ダンパープレートとしても機能するようになっている。この凹部23bは、ノズルフィルム21A側に向かう開口を有している。
次に、インクジェットプリンタのメンテナンスについて説明する。前述したように、前記プリンタフレーム内には、メンテナンスユニット13として、記録ヘッド11の移動方向の一側であるパージ領域S2に、色毎にインクを選択的に吸引して回復処理を行うパージ処理手段12が、他側であるフラッシング領域S3に記録動作中に定期的にノズルの乾燥防止のためのフラッシング(インク吐出)を行うインク受け部14がそれぞれ配設されている。パージ処理手段12は、記録ヘッド11のインク噴射面を密閉可能であるパージキャップ12aを備え、このパージキャップ12aが、公知のパージ処理手段と同様に上下動し、パージキャップ12aがインク噴射面に接触して密閉するキャッピング動作と、それから離れてインク噴射面の密閉を解除するキャッピング解除動作とを行うようになっている。
この上下動は、記録手段15が、記録を行わない待機位置に移動したことを、(記録手段15の移動経路に設けられる)位置検出センサによって検出されると、待機位置にある記録ヘッド11のインク噴射面を密閉する第1の位置までパージキャップ12aを上昇させる。一方、記録ヘッド11が他の位置(待機位置以外の位置)にあるときには、前記第1の位置より下降(退避)してインク噴射面から離隔する第2の位置に下降させる。また、パージキャップ12aは、公知のメンテナンスユニットと同様に吸引ポンプ(図示せず)に接続され、吸引ポンプの駆動によりノズル穴11aから増粘したインクや異物が吸引除去される。
次に、図2及び図3を用いて、パージキャップ12aのキャップ面に形成された本発明に特徴的な構造について説明する。これら2つの図のうち、図3は、パージキャップ12aの一部拡大斜視図であり、2つのノズル列に対応した部位を拡大表示している。つまり、パージキャップ12aのキャップ面には、パージ領域S2のパージ位置で前記インク噴射面がパージキャップ12aにて覆われるとき、ノズル穴11aに対向した空隙部を一端部に形成する第1の凹部12bと、前記ノズル列に沿って延び第1の凹部12bの他端部を相互に連通する第2の凹部12cとが形成されている。
第1の凹部12bは、貫通穴23aに対応してパージキャップ12aのキャップ面に形成されている。そのため、第1の凹部12bにおいて、貫通穴23aに対向する部分は、その開口面積よりも広い面積を有して形成されている。また、貫通穴23a(ノズル穴11a)が千鳥配列とされていることに対応して、第1の凹部12bもノズル列の延在方向に千鳥配列とされている。そして、この第1の凹部12bは、前記インク噴射面がパージキャップ12aにて覆われるとき、前記キャップ面とインク噴射面との間に、第1の凹部12bの一端部が各貫通穴23aに対向して相互に独立した空隙部(小部屋)を形成するように構成されている。さらに、この千鳥配列する第1の凹部12bの他端都は、ノズル列の延在方向に沿って互いに離れる方向に延びている。本実施の形態では、貫通穴23aに対向する一端部もこれから延びている他端部もほぼ同じ幅を持って形成されている。そのため、仮に、パージキャップ12aとインク噴射面とが、相対的に記録ヘッド11の移動方向に位置ずれして当接したとしても、確実に第1の凹部12bに対向して貫通穴23bが配置されることになる。また、1つの第1の凹部12bが一度に複数(この場合は2つ)の貫通穴23aと対向してしまうこともない。すなわち、本実施の形態は、記録ヘッド11の移動方向への位置ずれに対して、高い自由度を有する構造となっている。
一方、前記ノズル列に沿って延びる第2の凹部12cは、第1の凹部12bの他端部を相互に連通するように形成されている。これにより、前記空隙部(小部屋)は、第1の凹部12bの他端部及び第2の凹部12cを通じて排出穴12eに連通される。この第2の凹部12cは、第1の凹部12bよりも深く、排出穴12eから離れるに従ってその断面積が次第に小さくなるように形成されている。ここでは、第2の凹部12cの深さが徐々に浅くなっている。なお、ノズル列が長い場合には、よりスムーズなインクの排出を行うという観点から、排出穴12eは、第2の凹部12cの両端部に形成されることが好適で、この場合には、ノズル列のほぼ中央付近が一番浅くなる。
また、メンテナンスユニット13は、図2に示すように、パージ領域S2において、記録ヘッド11をパージ位置に案内するためのヘッド案内ホルダ22と、前記パージ位置に記録ヘッド11を配置するための(パージキャップ12aの)キャップ面に設けられた1対の位置決めピン12dとを有する。ヘッド案内ホルダ22は、断面コ字形状の基板部22aと、基板部22aの両端部から記録手段15の移動方向に延びる案内部22bとを有する。
一方、記録ヘッド11のインク噴射面には、位置決めピン12dに対応する位置に位置決め穴11bが形成され、記録ヘッド11が、ヘッド案内ホルダ22によって案内されることで、位置決めピン12dが位置決め穴11bに係脱可能に係合し、パージキャップ12aがノズル噴射面を所定の位置関係で覆うように構成されている。そして、その係合状態(パージ位置で前記ノズル噴射面をパージキャップ12aが覆う状態)で、ノズル穴11aに第1の凹部12bの一端部が連結して、前記各ノズル穴11aに対向して相互に独立した空隙部が前記一端部に形成される。この係合状態を、図6及び図7に示す。このうち、図6は、パージキャップ12aと記録ヘッド11とが係合状態にあるときの要部平面図で、2つのノズル列に対応する部位の拡大図である。図中、パージキャップ12aは、一点鎖線で示されている。点線で挟まれた領域は、カバープレート23に形成された凹部23bに対応している。また、ハッチングを施した部分は、キャップ面のインク噴射面に対する当接領域を示している。一方、図7は、図6に中に示したB−B線における断面図である。
第2の凹部12cは、異なるインク色毎に前記ノズル列に沿って平行に複数設けられている。各第2の凹部12cは、混色を防止するために、同じインク色のノズル穴11aに対応する第1の凹部12bにのみ連通している。第2の凹部12cは、上述したように、インクが排出される下流側に向かって断面積が徐々に大きくなっているので、流れるインク流量が増加するにつれて断面積が徐々に大きくなり、スムーズなインクの流れが確保される。各第2の凹部12cの下流端は、吸引ポンプに接続される各排出穴12eに連通している。
上記のように構成すれば、まず、ヘッド案内ホルダ22によって記録手段15が案内され、パージ位置に達すると、記録手段15(記録ヘッド11)側の位置決め穴11bとパージキャップ12a側の位置決めピン12dとが係脱可能に係合して、その係合状態でノズル穴11aに第1の凹部12bの一端部が連結されて、前記キャップ面とインク噴射面との間に、ノズル穴11aに対向した空隙部(小部屋)が個別に形成される。
つまり、図6及び図7に示すように、パージ位置でインク噴射面がパージキャップ12aにて覆われるとき、(パージキャップ12aのキャップ面に前記ノズル穴11aに対向して形成される)第1の凹部12bの空隙部によって、ノズル穴11aに対して小部屋が形成される。その小部屋が第1の凹部12bの他端部及び第2の凹部12cを通じて排出穴12eに連通されるので、パージ初期に気泡が発生したとしても、小部屋の容積が小さいので、容易にインクとともに排出される。そして、ノズル穴11a近傍の小部屋には気泡がなくなりインクですみやかに満たされるので、その後は気泡の発生はなくなる。
ノズル穴11a近傍に個別に小部屋を形成し、その小部屋を利用してノズル穴11a毎にパージ処理を行うようにしているので、複数の(ノズル列の)ノズル穴11aに対して大きな空間部を設けそれらについて同時にパージ処理を行っていた従来の場合に比べて、ノズル穴11a近傍に存在する気体体積を減少させることができ、気泡発生の低減を図る上で有利になっている。
パージキャップ12aのアンキャップ時には、通常、ノズル穴11a近傍に付着しているインクがノズル穴11a内に引き込まれるおそれがあるが、仮に、インクの引き込みが生じたとしても、ノズル穴11a付近に残存する新鮮なインクが引き込まれるだけである。パージ処理終了時には、インクの噴射特性に影響を与えるような気泡の引き込みはない。また、パージ流路(第2の凹部12c)が色毎に分けられているので、インクの混色がなくなり、パージ処理後のフラッシング動作も必要なくなる。また、場合によっては、ワイパ部品やワイパ機構を廃止することも可能になるので、コスト低減を図る上で有利である。
また、ノズル穴11aを千鳥配列にする場合において、配列方向に隣接するノズル穴11aに対応する第1の凹部12bの他端部は、それぞれ互いに離れる方向に延びているので、(混色を生じさせることなく)ノズル穴11aの高密度化を図ることができる。
以上、インク噴射面が、ノズル穴11aが形成されたノズル面及び貫通穴23bが形成されたカバープレート23とで構成される形態について説明したが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。上述の実施の形態から得られる効果のうち、アンキャップ時における気泡の引き込みを防止するという観点において、カバープレート23を有しない形態のインクジェットプリンタにも適用できる。このとき、位置決め穴11bは、本実施の形態のようなノズルフィルム21Aが用いられているのならば、これを避ける位置あるいはこれを貫通してしまって内側にあるキャビティユニットに設ければよい。もちろん、ノズル穴11aを例えば金属製のプレートに形成するのであれば、このプレートの位置決め穴11bを形成すればよい。
また、本発明は、上述のようにパージ処理時に発生しやすい気泡の速やかな排出とインクヘの置換を可能とするもので、パージキャップ12aのキャップ面を工夫することで実現している。具体的には、キャッピング時にノズル穴11aの周囲に個別の空隙部(小部屋)を作るものである。これにより、ノズル穴11aが開放される空間の容積が、従来の形態に比べて非常に小さなものになる。仮に、このまま放置したとすれば、対応するノズル穴11aからインク成分が空間中に蒸発するが、空間の容積が小さいことから、ほとんどインクの増粘を生じることがない。すなわち、本発明は、パージ処理ばかりでなく、記録ヘッド11をインクを貯えたままで長期問保存する場合にも有効な構成である。
本発明に係るインクジェットプリンタの主たる構成要素を示す概略構成図である。 記録ヘッド、パージキャップ及びヘッド案内ホルダの関係を示す斜視図である。 パージキャップの説明図である。 ノズル穴の説明図である。 図4のA−A線における断面図である 記録ヘッドの要部底面図である。 図6のB−B線における断面図である。
符号の説明
11 記録ヘッド
11a ノズル穴
11b 位置決め穴
12 パージ処理手段
12a パージキャップ
12b 第1の凹部
12c 第2の凹部
12d 位置決めピン
22 ヘッド案内ホルダ
23 カバープレート
23a 貫通穴

Claims (12)

  1. インクを噴射する複数のノズル穴をインク噴射面に開口し被記録媒体に対し印字を行う記録領域とパージ処理を行うパージ位置との間を移動可能である記録ヘッドと、前記パージ位置において前記インク噴射面を覆い前記記録ヘッドのノズル穴から前記パージ処理で排出されるインクを受けるパージキャップを有するメンテナンスユニットとを備えるインクジェットプリンタにおいて、
    前記パージ位置で前記インク噴射面が前記パージキャップにて覆われるとき、前記ノズル穴に対向した位置から前記インク噴射面に沿って延びる凹部であって前記各ノズル穴に対向した一端部に空隙部を形成する複数の第1の凹部と、前記複数の第1の凹部の他端部を相互に連通する第2の凹部とが、前記パージキャップのキャップ面に形成され、前記第2の凹部が排出穴に接続されていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記第2の凹部は、前記第1の凹部よりも深く形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記複数のノズル穴は、ノズル列をなして配置され、前記第1の凹部は、そのノズル列と交差する方向に延び、前記第2の凹部は、前記第1の凹部の他端部と連通して前記ノズル列に沿って延びていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記ノズル穴が前記空隙部を介して対向するのは、前記第1の凹部の底面であり、前記第2の凹部は、前記ノズル穴と対向しない位置にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記ノズル列は、複数列設けられ、
    前記第2の凹部は、前記各ノズル列に沿って平行に複数設けられ、前記各第2の凹部は、前記各ノズル列に対応する前記第1の凹部にのみ連通していることを特徴とする請求項3に記載のインクジェットプリンタ。
  6. 隣接する前記ノズル列に属する前記ノズル穴に対応する前記第1の凹部の他端部は、それぞれ他方のノズル列と反対方向に延びていることを特徴とする請求項5に記載のインクジェットプリンタ。
  7. 前記第1の凹部は、前記インク噴射面が前記パージキャップにて覆われるとき、前記各ノズル穴に対向して相互に独立した空隙部を前記一端部に形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェットプリンタ。
  8. 前記インク噴射面は、前記ノズル穴が形成されたノズルフィルムを、前記各ノズル穴に対向する貫通穴が形成されたカバープレートにて覆われて構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェットプリンタ
  9. 前記第1の凹部において前記貫通穴に対向する部分は、その貫通穴の開口面積よりも広い面積を有していることを特徴とする請求8に記載のインクジェットプリンタ
  10. 前記第2の凹部は、前記排出穴から離れるにしたがって断面積が次第に小さくなっていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のインクジェットプリンタ
  11. 前記メンテナンスユニットは、前記記録ヘッドを前記パージ位置に案内するためのヘッド案内ホルダを有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のインクジェットプリンタ
  12. 前記キャップ面には位置決めピン、前記インク噴射面には、前記位置決めピンに対応する位置に位置決め穴がそれぞれ設けられ
    前記記録ヘッドが、前記ヘッド案内ホルダによって案内されることで、前記位置決めピンが前記位置決め穴に係脱可能に係合し、その係合状態で前記ノズル穴に前記第1の凹部の一端部が対向されることを特徴とする請求11に記載のインクジェットプリンタ
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