JP4536988B2 - 核酸のラベリング方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、核酸のラベリングの新規な方法に関し、特に核酸の断片化とラベリングの同時的な化学的方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、または核酸(ここでは用語ポリヌクレオチドによって称される)のラベリングのための数多くの方法が存在する。ポリヌクレオチドは、合成の間(例えば少なくとも一つのラベル化ヌクレオチドを取り込ませることによって)または合成の後にポリヌクレオチドにラベルを加えることによってのいずれかでラベルできる。例えば一つの方法は、ラベルを塩基に結合させ、この場合塩基は天然塩基または修飾塩基である。第二の方法は、ラベルを糖に結合させ、ここでも糖は天然糖または修飾糖である。第三の方法は、ラベルをリン酸に結合させる。しばしば好ましい方法は、より簡便であり、ラベリングのためのより多くのオプションを提供するため、ラベルを塩基または糖に結合させる。例えばこの方法は、塩基ラベリングの場合、EP-A-0.329.198、EP-A-0.302.175、EP-A-0.097.373、EP-A-0.063.879、US-A-5,449,767、US-A-5,328,824、WO-A-93/16094、DE-A-3.910.151及びEP-A-0.567.841に開示され、または糖ラベリングの場合、EP-A-0.286.898に開示された。ラベルのリン酸への結合は、核酸が水溶性であり、水溶液中のリン酸の反応性が低いため、より複雑である。いうまでもなくリン酸ラベリング法は、EP-A-0.280.058に記載されている。この方法では、ラベルはリン酸に結合し、それはデオキシリボヌクレオチドの場合3'及び/または5'位置において、及びリボヌクレオチドの場合2'、3'及び/または5'位置において糖に結合する。ラベル化ヌクレオチドは、合成の間でポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド内に取り込まれても良い。
【0003】
しかしながら、EP-A-0.280.058に記載されたラベリングは、核酸を均一にラベルするものではない。ポリヌクレオチド内へのラベル化ヌクレオチドの取り込みは制御できず、合成されたポリヌクレオチドの組成に依存する。かくしてあるポリヌクレオチドは、大量のラベル化ヌクレオチドを含み、他のものは含まないであろう。結果として、これらのラベル化核酸によって放射されるシグナルの強度は均一ではなく、核酸を検出する場合の結果の解釈を困難にするであろう。
【0004】
US-A-5,317,098に記載された別の方法は、イミダゾールとリンカーアームを使用することによる5'末端でラベルされる核酸(例えば15マー)に関する。さらにリン酸はキナーゼを使用することによって核酸に加えられ、かくして少なくとも一つの工程を加える。この方法はより大きな核酸をラベルするために使用される場合、この方法は5'末端のみをラベルするため、特異的な活性は低い。
【0005】
ある場合、ラベル化ポリヌクレオチドのサイズを減少することによって、別の核酸とラベル核酸のハイブリダイゼーション速度を増大するためというように、ラベル化核酸の断片化も所望される。これに対して、より大きなラベル化ポリヌクレオチドを使用するハイブリダイゼーションは、シグナルの量的及び質的な損式を引き起こすであろう。ラベル化ポリヌクレオチドの断片化はまた、立体障害を減少するために必要であろう。
【0006】
立体障害は、核酸の長さと二次構造の存在から生ずるであろう。断片化は、これらの構造を除去するように機能し、かくしてハイブリダイゼーションを最適化する。立体障害は、例えば「DNAチップ」(GENECHIP(登録商標); Affymetrix, Santa Clara, CA, USA; (Chee等, 1996, Science 274: 610-614; Caviani Pease等, 1994, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 5022-5026; US 5,445,934; US 5,744,305; Ramsay, 1998, Nature Biotechnol. 16: 40-44; Ginot, 1997, Human Mutation 10: 1-10; Cheng等, 1996, Molec. Diagnosis 1(3): 183-200; Livache等, 1994, Nucl. Acids Res. 22(15): 2915-2921; Cheng等, 1998, Nature Biotechnol. 16: 541-546; US 5,525,464, US 5,202,231, US 5,807,522及びUS 5,700,637)で生じるようなプローブの高密度のアレイにおいてといった、高密度のキャプチャープローブを含む表面に対するハイブリダイゼーションにおいて、特に重要な役割を果たす。
【0007】
核酸の断片化の方法は、当該技術分野で周知である。例えば断片化は酵素的であることができる(例えばDNアーゼまたはRNアーゼのようなヌクレアーゼによって)。これは、3'-OH、5'-OH、3'-リン酸及び5'-リン酸末端を有する小さな断片を生産する。別法として、断片化は化学的であることができる。例えばDNAについて、DNAを脱プリン化または脱ピリミジン化することが可能であり、次いでこれを塩基の存在下で断片化する(即ち「β-除去」)。DNAは、酸化、アルキル化、またはフリーラジカル添加機構によって断片化できる。例えばイミダゾールといった化学的触媒として機能できる有機分子としばしば組み合わされる金属カチオンは、RNAを断片化するために使用される。この断片化は好ましくは、アルカリ媒体で実施され、3'-リン酸末端を有する断片を生産する。
【0008】
別の核酸断片化法は、Trawick等, 1998, Chem Rev. 98: 939-960及びOivanen等, 1998, Chem Rev. 98: 961-990に記載されている。
【0009】
RNAの断片化とラベリングの方法は、WO-A-88/04300に記載され、そこでは断片化は、酵素的特性を有するRNA(リボザイム)を使用して実施される。リボザイムによる断片化は、核酸(5')HO末端と核酸(3')HO-PO2末端に関連する。次いで放射性活性ラベリングは、5'OH末端でGTPから由来する放射性リン酸を取り込むことによって作用される;断片化から生ずるリン酸は、ラベリングには使用されない。リボザイムによって実施される断片化は、リボザイムと切断される標的核酸の間で特異性に関与し、その後リン酸はラベルとして機能する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
核酸増幅法に基づく信頼できる診断試験は、さらなる増幅のための標的として機能できる核酸によるコンタミネーションを制御する工程をしばしば含む。いくつかの脱コンタミネーション方法が開発されている(Longo等, 1990, Gen. 93: 125-128; Abravaya等, in Nucleic Acid Amplification Technologies, p 125-133, (1997) Eds. Lee等. (Eaton Publishing, 1997) pp. 125-133; EP 0 709 468 A1及び米国特許第5,605,796号)。これらの方法は、一般的に標的として機能する核酸を分解することによって(例えば、放射線照射、エンドヌクレアーゼ、ウラシルDNAグリコシラーゼ、プライマー修飾、または光化学的方法を使用することによって)、増幅された核酸産物をさらなる増幅のための標的であることができなくする。これらの方法のいくつかは、実施が困難であり、不十分であり、または方法にさらなる工程及び/または毒性化合物を導入する(例えばUV不活性化、光化学的分解、プライマー修飾)。酵素的方法は、しばしば高価で増幅バッファー及び/または検出バッファーと不適合である酵素を使用する。かくして、標的核酸を取り出す有効で簡便な方法に対する必要性が存在する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の一つの特徴点は、核酸、検出可能なラベルを含むラベリング剤、及び少なくとも一つの多価金属カチオンを含む混合物を、実質的に水性の溶液に準備する工程;混合物中の核酸を断片化して、多様な核酸断片を生産する工程;並びに少なくとも一つの核酸断片に少なくとも一つのラベルを結合し、検出可能なラベル化核酸断片を生産する工程を含む、合成または天然の核酸を断片化しラベリングする方法である。本発明の一つの実施態様では、核酸は、DNA、RNA、キメラDNA-RNAポリマー、少なくとも一つのチオリン酸ヌクレオチドを含むDNA、または少なくとも一つのチオリン酸ヌクレオチドを含むRNAである。別の実施態様では、断片化工程と結合工程で使用される試薬は、in vitro核酸増幅混合物に加えられる。さらに別の実施態様によれば、少なくとも一つのラベルは、核酸断片の少なくとも一つのリン酸に結合される。さらに本方法は、断片化工程と結合工程の後に混合物を処理して、非結合ラベリング剤を減少または除去する工程を含む。一つの実施態様では、処理工程は、断片化工程と結合工程の後に混合物にクエンチャーを加えることを含む。好ましいクエンチャーは、ピロリン酸、チオール誘導体、キレート化剤、リン酸アニオン、またはカルボン酸アニオンを含む。別の実施態様では、処理工程は、断片化工程と結合工程の後に、混合物中の非結合ラベリング剤からラベル化核酸断片を物理的に分離する。処理工程はさらに、断片化工程と結合工程の後に、混合物に酸を加えることを含む。処理工程の別の実施態様はさらに、断片化工程と結合工程の後に、混合物にキレート化剤を加えることを含む。一つの実施態様では、処理工程は、非結合ラベリング剤からラベル化核酸断片を分離するために有機溶媒を使用する。好ましい有機溶媒は、1-ブタノール、2-ブタノール、イソペンチルアルコール、1-ペンタノール、またはシクロヘキサノールである。別の実施態様では、処理工程は、固体の支持体上の核酸断片の固相抽出を使用することによって、非結合ラベリング剤からラベル化核酸断片を分離する。好ましくは固体の支持体は、ビーズ、ゲル、イオン交換樹脂、逆相樹脂、シリカマトリックス、または膜である。別の実施態様では、ラベル化核酸断片は、ベタインを含むバッファーを使用することによって、固相の支持体から溶出される。一つの実施態様は、ベタイン、DTAB及び非ラベル化核酸を含む溶液から、環境温度でラベル化核酸断片を沈降する処理工程を含む。別の実施態様は、in vitro核酸増幅混合物を希釈する処理工程を使用する。一つの実施態様では、断片化工程と結合工程は、単一の反応混合物において実施され、別の実施態様では、断片化工程と結合工程は、別個の工程で実施される。好ましい実施態様では、結合工程は、内部または末端のチオリン酸に、または内部または末端のリン酸にラベルを結合する。一つの実施態様では、断片化工程はさらに、化学的触媒の使用を含む。好ましくは化学的触媒は、イミダゾール、イミダゾールの置換類似体、及びイミダゾール環またはイミダゾール環の置換類似体を含む化合物より成る群から選択される一般的な塩基である。好ましい化学的触媒は、N-メチルイミダゾール、MOPS、HEPES、PIPES、及び生体有機ポリアミンからなる群から選択される。本方法の好ましい実施態様では、核酸は、RNA、または少なくとも一つのチオリン酸ヌクレオチドを含むRNAであり、多価金属カチオンは、Mg2+、Sr2+、Ba2+、Pb2+、Zn2+、Cd2+、Mn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Ru3+、Ce3+、Eu3+、Tb3+、Tm3+、Yb3+、またはLu3+である。別の好ましい実施態様では、核酸はDNAであり、多価金属カチオンはTb3+である。一つの実施態様では、核酸はRNA、または少なくとも一つのチオリン酸ヌクレオチドを含むRNAであり、多価金属カチオンはMn2+、Cr3+、Ce3+、Yb3+、Tb3+、Eu2+、Zn2+、またはPb2+である。別の実施態様では、核酸はDNA、または少なくとも一つのチオリン酸ヌクレオチドを含むDNAであり、多価金属カチオンは、Mn2+、Zn2+、Be2+、Cr3+、Pb2+、In3+、Tb3+、Ce3+、Yb3+、またはNi2+である。本方法の好ましい実施態様は、Mn2+、Zn2+、Tb3+、またはCe3+である多価金属カチオンを使用する。好ましい実施態様では、前記混合物は、0.1mMから4mMの間、より好ましくは0.3mMから0.55mMの間の濃度でラベリング剤を含む。好ましい実施態様では、ラベリング剤は、0.3mMから0.5mMの間である。好ましくは前記混合物は、ハロゲン化アルキルまたはハロアセタミド反応性官能基を含むラベリング剤を含む。好ましいラベリング剤は、5-(ブロモメチル)フルオレセイン、6-(ブロモメチル)フルオレセイン、6-ヨウドアセタミドフルオレセイン、または5-ヨウドアセタミドフルオレセインである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、核酸を化学的に断片化し、同時にこの断片をフルオレセイン化合物のような検出可能なラベルでラベルする方法を含む。次いでラベル化断片を、各種の方法によって検出できる。この方法は、固定化プローブまたは検出プローブに結合された断片のようなラベル化核酸を調製するのに有用である。この方法は、特にいずれかの各種の方法を使用する核酸精製工程と組み合わせた場合、ラベリング工程から生ずる非特異的なシグナルを制限できる。さらにこの方法は、比較的均一にラベル化された核酸断片を提供する。断片化方法は、断片化核酸の検出において使用される核酸プローブに対するハイブリダイゼーションのための最適なサイズを有する断片を生じ、かくして検出工程をより迅速で有効にする。
【0013】
本発明は、化学的方法により核酸を断片化する工程と、断片化核酸にラベルを結合する工程によって特徴付けされる、合成または天然の核酸をラベリングする方法に関する。この方法は、ラベリング剤の量を減少するためにラベリング混合物を処理することを任意に含む。
【0014】
「核酸」は、DNA、RNA、またはキメラDNA-RNAポリマー(一本鎖、二本鎖、または部分的な二本鎖)、または部分的若しくは完全にヌクレオチド類似体若しくは非塩基性残基が配列中に存在しても良い核酸分子を意味する。DNAまたはRNAは、天然のソース(例えば細胞から抽出される)から精製されても良いし、合成的に調製されても良い(例えば化学的、酵素的、または他の周知の合成法によって)。ある実施態様では、核酸は、増幅化DNA、増幅化RNA、またはその混合物であり、それらはさらに少なくとも一つのチオリン酸ヌクレオチドを含んでも良い。リン酸は、核酸断片の3'末端及び/または5'末端に位置する末端リン酸であっても良く、内部リン酸、または内部チオリン酸であっても良い。
【0015】
用語、核酸は、従来のRNA及びDNA、並びにそれらの類似体を含む。核酸の「骨格」は、一つ以上の糖−ホスホジエステル結合、ペプチド−核酸結合(場合により、Hydig-Hielsen糖, PCT特許出願番号WO 95/32305に記載されたような「ペプチド核酸」としても称される)、ホスホロチオアート結合、メチルホスホナート結合、またはそれらの組み合わせを含む、当該技術分野で周知の各種の結合から成っても良い。核酸の糖部分は、リボースまたはデオキシリボースのいずれでも良く、あるいは2'メトキシ置換基及び2'ハライド置換基(例えば2'-F)のような周知の置換基を有する同様な化合物であっても良い。窒素性塩基は、従来の塩基(A、G、C、T、U)、周知のそれらの類似体(例えばイノシンまたは「I」;The Biochmistry of the Nucleic Acids 5-36, Adams等編, 第11版, 1992参照)、周知のプリン若しくはピリミジン塩基の誘導体(例えば、N4-メチルデオキシグアノシン、デアザ-若しくはアザ-プリン、またはデアザ-若しくはアザ-ピリミジン、5または6位で置換基を有するピリミジン塩基、2、6または8位で改変された若しくは代わりの置換基を有するプリン塩基、2-アミノ-6-メチルアミノプリン、O6-メチルグアニン、4-チオ-ピリミジン、4-アミノ-ピリミジン、4-ジメチルヒドラジン-ピリミジン、及びO4-アルキル-ピリミジン;Cook, PCT特許出願番号WO 93/13121参照)、並びに骨格がポリマーの一つ以上の残基について窒素性塩基(米国特許第5,585,481号)を含まない「非塩基性」残基であっても良い。核酸は、RNAとDNAで見出される従来の糖、塩基及び結合のみを含むものであっても良く、従来の構成成分及び置換基の両者を含むものであっても良い(例えば、メトキシ骨格を介して結合した従来の塩基、または従来の塩基と一つ以上の塩基類似体を含む核酸)。
【0016】
「増幅」は、標的核酸配列またはその相補体またはその断片の複数のコピーを得るためのいずれかの周知の方法を意味する。周知の増幅法は例えば、転写介在的増幅、レプリカーゼ介在的増幅、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅、リガーゼ連鎖反応(LCR)増幅、及び鎖置換増幅(SDA)を含む。レプリカーゼ介在的増幅は、自己複製性RNA分子と、QB-レプリカーゼのようなレプリカーゼを使用する(米国特許第4,786,600号;PCT特許出願番号WO 90/14439)。PCR増幅は周知であり、DNAポリメラーゼ、プライマー、及び熱サイクルを使用して、DNAまたはcDNAの二つの相補的な鎖の複数のコピーを合成する(例えば、米国特許第4,683,195号、第4,682,202号及び第4,800,159号;Methods in Enzymology, 1987, Vol. 155: 335-350)。LCR増幅は少なくとも4の別個のオリゴヌクレオチドを使用して、ハイブリダイゼーション、ライゲーション、及び変性の複数のサイクルを使用することにより、標的とその相補的な鎖を増幅する(欧州特許出願番号0 320 308)。SDAは、標的配列を含む半修飾DNA二本鎖の一方の鎖をエンドヌクレアーゼでニックし、一連のプライマー伸長と鎖置換工程において増幅するような、制限エンドヌクレアーゼに対する制限部位をプライマーが含む方法である(Walker等, 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 392-396;及び米国特許第5,422,252号)。転写会合性増幅は、本発明の好ましい実施態様である。しかしながら、本発明の方法は、いずれの方法によって増幅された核酸でも容易に使用できることは、当業者に明らかであろう。
【0017】
「転写介在性増幅」または「転写会合性増幅」は、RNAポリメラーゼを使用して、核酸テンプレートから複数のRNA転写産物を生産する核酸増幅のいずれかのタイプを意味する(米国特許第4,868,105号及び第5,124,246号、第5,130,238号、第5,399,491号及び第5,554,516号、第5,437,990号;並びにPCT特許出願番号WO 93/22461、WO 88/01302及びWO 88/10315、WO 94/03472及びWO 95/03430参照)。転写会合性増幅は一般的に、RNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼ、チオリン酸デオキシリボヌクレオチド、チオリン酸リボヌクレオチド、及びプロモーター−テンプレート相補的オリゴヌクレオチドを使用し、任意に一つ以上の類似体オリゴヌクレオチドを含んでも良い。好ましい転写介在性増幅(TMA)の方法は、米国特許第5,399,431号及び第5,554,516号、並びにPCT特許出願番号WO 93/22461、WO 94/03472及びWO 95/03430に詳細に開示されている。
【0018】
核酸の化学的断片化は、少なくとも一つの多価金属カチオンを使用することによって実施され、それは化学的触媒と組み合わせても組み合わせなくても良い。好ましい多価金属カチオンは、二価及び三価カチオン、ランタニド、第IIA属、第IV属、及び遷移金属(例えば、Mn2+、Mg2+、Sr2+、Ba2+、Pb2+、Zn2+、Cd2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cr3+、Ce3+、Eu3+、Lu3+、Ru3+、Tb3+、Tm3+、及びYb3+)、またはそれらの組み合わせを含む。断片化とラベリングの両者は、Mn2+、Zn2+、またはPb2+のような少なくとも一つの多価金属カチオン、あるいはTb3+またはCe3+のようなランタニドカチオンの存在下で実施されても良い。断片化方法において使用される化学的触媒は、例えばイミダゾール、置換化類似体(例えばN-メチルイミダゾール)、またはイミダゾール環を含む化合物、またはその置換化類似体を含む、一般的な塩基として機能するものである。核酸断片化のために使用されても良いさらなる化学的触媒は、MOPS、HEPES、PIPES、及びスペルミン、スペルミジン及びプトレシンのような生体有機ポリアミドを含む(Arkadiusz等, 1999, Nucleic Acids Res. 27: 3931-3937)。
【0019】
本発明の好ましい方法では、断片化される核酸はRNAであり、多価金属カチオンは、Mn2+、Mg2+、Sr2+、Ba2+、Pb2+、Zn2+、Cd2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Ru3+、Ce3+、Eu3+、Lu3+、Tb3+、Tm3+、またはYb3+の少なくとも一つである。RNAが断片化される他の実施態様では、好ましい多価金属カチオンは、Mn2+、Zn2+、Eu3+、Pb2+、Ce3+、Cr3+、Tb3+、またはYb3+の少なくとも一つである。
【0020】
本発明の好ましい方法では、断片化される核酸はDNAであり、多価金属カチオンは、Mn2+、Zn2+、Be2+、Pb2+、Ni2+、Cr3+、Ce3+、Eu3+、In3+、Tb3+、またはYb3+の少なくとも一つである。別の好ましい実施態様では、断片化される核酸は、少なくとも一つのチオリン酸ヌクレオチドを含むDNAであり、金属カチオンはTb3+である。
【0021】
任意に少なくとも一つのチオリン酸ヌクレオチドを含むDNAのさらなる化学的断片化は、金属キレート化剤(sentagne等, 1992, J. Photochem. Photobiol. B. 16: 47-59)、光活性化化合物(Nadji, 1992, Am. Chem. Soc. 112: 9266-9269)、及びアルキル化剤(Povsic等, 1990, J. Am. Chem. Soc. 112: 9428-9430)を使用することによって作用されても良い。
【0022】
「ラベリング」は、核酸と会合する検出可能なシグナルを生産するように、核酸に検出可能なラベルを結合することを意味する。ラベルを含む化合物がラベリング剤である。周知のラベルは、シグナル、例えば発色、蛍光、発光を生産する酵素(例えばアルカリホスファターゼ);電子顕微鏡によって、または電子的特性を測定することによって検出可能である電子密度基;光学的または物理的方法を使用して検出できるサイズ依存的検出基;及び放射性核種を含む。
【0023】
本発明のラベリング剤は、ハロゲン化アルキル(例えばブロモアルキルまたはブロモメチル)及びハロアセタミド反応性官能基(例えばヨウドアセタミド基)を含む化合物を含む。そのようなラベリング剤は例えば、5-(ブロモメチル)フルオレセイン、6-(ブロモメチル)フルオレセイン、6-ヨウドアセタミドフルオレセイン、及び5-ヨウドアセタミドフルオレセインを含む。例えば、ヒドラジン、アルコキシルアミン、アルキル若しくはアリールハライド、およびマレイミドのような他の反応性化合物が、周知の化学反応性に基づいて同等に使用されても良いことは、当業者に明らかであろう。ラベリング剤の好ましい濃度は、下限が0.01mMで上限が10mMを有する範囲であり、好ましくは下限が0.1mMで上限が4mMを有する範囲である。ある好ましい実施態様では、ラベリング剤は0.1mMと1mMの間の濃度範囲で使用され、他の実施態様では、0.3mMから0.55mMの間の濃度範囲で使用される。ラベリング剤が5-(ブロモメチル)フルオレセインである場合、断片化工程とラベリング工程は、好ましくは15mMから60mMのMn2+、5mMから30mMの間の範囲のイミダゾールの存在下で、6.8から7.2の間の範囲のpHで生ずる。本発明の一つの実施態様では、核酸断片化とラベリングは、一つの反応混合物において実施され、いずれかの残余の標的核酸を除去する検出後の工程についての必要性を除去する、標的の不活性化のための方法をさらに提供する。例えば、断片化及びラベリング反応混合物中に存在するRNA標的分子は、短い断片に分解されるであろう。
【0024】
本発明の利点は、核酸断片化とラベリングの反応もまた、脱コンタミネーションプールとして機能することである。つまり、断片化RNA断片は、さらなる増幅のための標的とはなり得ないので、この方法は増幅混合物中に存在するRNA分子を断片化し、かくしてこのシステムからさらなる増幅のための潜在的な標的を除去する。
【0025】
本発明の一つの実施態様では、増幅反応の全体の容量またはその一部のいずれかを使用して、断片化とラベリングが二つの工程で実施される。
【0026】
本発明の別の実施態様では、断片化工程とラベリング工程の後に、非反応化ラベリング剤を減少または除去するための処理工程が含まれる。この工程は、非反応化ラベルの存在から生ずる非特異的なシグナルを制限または除去する。そのような処理工程は、ラベリング反応にクエンチャー化合物を加えることを含んでも良く、または核種の方法のいずれかを使用して、非反応化ラベリング剤からラベル化核酸断片を物理的に分離しても良い。
【0027】
クエンチャーは、(1)反応混合物において金属カチオンと可溶性の錯体を形成する化合物、(2)反応混合物から金属カチオンを沈降する化合物、または残余のラベリング剤と反応し、それを混合物から除去する化合物である。可溶性錯体は、例えばEDTAのようなキレート化剤を使用することによって形成できる。沈降可能な錯体は、ピロリン酸アニオンを加えることによって形成できる。クエンチャー化合物は、ラベリング反応に含まれる特定の反応基との標準的な化学的相互作用に基づいて、当業者によって容易に選択できる。好ましいクエンチャーは、ジチオスレイトール、システイン、グルタチオン、メルカプトコハク酸のようなピロリン酸またはチオール誘導体を含む。別法として、またはクエンチャーの使用に加えて、処理工程は、非結合ラベリング剤からラベル化核酸を物理的に分離する方法によって、非反応化ラベルを除去しても良い。ラベル化核酸断片からの非結合化ラベルの分離は、1-ブタノール、2-ブタノール、イソペンチルアルコール、1-ペンタノール、またはシクロヘキサノールのような少なくとも一つの有機溶媒内に非反応化ラベルを抽出することを含む。好ましい溶媒は1-ブタノールである。別の好ましい抽出方法は、溶媒抽出の前に、ラベリング混合物を酸性化することを含む。別法として、抽出のために使用される有機溶媒は、抽出反応が開始する前に、エチレン-ジアミン-テトラ酢酸(EDTA)と混合される。
【0028】
別の実施態様に従って、処理工程は、酢酸ナトリウムと冷たいイソプロパノールの混合物において、核酸断片を沈降することによっては実施されない。
【0029】
ラベル化核酸断片の精製もまた、固相抽出法を使用する非結合ラベルを除去することによって実施されても良い。そのような抽出法のための固相の支持体は好ましくは、ビーズ、ゲル濾過樹脂(例えばSephadex(登録商標)、Sephacryl(登録商標)、及びBioGel(登録商標))、ゲル、または膜(例えばナイロン(登録商標)、ニトロセルロース、ガラスファイバー、またはシリカ)である。特に好ましい固相の抽出媒体は、ゲル濾過樹脂Sephadex(登録商標)G-50、シリカ膜、及びシリカビーズを含む。固相抽出法は好ましくは、固相の支持体を含むようなカラムを使用して実施され、重力流、真空吸引、または遠心分離のような加圧を使用して、あるいはカラムの上部に結合したシリンジを使用して、カラムを通じて除去できる。抽出のための固相媒体にラベリング反応混合物を適用する前に、EDTAのようなキレート化剤を混合物に加える。一つの好ましい実施態様では、子象はシリカで被覆されたパラ磁性粒子であり、捕獲されたラベル化核酸断片がベタインで溶出される。
【0030】
固相精製法は、姻族で、単純で、効率的であり、有機溶媒を使用しない。さらに、結合能力の制限のため、固相の支持体は、検出工程の間でシグナルの飽和を引き起こすであろう過剰なラベル化断片を除去するように採用することができる。
【0031】
非反応性ラベリング剤の量を減少するためのラベリング混合物を処理するためのさらなるまたは別の方法は、DTAB(ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド)またはCTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロミド)のようなトリアルキルアンモニウム塩誘導体であるベタインを含む塩水バッファーに断片化核酸を沈降させることを含む。ラベリング混合物はまた、検出工程の前に非反応性ラベリング剤の濃度を低下するために希釈できる。
【0032】
いずれかの特定のメカニズムに結びつけられることを望まないが、核酸を断片化しラベリングする本発明の方法は、核酸中のリン酸基またはチオリン酸基にラベルを結合しても良い。そのような結合は、ポリマー中の末端または内部のリン酸基またはチオリン酸基で生じても良い。
【0033】
これらの方法は、本発明のいくつかの好ましい実施態様を説明する、以下の実施例によって説明される。
【0034】
【実施例】
実施例1:RNAアンプリコンの調製
断片化とラベリングのための核酸を生産するために、以下の核酸増幅反応を実施した。これらの反応は、標的として二つの核酸のソースを使用し、一方はMycobacterium tuberculosisから由来し、他方はヒト免疫不全症ウイルスHIV-1から由来した。
【0035】
Mycobecterium 16Sアンプリコン
Mycobacterium tuberculosisの16S rRNAのアンプリコンを、転写介在性増幅(TMA)を使用して得た(Kacian等, 米国特許第5,399,491号及び第5,554,516号;Kacian等, PCT特許出願番号WO 93/22461;McDonough等, PCT特許出願番号WO 94/03472;及びRyder等, PCT特許出願番号WO 95/03430)。増幅反応を、106コピーのrRNA標的(M tuberculosis 16S)と、Mycobacterium Tuberculosis Direct (MTD)キット(Gen-Probe Incorporated, San Diego, CA, USA)の試薬と方法を使用して実施した。TMAで使用されるプライマーは、"Methods and Compositions for Detecting Mycobacterium Species Using Nucleic Acid Amplification"の表題の出願において開示され、これは本出願の出願日以前の日に本出願人によって別個に出願されている。
【0036】
略記すると、標的核酸、プライマー、及び増幅基質を混合した後、増幅混合物を42℃で1時間インキュベートした。TMA産物を7M尿素を含む6%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動することによって分析し、分離されたアンプリコン産物を、エチジウムブロミド染色の後に視覚化し、ゲル上のRNAスタンダードとの比較によって産物のサイズと質を評価した。
【0037】
HIV-1アンプリコン
HIVアンプリコンを、Kozal等(1996, Nature Med. 2(7): 753-759)によって記載されたように、ポリメラーゼ連鎖反応を使用して調製した。略記すると、最初に細胞を溶解バッファー(10mM Tris-HCl, pH8.3, 2.5mM MgCl2, 0.45% Tween(登録商標)-20, 50mM KCl, 0.1mg/ml プロテイナーゼK)で56℃で2時間処理することによって、106の共培養細胞からDNAを抽出した。
【0038】
増幅したPCR反応物のセットを、HIV 1 DNAを増幅するために使用した。最初の反応は、約1.0μgのインプットDNAと以下の二つのプライマーを使用して、1200bpのアンプリコンを生産した:
aattaaccctcactaaagggagaCAGAGCCAACAGCCCCACCA(配列番号1,ここでT3 RNAポリメラーゼプロモーター配列は小文字で示されている)、並びに
taatacgactcactatagggagaTTTCCCACTAACTTCTGTATGTCATTGAGA(配列番号2,ここでT7 RNAポリメラーゼプロモーター外列は小文字で示されている)。PCR反応を、100mM Tris-HCl, pH8.3, 500mM KCl, 1.5mM MgCl2, 0.2mM 各dNTP, 0.2μM プライマー(各)及び1.25ユニットのTaq DNAポリメラーゼを含む反応混合物において実施した。この反応物を、94℃で30秒、55℃で30秒、72℃で2分の25サイクル、及び72℃で10分の最後のサイクルでインキュベートした。
【0039】
第二の反応は、最初のPCRにおいて使用される配列番号1のプライマーと、以下の配列を有する第三のプライマーを使用することにより、最初に増幅された配列の内部の460bp配列を生産した:
taatacgactcactatagggagaGGGCCA TCCATTCCTGGCTTTAATTT(配列番号3)。反応物を、94℃で30秒、63℃で30秒、72℃で1分の30サイクルと、72℃で10分の最後のサイクルでインキュベートした。40mM Tris Ac2, pH8.1, 100mM KAc, 30mM MgAc2, 10mM DTT及び1.25mM rNTPを含むin vitro反応において、20UのT3またはT7 RNAポリメラーゼを使用することによって、PCR産物を転写した。
【0040】
産物のサイズと質を、前述のゲルで評価した。
【0041】
ラベリング反応のため、RNAアンプリコンをさらなる精製なしで使用した。
【0042】
実施例2:有機溶媒での抽出を使用することによるバックグランド減少
イミダゾールとMnCl2を、Sigma-Aldrich Chimie (St Quentin Fallavier, France)から得て、5-(ブロモメチル)フルオレセインを、Molecular Probes (Eugene, OR, USA, 参照番号B1355)から購入した。
【0043】
16S RNAのアンプリコンを、実施例1に記載されたように調製した。各ラベリング反応(100μl)は、以下のものを含む:RNA分子(5μlのTMA反応混合物)、6μlイミダゾール(0.1M)、6μlのMnCl2(1M)、2μlの5-(ブロモメチル)フルオレセイン(DMF中に溶解した50mM)、及び81μlの精製水。反応物を混合し、65℃で30分インキュベートした。
【0044】
製造者のプロトコールを使用してDNAチップ(GENECHIP(登録商標))(Affymetrix, Santa Clara, CA, USA)上の固定化プローブアレイで、産物をハイブリダイズさせ、検出し、分析した。このDNAチップは、M. tuberculosisの16S rRNA(M20940配列<Genbank>の213-415領域、Troesch等, 1999, J. Clin. Microbiol. 37(1): 49-55に記載される)の検出と4-Lタイリングのためのデザインする。GENECHIP(登録商標)ソフトウェアー(Affymetrix)で入手可能な機能を使用して得られた結果は、以下のものを含んだ:BC:ヌクレオチドベースコール(パーセンテージで表される);S:プローブアレイセルに対する平均シグナル強度(相対的フルオレセインユニット:RFUで表される);B:平均バックグランド強度(RFUで表される);及びS/B:シグナルとバックグランドの比。このアッセイについて、96.2%のベースコーリングは、5488RFUの平均シグナルと、2420RFUのバックグランドで達成され、2.3のS/B比が得られた。
【0045】
この結果は、有用なベースコーリングとシグナル強度が、単一の増幅反応で生産された%のみのアンプリコンを使用することによって得ることができることを示す。しかしながら、S/B比は相対的に低かった。
【0046】
他の実験では、より少量の断片化及びラベリング混合物を試験した。これらの実験では、16S rRNAアンプリコンを、TMA増幅を使用して実施例1に記載されたように調製した。次いで25μlと50μlのラベリング反応物を調製した。25μlの反応物は以下のものを含んだ:RNA分子(5μlのTMA反応混合物)、1.5μlのイミダゾール(0.1M)、1.5μlのMnCl2(1M)、2μlの5-(ブロモメチル)フルオレセイン(DMF中に50mM)、及び15μlの精製水。50μlの反応物は以下のものを含んだ:RNA分子(TMA反応混合物の5μl)、3μlのイミダゾール(0.1M)、3μlのMnCl2(1M)、2μlの5-(ブロモメチル)フルオレセイン(DMF中に50mM)、及び37μlの精製水。両容量を混合し、65℃で30分インキュベートした。
【0047】
インキュベーションの後、精製水を各混合物に加え、100μlの最終容量を得た。次いで、ラベリング反応産物を、上述のような4-LタイリングDNAチップを使用して、製造者のプロトコール(GENECHIP(登録商標), Affymetrix, Santa Clara, CA, USA)を使用してDNAチップにハイブリダイズさせ、検出し、分析した。
【0048】
その結果が以下に示される
【表1】
【0049】
これらの結果は、ラベリング反応がベースコーリングまたは強度レベルに影響することなく、より少量で実施できることを示す。
【0050】
S/B比を増大するために、断片化及びラベリング反応が完成した後に精製工程を含ませた。ここで洗浄バッファー中に有機溶媒を、ラベル化RNA断片の検出のためDNAチップに適用される混合物中の非結合ラベリング剤の量を減少させるため使用した。
【0051】
M. tuberculosisの16S rRNAのアンプリコンを、実施例1に記載されたように調製した。アンプリコンの断片化とラベリングを、前述のように25μl反応物で実施した。断片化とラベリングの後、精製水を加えて、100μlの最終容量を得た。次いで反応産物を、洗浄バッファーが5%(v/v)のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)または5%(v/v)のジメチルスルホキシド(DMSO)のいずれかを含むことを除いて、前述のようにDNAチップにハイブリダイズさせ、検出し、分析した。
【0052】
これらの結果が以下に示される。
【表2】
【0053】
この結果は、洗浄バッファーにおける有機溶媒の添加が、おそらく洗浄バッファー中の5-(ブロモメチル)フルオレセインラベルの可溶性を増大し、それによってDNAチップからそれを有効に除去することによって、バックグランドレベルを減少することを示す。ベースコールパーセンテージもまた、洗浄バッファー中にDMSOまたはDMFを含むアッセイにおいてより高かった。
【0054】
DNAチップによる検出を改良するための別の方法として、有機溶媒での断片化及びラベリング反応混合物の抽出が、ハイブリダイゼーション工程の前に含まれた。断片化及びラベリング反応混合物は、以下のものを含んだ:16S rRNAアンプリコン(TMAの50μl)、15μlのイミダゾール(0.1M)、15μlのMnCl2(1M)、5μlの5-(ブロモメチル)フルオレセイン(DMSO中に50mM)、及び250μlの最終容量のために加えられた精製水。反応混合物を混合し、65℃で30分インキュベートした。
【0055】
次いで、100μlの反応混合物を、900μlの水飽和1-ブタノールを使用することによって抽出した。1-ブタノールの添加の後、溶液を激しくボルテックス混合して遠心分離し、水相と有機相を分離した。100μlの水相を、700μlのハイブリダイゼーションバッファー(5×SSPE、3Mベタイン、5mM DTAB、250μg/mlサケDNA)と混合し、DNAチップでのハイブリダイゼーションを前述のように実施した。この方法を使用して、BCは98.4%であり、シグナルは2131RFUであり、バックグランドは314RFUであり、6.8のS/B比を生じた。これらの結果は、ベースコールパーセンテージの損失なく、断片化とラベリング反応の後に有機溶媒抽出の使用によって、バックグランドレベルが減少することを示す。
【0056】
より大容量の反応が同様に使用できるかを測定するために、全部で100μlのTMA反応容量を使用した。この場合、ラベリング剤を以下のようにTMA反応チューブに直接加えた。TMA反応物(100μl)に対して以下のものを加えた:15μlのイミダゾール(0.1M)、15μlのMnCl2(1M)、5μlの5-(ブロモメチル)フルオレセイン(DMF中に50mM)、及び250μlの最終容量のための精製水。反応媒体を混合し、65℃で30分インキュベートした。
【0057】
別法として、同じプロトコールを実施し、前述のように実質的に実施される1-ブタノール精製を続けた。次いで両方法について(即ち有機溶媒抽出ありとなし)、100μlの反応産物を、前述のようにDNAチップでハイブリダイズし、検出し、分析した。これらの結果が以下に示される。
【表3】
【0058】
このプロトコールにより、ラベリング剤を増幅に引き続くTMAチューブに加えたため、別のチューブへのアンプリコンのさらなる移動工程なく、アンプリコンの断片化とラベリングが可能であった。
【0059】
同様なアッセイを、実施例1に記載されたように生産されたHIV-1アンプリコンを使用して実施した。これらの断片化及びラベリング反応(250μl)は、HIV-1プロテアーゼRNAアンプリコン(15μl)、15μlのイミダゾール(0.1M)、15μlのMnCl2(1M)、5μlの5-(ブロモメチル)フルオレセイン(DMSO中に100mM)、及び165μlの精製水を含み、それを混合して60℃で30分インキュベートした。有機溶媒抽出のため、250、300、400または1000μlの抽出当たりのブタノールを使用して、1-ブタノールを使用する二つの抽出を前述のように実施した。次いで反応産物を、HIV-1プロテアーゼ遺伝子(Kozal等, 1996, Nature Med. 2(7): 753-758)の検出のためのDNAチップを使用して、前述のようにDNAチップでハイブリダイズさせ、検出し、分析した。以下に示されるその結果は、二つの有機溶媒抽出が、使用された全ての容量についてバックグランドを実質的に減少することを示す。
【表4】
【0060】
このプロトコールを、1-ブタノール抽出工程の前に、断片化及びラベリング反応混合物にEDTA(10mM)を加えることによって変更した。この添加は、ラベル化RNA断片の可溶性を増大し、Mn2+金属イオンによって引き起こされる沈降を妨げた。以下に示されるように、EDTAの添加は、BCとS/B比の増大の両者について検出工程を改良した。
【表5】
【0061】
1-ブタノールに加えて、断片化とラベリングのための標的核酸として16S rRNAアンプリコンで、同様な抽出法を使用して、他の有機溶媒もまた試験した。各有機溶媒についての結果が以下に示され、各種の有機溶媒が非結合ラベリング剤を有効に除去するために使用できることを示す。
【表6】
【0062】
非結合ラベルの有機溶媒抽出の別法として、断片化されラベルされた核酸断片の沈降もまた試験した。この実験では、HIV-1アンプリコンを実施例1に記載されたように調製した。各反応物は以下のものを含んだ:RNAアンプリコン(50μl)、6μlのイミダゾール(0.1M)、6μlのMnCl2(1M)、2μlの5-(ブロモメチル)フルオレセイン(DMSI中に50mM)、及び100μlの最終容量のための精製水;混合溶液を65℃で30分インキュベートした。断片化RNAが沈降されないコントロール溶液として、HIV-1特異的DNAチップを使用して、ハイブリダイゼーションと検出工程を前述のように実施した。沈降工程を含む実験反応物について、チップに対するハイブリダイゼーションの前に沈降工程を実施した。沈降のため、反応混合物を700μlのハイブリダイゼーションバッファー(5×SSPE、3Mベタイン、5mM DTAB、25μg/mlサケ精子DNA)と、ボルテックスによって室温で混合した。沈降物がペレット化し、上清を除去した。ペレットを500μlのハイブリダイゼーションバッファーに再懸濁し、ハイブリダイゼーション、検出及び分析を、前述のようにHIV-1特異的DNAチップで実施した。
【0063】
両者の方法についての結果が以下に示される
【表7】
【0064】
沈降なしでは、シグナル強度は高いが、S/B比は低い(1.5);沈降ありでは、バックグランドが減少し、S/B比が増大する。
【0065】
実施例3:非結合ラベルの固相抽出
この実施例では、核酸の断片化とラベリングの引き続き、ラベル化断片を固相抽出を使用して物理的に非結合ラベルから分離した。
【0066】
シリカベースの固相支持体
使用される固相試薬は、磁性シリカビーズであった、標的核酸は、実施例1に記載されたように調製された16S rRNAアンプリコンであった。反応物は、50μlのTMA反応混合物、9μlのイミダゾール(0.1M)、9μlのMnCl2(1M)、及び3μlの5-(ブロモメチル)フルオレセイン(DMSO中に100mM)を含み、それを混合して60℃で30分インキュベートした。
【0067】
市販で入手可能な試薬、Wizard PureFaction(登録商標)Plasmid DNA Purification System Starter Pack (Promega, Madison, WI, USA)を使用して、固相抽出を実施した。この方法では、断片化及びラベリング反応物を、25μlのMagneSil Paramagnetic Particlesと、1mlの4/40Wash溶液と混合し、激しく攪拌し(ボルテックスによって)、次いでチューブを磁性支持体に配置し、磁性ビーズをチューブの側に維持した。ビーズを1mlの80%エタノールを使用して洗浄し、ラベル化RNA断片を100μlの10mM Tris-Cl, pH8.5を使用することによって溶出した。溶出物を前述のようにDNAチップでハイブリダイズさせ、検出し、分析した。1-ブタノール抽出を使用するものと比較した、この精製法の結果が以下に示される。
【表8】
【0068】
これらの結果は、シリカビーズを使用する固相抽出がバックグランドを減少し、S/B比を増大することを示す。
【0069】
別の実験では、溶出をベタイン(ハイブリダイゼーションバッファー中に溶解した5M、300μl)を使用して実施することを除いて、同様なシリカビーズ固相抽出を実施した。次いで、ベタインを含まないハイブリダイゼーションバッファーを使用して、前述のようにハイブリダイゼーションをDNAチップで実施した。ベタインで溶出されたラベル化断片がハイブリダイズする場合、BCは99.5%であり、シグナルは2424RFUであり、バックグランドは170RFUであり、S/Bは14.3であった。
【0070】
シリカ膜固相支持体
別の実験では、ラベリング後の精製のために、磁性シリカビーズの代わりにシリカ膜を使用した。この実験では、実施例2に記載されたように100μlの容量反応物で16S rRNAアンプリコンを使用して、断片化とラベリング反応を実施し、ラベリング後の精製をシリカ膜(QIAQUICK(登録商標) Nucleotide Removalキット, Qiagen, Hilden, Germany)を使用して実施した。精製のため、0、15または75μlの0.5M EDTAと、685μlのPN Bufferを反応混合物に加え、溶液を激しくボルテックス処理した。次いでサンプルを製造者のプロトコールに従って加工した。前述のようにDNAチップで、溶出物をハイブリダイズし、検出し、分析した。
【0071】
1-ブタノール抽出を使用して得られたものと比較した、この精製法の結果が以下に示され、もしEDTAがシリカ膜法によって精製された混合物に含まれるのであれば、シリカ膜精製は有機溶媒を使用する非結合ラベルの抽出と匹敵することを示す。
【表9】
【0072】
実質的に前述のように、シリカ膜からのベタイン(5M)溶出を、ラベル化RNA断片を回収するために使用することを除いて、同様なシリカ膜精製法を別の実験で使用した。このアッセイでは、BCは94.6%であり、シグナルは15836RFUであり、バックグランドは502RFU、S/B比が31.5であった。
【0073】
QIAVAC(登録商標)カラム固相支持体
カラム(Qiagen, Hilden, Germany)から物質を引き出すために、PNバッファーと真空システム(QIAVAC(登録商標)6Sシステム)でのPCR精製キットを使用して、さらなる精製法を実施した。このアッセイでは、16S rRNAアンプリコンを実施例2に記載されたように断片化してラベルし、次いで15μlの0.5M EDTAと685μlのPNバッファーを反応混合物に加え、溶液を激しくボルテックスし、製造者のプロトコールに従って加工した。カラムを1mlのPEバッファーで洗浄し、ラベル化核酸断片を、前述のようにDNAチップで溶出し、ハイブリダイズさせ、検出し、分析した。
【0074】
QIAVAC(登録商標)精製法は、100%のベースコール、15,984RFUのシグナル、390RFUのバックグランド、41のS/B比を生産した。比較として、1-ブタノール抽出を使用して精製された、同様に切断されラベル化された断片は、94.6%のベースコール、7390RFUのシグナル、294RFUのバックグランド、25.1のS/B比を生産した。
【0075】
ゲル濾過固相支持体
さらなる固相抽出プロトコールは、スモールスピンカラムフォーマットにおいてゲル濾過樹脂を使用した(SEPHADEX(登録商標)、SEPHACRYL(登録商標)、及びBIOGEL(登録商標)樹脂を試験した)。これらの樹脂は、より大きな分子(即ちラベル化核酸断片)を選択的に溶出できる一方、より小さい分子(非結合ラベリング剤及び他の混合物構成成分)を維持できる。これらの試験において試験するために使用される核酸は、実施例1に記載されたように実質的に調製された16S rRNAアンプリコンであり、次いでそれを実施例2に実質的に記載されたように断片化とラベリングにかけた。一般的方法は、バッファーを適用し、次いで遠心分離(1000×gで1分)によってそれを溶出し、この方法を繰り返し、最後にさらに400μlの同じバッファーで樹脂を湿らせることによって、400μl容量のバッファーでゲル濾過樹脂を含む市販で入手可能なスピンカラムを(例えばSEPHADEX(登録商標)G-50スピンカラム)を平衡化することである。次いで100μlの反応混合物を調製されたカラムに適用し、ラベル化核酸断片を1000×gで1分遠心分離することによって溶出した。
【0076】
ラベリング反応混合物からラベル化核酸断片を有効に回収するために、EDTA(25mMから125mM)を加え、ラベリング反応混合物と混合し、その後それを精製のためにゲル濾過樹脂に適用した。EDTA濃度が25mMまたは50mMである場合に、光学的回収と検出(DNAチップで、S/B比によって評価される)を観察した;75mM以上のEDTA濃度では、検出チップでのバックグランドが増大した。典型的に、50mM EDTAをラベリング混合物に加え、その後それをゲル濾過樹脂に適用した。
【0077】
この精製法の効率は、前述のように16S rRNAアンプリコンから得られたラベル化断片を精製するためのこの基本的な方法を使用して示された。次いで、実質的に実施例2に記載されたように、Mycobacterium-特異的GENECHIP(登録商標)にそれらを適用した後に、精製されたラベル化断片(「精製化+EDTA」)を検出した。比較のため、ゲル濾過精製なしで断片化とラベリング反応から直接得られた同じタイプのラベル化断片(「非精製」)もまた、同じDNAチップ法を使用して適用して分析した。さらに比較のため、カラムに適用する前にラベリング混合物にEDTAを加えないで、ゲル濾過によって精製された同じタイプのラベル化断片(「精製−EDTA」)を使用して、アッセイを実施した。これらのDNAチップ分析の結果が、以下に示される
【表10】
【0078】
これらの結果は、50mM EDTAが存在するゲル濾過精製は、DNAプローブアッセイで容易に検出できるラベル化核酸断片を提供する迅速で有効な方法であることを示す
【0079】
実施例4:ラベリングに対する5-(ブロモメチル)フルオレセインの濃度の効果
この実施例では、ラベリング剤の濃度がアッセイに影響するかどうかを測定するために、断片化及びラベリング反応において各種の濃度のラベリング剤を使用した。16S rRNAのアンプリコンを、実施例1に記載されたように調製した。反応物はそれぞれ以下のものを含んだ:RNA(TMAの50μl)、9μlのイミダゾール(0.1M)、9μlのMnCl2(1M)、1mM(3μl)、2mM(6μM)または4mM(12μl)の最終濃度を達成するための各種の量の5-(ブロモメチル)フルオレセイン(DMF中に50mM)、及び150μlの最終濃度を達成するための精製水。混合物を混合し、60℃で30分インキュベートした。次いで、前述のように1-ブタノール抽出を使用して、ラベリング反応混合物を精製し、100μlの精製産物を、実施例2に記載されたようにDNAチップでハイブリダイズさせ、検出し、分析した。その結果が以下に報告され、試験された濃度のラベリング剤の全てが、断片化RNAを有効にラベルすることを示す。バックグランドレベルの有意な増大なく、より高い濃度のラベリング剤についてより高いシグナルが生産された。
【表11】
【0080】
実施例5:断片化とラベリング反応に対するpHの効果
これらの実験では、以下のものを含む断片化とラベリング反応において使用するため、イミダゾール試薬のpHを6、6.8及び7.0に調節した:16S rRNAアンプリコン(TMA反応の50μl)、45μlのイミダゾール(200mM)とMnCl2(200mM)のpH調節混合物、5μlの5-(ブロモメチル)フルオレセイン(DMSO中に100mM)、及び150μlの最終容量のための精製水。反応物を混合し、60℃で30分インキュベートした。次いでハイブリダイゼーション、検出及び分析を、実施例2に記載されたようにDNAチップで実施した。試薬の各種のpH条件についての結果が、以下に示される。これらの結果に基づいて、試験されたpH条件の全てが、98%以上のベースコーリングを提供する検出可能なラベル化断片を生産した;pH7.0が最適であるようである。
【表12】
【0081】
実施例6:DNAラベリングに対する多価金属カチオンとラベリング剤の影響
この実験は、断片化とラベリング反応において各種のラベリング剤と多価金属カチオンを使用して、各種の一本鎖オリゴヌクレオチドのフルオレセインラベリングの相対的効力を示す。DNA、内部チオリン酸ヌクレオチドを含むDNA、及び3'-チオリン酸を有するDNAの、5-(ブロモメチル)フルオレセイン及び6-インドアセタミドフルオレセインでのラベリングを、各種の金属カチオンの存在下または不存在下で比較した。
【0082】
断片化及びラベリング実験で使用されるオリゴヌクレオチドは、以下のものであった:
GCTCGTTGCGGGACTTAACCCAACAT(配列番号4);
GCTCGTTGCGGGACTT-s-AACCCAACAT(配列番号5)、ここで「-s-」は16位と17位のヌクレオチドの間のチオリン酸を示す;並びに
GCTCGTTGCGGGACTTAACCCAACAT-s(配列番号6)、ここで「-s-」は3'末端チオリン酸を示す。
【0083】
反応のためのバッファーはTris-HClバッファー,pH8.1であり、各種の多価金属カチオンは以下のものであった:Zn2+, Mn2+, Co2+, Ni2+, Cd2+, Pb2+, Ce3+, Tb3+, Yb3+, Cr3+, In3+, Be2+, Sn2+, Rb+,およびCs+(全てCl-対イオンとの溶液)。多価金属カチオンを含まないネガティブコントロールは等容量の精製水であった。乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解されたラベリング剤は、5-(ブロモメチル)フルオレセイン及び6-ヨウドアセタミドフルオレセインであった(Molecular Probes, Inc., Eugene, OR, USA)。DMF溶解化合物は一般的に、混合物中のDMFの最終濃度が5%(v/v)となるように、反応混合物に加えられた。
【0084】
典型的な断片化及びラベリング反応(100μl)は、以下のものを含んだ(各構成成分について括弧で示された最終濃度で):30μlのオリゴヌクレオチド(6.667OD/ml;0.2OD=0.00932mM)、50μlの100mM Tris-HClバッファー(50mM)、10μlの10mM金属カチオン(1mM)または精製H2O、及び10μlのDMF中の2.5mMラベリング試薬(0.25mM)。反応混合物をボルテックス処理によって混合し、60℃で30分インキュベートした。ラベル化産物を、ラベリング反応混合物に10μlの3M酢酸ナトリウム、pH5.0、次いで150μlの水飽和1-ブタノールを加え、ボルテックス処理によって混合することによって精製する。相を分離した後、水相(113μl)をきれいなチューブに分離し、そこに400μlのエタノールを加え、溶液をボルテックス処理し、氷上で15分インキュベートした。混合物を14,000rpmで15分遠心分離し、上清を除去してペレットを100μlの冷却70%エタノールで洗浄した。ペレットを500μlの100mM炭酸ナトリウムバッファー、pH9.5に再懸濁した。産物(ラベル化DNA及び非ラベル化DNA)を、UV分光光度測定または逆相HPLCとピークの統合を使用して測定した。
【0085】
これらの実験の結果が、15の多価金属カチオンの存在下での、5-(ブロモメチル)フルオレセイン(「5-BMF」)と6-ヨウドアセタミドフルオレセイン(「6-IA-F」)での配列番号5と配列番号6のオリゴヌクレオチドのラベリングについて、表13に要約されている。
【0086】
【表13】
【0087】
5-BMFまたは6-IA-Fのいずれかを使用する内部チオリン酸を含むDNA(配列番号5)のラベリングは、三価金属イオン及び二価Pb2+、Zn2+及びBe2+の存在によって、ネガティブコントロールに対して増大するが、試験された他の金属カチオンの存在によっては増大しない。共通の金属カチオンを使用した場合、二つのラベリング剤の間で差異はほとんど存在しない。5-BMFによる3'-チオリン酸を有する核酸(配列番号6)のラベリングは、Pb2+と試験された三価金属カチオンの存在によって、ネガティブコントロールに対して増大したが、試験された他のカチオンでは増大しなかった。6-IA-Fによる3'-チオリン酸を有する核酸(配列番号6)のラベリングは、主にPb2+及びNi2+によってネガティブコントロールに対して増大された。配列番号6の6-IA-Fによるラベリングは、金属カチオンなしでネガティブコントロールにおいて比較的高かった。
【0088】
チオリン酸基を含まないオリゴヌクレオチド(配列番号4)で得られたラベリング収率は、試験された金属カチオンの全てについて10%より低かった。チオリン酸を含まないDNAは、金属カチオンの不存在下で(例えば水コントロール)検出可能にラベルされなかった。
【0089】
実施例7:RNA-α-sラベリングに対する金属カチオンとラベリング剤の影響
この実施例は、各種のラベリング剤と金属カチオンを使用する、チオリン酸含有RNA(RNA-α-S)に対するフルオレセインの相対的結合を示す。内部または3'末端チオリン酸を含むRNAのフルオレセインラベリングを、各種の金属カチオンの存在下または不存在下で、二つのラベリング剤、6-IA-Fと5-インドアセタミドフルオレセイン(5-IA-F)を使用して比較した。
【0090】
この実験のためのプロトコールは、使用されるオリゴヌクレオチドが、以下の配列を有するRNAポリマーであることを除いて実施例6に記載されたプロトコールと同様である:
GCUCGUUGCGGGACUU-s-AACCCAACAU(配列番号7)、ここで「-s-」は、16位と17位の二つのヌクレオチドの間のチオリン酸を示す;並びに
GCUCGUUGCGGGACUUAACCCAACAU-s(配列番号8)、ここで「-s-」は、3'末端チオリン酸を示す。
【0091】
これらのラベリング反応において使用された金属カチオンは、Mg2+, Cr3+, Mn2+, Ni2+, Zn2+, In3+, Pb2+, Ce3+, Eu3+, Tb3+及びYb3+(全てCl-対イオンを有する)であった;精製水がネガティブコントロールであった。ラベリング剤、5-IA-Fと6-IA-Fを、それぞれ乾燥DMF中に溶解した。100μlの反応物は、以下のものを含んだ(括弧内で示された最終濃度で):50μlの100mM Tris-Clバッファー, pH8.1(50mM)、30μlのmlオリゴマー当たり6.667OD(0.2OD=0.00932ml最終)、10μlの10mM金属カチオン(1mM)または精製水、及び10μlの2.5mMラベリング剤(0.25mM);最終DMF濃度は5%であった。この組み合わせをボルテックス処理によって混合し、60℃で30分インキュベートした。
【0092】
実施例6に記載されたような1-ブタノール抽出を使用する精製の後、120μlの水相をエタノールで沈降し、ペレット化した核酸を、500μlの100mM炭酸ナトリウム、pH9.5に再懸濁した。ラベリング収率を、実施例6に記載されたようにUV吸光光度測定によって分析した。その結果が表14に要約されており、ここで「ND」は検出されないことを意味する。Mn2+、Zn2+及びIn3+での試験についての結果は、それらが比較的低い活性を示したため、表に含まれていない。
【0093】
【表14】
【0094】
DNAと同様にRNAのラベリングは、金属カチオンとラベリング剤に感受性である。5-IA-F及び6-IA-Fの両者はRNA-α-Sを同じ程度でラベル化し、3'-末端化RNA-α-Sは、内部チオリン酸を含むRNAよりわずかに優れてラベル化された。三価金属カチオンまたはPb2+は、両者のラベリング剤を含むネガティブコントロールに対して最も増大したラベリングを提供した。
【0095】
実施例8:金属カチオンによるRNA断片化の効力
この実施例は、各種の金属カチオンの存在下でのRNA断片化の相対的効力を示す。これらの実験における断片化のための基質は、以下の配列を有する合成RNAオリゴヌクレオチドであった:
GCUCGUUGCGGGACUUAACCCAACAU(配列番号9)、並びに
GCUCGUUGCGGGACUU-s-AACCCAACAU(配列番号7)、ここで「-s-」は、16及び17ヌクレオチドの間のチオリン酸を示す。
【0096】
配列番号7及び配列番号9に対する合成相補的RNA配列を作製し、適切な相補的オリゴヌクレオチドと二本鎖RNAを形成するように使用した。断片化試験のため、一本鎖及び二本鎖RNAの両者を使用した。
【0097】
検出工程で使用されるプローブは、16位と17位の間でアクリジニウムエステル(AE)を有する配列番号9に相補的な26ヌクレオチド配列であった(Nelson等, 1996, Nucleic Acids Res. 24(24): 4998-5003に記載されている)。一般的な方法は、2.5マイクロモルのそれぞれの試験される金属カチオンを含む、50mMイミダゾールバッファー、pH7.6中において、100μlの全容量で100fモルのRNA(即ち、反応物中の最終RNA濃度は1fmol/μlである)を断片化することを含む。反応物を60℃で30分インキュベートした後、金属カチオン濃度に対して2または3倍モル過剰のEDTA、pH8.0を加え、-20℃でインキュベートすることによって、断片化反応を停止した。RNA断片化の量をモニターするために、約5fmolのRNAを混合物から取り出し、20倍過剰のAEラベル化プローブでプローブした。全てのプローブハイブリダイゼーションを、60℃で60分実施した(1×PACE(登録商標)2ハイブリダイゼーションバッファー、Gen-Probe, San Diego, CA, USAにおいて)。
【0098】
断片化物質から少量のRNAをプローブ化することはまた、断片化反応構成成分が標的に対するプローブのハイブリダイゼーションに影響しないように、断片化混合物容量を、ハイブリダイゼーション容量において十分に希釈させる。約200μlのPACE(登録商標)2選択試薬(Gen-Probe Incorporated, San Diego CA, USA)を、非ハイブリダイズ化プローブを加水分解するために使用した。ハイブリダイズ化プローブを、化学発光を検出するためにルミノメーターを使用して検出した(Nelson等, 上記参照によって以前に記載されたように)。化学発光は、相対的光ユニットまたはRLUとして表される。
【0099】
二本鎖RNAについて、約160pmolの配列番号9が、65℃で30分で1×PACE(登録商標)2ハイブリダイゼーションバッファーにおける3倍過剰の相補的配列とハイブリダイズした。3倍過剰の相補的鎖の濃度を、完全なハイブリダイゼーションを確保するために使用する。AEラベル化プローブは正確に同じ配列を有し、それ故過剰な鎖はプローブに結合しないであろう。
【0100】
金属カチオンを含まないコントロール反応(即ち精製水に置換したもの)を平行に実施し、コントロールの化学発光シグナルを断片化のパーセンテージを計算するために使用した。
【0101】
断片化のために選択された金属カチオンは、3種の異なるカテゴリーに広く分割できる:(1)Mg、Sr、Ba(第2属)及びPb(第4属)のような非遷移金属;(2)Zn、Cd、Mn、Fe、Co、Ni及びRuのような遷移金属、並びに(3)Ce、Eu、Tb、Tm、Yb及びLuのようなランタニド。試験された全ての金属カチオンについての対イオンはCl-であった(すべてAldrich Chemical Co., Milwaukee, WI, USA社製)。
【0102】
表15は、反応物を60℃で30分インキュベートした場合、50mMイミダゾールバッファー(pH7.6)中の一本鎖及び二本鎖RNAに対して、0.25mMでの8種の各種の多価金属カチオンの断片化効率を示す。全ての結果は、断片化のパーセンテージとして表される。
【0103】
【表15】
【0104】
全てのランタニドは、二本鎖RNAより一本鎖RNAを効率的に断片化した。遷移金属の中で、ZnとFeは一本鎖RNAより二本鎖RNAを効率的に断片化しなかった。ほとんどの遷移金属及び非遷移金属は、二本鎖RNAを効率的に断片化した。
【0105】
実施例9:増幅バッファーの存在下での金属カチオンによる一本鎖RNAの断片化の効率
この実施例は、一本鎖RNAの断片化が、TMA溶液条件のような他のバッファー条件においても達成できることを示す。使用される方法は、以下の点を除いて実施例8に記載されるものと実質的に同じである。
【0106】
標的RNAの不存在下で、ネガティブTMA増幅反応を実施例1に記載されるように実施した。このネガティブ増幅反応物を、TMA溶液を構成するために共にプールした。次いで、合成RNAオリゴヌクレオチド(配列番号7)を、断片化反応のためこのTMA溶液に加えた。4種の異なる断片化バッファーを全てpH7.5で使用した:イミダゾール、MOPS、HEPES、及びPIPES(全てAldrich Chemical Co., Milwaukee, WI, USA社製)。1:20の比で希釈された、または希釈されない(1:1の比)合成RNAオリゴヌクレオチドを含むTMA溶液で、バッファーの濃度を50mMから200mMまで変化させた。3種の異なる金属カチオンを、全て5mMで試験した(Zn2+、Ce3+及びTb3+)。
【0107】
断片化収率は実施例8に記載されたように測定され、その結果が1:20希釈アッセイについて表16に要約された。TMA溶液の希釈なしでは、断片化は10%より低かった。
【0108】
【表16】
【0109】
これらの結果は、RNAの断片化が、多価金属カチオン、特にCe3+の存在下で、各種のバッファー条件で有効であることを示す。
【0110】
実施例10:MALDI-TOFによって検出される、RNAとDNA-α-sの断片化とラベリング
この実施例は、金属カチオンの存在下と不存在下でのオリゴヌクレオチド断片のフルオレセインラベリングと、断片化がラベリングと相関するかどうかを示す。オリゴヌクレオチドに対するフルオレセインの結合を、吸収スペクトル測定によって定量し、MALDI-TOF(マトリックス補助かレーザー吸収/イオン化−タイムオブフライト)マススペクトル測定によって検出されたオリゴヌクレオチド断片と比較した。
【0111】
断片化反応は、以下の配列を有する合成RNA及びDNAオリゴヌクレオチドを使用する、実施例6に実質的に記載されたように実施した:
GCUCGUUGCGGGACUU(配列番号10)、
GCUCGUUGCGGGACUU-s(配列番号11)、これは配列番号10と同一であるが、3'末端チオリン酸を含む、
GCUCGUUGCGGGACUU-s-AACCCAACAU(配列番号7)、並びに
GCTCGTTGCGGGACT T-s-AACCCAACAT(配列番号5)、ここで-s-は16及び17塩基の間のチオリン酸を示す。
【0112】
これらのアッセイでは、バッファーはイミダゾールであり、金属カチオンはZn2+またはTb3+であった(両者ともCl-対イオンを有する);精製水がネガティブコントロールであった。ラベリング剤は、乾燥DMF中の5-(ブロモメチル)フルオレセインまたは6-ヨウドアセタミドフルオレセインであった。100μlの反応物は以下のものを含んだ(括弧内に示される最終濃度):50μlの100mMイミダゾールバッファー、pH7.6(50mM)、30μlの6.667OD/mlオリゴマー(0.2OD=0.00932mM最終)、10μlの25mM金属カチオン(2.5mM)または精製水、及び10μlの2.5mMラベリング剤(0.25mM)、または断片化のみの反応のための精製水。
【0113】
反応混合物をボルテックス処理を使用して混合し、60℃で30分インキュベートした。精製工程の後、10μlの酢酸ナトリウム(3M、pH5.0)と150μlの水飽和1-ブタノールを加え、混合物をボルテックス処理によって混合し、次いでドライアイスで15分インキュベートし、14,000rpmで15分遠心分離し、ペレットを100μlの冷却70%エタノールで洗浄した。ペレットを40μlの精製水に再懸濁し、3μlをMALDI-TOF検出のため保存した。残部をUV視覚化スペクトル測定のため、100mM炭酸ナトリウムバッファー、pH9.5で500μlに希釈した。
【0114】
MALDI-TOF検出のため、5OD/mlのオリゴマー(0.015OD)の3μlサンプルを、1μlの30mMクエン酸アンモニウムバッファー、pH9.4と6μlの50mg/ml3-ヒドロキシピコリン酸(HPA、マトリックス)、並びにピペッティング装置で約10×の粉砕によってカチオン交換樹脂と混合した。樹脂を安定化させ、2μlのサンプルを金支持体にスポットし、20分風乾させ、PerSeptive Biosystems Voyager DE MALDI-TOFマススペクトロメーターを使用してマスデータを回収した。マスは、外部標準としての配列番号10のオリゴヌクレオチドを使用することに基づいた。
【0115】
カチオンZn2+またはTb3+の存在下または不存在下での5-BMFと6-IA-Fを使用する反応のMALDI-TOFラベリングと断片化の結果が、表17及び18に要約されている。表17において、「−」はフルオレセインラベル化オリゴマーが検出されないことを示し、「+」はモノフルオレセインラベル化オリゴマーが検出されることを示し、「++」はジフルオレセインラベル化オリゴマーが検出されることを示す。表18において、−」は断片化産物が検出されないことを示し、「+」は少量の断片化産物/群(2-5)が検出されることを示し、「++」はより多く(8-12)の断片化産物が検出されることを示し、「+++」は多くの断片化産物(>15)が検出されることを示す。「ND」は検出されないことを意味する。
【0116】
【表17】
【0117】
【表18】
【0118】
スペクトルフォトメトリーによって検出されたフルオレセインの定量は、金属カチオンの存在下と不存在下でのオリゴヌクレオチドに結合したフルオレセインのパーセントとして表19に示されている。
【0119】
【表19】
【0120】
これらの結果は、両者のラベリング剤、5-BMFと6-IA-Fが、Zn2+とTb3+の存在下でRNAオリゴヌクレオチドのラベリングにおいて有効であることを示す;金属カチオンの不存在下では、各ラベリング剤によるラベリングはほとんど存在しなかった。マススペクトル測定は、ラベリング剤の効力が30%及び40%より大きい場合のみ、それぞれ単一及び二重のフルオレセインラベル化オリゴヌクレオチドを検出した。フルオレセインラベリングは、Zn2+の存在下で、5-BMFで試験された全てのオリゴマーについて有効であり、6-IA-Fで試験されたより長いRNA及びDNAオリゴマーについて有効であった。Zn2+プラスそれぞれのアルキル化剤の存在下で、アルキル化剤の不存在下より有意に多くの断片化が生じた。Tb3+プラスアルキル化剤は、DNAを断片化する。
【0121】
実施例11:金属カチオンソースとしてCeCl3を使用するHIV-1アンプリコンの断片化とラベリング
この実施例は、DNAチップでの検出の核酸断片を提供する、フルオレセインマーカーと同じ反応混合物においてラベル化されるHIV-1アンプリコンを、Ce3+イオンが有効に断片化できることを示す。HIV-1プロテアーゼ配列のアンプリコンを、十しれ1に記載されたように調製した。断片化とラベリングのため、反応物は以下のものを含んだ:50μlのHIV-1 RNAアンプリコン、125μlのイミダゾールバッファー(0.1M)、12.5μlのCeCl3(100mM)、6.25μlの5-(ブロモメチル)フルオレセイン(DMSO中に10mM)、及び250μlの最終反応容量を得るための精製水。溶液を混合し、60℃で30分インキュベートした。次いで反応産物を、実施例2に記載されたようにHIV-1 DNAチップにハイブリダイズさせ、検出し、分析した。
【0122】
その結果は、98.1%のベースコーリング、1656RFUの平均シグナル、390RFUのバックグランド、4.2のS/B比を示す。かくしてCeCl3の使用は、5-(ブロモメチル)フルオレセインによる有効な断片化とラベリングを可能にする。
【0123】
実施例12:各種の金属カチオンとラベリング剤濃度を使用するラベリング
この実施例は、断片化と付随した有効なラベリングが、以前の実施例に対してラベリング剤の減少した濃度を使用して達成できることを示す。これらのアッセイでは、Mn2+が金属イオンであった。ラベリング剤、金属カチオン、イミダゾールの濃度、及びpHを同時的に変化させることによって、0.3mMから1.0mMの範囲のラベリング剤を使用して、各種の試薬の濃度を使用する断片化とラベリングのための最適な条件を見出した。有効なラベリングが反応混合物におけるより少ないラベリング剤を使用した達成される場合、過剰な非結合ラベリング剤を生成した産物において減少でき、かくしてラベリング後の精製のための必要性を減少する。
【0124】
ラベル化される核酸は、実施例1に記載されたようにTMAを使用して調製された16S rRNAアンプリコンであった。各反応物は以下のものを含んだ:50μlのRNAアンプリコン、イミダゾールバッファー、MnCl2、5-(ブロモメチル)フルオレセイン(DMF中に溶解)、100μlの最終反応容量を得るために加えられた精製水。イミダゾール(「Im」)の濃度とpH、MnCl2(「Mn2+」)及び5-(ブロモメチル)フルオレセイン(「5-BMF」)の濃度は、表20に示されるように変化した。溶液を混合し、60℃で30分インキュベートした。
【0125】
ラベリングに引き続き、ハイブリダイゼーションバッファーがリン酸バッファーの代わりに60mM HEPES, pH7.0を含むことを除いて実施例2に記載されたMycobacterium DNAチップで、反応産物をハイブリダイズし、検出し、分析した。
【0126】
【表20】
【0127】
これらの結果は、検出可能な核酸断片の有効なラベリングが、比較的低いラベリング剤の濃度(0.3mM)でさえ達成されることを示し、一方でより高いラベリング剤濃度(0.55から1.0mM)を使用して得られた結果と比較して、相対的に一定のS/Bが維持されていることを示す。
【0128】
実施例13:脱コンタミネーションツールとしての断片化とラベリング
TMA反応を実施例1に記載されたように実施した。断片化とラベリング反応を、不活性なシリコーン油の上部層を反応混合物に含ませることを除いて、十しれに2に記載された条件で、M. tuberculosis標的から得た100μlのTMAアンプリコンを使用してプラスチックチューブで実施した。断片化とラベリングに引き続き、反応混合物を、実施例2に記載されたように、2400μlの1-ブタノール(水飽和化)で抽出した。水層と有機層の分離に引き続き、各層から5μlを使用し、且つポジティブコントロールとして非ラベル化標的を含む同じ容量を使用して、TMA反応を実施した。非ラベル化標的が予測された増幅産物を与える一方で、水層または有機層のぞれぞれの等量を使用するTMA反応では、アンプリコンは検出されなかった。これらの結果は、断片化とラベリング反応の間で生産された断片が、これらの条件の下で増幅できないことを示す。かくして断片化とラベリング工程は、脱コンタミネーション法として機能できる。
【配列表】
Claims (29)
- 核酸、検出可能なラベルを含むラベリング剤、及び少なくとも一つの多価金属カチオンを含む混合物を、水性の溶液に準備する工程;
混合物中の核酸を化学的に断片化して、多様な核酸断片を生産する工程;並びに少なくとも一つの核酸断片に少なくとも一つのラベルを結合し、検出可能なラベル化核酸断片を生産する工程;
を含む、合成または天然の核酸を断片化し、均一にラベリングする方法であって、
前記核酸が、RNA、または少なくとも一つのチオリン酸ヌクレオチドを含むRNAである場合、前記多価金属カチオンが、Mg2+、Sr2+、Ba2+、Pb2+、Zn2+、Cd2+、Mn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Ru3+、Ce3+、Cr3+、Eu3+、Tb3+、Tm3+、Yb3+、またはLu3+であり、あるいは
前記核酸が、DNA、または少なくとも一つのチオリン酸ヌクレオチドを含むDNAである場合、前記多価金属カチオンが、Mn2+、Zn2+、Be2+、Cr3+、Pb2+、In3+、Tb3+、Ce3+、Yb3+、またはNi2+であり、
前記核酸が、DNA、RNA、キメラDNA-RNAポリマー、少なくとも一つのチオリン酸ヌクレオチドを含むDNA、または少なくとも一つのチオリン酸ヌクレオチドを含むRNAである、方法。 - 断片化工程と結合工程で使用される試薬が、in vitro核酸増幅混合物に加えられる、請求項1記載の方法。
- さらに断片化工程と結合工程の後に混合物を処理して、非結合ラベリング剤を減少または除去する工程を含む、請求項1記載の方法。
- 前記処理工程が、断片化工程と結合工程の後に混合物にクエンチャーを加えることを含む、請求項3記載の方法。
- 前記クエンチャーが、ピロリン酸、チオール、キレート化剤、リン酸アニオン、またはカルボン酸アニオンである、請求項4記載の方法。
- 前記処理工程が、断片化工程と結合工程の後に、混合物中の非結合ラベリング剤からラベル化核酸断片を物理的に分離する、請求項3記載の方法。
- 前記処理工程が、断片化工程と結合工程の後に、混合物に酸を加えることをさらに含む、請求項6記載の方法。
- 前記処理工程が、断片化工程と結合工程の後に、混合物にキレート化剤を加えることをさらに含む、請求項6または7記載の方法。
- 前記処理工程が、非結合ラベリング剤からラベル化核酸断片を分離するために有機溶媒を使用する、請求項6から8のいずれか一項記載の方法。
- 前記有機溶媒が、1-ブタノール、2-ブタノール、イソペンチルアルコール、1-ペンタノール、またはシクロヘキサノールである、請求項9記載の方法。
- 前記処理工程が、固体の支持体上の核酸断片の固相抽出を使用することによって、非結合ラベリング剤からラベル化核酸断片を分離する、請求項6から8のいずれか一項記載の方法。
- 前記固体の支持体が、ビーズ、ゲル、イオン交換樹脂、逆相樹脂、シリカマトリックス、または膜である、請求項11記載の方法。
- 前記ラベル化核酸断片が、ベタインを含むバッファーを使用することによって、固相の支持体から溶出される、請求項11または12記載の方法。
- 前記処理工程が、ベタイン、DTAB及び非ラベル化核酸を含む溶液から、環境温度でラベル化核酸断片を沈降する、請求項6から8のいずれか一項記載の方法。
- 前記断処理工程が、in vitro核酸増幅混合物を希釈する、請求項6から8のいずれか一項記載の方法。
- 前記断片化工程と結合工程が、単一の反応混合物において実施される、請求項1から15のいずれか一項記載の方法。
- 前記断片化工程と結合工程が、別個の工程で実施される、請求項1から15のいずれか一項記載の方法。
- 前記結合工程が、内部または末端のチオリン酸に、あるいは内部または末端のリン酸にラベルを結合する、請求項1から17のいずれか一項記載の方法。
- 前記断片化工程が、化学的触媒の使用をさらに含む、請求項1から18のいずれか一項記載の方法。
- 前記化学的触媒が、イミダゾール、置換イミダゾール、及びイミダゾール環または置換イミダゾール環を含む化合物からなる群から選択される一般的な塩基である、請求項19記載の方法。
- 前記化学的触媒が、N-メチルイミダゾール、MOPS、HEPES、PIPES、及び生体有機ポリアミンからなる群から選択される、請求項19記載の方法。
- 前記核酸がDNAであり、前記多価金属カチオンはTb3+である、請求項19から21のいずれか一項記載の方法。
- 前記核酸が、RNA、または少なくとも一つのチオリン酸ヌクレオチドを含むRNAであり、前記多価金属カチオンが、Mn2+、Cr3+、Ce3+、Yb3+、Tb3+、Eu2+、Zn2+、またはPb2+である、請求項1から18のいずれか一項記載の方法。
- 前記多価金属カチオンが、Mn2+、Zn2+、Tb3+、またはCe3+である、請求項1から21および23のいずれか一項記載の方法。
- 前記混合物が、0.1mMから4mMの間の濃度でラベリング剤を含む、請求項1記載の方法。
- 前記混合物が、0.1mMから1mMの間の濃度でラベリング剤を含む、請求項25記載の方法。
- 前記ラベリング剤が、0.3mMから0.55mMの間である、請求項25または26記載の方法。
- 前記混合物が、ハロゲン化アルキルまたはハロアセタミド反応性官能基を含むラベリング剤を含む、請求項1記載の方法。
- 前記ラベリング剤が、5-(ブロモメチル)フルオレセイン、6-(ブロモメチル)フルオレセイン、6-ヨウドアセタミドフルオレセイン、または5-ヨウドアセタミドフルオレセインである、請求項1から28のいずれか一項記載の方法。
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PCT/IB1999/002073 WO2001044507A1 (en) | 1999-12-17 | 1999-12-17 | Process for labeling a nucleic acid |
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