JP4532159B2 - アンカー - Google Patents
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Description
非特許文献1に記載のアンカーは、芯棒打ち込み式アンカーであって、アンカー本体内の孔に打ち込まれる芯棒と、アンカー本体のボルト部に螺着されるナットからなるものである。
特許文献1に記載のアンカーは、芯棒打ち込み式金属拡張アンカーであって、アンカー本体と、このアンカー本体内の孔に打ち込まれる芯棒とからなり、アンカー本体には、コンクリート躯体等の母材に対して打ち込んだときに、躯体との間に器物を押さえ込んで固定する鍔状の頭部が設けられている。
岡田恒男、田中礼治、松崎育弘、坂本功、河村壮一著 「あと施工アンカー設計と施工」 株式会社技術書院 1990年6月10日 P.33−35。
また、特許文献1記載のアンカーは、アンカー本体の鍔部が器物の表面を押さえ込むように接した状態で躯体に固着される構造であり、芯棒の打ち込み後にアンカーに対して軸力を加えることができなため、鉄道や高速道路等の躯体に振動が加わる使用環境の場合にはアンカーに緩みが生じてしまい、取り付け物の確実な固定状況を確保できない恐れがある。
本発明に係るアンカーは、先端部に拡張部を有すると共に、基端部に割り溝を設けたボルト部を有し、しかも、長手方向に貫通した先細りの貫通孔を内部に有する中空筒状のアンカー本体と、前記ボルト部に螺着されるナットと、前記アンカー本体の基端側から前記貫通孔に入れられることで、前記ボルト部の前記拡張部とは反対側の前記割り溝が設けられた端部である基端拡張部及び前記拡張部を拡張する芯棒とを具備し、前記ボルト部の前記割り溝は前記基端拡張部のみに設けられ、前記芯棒は、前記アンカー本体の貫通孔に押し込んでいくことでアンカー本体の前記基端拡張部を拡張させるための漏斗状の拡径部を基端部に有することを特徴とする。
また、本発明に係るアンカーでは、前記貫通孔に雌ねじ部を有しており、前記芯棒が軸部表面に前記雌ねじ部と螺合する雄ねじ部を有するとともに、基端部に回転操作部を有し、前記アンカー本体の外周面に、母材の下穴内壁面に食い込ませることで、前記芯棒の回転操作に伴う該アンカー本体の伴回りを規制するためのリブが突設されている構成も採用可能である。
また、請求項2記載の発明では、母材に穿設されている下孔に挿入したアンカー本体の貫通孔の雌ねじ部に、芯棒に形成した雄ねじ部をねじ込んで行くことで、アンカー本体の拡張部を拡張して、母材に対するアンカー本体の固定や母材に対する器物の取り付けを実現できるが、施工後に芯棒をアンカー本体に対してねじ込み時とは逆向きに回転操作することで、アンカー本体から芯棒を離脱させることができ、これにより、母材の下孔からのアンカー本体の抜き出し、母材に対する器物の取り外しを行える。
図1は、本発明のアンカー1(芯棒打ち込み式アンカー)を示す図であって、(a)は部分断面側面図、(b)はアンカー本体を先端部(拡張部)側から見た図、(c)はアンカー本体を基端部(ボルト部)側から見た図、図2は図1に示すアンカー1を母材5の下孔51に挿入した状態を示す図、図3は図1のアンカー1の施工状態を示す拡大断面図である。
なお、図示例のアンカー1では、芯棒4の基端部側の端部に、該芯棒4を拡径部42よりも大きく拡張した形状の頭部43が形成されており、アンカー本体2の貫通孔21に打ち込んだ芯棒4の頭部43が、アンカー本体2の基端拡張部26に突き当たると、それ以上の芯棒4の打ち込みが規制され、打ち込み完了となる。芯棒4の頭部43がアンカー本体2の基端拡張部26に突き当たったときには、アンカー本体2の拡張部24の拡張及び基端拡張部26の拡張が完了している。
また、アンカー本体2の基端拡張部26が拡張されていることにより、万一、振動などによってナット3に緩みが生じてしまった場合でも、ナット3がボルト部22から外れて脱落するといった不都合を防止できる。また、ナット3の締め直しによって、再び、アンカー本体2に軸力を発生させることも可能である。
次に、本発明に係るアンカーの他の実施形態について図4〜図7を参照して説明する。
図4に示すアンカー10は、長手方向に貫通した先細りの貫通孔21を有する中空筒状(具体的には円筒状)のアンカー本体120と、このアンカー本体120の基端部(図1(a)右側)に形成されているボルト部22に螺着されるナット3と、前記ボルト部22から前記貫通孔21内に入れられる芯棒140を有して構成されている点は、図1〜図3を参照して説明したアンカー1と同様であるが、貫通孔21の内のボルト部22に対応する部分に雌ねじ部121が形成されているアンカー本体120を採用している点、及び、軸部141表面に前記雌ねじ部121と螺合する雄ねじ部142を有する芯棒140を採用している点が、図1〜図3を参照して説明したアンカー1と異なる。
なお、図4〜図7中、前述したアンカー1と共通の構成部分には同一の符号を付し、説明を簡略化する。
前記芯棒140は、軸部141の先端部側に尖鋭部41を有し、基端部側(図4(a)右側)に拡径部42及び該拡径部42よりも拡張した形状の頭部143を有する点は、図1〜図3を参照して説明したアンカー1の芯棒4と同様であるが、但し、頭部143は、芯棒140の雄ねじ部141をアンカー本体120の雌ねじ部121に螺着させるべく芯棒140を回転させるための回転操作部を兼ねるものである。この回転操作部としての頭部143としては、図示例では六角形状の頭部であるが、これに限定されず、例えば、六角以外の例えば四角等の多角形状の頭部や、十字穴、マイナス穴、断面六角形、四角形等の工具穴が形成された頭部であっても良い(図7(a)、(b)に十字穴の工具穴144の例を示す)。
また、このアンカー10でも、頭部143が、基端拡張部26に突き当たったところで、アンカー本体120の先端側への芯棒140の押し込み(ここではねじ込み)が完了となり、この芯棒140の押し込みが完了すれば、芯棒140による拡張部24の拡張及び拡径部42による基端拡張部26の拡張が完了している。また、芯棒140の押し込み完了後に、ナット3に締め付けトルクを加えてアンカー本体2に軸力を発生させることで、器物6の固定力を増強したり、ナット3を緩みにくくすることができるのも、前述したアンカー1と同様である。
また、このアンカー本体150では、先端部における貫通孔21の孔径φ1を、リブ151無しのアンカー本体120の先端部における貫通孔21の孔径φ0(図4参照)に比べて大きくして、芯棒140のねじ込み時に拡張部24を拡張しやすくした構造を採用することが好ましい。
Claims (2)
- 先端部に拡張部を有すると共に、基端部に割り溝を設けたボルト部を有し、しかも、長手方向に貫通した先細りの貫通孔を内部に有する中空筒状のアンカー本体と、
前記ボルト部に螺着されるナットと、
前記アンカー本体の基端側から前記貫通孔に入れられることで、前記ボルト部の前記拡張部とは反対側の前記割り溝が設けられた端部である基端拡張部及び前記拡張部を拡張する芯棒とを具備し、
前記ボルト部の前記割り溝は前記基端拡張部のみに設けられ、
前記芯棒は、前記アンカー本体の貫通孔に押し込んでいくことでアンカー本体の前記基端拡張部を拡張させるための漏斗状の拡径部を基端部に有することを特徴とするアンカー。 - 前記貫通孔に雌ねじ部を有しており、前記芯棒が軸部表面に前記雌ねじ部と螺合する雄ねじ部を有するとともに、基端部に回転操作部を有し、
前記アンカー本体の外周面に、母材の下穴内壁面に食い込ませることで、前記芯棒の回転操作に伴う該アンカー本体の伴回りを規制するためのリブが突設されていることを特徴とする請求項1に記載のアンカー。
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