JP4530610B2 - 無線通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信を休止する期間を設けて無線通信を行う無線通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、Bluetoothなどの無線通信装置による無線通信ネットワークが開発されている。
【0003】
Bluetoothにおいては、一つの無線通信端末がマスター、他の一つまたは複数の無線通信端末がスレーブとなり無線通信ネットワーク(ピコネット)を構成する。無線データリンクはマスターとスレーブとの間に確立することができるがスレーブとスレーブとの間に確立することができない。
【0004】
以下、図5,図6,図7を用いて、従来の無線通信装置による無線通信ネットワークの一例としてBluetoothによる無線通信ネットワークについて説明する。
【0005】
図5は従来のBluetoothによる無線通信ネットワークの構成図、図6はBluetoothにおける通常モードでの無線区間の伝送方式を示すタイミングチャート、図7はBluetoothにおける省電力モードでの無線区間の伝送方式を示すタイミングチャートである。
【0006】
図5において、500,501,502,503,504は無線通信端末、505および510はBluetoothプロトコルスタックのうちRF/LC/LM層、506および509はBluetoothプロトコルスタックのうちL2CAP層、507は受信FIFOバッファ、508はオーディオデコーダ、511は送信FIFOバッファ、512はオーディオエンコーダである。また、無線通信端末502,503,504もそれぞれ無線通信端末500同様にBluetoothプロトコルスタックを備えている。
【0007】
図5では無線通信端末500がBluetoothにおけるマスター、無線通信端末501,502,503,504がBluetoothにおけるスレーブとなった構成を示している。
【0008】
ここで、無線通信端末501のオーディオエンコーダ512から発生したストリームデータは送信FIFOバッファ511を経由してL2CAP層509、RF/LC/LM層510によって無線区間に送出され、無線通信端末500のRF/LC/LM層505、L2CAP層506により受信されて受信FIFOバッファ507を経由してオーディオデコーダ508に届く。
【0009】
図6において、601はマスターの送信スロット、602はスレーブの送信スロット、603はスロット間隔を示し、各送信スロットにてマスターとスレーブが交互に交信を行い、それぞれの送信スロットの間隔がスロット間隔である。ここでは、常にマスターとスレーブのいずれかが送信スロットになっている。
【0010】
図7において、701はマスターの送信スロット、702はスレーブの送信スロット、703は省電力モードにおける休止時間間隔(Sniff期間)である。休止時間間隔は、マスターとスレーブの調停により決定される。
【0011】
図6に示す通常モードにおいては毎スロット受信と送信を繰り返す必要があるが、図7に示す省電力モードにおいては休止時間間隔毎に受信と送信を行うことになり、一般に省電力化が可能である(例えば、非特許文献1参照)。
【0012】
【非特許文献1】
”Specification of the Bluetooth System, Core, version 1.1”,PartB,p.33−182,[online],2001年2月22日,Bluetooth SIG,Inc.,[平成14年11月19日検索],インターネット<URL:http://www.bluetooth.com/pdf/Bluetooth_11_Specifications_Book.pdf>
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような構成では、無線通信ネットワークが持つ無線データリンク層の省電力性能を必ずしも効率的に利用できない。たとえば図6において無線通信端末501で平均的なオーディオ伝送レートを想定して休止時間間隔を設定することは可能であるが、オーディオコーデックが可変長である場合には必要な伝送路容量は常時変動するため、最適な休止時間間隔も常時変動することになり、あらかじめ設定した休止時間間隔では過不足が生じる場合がある。また、無線区間の擾乱や他の通信の割込みなどにより、伝送路容量が変動して遅延が増大したり、FIFOバッファが溢れる等の不具合が発生することがある。
【0014】
このように、休止時間間隔決定には様々な要因が存在し、例えば、休止時間間隔を短めに設定すれば、逆に充分に省電力性能を利用することがでず、上記のような構成では、無線データリンク層の省電力性能を必ずしも効率的に利用できないという問題点があった。
【0015】
本発明は、上記問題点を解決する、データ伝送中にデータの伝送特性や伝送品質が変化したとしても、無線データリンクを効率的に省電力化することができる無線通信装置を提供することを目的とする。
また、単位時間辺りの発生情報量が変動する場合においても、伝送系における遅延時間を均一化することができ、実時間性を要求される通信においてはデコーダでのオーバフロー、アンダーフローを発生しにくくすることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1記載の無線通信装置は、複数の無線通信端末で構成され、前記無線通信端末のうちひとつがマスター、他がスレーブとなり、前記マスターが各無線通信端末に割り当てた通信スロット毎に送信を行う時分割通信方式を用いて通信を行い、所定の休止時間間隔毎に通信スロットを割り当てる省電力モードを有する無線通信装置において、前記無線通信端末の少なくとも1つは、断続的に情報を出力する情報源と、前記情報を一時的に蓄積する送信FIFOバッファと、前記送信FIFOバッファに蓄積された蓄積情報量を計測する蓄積情報量計測手段と、前記蓄積情報量に応じて前記省電力モードにおける休止時間間隔を決定する休止時間間隔決定手段と、前記情報を送信する送信手段とを具備した情報送信無線通信端末であり、前記無線通信端末の少なくとも1つは、前記情報送信無線通信端末が送信する情報を受信する受信手段を具備した情報受信無線通信端末であり、前記蓄積情報量に応じて前記省電力モードにおける休止時間間隔を決定して通信を行うことを特徴とする。
【0017】
請求項2記載の無線通信装置は、複数の無線通信端末で構成され、前記無線通信端末のうちひとつがマスター、他がスレーブとなり、前記マスターが各無線通信端末に割り当てた通信スロット毎に送信を行う時分割通信方式を用いて通信を行い、所定の休止時間間隔毎に通信スロットを割り当てる省電力モードを有する無線通信装置において、前記無線通信端末の少なくとも1つは、断続的に情報を発生する情報源と、前記情報を一時的に蓄積する送信FIFOバッファと、前記情報を送信する送信手段とを具備した情報送信無線通信端末であり、前記無線通信端末の少なくとも1つは、前記情報送信無線通信端末が送信する情報を受信する受信手段と、受信した情報を一時的に蓄積する受信FIFOバッファと、前記受信FIFOバッファに蓄積された蓄積情報量を計測する蓄積情報量計測手段と、前記蓄積情報量に応じて前記省電力モードにおける休止時間間隔を決定する休止時間間隔決定手段と、受信した情報を受け取る情報受容器とを具備した情報受信無線通信端末であり、前記蓄積情報量に応じて前記省電力モードにおける休止時間間隔を決定して通信を行うことを特徴とする。
【0018】
請求項3記載の無線通信装置は、請求項1または請求項2のいずれかに記載の無線通信装置において、前記情報源は一定時間間隔毎に情報をパケット化して出力し、前記蓄積情報量計測手段は蓄積情報量として蓄積されたパケット数を計測することを特徴とする。
【0019】
請求項4記載の無線通信装置は、請求項1または請求項2または請求項3のいずれかに記載の無線通信装置において、無線通信端末の少なくとも1つは前記蓄積情報量に応じて前記省電力モードにおける休止時間間隔を決定する休止時間間隔決定手段を具備する管理無線通信端末であり、前記蓄積情報量計測手段で計測した蓄積情報量を前記管理無線通信端末へ送信し、前記管理無線通信端末は受信した各々の蓄積情報量に応じて各々の無線通信端末の省電力モードにおける休止時間間隔を決定することを特徴とする。
【0020】
以上により、データ伝送中にデータの伝送特性や伝送品質が変化したとしても、無線データリンクを効率的に省電力化することができる無線通信装置を提供することができる。
【0021】
また、単位時間辺りの発生情報量が変動する場合においても、伝送系における遅延時間を均一化する効果があり、実時間性を要求される通信においてはデコーダでのオーバフロー、アンダーフローを発生しにくくすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1における無線通信装置について図1,図4を用いて説明する。
【0023】
図1は本発明の実施の形態1における無線通信装置の構成図、図4は本発明の実施の形態1における無線通信装置の休止時間間隔を決定するフロー図である。図1に示すように、情報送信無線通信端末101は、情報源の一例としてストリームデータを発生するオーディオエンコーダ112と、送信FIFOバッファ111と、情報の送信手段の一例としてのBluetoothプロトコルスタックのL2CAP層109およびRF/LC/LM層110と、送信FIFOバッファ111に蓄積された蓄積情報量を計測する蓄積情報量計測手段114と、蓄積情報量により省電力モードにおける休止時間間隔を決定する休止時間間隔決定手段115を備えている。
【0024】
また、情報受信無線通信端末100は、情報送信無線通信端末が送信する情報を受信する受信手段の一例としてのBluetoothプロトコルスタックのL2CAP層106およびRF/LC/LM層105と、受信FIFOバッファ107と、情報受容器の一例としてオーディオデコーダ108とを具備している。
【0025】
次に、本発明の実施の形態1における無線通信装置の動作を説明する。
まず、情報送信無線通信端末101において、オーディオエンコーダ112で発生するエンコードされたストリームデータは一旦送信FIFOバッファ111に蓄積された後、BluetoothプロトコルスタックのL2CAP層109およびRF/LC/LM層110を介して無線区間に送出される。そして、情報受信無線通信端末100においてBluetoothプロトコルスタックのL2CAP層106およびRF/LC/LM層105を介して受信され、受信FIFOバッファ107を経由してオーディオデコーダ108に入力される。
【0026】
最後に、蓄積情報量計測手段114は送信FIFOバッファ111に蓄積された蓄積情報量を計測し、休止時間間隔決定手段115がその蓄積情報量に応じて省電力モード移行中における休止時間間隔を決定する。
【0027】
図4において、まず、送信FIFOバッファ111にデータが蓄積されると、蓄積情報量計測手段114により送信FIFOバッファ111に蓄積された蓄積情報量を計測する(S401)。次に、蓄積された情報量を閾値Thと比較し(S402)、蓄積情報量が閾値Thより多ければ休止時間間隔を1ステップ減少させ(S403)、蓄積情報量が閾値Thより少なければ閾値T1と比較し(S404)、蓄積情報量が閾値T1より少なければ休止時間間隔を1ステップ増加させる(S405)。以降、この動作を繰り返して常に最適な休止時間間隔を確保する。
【0028】
以上のような構成にすることにより、情報源が発生する情報量が増加した場合や、無線区間の擾乱等による無線区間の実効的な伝送路容量の減少により送信FIFOバッファ111に蓄積された蓄積情報量が増加した場合には、休止時間間隔を減少させることにより無線空間の実効的な伝送路容量を増加させ、逆に、情報源が発生する情報量が減少した場合や、無線区間の実効的な伝送路容量の増加により送信FIFOバッファ111に蓄積された蓄積情報量が減少した場合には、休止時間間隔を増加させることにより無線区間の実効的な伝送路容量を減少させることができる。このことにより、常に最適な休止時間間隔を設定することができ、データ伝送中にデータの伝送特性や伝送品質が変化したとしても、無線データリンクを効率的に省電力化することができる無線通信装置を提供することができる。
【0029】
一定時間間隔毎にストリームデータを可変長符号化し、パケット化して発生するオーディオコーデックを用い、蓄積情報量としてパケット数を計測する構成とすることも可能である。このように構成した場合には、送信FIFOバッファ111に蓄積されたパケット数が一定値に向かうように休止時間間隔が制御されることになり、送信FIFOバッファ111に蓄積されるオーディオストリームの遅延時間が一定値に向かうように制御することになるため、実時間性を要求される通信においてはデコーダでのオーバフロー、アンダーフローを発生しにくくすることができる。
(実施の形態2)
まず、本発明の実施の形態2における無線通信装置について、図2を用いて説明する。
【0030】
図2は本発明の実施の形態2における無線通信装置の構成図である。
図2に示すように、情報送信無線通信端末201は、情報源の一例としてストリームデータを発生するオーディオエンコーダ212と、送信FIFOバッファ211と、情報の送信手段の一例としてのBluetoothプロトコルスタックのL2CAP層209およびRF/LC/LM層210とを備え、情報受信無線通信端末200は、情報送信無線通信端末が送信する情報を受信する受信手段の一例としてのBluetoothプロトコルスタックのL2CAP層206およびRF/LC/LM層205と、受信FIFOバッファ207と、情報受容器の一例としてオーディオデコーダ208と、受信FIFOバッファ207に蓄積された蓄積情報量を計測する蓄積情報量計測手段215と、蓄積情報量により省電力モードにおける休止時間間隔を決定する休止時間間隔決定手段214を具備している。
【0031】
次に、本発明の実施の形態2における無線通信装置の動作を説明する。
ここで、オーディオエンコーダ212は一定時間間隔毎にストリームデータを可変長符号化し、パケット化して出力する。
【0032】
まず、情報送信無線通信端末201において、オーディオエンコーダ212で発生するエンコードされたストリームデータのパケットは、一旦送信FIFOバッファ211に蓄積された後、BluetoothプロトコルスタックのL2CAP層209およびRF/LC/LM層210を介して無線区間に送出される。次に、情報受信無線通信端末200においてBluetoothプロトコルスタックのL2CAP層206およびRF/LC/LM層205により受信され、受信FIFOバッファ207を経由してオーディオデコーダ208に入力される。最後に、蓄積情報量計測手段215は受信FIFOバッファ207に蓄積された蓄積情報量としてパケット数を計測し、休止時間間隔決定手段214がそのパケット数に応じて省電力モードにおける休止時間間隔を決定する。
【0033】
本実施の形態における蓄積情報量により省電力モードにおける休止時間間隔を決定するアルゴリズムとしては、蓄積情報量計測手段215により受信FIFOバッファ207に蓄積された蓄積情報量としてのパケット数を計測し、以下は実施の形態1と同様に、閾値Thと比較し、パケット数が閾値Thより多ければ、休止時間間隔を1ステップ増加させ、そうでなければ、閾値T1と比較し、パケット数が閾値T1より少なければ、休止時間間隔を1ステップ減少させるものとすることができる。
【0034】
このようにオーディオコーデックとして、一定時間間隔毎にストリームデータを可変長符号化し、パケット化して発生する方式を採用し、蓄積情報領としてパケット数を計測する構成とした場合においては、受信FIFOバッファ207に蓄積されたパケット数が一定値に向かうように休止時間間隔が制御されることになり、最適な休止時間間隔を設定することができるため、データ伝送中にデータの伝送特性や伝送品質が変化したとしても、無線データリンクを効率的に省電力化することができる無線通信装置を提供することができる。
【0035】
Bluetoothにおける休止時間間隔はスレーブからの要求あるいはマスターの判断により、マスターがスレーブに指示を行うため、情報受信無線通信端末200がマスターである場合には本実施の形態の構成が実施の形態1の構成に比べて効率的である場合もある。
【0036】
ここでは、情報をパケット化した場合を例に説明したが、計測する情報はパケット化されている必要はない。
(実施の形態3)
まず、本発明の実施の形態3における無線通信装置の構成について図3を用いて説明する。
【0037】
図3は本発明の実施の形態3における無線通信装置の構成図である。
図3に示すように、情報送信無線通信端末301は、情報源の一例としてストリームデータを発生するオーディオエンコーダ312と、送信FIFOバッファ311と、情報の送信手段の一例としてのBluetoothプロトコルスタックのL2CAP層309およびRF/LC/LM層310と、送信FIFOバッファ311に蓄積された蓄積情報量を計測する蓄積情報量計測手段314とをそなえ、管理無線通信端末300は、情報送信無線通信端末が送信する情報を受信する受信手段の一例としてのBluetoothプロトコルスタックのL2CAP層306およびRF/LC/LM層305と、情報受容器の一例としてオーディオデコーダ319,320と、情報送信無線通信端末から送信されてくる蓄積情報量により省電力モードにおける休止時間間隔を決定する休止時間間隔決定手段315を備えた構成である。また、情報送信無線通信端末302は情報送信無線通信端末301と同様に構成されている。
【0038】
次に、本発明の実施の形態3における無線通信装置の動作を説明する。
まず、情報送信無線通信端末301において、オーディオエンコーダ312で発生するエンコードされたストリームデータは、一旦送信FIFOバッファ311に蓄積された後、BluetoothプロトコルスタックのL2CAP層309およびRF/LC/LM層310を介して無線区間に送出される。次に、管理無線通信端末300においてBluetoothプロトコルスタックのL2CAP層306およびRF/LC/LM層305を介して受信され、オーディオデコーダ319に入力される。また、情報送信無線通信端末302からも同様にストリームデータが送信され、同様に管理無線通信端末300のオーディオデコーダ320に入力される。次に、蓄積情報量計測手段314は送信FIFOバッファ311に蓄積された蓄積情報量を計測し、蓄積情報量計測値の送信手段の一例としてのBluetoothプロトコルスタックのL2CAP層309およびRF/LC/LM層310を用いて管理無線通信端末300宛てに送信する。同様に情報送信無線通信端末302における蓄積情報量計測手段で計測された情報送信無線通信端末302における送信FIFOバッファに蓄積された蓄積情報量計測値も管理無線通信端末300宛てに送信される。
【0039】
最後に、管理無線通信端末300では、休止時間間隔決定手段315が蓄積情報量計測値の受信手段の一例としてのBluetoothプロトコルスタックのL2CAP層306およびRF/LC/LM層305を用いて受信した情報送信無線通信端末301における送信FIFOバッファに蓄積された蓄積情報量計測値および情報送信無線通信端末302における送信FIFOバッファに蓄積された蓄積情報量計測値を基に、あらかじめ設けた優先順位に応じて省電力モードにおける休止時間間隔を決定する。
【0040】
本実施の形態における、蓄積情報量により省電力モードにおける休止時間間隔を決定するアルゴリズムの一例としては、実施の形態1と同様にそれぞれの情報送信無線通信端末に割り当てる休止時間間隔を決定し、ここでは、あらかじめ設定しておいた情報送信無線通信端末毎の優先度を考慮して参照して休止時間間隔を決定している。
【0041】
なお、本実施の形態では管理無線通信端末が情報受信無線通信端末を兼ねる構成としたが、管理無線通信端末と情報受信無線通信端末を別の無線通信端末とすることも可能であり、情報をパケット化することも可能である。
【0042】
以上のように本実施の形態のように構成することにより、個々の通信での伝送帯域の要求を管理無線通信端末で調停し、無線ネットワーク全体では有限である伝送帯域を効率よく配分することが可能となる。
【0043】
なお、各実施の形態において、無線データリンク層を実現する一例としてBluetoothを用いる構成としたが、Bluetoothに限定されるものではない。また、各実施の形態において、情報源および情報受容器としてオーディオコーデックを用いたが、オーディオコーデックに限定されるものではない。また、各実施の形態において、情報送信無線通信端末、情報受信無線通信端末の数は例示された数のものと同一である必要はない。
【0044】
【発明の効果】
以上のように本発明の無線通信装置によれば、情報送信無線通信端末において、送信FIFOバッファに蓄積された蓄積情報量を計測する手段を具備し、蓄積情報量により省電力モードにおける休止時間間隔を決定する構成とすることにより、情報源が発生する情報量の変動や、無線区間の実効的な伝送路容量の変動に追従し、常に最適な休止時間間隔を設定することができるため、無線データリンクを効率的に省電力化することができる。
【0045】
また、情報受信無線通信端末において、受信FIFOバッファに蓄積された蓄積情報量を計測する手段を具備し、蓄積情報量により省電力モードにおける休止時間間隔を決定する構成とすることにより、情報源が発生する情報量の変動や、無線区間の実効的な伝送路容量の変動に追従し、常に最適な休止時間間隔を設定することができるため、無線データリンクを効率的に省電力化することができる。
【0046】
情報源は情報を一定時間間隔毎にパケット化して出力する情報源であり、蓄積情報量をパケット数として計測する構成とすることにより、情報源が可変長符号化された情報を発生するなど、単位時間辺りの発生情報量が変動する場合においても、伝送系における遅延時間を均一化する効果があり、実時間性を要求される通信においてはデコーダでのオーバフロー、アンダーフローを発生しにくくすることができる。
【0047】
無線通信端末の少なくとも1つは管理無線通信端末であり、管理無線通信端末へ計測した蓄積情報量を送信し、管理無線通信端末は受信した各々の蓄積情報量の計測結果により各々の省電力モードにおける休止時間間隔を決定する構成とすることにより、個々の通信での伝送帯域の要求を管理無線通信端末で調停し、無線ネットワーク全体では有限である伝送帯域を効率よく配分することができるため、無線データリンクを効率的に省電力化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における無線通信装置の構成図
【図2】本発明の実施の形態2における無線通信装置の構成図
【図3】本発明の実施の形態3における無線通信装置の構成図
【図4】本発明の実施の形態1における無線通信装置の休止時間間隔を決定するフロー図
【図5】従来のBluetoothによる無線通信ネットワークの構成図
【図6】Bluetoothにおける通常モードでの無線区間の伝送方式を示すタイミングチャート
【図7】Bluetoothにおける省電力モードでの無線区間の伝送方式を示すタイミングチャート
【符号の説明】
100 情報受信無線通信端末
101 情報送信無線通信端末
105 RF/LC/LM層
106 L2CAP層
107 受信FIFOバッファ
108 オーディオデコーダ
109 L2CAP層
110 RF/LC/LM層
111 送信FIFOバッファ
112 オーディオエンコーダ
114 蓄積情報量計測手段
115 休止時間間隔決定手段
200 情報受信無線通信端末
201 情報送信無線通信端末
205 RF/LC/LM層
206 L2CAP層
207 受信FIFOバッファ
208 オーディオデコーダ
209 L2CAP層
210 RF/LC/LM層
211 送信FIFOバッファ
212 オーディオエンコーダ
214 休止時間間隔決定手段
215 蓄積情報量計測手段
300 管理無線通信端末
301 情報送信無線通信端末
302 情報送信無線通信端末
305 RF/LC/LM層
306 L2CAP層
309 L2CAP層
310 RF/LC/LM層
311 送信FIFOバッファ
312 オーディオエンコーダ
314 蓄積情報量計測手段
315 休止時間間隔決定手段
319 オーディオデコーダ
320 オーディオデコーダ
500 無線通信端末
501 無線通信端末
502 無線通信端末
503 無線通信端末
504 無線通信端末
505 RF/LC/LM層
506 L2CAP層
507 受信FIFOバッファ
508 オーディオデコーダ
509 L2CAP層
510 RF/LC/LM層
511 送信FIFOバッファ
512 オーディオエンコーダ
601 マスターの送信スロット
602 スレーブの送信スロット
603 スロット間隔
701 マスターの送信スロット
702 スレーブの送信スロット
703 休止時間間隔
Claims (4)
- 複数の無線通信端末で構成され、前記無線通信端末のうちひとつがマスター、他がスレーブとなり、前記マスターが各無線通信端末に割り当てた通信スロット毎に送信を行う時分割通信方式を用いて通信を行い、所定の休止時間間隔毎に通信スロットを割り当てる省電力モードを有する無線通信装置において、
前記無線通信端末の少なくとも1つは、断続的に情報を出力する情報源と、前記情報を一時的に蓄積する送信FIFOバッファと、前記送信FIFOバッファに蓄積された蓄積情報量を計測する蓄積情報量計測手段と、前記蓄積情報量に応じて前記省電力モードにおける休止時間間隔を決定する休止時間間隔決定手段と、前記情報を送信する送信手段とを具備した情報送信無線通信端末であり、
前記無線通信端末の少なくとも1つは、前記情報送信無線通信端末が送信する情報を受信する受信手段を具備した情報受信無線通信端末であり、
前記蓄積情報量に応じて前記省電力モードにおける休止時間間隔を決定して通信を行うことを特徴とする無線通信装置。 - 複数の無線通信端末で構成され、前記無線通信端末のうちひとつがマスター、他がスレーブとなり、前記マスターが各無線通信端末に割り当てた通信スロット毎に送信を行う時分割通信方式を用いて通信を行い、所定の休止時間間隔毎に通信スロットを割り当てる省電力モードを有する無線通信装置において、
前記無線通信端末の少なくとも1つは、断続的に情報を発生する情報源と、前記情報を一時的に蓄積する送信FIFOバッファと、前記情報を送信する送信手段とを具備した情報送信無線通信端末であり、
前記無線通信端末の少なくとも1つは、前記情報送信無線通信端末が送信する情報を受信する受信手段と、受信した情報を一時的に蓄積する受信FIFOバッファと、前記受信FIFOバッファに蓄積された蓄積情報量を計測する蓄積情報量計測手段と、前記蓄積情報量に応じて前記省電力モードにおける休止時間間隔を決定する休止時間間隔決定手段と、受信した情報を受け取る情報受容器とを具備した情報受信無線通信端末であり、
前記蓄積情報量に応じて前記省電力モードにおける休止時間間隔を決定して通信を行うことを特徴とする無線通信装置。 - 前記情報源は一定時間間隔毎に情報をパケット化して出力し、前記蓄積情報量計測手段は蓄積情報量として蓄積されたパケット数を計測することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の無線通信装置。
- 無線通信端末の少なくとも1つは前記蓄積情報量に応じて前記省電力モードにおける休止時間間隔を決定する休止時間間隔決定手段を具備する管理無線通信端末であり、
前記蓄積情報量計測手段で計測した蓄積情報量を前記管理無線通信端末へ送信し、前記管理無線通信端末は受信した各々の蓄積情報量に応じて各々の無線通信端末の省電力モードにおける休止時間間隔を決定することを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3のいずれかに記載の無線通信装置。
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Publications (2)
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