JP4529193B2 - 光伝送路の形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光伝送路およびその形成方法に関し、特に、光電子集積回路装置における光信号の伝送用の光伝送路に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体集積回路装置における配線には、もっぱらアルミニウム(Al)配線が用いられており、最近ではより低抵抗の銅(Cu)配線が用いられ始めている。しかしながら、これらの金属配線では、今後の半導体集積回路装置の高速化、高集積化に限界がきており、新たな配線技術が求められている。そのための有望な手段の一つとして、光による信号のやりとりを行う光配線技術が挙げられる。
【0003】
従来、このような光配線を用いた装置としては、モジュール化された光学部品(発光素子または受光素子を含む)を基板上に搭載したものが、最も一般的である。
【0004】
しかしながら、従来の光配線を用いた装置は、モジュール化された光学部品の小型化が困難であるため、小型化および高集積化が困難であるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者は、上記の問題を解決するために、基板上に複数の回路ブロックがモノリシックに形成され、複数の回路ブロックのうちの少なくとも二つの回路ブロック間の信号の伝送は光により行われ、かつ、複数の回路ブロックのそれぞれの回路ブロックの内部の信号の伝送は導電体からなる配線を通じて行われる光電子集積回路装置を提案した。
【0006】
この発明の目的は、このような本発明者の提案による光電子集積回路装置において回路ブロック間の光信号の伝送に用いて好適な光伝送路およびその形成方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明の第1の発明による光伝送路は、
基板上に複数の回路ブロックがモノリシックに形成され、複数の回路ブロックのうちの少なくとも二つの回路ブロック間の信号の伝送は光により行われ、かつ、複数の回路ブロックのそれぞれの回路ブロックの内部の信号の伝送は導電体からなる配線を通じて行われる光電子集積回路装置において少なくとも二つの回路ブロック間の信号の伝送を光により行うための線状の光伝送路であって、
基板上にモノリシックに形成されている
ことを特徴とするものである。
【0008】
この第1の発明において、光伝送路の材料としては、光学的に光信号の伝播損失の少ないものが用いられ、具体的には、例えば有機樹脂製のレジストなどの有機材料、あるいは、酸化シリコンや窒化シリコンなどの無機材料が用いられる。この光伝送路は、典型的には、基板の表面に形成された溝の内部にその下部が埋められた状態で形成される。
【0009】
この第1の発明において、信号の伝送を光により行う少なくとも二つの回路ブロックは、発光素子および/または受光素子を有する。この少なくとも二つの回路ブロック間の光による信号の伝送は1重の信号により行ってもよいし、バスタイプの多重信号により行ってもよく、さらには、ホログラフィー信号(ホログラフィー化された信号)により行ってもよい。バスタイプの多重信号またはホログラフィー信号を用いた場合には、より多くの信号の伝送が可能である。
【0010】
この第1の発明において、複数の回路ブロックのそれぞれの回路ブロックは、典型的には、少なくとも一つの電子素子、例えばトランジスタを含む。この電子素子としては、シリコンなどの元素半導体を用いたものや、GaAsなどの化合物半導体を用いたものなどを用いることができるほか、これらの電子素子を混用してもよい。また、それぞれの回路ブロックの内部の信号の伝送用の配線の材料である導電体としては、AlやCuなどを用いることができる。
【0011】
なお、場合によっては、基板上にモノリシックに形成された複数の回路ブロックに加えて、一つまたは複数のモジュール化された部品を基板上に搭載してもよい。
【0012】
この発明の第2の発明は、
基板上にモノリシックに形成された光伝送路の形成方法であって、
基板の一主面に、形成すべき光伝送路に対応した形状の溝を形成する工程と、
基板の一主面に、少なくとも溝を埋める厚さに有機材料を形成する工程と、
有機材料を選択的に除去することにより有機材料を上記溝の部分にのみ残す工程とを有する
ことを特徴とするものである。
【0013】
この第2の発明は、典型的には、有機材料を溝の部分にのみ残した後に有機材料のリフローを行う工程と、有機材料のリフローを行った後に有機材料の表面のアッシング処理を行う工程とをさらに有する。有機材料は、例えば有機樹脂製のレジストなどである。
【0014】
この発明の第3の発明は、
基板上にモノリシックに形成された光伝送路の形成方法であって、
基板の一主面に、形成すべき光伝送路に対応した形状の溝を形成する工程と、溝の部分に流動性を有する無機材料を選択的に形成する工程と、
無機材料を固化させる工程とを有する
ことを特徴とするものである。
【0015】
この第3の発明においては、典型的には、基板の一主面に形成された、形成すべき光伝送路に対応した形状の開口部を有するマスクを用いて溝の部分に流動性を有する無機材料を選択的に形成する。このマスクの材料としては、レジスト、窒化シリコン、多結晶シリコンなどを用いることができる。レジストとしては、ネガ型レジストが、その形成および除去を簡単に行うことができるので、形成プロセスの簡略化を図る上で有利である。また、例えば、光伝送路の材料として酸化シリコンを用いる場合、このマスクの材料として窒化シリコンまたは多結晶シリコンを用いると、それぞれの材料のエッチング選択比の違いにより、光伝送路の形成後にマスクだけを容易に選択的に除去することができる。また、この無機材料の形成には、ゾル−ゲル反応を利用した液相化学気相成長法などを用いることができる。無機材料は、例えば酸化シリコンや窒化シリコンなどである。
【0016】
この発明において、光伝送路の断面形状は、効率の良い光信号伝送を行う観点からは、好適には、ほぼ円形であるが、他の形状、例えば楕円や矩形であってもよい。また、基板としては、シリコン基板やGaAs基板などの化合物半導体基板のほか、SOI(Silicon on Insulator)基板を用いることができる。
【0017】
上述のように構成されたこの発明の第1の発明においては、少なくとも二つの回路ブロック間の信号の伝送を光により行うための線状の光伝送路が、回路ブロックとともに基板上にモノリシックに形成されていることにより、この光伝送路を通じて回路ブロック間の光信号の伝送を確実にしかも高い信頼性で行うことができるとともに、光電子集積回路装置の小型化および高集積化を図ることができるる。
【0018】
上述のように構成されたこの発明の第2の発明においては、有機樹脂製のレジストなどを用いて、簡単なプロセスで光伝送路を基板上にモノリシックに形成することができる。
【0019】
上述のように構成されたこの発明の第3の発明においては、酸化シリコンや窒化シリコンなどを用いて、簡単なプロセスで光伝送路を基板上にモノリシックに形成することができ、しかも、これらの材料は耐熱性およびエッチング耐性とも優れているため、プロセスの自由度が高い。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、実施形態の全図において、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
【0021】
図1はこの発明の一実施形態による光電子集積回路装置を示す。
【0022】
図1に示すように、この一実施形態による光電子集積回路装置においては、シリコン基板1上に複数の回路ブロックA1 、A2 、・・・、B1 、B2 、・・・が、成膜技術、エッチング技術、不純物ドーピング技術などのプロセス技術を用いてモノリシックに形成されている。これらの回路ブロックA1 、A2 、・・・、B1 、B2 、・・・の個数および配置や各回路ブロックの機能は、この光電子集積回路装置にどのような機能を持たせるかに応じて決められる。例えば、この光電子集積回路装置にある特定の信号処理を行う機能を持たせる場合には、その信号処理に必要な回路がこれらの回路ブロックA1 、A2 、・・・、B1 、B2 、・・・の一部または全部により構成されるようにする。各回路ブロックにおいては、必要な機能に応じて、トランジスタなどの電子素子がAlやCuなどかならなる金属配線(図示せず)で接続されている。これに対し、互いに隣接する回路ブロック間の信号の伝送は光により行われる。具体的には、各回路ブロックは、トランジスタなどの電子素子のほか、受光素子および/または発光素子を有し、隣接する回路ブロックからの光信号を受光することができるか、隣接する回路ブロックに光信号を送信することができるか、あるいは、これらの両方が可能になっている。この場合、受光素子により受光された光信号は、この受光素子が設けられた回路ブロック内で所定の処理が行われる。また、発光素子は、この発光素子が設けられた回路ブロック内における信号処理の結果得られる出力により駆動され、光信号が発生される。各回路ブロック間を伝送される光信号は、1重でもバスタイプの多重信号でもホログラフィー信号でもよく、これらを混用してもよい。
【0023】
各回路ブロックにおける素子の集積規模は、必要な機能に応じて選ばれるが、例えば、カスタムICなどにおけるスタンダードセルまたはマクロセルと同様な規模としてもよい。
【0024】
次に、各回路ブロックの受発光部の構造の具体例について説明する。ここでは図1に示す回路ブロックA1 、B1 について説明するが、他の回路ブロックについても同様である。
【0025】
図2は受発光部の第1の例を示す。図2に示すように、この第1の例においては、互いに隣接する回路ブロックA1 、B1 の、基板表面にほぼ垂直な互いに対向する端面に、発光素子および/または受光素子を有する受発光部a1 、b1 が設けられている。ここで、発光素子としては、例えばGaP系の発光ダイオードなどが用いられ、受光素子としては、例えばGaAs系フォトダイオードなどが用いられる。これらの受発光部a1 、b1 間で光信号は基板表面に平行な方向にやりとりされる。
【0026】
図3は受発光部の第2の例を示す。図3に示すように、この第2の例においては、互いに隣接する回路ブロックA1 、B1 の互いに対向する端面が基板表面に対して例えば45°傾斜しており、これらの端面に、発光素子および/または受光素子を有する受発光部a1 、b1 が設けられている。これらの発光素子および受光素子としては、第1の例と同様なものを用いることができる。この場合、回路ブロックA1 、B1 の一方の回路ブロックの受発光部の発光素子から基板表面に対して45°の方向に発生する光信号は、基板表面に平行に配置された反射鏡2で反射されて、他方の回路ブロックの受発光部の受光素子に基板表面に対して45°の方向から入射して受光される。
【0027】
図4は受発光部の第3の例を示す。図4に示すように、この第3の例においては、互いに隣接する回路ブロックA1 、B1 の、基板表面にほぼ垂直な互いに対向する端面に、発光素子および/または受光素子を有する受発光部a1 、b1 が設けられている。これらの発光素子および受光素子としては、第1の例と同様なものを用いることができるが、発光素子としては面発光型のものを用いる。この場合、回路ブロックA1 、B1 の一方の回路ブロックの受発光部の発光素子から基板表面に対して垂直な方向に光信号が出射され、この光信号は、基板表面に対して45°の方向に傾斜して配置された反射鏡3、4で反射されて、他方の回路ブロックの受光素子に基板表面に対して垂直上方から入射して受光される。
【0028】
この一実施形態による光電子集積回路装置の製造方法を図5および図6を参照して説明する。ここで、図5および図6は図1のX−X線に沿っての断面図である。まず、図5に示すように、通常のLSI製造プロセスにしたがって、シリコン基板1上に成膜技術、エッチング技術、不純物ドーピング技術などにより回路ブロック層5を形成する。次に、図6に示すように、この回路ブロック層5を例えば異方性エッチング技術などにより選択的にエッチング除去して回路ブロックA1 、・・・B1 、・・・を形成する。次に、各回路ブロックに、例えば図2、図3または図4に示したような受発光部a1 、b1 などを化合物半導体のエピタキシャル成長技術などを用いて形成する。以上により、目的とする光電子集積回路装置が製造される。
【0029】
この一実施形態において、全部または一部の回路ブロック間の光信号の伝送は、これらの回路ブロック間におけるシリコン基板1上にモノリシックに形成された、例えば図7に示すような光伝送路6を通じて行われる。この光伝送路6は、光信号の伝播損失の少ない透明材料、例えば、有機樹脂製のレジストやSiO2 などにより形成されている。この場合、この光伝送路6はほぼ円形の断面形状を有し、その下側半分がシリコン基板1に埋め込まれている。回路ブロックの受発光部の発光素子から出射される光信号はこの光伝送路6の一方の端面に入射し、その内部を伝播した後、他方の端面から出射され、他の回路ブロックの受発光部の受光素子に入射して受光される。
【0030】
光伝送路6は、光信号の伝送を行う回路ブロック間に必要に応じて1本または複数本形成され、シリコン基板1全体では通常複数本形成される。図8に、シリコン基板1上に光伝送路6が複数本設けられたときの様子を示す。また、この光伝送路6は、必要に応じて、図9に示すように、途中で曲がって形成されることもある。
【0031】
次に、光伝送路6の形成方法について説明する。ここでは、光伝送路6の材料として有機樹脂製のレジストを用いる第1の方法と、光伝送路6の材料としてSiO2 を用いる第2の方法とに分けて説明する。
【0032】
図10〜図16は第1の方法を示す。この第1の方法においては、まず、図10に示すように、シリコン基板1の全面に例えばCVD法によりSi3 4 膜7を形成した後、その上にリソグラフィーにより光伝送路の形成部に対応する部分が開口した所定形状のレジストパターン(図示せず)を形成し、このレジストパターンをマスクとして例えば反応性イオンエッチング(RIE)法で異方性エッチングを行うことによりSi3 4 膜7に開口部7aを形成する。この開口部7aの幅は、最終的に形成する光伝送路6の直径よりも少し狭く選ばれる。次に、レジストパターンを除去した後、Si3 4 膜7をマスクとして例えばRIE法によりシリコン基板1をエッチングし、溝8を形成する。この時点の溝8の断面形状は矩形である。
【0033】
次に、図11に示すように、Si3 4 膜7をマスクとしてシリコン基板1の等方性エッチング、例えばウエットエッチングを行うことにより、溝8の断面形状を最終的に形成する光伝送路6の直径と等しい直径の半円形にする。
【0034】
次に、Si3 4 膜7をエッチング除去した後(図12)、図13に示すように、シリコン基板1上に有機樹脂性のレジスト膜9を塗布する。このレジスト膜9の厚さは、最終的に形成する光伝送路6の直径に応じて選ばれる。
【0035】
次に、レジスト膜9の所定部分を露光した後、現像を行うことにより、図14に示すように、溝8の部分にこの溝8の直径よりも少し大きい幅のレジストパターン10を形成する。
【0036】
次に、図15に示すように、レジストパターン10をそのレジストの種類に応じた適当な温度に加熱してリフローを行い、このレジストパターン10の上側半分の表面を滑らかな曲面にする。
【0037】
次に、例えば酸素プラズマを用いたアッシング処理を行うことにより、レジストパターン10の上側半分の表面を加工し、レジストパターン10を全体としてほぼ円形の断面形状にする。この後、例えば真空乾燥やプラズマ照射などを行うことによりこのレジストパターン10を硬化させる。これによって、図16に示すように、有機樹脂製のレジストからなり、ほぼ円形の断面形状を有する光伝送路6が形成される。
【0038】
図17〜図22は第2の方法を示す。この第2の方法においては、まず、図17に示すように、シリコン基板1の全面に例えばCVD法によりSi3 4 膜7を形成し、その上にリソグラフィーにより光伝送路の形成部に対応する部分が開口した所定形状のレジストパターン11を形成する。このレジストパターン11の開口部の幅は、最終的に形成する光伝送路6の直径よりも少し狭く選ばれる。次に、このレジストパターン11をマスクとして例えばRIE法で異方性エッチングを行うことによりSi3 4 膜7に開口部7aを形成し、引き続いて異方性エッチングを行うことによりシリコン基板1をエッチングして溝8を形成する。この時点の溝8の断面形状は矩形である。
【0039】
次に、図18に示すように、レジストパターン11およびSi3 4 膜7をマスクとして等方性エッチング、例えばウエットエッチングを行うことにより、溝8の断面形状を最終的に形成する光伝送路6の直径と等しい直径の半円形にする。
【0040】
次に、図19に示すように、例えば酸素プラズマを用いたアッシング処理を行うことにより、レジストパターン11の幅を狭くし、溝8と同一の幅にする。
【0041】
次に、図20に示すように、レジストパターン11をマスクとしてSi3 4 膜7をエッチングすることにより、Si3 4 膜7の開口部7aの幅を溝8と同一の幅にする。
【0042】
次に、図21に示すように、ゾル−ゲル反応を利用した液相CVD法によりシリコン基板1の全面にSiO2 12の成長を行う。このとき、このSiO2 12は、その成長温度を例えば0℃に設定して成長を行うことにより、高い流動性を示すものが得られ、その表面張力により、Si3 4 膜7の開口部7aの内部の溝8の部分のシリコン基板1上に、自然に自発的に、ほぼ円形の断面形状に成長する。なお、図示は省略するが、このSiO2 は、通常、レジストパターン11の上にも薄く成長する。
【0043】
次に、例えば酸素プラズマを用いたアッシング処理を行うことによりレジストパターン11を除去する。この際、レジストパターン11上に薄く成長したSiO2 膜はリフトオフにより除去される。次に、低温で熱処理を行うことにより、SiO2 12中に含まれるOH基を除去し、このSiO2 12を固化させる。この熱処理は、具体的には、例えば、400℃で15分程度行う。この後、Si3 4 膜7をエッチング除去する。これによって、図22に示すように、SiO2 からなり、ほぼ円形の断面形状を有する光伝送路6が形成される。
【0044】
この第2の方法によれば、耐熱性絶縁体であるSiO2 を光伝送路6の材料として用いているので、この光伝送路6の形成後のプロセス温度は1000℃程度まで許容することができるとともに、エッチング耐性も優れている。このため、光伝送路6の形成後のプロセスの自由度が高い。さらに、レジストパターン11およびSi3 4 膜7のパターンをマスクとして液相CVD法によりSiO2 の成長を行うだけで、光伝送路6に必要な円形の断面形状を容易に得ることができる。また、この光伝送路6の直径は、リソグラフィーの解像度によって決まる限界寸法程度まで縮小することができる。
【0045】
以上のように、この一実施形態によれば、回路ブロックA1 、A2 、・・・、B1 、B2 、・・・間の信号の伝送を光により行うので、寄生容量や寄生抵抗による信号遅延あるいは信号損失をなくすことができる。また、信号処理の高速化および情報の高密度化を図ることができる。しかも、これらの回路ブロックA1 、A2 、・・・、B1 、B2 、・・・はシリコン基板1上にモノリシックに形成されていることにより、従来のようにモジュール化された光学部品を基板上に搭載する場合に比べて、装置の小型化および高集積化を図ることができる。また、各回路ブロックの内部の信号の伝送用のAl、Cuなどからなる金属配線は、従来の確立された配線技術により容易に形成することができる。さらにまた、回路ブロック間の光信号の伝送はシリコン基板1上にモノリシックに形成された光伝送路6により確実にしかも高い信頼性で行うことができる。以上により、小型、高集積、高速および高信頼性の光電子集積回路装置を実現することができる。
【0046】
この発明による光電子集積回路装置は、基本的にはどのような回路にも適用することができるが、具体例を挙げると、例えば図23〜図27に示すようなものに適用することができる。これらの図23〜図27に示す回路の全部または一部をこの発明による光電子集積化回路装置と同様に構成することができ、それによってこれらの回路の小型化、高集積化および高速化が可能となる。
【0047】
図23に示す例はAGP(Accelerated Graphics Port)を用いたグラフィックスLSIであり、2Dグラフィックス処理ブロックや3Dグラフィックス処理ブロック、ビデオ信号処理ブロック、RGB画像処理ブロックなどを備えたものである(日経エレクトロニクス、1998年4月6日号、第55頁〜第65頁)。
【0048】
図24に示す例は68ビット加算器である(「高性能マイクロプロセッサアーキテクチャ インテル80960の設計」、マイヤーズ著、富沢、神成訳、丸善株式会社、1990年、第205頁)。
【0049】
図25に示す例はストアードプログラムマシン(stored-program machine) の例であり、データパスを制御するステートマシンのインプリメントのためのデコーダおよびメモリの使用を示す(Introduction to VLSI Systems, C.Mead & L. Conway,Addison Wesley,1980,p.201)。
【0050】
図26および図27に示す例はストアードプログラムマシンの他の例である(Introduction to VLSI Systems, C.Mead & L. Conway,Addison Wesley,1980,p.201,p.203)。
【0051】
以上、この発明の一実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0052】
例えば、上述の一実施形態において挙げた構造、材料、プロセスなどはあくまでも例にすぎず、必要に応じて、これらと異なる構造、材料、プロセスなどを用いてもよい。
【0053】
具体的には、上述の一実施形態においては、シリコン基板を用いた場合について説明したが、例えばGaAs基板のような化合物半導体基板を用いてもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明による光伝送路によれば、基板上にモノリシックに形成されていることにより、基板上に回路ブロックがモノリシックに形成された小型、高集積および高速の光電子集積回路装置において回路ブロック間の光信号の伝送を確実にかつ高い信頼性で行うことができる。
【0055】
この発明による光伝送路の形成方法によれば、基板への溝の形成や基板上への有機材料または無機材料の選択的な形成などの簡単なプロセスにより、基板上に容易に光伝送路をモノリシックに形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による光電子集積回路装置を示す斜視図である。
【図2】この発明の一実施形態による光電子集積回路装置における回路ブロックの受発光部の第1の例を示す断面図である。
【図3】この発明の一実施形態による光電子集積回路装置における回路ブロックの受発光部の第2の例を示す断面図である。
【図4】この発明の一実施形態による光電子集積回路装置における回路ブロックの受発光部の第3の例を示す断面図である。
【図5】この発明の一実施形態による光電子集積回路装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図6】この発明の一実施形態による光電子集積回路装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図7】この発明の一実施形態による光電子集積回路装置における光伝送路の第1の例を示す斜視図である。
【図8】この発明の一実施形態による光電子集積回路装置における光伝送路の第2の例を示す斜視図である。
【図9】この発明の一実施形態による光電子集積回路装置における光伝送路の第3の例を示す斜視図である。
【図10】この発明の一実施形態による光電子集積回路装置における光伝送路を形成するための第1の方法を説明するための断面図である。
【図11】この発明の一実施形態による光電子集積回路装置における光伝送路を形成するための第1の方法を説明するための断面図である。
【図12】この発明の一実施形態による光電子集積回路装置における光伝送路を形成するための第1の方法を説明するための断面図である。
【図13】この発明の一実施形態による光電子集積回路装置における光伝送路を形成するための第1の方法を説明するための断面図である。
【図14】この発明の一実施形態による光電子集積回路装置における光伝送路を形成するための第1の方法を説明するための断面図である。
【図15】この発明の一実施形態による光電子集積回路装置における光伝送路を形成するための第1の方法を説明するための断面図である。
【図16】この発明の一実施形態による光電子集積回路装置における光伝送路を形成するための第1の方法を説明するための断面図である。
【図17】この発明の一実施形態による光電子集積回路装置における光伝送路を形成するための第2の方法を説明するための断面図である。
【図18】この発明の一実施形態による光電子集積回路装置における光伝送路を形成するための第2の方法を説明するための断面図である。
【図19】この発明の一実施形態による光電子集積回路装置における光伝送路を形成するための第2の方法を説明するための断面図である。
【図20】この発明の一実施形態による光電子集積回路装置における光伝送路を形成するための第2の方法を説明するための断面図である。
【図21】この発明の一実施形態による光電子集積回路装置における光伝送路を形成するための第2の方法を説明するための断面図である。
【図22】この発明の一実施形態による光電子集積回路装置における光伝送路を形成するための第2の方法を説明するための断面図である。
【図23】この発明による光電子集積回路装置を適用可能な回路の第1の例を示す略線図である。
【図24】この発明による光電子集積回路装置を適用可能な回路の第2の例を示す略線図である。
【図25】この発明による光電子集積回路装置を適用可能な回路の第3の例を示す略線図である。
【図26】この発明による光電子集積回路装置を適用可能な回路の第4の例を示す略線図である。
【図27】この発明による光電子集積回路装置を適用可能な回路の第5の例を示す略線図である。
【符号の説明】
1・・・シリコン基板、A1 、A2 、B1 、B2 ・・・回路ブロック、a1 、b1 ・・・受発光部、2、3、4・・・反射鏡、6・・・光伝送路、7・・・Si3 4 膜、7a・・・開口部、8・・・溝、10、11・・・レジストパターン、12・・・SiO2

Claims (5)

  1. 基板の一主面に、形成すべき光伝送路に対応した形状の溝を形成する工程と、
    上記基板の上記一主面に、少なくとも上記溝を埋める厚さに有機樹脂製のレジストを形成する工程と、
    上記レジストを選択的に除去することにより上記レジストを上記溝の部分にのみ残す工程と
    上記レジストを上記溝の部分にのみ残した後に上記レジストのリフローを行う工程と、
    上記レジストのリフローを行った後に上記レジストの表面のアッシング処理を行う工程とを有する光伝送路の形成方法。
  2. 上記光伝送路はほぼ円形の断面形状を有する請求項1記載の光伝送路の形成方法。
  3. 上記基板はシリコン基板、化合物半導体基板またはSOI基板である請求項1記載の光伝送路の形成方法。
  4. 上記光伝送路は、上記基板上に複数の回路ブロックがモノリシックに形成され、上記複数の回路ブロックのうちの少なくとも二つの回路ブロック間の信号の伝送は光により行われ、かつ、上記複数の回路ブロックのそれぞれの回路ブロックの内部の信号の伝送は導電体からなる配線を通じて行われる光電子集積回路装置において上記少なくとも二つの回路ブロック間の信号の伝送を光により行うための線状の光伝送路である請求項1記載の光伝送路の形成方法。
  5. シリコン基板の全面にSi 3 4 膜を形成し、このSi 3 4 膜上に光伝送路の形成部に対応する部分が開口した所定形状のレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして異方性エッチングを行うことにより上記Si 3 4 膜に開口部を形成し、上記レジストパターンを除去し、上記Si 3 4 膜をマスクとして上記シリコン基板をエッチングして溝を形成し、上記Si 3 4 膜をマスクとして上記シリコン基板の等方性エッチングを行うことにより上記溝の断面形状を最終的に形成する光伝送路の直径と等しい直径の半円形にし、上記Si 3 4 膜を除去し、上記シリコン基板上に有機樹脂製のレジスト膜を塗布し、上記レジスト膜の所定部分を露光した後、現像を行うことにより上記溝の部分にこの溝の直径よりも少し大きい幅のレジストパターンを形成し、上記レジストパターンを加熱してリフローを行い、上記レジストパターンの上側半分の表面を滑らかな曲面にし、アッシング処理を行うことにより上記レジストパターンの上側半分の表面を加工して上記レジストパターンを全体としてほぼ円形の断面形状にし、上記レジストパターンを硬化させることにより光伝送路を形成する光伝送路の形成方法。
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