JP4526266B2 - 心臓パラメータをモニタするための非侵襲的システム - Google Patents

心臓パラメータをモニタするための非侵襲的システム Download PDF

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Description

本発明の背景
1.本発明の分野
本発明は、心臓パラメータをモニタするための非侵襲的方法および装置に関する。
2.従来技術の説明
現在、麻酔薬(感覚の喪失を引き起こす薬剤)が外科手術によく使用される。全身麻酔薬は一般に、中枢神経系の漸進的な機能低下を引き起こし、患者に意識を喪失させる。これに対して、局部麻酔薬は、それが適用される部位において感覚に影響を及ぼす。
一般に、患者は手術前に、専門医(麻酔医)により、亜酸化窒素、ハロタン、イソフルラン、セボフルラン、デスフルランなどの1種類または複数種類の揮発性液体またはガスを投与されて麻酔状態となる。あるいは、ペントサル、プロポフォールおよびエトミデートなどの非揮発性鎮静催眠薬を、注射や静脈内注入により投与する場合もある。モルヒネ、フェンタニルまたはサフェンタニルなどのオピオイド鎮痛薬を注射または静脈内注入により同様に投与しても、痛覚閾値を上昇させることにより苦痛を緩和することができる。
正確に投与する全身麻酔薬の目的として、以下の数点が挙げられる。第1に、患者を十分に麻痺させて動かないようにすることである。患者の動きを十分に阻止できていないと、患者が手術中に「痙攣」(不随意筋反射)を起こす危険性があり、そうなると手術を施している領域である手術野を移動させる、または乱すことになりかねない。こうした動きの阻止は、中枢神経系を麻痺させて感覚皮膚を抑制した後に起こる。この麻痺の影響は続いて、脳幹神経節、小脳次いで脊髄へと広がる。呼吸中枢、心臓中枢および血管運動中枢を司る髄は、麻酔薬の投与量に応じて抑制される。呼吸が麻酔薬により完全に抑制される場合には、麻酔医が患者に代わって、ゴム製バッグまたは自動人工呼吸器を用いて呼吸を行わなければならない。
第2に、患者を十分に意識消失状態にして、痛みを感じず、手術していることを意識できない状態にしなければならない。これまでに、手術中に痛みを感じたり、外科処置を感じてしまったりしたために、患者が訴訟を起こしたことがある。意識消失状態に入ってしまえば、強力な脱分極性および非脱分極性筋弛緩剤を投与して、手術野を外科医に対して安定した静止状態に保つことができる。
第3に、麻酔を、大脳虚血および低酸素症を起こすほど脳への血流が低下しかねない程度まで血圧を下げる量で投与してはならない。通常、平均動脈圧(MAP)が50mmHgを下回るとこうした危険が起こり、例えば、血圧があまりに低い状態が10分以上続くと、患者の意識が戻らない場合がある。こうした臨界圧は、患者の身体状態により変化する。例えば、高血圧の患者の場合、それ以下に低下すると障害が起こり得る臨界圧は高くなる。
熟練した麻酔医であれば、患者の呼吸、心拍数および血圧などの生命信号をモニタして、麻酔薬の増減が必要かどうかを決定することができる。多くの場合、麻酔医は、患者の目を調べ、麻酔の効果のレベルまたは深さを示す指標として瞳孔の拡大程度を決定する。麻酔の深さは、「麻酔レベル」とも呼ばれる。しかし、このように麻酔医の技術および認識に完全に依存していると、数多くの問題が生じ得る。たとえば、現在では、目の角膜に剥離や潰瘍形成が起こらないよう、目にテーピングが施されることも多い。また、手術によっては10〜15時間に及ぶため、麻酔看護士や麻酔医も疲労し、注意散漫になりかねない。したがって、患者の心血管系状態をモニタするための単純な方法を提供することが重要である。
心血管系の状態または機能は、血行動態パラメータを使って説明することができる。こうしたパラメータの1つが心送血量(CO)である。これまで、COを測定するための非侵襲的方法開発に多大な努力がなされてきた。(Klein, G., M.D., Emmerich, M., M.D., Clinical Evaluation of Non-invasive Monitoring Aortic Blood Flow, (ABF) by a Transesophageal Echo-Doppler-Device. Anesthesiology 1998; V89 No. 3A: A953; Wallace, A.W., M.D, Ph.D., et al., Endotracheal Cardiac Output Monitor, Anesthesiology 2000; 92:178-89参照)。しかし、心送血量は、数多くの起こりえる血行動態の状態を総括したパラメータまたは共通の最終結果にすぎない。臨床診療における輸液投与および血管作用性薬剤の注入治療は、CO自体の変更を目的にするものではなく、心拍数(HR)や拍出量(SV)などのCOの成分パラメータを対象としている。このHR、SVおよびCOの関係は、次式で与えられる。
CO=HR[SV] 式1
SVは、3つの構成パラメータの関数である。前負荷(P)は、拡張期末期における心血管筋肉の「張り」を示し、後負荷(A)は、左心室からの血液流出に対する「抵抗」を示す。収縮性(C)は、心血管筋肉の「緊張」の上昇率を示す。SVは、PおよびCが上昇すれば上昇し、Aが上昇すると減少する(Braunwald, E., M.D., ed., Heart Disease, A Textbook of Cardiovascular Medicine, Fourth Edition, Philadelphia, W.B. Saunders Company, 1992, p. 420参照)。言い換えれば、次式が成立する。
SV=f(P,A,C) 式2
(式中、f( )は所定の関数である。)
式2から、1つの見方として、SVが3次元空間内のベクトル関数になっていることがわかる。このベクトルは単純に(P,A,C)である。これらのベクトル空間の軸は互いに直行して、P、AおよびCを含んでいる。式1により、COはHRを因数としてSVに直線的に比例している。このことから、HRがスカラーであり、3次元血行動態ベクトル空間H内でベクトルに作用していることがわかる。式2を式1に代入すると、次式が得られる。
CO=HR[f(P,A,C)] 式3
所与系のあらゆる可能な血行動態が、この(P,A,C)空間内の固有な点で表され、HR倍される。生命と合致する複数の点の部分集合がH内にある。被験体は、Pと呼ぶことのできる生理学的血行動態ベクトルの部分空間であり、P全体がH内に含まれている。この血行動態ベクトル空間内の血行動態ベクトルの位置をたどれば、つまりその軌線を追跡すれば、手術中における薬理療法および輸液療法の効果をかなり完璧に知ることができ、そのベクトルの位置および、互いに直交している3本の軸それぞれに対するそのベクトルの相対射影の変化に対して、輸液および利尿薬、昇圧薬、後負荷軽減剤、麻酔薬、変力作用(inotropes)および陰性変力作用(negative inotropes)を滴定することができる。
従来、前負荷、後負荷および収縮性は、侵襲的方法により評価されてきた。前負荷は、肺動脈循環内に挿入される、バルーンを先端に備えたスワンガンツ肺動脈カテーテルで測定した肺毛細管楔入圧(PCWP)により概算されている。前負荷はまた、2−D超音波心臓検査で拡張末期における左心室画像の面積によっても概算されている。後負荷は、スワンガンツカテーテルを用いて、熱希釈による心送血量と、全身血管抵抗を算出するための平均動脈圧(MAP)および中心静脈圧(CVP)とを測定して、概算されている。これは、電気抵抗に関するオームの法則と同様の原理で行われる。臨床診療において、収縮性は心駆出分画として概算される。これには核医学または2D超音波心臓検査の方法が必要である。別法として、収縮性は、収縮期における左心室の圧力(P)の最大上昇率として概算される。これは、収縮期の駆出期における時間に対する第1の圧力導関数の最大値である。つまり、この近似値がdP/dtmaxである。(Braunwald, E., M.D., ed, Heart Disease, A Textbook of Cardiovascular Medicine, Fourth Edition, Philadelphia, W.B. Saunders Company, 1992, p. 431参照)dP/dtmaxを測定するには、左心室にカテーテルを挿入する必要がある。この危険な不整脈惹起性(arrythmogenic)処置は通常、心臓カテーテルの挿入研究室に任される。
スワンガンツカテーテルは侵襲的である。侵襲的を採ると、臨床上の害を与えるきっかけとなる。経験豊かな臨床医であればその大半は、カテーテル挿入が荒療法であることを承知しており、肺動脈破裂、血気胸、肺梗塞、細菌性心内膜炎、大静脈血栓症および心室内結節は、カテーテルの使用により発生することで周知の合併症の数例にすぎない。著者によっては、危険が利益を上回るとして、カテーテルの使用の一時停止を勧めている(Connors, A.F. Jr., M.D., et. al., The Effectiveness of Right Heart Catherization in the Initial Care of the Critically Ill Patients, J. Amer. Med. Assn., 1996; 276: 889-897; Dalen, J.E., Bone R.C.: Is It Time to Pull the Pulmonary Catheter? J. Amer. Med. Assn., 1996; 276: 916-8参照)。2−D経食道超音波心臓検査装置は非常に高価である上、専門的画像解釈技術が必要であるが、侵襲性は最小限である。同様に、核医学による方法も高価であり、専門的放射性医薬品を生成するためのサイクロトロンと専門的画像解釈技術とが必要である。また、核駆出率は、連続的かつリアルタイムで測定することはできないものである。心臓機能の基線の評価に利用できるが、輸液療法や薬剤注入を刻一刻と滴定するためには利用できない。
より新たな技術として、Arrow Internationalから非観血的血行動態モニタ装置などが開発されている(Klein, G., M.D., Emmerich, M. M.D., Clinical Evaluation of Non-invasive Monitoring Aortic Blood Flow, (ABF) by a Transesophageal Echo-Doppler-Device. Anesthesiology 1998; V89 No.3a: A953参照)。侵襲性を最小限に抑えたこの装置は、食道内に配置する経食道ドップラーと、一次元Aモード超音波心臓検査計とを用いる。ドップラーが下行大動脈内の血流速度を測定し、Aモード超音波は、リアルタイムで下行大動脈径を測定するために使用される。血流速度と大動脈径を掛けたものを駆出間隔に対して積分すると拍出量が得られる。拍出量に心拍数を掛ければ心送血量となる。心送血量を平均動脈圧で割ると体血管抵抗となる。血液のピーク加速度を測定すれば収縮性が得られる。この装置では、下行大動脈内の血流が測定されることから、頭や両腕への血流は無視される。したがって、心送血量全体の約30%が無視されるため、前負荷の測定は不可能である。また、この装置は胸部食道内に配置されるため、覚醒状態にある人には使用できない。
すでに広範に使用されており比較的価格の低い非侵襲的手段または設備を用いて前負荷、後負荷および収縮性を概算できれば、侵襲的モニタや2D超音波心臓検査装置を現在使用していない患者のより多くが、高いコストとリスクとを負わずに血行動態モニタ方式の利益を享受することができる。こうした患者の例として、数多くの小児患者、腎臓患者、妊娠中の患者、および、心臓手術を施せない状態の心臓患者が挙げられる。上述した拍動単位の非侵襲的血行動態モニタ方式であれば、従来技術の現状を大幅に改善して、治療費および手術の罹患率をかなり低下させることができる。
多様な心血管状態にある患者の状態をその状態および疾患の制約内にて最適化するために、広範囲の心血管補助薬剤投与および注入を調節する基準となる、低コストかつ低リスクの非侵襲的測定方法が必要である。低コストかつ低リスクであれば、手術室や集中治療室内にて、また従来の手術室や重症管理室以外の場所でも、広範囲の心血管疾患の非侵襲的臨床モニタが可能となるはずである。また、臨床医は慢性心血管疾患の急性代償不全を引き起こしている成分原因を特定して定量化し、この情報に基づいて、頻繁に必要となる高額な入院を避けるように治療を変更できるようになるはずである。
したがって、非侵襲的測定値に基づく血流量として心送血量に関するリアルタイムな情報を連続的かつ正確に提供する機器類および方法を提供することが必要である。また、予測できない悲劇的結末を回避する可能性を高める、心送血量をモニタするための装置およびその関連方法を提供することが必要である。さらに、感染リスクをなくす、または有意に減らす、心送血量をモニタするための方法を提供することが必要である。
したがって、本発明の1つの目的は、種々の血管状態および不整脈状態の検出、その心臓計時結果の評価、等級付け、診断のための装置および方法を提供することである。
本発明の別の目的は、患者の血行動態を非侵襲的にモニタし、前負荷、後負荷および収縮性に関するほぼ正確な情報を提供するための装置および方法を提供することである。
本発明の範囲は麻酔分野のみに限定されるものではなく、外来患者用、歩行可能者用、および重症者用薬剤を含む薬剤全体に関するものであることに留意されたい。例えば、本発明により、うっ血性心不全(CHF)の患者における輸液投与の最適化の課題と、利尿剤、変力作用剤(ジギタリスなど)、および後負荷軽減剤カプトプリルなどの後負荷軽減剤の使用法とを解決することができる。輸液が少なすぎると、脳、心臓および腎臓などの生死にかかわる器官を灌流する心送血量が不充分になり、その器官の不全および死という結果となる。輸液が多すぎると、機能の低下した左側心臓のポンプ性能では対処できず、輸液が肺に逆流して酸素注入に対する拡散バリアとなってしまう。こうして輸液が肺に溢れると、患者の溺死の原因となる。こうなれば患者を入院させて、ICUにて挿管治療および人工呼吸を施さなければならない。前負荷またはその類似状態に対する利尿薬の投与量を調節し、収縮性に対するジギタリス投与量を調節し、SVRまたはその類似状態に対するカプトプリル投与量を調節することにより、CHF患者を長期間にわたり入院させず、費用面および精神面の双方で救うことができるのである。
本発明の要旨
第1の側面において、本発明は、心臓パラメータをモニタする方法を提供する。この心臓パラメータモニタ方法は、被験体から複数の所定の非侵襲的心臓パラメータを非侵襲的に測定する工程と、その非侵襲的心臓パラメータを、1セットの所定の変換式に基づいて複数の侵襲的心臓アナログに変換する工程とを含む。
第2の側面において、本発明は、心臓パラメータをモニタする系を提供する。この心臓パラメータモニタ系は、被験体から複数の所定の非侵襲的心臓パラメータを非侵襲的に測定するための非侵襲的心臓パラメータ測定ユニットと、その非侵襲的心臓パラメータを、1セットの所定の変換式に基づいて複数の侵襲的心臓アナログに変換するための非侵襲的心臓パラメータ測定ユニットに接続された変換ユニットとを含む。
第3の側面において、本発明は、侵襲的心臓アナログを生成するように既存の非侵襲的心臓パラメータ測定装置を改良する系を提供する。この既存の非侵襲的心臓パラメータ測定装置を改良する系は、既存の非侵襲的心臓モニタ装置から被験体の所定の非侵襲的心臓パラメータを受信するためのインターフェースユニットと、非侵襲的心臓パラメータを1セットの所定の変換式に基づいて複数の侵襲的心臓アナログに変換するための、インターフェースユニットに接続された変換ユニットとを含む。
第4の側面において、本発明は、患者の心収縮性を決定する方法を提供する。この患者の心収縮性を決定する方法は、所定電波を有する患者の心電計を非侵襲的に測定する工程と、所定電波に基づいて所定心臓周期内の最小値を示す第1のポイントを決定する工程と、患者の動脈圧を時間に対して非侵襲的に測定する工程と、所定生理機能の時間に対する二次導関数が最大値となる、所定心臓周期内の第2のポイントを決定する工程と、第1のポイントおよび第2のポイントに基づいて心収縮性を得る工程とを含む。
第5の側面において、本発明は、患者の心収縮性を決定する系を提供する。この患者の心収縮性を決定する系は、所定電波を有する患者の心電計を非侵襲的に測定するための心電計ユニットと、患者の動脈圧を時間に対して非侵襲的に測定するための動脈圧測定ユニットと、所定電波に基づいて、所定心臓周期内において最小値を示す第1のポイントを決定し、患者の動脈圧に基づいて、所定生理機能の時間に対する二次導関数が最大値となる、所定心臓周期内の第2のポイントを決定するための、心電計ユニットおよび動脈圧測定ユニットに接続される決定ユニットであって、第1のポイントおよび第2のポイントに基づいて心収縮性を得る決定ユニットとを含む。
第6の側面において、本発明は、虚血イベントをモニタする方法を提供する。この虚血イベントをモニタする方法は、被験体から複数の所定の非侵襲的心臓パラメータを非侵襲的に測定する工程と、その非侵襲的心臓パラメータを、所定変換式に基づいて、虚血イベントを示す単一の侵襲的心臓アナログに変換する工程とを含む。
第7の側面において、本発明は、虚血イベントをモニタする系を提供する。この虚血イベントをモニタする系は、被験体から複数の所定の非侵襲的心臓パラメータを非侵襲的に測定するための測定ユニットと、その非侵襲的心臓パラメータを、所定変換式に基づいて、虚血イベントを示す単一の侵襲的心臓アナログに変換するための、測定ユニットと接続された変換ユニットとを含む。
好ましい態様の具体的な説明
左心室拡張末期圧(LVEDP)、全身血管抵抗(SVR)および左心室圧の最大増加率(dp/dtmax)はそれぞれ、前負荷、後負荷および収縮性の、臨床上有用な指標であり、これらの侵襲的心臓アナログ、または概算値である。これらの心臓パラメータをそれぞれ対に組み合わせても互いに完全に直線的比例を示すわけではないが、互いに単調に増加していく。したがって、LVEDP、SVRおよびdp/dtmaxは、輸液および利尿薬、昇圧薬および後負荷軽減剤、麻酔薬、変力作用および陰性変力作用などの心臓用薬剤に反応する心臓パラメータでもある。これこそが、これらのパラメータをさらに制御して患者の血行動態の状態を調節するために適切な投与量の薬剤を投与するのに、臨床医がLVEDP、SVRおよびdp/dtmaxに依存できる理由である。
さらに、心臓の機能状態は4種類のパラメータを用いれば完璧に説明できるというのが、認知された生理学教義であり、そのパラメータが、心拍数、LVEDP、SVRおよびdp/dtmaxである(Braunwald, E., M.D. ed., Heart Disease, A Textbook of Cardiovascular Medicine, Fourth Edition, Philadelphia, W.B. Saunders Company, 1992, p. 374-82参照)。この4種類のうち後者3種は、拍出量を決定するパラメータであり、これまでは通常患者を侵襲することでしか得られなかった。
前負荷、後負荷および収縮性に適切な代入をすると、式2および式3をそれぞれ、次式として書き換えることができる。
SV=f(LVEDP、SVR、dP/dtmax) 式4
CO=HR[f(LVEDP,SVR,dP/dtmax)] 式5
したがって、血行動態系の状態は実質的に、上記4種類のパラメータにより説明される。このうち3種類のパラメータが、3次元ベクトル空間H’内で1つのベクトルを構成する。H’の複数本の軸が、適切な単位によるLVEDP、SVRおよびdP/dtmaxである。このベクトルの関数「f」が拍出量SVを決定する。第4のパラメータである心拍数HRはスカラーとしてベクトルに直線的に作用して、心送血量COを決定する。
第1の側面において、本発明は、薬剤に反応する、患者の第1の複数の心臓パラメータをモニタし、第2の複数の心臓パラメータを非侵襲的に測定し、そしてその第2の複数の心臓パラメータを、外用薬に直接反応する第1の複数の心臓パラメータに変換する、非侵襲的方法を提供する。
本発明の好適な一実施形態において、第1の複数の心臓パラメータは、輸液および利尿薬、昇圧薬および後負荷軽減剤、麻酔薬、変力作用および陰性変力作用などの心臓用薬剤に直接反応するLVEDP、SVRおよびdP/dtmaxである。より好ましくは、第1の複数の心臓パラメータには、さらに心拍数(HR)が含まれる。第2の複数の心臓パラメータは、適切な器具を用いて非侵襲的に直接測定される。非侵襲的に測定される第2の複数のパラメータの例として、平均動脈圧(MAP)、駆出間隔(EI)および電気機械的間隔(E−M)が挙げられる。より好ましくは、非侵襲的に測定される第2の複数のパラメータに、心拍数(HR)をさらに含める。心拍数(HR)が加われば、MAP、EIおよびE−Mと共に心臓の機能状態を実質的に完全に説明することができる。
EIは、収縮期駆出が起こる時間間隔である。これは、大動脈弁が開いた時点で始まり、大動脈弁が閉じた時点で終了する。通常のドップラー超音波装置を上行大動脈近傍で胸骨上切痕上に配置し、周波数と時間との関係曲線を調べることでEIを得ることができる。また、収縮期において僧帽弁が閉じた時点から大動脈弁が開く時点までは駆出間隔に比較すると短いため、聴診器または心音図を用いて測定される第1の心音から第2の心音までの間隔を、任意に、EIに対する有用な概算値とする。
E−Mは、2つの具体的なイベント、すなわち電気的イベントと機械的イベントとの間の時間として定義される。電気的イベントは、EKGで感知可能な、心室収縮を開始させるイベントであり、Q波、R波またはS波のいずれかである。各々の場合において、Q、RまたはSはそれぞれ、Q波、R波またはS波が波上の最大値、最小値または他の特定ポイントなどの具体的なポイントに到達した時点のポイントとして定義される。このイベントを任意に、心室ペーシングスパイクとする。
パルスを伴う心室性頻脈などの不整脈には、Q波(あるいはR波またはS波)のないものもある。したがって、E−M間隔の「E」に対する別の実施形態として、心室脱分極を規定するEKG波形を見て、これを時間に対して2回微分し、電気的脱分極波が「E」として最大限に上向きに加速する時点のポイントを定義する。これにより、Q波、R波またはS波の認められない場合、すなわち患者が危機的状態にある場合のE−M間隔も定義することができる。例えば、心室性頻脈の場合、その波形は急激な正弦波の様相となる。この別の実施形態による「E」を用いると、実際のところ、「E」をより狭い許容範囲内でより正確に定義することにより、より正確にE−Mを決定することができる。重要なことは、あらゆるEKG心室脱分極周期内の生理学的同一時点を見出して正確に定義し、これらを互いに比較して、安定して利用可能なE−M間隔を作成することである。
機械的イベントは、心室収縮により発生する触知可能な結果である。これは電気的イベントに関連しており、電気的イベントから遅れて発生する。体内に留置している動脈カテーテルからの動脈トレースの立ち上がりも機械的イベントとして見なされ、動脈圧トレースの立ち上がり加速度が最大に達した時点も同じである。言い換えれば、機械的イベントは、時間に対する圧力の二次導関数が最大値に達した時点で起こる。動脈圧(ABP)をA(t)とすれば、その機械的イベントは、A”(t)maxまたは簡単にA”maxとなる。したがって、一実施形態において、E−M間隔(E−M)はさらに、Q−A”max、R−A”maxまたはS−A”maxと定義される。
ドップラー装置を胸骨切痕近傍の胸部上行大動脈などの主要動脈上に配置した場合、収縮期の開始と同時に発生する流動速度立ち上がりの瞬間が機械的イベントである。ドップラー法により検出される流動をF(t)とすると、流速加速度が最大値またはF”(t)maxとなる瞬間も有用な機械的イベントである。したがって、別の実施形態において、E−M間隔(E−M)は、Q−F”(t)max、R−F”(t)maxまたはS−F”(t)maxと定義される。
有用な機械的イベントはまた、患者の指、つま先、鼻または耳垂上に配置したパルスオキシメータを用いた光学プレチスモグラフ曲線の立ち上がりから得られる。この場合も、プレチスモグラフ曲線(PM(t))の立ち上がり加速度が最大となる瞬間が臨床上有用な機械的イベントとなる。したがって、一実施形態において、この機械的イベントは、流動検出前のPM(t)曲線が最小値となる瞬間として定義される。別法として、この機械的イベントは、流動が急速となると共にPM(t)曲線が最大限に加速した瞬間として定義される。PM(t)曲線を時間に対して2回微分することにより、PM”(t)が得られる。Q波(またはその代替波)の後にPM”(t)が最大値に到達する瞬間がQ−PM”(t)maxと定義され、これがE−M間隔(E−M)の更なる実施形態となる。
僧帽弁が閉じたことを表す第1の心音の開始も、任意に同様に有用な機械的イベントとなる。第1の心音が最大振幅に達した瞬間を、任意に、機械的イベントとして同様に使用する。本発明にしたがえば、E−M間隔の定義に用いるイベントによる差異はほとんどない。類推すると、E−M間隔は雷光と雷鳴との間の間隔のようなものである。したがって、比較判断する場合に同じイベントを一貫して使用することのみが重要である。
E−M間隔を定義するために、Empirical Technologies Corpにて開発された生理学的センサを用いて特定の機械的イベントを検知する。この技法では、撓骨動脈上に配置されて脈派の到着と同時に振動する光ファイバ装置を用いる。光ファイバエレメントが動脈波により振動することで、その内部を透過する光ビームが変化するのである。
別の実施形態では、光ファイバ地震計装置を大動脈上に配置して、血流方向を横切る動脈壁の変位量を測定することにより、機械的イベントを検知する。時間tに対する血流方向を横切る動脈壁の変位量は、TD(t)と定義される。E−M間隔は、類推により、Q−TD”(t)maxと定義される。TD”(t)maxは、TD(t)を2回微分したTD”(t)がその最大値に到達した時点である。
EKGにおけるQ波の谷と主要動脈における動脈圧波の立ち上がりとの間の間隔を用いて心筋の収縮性を数量化したQ−A間隔(1種のE−M間隔)について、1974年、Jacksonが最初に、Lancetの編集者に向けて手紙に記している(Jackson, D.M., M.D., A Simple Non-Invasive Technique for Measuring Cardiac Contractility, [Letter]. Lancet 1974; ii: 1457参照)。Jacksonは、ヒトの有志の協力を得て、イソプロテラノールを注入している間、1分間隔で基線からのQ−A間隔の下降状態をグラフにした。注入が平衡状態に達するまで、Jacksonの記述では、Q−A間隔は時間に対して直線状に短縮している。そこでこの注入速度を2倍にしたところ、Q−A間隔は時間に対してさらに直線状に短縮した。興味深いことに、イソプロテラノール注入の速度が遅いほど、Q−A間隔は基線に比較して有意に短縮したが、心拍数の変化は比較的少なかった。このことから、Q−A間隔の短縮は、心筋の変力状態の増加によるものであり、心拍数の増加によるものではないことが示された。Jacksonはまた、左心室にカテーテルを挿入して麻痺させたビーグル犬において、dP/dtmaxとQ−A間隔の短縮との間に正の相関関係があることを記している。彼は、すべてが心筋、チオペンタール、カルシウム、イソプロテラノール、ノルエピネフリンおよびジギタリスの変力状態にすべて効果のある5種類の異なる薬剤を用いて、この相関関係を確認した。
最初の手紙から2カ月後、Lancetの編集者への別の手紙(Rodbard, S., Measuring Cardiac Contractility, [Letter]. Lancet 1975; I: 406-7参照)で、Rodbardが、Jacksonの手法を少なくとも10年前に、特に甲状腺機能亢進および甲状腺機能低下状態の診断および評価に用いていたことを明らかにした。Rodbardは、主要動脈上におけるQ波からコロトコフ音までの間隔、すなわちQ−コロトコフ間隔(Q−K間隔)の測定について記している。また、Q−D(t)間隔(またはQ−D間隔)を測定するため、ドップラー周波数シフトと時間との関係を示す曲線(D(t))を生成するように主要動脈上に配置したドップラー超音波装置を用いている。
これに対して、本発明によれば、より好適な機械的イベントは、D”(t)maxにより定義される。このとき、時間tは、Q波またはその代替波のピーク後、D”(t)が最大値に到達する時点である。同様に、D”(t)は、時間tに対してD(t)を2回微分して導かれる数値である。
一般に、有用な機械的イベントの時間を得るためにA(t)、PM(t)、F(t)、TD(t)またはD(t)などの生理機能Mを2回微分することにより、正確さの高められたE−Mが得られる。好適な一実施形態において、E−Mの機械的イベントは、E−M”maxとして定義される。このとき、M”maxは、生理機能Mを時間tに対して2回微分して得られる、M”が特定の最大値に到達した時点として定義される。
E−M間隔が短いほど、心筋の収縮性は高まる。Q−A、Q−KまたはQ−D間隔と収縮性またはdp/dtmaxとの関係はかなり以前から知られている(Cambridge, D., Whiting, M., Evaluation of the Q-A interval as an Index of Cardiac Contractility in Anesthetized Dogs: Responses to Changes in Cardiac Loading and Heart Rate. Cardiovascular Research 1986; 20: 444-450参照)。しかし、以下で説明するように、E−M間隔は収縮性と相関しているだけではなく、薬剤に反応する他の心臓パラメータとの相関にも使用される。
要するに、患者の心送血量および心臓状態は、非侵襲的に測定される第2の複数の心臓パラメータであるHR、EI、MAPおよびE−Mに直接的に相関している。したがって、COがHRに対して線形であるとして、次式が得られる。
CO=HR[f(EI,MAP,E−M)] 式6
SV=f(EI,MAP,E−M) 式7
上記関係は、侵襲的に測定される数量(P,A,C)またはその同等物(LVEDP,SVR,dP/dtmax)間の関係と数学的および論理的に等しい。
第1の3次元非侵襲的ベクトル空間Mは、互いに直交している3本の軸EI、MAPおよびE−Mで構成されているが、これは外用薬に直接反応するものではない。この非侵襲的血行動態ベクトル空間M内には、侵襲的血行動態ベクトル空間H’内の各ポイントについて、それぞれ対応するポイントが存在している。さらに、非侵襲的血行動態ベクトル空間M内の各ポイントは、侵襲的血行動態ベクトル空間H’内に1つの像を有している。線形代数の言い方をすれば、「1つずつ」対応する方法で、非侵襲的血行動態ベクトル空間Mから侵襲的血行動態ベクトル空間H’への数学的写像が存在している。したがって、一の側面において、本発明は、非侵襲的血行動態ベクトル空間Mと侵襲的血行動態ベクトル空間H’との間に1対1の相関関係があることを立証する。
(EI,MAP,E−M)空間内の具体的な血行動態状態ベクトルは、(P,A,C)または(LVEDP,SVR,dP/dtmax)などの侵襲的パラメータの同等物またはアナログを直接示すものではない。(EI、MAP、E−M)空間内の非侵襲的に測定したベクトルから(P,A,C)または(LVEDP,SVR,dP/dtmax)空間内のアナログベクトルを得るには、(EI,MAP,E−M)ベクトルに対する所定の変形が必要である。したがって、本発明の第1の側面は、上述した2つのベクトル間の相関関係を提供すること、あるいは、(EI,MAP,E−M)空間内のベクトルを(P,A,C)または(LVEDP,SVR,dP/dtmax)空間内の同等ベクトルに変換する方法を提供することを目的としている。この変換は、コンピュータに搭載されたコンピュータプログラムなどのさまざまな形態で実施可能である。
本発明によるこの変形方法の好適な一実施形態において、この変形は、(EI,MAP,E−M)ベクトルに以下に示す対角行列を掛け合わせることにより行う。xを、(EI,MAP,E−M)形態の非侵襲的血行動態空間M内のベクトルとし、Aを以下に示す対角行列とする。xを垂直方向のある縦列のベクトルとすると、これを行列Aと掛け合わせてAx=bとすることができる。このbが、(LVEDP,SVR,dP/dtmax)、および、以下の式で表す、外用薬に反応する第1の複数の心臓パラメータの第1の実施形態とほぼ同等の((EI*MAP*E−M),(MAP*E−M),1/(E−M))という形のベクトルとなる。
Figure 0004526266
ベクトルに行列を直線的に掛け合わせる上記操作により、ベクトルxはベクトルbに変形される。ベクトルbが、以下で立証するように外用薬に反応する複数の軸を有する新たなベクトル空間Nまたは第2の非侵襲的空間を構成するのである。ベクトル空間Nの互いに直交している3本の軸は、EI*MAP*E−M、MAP*E−Mおよび1/E−Mである。第1の軸(EI*MAP*E−M)は、第1の概算値までLVEDPに直線的に比例する。第2の軸(MAP*E−M)は、第1の概算値までSVRに直線的に比例する。第3の軸(1/E−M)は、dP/dtmaxまたはln(dP/dtmax)の自然対数に第1の概算値まで直線的に比例する。これらの関係をまとめると以下のようになる。
LVEDP=kl(EI*MAP*E−M)+c1 式8
SVR=k2(MAP*E−M)+c2 式9
ln(dP/dt)max=k3(l/E−M)+c3 式10
式10をdP/dtmaxについて解くと、
dP/dtmax=Z[exp(k3/E−M)ただし、Z=exp(c3)とする。 式11
このとき、k1、k2、k3およびc1、c2、c3は経験的比例定数である。
式8〜式11は、第1の近似に対してのみ真である。これは、式8〜式10の左辺の項は右辺の項に対して単調に増加するが、互いに完全に直線的になるとは限らないからである。患者が生理学的基準からさらに逸脱すれば、非線形性量は増加する。これは、式8〜式10の左辺の項と右辺の項と間の関係が、直線的というより微妙に指数関数的であるためである。したがって、所与の生理学的ポイントを含む、随意の広域近傍内において、この微妙な指数曲線に対する接線が、理論上良好な近似となる。しかし、互いに単調に増加しているため、これらは、適切な薬剤投与の調節に実際のところ有用である。そこで、(EI*MAP*E−M)、(MAP*E−M)および1/(E−M)を、輸液および薬剤の投与による前負荷、後負荷および収縮性の変化を判断するために用いる。
拍動単位で前負荷、後負荷および収縮性を表す血行動態状態ベクトルのデータストリーム生成に加えて、本発明の方法により、拍出量SVについての同様のデータストリームも得られる。SVは、駆出間隔(EI)とE−M間隔(E−M)という2種類のみの非侵襲的数量の関数である。言い換えれば、以下の式でこの関係を表すことができる。
SV=f(EI,E−M) 式12
駆出間隔内における左心室からの血液平均流出速度を、Fei(単位cc/秒)とする。すると、定義により、以下の関係が成立する。
Fei=SV/EI 式13
本発明に開示する実験結果に基づくと、Feiは経験的かつ直線的に超越数eI/E−Mに比例する。数量l/E−Mは、脈波または同様の機械的イベントの電気機械的変換および弾性伝播が起こる時間比率である。したがって、次式が成立する。
Fei=k4*exp(I/E−M)+c4 式14
このとき、k4およびc4は経験的比例定数である。
式13をSVについて解くと、次式が得られる。
SV=EI*Fei 式15
式14を用いてFeiに代入すると、式15は以下のようになる。
SV=EI*[k4*exp(1/E−M)+c4] 式16
または
SV∝EI*[exp(I/E−M)] 式16a
このとき「∝」は、「比例する」の意味である。SVについては、2本の直交ベクトルの和の長さまたはノルムなど、別の公式化も存在する。こうした2本の直交ベクトルの一方はEIの関数であり、もう一方は(E−M)の関数である。
第2の実施形態では、EIの代わりに拡張期充満間隔(DI)を用いる。この第2の実施形態において、第2の複数の非侵襲的に測定した心臓パラメータに属する(DI,MAP,E−M)と、第1の複数の侵襲的心臓パラメータである(LVEDP,SVR,dP/dtmax)または(P,A,Cとの間の改良型相関関係が得られる。拡張期において、左心室の圧力は、左心室容積の指数関数であり、この関係は、拡張末期を含む拡張期充満間隔のいずれの時点においても変化しない。したがって、LVEDPは、左室拡張末期容積(LVEDV)の指数関数である。
妥当な近似を得るには、以下の式を用いることができる。
DI=T−EI 式17
このとき、Tは、心臓周期の時間長さである。Tは、EKGのR波間の時間間隔を測定することにより非侵襲的に容易に得ることができ、これは心拍数HR(単位:拍数/分)の逆数に直線的に比例する。すなわち、次式となる。
T=(1/HR)*60秒/分 式18
上記近似計算では、等容性収縮および弛緩にかかる時間が無視されている。しかし、この2つの間隔は、いずれの心臓周期についても比較的わずかな時間であるため、この近似計算は有用である。
左心室の真上に位置する患者の胸表面上に1MHzドップラー超音波装置を配置することにより、任意に、さらに正確なDI測定値を得ることができる。拡張期充満の血流は特徴的に低速であるため、ドップラー周波数シフトも同様となる。この特徴的に低周波のドップラーシフトの継続時間が実質的に、DIの正確な測定値となる。DIは僧帽弁が開くと同時に始まり、僧帽弁がぴたりと閉まると同時に終了する。普通の聴診器や心音図では一般に、DIの終了時点は、第1の心音、すなわち「とくんとくん」という2音のうちの「とくん」として現れる。特定の病理を患う患者の場合、僧帽弁の開く音を聴診器で聴くことができる。おそらく、大半の患者について、心音図で僧帽弁の開く時点がわかるはずである。別法として、上述した光ファイバセンサを、胸の下胸部上に配置し、低価格な「地震計」として機能させて、拡張期充満による、低周波数振動の継続時間を光ファイバ光信号の振幅として測定することもできる。ドップラー装置の方が価格は高いが、肥満体患者に対しては利点がある。以上より、(DI,MAP,E−M)と(LVEDP,SVR,dP/dtmax)または(P,A,C)との相関関係は、好適な実施形態において以下の式により定義される。
LVEDP=k1’((T−EI)*MAP*E−M)+c1’ 式19
SVR=k2’(MAP*E−M)+c2’ 式20
1n(dP/dt)max=k3’(1/E−M)+c3’ 式21
このとき、k1’、k2’、k3’、c1’、c2’およびc3’は、特定の患者に対する定数である。
他の血行動態状態のパラメータは等しいとすると、左心室が充満する時間間隔が長いほど、拡張末期の容積は多くなり、圧力は上昇する。つまり、DIが長いほど、LVEDPが増加する。EI自体がLVEDPと共に有効に変化するのであれば、これは、安定状態においてEIをDIに関連付ける生理学の法則によるものである。EIは、左心室の充満が終了した後に心臓周期内で起こる2つのイベントにより定義されるものであるため、EI自体にLVEDPとの主な因果関係はない。DI=T−EIは、論理的、時間的および生理学的に、LVEDPより前の数量であり、EI自体は、論理的、時間的および生理学的に、LVEDPより後の数量である。
上述の相関関係を用いると、前負荷、後負荷、収縮性、拍出量、心拍数、心送血量および駆出期平均流出速度を表すために使用できるリアルタイムで非侵襲的な測定値が得られる。上記式から、単位が無次元である左心室駆出分画、左心室1回仕事量(単位:ジュール)、および左心室動力(単位:ワット)に対する有効な式を導くことは比較的簡単である。
第1の複数の心臓パラメータと第2の複数の心臓パラメータとの間に相関関係があることは、第2の複数の非侵襲的心臓パラメータを、別個に侵襲的に測定される第1の複数の心臓パラメータに変換する方法を用いると立証できる。第1の複数の非侵襲的心臓パラメータの測定方法は、当業者に周知である。以下はその代表的な方法である。
平均波形を用いる場合、LVP(t)波形を調べて、収縮期によりLVPが急上昇する直前のLVEDP値を求めることにより、LVEDPが得られる。収縮性は、そのLVP(t)曲線を時間に対して微分し、収縮期駆出内におけるその一次導関数の最大値dP/dtmaxを記録することにより得られる。全身血管抵抗(SVR)により概算される後負荷は、周知の公式により得られる(Kaplan, J.A., M.D., Cardiac Anesthesia, Philadelphia, W.B. Saunders Company, 1993, p. 63参照)。
Figure 0004526266
このとき、MAPは平均動脈圧(単位:mmHg)であり、CVPは中心静脈圧(単位:mmHg)である。COは、心送血量(単位:リットル/分)である。これは、温度時間曲線を描くデジタル積分器に接続されたスワンガンツカテーテルサーミスタを用いた熱希釈法により得られる。値を80とする定数を用いて、mmHg(リットル/分)をdyne*sec*cm−5に変換する。CVPは、MAPと同様、各安定状態にてモニタから手動で記録した。HR(心拍数/分)は、平均EKG時間を測定し、その逆数をとり、60秒/分を掛け合わせると得られる。こうして得たHRをCOで割り、拍出量(SV)を得る。
非侵襲的血行動態状態ベクトルを生成するために以下の手法を用いる。駆出間隔を測定するため、LVPと動脈圧(ABP)とを同時にグラフ化する。ABPトレースを、LVPが拡張期の動脈圧と一致する時点まで時間的に後退させる。これが、大動脈弁が開いた時点である。2本の曲線を再度交差するまでたどると、この後者ポイントが、大動脈弁が閉じた時点となる。大動脈弁が開いてから閉じるまでのこの時間が駆出間隔(EI)である。このモニタ表示から、平均動脈圧(MAP)を単純に読み取る。別法として、ABP波形を心周期に積分し、その積分値をその周期で割って、MAPcで示されるMAPを得る。使用する手法による大きな違いはない。上述したように、EIは、上行大動脈上にて胸骨上切痕内に配置する音響式ドップラー装置により簡単に得られる。MAPは、血圧カフおよび(DINAMAP)を用いて簡単に得られる。こうした装置は広範に使用されており、その価格も比較的安価である。
したがって、別の側面において、本発明は、カフと、EKG機器から少なくとも2つの電極と、EIを測定する手段と、非侵襲的に測定した心臓パラメータを薬剤に反応する侵襲的心臓パラメータアナログに変換する処理手段とを併用する、薬剤に反応する患者の心臓パラメータをモニタするための系を提供する。
図1は、本発明による、患者の心臓パラメータを非侵襲的にモニタする系の好適な一実施形態を例示する図である。図1の系30は、カフ32と、2つの電極34および36と、EIを測定するためのドップラーセンサ38と、カフ32、電極34、36、およびドップラーセンサ38からの信号を処理するための処理ユニット40とを含む。カフ32、電極34、36、およびドップラーセンサ38はそれぞれ、電気接続42、44、46および48を介して処理ユニット40に接続されている。接続42、44、46および48は、普通の電線でよい。別法として、これらの接続42、44、46および48を無線接続とすることも可能である。赤外線接続やマイクロ波接続などの無線接続は当業者に周知である。系30を、任意に、携帯型として製造する。系30を用いて患者を測定またはモニタする場合、カフ32を患者の腕や他の適切な身体部分に装着し、電極34および36を互いに所定の距離をおいて患者の胸領域の皮膚に装着する。さらに、ドップラーセンサ38も、上行大動脈または頚動脈上にて胸骨上切痕内に配置する。処理ユニット40は、データの取得および分析の頻度を制御して、患者の心臓パラメータを出力するものである。医師はこの出力されたパラメータを用いて、患者の心臓状態および機能を決定する。つまり、薬剤の追加が必要かどうかを決定し、必要な薬剤の種類および量を決定する。
より好ましくは、本発明の系に、出力された心臓パラメータをスクリーン上に3次元ベクトルとして表示するモニタ装置を含める。本発明によるディスプレイの好適な一実施形態を、図2に示した図で例示する。モニタ52は、スクリーン54を備えている。このスクリーンは、3次元の軸58、60および62で規定される3次元空間56を示しており、これらの軸58、60および62がそれぞれ、侵襲的または非侵襲的測定値に基づいた前負荷、後負荷および収縮性またはそれぞれの同等物を表している。心臓パラメータはすべて、ベクトル64として3次元空間56内に示される。軸58、60および62に対してベクトル64の突出した部分66、68および70がそれぞれ、その患者の前負荷、後負荷および収縮性である。スクリーン上に3次元グラフが現れることにより、臨床医は複雑な血行動態情報を一目で処理することができる。このディスプレイにより実質的に、周術期における心血管モニタの警戒レベルを改良することができる。
さらに好ましくは、図3Aに示すように、本発明によるディスプレイに対する別の好適な実施形態では、この系により、「安全な」または「正常な」血行動態または空間を表すベクトル80をスクリーン82上に表示する。例えば、患者が鎮静剤投与を受けた後、手術開始前に、安全な血行動態が決定される。ベクトル94の標準ベクトル80に対する動きをリアルタイムで見ることにより、オペレータまたは臨床医は、患者の血行動態プロファイルにおけるわずかな変化を容易かつ視覚的に知ることができる。ベクトル94は、コンピュータグラフィックとして発生源86から生ずる光線で表される。前負荷軸88、後負荷軸90および収縮性軸92に対するベクトル94の突出部分を、任意に、それぞれに色づけして区別する。同様に、標準ベクトル80の3成分も任意に色づけして、視覚による比較基準を作成する。血行動態ベクトル94に、対照的な色の平行ベクトル96をかぶせる。平行ベクトル96の長さが、拍出量と心拍数との生成物である心送血量の大きさを表している。
任意に、図3Aにおいて、スクリーン82上にボックスまたは安全領域83を描いて、そのボックスの中心をベクトル80の端部点81とする。ボックス83の各縁部は、軸88、90および92に平行か垂直かに位置しており、前負荷軸88に平行な縁部の長さが、患者の前負荷の安全範囲を表している。同様に、後負荷軸90に平行な縁部の長さが患者の後負荷の安全範囲を、収縮性軸92に平行な縁部の長さが患者の収縮性の安全範囲を表している。したがって、ベクトル94の端部点95が安全領域ボックス83内にある限り、生死にかかわる心臓パラメータは所定の許容範囲内にあると考えられる。これに対し、端部点95がボックス83から出た場合には、端部点95をボックス83内に入れるように、適した薬剤の注入などの適切な行為が必要となる。
血行動態状態ベクトルの生理学的標準からの逸脱量が、生理的ストレスの量を示す。生理的ストレスの量または逸脱量は、「正常な」ベクトル100と血行動態状態ベクトル102との間のベクトル外積により定義され、図3Bに示すように、ベクトル104がそのベクトル外積を表している。ベクトル外積は、「正常な」ベクトル100の長さと血行動態状態ベクトル102の長さとこの2つのベクトル間の正弦角との生成物であり、元の「正常な」ベクトル100および血行動態状態ベクトル102により規定される平面に垂直な線方向を有する。また、ベクトル外積には、右手の法則にしたがって上記平面に対して上向きまたは下向き信号がある。
ベクトル外積104が長いほど、患者の問題は重大である。ベクトル外積の長さは、ベクトル外積とベクトル外積との内積の平方根であり、この数量がまさにスカラーである。ベクトル外積の長さが1セットの所定閾値を超えると、これに対応する警報または警告が、任意に、オペレータまたは臨床医に通知される。酸素飽和度、呼吸終期の二酸化炭素および患者の体温を含む追加軸を実時間で選択的に組み合わせれば、多次元ベクトル外積を作成することができる。必要に応じて、または、麻酔の深さを測定するための処理済EEGモニタ(BIS)などの新様式モニタが開発された場合に、他の軸も追加可能である。どう見ても、3次元を超えるベクトル空間をスクリーン上に表示するのは容易ではないが、多次元ベクトル外積の長さとして表せば、その表示は容易であり、連続状の生命機能基準と呼ぶのにふさわしい。この標準から随意に大きく逸脱すると、患者の生命が危険にさらされる前にその状況を直ちに修正するよう、臨床医に警報が通知される。上述したディスプレイ2、3Aおよび3Bを用いれば、問題を改善するための関連心臓データが得られるため、臨床医にとって時間的余裕ができる。ベクトル外積の長さが長くなるにつれ、臨床医は、標準からの逸脱程度について少なくとも視覚的に警告を受けることになる。
さらに、コンピュータプログラムを実施して、問題の原因となっている多次元ベクトルの系または成分に臨床医の注意を素早く引き付けることにより、貴重な短い時間を節約し、より長い時間を決定的介入に費やせるようにする。この機能を用いることは、患者の安全性にとって大きな含みがある。上述したディスプレイ2、3Aおよび3Bを用いればさらに、問題の認識に必要な技術レベルを実質的に下げることができる。臨床医だけでなく、医学部の教育を受けていない技術者にも、ディスプレイ2、3Aおよび3Bに表示された情報の重大性を理解できる者がでてくる。この系では難解な解剖学画像や生理学的波形に対する解釈技術を必要としないため、必要な技術レベルを確実に低下させることができる。上述した好適な実施形態は、グラフを読める人であればだれでも短時間の学習曲線で使用できそうである。ディスプレイ2、3Aおよび3Bなどの簡単に学習できる系を用いれば、健康管理費用の削減も実現できる。
血行動態状態ベクトルの機序に応じて、さまざまな血管作用性薬剤が、患者の血行動態を標準に戻すことを目的に、その問題解決に用いられる。フェニレフリン、ニトログリセリン、ニトロプルシド、ドーパミン、ドブタミンおよびエスモロールなどの薬剤は、手術による多様なストレスを受ける患者を安定させるのに役立つことが多い。血管作用性薬剤注入は、これを利用するために必要なフルメタルジャケットによる侵襲的心血管モニタ系がまだ数多くの患者に行渡っていないため、目下のところ十分に活用されていない。そこで、本発明による系を用いれば、現在は心臓手術中に定期的にしか用いられていないが容易に調節可能な血管作用性薬剤を、より広範囲に使用できるようになる。
さらに、このリアルタイムな血行動態データストリームを用いることにより、適切なコンピュータプログラムを介して血管作用性注入ポンプおよび麻酔自体のレベルを調節することができる。代表的な用途として、本発明のモニタ系を患者の自宅に配置し、インターネットを介してウェブサイトと通信できるようにする。こうすれば、その患者の医師はそのウェブサイトから患者の血行動態プロファイルをダウンロードすることができる。また、この系を、任意に、患者が着用できるほどに小型にすることができる。モニタした情報をこの着用可能な系内に24時間以上の間格納する。別法として、本発明によるこの系を、高血圧または鬱血性心不全の外来患者の管理に使用することもできる。この系を用いれば、患者が医師のところに来なくても、心臓用薬剤を頻繁に調節することができる。この系を用いて頻繁かつ迅速に薬剤投与を調節することにより、鬱血性心不全の患者の急性代償不全による入院を回避することができる。このように入院を回避できれば、重症管理室における患者の挿管および換気や、スワンガンツカテーテルに伴う輸液管理を始めとする入院関連の支出をかなり抑えることになる。別法として、心筋症や重症鬱血性心不全の患者も、本発明による系を用いれば、心臓移植を待ちつつ、家庭におけるドブタミン注入量を調節することができる。
腎臓透析患者も同様に、上述した技術による援助を受けられる。例えば、自宅にいる腎臓透析患者の前負荷を、臨床医が自分の診察室にいながら、インターネットを介して遠隔式にモニタすることができる。腎臓透析患者の血行動態プロファイルを、その透析中に非侵襲的に評価できるため、この情報を用いて、経口輸液の摂取、制限および点滴輸液投与を制御する。また、この情報により、腎臓透析患者が自分で、糖尿病患者がグルコースレベルをモニタしてインシュリン投与量および炭水化物摂取量を調節するのと同じ方法で、輸液摂取量を調節することができる。
この測定系は、臨床医が窮迫状態にないときの患者を診察し、その自由裁量により「標準」として指定したベクトルを用いることに基づいて、較正される。別法として、この系に、心臓のカテーテルの挿入中に心臓病専門医が測定した侵襲的測定値に対する2または3ポイント較正を行う。カテーテルの挿入は、冠状動脈ステント留置、血管形成術、弁手術、冠状動脈バイパス移植または心臓移植をすべきかどうかを見るために、最も重篤な患者にのみ施される。具体的な患者について、心臓機能の侵襲的測定値と非侵襲的測定値との間に較正がなされたら、この較正を、その患者の解剖学的構造が大幅に変化するまで長期間持続させることが妥当である。したがって、本発明を用いると、心臓手術を受けたことのある重篤な心臓病患者を長期間管理する費用を大幅に削減することになる。その患者の管理に重要な血行動態情報を得るために、患者がさらに侵襲的測定を受ける必要もない。患者は、遠隔医療などの方法により、インターネットを介して医者と相談することができる。このように、この測定系では、遠隔医療を介して医療活動を行うことのできる患者範囲が著しく拡大することが1つの利点である。
図4Aおよび図4Bは、本発明による遠隔医療を行うための系120および130の好適な実施形態を例示する図である。図4Aにおいて、図1に示した本発明による系30の好適な一実施形態は、インターネットネットワーク110を介して、モニタおよび制御ユニット112に接続されている。例えば、モニタおよび制御ユニット112を臨床医のオフィスに配置しながら患者の心臓パラメータを非侵襲的に測定するために、系30を患者の自宅に遠隔式に配置する。臨床医は、測定結果に基づいて、患者の心臓状態をモニタし、任意に、系30を制御して追加情報を取得する。図4Bにおいて、図1に示した本発明による系30は、遠隔接続装置114を介してモニタおよび制御ユニット112に接続されている。これらを接続しているのは、専用または共用ケーブル、無線電気通信ラインまたは他の適した接続である。図4Bの系130は、図4Aの系120と同様に動作する。
本発明の系を用いて、患者の虚血に関する早期警告を検出することができる。虚血に陥ると、心臓がスターリング曲線に乗って心送血量を維持しようとするため、収縮性が低下し、前負荷が増加する。これは、心送血量と前負荷との間のよく知られた関係である。その場合、後負荷の反射作用の増大が生じる。心臓が心送血量を維持しようとすることにより、心送血量が減少するなかでも身体は生命維持に必要な器官への潅流を維持することができる。こうしたイベントにより、徴候の経時変化とともに、識別可能なプロファイルが形成される。本発明の系は、こうした虚血イベントを非侵襲的に測定したパラメータと相関させることにより、このイベントの型をリアルタイムに識別し、臨床医に虚血イベントの存在およびその程度を警告することができる。虚血と非侵襲的に測定したパラメータとの間の相関関係には数多くの種類があるが、以下の説明では、2つの有用な相関関係の態様を例示する。虚血に伴う収縮性の低下はEKG変化より前に起こるため、臨床医は、心筋梗塞につながりかねない、生死にかかわる虚血症状の出現を診断および治療するリードタイムをより長く持てるようになる。上記早期診断を基本として、こうした環境ではニトログリセリン点滴を手元に置いておくと有用である。ニトログリセリン点滴の滴定終末点を得るように生理学的リアルタイムな測定値を備えておけば、さらに有用である。本発明は、最終的に心筋梗塞を防止することにより、潜在的な虚血患者の生命を救うことに寄与できる。
本発明は、心臓パラメータを非侵襲的にモニタするために、既存の病院モニタユニットを改良するインターフェースなどの装置を提供する。本発明の改良装置は、EIを測定する手段と、非侵襲的に測定した結果を、薬剤に反応する心臓パラメータに変換する処理手段とを含む。本発明による改良系の好適な一実施形態では、血液カフおよびEKGを使用する。他の現在利用可能な装置にも、手首にて電気機械的に変換された脈派を測定することにより、血圧を非侵襲的に測定できるものがある。こうした装置も、MAPを測定するために現在の系で同様に使用することが可能である。この装置は、ミネソタ州セントポール55112-3923の4382 Round Lake Road WestにあるMEDWAVEから製造されている。この装置は、手首で撓骨動脈上に固定されると、非侵襲的に圧力同調曲線を生成するため、MAPならびにE−M間隔の「M」を得ることができる。この装置は完全に非侵襲的であり、その出力値は、体内に留置されている侵襲的動脈カテーテルの圧力トレースから得られるものと視覚的には同一である。この非侵襲的測定データを、所定フォーマットに変換するため、本発明によるインターフェースユニットを介して処理装置に転送する。
より好適な実施形態では、上述した光ファイバセンサを大動脈上に配置して、その信号の低周波成分の振幅を用いることを基本として、MAPに関する情報を得る。したがって、光ファイバセンサを任意に、MAPのデータストリームを得るだけに使用するのではなく、時間を単位とするE−M間隔を規定する機械的イベントMの検出にも使用する。このセンサを、心臓近傍で頚動脈または上行大動脈などの大動脈上に配置した場合、振動する信号の継続時間を用いて、駆出間隔EIを測定する。こうして、光ファイバ装置により、MAPおよび(E−M)間隔におけるイベントMに関する情報が得られる。この場合、薬剤に反応する心臓パラメータを得る非侵襲的血行動態状態ベクトルの生成に必要な要素はEKGだけである。別の態様において、本発明は、光ファイバセンサおよびEKGを含む心臓パラメータモニタ系を提供する。このモニタパッケージは、大変軽量であるため着用可能であり、安価でもあるため使い捨てが可能であり、さらに機械的に安定であるため、救急室や戦場の最前線でも使用可能である。
別の側面において、本発明は、規則的な時間間隔で非侵襲的血行動態状態ベクトルの軌道をグラフ化することにより、麻酔状態全体をグラフとしてまとめるための方法または系を提供する。別法として、この軌道を連続的に、記録保持の目的および見直し用とする。x、yおよびz方向の軸をP、AおよびCの非侵襲的アナログとする3次元グラフを用いれば、麻酔薬投薬全体または集中治療室での症状の出現を一目で見直し、理解することができる。好ましくは、この非侵襲的血行動態軌道の方向に心拍数情報をグラフ化して重ねる方法を用いる。例えば、各データポイントに、青が低い心拍数、赤が高い心拍数を表すものとして、連続スペクトルに沿って赤から青のカラーである心拍数表示を含める。
別の側面において、本発明は、麻酔薬管理、集中治療室利用、または外来患者の心血管疾病管理間隔に対する、非侵襲的に導き出した記録を作成する方法または系を提供する。不運なイベントまたは残念な成り行きが発生した場合、これを見直す者は、当該技術の現状よりも正確な診断を下せることにより患者の安全性および治療の質を高めることを目的に、(HR,P,A,C)という具体的な時間依存測定値を保持しているため、過去の記録に戻って、その発生に働いた具体的要素となる原因の時間発展を特定することができる。
上記系はすべて、迅速な医療看護が必要な患者から得た非侵襲的測定値に基づく心筋機能に関する有用なパラメータ情報を提供するだけでなく、心血管に影響するフィットネス業界、生命保険業界、保健維持機構(HMO)業界にも、その患者「または顧客」の健康状態をモニタするために適用可能である。例えば、本明細書内に記載した非侵襲的方法を用いれば、単調な生活をする患者が、ブルースプロトコル(Bruce Protocol)による指示など、処方された標準身体作業量をこなした後に静止した時点で、基線に対して発生する心送血量の増加率を決定することができる。このように簡単で患者に対するリスクがゼロの状態で得られる情報には、大手術後の死亡率予測や心血管疾患による死亡率の予測において、心臓予備力の指標として有用な予測価値があると考えられる。特に、所与量の運動により心送血量がより高い比率で増加すると、心臓関連のフィットネス指数も高まる。したがって、生命保険業界ではこの情報を用いて、顧客すべてが心臓のカテーテル挿入術を受けなくとも、個人単位で生命保険料を調整することができる。同様に、フィットネス愛好者であれば、この情報を用いて自分のジムでの進歩具合を計ることができる。それほど熱心でない人も、運動は絶対に必要であるため、できるだけ頻繁に運動するためのみにでもこの情報を利用することができる。上述した相関関係がゆるぎないものであることをさらに裏付けて立証するため、2種類の被験体について実験を行った。以下に、この実験の経過および結果を説明する。
実験作業
2匹の雌ブタ(ブタ1およびブタ2)に対して別々に実験を行った。2匹のブタにイソフルラン、酸素およびフェンタニルを投与して、普通の麻酔を行った。その後、挿管治療を施し、機械的に人工呼吸を施した。そのモニタを、EKG、大腿動脈ライン、およびスワンガンツ熱希釈肺動脈カテーテルで行った。カプノグラフを用いて、呼吸周期の二酸化炭素を測定した。食道用サーミスタを用いて、体温を測定した。パルスオキシメータを用いて酸素飽和度を測定した。さらにカテーテルを針に固定し、前胸壁から左心室に挿入した。蛍光透視鏡により、このカテーテルを誘導し、留置した。静脈内のコントラストおよび圧力の読取り値から、カテーテル先端部が左心室内に入ったことを確認した。
3種類の血管作用性剤を用いて、発生し得る広範囲の血行動態の状態を生成した。この薬剤は、収縮性の増加のためのドブタミン、前負荷および後負荷を低下させるためのニトログリセリン、後負荷を増加させるためのフェニレフリンである。一度に1種類の薬剤を、さまざまな速度で較正済注入ポンプにより注入した。各注入速度において、系を平衡させ、血行動態安定状態を生成した。第1のブタ実験では、ブタ1について18種類の異なる血行動態状態を生成し、第2のブタ実験では、ブタ2について15種類の異なる血行動態状態を生成した。安定状態に達したら人工呼吸器を切り、呼吸による変動をなくした。各安定状態において、データをデジタル化し、ラップトップのフロッピー(登録商標)ディスクに保存した。ブタ1に関して、60秒のデータを平均し、ブタ2に関しては、30秒のデータを平均した。各血行動態安定状態および各データ取得間隔について、波形を平均して、データ取得間隔に対するデータを表す「平均」波形を生成した。各波形を随意同期させて、EKG上でS波から開始させた。データ取得間隔の終わりに、室温にて10ccの生理食塩水を用いて、熱希釈法による心送血量を5回測定した。これらを平均して平均心送血量(単位:リットル/分)を算出した。薬剤注入速度のプロトコルを以下の表に示す。
Figure 0004526266
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侵襲的血行動態状態ベクトルを生成するため、以下の手法を用いた。平均した波形を用いて、収縮期によるLVPの急速な上昇直前のLVEDP値を求めるためにLVP(t)波形を調べることにより、LVEDPを得た。収縮性は、LVP(t)曲線を時間に対して微分し、収縮期の駆出期中の一次導関数の最大値dP/dtmaxを記録することにより得た。体血管抵抗(SVR)により概算される後負荷は、以下の通常の公式により得た(Kaplan, J.A., M.D., Cardiac Anesthesia, Philadelphia, W.B. Saunders Company, 1993, p. 63参照)。
Figure 0004526266
このとき、MAPは平均動脈圧(単位:mmHg)、CVPは中心静脈圧(単位:mmHg)、COは心送血量(単位:リットル/分)である。値を80とする上記定数を用いて、mmHg/(リットル/分)をdyne*sec*cm−5に変換する。CVPを、MAPと同様に各安定状態にてモニタから手動で記録した。平均EKG時間を測定し、その逆数をとり、60秒/分を掛け合わせることにより、1分毎の心拍数(HR)を得た。このHRでCOを割り、拍出量(SV)を得た。上記パラメータに基づいて、侵襲的血行動態ベクトルを導き出した。
非侵襲的血行動態状態ベクトルを生成するため、以下の手法を用いた。駆出間隔を測定するため、LVPおよび動脈圧(ABPまたはA(t))を同時にグラフ化した。ABPトレースを時間的に後退させて、LVPを拡張期ABPと同等にした。これが、大動脈弁が開いた時点であった。この2本の曲線をたどると、再度交差し、この後者ポイントが、大動脈弁が閉じた時点であった。この大動脈弁が開いてから閉じるまでの時間が駆出間隔EIである。モニタのディスプレイから、MAPを単純に読み取った。別法として、ABP波形を心臓周期と積分し、その積分値を周期で割ってMAPを得た。いずれの手法でも大きな違いはなかった。上述したように、EIは、上行大動脈上で胸骨上切痕内に配置した音響式ドップラー装置を用いて簡単に得られる。MAPも、周知の血圧測定装置であるDINAMAPを任意に併用しながら、血圧カフにより簡単に得られる。これらの装置は広範に使用されており、価格も比較的安価である。
E−M間隔(さらに具体的にいえばQ−A間隔)を2通りで測定した。第1のブタ実験では、EKG上のQ波とABP立ち上がりとの間の間隔を測定した。第2のブタの場合、拡張期の基線動脈圧トレースにノイズがあり、Q−A間隔の測定はできなかった。Q−A間隔の「A」を定義できなかったことを補償するため、ABP曲線の不整をならし、2回微分した。微分した曲線では、ABPにおける最大上昇加速A”maxの瞬間が、明らかにそのノイズを上回った。同じ方法を第1のブタからのデータに用いたところ、直線的変形でも同様、またはさらに良好な結果を得た。体内留置型動脈カテーテルを使用することが「非侵襲的」ではないということについては議論の余地があるが、E−M間隔末期における「M」イベントを定義するための安価で非侵襲的方法は数種類ある。
ちなみに、データの処理およびグラフ化はMicrocal ORIGINを用いて行った(Origin, Data Analysis and Technical Graphics, Microcal Software Inc., One Roundhouse Plaza, Northampton, MA, 01060参照)。
本発明の第1の実施形態において、LVEDP、SVRおよびdP/dtmaxは、上記式8〜10にしたがって非侵襲的に測定した結果に相関している。以下に、上記相関関係に基づく処理結果または結論を説明する。侵襲的に測定したパラメータと本発明による上記相関方法に基づいて非侵襲的に導き出したパラメータとの間には、密接な相関関係がある。
図5は、ブタ1について上記侵襲的方法により測定した結果を示しており、図6は、ブタ1について上記非侵襲的方法により測定した結果から導き出した結果を示している。図5は、ブタ1に関する侵襲的血行動態ベクトル空間H’(LVEDP、SVR、dP/dtmax)を示す。図6は、非侵襲的血行動態ベクトル空間Nにおける同じ18種類の血行動態安定状態を示している。Nの互いに直交している3本の軸は、[EI*MAP*(Q−A”max),MAP*(Q−A”max),1/Q−A”max]として付与され、[x,y,z]に写像されている。ブタ1の場合、どの軸セットにおいても、血行動態状態をそれぞれ示している起点から空間内ポイントまでのベクトル軌道間に真の相関関係がある。実験1〜7では、ドブタミンの注入量と共に収縮性は増加しているが、LVEDPは減少する傾向にある。急速注入の後にドブタミンをとめたところ、実験7と実験8との間で「急落」が起きている。実験9〜13では、ニトログリセリンの注入量が増加するにつれて、LVEDPもSVRも減少している。基準実験14〜18の間では、フェニレフリン注入量が増加するにつれて、SVRおよびLVEDPは安定して増加している。興味深いことに、実験9〜18における収縮性の変化はわずかである。実験9〜18ではドブタミンが注入されていない。これらのイベントはすべて、侵襲的ベクトル空間H’から非侵襲的ベクトル空間Nに反映されている。経験的に、式4〜11で説明したように、2つのベクトル空間間の「1対1」数学的写像が理解できるであろう。
図7は、ブタ2について上記侵襲的方法で測定した結果を示し、図8は、ブタ2について上記非侵襲的方法で測定した結果から導かれた結果を示す。図7は、ブタ2に関する侵襲的ベクトル空間H’を示している。血管作用性薬剤注入を用いたところ、ブタ2は、侵襲的血行動態空間内において15種類の別個の安定状態の値を通る軌道をとった。図8は、非侵襲的血行動態ベクトル空間N内における同じ15種類の血行動態安定状態を示す。Nの互いに直交している3本の軸は、[EI*MAP*(Q−A”max),MAP*(Q−A”max),1/Q−A”max]として付与され、[x,y,z]に写像されている。状態1と2との間で1リットルの晶質を輸液したところ、LVEDPは増加し、SVRは減少している。収縮性のこの輸液投与による変動はない。この変化は、非侵襲的ベクトル空間Nに反映されている。状態4と状態7との間でフェニレフリン注入量が徐々に増加すると、SVRおよびLVEDPが劇的に増加しているが、収縮性の増加量はあまり大きくない。状態7〜状態8にかけて、フェニレフリンをとめたところ、LVEDPおよびSVRは劇的に減少している。これもNにはっきり反映されている。ここでドブタミンを注入し、状態9〜状態13にかけて徐々に増加したところ、収縮性が大幅に増加し、LVEDPは減少している。これは、心臓薬剤としてのドブタミンのよく知られた機能と一致している。(Gilman, A., Goodman L., The Pharmacological Basis of Therapeutics, Seventh Rd., New York, Macmillan, 1985, p.163参照)。状態13と状態14との間では、ドブタミンの停止と共に急落が起きている。ドブタミンが代謝されるにつれ、収縮性は急速に低下し、LVEDPが増加している。
ブタ2に関するこうした血行動態状態全体を通じて、図7と図8との間には強力な相関関係がある。まるで血行動態状態ベクトルが2つの平行な宇宙を移動しているかのようである。ただし、一方の宇宙は、多大なリスク、費用およびかなりの苦痛を伴って得られる情報によるものであり、もう一方の宇宙は、リスクがなく、低コストで、苦痛なしに得られる情報によるものである。
本発明の好適な方法により導かれたこの相関関係の正当性をさらに示すために、この相関関係を以下の図および説明で立証する。図9は、(Q波)−(大腿動脈圧波、上昇加速度最大値)間隔、またはEKG上のQ波と大腿動脈圧波立ち上がり時間との間の間隔である(Q−A)の関数としての(Q−A”max)を示す。A”maxは、圧力の時間に対する二次導関数の最大値にて発生する。動脈の立ち上がりおよび最大上昇圧加速度の瞬間のどちらも、収縮期開始後に発生する。圧力波は最大限に加速する前に最低とならなければいけないため、A”maxは常に、Aの後に発生する。図9を調べると、1%の誤差で、(Q−A”max)は係数を1.065として(Q−A)より大きいことがわかる。収縮性に対するこの2種類の測定値間における相関係数は、0.965である。この相関関係から、(Q−A)および(Q−A”max)の2つの間隔が、同じ種類(E‐M)であるが種が違うだけであること、さらにこれらが実際には相互に置き換え可能であることが明確である。(Q−A)については、1974年Lancet内で説明されている。(Q−A”max)には、基線にノイズがあっても簡単かつ正確に決定できるという利点がある。基線にノイズがあることは、手術室の1つの自然な現象である。したがって、本発明のもう1つの態様は、非侵襲的に測定した心臓パラメータをQ−A”maxを用いて決定する方法を提供する。
図10および図11は、左心室平均流出速度と(E−M)間隔との相関関係を示している。どちらの図も、用いた(E−M)間隔は(Q−A”max)間隔である。左心室(LV)平均流出速度は、定義により拍出量(SV)を駆出間隔(EI)で割った値であり、その数量はSV/EIとなり、単位はcc/秒である。図10および図11はそれぞれ、ブタ1およびブタ2についての上記関係を示している。どちらの場合も、収縮期駆出の平均流出速度が、E−M間隔の逆数乗された「e」に直線的に比例していることが明らかである。ブタ1の場合、その直線的相関係数は0.98であり、ブタ2の場合、その直線的相関係数は0.95である。したがって、本発明のもう1つの態様は、Q−A”maxと等しい、SV/EIとE−M間隔との間の相関関係を提供するものである。
図12および図13では、上述した関係を拍出量(SV)について解明している。左心室平均流出速度、(E−M)間隔に基づくSV/EIを予測できれば、式の両辺をEIで掛け合わせることにより、有効にSVをたどる数量を得ることができる。図12は、ブタ1についてEI*exp(1/E−M)と拍出量との関係を示すグラフであり、図13は、ブタ2についての同じデータを示すグラフである。どちらのグラフにおいても、(Q−A”max)間隔に(E−M)間隔を用いた。ブタ1のデータにより、直線的相関係数0.825が得られ、ブタ2のデータから直線的相関係数0.944が得られる。重要なことに、非観血的血行動態モニタ式食道ドップラー装置の製品カタログでは、その心送血量測定値が直線的相関係数を0.80として熱希釈法による測定値と相関することが示されている。少なくともある調査者は0.90との相関係数で相関していることを示している(Klein, G., M.D., Emmerich, M., M.D., Clinical Evaluation of Non-invasive Monitoring Aortic Blood Flow, (ABF) by a Transesophageal Echo-Doppler-Device. Anesthesiology 1998; V89 No.3A: A953, op. cit.参照)。非観血的血行動態モニタの取扱説明書には、この装置により決定されたCOは±15%の精度であると記載されている。
1次元におけるパラメータ間の相関関係
侵襲的に測定した血行動態状態のベクトルと非侵襲的に測定した血行動態状態のベクトルとの間の明確な相関関係に加えて、侵襲的に測定した血行動態状態の各パラメータと非侵襲的に測定したその各同等パラメータとの間の相関関係を別個に以下の説明で立証する。
図14は、ブタ1における、左心室圧の時間に対する一次導関数最大値1n(dP/dtmax)の自然対数に対する平均収縮期流出速度SV/EIの相関関係を示している。この関係により、直線的相関関数Rが0.9499であることと、この関係が、(P値)<0.0001の偶然によるものである可能性とを示している。同じ関係がブタ2について図15に示されている。R値は0.88304であり、P値は0.0001未満である。図10および図11に示したように、SV/EIがexp(1/(E−M))に直線的に相関していることから、exp(1/(E−M))は1n(dP/dtmax)にも同様に直線的に相関していなければならない。
exp(1/(E−M))とdP/dtmaxとの間の直線的相関関係を、ブタ1およびブタ2に関する図16および図17それぞれにおいて、さらに実験により立証する。図16は、ブタ1の実験における1/(Q−A“max)とln(dP/dtmax)との間の直線的関係を例示している。図16に示すように、この直線的相関関係の係数Rは0.97472であり、P値は0.0001未満である。図17に示すように、ブタ2について、Rは0.96009であり、P値は0.0001未満である。これらのデータから、第1の時間に関しては、dP/dtmaxと1/(Q−A”max)との指数関数的関係は、JacksonがほのめかしたdP/dtmaxとQ−Aとの間の関係とは異なることがわかる(Jackson, D.M., M.D., A Simple Non-Invasive Technique for Measuring Cardiac Contractility, [Letter]. Lancet 1974; ii: 1457参照)。このdP/dtmaxと1/(Q−A“max)との指数関数的関係が、非侵襲的に測定したパラメータを、薬剤に反応する、侵襲的に測定したパラメータに変換するために本発明の方法に必要な相関関係である。
Jacksonは「Q−A間隔における変化」については述べているが、Q−A間隔の逆数、すなわち1/Q−Aという用語は用いていない。Jacksonのデータは、Δ(Q−A)または、基線と比較した(Q−A)の差異を用いてグラフ化されているが、1/(Q−A)は生理学的にさらに意味のある数量である。大腿動脈内における大動脈弁から動脈圧変換器カテーテルまでの距離Lは、実験中、一定とする。また、定義により、数量L/(Q−A)は、動脈系を伝わる脈波の電気機械的変換および伝播速度である。したがって、このL/(Q−A)を変換伝播速度またはVtpと呼ぶことができる。Lが一定であるため、1/(Q−A)はVtpと共に直線的に変化する。言い換えれば、次式となる。
Vtp=L[1/(Q−A)] 式24
したがって、1/(Q−A)、さらには推測により(1/(Q−A”max)が、電気機械的変換および弾性波伝播速度に関する直線的関係の手がかりとなる。
図19〜図21には、ブタ2から得られた具体的実験データを示している。図18は、ブタ1についてLVEDPと(EI*MAP*(Q−A”max))との関係を示している。図18では、この直線的相関係数Rは0.92088であり、Pは0.0001未満である。図19は、ブタ2についての具体的実験データを示しているが、示しているのは15ポイントのうち11ポイントのみである。これは実験5〜15に相当するもので、時間的に連続して行われた。この11種類の時間的に連続したデータポイントにおいて、Rは0.94043であり、Pは0.0001未満である。図20は、ブタ2に関する実験1〜4のデータを示している。この第1の4種類の実験から、Rは0.98471であり、Pは0.01529となった。しかし、ブタ2に関する全15データポイントを図21として一緒に示すと、その相関係数は0.7067に、また、Pは0.0032に低下する。
図22および図23はそれぞれ、ブタ1およびブタ2に関する実験データを示している。図22は、全身血管抵抗SVRに対する二重積[MAP*(Q−A”max)]を示している。ブタ1のデータにおいて、相関係数Rは0.81052、Pは0.0001未満であり、ブタ2のデータにおいて、相関係数Rは0.93254、Pは0.0001未満である。
本発明の第2の実施形態において、LVEDP、SVRおよびdP/dtmaxは、式19〜21にしたがって非侵襲的に測定した結果と相関している。この相関関係から、以下の処理結果および結論が導かれる。侵襲的に測定したパラメータと本発明による別の相関方法による非侵襲的測定値から導かれたパラメータとの間には密接な相関関係がある。そこで、左心室拡張末期圧(LVEDP)に対する非侵襲的に導かれたアナログについて、以下に改良式を開示する。拡張期において、左心室の圧力は左心室容積の指数関数となっており、この関係は、拡張末期を含む拡張期充満間隔のいずれの時点でも変わらない。したがって、LVEDPは、左心室拡張末期容積(LVEDV)の指数関数である。DIを拡張期充満間隔としよう。その論理的概算値を得るには次式となる。
DI=T−EI 式25
このとき、Tは心臓周期の時間長さである。Tは、EKGのR波間の時間間隔を測定することにより非侵襲的に得られ、1分当たりの心拍数(HR)の逆数に直線的に比例する。すなわち、次式となる。
T=(1/HR)*60秒/分 式26
この概算では、等容性収縮および弛緩に必要な時間は無視されているが、これらの間隔の心臓周期に占める割合は比較的小さいため、この概算は本発明に有用なものである。式26に示した方法だけでなく、DIは、左心室の真上において患者の胸表面に配置された1MHzドップラー超音波装置によっても得られる。拡張期充満における血流は特徴的に低速であるため、ドップラー周波数シフトも同様に低速となる。この低速ドップラーシフトの継続時間が、DIの正確な測定値に役立つ。DIは、僧帽弁が開くと同時に始まり、僧帽弁がぴたりとしまると同時に終わる。ドップラー装置は比較的高価であるが、肥満体患者に使用するには利点がある。状況によって、DIを普通の聴診器や心音図で任意に得ることもできる。普通の聴診器や心音図では、DIの終了時点は、第1の心音、すなわち「とくんとくん」という2音のうちの「とくん」として示される。特定の病理を患う患者の場合、僧帽弁の開く「ぴたり」という音を聴診器で聴くことができる。おそらく、大半の患者について、心音図で僧帽弁の開く時点がわかるはずである。別法として、上述した光ファイバセンサを、胸の下胸部上に配置して、拡張期充満により発生する、光ファイバ光信号の振幅における低周波数振動の継続時間を測定することによりDIを得ることもできる。好ましくは、本発明に用いるDIを式25により導く。
LVEDPと数量DI=T−EIとの関係を、ブタ1に関する図24と、ブタ2に関する図25とに示す。この関係はS字状であり、ボルツマンの式により得られる。
(T−EI)={(Al−A2)/[1+exp({LVEDP−x0)}/dx)]}+A2 式27
このとき、A1およびA2は漸近線であり、A2>A1である。x=x0における数量(T−EI)は、この2本の漸近線の平均値であり、「dx」は、このS字状が上昇する急峻度と共に低下する比例定数である。
図24および図25のデータは、収縮性およびSVRの全体範囲を表しており、式27と見事に一致している。これらのデータを式27に当てはめると、ブタ1に関するデータでは0.0002のカイ平方を、ブタ2に関するデータでは0.00078のカイ平方を得られる。このように、式27と実験データとの間が見事に一致していることから、LVEDPと非侵襲的に測定可能な1種類の時間間隔との間の関係が明らかである。EIまたはT自体をLVEDPに対してグラフ化すると、同様のS字状配分図が得られる。ただし、LVEDPの関数としての差DI=T−EIに対するカイ平方値は、いずれの数量単独に対してより小さくなる。普通2つの数量を差し引くと、その誤差は増加する。この場合、EIまたはT単独よりも(T−EI)を用いると、この誤差は実際のところ減少する。したがって、DIとLVEDPとの間のS字状関係は、哺乳動物の血行動態における2パラメータ間の全く新しい関係を表している。
好ましくは、上記S字状関係を用いて、LVEDPがx0付近であり、T−EIがその漸近線の一方の近傍にない場合に、さらに良好な正確性を実現する。より好ましくは、LVEDPを予測するための予測上有用な範囲の(T−EI)は、双方のブタ実験において7〜11mmHGの間のLVEDPである。興味深いことに、このS字状曲線における変曲点x0は、ブタ1の場合9.40±0.127であり、ブタ2の場合9.14±0.286である。したがって、2匹のブタに関する値x0は、実験誤差限度内では等しいものである。このことから、多数のブタについて実験すれば、数量x0が急峻なベル形曲線を描くことが予想される。関連する従来技術で周知のように、ブタ実験による上記データは、ヒトから侵襲的に測定されるデータと非侵襲的測定されるデータとの間に実質的に同様の相関関係を実証するための強固な根拠である。
図24および図25に示したS字状関係をLVEDPの予測用により有用とするため、T−EIを好ましくは、LVEDPに対して直線的または少なくとも単調に増加させ、漸近線を含めないようにする。これは、(T−EI)に積MAY*(Q−A”max)を掛け合わせることにより行う。このときMAPは平均動脈圧であり、(Q−A”max)はEKGのQ波と動脈圧の時間に対する二次導関数が最大値となる時間ポイントとの間の時間間隔である。この例では、動脈圧を大腿動脈で測定する。
図26および図27はそれぞれ、ブタ1およびブタ2におけるLVEDPに対する数量(T−EI)*MAP*(Q−A”max)を示している。ブタ1において、直線的相関係数Rは0.92586であり、ブタ2における直線的相関係数Rは0.8711である。この数値から、直線的相関係数Rが0.70677であったEI*MAP*(Q−A”max)とLVEDPとの関係から大きく改良されたことがわかる。したがって、(T−EI)*MAP*(Q−A”max)は、EI*MAP*(Q−A”max)に対して改良された、LVEDPの非侵襲的測定相関物である。
図26および図27に示された関係は完全に直線的になってはいない。図26には特に、やや指数関数的な成分が見られる。LVEDPの指数関数に対する(T−EI)*MAP*(Q−A”max)をグラフ化して、この指数関数的な特徴を図26に示すブタ1の結果から除外すると、図28に示すようなさらに良好な直線的相関係数R=0.95702が得られる。同様に、expLVEDPに対する(T−EI)*MAP*(Q−A”max)をグラフ化して、この指数関数的な特徴を図27に示すブタ2の結果から除外すると、図29に示すようなさらに改良された直線的相関係数R=0.91297が得られる。より多くより良好なデータがあればより良好な相関関係が得られると考えられる。
上述した相関関係だけでなく、非侵襲的に測定した心臓パラメータと通常通り侵襲的に測定される、または測定値を得るのが難しい他の心臓パラメータとの間にも相関関係が形成されている。
1)SVRCと第2の複数の非侵襲的心臓パラメータとの間の相関関係
後負荷に対する別法による概算値がSVRcである。SVRcは、駆出間隔(EI)に対してのみ定義される体血管抵抗である。すなわち、流動抵抗が血行の細動脈レベルにおいて抵抗血管により呈される間隔である。これに対して、SVRは、心臓周期全体に対して定義される。SVを駆出間隔EI(単位:秒)に対する拍出量(単位:cc)としよう。するとオームの法則により次式が得られる。
SVRc=MAP/[SV/EI] 式29
上述のように、数量[SV/EI]は、ブタ1の場合にはR=0.97997、ブタ2の場合にはR=0.95425として、exp(1/Q−A”max)と相当な直線的相関関係にある。そこで、式29の[SV/EI]にexp(1/Q−A”max)を代入すると、次式となる。
SVRc∝MAP/[exp(1/Q−A”max)] 式30
このとき「∝」は直線的比例関係を示している。
ただし、式30を後負荷の指標として用いるには、実際的な問題がある。分母が分子に対して小さくなると、商であるMAP/[exp(1/Q−A”max)]の確率的誤差が、(Q−A”max)が大きくなる曲線の右側部分にて連続関数が導き出せないように拡大してしまう(つまり、(Q−A”max)が大きくなり、exp(1/Q−A”max)が1に近づく)。この問題は、定数Kを分母に加えるだけで簡単に解決できる。Kは、分母「K+exp(1/Q−A”max)」が、生理学的範囲全体について分子MAPと同程度の大きさとなるように十分に大きな数値でなければならない。そこで次式が得られる。
SVRc∝MAP/[K+exp(1/Q−A”max)] 式31
SVRc=A1*MAP/[K+exp(1/Q−A”max)]+A2 式31a
このとき、K、A1およびA2は経験的比例定数である。Kの単位は秒−1であり、ブタ1の場合、K=400秒−1であり、ブタ2の場合K=70秒−1である。式31から、非侵襲的に測定した結果であるMAPおよびQ−A”maxからSVRcを導けることがわかる。
図30および図31は、基本的にブタ1およびブタ2に関してそれぞれ非侵襲的に導かれたSVRcであるMAP/[K+exp(1/Q−A”max)]に対して、侵襲的に測定したSVRcをグラフ化したものである。ブタ1およびブタ2に対する相関係数Rはそれぞれ0.959および0.9648である。上記相関関係は、SVRcが、どちらも患者を侵襲せずに測定されるMAPおよびQ−A”maxから導かれることを明確に立証している。
本発明による第2の好適な実施形態における相関関係の実用性および有効性をさらに立証するため、3次元血行動態侵襲的ベクトル空間内のベクトル軌道を、非侵襲的空間内のベクトル軌道と比較する。侵襲的ベクトル空間を、図32、図34および図36に示し、非侵襲的ベクトル空間を図33、図35および図37に示す。図32および図33、図34および図35、図36および図37の各対は、侵襲的または非侵襲的に得られたベクトルで同じブタにおける同じイベントを示している。したがって、別の実施形態において、複数の侵襲的心臓アナログは、P、AおよびCのそれぞれ概算であるLVEDP、SVRcおよびdP/dtmaxとして表される。複数の侵襲的心臓アナログの中で、SVRcは式31aにより定義されたものである。
図32および図33はブタ1に関する実験データを示している。図32において、侵襲的後負荷は、「y」軸にSVRc=MAP/[SV/EI]として表されている。これは、平均収縮期駆出速度で割った平均動脈圧である。図33において、非侵襲的後負荷は、「y」軸にSVRc∝MAP/[K+exp(1/Q−A”max)]として表されている。図33にはまた、非侵襲的前負荷が[(T−EI)*MAP*(Q−A”max)]として表されている。図32と図33との間の相応関係は、当業者がみれば一目瞭然である。
図34および図35は、ブタ2に関する実験データを示している。図34において、侵襲的後負荷は、「y」軸にSVRc=MAP/[SV/EI]として表されている。これは、平均収縮期駆出速度で割った平均動脈圧である。図35において、非侵襲的後負荷は、「y」軸にSVRc∝MAP/[K+exp(1/Q−A”max)]として表されている。図35にはまた、非侵襲的前負荷が[(T−EI)*MAP*(Q−A”max)]として表されている。図34と図35との間の相応関係は、当業者がみれば一目瞭然である。
図36および図37は、ブタ2に関する実験データを示している。図36において、侵襲的後負荷は、「y」軸にスワンガンツデータにより得られたSVRとして表されている。図37において、非侵襲的後負荷は、「y」軸にMAP*(Q−A”max)として表されている。これは、SVRの非侵襲的アナログである。非侵襲的前負荷は、[(T−EI)*MAP*(Q−A”max)]として表されている。図36と図37との間の相応関係は、当業者がみれば一目瞭然である。
2)左心室虚血に対する改良型指標
拡張期充満間隔に対する左心室の平均コンプライアンスCPは、次式で表される。
CP=ΔV/ΔP 式32
このとき、ΔVは拍出量SVである。安定状態では、左心室を充満させる血液量は、左心室から出る血液量と等しいが、上述したように、SV∝EI*exp(1/Q−A”max))であるため、式32の分子であるΔVにSVを代入する。拡張期におけるΔPは、左心室拡張末期圧(LVEDP)から等容性弛緩末期におけるLV圧(Peivr)を差し引いた値である。したがって、ΔP=LVEDP−Peivrとなる。Peivrが常に極小さな数またはゼロに近い数となるため、事実上、これを無視することができる。Peivrをゼロに近い数とし、式32について、ΔVにEI*exp(1/Q−Amax)を、ΔPに(T−EI)*MAP*(Q−A”max)を代入すると、次式が得られる。
CP∝[EI*exp(1/Q−A”max)]/[(T−EI)*MAP*(Q−A”max)] 式33
項を入れ替えると、次式となる。
CP∝[EI/(T−EI)]*[exp(1/Q−A”max)/(MAP*Q−A”max)] 式34
または
CP=A3*[EI/(T−EI)]*[exp(1/Q−A”max)/(MAP*Q−A”max)]+A4 式34a
このとき、A3およびA4を経験的比例定数とする。
虚血イベントでは、平均コンプライアンスCP値の急激な低下が起こるはずであり、その後、2−D超音波心臓検査で局所壁部運動異常が始まり、これがEKGでS−T部分の変化の開始となって現れる。平均コンプライアンスCPのこのような診断上の特徴により、非侵襲的左心室拡張期のコンプライアンス測定値は、虚血検出および治療の有効性モニタ用に現在利用可能な診断機器のいずれよりも格段に優れ、感応度が高いものとなる。したがって、本発明による虚血イベントを予測する好適な方法は、T、EI、MAPおよびQ−A”maxを測定することにより、現在利用可能な他のモニタより格段に早く虚血イベントを検出する。さらに、別の態様において、本発明は、T、EI、MAP、Q−D”(t)maxおよびQ−A”maxなどの複数の所定の非侵襲的に測定したパラメータから少なくとも1つの臨床上有用な心臓パラメータまたは侵襲的心臓アナログを導く方法、系および相関関係を提供する。臨床上有用な心臓パラメータの例として、虚血イベントの予測に有用なCPと、患者の心臓状態をモニタしたり、ドブタミン、ニトログリセリン、フェニレフリン、輸液、利尿薬、昇圧薬、後負荷軽減剤、麻酔薬、変力作用および陰性変力作用などの心臓用薬剤の必要性を決定したりするために有用なP、A、C、これらのアナログ、およびこれらの概算値が挙げられる。
本願発明者は、本発明による[EI/(T−EI)]*[exp(1/Q−A”max)/(MAP*Q−A”max)]の予測可能性を特定の理論に限定したいわけではないが、虚血イベントを検出するために実現可能な方法を以下に説明する。急性虚血イベントは通常、心臓機能パラメータ1つのみに現れるものではなく、急速に出現するゲシュタルト的性質の事象で、心拍数、前負荷、後負荷および収縮性を含む4種類のパラメータすべてに、特徴的な方法で特徴的な時間的経過をかけて影響を与えるものである。虚血イベントが発生すると、心筋の酸素需要量が供給量を超える。こうなると、グルコース基質の酸化用に酸素を必要とする呼吸酵素により生成されるATPが十分でなくなる。不十分なATPは、筋肉の収縮によりアクチンとミオシンとの間に形成された架橋を分解するために必要である。筋肉の弛緩は、エネルギーおよび酸素を必要とするプロセスである。十分な酸素がなければ、アクチンとミオシンとの間に形成された架橋は拡張期末期まで分解されない。分解されずに架橋が残ると、左心室の筋肉は充満期中に硬直する。言い換えれば、左心室拡張期のコンプライアンスが低下する。
虚血イベントに付随して、収縮性には疾病が発生する。虚血イベントと同時に拍出量および心送血量が低下する。生体が、平滑筋型細動脈を選択的に狭窄することにより体血管抵抗(SVR)を上昇させて、同調神経信号に反応するにつれて、後負荷が増加する。このSVRの上昇は、心送血量が低下して、生死にかかわる終末器官における潅流圧が低下することにより部分的に補償される。すぐには生死にかかわらない腸、肝臓および筋肉などの系への血流を血管狭窄させてSVRを広範に上昇させることにより、低下してますます不足している広範な心送血量のより多くを、脳、心臓および肺へと短絡させることができる。すばやく、前負荷が増加することにより、心筋のスターリング機構が作動して拍出量を増加させることにより、拍出量の減少を補償する。前負荷の増加は、収縮性の低下により、さらにわずかな左心室拡張末期容積が心拍毎に駆出され、拡張期充満と合わせて左心室内に血液が累積してLVEDPが増加するためである。この拡張期充満における左心室の膨張こそが、前負荷における増加の意味するところである。虚血イベント発生時には、LVEDPの割当て分の増加、SVRの増加、収縮性の低下がほぼ同時に起こる。
ここで、式34を参照すると、右辺の項には分子として、収縮性に比例するexp(1/(Q−A”max)が含まれている。したがって、コンプライアンスCPが急激に低下すれば、式34から、収縮性も直線的に低下することがわかる。式34の右辺の項にはまた、前負荷に比例する[(T−EI)*MAP*(Q−A”max)]が分母として含まれている。したがって、式34により、コンプライアンスCPは前負荷と逆に変化することがわかる。コンプライアンスCPが虚血により急激に低下すれば、前負荷は逆に増加する。式34の右辺の項にはまた、(1/SVRc)に比例する[exp(1/Q−A”max)/MAP]が含まれている。したがって、式34により、SVRcが拡張期コンプライアンスCPと逆に変化することがわかる。コンプライアンスCPが虚血により急激に低下すれば、SVRcは増加する。しかし、LVコンプライアンスの突然の減少イベント発生時における、式34で説明されるLVEDP、dP/dtmaxおよびSVRcのこうした変化は、虚血イベントで発生する前負荷、後負荷および収縮性において割当てられた変化そのものである。要約すると、左心室のコンプライアンスCPが虚血により突然低下すると、その結果、LVEDPが増加し、SVRが増加し、収縮性が突然低下する。これは周知の生理学的知識と一致している。
ここで重要なことは、この具体的生理学的知識の1つを、平均拡張期コンプライアンスCPの定義と、平均拡張期コンプライアンスと複数の所定の非侵襲的心臓パラメータとの関係を示す式34とによる純粋に論理的な結果であることが判明したことである。そしてこの非侵襲的パラメータが、非侵襲的血行動態ベクトル空間「N」内のポイントの位置を決定するのである。
非侵襲的に測定され、リアルタイムに算出および表示される、心臓の虚血に対する指標を見出す課題に対するもう1つの手法は、以下の通りである。互いに直交している3つの変数のベクトル関数を以下のように定義する。
Xi={LVEDP,SVRc,1/(In(dP/dtmax))} 式36
次に、上記ベクトルをその非侵襲的相関物で表す。
Xn={[(T−EI)*MAP*(Q−A”max)];[MAP/(K+exp(1/Q−A”max))],(Q−A”max)} 式37
次に、上記ベクトルのノルム、つまり、ベクトルとベクトルとの内積の平方根を見出す。これにより、虚血関数「I」が得られる。「I」は、虚血出現時に突然増加し、次式で表される。
I={(T−EI)*MAP*(Q−A”max)+MAP/{K+exp(1/Q−A”max)}+(Q−A”max))}1/2 式38
以上、本発明の好適な実施形態と考えられる内容を記載してきた。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、上記内容に他の、またはさらなる変更および修正をさまざまに加えられることは明白であろう。本発明は、本発明の真の範囲に当てはまるこうした変更および修正を含めたすべてを請求するものである。
本発明による、患者の心臓パラメータを非侵襲的にモニタするための装置の好適な一実施形態を例示する図である。 本発明による、血行動態の状態を示すディスプレイの第1の実施形態を例示する図である。 本発明による、血行動態の状態を示すディスプレイの第2の実施形態を例示する図である。 本発明による、血行動態の状態を示すディスプレイの第3の実施形態を例示する図である。 本発明による、遠隔医療を実施するための系の好適な第1の実施形態を例示する図である。 本発明による、遠隔医療を実施するための系の好適な第2の実施形態を例示する図である。 本発明の第1の実施形態による、第1の被験体の侵襲的血行動態ベクトル空間を例示するグラフである。 本発明の第1の実施形態による、第1の被験体の非侵襲的血行動態ベクトル空間を例示するグラフである。 本発明の第1の実施形態による、第2の被験体の侵襲的血行動態ベクトル空間を例示するグラフである。 本発明の第1の実施形態による、第2の被験体の非侵襲的血行動態ベクトル空間を例示するグラフである。 本発明の第1の実施形態により、第1の被験体における(Q−A”max)間隔と(Q−A)間隔との関係を例示するグラフである。 本発明の第1の実施形態により、第1の被験体における、E−M間隔の関数としての左心室駆出間隔平均流出速度を例示するグラフである。 本発明の第1の実施形態により、第2の被験体における、E−M間隔の関数としての左心室駆出間隔平均流出速度を例示するグラフである。 本発明の第1の実施形態により、第1の被験体における、駆出間隔およびE−M間隔の関数としての拍出量を例示するグラフである。 本発明の第1の実施形態により、第2の被験体における、駆出間隔およびE−M間隔の関数としての拍出量を例示するグラフである。 本発明の第1の実施形態により、第1の被験体における、平均収縮期流出速度と収縮性との関係を例示するグラフである。 本発明の第1の実施形態により、第2の被験体における、平均収縮期流出速度と収縮性との関係を例示するグラフである。 本発明の第1の実施形態により、第1の被験体の1/(Q−A”max)を例示するグラフである。 本発明の第1の実施形態により、第2の被験体の1/(Q−A”max)を例示するグラフである。 本発明の第1の実施形態により、第1の被験体における、左心室拡張末期圧の関数としての[(駆出間隔)*(平均動脈圧)*(Q−A”max)]を例示するグラフである。 本発明の第1の実施形態により、第2の被験体(実験5〜15)における、左心室拡張末期圧の関数としての[(駆出間隔)*(平均動脈圧)*(Q−A”max)]を例示するグラフである。 本発明の第1の実施形態により、第2の被験体(実験1〜4)における、左心室拡張末期圧の関数としての[(駆出間隔)*(平均動脈圧)*(Q−A”max)]を例示するグラフである。 本発明の第1の実施形態により、第2の被験体(実験すべて)における、左心室拡張末期圧の関数としての[(駆出間隔)*(平均動脈圧)*(Q−A”max)]を例示するグラフである。 本発明の第1の実施形態により、第1の被験体における、体血管抵抗の関数としての[(平均動脈圧)*(Q−A”max)]を例示するグラフである。 本発明の第1の実施形態により、第2の被験体における、体血管抵抗の関数としての[(平均動脈圧)*(Q−A”max)]を例示するグラフである。 本発明の第2の実施形態により、第1の被験体における、充満期間隔(T−EI)とLVEDPとのS字状関係を例示するグラフである。 本発明の第2の実施形態により、第2の被験体における、充満期間隔(T−EI)とLVEDPとのS字状関係を例示するグラフである。 本発明の第2の実施形態により、第1の被験体のLVEDPを、周期、EI、MAPcおよびQ−A”maxを用いて例示するグラフである。 本発明の第2の実施形態により、第2の被験体のLVEDPを、周期、EI、MAPcおよびQ−A”maxを用いて例示するグラフである。 本発明の第2の実施形態により、第1の被験体における、(T−EI)*MAP*(Q−A”max)とexp(LVEDP)との間の直線的関係を例示するグラフである。 本発明の第2の実施形態により、第2の被験体における、(T−EI)*MAP*(Q−A”max)とexp(LVEDP)との間の直線状関係を例示するグラフである。 本発明の第2の実施形態により、第1の被験体のSVRcを、MAPcおよびQ−A”maxを用いて例示するグラフである。 本発明の第2の実施形態により、第2の被験体のSVRcを、MAPcおよびQ−A”maxを用いて例示するグラフである。 本発明の第2の実施形態による、第1の被験体の侵襲的血行動態ベクトル空間を例示するグラフである。 本発明の第2の実施形態による、第1の被験体の非侵襲的血行動態ベクトル空間を例示するグラフである。 本発明の第2の実施形態による、第2の被験体の侵襲的血行動態ベクトル空間に対する第1の実施形態を例示するグラフである。 本発明の第2の実施形態による、第2の被験体の非侵襲的血行動態ベクトル空間に対する第1の実施形態を例示するグラフである。 本発明の第2の実施形態による、第2の被験体の侵襲的血行動態ベクトル空間に対する第2の実施形態を例示するグラフである。 本発明の第2の実施形態による、第2の被験体の非侵襲的血行動態ベクトル空間に対する第2の実施形態を例示するグラフである。

Claims (64)

  1. 左心室拡張末期圧(LVEDP)、全身血管抵抗(SVR)、及び、左心室圧の最大増加率(dp/dt max)のうちの少なくとも1つからなる心臓パラメータをモニタする系であって、
    被験体から複数の所定の非侵襲的心臓パラメータを非侵襲的に測定するための非侵襲的心臓パラメータ測定ユニット;
    前記非侵襲的心臓パラメータを、1セットの所定の変換式に基づいて複数の侵襲的心臓アナログに変換するために、前記非侵襲的心臓パラメータ測定ユニットに接続された変換ユニット、及び、
    前記変換ユニットに接続されて、血行動態状態を示すベクトルを表示する表示ユニット、
    を含み、
    前記非侵襲的心臓パラメータが、心拍数(HR)、駆出間隔(EI)、平均動脈圧(MAP)、電気機械的間隔(E−M)のうちの少なくとも1つからなり、当該電気機械的間隔(E−M)が、電気的イベント(E)と機械的イベント(M)との間の時間であり、
    前記侵襲的心臓アナログが、前負荷(P)、後負荷(A)、及び、収縮性(C)のうちの少なくとも1つからなり、
    前記ベクトルが、前記侵襲的心臓アナログである、
    系。
  2. 前記非侵襲的心臓パラメータ測定ユニットが、ヒトから前記所定の非侵襲的心臓パラメータを測定する、請求項1に記載の心臓パラメータをモニタする系。
  3. 前記非侵襲的心臓パラメータ測定ユニットが、動物から前記所定の非侵襲的心臓パラメータを測定する、請求項1に記載の心臓パラメータをモニタする系。
  4. 前記非侵襲的心臓パラメータ測定ユニットが、HRとして表される心拍数を測定するための心拍数モニタと、EIとして表される駆出間隔およびE−Mとして表される電気機械的間隔の機械的イベントMを測定するための振動感知装置と、MAPとして表される平均動脈圧を測定するための血圧測定装置と、前記電気機械的間隔の電気的イベントEを測定するための心電計測定装置とをさらに含む、請求項1に記載の心臓パラメータをモニタする系。
  5. 前記振動感知装置が、ドップラー超音波装置および光ファイバ装置の少なくとも一方を含む、請求項4に記載の心臓パラメータをモニタする系。
  6. 前記変換ユニットが、Pとして表される前負荷、Aとして表される後負荷、およびCとして表される収縮性を含む前記所定の侵襲的心臓アナログを出力する、請求項1に記載の心臓パラメータをモニタする系。
  7. 前記変換ユニットが、
    k1、k2、k3、c1、c2およびc3を経験的比例定数とする、
    P=k1(EI*MAP*E−M)+c1、
    A=k2(MAP*E−M)+c2、および
    1n(C)=k3(1/E−M)+c3
    を含む前記所定の変換式に基づいて、前記P、前記Aおよび前記Cを決定する、請求項6に記載の心臓パラメータをモニタする系。
  8. 前記変換ユニットが、
    k1’、k2’、k3’、c1’、c2’およびc3’を前記被験体の特定の一体に対する経験的比例定数とし、Tを前記被験体の前記一体に関する心臓周期の時間長さとする、
    P=kl’((T−EI)*MAP*E−M)+c1’、
    A=k2’(MAP*E−M)+c2’、および
    1n(C)=k3’(1/E−M)+c3’
    を含む前記所定の変換式に基づいて、前記P、前記Aおよび前記Cを決定する、請求項6に記載の心臓パラメータをモニタする系。
  9. 前記変換ユニットが、
    k1’、k2’、k3’、c1’、c2’およびc3’を前記被験体の特定の一体に対する経験的比例定数とし、DIを拡張期充満間隔とし、Tを前記被験体の前記一体に関する心臓周期の時間長さとする、
    P=kl’(DI*MAP*E−M)+c1’、
    A=k2’(MAP*E−M)+c2’、および
    1n(C)=k3’(1/E−M)+c3’
    を含む前記所定の変換式に基づいて、前記P、前記Aおよび前記Cを決定する、請求項6に記載の心臓パラメータをモニタする系。
  10. 前記変換ユニットが、時間に対する二次導関数M”(t)が最大値に到達した時点を決定することにより、前記E−Mの前記機械的イベントMを得る、請求項8に記載の心臓パラメータをモニタする系。
  11. 前記非侵襲的心臓パラメータ測定ユニットが、前記E−M決定時に、Qとして表されるQ波、Rとして表されるR波、Sとして表されるS波、および人工心室ペースメーカースパイクからなる群から選択される電気的イベントを測定する、請求項10に記載の心臓パラメータをモニタする系。
  12. 前記非侵襲的心臓パラメータ測定ユニットが、前記E−M決定時に、心室脱分極V(t)に対応するEKG電圧曲線を時間に対して2回微分し、電気的イベントをV”(t)を正の最大値に到達する時点として定義することにより、前記電気的イベントを測定する、請求項10に記載の心臓パラメータをモニタする系。
  13. 前記非侵襲的心臓パラメータ測定ユニットが、前記E−M決定時に、TAとして表される動脈圧立ち上がり時間、およびTFとして表される血流速度立ち上がり時間の少なくとも一方を含む前記機械的イベントを測定する、請求項11に記載の心臓パラメータをモニタする系。
  14. 前記変換ユニットが、
    k1’、k2’、k3’、c1’、c2’、c3’およびKを前記被験体の特定の一体に対する経験的比例定数とし、Tを前記被験体の前記一体に関する心臓周期の時間長さとする、
    P=kl’((T−EI)*MAP*E−M)+c1’、
    A=k2’*MAP/[K+exp(1/E−M)]+c2’、および
    1n(C)=k3’(1/E−M)+c3’
    を含む前記所定の変換式に基づいて、前記P、前記Aおよび前記Cを決定する、請求項6に記載の心臓パラメータをモニタする系。
  15. 前記Pを示す第1の軸と、前記Aを示す第2の軸と、前記Cを示す第3の軸とで規定される3次元座標空間内に前記侵襲的心臓アナログを表示するために、前記変換ユニットに接続されたディスプレイユニットをさらに含む、請求項1に記載の心臓パラメータをモニタする系。
  16. 前記ディスプレイユニットがさらに、安全な血行動態状態を示す安全領域を規定する3次元オブジェクトを表示する、請求項15に記載の心臓パラメータをモニタする系。
  17. 前記ディスプレイユニットが、前記第1の軸、前記第2の軸、前記第3の軸および前記安全領域をそれぞれ所定のカラーで表示する、請求項16に記載の心臓パラメータをモニタする系。
  18. 前記ディスプレイユニットがさらに、生理的ストレス量を示すベクトル外積を表示する、請求項16に記載の心臓パラメータをモニタする系。
  19. 前記侵襲的心臓アナログに基づいて前記被験体の適合レベルを決定するために、前記変換ユニットに接続された決定ユニットをさらに含む、請求項1に記載の心臓パラメータをモニタする系。
  20. 前記侵襲的心臓アナログに基づいて前記被験体の麻酔薬関連処置の管理を決定するために、前記変換ユニットに接続された決定ユニットをさらに含む、請求項1に記載の心臓パラメータをモニタする系。
  21. 前記侵襲的心臓アナログに基づいて前記被験体の心臓異常状態を決定するために、前記変換ユニットに接続された決定ユニットをさらに含む、請求項1に記載の心臓パラメータをモニタする系。
  22. 前記非侵襲的心臓パラメータを前記侵襲的心臓アナログに変換する前に、前記非侵襲的心臓パラメータを別の箇所にある前記変換ユニットに転送するために、ある1箇所にて前記非侵襲的心臓パラメータ測定ユニットに接続されたデータ通信ユニットをさらに含む、請求項1に記載の心臓パラメータをモニタする系。
  23. 前記データ通信ユニットが、インターネットを介して、前記非侵襲的心臓パラメータを前記変換ユニットに転送する、請求項22に記載の心臓パラメータをモニタする系。
  24. 前記データ通信ユニットが、電気通信を介して、前記非侵襲的心臓パラメータを前記変換ユニットに転送する、請求項22に記載の心臓パラメータをモニタする系。
  25. 前記非侵襲的心臓パラメータ測定ユニットが携帯型である、請求項1に記載の心臓パラメータをモニタする系。
  26. 前記変換ユニットが、前記非侵襲的心臓パラメータ測定ユニットの既存の1つに対して改良されている、請求項1に記載の心臓パラメータをモニタする系。
  27. 侵襲的心臓アナログを生成するために、既存の非侵襲的心臓パラメータ測定装置を改良するための系であって、
    前記既存の非侵襲的心臓モニタ装置から被験体の所定の非侵襲的心臓パラメータを受信するインターフェースユニット;
    前記非侵襲的心臓パラメータを、1セットの所定の変換式に基づいて複数の侵襲的心臓アナログに変換するために、前記インターフェースユニットに接続された変換ユニット、及び、
    前記変換ユニットに接続されて、血行動態状態を示すベクトルを表示する表示ユニット、
    を含み、
    前記非侵襲的心臓パラメータが、心拍数(HR)、駆出間隔(EI)、平均動脈圧(MAP)、電気機械的間隔(E−M)のうちの少なくとも1つからなり、当該電気機械的間隔(E−M)が、電気的イベント(E)と機械的イベント(M)との間の時間であり、
    前記侵襲的心臓アナログが、前負荷(P)、後負荷(A)、及び、収縮性(C)のうちの少なくとも1つからなり、
    前記ベクトルが、前記侵襲的心臓アナログである、
    系。
  28. 前記既存の非侵襲的心臓パラメータ測定装置が、ヒトから前記所定の非侵襲的心臓パラメータを測定する、請求項27に記載の既存の非侵襲的心臓モニタ装置を改良するための系。
  29. 前記既存の非侵襲的心臓パラメータ測定装置が、動物から前記所定の非侵襲的心臓パラメータを測定する、請求項27に記載の既存の非侵襲的心臓モニタ装置を改良するための系。
  30. 前記既存の非侵襲的心臓パラメータ測定ユニットが、HRとして表される心拍数を測定するための心拍数モニタと、EIとして表される駆出間隔およびE−Mとして表される電気機械的間隔の機械的イベントMを測定するための振動感知装置と、MAPとして表される平均動脈圧を測定するための血圧測定装置と、前記電気機械的間隔の電気的イベントEを測定するための心電計測定装置とをさらに含む、請求項27に記載の既存の非侵襲的心臓モニタ装置を改良するための系。
  31. 前記既存の非侵襲的心臓パラメータ測定ユニットが、HRとして表される心拍数を測定するための心拍数モニタと、EIとして表される駆出間隔を測定するための振動感知装置と、E−Mとして表される電気機械的間隔の機械的イベントMを測定するためのプレチスモグラフ装置と、MAPとして表される平均動脈圧を測定するための血圧測定装置と、前記電気機械的間隔の電気的イベントEを測定するための心電計測定装置とをさらに含む、請求項27に記載の既存の非侵襲的心臓モニタ装置を改良するための系。
  32. 前記振動感知装置が、ドップラー超音波装置および光ファイバ装置の少なくとも一方を含む、請求項30に記載の既存の非侵襲的心臓モニタ装置を改良するための系。
  33. 前記変換ユニットが、Pとして表される前負荷、Aとして表される後負荷、およびCとして表される収縮性を含む前記所定の侵襲的心臓アナログを出力する、請求項30に記載の既存の非侵襲的心臓モニタ装置を改良するための系。
  34. 前記変換ユニットが、
    k1、k2、k3、c1、c2およびc3を経験的比例定数とする、
    P=k1(EI*MAP*E−M)+c1、
    A=k2(MAP*E−M)+c2、および
    1n(C)=k3(1/E−M)+c3
    を含む前記所定の変換式に基づいて、前記P、前記Aおよび前記Cを決定する、請求項33に記載の既存の非侵襲的心臓モニタ装置を改良するための系。
  35. 前記変換ユニットが、k1’、k2’、k3’、c1’、c2’およびc3’を前記被験体の特定の一体に対する経験的比例定数とし、Tを前記被験体の前記一体に関する心臓周期の時間長さとする、
    P=kl’((T−EI)*MAP*E−M)+c1’、
    A=k2’(MAP*E−M)+c2’、および
    1n(C)=k3’(1/E−M)+c3’
    を含む前記所定の変換式に基づいて、前記P、前記Aおよび前記Cを決定する、請求項33に記載の既存の非侵襲的心臓モニタ装置を改良するための系。
  36. 前記変換ユニットが、
    k1’、k2’、k3’、c1’、c2’およびc3’を前記被験体の特定の一体に対する経験的比例定数とし、DIを拡張期充満間隔とし、Tを前記被験体の前記一体に関する心臓周期の時間長さとする、
    P=kl’(DI*MAP*E−M)+c1’、
    A=k2’(MAP*E−M)+c2’、および
    1n(C)=k3’(1/E−M)+c3’
    を含む前記所定の変換式に基づいて、前記P、前記Aおよび前記Cを決定する、請求項33に記載の既存の非侵襲的心臓モニタ装置を改良するための系。
  37. 前記E−Mの前記Mが、時間に対する二次導関数M”(t)が最大値に到達した時点として定義される、請求項35に記載の既存の非侵襲的心臓モニタ装置を改良するための系。
  38. 前記非侵襲的心臓パラメータ測定ユニットが、前記E−M決定時に、Qとして表されるQ波、Rとして表されるR波、Sとして表されるS波、および人工心室ペースメーカースパイクからなる群から選択される電気的イベントを測定する、請求項37に記載の既存の非侵襲的心臓モニタ装置を改良するための系。
  39. 前記非侵襲的心臓パラメータ測定ユニットが、前記E−M間隔決定時に、心室脱分極V(t)に対応するEKG電圧曲線を時間に対して2回微分し、電気的イベントをV”(t)を正の最大値に到達する時点として定義することにより、前記電気的イベントを測定する、請求項37に記載の既存の非侵襲的心臓モニタ装置を改良するための系。
  40. 前記非侵襲的心臓パラメータ測定ユニットが、前記E−M決定時に、TAとして表される動脈圧立ち上がり時間、およびTFとして表される血流速度立ち上がり時間からなる群から選択される前記機械的イベントを測定する、請求項37に記載の既存の非侵襲的心臓モニタ装置を改良するための系。
  41. 前記変換ユニットが、
    k1’、k2’、k3’、c1’、c2’、c3’およびKを前記被験体の特定の一体に対する経験的比例定数とし、Tを前記被験体の前記一体に関する心臓周期の時間長さとする、
    P=kl’((T−EI)*MAP*E−M)+c1’、
    A=k2’*MAP/[K+exp(1/E−M)]+c2’、および
    1n(C)=k3’(1/E−M)+c3’
    を含む前記所定の変換式に基づいて、前記P、前記Aおよび前記Cを決定する、請求項33に記載の既存の非侵襲的心臓モニタ装置を改良するための系。
  42. 前記Pを示す第1の軸と、前記Aを示す第2の軸と、前記Cを示す第3の軸とで規定される3次元座標空間内に前記侵襲的心臓アナログを表示するために、前記変換ユニットに接続されたディスプレイユニットをさらに含む、請求項27に記載の既存の非侵襲的心臓モニタ装置を改良するための系。
  43. 前記ディスプレイユニットがさらに、安全な血行動態状態を示す安全領域を規定する3次元オブジェクトを表示する、請求項42に記載の既存の非侵襲的心臓モニタ装置を改良するための系。
  44. 前記ディスプレイユニットが、前記第1の軸、前記第2の軸、前記第3の軸および前記安全領域をそれぞれ所定のカラーで表示する、請求項43に記載の既存の非侵襲的心臓モニタ装置を改良するための系。
  45. 前記ディスプレイユニットがさらに、生理的ストレスの量を示すベクトル外積を表示す
    る、請求項43に記載の既存の非侵襲的心臓モニタ装置を改良するための系。
  46. 前記侵襲的心臓アナログに基づいて前記被験体の適合レベルを決定するために、前記変換ユニットに接続された決定ユニットをさらに含む、請求項27に記載の既存の非侵襲的心臓モニタ装置を改良するための系。
  47. 前記侵襲的心臓アナログに基づいて前記被験体の麻酔薬関連処置の管理を決定するために、前記変換ユニットに接続された決定ユニットをさらに含む、請求項27に記載の既存の非侵襲的心臓モニタ装置を改良するための系。
  48. 前記侵襲的心臓アナログに基づいて前記被験体の心臓の異常状態を決定するために、前記変換ユニットに接続された決定ユニットをさらに含む、請求項27に記載の既存の非侵襲的心臓モニタ装置を改良するための系。
  49. 前記非侵襲的心臓パラメータを前記侵襲的心臓アナログに変換する前に、前記非侵襲的心臓パラメータを別の箇所にある前記インターフェースユニットに転送するために、ある1箇所にて前記既存の非侵襲的心臓パラメータ測定装置に接続されたデータ通信ユニットをさらに含む、請求項27に記載の既存の非侵襲的心臓モニタ装置を改良するための系。
  50. 前記データ通信ユニットが、インターネットを介して、前記非侵襲的心臓パラメータを前記インターフェースユニットに転送する、請求項49に記載の既存の非侵襲的心臓モニタ装置を改良するための系。
  51. 前記データ通信ユニットが、電気通信を介して、前記非侵襲的心臓パラメータを前記インターフェースユニットに転送する、請求項49に記載の既存の非侵襲的心臓モニタ装置を改良するための系。
  52. 前記既存の非侵襲的心臓モニタ装置がすべて携帯型である、請求項27に記載の既存の非侵襲的心臓モニタ装置を改良するための系。
  53. 患者の心収縮性を決定する系であって、
    所定電波を有する前記患者の心電計を非侵襲的に測定するための心電計ユニット;
    前記患者の動脈圧を時間に対して非侵襲的に測定するための動脈圧測定ユニット;
    前記所定電波に基づいて所定心臓周期内の最小値を有する第1のポイントを決定し、前記前記患者の動脈圧に基づいて、所定生理機能の時間に対する二次導関数が最大値に到達する、前記所定心臓周期内の第2のポイントを決定するために、前記心電計ユニットおよび前記動脈圧測定ユニットに接続された決定ユニットであって、前記第1のポイントおよび第2のポイントに基づいて、前記心収縮性を得る決定ユニット、及び、
    前記決定ユニットに接続されて、血行動態状態を示すベクトルを表示する表示ユニット、
    を含み、
    前記ベクトルが、前負荷(P)、後負荷(A)、及び、収縮性(C)のうちの少なくとも1つからなる、
    系。
  54. 前記所定電波が、Qとして表されるQ波、Rとして表されるR波、Sとして表されるS波、および人工心室ペースメーカースパイクからなる群から選択される、請求項53に記載の患者の心収縮性を決定する系。
  55. 前記E−M間隔を決定する前記電気的イベントが、心室脱分極V(t)に対応するEKG電圧曲線を時間に対して2回微分し、前記電気的イベントをV”(t)が正の最大値に到達する時点として定義することにより決定される、請求項53に記載の患者の心収縮性を決定する系。
  56. 改良された心収縮性測定値が、前記第1のポイントと前記第2のポイントとの間の時間間隔の逆数の指数関数に比例しているものとしてさらに定義される請求項54に記載の患者の心収縮性を決定する系。
  57. 虚血イベントをモニタする系であって、
    被験体から複数の所定の非侵襲的心臓パラメータを非侵襲的に測定するための測定ユニット;
    前記非侵襲的心臓パラメータを、所定変換式に基づいて、虚血イベントを示す単一侵襲的心臓アナログに変換するために、前記測定ユニットに接続された変換ユニット、及び、
    前記変換ユニットに接続されて、血行動態状態を示すベクトルを表示する表示ユニット、
    を含み、
    前記非侵襲的心臓パラメータが、心拍数(HR)、駆出間隔(EI)、平均動脈圧(MAP)、電気機械的間隔(E−M)のうちの少なくとも1つからなり、当該電気機械的間隔(E−M)が、電気的イベント(E)と機械的イベント(M)との間の時間であり、
    前記侵襲的心臓アナログが、前負荷(P)、後負荷(A)、及び、収縮性(C)のうちの少なくとも1つからなり、
    前記ベクトルが、前記侵襲的心臓アナログである、
    系。
  58. 前記被験体がヒトである、請求項57に記載の虚血イベントをモニタする系。
  59. 前記被験体が動物である、請求項57に記載の虚血イベントをモニタする系。
  60. 前記測定ユニットが、HRとして表される心拍数と、EIとして表される駆出間隔と、MAPとして表される平均動脈圧と、E−Mとして表される電気機械的間隔とを含む前記所定の非侵襲的心臓パラメータを測定する、請求項57に記載の虚血イベントをモニタする系。
  61. 前記所定の変換式が、Tを心拍数HRから得られる心臓周期とし、A3およびA4を経験的比例定数とする、CP=A3*[EI/(T−EI)]*[exp(1/E−M)/(MAP*E−M)]+A4を含み、前記E−Mの前記Mがさらに、時間に対する前記Mの二次導関数M”(t)が最大値に到達した時点として定義される、請求項60に記載の虚血イベントをモニタする系。
  62. 前記E−Mを決定する電気的イベントが、Qとして表されるQ波、Rとして表されるR波、Sとして表されるS波、および人工心室ペースメーカースパイクからなる群から選択される、請求項61に記載の虚血イベントをモニタする系。
  63. 前記E−M間隔を決定する前記電気的イベントが、心室脱分極V(t)に対応するEKG電圧曲線を時間に対して2回微分し、前記電気的イベントをV”(t)が正の最大値に到達する時点として定義することにより決定される、請求項61に記載の虚血イベントをモニタする系。
  64. 前記機械的イベントが、TAとして表される動脈圧立ち上がり時間、TFとして表される血流速度立ち上がり時間、およびTOPとして表されるプレチスモグラフ立ち上がり時間からなる群から選択される、請求項62に記載の虚血イベントをモニタする系。
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