JP4524069B2 - マイクロカプセルの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジカル重合によりカプセル壁が形成されるマイクロカプセルの製造方法、およびそれにより製造されるマイクロカプセル、およびそれを用いた表示媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
マイクロカプセルは感圧記録紙や感熱記録紙などの記録材料、農薬、医薬、香料、液晶、接着剤など多くの分野で用いられている。その製法についても多くの方法が提案されており、代表的なマイクロカプセル化法としては、コアセルベーション法、界面重合法、in−situ重合法などが知られている。
【0003】
なかでもin−situラジカル重合反応によりマイクロカプセル壁を形成させる方法は、粒径、カプセル壁の厚さを制御し易いうえ、カプセル形成反応も容易に行えるため有用な手法として用いられてきた。さらに、カプセル化の材料種も多いため、カプセル壁の性質を所望の用途に応じて自在に制御できるという優れた特徴を有している。
【0004】
一般的には、in−situラジカル重合法では、分散質相に重合開始剤およびモノマーを存在させ、加熱によりラジカル重合反応を開始させてカプセル壁を形成させるというプロセスをとっている。この方法ではカプセル内に重合開始剤およびモノマーが残存するため、マイクロカプセル内包物に対する影響が大きく、顕著な場合、ゲル化により内包物を固定化してしまうなどマイクロカプセルの機能を低下させるという問題を有していた。
【0005】
この問題を解決させる方法として、水溶性還元剤および非水溶性酸化剤、または水溶性酸化剤および非水溶性還元剤、を組み合わせてレドックス開始剤として用いることにより、カプセル内部および外部のゲル化を抑制し、カプセルの収率向上、カプセル粒径および厚みの制御を可能にできるというin−situラジカル重合法が知られている(特許文献1)。しかしながら、この手法においてもカプセル内部にモノマー、および開始剤成分である還元剤もしくは酸化剤のいずれかが残存するため、未だ内部ゲル化の問題が完全に解消されていなかった。
【0006】
また近年、情報機器の発展に伴い、各種情報のデータ量は拡大の一途をたどり、情報の出力も様々な形態をとっている。情報出力の形態は一般的にブラウン管や液晶を用いたディスプレイ画面に表示されるが、これらディスプレイにおいては、携帯性や低電力性などが求められており、新規ディスプレイの開発が盛んに行われている。このような新規ディスプレイとして、電気泳動性の粒子を、該粒子とは異なる色調に着色された分散媒に分散した分散系をマイクロカプセルに封入し、これらマイクロカプセルを電極間に配装する構成の電気泳動表示装置が提案されている(例えば、特許文献2〜4。)。
【0007】
この方法は、液晶ディスプレイのようにバックライトを必要としない反射型ディスプレイであるため利用者の目の負担が軽減される、見る角度を変えても見えにくくなるということがない、応答時間が比較的早く書き換えも可能である、さらには電圧をかけることにより電極上に移動した電気泳動性粒子は電圧を取り除いても長期にわたってその状態を維持するメモリー性を有しているため、ある表示を保持する時間は電力を必要としないなどの、表示装置としての優れた性能が期待されている。
【0008】
電気泳動性粒子を内包したマイクロカプセルの製造方法としては、前述したように一般的なマイクロカプセル化方法を用いて行うことが開示されている。なかでもin−situラジカル重合法は、プロセスが簡単なうえ、粒径、カプセル壁の厚さおよび性質を自在に制御できるため、所望の表示能および機械的耐性を実現するのに適した手法であるものの、カプセル内部のモノマーおよび開始剤成分の残存により内部ゲル化の問題を有するため、電気泳動性粒子への影響が大きく、表示能を大きく低下させるという問題を有していた。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−165802号公報
【特許文献2】
特開平1−86116号公報
【特許文献3】
米国特許第6,241,921号明細書
【特許文献4】
米国特許第6,262,706号明細書
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、ラジカル重合によりカプセル壁が形成される方法であって、カプセル内部に開始剤およびモノマーのいずれか一方を残存させないマイクロカプセルの製造方法、該マイクロカプセル、および該マイクロカプセルを用いた可逆表示媒体を提供することである。
【0011】
本製造方法を用いることにより、カプセル内部に残存するのは開始剤のみ、もしくはモノマーのみとなり、カプセル内部でのゲル化を防止することができるため、内包物への影響が小さく、マイクロカプセルとしての機能低下を防ぐことが可能となる。また、特に電気泳動表示装置として応用したとき、内包する電気泳動粒子への影響を抑えることができるため、良好な表示能を実現することが可能となる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意検討の結果、ラジカル重合によりマイクロカプセルを製造する方法において、モノマーとして水溶性モノマーを用いることにより上記課題を解決できることを見出した。
【0013】
すなわち、本発明は、ラジカル重合開始剤として油溶性開始剤(C)を用いあらかじめ油溶性溶媒(A)に溶解、ラジカル重合性のモノマーとして水溶性モノマー(D)を用い水溶性溶媒(B)に溶解し、油溶性溶媒(A)を水溶性溶媒(B)中に分散、もしくは水溶性溶媒(B)を油溶性溶媒(A)中に分散したのち、ラジカル重合させてカプセル壁を形成するマイクロカプセルの製造方法に関する。
また、本発明は、カプセル壁内に油溶性溶媒(A)を内包する上記マイクロカプセルの製造方法に関する。
また、本発明は、さらに、カプセル壁内に電気泳動性粒子(E)を内包する上記マイクロカプセルの製造方法に関する。
また、本発明は、水溶性モノマー(D)の水への溶解度が、20℃において1重量%以上である上記マイクロカプセルの製造方法に関する。
また、本発明は、上記製造方法で製造されてなるマイクロカプセルに関する。また、本発明は、上記マイクロカプセルを、少なくとも一方が透明な2枚の対向する電極に挟んでなる可逆表示媒体に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のマイクロカプセルの製造方法は、ラジカル重合性のモノマーとラジカル重合開始剤を用いたラジカル重合反応により行われ、分散質と分散媒の界面に重合生成物をカプセル壁として析出させることにより、分散質を内包するマイクロカプセルが製造される。このとき分散媒と分散質は互いに相分離する溶媒を用いることができるが、他方に油溶性溶媒(A)を用いたとき、もう一方は水溶性溶媒(B)を用いることができる。ラジカル重合開始剤として油溶性開始剤(C)を用いあらかじめ油溶性溶媒(A)に溶解、ラジカル重合性のモノマーとして水溶性モノマー(D)を用い水溶性溶媒(B)に溶解し、油溶性溶媒(A)を水溶性溶媒(B)中に分散、もしくは水溶性溶媒(B)を油溶性溶媒(A)中に分散したのち、ラジカル重合反応を進行させることによりカプセル壁を形成、マイクロカプセルを製造することができる。
【0015】
以下に本発明について詳細に説明する。本発明で用いられる油溶性溶媒(A)としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、フェニルキシリルエタン、ジイソプロピルナフタレン、ナフテン系炭化水素等の芳香族炭化水素類、
【0016】
ヘキサン、ドデシルベンゼン、シクロヘキサン、ケロシン、パラフィン系炭化水素等の脂肪族炭化水素類、
【0017】
クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ジクロロメタン、臭化エチル等のハロゲン化炭化水素類、
【0018】
リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリシクロヘキシル等のリン酸エステル類、
【0019】
フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジラウリル、フタル酸ジシクロヘキシル等のフタル酸エステル類、オレイン酸ブチル、ジエチレングリコールジベンゾエート、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、トリメリット酸トリオクチル、クエン酸アセチルトリエチル、マレイン酸オクチル、マレイン酸ジブチル、酢酸エチル等のカルボン酸エステル類、
【0020】
イソプロピルビフェニル、イソアミルビフェニル、塩素化パラフィン、ジイソプロピルナフタレン、1,1−ジトリルエタン、1,2−ジトリルエタン、2,4−ジターシャリアミノフェノール、N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−ターシャリオクチルアニリン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの有機溶媒はそれぞれ単独で、又は2種類以上を混合して用いることができる。
【0021】
本発明で用いられる水溶性溶媒(B)としては、水などの油溶性溶媒(A)と相溶しない溶媒を用いることができる。メタノール、アセトン、アセトニトリル等の有機溶媒も使用することができるが油溶性溶媒(A)と相溶しないものを選択しなければならない。水溶性溶媒(B)はこれらに限定されるものではなく、それぞれ単独で、又は2種類以上を混合して用いることができる。
【0022】
また、分散媒中における分散質の分散状態を安定化するために界面活性剤を使用することができる。界面活性剤としては、分散媒に対して溶解又は分散状態に混ざり合うことのできるノニオン(非イオン)系界面活性剤及びアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性系界面活性剤のイオン系界面活性剤を単独又は、2種以上混合して用いることができる。また、分子中にラジカル重合性の不飽和二重結合を1個以上有する反応性界面活性剤も使用することができる。
【0023】
これらの界面活性剤としてノニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンジノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェノール、ポリオキシポリオキシエチレンビスフェノールA、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ノニルフェノールエトキシレート等のポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル類。
ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシアルキレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシプロピレンエーテル等のポリオキシアルキレンエーテル類。
【0024】
モノオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、ジオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、トリオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、モノオール系ブロックタイプのポリアルキレングリコール、ジオール系ブロックタイプのポリアルキレングリコール、ランダムタイプのポリアルキレングリコール等のグリコール類。
【0025】
オクチルフェノールエトキシレート、オレイルアルコールエトキシレート、ラウリルアルコールエトキシレート等の第1級直鎖アルコールエトキシレート及び、第2級直鎖アルコールエトキシレート、多核フェノールエトキシレート等のアルキルアルコールエーテル類。
ポリオキシエチレンロジンエステル、ポリオキシエチレンラウリルエステル、ポリオキシエチレンオレイルエステル、ポリオキシエチレンステアリルエステル等のポリオキシアルキレンアルキルエステル類。
【0026】
ソルビタンモノラウレイト、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジラウレイト、ソルビタンジパルミテート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンセスキラウレイト、ソルビタンセスキパルミテート、ソルビタンセスキステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類。
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンジラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンジパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンジステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンセスキラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンセスキパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンセスキステアレート等のポリオキシエチレンソルビタンエステル類。
【0027】
飽和脂肪酸メチルエステル、不飽和脂肪酸メチルエステル、飽和脂肪酸ブチルエステル、不飽和脂肪酸ブチルエステル、飽和脂肪酸ステアリルエステル、不飽和脂肪酸ステアリルエステル、飽和脂肪酸オクチルエステル、不飽和脂肪酸オクチルエステル、ステアリン酸ポリエチレングリコールエステル、オレイン酸ポリエチレングリコールエステル、ロジンポリエチレングリコールエステル等の脂肪酸エステル類。ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸等の脂肪酸類及び、これら脂肪酸のアミド化化合物類。ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアミン類。
【0028】
ラウリル酸モノエタノールアミド、椰子脂肪酸ジエタノールアミド等の高級脂肪酸モノエタノールアミド類、高級脂肪酸ジエタノールアミド類、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ヤシジエタノールアミド(1−2型/1−1型)、アルキルアルキロールアミド等のアミド化合物類及び、アルカノールアミド類。R−(CH2CH2O)mH(CH2CH2O)nH、R−NH−C36−NH2〔R=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクラデシル・ヤシ・牛脂・大豆等、mおよびnは、0以上の整数。〕で表されるアルカノールアミン類。
【0029】
R−NH2〔R=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクラデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表される1級アミン類。R12−NH〔R1・R2=R=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクラデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表される2級アミン類。R123N〔R1・R2・R3=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクラデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表される3級アミン類。各種合成系高級アルコール類及び、各種天然系高級アルコール類。アクリル酸系化合物、ポリカルボン酸系化合物、ヒドロキシ脂肪酸オリゴマー、ヒドロキシ脂肪酸オリゴマー変成物等の高分子類及び、オリゴマー類を使用することができる。
【0030】
アニオン系界面活性剤としては、例えばポリカルボン酸型高分子活性剤、ポリカルボン酸型陰イオン活性剤、特殊脂肪酸石鹸、ロジン石鹸等のカルボン酸塩類。ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコールの硫酸エステルNa塩、ラウリルアルコールの硫酸エステルアミン塩、天然アルコール硫酸エステルNa塩、高級アルコール硫酸エステルNa塩等のアルコール系硫酸エステル塩類及び、ラウリルアルコールエーテルの硫酸エステルアミン塩、ラウリルアルコールエーテルの硫酸エステルNa塩、合成高級アルコールエーテルの硫酸エステルアミン塩、合成高級アルコールエーテルの硫酸エステルNa塩、アルキルポリエーテル硫酸エステルアミン塩、アルキルポリエーテル硫酸エステルNa塩、天然アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、天然アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、合成アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、合成アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、アルキルフェノールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、アルキルフェノールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルアミン塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルNa塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステルアミン塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステルNa塩等の硫酸エステル塩類。各種アルキルアリルスルホン酸アミン塩、各種アルキルアリルスルホン酸Na塩、ナフタレンスルホン酸アミン塩、ナフタレンスルホン酸Na塩、各種アルキルベンゼンスルホン酸アミン塩、各種アルキルベンゼンスルホン酸Na塩、ナフタレンスルホン酸縮合物、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物等のスルホン酸塩類。
【0031】
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレン特殊アリルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレン特殊アリルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレントリデシルフェニルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレントリデシルフェニルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸Na塩等のポリオキシアルキレン系スルホン酸塩類。ジアルキルスルホサクシネートアミン塩、ジアルキルスルホサクシネートNa塩、多環フェニルポリエトキシスルホサクシネートアミン塩、多環フェニルポリエトキシスルホサクシネートNa塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホ琥珀酸モノエステルアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホ琥珀酸モノエステルNa塩等のスルホ琥珀酸エステル塩類。アルキルリン酸エステル、アルコキシアルキルリン酸エステル、高級アルコールリン酸エステル、高級アルコールリン酸塩、アルキルフェノール型リン酸エステル、芳香族リン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリルエーテルリン酸エステル等のリン酸エステル類及び、リン酸塩類を使用することができる。
【0032】
カチオン系界面活性剤としては、例えばR−N(CH3)3X〔R=ステアリル・セチル・ラウリル・オレイル・ドデシル・ヤシ・大豆・牛脂等/X=ハロゲン・アミン等〕で表されるアルキルトリメチルアミン系4級アンモニウム塩類。テトラメチルアミン系塩、テトラブチルアミン塩等の4級アンモニウム塩類。(RNH3)(CH3COO)〔R=ステアリル・セチル・ラウリル・オレイル・ドデシル・ヤシ・大豆・牛脂等〕で表される酢酸塩類。ラウリルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン・アミン塩等)、ステアリルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン・アミン塩等)、ドデシルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン・アミン塩等)等のベンジルアミン系4級アンモニウム塩類。R(CH3)N(C24O)mH(C24O)n・X〔R=ステアリル・セチル・ラウリル・オレイル・ドデシル・ヤシ・大豆・牛脂等/X=ハロゲン・アミン等、mおよびnは、0以上の整数〕で表されるポリオキシアルキレン系4級アンモニウム塩類を使用することができる。
【0033】
両性系界面活性剤としては、例えば各種ベタイン型界面活性剤、各種イミダゾリン系界面活性剤、β−アラニン型界面活性剤、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン塩酸塩等を使用することができる。またその他の各種保護コロイド剤を用いることができる。
【0034】
また反応性界面活性剤としては、例えばスルフォン酸塩系(市販品としては、例えば花王株式会社製ラテムルS−120,S−180P,S−180A,三洋化成株式会社製エレミノールJS−2,RS−30等)やアルキルフェノールエーテル系(市販品としては、例えば第一工業製薬株式会社製アクアロンHS−10,RN−20等)を使用することができる。
【0035】
界面活性剤としてより好ましくは、不飽和二重結合を含有する反応性界面活性剤である。不飽和二重結合を含有することで、界面活性剤もラジカル重合によりカプセル壁に固定化されるため、より強固なマイクロカプセルを形成させることができるため好ましい。
【0036】
また、界面活性剤として、例えば、水溶性アクリル樹脂、水溶性ポリウレタン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性エポキシ樹脂等が挙げられる。さらに、それぞれの樹脂骨格に不飽和二重結合を含有される様、モノマーを選択して合成、あるいは変性すれば反応性界面活性剤として用いることができ、より好ましい。また、マレイン酸共重合物(スチレン、エチレン、プロピレン、メチルビニルエーテル、酢酸ビニル、イソブチレン、ブタジエン等とマレイン酸との共重合物等)、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、アラビアゴム澱粉誘導体、ポリビニルアルコール等も界面活性剤として利用することができる。
【0037】
さらに、乳化状態をコントロールするために他の非イオン性界面活性剤やイオン性界面活性剤や無機微粒子としては、例えば、タルク、ベントナイト、有機ベントナイト、ホワイトカーボン、コロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、微粒子シリカ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等を併用することができる。
【0038】
本発明で用いられる油溶性開始剤(C)として、油溶性で加熱によりラジカルを発生させることができる化合物を用いることができる。具体的には、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−m−トルオイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート等の有機過酸化物、
【0039】
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス{N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド}、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等のアゾ化合物等を用いることができるがこれらに限定されるものではない。また、これらの油溶性開始剤(C)はそれぞれ単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0040】
本発明で用いられる水溶性モノマー(D)として、水溶性で不飽和二重結合を有する化合物を用いることができる。具体的には、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アミノアルコキシアルキル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合物、
【0041】
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物、
【0042】
(メタ)アクリロニトリル、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド等を用いることができるがこれらに限定されるものではない。さらに水溶性モノマー(D)として、グリセリルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2つ以上の不飽和二重結合を有する化合物を使用することができる。また、これらの水溶性モノマー(D)はそれぞれ単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0043】
本発明で用いられる水溶性モノマー(D)として、20℃における水への溶解度が1%重量以上であるものが好ましい。さらに好ましくは3重量%以上である。このような水溶性モノマー(D)を用いることにより、水溶性溶媒(B)中のモノマー濃度を高濃度にでき、カプセル壁の形成反応をより効率的に行うことができるため好ましい。
【0044】
また分子量調整のために連鎖移動剤として、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸メトキシブチル、メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカプトプロピオン酸メトキシブチル、ステアリルメルカプタン等のメルカプタン類、α−メチルスチレンダイマーなどを使用することができる。
【0045】
本発明のマイクロカプセルを電気泳動表示装置として応用するには、カプセル内に電気泳動性粒子(E)を存在させる必要がある。あらかじめ電気泳動性粒子(E)を分散質に分散させておいて、さらに分散質を分散媒に分散し、ラジカル重合反応を行うことにより、電気泳動性粒子(E)を内包したマイクロカプセルを製造することができる。
【0046】
用いられる電気泳動性粒子(E)としては、無機顔料粒子、有機顔料粒子を用いることができる。無機顔料粒子としては、例えば鉛白、亜鉛華、リトポン、二酸化チタン、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、カオリン、雲母、硫酸バリウム、グロスホワイト、アルミナホワイト、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、カドミウムイエロー、カドミウムリポトンイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、チタンバリウムイエロー、カドミウムオレンジ、カドミウムリポトンオレンジ、モリブデートオレンジ、ベンガラ、鉛丹、銀朱、カドミウムレッド、カドミウムリポトンレッド、アンバー、褐色酸化鉄、亜鉛鉄クロムブラウン、クロムグリーン、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、チタンコバルトグリーン、紺青、コバルトブルー、群青、セルリアンブルー、コバルトアルミニウムクロムブルー、コバルトバイオレット、ミネラルバイオレット、カーボンブラック、鉄黒、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅クロムブラック、銅クロムマンガンブラック、チタンブラック、アルミニウム粉、銅粉、鉛粉、鈴粉、亜鉛粉等を使用することができる。
【0047】
また、有機顔料粒子としては、例えばファストイエロー、ジスアゾイエロー、縮合アゾイエロー、アントラピリミジンイエロー、イソインドリンイエロー、銅アゾメチンイエロー、キノフタロインイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、ニッケルジオキシムイエロー、モノアゾイエローレーキ、ジニトロアニリンオレンジ、ピラゾロンオレンジ、ペリノンオレンジ、ナフトールレッド、トルイジンレッド、パーマネントカーミン、ブリリアントファストスカーレット、ピラゾロンレッド、ローダミン6Gレーキ、パーマネントレッド、リソールレッド、ボンレーキレッド、レーキレッド、ブリリアントカーミン、ボルドー10B、ナフトールレッド、キナクリドンマゼンタ、縮合アゾレッド、ナフトールカーミン、ペリレンスカーレッド、縮合アゾスカーレッド、ベンズイミダゾロンカーミン、アントラキノニルレッド、ペリレンレッド、ペリレンマルーン、キナクリドンマルーン、キナクリドンスカーレッド、キナクリドンレッド、ジケトピロロピロールレッド、ベンズイミダゾロンブラウン、フタロシアニングリーン、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、アルカリブルートーナー、インダントロンブルー、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットレーキ、ジオキサジンバイオレット、ナフトールバイオレット等を使用することができる。
【0048】
また、電気泳動性粒子(E)として、高分子微粒子を使用することができる。高分子微粒子としては、従来公知の方法で製造することが可能であり、例えば、乳化重合を利用した方法、シード乳化重合法、ソープフリー重合法、分散重合法、懸濁重合法等があげられるが、これらの方法によって作製されたものに限定されるものではない。
【0049】
高分子微粒子の材料としては、例えばスチレン系、スチレン−アクリル系、スチレン−イソプレン系、ジビニルベンゼン系、メチルメタクリレート系、メタクリレート系、エチルメタクリレート系、エチルアクリレート系、n−ブチルアクリレート系、アクリル酸系、アクリロニトリル系、アクリルゴム−メタクリレート系、エチレン系、エチレン−アクリル酸系、ナイロン系、シリコーン系、ウレタン系、メラミン系、ベンゾグアナミン系、フェノール系、フッソ(テトラクロロエチレン)系、塩化ビニリデン系、4級ピリジニウム塩系、合成ゴム、セルロース、酢酸セルロース、キトサン、アルギン酸カルシウム等があげられるが、これらのポリマー材料に限定されるものではない。また、本発明で用いる上記の高分子微粒子は必要に応じて染料により染色されているか、または顔料粒子を含有させることにより着色して用いることも可能である。
【0050】
また、これらの顔料成分は、顔料単独の微粒子としてだけでなく、各種表面処理した状態でも用いることが好ましい。この場合の表面処理の方法としては、顔料粒子に対して通常行われる各種の方法を適用することができ、例えば、ポリマーをはじめとする各種化合物を顔料表面にコーティングしたもの、チタネート系・シラン系等の各種カップリング剤によるカップリング処理したもの、グラフト重合処理したもの等があげられる。また、これらの顔料粒子は、メカノケミカル的な処理を施した状態でも用いることが可能であり、顔料粒子相互、又はポリマー粒子・中空ポリマー粒子との間で形成された複合粒子、さらに、各種樹脂との間で形成された複合粒子等の形態としても用いることが可能である。
【0051】
これらの電気泳動性粒子の粒子径は、好ましくは0.01〜10μm、より好ましくは0.05〜5μmの物であるが、これらの粒子径に限定されるものではない。
【0052】
また、本発明のマイクロカプセルに内包される分散質の中には、電気泳動性粒子(E)の分散性を高めたり、帯電量を制御する目的で、添加剤を1種類以上含有させることが好ましい。これらの添加剤としては、前記の界面活性剤と同様のものを用いることができ、分散質に対して溶解又は分散状態に混ざり合うことのできるものが好ましい。
【0053】
電気泳動表示装置としてマイクロカプセルを用いるときには、分散質溶液の電導度が0〜20pS/cmになるように、電気泳動粒子(E)や添加剤の種類や量を調整して含有させることが好ましい。
【0054】
次に本発明に用いられるマイクロカプセルの代表的な合成方法を示す。界面活性剤を含む分散媒溶液を調製する。界面活性剤は、好ましくは分散媒100重量部に対して、0.2〜10重量部用い、より好ましくは0.5〜5重量部用いる。分散媒が油溶性溶媒(A)である場合には分散媒溶液に油溶性開始剤(C)を、分散媒が水溶性溶媒(B)である場合には分散媒溶液に水溶性モノマー(D)を含有させておく。油溶性開始剤(C)は、好ましくは分散媒100重量部に対して、0.02〜1重量部用い、より好ましくは0.05〜0.5重量部用いる。水溶性モノマー(D)は、好ましくは分散媒100重量部に対して、2〜100重量部用い、より好ましくは5〜50重量部用いる。
【0055】
次に、分散質溶液を調整する。分散質が油溶性溶媒(A)である場合には分散質溶液に油溶性開始剤(C)を、分散質が水溶性溶媒(B)である場合には分散質溶液に水溶性モノマー(D)を含有させておく。分散質は、好ましくは分散媒100重量部に対して、2〜100重量部用い、より好ましくは5〜50重量部用いる。分散質溶液に含有させる油溶性開始剤(C)もしくは水溶性モノマー(D)の好ましい量は、分散媒溶液の場合と同量である。また、電気泳動表示装置としての使用を目的としてマイクロカプセルを形成させる場合には、電気泳動性粒子(E)を分散質溶液に含有させておく。電気泳動性粒子(E)は、好ましくは疎水性分散液100重量部用に対して、0.1〜20重量部用い、より好ましくは、1〜10重量部用いる。
【0056】
次に、窒素雰囲気下において、分散質溶液を分散媒溶液に攪拌下滴下し、得られた分散液を所定の温度まで加熱して、ラジカル重合反応を進行させることにより目的のマイクロカプセルを得る。
【0057】
さらに、本発明においては、電気泳動性粒子(E)を含有したマイクロカプセルを用いて、電界応答性の可逆的表示方法が提供されるが、これらの電気泳動表示媒体の形態としては、例えば、少なくとも一方が透明である一対の基板のうち、少なくとも一方の基板が片面に電極を有しており、該電極面が一方の基板とスペーサーを介して/又は、介さないで対向配置することで形成された空間に本発明の電気泳動性粒子(E)内包マイクロカプセルを充填した電気泳動性可逆表示媒体が挙げられる。あるいは、少なくとも一方が透明である一対の基板のうち、少なくとも一方の基板が片面に電極を有しており、該電極面が一方の基板とスペーサーを介して/又は、介さないで対向配置することで形成された空間をマトリックス材料によって不連続に分割し、本発明の電気泳動性粒子(E)内包マイクロカプセルを充填した電気泳動性可逆表示媒体が挙げられる。あるいは、片面に電極を有している透明又は不透明な基板の電極面側に本発明の電気泳動性粒子(E)内包マイクロカプセルとマトリックス材料からなる塗工層を形成した電気泳動性可逆表示媒体を用いることができる。あるいは、片面に電極を有している透明又は不透明な基板の電極面側に本発明の電気泳動性粒子(E)内包マイクロカプセルとマトリックス材料からなる塗工層を形成し、該塗工層上にオーバーコート層を設けた電気泳動性可逆表示媒体等が挙げられる。尚、本発明における基板とは、電極面を有するものと有しないものの両方を示している。
【0058】
図1は、スペーサーを介した一対の電極基板によって形成された空間に、マトリックス材料を用いて、本発明の電気泳動性粒子(E)内包マイクロカプセルを可逆的表示記録層として充填し、電気泳動表示媒体を作製したものである。可逆的表示記録層は、本発明の電気泳動性粒子(E)内包マイクロカプセルとマトリックス材料を溶解、分散、懸濁又は乳化し塗工液として調整し、得られる塗工液をワイヤーバーコート、ロールコート、ブレードコート、ディップコート、スプレーコート、スピンコート、又はグラビアコートなどの方法により電極板上に塗工・乾燥して得られる。この場合、電極板とはガラス板やプラスチックフィルム上にITOなどの導電性膜を形成してなる電極、アルミニウム、銅、金などの導電性金属膜を形成してなる電極などを挙げることができる。
【0059】
マトリックス材としては、前記マイクロカプセルの壁材と同様な材料又は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニルデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアセタール、アクリル樹脂、メチルセルロース、エチルセルロース、フェノール樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ジエン樹脂、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリアリレート、アラミド、ポリイミド、ポリ−p−フェニレン、ポリ−p−キシレン、ポリ−p−フェニレンビニレン、ポリヒダントイン、ポリパラバン酸、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾオキサジアゾール、ポリキノキサリン、前記した熱硬化性樹脂又は活性エネルギー線硬化樹脂、あるいはそれらの混合物から選択された一種類以上の材料を用いることができる。
【0060】
オーバーコート層を形成する材料としては、前記のマトリックス材料を形成する材料を用いることができる。オーバーコート層は、これらの前記の材料を溶解、分散、懸濁又は乳化する媒体、硬化剤、触媒及び/又は助触媒を加えた保護層材料組成物を、表示層上にワイヤーバーコート、ロールコート、ブレードコート、ディップコート、スプレーコート、スピンコート、又はグラビアコートなどの塗布方法、又はスパッタリング及び化学的気相法などにより形成する。オーバーコート層の厚さは、記録層を保護する機能を有する範囲内で可能な限り薄いほうが好ましく、約0.1〜100μm、より好ましくは0.3〜30μmである。
【0061】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。なお、例中「部」、「%」はそれぞれ「重量部」、「重量%」を示す。
【0062】
(実施例1)
分散質溶液1:油溶性溶媒(A)としてパラフィン系炭化水素アイソパー(エクソン株式会社製)150重量部に対して、電気泳動性粒子(E)として二酸化チタン(デュポン社製、Ti−PURE R101)5重量部、チタンブラック(赤穂化成製黒色チタン)5重量部、添加剤としてOLOA4382(シェブロン社製)0.1部加え、超音波分散機を用いて10分間分散させた。さらに油溶性開始剤(C)としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.5重量部加え攪拌することにより分散質溶液を作製した。
分散媒溶液1:イオン交換水1500重量部に界面活性剤としてアクアロンHS−10(第一工業製薬株式会社製)15重量部、水溶性モノマー(D)としてアクリロニトリル150重量部を加え攪拌することにより分散媒溶液を調整した。
【0063】
上記分散媒溶液1に、分散質溶液1を加え窒素雰囲気下、25℃で10分間攪拌したのち、60℃に加熱し3時間反応させることによりマイクロカプセル1を得た。
【0064】
ついで、10重量%ポリビニルアルコール水溶液80gに、得られたマイクロカプセル1を20g加え分散塗工液を調整した。この塗工液をギャップ100μmのアプリケーターを用い、ITO膜付きガラス板上(ITO膜上)に塗布、乾燥してマイクロカプセル塗膜を形成し、さらにその上にITO膜付きガラス板上(ITO膜がマイクロカプセル塗膜側)を乗せることで、電気泳動表示媒体を作成した。この様にして作成した電気泳動表示媒体を直流電源に接続し、10Hzの矩形周波数で電界方向を切り替えて、±100Vの電圧を印加させることで電気泳動表示を行った。二酸化チタン粒子が上部、チタンブラック粒子が下部電極に電気泳動した場合は白(この時、上部電極の電界が負)の表示が、チタンブラック粒子が上部、二酸化チタン粒子が下部電極に電気泳動した場合は黒(この時、上部電極の電界が正)の表示が可能であった。
【0065】
(実施例2)
分散質溶液2:油溶性溶媒(A)としてパラフィン系炭化水素アイソパー(エクソン株式会社製)150重量部に対して、電気泳動性粒子(E)として二酸化チタン(デュポン社製、Ti−PURE R101)5重量部、チタンブラック(赤穂化成製黒色チタン)5重量部、添加剤としてOLOA4382(シェブロン社製)0.1部加え、超音波分散機を用いて10分間分散させた。さらに油溶性開始剤(C)としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.5重量部加え攪拌することにより分散質溶液を作製した。
分散媒溶液2:イオン交換水1500重量部に界面活性剤としてアクアロンHS−10(第一工業製薬株式会社製)15重量部、水溶性モノマー(D)としてメチルアクリレート150重量部を加え攪拌することにより分散媒溶液を調整した。
【0066】
上記分散媒溶液2に、分散質溶液2を加え窒素雰囲気下、25℃で10分間攪拌したのち、60℃に加熱し3時間反応させることによりマイクロカプセル2を得た。
【0067】
実施例1と同様の方法で電気泳動表示媒体を作成し、電気泳動表示を行うと、二酸化チタン粒子およびチタンブラック粒子ともに実施例1と同様の電気泳動を示し、白および黒の表示が可能であった。
【0068】
(比較例1)
分散質溶液3:油溶性溶媒(A)としてパラフィン系炭化水素アイソパー(エクソン株式会社製)150重量部に対して、電気泳動性粒子(E)として二酸化チタン(デュポン社製、Ti−PURE R101)5重量部、チタンブラック(赤穂化成製黒色チタン)5重量部、添加剤としてOLOA4382(シェブロン社製)0.1部加え、超音波分散機を用いて10分間分散させた。さらに油溶性開始剤(C)としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.5重量部、油溶性モノマーとしてスチレン150重量部を加え攪拌することにより分散質溶液を作製した。
分散媒溶液3:イオン交換水1500重量部に界面活性剤としてアクアロンHS−10(第一工業製薬株式会社製)15重量部を加え攪拌することにより分散媒溶液を調整した。
【0069】
上記分散媒溶液3に、分散質溶液3を加え窒素雰囲気下、25℃で10分間攪拌したのち、60℃に加熱し3時間反応させることによりマイクロカプセル3を得た。
【0070】
実施例1と同様の方法で電気泳動表示媒体を作成し、電気泳動表示を行ったが、二酸化チタン粒子およびチタンブラック粒子ともに電気泳動せず、白および黒の表示はできなかった。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、カプセル内部に開始剤もしくはモノマーのいずれか一方を残存させないマイクロカプセルを製造させることができ、カプセル内包物に影響を与えないマイクロカプセルの製造が可能となった。特に、電気泳動表示装置に応用したとき、電気泳動性粒子の泳動性を阻害することがないため、優れた電気泳動表示を示す可逆表示媒体を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気泳動性粒子分散液内包マイクロカプセルを用いた電気泳動表示媒体の模式図を表す。
【符号の説明】
1.基板、2.電極、3.透明電極、4.マイクロカプセル充填層(マトリックス層)、5.電気泳動性粒子分散液内包マイクロカプセル、6.スペーサー

Claims (6)

  1. ラジカル重合開始剤として油溶性開始剤(C)を用いあらかじめ油溶性溶媒(A)に溶解、ラジカル重合性のモノマーとして水溶性モノマー(D)を用い水溶性溶媒(B)に溶解し、油溶性溶媒(A)を水溶性溶媒(B)中に分散、もしくは水溶性溶媒(B)を油溶性溶媒(A)中に分散したのち、ラジカル重合させてカプセル壁を形成するマイクロカプセルの製造方法。
  2. カプセル壁内に油溶性溶媒(A)を内包する請求項1記載のマイクロカプセルの製造方法。
  3. さらに、カプセル壁内に電気泳動性粒子(E)を内包する請求項1または2記載のマイクロカプセルの製造方法。
  4. 水溶性モノマー(D)の水への溶解度が、20℃において1重量%以上である請求項1ないし3いずれか1項に記載のマイクロカプセルの製造方法。
  5. 請求項1ないし4いずれか1項に記載の製造方法で製造されてなるマイクロカプセル。
  6. 請求項5記載のマイクロカプセルを、少なくとも一方が透明な2枚の対向する電極に挟んでなる可逆表示媒体。
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