JP4520953B2 - 自然循環式沸騰水型原子炉のチムニ - Google Patents

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Description

本発明は、自然循環式沸騰水型原子炉の炉心の上に設置されるチムニに関する。
近年、提案されている自然循環式沸騰水型原子炉では、自然循環の駆動力を確保のために、強制循環式沸騰水型原子炉の炉心の上には無いチムニが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
この自然循環式沸騰水型原子炉の炉内構造物では、中性子の照射を受けることと、高温水中で使用されることとによって、材料の硬さやクリープといった機械的特性の変化、および応力腐食割れが発生して、材料が劣化するという問題点がある(例えば、非特許文献1参照)。
そのため、チムニ等の炉内構造物は、機械的特性が、時間経過と共に進行して変化するので、一般に、所定期間が経過毎に、新品に交換されている。
また、炉内構造物における応力腐食割れは、一般に、使用環境の水質条件の悪化と、負荷応力の増加と、材料組織の変化とが重畳したときに発生すると言われている。
これらの腐食割れの対策方法としては、原子炉内の水質条件を緩和するために炉水中に水素ガスを注入する方法と、熱の発生を抑制した溶接方法により応力を低減する方法と、材料組織の悪化を防止するために溶接後に熱処理を施す方法と、が一般に採られている。
特公平7−27051号公報(第1図、第2図) 「新版原子力ハンドブック」、オーム、P.179〜P.184
しかしながら、前記した自然循環式沸騰水型原子炉のチムニ等の炉内構造物は、機器全体が大きいため、溶接後に熱処理を行うことが困難であるという問題点がある。
また、耐食性金属は、一般的に高価で、かつ硬度が高いため、加工性が悪く、複雑形状の炉内構造物の機器には適用が難しいという問題点がある。
現在、一般に使用されている自然循環式沸騰水型原子炉の炉内構造物において、中性子の照射量の多い部位は、放射性物質が付着することや腐食を防止するために、極力溶接部を削減するように製作されている。このため、例えば、沸騰水型原子炉の燃料集合体を支持する上部格子板は、溶接をせずに、全体を切削加工や形彫加工で形成した一体型のものが使用されている。
しかしながら、このような自然循環式沸騰水型原子炉においては、燃料集合体の上部に設置される格子状のチムニが、数メートルの長さに形成された長尺の構造物からなるため、製作費用がかかるという問題点がある。
そして、チムニは、冷却材によって腐食するので定期的な交換が必要なため、全体が一体型で製作された場合には、チムニ全体を交換しなければならないので、管理コストがかかるという問題点もある。
さらに、耐食性金属を用いてチムニを製作する場合には、費用が嵩むだけでなく、さらに、加工性が悪いため、切削加工や形彫加工が難しいという問題点がある。
そこで、本発明は、単純な形状のチムニを用い、チムニの少なくとも一部、または、全部を高耐食性金属製とすることで、材料の劣化を抑制しつつ、交換する場合も廃棄物量を抑制することができる自然循環式沸騰水型原子炉のチムニを提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る自然循環式沸騰水型原子炉のチムニは、原子炉圧力容器に内蔵したチムニ胴によって、冷却材が流れる流路を形成した自然循環式沸騰水型原子炉のチムニであって、前記チムニ胴内には、前記冷却材の流路をそれぞれ形成する管が上下方向に向けて複数配設され、前記管は、それぞれの管と管との間に、隙間を介在して配置すると共に、少なくとも一部、または、全部がジルカロイあるいはジルコニウムを含有する合金からなる金属から形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、自然循環式沸騰水型原子炉のチムニは、チムニ胴内において、管と管の間に隙間を介在して配置したことにより、複数の管の内側を冷却材が流れる管内流路と、管と管の隙間を冷却材が流れる管外流路との2種類の流路を形成することができる。
その結果、チムニ胴内の胴内流路を流れる冷却材の流れが整流化される。
また、複数の管は、管と管の間に、隙間を介在して配置されていることにより、管がそれぞれ1本ずつ形成されて配設されているため、必要に応じて適宜に管を取り外して交換したり、移動したりすることができるようになる。
その結果、各管は、平板部材を折り曲げて一辺のみを溶接すれば製作が可能であり、安価に製造することができるようになる。例えば、1本の管が腐食、または、照射損傷した場合には、その1本の管のみを交換することができるので、交換する作業が容易で、短時間で行えるため、材料コストや管理コストや放射性廃棄物量の増大を抑制することができる。
さらに、チムニ胴内に配設された管は、ジルカロイあるいはジルコニウムを含有する合金からなる高耐食性金属によって形成されていることにより、材料の劣化を抑制することができる。
本発明に係る自然循環式沸騰水型原子炉のチムニによれば、中性子の照射量の多い部分だけ管を高耐食性金属で製作することで、材料が腐食損傷して劣化することを抑制することができる。また、チムニを交換する場合には、腐食損傷した管のみを交換することが可能であるため、放射性廃棄物発生量を極力抑制することができる。
[第1実施形態]
まず、図1〜図6を参照して、本発明の第1実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉のチムニを説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉のチムニの設置状態を示す概略断面図である。
≪自然循環式沸騰水型原子炉の構成≫
まず、図1を参照して自然循環式沸騰水型原子炉1を説明する。
自然循環式沸騰水型原子炉(以下、単に「原子炉」という)1は、再循環ポンプを用いないで自然循環によって、原子炉1内の冷却材(軽水)を駆動させる方式のものである。この原子炉1は、原子炉圧力容器6内に核燃料が装荷された燃料集合体21を設置し、炉心7で原子炉1内を循環する冷却材(軽水)を沸騰させて、水と蒸気の気液から水を分離する気水分離器12と通過し、さらに、蒸気を乾燥させる蒸気乾燥器14を通過した蒸気を使ってタービン2を回転させ、発電機(図示せず)を回転させて発電を行うものである。
なお、原子炉1は、一般に使用されている沸騰水型原子炉(BWR)のように、出力調整用の制御棒24を用いるものの、この原子炉1を強制循環させるための再循環系配管、再循環ポンプ、ジェットポンプが炉内に設置されていない。
その代わり、原子炉1の炉心7の上には、チムニ11と呼ばれる構造物が設置され、水を自然循環させる仕組みになっている。
図1に示すように、原子炉1は、円筒状の原子炉圧力容器6内に、円筒状の炉心シュラウド9が、同心上の円筒状に設けられている。この炉心シュラウド9には、その外側面と原子炉圧力容器6の内壁面との隙間L(図2(a)、(b)、(c)参照)に、環状空間からなるダウンカマ(以下「胴外流路R1」という)が形成されている。また、炉心シュラウド9の内部には、多数の燃料集合体21が収容されている。
炉心7の下部には、炉心支持板22が配設されている。炉心7の上部には、炉心シュラウド9内に配設された燃料集合体21と、制御棒24の横方向の配置を決める上部格子板23とが配設されている。
炉心シュラウド9と、原子炉1の内壁との間には、胴外流路R1を下降した冷却材を炉心7の下部の炉心下部プレナム10に導き入れる下流流路が形成されている。
炉心7の上には、炉心7から出た気液二相流の冷却材を上方に導いて自然循環駆動力を増加させるチムニ11が設けられている。
≪チムニの構成≫
次に、図1および図2を参照してチムニ11を説明する。
図2は、本発明の第1実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉のチムニに内設される管を示す図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図、(c)は胴内流路を流れる冷却材の説明図である。
図1に示すチムニ11は、原子炉圧力容器6に内蔵したチムニ胴11dによって、冷却材が流れる流路Rを形成する筒状体からなる。このチムニ11は、例えば、原子炉圧力容器6と同心に配設された円筒状のチムニ胴11dと、このチムニ胴11dの内部に内設された四角形の筒状体からなる複数の管11bと、から主に構成されている。
以下、本第1実施形態では、管11bとして四角管を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、断面が多角形や円形等であっても、管状を形成していれば同様の効果がある。
<チムニ胴の構成>
図1に示すチムニ胴11dは、原子炉圧力容器6の内径より小さな内径で形成された円筒状体からなる。このチムニ胴11dは、原子炉圧力容器6の内壁に、所定間隔を介して炉心7の上に配設することにより、冷却材が気水分離器12から炉心下部プレナム10側に流れる環状の胴外流路R1と、冷却材が炉心シュラウド9の内側を上方にシュラウドヘッド12a側に流れる略格子状の胴内流路R2と、を形成している。
チムニ胴11d内には、冷却材の上昇流路となる胴内流路R2をそれぞれ形成する管11bが上下方向に向けて複数配設されている。
チムニ胴11dの上方には、複数の管11bによって個々の格子状の流路Rとなった胴内流路R2から上方に流れる冷却材を、チムニ11内の上部で合流するようするために、上部プレナム11cが設けられている。
チムニ胴11dの下端は、上部格子板23に環状に形成された係合部23a(図2(b)参照)に装着されて、胴外流路R1を下降する冷却材と、炉心7を出た冷却材とが混じり合わないような組み合わせ構造になっている。
<上部格子板の構成>
図2(b)に示す上部格子板23は、チムニ胴11d(図2(c)参照)の下端部に配設される略円盤状の部材であって、各管11bを所定間隔で直立した状態に保持するための係合部23aが、格子状に配置して穿設されている。
係合部23aは、例えば、大きさが30cm×30cmの平面視して正方形の貫通孔を切削加工して形成されている。
<管の配置構成>
次に、図2(a)、(b)、(c)を参照してチムニ胴11d内に配設される管11bを説明する。
図2(a)、(b)に示すように、各管11bは、起動時にチムニ胴11d内の上向き方向の圧力降下に伴なってフラッシング(沸騰)が生じ、これに起因する冷却材の流動応力によって当該管11bが振動する流動不安定現象等を解消して安定化させるために、胴内流路R2(図2(c)参照)を水平方向に多数配置して細分化するものである。
この管11bは、図2(a)、(b)に示すように、例えば、上部格子板23に格子状に穿設されてなる係合部23aに、隙間Lを介在して、互い違いに配設された複数の角管を集合させてなる。言い換えると、管11bは、格子状の係合部23a装着することによって、管11bと管11bの間に、隙間Lを介在して互い違いに配置された多数のパイプからなる。
すなわち、各管11bは、前後左右方向(平面方向)に対して1つ置きに配置され、斜め左右方向に連続して千鳥状に配置されて、それぞれの管11bが規則正しく均一に上部方向に向けて垂直に配置されている。
この管11bと上部格子板23との接続方法は、例えば、スリット差し込み方式、圧入方式、ボルト締結等である。上部格子板23に設けられた各管11bは、1本1本バラバラに分解して交換できるように、着脱自在に組み付けられている。
なお、管11bと上部格子板23との接続方法は、溶接手段であってもよく、特に限定されない。
さらに、チムニ胴11dの炉心7に近接した部位に配置した流心側管11hは、高耐食性金属のジルカロイあるいはジルコニウムを含有するジルコニウム合金によって形成されたものを配置する。そして、この流心側管11hの周囲に配置され、チムニ胴11dの内周側に配設された内周側管11iは、ステンレス鋼製のものを配置する。
<管の作用および効果>
ここで、前記のように配置された管11bの作用効果を前もって説明する。
このように配設された管11bは、1つ1つが個々の状態に、所定間隔の隙間Lを介して配列されていることにより、それぞれの管11b同士を溶接して連結することが不要となるため、溶接箇所や溶接量を従来と比較して少なくすることができる。
その結果、溶接時の熱等による変形や、残留応力や、圧力変動荷重に対する強度の減少等を抑制することができる。
また、それぞれの管11bと管11bとの間には、隙間Lがあるため、流路壁面にかかる圧力変動荷重を減少させて、冷却材の流れをスムーズにすることができる。
チムニ胴11dを流れる冷却材の流速Vは、図2(c)に矢印の長さで示すように、中央部が速く、この中央部からチムニ胴11dの内壁11gに近づくに連れて流速Vが遅くなっている。
その結果、チムニ胴11dに中心側に配設された流心側管11を流れる冷却材の流量は、その流速Vに比例して多くなるため、内壁11g側に配置された内周側管11iを流れる冷却材より多量の冷却材が流れて通過することになる。
このため、チムニ胴11dに中心側に配設された流心側管11hは、フラッシングによるボイド(蒸気泡)によって腐食し易く、また、中性子の照射量が高く照射損傷を受け易くなっている。
なお、自然循環式沸騰水型原子炉1では、炉心7での中性子の束が1014(個/cm2/s)で、中心から同心円で中性子束が広がり、炉心上部で1010(個/cm2/s)存在するが、炉心7から離れるに従って中性子束が低下するとされている(伊部英史、沸騰水型原子炉に於ける構造材料の腐食環境に関する研究、大阪大学学位論文、P26、1984年)。
このようなことからも、中性子束の低下と共に材料劣化の可能性も低下すると考えることができるため、炉心7に近接した部位のみを高耐食性金属で形成した管11b(流心側管11h)にすれば、材料劣化や腐食損傷の発生を抑制できることになる。
<管の材質>
そこで、本発明の第1実施形態では、図2(a)、(b)、(c)に示すように、チムニ胴11dの中央部に配置される流心側管11hは、例えば、ジルカロイあるいはジルコニウムを含有するジルコニウム合金等の高耐食性金属で形成された断面が四角形の筒状体からなる。それ以外の管11b、すなわち、チムニ胴11dの内壁11g側に配置される内周側管11iは、ステンレス鋼から形成されている。
ステンレス鋼は、例えば、高温での耐酸化性と、高純水およびアルカリに対する耐蝕性とに優れ、応力腐食割れに強いインコネル600(商品名)やAlloy600(商品名)等の高ニッケル合金からなる。
このように、チムニ11の管11bは、2種類の材質から形成したものを組み合わせ配置した流心側管11hおよび内周側管11i内の管内流路R3と、それぞれの流心側管11hおよび内周側管11iの間の隙間Lによって形成された管外流路R4とで、胴内流路R2を形成している。
図2(a)、(b)に示すように、管11bは、例えば、四角管からなり、格子状に穿設された上部格子板23の係合部23aに、互い違いにそれぞれ差し込んで圧着することにより、前後左右方向に隙間Lを介在して等間隔に配設されている。このため、それぞれの管11bは、前後左右方向に隣り合う管11bとの間には、ほぼ管11bの1本分の間隔だけ離れて配置されると共に、左右斜めの方向に隣り合う管11bとの間には、隙間L分の距離だけ離れて配置されている。そして、チムニ胴11d内に配置された管11bにおいて、胴内流路R2の流心部分に配置された流心側管11hは、中性子の照射量が多いため、高耐食性金属のジルコニウム合金によって形成されている。
図1に示すように、チムニ11の上端は、シュラウドヘッド12aによって閉塞されている。そのシュラウドヘッド12aには、所定の数の冷却材通過用の孔が設けられ、その孔はスタンドパイプを介して気液二相流から飽和蒸気と飽和水とに分離する気水分離器12に繋がっている。
気水分離器12の上部には、蒸気乾燥器14が設けられ、気水分離器12を出た飽和蒸気に含まれる湿分を除去されて、タービン2に飽和蒸気が送られるようになっている。
このような原子炉1において、給水入口ノズル16から供給される冷却材は、気水分離器12で分離された飽和水と混合し、図1中矢印Aで示すように、胴外流路R1を下降して、炉心シュラウド9内に流入し、炉心7によって加熱される。炉心7からの加熱によって冷却材は、飽和状態の気液二相流となり、矢印Bで示すように、格子状の管内流路R3および管外流路R4からなる胴内流路R2を通過して、上部プレナム11c、スタンドパイプを経て、気水分離器12によって、気相の飽和蒸気と、液相の飽和水に分離される。飽和蒸気は、矢印Cで蒸気乾燥器14から主蒸気配管によってタービン2に導かれ発電に供される。
一方、飽和水は、矢印Dで示すように、原子炉圧力容器6内の冷却材に混合され、給水入口ノズル16から供給される冷却材とさらに混合されて、再び胴外流路R1を下降して原子炉圧力容器6内を循環する。
<第1実施形態の作用および効果>
本発明の第1実施形態における管11bは、このように設けられたことにより、次のような作用および効果を奏する。
(a) 管11bは、図2(c)に示すように、管11b内が空洞であるため、沸騰した水や蒸気が通過することが可能であり、また、管11bをそれぞれ1本ずつ単体で上部格子板23から取り外すことや交換することも容易にできるようになる。
(b) 流心側管11hは、高耐食性金属としてジルカロイまたはジルコニウムを含む金属を適用することにより、材料劣化の抑制効果が高くなる。その理由は、ジルコニウム合金がステンレス鋼に比べて中性子を吸収し難い特性を有しているため、中性子が照射されたときに、劣化し難いことに起因する。
例えば、参考図書(火力原子力発電必携、改訂第6版、P243)によれば、中性子の吸収特性はホウ素入りステンレス鋼に対して、ジルカロイが1/20である。
(d) 腐食し易い箇所に配置された流心側管11hは、高耐食性を備えていることにより、中性子による照射損傷の発生や、腐食を抑制することができる。このため、管11b全体の使用可能な期間が長くなり、耐久性を向上させて管11b全体の寿命を長くすることができる。
(e) さらに、比較的高価なジルコニウム合金からなる流心側管11hは、チムニ胴11d内の中央部分のみに使用して、管11b全体を複数の種類の管11bを配設したことにより、ジルコニウム合金製の流心側管11hの本数が少ないため、材料費を抑えることができる。
(f) また、各管11bは、それぞれが1つずつ上部格子板23に、圧入等によって取り付けられていることにより、管11bの交換時にすべてを交換していた従来のときと比較して、腐食や中性子の照射損傷等によって使用できなくなった管11bのみを交換することが可能となった。このため、管11bに不具合が発生した場合には、取替え作業や、取り外し作業が容易であり、作業時間や管理コストを低減させることもできる。
<チムニに照射損傷が発生した場合の処理の説明>
次に、図3〜図6を参照して、チムニ11の後部等に照射損傷が発生した場合の処理について、従来の管一体型チムニ(図示せず)と比較しながら説明する。
図3は、本発明の第1実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉のチムニに照射損傷が発生した場合の処理作業の手順を示す工程図である。図4は、本発明の第1実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉のチムニの移送手順を示す概略図である。
例えば、チムニ11の下流側の後部等が腐食損傷した場合には、図3に示すように、まず、原子炉1を停止後(ステップS1)、図1に示す原子炉圧力容器6を開放し(ステップS2)、作業に干渉する気水分離器12等の炉内機器を取り出す(ステップS3)。
次に、燃料を図4に示すクレーン42bによって原子炉1内から取り出し(ステップS4)、さらに、使用済みの腐食損傷したチムニ11をクレーン42bによって原子炉1内から旧チムニを取り出す(ステップS5)。
次に、図4に示すように、その原子炉圧力容器6を移動して切断時に使用する仮置き切断用プール42aの底に固定して仮置きした後、仮置き切断用プール42a内に水を入れる。そして、仮置き切断用プール42a上に配置された架台のクレーン42bによって腐食損傷したチムニ11をクレーン42bで吊上げた後、原子炉ウエルを経由して、仮置きする仮置き切断用プール42aへ移動させる(ステップS6)。
図5は、本発明の第1実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉のチムニの解体手順を示す概略図である。
続いて、図5に示すように、仮置き切断用プール42aの水中内に配置された前記腐食損傷したチムニ11は、架台に移動自在に設置された上下移動装置42cによって廃棄用の切断装置42dを上下動させることによって廃棄できるような適当な大きさに裁断される(ステップS7)。
なお、このときの切断作業は、管11bを3箇所、あるいは、4箇所程度を輪切りにするだけなので、短時間で作業が完了する。
裁断されて解体されたチムニ11の切断片は、廃棄容器42eに投入された後に、廃棄容器42eを引き上げることによって仮置き切断用プール42a外へ搬出され(ステップS8)、別の保管用プール(図示せず)に移送される(ステップS9)。
このように、チムニ11は、腐食損傷した管11bのみを交換するため、低コストで腐食損傷の対策が可能であり、移送作業や切断作業も短時間に実施できる。その結果、付帯設備や放射性廃棄物発生量を極力抑制することができる。
図6は、本発明の第1実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉のチムニの管の移送手順を示す概略図である。
次に、図6に示すように、原子炉圧力容器6内に新品のチムニ(新品の管11b)11をクレーン42bによって設置する(ステップS10)。
この場合、新品のチムニ11は、従来の一体型チムニと比較して、1本ずつの管11bに細分化されていることにより、軽量化されているため、仮置き切断用プール42aへの移動作業や切断解体作業が容易に行えると共に、作業時間を短縮させることができる。
また、仮置き切断用プール42aは、水面での放射線量の増加を防止するために、所定の水深を確保しなければならないが、新品のチムニ11は、1本ずつになっていることにより、体積が少ないので、水の量が少なくて済む。
さらに、管11bが放射化されている場合でも、横方向へ寝かせた状態で設置すれば、水深が浅くても、チムニ11の交換作業を行うことができるため、水の量が少なくて済む。
使用済みのチムニ11(図5参照)は、従来の一体型チムニの場合、一部に腐食損傷が発生したときであっても、全てを取り替える必要があったが、本発明のチムニ11では、各管11bが一本ずつ着脱自在な状態に設置されているため、腐食損傷した管11bのみを単独で取り外して新品のチムニ11に交換すればよい。
その後、図1に示すように、燃料の再装荷を行い(ステップS11)、気水分離器12等の炉内機器を復旧させて(ステップS12)、原子炉圧力容器6を閉止させれば(ステップS13)、原子炉1を再起動させることができる状態になる(ステップS14)。
なお、前記仮置き切断用プール42aは、水を満たした容器を用いることを例に挙げて説明したが、放射化した使用済みのチムニ11を遮蔽する密閉容器であってもよく、このようにしても本発明の目的は達成できる。
このような水を用いない密閉容器の場合、例えば、従来の一体型チムニでは、チムニが大型であるため、鉛板等の遮蔽物が多量必要となるが、これに対して、本発明のチムニ11では、各管11bが完全に一体になっていないので、一本ずつにすれば、体積が小さくなるため、使用する遮蔽物の量が少なくて済む。
さらに、解体されたチムニ11は、全て廃棄保管プールへ移送され、放射性廃棄物として管理されるが、このときも、交換する管11bの数が少なくて済むため、廃棄保管プールが小さくて済む。
以上のことから、本発明の第1実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉1のチムニ11は、従来の一体型チムニと比較して、一部分の腐食損傷や不具合が発生した場合であっても、全部を交換することが不要なため、製作コストの削減、移動作業時間の短縮化、および切断作業時間の短縮化を図ることができる。
また、チムニ11等の付帯設備は、図5に示す切断装置42dや、仮置き切断用プール42aが小型のもので対応できるため、それらの装置および設備の小型化を図ることができる。
さらに、管11bは、それぞれの管11bと管11bの間に、隙間L(図2(a)、(b)、(c)参照)を介在して互い違いに配置すると共に、高耐食性金属から形成したことにより、不溶解性の放射性物質が付着し難く、かつ、剥がれ易いため、管11bの交換作業時に放射線の遮蔽設備を簡素化することができる。
この場合、中性子の照射量の多い部位のみ高耐食性金属製の中空四角管からなる管11bを間欠的に配置したチムニ11を用いることで解決できる。
また、炉心7(流心)に近接した部分のみ高耐食性金属製の管11bを用いることでも解決できる。
このように、本発明は、管11bを単体で交換できることから、放射性廃棄物量も少量に抑制できる。
[第2実施形態]
次に、図7(a)、(b)を参照して、本発明の第2実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉1のチムニ11Aを説明する。
図7は、本発明の第2実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉のチムニの管を示す図あり、(a)は平面図、(b)は斜視図である。
なお、図1および図2に示した第1実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉1のチムニ11と同一機能を有する部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本第2実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉1のチムニ11Aは、図2(a)、(b)、(c)に示した第1実施形態のチムニ胴11dに配置されたそれぞれの管11bを、図7(a)、(b)に示すように、ステンレス鋼によって形成されたステンレス鋼管46A(図7(b)参照)と、ジルコニウム合金によって形成されたジルコニウム合金管45Aとを連結してなる管44Aを備えたチムニ11Aとしたものである。
この場合、各管44Aは、例えば、上部格子板23の係合部23aに装着される下側が、ジルコニウム合金管45Aからなり、このジルコニウム合金管45Aの上側にステンレス鋼管46Aが連設されて、連結部分が支持板47によって格子状に並べた状態に保持されている。この場合、ジルコニウム合金管45Aとステンレス鋼管46Aとの連結部分の接合手段は、例えば、溶接手段であるが、ジルコニウム合金管45Aとステンレス鋼管46Aとが連結されれば、圧入手段等であってもよく、特に限定されない。
このように、高耐食性金属からなるジルコニウム合金管45Aと、ステンレス鋼管46Aとを組み合わせて配置した場合であっても、それぞれの管44Aが単体からなるので、取り外すことや交換することが容易に行える。
なお、前記支持板47は、ジルコニウム合金管45Aとステンレス鋼管46Aとを溶接手段等によって連結して、各管44Aの下端部を上部格子板23の係合部23aに装着する場合には、ジルコニウム合金管45Aとステンレス鋼管46Aとの連結部分を束ねるように支持するベルト状の部材であってもよい。
[第3実施形態]
次に、図8を参照して、本発明の第3実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉1のチムニ11Bを説明する。
図8は、本発明の第3実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉のチムニの管と、水および蒸気の流れを示す説明図である。
を示す説明図である。
なお、図1および図2に示した第1実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉1のチムニ11と同一機能を有する部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本第3実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉1のチムニ11Bは、図7に示した第2実施形態の下部だけジルコニウム合金管45Aを配設した管44Aを、図8に示すように、チムニ胴11d内の胴内流路R2を流れる冷却材の流速Vに対応した割合の長さのジルコニウム合金管45Bと、このジルコニウム合金管45Bに溶接したステンレス鋼管46Bとで形成したものである。
この場合、管44Bは、一部だけが高耐食性金属からなるジルコニウム合金管45Bから形成されている。チムニ11Bの一部だけ高耐食性のものにする場合には、図8に示すように、チムニ11Bの下側の炉心7(図2参照)に近い流心側を、ジルコニウム合金管45Bを流速Vの割合に適合させて多く使用して形成する。
このように、第3実施形態のチムニ胴11dの炉心側に配置した流心側管11hは、ステンレス鋼管46Bに対して、ジルコニウム合金管45Bの占める割合を多くして配置すると共に、チムニ胴11dの内周側に近接した部位に配置した内周側管11iは、ジルコニウム合金管45Bに対して、ステンレス鋼管46Bの占める割合を多くして配置したことにより、管44Bが、高照射量の中性子で材料が劣化することを、効率的に抑制してコストの低減を図ることができる。
[第4実施形態]
次に、図9、および図10(a)、(b)、(c)を参照して、本発明の第4実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉1のチムニ11Cを説明する。
図9は、本発明の第4実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉のチムニの管に使用される金属材料の特性を示す表である。図10は、本発明の第4実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉のチムニの管を示す図であり、(a)はステンレス鋼管の製造手順を示す工程図、(b)はジルコニウム合金管の製造手順を示す工程図、(c)はステンレス鋼管とジルコニウム合金管との接合部を示す要部拡大断面図である。
なお、図1、図2、および図7に示した第1〜3実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉1のチムニ11,11A,11Bと同一機能を有する部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本第3実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉1のチムニ11Cは、図7に示した第2実施形態の管44Aのステンレス鋼管46Aと、ジルコニウム合金管45Aとを、図10(c)に示すように、リベット48で連結してなる管44Cを備えたチムニ11Cとしたものである。
一般に、ステンレス鋼43Bとジルコニウム合金43Aとを溶接する際には、図9に示すように、ステンレス鋼43Bには3680MPa、ジルコニウム合金43Aには、342MPaの熱応力が発生するので、熱量力の差によって、連結部41Aに割れが発生することが懸念される。
そこで、図10(c)に示すように、接合時に熱を発生しない材料からなるリベット48によって、ジルコニウム合金管45Cとステンレス鋼管46Cとを接合することが好ましい。
なお、チムニ11Cの管44Cは、連結部41Aを比較的低温で行うロウ付けや、摩擦溶接、拡散接合といった接合方法も適用することが可能である。
この場合、各管44Cのステンレス鋼管46Cは、図10(a)に示すように、例えば、1枚のステンレス鋼43の平板部材を平面視して正方形に折り曲げ加工し、接合部40Bを前記溶接等によって接合して四角管を形成する。
この四角管は、例えば、平板部材を端面から等間隔で直角に折り曲げて、接合部40Bを溶接すれば製作することができる。これは、加工性が悪い高耐食性金属であっても、切削することなく、折り曲げる塑性加工であるため、容易に実施可能である。
一方、ジルコニウム合金管45Cも、図10(b)に示すように、例えば、1枚のジルコニウム合金43Aの平板部材を平面視して正方形に折り曲げ加工し、接合部40Aを前記ロウ付け等によって接合して形成する。
このようにして形成されたジルコニウム合金管45Cと、ステンレス鋼管46Cは、図10(c)に示すように、リベット48で連結する。
このように、第3実施形態の管44Cは、高耐食性金属からなるジルコニウム合金管45Cと、ステンレス鋼管46Cとをリベット48で連結することにより、ステンレス鋼43Bとジルコニウム合金43Aのように、金属特性が大きく異なる場合であっても、熱応力の発生による連結部41Aに割れが発生することを防止することができる。
なお、熱膨張率がステンレス鋼43Bとジルコニウム合金43Aの中間程度であるニッケル合金やチタン合金等を中間層としての応力吸収用の中間管(図示せず)を、ジルコニウム合金管45Cと、ステンレス鋼管46Cとの間に介在させば、さらに、熱応力の付加を緩和させることができる。
[第5実施形態]
次に、図11(a)、(b)を参照して、本発明の第5実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉のチムニを説明する。
図11は、本発明の第5実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉のチムニの管を示す図であり、(a)は接続部分の部分拡大斜視図、(b)は接続部分の拡大断面図である。
なお、図1および図2に示した第1実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉1のチムニ11と同一機能を有する部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本第5実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉1のチムニ11Dは、図10に示した第4実施形態のリベット48で接続した連結部41Aを、図11(a)、(b)に示すように、接続具49によって、ジルコニウム合金管45Dと、ステンレス鋼管46Dとを連結したものである。
この場合、管44Dは、図11(a)、(b)に示すうように、胴内流路R2の一部を構成すると共に、ジルコニウム合金管45Dとステンレス鋼管46Dを連結するための連結部41Bを有する接続具49が設置される。
なお、本発明は、前記第1〜5実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造および変更が可能であり、本発明はこれら改造および変更された発明にも及ぶことは勿論である。
本発明の第1実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉のチムニの設置状態を示す概略断面図である。 本発明の第1実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉のチムニに内設される管を示す図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図、(c)は胴内流路を流れる冷却材の説明図である。 本発明の第1実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉のチムニに照射損傷が発生した場合のチムニ取替作業の工程図である。 本発明の第1実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉のチムニの移送手順を示す概略図である。 本発明の第1実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉のチムニの解体手順を示す概略図である。 本発明の第1実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉のチムニの管の移送手順を示す概略図である。 本発明の第2実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉のチムニの管を示す図あり、(a)は平面図、(b)は斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉のチムニの管と、水および蒸気の流れを示す説明図である。 本発明の第4実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉のチムニの管に使用される金属材料の特性を示す表である。 本発明の第4実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉のチムニの管を示す図であり、(a)はステンレス鋼管の製造手順を示す工程図、(b)はジルコニウム合金管の製造手順を示す工程図、(c)はステンレス鋼管とジルコニウム合金管との接合部を示す要部拡大断面図である。 本発明の第5実施形態に係る自然循環式沸騰水型原子炉のチムニの管を示す図であり、(a)は接続部分の部分拡大斜視図、(b)は接続部分の拡大断面図である。
符号の説明
1 自然循環式沸騰水型原子炉(原子炉)
6 原子炉圧力容器
9 ダウンカマ
11,11A,11B,11C,11D チムニ
11b,44A,44B,44C、44D 管
11d チムニ胴
11h 流心側管
11i 内周側管
40A,40B 接合部
41A,41B 連結部
45A,45B,45C,45D ジルコニウム合金管
46A,46B,46C,46D ステンレス鋼管
L 隙間
R 流路
R1 胴外流路
R2 胴内流路
R3 管内流路
R4 管外流路

Claims (6)

  1. 原子炉圧力容器に内蔵したチムニ胴によって、冷却材が流れる流路を形成した自然循環式沸騰水型原子炉のチムニであって、
    前記チムニ胴内には、前記冷却材の流路をそれぞれ形成する管が上下方向に向けて複数配設され、
    前記管は、それぞれの管と管との間に、隙間を介在して配置すると共に、少なくとも一部、または、全部がジルカロイあるいはジルコニウムを含有する合金からなる金属から形成されていることを特徴とする自然循環式沸騰水型原子炉のチムニ。
  2. 原子炉圧力容器に内蔵したチムニ胴によって、冷却材が流れる流路を形成した自然循環式沸騰水型原子炉のチムニであって、
    前記チムニ胴内には、前記冷却材の流路をそれぞれ形成する管が上下方向に向けて複数配設され、
    前記管は、管と管との間に、隙間を介在して配置すると共に、
    前記チムニ胴の流心に近接した部位に配置した流心側の管が、ジルカロイあるいはジルコニウムを含有する合金からなる金属から形成されていることを特徴とする自然循環式沸騰水型原子炉のチムニ。
  3. 前記チムニ胴内に配置された前記管は、ジルコニウム合金からなるジルコニウム合金管と、ステンレス鋼からなるステンレス鋼管とを連設してなることを特徴とする請求項1に記載の自然循環式沸騰水型原子炉のチムニ。
  4. 前記チムニ胴内に配置された複数の前記管は、前記チムニ胴の流心側に配置した流心側管が、ジルコニウム合金からなり、
    前記チムニ胴の内周側に配置した内周側管が、ステンレス鋼からなることを特徴とする請求項2に記載の自然循環式沸騰水型原子炉のチムニ。
  5. 前記チムニ胴の流心側に配置した流心側管は、ステンレス鋼管に対して、ジルコニウム合金管の占める割合を多くして配置すると共に、
    前記チムニ胴の内周側に近接した部位に配置した内周側管は、前記ジルコニウム合金管に対して、前記ステンレス鋼管の占める割合を多くして配置したことを特徴とする請求項に記載の自然循環式沸騰水型原子炉のチムニ。
  6. 前記流路は、前記原子炉圧力容器の内壁とチムニ胴の外壁とで形成した胴外流路と、前記チムニ胴の内壁内に形成された胴内流路とからなると共に、
    前記胴内流路は、前記管内を冷却材が流れる管内流路と、前記管外を前記冷却材が流れる管外流路とからなることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の自然循環式沸騰水型原子炉のチムニ。
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