JP4519921B2 - 電磁制御マイクロシステム - Google Patents

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Description

本発明は、外部励起コイルで作動する磁気マイクロアクチュエータを少なくとも一つ設けるマイクロシステムに関する。
係るマイクロシステムは、スイッチ式電気機器、特に切替器、接触器またはリレー器として使用できる。このようなマイクロシステムの製作には特に、MEMS技術が適している。
US6320145の文献は、静磁気の継電器を記載している。この継電器は単安定かつ磁化可能な梁によって機能する。磁界の作用によって、この梁は磁界の方向と合わせるように屈曲し、電気回路を閉路する。梁は弾性材料からなるため、梁と磁界との相互作用がなくなると、機械的な作用のみで梁は初期位置に戻る。したがって、梁が初期位置へ戻る力は単純に機械的原因によるものであって、梁の製造材料の性質と当該部材の配置のみによって生じるものである。
US6469602およびUS6750745の特許では、電気回路の開路または閉路を制御するために、双安定かつ磁化可能な梁による二つの位置間の移動を利用している。梁の移動は電磁石によって制御される。梁が第一位置にあると電気回路は開路し、梁が第二位置にあると電気回路は閉路する。梁が第二位置にある時、基板に配置された固定接点と梁が有する接点とを接触させることによって電気回路を閉路する。静止状態では、梁は第一位置にあるので、電気回路は開路する。永久磁石により可磁化梁で発生した磁界によって、梁は静止状態に維持される。電磁石に通電することによって、梁が第一位置から第二位置へ動くように方向づけられた第二磁界が発生する。梁が第二位置になると、電磁石をオフにし、梁は永久磁界によって第二位置に維持される。
US6、750、745特許では、複数の同型のマイクロアクチュエータを一つの基板に配置することにより、電磁石で同時に制御できるようになっている。この特許では、コイルは平面体であり、基板に組み込まれている。マイクロアクチュエータは、平面コイルのそれぞれの面に配置される。しかしながら、係る装置は一つのコイルで複数のマイクロアクチュエータを同時制御できるものの、いくつかの問題点がある。この問題点は、
基板に組み込まれた平面コイルを使用することにより、各マイクロアクチュエータに対して必要な基板の平均的面積が大きくなり、各マイクロアクチュエータに対してコストがかかること、
コイルを基板に組み込むことは、プレーナ技術による製法における工程を増やすことになり、それによって生産高が低下し、各マイクロアクチュエータのコスト増につながること、
基板に組み込まれたコイルの電気抵抗は、ジュール効果により、マイクロアクチュエータの動作エネルギーの一部を基板と電極において熱として放出させてしまうこと。この熱放出の結果、切替器、接触器または継電器として使用されるマイクロアクチュエータの電気的性能が悪化してしまう。したがって、本発明の目的は、上記課題を解決し、設計が単純であり、安価で、必要に応じて多数のマイクロアクチュエータを有することができるマイクロシステムを提供することにある。
この目的は、
少なくとも一つの電気回路をスイッチングするために、第一位置と第二位置の間で磁気効果によって制御され、基板で支持された可動部材を備えた磁気マイクロアクチュエータ、
可動部材を第一位置に維持するために、可動部材に第一磁界をかける永久磁石または電磁石、
基板に対して外部励起コイルを備え、該励起コイルが通電する時に可動部材に第二磁界をかけることで、可動部材を第一位置から第二位置へ移動させることができるマイクロシステムにおいて、
前記励起コイルは、可動部材を支持する基板を取り囲むソレノイド型であることを特徴とするマイクロシステムによって達成される。
本発明によれば、マイクロアクチュエータはソレノイド型コイルの中央部に配置される。上記に引用した特許の教示とは異なり、コイルは基板の外部にあり、つまり基板に組み込まれていないため、上記のいくつかの問題点を解決できる。プリント回路や銅線の巻き線による技術、またはその他の立体的構造とする方法によって製作する場合、組み込み式コイルのような問題点がなく、これらの技術による生産性は十分に保証されている。
一つの態様によれば、可動部材はメンブレンを有し、該メンブレンは基板に設置され、長手軸を有し、該長手軸に対して垂直である軸に従って前記二つの位置間で旋回でき、また、該メンブレンは磁気性材料からなる少なくとも一つの層を有する。
従来技術では、磁界は例えば、基板に接着された永久磁石によって発生する。従来技術によるマイクロシステムを組み立てる場合、永久磁石によって発生させた磁界がマイクロアクチュエータの可動部材に所望の影響を及ぼすように、永久磁石をマイクロアクチュエータに対して正確に位置付ける工程が含まれる。本発明によれば、発生した第一磁界が均一である空隙を利用することで、組み立て時の該工程を省略できる。
周知のように、空隙に発生する第一磁界は均一であって、磁界の方向はマイクロアクチュエータを支持する基板に対して垂直である。第一磁界は、その軸に従い、メンブレンにおいて磁気成分を発生する。磁界とメンブレンにおける磁気成分から生じる磁気トルクによって、メンブレンは一つの位置に維持される。励起コイルによって発生する第二磁界は、第一磁界に対して垂直である。この第二磁界は、メンブレンの軸に従ってメンブレンにおいて磁気成分を発生し、この磁気成分は磁界によって発生した第一成分に拮抗する。この新たな磁気成分の強度の方が高い場合、メンブレンはその他の位置に旋回する。
もう一つの態様によれば、ソレノイド型の励起コイルは、長手方向に異なる巻き密度を有する。
もう一つの態様によれば、励起コイルは各終端において巻き数が大きくなる。これによって、ソレノイド内で発生した軸方向の第二磁界が均一化され、ソレノイドの有効体積を増加できる。
もう一つの態様によれば、第一磁界を発生させられる磁気回路の磁気源は、永久磁石または電磁コイルである。
もう一つの態様によれば、基板は均一な磁界をかけられ、その磁力線の方向は、磁気マイクロアクチュエータを支持する基板の表面の平面に対して垂直ではない。このような構成によれば、メンブレンの磁気トルクを増加でき、したがってマイクロアクチュエータの接触力も増加できる。この傾きによるもう一つの利点は、MEMS(Micro Electro−Mechanical System:微小電気機械システム)のような技術でマイクロシステムを製造する際に見られる。すなわち、この場合、マイクロアクチュエータのメンブレンの傾きは、犠牲層の厚さではなく、均一磁界を発生する磁気回路内におけるマイクロシステムの配置によって決定される。したがって、メンブレンと基板の間の犠牲層は薄くてもよい。
本発明によれば、マイクロシステムは二つの電気回路の開路・閉路を制御できる。
本発明によれば、マイクロシステムの少なくとも一部はMEMSのような技術で製造できる。
一つの特に有利な実施形態によれば、基板は、前記励起コイルによって同時に制御可能な、複数の同型のマイクロアクチュエータを支持する。したがって、基板を取り囲むソレノイド型の同励起コイルは、マイクロアクチュエータのマトリックスに対して作用する。マトリックスはソレノイド型励起コイルの中心に配置される。マイクロアクチュエータは例えば、電気線で接続され、分離電圧を上昇させるために直列に配置した、または電流強度を分配するために並列に配置したマイクロリレーである。
また別の特徴と利点については、付属の図面に示す実施例を参照しながら詳細な説明で明らかになる。
本発明は、図1〜7を参照して説明する。
上記の従来技術と同様に、本発明のマイクロシステムは、磁気マイクロアクチュエータ2、2’を使用して電気回路の開路と閉路を制御する。
図2A、図2Bを参照すると、マイクロシステムは基板3で支持されたマイクロアクチュエータ2、2’を備える。基板3は例えば、ガラスあるいはプラスチックのような材料、または、電力用途の場合では、シリコンあるいはセラミックのような熱伝導性の高い材料から製作される。基板3は平面30を有し、その上にマイクロアクチュエータ2、2’が固定される。公知のように(US特許出願2002/0140533を参照)、基板3は例えば、少なくとも二つの電極31、32(図2A、図2B)を設け、これらの電極は電気的に接続されて電気回路を閉路する。このため、磁気マイクロアクチュエータ2、2’は、少なくとも一つの可動接点21、21’を有し、マイクロアクチュエータ2、2’が動作する際には、二つの電極31、32を電気的に接続する。
図2Aに示す第一実施形態によれば、マイクロアクチュエータ2は例えば、二つの平行する連結アーム22a、22bを介して片端が基板3と一体になる固定台23に結合された、長手軸Aを有する平行6面体のメンブレン20からなる可動部材から構成される。接点21は例えば、基板3の表面30に対向して、メンブレン20の自由端の付近に形成される。
前記二つの連結アーム22a、22bを介し、基板の表面30と平行かつ基板の長手軸Aと垂直であり、メンブレン20の電極31、32の接点によって描かれる軸と平行である軸Pに従い、メンブレン20は基板3に対して旋回できる。連結アーム22a、22bは、メンブレン20と固定台23の間に弾性連結を形成する。このような構成では、連結アーム22a、22bの屈曲によってメンブレン20が旋回する。図2Aに示すように、平衡位置と呼ばれる、アーム22a、22bに付勢しない位置では、メンブレン20は基板3の表面30で形成される平面に対して平行になる。
図2Bに示す第二実施形態によれば、本発明によるマイクロシステムで使用できるマイクロアクチュエータ2’は、長手軸A’を有する例えば平行6面体の堅固なメンブレンから構成される可動部材を設ける。図2Bを参照すると、メンブレン20’の軸A’に対して左右対称に配置された固定台23a’23b’に前記メンブレン20’を結合する連結アーム22a’、22b’を介して、このメンブレン20’が基板3と一体化される。可動接点21’は例えば、基板3の表面30に対向して、メンブレン20’の端の付近に形成される。
前記二つのアーム22a、22bを介して、基板の表面30と平行かつ基板20’の長手軸A’と垂直であり、メンブレン20’と電極31、32の接点によって描かれる軸と平行である軸Pに従い、メンブレン20’は基板3に対して旋回できる。好ましくは、この実施形態によれば、このメンブレン20’の旋回軸P’は平行となる中央軸に対してずらし、旋回軸P’の左右のそれぞれの部分の分量が異なるようにする。メンブレン20の大きい方の部分の自由端は、電気回路を閉路できる接点21’を有する。
連結アーム22a’、22b’は、メンブレン20とそれぞれの固定台23a’と23b’の間に弾性連結を形成する。このような構成では、連結アーム22a’、22b’の屈曲によってメンブレン20’が旋回する。他の構成も、完全に適用することができる。図2Bに示すように、平衡位置と呼ばれる、アームに付勢しない位置では、メンブレン20’は基板3の表面30’で形成される平面に平行である。
マイクロアクチュエータ2、2’の二つの実施形態は、本発明によるマイクロシステムにおいて完全に使用できる。下記の説明は、第一実施形態によるマイクロアクチュエータにも、第二実施形態によるマイクロアクチュエータにも適用するものである。
本発明に記載されるマイクロアクチュエータ2、2’はMEMS(Micro Electro−Mechanical System:微小電気機械システム)のプレーナ複製法により製作できる。すなわち、このような物体の製作には、連続する層を反復して重ねていくことが有効である。この場合、メンブレン20、20’およびアーム22a、22b、22a’、22b’は同一材料の層からなることが可能である。しかし、他の構成では、連結アーム22a、22b、22a’、22b’およびメンブレン20、20’の低層は金属層からなることも可能である。この金属層の上に磁気感応性の材料による層を付着して、メンブレン20、20’の上層を形成する。このような構成では、メンブレン20、20’の旋回動きを可能とするために、磁気感応性の材料よりも機械的により適切な材料を使用することで、連結アーム22a、22b、22a’、22b’の機械的性質を最適化できる。また、電気回路を閉路する接点には、金属層を使用できる。磁気感応性の材料は例えば、軟磁性の材料であり、鉄とニッケルの合金(「permalloy」Ni80Fe20)などでよい。
以下に、本発明の原則を図2Aに示す第一実施形態のマイクロアクチュエータをもって説明するが、該説明が図2Bに示す第二実施形態のマイクロアクチュエータに対しても適用されることは言うまでもない。
図1および図3A〜3Cを参照すると、ソレノイド型の外部励起コイルによって発生させた磁界をメンブレン20にかけることによって、メンブレン20をその旋回軸Pを中心として旋回させることができる。このようにして、メンブレン20は二つの異なった極限位置をとることができる。アクチュエータの第一実施形態を示す図3A〜3Cを参照すると、第一極限位置(図3Aおよび3B)では、接点21を有するメンブレン20の端部が持ち上がり、電極31、32に当接しない。したがって、電気回路は開路する。第二極限位置(図3C)では、接点21を有するメンブレン20の端部が電極31、32に当接する。この第二位置では、電気回路は閉路する。
本発明によれば、マイクロアクチュエータ2を有する基板3には、好ましくはできるだけ均一な磁界B0をかける。この第一磁界B0は、基板の表面30に直交する磁力線を有する。図3A〜3Cで示すように、この第一磁界B0の磁力線は基板3の表面30へ向かう。この第一磁界B0は、永久磁石または電磁石によって発生させてもよい。この第一磁界B0を発生させるために、永久磁石5または電磁コイル5’を磁気源として有する磁気回路を使用できる。図4Aおよび4Bで示すように、この磁気回路は永久磁石5(図4A)または電磁コイル5’(図4B)および永久磁石5またはコイル5’の左右に平行に配置された空隙用の部材50、51からなり、該部材50、51の間に第一磁界B0が発生する。係る磁気回路を使用することによって、均一な第一磁界B0を空隙に発生させることができる。
図1に示すようなソレノイド型の励起コイル4は、電流源に接続され、基板3および基板3で支持されたマイクロアクチュエータ2を取り囲み、メンブレン20のとり得る二つの位置間においてその動きを制御する。このため、マイクロアクチュエータ2は励起コイル4の中央部に、つまり中央チャネルに配置される。励起コイル4に電流が流れると、メンブレン20は一つの位置から、もう一つの位置へ旋回する。励起コイル4に流れる電流の方向によって、メンブレン20がどちらの位置へ旋回するかが決定される。便宜上、図3A〜3Cには励起コイル4を示さない。しかしながら、これらの図においても、図1に示すように、励起コイル4がマイクロアクチュエータ2を取り囲んでいると考える。
マイクロアクチュエータ2を支持し、ソレノイド型の励起コイルに取り囲まれた基板3は、例えば上記の図4Aと4Bを参照して説明された磁気回路の空隙で、第一磁界B0をかけられる。図3Aに示すように、第一磁界B0は最初に、その長手軸Aに従い、メンブレン20において磁気成分BPを発生する。磁界B0とメンブレン20において発生した成分BPから生じる磁気トルクによって、メンブレン20は例えば、図3Aの第一位置または図3Cの第二位置のどちらか一つの位置に維持される。したがって、第一位置では、メンブレン20の接点は持ち上げられ、電気回路は開路する。第二位置では、メンブレン20の接点21は二つの電極31、32を電気的に接続し、電気回路を閉路する。
メンブレン20が最初に第一位置(図3A)にあるとすると、第二位置へは下記のようにして動く。
図3Bを参照すると、基板3を取り囲むソレノイド型の励起コイル4において電流が所定の方向に流れると、基板3と平行かつメンブレン20の旋回軸Pと直交する方向に、第二磁界BS1が発生し、第二磁界BS1の方向は、励起コイル4に流れる電流の方向に依存する。励起コイル4で発生した第二磁界BS1は、メンブレン20の磁気層においてその長手軸Aに沿って磁気成分BP1を発生する。電流が適切な方向に流れると、この新たな磁気成分BP1は、磁界B0によってメンブレン20の磁気層において発生した成分BPに拮抗する。励起コイル4で発生した磁気成分BPの強度が磁界B0によって発生した磁気成分の強度よりも高い場合は、磁界B0とこの磁気成分BPによって生じた磁気トルクが反転し、メンブレン20をその第一位置から第二位置へ旋回させる。
メンブレン20の旋回が完了すれば、励起コイル4への給電は不要となる。本発明によれば、励起コイル4によって発生した第二磁界BS1は一時的なものであって、メンブレン20を一つの位置から他の位置へ旋回するためだけに使用される。したがって、図3Cに示すように、その後、第一磁界B0はメンブレン20において新たな磁気成分BP2を発生させるので、メンブレン20は第一磁界B0の効果のみで第二位置に維持される。第一磁界B0とメンブレン20において発生した成分BP2から生じる新たな磁気トルクによって、メンブレン20は第二位置に維持される。
メンブレン20が第二位置へ旋回すると、メンブレン20が有する接点21が基板3にある二つの電極31、32を電気的に接続する。この時、電気回路は閉路する。
電気回路を開路するには、メンブレン20が再び第一位置へ旋回すればよい。励起コイル4の電流は、上記と逆方向に流れる。したがって、励起コイル4によって発生した磁界は、上記の磁界BSと逆方向になる。この磁界は、メンブレン20において磁気成分BP2に拮抗する磁気成分を長手軸Aに従って発生させる。この新たな磁気成分の強度が成分BP2よりも高い場合は、第一磁界B0とこの新たな磁気成分とからなる磁気トルクによってメンブレン20はその第一位置へ動く。
メンブレン20を旋回させるための励起コイル4に流れる電流の強さは、励起コイル4を形成する巻数および励起コイル4に沿った磁界の密度に依存する。
本発明によれば、図6を参照すると、ソレノイド型の励起コイル4は、その長手方向に異なるコイルの巻き40の密度を有する。コイルの巻き40の数は、励起コイル4の中央部よりも両端で大きくなる。このように、ソレノイド内に発生する磁界は、励起コイル4の全長に対して完全に均一である。励起コイル4によって発生する磁界(例えば図3BではBS1)の均一性は、ソレノイド内の有効体積を増加させるために重要である。
本発明によれば、ソレノイド型の励起コイル4は、プリント回路または銅線の巻き線の技術によって形成できる。
本発明によれば、メンブレン20と基板3の間の接触力を向上するためには、第一磁界B0とメンブレン20において発生した磁気成分との間の磁気トルクを増加させる。このために、第一磁界B0の方向と基板3の表面30との角度x(図5A、5Bを参照)を利用する。この角度xは90度であってはならない。磁力線の方向とマイクロアクチュエータを支持する基板の表面30との角度は、永久磁界の方向に対して基板3を傾斜させること(図5A)、あるいは、空隙用の部材50、51を特定の形とし、空隙で発生する磁界の方向が基板3の表面30に対して角度xとなるようにすること(図5B)によって設定される。図5Bを参照すると、各空隙用の部材を傾斜するか、または図示しない実施形態として、各部材50、51を屈曲させることができる。
図7に示す別の実施形態によれば、本発明によるマイクロシステムは、二つの個別の電気回路を制御するために使用される。この実施形態によれば、第一基板3aは第一電気回路の電極31aを有し、例えば第一基板3aと平行に、かつその上に配置された第二基板3bは、第二電気回路の電極31bを有する。電極31a、31bは、静止状態では、本発明のマイクロアクチュエータ2のメンブレン20の長手軸Aに対して左右対称に配置される。この二つの基板は例えば、連結部材5で連結される。本発明によるマイクロアクチュエータ2は、基板3a、3bの少なくとも一つと一体化される。したがって、旋回するメンブレン20は、その二つの極限位置間で旋回し、各位置にて、どちらか一つの電気回路を閉路できる。平衡位置では(図7の実線)、二つの電気回路は開路しており、メンブレン20は二つの基板3a、3bに平行である。第一極限位置では(図7の断線)、メンブレン20は第一電極31aと接触して第一電気回路を閉路し、一方の第二極限位置では(図7の断線)、メンブレン20は第二電極31bと接触して第二電気回路を閉路する。
本発明によれば、本発明によるマイクロシステムは、上記のような複数の同型のマイクロアクチュエータ2、2’を有し、ソレノイド型の励起コイル4の中心に配置されたマトリックスを形成する。ソレノイド型の励起コイル4の駆動により、同じ制御力で、直列または並列に配置された多数のマイクロアクチュエータ2、2’を同時に作動できる。マイクロアクチュエータ2、2’は例えば、複数の平行線に従って配置されている。したがって、励起コイル4、6に電源が流れると、一つの線または複数の線のすべてのマイクロアクチュエータ2、2’を同時に作動できる。
言うまでもなく、本発明の範囲内において、他の変形や変更または均等手段の使用を想定することができる。
本発明の特定の実施形態によるマイクロシステムの透視図を示す。 本発明のマイクロシステムで使用できる実施形態によるマイクロアクチュエータの透視図を示す。 本発明のマイクロシステムで使用できる実施形態によるマイクロアクチュエータの透視図を示す。 マイクロアクチュエータの可動部材を旋回するための実施段階の側面図を示す。 マイクロアクチュエータの可動部材を旋回するための実施段階の側面図を示す。 マイクロアクチュエータの可動部材を旋回するための実施段階の側面図を示す。 磁気回路の二つの空隙用部材間に本発明のマイクロシステムが配置されている状態を示す。 磁気回路の二つの空隙用部材間に本発明のマイクロシステムが配置されている状態を示す。 マイクロアクチュエータの接触力を増加させるための実施例を示す。 マイクロアクチュエータの接触力を増加させるための実施例を示す。 本発明によるマイクロシステムのソレノイド型コイルに使用できる巻き線の略図を示す。 二つの個別の電気回路を制御するための、本発明によるマイクロシステムの実施状態を示す。

Claims (12)

  1. マイクロシステムであって、
    少なくとも一つの電気回路をスイッチングするために、磁気効果によって第一位置と第二位置の間で制御される、基板3によって支持された可動部材を備えた磁気マイクロアクチュエータ2、2’と、
    前記可動部材を前記第一位置に維持するために前記可動部材に第一磁界B0をかける永久磁石または電磁石と、
    前記基板3の外部に励起コイル4、6とを備え、前記励起コイル4、6は通電時に前記可動部材に第二磁界BS1をかけて前記可動部材を前記第一位置から前記第二位置へ移動させることができるマイクロシステムにおいて、
    前記励起コイルはソレノイド型であって、前記可動部材を支持する前記基板を取り囲むことを特徴とするマイクロシステム。
  2. 前記可動部材は、前記基板3に設置された長手軸A、A’を有するメンブレン20、20’を備え、前記長手軸A、A’に対して垂直である軸P、P’に従って、前記二つの位置間で旋回でき、また、前記メンブレン20、20’は磁気性材料からなる少なくとも一つの層を有することを特徴とする請求項1に記載のマイクロシステム。
  3. 前記第一磁界B0は均一であって、前記可動部材が設置された前記基板3の表面30に対して垂直に方向づけられることを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロシステム。
  4. 前記磁気マイクロアクチュエータ2、2’を支持する前記基板3は磁気回路内に配置され、前記磁気回路は空隙50、51および前記第一磁界B0を発生させる磁気源を有することを特徴とする請求項1〜3のマイクロシステム。
  5. 前記磁気源は永久磁石5であることを特徴とする請求項4に記載のマイクロシステム。
  6. 前記磁気源は電磁コイル5’であることを特徴とする請求項4に記載のマイクロシステム。
  7. 前記励起コイル4は、長手方向に異なる巻き40の密度を有することを特徴とする請求項1〜6に記載のマイクロシステム。
  8. 前記励起コイル4は、両端において巻き40の数が大きくなることを特徴とする請求項7に記載のマイクロシステム。
  9. 均一の前記第一磁界B0の磁力線の方向は、前記磁気マイクロアクチュエータ2、2’を支持する前記基板3の表面30の平面に対して垂直ではないことを特徴とする請求項1〜8に記載のマイクロシステム。
  10. 二つの電気回路の開路・閉路を制御することを特徴とする請求項1〜9に記載のマイクロシステム。
  11. MEMS技術で製作されることを特徴とする請求項1〜10に記載のマイクロシステム。
  12. 前記基板3は前記励起コイル4によって同時に制御できる、複数の同型の前記磁気マイクロアクチュエータ2、2’を支持することを特徴とする請求項1〜11に記載のマイクロシステム。
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