JP4514892B2 - 建築用デザインの分類装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は建築用デザインの分類方法および分類装置に関し、特に、建築物の内装もしくは外装のデザインを、特定の材質の利用形態に応じて分類するための分類方法および分類装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築物の内装や外装には、様々な建材が組み合わされており、しかも個々の建材の形、色、材質などは様々である。このため、内装や外装のデザインには無限の組み合わせが存在し、このような建築デザインに対するユーザの嗜好も千差万別である。したがって、建築関連業界としては、ユーザの好みに応じたデザインをもった内装や外装を提供してゆく上で、様々なデザインを分類する必要があり、様々な分類手法が提案されている。
【0003】
通常は、たとえば、クラシック調のデザインとか、暖かみのあるデザインといったように、デザインの態様や性質を言葉によって表現して分類する手法が採られるが、最近は、より視覚的な分類方法として、いわゆるデザインマップあるいはテイストマップと呼ばれる二次元マップを用いた分類方法も利用されている。たとえば、特開平7−44098号公報に開示されているインテリアデザインマップでは、互いに対局位置にある概念をパラメータとして定め、このようなパラメータを2組用いて二次元パラメータマップを構成し、このマップ上で種々のデザインを分類する手法が採られている。たとえば、モダン調/トラディショナル調といった対局概念を示すパラメータ軸を横軸にとり、ダーク調/ライト調といった対局概念を示すパラメータ軸を縦軸にとったマップを作成して各位置にそれぞれのパラメータに応じたインテリア画像を配置すれば、各インテリア画像をマップ上で分類することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したインテリアデザインマップなどでは、「インテリアデザイン」という抽象概念を、モダン調/トラディショナル調、ダーク調/ライト調、和風調/欧米調、といった言葉によって表現可能な感覚上の概念に置き換えて分類する手法を採っている。しかしながら、内装や外装デザインの分類は、必ずしもこのような言葉によって表現可能な感覚上の概念のみで行うことはできない。特に、建材の材質の使い方を考慮に入れた分類を行う場合、従来の分類方法では十分に対応することができない。最近では、ユーザの自然志向が益々高まる傾向にあり、たとえば、木の温もり感に対するニーズも顕在化しつつある。しかしながら、ユーザが材質として木を用いた内装を求めていたとしても、内装材としての木の用い方は多種多様であり、系統立てた分類を行うことができなければ、ユーザの要望に適したデザインを提供することは困難である。
【0005】
そこで本発明は、建材の材質の使い方を考慮に入れた分類を行うことが可能な建築用デザインの分類方法および分類装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の第1の態様は、建築物の内装もしくは外装のデザインを分類する建築用デザインの分類装置において、
分類対象となるデザインについての個々の構成要素に特定の材質が用いられているか否かを示すデータを入力する材質入力部と、
この材質入力部に入力されたデータに基づいて、特定の材質について面材としての利用が多いか線材としての利用が多いかを示す第1のパラメータ値と、特定の材質が全体的に利用されているか部分的に利用されているかを示す第2のパラメータ値とを決定するパラメータ決定部と、
2つのパラメータの一方を横軸に他方を縦軸にそれぞれとることにより二次元パラメータマップを用意し、この二次元パラメータマップ上において、分類対象となるデザインを、そのパラメータ値に応じた所定の座標位置に対応づけて分類する位置決定部と、
を設け、
材質入力部は、天井面材、壁面材、床面材という3種類の面材構成要素と、天井線材、壁線材、床線材という3種類の線材構成要素と、を含むリストを画面上に表示し、このリストから特定の材質が用いられている構成要素を選択するオペレータの作業に基づいて、個々の構成要素に特定の材質が用いられているか否かを示すデータを入力する処理を行い、
パラメータ決定部は、天井面材、壁面材、床面材については正のポイント値を、天井線材、壁線材、床線材については負のポイント値をそれぞれ定め、「オペレータによって選択された構成要素」についてのポイント値を符号を考慮して集計することにより第1のパラメータ値を決定する処理を行い、天井面材および天井線材からなる天井グループと、壁面材および壁線材からなる壁グループと、床面材および床線材からなる床グループと、の3つのグループに関しての「オペレータによって選択された構成要素」の分布に基づいて第2のパラメータ値を決定するようにしたものである。
【0009】
(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1の態様に係る建築用デザインの分類装置において、
二次元パラメータマップ上の対応位置に、内装もしくは外装のデザインを示す画像を配置して表示することにより、分類結果を提示するようにしたものである。
【0010】
(3) 本発明の第3の態様は、上述の第1または第2の態様に係る建築用デザインの分類装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録するようにしたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。図1は、本発明に係る分類方法によって、7つのデザインをマップ上に分類した一例を示す平面図である。このマップは、二次元のパラメータマップを構成している。すなわち、図示のとおり、このマップ上には、横軸と縦軸とが定義されており、各軸はそれぞれ所定のパラメータ値を示す座標軸として機能している。各パラメータは、着目対象となる特定の材質に関しての使用形態に関するパラメータである。具体的には、この例では、横軸に対応する第1のパラメータは、特定の材質に関して、面材としての利用が多いか線材としての利用が多いかを示すパラメータであり、図の例では、マップの左側へゆくほど面材としての利用が多く、マップの右側へゆくほど線材としての利用が多いことを示している。一方、縦軸に対応する第2のパラメータは、特定の材質に関して、全体的に利用されているか部分的に利用されているかを示すパラメータであり、図の例では、マップの上へゆくほど全体的に利用されている度合いが強く、マップの下へゆくほど部分的に利用されている度合いが強いことを示している。
【0012】
図示の例の場合、マップ上の各位置には、7つのデザイン(デザイン1〜7)が配置されているが、これらの各デザインは、それぞれ建築の内装もしくは外装に関するデザインである。たとえば、マップ上の各位置に、種々の内装デザインを示す画像を配置するようにすれば、このマップをインテリアデザインマップとして利用することができる。このマップ上に配置された各デザインは、その配置位置に応じた材質利用形態をもった内装もしくは外装のデザインとなっている。たとえば、図1のマップが、特定の材質として木材に着目し、この木材の利用形態に基づく分類が行われたマップであったとすると、左端に配置されたデザイン1は、木質面材が多く利用されている内装デザインであり、右端に配置されたデザイン3は、木質線材が多く利用されている内装デザインということになる。すなわち、内装に利用されている木材に着目し、面材としての利用が多いか線材としての利用が多いかを比べた場合に、面材としての利用が多い内装デザインはより左側に配置され、線材としての利用が多い内装デザインはより右側に配置されることになる。
【0013】
同様に、上端に配置されたデザイン1,2,3は、木質建材が全体的に利用されている内装デザインであり、下端に配置されたデザイン6,7は、木質建材が部分的に利用されている内装デザインということになる。すなわち、内装全体を見回して木材の利用箇所に着目し、利用箇所が全体的に分布しているか部分的に集中しているかを比べた場合に、全体的に分布している内装デザインはより上側に配置され、部分的に集中している内装デザインはより下側に配置されることになる。
【0014】
本発明に係る建築用デザインの分類方法は、このように、まず着目対象となる特定の材質を決め(たとえば、木材)、この特定の材質に関して、面材としての利用が多いか線材としての利用が多いかを示す第1のパラメータと、全体的に利用されているか部分的に利用されているかを示す第2のパラメータとを定め、これら2つのパラメータの一方を横軸に他方を縦軸にそれぞれとることにより、2つのパラメータ値を座標値として用いる二次元のパラメータマップを用意し、このパラメータマップの所定位置にその座標値に応じた2つのパラメータ値に対応する材質利用形態をもった内装もしくは外装のデザインを配置することにより、二次元パラメータマップ上で個々のデザインを分類する点に特徴がある。
【0015】
本願発明者は、このような2つのパラメータによる二次元マップを用いると、建築物の内装もしくは外装のデザインに関して、その材質の利用態様を考慮した分類を効果的に行うことができることを見出だした。これは、このような二次元パラメータマップにより、特定の材質の利用形態に関する総合的な分類が可能になるためと思われる。たとえば、木材に着目した内装の二次元パラメータマップの場合、木質感インテリアの方向性、構成手法、部位・要素などについての総合的な分類が可能になる。特に、2つのパラメータによる二次元マップを採用すると、図2に示すような方向性概念が生じることになるので、材質に関する嗜好を直観的に分類できるようになる。すなわち、横軸は着目材質が面的か線的かという方向性を示す概念軸となり、縦軸は着目材質が全体か部分かという方向性を示す概念軸となる。しかも、このような縦横の方向性を定義することにより、結果的に、着目材質の面積比率がマップの左上では大きくなり右下では小さくなるという新たな方向性が顕在化してくることになり、縦横の方向性に加え、図に破線で示した斜め方向の方向性(第3の方向成分)も加わることになる。
【0016】
なお、図1に示す例では、二次元パラメータマップ上の任意の座標位置に7つのデザインを分類した例を示したが、実用上は、第1のパラメータおよび第2のパラメータとしてそれぞれ離散値を定めておき、この離散値に応じた座標位置に基づいてパラメータマップを複数の領域に分割し、領域単位で各デザインを分類するのが好ましい。
【0017】
以下、第1のパラメータ値および第2のパラメータ値としてそれぞれ4段階の値を定めた例を示すことにする。ここでは、第1のパラメータ(面的/線的)の値として、A,B,C,Dなる4段階の離散値を定め、第2のパラメータ(全体/部分)の値として、1,2,3,4なる4段階の離散値を定めた例を示す。別言すれば、第1のパラメータ値は、「A:非常に面的」、「B:やや面的」、「C:やや線的」、「D:非常に線的」なる4段階のうちのいずれかをとり、第2のパラメータ値は、「1:非常に全体的に分布」、「2:やや全体的に分布」、「3:やや部分的に集中」、「4:非常に部分的に集中」なる4段階のうちのいずれかをとることになる。
【0018】
このように各パラメータ値を4段階に設定した分類を行う場合、二次元パラメータマップを縦横それぞれ4つずつに分割し、合計16の領域を確保し、これらの領域のうちのいずれか1つに、分類対象となるデザインを対応づけて分類を行えばよい。図3は、このような領域分割を示す平面図である。左から右へ向かって順に、第1のパラメータ値A,B,C,Dに対応する領域が配置され、上から下へ向かって順に、第2のパラメータ値1,2,3,4に対応する領域が配置されており、丸数字で示した合計16の領域が形成されている。これら各領域には、それぞれパラメータ値に応じた材質利用形態をもった内装もしくは外装のデザインが分類されることになる。たとえば、領域▲1▼には、着目材質が「A:非常に面的」かつ「1:非常に全体的に分布」という形態で利用されている内装あるいは外装のデザインが分類され、領域▲8▼には、着目材質が「B:やや面的」かつ「4:非常に部分的に集中」という形態で利用されている内装あるいは外装のデザインが分類されることになる。
【0019】
各パラメータ値の離散的な定義は、必ずしも4段階にする必要はないが、実用上は、4段階程度が最も好ましい。そもそも「面的/線的」あるいは「全体/部分」といった概念は漠然とした概念であるため、あまり細かな段階を定義しても、実質的な意味をもたなくなってしまう。また、4段階定義によって16領域を形成した場合、図4にローマ数字I,II,III ,IVで示されているように、それぞれ4つの領域を有するゾーンI,II,III ,IVを定義することができるようになり、大まかには、4つのゾーンに分類し、更に、各ゾーン内を4つの領域に細分化するという階層的な分類ができる。着目材質を木材とし、内装に関する建築用デザインをこのような16の領域に分類した場合、ゾーンIは天井・壁などに木材が面として全体的に利用されている内装群を示し、ゾーンIIは天井・壁などに木材が面として部分的に利用されている内装群を示し、ゾーンIII は柱・梁などに木材が線として全体的に利用されている内装群を示し、ゾーンIVは木材がインテリアの一部として利用されているか、あるいは、ほとんど利用されていないという内装群を示すことになる。その結果、左下側に「面のアクセント」、右上側に「線のインパクト」という概念が生じることにより、図に破線で示した斜め方向の方向性(第4の方向成分)も加わることになる。
【0020】
結局、各パラメータ値を4段階に設定し、合計16領域からなる建築用デザインマップを用いた分類を行えば、ゾーンI,II,III ,IVというデザイン群としての分類が可能になるとともに、縦横斜めの4つの方向性による二次元的な広がりとしてデザインの認識が可能になる。
【0021】
図5は、このような16領域からなる建築用デザインマップを用いて分類を行った具体例を示す平面図である。この例は、材質として木材に着目し、16通りのデザインをマップ上に分類した例であり、各デザインの画像を個々の領域に配置して分類結果を提示したものである。ここで、図にハッチングを施した部分が木質面材を示し、図の太線部分が木質線材を示している。たとえば、左上(パラメータ値A1)に配置された内装デザインでは、床・壁・天井のすべてに分布するように木質面材が利用されており、木質線材は全く利用されていない。これに対して、左下(パラメータA4)に配置された内装デザインでは、ほぼ床だけに木質面材が集中して利用されており、木質線材は全く利用されていない。一方、右上(パラメータ値D1)に配置された内装デザインでは、床・壁・天井のすべてに分布するように木質線材が利用されており、木質面材は全く利用されていない。これに対して、右下(パラメータD4)に配置された内装デザインでは、かろうじて窓枠にだけ木質線材が利用されているにすぎず、木材の利用そのものが少ない。
【0022】
図6は、実用レベルの内装デザイン画像を上述した16領域からなる建築用デザインマップ上に分類した結果を示す平面図である。電子出願における図面の制約上、細部については不鮮明であるが、基本的には図5に示すマップと同種のマップであり、その表現内容も全く同様である。このような建築用デザインマップをユーザに提示し、どの内装デザインが最も好みであるかを答えてもらえば、そのユーザの内装における木質の利用形態に関する嗜好を把握することができる。
【0023】
結局、本発明に係る建築用デザインの分類は、これまで述べたように、着目対象となる特定の材質を決定し、この特定の材質について面材としての利用が多いか線材としての利用が多いかを示す第1のパラメータと、この特定の材質が全体的に利用されているか部分的に利用されているかを示す第2のパラメータとを定義し、これら2つのパラメータの一方を横軸に他方を縦軸にそれぞれとることにより、2つのパラメータ値を座標値として用いる二次元のパラメータマップを用意し、分類対象となる内装もしくは外装のデザインについて、この2つのパラメータ値を決定し、当該デザインをパラメータマップ上のパラメータ値に対応する座標位置に対応づけることによってなされる。
【0024】
このような分類は、手作業によって行うことも可能であるが、客観的な基準に基づいて、自動的な分類を行うためには、コンピュータを利用した分類装置を構成するのが好ましい。このような分類装置の基本構成を図7のブロック図に示す。ここに示す建築用デザインの分類装置は、材質入力部10と、パラメータ決定部20と、位置決定部30とによって構成される。
【0025】
材質入力部10は、分類対象となるデザインについての個々の構成要素に特定の材質が用いられているか否かを示すデータを入力する機能を有する。たとえば、特定の材質として木材に着目した場合、分類対象となるデザインの個々の構成要素ごとに、木材が用いられているか否かを示すデータの入力が行われることになる。図7に示す例は、内装デザインについての分類を行う装置の一例であり、材質入力部10は、天井面材、壁面材、床面材、天井線材、壁線材、床線材の6種類の構成要素のそれぞれについて、木が用いられているか否かを示すデータを入力する機能を有している。図8は、この6種類の構成要素を、より具体的要素として記述したリストの一例である。材質入力部10は、実際には、コンピュータの入力機能を利用して実現される。たとえば、コンピュータのディスプレイ画面上に図8に示すようなリストを表示させ、これらのうちから木が用いられている構成要素を選択してもらうような入力をさせればよい。オペレータは、分類対象となる内装デザインを見ながら、リスト上の構成要素のうち、木が用いられている構成要素をマウスなどでクリックして選択する作業を行えばよい。
【0026】
パラメータ決定部20は、材質入力部10に入力されたデータに基づいて、特定の材質について面材としての利用が多いか線材としての利用が多いかを示す第1のパラメータ値と、特定の材質が全体的に利用されているか部分的に利用されているかを示す第2のパラメータ値とを決定する機能を有する。実際には、このパラメータ決定処理は、所定のアルゴリズムに基づくコンピュータの演算処理によって実行されることになる。材質入力部10に入力されたデータを分析して、2つのパラメータ値を決定するためのアルゴリズムは種々のものが考えられるが、ここに示す実施形態では、次のようなアルゴリズムに基づいて、2つのパラメータ値の決定を行っている。
【0027】
まず、第1のパラメータ値は、天井面材、壁面材、床面材なる面材構成要素として特定の材質(この例の場合は木)が用いられている度合いと、天井線材、壁線材、床線材なる線材構成要素として特定の材質(この例の場合は木)が用いられている度合いと、を比較することにより決定できる。たとえば、図8のリストにおける左側に記述された面材構成要素と、右側に記述された線材構成要素とのそれぞれについて、予めポイントを定めておき、このポイントを集計することにより、面材としての利用と線材としての利用のいずれが多いかを決定すればよい。具体的には、たとえば、木質天井:+5,木質壁:+3,木質収納:+2,……のように、面材構成要素については正のポイントを定義し、木質天井梁:−2,木質天井桟:−1,木質廻縁:−1,…のように、線材構成要素については負のポイントを定義し、それぞれ木が用いられている構成要素についてポイントをカウントし、合計ポイントの値に基づいて第1のパラメータ値を決定すればよい。個々の構成要素についてのポイントの絶対値は、各構成要素の面積を考慮して定めることができるが(たとえば、ドアに比べて天井は絶対値を大きくするなど)、面積だけに基づいて定めるのは適当ではない。特に、面材構成要素と線材構成要素とを面積でのみ比較すると、当然、前者が後者より面積が大きくなってしまうので、両者でバランスがとれるように調整する必要がある。なお、第1のパラメータ値を、前述したように4段階で定義するのであれば、たとえば、ポイントの合計が+10以上なら「A:非常に面的」、+9〜0なら「B:やや面的」、−1〜−9なら「C:やや線的」、−10以下なら「D:非常に線的」というような分類の基準を定めておけばよい。
【0028】
一方、第2のパラメータ値は、天井、壁、床の3種類の構成要素についての特定の材質(この例の場合は木)の利用分布に基づいて決定することができる。たとえば、第2のパラメータ値を、前述したように4段階で定義するのであれば、天井、壁、床の3種類のグループについて、3つの全グループに少なくとも1つずつの木質構成要素が含まれていた場合には「1:非常に全体的に分布」とし、2つのグループに少なくとも1つずつの木質構成要素が含まれ、合計4以上の木質構成要素が存在する場合には「2:やや全体的に分布」とし、2つのグループに少なくとも1つずつの木質構成要素が含まれ、合計4未満の木質構成要素しか存在しない場合には「3:やや部分的に集中」とし、1つのグループにしか木質構成要素が含まれていないか、あるいは、木質構成要素が全く存在しない場合には「4:非常に部分的に集中」とするような基準を設定することができる。
【0029】
もちろん、上述した分類基準は、単純なモデルを示す一例であり、実際には、より複雑な基準を設定することが可能である。たとえば、図3に示す16通りの領域のそれぞれについて、当該領域に分類されるための条件を個別に設定しておき、分類対象となるデザインが、いずれの領域の条件に合致するかを判定して分類を行うこともできる。具体的には、たとえば、領域▲1▼については、「木質天井、木質壁、木質収納、木質建具、木質家具、木質床(いずれも面材構成要素)が存在し、かつ、木質長押、木質柱、木質格子(いずれも線材構成要素)が存在しない」というように、必須構成要素と必須非構成要素とを定めておき、分類対象デザインについて、必須構成要素のすべてが存在し、必須非構成要素のすべてが存在しなかった場合は、当該分類対象デザインを領域▲1▼に分類する、という手法を採ることができる。
【0030】
こうしてパラメータ決定部20によって2つのパラメータ値が決定されたら、位置決定部30において、2つのパラメータの一方を横軸に他方を縦軸にそれぞれとることにより二次元パラメータマップが用意され、この二次元パラメータマップ上において、分類対象となるデザインが、そのパラメータ値に応じた所定の座標位置に対応づけて分類されることになる。すなわち、最終的な分類結果は、図7の位置決定部30内に示されているように、二次元パラメータマップ上での座標Pとして与えられることになる。もっとも、実際には、各パラメータ値はたとえば4段階のような離散値として決定されるため、最終的な分類結果は、たとえば、図3に示す16通りの領域のいずれに所属するか、という分類情報として与えられることになる。
【0031】
このように、材質入力部10、パラメータ決定部20、位置決定部30からなる建築用デザインの分類装置を、コンピュータを用いて構成するには、各部の機能を果たすプログラムを用意し、これをコンピュータに組み込むようにすればよい。もちろん、このようなプログラムは、磁気ディスク、光ディスク、半導体記憶装置などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して配付することもできる。
【0032】
以上、本発明を図示する実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、この他にも種々の態様で実施可能である。たとえば、上述の実施形態では、着目対象となる材質として、木材を用いた例を示したが、本発明は木材に着目した分類に限定されるものではない。たとえば、石材、金属材、布材などの材質を着目対象とした分類を行うことも可能である。また、上述の例では内装に関する分類しか示していないが、本発明は外装に関する分類についても利用可能であり、更に、自動車、車両、船舶、航空機などの内装に関する分類にも利用可能である。本発明における「建築用」なる文言は、このような自動車、車両、船舶、航空機などの内装をも含めた広義の意味である。更に、上述の例では、横軸に第1のパラメータ(面的/線的)、縦軸に第2のパラメータ(全体/部分)をとった分類を行っているが、座標軸のとり方は任意であり、どの方向にどのパラメータを定義してもよく、また、面的/線的、あるいは全体/部分の方向を逆転させてもかまわない。
【0033】
【発明の効果】
以上のとおり本発明に係る建築用デザインの分類方法および分類装置によれば、建材の材質の使い方を考慮に入れた分類を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る分類方法によって、7つのデザインをマップ上で分類した一例を示す平面図である。
【図2】本発明に係る分類方法による分類を行った場合に生じる概念的な方向性を示す平面図である。
【図3】二次元マップ上を16分割することにより本発明に係る分類を行った例を示す平面図である。
【図4】図3に示す分類例において生じる概念的なデザイン群および方向性を示す平面図である。
【図5】木材に着目した場合の内装用デザインの分類例を示す平面図である。
【図6】木材に着目した場合の内装用デザインの分類例のより実用的な一例を示す平面図である。
【図7】本発明に係る分類装置の基本構成を示すブロック図である。
【図8】図7に示す分類装置における分類指針として利用される内装構成要素の詳細を示すリストである。
【符号の説明】
10…材質入力部
20…パラメータ決定部
30…位置決定部
A,B,C,D…第1のパラメータの段階
1,2,3,4…第2のパラメータの段階
P…座標位置
I,II,III ,IV…ゾーン
Claims (3)
- 建築物の内装もしくは外装のデザインを分類する装置であって、
分類対象となるデザインについての個々の構成要素に特定の材質が用いられているか否かを示すデータを入力する材質入力部と、
この材質入力部に入力されたデータに基づいて、前記特定の材質について面材としての利用が多いか線材としての利用が多いかを示す第1のパラメータ値と、前記特定の材質が全体的に利用されているか部分的に利用されているかを示す第2のパラメータ値とを決定するパラメータ決定部と、
前記2つのパラメータの一方を横軸に他方を縦軸にそれぞれとることにより二次元パラメータマップを用意し、この二次元パラメータマップ上において、分類対象となるデザインを、そのパラメータ値に応じた所定の座標位置に対応づけて分類する位置決定部と、
を備え、
前記材質入力部は、天井面材、壁面材、床面材という3種類の面材構成要素と、天井線材、壁線材、床線材という3種類の線材構成要素と、を含むリストを画面上に表示し、前記リストから前記特定の材質が用いられている構成要素を選択するオペレータの作業に基づいて、個々の構成要素に前記特定の材質が用いられているか否かを示すデータを入力する処理を行い、
前記パラメータ決定部は、天井面材、壁面材、床面材については正のポイント値を、天井線材、壁線材、床線材については負のポイント値をそれぞれ定め、「オペレータによって選択された構成要素」についてのポイント値を符号を考慮して集計することにより前記第1のパラメータ値を決定する処理を行い、前記天井面材および前記天井線材からなる天井グループと、前記壁面材および前記壁線材からなる壁グループと、前記床面材および前記床線材からなる床グループと、の3つのグループに関しての「オペレータによって選択された構成要素」の分布に基づいて第2のパラメータ値を決定することを特徴とする建築用デザインの分類装置。 - 請求項1に記載の建築用デザインの分類装置において、
二次元パラメータマップ上の対応位置に、内装もしくは外装のデザインを示す画像を配置して表示することにより、分類結果を提示する機能を有することを特徴とする建築用デザインの分類装置。 - 請求項1または2に記載の分類装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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