JP4508152B2 - 防舷材の選定方法およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、水に浮かぶ一方の船舶に、同じく水に浮かぶ他方の船舶が接近して、前記一方の船舶および前記他方の船舶の2つの船舶同士が接舷する接舷動作において用いる防舷材を、複数の防舷材候補から選定する方法およびプログラムに関する。
近年、2船舶間での原油の受け渡しなど、洋上荷役作業が増えてきている。また、洋上荷役作業はLPGにも適用されるようになり、近年では、船舶と洋上LNG基地との間での荷役作業も検討されている。洋上荷役作業を行なう機会は、益々高まっているといえる。2船舶間での洋上荷役作業は、一般的に、防舷材を介して2船舶を平行に接触させて(接舷させて)、係留索などを用いて2船舶を係留することで行なわれる。
例えば、2船舶間での原油受け渡しなどの洋上荷役作業において、接舷時に2船舶間の衝突のエネルギーが強すぎると、このエネルギーによって船体が破損することもある。このような船体の破損が生じた場合、原油流出などの事故が発生することもあり、海域の環境への影響などの甚大な事故につながる。洋上荷役において、このような2船舶間の接舷の条件の選定は重要である。
2船舶間の接舷は、2船舶間の接舷の際の速度や、接舷時の船首の方向(接舷の角度)、また、防舷材の種類など、多くの条件を選定する必要がある。従来は、これらの接舷・係留の条件は、基本的に、船長やムアリングマスター(接舷・係留に関し多くの経験や技能を有する専門家)などが、自らの経験・知識に基づいた主観的な判断によって選定する場合が殆どであった。近年、エネルギー需要の増加に伴って、洋上荷役作業も増加しており、船長やムアリングマスターを支援するため、また、経験の少ない人物であっても、客観的に接舷の条件を選定するための方法が求められている。
接舷の際、防舷材は、2船舶間の衝突のエネルギーを吸収することで、2船舶間同士の接触の衝撃を吸収し、2船舶間の接舷の際の衝撃を緩和する。接舷の際に用いる、このような防舷材の選定自体が不適な場合は、高度な操船技術をもってしても、接舷中の2船舶間距離や、また、接舷後の係留中の2船舶間距離が不適となり、洋上荷役作業に危険が生じる場合もあった。接舷の条件の中でも、防舷材の種類の選定は特に重要である。
このような防舷材の選定に関し、石油会社国際海事評議会(OCIMF;Oil Companies International Marine Forum)がガイドラインを発行している。このガイドラインでは、洋上荷役における、受け入れ船舶と受け渡し船舶の接舷手順や、荷役作業時における防舷材や係留索などの係留システムの条件の選定に関して規定されている。このOCIMFのガイドラインでは、一方の船舶(例えば、受け入れ船舶)の排水量をW、他方の船舶(例えば、受け渡し船舶)の排水量をWとすると、下記式(6)を用いて定まる、2つの船舶の等価排水量係数Cに基いて、下記表1に示すように、全長や直径が特定された1種類の防舷材が、必要な個数とともに設定(推奨)されている。なお、表1に示す防舷材について、例えばφ3.3×L6.5の防舷材とは、直径3.3(m)で長さが6.5(m)の防舷材のことである。
C=(2×W×W)/(W+W) ・・・(6)
Figure 0004508152
上記表1に示されるように、OCIMFのガイドラインでは、2つの船舶の等価排水量係数Cに基いて、船体の仮想質量(排水量)と接舷エネルギーとに応じた、防舷材の大きさや個数についての目安が記載されているのみである。しかし、上記の表1に基づいて選定された防舷材を用いて、経験豊かな船長(またはムアリングマスター)の指揮の下で、接舷作業が行なわれた場合(2船舶が接舷動作をした場合)であっても、例えば、波高が3〜5mの荒天時では、船体と防舷材との接触状態が異常となり、2船舶の接舷時の接舷エネルギーの大きさが、防舷材が十分安全に吸収できる吸収エネルギーの大きさを超えてしまう場合もあり、この場合、防舷材の表面に異常な磨耗が発生して防舷材が破損したりしてしまうこともあった。また、同様に荒天時において、2船舶間距離が維持されなくなり、2船舶の船体同士(各船体の外板同士)が接触する事故が発生することもあった。このように、従来の接舷エネルギーのみに基づいた防舷材の選定方法によって選定された防舷材では、波や風、潮流などの気象条件によっては、適当な防舷材とはなり得ない場合もあった。
そこで、本発明は、接舷時の2つの船舶それぞれの排水量の情報に加え、防舷材が十分安全に吸収できる吸収エネルギーの大きさや、気象・海象条件(波、潮流、風)、荷役の積載状態等に応じた船舶のコンディションなどを充分に考慮し、荒海における停泊および荷役においても、船舶の破損、係留索の破損、防舷材の破損等の事故を起こさず、且つ荷役の行い易い防舷材を選定する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、水に浮かぶ一方の船舶に、同じく水に浮かぶ他方の船舶が接近して、前記一方の船舶および前記他方の船舶の2つの船舶同士が接舷する接舷動作において用いる防舷材を、複数の防舷材候補からコンピュータを用いて選定する方法であって、前記一方の船舶および前記他方の船舶それぞれの排水量の情報を少なくとも含む船体関連情報と、前記接舷動作における、前記一方の船舶に対する前記他方の船舶の速度を表す相対速度情報を少なくとも含む接舷動作関連情報と、を少なくとも前記コンピュータに設定する接舷条件設定ステップと、前記コンピュータが、前記船体関連情報に応じて、複数の防舷材候補のうち1つの防舷材を、選定候補防舷材として設定する選定候補防舷材設定ステップと、前記コンピュータが、設定した前記選定候補防舷材が吸収する吸収エネルギーの上限値を、前記選定候補防舷材に応じて定める吸収エネルギー上限値設定ステップと、前記コンピュータが、前記船体関連情報および前記接舷動作関連情報に応じて、前記防舷材が吸収すべき、前記接舷動作において発生する接舷エネルギーの大きさを求める接舷エネルギー導出ステップと、前記コンピュータが、前記吸収エネルギー上限値設定ステップで設定した前記吸収エネルギーの上限値と、前記接舷エネルギー導出ステップで導出した前記接舷エネルギーの大きさと、を比較して、前記吸収エネルギーの上限値が前記接舷エネルギーよりも大きいか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにおいて前記吸収エネルギーの上限値が前記接舷エネルギーよりも大きいと判定した場合、前記コンピュータが、前記選定候補防舷材を、前記接舷動作において用いる防舷材として選定する選定ステップと、を有することを特徴とする防舷材の選定方法を提供する。
さらに、前記判定ステップにおいて、前記吸収エネルギーの上限値が前記接舷エネルギーよりも小さいと判定した場合、前記コンピュータが、前記複数の防舷材候補から、以前に前記選定候補防舷材として設定した防舷材と異なる防舷材を、選定候補防舷材として設定し直し、前記吸収エネルギー上限値設定ステップ、前記判定ステップを繰り返す繰り返しステップを有することが好ましい。
なお、前記複数の防舷材候補は、それぞれ直径が異なる複数種類の防舷材を含み、前記判定ステップにおいて、前記吸収エネルギーの上限値が前記接舷エネルギーよりも小さいと判定した場合、前記繰り返しステップでは、前記複数の防舷材候補から、以前に前記選定候補防舷材として設定した防舷材に比べて、より大きな直径を有する防舷材を、選定候補防舷材として設定し直すことが好ましい。
また、前記選定候補防舷材設定ステップでは、前記一方の船舶の排水量をW、前記他方の船舶の排水量をWとすると、下記式(1)を用いて定まる等価排水量係数Cに基いて、前記選定候補防舷材として前記1つの防舷材を設定することが好ましい。
C=(a×W×W)/(W+W) [aは定数]・・・(1)
また、前記吸収エネルギー上限値設定ステップでは、前記吸収エネルギーの上限値を、前記選定候補防舷材が、無圧縮の状態から60%圧縮された際に、前記選定候補防舷材が吸収する吸収エネルギーの大きさ以下に設定することが好ましい。
なお、前記接舷動作関連情報は、前記接舷動作における、前記一方の船舶に対する前記他方の船舶の相対運動の回転中心軸と前記他方の船舶の重心位置との距離を表す偏心情報を含み、前記接舷エネルギー導出ステップでは、前記一方の船舶および前記他方の船舶それぞれの排水量の情報に応じて定まる、2つの船舶の結合仮想質量をWVAB、前記相対速度情報の大きさをV、前記偏心情報の大きさを表す偏心係数をCeとすると、前記防舷材が吸収すべき、前記接舷動作において発生する接舷エネルギーの大きさEを、下記式(2)を用いて求めることが好ましい。
E=(1/2)×WVAB×V×Ce×b [bは定数]・・・(2)
前記接舷動作における前記一方の船舶の動作にともなって移動する、前記一方の船舶が浮かぶ前記水の質量を、前記一方の船舶の排水量に付加した際の全体の質量の大きさを表す、前記一方の船舶の仮想質量をWVA、前記接舷動作における前記他方の船舶の動作にともなって移動する、前記他方の船舶が浮かぶ前記水の質量を、前記他方の船舶の排水量に付加した全体の質量の大きさを表す、前記他方の船舶の仮想質量をWVB、とすると、前記結合仮想質量WVABは、下記式(3)を用いて表されることが好ましい。
VAB=(WVA×WVB)/(WVA+WVB) ・・・(3)
また、前記接舷動作関連情報は、前記接舷動作を実施する際の気象条件、各船舶それぞれの接舷動作オペレータの経験量の情報、各船舶の荷役積載量の情報、の少なくともいずれか1つに応じて定まる、前記接舷動作における安全性の程度を表す安全性関連情報を含み、前記接舷エネルギー導出ステップでは、前記一方の船舶および前記他方の船舶それぞれの排水量の情報に応じて定まる結合仮想質量をWVAB、前記相対速度情報の大きさをV、前記偏心情報の大きさを表す偏心係数をCe、前記安全性の程度を表す前記安全性関連情報の大記載をSFとすると、前記防舷材が吸収すべき、前記接舷動作において発生する接舷エネルギーの大きさEを、下記式(4)を用いて求めることが好ましい。
E=(1/2)×WVAB×V×Ce×SF ・・・(4)
本発明は、また、水に浮かぶ一方の船舶に、同じく水に浮かぶ他方の船舶が接近して、前記一方の船舶および前記他方の船舶の2つの船舶同士が接舷する接舷動作において用いる防舷材を、複数の防舷材候補から選定するためのプログラムであって、前記一方の船舶および前記他方の船舶それぞれの排水量の情報を少なくとも含む船体関連情報と、前記接舷動作における、前記一方の船舶に対する前記他方の船舶の速度を表す相対速度情報を少なくとも含む接舷動作関連情報と、を少なくとも設定する接舷条件設定ステップと、前記船体関連情報に応じて、複数の防舷材候補のうち1つの防舷材を、選定候補防舷材として設定する選定候補防舷材設定ステップと、設定した前記選定候補防舷材が吸収する吸収エネルギーの上限値を、前記選定候補防舷材に応じて定める吸収エネルギー上限値設定ステップと、前記船体関連情報および前記接舷動作関連情報に応じて、前記防舷材が吸収すべき、前記接舷動作において発生する接舷エネルギーの大きさを求める接舷エネルギー導出ステップと、前記吸収エネルギー上限値設定ステップで設定した前記吸収エネルギーの上限値と、前記接舷エネルギー導出ステップで導出した前記接舷エネルギーの大きさと、を比較して、前記吸収エネルギーの上限値が前記接舷エネルギーよりも大きいか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにおいて前記吸収エネルギーの上限値が前記接舷エネルギーよりも大きいと判定した場合、前記選定候補防舷材を、前記接舷動作において用いる防舷材として選定する選定ステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする防舷材の選定プログラムを、併せて提供する。
また、本発明は、水に浮かぶ一方の船舶に、同じく水に浮かぶ他方の船舶が接近して、前記一方の船舶および前記他方の船舶の2つの船舶同士が接舷する接舷動作において用いる防舷材を、複数の防舷材候補から選定する防舷材選定装置であって、前記一方の船舶および前記他方の船舶それぞれの排水量の情報を少なくとも含む船体関連情報と、前記接舷動作における、前記一方の船舶に対する前記他方の船舶の速度を表す相対速度情報を少なくとも含む接舷動作関連情報と、を少なくとも設定する接舷条件設定手段と、前記船体関連情報に応じて、複数の防舷材候補のうち1つの防舷材を、選定候補防舷材として設定する選定候補防舷材設定手段と、設定した前記選定候補防舷材が吸収する吸収エネルギーの上限値を、前記選定候補防舷材に応じて定める吸収エネルギー上限値設定手段と、前記船体関連情報および前記接舷動作関連情報に応じて、前記防舷材が吸収すべき、前記接舷動作において発生する接舷エネルギーの大きさを求める接舷エネルギー導出手段と、前記吸収エネルギー上限値設定手段で設定した前記吸収エネルギーの上限値と、前記接舷エネルギー導出手段で導出した前記接舷エネルギーの大きさと、を比較して、前記吸収エネルギーの上限値が前記接舷エネルギーよりも大きいか否かを判定する判定手段と、前記判定手段において前記吸収エネルギーの上限値が前記接舷エネルギーよりも大きいと判定した場合、前記選定候補防舷材を、前記接舷動作において用いる防舷材として選定する選定手段と、を有することを特徴とする防舷材選定装置を提供する。
本発明の防舷材の選定方法によれば、船舶の接舷作業に適した防舷材を選定することができる。本発明の防舷材の選定方法によれば、従来の選定方法では適した防舷材を選定することができなかった接舷作業条件、例えば、荒海上で2船舶が接舷して荷役作業を行なうような荷役作業条件であっても、荷役作業条件に適した防舷材を選定することができる。この発明により選定した防舷材を使用すると、接舷時、係留時、荷役作業時において、常に適切な2船舶間距離を保つことができる。よって、荷役の際の操船が容易且つ安全に行なえ、荷役限界となる気象・海象条件を推定できることから、荷役時間が短縮できる。また、船舶、防舷材、係船索が破損しない。また、防舷材の事故にともなう、LPGや石油の漏出を特に心配することなく、通常の配慮で荷役作業ができる。
以下、本発明の防舷材の選定方法について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
図1は、本発明の防舷材の選定方法の一実施形態を実施する防舷材選定装置の一例である、防舷材選定装置10(装置10)の構成を示す概略のブロック図である。本実施形態では、装置10において、タンカーである2つの船舶(船舶Aおよび船舶B)がそれぞれ所定の(設定された)量の原油を積載している状態で、2船舶間で洋上荷役を行なう場合における、防舷材の選定方法を実施する。より詳しくは、洋上に浮かぶ一方の船舶(船舶A)に、同じく洋上に浮かぶ他方の船舶(船舶B)が接近して、2つの船舶同士が接舷する接舷動作において用いる空気式防舷材を、複数の防舷材候補から選定する。
装置10は、メモリ20およびCPU22を備えた本体12と、ディスプレイなどの出力手段14と、キーボードやマウスなどの入力手段16とを備えた、公知のパーソナルコンピュータである。本体12は、接舷条件設定部24と、選定候補防舷材設定部26と、吸収エネルギー上限値設定部28と、接舷エネルギー導出部30と、判定部32と、選定候補防舷材変更部34とを備えている。これらの各部は、CPU22によって読み出されて実行されることで機能するプログラムとして、メモリ20に記憶されている。なお、装置10は、コンピュータであることに限定されず、例えば、上記の各部が専用回路で構成された専用装置であってもよい。
接舷条件設定部24は、例えば、オペレータが入力手段16を操作することで入力した各種情報に基づき、船舶Aおよび船舶Bそれぞれの船体に関する船体関連情報と、船舶Aと船舶Bの接舷動作に関する接舷動作関連情報とを、メモリ20に記憶する(設定する)。船体関連情報とは、具体的には、船舶Aの排水量Wおよび船舶Bの排水量WBや、接舷動作における船舶Aの動作にともなって移動する洋上の水の質量を、船舶Aの排水量に付加して表した船舶Aの仮想質量WVA、および、接舷動作における船舶Bの動作にともなって移動する洋上の水の質量を、船舶Bの排水量に付加して表した船舶Bの仮想質量WVB、などである。このような船体関連情報については、オペレータが入力手段16を操作することで、直接入力してもよい。または、オペレータが入力手段16を操作することで、各種の接舷動作関連情報を導出するためのパラメータを入力して、接舷条件設定部24が、これら入力されたパラメータ等を用いて、各種の船体関連情報を導出してもよい。
例えば、オペレータが入力手段16を操作することで、船舶Aの接舷動作時喫水量d(draught at the time of contact)や、船舶Aの船体の幅B(vessel beam)を入力して、接舷条件設定部24が、下記式(7)を用いて船舶Aに関する付加質量係数CmAを導出し、さらに、接舷条件設定部24が、この付加質量係数CmAを用いて、下記式(8)によって船舶Aの仮想質量WVAを導出して設定してもよい。船舶Bの仮想質量WVBも、接舷条件設定部24が、船舶Aの仮想質量WVA同様に導出すればよい。このような船舶Aの仮想質量WVA、および船舶Bの仮想質量WVBは、後述する、接舷エネルギー導出部30における、接舷エネルギーの大きさEの導出において用いられる。
mA=1+((2×d)/B)・・・(7)
VA=W×CmA ・・・(8)
接舷動作関連情報は、上記接舷動作における、船舶Aに対する船舶Bの速度を表す相対速度Vや、船舶Aに対する船舶Bの相対運動の回転中心軸と、船舶Bの重心位置との距離の大きさを表す偏心係数Ceや、接舷動作における安全性の程度を表す安全性関連情報SF、などである。このような接舷動作関連情報は、オペレータが入力手段16を操作することで、直接入力してもよい。または、オペレータが入力手段16を操作することで、各種の接舷動作関連情報を導出するためのパラメータを入力して、接舷条件設定部24が、これら入力されたパラメータ等を用いて、各種の接舷動作関連情報を導出してもよい。
例えば、接舷動作時の気象条件(海象条件、波の高さの情報)、船舶Aおよび船舶Bそれぞれの載貨重量トン数(DWT;Dead Weight Tonnage)などを入力して、接舷条件設定部24が、これらの情報に応じて、相対速度Vを導出して設定してもよい。下記表2は、接舷動作時の気象条件(海象条件、波の高さの情報)や、船舶Aおよび船舶Bそれぞれの載貨重量トン数(DWT)の組み合わせがそれぞれ異なる各場合について、安全に接舷が実施できると一般的に推奨されている相対速度Vをそれぞれ示している。接舷条件設定部24では、例えば、メモリ20に予め記憶されている下記表2に示すような情報に基づいて、相対速度Vを導出して設定すればよい。なお、下記表2における波浪階級(Sea State)は、国際気象通報式(World Meteorological Organization,WMO code3700)で規定された分類を表す値である。
Figure 0004508152
また、図2は、船舶Aと船舶Bとの接舷状態を示す図であり、船舶Bを中心に拡大して表した概略上面図である。装置10では、オペレータが入力手段16を操作することで、接舷動作における、船舶Bの環動半径r(船舶Bの慣性モーメントに応じて定まる)と、接舷時点における、船舶Bの重心位置Gから、船舶Bと船舶Aと最初の接舷地点Fまでの、船舶Aの進行方向に平行な方向の距離lを入力して、接舷条件設定部24が、下記式(9)を用いて上記偏心係数Ceを導出して設定してもよい。ここで、接舷地点Fは、船舶Aおよび船舶Bそれぞれの形状、船舶Aにおける防舷材の設置位置、接舷動作時における各船舶の接舷経路(接舷時の相対船首角度など)、等に基いて定まる。例えば、船舶Aおよび船舶Bそれぞれの接舷経路を予め設定しておき、この接舷経路のデータと、船舶Aおよび船舶Bそれぞれの形状のデータとから、接舷地点Fを求めておけばよい。このような接舷地点Fの導出には、例えば、横浜ゴム株式会社製の数値解析プログラム「IAMOS」を用い、各船舶や防舷材の3次元モデルを用いた3次元モデルシミュレーションによって、詳細に求めることができる。
Ce=1/(1+(l/r))・・・(9)
また、オペレータが入力手段16を操作することで、接舷動作を実施する際の気象条件、各船舶それぞれの接舷動作オペレータ(船長やムアリングマスター)の経験量の情報、各船舶の荷役積載量の情報等を入力し、接舷条件設定部24が、これらの情報に基づいて安全性関連情報SFを導出してもよい。安全性関連情報SFは、接舷動作の安全性を表す係数であり、比較的安全な接舷動作を行うときは、SF=1としておけばよい。また、比較的困難な接舷動作を行うときは、安全性関連情報SFを1〜2の範囲で、困難の度合に応じて設定すればよい。比較的安全な接舷動作を行う場合とは、気象条件が比較的穏やかで、接舷動作のオペレータの経験が比較的豊富な場合などである。また、比較的困難な接舷動作を行う場合とは、上記表2に示すrough天候条件など、気象条件が比較的荒れている場合(洋上の波が高く、風が強いなど)、接舷動作のオペレータの経験が比較的浅い場合などである。
装置10では、このように、船体関連情報だけではなく、接舷時における各船舶の姿勢や運動状態、接舷動作時の気象条件(海象条件、波の高さの情報)や、さらには、各船舶それぞれの接舷動作オペレータの経験量の情報、各船舶の荷役積載量の情報等などが反映された情報(接舷動作関連情報)を用いて、防舷材の選定を行う。
選定候補防舷材設定部26は、接舷条件設定部24で設定された上記船体関連情報(船舶Aの排水量Wおよび船舶Bの排水量WBそれぞれ)に応じて、複数の防舷材候補のうち1つの防舷材を選び、選定候補防舷材としてメモリ20に記憶する(設定する)。具体的には、下記式(1)に従って等価排水量係数Cを導出し、この等価排水量係数Cに基づいて、複数の防舷材候補のうち1つの防舷材を選ぶ。
C=(a×W×W)/(W+W) [aは定数]・・・(1)
本実施形態では、定数a=2とし(すなわち上記式(6)と同等の式とし)、上記OCIMFのガイドラインに沿って、導出された等価排水量係数Cに対応する、全長や直径が特定された、上記表1に示されている1種類の防舷材を選定する。メモリ20には、上記表1が予め記憶されている。
吸収エネルギー上限値設定部28は、選定候補防舷材設定部26が設定した選定候補防舷材が吸収する吸収エネルギーの上限値を、この選定候補防舷材に応じて定める。本実施形態では、この吸収エネルギーの上限値を、選定候補防舷材設定部26が設定した選定候補防舷材が、無圧縮の状態から60%圧縮された際に、この選定候補防舷材が吸収する吸収エネルギーの大きさに設定する。例えば、メモリ20には、上記表1とともに、表1に示される各種防舷材それぞれの、無圧縮の状態から60%圧縮された状態における吸収エネルギーの大きさが記憶されており、吸収エネルギー上限値設定部28がこの値を確認して、吸収エネルギーの上限値として設定する。吸収エネルギーの上限値は、判定部32に送られる。ここで、吸収エネルギーの上限値を、選定候補防舷材設定部26が設定した選定候補防舷材が、無圧縮の状態から60%圧縮された際に、この選定候補防舷材が吸収する吸収エネルギーの大きさに設定するのは、空気式防舷材では、一般的に、無圧縮の状態から60%程度圧縮されるまでは、防舷材自体に不具合が生じることもなく、接舷動作も安全に行えることがわかっているからである。逆に、防舷材が60%を大きく超えて圧縮された場合は、防舷材自体に不具合が生じることがあり、接舷動作に危険が生じる恐れがあるといえる。
接舷エネルギー導出部30は、接舷条件設定部24が設定した船体関連情報および接舷動作関連情報に応じて、2船舶(船舶Aおよび船舶B)の接舷動作において防舷材が吸収すべき、接舷動作において発生する接舷エネルギーの大きさを求める。具体的には、接舷条件設定部24が設定した船体関連情報である、船舶Aの仮想質量WVAおよび船舶Aの仮想質量WVBを用い、下記式(3)で表される2船舶の結合仮想質量WVABを求める。
VAB=(WVA×WVB)/(WVA+WVB) ・・・(3)
そして、この結合仮想質量WVABと、接舷条件設定部24が設定した接舷動作関連情報である相対速度情報V、偏心係数Ce、安全性関連情報SFとを、下記式(4)に代入することで、接舷エネルギーの大きさEを求める。求められた接舷エネルギーの大きさEは、判定部32に送られる。
E=(1/2)×WVAB×V×Ce×SF ・・・(4)
判定部32は、吸収エネルギー上限値設定部28で設定した吸収エネルギーの上限値と、接舷エネルギー導出部30で導出した接舷エネルギーの大きさとを比較して、上記吸収エネルギーの上限値が上記接舷エネルギーよりも大きいか否かを判定する。上記吸収エネルギーの上限値が上記接舷エネルギーよりも大きいということは、防舷材が60%を大きく超えて圧縮されることはなく、接舷動作の最中に防舷材自体に不具合が生じることもなく、接舷動作が安全に行えるといえる。判定部32は、上記吸収エネルギーの上限値が上記接舷エネルギーよりも大きいと判定した場合、この選定候補防舷材を、2船舶(船舶Aおよび船舶B)の接舷動作において用いる防舷材として選定する。
選定候補防舷材変更部34は、判定部32において、上記吸収エネルギーの上限値が上記接舷エネルギーよりも小さいと判定した場合、上記表1に示される複数の防舷材候補から、以前に前記選定候補防舷材として設定した防舷材と異なる防舷材を、選定候補防舷材として設定し直す。表1に示すように、複数の防舷材候補は、それぞれ直径が異なる複数種類の防舷材を含んでいる(φ3.3(m)の防舷材や、φ4.5(m)の防舷材など)。選定候補防舷材変更部34は、判定部32において、上記吸収エネルギーの上限値が上記接舷エネルギーよりも小さいと判定された場合、複数の防舷材候補から、以前に選定候補防舷材として設定した防舷材に比べて、より大きな直径を有する防舷材を、選定候補防舷材として設定し直す。
装置10では、CPU22による制御の下、この選定候補防舷材変更部34で設定された変更後選定候補防舷材について、吸収エネルギー上限値設定部28において吸収エネルギーの上限値が設定される。そして、判定部32が、吸収エネルギー上限値設定部28で設定された、変更後選定候補防舷材についての吸収エネルギーの上限値と、接舷エネルギー導出部30で導出した接舷エネルギーの大きさとを比較して、上記変更後選定候補防舷材の吸収エネルギーの上限値が上記接舷エネルギーよりも大きいか否かを判定する。そして、判定部32は、上記変更後選定候補防舷材の吸収エネルギーの上限値が上記接舷エネルギーよりも大きいと判定した場合、この変更後選定候補防舷材を、2船舶(船舶Aおよび船舶B)の接舷動作において用いる防舷材として選定する。装置10では、この選定候補防舷材変更部34による選定防舷材の変更、吸収エネルギー上限値設定部28における吸収エネルギーの上限値の設定、判定部32における判定を、判定部32において、変更後選定候補防舷材の吸収エネルギーの上限値が上記接舷エネルギーよりも大きいと判定されて、防舷材が選定されるまで繰り返し実施する。
図3は、それぞれ異なる種類の防舷材について、防舷材の圧縮量(m)とその際に発生する反力(kN)の関係を、それぞれ示すグラフである。なお、例えばφ3.3×L6.5−P50の防舷材とは、直径3.3(m)で長さが6.5(m)、初期内圧50(kN)の防舷材のことである。図3に示すグラフにおける各防舷材の反力の大きさは、各防舷材が吸収する吸収エネルギーの大きさに対応していることはいうまでもない。図3では、各防舷材について、接舷の際に用いられる許容範囲内、すなわち無圧縮の状態から60%圧縮されるまでの範囲についてのみ、上記関係をグラフで示している。図3に示すように、同一の直径(φ3.3(m))の空気式防舷材であっても、例えば、長さLを長くしたり、初期内圧Pを高くすることで、上記吸収エネルギーの上限値、すなわち60%圧縮された状態における吸収エネルギーの大きさは上昇する。しかし、このように、長さを長くしたり、初期内圧を変更した場合、圧縮率の増加に対する反力の増加率も大きくなっている。すなわち、長さが長く、または、初期内圧が高い防舷材とは、防舷材のバネ定数がより高く、比較的固い防舷材である。このような防舷材を、2船舶の接舷動作に用いた場合、元々設定していた防舷材を用いた場合に比べて、2船舶間が衝突(接舷)した際、2船舶に不必要に大きく乱雑な挙動を引き起こすことがある。一方、図3のグラフからわるように、空気式防舷材の直径を大きく(φ4.5(m))にした場合は、防舷材のバネ特性はほとんど変わらず、すなわち接舷時の2船舶の挙動は安定したまま、かつ吸収エネルギーの上限値も増加させることができる。選定候補防舷材変更部34は、判定部32において、上記吸収エネルギーの上限値が上記接舷エネルギーよりも小さいと判定された場合、複数の防舷材候補から、以前に選定候補防舷材として設定した防舷材に比べて、より大きな直径を有する防舷材を、選定候補防舷材として設定し直すことが好ましいといえる。
図4は、装置10を用いて行われる本発明の防舷材の選定方法の一例のフローチャート図である。以下、図4に示すフローチャート図に沿って、本発明の防舷材の選定方法の一実施例を示す。以下の実施例では、下記表3に示す船舶Aおよび船舶Bの2つの船舶が、下記表4に示すcase1−case5の5つの接舷速度で接舷する場合それぞれにおいて用いる防舷材を選定している。case1は、表2に示すcalm状態。case2、3が、表2に示すmoderate状態。case4,5が、表2に示すrough状態での接舷状態に対応している。まず、接舷条件設定部24において接舷条件が設定される(ステップS102)。具体的には、各船舶AおよびBそれぞれについて、表3に示す各値が設定されるとともに、上記各caseそれぞれについて、接舷動作時喫水量d(draught at the time of contact)や、船体の幅B(beam)を用いて、接舷条件設定部24が、上記式(7)を用いて各船舶に関する付加質量係数Cを導出する。さらに、この付加質量係数Cを用いて、上記式(8)を用いて、各船舶の仮想質量を求めて設定する。各caseの相対速度は表4に示す各値であり、各caseとも偏心係数Ce=0.5とし、SF=1と設定した。
Figure 0004508152
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次に、選定候補防舷材を設定する(ステップS104)。ここでは、選定候補防舷材設定部26が、表3に示される船舶Aの排水量Wおよび船舶Bの排水量WBそれぞれに応じて、複数の防舷材候補のうち1つの防舷材を選び、選定候補防舷材としてメモリ20に記憶する(設定する)。具体的には、上記式(1)の定数a=2とした式(すなわち上記式(6)と同等の式)に従って等価排水量係数Cを導出し、この等価排水量係数Cに基づいて、複数の防舷材候補のうち1つの防舷材を選ぶ。表3に示される各船舶AおよびBそれぞれの排水量を式(1)(式(6))に代入すると、等価排水量係数Cの値は、およそ202,107(ton)となる。選定候補防舷材設定部26は、このCの値(202,107(ton))に応じて、表1に基き、選定候補防舷材としてφ3.3×L6.5の防舷材を設定する。OCIMFのガイドラインに沿って選択されたこの選定候補防舷材は、比較的天候が穏やかな、表2に示すcalm状態では、実際の接舷動作によく適合することが知られている。
次に、吸収エネルギー上限値設定部28が、吸収エネルギー上限値を設定する(ステップS106)。この際、上述のように、選定候補防舷材設定部26が設定した選定候補防舷材が、無圧縮の状態から60%圧縮された際に、この選定候補防舷材が吸収する吸収エネルギーの大きさを、吸収エネルギーの上限値として設定する。図5は、ステップ104で設定されたφ3.3×L6.5の防舷材の、圧縮率−吸収エネルギーの関係を示すグラフである。60%圧縮時、吸収エネルギーは約1790(kN−m)である。吸収エネルギー上限値設定部28は、この値を、吸収エネルギー上限値として設定する。
そして、接舷エネルギーを導出する(ステップS108)。ここでは、接舷エネルギー導出部30が、接舷条件設定部24が設定した各種情報に応じて、2船舶(船舶Aおよび船舶B)の接舷動作において防舷材が吸収すべき、接舷動作において発生する接舷エネルギーの大きさを求める。接舷エネルギー導出部30は、具体的には、船舶Aの仮想質量WVAおよび船舶Bの仮想質量WVBを用い、上記式(3)で表される2船舶の結合仮想質量WVABを求める。そして、この結合仮想質量WVAB(本実施例では各case共通)、偏心係数をCe(本実施例では各case共通)、安全性関連情報SF(本実施例では各case共通)、および相対速度情報V(各case毎に異なる)を、各case毎に上記式(4)に代入することで、case1〜5のそれぞれ毎に、接舷エネルギーの大きさEを求める。本実施例では、case1〜5それぞれにおける接舷エネルギーは、表5のようになる。求められた接舷エネルギーの大きさEは、判定部32に送られる。
Figure 0004508152
そして、判定部32において判定を行なう(ステップS110)。ここでは、判定部32が、吸収エネルギー上限値設定部28で設定した吸収エネルギーの上限値(約1790(kN−m))と、接舷エネルギー導出部30で導出した接舷エネルギーの大きさとを比較して、上記吸収エネルギーの上限値が上記接舷エネルギーよりも大きいか否かを判定する。本実施例では、case1およびcase2については、判定OKとなり、case3〜5では、いずれも判定Noとなる(表5参照)。すなわち、船舶Aと船舶Bの接舷動作には、表2に示すcalm状態(比較的天候が穏やかな状態)では、OCIMFのガイドラインでも推奨されるφ3.3×L6.5の防舷材が、接舷動作において用いるに好ましい防舷材として選定される(ステップS112)。しかし、表2に示すrough状態(比較的天候が荒れた状態)では、φ3.3×L6.5の防舷材は適当ではない、と判定される。
次に、case3〜5の各状態に適合する防舷材を選定するため、選定候補防舷材が変更される(ステップS114)。ここでは、選定候補防舷材変更部34が、上記表1に示される複数の防舷材候補から、以前に前記選定候補防舷材として設定した防舷材と異なる防舷材を、選定候補防舷材として設定し直す。この際、選定候補防舷材変更部34は、上述のように、複数の防舷材候補から、以前に選定候補防舷材として設定した防舷材に比べて、より大きな直径を有する防舷材を、選定候補防舷材として設定し直す。すなわち、本実施例では、表1に記載されている、φ4.5×L9.0の防舷材を、変更後選定候補防舷材として設定する。上述のように、この防舷材は、φ3.3×L6.5の防舷材とバネ特性もほとんど変わらない、船舶Aと船舶Bの接舷動作に好ましい(接舷の際、2船舶に、不必要に大きく乱雑な挙動を引き起こすことがない)防舷材である。
そして、吸収エネルギー上限値設定部28が、この変更後選定候補防舷材に応じて、ステップS106の吸収エネルギーの上限値の設定(変更)を、再度実施する。図6は、ステップ112で設定されたφ4.5×L9.0の防舷材の、圧縮率−吸収エネルギーの関係を示すグラフである。φ4.5×L9.0の防舷材が60%圧縮された状態では、吸収エネルギーは約4752(kN−m)である。吸収エネルギー上限値設定部28は、この値(約4752(kN−m))を、吸収エネルギー上限値として設定する。
そして、判定部32が、ステップS110の判定を再度行なう。吸収エネルギー上限値設定部28で改めて設定された、上記吸収エネルギーの上限値(約4752(kN−m))は、case3−5のいずれの接舷エネルギーよりも大きく、case3−5のいずれの場合についても判定はOKとなる(表5参照)。すなわち、表2に示すrough状態(比較的天候が荒れた状態)では、φ4.5×L9.0の防舷材が、接舷動作において用いるに好ましい防舷材として選定される。
以下、数値解析プログラムを用いて、本実施例についての確認実験を行った結果について、簡単に述べておく。数値解析プログラムとしては、横浜ゴム株式会社製IAMOSを用いた。上記数値解析プログラムでは、船舶Aを再現する3次元モデル、船舶Bを再現する3次元モデル、上記2つの防舷材候補(φ3.3×L6.5の防舷材、およびφ4.5×L9.0の防舷材)をそれぞれ再現する複数の選定候補防舷材モデルを作成した。そして、別途設定した環境条件(波や風の条件など)や接舷経路に基き、この環境条件下で設定した接舷経路に沿って2船舶が接舷する接舷動作を再現する接舷シミュレーションを実施して、接舷シミュレーションにおける2船舶の3次元モデル間の距離や、防舷材モデルが吸収する吸収エネルギーに対応する、防舷材モデルの圧縮量の時系列データなどを導出した。本数値解析プログラムについては、本願出願人による出願である特願2005−304914号明細書に詳細に記載されている。
確認実験では、複数の選定候補防舷材モデルそれぞれを用いてシミュレーションを行なった場合それぞれについて、各選定候補防舷材モデルが吸収する吸収エネルギーの時系列データや、各選定候補防舷材モデルの圧縮量の時系列データを導出した。これにより、各選定候補防舷材モデルが再現する選定候補防舷材を用いて、2船舶(船舶Aと船舶B)の接舷動作を行なった場合それぞれにおける、各選定候補防舷材それぞれの圧縮量の最大値を求めた。そして、上述のように、接舷の際、無圧縮の状態から60%程度以上圧縮される場合は、この選定候補防舷材モデルが再現する選定候補防舷材は、2船舶(船舶Aと船舶B)の接舷動作において用いる防舷材としては好ましくないと評価した。
数値解析プログラムにおける船舶Aおよび船舶Bそれぞれの条件は、下記表6のように設定した。図7は、数値解析プログラムにおいて作成した船舶Aの3次元モデル52と、船舶Bの3次元モデル54、選定候補防舷材モデル56について示す各モデルの概略上面図である。接舷シミュレーションにおいて、選定候補防舷材モデル56は、船舶Aの側面の決められた位置に6個設置されている。接舷の際は、最も船首に近い位置に設置された防舷材が、最も大きく圧縮される(最も大きくエネルギーを吸収する)。
Figure 0004508152
また、接舷時の2船舶の船首角度や上記相対速度Vを含む接舷経路の条件を、下記表7のようにcaseA〜caseDと4つ設定した。相対速度Vに基いて判断すると、表7に示すcaseAは、表4に示すcase1にほぼ対応し、表7に示すcaseBは、表4に示すcase3にほぼ対応している。また、環境条件としては、caseA〜caseDいずれにおいても共通とし、洋上の波の条件を下記表8のように設定した。なお表8における波の角度は、船舶Aの船首方向に対する波の進行方向のなす角度である。
Figure 0004508152
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確認実験では、このようなcaseA〜caseDの各caseそれぞれについて、2船舶が接舷する接舷動作を再現する接舷シミュレーションを実施して、防舷材モデルの圧縮量の時系列データなどを導出し、各caseそれぞれについて、各選定候補防舷材それぞれの圧縮率の最大値を求めた。図8(a)は、このようにして求めた、φ3.3×L6.5の防舷材を用いて接舷動作を行なった際の、caseA〜caseDの各caseそれぞれにおける、各選定候補防舷材それぞれの圧縮率の最大値について示すグラフである。φ3.3×L6.5の防舷材を用いた場合、表4に示すcase1(calm状態)とほぼ対応しているcaseAでは、防舷材の圧縮率は45%程度と、十分に安全であることが確認された。しかし、表5に示すcase3(moderate状態)にほぼ対応しているcaseBでは、防舷材の圧縮率は55%程度にまで大きくなり、十分に安全であるとはいえない。caseC〜caseDと相対速度Vが大きくなると、防舷材の圧縮率はいずれも60%以上となり、接舷動作の危険度はさらに上昇する。すなわち、caseB以上の速度で接舷する状態では、φ3.3×L6.5の防舷材は好適ではないことが判断できる。これは、上述した本発明の防舷材の選定方法における防舷材の選定結果と、よく一致している。一方、図8(b)には、上記接舷シミュレーションを実施することで求めた、φ4.5×L9.0の防舷材を用いて接舷動作を行なった際の、caseA〜caseDの各caseそれぞれにおける、各選定候補防舷材それぞれの圧縮率の最大値について示している。φ4.5×L9.0の防舷材を用いた場合、caseA〜caseDの各caseそれぞれにおいて、防舷材の圧縮率はいずれも50%にも満たない。φ4.5×L9.0の防舷材は、船舶Aと船舶Bとが、悪天候において接舷動作を行なう場合にも好適であるといえる。この結果も、本発明の防舷材の選定方法における防舷材の選定結果と、よく一致している。このような確認実験によって、本発明の防舷材の選定方法の有効性(選定精度が十分であること)が確認できた。
本発明を用いれば、このように、天候の違いなど、多様な条件それぞれで好適な防舷材を選定できる。下記表9〜11は、本発明の防舷材の選定方法を実施して、DWT(載貨重量トン数)がそれぞれ異なる複数の船舶Aのうち1つの船舶と、DWT(載貨重量トン数)がそれぞれ異なる複数の船舶Bのうち1つの船舶とが接舷動作を実施する際に好適な防舷材を、全ての船舶の組み合わせそれぞれについて選定した結果について示す表である。表9は、表2に示すcalm状態における接舷動作で用いるに好ましい防舷材を選定した結果を示している。表10は、表2に示すmoderate状態における接舷動作で用いるに好ましい防舷材を選定した結果を示している。表11は、表2に示すrough状態における接舷動作で用いるに好ましい防舷材を選定した結果を示している。なお、表9〜表11において、例えば、φ3.3×L6.5−P50、4pcsとは、直径3.3(m)、長さ6.5(m)、初期圧力50(kN)の防舷材を、4つ設置することが選定されたことを意味している。表9〜表11には、表1に示すOCIMFのガイドラインによって、推奨される1種類の防舷材それぞれに対応する、等価排水量係数Cの範囲それぞれも併せて記載している。表9〜表11に示すように、天候状態が比較的穏やかなcalm状態(表9)では、OCIMFのガイドラインに沿って選定された防舷材候補も、本発明の選定方法によって選定された防舷材と比較的よく一致する。しかし、天候状態が比較的荒れたrough状態(表11)では、OCIMFのガイドラインに沿って選定された防舷材候補と、本発明の選定方法によって選定された防舷材との一致精度が、特に、船舶のDWTが比較的大きい場合において比較的悪くなる。これは、OCIMFのガイドラインが、基本的に天候状態が比較的穏やかなcalm状態での接舷動作を考慮して作成されたものであるのに対し、本発明の防舷材の選定方法は、天候状態が比較的荒れたrough状態についても考慮しているからである。本発明の防舷材選定方法の有用性(選定精度)については、上述のように、数値解析プログラムを用いて確認されており、本発明の防舷材選定方法を用いることで、OCIMFのガイドラインに沿った方法に加えて、天候状態が比較的荒れたrough状態であっても、最適な防舷材を選定することができる。
Figure 0004508152
Figure 0004508152
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本発明の防舷材の選定方法を用いて導出された、表9〜表11に示すような表を用いることで、船長やムアリングマスターなどの接舷オペレータは、各種荷役作業条件に適した防舷材を容易かつ正確に選定できる。本発明により選定した防舷材を使用すると、接舷時、係留時、荷役作業時において、常に適切な船舶間隔を保つことができる。よって、荷役の際の操船が容易且つ安全に行なえ、荷役限界となる気象・海象条件を推定できることから、荷役時間が短縮できる。また、船舶、防舷材、係船索が損傷しない。また、防舷材の事故にともなう、LPGや石油の漏出を特に心配することなく、通常の配慮で荷役作業ができる。
以上、本発明の防舷材の選定方法およびプログラムについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
本発明の防舷材の選定方法の一実施形態を実施する、防舷材選定装置の一例を示す概略のブロック図である。 船舶Aと船舶Bとの接舷状態を示す図であり、船舶Bを中心に拡大して表した概略上面図である。 それぞれ異なる種類の防舷材について、防舷材の圧縮量(m)とその際に発生する反力(kN)の関係を、それぞれ示すグラフである。 図1に示す装置を用いて実施される、本発明の防舷材の選定方法の一実施形態のフローチャートである。 吸収エネルギー上限値設定ステップで設定した防舷材の、圧縮率−吸収エネルギーの関係を示すグラフの一例である。 吸収エネルギー上限値設定ステップで設定した防舷材の、圧縮率−吸収エネルギーの関係を示すグラフの他の例である。 本発明の防舷材選定方法の効果を確認する確認実験において、数値解析プログラムによって作成した船舶の3次元モデルと、選定候補防舷材モデルとについて示す各モデルの概略上面図である。 (a)および(b)は、本発明の防舷材選定方法の効果を確認する確認実験の結果の例であり、(a)は、φ3.3×L6.5の防舷材を用いて接舷動作を行なった際の、選定候補防舷材それぞれの圧縮率の最大値について示すグラフであり、(b)は、φ4.5×L9.0の防舷材を用いて接舷動作を行なった際の、選定候補防舷材それぞれの圧縮率の最大値について示すグラフである。
符号の説明
10 装置
12 本体
14 出力手段
16 入力手段16
20 メモリ
22 CPU
24 接舷条件設定部
26 選定候補防舷材設定部
28 吸収エネルギー上限値設定部
30 接舷エネルギー導出部
32 判定部
34 選定候補防舷材変更部
52 船舶Aの3次元モデル
54 船舶Bの3次元モデル
56 選定候補防舷材モデル

Claims (10)

  1. 水に浮かぶ一方の船舶に、同じく水に浮かぶ他方の船舶が接近して、前記一方の船舶および前記他方の船舶の2つの船舶同士が接舷する接舷動作において用いる防舷材を、複数の防舷材候補からコンピュータを用いて選定する方法であって、
    前記一方の船舶および前記他方の船舶それぞれの排水量の情報を少なくとも含む船体関連情報と、前記接舷動作における、前記一方の船舶に対する前記他方の船舶の速度を表す相対速度情報を少なくとも含む接舷動作関連情報と、を少なくとも前記コンピュータに設定する接舷条件設定ステップと、
    前記コンピュータが、前記船体関連情報に応じて、複数の防舷材候補のうち1つの防舷材を、選定候補防舷材として設定する選定候補防舷材設定ステップと、
    前記コンピュータが、設定した前記選定候補防舷材が吸収する吸収エネルギーの上限値を、前記選定候補防舷材に応じて定める吸収エネルギー上限値設定ステップと、
    前記コンピュータが、前記船体関連情報および前記接舷動作関連情報に応じて、前記防舷材が吸収すべき、前記接舷動作において発生する接舷エネルギーの大きさを求める接舷エネルギー導出ステップと、
    前記コンピュータが、前記吸収エネルギー上限値設定ステップで設定した前記吸収エネルギーの上限値と、前記接舷エネルギー導出ステップで導出した前記接舷エネルギーの大きさと、を比較して、前記吸収エネルギーの上限値が前記接舷エネルギーよりも大きいか否かを判定する判定ステップと、
    前記判定ステップにおいて前記吸収エネルギーの上限値が前記接舷エネルギーよりも大きいと判定した場合、前記コンピュータが、前記選定候補防舷材を、前記接舷動作において用いる防舷材として選定する選定ステップと、
    を有することを特徴とする防舷材の選定方法。
  2. さらに、前記判定ステップにおいて、前記吸収エネルギーの上限値が前記接舷エネルギーよりも小さいと判定した場合、前記コンピュータが、前記複数の防舷材候補から、以前に前記選定候補防舷材として設定した防舷材と異なる防舷材を、選定候補防舷材として設定し直し、前記吸収エネルギー上限値設定ステップ、前記判定ステップを繰り返す繰り返しステップを有することを特徴とする請求項1記載の防舷材の選定方法。
  3. 前記複数の防舷材候補は、それぞれ直径が異なる複数種類の防舷材を含み、
    前記判定ステップにおいて、前記吸収エネルギーの上限値が前記接舷エネルギーよりも小さいと判定した場合、
    前記繰り返しステップでは、前記複数の防舷材候補から、以前に前記選定候補防舷材として設定した防舷材に比べて、より大きな直径を有する防舷材を、選定候補防舷材として設定し直すことを特徴とする請求項2記載の防舷材の選定方法。
  4. 前記選定候補防舷材設定ステップでは、前記一方の船舶の排水量をWA、前記他方の船舶の排水量をWBとすると、下記式(1)を用いて定まる等価排水量係数Cに基いて、前記選定候補防舷材として前記1つの防舷材を設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防舷材の選定方法。
    C=(a×WA×WB)/(WA+WB) [aは定数]・・・(1)
  5. 前記吸収エネルギー上限値設定ステップでは、前記吸収エネルギーの上限値を、前記選定候補防舷材が、無圧縮の状態から60%圧縮された際に、前記選定候補防舷材が吸収する吸収エネルギーの大きさ以下に設定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の防舷材の選定方法。
  6. 前記接舷動作関連情報は、前記接舷動作における、前記一方の船舶に対する前記他方の船舶の相対運動の回転中心軸と前記他方の船舶の重心位置との距離を表す偏心情報を含み、
    前記接舷エネルギー導出ステップでは、前記一方の船舶および前記他方の船舶それぞれの排水量の情報に応じて定まる、2つの船舶の結合仮想質量をWVAB、前記相対速度情報の大きさをV、前記偏心情報の大きさを表す偏心係数をCeとすると、
    前記防舷材が吸収すべき、前記接舷動作において発生する接舷エネルギーの大きさEを、下記式(2)を用いて求めることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の防舷材の選定方法。
    E=(1/2)×WVAB×V2×Ce×b [bは定数]・・・(2)
  7. 前記接舷動作における前記一方の船舶の動作にともなって移動する、前記一方の船舶が浮かぶ前記水の質量を、前記一方の船舶の排水量に付加した際の全体の質量の大きさを表す、前記一方の船舶の仮想質量をWVA、
    前記接舷動作における前記他方の船舶の動作にともなって移動する、前記他方の船舶が浮かぶ前記水の質量を、前記他方の船舶の排水量に付加した全体の質量の大きさを表す、前記他方の船舶の仮想質量をWVB、とすると、
    前記結合仮想質量WVABは、下記式(3)を用いて表されることを特徴とする請求項6記載の防舷材の選定方法。
    WVAB=(WVA×WVB)/(WVA+WVB) ・・・(3)
  8. 前記接舷動作関連情報は、前記接舷動作を実施する際の気象条件、各船舶それぞれの接舷動作オペレータの経験量の情報、各船舶の荷役積載量の情報、の少なくともいずれか1つに応じて定まる、前記接舷動作における安全性の程度を表す安全性関連情報を含み、
    前記接舷エネルギー導出ステップでは、前記一方の船舶および前記他方の船舶それぞれの排水量の情報に応じて定まる結合仮想質量をWVAB、前記相対速度情報の大きさをV、前記偏心情報の大きさを表す偏心係数をCe、前記安全性の程度を表す前記安全性関連情報の大きさをSFとすると、
    前記防舷材が吸収すべき、前記接舷動作において発生する接舷エネルギーの大きさEを、下記式(4)を用いて求めることを特徴とする請求項6または7のいずれかに記載の防舷材の選定方法。
    E=(1/2)×WVAB×V2×Ce×SF ・・・(4)
  9. 水に浮かぶ一方の船舶に、同じく水に浮かぶ他方の船舶が接近して、前記一方の船舶および前記他方の船舶の2つの船舶同士が接舷する接舷動作において用いる防舷材を、複数の防舷材候補から選定するためのプログラムであって、
    前記一方の船舶および前記他方の船舶それぞれの排水量の情報を少なくとも含む船体関連情報と、前記接舷動作における、前記一方の船舶に対する前記他方の船舶の速度を表す相対速度情報を少なくとも含む接舷動作関連情報と、を少なくとも設定する接舷条件設定ステップと、
    前記船体関連情報に応じて、複数の防舷材候補のうち1つの防舷材を、選定候補防舷材として設定する選定候補防舷材設定ステップと、
    設定した前記選定候補防舷材が吸収する吸収エネルギーの上限値を、前記選定候補防舷材に応じて定める吸収エネルギー上限値設定ステップと、
    前記船体関連情報および前記接舷動作関連情報に応じて、前記防舷材が吸収すべき、前記接舷動作において発生する接舷エネルギーの大きさを求める接舷エネルギー導出ステップと、
    前記吸収エネルギー上限値設定ステップで設定した前記吸収エネルギーの上限値と、前記接舷エネルギー導出ステップで導出した前記接舷エネルギーの大きさと、を比較して、前記吸収エネルギーの上限値が前記接舷エネルギーよりも大きいか否かを判定する判定ステップと、
    前記判定ステップにおいて前記吸収エネルギーの上限値が前記接舷エネルギーよりも大きいと判定した場合、前記選定候補防舷材を、前記接舷動作において用いる防舷材として選定する選定ステップと、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする防舷材の選定プログラム。
  10. 水に浮かぶ一方の船舶に、同じく水に浮かぶ他方の船舶が接近して、前記一方の船舶および前記他方の船舶の2つの船舶同士が接舷する接舷動作において用いる防舷材を、複数の防舷材候補から選定する防舷材選定装置であって、
    前記一方の船舶および前記他方の船舶それぞれの排水量の情報を少なくとも含む船体関連情報と、前記接舷動作における、前記一方の船舶に対する前記他方の船舶の速度を表す相対速度情報を少なくとも含む接舷動作関連情報と、を少なくとも設定する接舷条件設定手段と、
    前記船体関連情報に応じて、複数の防舷材候補のうち1つの防舷材を、選定候補防舷材として設定する選定候補防舷材設定手段と、
    設定した前記選定候補防舷材が吸収する吸収エネルギーの上限値を、前記選定候補防舷材に応じて定める吸収エネルギー上限値設定手段と、
    前記船体関連情報および前記接舷動作関連情報に応じて、前記防舷材が吸収すべき、前記接舷動作において発生する接舷エネルギーの大きさを求める接舷エネルギー導出手段と、
    前記吸収エネルギー上限値設定手段で設定した前記吸収エネルギーの上限値と、前記接舷エネルギー導出手段で導出した前記接舷エネルギーの大きさと、を比較して、前記吸収エネルギーの上限値が前記接舷エネルギーよりも大きいか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段において前記吸収エネルギーの上限値が前記接舷エネルギーよりも大きいと判定した場合、前記選定候補防舷材を、前記接舷動作において用いる防舷材として選定する選定手段と、
    を有することを特徴とする防舷材選定装置。
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