JP4505960B2

JP4505960B2 - High stretch durability polyester composite fiber and manufacturing method

Info

Publication number: JP4505960B2
Application number: JP2000212391A
Authority: JP
Inventors: 義斉森; 正英松村; 弘隆中嶋
Original assignee: Toray Industries Inc
Current assignee: Toray Industries Inc
Priority date: 2000-07-13
Filing date: 2000-07-13
Publication date: 2010-07-21
Anticipated expiration: 2020-07-13
Also published as: JP2002030527A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高伸縮性を有するポリエステル系複合繊維に関するものであり、詳しくは該複合繊維がポリトリメチレンテレフタレートが主体のＡ成分とポリブチレンテレフタレートが主体のＢ成分とで構成される高伸縮および耐久性を有するポリエステル系複合繊維および製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、ポリエステルは機械的特性をはじめ、様々な優れた特性を有しているため、衣料用のみならず幅広く展開されている。また、近年のストレッチブームにより、ポリエステル糸に伸縮性、捲縮性を与えるため種々の方法が採用されている。
【０００３】
例えば、ポリエステル繊維に仮撚り加工を施し、加撚／解撚トルクを発現させて伸縮性を付与する方法がある。しかしながら、このトルクは織物に使用した際には織物表面にシボを発生し、織物欠点となり易い問題がある。一方、収縮特性または溶融粘度の異なる重合体をサイドバイサイド型や偏芯芯鞘型に複合紡糸し、捲縮糸を得る技術も種々提案されている。例えば、特公昭４４−２５０４号公報や特開平４−３０８２７１号公報には、固有粘度差あるいは極限粘度差を有するポリエチレンテレフタレート（以下ＰＥＴと略す）のサイドバイサイド型複合糸が記載され、特開平５−２９５６３４号公報にはホモＰＥＴとそれより高収縮性の共重合ＰＥＴのサイドバイサイド型複合糸が記載されている。このような捲縮性ポリエステル複合糸を用いれば、確かにある程度の伸縮性を得ることができるが、織物に使用した際の伸縮性が不十分となり、満足な伸縮性織物が得られにくいという問題があった。上記したようなサイドバイサイド型複合糸は織物拘束中での捲縮発現性能が低く、また捲縮がヘタリ易いためである。
【０００４】
また、特開平１１−１８９９２３号公報には、ＰＥＴとそれより溶融粘度の低いポリトリメチレンテレフタレート（以下ＰＴＴと略す）からなるポリエステル系複合糸が提案されている。しかし、ＰＴＴをＰＥＴより低粘度とすると、発現する捲縮形態の大部分について、捲縮コイル内側がＰＥＴ成分、外側がＰＴＴ成分となるために、得られる捲縮糸の伸縮性、捲縮発現性について十分満足のいくものではなく、また伸縮性、捲縮発現性の保持性も非常に低いものとなり、実質的には固有粘度や極限粘度の異なるＰＥＴを用いたサイドバイサイド型複合により捲縮糸を得る公知の技術と何ら変わりのないものとなってしまうなどの問題がある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記のような従来技術の有する問題を解消し、安定した生産性と優れた伸縮性および品位を有する高伸縮耐久性のポリエステル系複合繊維および製造方法を提供するものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明は、以下の構成を採用する。すなわち、
（１）粘度の異なるポリエステルを６５：３５〜３５：６５の複合比率でサイドバイサイド型に複合したポリエステル系複合繊維において、ＣＯＯＨ末端基量が２０ｅｑ／ｔｏｎ以下であるポリトリメチレンテレフタレートが主体のＡ成分と、ポリブチレンテレフタレートが主体のＢ成分からなり、Ａ成分とＢ成分の固有粘度が次式（イ）を満足し、捲縮伸び率が２０％以下、伸縮伸長率が１０％以上、伸縮弾性率が９０％以上、ウースター斑が２．０％以下であることを特徴とするポリエステル系複合繊維。
【０００７】
１．５≦（Ｉａ／Ｉｂ）≦２．５・・・（イ）
（ただし、ＩａはＡ成分の固有粘度、ＩｂはＢ成分の固有粘度（ＩＶ）
【０００８】
（２）粘度の異なるポリエステルを６５：３５〜３５：６５の複合比率でサイドバイサイド型に複合したポリエステル系複合繊維において、ＣＯＯＨ末端基量が２０ｅｑ／ｔｏｎ以下であるポリトリメチレンテレフタレートが主体の高粘度成分とポリブチレンテレフタレートが主体の低粘度成分を用いて複合紡糸を行うに際し、紡糸温度２６０〜２８０℃、予備加熱温度５０〜８０℃、熱セット温度１００〜１８０℃で複合紡糸した未延伸糸条を、一旦巻き取ることなく連続して延伸することを特徴とする高伸縮耐久性ポリエステル系複合繊維の製造方法。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。本発明において、複合繊維を構成する２成分の重合体のうち、Ａ成分はポリトリメチレンテレフタレートが主体のポリエステルである。ＰＴＴは、結晶構造においてアルキレングリコール部のメチレン鎖がゴーシュ−ゴーシュの構造（分子鎖が９０度に屈曲）であること、さらにはベンゼン環同士の相互作用（スタッキング、並列）による拘束点密度が低く、フレキシビリティーが高いことから、メチレン基の回転により分子鎖が容易に伸長・回復するという特有の伸縮性を有している。このＰＴＴ固有の伸縮性を複合繊維においても十分発揮するためである。なお、本発明において、複合繊維を構成する２成分の複合比率は通常サイドバイサイド型複合による伸縮性付与に用いられる複合比率であれば特に規定するものではなく、一般的には重量比で６５：３５〜３５：６５の範囲であり、好ましくは６０：４０〜４０：６０である。
【００１０】
本発明において、複合繊維を構成するＢ成分はブチレンテレフタレートが主体であるポリブチレンテレフタレート（以下ＰＢＴと略す）である。Ｋ．Ｔａｓｈｉｒｏ，Ｍａｃｒｏｍｏｌｅｕｌｅｓ，１３，１３７８（１９８０）によると、ＰＢＴは外部より加えられた応力により、結晶ｃ軸の短いα−ｆｒｏｍと結晶ｃ軸の長いβ−ｆｏｒｍとが可逆的に変化し、結晶ｃ軸長が約１．４オングストローム程度伸縮するとある。このＰＢＴ固有の応力起因の結晶構造の変化は、外部からの応力を繊維構造の伸縮性に転移させるものであり、伸縮性の耐久性を向上するものである。
【００１１】
本発明において、Ａ成分の固有粘度とＢ成分の固有粘度は次式（イ）を満足するものである。
【００１２】
１．５≦（Ｉａ／Ｉｂ）≦２．５・・・（イ）
ただし、Ｉａ：Ａ成分の固有粘度、Ｉｂ：Ｂ成分の固有粘度である。
【００１３】
Ａ成分の固有粘度ＩａがＢ成分の固有粘度Ｉｂに対し、Ｉａ＝１．５×Ｉｂを下回る場合、複合繊維の伸縮性を主に受け持つＰＴＴ成分が、発現する捲縮コイルの内側となってしまい、ＰＴＴ固有の伸縮性が十分発揮されないばかりでなく、織編物に使用したときの嵩高性が得られにくくなる。さらには、ＰＢＴ固有の結晶構造の変化に起因する伸縮耐久性が発揮されにくいものとなる。また、Ｉａ＝２．５×Ｉｂを上回る場合、複合紡糸する際の吐出糸条の糸曲がりが大きくなり、安定して複合繊維を得ることができにくいばかりでなく、複合界面が大きく湾曲したサイドバイサイド型あるいは偏芯芯鞘型の複合繊維となってしまい、伸縮性に優れたものとすることができない。
【００１４】
本発明における複合繊維は、捲縮伸び率が２０％以下のものであり、より好ましくは１５％以下である。織編物に使用した際の伸縮性の耐久性を発揮するものである。また、伸縮伸長率は１０％以上あるものである。織編物に使用した際の伸び性を発揮するものである。また、伸縮弾性率は９０％以上あるものであり、より好ましくは９５％以上である。織編物に使用した際の縮み性を発揮するものである。伸縮伸長率が１０％以上で、かつ伸縮弾性率が９０％以上の特性を同時に満足することにより、良好な伸縮性ポリエステル系複合繊維とすることができる。
【００１５】
また、本発明における複合繊維は、ウースター糸斑が２．０％以下のものである。ウースター糸斑を２％以下とすることにより、織編物に使用した際の美しい布帛表面を得るばかりでなく、染色における染色斑の発生を回避できるものである。ウースター斑は好ましくは１．３％以下である。
【００１６】
本発明において、ポリトリメチレンテレフタレートのＣＯＯＨ末端基量は２０ｅｑ／ｔｏｎ以下であることが好ましく、１５ｅｑ／ｔｏｎ以下であることがより好ましい。複合紡糸時のポリマー熱劣化を抑制し連続紡糸性を向上するものである。
【００１７】
次に、本発明の複合繊維の好ましい製造方法の一例について説明する。
【００１８】
本発明の複合繊維の製造方法において、該複合繊維を複合紡糸するに際し、紡糸温度２６０〜２８０℃で複合紡糸した糸条を一旦巻き取ることなく連続して、５０〜８０℃の予備加熱後に延伸し、１００〜１８０℃の温度で熱セットすることが好ましい。この際、ＰＴＴおよびＰＢＴはＰＥＴに比べて、融点が低く、耐熱性が劣るため、紡糸温度は２６０〜２８０℃の範囲が好ましい。また、糸条を均一に加熱し、さらには過剰な加熱によるＰＴＴおよびＰＢＴの劣化を抑制するために、延伸時の予備加熱温度は５０〜８０℃の範囲とすることが好ましく、より好ましくは６０〜８０℃の範囲であり、ウースター斑が２．０％以下の繊維を得やすくするものである。さらに、延伸時の熱セット温度については１００〜１８０℃の範囲が好ましく、ＰＴＴおよびＰＢＴの熱劣化を抑制しつつ得られた複合繊維を織物に加工する際の取り扱いを容易にするためのものである。延伸倍率は特に規定するものではないが、２．０〜３．５倍が好ましく、より好ましくは２．５〜３．３倍であり、サイドバイサイド型複合により十分な伸縮性と捲縮発現性を付与するためである。
【００１９】
本発明において、糸条への交絡付与は特に必須の条件ではなく、交絡付与する方法も特に規定するものではないが、後加工における解舒性などの取り扱い性を向上するためには、通常の交絡付与装置により１．０〜５．０個／ｍの交絡を付与することが好ましい。
【００２０】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。なお、本文および実施例中のＣＯＯＨ末端基量、固有粘度、伸縮伸長率、伸縮弾性率、捲縮伸び率、ウースター斑、交絡数、製糸性、伸縮耐久性は次に示す内容のものである。
（１）ＣＯＯＨ末端基量：
ポリマ０．５ｇをｏ−クレゾール１０ｍｌ中で溶解し、２５℃に冷却後、ＮａＯＨ／ＭＡ溶液を用い、電位差滴定で測定した値（ｅｑ／ｔｏｎ）である。
（２）固有粘度：
オルソクロロフェノール（以下ＯＣＰと略す）１０ｍｌ中に試料ポリマーを０．８ｇ溶かし、２５℃にてオストワルド粘度計を用いて相対粘度ηｒを次式により算出した値（ＩＶ）である。
【００２１】
ηｒ＝η／η₀＝（ｔ×ｑ）／（ｔ₀×ｑ₀）
ＩＶ＝０．０２４２ηｒ＋０．２６３４
ただし、η：ポリマー溶液の粘度、η₀：ＯＣＰの粘度、ｔ：溶液の落下時間（秒）、ｑ：溶液の密度（ｇ／ｃｍ³）ｔ₀：ＯＣＰの落下時間（秒）、ｑ₀：ＯＣＰの密度（ｇ／ｃｍ³）。
（３）伸縮伸長率、伸縮弾性率：
原長５６０ｍｍのカセを作り、３．５３×１０^-3ｃＮ／ｄｔｅｘの荷重を掛けた状態で、９０℃の熱水で２０分間処理を施す。その後１．７６×１０^-3Ｎ／ｄｔｅｘの荷重（以下Ｍ１と略す）を掛けて３０秒後のカセ長Ｌ０を測定し、次にＭ１を外した後に０．０９ｃＮ／ｄｔｅｘの荷重（以下Ｍ２と略す）を掛けて３０秒後のカセ長Ｌ１を測定し、さらにＭ２を外した後に再びＭ１を掛けて３０秒後のカセ長Ｌ２を測定し、次式より求めた値（％）である（図２参照）。
【００２２】
伸縮伸長率（％）＝｛（Ｌ１−Ｌ０）／Ｌ０｝×１００
伸縮弾性率（％）＝｛（Ｌ１−Ｌ２）／（Ｌ１−Ｌ０）｝×１００
（４）捲縮伸び率：
伸縮伸長率および伸縮弾性率測定におけるカセ長Ｌ２を測定した後Ｍ１を外して、さらに、Ｍ２を３０秒間掛け、Ｍ２を外してＭ１を３０秒間掛ける作業を１０回繰り返した後の、Ｍ１を掛けて３０秒後のカセ長Ｌ３を測定し、次式より求めた値（％）である（図２参照）。
【００２３】
捲縮伸び率（％）＝｛（Ｌ３−Ｌ２）／Ｌ２｝×１００
（５）ウースター斑：
Ｚｅｌｌｗｅｇｅｒ社製ＵＳＴＥＲＴＥＳＴＥＲ１Ｍ０ｄｅｌＣを使用し、２００ｍ／分の速度で糸を給糸しながらノーマルモードで測定した。
（６）交絡数：
スイスＲＯＴＨＳＣＨＩＬＤ製ＡＵＴＯＭＡＴＩＣＥＮＴＡＧＬＥＭＥＮＴＴＥＳＴＥＲＲ２０６０を用い、糸速４ｃｍ／秒で３０回測定し、次式より求めた値（個／ｍ）である。
【００２４】
交絡数（個／ｍ）＝１０００ｍｍ／交絡距離ｍｍ
（７）製糸性：
連続紡糸の際の糸切れ回数が少ない順に次の４段階で評価した。
【００２５】
○○：２．０回／ｔ未満
○：２．５回／ｔ未満
△：３．０回／ｔ未満
×：３．０回／ｔ以上
（８）伸縮耐久性：
捲縮伸び率が小さいものから順に次の４段階で評価した。
【００２６】
○○：１０％未満
○：１５％未満
△：２０％未満
：２０％以上
（９）製品風合い：
伸縮性、嵩高性、表面凹凸感について熟練者５名による官能評価を行い、次の判定による４段階評価とした。
【００２７】
○○：優
○：良
△：可
×：不可
なお、ここでの製品とは、本発明により得られた複合糸に１０００Ｔ／ｍの撚糸を施したものを緯糸とし、経糸には５６デシテックス１８フィラメントの通常ＰＥＴ糸を用い１／３綾にて緯打ち込み織物とし、通常のポリエステル染色工程によって捲縮発現処理、染色仕上げ加工を行ったものを示す。
【００２８】
実施例１
図１に示した市販の直接紡糸延伸機を用いて、固有粘度１．７６、ＣＯＯＨ末端基量１８．２ｅｑ／ｔｏｎのＰＴＴと、固有粘度０．８０のＰＢＴを用いて、紡糸温度２７０℃で複合比率６０：４０の５６デシテックス２４フィラメントのサイドバイサイド型複合糸を得た。すなわち、複合紡糸口金１より複合糸条２を吐出し、チムニー糸条冷却装置３で十分冷却した後、オイリングローラー４で油剤を付与した。さらに軽交絡装置５で油剤均一化を施した後に、第１ホットローラー６で予備加熱後、第２ホットローラー７との速度比により延伸した。この時第２ホットローラー７温度にて熱セットし、本交絡装置８で交絡付与し、さらにゴデーローラー９を介してワインダー１０に巻き取ったものである。
【００２９】
実施例１では、第１ホットローラー速度（以下１ＨＲＶと略す）１８００ｍ／分で引き取り、第１ホットローラー温度（以下１ＨＲＴと略す）６５℃にて予備加熱した後、第２ホットローラー速度（以下２ＨＲＶと略す）５０４０ｍ／分とし、２つのローラーの速度比にて延伸倍率２．８倍で延伸すると同時に第２ホットローラー温度（以下２ＨＲＴと略す）１５０℃で熱セット後、ワインダーで巻き取った。糸切れ回数は１．８回／ｔと安定しており、伸縮伸長率２４．４％、伸縮弾性率９５．１％、と伸縮性は良好な複合糸を得た。また、捲縮伸び率は１４．３％と良好な伸縮耐久性を有しており、ウースター斑は１．０％と糸の太さ斑も小さく、この糸を用いた製品における風合いは、伸縮性、嵩高性、表面品位の優れたものが得られた。結果をまとめて表１に示す。
【００３０】
実施例２
固有粘度１．３６、ＣＯＯＨ末端基量１５．４ｅｑ／ｔｏｎのＰＴＴと固有粘度０．８０のＰＢＴを用いて、実施例１と同様、図１に示す装置を用いて、紡糸温度２６５℃で複合比率５０：５０の５６デシテックス２４フィラメントのサイドバイサイド型複合糸を得た。このとき１ＨＲＶ：１６００ｍ／分で引き取り、１ＨＲＴ：７０℃にて予備加熱した後、２ＨＲＶ：５０００ｍ／分とし、延伸倍率３．１倍で延伸すると同時に２ＨＲＴ：１５０℃で熱セット後、ワインダーで巻き取った。糸切れ回数は２．２回／ｔと実際生産には問題のないレベルであり、伸縮伸長率３３．４％、伸縮弾性率９９．２％、捲縮伸び率は９．３％と優れた伸縮性および伸縮耐久性を有した複合糸を得た。ウースター斑は１．２％と糸の太さ斑は小さく、この糸を用いた製品における風合いは、伸縮性、嵩高性、表面品位の優れたものが得られた。結果をまとめて表１に示す。
【００３１】
実施例３
固有粘度１．６５、ＣＯＯＨ末端基量１１．６ｅｑ／ｔｏｎのＰＴＴと固有粘度１．１０のＰＢＴを用いて、実施例１と同様、図１に示す装置を用いて、紡糸温度２８０℃で複合比率５０：５０の５６デシテックス２４フィラメントのサイドバイサイド型複合糸を得た。このとき１ＨＲＶ：１５００ｍ／分で引き取り、１ＨＲＴ：６０℃にて予備加熱した後、２ＨＲＶ：４３５０ｍ／分とし、延伸倍率２．９倍で延伸すると同時に２ＨＲＴ：１７０℃で熱セット後、ワインダーで巻き取った。糸切れ回数は１．３回／ｔと非常に安定した製糸性を示し、伸縮伸長率１８．３％、伸縮弾性率９６．６％、捲縮伸び率は９．０％と優れた伸縮性および伸縮耐久性を有した複合糸を得た。ウースター斑は１．８％と糸の太さ斑は問題のないものであり、この糸を用いた製品における風合いは、伸縮性、嵩高性は若干低いが伸縮性素材としては十分なものであり、表面品位の優れたものが得られた。結果をまとめて表１に示す。
【００３２】
実施例４
固有粘度１．４４、ＣＯＯＨ末端基量１０．９ｅｑ／ｔｏｎのＰＴＴと固有粘度０．８０のＰＢＴを用いて、実施例１と同様、図１に示す装置を用いて、紡糸温度２７５℃で複合比率５０：５０の５６デシテックス２４フィラメントのサイドバイサイド型複合糸を得た。このとき１ＨＲＶ：１０００ｍ／分で引き取り、１ＨＲＴ：８０℃にて予備加熱した後、２ＨＲＶ：３０００ｍ／分とし、延伸倍率３．０倍で延伸すると同時に２ＨＲＴ：１６０℃で熱セット後、ワインダーで巻き取った。糸切れ回数は０．８回／ｔと非常に安定した製糸性を示し、伸縮伸長率２７．８％、伸縮弾性率９８．５％、捲縮伸び率は８．５％と優れた伸縮性および伸縮耐久性を有した複合糸を得た。ウースター斑は０．８％と糸の太さ斑は非常に小さく、この糸を用いた製品における風合いは、伸縮性、嵩高性、表面品位共に伸縮性素材として非常に優れたものが得られた。結果をまとめて表１に示す。
【００３３】
実施例５
固有粘度２．００、ＣＯＯＨ末端基量１３．８ｅｑ／ｔｏｎのＰＴＴと固有粘度０．８０のＰＢＴを用いて、実施例１と同様、図１に示す装置を用いて、紡糸温度２８０℃で複合比率６５：３５の５６デシテックス２４フィラメントのサイドバイサイド型複合糸を得た。このとき１ＨＲＶ：１２００ｍ／分で引き取り、１ＨＲＴ：６０℃にて予備加熱した後、２ＨＲＶ：３８４０ｍ／分とし、延伸倍率３．２倍で延伸すると同時に２ＨＲＴ：１８０℃で熱セット後、ワインダーで巻き取った。糸切れ回数は２．３回／ｔと実際生産には問題のないレベルであり、伸縮伸長率３０．７％、伸縮弾性率９２．３％と優れた伸縮性を有しており、捲縮伸び率１８．１％と問題の無い伸縮耐久性を有した複合糸を得た。ウースター斑は１．５％であり、糸の太さ斑は問題なく、この糸を用いた製品における風合いは、伸縮性、嵩高性、表面品位共に良好なものが得られた。結果をまとめて表１に示す。
【００３４】
比較例１
固有粘度０．９６、ＣＯＯＨ末端基量２３．８ｅｑ／ｔｏｎのＰＴＴと固有粘度０．８０のＰＢＴを用いて、実施例１と同様、図１に示す装置を用いて、紡糸温度２６０℃で複合比率５０：５０の５６デシテックス２４フィラメントのサイドバイサイド型複合糸を得た。このとき１ＨＲＶ：１１００ｍ／分で引き取り、１ＨＲＴ：６０℃にて予備加熱した後、２ＨＲＶ：３２００ｍ／分とし、延伸倍率２．９倍で延伸すると同時に２ＨＲＴ：１５０℃で熱セット後、ワインダーで巻き取った。糸切れ回数は１．７回／ｔと安定した製糸性であったが、得られた糸の伸縮伸長率は７．５％、伸縮弾性率６２．３％、捲縮伸び率は２３．４％と伸縮性および伸縮耐久性の劣る結果となった。ウースター斑は３．３％と糸の太さ斑は大きく、この糸を用いた製品における風合いは、伸縮性が低く、また嵩高性に欠けており、表面品位も劣るものとなった。結果をまとめて表１に示す。
【００３５】
比較例２
固有粘度２．４０、ＣＯＯＨ末端基量１１．１ｅｑ／ｔｏｎのＰＴＴと固有粘度０．８０のＰＢＴを用いて、実施例１と同様、図１に示す装置を用いて、紡糸温度２８０℃で複合比率６０：４０の５６デシテックス２４フィラメントのサイドバイサイド型複合糸を紡糸した。このとき１ＨＲＶ：１２００ｍ／分で引き取り、１ＨＲＴ：７０℃にて予備加熱した後、２ＨＲＶ：３３００ｍ／分とし、延伸倍率２．８倍で延伸すると同時に２ＨＲＴ：１６０℃で熱セット後、ワインダーで巻き取ろうとしたが、紡糸口金での糸曲がりが著しく吐出したポリマが口金面に付着して安定した紡糸が行えず、実際に生産するのが困難であった。極少量得られた糸については、伸縮伸長率６．２％、伸縮弾性率５２．８％、捲縮伸び率３１．９％と高伸縮性とはなり得なかった。結果をまとめて表１に示す。
【００３６】
比較例３
固有粘度１．１０、ＣＯＯＨ末端基量１９．６ｅｑ／ｔｏｎのＰＴＴと固有粘度１．１０のＰＢＴを用いて、実施例１と同様、図１に示す装置を用いて、紡糸温度２７５℃で複合比率５０：５０の５６デシテックス２４フィラメントのサイドバイサイド型複合糸を紡糸した。このとき１ＨＲＶ：１３００ｍ／分で引き取り、１ＨＲＴ：７０℃にて予備加熱した後、２ＨＲＶ：４７００ｍ／分とし、延伸倍率３．６倍で延伸すると同時に２ＨＲＴ：１５０℃で熱セット後、ワインダーで巻き取った。糸切れ回数は２．３回／ｔとなり、実際生産には問題のないレベルであったが、伸縮伸長率５．５％、伸縮弾性率９９．２％、捲縮伸び率４．２％と耐久性は高い数値を示し、ウースター斑は１．４％と糸の太さ斑は問題ないものの、伸縮性が非常に低く、この糸を用いた製品においては、伸縮性、嵩高性がなく、高伸縮性とはなり得なかった。結果をまとめて表１に示す。
【００３７】
比較例４
実施例５と同様に、固有粘度２．００、ＣＯＯＨ末端基量１３．８ｅｑ／ｔｏｎのＰＴＴと固有粘度０．８０のＰＢＴを用いて、実施例１と同様、図１に示す装置を用いて、紡糸温度２８０℃で複合比率６５：３５の５６デシテックス２４フィラメントのサイドバイサイド型複合糸を得た。このとき１ＨＲＴ：１００℃とし高温で予備加熱した後、２ＨＲＴ：１８０℃で熱セット後、ワインダーで巻き取った。その他の紡糸条件は実施例５と同一である。糸切れ回数は２．２回／ｔと実際生産には問題のないレベルであり、伸縮伸長率３２．１％、伸縮弾性率９１．５％と優れた伸縮性を有しており、捲縮伸び率２０．０％と問題のない伸縮耐久性を有した複合糸を得たが、ウースター斑は４．１％であり、糸の太さ斑が非常に大きいものとなった。この糸を用いた製品における風合いは、伸縮性、嵩高性には問題ないものの、表面品位が非常に悪く、未染色の生機においても布帛表面に筋状模様が見られ、表面凹凸感が非常に目立ち、品位の非常に悪いものとなった。結果をまとめて表１に示す。
【００３８】
【表１】

【００３９】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、ＰＴＴとＰＢＴを用いたサイドバイサイド型複合糸において、２成分の固有粘度を適切な関係とし、捲縮伸び率、伸縮伸長率、伸縮弾性率を適切な範囲とすることによって、優れた伸縮性と伸縮耐久性を有する高伸縮耐久性のポリエステル系複合繊維を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明における実施の形態で用いる複合紡糸装置の一例を示す説明図である。
【図２】本発明における伸縮伸長率、伸縮弾性率、捲縮伸び率の測定方法を示す説明図である。
１：口金
２：吐出糸条
３：チムニー糸条冷却装置
４：オイリングローラー
５：交絡ガイド
６：第１ホットローラー
７：第２ホットローラー
８：交絡ガイド
９：リラックスローラー
１０：ワインダー
１１：パッケージ
１２：スピンドル[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a polyester-based composite fiber having high stretchability. Specifically, the composite fiber is composed of a high-stretch and high-strength structure composed of an A component mainly composed of polytrimethylene terephthalate and a B component mainly composed of polybutylene terephthalate. The present invention relates to a polyester-based composite fiber having durability and a manufacturing method.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, since polyester has various excellent properties including mechanical properties, it has been widely deployed not only for clothing. In addition, various methods have been adopted to give stretchability and crimpability to polyester yarns due to recent stretch booms.
[0003]
For example, there is a method of imparting stretchability by applying false twisting to a polyester fiber to express twisting / untwisting torque. However, when this torque is used for a woven fabric, there is a problem that the surface of the woven fabric is creased to easily cause a fabric defect. On the other hand, various techniques for obtaining crimped yarns by composite spinning of polymers having different shrinkage characteristics or melt viscosities into side-by-side types or eccentric core-sheath types have been proposed. For example, Japanese Patent Publication No. 44-2504 and Japanese Patent Laid-Open No. 4-308271 describe a side-by-side type composite yarn of polyethylene terephthalate (hereinafter abbreviated as PET) having an intrinsic viscosity difference or an intrinsic viscosity difference. No. 295634 describes side-by-side type composite yarns of homo-PET and copolymer PET having higher shrinkage than that. If such a crimped polyester composite yarn is used, a certain degree of stretchability can be surely obtained, but the stretchability when used in a fabric is insufficient, and it is difficult to obtain a satisfactory stretch fabric. was there. This is because the side-by-side type composite yarn as described above has a low crimping performance in restraining the fabric and is easy to crimp.
[0004]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-189923 proposes a polyester composite yarn comprising PET and polytrimethylene terephthalate (hereinafter abbreviated as PTT) having a lower melt viscosity. However, when the viscosity of PTT is lower than that of PET, for the majority of the crimped forms that develop, the crimped coil inner side becomes the PET component and the outer side becomes the PTT component. Is not sufficiently satisfactory, and the retention of stretchability and crimp development is very low, and the crimped yarn is substantially made by side-by-side type composite using PET with different intrinsic viscosity and intrinsic viscosity. There is a problem that the technology is not different from the known technology for obtaining the above.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to solve the problems of the prior art as described above, and to provide a highly stretchable and durable polyester composite fiber having stable productivity, excellent stretchability and quality, and a production method. .
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention adopts the following configuration. That is,
(1) A polyester-based composite fiber in which polyesters having different viscosities are combined in a side-by-side manner at a composite ratio of 65:35 to 35:65, and the component A is mainly composed of polytrimethylene terephthalate having a COOH end group amount of 20 eq / ton or less. And B component mainly composed of polybutylene terephthalate, the intrinsic viscosity of the A component and the B component satisfies the following formula (A), the crimp elongation is 20% or less, the stretch elongation is 10% or more, and stretch elasticity A polyester-based composite fiber having a rate of 90% or more and Wooster spots of 2.0% or less.
[0007]
1.5 ≦ (Ia / Ib) ≦ 2.5 (A)
(However, Ia is the intrinsic viscosity of component A, Ib is the intrinsic viscosity of component B (IV ))
[0008]
( 2 ) A polyester-based composite fiber in which polyesters having different viscosities are combined in a side-by-side manner at a composite ratio of 65:35 to 35:65, and a high viscosity mainly composed of polytrimethylene terephthalate having a COOH end group amount of 20 eq / ton or less. When performing composite spinning using a low-viscosity component mainly composed of a component and polybutylene terephthalate, an undrawn yarn obtained by composite spinning at a spinning temperature of 260 to 280 ° C., a preheating temperature of 50 to 80 ° C., and a heat setting temperature of 100 to 180 ° C. A method for producing a highly stretchable and durable polyester composite fiber, characterized in that the fiber is continuously stretched without being wound up.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in more detail. In the present invention, among the two-component polymers constituting the composite fiber, the component A is a polyester mainly composed of polytrimethylene terephthalate. In PTT, the methylene chain of the alkylene glycol part in the crystal structure is a Gauche-Gauche structure (the molecular chain is bent at 90 degrees), and further, the density of restraint points due to the interaction between benzene rings (stacking, parallel) is low. Because of its high flexibility, it has a unique elasticity that the molecular chain can be easily extended and recovered by the rotation of the methylene group. This is because the elasticity inherent to PTT is sufficiently exerted in the composite fiber. In the present invention, the composite ratio of the two components constituting the composite fiber is not particularly specified as long as it is a composite ratio that is usually used for imparting stretchability by a side-by-side composite, and is generally 65:35 by weight. It is the range of -35: 65, Preferably it is 60: 40-40: 60.
[0010]
In the present invention, the component B constituting the composite fiber is polybutylene terephthalate (hereinafter abbreviated as PBT) mainly composed of butylene terephthalate. K. According to Tashiro, Macromolecules, 13, 1378 (1980), in PBT, α-from having a short crystal c-axis and β-form having a long crystal c-axis reversibly change due to externally applied stress, and crystal c The axial length is about 1.4 angstroms. This change in crystal structure due to the stress inherent to PBT is to transfer external stress to the stretchability of the fiber structure, and to improve the stretch durability.
[0011]
In the present invention, the intrinsic viscosity of component A and the intrinsic viscosity of component B satisfy the following formula (A).
[0012]
1.5 ≦ (Ia / Ib) ≦ 2.5 (A)
However, Ia: Intrinsic viscosity of component A, Ib: Intrinsic viscosity of component B.
[0013]
When the intrinsic viscosity Ia of the A component is less than Ia = 1.5 × Ib with respect to the intrinsic viscosity Ib of the B component, the PTT component mainly responsible for the stretchability of the composite fiber is inside the crimped coil that develops. Therefore, not only the elasticity inherent in PTT is not sufficiently exhibited, but also the bulkiness when used in a woven or knitted fabric is difficult to obtain. Furthermore, the stretch durability due to the change in the crystal structure unique to PBT is hardly exhibited. Further, when Ia = 2.5 × Ib is exceeded, not only is it difficult to obtain a composite fiber in a stable manner, but also the side-by-side where the composite interface is greatly curved is increased. It becomes a composite fiber of a mold or an eccentric core-sheath type and cannot be made excellent in stretchability.
[0014]
The composite fiber in the present invention has a crimp elongation of 20% or less, more preferably 15% or less. Exhibits stretch durability when used in woven or knitted fabrics. The expansion / contraction elongation rate is 10% or more. It exhibits extensibility when used in woven and knitted fabrics. Further, the elastic modulus is 90% or more, more preferably 95% or more. Demonstrates shrinkage when used in woven and knitted fabrics. By simultaneously satisfying the properties that the stretch elongation rate is 10% or more and the stretch elastic modulus is 90% or more, a good stretchable polyester composite fiber can be obtained.
[0015]
Moreover, the composite fiber in the present invention has a Wooster yarn unevenness of 2.0% or less. By setting the Worcester yarn unevenness to 2% or less, not only a beautiful fabric surface when used in a woven or knitted fabric can be obtained, but also the occurrence of stained unevenness in dyeing can be avoided. Wooster spots are preferably 1.3% or less.
[0016]
In the present invention, the amount of COOH end groups of polytrimethylene terephthalate is preferably 20 eq / ton or less, and more preferably 15 eq / ton or less. It suppresses thermal degradation of the polymer during composite spinning and improves continuous spinnability.
[0017]
Next, an example of the preferable manufacturing method of the composite fiber of this invention is demonstrated.
[0018]
In the composite fiber manufacturing method of the present invention, when the composite fiber is composite-spun, the yarn that has been composite-spun at a spinning temperature of 260 to 280 ° C. is continuously wound without being wound once, and is stretched after preheating at 50 to 80 ° C. And it is preferable to heat-set at the temperature of 100-180 degreeC. At this time, since PTT and PBT have a lower melting point and inferior heat resistance than PET, the spinning temperature is preferably in the range of 260 to 280 ° C. Further, in order to uniformly heat the yarn and further suppress deterioration of PTT and PBT due to excessive heating, the preheating temperature during stretching is preferably in the range of 50 to 80 ° C., more preferably 60 It is in a range of ˜80 ° C., and makes it easy to obtain fibers having Wooster spots of 2.0% or less. Further, the heat setting temperature at the time of stretching is preferably in the range of 100 to 180 ° C., in order to facilitate handling when processing the composite fiber obtained while suppressing the thermal deterioration of PTT and PBT into a woven fabric. is there. Although the draw ratio is not particularly specified, it is preferably 2.0 to 3.5 times, more preferably 2.5 to 3.3 times, and sufficient stretchability and crimp expression can be achieved by the side-by-side type composite. It is for granting.
[0019]
In the present invention, the provision of entanglement to the yarn is not a particularly essential condition, and the method of imparting entanglement is not particularly specified, but in order to improve handling properties such as unwinding in post-processing, It is preferable to give 1.0-5.0 pieces / m of entanglement by the entanglement applying device.
[0020]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples. In addition, the amount of COOH end groups, the intrinsic viscosity, the stretch elongation rate, the stretch elastic modulus, the crimp elongation rate, the Wooster spots, the number of entanglement, the yarn making property, and the stretch durability in the text and examples are as follows. .
(1) COOH end group amount:
This is a value (eq / ton) measured by potentiometric titration using NaOH / MA solution after dissolving 0.5 g of polymer in 10 ml of o-cresol and cooling to 25 ° C.
(2) Intrinsic viscosity:
This is a value (IV) obtained by dissolving 0.8 g of a sample polymer in 10 ml of orthochlorophenol (hereinafter abbreviated as OCP) and calculating the relative viscosity ηr by the following equation using an Ostwald viscometer at 25 ° C.
[0021]
ηr = η / η ₀ = (t × q) / (t ₀ × q ₀ )
IV = 0.0242ηr + 0.2634
Where η: viscosity of the polymer solution, η ₀ : OCP viscosity, t: solution drop time (seconds), q: solution density (g / cm ³ ) t ₀ : OCP drop time (seconds), q ₀ : OCP density (g / cm ³ ).
(3) Stretch / extension rate, stretch / elastic modulus:
A casserole having an original length of 560 mm is made and treated with hot water at 90 ° C. for 20 minutes under a load of 3.53 × 10 ⁻³ cN / dtex. Thereafter, a load of 1.76 × 10 ⁻³ N / dtex (hereinafter abbreviated as M1) is applied to measure the sword length L0 after 30 seconds. Next, after removing M1, a load of 0.09 cN / dtex (hereinafter referred to as M2) is measured. And the case length L1 after 30 seconds is measured, and after removing M2, the case length L2 after 30 seconds is measured by multiplying M1 again. (See FIG. 2).
[0022]
Expansion / contraction elongation (%) = {(L1-L0) / L0} × 100
Elastic modulus of elasticity (%) = {(L1-L2) / (L1-L0)} × 100
(4) Crimp elongation:
After measuring the length L2 of the expansion / contraction elongation and the elastic modulus of elasticity, remove M1, then multiply M2 for 30 seconds, remove M2 and multiply M1 for 30 seconds, and then multiply M1. Then, the scabbard length L3 after 30 seconds is measured and is a value (%) obtained from the following equation (see FIG. 2).
[0023]
Crimp elongation (%) = {(L3-L2) / L2} × 100
(5) Wooster spots:
The measurement was performed in the normal mode while feeding the yarn at a speed of 200 m / min, using USTER TESTER 1 M0delC manufactured by Zellweger.
(6) Number of confounding:
This is a value (pieces / m) obtained from the following equation, measured 30 times at a yarn speed of 4 cm / sec using an AUTO MATCH ENTAGLEMENT TESTER R2060 manufactured by ROTHSCHILD, Switzerland.
[0024]
Number of entanglements (pieces / m) = 1000 mm / entanglement distance mm
(7) Spinnability:
The evaluation was made in the following four stages in ascending order of yarn breakage during continuous spinning.
[0025]
○○: Less than 2.0 times / t ○: Less than 2.5 times / t Δ: Less than 3.0 times / t ×: 3.0 times / t or more (8) Stretch durability:
The evaluation was made in the following four stages in order from the smallest crimp elongation.
[0026]
○○: Less than 10% ○: Less than 15% Δ: Less than 20%: 20% or more (9) Product texture:
Sensory evaluation was performed by five experts on stretchability, bulkiness, and surface roughness, and a four-step evaluation was made based on the following determination.
[0027]
○○: Excellent ○: Good Δ: Acceptable ×: Impossible Note that the product here is a composite yarn obtained according to the present invention with a 1000 T / m twisted yarn as a weft, and a warp of 56 dtex 18 This shows a fabric in which weft is woven at 1/3 twill using normal PET yarn of filaments and subjected to crimp expression treatment and dye finish processing by a normal polyester dyeing process.
[0028]
Example 1
Using a commercially available direct spinning stretcher shown in FIG. 1, using a PTT having an intrinsic viscosity of 1.76, a COOH end group amount of 18.2 eq / ton, and a PBT having an intrinsic viscosity of 0.80 at a spinning temperature of 270 ° C. A side-by-side type composite yarn of 56 dtex 24 filaments with a composite ratio of 60:40 was obtained. That is, the composite yarn 2 was discharged from the composite spinneret 1, sufficiently cooled by the chimney yarn cooling device 3, and then the oil agent was applied by the oiling roller 4. Further, the light agent was homogenized with the light entanglement device 5, then preheated with the first hot roller 6, and then stretched at a speed ratio with the second hot roller 7. At this time, the heat is set at the temperature of the second hot roller 7, entangled by the present entanglement device 8, and wound around the winder 10 via the godet roller 9.
[0029]
In Example 1, the first hot roller speed (hereinafter abbreviated as 1 HRV) was taken at 1800 m / min, preheated at the first hot roller temperature (hereinafter abbreviated as 1 HRT) at 65 ° C., and then the second hot roller speed (hereinafter referred to as 2 HRV). It was 5040 m / min. The film was stretched at a stretching ratio of 2.8 times at a speed ratio of the two rollers, and at the same time, heat set at a second hot roller temperature (hereinafter abbreviated as 2HRT) at 150 ° C., and wound with a winder. The number of yarn breaks was stable at 1.8 times / t, and a composite yarn having a stretchability of 24.4% and a stretch elastic modulus of 95.1% and a good stretchability was obtained. In addition, the crimp elongation rate is excellent at 14.3%, and the stretchability is excellent. Wooster patches are 1.0%, and the thread thickness is small. A product having excellent properties, bulkiness and surface quality was obtained. The results are summarized in Table 1.
[0030]
Example 2
Using PTT having an intrinsic viscosity of 1.36, a COOH end group amount of 15.4 eq / ton and an intrinsic viscosity of 0.80, the composite shown in FIG. 1 was used at a spinning temperature of 265 ° C. in the same manner as in Example 1. A side-by-side type composite yarn of 56 dtex 24 filaments in a ratio of 50:50 was obtained. At this time, it was taken up at 1HRV: 1600 m / min, preheated at 1 HRT: 70 ° C., then 2HRV: 5000 m / min, stretched at a draw ratio of 3.1 times and simultaneously heat set at 2 HRT: 150 ° C., and then wound with a winder I took it. The number of yarn breaks is 2.2 times / t, which is a level that does not cause any problems in actual production, and the stretch elongation rate is 33.4%, the stretch elastic modulus is 99.2%, and the crimp elongation rate is excellent at 9.3%. A composite yarn having stretchability and stretch durability was obtained. Worcester spots were 1.2%, and the thread thickness spots were small. The texture of the products using these threads was excellent in stretchability, bulkiness and surface quality. The results are summarized in Table 1.
[0031]
Example 3
Using PTT having an intrinsic viscosity of 1.65, a COOH end group amount of 11.6 eq / ton and an intrinsic viscosity of 1.10, the composite shown in FIG. 1 was used at the spinning temperature of 280 ° C. in the same manner as in Example 1. A side-by-side type composite yarn of 56 dtex 24 filaments in a ratio of 50:50 was obtained. At this time, it was taken out at 1 HRV: 1500 m / min, preheated at 1 HRT: 60 ° C., then 2HRV: 4350 m / min, drawn at a draw ratio of 2.9 times and simultaneously heat-set at 2 HRT: 170 ° C., and then wound with a winder I took it. The number of yarn breaks is 1.3 times / t, indicating very stable yarn-making properties, with an excellent stretchability of 18.3% stretch elongation, 96.6% stretch elastic modulus, and 9.0% crimp elongation. A composite yarn having stretch durability was obtained. Wooster spots are 1.8%, and the thickness of the threads is not a problem. The texture of the products using these threads is slightly low in elasticity and bulkiness, but is sufficient as an elastic material. An excellent surface quality was obtained. The results are summarized in Table 1.
[0032]
Example 4
Using PTT having an intrinsic viscosity of 1.44, a COOH end group amount of 10.9 eq / ton and an intrinsic viscosity of 0.80, the composite shown in FIG. 1 was used at the spinning temperature of 275 ° C. in the same manner as in Example 1. A side-by-side type composite yarn of 56 dtex 24 filaments in a ratio of 50:50 was obtained. At this time, it was taken up at 1 HRV: 1000 m / min, preheated at 1 HRT: 80 ° C., then 2 HRV: 3000 m / min, stretched at a draw ratio of 3.0, and simultaneously heat-set at 2 HRT: 160 ° C., then wound with a winder I took it. The thread breakage is 0.8 times / t, indicating very stable yarn-making properties, with an excellent stretchability of 27.8% stretch elongation, 98.5% stretch elastic modulus, and 8.5% crimp elongation. A composite yarn having stretch durability was obtained. Worcester spots were 0.8%, and the thread thickness spots were very small. The texture of the products using these threads was very excellent as a stretchable material in terms of stretchability, bulkiness and surface quality. . The results are summarized in Table 1.
[0033]
Example 5
Using a PTT having an intrinsic viscosity of 2.00, a COOH end group amount of 13.8 eq / ton and a PBT having an intrinsic viscosity of 0.80, using the apparatus shown in FIG. A side-by-side type composite yarn of 56 dtex 24 filaments in a ratio of 65:35 was obtained. At this time, it was taken out at 1 HRV: 1200 m / min, preheated at 1 HRT: 60 ° C., then 2 HRV: 3840 m / min, stretched at a draw ratio of 3.2 times and simultaneously heat set at 2 HRT: 180 ° C., and then wound with a winder I took it. The number of yarn breaks is 2.3 times / t, which is a level that is not a problem for actual production, and has excellent stretchability of 30.7% stretch elongation and 92.3% stretch elastic modulus. A composite yarn having an elongation rate of 18.1% and no problem of stretching durability was obtained. Worcester spots were 1.5%, and the thread thickness spots were no problem, and the texture of the product using this thread was good in terms of stretchability, bulkiness and surface quality. The results are summarized in Table 1.
[0034]
Comparative Example 1
Using PTT having an intrinsic viscosity of 0.96, a COOH end group amount of 23.8 eq / ton and an intrinsic viscosity of 0.80, using the apparatus shown in FIG. A side-by-side type composite yarn of 56 dtex 24 filaments in a ratio of 50:50 was obtained. At this time, it was taken up at 1HRV: 1100 m / min, preheated at 1 HRT: 60 ° C., then 2HRV: 3200 m / min, stretched at a draw ratio of 2.9 times and simultaneously heat set at 2 HRT: 150 ° C., and then wound with a winder I took it. The number of yarn breaks was 1.7 times / t, which was a stable yarn-making property. The obtained yarn had a stretch elongation rate of 7.5%, a stretch elastic modulus of 62.3%, and a crimp elongation rate of 23.4. %, The stretchability and the stretch durability were inferior. Worcester spots were 3.3% and the thickness of the thread was large, and the texture of the product using this thread was low in elasticity, lacked in bulkiness, and inferior in surface quality. The results are summarized in Table 1.
[0035]
Comparative Example 2
Using PTT having an intrinsic viscosity of 2.40, a COOH end group amount of 11.1 eq / ton and an intrinsic viscosity of 0.80, the composite shown in FIG. 1 was used at the spinning temperature of 280 ° C. in the same manner as in Example 1. A side-by-side composite yarn of 56 dtex 24 filaments with a ratio of 60:40 was spun. At this time, it was taken up at 1 HRV: 1200 m / min, preheated at 1 HRT: 70 ° C., then 2 HRV: 3300 m / min, stretched at a draw ratio of 2.8 times and simultaneously heat-set at 2 HRT: 160 ° C., and then wound with a winder Attempts were made to take the polymer, however, the twisted yarn at the spinneret was ejected so that the polymer adhered to the die surface and stable spinning could not be performed, making it difficult to actually produce. A very small amount of the obtained yarn could not be highly stretchable with a stretch elongation rate of 6.2%, a stretch elastic modulus of 52.8%, and a crimped stretch rate of 31.9%. The results are summarized in Table 1.
[0036]
Comparative Example 3
Using PTT having an intrinsic viscosity of 1.10, a COOH end group amount of 19.6 eq / ton and an intrinsic viscosity of 1.10, using the apparatus shown in FIG. 1 and a spinning temperature of 275 ° C. A side-by-side composite yarn of 56 dtex 24 filaments in a 50:50 ratio was spun. At this time, it is taken up at 1HRV: 1300 m / min, preheated at 1 HRT: 70 ° C., then 2HRV: 4700 m / min, stretched at a draw ratio of 3.6 times and simultaneously heat-set at 2 HRT: 150 ° C., and wound with a winder I took it. The number of yarn breaks was 2.3 times / t, which was a level that was not a problem for actual production. However, the stretch elongation rate was 5.5%, the stretch elastic modulus was 99.2%, and the crimp elongation rate was 4.2%. Durability shows a high numerical value, Wooster's spot is 1.4% and the thickness of the thread has no problem, but the elasticity is very low, and in products using this thread, there is no elasticity and bulkiness, It could not be highly stretchable. The results are summarized in Table 1.
[0037]
Comparative Example 4
As in Example 5, using PTT having an intrinsic viscosity of 2.00, COOH end group amount of 13.8 eq / ton and intrinsic viscosity of 0.80, using the apparatus shown in FIG. A side-by-side type composite yarn of 56 dtex 24 filaments having a spinning ratio of 280 ° C. and a composite ratio of 65:35 was obtained. At this time, 1HRT: 100 ° C was preliminarily heated at a high temperature, 2HRT: after heat setting at 180 ° C, it was wound with a winder. Other spinning conditions are the same as in Example 5. The number of yarn breaks is 2.2 times / t, which is a level that does not pose any problem in actual production, and has excellent stretchability with a stretch elongation rate of 32.1% and a stretch elastic modulus of 91.5%. A composite yarn having an elongation rate of 20.0% and no problem of stretching durability was obtained, but the Wooster spot was 4.1%, and the thickness spot of the thread was very large. The texture of the product using this yarn has no problem in stretchability and bulkiness, but the surface quality is very poor, and even in the undyed raw machine, a streak pattern is seen on the fabric surface, and the surface unevenness is very good. It was conspicuous and very poor quality. The results are summarized in Table 1.
[0038]
[Table 1]

[0039]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, in the side-by-side type composite yarn using PTT and PBT, the intrinsic viscosity of the two components is set to an appropriate relationship, and the crimp elongation rate, the stretch extension rate, and the stretch elastic modulus are set in an appropriate range. By doing so, a highly stretchable and durable polyester composite fiber having excellent stretchability and stretchability can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory view showing an example of a composite spinning apparatus used in an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is an explanatory view showing a method for measuring stretch elongation rate, stretch elastic modulus, and crimp elongation rate in the present invention.
1: base 2: discharge yarn 3: chimney yarn cooling device 4: oiling roller 5: entanglement guide 6: first hot roller 7: second hot roller 8: entanglement guide 9: relax roller 10: winder 11: package 12 :spindle

Claims

In a polyester-based composite fiber in which polyesters having different viscosities are combined in a side-by-side type with a composite ratio of 65:35 to 35:65, an A component mainly composed of polytrimethylene terephthalate having a COOH terminal group amount of 20 eq / ton or less, Butylene terephthalate is mainly composed of B component, the intrinsic viscosity of A component and B component satisfies the following formula (A), the crimp elongation is 20% or less, the stretch elongation is 10% or more, and the stretch elastic modulus is 90 % Polyester fiber, wherein Worcester spots are 2.0% or less.
1.5 ≦ Ia / Ib ≦ 2.5 (A)
(However, Ia is the intrinsic viscosity of component A, Ib is the intrinsic viscosity (IV) of component B)

In a polyester-based composite fiber in which polyesters having different viscosities are combined in a side-by-side type with a composite ratio of 65:35 to 35:65, a high-viscosity component mainly composed of polytrimethylene terephthalate having a COOH terminal group amount of 20 eq / ton or less When performing composite spinning using a low-viscosity component mainly composed of butylene terephthalate, an undrawn yarn that has been composite-spun at a spinning temperature of 260 to 280 ° C., a preheating temperature of 50 to 80 ° C., and a heat setting temperature of 100 to 180 ° C. A method for producing a polyester-based composite fiber, which is continuously drawn without being wound up.