JP4500817B2 - モジュール式ディスプレイ装置 - Google Patents

Description

本発明の分野は日中及び夜間の任務において前進し射撃する能力を改善するように設計された、軍隊、特に歩兵用のディスプレイ装置に関する。

現代の歩兵は様々なタイプの任務を遂行出来なければならず、これらの様々な任務は各種のタイプのディスプレイ装置を必要とする。

日中に武器で狙いを定める時、彼は潜在的な標的になり得る。この欠点を克服するために、例えばＣＣＤ（電荷結合素子）カメラであることが可能なビデオカメラが武器の銃身に取り付けられる。このカメラは彼の片目の前に置かれた第一の単眼ディスプレイ装置につながれている。この装置は歩兵が偏位した位置から標的に狙いを定め、その結果同時に、保護されたままで撃つことを可能にする。

夜間は、前進を容易にするために歩兵は光インテンシファイア・システムと呼ばれる暗視システムを持たなければならない。これらは単眼システム、すなわち片目の前に配置されてもう一方の目が自由のままか、又は両眼システム、すなわち両方の目の前に配置されるかのいずれでも可能である。

多くの連続した移動場面を含む任務の間、単眼の装置の使用は、歩兵が単眼の装置無しの目で広い視野を保つことを可能にする。従って、彼は身の回りの環境、言い換えれば一般に５ｍ未満の周辺内にある地形、地上の障害物及び木の枝に対する明確な認識を保つことにより更に容易に前進することができる。広い視野の保持は歩兵が側方からあり得る攻撃に対して警戒することを可能にする。光インテンシファイアを伴うディスプレイ装置は設計により、周辺光よりもずっと高い輝度を有する、強められた画像を提供する。その結果、歩兵が彼の単眼ディスプレイ装置を解放した時に、強められた画像を見ていた目が低いレベルの光に適応する迄に一定の時間を要する。既に暗さに適応している自由な目は、歩兵が暗さに適応する時間を短くすることを可能にする。

他方で、夜光双眼鏡は多くの連続した観察場面を含む任務に、より適合している。双眼鏡の視野は、一般に１００ｍのオーダーの遠隔環境の観察においてより高度の視覚的快適性を可能にする。

従って、歩兵の様々な任務を最も確実に成功させるために幾つかのディスプレイ装置が必要とされる。現在、最も頻繁に使用されるディスプレイ・システムは画像を強められた夜光双眼鏡又はヘルメット・ディスプレイのいずれかである。しかしながら、これらの様々なシステムのいずれも、上記に明確にされた日中及び夜間の全ての任務を遂行するために用いることは出来ず、更にこれらは一般に高価で大きなシステムである。

本発明の主題は特に日中の任務のために設けられる第一の単眼装置と、特に夜間の用途のために設けられる第二の単眼モジュールを本質的に備え、二つのモジュールの組み合わせが両眼のディスプレイ装置又は双眼鏡を形成するモジュール式システムである。確かに、このモジュール式装置は次の特徴：
− 夜の移動に役立つ何ら装備を伴わない単眼の夜間視力と、
− 優れた視覚的快適性を有する、長時間の夜間観察に役立つ両眼の夜間視力と、
− 同時に、保護されたままでの射撃に役立つ偏位した単眼の照準と、
− 同時に、保護されたままで長時間の観察に役立つ偏位した両眼の視力と
により提供される明確な利点を有する。

このモジュールの配置は、歩兵が単眼ディスプレイ装置のみ使う必要がある時に、彼がヘルメット上で付加的な重量を持ち運ぶことから解放し、現在の任務に役立つモジュールのみをヘルメット上で運ぶように出来ることに注意されたい。

本発明の主題は、観察者の片目の前に置かれた第一の単眼ディスプレイ装置と、前記観察者のもう一方の目の前に置かれた第二の単眼ディスプレイ装置とを備えるモジュール式の両眼ディスプレイ装置であって、第一の装置が第一の機械的本体と、第一の画像源と、第一の接眼レンズと、前記第１の画像源から前記第１の接眼レンズまでの光路上に配置される光学部品を含む第一の光リレーとを備え、第二の装置が第二の機械的本体と、第二の画像源と、第二の接眼レンズと、前記第２の画像源から前記第２の接眼レンズまでの光路上に配置される光学部品を含む第二の光リレーとを備える両眼ディスプレイ装置において、
− 第一の光リレーが半反射平面薄板を備え、
− 第一の光リレーと第一の接眼レンズにより形成された組立品の光パワーが、第二の光リレーと第二の接眼レンズにより形成された組立品の光パワーと同一であり、
− 第一のディスプレイ装置が前記半反射薄板の光透過側に配置され得る格納式の保護シャッターを備え、
− 第一の機械的本体が第一の機械的連結手段を備え、
− 第二のディスプレイ装置が第二の光リレー内に配置され得る格納式の平面ミラーを備え、
− 第二の機械的本体がまた、第一の単眼ディスプレイ装置を第二の単眼ディスプレイ装置に堅固に取り付け、又はそれから取外せるような方法で、第一の機械的連結手段と連結されるように設計された第二の機械的連結手段を備え、
− 第一のディスプレイ装置が第二のディスプレイ装置に堅固に取り付けられた時、保護シャッターが半反射薄板の光透過側から格納され、平面ミラーもまた格納され、半反射薄板が前記平面ミラーの格納前の位置を占め、第一と第二の画像源からの画像が半反射薄板からの反射と半反射薄板を通る透過により、第一と第二の光リレー及び第一と第二の接眼レンズを通じて観察者の両目に向かって伝達され、
− 第一のディスプレイ装置が独立した方法で動作するとき、格納式の保護シャッターが半反射薄板の光透過側に配置され、
− 第二のディスプレイ装置が独立した方法で動作するとき、格納式の平面ミラーが第二の光リレー内に配置されることを特徴とするモジュール式の両眼ディスプレイ装置である。

本発明は制限しない例として与えられている以下の説明を読み、添付図を参照することでより良く理解され、その他の利点が明らかになろう。

両眼の組立品１は二つの単眼モジュール２及び３から成る。従って、各モジュールは二つのディスプレイ・モジュールが単一の両眼ディスプレイ装置を形成するように結合される時、独立した方法及び連結された方法の両方で動作可能でなければならない。これらの様々な動作モードは、第一と第二のディスプレイ装置から来る画像の混合を可能にする、二つの単眼装置のうちの一つに配置された半反射薄板２３の使用によってのみ実現できる。

図１、３、及び５において、以下の図面上の取り決めが採用されている。機械的本体２７と３７は細線で描かれ、画像源及び光学システムは太線で、様々な光学要素を通じた光線の経路は点線の矢印で、そして取外し可能な部品もまた点線で描かれている。

図１は前記半反射薄板２３を備えた本発明による第一の単眼装置２を示す。図１において、装置は独立した方法で動作する。それは本質的に、
− 図中に細線で描かれている第一の機械的本体２７と、
− この本体２７の内部に配置された第一の画像源２１と、
− 第一の光リレー２２、第一の接眼レンズ２４、及び半反射薄板２３を基本的に含む第一の光学組立品とを備える。

画像源２１は「マイクロ・ディスプレイ」とも呼ばれる、一般的にセンチメートル・オーダーの大きさを有する小型の画像デバイスであってよい。例えば発光ダイオードで形成され得る光源により点灯されるＬＣＤマトリックスをこのマイクロ・ディスプレイに使用することができる。この画像デバイスは、例えば歩兵の武器に搭載されたカメラから来る画像及び照準情報を届ける。

この画像は第一の接眼レンズの焦点面において、第一の光リレー２２により中間の画像へと焦点を合わせられる。光リレーは従来、光学レンズを含む様々な光学的部分２２１及び２２２の組から成る。半反射薄板２３はこれらの光リレー内に配置されている。この薄板は厚みの小さい平面薄板で反射モードにおいて使用される。それが一つの光学経路を他よりも優先することなく透過モードでも使用できるように、その反射率はおよそ５０％である。この構成において、光エネルギーの半分は半反射薄板を通して透過により失われることに注意されたい。しかしながら、このエネルギーロスを補償するため、歩兵によって見られる最終の輝度が妥当なように画像デバイスは単により高い輝度を有する必要があり、それは技術的問題をもたらさない。

中間の画像から、第一の接眼レンズ２４は観察者によって見られる無限で平行にされた画像を形成する。接眼レンズの出口の瞳は歩兵の目の瞳に重ねられる。この接眼レンズの被写界深度は照準の快適性のためには十分大きい。接眼レンズは焦点合わせの調節を取り付けることができる。

少なくとも一つの平らな方向転換ミラー２５は光学組立品が縮小したスペース内へ折り畳まれることを可能にする。

第一の機械的本体２７は、任務にある歩兵にとって特に厳しくなり得る外部環境からの攻撃に対して、システムの各種要素を維持しそれらを保護する幾つかの機能を備える。それはまた前記装置が第二のディスプレイ装置に連結されることを可能にする連結手段を持つ。これらの手段は図１には示されていない。

前記ディスプレイ装置は、前記装置２が独立した方法で用いられる時に半反射薄板２３の前に配置される格納式の保護シャッター２６もまた備える。この不透明のシャッターは半反射薄板の機械的保護を確保し、又同時に光リレーの内側から差し込む如何なる迷光も防止する。保護シャッター２６は図１に示すように第一の機械的本体から独立してもよく、又は前記本体２７に堅固に取り付けられてもよい。この場合、それは格納位置において機械的本体内に配置され、このために設計されたハウジング内へと収納される。

第一の機械的本体２７はまた、装置がヘルメット４に取り付けられている図２に示すように、それを歩兵のヘルメットに取り付ける手段を備えてもよい。この場合、ヘルメットは単眼ディスプレイ装置２を取り付けるように設計された機械的取付けブラケット５を備える。これらの取付け手段は装置が歩兵の右目又は左目のいずれかの上に設置されることを可能にする機械部品を備える。それらは又、接眼レンズ出口の瞳が歩兵の目の瞳の中に最も良く位置することを可能にする調節手段を備えてもよい。装置は従ってその時、もう一方の目を自由にしたままで射撃するために役立つ偏位した照準が採用されることを可能にし、それゆえ射撃の時に歩兵の最大限の安全が保証されることを可能にする。

図３は格納式のミラー３３を備えた本発明による前記第二の単眼装置３を示し、そこで前記第二の装置は第一のディスプレイ装置２に連結されることができる。図３において、前記第二の装置は独立した方法で動作する。それは本質的に、
− 図中に細線で描かれている第二の機械的本体３７と、
− この本体３７の内部に配置された第二の画像源３１と、
− 第二の光リレー３２、第二の接眼レンズ３４、及び格納式のミラー３３を基本的に含む第二の光学組立品とを備える。

画像源３１は外部環境の強められた画像を送る。それは本質的に上流の広角対物レンズ３１１及び光インテンシファイア３１２を備える。上流のレンズ３１１はその裏面上に強められた画像を供給するインテンシファイアの、光電性の表面上で外部環境の画像を形成する。インテンシファイアが画像反転装置を持たないとき、強められた画像は光電性の表面から来る最初の画像に対して当然反転している。光リレー３２、方向転換ミラー３５、及び接眼レンズ３４を備えた光学的組み合わせは、最終の平行画像が外部環境からの画像と同じ方向を有するように配置される。従って、インテンシファイアが画像反転装置を持つ必要はない。上流の広角対物レンズ３１１は焦点合わせ機構を取り付けられている。

この強められた画像は第二の接眼レンズ３４の焦点面において、第二の光リレー３２により中間の画像へと焦点を合わせられる。光リレー３２は従来、光学レンズを含む様々な光学的部分３２１及び３２２の組から成る。平らな格納式ミラー３３がこれらの光リレー内に配置されている。保護ミラーは第二の機械的本体３７から独立してもよく、又は前記本体に堅固に取り付けられてもよい。この場合、それは格納位置において機械的本体内に配置され、このために設計されたハウジング内へと収納される。この後者の配置において、ミラーはそれが格納位置にあるか否かにかかわらず、外部から常に保護される。

中間の画像から、第二の接眼レンズ３４は観察者によって見られる無限で平行にされた画像を形成する。接眼レンズの出口の瞳は歩兵の目の瞳に重ねられる。この接眼レンズの被写界深度は照準の快適性のためには十分大きい。接眼レンズ３４はまた焦点合わせの調節を取り付けることができる。

平らな方向転換ミラー３５は光学組立品が縮小した厚さのスペース内へ折り畳まれることを可能にする。

第二の機械的本体３７は、任務にある歩兵にとって特に厳しくなり得る外部環境からの攻撃に対して、システムの各種要素を維持しそれらを保護する幾つかの機能を備える。それはまた前記装置が第一のディスプレイ装置に連結されることを可能にする連結手段を持つ。これらの手段は図３には示されていない。

第二の機械的本体３７はまた、装置がヘルメット４に取り付けられている図４に示すように、それを歩兵のヘルメットに取り付ける手段を備えてもよい。この場合、ヘルメットは単眼ディスプレイ装置２を取り付けるように設計された機械的取付けブラケット５を備える。これらの取付け手段は装置が歩兵の右目又は左目のいずれかの上に設置されることを可能にする機械部品を備える。それらは又、接眼レンズ出口の瞳が歩兵の目の瞳の中に最も良く位置することを可能にする調節手段を備えてもよい。装置は従ってもう一方の目を自由にしたままで、外部環境の強められた視界が片方の目に届けられることを可能にする。

図５はそれらが連結手段により両眼の装置１を形成するように組み立てられた時の第一と第二のディスプレイ装置を示す。この場合、保護シャッター２６は半反射薄板２３の前から格納され、平面ミラー３３もまた格納される。

両眼の装置１が正しく動作するために以下の三つの光学的条件が満たされねばならない。
− 第一の光リレー２２と第一の接眼レンズ２４で形成される組立品の光パワーは第二の光リレー３２と第二の接眼レンズ３４で形成される組立品の光パワーと同一でなければならない。
− 第一の装置の半反射薄板は、第二の装置のミラーが格納される前に占めていたのと正に同じ位置を占めなければならない。
− 二つの接眼レンズを隔てる距離は、約６５ｍｍの瞳間の距離とほぼ等しくなければならない。

第一及び第二の画像源からの画像は、第一と第二の光リレー並びに第一と第二の接眼レンズを通じて、半反射薄板からの反射及び半反射薄板を通る透過により観察者の両目に向かって伝達される。従って、正しい両眼視力を確保するため、伝達された画像は同一の角サイズでなければならず、その結果、第一の光学組立品と第二の光学組立品の光パワーは等しくなければならない。

第二の画像源のインテンシファイア・チューブ３１２がスイッチオンされたとき、装置は優れた視覚的快適性を伴う長時間の夜間観察に役立つ両眼の夜間視力を可能にする。第一の画像源もまたスイッチオンされることができ、強められた画像で重ねられた両目で見られる単純な記号形式で情報を表示する。

両眼の装置全体は図６に示すように、第一と第二の単眼ディスプレイ装置に対して取付け手段により歩兵のヘルメット４上に取り付け可能である。

本発明による第一の単眼装置を示す。 ヘルメットに取り付けられた前記第一の単眼装置を示す。 本発明による第二の単眼装置を示す。 ヘルメットに取り付けられた前記第二の単眼装置を示す。 本発明による両眼装置を示す。 ヘルメットに取り付けられた前記両眼装置を示す。

Claims (4)

1. 観察者の片目の前に置かれた第一の単眼ディスプレイ装置（２）と、前記観察者のもう一方の目の前に置かれた第二の単眼ディスプレイ装置（３）とを備えるモジュール式の両眼ディスプレイ装置（１）であって、第一の装置（２）が第一の機械的本体（２７）と、第一の画像源（２１）と、第一の接眼レンズ（２４）と、前記第１の画像源（２１）から前記第１の接眼レンズ（２４）までの光路上に配置される光学部品（２２１，２２２）を含む第一の光リレー（２２）とを備え、第二の装置が第二の機械的本体（３７）と、第二の画像源（３１）と、第二の接眼レンズ（３４）と、前記第２の画像源（３１）から前記第２の接眼レンズ（３４）までの光路上に配置される光学部品（３２１，３２２）を含む第二の光リレー（３２）とを備える両眼ディスプレイ装置において、
   − 第一の光リレー（２２）が半反射平面薄板（２３）を備え、
   − 第一の光リレー（２２）と第一の接眼レンズ（２４）により形成された組立品の光パワーが、第二の光リレー（３２）と第二の接眼レンズ（３４）により形成された組立品の光パワーと同一であり、
   − 第一のディスプレイ装置（２）が前記半反射薄板（２３）の光透過側に配置され得る格納式の保護シャッターを（２６）備え、
   − 第一の機械的本体（２７）が第一の機械的連結手段を備え、
   − 第二のディスプレイ装置が第二の光リレー（３２）内に配置され得る格納式の平面ミラー（３３）を備え、
   − 第二の機械的本体（３７）がまた、第一の単眼ディスプレイ装置（２）を第二の単眼ディスプレイ装置（３）に堅固に取り付け、又はそれから取外せるような方法で、第一の機械的連結手段と連結されるように設計された第二の機械的連結手段を備え、
   − 第一のディスプレイ装置が第二のディスプレイ装置に堅固に取り付けられた時、保護シャッター（２６）が半反射薄板（２３）の光透過側から格納され、平面ミラー（３３）もまた格納され、半反射薄板（２３）が前記平面ミラー（３３）の格納前の位置を占め、第一と第二の画像源からの画像が半反射薄板（２３）からの反射と半反射薄板（２３）を通る透過により、第一と第二の光リレー及び第一と第二の接眼レンズを通じて観察者の両目に向かって伝達され、
   − 第一のディスプレイ装置が独立した方法で動作するとき、格納式の保護シャッターが半反射薄板（２３）の光透過側に配置され、
   − 第二のディスプレイ装置が独立した方法で動作するとき、格納式の平面ミラーが第二の光リレー（３２）内に配置されることを特徴とするモジュール式の両眼ディスプレイ装置（１）。
2. 画像源（２１、３１）の少なくとも一つがマトリックス画像デバイス、特にＬＣＤ画像デバイスであることを特徴とする請求項１に記載の両眼ディスプレイ装置。
3. 画像源（２１、３１）の少なくとも一つが集束対物レンズ（３１１）及び光インテンシファイア（３１２）により形成されることを特徴とする請求項１あるいは２に記載の両眼ディスプレイ装置。
4. 機械的本体（２７、３７）の少なくとも一つが取付け手段を備えることを特徴とする請求項１〜３のいずれか一項に記載の単眼又は両眼ディスプレイ装置。

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