JP4498312B2 - 水位検出装置並びに設備機器 - Google Patents
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Description
ちなみに、発信部から反射面(水面)までの距離が10cmの場合の発信から受信までにかかる時間は以下の式に示す通り約600μ秒程度である。
2×10/340×102=0.588×10-3秒=588μ秒
図1はPZT振動子を用いて構成される水位検出装置を含むショーケースの全体構成を示す断面図である。図において、ショーケース1は熱交換器2と、この熱交換器2から発生するドレン水を集めて下方に流下するドレン管3と、このドレン管3から流下したドレン水を貯留するドレンタンク4と、このドレンタンク4の上面の開口部の上方に取り付けられたホーン5とから構成される。このホーン5は水位検出装置を構成する。また、このホーン5の超音波発信口は、開口部を介してドレンタンク4の水面を向くように配置されている。また、図中、波線はホーン5から送信された超音波と水面で反射された反射波を示す。
λ/2=340×103/(40×103×2)=4.25mm
に構成することで、共振金属板8の中心部において腹を構成し、共振金属板8の周縁部において節を構成するドーム形の1次共振モード波が共振金属板8から発生する。
ここで、共振金属板8の中心と共振金属板8の周縁との中間の位置に所定の大きさの円環状のダンピング部材9を配置させることで、1次共振モード波の主要成分(いわゆる頭の部分)のみを発生し、1次共振モード波の残留成分(いわゆる尾の部分)の発生を抑制することができる。なお、ダンピング部材9が円環状に構成されているのは、1次共振モード波の残留成分の発生を効率的に抑えるには、このドーム形の1次共振モード波の中腹部を抑えるのに都合のよい円環状に構成するのが最適だからである。
また、音響通路長をL1とすると、このL1を1次共振モード波の波長と一致するように構成する。即ち、1次共振モード波の波長をλとすると、
L1=λ=8.5mm
こうすることで、音響通路の共鳴周波数とも一致することになり、音響通路先端部12から放射する音波は大きな音響レベルを有するようになる。
また、空中伝搬によって減衰した1次共振モード波の放射信号(以下、送信信号ともいう)は、水面等の反射面から反射信号(以下、受信信号ともいう)として空中を伝搬する過程で更に減衰する。更に減衰した受信信号は音響通路に導かれ、再度、共振金属板8を振動することになる。この共振金属板8の振動がPZT振動子7を振動させ、PZT振動子7から電気信号が発生する。この電気信号を受信した受信部では、図3に示すように受信部14でフィルタをかけてノイズを取り、信号増幅を行った上で、波高値、入射時刻を計測し、演算処理部15で送信時刻と受信時刻から水位を算出する。
なお、音響通路は、(空中に放射して)減衰または乱反射した40kHzの超音波信号を、再度共振金属板8に導くための通路としての役目も果たす。
なお、従来の場合には、共振金属板8から残留成分の抑制されない送信信号が送られるため、受信信号が到達した時点でも送信信号が十分減衰しないため、混在してしまい、受信信号の到達時刻を特定できない様子が示されている。
一般に、絞りは開口長に反比例し、開口長が長いほど絞りは良く効いて指向性は狭くなる。また、絞りは周波数に反比例し、周波数が高いほど絞りが良く効いて指向性は狭くなる。
従って、指向性をΘ、定数をm1、m2、m3、音速をC、開口長をd、送信信号の周波数をf、角速度をωとすると、以下の式が成り立つ。
sinΘ=m1/(d×f)=m2/(d×ω)=m3×C/(d×ω)
但し、m2=m1×2π、m3=m2/C
従って、
Θ=arcsin(m3×C/(d×ω))
が成り立つ。ここで、m3の値は2.2であることが実験により知られている。
よって、
Θ=arcsin(2.2×C/(d×ω))……………………(1)
が成り立つ。
ΘX=arcsin(2.2×C/(a×ω))
ΘZ=arcsin(2.2×C/(b×ω))
なお、音響通路先端部12は図6に示すように円板状に開口されてもよい。この場合、音速をC、角速度をω、音響通路開口部11の直径をφa、音響通路先端部12の円板状開口部の直径をφbとすると、音響通路から放射する超音波の指向性Θは、上記の式(1)のdにφbを代入して以下の式で決定することができる。
Θ=arcsin(2.2×C/(φb×ω))
以上のように、超音波の指向性は、音響通路開口部11の大きさで決まるのではなく、音響通路先端部12の開口の大きさで決まる。
実施の形態1では、送信部と水底との間の距離を予め別の方法により測定しておき、測定値をメモリに記録しておく必要があった。このため、別途メモリを設けなければならなかった。そこで、本実施の形態2では事前測定および事前記録を必要としない形態について説明する。
図8は音響通路外装部10を外したホーン5の構成である。この場合には、適当な大きさの円環状のダンピング部材9を共振金属板8上の適当な位置に配置することで、1次共振モード波をある程度抑制するが、2次共振モード波を抑制しないように構成することが可能である。このようにすることで、1次共振モード波の振幅と2次共振モード波の振幅との差異を小さくすることが可能である。この場合、2次共振モード波は、1次共振モードよりも周波数が高いので、水面で反射されやすい。逆に、1次共振モードは2次共振モードよりも水中を透過しやすい。従って、図9に示すように1次共振モード波による水底からの反射波で送信部と水底との間の距離Aを測定し、2次共振モード波による水面からの反射波で送信部と水面との距離Bを測定し、AとBの偏差を水位とする。そして、この水位が所定の値(閾値)を超えたら、警報を発するようにすれば、ドレンタンク4の満水を報知することができる。
これにより、実施の形態1の効果に加え、予め送信部と水面との距離Bを測定しておく必要がなく、別途メモリを設ける必要もないという効果を奏する。さらに、ショーケース以外の池の底や深い水底など測定用のスケールなどが届かず人介では測定しにくい場所あるいは人介では誤差の発生し易い場所についても精度の高い水位検出が可能である。
図10はホーン5の中心部に設けられた1次共振モード波の発生を物理的に押さえつけて抑制する円錐状の抑制部材16である。この抑制部材16は任意のダンピング部材を用いてもよいし、重い堅い部材を用いて固定してもよい。これにより、1次共振モード波の発生はほぼ完全に抑制され、殆ど発生しなくなる。
また、音響通路長をL2とすると、このL2を2次共振モード波の波長と一致するように構成する。即ち、空中の超音波の速度(音速)が340mのとき、2次共振モード波の波長をλ2とすると、音響通路長を
L2=λ2=340×103/(80×103)=4.25mm
に構成することで、共振金属板から発振した2次共振モード波はこのホーン5によりさらに共振されて送信される。この2次共振モード波を利用して実施の形態2と同様にしてドレンタンク4内の水位を検出することが可能である。この場合も、実施の形態2と同様の効果を奏する。
なお、本実施の形態3では1次共振モード波の発生を抑制する抑制部材16として円錐状の抑制部材を用いたが、これに限らない。例えば、円柱状の抑制部材を用いても2次共振モード波の発生に殆ど影響を与えない。また効果も上記と同様である。
この実施の形態4では、図11に示すように、1次共振モード波発生用のホーン5と2次共振モード波発生用のホーン5との2つのホーンを並べて設ける。また、1次共振モード波の送受信部と2次共振モード波の送受信部とを別々に設ける。そして、1次共振モード波の送信部からの1次共振モードの波のみの送信と受信、2次共振モードの送信部からの2次共振のみの送信と受信を同時あるいは交互に行うように信号制御部を構成する。そして、実施の形態2と同様に、1次共振モード波による水底からの反射波で送信部と水底との距離Aを測定し、2次共振モード波による水面からの反射波で送信部と水面との距離Bを測定し、AとBの偏差を水位とする。効果は実施の形態2と同様である。
なお、ホーンを切り替えて交互に行うようにすれば、送受信部を共通化することも可能である。
Claims (4)
- 台座と、
この台座の上に取り付けられ、正電極と負電極が接続された圧電素子から成る平板状の振動子と、
この振動子の前記台座と反対側の面に設けられ、前記振動子の振動と共振することで共振波を外部空間に発射する平板状の共振板と、
この共振板の前記振動子と反対側の面に設けられ、前記共振波の内、主要な1次共振モードの波(以下、1次共振モード波という)を部分的に抑制するダンピング部材と、
前記共振板の前記ダンピング部材側の面の周縁近傍に、第1の距離までほぼ同じ太さの音響通路を形成し、さらに第1の距離から第2の距離まで徐々に拡大する音響通路を形成する壁を立設して成る音響通路外装部と、
前記振動子の正電極と負電極にパルス信号(以下、送信信号という)を加えて前記振動子を振動させる送信部と、
外部空間から入射した反射波によって発生する前記共振板の振動を前記振動子が受けてこの振動を変換して得られた電気信号(以下、受信信号という)を受信する受信部と、
前記送信部が送信信号を送信した時刻と前記受信部が受信信号を受信した時刻に基づいて前記送信部と外部の水面との間の距離を測定し、予め測定済みの送信部と外部の水底との間の距離と、前記送信部と水面との間の距離との偏差から水位を算出し、この水位が所定の値を超えたら外部の警報装置に警報を発させる演算処理部と、
を備え、
前記ダンピング部材は、前記共振板の中心と前記共振板の周縁の中間の所定範囲の位置に配置され、
前記音響通路外装部の内壁は音響通路開口部において、前記共振板の中心と前記共振板の周縁との半分の位置またはそれより前記共振板の中心側に位置し、前記共振によって発生する偶数次共振波モード波の腹を抑制し、前記共振によって発生する1次共振モード波を用いて送信部と水面との間の距離を測定することを特徴とする水位検出装置。 - 前記ダンピング部材は、前記共振板の略中央を中心とする円環状に構成されたことを特徴とする請求項1に記載の水位検出装置。
- ダンピング部材は、前記共振板の中心に近づくほど薄く、前記共振板の周縁に近づくほど厚くなるような円板状に構成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水位検出装置。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の水位検出装置を備えたことを特徴とする設備機器。
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