JP4498097B2 - ベーンポンプ - Google Patents

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この発明は、例えば、パワーステアリング装置における油圧源となるベーンポンプに関する。
この種のベーンポンプとして、特許文献1に記載されたものが従来から知られているが、この従来のベーンポンプを図7〜図9に示す。
図7に示すように、ボディ101にボディボア102を形成するとともに、このボディボア102をカバー103でふさいでいる。これらボディ101およびカバー103には、それぞれ軸受穴101a、軸受穴103aを形成し、これら軸受穴101aと軸受穴103aとでシャフト104を回転自在に支持している。
上記ボディボア102内には、略楕円形をした内壁105aを有するカムリング105を組み込むとともに、このカムリング105内にロータ106を回転自在に収容している。このロータ106の一方の側面106aには、サイドプレート107を接触させるとともに、他方の側面106bには、上記カバー103を接触させている。
また、上記ロータ106の中心部分にはシャフト104を貫通させるとともに、この貫通部分に形成したセレーションを介して、シャフト104とロータ106とが一体回転するようにしている。
さらに、図8に示すように、上記ロータ106には、その円周方向に複数のベーン溝108を放射状に形成している。これらベーン溝108は、その基部に背圧室109を形成するとともに、ベーン110を摺動自在に組み込んでいる。これらベーン110は、その先端がカムリング105の内壁105aに接触するように回転する。
そして、図9に示すように、上記サイドプレート107には、ロータ106との接触面である側面107aに、4つの背圧導入溝111を等間隔に形成するとともに、互いに対向する一対の背圧導入溝111には、吐出圧導入路114を開口させている。また、上記4つの背圧導入溝111のそれぞれは、絞り溝112によって連通している。したがって、上記背圧導入溝111および絞り溝112によって、ロータ106に形成されたすべての背圧室109が円周方向に連通することになる。
また、上記カバー103であってカムリング105に対向する側面にも上記背圧導入溝111と対向する4つの背圧導入溝115を形成しているが、これら背圧導入溝111と115とは背圧室109を介して互いに連通している。ただし、このカバー103側の背圧導入溝115はそれぞれを独立させている。言い換えると、カバー103側には絞り溝112を形成していない。
上記のように構成にしたベーンポンプは、例えば、ポンプが全く停止しているときには、高圧室113もタンク圧になるので、この高圧室113内の圧力が導かれる背圧室109内もタンク圧に維持されている。したがって、ベーン110の先端がカムリング105の内壁105aに押しつけられることはない。かえって、ベーン110がその自重でベーン溝108内に沈み込んだりしてベーン110の先端がカムリング105の内壁105aから離れてしまう。
もし、すべてのベーン110の先端がカムリング105の内壁105aから離れていれば、たとえ、シャフト104を図8に示した矢印r方向に回転したとしても、ロータ106が空回りするだけでポンプは駆動せず、吐出量がゼロの状態を保つ。特に、長時間停車後の起動時には、作動油の粘性が高いので、ロータ106を回転してベーン110に遠心力を作用させたとしても、作動油の粘性抵抗によってベーン110がベーン溝108からなかなか飛び出さない。ただし、ロータ106を回転し続ければ、ベーン110に遠心力が作用し続けるので、その連続的な遠心力の作用でベーン110が、作動油の粘性抵抗に打ち勝ってベーン溝108から突出し、その先端がカムリング105の内壁105aに接触する。特に、吐出口b1,b2側にあるベーン110の一つでも上記内壁105aに接触すると、そのベーン110の作動油を排出する力によって高圧室113に多少の圧力が発生する。
上記のように高圧室113に多少でも圧力が発生すると、その圧力が吐出圧導入路114を介して背圧室109に導かれるので、その圧力作用で、ベーン溝108に没入していたベーン110がベーン溝108から次々に突出し、その先端をカムリング105の内壁105aに接触させる。このように背圧室109に圧力が導かれてベーン110がカムリング105の内壁105aに接触すれば、ベーン110が自重等でベーン溝108内に没入することがないので、以後、ポンプ作用を継続することになる。
また、上記のようにポンプ作用を継続すると、ベーン110はベーン溝109の中を往復することになるが、この往復運動によって背圧導入溝111および背圧導入溝115の作動油をベーン溝108および背圧室109に吐出させたり、あるいはこの背圧導入溝111および背圧導入溝115の作動油がベーン溝108および背圧室109に吸い込まれたりする。言い換えると、収縮行程位置にあるベーン溝108および背圧室109から吐出された作動油は、背圧導入溝111および背圧導入溝115を経由して伸張行程位置にある背圧室109およびベーン溝108に供給されるので、ベーン110はその背圧室109内の圧力でその先端がカムリング105の内壁105aに接触することになる。
また、当該ポンプの起動時に、例えば、ベーン110が一つだけカムリング105の内壁105aに接触している状態では、高圧室113内の圧力もそれほど高くはならない。したがって、背圧室109に少しでも圧力が立ったときには、その圧力が逃げるのを防止する方が、当該ポンプの起動性がよくなる。そこで、この従来のベーンポンプでは、背圧導入溝111間を絞り溝112で連通し、吐出圧導入路114が開口していない背圧導入溝111および115の作動油が、それほど高圧になっていない高圧室113側に逃げないようにしている。
なお、ベーン110の伸張工程と収縮工程を繰り返す過程で、カムリング105の内壁105aとロータ106の外周と各ベーン110間とによって独立した室が形成される。この形成された室内には、ベーン110の伸張工程時に吸い込み口a1,a2から作動油が吸い込まれる。そして、室内に吸い込まれた作動油は、ベーン110の収縮工程時に高圧となり、吐出口b1,b2から高圧室113に吐出される。
上記のようにしてポンプが起動して高速運転に入ると、今度は、収縮行程位置におけるベーン溝108および背圧室109内の作動油が、伸張行程位置における背圧室109およびベーン溝108に供給される。そして、実際には、背圧室109内の圧力が、ポンプ吐出圧よりも高くなることが多いので、吐出圧導入路114からは各背圧室109の不足分の流量のみが補給されることになる。したがって、各背圧室109間で行き来する作動油の流量はそれほど多くはなく、しかも、高速運転時には、油温が上昇して作動油の粘性も低くなっているので、上記絞り溝112の絞り抵抗はそれほど大きくはならない。そのために絞り溝112で各背圧導入溝111を連通している方が、圧力の異常な上昇を避けられるという利点がある。
特開平11−230057号公報
上記のようにした従来のベーンポンプでは、低温起動時の吐出遅れをなくそうとすればするほど、吐出導入路114が開口していない背圧導入溝111および115の作動油が、吐出圧導入路114が開口する背圧導入溝111に流れ込まないようにしなければならないが、そのためには絞り溝112の開度をより小さくする必要がある。
特に、上記従来のベーンポンプでは、吐出圧導入路114が開口していない一つの背圧導入溝111と、吐出圧導入路114が開口している二つの背圧導入溝111とが絞り溝112によって連通しているので、個々の絞り溝112はその開度を、かなり小さくせざるを得ない。
なぜなら、吐出圧導入路114が開口していない一つの背圧導入溝111から、吐出圧導入路114が開口している二つの背圧導入溝111に流れる流量は、2つの絞り溝112の合計開度に比例するので、一つの絞り溝112の開度をかなり小さくして、小さな合計開度を維持しなければならないからである。
ただし、絞り溝112の開度を小さくし過ぎると、起動時の吐出遅れをなくすことができるが、今度は、高速運転時の背圧導入溝111および背圧室109内の圧力が高くなりすぎて、ベーン110が内壁105aに接触する接触圧が高くなり、カムリング105が摩耗したり、カムリング105とベーン110とが焼き付いたりする原因になってしまう。特に、高速運転になればなるほど、ベーン溝109におけるベーン110の往復運動が激しくなり、その分、背圧導入溝111および115内を流れる単位時間あたりの流量が多くなるので、絞り溝112による圧力損失が大きくなる。このように圧力損失が大きくなれば、ベーン110が収縮するときの背圧室109の圧力が上昇するので、その分、ベーン110がカムリング105の内壁105aに接触する接触圧が高くなり、上記したようにカムリング105が摩耗したり、カムリング105とベーン110とが焼き付いたりしてしまう。
結局、起動時の吐出遅れを無くそうとすると、高速運転時の摩耗や焼き付きが問題になり、高速運転時のベーン110の摩耗や焼き付きを防止しようとすると、起動時の吐出遅れが発生してしまうというように、従来のベーンポンプは二律背反的な問題を抱えていた。
この発明の目的は、起動時の吐出遅れを生じさせず、しかも、高速運転時の摩耗や焼き付きを防止できるベーンポンプを提供することである。
第1の発明は、ボディ内に、ロータを回転自在に収容するカムリングを組み込み、上記ロータの一方の側面にサイドプレートを対向させて設け、他方の側面にカバーを対向させて設け、さらに、上記ロータの円周方向に複数のベーン溝を放射状に形成し、これらベーン溝の基部に背圧室を形成するとともに、上記ベーン溝および背圧室にベーンを摺動自在に組み込み、ロータが回転することによって、ベーンの先端がカムリングの内壁に接触して、ベーンがベーン溝から突出する伸張工程と、ベーンがベーン溝内に押し込まれる収縮工程を経る一方、ロータと接触するサイドプレートの一方の側面およびロータと接触するカバーの側面のそれぞれに、ロータに形成した背圧室に圧油を導く背圧導入溝を、円周方向に複数設け、かつ、サイドプレートに形成した背圧導入溝のうち所定の背圧導入溝を吐出圧導入路を介して吐出圧が導入される高圧室に導く構成にしたベーンポンプにおいて、サイドプレートおよびカバーと接触するロータの両側面であって、上記各背圧室と交差する位置に、上記サイドプレートおよびカバーに形成した複数の背圧導入溝を互いに連通させる円環溝を形成するとともに、サイドプレートと接触するロータの一方の側面に形成した円環溝の断面積を、カバーと接触するロータの他方の側面に形成した円環溝の断面積より小さくした点に特徴を有する。
第1の発明によれば、サイドプレートと対向するロータの一方の側面に形成した円環溝の断面積を、カバーと対向するロータの他方の側面に形成した円環溝の断面積より小さくしたので、作動油の粘性の高い起動時には、断面積が小さい上記一方の側面に形成した円環溝側には作動油が流れにくくなる。したがって、背圧室内の作動油が、この断面積が小さい円環溝を介して圧力上昇前の高圧室に逃げにくくなり、その分、背圧室の圧力を維持することができる。作動油の粘性が低い起動時において、上記したように背圧室の圧力を維持できるので、当該ポンプの起動時の吐出遅れをなくすことができる。
一方、高速運転時には、油温が上昇して作動油の粘性も低くなっているので、各背圧導入溝が両円環溝を介して連通する。このように各背圧導入溝が両円環溝を介して連通するので、背圧室の圧力が異常に上昇することはなく、高速運転時の摩耗や焼き付きを防止できる。
また、ロータの両側に円環溝を形成したので、軸方向の圧力バランスがとりやすくなる。したがって、ロータは一方の側面に極端に押し付けられることがなくなり、トルク伝達がよくなるとともに、焼き付きなどを防止できることになる。
図1〜図6に、この発明の実施形態を示す。
図1に示すように、ボディ1にボディボア2を形成するとともに、このボディボア2をカバー3でふさいでいる。これらボディ1およびカバー3には、それぞれ軸受穴1a、軸受穴3aを形成し、これら軸受穴1aと軸受穴3aとでシャフト4を回転自在に支持している。
上記ボディボア2内には、カムリング5を組み込むとともに、このカムリング5内にロータ6を回転自在に収容している。このロータ6の一方の側面6aには、サイドプレート7を対向させるとともに、他方の側面6bには、上記カバー3を対向させている。
また、上記ロータ6の中心部分にはシャフト4を貫通させるとともに、この貫通部分に形成したセレーションを介して、シャフト4とロータ6とが一体回転するようにしている。
さらに、図2および図3に示すように、上記ロータ6には、その円周方向に複数のベーン溝8を放射状に形成している。これらベーン溝8は、その基部に背圧室9を形成するとともに、このベーン溝8にベーン10を摺動自在に組み込んでいる。
また、上記ロータ6の両側面には円環溝6cおよび6dを形成しているが、サイドプレート7に対向するロータ6の一方の側面6a側に形成した円環溝6cの断面積を、カバー3に対向するロータ6の他方の側面6d側に形成した円環溝6dの断面積よりも小さくしている。したがって、断面積の大きな円環溝6d側で作動油に作用する抵抗は、断面積の小さな円環溝6c側で作用する抵抗よりも小さくなる。言い換えると、円環溝6c側では作動油が流れにくく、円環溝6d側では作動油が流れやすくなる。このようにした円環溝6cおよび6dは、背圧室9を通る円周の直径と同じ直径にして、円環溝6c,6dが背圧室9と完全に交差する位置に形成している。したがって、上記円環溝6c,6dは、各背圧室9に連通することになる。
さらに、図5に示すように、上記サイドプレート7には、ロータ6との対向面である側面7aに一対の第1背圧導入溝11aと,同じく一対の第2背圧導入溝11bとを円周方向に交互に形成している。そして、各背圧導入溝11a,11bは、円周方向に所定の間隔を保つとともに、それらは上記円環溝6cを介して互いに連通する。なお、上記第1背圧導入溝11aは、吐出圧導入路12を介して高圧室13に連通しているが、この高圧室13は当該ポンプの吐出口に連通している。
一方、前記カバー3であってロータ6との対向面には、上記サイドプレート7の第1,2背圧導入溝11a,11bに対向する背圧導入溝14を形成しているが、この背圧導入溝14は、上記した第1,2背圧導入溝11a,11bと、背圧室9を介して互いに連通するとともに、円環溝6dを介して背圧導入溝14同士も連通する。
そして、前記したように両円環溝6c,6dをそれらが背圧室9と完全に交差する位置に形成することによって、例えば、ベーン10がベーン溝8内に完全に沈み込んだとき、言い換えると、ベーン10の基端が背圧室9内に位置するとき、円環溝6c,6dによって構成される、サイドプレート7側に形成した第1,2背圧導入溝11a,11b同士、およびカバー3側に形成した背圧導入溝14同士を連通させる流路に、絞り抵抗を付与することができる。
上記のように構成にしたベーンポンプは、その起動時にロータ5を回転し続ければ、ベーン10に遠心力が作用し続けるので、その連続的な遠心力の作用でベーン10がベーン溝8から突出してその先端がカムリング5の内壁5aに接触する。特に、吐出口側にあるベーン10の一つでも上記内壁5aに接触すれば、そのベーン10の作動油を排出する力によって高圧室13に多少の圧力が発生する。
上記のように高圧室13に多少でも圧力が発生すると、その圧力が吐出圧導入路12を介して背圧室9に導かれるので、その圧力作用で、ベーン溝8に没入していたベーン10がベーン溝8から次々に突出し、その先端をカムリング5の内壁5aに接触させる。このように背圧室9に圧力が導かれてベーン10がカムリング5の内壁5aに接触すれば、ベーン10が自重等でベーン溝8内に没入することがないので、以後、ポンプ作用を継続することになる。
また、上記のようにポンプ作用を継続すると、ベーン10はベーン溝9の中を往復することになるが、この往復運動によって第1,2背圧導入溝11a,11bおよび背圧導入溝14の作動油を、ベーン溝8および背圧室9に吐出させたり、あるいは第1,2背圧導入溝11a,11bおよび背圧導入溝14の作動油がベーン溝8および背圧室9に吸い込まれたりする。言い換えると、収縮行程位置にあるベーン溝8および背圧室9から吐出された作動油は、第1,2背圧導入溝11a,11bおよび背圧導入溝14を経由して伸張行程位置にある背圧室9およびベーン溝8に供給されるので、ベーン10はその背圧室9内の圧力でその先端がカムリング5の内壁5aに接触することになる。
また、当該ポンプの高速運転時には、各背圧室9が連通していた方がよいが、長時間停車した後の当該ポンプの起動時には、それら背圧室9の圧力を維持するために、その背圧室9内の圧力がなるべく逃げないようにする方が効率的であることは、前記したとおりである。そこで、この実施形態では、ロータ6の一方の側面6aに形成した円環溝6cの断面積を、その他方の側面6bに形成した円環溝6dの断面積よりも小さくしている。
そして、長時間停車後の当該ポンプ起動時における作動油の粘性が高いときには、作動油は背圧室9を横断しにくくなるとともに、断面積の小さい円環溝6cにも流れにくくなる。したがって、この背圧室9を介してカバー3側の背圧導入溝14から第1背圧導入溝11aに流れる流量がほとんどなくなる。その上、円環溝6cの流れも悪くなるので、背圧室9内の作動油が吐出圧導入路12を介して昇圧前の高圧室13に流出しにくくなる。この結果、カバー3側に形成した背圧導入溝14内の圧力が確保されることになる。このように背圧導入溝14に圧力が確保されれば、カムリング5の内壁5aに一度接触したベーン10が、ベーン溝8に簡単に沈み込まなくなる。したがって、以後のポンプ作用が円滑に継続されることになる。
もし、円環溝6cの断面積を大きくすれば、背圧室9内の作動油は、各背圧導入溝11a,背圧導入溝11bおよび円環溝6cを経由して吐出圧導入路12から、起動時にそれほど高圧になっていない高圧室13に逃げてしまうので、起動時にベーン10がカムリング5の内壁5aにせっかく接触しても、ベーン10がベーン溝8の中に簡単に沈み込んでしまう。そのために、なかなかポンプ作用を継続できず、結果的に、吐出遅れが生じるということになってしまう。
しかし、この実施形態では、吐出圧導入路12と直接接触する側の円環溝6cの断面積を小さくしたので、上記したようにカバー3側に形成した背圧導入溝14内の圧力をある程度保つことができる。したがって、このカバー3側の背圧導入溝14側に保たれた圧力で、起動時にカムリング5の内壁5aに接触したベーン10が、ベーン溝8に沈み込んでしまうのを防げるので、当該ポンプの吐出遅れという問題を解消できる。
一方、高速運転時には、油温が上昇するとともに作動油の粘性が低くなるので、各背圧室9を介して、サイドプレート7側に形成した第1,2背圧導入溝11a,11bと、カバー3側に形成した背圧導入溝14とが連通するとともに、それら第1,2背圧導入溝11a,11b同士および背圧導入溝14同士が円環溝6c,6dを介して連通する。したがって、第1,2背圧導入溝11a,11bおよび背圧導入溝14のすべてに作動油がスムーズに流通する。このように背圧導入溝のすべてに作動油がスムーズに流通するので、背圧室に異常圧が発生したりしない。したがって、高速運転時における前記焼き付きや偏摩耗といった問題が発生しない。
また、ロータ6の両側に円環溝6c,6dを形成したので、軸方向の圧力バランスがとりやすくなる。したがって、ロータは一方の側面に極端に押し付けられることがなくなり、トルク伝達がよくなるとともに、焼き付きなどを防止できることになる。
なお、上記円環溝6c,6dを図面に示すように背圧室9を通る円周の直径と同じ直径にして、円環溝6cが背圧室9と完全に交差する位置に形成することによって、例えば、ベーン10がベーン溝8内に完全に沈み込んだとき、言い換えると、ベーン10の基端が背圧室9内に位置するとき、円環溝6c,6dによって構成される、第1,2背圧導入溝11a,11b同士、および背圧導入溝14同士を連通させる流路に、絞り抵抗を付与することができる。このように絞り抵抗を付与できるので、当該ポンプの起動時における背圧導入溝14内の圧力を保つことができ、その吐出遅れを防止するのにさらに役立つことになる。
本実施形態のベーンポンプを示す断面図である。 図1のII−II線断面図である。 ロータの断面図である。 サイドプレートとの接触面を示したロータの側面図である。 ロータとの接触面を示したサイドプレートの側面図である。 カバーの側面図である。 従来例のベーンポンプを示す断面図である。 図7のVIII−VIII線断面図である。 従来例のサイドプレートを示す側面図である。
符号の説明
1 ボディ
3 カバー
5 カムリング
5a カムリングの内壁
6 ロータ
6a ロータの一側面
6b ロータの他側面
6c 円環溝
6d 円環溝
7 サイドプレート
7a サイドプレートの側面
8 ベーン溝
9 背圧室
10 ベーン
11a 第1背圧導入溝
11b 第2背圧導入溝
a1,a2 吸い込み口
b1,b2 吐出口
14 背圧導入溝

Claims (2)

  1. ボディ内に、ロータを回転自在に収容するカムリングを組み込み、上記ロータの一方の側面にサイドプレートを対向させて設け、他方の側面にカバーを対向させて設け、さらに、上記ロータの円周方向に複数のベーン溝を放射状に形成し、これらベーン溝の基部に背圧室を形成するとともに、上記ベーン溝および背圧室にベーンを摺動自在に組み込み、ロータが回転することによって、ベーンの先端がカムリングの内壁に接触して、ベーンがベーン溝から突出する伸張工程と、ベーンがベーン溝内に押し込まれる収縮工程を経る一方、ロータと接触するサイドプレートの一方の側面およびロータと接触するカバーの側面のそれぞれに、ロータに形成した背圧室に圧油を導く背圧導入溝を、円周方向に複数設け、かつ、サイドプレートに形成した背圧導入溝のうち所定の背圧導入溝を吐出圧導入路を介して吐出圧が導入される高圧室に導く構成にしたベーンポンプにおいて、サイドプレートおよびカバーと接触するロータの両側面であって、上記各背圧室と交差する位置に、上記サイドプレートおよびカバーに形成した複数の背圧導入溝を互いに連通させる円環溝を形成するとともに、サイドプレートと接触するロータの一方の側面に形成した円環溝の断面積を、カバーと接触するロータの他方の側面に形成した円環溝の断面積より小さくしたベーンポンプ。
  2. 上記円環溝は、ベーンがベーン溝内に位置するとき、そのベーンによって分断して、上記円環溝内の流体の流通を阻止するか、あるいは円環溝を流通する流体に絞り抵抗を付与する構成にした請求項1記載のベーンポンプ。
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