JP4496653B2 - ガラス固化体収容方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、核燃料再処理施設等で発生する高レベル放射性廃棄物であるガラス固化体を収容するガラス固化体収容方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
使用済み核燃料を再処理した後に生ずる高レベル放射性廃液は、極めて高い放射線と崩壊熱を長期に亘って発生することから、溶融させたほうけい酸ガラス等のガラス原料と高温で混ぜ合わされた後、図4に示すように、キャニスタ1と称されるステンレス製の容器に密閉収容されてガラス固化体Gとして安定化され、その後、さらにオーバーパック2と称される厚肉の鋼製容器内に密閉収容されてから地層処分することが計画されている。
【0003】
一方、軽水炉で使用される核燃料は、天然ウラン中に約0.7%含まれている核分裂性の235Uを約3%程度まで濃縮した濃縮ウランが用いられるが、この濃縮後に生ずる劣化ウラン、すなわち、235Uの割合が天然ウランよりも少ない238Uは、将来、高速増殖炉のブランケット燃料等として有効利用することが期待されているため、現在ではそのままウラン濃縮設備等に貯蔵され、厳重に保護管理されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このガラス固化体Gを密閉収容するオーバーパック2は、ガラス固化体Gから発生する放射線、特に透過量の大きい電磁波であるγ線等を確実に遮蔽すべくその肉厚が数十cm〜1m近くにも及ぶことから、全体の重さが数十トン単位の大重量物となる。
【0005】
そのため、このオーバーパック2の取扱い等に際しては専用の大型搬送設備や広い敷地及び安全設備等が必要となる上に、その製造に際して大量の鋼製材料を使用するため、その取扱い及び製造等に際して多大なコストを要する。
【0006】
一方、濃縮後に発生する劣化ウランは、上記のように高速増殖炉のブランケット燃料として有効利用可能なものであるが、未だその実用化には長期を要することから、その貯蔵量は年々増加の一途を辿り、貯蔵設備の不足やその管理費用に多大なコストを要するといった弊害が生じてきている。
【0007】
そこで、本発明はこのような課題を有効に解決するために案出されたものであり、その目的は、ガラス固化体を収容するオーバーパックの薄肉軽量化を図ると共に、過剰となってきた劣化ウランを有効活用できる新規なガラス固化体収容方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、高レベル放射性廃液を溶融ガラス原料と混ぜ合わせた後キャニスタに密閉収容したガラス固化体をオーバーパック内に密閉収容するに際して、劣化ウランを真空溶融鋳造してガラス固化体を収容する容器本体と容器本体の上部開口部に着脱される容器蓋とからなる収納用容器を形成し、前記ガラス固化体を前記収納用容器内に収納させ、その収納用容器を上記オーバーパック内に密閉収容するようにしたことを特徴とするガラス固化体収容方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を実施する好適一形態を添付図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1は、本発明に係るガラス固化体収納用容器3の実施の一形態を示したものであり、図中破線は、前述したように高レベル放射性廃液と溶融ガラスをキャニスタ1内に詰め込んだガラス固化体Gである。
【0013】
図示するように、このガラス固化体収納用容器3は、その全体が上述した劣化ウランから形成されており、有底円筒形をした容器本体4と、この容器本体4の上部開口部に着脱されるキャップ状の容器蓋5とから構成されている。
【0014】
すなわち、この容器本体4の上端部周囲及び容器蓋5の内周面には、それぞれ雌雄いずれかのネジ山N,Nがタップ等によって螺刻されており、これら雌雄のネジ山N,Nを螺合させることで容器本体4の上部開口部をキャップ状の容器蓋5自在に開閉できるようになっている。
【0015】
そして、図1及び図2に示すようにこのガラス固化体収納用容器3内にガラス固化体Gを収容すると共に、その上部開口部を容器蓋5で塞いで密閉することで、ガラス固化体Gから発生する放射線,特に物質透過量の大きい放射線であるγ線等をこのガラス固化体収納用容器で効果的に遮蔽し、その外部へ漏れ出す量を大幅に低減することが可能となる。
【0016】
すなわち、原子炉等においてγ線等の電磁波の遮蔽材としては、一般に鉛(Pb)や鉄(Fe)等の質量数の大きい材料が用いられているが、その理由は、コストの他に一般に質量数の大きい材料になるほどγ線やX線等の電磁波の遮蔽能力に優れているからである。そして、劣化ウランの主成分である238Uは、その質量数が鉄や鉛(質量数206〜208)等よりも十分に大きい(質量数238)ことから、より優れた放射線遮蔽効果を発揮することができるからである。
【0017】
また、この劣化ウランは真空融解鋳造が容易に行え、かつ、真空融解鋳造した劣化ウランは、機械的強度が大きく、冷間でも加工でき、加工硬化したものは、例えば1000℃で20分程度も加熱すれば軟化し、さらに冷間加工が行えるといった優れた特性も有しており、容易にガラス固化体収納用容器3に加工成形することができる。
【0018】
従って、図3に示すように大量の放射線を発生するガラス固化体Gを、このように放射線遮蔽能力,及び機械強度,加工性に優れたガラス固化体収納用容器3内に一旦密閉収容してからさらにこのガラス固化体収納用容器3と共にオーバーパック2内に密閉収容すれば、オーバーパック2で負担する遮蔽能力の一部を削減できるため、当初予定されているオーバーパック2の肉厚をより薄肉化し、軽量化を達成することができる。尚、このオーバーパック2は、収納用容器3と同様に有底円筒状をした厚肉の鋼製容器本体2aと、その上部開口部を塞ぐべくこれに溶接等される厚肉の鋼製容器蓋2bとからなっている。
【0019】
また、余剰となって廃棄処分等が必要となってきた劣化ウランを有効活用できると共にガラス固化体と同時に地層処分することができるため、劣化ウラン単独で廃棄処分するための設備やコスト等も同時に解消することができる。
【0020】
尚、このガラス固化体収納用容器3を構成する劣化ウランは、それ自体が崩壊して質量数の小さい元素に変化する過程で様々な放射線を発生するが、その放射線量は、ガラス固化体から発生される放射線量に比べれば極僅かであるため、殆ど問題とはならない。また、この収納用容器3の肉厚等は、できるだけ厚い方が好ましいが、その材料となる劣化ウランはかなり大きな質量を有しているため、オーバーパック2等の遮蔽効果との相関等に応じて最適に決定することとなる。
【0021】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、ガラス固化体を収容するオーバーパックの薄肉軽量化を達成することができるため、オーバーパックの取扱いや製造等に要するコストやハンドリング等を大幅に削減することができる。また、過剰となってきた劣化ウランを有効活用できるため、劣化ウラン単独で処分するための設備やコスト等も同時に解消することができる等といった優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガラス固化体収納用容器の実施の一形態を示す一部破断斜視図である。
【図2】本発明に係るガラス固化体収納用容器の実施の一形態を示す縦断面図である。
【図3】本発明に係るガラス固化体収納用容器を収容したオーバーパックの実施の一形態を示す縦断面図である。
【図4】従来提案されているガラス固化体及びこれを収容するオーバーパックの一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 キャニスタ
2 オーバーパック
3 ガラス固化体収納用容器
4 容器本体
5 容器蓋
G ガラス固化体
Claims (1)
- 高レベル放射性廃液を溶融ガラス原料と混ぜ合わせた後キャニスタに密閉収容したガラス固化体をオーバーパック内に密閉収容するに際して、劣化ウランを真空溶融鋳造してガラス固化体を収容する容器本体と容器本体の上部開口部に着脱される容器蓋とからなる収納用容器を形成し、前記ガラス固化体を前記収納用容器内に収納させ、その収納用容器を上記オーバーパック内に密閉収容するようにしたことを特徴とするガラス固化体収容方法。
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