JP4491911B2 - Conductive film and method for producing the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、支持体上に機能性微粒子の圧縮層からなる機能性層を有する機能性フィルム及びその製造方法に関する。本発明において、機能性フィルムには機能性フィルム、機能性シートの双方が含まれる。また、支持体が金属であるものも、本発明の機能性フィルムに含まれる。
【0002】
機能性層とは機能を有する層であり、機能とは物理的及び/又は化学的現象を通じて果たす働きのことを意味する。機能性層には、導電層、磁性層、強磁性層、誘電体層、強誘電体層、エレクトロクロミック層、エレクトロルミネッセンス層、絶縁層、光吸収層、光選択吸収層、反射層、反射防止層、触媒層、光触媒層等の各種の機能を有する層が含まれる。
【0003】
とりわけ本発明は、透明導電層を有する透明導電フィルム及びその製造方法に関する。透明導電フィルムは、エレクトロルミネッセンスパネル電極、エレクトロクロミック素子電極、液晶電極、透明面発熱体、タッチパネルのような透明電極として用いることができるほか、透明な電磁波遮蔽膜として用いることができる。
【0004】
【従来の技術】
従来より、各種の機能性材料からなる機能性膜は、真空蒸着、レーザアブレーション、スパッタリング、イオンプレーティング等の物理的気相成長法(PVD)や、熱CVD、光CVD、プラズマCVD等の化学的気相成長法(CVD)によって製造されている。これらは、一般に大掛かりな装置が必要であり、中には大面積の膜の形成には不向きなものもある。
【0005】
また、ゾル−ゲル法を用いた塗布による膜の形成も知られている。ゾル−ゲル法では、大面積の膜の形成にも適するが、多くの場合、塗布後に高温で無機材料を焼結させる必要がある。
【0006】
例えば、透明導電膜について見れば以下の通りである。現在、透明導電膜は主にスパッタリング法によって製造されている。スパタッリング法は種々の方式があるが、例えば、真空中で直流または高周波放電で発生した不活性ガスイオンをターゲット表面に加速衝突させ、ターゲットを構成する原子を表面から叩き出し、基板表面に沈着させ膜を形成する方法である。
スパッタリング法は、ある程度大きな面積のものでも、表面電気抵抗の低い導電膜を形成できる点で優れている。しかし、装置が大掛かりで成膜速度が遅いという欠点がある。今後さらに導電膜の大面積化が進められると、さらに装置が大きくなる。このことは、技術的には制御の精度を高めなくてはならないなどの問題が発生し、別の観点では製造コストが大きくなるという問題が発生する。また、成膜速度の遅さを補うためにターゲット数を増やして速度を上げているが、これも装置を大きくする要因となっており問題である。
【0007】
塗布法による透明導電膜の製造も試みられている。従来の塗布法では、導電性微粒子がバインダー溶液中に分散された導電性塗料を基板上に塗布して、乾燥し、硬化させ、導電膜を形成する。塗布法では、大面積の導電膜を容易に形成しやすく、装置が簡便で生産性が高く、スパッタリング法よりも低コストで導電膜を製造できるという長所がある。塗布法では、導電性微粒子同士が接触することにより電気経路を形成し導電性が発現される。しかしながら、従来の塗布法で作製された導電膜は接触が不十分で、得られる導電膜の電気抵抗値が高い(導電性に劣る)という欠点があり、その用途が限られてしまう。
【0008】
従来の塗布法による透明導電膜の製造として、例えば、特開平9−109259号公報には、導電性粉末とバインダー樹脂とからなる塗料を転写用プラスチックフィルム上に塗布、乾燥し、導電層を形成する第1工程、導電層表面を平滑面に加圧(5〜100kg/cm2 )、加熱(70〜180℃)処理する第2工程、この導電層をプラスチックフィルムもしくはシート上に積層し、熱圧着させる第3工程からなる製造方法が開示されている。
この方法では、バインダー樹脂を大量に用いている(無機質導電性粉末の場合には、バインダー100重量部に対して、導電性粉末100〜500重量部、有機質導電性粉末の場合には、バインダー100重量部に対して、導電性粉末0.1〜30重量部)ため、電気抵抗値の低い透明導電膜は得られない。
【0009】
例えば、特開平8−199096号公報には、錫ドープ酸化インジウム(ITO)粉末、溶媒、カップリング剤、金属の有機酸塩もしくは無機酸塩からなる、バインダーを含まない導電膜形成用塗料をガラス板に塗布し、300℃以上の温度で焼成する方法が開示されている。この方法では、バインダーを用いていないので、導電膜の電気抵抗値は低くなる。しかし、300℃以上の温度での焼成工程を行う必要があるため、樹脂フィルムのような支持体上に導電膜を形成することは困難である。すなわち、樹脂フィルムは高温によって、溶融したり、炭化したり、燃焼してしまう。樹脂フィルムの種類によるが、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムでは130℃の温度が限界であろう。
【0010】
塗布法以外のものとしては、特開平6−13785号公報に、導電性物質(金属又は合金)粉体より構成された骨格構造の空隙の少なくとも一部、好ましくは空隙の全部に樹脂が充填された粉体圧縮層と、その下側の樹脂層とからなる導電性皮膜が開示されている。その製法について、板材に皮膜を形成する場合を例にとり説明する。同号公報によれば、まず、樹脂、粉体物質(金属又は合金)及び被処理部材である板材を皮膜形成媒体(直径数mmのスチールボール)とともに容器内で振動又は攪拌すると、被処理部材表面に樹脂層が形成される。続いて、粉体物質がこの樹脂層の粘着力により樹脂層に捕捉・固定される。更に振動又は攪拌を受けている皮膜形成媒体が、振動又は攪拌を受けている粉体物質に打撃力を与え、粉体圧縮層が作られる。粉体圧縮層の固定効果を得るために、かなりの量の樹脂が必要とされる。また、製法は塗布法に比べ、煩雑である。
【0011】
塗布法以外のものとしては、特開平9−107195号公報に、導電性短繊維をPVCなどのフィルム上にふりかけて堆積させ、これを加圧処理して、導電性繊維−樹脂一体化層を形成する方法が開示されている。導電性短繊維とは、ポリエチレンテレフタレートなどの短繊維にニッケルメッキなどを被着処理したものである。加圧操作は、樹脂マトリックス層が熱可塑性を示す温度条件下で行うことが好ましく、175℃、20kg/cm2 という高温・低圧条件が開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このような背景から、支持体上に大面積の機能性膜を容易に形成しやすく、装置が簡便で生産性が高く、低コストで機能性膜を製造できるという塗布法の利点を生かしつつ、各種機能を発現し得る機能性膜、例えば電気抵抗値の低い透明導電膜が得られる方法の開発が望まれる。
【0013】
そこで、本発明の目的は、塗布法による各種機能を発現し得る機能性層、例えば電気抵抗値の低い透明導電層を有する機能性フィルムを提供すること、及び塗布法による前記機能性フィルムの製造方法を提供することにある。
【0014】
とりわけ本発明の目的は、機能性層を形成すべき支持体面が比較的硬い場合であっても、機能性層が良好に形成された機能性フィルム、及び前記機能性フィルムの製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
従来、塗布法において、バインダー樹脂を大量に用いなければ機能性層を成膜できず、あるいは、バインダー樹脂を用いない場合には、機能性物質を高温で焼結させなければ機能性層が得られないと考えられていた。
導電膜について見れば、バインダー樹脂を大量に用いなければ導電層を成膜できず、あるいは、バインダー樹脂を用いない場合には、導電性物質を高温で焼結させなければ導電層が得られないと考えられていた。
【0016】
ところが、本発明者は鋭意検討した結果、驚くべきことに、大量のバインダー樹脂を用いることなく、かつ高温で焼成することもなく、圧縮によって機械的強度を有し且つ各種の機能を発現し得る機能性層が得られることを見いだした。本発明者は、導電性物質を用いると、抵抗値の低い透明導電層が得られることを見いだした。さらに、本発明者は、前記機能性層を形成すべき支持体面が比較的硬い場合であっても、前記支持体上にアンカーコート層を設けることによって前記機能性層が良好に形成された機能性フィルムが得られることを見出し、本発明に到達した。
【0017】
本発明は、支持体上に導電性微粒子の圧縮層を有する導電性フィルムであって、前記支持体と前記導電性微粒子の圧縮層との間に、塗布により設けられた樹脂を主成分とするアンカーコート層を有し、
前記導電性微粒子の圧縮層は、導電性微粒子が分散され且つ樹脂を含まない分散液を前記アンカーコート層上に、塗布、乾燥して形成された導電性微粒子含有層を圧縮することにより得られたものである、導電性フィルムである。
前記導電性フィルムにおいて、前記アンカーコート層は柔らかいことが好ましく、例えば鉛筆硬度4H未満であることが好ましい。
【0018】
前記導電性フィルムにおいて、前記導電性微粒子の圧縮層は、44N/mm2 以上の圧縮力で圧縮することにより得られたものであることが好ましい。前記導電性微粒子の圧縮層は、ロールプレス機を用いて圧縮することにより得られたものであることが好ましい。
【0019】
前記導電性フィルムにおいて、前記導電性微粒子の圧縮層が透明導電層であることも好ましい。
【0020】
前記導電性層を形成すべき支持体面が比較的硬い、例えば鉛筆硬度4H以上に硬い場合に本発明は特に有効であり、このような場合であっても、前記導電性層が支持体上に形成される。
【0021】
本発明は、前記導電性フィルムの製造方法にも関する。本発明は、支持体上に樹脂を主成分とするアンカーコート層を塗布により形成し、前記アンカーコート層上に、導電性微粒子が分散され且つ樹脂を含まない分散液を塗布、乾燥し、導電性微粒子含有層を形成し、その後、前記導電性微粒子含有層を圧縮し、導電性微粒子の圧縮層を形成することを含む、導電性フィルムの製造方法である。
【0022】
前記方法において、圧縮を44N/mm2 以上の圧縮力で行うことが好ましい。前記方法において、圧縮を常温で行うことが好ましい。前記方法において、圧縮をロールプレス機を用いて行うことが好ましい。
【0023】
本発明において、前記導電性微粒子の分散液は、樹脂を含まない。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明において、機能性層には、特に限定されることなく、導電層、磁性層、強磁性層、誘電体層、強誘電体層、エレクトロクロミック層、エレクトロルミネッセンス層、絶縁層、光吸収層、光選択吸収層、反射層、反射防止層、触媒層、光触媒層等の各種の機能を有する層が含まれる。従って、本発明において、前記目的とする層を構成すべき機能性微粒子が用いられる。機能性微粒子は、特に限定されることなく、凝集力を有する主として無機の微粒子が用いられる。いずれの機能性フィルムの製造においても、本発明の方法を適用することにより、十分な機械的強度を有する機能性塗膜が得られると共に、バインダー樹脂を大量に用いていた従来の塗布法におけるバインダー樹脂による弊害を解消することができる。その結果、目的とする機能がより向上する。
【0025】
例えば、透明導電層の製造においては、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化カドミウム、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)等の導電性無機微粒子が用いられる。ITOがより優れた導電性が得られる点で好ましい。あるいは、ATO、ITO等の無機材料を硫酸バリウム等の透明性を有する微粒子の表面にコーティングしたものを用いることもできる。これら微粒子の粒子径は、導電フィルムの用途に応じて必要とされる散乱の度合いにより異なり、また、粒子の形状により一概には言えないが、一般に10μm以下であり、1.0μm以下が好ましく、5nm〜100nmがより好ましい。
【0026】
あるいは、有機質の導電性微粒子が用いられてもよい。有機質の導電性微粒子としては、例えば、金属材料を樹脂微粒子表面にコーティングしたもの等が挙げられる。
【0027】
本製造方法の適用によって、優れた導電性が得られる。本発明において、透明とは可視光を透過することを意味する。光の散乱度合いについては、導電層の用途により要求されるレベルが異なる。本発明では、一般に半透明といわれるような散乱のあるものも含まれる。
【0028】
強磁性層の製造においては、γ−Fe2 O3 、Fe3 O4 、Co−FeOx、Baフェライト等の酸化鉄系磁性粉末や、α−Fe、Fe−Co、Fe−Ni、Fe−Co−Ni、Co、Co−Ni等の強磁性金属元素を主成分とする強磁性合金粉末等が用いられる。本製造方法の適用によって、磁性塗膜の飽和磁束密度が向上する。
【0029】
誘電体層や強誘電体層の製造においては、チタン酸マグネシウム系、チタン酸バリウム系、チタン酸ストロンチウム系、チタン酸鉛系、チタン酸ジルコン酸鉛系(PZT)、ジルコン酸鉛系、ランタン添加チタン酸ジルコン酸鉛系(PLZT)、ケイ酸マグネシウム系、鉛含有ペロブスカイト化合物等の誘電体ないしは強誘電体の微粒子が用いられる。本製造方法の適用によって、誘電体特性ないしは強誘電体特性の向上が得られる。
【0030】
各種機能を発現する金属酸化物層の製造においては、酸化鉄(Fe2 O3 )、酸化ケイ素(SiO2 )、酸化アルミニウム(Al2 O3 )、二酸化チタン(TiO2 )、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化タングステン(WO3 )等の金属酸化物の微粒子が用いられる。本製造方法の適用によって、膜における金属酸化物の充填度が上がるため、各機能が向上する。例えば、触媒を担持させたSiO2 、Al2 O3 を用いた場合には、実用強度を有する多孔質触媒層が得られる。TiO2 を用いた場合には、光触媒機能の向上が得られる。また、WO3 を用いた場合には、エレクトロクロミック表示素子での発色作用の向上が得られる。
【0031】
また、エレクトロルミネッセンス層の製造においては、硫化亜鉛(ZnS)微粒子が用いられる。本製造方法の適用によって、塗布法による安価なエレクトロルミネッセンス層の製造を行うことができる。
【0032】
本発明において、目的に応じて、上記各種の機能性微粒子から選ばれる機能性微粒子を分散した液を機能性塗料として用いる。この機能性塗料を支持体上に設けられた好ましくは樹脂を主成分とするアンカーコート層上に、塗布、乾燥し、機能性微粒子含有層を形成する。その後、前記機能性微粒子含有層を圧縮し、機能性微粒子の圧縮層を形成して、機能性層を得る。
【0033】
導電性微粒子などの機能性微粒子を分散する液体としては、特に限定されることなく、既知の各種液体を使用することができる。例えば、液体として、ヘキサン等の飽和炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、エチレンクロライド、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等を挙げることができる。これらのなかでも、極性を有する液体が好ましく、特にメタノール、エタノール等のアルコール類、NMP等のアミド類のような水と親和性のあるものは、分散剤を使用しなくても分散性が良好であり好適である。これら液体は、単独でも2種以上の混合したものでも使用することができる。また、液体の種類により、分散剤を使用することもできる。
【0034】
また、液体として、水も使用可能である。水を用いる場合には、アンカーコート層表面が親水性のものである必要がある。樹脂を主成分とするアンカーコート層は通常疎水性であるため水をはじきやすく、均一な膜が得られにくい。アンカーコート層が樹脂を主成分とする場合には、水にアルコールを混合するとか、あるいはアンカーコート層の表面を親水性にする必要がある。
【0035】
用いる液体の量は、特に制限されず、前記微粒子の分散液が塗布に適した粘度を有するようにすればよい。例えば、前記微粒子100重量部に対して、液体100〜100,000 重量部程度である。前記微粒子と液体の種類に応じて適宜選択するとよい。
【0036】
前記微粒子の液体中への分散は、公知の分散手法により行うとよい。例えば、サンドグラインダーミル法により分散する。分散に際しては、微粒子の凝集をほぐすために、ジルコニアビーズ等のメディアを用いることも好ましい。また、分散の際に、ゴミ等の不純物の混入が起こらないように注意する。
【0037】
前記微粒子の分散液は、樹脂を含まないことが好ましい。すなわち、樹脂量=0であることが好ましい。導電膜においては、樹脂を用いなければ、樹脂によって導電性微粒子同士の接触が阻害されることがない。従って、導電性微粒子相互間の導電性が確保され、得られる導電膜の電気抵抗値が低い。導電性を損なわない程度の量であれば、樹脂を含むことも可能であるが、その量は、従来技術におけるバインダー樹脂としての使用量に比べると少ない。例えば、分散液中における樹脂の含有量の上限は、分散前の体積で表して、前記導電性微粒子の体積を100としたとき、25未満の体積である。従来技術においては、強い圧縮を行わないので、塗膜の機械的強度を得るためにバインダーを多く用いなければならなかった。バインダーとしての役割を果たす程度の量の樹脂を用いると、導電性微粒子同士の接触がバインダーにより阻害され、微粒子間の電子移動が阻害され導電性が低下する。
【0038】
一方、樹脂には導電膜のヘイズを向上させる効果がある。しかしながら、導電性の点からすると、樹脂は、分散前の体積で表して、前記導電性微粒子の体積を100としたとき、25未満の体積の範囲内で用いられることが好ましく、20未満の体積の範囲内で用いられることがより好ましい。また、ヘイズの向上効果は少なくなるが、導電性の点からすれば、樹脂を用いないことが最も好ましい。
【0039】
WO3 微粒子やTiO2 微粒子などを用いた機能性層においても、樹脂を用いなければ、樹脂によって各微粒子同士の接触が阻害されることがないため、各機能の向上が図られる。微粒子間の接触が阻害されず各機能を損なわない程度の量であれば、樹脂を含むことも可能であるが、その量は、前記各微粒子の体積を100としたとき、例えば約80以下の体積である。
【0040】
Al2 O3 微粒子などを用いた触媒層においては、樹脂を用いなければ、樹脂によって触媒機能を有する微粒子の表面が覆われることがない。このため、触媒としての機能の向上が図られる。触媒層においては、膜の内部に空隙が多い方が、触媒としての活性点が多くなるので、この観点からもなるべく樹脂を用いないことが好ましい。
【0041】
このように機能性層には圧縮時において(すなわち、前記微粒子の分散液中において)樹脂を用いないことが好ましく、用いるとしても少量が好ましい。用いる場合の樹脂量は、機能性層の目的に応じて、ある程度変化し得るので、適宜決定するとよい。
【0042】
前記微粒子の分散液には、導電性や触媒作用などの各機能に要求される性能を満たす範囲内で、各種の添加剤を配合してもよい。例えば、紫外線吸収剤、界面活性剤、分散剤等の添加剤である。
【0043】
支持体としては、特に限定されることなく、樹脂フィルム、ガラス、セラミックス、金属、布、紙等の各種のものを用いることができる。しかしながら、ガラス、セラミックス等では、後工程の圧縮の際に割れる可能性が高いので、その点を考慮する必要がある。また、支持体の形状は、フィルム状の他、箔状、メッシュ状、織物等が使用可能である。
【0044】
支持体として、圧縮工程の圧縮力を大きくしても割れることがない樹脂フィルムが好適である。樹脂フィルムは、軽量化を求められている用途にも好適である。本発明では、高温での加圧工程や、焼成工程がないので、樹脂フィルムを支持体として用いることができる。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリルフィルム、ノルボルネンフィルム(JSR(株)製、アートンなど)等が挙げられる。
【0045】
PETフィルムのような樹脂フィルムでは、乾燥後の圧縮工程の際に、PETフィルムに接している導電性微粒子などの機能性微粒子の一部分がPETフィルムに埋め込まれるような感じとなり、この微粒子層がPETフィルムに良く密着される。
【0046】
しかしながら、支持体がガラス、金属などの硬いものや、樹脂フィルムであってもその表面にハードコート層が形成されていて表面が硬い(例えば鉛筆硬度4H以上に硬い)ものでは、微粒子が支持体に埋め込まれないため微粒子層と支持体の密着性がとれない。
【0047】
そこで、本発明では、ガラス面、金属面や、硬いフィルム表面上に柔らかい樹脂を主成分とするアンカーコート層を予め形成しておき、前記アンカーコート層上に、機能性微粒子を分散した液を塗布、乾燥し、圧縮する。アンカーコート層には、機能性微粒子の圧縮層が密着性良く形成される程度の柔らかさが求められる。従って、アンカーコート層は、例えば鉛筆硬度4Hよりも柔らかいことが好ましく、2Hよりも柔らかいことがより好ましい。アンカーコート層に要求される柔らかさの程度は、用いる支持体表面の硬さ、機能性微粒子の種類や粒径、圧縮圧力等によっても変化する。
【0048】
アンカーコート層には柔らかい樹脂を用いることができ、このような樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。アンカーコート層には、密着性に悪影響を与えない範囲で、アンカーコート層の硬さを調整するためのシリカなどの微粒子や、着色、紫外線吸収のためのフィラーを含ませることも可能である。
また、アンカーコート層を形成する前に、支持体にコロナ処理等の表面処理を施してもよい。圧縮後に、前記柔らかい樹脂層を熱や紫外線などで硬化させてもよい。
【0049】
アンカーコート層の樹脂は、機能性微粒子を分散した液に溶解しないものの方がよい。導電層においては、前記樹脂層が溶解すると毛管現象で、前記樹脂を含む溶液が導電性微粒子の周りにきてしまい、結果として、得られる導電層の電気抵抗値が上昇する。触媒層においても、毛管現象で、前記樹脂を含む溶液が触媒機能を有する微粒子の周りにきてしまい、触媒機能が低下する。
【0050】
支持体として硬い金属を用いた場合には、アンカーコート層として柔らかい金属(合金でもよい)を用いることも可能である。アンカーコート層の形成は、常法により行うことができる。
【0051】
前記微粒子の分散液を前記アンカーコート層上に塗布、乾燥し、導電性微粒子含有層などの機能性微粒子含有層を形成する。
前記微粒子分散液の塗布は、特に限定されることなく、公知の方法により行うことができる。例えば、リバースロール法、ダイレクトロール法、ブレード法、ナイフ法、エクストルージョンノズル法、カーテン法、グラビアロール法、バーコート法、ディップ法、キスコート法、スクイズ法などの塗布法によって行うことができる。また、噴霧、吹き付けなどにより、支持体上へ分散液を付着させることも可能である。
【0052】
乾燥温度は分散に用いた液体の種類によるが、10〜150℃程度が好ましい。10℃未満では空気中の水分の結露が起こりやすく、150℃を越えると樹脂フィルム支持体が変形する。また、乾燥の際に、不純物が前記微粒子の表面に付着しないように注意する。
【0053】
塗布、乾燥後の導電性微粒子含有層などの機能性微粒子含有層の厚みは、次工程の圧縮条件や最終導電フィルムなどの各機能性フィルムの用途にもよるが、0.1〜10μm程度とすればよい。
【0054】
このように、導電性微粒子などの機能性微粒子を液に分散させて塗布し、乾燥すると、均一な膜を作成しやすい。前記微粒子の分散液を塗布して乾燥させると、分散液中にバインダーが存在しなくても微粒子は膜を形成する。バインダーが存在しなくても膜となる理由は必ずしも明確ではないが、乾燥させて液が少なくなってくると毛管力のため、微粒子が互いに集まってくる。さらに微粒子であるということは比表面積が大きく凝集力も強いので、膜となるのではないかと考えている。しかし、この段階での膜の強度は弱い。また、導電層においては抵抗値が高く、抵抗値のばらつきも大きい。
【0055】
次に、形成された導電性微粒子含有層などの機能性微粒子含有層を圧縮し、導電性微粒子などの機能性微粒子の圧縮層を得る。圧縮することにより、膜の強度を向上させる。すなわち、圧縮することで導電性微粒子などの機能性微粒子相互間の接触点が増え接触面が増加する。このため、塗膜強度が上がる。微粒子は元々凝集しやすい性質があるので圧縮することで強固な膜となる。
【0056】
導電層においては、塗膜強度が上がると共に、電気抵抗が低下する。触媒層においては、塗膜強度が上がると共に、樹脂を用いないか又は樹脂量が少ないので多孔質層となる。そのため、より高い触媒機能が得られる。他の機能性層においても、微粒子同士がつながった高い強度の膜とすることができると共に、樹脂を用いないか又は樹脂量が少ないので、単位体積における微粒子の充填量が多くなる。そのため、より高いそれぞれの機能が得られる。
【0057】
圧縮は44N/mm2 以上の圧縮力で行うことが好ましい。44N/mm2 未満の低圧であれば、導電性微粒子含有層などの機能性微粒子含有層を十分に圧縮することができず、例えば導電性に優れた導電層が得られにくい。135N/mm2 以上の圧縮力がより好ましく、180N/mm2 の圧縮力が更に好ましい。圧縮力が高いほど、塗膜強度が向上し、支持体との密着性が向上する。導電層においては、より導電性に優れた層が得られ、また、導電層の強度が向上し、導電層とアンカーコート層との密着性も強固となる。圧縮力を高くするほど装置の耐圧を上げなくてはならないので、一般には1000N/mm2 までの圧縮力が適当である。また、圧縮を常温(15〜40℃)付近の温度で行うことが好ましい。常温付近の温度における圧縮操作は、本発明の利点の一つである。
【0058】
圧縮は、特に限定されることなく、シートプレス、ロールプレス等により行うことができるが、ロールプレス機を用いて行うことが好ましい。ロールプレスは、ロールとロールの間に圧縮すべきフィルムを挟んで圧縮し、ロールを回転させる方法である。ロールプレスは均一に高圧がかけられ、また、ロールトゥーロールで生産できることから生産性が上がり好適である。
【0059】
ロールプレス機のロール温度は常温が好ましい。加温した雰囲気やロールを加温した圧縮(ホットプレス)では、圧縮圧力を強くすると樹脂フィルムが伸びてしまうなどの不具合が生じる。加温下で支持体の樹脂フィルムが伸びないようにするため、圧縮圧力を弱くすると、塗膜の機械的強度が低下する。導電膜においては、塗膜の機械的強度が低下し、電気抵抗が上昇する。微粒子表面の水分の付着をできるだけ少なくしたいというような理由がある場合に、雰囲気の相対湿度を下げるために、加温した雰囲気としてもよいが、温度範囲はフィルムが容易に伸びてしまわない範囲内である。一般にはガラス転移温度(二次転移温度)以下の温度範囲となる。湿度の変動を考慮して、要求される湿度になる温度より少し高めの温度にすればよい。ロールプレス機で連続圧縮した場合に、発熱によりロール温度が上昇しないように温度調節することも好ましい。
支持体が金属製であれば、この金属が溶融しない温度範囲まで、加温した雰囲気にすることも可能である。
【0060】
なお、樹脂フィルムのガラス転移温度は、動的粘弾性を測定して求められ、主分散の力学的損失がピークとなる温度を指す。例えば、PETフィルムについて見ると、そのガラス転移温度はおよそ110℃前後である。
【0061】
ロールプレス機のロールは、強い圧力がかけられることから金属ロールが好適である。また、ロール表面が柔らいと、圧縮時に微粒子がロールに転写することがあるので、ロール表面を硬質膜で処理することが好ましい。
【0062】
このようにして、導電性微粒子などの機能性微粒子の圧縮層が形成される。導電性微粒子などの機能性微粒子圧縮層の厚みは、用途にもよるが、0.1〜10μm程度とすればよい。また、10μm程度の厚い圧縮層を得るために、微粒子の分散液の塗布、乾燥、圧縮の一連の操作を繰り返し行っても良い。さらに、本発明において、支持体の両面に導電層などの各機能性層を形成することも勿論可能である。このようにして得られる透明導電層などの各機能性層は、優れた導電性や触媒作用などの各機能性を示し、バインダー樹脂を用いないか又はバインダーとしては機能しない程の少量の樹脂を用いて作成したにもかかわらず、実用上十分な膜強度を有し、アンカーコート層との密着性にも優れる。
【0063】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例1〜4は、導電膜用途として、ITO微粒子を用いた例である。
【0064】
[実施例1]
図1に示すように、支持体上(1b)にアンカーコート層(1c)を有し、アンカーコート層(1c)上に機能性層(1a)を有する機能性フィルム(1) を作成した。
【0065】
(支持体の形成)
50μm厚のPETフィルム上に、シリコーンハードコート液KP−854(信越化学工業(株)製)を塗布、乾燥し、90℃、2時間で硬化させ、2μm厚のシリコーンハードコート層を形成した。
【0066】
(アンカーコート層の形成)
シリコーンワニスTSR−145(GE東芝シリコーン製、鉛筆硬度HB)100重量部にシラン系硬化剤CR−15(GE東芝シリコーン製)1.5重量部を加え、さらにエタノール120重量部とトルエン80重量部を加え、アンカーコート層塗布液とした。この塗布液を、前記PETフィルムのハードコート面に塗布、乾燥し、90℃、2時間で硬化させ、1.5μm厚のアンカーコート層を形成した。
【0067】
(機能性層の形成)
一次粒径が5〜30nmのITO微粒子SUFP−HX(住友金属鉱山(株)製)100重量部にエタノール300重量部を加え、メディアをジルコニアビーズとして分散機にて分散した。得られた塗液を前記アンカーコート層上に、バーコーターを用いて塗布し、50℃の温風を送って乾燥した。得られたフィルムを、以降において、圧縮前ITOフィルムと称する。ITO含有塗膜の厚みは1.7μmであった。
【0068】
まず、圧縮圧力の確認のための予備実験を行った。
一対の直径140mmの金属ロール(ロール表面にハードクロムめっき処理が施されたもの)を備えるロールプレス機を用いて、ロールを回転させず且つ前記ロールの加熱を行わないで、室温(23℃)にて前記圧縮前ITOフィルムを挟み圧縮した。この時、フィルム幅方向の単位長さ当たりの圧力は660N/mmであった。次に、圧力を解放し、圧縮された部分のフィルム長手方向の長さを調べたら1.9mmであった。この結果から、単位面積当たりに347N/mm2 の圧力で圧縮したことになる。
【0069】
次に、予備実験に使用したものと同様の前記圧縮前ITOフィルムを金属ロール間に挟み前記条件で圧縮し、ロールを回転させ5m/分の送り速度で圧縮した。このようにして、圧縮されたITOフィルムを得た。ITO圧縮層の厚みは1.0μmであった。
【0070】
(電気抵抗)
導電膜が形成されたフィルムを50mm×50mmの大きさに切断した。対角の位置にある角の2点にテスターをあてて電気抵抗を測定したところ、1kΩであった。
【0071】
[実施例2]
(支持体の形成)
50μm厚のPETフィルム上に、アクリルハードコート液(日本化薬製)を塗布、乾燥し、紫外線を照射して硬化させ、2.5μm厚のアクリルハードコート層を形成した。
【0072】
(アンカーコート層の形成)
アクリル樹脂溶液103B(大成化工製、鉛筆硬度H)100重量部にトルエン100重量部を加え、アンカーコート層塗布液とした。この塗布液を、前記PETフィルムのハードコート面に塗布、90℃で乾燥して、4.5μm厚のアンカーコート層を形成した。
【0073】
(機能性層の形成)
前記アンカーコート層上に、実施例1と同様にしてITO微粒子の分散液を塗布し、乾燥し、圧縮した。ITO圧縮層の厚み1.0μmの導電性フィルムを得た。電気抵抗を測定したところ、1kΩであった。
【0074】
[実施例3]
支持体として、実施例2と同じ2.5μm厚のアクリルハードコート層が形成されたPETフィルムを用いた。
【0075】
(アンカーコート層の形成)
実施例2で使用したアクリル樹脂溶液103Bの代わりに、アクリル樹脂溶液1BR−305(大成化工(株)製、鉛筆硬度2H)100重量部を用いた以外は、実施例2と同様にして、4.5μm厚のアンカーコート層を形成した。
【0076】
(機能性層の形成)
前記アンカーコート層上に、実施例1と同様にしてITO微粒子の分散液を塗布し、乾燥し、圧縮した。ITO圧縮層の厚み1.0μmの導電性フィルムを得た。電気抵抗を測定したところ、1kΩであった。
【0077】
[実施例4]
アンカーコート層に紫外線吸収剤を含有させた例である。
支持体として、実施例1と同じ2μm厚のシリコーンハードコート層が形成されたPETフィルムを用いた。
【0078】
(アンカーコート層の形成)
紫外線吸収剤が含まれたシリコーンであるフレッセラNA(松下電工(株)製)を用いた。
フレッセラNAのA液100重量部にB液600重量部を加え、アンカーコート層塗布液とした。この塗布液を、前記PETフィルムのハードコート面に塗布、乾燥し、90℃、2時間で硬化させ、4μm厚のアンカーコート層を形成した。
【0079】
(機能性層の形成)
前記アンカーコート層上に、実施例1と同様にしてITO微粒子の分散液を塗布し、乾燥し、圧縮した。ITO圧縮層の厚み1.0μmの導電性フィルムを得た。電気抵抗を測定したところ、1kΩであった。
【0080】
[参考例1]
支持体として、ハードコートが形成されていない50μm厚のPETフィルムを用いた。前記PETフィルム上にアンカーコート層を形成しなかった。
【0081】
(機能性層の形成)
前記PETフィルム上に直接、実施例1と同様にしてITO微粒子の分散液を塗布し、乾燥し、圧縮した。ITO圧縮層の厚み1.0μmの導電性フィルムを得た。電気抵抗を測定したところ、1kΩであった。
【0082】
[比較例1]
支持体として、実施例1と同じ2μm厚のシリコーンハードコート層が形成されたPETフィルムを用いた。前記PETフィルムのハードコート面にアンカーコート層を形成しなかった。
(機能性層の形成)
前記PETフィルムのハードコート面に直接、実施例1と同様にしてITO微粒子の分散液を塗布し、乾燥し、圧縮した。ITO微粒子の一部がロールに付着して、均一な層は得られなかった。
【0083】
[比較例2]
支持体として、実施例2と同じ2.5μm厚のアクリルハードコート層が形成されたPETフィルムを用いた。前記PETフィルムのハードコート面にアンカーコート層を形成しなかった。
(機能性層の形成)
前記PETフィルムのハードコート面に直接、実施例1と同様にしてITO微粒子の分散液を塗布し、乾燥し、圧縮した。ITO微粒子の一部がロールに付着して、均一な層は得られなかった。
【0084】
[実施例5]−参考例
実施例5は、光触媒フィルム用途として、TiO2 微粒子を用いた例である。
支持体として、23μm厚のアルミニウム箔(1080H18)を用いた。
(アンカーコート層の形成)
実施例1と同じアンカーコート層塗布液を用いた。この塗布液を、前記アルミニウム箔上に塗布、乾燥し、90℃、2時間で硬化させ、1.5μm厚のアンカーコート層を形成した。
【0085】
(機能性層の形成)
一次粒径が30〜70nmのTiO2 微粒子100重量部にエタノール900重量部を加え、メディアをジルコニアビーズとして分散機にて分散した。得られた塗液を前記支持体のアンカーコート面に、バーコーターを用いて塗布し、50℃の温風を送って乾燥した。得られたフィルムを、以降において、圧縮前TiO2 フィルムと称する。TiO2 含有塗膜の厚みは0.7μmであった。
【0086】
実施例1と同様にして、まず、圧縮圧力の確認のための予備実験を行った。実施例1と同じロールプレス機を用いて、ロールを回転させず且つ前記ロールの加熱を行わないで、室温(23℃)にて前記圧縮前TiO2 フィルムを挟み圧縮した。この時、フィルム幅方向の単位長さ当たりの圧力は220N/mmであった。次に、圧力を解放し、圧縮された部分のフィルム長手方向の長さを調べたら0.8mmであった。この結果から、単位面積当たりに275N/mm2 の圧力で圧縮したことになる。
【0087】
次に、予備実験に使用したものと同様の前記圧縮前TiO2 フィルムを金属ロール間に挟み前記条件で圧縮し、ロールを回転させ5m/分の送り速度で圧縮した。このようにして、圧縮されたTiO2 フィルムを得た。TiO2 圧縮層の厚みは0.5μmであった。
【0088】
【表1】
【0089】
実施例1〜4の導電性フィルムはいずれも、電気抵抗値が低く、圧縮層の強度も強く、導電層とアンカコート層との密着性にも優れていた。実施例1〜4の導電性フィルムはいずれも、可視光透過率の点においても透明性にも優れていた。
参考例1では、アンカーコート層を形成していないが、支持体としてハードコートの形成されていない柔らかいPETフィルムを用いたので、導電層と支持体との密着性に優れていた。
実施例5では、支持体としてアルミニウム箔を用いたが、TiO2 層とアンカコート層との密着性に優れていた。
【0090】
上記実施例では、無機微粒子として、ITO微粒子、TiO2 微粒子をそれぞれ用いて、無機機能性フィルムを作製した例を示した。上記実施例と同様にして、種々の性質を有する無機微粒子を用いて、種々の無機機能性フィルムを作製することができる。そのため、前述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変更は、すべて本発明の範囲内のものである。
【0091】
【発明の効果】
本発明によれば、支持体上にアンカーコート層を形成し、前記アンカーコート層上に、機能性微粒子を含む塗料を塗布後、圧縮するという簡便な操作で機能性フィルムが得られる。本発明による機能性フィルムは、前記支持体面が比較的硬い場合であっても、機能性層が良好に形成されたものである。本発明によって、従来の塗布法におけるバインダー樹脂による弊害が解消され、その結果、目的とする機能がより向上した機能性フィルムが得られる。
【0092】
本発明によれば、機能性フィルムの大面積化にも対応でき、装置が簡便で生産性が高く、低コストで導電性フィルム膜を始め各種の機能性フィルムを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の機能性フィルムの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
(1) :機能性フィルム
(1b):支持体フィルム
(1a):機能性層
(1c):アンカーコート層[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a functional film having a functional layer composed of a compressed layer of functional fine particles on a support and a method for producing the functional film. In the present invention, the functional film includes both a functional film and a functional sheet. Moreover, what a support body is a metal is also contained in the functional film of this invention.
[0002]
The functional layer is a layer having a function, and the function means a function performed through a physical and / or chemical phenomenon. Functional layers include conductive layer, magnetic layer, ferromagnetic layer, dielectric layer, ferroelectric layer, electrochromic layer, electroluminescence layer, insulating layer, light absorption layer, light selective absorption layer, reflection layer, antireflection Layers having various functions such as a layer, a catalyst layer, and a photocatalyst layer are included.
[0003]
Especially this invention relates to the transparent conductive film which has a transparent conductive layer, and its manufacturing method. The transparent conductive film can be used as a transparent electrode such as an electroluminescence panel electrode, an electrochromic element electrode, a liquid crystal electrode, a transparent surface heating element, and a touch panel, and can also be used as a transparent electromagnetic wave shielding film.
[0004]
[Prior art]
Conventionally, functional films made of various functional materials have been used for chemical vapor deposition (PVD) such as vacuum deposition, laser ablation, sputtering, ion plating, and chemical chemistry such as thermal CVD, photo CVD, and plasma CVD. Manufactured by chemical vapor deposition (CVD). These generally require a large-scale apparatus, and some are not suitable for forming a large-area film.
[0005]
It is also known to form a film by coating using a sol-gel method. The sol-gel method is suitable for forming a film having a large area, but in many cases, it is necessary to sinter the inorganic material at a high temperature after coating.
[0006]
For example, the transparent conductive film is as follows. Currently, the transparent conductive film is mainly produced by a sputtering method. There are various types of sputtering methods. For example, an inert gas ion generated by direct current or high frequency discharge in vacuum is accelerated and collided with the target surface, and atoms constituting the target are knocked out from the surface and deposited on the substrate surface. This is a method of forming a film.
The sputtering method is excellent in that a conductive film having a low surface electric resistance can be formed even with a certain large area. However, there is a drawback that the apparatus is large and the film forming speed is slow. As the area of the conductive film is further increased in the future, the apparatus will further increase. This causes a problem that technically the control accuracy must be increased, and a problem that the manufacturing cost increases from another viewpoint. Further, in order to compensate for the slow deposition rate, the number of targets is increased to increase the speed, but this is also a factor that increases the size of the apparatus.
[0007]
Attempts have also been made to produce a transparent conductive film by a coating method. In the conventional coating method, a conductive paint in which conductive fine particles are dispersed in a binder solution is applied onto a substrate, dried and cured, and a conductive film is formed. The coating method has an advantage that a conductive film having a large area can be easily formed, the apparatus is simple, the productivity is high, and the conductive film can be manufactured at a lower cost than the sputtering method. In the coating method, when conductive fine particles come into contact with each other, an electric path is formed and conductivity is expressed. However, the conductive film produced by the conventional coating method has a drawback that the contact is insufficient, and the resulting conductive film has a high electric resistance value (inferior in conductivity), and its application is limited.
[0008]
As a method for producing a transparent conductive film by a conventional coating method, for example, in JP-A-9-109259, a coating composed of conductive powder and a binder resin is applied on a transfer plastic film and dried to form a conductive layer. First step, pressurizing the surface of the conductive layer to a smooth surface (5 to 100 kg / cm2), A second process of heating (70 to 180 ° C.), and a third process of laminating this conductive layer on a plastic film or sheet and thermocompression bonding is disclosed.
In this method, a large amount of binder resin is used (in the case of inorganic conductive powder, 100 to 500 parts by weight of conductive powder with respect to 100 parts by weight of binder, and in the case of organic conductive powder, binder 100 is used. Therefore, a transparent conductive film having a low electric resistance value cannot be obtained.
[0009]
For example, JP-A-8-199096 discloses a coating material for forming a conductive film which is made of tin-doped indium oxide (ITO) powder, solvent, coupling agent, metal organic acid salt or inorganic acid salt and does not contain a binder. The method of apply | coating to a board and baking at the temperature of 300 degreeC or more is disclosed. In this method, since no binder is used, the electrical resistance value of the conductive film is lowered. However, since it is necessary to perform a baking process at a temperature of 300 ° C. or higher, it is difficult to form a conductive film on a support such as a resin film. That is, the resin film melts, carbonizes, or burns at a high temperature. Depending on the type of resin film, for example, a polyethylene terephthalate (PET) film may have a limit of 130 ° C.
[0010]
As a method other than the coating method, Japanese Patent Application Laid-Open No. 6-13785 discloses that at least a part of the voids of the skeleton structure composed of conductive substance (metal or alloy) powder, preferably all the voids are filled with resin. A conductive film comprising a powder compression layer and a resin layer therebelow is disclosed. The manufacturing method will be described by taking as an example the case where a film is formed on a plate material. According to the publication, when a resin, a powder substance (metal or alloy), and a plate as a member to be processed are vibrated or stirred in a container together with a film forming medium (a steel ball having a diameter of several mm), the member to be processed is obtained. A resin layer is formed on the surface. Subsequently, the powder substance is captured and fixed to the resin layer by the adhesive force of the resin layer. Further, the film-forming medium that has been subjected to vibration or agitation applies a striking force to the powder material that has been subjected to vibration or agitation, and a powder compression layer is formed. In order to obtain the fixing effect of the powder compression layer, a considerable amount of resin is required. Further, the production method is more complicated than the coating method.
[0011]
As a method other than the coating method, in Japanese Patent Laid-Open No. 9-107195, conductive short fibers are deposited on a film such as PVC, and this is subjected to pressure treatment to form a conductive fiber-resin integrated layer. A method of forming is disclosed. The conductive short fiber is obtained by applying nickel plating or the like to a short fiber such as polyethylene terephthalate. The pressurizing operation is preferably performed under temperature conditions where the resin matrix layer exhibits thermoplasticity, 175 ° C., 20 kg / cm.2High temperature and low pressure conditions are disclosed.
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
From such a background, it is easy to easily form a functional film of a large area on a support, the apparatus is simple, the productivity is high, while taking advantage of the coating method that can produce a functional film at low cost, Development of a method for obtaining a functional film capable of expressing various functions, for example, a transparent conductive film having a low electric resistance value, is desired.
[0013]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a functional film that can exhibit various functions by a coating method, for example, a transparent conductive layer having a low electrical resistance value, and to produce the functional film by a coating method. It is to provide a method.
[0014]
In particular, an object of the present invention is to provide a functional film in which the functional layer is well formed even when the support surface on which the functional layer is to be formed is relatively hard, and a method for producing the functional film. There is.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
Conventionally, in a coating method, a functional layer cannot be formed unless a large amount of binder resin is used, or if a binder resin is not used, a functional layer can be obtained unless the functional substance is sintered at a high temperature. It was considered impossible.
As for the conductive film, a conductive layer cannot be formed unless a large amount of binder resin is used, or if a binder resin is not used, a conductive layer cannot be obtained unless the conductive material is sintered at a high temperature. It was thought.
[0016]
However, as a result of intensive studies, the inventor has surprisingly been able to express various functions without compression using a large amount of binder resin and without firing at a high temperature and having mechanical strength by compression. We found that a functional layer was obtained. The present inventor has found that a transparent conductive layer having a low resistance value can be obtained by using a conductive material. Further, the present inventor has provided a function in which the functional layer is well formed by providing an anchor coat layer on the support even when the support surface on which the functional layer is to be formed is relatively hard. The inventors have found that a conductive film can be obtained and have reached the present invention.
[0017]
The present invention provides a support onConductivityHas a compressed layer of fine particlesConductivityA film comprising the support and the filmConductivityBetween the compressed layer of fine particlesThe main component is a resin provided by coatingHas anchor coat layerAnd
The compressed layer of conductive fine particles is obtained by compressing a conductive fine particle-containing layer formed by applying and drying a dispersion liquid in which conductive fine particles are dispersed and containing no resin on the anchor coat layer. A conductive filmIt is.
AboveConductivityFilm smellBeforeThe anchor coat layer is preferably soft, for example, a pencil hardness of less than 4H is preferred.Yes.
[0018]
in frontRecordConductivityIn the film,ConductivityThe compressed layer of fine particles is 44 N / mm2It is preferable that it is obtained by compressing with the above compressive force. AboveConductivityThe compressed layer of fine particles is preferably obtained by compressing using a roll press.
[0019]
in frontRecordConductivityIn the film,ConductivityIt is also preferred that the fine particle compression layer is a transparent conductive layer.
[0020]
AboveConductivityThe present invention is particularly effective when the support surface on which the layer is to be formed is relatively hard, for example, when it is harder than a pencil hardness of 4H. Even in such a case,ConductivityA layer is formed on the support.
[0021]
The present invention provides the aboveConductivityIt also relates to a film manufacturing method. The present invention provides a support onBased on resinAnchor coat layerBy applicationFormed on the anchor coat layer,Dispersion liquid in which conductive fine particles are dispersed and no resin is containedApply, dry,ConductivityForming a fine particle-containing layer, and thenConductivityCompress the particle-containing layer,ConductivityForming a compressed layer of particulates,ConductivityIt is a manufacturing method of a film.
[0022]
In said method, compression is 44 N / mm2It is preferable to carry out with the above compressive force. In the said method, it is preferable to perform compression at normal temperature. In the above method, the compression is preferably performed using a roll press.
[0023]
The present inventionIn the aboveConductivityFine particle dispersionThe treeDoes not contain fatYes.
[0024]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the present invention, the functional layer is not particularly limited, and includes a conductive layer, a magnetic layer, a ferromagnetic layer, a dielectric layer, a ferroelectric layer, an electrochromic layer, an electroluminescence layer, an insulating layer, and a light absorption layer. , Layers having various functions such as a light selective absorption layer, a reflection layer, an antireflection layer, a catalyst layer, and a photocatalyst layer are included. Therefore, in the present invention, functional fine particles that should constitute the target layer are used. The functional fine particles are not particularly limited, and mainly inorganic fine particles having a cohesive force are used. In any functional film production, a functional coating film having sufficient mechanical strength can be obtained by applying the method of the present invention, and a binder in a conventional coating method using a large amount of binder resin. The harmful effects caused by the resin can be eliminated. As a result, the intended function is further improved.
[0025]
For example, in the production of a transparent conductive layer, tin oxide, indium oxide, zinc oxide, cadmium oxide, antimony-doped tin oxide (ATO), fluorine-doped tin oxide (FTO), tin-doped indium oxide (ITO), aluminum-doped zinc oxide Conductive inorganic fine particles such as (AZO) are used. ITO is preferable in that it provides better conductivity. Or what coated inorganic material, such as ATO and ITO, on the surface of fine particles which have transparency, such as barium sulfate, can also be used. The particle diameter of these fine particles varies depending on the degree of scattering required depending on the use of the conductive film, and cannot be generally described depending on the shape of the particles, but is generally 10 μm or less, preferably 1.0 μm or less, 5 nm to 100 nm is more preferable.
[0026]
Alternatively, organic conductive fine particles may be used. Examples of the organic conductive fine particles include those in which a metal material is coated on the surface of resin fine particles.
[0027]
By applying this production method, excellent conductivity can be obtained. In the present invention, the transparent means that visible light is transmitted. Regarding the degree of light scattering, the required level varies depending on the use of the conductive layer. In the present invention, those having scattering, which is generally referred to as translucent, are also included.
[0028]
In the production of a ferromagnetic layer, γ-Fe2OThree, FeThreeOFourMainly composed of iron oxide magnetic powders such as Co-FeOx and Ba ferrite and ferromagnetic metal elements such as α-Fe, Fe-Co, Fe-Ni, Fe-Co-Ni, Co, and Co-Ni Ferromagnetic alloy powder or the like is used. By applying this production method, the saturation magnetic flux density of the magnetic coating film is improved.
[0029]
In the production of dielectric layers and ferroelectric layers, magnesium titanate, barium titanate, strontium titanate, lead titanate, lead zirconate titanate (PZT), lead zirconate, lanthanum added Dielectric or ferroelectric fine particles such as lead zirconate titanate (PLZT), magnesium silicate, and lead-containing perovskite compounds are used. Application of this manufacturing method can improve dielectric properties or ferroelectric properties.
[0030]
In the production of metal oxide layers that exhibit various functions, iron oxide (Fe2OThree), Silicon oxide (SiO2), Aluminum oxide (Al2OThree), Titanium dioxide (TiO2), Titanium oxide (TiO), zinc oxide (ZnO), zirconium oxide (ZrO)2), Tungsten oxide (WOThree) And other metal oxide fine particles are used. By applying this manufacturing method, the filling degree of the metal oxide in the film is increased, so that each function is improved. For example, SiO on which a catalyst is supported2, Al2OThreeWhen is used, a porous catalyst layer having practical strength can be obtained. TiO2When is used, the photocatalytic function can be improved. In addition, WOThreeWhen is used, an improvement in the coloring effect in the electrochromic display element can be obtained.
[0031]
In the production of the electroluminescence layer, zinc sulfide (ZnS) fine particles are used. By applying this production method, an inexpensive electroluminescent layer can be produced by a coating method.
[0032]
In the present invention, a liquid in which functional fine particles selected from the above-mentioned various functional fine particles are dispersed is used as a functional coating depending on the purpose. This functional coating is applied onto an anchor coat layer, preferably composed mainly of a resin, provided on a support and dried to form a functional fine particle-containing layer. Thereafter, the functional fine particle-containing layer is compressed to form a compressed layer of functional fine particles to obtain a functional layer.
[0033]
The liquid in which functional fine particles such as conductive fine particles are dispersed is not particularly limited, and various known liquids can be used. For example, as liquid, saturated hydrocarbons such as hexane, aromatic hydrocarbons such as toluene and xylene, alcohols such as methanol, ethanol, propanol and butanol, ketones such as acetone, methyl ethyl ketone, methyl isobutyl ketone and diisobutyl ketone , Esters such as ethyl acetate and butyl acetate, ethers such as tetrahydrofuran, dioxane and diethyl ether, amides such as N, N-dimethylformamide, N-methylpyrrolidone (NMP) and N, N-dimethylacetamide, ethylene chloride And halogenated hydrocarbons such as chlorobenzene. Among these, polar liquids are preferable, and those having an affinity for water such as alcohols such as methanol and ethanol and amides such as NMP have good dispersibility without using a dispersant. It is preferable. These liquids can be used singly or as a mixture of two or more. Moreover, a dispersing agent can also be used according to the kind of liquid.
[0034]
Water can also be used as the liquid. When water is used, the anchor coat layer surface needs to be hydrophilic. Since the anchor coat layer mainly composed of a resin is usually hydrophobic, it easily repels water and it is difficult to obtain a uniform film. When the anchor coat layer contains a resin as a main component, it is necessary to mix alcohol with water or make the surface of the anchor coat layer hydrophilic.
[0035]
The amount of the liquid to be used is not particularly limited, and the fine particle dispersion may have a viscosity suitable for coating. For example, the amount is about 100 to 100,000 parts by weight of the liquid with respect to 100 parts by weight of the fine particles. It is preferable to select appropriately according to the kind of the fine particles and the liquid.
[0036]
The dispersion of the fine particles in the liquid may be performed by a known dispersion method. For example, it is dispersed by a sand grinder mill method. In dispersing, it is also preferable to use media such as zirconia beads in order to loosen the aggregation of the fine particles. Also, care should be taken not to mix impurities such as dust during dispersion.
[0037]
The fine particle dispersion preferably contains no resin. That is, it is preferable that the resin amount = 0. In the conductive film, if the resin is not used, the contact between the conductive fine particles is not hindered by the resin. Therefore, the electrical conductivity between the conductive fine particles is ensured, and the electrical resistance value of the obtained conductive film is low. The resin can be contained in an amount that does not impair the conductivity, but the amount is less than the amount used as a binder resin in the prior art. For example, the upper limit of the content of the resin in the dispersion is represented by the volume before dispersion, and the volume of the conductive fine particles is 100, and the volume is less than 25. In the prior art, since strong compression is not performed, a large amount of binder must be used to obtain the mechanical strength of the coating film. When an amount of resin that plays a role as a binder is used, contact between the conductive fine particles is inhibited by the binder, electron transfer between the fine particles is inhibited, and conductivity is lowered.
[0038]
On the other hand, the resin has an effect of improving the haze of the conductive film. However, from the viewpoint of conductivity, the resin is preferably used in a volume range of less than 25 when the volume of the conductive fine particles is represented as 100 and expressed as a volume before dispersion, and a volume of less than 20 It is more preferable to use within the range. Moreover, although the effect of improving haze is reduced, it is most preferable not to use a resin from the viewpoint of conductivity.
[0039]
WOThreeFine particles and TiO2Even in a functional layer using fine particles or the like, if the resin is not used, the contact between the fine particles is not hindered by the resin, so that each function can be improved. It is possible to include a resin as long as the contact between the fine particles is not hindered and does not impair each function, but the amount is, for example, about 80 or less when the volume of each fine particle is 100. Volume.
[0040]
Al2OThreeIn a catalyst layer using fine particles or the like, the surface of fine particles having a catalytic function is not covered by the resin unless a resin is used. For this reason, the function as a catalyst is improved. In the catalyst layer, the more voids inside the membrane, the more active points as a catalyst. Therefore, it is preferable not to use a resin as much as possible from this viewpoint.
[0041]
Thus, it is preferable not to use a resin in the functional layer at the time of compression (that is, in the fine particle dispersion), and even if it is used, a small amount is preferable. The amount of the resin to be used may be appropriately determined because it can be changed to some extent according to the purpose of the functional layer.
[0042]
Various additives may be blended in the fine particle dispersion within a range satisfying performance required for each function such as conductivity and catalytic action. For example, additives such as ultraviolet absorbers, surfactants, and dispersants.
[0043]
As a support body, various things, such as a resin film, glass, ceramics, a metal, cloth, paper, can be used, without being specifically limited. However, since glass, ceramics, and the like are likely to break during the subsequent compression, it is necessary to consider this point. In addition to the film shape, the support may be a foil shape, a mesh shape, a woven fabric, or the like.
[0044]
As the support, a resin film that does not break even when the compression force in the compression step is increased is suitable. The resin film is also suitable for applications that require weight reduction. In the present invention, a resin film can be used as a support since there is no pressurization step at high temperature and no firing step.
Examples of the resin film include polyester films such as polyethylene terephthalate (PET), polyolefin films such as polyethylene and polypropylene, polycarbonate films, acrylic films, norbornene films (manufactured by JSR Corporation, Arton, etc.), and the like.
[0045]
In a resin film such as a PET film, a part of functional fine particles such as conductive fine particles in contact with the PET film is embedded in the PET film during the compression step after drying. It adheres well to the film.
[0046]
However, if the support is a hard material such as glass or metal, or a resin film having a hard coat layer formed on its surface and a hard surface (for example, a hardness of 4H or higher), the fine particles are the support. The fine particle layer and the support cannot be adhered because they are not embedded in the substrate.
[0047]
Therefore, in the present invention, an anchor coat layer mainly composed of a soft resin is formed in advance on a glass surface, a metal surface, or a hard film surface, and a liquid in which functional fine particles are dispersed on the anchor coat layer. Apply, dry and compress. The anchor coat layer is required to be soft enough to form a compressed layer of functional fine particles with good adhesion. Accordingly, the anchor coat layer is preferably softer than, for example, a pencil hardness of 4H, and more preferably softer than 2H. The degree of softness required for the anchor coat layer also varies depending on the hardness of the support surface to be used, the type and particle size of functional fine particles, the compression pressure, and the like.
[0048]
A soft resin can be used for the anchor coat layer, and examples of such a resin include acrylic resin, urethane resin, vinyl chloride resin, and silicone resin. The anchor coat layer may contain fine particles such as silica for adjusting the hardness of the anchor coat layer, and a filler for coloring and ultraviolet absorption, as long as the adhesion is not adversely affected.
Further, before forming the anchor coat layer, the support may be subjected to a surface treatment such as a corona treatment. After compression, the soft resin layer may be cured with heat, ultraviolet light, or the like.
[0049]
The resin of the anchor coat layer is preferably one that does not dissolve in the liquid in which the functional fine particles are dispersed. In the conductive layer, when the resin layer is dissolved, a solution containing the resin comes around the conductive fine particles due to capillary action, and as a result, the electric resistance value of the obtained conductive layer increases. Also in the catalyst layer, the solution containing the resin comes around the fine particles having a catalytic function due to capillary action, and the catalytic function is lowered.
[0050]
When a hard metal is used as the support, it is possible to use a soft metal (or an alloy) as the anchor coat layer. The anchor coat layer can be formed by a conventional method.
[0051]
The fine particle dispersion is applied onto the anchor coat layer and dried to form a functional fine particle-containing layer such as a conductive fine particle-containing layer.
The application of the fine particle dispersion is not particularly limited and can be performed by a known method. For example, it can be performed by a coating method such as a reverse roll method, a direct roll method, a blade method, a knife method, an extrusion nozzle method, a curtain method, a gravure roll method, a bar coat method, a dip method, a kiss coat method, or a squeeze method. It is also possible to deposit the dispersion on the support by spraying or spraying.
[0052]
The drying temperature depends on the type of liquid used for dispersion, but is preferably about 10 to 150 ° C. If it is less than 10 ° C, condensation of moisture in the air tends to occur, and if it exceeds 150 ° C, the resin film support is deformed. Also, care should be taken so that impurities do not adhere to the surface of the fine particles during drying.
[0053]
The thickness of the functional fine particle-containing layer such as the conductive fine particle-containing layer after coating and drying depends on the compression conditions in the next step and the use of each functional film such as the final conductive film. do it.
[0054]
Thus, when functional fine particles such as conductive fine particles are dispersed in a liquid, applied, and dried, a uniform film can be easily formed. When the fine particle dispersion is applied and dried, the fine particles form a film even if no binder is present in the dispersion. The reason for forming a film without the presence of a binder is not necessarily clear, but when the liquid is reduced after drying, fine particles gather together due to capillary force. Furthermore, the fact that it is a fine particle has a large specific surface area and a strong cohesive force, so it is thought that it may become a film. However, the strength of the film at this stage is weak. In addition, the conductive layer has a high resistance value and a large variation in resistance value.
[0055]
Next, the formed functional fine particle-containing layer such as the conductive fine particle-containing layer is compressed to obtain a compressed layer of functional fine particles such as the conductive fine particles. By compressing, the strength of the film is improved. That is, by compressing, the contact points between functional fine particles such as conductive fine particles increase and the contact surface increases. For this reason, the coating film strength increases. Since the fine particles originally have a property of easily agglomerating, they become a strong film by being compressed.
[0056]
In the conductive layer, the coating strength increases and the electrical resistance decreases. In the catalyst layer, the coating film strength is increased, and the resin layer is not used or the amount of the resin is small, so that the catalyst layer becomes a porous layer. Therefore, a higher catalytic function can be obtained. Also in other functional layers, it is possible to form a high-strength film in which fine particles are connected to each other, and since no resin is used or the amount of resin is small, the filling amount of fine particles in a unit volume increases. Therefore, higher functions can be obtained.
[0057]
Compression is 44 N / mm2It is preferable to carry out with the above compressive force. 44 N / mm2If the pressure is less than 1, the functional fine particle-containing layer such as the conductive fine particle-containing layer cannot be sufficiently compressed. For example, it is difficult to obtain a conductive layer having excellent conductivity. 135 N / mm2The above compressive force is more preferable, 180 N / mm2The compression force of is more preferable. The higher the compression force, the better the coating strength and the better the adhesion with the support. In the conductive layer, a layer having more excellent conductivity is obtained, the strength of the conductive layer is improved, and the adhesion between the conductive layer and the anchor coat layer is strengthened. The higher the compression force, the higher the pressure resistance of the device, so generally 1000 N / mm2The compression force up to is appropriate. Moreover, it is preferable to perform compression at the temperature near normal temperature (15-40 degreeC). A compression operation at a temperature near room temperature is one of the advantages of the present invention.
[0058]
The compression is not particularly limited and can be performed by a sheet press, a roll press, or the like, but is preferably performed using a roll press machine. Roll press is a method in which a film to be compressed is sandwiched between rolls and compressed, and the roll is rotated. A roll press is suitable for increasing productivity because it is uniformly pressurized and can be produced roll-to-roll.
[0059]
The roll temperature of the roll press machine is preferably normal temperature. In the compressed atmosphere (hot press) in which the heated atmosphere or the roll is heated, there is a problem that the resin film stretches when the compression pressure is increased. When the compression pressure is weakened so that the resin film of the support does not stretch under heating, the mechanical strength of the coating film decreases. In the conductive film, the mechanical strength of the coating film decreases and the electrical resistance increases. When there is a reason for wanting to minimize moisture adhesion on the surface of fine particles, a heated atmosphere may be used to lower the relative humidity of the atmosphere, but the temperature range is within the range where the film does not easily stretch. It is. Generally, it is a temperature range below the glass transition temperature (secondary transition temperature). In consideration of fluctuations in humidity, the temperature may be a little higher than the required temperature. It is also preferable to adjust the temperature so that the roll temperature does not rise due to heat generation when continuously compressed by a roll press.
If the support is made of metal, it is possible to create a heated atmosphere up to a temperature range in which the metal does not melt.
[0060]
The glass transition temperature of the resin film is obtained by measuring dynamic viscoelasticity, and indicates a temperature at which the dynamic loss of main dispersion reaches a peak. For example, when looking at a PET film, its glass transition temperature is around 110 ° C.
[0061]
The roll of the roll press machine is preferably a metal roll because a strong pressure is applied. Further, if the roll surface is soft, fine particles may be transferred to the roll during compression, and therefore it is preferable to treat the roll surface with a hard film.
[0062]
In this way, a compressed layer of functional fine particles such as conductive fine particles is formed. The thickness of the functional fine particle compressed layer such as conductive fine particles may be about 0.1 to 10 μm, although it depends on the application. Moreover, in order to obtain a thick compressed layer of about 10 μm, a series of operations of applying a dispersion of fine particles, drying, and compression may be repeated. Furthermore, in the present invention, it is of course possible to form each functional layer such as a conductive layer on both sides of the support. Each functional layer such as a transparent conductive layer thus obtained exhibits excellent functionality such as conductivity and catalytic action, and does not use a binder resin or a small amount of resin that does not function as a binder. In spite of being prepared, it has a practically sufficient film strength and excellent adhesion to the anchor coat layer.
[0063]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples. However, the present invention is not limited to these examples. Examples 1-4 are examples using ITO fine particles as conductive film applications.
[0064]
[Example 1]
As shown in FIG. 1, a functional film (1) having an anchor coat layer (1c) on the support (1b) and a functional layer (1a) on the anchor coat layer (1c) was prepared.
[0065]
(Formation of support)
A silicone hard coat liquid KP-854 (manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.) was applied onto a 50 μm thick PET film, dried, and cured at 90 ° C. for 2 hours to form a 2 μm thick silicone hard coat layer.
[0066]
(Formation of anchor coat layer)
Silicone varnish TSR-145 (GE Toshiba Silicone, pencil hardness HB) 100 parts by weight, silane-based curing agent CR-15 (GE Toshiba Silicone) 1.5 parts by weight, ethanol 120 parts by weight and toluene 80 parts by weight To obtain an anchor coat layer coating solution. This coating solution was applied to the hard coat surface of the PET film, dried, and cured at 90 ° C. for 2 hours to form an anchor coat layer having a thickness of 1.5 μm.
[0067]
(Formation of functional layer)
300 parts by weight of ethanol was added to 100 parts by weight of ITO fine particles SUFP-HX (manufactured by Sumitomo Metal Mining Co., Ltd.) having a primary particle size of 5 to 30 nm, and the media was dispersed as zirconia beads with a disperser. The obtained coating liquid was applied onto the anchor coat layer using a bar coater, and dried by sending hot air of 50 ° C. The obtained film is hereinafter referred to as a pre-compression ITO film. The thickness of the ITO-containing coating film was 1.7 μm.
[0068]
First, a preliminary experiment for confirming the compression pressure was performed.
Room temperature (23 ° C.) without rotating the roll and heating the roll using a roll press machine having a pair of metal rolls having a diameter of 140 mm (the roll surface is hard chrome plated) The ITO film before compression was sandwiched and compressed. At this time, the pressure per unit length in the film width direction was 660 N / mm. Next, when the pressure was released and the length of the compressed portion in the longitudinal direction of the film was examined, it was 1.9 mm. From this result, 347 N / mm per unit area2It will be compressed with the pressure of.
[0069]
Next, the pre-compression ITO film similar to that used in the preliminary experiment was sandwiched between metal rolls and compressed under the above conditions, and the roll was rotated and compressed at a feed rate of 5 m / min. In this way, a compressed ITO film was obtained. The thickness of the ITO compressed layer was 1.0 μm.
[0070]
(Electrical resistance)
The film on which the conductive film was formed was cut into a size of 50 mm × 50 mm. The electrical resistance was measured by applying a tester to two corners at the diagonal positions and found to be 1 kΩ.
[0071]
[Example 2]
(Formation of support)
An acrylic hard coat solution (manufactured by Nippon Kayaku Co., Ltd.) was applied onto a 50 μm thick PET film, dried, and cured by irradiating with ultraviolet rays to form a 2.5 μm thick acrylic hard coat layer.
[0072]
(Formation of anchor coat layer)
100 parts by weight of toluene was added to 100 parts by weight of acrylic resin solution 103B (manufactured by Taisei Kako, pencil hardness H) to prepare an anchor coat layer coating solution. This coating solution was applied to the hard coat surface of the PET film and dried at 90 ° C. to form an anchor coat layer having a thickness of 4.5 μm.
[0073]
(Formation of functional layer)
On the anchor coat layer, a dispersion of ITO fine particles was applied in the same manner as in Example 1, dried and compressed. A conductive film having an ITO compressed layer thickness of 1.0 μm was obtained. When the electrical resistance was measured, it was 1 kΩ.
[0074]
[Example 3]
As a support, a PET film on which an acrylic hard coat layer having a thickness of 2.5 μm as in Example 2 was formed was used.
[0075]
(Formation of anchor coat layer)
4 in the same manner as in Example 2 except that 100 parts by weight of the acrylic resin solution 1BR-305 (manufactured by Taisei Kako Co., Ltd., pencil hardness 2H) was used instead of the acrylic resin solution 103B used in Example 2. An anchor coat layer having a thickness of 5 μm was formed.
[0076]
(Formation of functional layer)
On the anchor coat layer, a dispersion of ITO fine particles was applied in the same manner as in Example 1, dried and compressed. A conductive film having an ITO compressed layer thickness of 1.0 μm was obtained. When the electrical resistance was measured, it was 1 kΩ.
[0077]
[Example 4]
This is an example in which an ultraviolet absorber is contained in the anchor coat layer.
As a support, a PET film on which a 2 μm-thick silicone hard coat layer as in Example 1 was formed was used.
[0078]
(Formation of anchor coat layer)
Fresella NA (manufactured by Matsushita Electric Works Co., Ltd.), which is a silicone containing an ultraviolet absorber, was used.
600 parts by weight of B solution was added to 100 parts by weight of A solution of Frescera NA to prepare an anchor coat layer coating solution. This coating solution was applied to the hard coat surface of the PET film, dried, and cured at 90 ° C. for 2 hours to form an anchor coat layer having a thickness of 4 μm.
[0079]
(Formation of functional layer)
On the anchor coat layer, a dispersion of ITO fine particles was applied in the same manner as in Example 1, dried and compressed. A conductive film having an ITO compressed layer thickness of 1.0 μm was obtained. When the electrical resistance was measured, it was 1 kΩ.
[0080]
[Reference Example 1]
A 50 μm thick PET film on which no hard coat was formed was used as a support. An anchor coat layer was not formed on the PET film.
[0081]
(Formation of functional layer)
A dispersion of ITO fine particles was applied directly on the PET film in the same manner as in Example 1, dried and compressed. A conductive film having an ITO compressed layer thickness of 1.0 μm was obtained. When the electrical resistance was measured, it was 1 kΩ.
[0082]
[Comparative Example 1]
As a support, a PET film on which a 2 μm-thick silicone hard coat layer as in Example 1 was formed was used. No anchor coat layer was formed on the hard coat surface of the PET film.
(Formation of functional layer)
A dispersion of ITO fine particles was applied directly to the hard coat surface of the PET film in the same manner as in Example 1, dried and compressed. A part of the ITO fine particles adhered to the roll, and a uniform layer was not obtained.
[0083]
[Comparative Example 2]
As a support, a PET film on which an acrylic hard coat layer having a thickness of 2.5 μm as in Example 2 was formed was used. No anchor coat layer was formed on the hard coat surface of the PET film.
(Formation of functional layer)
A dispersion of ITO fine particles was applied directly to the hard coat surface of the PET film in the same manner as in Example 1, dried and compressed. A part of the ITO fine particles adhered to the roll, and a uniform layer was not obtained.
[0084]
[Example 5]-Reference examples
Example 5 is a TiO 2 photocatalytic film.2This is an example using fine particles.
As the support, an aluminum foil (1080H18) having a thickness of 23 μm was used.
(Formation of anchor coat layer)
The same anchor coat layer coating solution as in Example 1 was used. This coating solution was applied onto the aluminum foil, dried, and cured at 90 ° C. for 2 hours to form an anchor coat layer having a thickness of 1.5 μm.
[0085]
(Formation of functional layer)
TiO with primary particle size of 30-70 nm2900 parts by weight of ethanol was added to 100 parts by weight of fine particles, and the media was dispersed as zirconia beads with a disperser. The obtained coating liquid was applied to the anchor coat surface of the support using a bar coater, and dried by sending hot air of 50 ° C. The obtained film is hereinafter referred to as TiO before compression.2It is called a film. TiO2The thickness of the contained coating film was 0.7 μm.
[0086]
In the same manner as in Example 1, first, a preliminary experiment for confirming the compression pressure was performed. Using the same roll press as in Example 1, the TiO before compression was performed at room temperature (23 ° C.) without rotating the roll and heating the roll.2The film was sandwiched and compressed. At this time, the pressure per unit length in the film width direction was 220 N / mm. Next, when the pressure was released and the length of the compressed portion in the longitudinal direction of the film was examined, it was 0.8 mm. From this result, 275 N / mm per unit area2It will be compressed with the pressure of.
[0087]
Next, the pre-compression TiO similar to that used in the preliminary experiment2The film was sandwiched between metal rolls and compressed under the above conditions, and the roll was rotated and compressed at a feed rate of 5 m / min. In this way, the compressed TiO2A film was obtained. TiO2The thickness of the compressed layer was 0.5 μm.
[0088]
[Table 1]
[0089]
Each of the conductive films of Examples 1 to 4 had a low electrical resistance value, a strong compressive layer, and excellent adhesion between the conductive layer and the anchor coat layer. Each of the conductive films of Examples 1 to 4 was excellent in transparency in terms of visible light transmittance.
In Reference Example 1, an anchor coat layer was not formed, but a soft PET film without a hard coat was used as a support, and thus the adhesion between the conductive layer and the support was excellent.
In Example 5, aluminum foil was used as the support, but TiO2The adhesion between the layer and the anchor coat layer was excellent.
[0090]
In the above embodiment, as the inorganic fine particles, ITO fine particles, TiO2The example which produced the inorganic functional film using each fine particle was shown. In the same manner as in the above examples, various inorganic functional films can be produced using inorganic fine particles having various properties. For this reason, the above-described embodiment is merely an example in all respects and should not be interpreted in a limited manner. Further, all modifications belonging to the equivalent scope of the claims are within the scope of the present invention.
[0091]
【The invention's effect】
According to the present invention, a functional film can be obtained by a simple operation of forming an anchor coat layer on a support, applying a paint containing functional fine particles on the anchor coat layer, and then compressing. In the functional film according to the present invention, the functional layer is well formed even when the support surface is relatively hard. By this invention, the bad influence by the binder resin in the conventional coating method is eliminated, As a result, the functional film which the target function improved more is obtained.
[0092]
According to the present invention, it is possible to cope with an increase in the area of the functional film, the apparatus is simple, the productivity is high, and various functional films including a conductive film can be manufactured at low cost.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing an example of a functional film of the present invention.
[Explanation of symbols]
(1): Functional film
(1b): Support film
(1a): Functional layer
(1c): Anchor coat layer
Claims (8)
前記導電性微粒子の圧縮層は、導電性微粒子が分散され且つ樹脂を含まない分散液を前記アンカーコート層上に、塗布、乾燥して形成された導電性微粒子含有層を圧縮することにより得られたものである、導電性フィルム。 A conductive film having a compressive layer of the conductive fine particles on the support, between the support and compression layer of the conductive fine particles, an anchor coat layer mainly composed of resin provided by coating Yes, and
The compressed layer of conductive fine particles is obtained by compressing a conductive fine particle-containing layer formed by applying and drying a dispersion liquid in which conductive fine particles are dispersed and containing no resin on the anchor coat layer. A conductive film.
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