JP4487478B2 - 燃料電池システム及びこれを用いた機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料貯蔵部から供給される燃料に基づいて電気化学反応を生じ、電気エネルギを出力する燃料電池を備えた燃料電池システム及びこれを用いた機器に関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、燃料電池と、該燃料電池に燃料及び酸化ガスを供給する補機と、この補機の駆動を制御する制御手段とを備え、燃料電池にて電気化学反応を起こさせて電気を発生する燃料電池システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この燃料電池は、電解質膜の両側にアノードとカソードの電極を備え、補機からアノードに水素や炭化水素などの燃料(還元剤)の供給を受けるとともに、カソードに酸素や空気などの酸化ガス(酸化剤)の供給を受け、電気化学反応を起こして電気を発生する。
また、補機は、燃料電池を駆動するために、燃料を貯蔵するためのタンク、燃料を供給するための供給手段としてのポンプ、酸化ガスを供給するためのコンプレッサ等を備えている。
【0003】
このうち、ポンプは、例えば、圧電アクチュエータ等により燃料の供給を実施させ、このような構成によりポンプ自体の小型化を図り、小型の燃料電池システムを構築している。
また、このような燃料電池システムは、燃料の供給を積極的に実施する必要があり、ポンプ(圧電アクチュエータ)を駆動するために、一次電池または二次電池等の電源を具備している。
そして、制御手段及び補機は、一次電池または二次電池等の電源に蓄えられた電気エネルギにより駆動して、燃料電池システムが稼動する。
また、例えば、一次電池または二次電池等の電源に蓄えられた電気エネルギを燃料電池システムの起動時のみに用い、燃料電池システムの起動後には、燃料電池にて生成される電気エネルギの一部を利用して燃料電池システムを稼動させる構成も採用されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−153476号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような燃料電池システムでは、供給手段としてのポンプは、電気エネルギにより駆動するために、電気エネルギを供給するための一次電池または二次電池等の電源が必須の構成となる。このため、燃料電池システムの小型化を困難にする。
また、一次電池等の電源に蓄えられた電気エネルギが不足した場合には、利用者に一次電池を交換させる等の煩雑な作業を実施させてしまう。同様に、二次電池等の電源に蓄えられた電気エネルギが不足した場合には、利用者に二次電池等の電源の充電を実施させる等の煩雑な作業を実施させてしまう。
さらに、燃料電池システムの稼動時に、燃料電池にて生成される電気エネルギの一部を利用する場合には、燃料電池システムにて生成される電気エネルギを外部装置に対して効率的に利用できない。
【0006】
本発明の目的は、このような問題点に鑑みて、小型化を図るとともに、利便性の向上を図れる燃料電池システム及びこれを用いた機器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料電池システムは、燃料貯蔵部から供給される燃料に基づいて電気化学反応を生じ、電気エネルギを出力する燃料電池を備えた燃料電池システムであって、弾性部材の変形に伴う弾性エネルギ、位置エネルギ及び周囲の温度変化により膨張収縮する熱変換体の膨張収縮に伴う変位エネルギのうちの少なくともいずれか一つを蓄積して供給するエネルギ蓄積手段と、このエネルギ蓄積手段からのエネルギにより前記燃料を前記燃料貯蔵部から前記燃料電池に供給する供給手段と、前記エネルギ蓄積手段からのエネルギを電気エネルギに変換する発電機と、この発電機にて変換された電気エネルギで駆動されて、前記供給手段の駆動を制御する制御手段と、前記燃料電池内を洗浄する洗浄液を貯蔵する洗浄液貯蔵部とを備え、前記制御手段は、前記供給手段を駆動して前記燃料を前記燃料電池に供給させるとともに、前記洗浄液貯蔵部に貯蔵された洗浄液を前記燃料電池に供給させ、前記燃料貯蔵部及び前記洗浄液貯蔵部は、当該燃料電池システムの筐体に対して着脱自在のカートリッジとして構成され、前記燃料貯蔵部及び前記洗浄液貯蔵部に貯蔵された燃料及び洗浄液をそれぞれ一時的に蓄積する2つの予備室を備え、前記供給手段は、前記燃料貯蔵部及び前記洗浄液貯蔵部からそれぞれ前記2つの予備室に一時的に蓄積された燃料及び洗浄液を前記燃料電池に供給することを特徴とする。
ここで、燃料電池としては、例えば、メタノールやメタン等の燃料を水素ガスに改質し、この水素ガスと酸化ガスとを利用して電気化学反応を生じる固体高分子型燃料電池(PEFC)、または、メタノール等の燃料を改質せずに、電気化学反応を生じる直接メタノール型燃料電池(DMFC)等を利用できる。
【0008】
本発明では、供給手段は、エネルギ蓄積手段からの弾性部材の変形に伴う弾性エネルギ、位置エネルギ及び熱変換体の膨張収縮に伴う変位エネルギのうちの少なくともいずれか一つにより燃料電池に燃料を供給する。また、制御手段は、発電機にて発電された電気エネルギで駆動し、供給手段における駆動を制御する。このことにより、一次電池または二次電池等の電源からの電気エネルギの供給を受けずとも、燃料の供給及びこの供給における制御を実施できる。したがって、一次電池または二次電池等の電源を不要とし、燃料電池システムの小型化を図れる。また、一次電池または二次電池等の電源を不要とするので、利用者に電池の交換及び電池の充電を実施させる等の煩雑な作業を実施させることがなく、燃料電池システムの利便性の向上を図れる。
【0009】
ころで、例えば、燃料電池として直接メタノール型燃料電池(DMFC)を用いた場合、燃料電池システムを継続して稼動すると、電気化学反応の反応過程において、一酸化炭素、ホルムアルデヒド、蟻酸、または未反応物質(水、その他の不純物)等が燃料電池のアノード側に滞留しやすい。このため、燃料電池における反応効率が低下し、それに伴って発電効率が低下してしまう。
ここで、洗浄液としては、水、メタノール溶液等を採用できる。また、これらとともにまたはこれらに代えて燃料電池内に滞留した不純物を除去する作用のある物質を採用してもよい。
本発明によれば、燃料電池システムは、洗浄液貯蔵部を具備し、制御手段は、燃料電池に洗浄液を供給させるので、この供給される洗浄液により燃料電池内に滞留した不純物が排除され、燃料電池における発電効率の低下を回避できる。
【0010】
さらに、本発明によれば、燃料貯蔵部がカートリッジとして構成されているので、燃料電池システムにて用いられる燃料を交換可能に構成できる。したがって、例えば、燃料貯蔵部内の燃料が不足して燃料電池システムが稼動できない状態となった場合でも、燃料貯蔵部を交換することで、迅速に対応でき、燃料電池システムのさらなる利便性の向上を図れる。
また、洗浄液貯蔵部がカートリッジとして構成されているので、燃料貯蔵部と同様に、燃料電池システムにて用いられる洗浄液を交換可能に構成できる。
【0011】
また、本発明によれば、燃料電池システムは、2つの予備室を備えているので、例えば、燃料貯蔵部及び洗浄液貯蔵部がカートリッジとして構成されている場合には、このカートリッジが燃料電池システムの筐体に設置された際に、カートリッジ内に貯蔵された燃料及び洗浄液をそれぞれ2つの予備室に予め蓄積しておくことができる。
例えば、カートリッジにおいて、内部の液体を外部に対して供給するための開口部分の面積が小さい場合には、供給手段は、カートリッジ内の液体を燃料電池に供給するには大きい駆動力が必要となる。
本発明では、予め、カートリッジ内部の燃料及び洗浄液がそれぞれ2つの予備室に蓄積されるので、供給手段は、2つの予備室にそれぞれ蓄積された燃料及び洗浄液を小さい駆動力で容易に燃料電池に供給できる。
【0012】
本発明の燃料電池システムでは、前記2つの予備室には、前記供給手段にて該予備室から前記燃料電池に燃料及び洗浄液がそれぞれ供給されると、前記燃料貯蔵部及び前記洗浄液貯蔵部から燃料及び洗浄液がそれぞれ補充されることが好ましい。
ここで、燃料及び洗浄液の2つの予備室への補充としては、以下に示すような種々の構成を採用できる。
例えば、供給手段にて2つの予備室から燃料及び洗浄液がそれぞれ燃料電池に供給された際に、予備室が負圧となり、燃料貯蔵部及び洗浄液貯蔵部から燃料及び洗浄液をそれぞれ吸入して補充する構成を採用できる。
また、例えば、供給手段の駆動に連動し、燃料貯蔵部及び洗浄液貯蔵部にそれぞれ貯蔵された燃料及び洗浄液を2つの予備室にそれぞれ強制的に補充する機構を備えた構成も採用できる。
本発明によれば、2つの予備室には、内部の燃料及び洗浄液が外部に供給されると、燃料貯蔵部及び洗浄液貯蔵部からそれぞれ燃料及び洗浄液が常時、補充されるように構成されているので、供給手段による燃料電池への燃料及び洗浄液の供給を脈動なく実施させることができる。
【0013】
本発明の燃料電池システムでは、前記供給手段は、内部に液体が流通するチューブと、このチューブの一部を圧閉しながら移動して前記チューブ内の液体を移動させる押圧体と、この押圧体を移動させる押圧体駆動部とを備えていることが好ましい。
本発明によれば、供給手段は、チューブ、押圧体及び押圧体駆動部を備え、押圧体駆動部の駆動により押圧体がチューブの一部を圧閉しながらチューブ上を移動するので、チューブ内の燃料または洗浄液等の液体を送液できる。したがって、小さな駆動力で駆動できるとともに、押圧体駆動部を小型化でき、燃料電池システムの小型化を図れる。
【0014】
本発明の燃料電池システムでは、前記エネルギ蓄積手段は、弾性エネルギを蓄積して供給するぜんまいであることが好ましい。
本発明によれば、エネルギ蓄積手段は、ぜんまいで構成されているので、簡単な構造で駆動源としてのエネルギ蓄積手段を構成できる。また、人力によって容易に弾性エネルギを発生し、発生した弾性エネルギを容易に蓄積できる。さらに、ぜんまいを巻き上げる回転錘を設ければ、燃料電池システムを携帯している人の運動等によりぜんまいが自動的に巻き上げられ、弾性エネルギを常に蓄積できる。
【0015】
本発明の燃料電池システムでは、前記エネルギ蓄積手段は、物体の位置の変化により得られる位置エネルギを蓄積するとともに、この位置エネルギを前記供給手段の駆動エネルギに変換して供給することが好ましい。
本発明によれば、エネルギ蓄積手段は、物体の位置の変化を利用することで、エネルギの蓄積を容易に実施できる。また、エネルギ蓄積手段は、位置エネルギを供給手段の駆動エネルギに変換するので、エネルギの蓄積及び供給を簡単な構造で実現でき、燃料電池システムを簡素な構造で製造できる。
【0016】
本発明の燃料電池システムでは、前記エネルギ蓄積手段は、周囲の温度変化により膨張収縮する熱変換体を備え、前記熱変換体の膨張収縮に伴う変位エネルギを蓄積するとともに、この変位エネルギを前記供給手段の駆動エネルギに変換して供給することが好ましい。
本発明によれば、エネルギ蓄積手段は、周囲の温度変化を利用することで、エネルギの蓄積を容易に実施できる。また、エネルギ蓄積手段は、変位エネルギを供給手段の駆動エネルギに変換するので、エネルギの蓄積及び供給を簡単な構造で実現でき、燃料電池システムを簡素な構造で製造できる。
【0017】
一方、本発明の機器は、前述した燃料電池システムを用いたことを特徴とする。
本発明によれば、例えば、機器としてノートパソコン、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ、PDA等に上述した燃料電池システムを搭載すれば、前述した燃料電池システムの作用効果を享受するとともに、該機器の駆動源となる燃料電池システムが小型化するので、機器自体の小型化を図れる。また、利用者に電池の交換及び電池の充電を実施させる等の煩雑な作業を実施させることなく、機器の駆動を良好に維持できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
〔燃料電池システムの構成〕
図1は、本実施形態における燃料電池システム1を模式的に示す図である。
燃料電池システム1は、メタノール溶液等の燃料及び酸素や空気等の酸化ガスを利用した電気化学反応により電気エネルギを生成する。この燃料電池システム1は、燃料電池2と、補機3と、エネルギ蓄積手段4と、発電機5と、図示しない制御手段とを備えている。
【0019】
燃料電池2は、直接メタノール燃料電池(DMFC)であり、燃料電池セルが拡散層を介して複数積層されたスタック構造で構成されている。本実施形態では、説明を簡略化するため、図1に示すように、単一の燃料電池セルで構成した燃料電池2を図示する。
この燃料電池2は、固体電解質膜21と、この固体電解質膜21を両側から挟持するように配置されるアノード電極22及びカソード電極23と、燃料拡散層24と、空気拡散層25とを備えた燃料電池セルが両側から図示しないガスケット等により液密に構成されている。また、燃料電池2において、アノード電極22側には、燃料が供給される燃料室26が付設されている。
【0020】
固体電解質膜21は、例えば、ナフィオン膜(デゥポン社商標名)等のプロトン伝導性高分子から構成される。
アノード電極22は、メタノール溶液等の燃料が供給される側に配置され、メタノールと水との反応の触媒を担持したカーボン触媒電極膜から構成される。ここで、触媒としては、例えば、白金及びルテニウムの合金等を採用できる。このアノード電極22において、供給されたメタノールと水とが反応して二酸化炭素、プロトン及び電子が発生する。
カソード電極23は、酸素や空気等の酸化ガスが供給される側に配置され、触媒として、例えば、白金を担持したカーボン触媒電極から構成される。このカソード電極23において、供給された酸化ガスと、固体電解質膜21を通ったプロトンと、外部の負荷を通って仕事をした後にカソード電極23に達した電子とが反応して水が生成される。
【0021】
燃料拡散層24及び空気拡散層25は、メッシュの金属フォーム(例えば、スチールウール等)からなる多孔性膜であり、供給される燃料及び酸化ガスをそれぞれ拡散してアノード電極22及びカソード電極23にそれぞれ導く。
これら燃料拡散層24及び空気拡散層25は、それぞれ、アルミニウム、ステンレス鋼等であってもよく、また、スポンジチタン等の多孔製金属材料、カーボンペーパ紙にカーボンを担持したものやカーボンクロス等であってもよい。
燃料室26は、アノード電極22及び燃料拡散層24が隔壁261により囲まれて略箱状に形成されている。そして、この隔壁261には、排出成分(未反応メタノール、水、二酸化炭素)を排出するアノード側排出口26Aと、燃料室26内に燃料及び洗浄液を吸入するアノード側吸入口26B,26Cとが形成されている。なお、これらアノード側排出口26A及びアノード側吸入口26B,26Cには、それぞれ燃料の逆流を防止する図示しない逆流防止弁が設けられている。また、燃料の逆流を防止する逆流防止弁を設けずに、アノード側排出口26A及びアノード側吸入口26B,26Cの流路抵抗を異なるように形成して逆流を防止するように構成してもよい。
また、カソード電極23側にも同様に、酸化ガスを吸入する図示しないカソード側吸入口及び生成した水及び空気を排出するカソード側排出口25Aを備えている。なお、カソード側吸入口から吸入される酸化ガスとしては、大気中の空気を採用でき、例えば、コンプレッサ等により強制的に空気を吸入口から流入させる構成を採用できる。
【0022】
補機3は、燃料電池システム1を稼動して燃料電池2における電気化学反応を補助する。この補機3は、タンク31と、供給手段32と、高分子吸収体33とを備えている。
タンク31は、燃料を貯蔵する燃料貯蔵部としての燃料タンク311と、洗浄液を貯蔵する洗浄液貯蔵部としての洗浄液タンク312と、これら燃料タンク311及び洗浄液タンク312に貯蔵された液体を一時的に蓄える予備室313,314とを備えている。
【0023】
図2は、本実施形態における燃料タンク311及び洗浄液タンク312の概略構成を示す図である。
燃料タンク311は、略箱状に形成され、燃料として純メタノール液を貯蔵する。この燃料タンク311は、燃料電池システム1を構成する図示しない筐体に設置されたカートリッジホルダ315に対して着脱自在なカートリッジとして構成される。
洗浄液タンク312は、略箱状に形成され、洗浄液として純水を貯蔵する。ここで、洗浄液タンク312に貯蔵された純水は、燃料の一部として燃料電池2で用いられる。この洗浄液タンク312は、燃料タンク311と略同様な構造であり、カートリッジホルダ315に対して着脱自在なカートリッジとして構成される。
【0024】
図3及び図4は、燃料タンク311及びカートリッジホルダ315の断面を示す図である。なお、洗浄液タンク312は、燃料タンク311と略同様の構造であり、説明を省略する。
燃料タンク311において、底面には燃料取出部311Aが形成され、上面側にはカートリッジホルダ315と係合する係合部311Bが形成されている。
燃料取出部311Aは、燃料取り出し用の孔311A1と、不使用時に孔311A1から燃料タンク311外部に燃料が漏れることを防止する弁体311A2と、孔311A1を封止するように貼着されたシール311A3とを備えている。
係合部311Bは、燃料タンク311の上面側から該上面と略平行に延出し、先端部分が上方に折曲して略L字状に形成されている。そして、この係合部311Bは、カートリッジホルダ315の蓋材315Bの案内部315B3と係合し、案内部315B3に案内されることで、燃料タンク311がカートリッジホルダ315の所定位置に設置される。
【0025】
カートリッジホルダ315は、内周形状が燃料タンク311の外周形状と略同一である略箱状に形成されている。このカートリッジホルダ315は、上部が開口したホルダ本体315Aと、ホルダ本体315Aの開口部分を開閉自在とする蓋材315Bとを備えている。
ホルダ本体315Aは、その底面に、上方に突出した燃料取入部315A1が設けられている。この燃料取入部315A1は、燃料予備室313とパイプを介して連通した孔であり、ホルダ本体315Aの所定位置に燃料タンク311が搭載された時に、シール311A3を貫通して弁体311A2を上方に押し上げて、燃料タンク311内部と燃料予備室313とが連通する。
【0026】
蓋材315Bは、断面略V字状に設けられ、ホルダ本体315Aの開口部分の辺縁に該開口部分を開閉するように断面略V字状の谷部分が回動自在に設けられている。この蓋材315Bは、断面略V字状の一方の面に、ホルダ本体315Aと係合して設置状態を保持する突起部315B1と、燃料タンク311をホルダ本体315Aに対して押圧するタンク押圧部315B2とが形成されている。また、他方の面には、燃料タンク311を所定位置に案内する案内部315B3が形成されている。
【0027】
このような構成では、燃料タンク311のカートリッジホルダ315への設置は、以下のように実施される。
利用者は、カートリッジホルダ315の蓋材315Bを開いて、新しい燃料が貯蔵された燃料タンク311をホルダ本体315A内に装填する。この際、燃料タンク311の係合部311Bが蓋材315Bの案内部315B3に受け止められ、燃料タンク311の係合部311Bとは反対側の端部がホルダ本体315Aの内周部分に支持される。
この状態で蓋材315Bを閉めると、図4に示すように、案内部315B3が下方に回動して燃料タンク311が案内され、燃料タンク311の燃料取出部311Aが燃料取入部315A1の先端に接触する。
【0028】
さらに蓋材315Bを回動させると、タンク押圧部315B2が燃料タンク311をホルダ本体315Aに押圧し、燃料取入部315A1がシール311A3を貫通して、弁体311A2を上方に押し上げて、燃料タンク311と燃料予備室313とが燃料を流通可能に連通する。そして、蓋材315Bの突起部315B1がホルダ本体315Aに係合して燃料タンク311がカートリッジホルダ315に固定される。
予備室313,314は、燃料タンク311または洗浄液タンク312に貯蔵された純メタノール液または純水を一時的に蓄積する。また、予備室313,314は、内部に蓄積した純メタノール液または純水が後述する供給手段32にて吸入されると、内部が負圧となり、燃料タンク311または洗浄液タンク312内の純メタノール液または純水を吸入して補充する構成となっている。
【0029】
供給手段32は、予備室313,314に貯蔵された純メタノール液及び純水を燃料電池2に供給する。この供給手段32は、燃料予備室313に蓄えられた純メタノール液を燃料電池2に供給する燃料供給部32Aと、洗浄液予備室314に蓄えられた純水を燃料電池2に供給する洗浄液供給部32Bとを備えている。そして、これら燃料供給部32A及び洗浄液供給部32Bは、制御手段による制御の下、燃料電池2にて電気化学反応を生じさせる際に、燃料電池2内で純メタノール液と純水とが所定の混合比となるように、それぞれの供給量が調節される。この供給手段32は、エネルギ蓄積手段4からの機械エネルギにより駆動される。本実施形態では、供給手段32A,32Bは、それぞれチューブポンプとして構成される。
この供給手段32の詳細については、後述する。
【0030】
高分子吸収体33は、燃料電池2からの排出成分を吸収する。すなわち、燃料電池2のアノード側排出口26Aから排出される排出成分(未反応メタノール、水、二酸化炭素)、及び、カソード側排出口25Aから排出される水分を吸収する。なお、ここでは、高分子吸収体を用いたが、これに限らず、燃料電池2からの排出成分を吸収するものであれば、その他の材料を用いてもよい。
制御手段は、補機3全体を制御する。この制御手段は、供給手段32の駆動制御(供給量制御等)、燃料タンク311及び洗浄液タンク312から予備室313,314への液体の供給量の制御等を実施する。
エネルギ蓄積手段4及び発電機5は、補機3を構成する供給手段32に具備されているため、以下に供給手段32と同時に説明する。
【0031】
〔供給手段、エネルギ蓄積手段及び発電機の構成〕
次にチューブポンプとして構成される供給手段32(32A,32B)の構成について説明する。
図5は、第1実施形態における供給手段32(燃料供給部32A及び洗浄液供給部32B)の概略構成を示す図である。
図6は、第1実施形態における供給手段32(燃料供給部32A及び洗浄液供給部32B)の断面図である。なお、燃料供給部32A及び洗浄液供給部32Bは、略同様の構造であるので、図5及び図6では、燃料供給部32Aの構造を図示する。以下の図も同様に燃料供給部32Aについて図示する。
この燃料供給部32Aは、外郭を形成する筐体321と、この筐体321内に収容されるチューブ322と、このチューブ322内の燃料を送液する駆動機構323とを備えている。
【0032】
筐体321は、図5または図6に示すように、略円形箱状に形成され、上方に配置される第1筐体321Aと、下方に配置される第2筐体321Bとを備えている。
【0033】
第1筐体321Aは、図6に示すように、略円盤状に形成された中空部材であり、その内部には、第2筐体321B側に開口した孔321A1と、後述する駆動機構323が収容される略円形の収容部321A2とが形成されている。ここで、この収容部321A2は、第2筐体321Bの中心位置から偏心して形成されている。また、第1筐体321Aの上面は、蓋材321A3が設けられ、この蓋材321A3にて第1筐体321Aの上面を塞ぐことで、収容部321A2が閉塞される。
第2筐体321Bは、平面略正方形状に形成され、図6に示すように、その上面には、後述するポンプとしてのチューブ322及び駆動機構323の一部の設置空間となる凹部321B1が形成されている。また、この凹部321B1の底面には、チューブ322の配置位置を規制する案内溝321B2が形成されている。
そして、この筐体321では、第1筐体321Aの下面に第2筐体321Bがビス止め等により一体的に固定される。
【0034】
図7は、燃料供給部32Aのチューブ322の配置を説明する図である。具体的には、筐体321の第1筐体321Aを外して上方から見た図である。
チューブ322は、その内部を燃料が流通する。このチューブ322は、図5または図7に示すように、第2筐体321Bの外部から第2筐体321Bに形成された孔321B3を貫通して第2筐体321Bの案内溝321B2に沿って略円弧状に配置され、もう一方の孔321B3を貫通して再び外部へ配置されている。そして、この孔321B3とチューブ322との隙間は封止材321B4で封止され、密封されている。このチューブ322の材料としては、シリコーンゴム、ポリウレタン、その他の弾性材料が採用できる。
【0035】
図8は、供給手段32(燃料供給部32A及び洗浄液供給部32B)の駆動機構323を図6の上方から見た平面図である。
図9は、供給手段32(燃料供給部32A及び洗浄液供給部32B)の駆動機構323の断面図である。
駆動機構323は、チューブ322内部の燃料を移動させて流通させる。この駆動機構323は、図8に示すように、機械エネルギを蓄積して供給するエネルギ蓄積手段4と、エネルギ蓄積手段4からの機械エネルギに基づいてチューブ322内部の燃料を流通させる押圧体駆動部324(図9)と、エネルギ蓄積手段4からの機械エネルギを押圧体駆動部324に伝達する輪列325と、エネルギ蓄積手段4からの機械エネルギを電気エネルギに変換する発電機5とを備えている。
【0036】
エネルギ蓄積手段4は、ぜんまい41と、このぜんまい41を収納する香箱42とを備えている。
香箱42は、中心部分に形成された香箱真42Aを軸として回転自在に構成され、外周には輪列325の二番車325Aと噛合する香箱車42Bが形成されている。
ぜんまい41は、一端が香箱真42Aに、他端が香箱車42Bの内周部分に固定されている。そして、香箱42は、ぜんまい41がほどけることにより香箱真42Aを軸として回転し、ぜんまい41の機械エネルギが輪列325及び押圧体駆動部324(図9)に伝達される。
また、香箱真42Aには、角穴車42Cが固定され、この角穴車42Cは、筐体321の外部に突出して設けられた巻き上げ機構326の巻真326A(図5、8)に図示しない巻き上げ輪列を介して接続されている。そして、巻真326Aの端部に設けられた竜頭326B(図5)を回すことで、香箱真42Aが回転してぜんまい41を巻き上げることが可能となる。
【0037】
押圧体駆動部324は、図6または図9に示すように、チューブ322上で転動してチューブ322内の燃料を移動するボール324Aと、輪列325の二番車325Aと共に回転するロータ駆動部324Bと、第2筐体321Bに回動自在に固定されボール324Aをチューブ322に対して押圧しつつ移動させるロータ324Cと、ボール324Aの移動を規制するリテーナ324Dとを備えている。
ボール324Aは、図6または図7に示すように、駆動機構323の駆動によりチューブ322を押圧しつつチューブ322上を転動してチューブ322内の燃料を移動する。このボール324Aは、複数設けられ(本実施形態では二つ)、後述するリテーナ324Dのボール保持部324D2に保持され、駆動機構323の駆動により略円弧状に配置されたチューブ322上を転動する。
【0038】
ロータ駆動部324Bは、図9に示すように、略円盤状とされ、中心部分が輪列325の二番車325Aに固定された筒かな325A3に接続されている。このため、ロータ駆動部324Bは、香箱42の回転に伴う二番車325Aの回転に連動し、二番車325A位置を中心として回転する。また、ロータ駆動部324Bの外周側には、円盤状部分の下方に略垂直に突出して複数の突出部324B1が設けられている(本実施形態では二つ)。
【0039】
ロータ324Cは、ボール324Aを押圧しつつチューブ322上で転動させる。このロータ324Cは、図6に示すように、略円盤状に形成され、第2筐体321Bの案内溝321B2の中心に固定された支持軸321B5に、ベアリング321B6を介して回転可能に支持されている。また、ロータ324Cの内周側には、ロータ駆動部324Bの突出部324B1と嵌合するトラック孔324C1が形成され、ロータ駆動部324Bの回転と連動してロータ324Cが回転する。さらに、ロータ324Cのボール324Aと対向する面には、押圧ゴム324C2が設けられ、ボール324Aに当接している。このため、ボール324Aは、ロータ324Cに対して滑り難い状態となり、ロータ324Cの回転に伴って良好にチューブ322上を転動する。
【0040】
リテーナ324Dは、図6に示すように、略円盤状に形成され、ロータ324C及び第2筐体321Bの間に設けられている。また、リテーナ324Dの中央部分には、図7に示すように、孔324D1が形成され、第2筐体321Bの支持軸321B5、ベアリング321B6及びロータ324Cの下端部が貫通している。ここで、リテーナ324Dの孔324D1は、貫通する支持軸321B5、ベアリング321B6及びロータ324Cの下端部における全体の寸法よりも大きく形成されている。このため、リテーナ324Dは、ロータ324Cには固定されずに独立して第2筐体321Bに載置された状態となる。また、リテーナ324Dの外周部分には、ボール324Aを保持するボール保持部324D2が形成されている。このボール保持部324D2は、リテーナ324Dの周囲に等間隔で、ボール324Aと同数箇所(本実施形態では二つ)形成され、それぞれ内部にボール324Aが配置されている。また、ボール保持部324D2の近傍には、凸部324D3が形成されている。さらに、リテーナ324Dの側面には、第2筐体321Bに揺動可能に固定された板ばね321B7が適当な付勢力で押し付けられている。そして、板ばね321B7の先端は、リテーナ324Dの凸部324D3の回転移動により第2筐体321Bに固定された検出部321B8に接触・離反する。
これらロータ駆動部324B、ロータ324C及びリテーナ324Dは、例えば、ステンレス鋼や、アルミニウム等で構成できる。
【0041】
輪列325は、エネルギ蓄積手段4の香箱42の回転を押圧体駆動部324のロータ駆動部324Bに伝達する。この輪列325は、図5に示すように、香箱車42Bと噛合する二番車325Aと、以下順に増速するように噛合した三番車325Bと、四番車325Cと、五番第一中間車325Dと、五番第二中間車325Eと、五番車325Fと、六番車325Gとを備えている。
そして、香箱車42Bの回転は、図8または図9に示すように、二番車325Aのかな325A1へ伝達された後、二番車325Aの歯車325A2から増速されて三番車325Bのかなへ、三番車325Bの歯車から増速されて四番車325Cのかな325C1へ伝達される。さらに、四番車325Cの歯車325C2から五番第一中間車325Dを介して増速されて五番第二中間車325Eのかな325E1へ、五番第二中間車325Eの歯車325E2から増速されて五番車325Fのかなへ、五番車325Fの歯車から増速されて六番車325Gのかなへ、六番車325Gの歯車から増速されて発電機5へと伝達される。そして、これら各部材は、上下に適宜形成された輪列受及び地板に軸支されている。
【0042】
発電機5は、輪列325の六番車325Gの回転に伴う運動により電気エネルギを生成する。この発電機5は、調速ロータ51と、調速ロータ51の回転により電気エネルギを出力するステータ52とを備えている。
調速ロータ51は、六番車325Gと噛合するロータかな511、永久磁石512及び調速ロータ51の回転を滑らかにする慣性板513とを備えている。
ステータ52は、調速ロータ51の回転によって永久磁石512の磁束を鎖交させる磁気回路を形成し、磁束の変化により電気エネルギを出力する。このステータ52は、一対のステータ材521と、このステータ材521にそれぞれ巻線された一対のコイル522とを備えている。
【0043】
ステータ材521は、略平行に配置され、一対が配置された状態でその先端部分に形成された孔に、調速ロータ51の永久磁石512が配置される。
コイル522は、永久磁石512が回転することで生じるステータ材521での磁束変化を電力に変換する。ステータ52からの交流出力は、昇圧整流、全波整流、半波整流、トランジスタ整流等からなる整流回路を通して整流され、コンデンサ等で構成された電源回路に充電供給される。そして、この電源回路に充電された電力は、図示しない制御手段に供給される。
【0044】
ここで、制御手段は、コイル522に電気的に接続されており、調速ロータ51及びステータ52で発電された電力で駆動される。そして、制御手段は、燃料供給部32A及び洗浄液供給部32Bの駆動を制御する駆動制御部を備えている。
この駆動制御部は、水晶振動子と、この水晶振動子からの周波数を分周して基準信号を出力する発振回路と、発電された交流電流の周波数を検出する検出回路と、検出された周波数と基準周波数とを比較してその差に応じた出力値を出力する制御回路とを備えている。発振回路では、水晶振動子からの信号を用いて基準信号を出力する。制御回路では、この基準信号と検出回路からの回転検出信号とを比較し、その位相差等に応じて燃料供給部32A及び洗浄液供給部32Bの調速ロータ51を制動して輪列325を介して押圧体駆動部324のロータ駆動部324Bの回転周期をそれぞれ制御する。なお、調速ロータ51の制動方法としては、ステータ52の出力端子間を短絡してショートブレーキを掛けたり、コイル522に流れる電流値を制御して制動量をコントロールすればよい。これにより、調速ロータ51の回転周期(回転速度)が所定の周期(速度)に保たれ、輪列325及びロータ駆動部324Bの回転周期(回転速度)が制御される。
ここで、ぜんまい41の巻数や寸法、材質などは、燃料電池システム1を稼動する時間、例えば最低12時間得られるように設定されている。
【0045】
〔燃料電池システムの動作〕
次に、第1実施形態における燃料電池システム1の動作について説明する。
燃料供給部32A及び洗浄液供給部32Bのぜんまい41がほどけて香箱42が回転すると、この回転力が香箱車42Bに噛合する輪列325で増速されながら伝達され、輪列325の調速ロータ51が回転する。そして、ステータ52は、調速ロータ51に固定された永久磁石512が回転することによって、電気エネルギに変換して発電する。制御手段は、この発電により得られた電気エネルギにより起動し、供給手段32の駆動を制御する。以下には、制御手段による燃料供給部32A及び洗浄液供給部32Bの駆動制御を説明する。
【0046】
制御手段の駆動制御部は、燃料供給部32A及び洗浄液供給部32Bの調速ロータ51を制動して輪列325の回転速度をそれぞれ所定速度に調速する。
二番車325Aが調速されることによって筒かな325A3に接続されたロータ駆動部324Bは、所定回転速度で回転するとともに、ロータ324Cに回転運動を伝達する。そして、ロータ324Cは、図7に示す矢印R方向に回転する。
ロータ324Cが回転すると、押圧ゴム324C2に押圧されているボール324Aは摩擦によってチューブ322を押し潰しながら転動する。これによって、チューブ322内の二つのボール324Aに挟まれた燃料(純メタノール液)及び洗浄液(純水)が移動する。一方のボール324Aが案内溝321B2の一方の端部まで移動すると、ボール324Aは押圧ゴム324C2とともに支持軸321B5を中心に回転を続けるので、チューブ322の押圧が解除される。この状態で、他方のボール324Aが転動しながら燃料(純メタノール液)及び洗浄液(純水)を案内溝321B2に沿って押し出し、これによってチューブ322内の燃料(純メタノール液)及び洗浄液(純水)が流通する。一方のボール324Aは、その間に再び案内溝321B2上に配置され、チューブ322を押し潰して、他方のボール324Aとで挟まれた燃料(純メタノール液)及び洗浄液(純水)を移動させる。これを繰り返すことによって燃料予備室313及び洗浄液予備室314内に蓄えられた燃料(純メタノール液)及び洗浄液(純水)がチューブ322を介して連続で燃料電池2に供給される。また、燃料予備室313及び洗浄液予備室314からチューブ322を介して連続で燃料電池2に供給される際には、上述したように、常時、燃料タンク311及び洗浄液タンク312から燃料予備室313及び洗浄液予備室314に燃料(純メタノール液)及び洗浄液(純水)が補充されている。
【0047】
ここで、ボール324Aの回転数は、リテーナ324Dによって検出される。ボール324Aは、転動に伴ってリテーナ324Dのボール保持部324D2を押し、これによってリテーナ324Dが回転する。この際、リテーナ324Dの凸部324D3が板ばね321B7に接触し、ついで板ばね321B7をその付勢力に抗してリテーナ324Dから離反する方向に移動させる。ここで、板ばね321B7の先端が検出部321B8に接触した状態では、電気的に導通した状態であり、板ばね321B7の先端が検出部321B8から離反することによって、検出部321B8がボール324Aの回転を検知する。すなわち、このボール324Aの回転を二回検知すれば押圧体駆動部324が一回転したことになる。これを利用して、図示しない制御手段の駆動制御部は、燃料供給部32A及び洗浄液供給部32Bのそれぞれの押圧体駆動部324の回転数等を算出するなどして燃料電池2に供給される燃料(純メタノール液)及び洗浄液(純水)が所定の混合比になるように供給手段32の運転状態を制御する。
そして、制御手段の駆動制御部は、適宜、例えば、所定の洗浄タイミングで洗浄液供給部32Bの調速ロータ51の回転速度を制御して洗浄液供給部32Bからの洗浄液(純水)の供給量を増加させるなどして燃料電池2の燃料室26内に滞留する不純物を排出する。
【0048】
〔第1実施形態の効果〕
上述した実施形態では、以下のような効果がある。
(1)燃料電池システム1の供給手段32は、エネルギ蓄積手段4のぜんまい41に蓄えられた機械エネルギを駆動源として燃料電池2に燃料を供給する。また、制御手段は、発電機5にて発電された電気エネルギで駆動し、供給手段32における駆動を制御する。このことにより、一次電池または二次電池等の電源からの電気エネルギの供給を受けずとも、燃料(純メタノール液)または洗浄液(純水)の供給の制御、及び、洗浄液(純水)による燃料電池2の燃料室26の洗浄の制御を実施できる。したがって、一次電池または二次電池等の電源を不要とし、燃料電池システム1の小型化を図れる。また、一次電池または二次電池等の電源を不要とするので、利用者に電池の交換及び電池の充電を実施させる等の煩雑な作業を実施させることがなく、燃料電池システム1の利便性の向上を図れる。
【0049】
(2)燃料電池システム1では、洗浄液タンク312に洗浄液(純水)が貯蔵され、制御手段の駆動制御部により、適宜、例えば、所定の洗浄タイミングで洗浄液(純水)の供給量を増加させるなどして燃料電池2に供給されるので、この供給される洗浄液(純水)により燃料電池2の燃料室26内に滞留した不純物が排除され、燃料電池2における発電効率の低下を回避できる。
(3)燃料電池システム1では、燃料タンク311及び洗浄液タンク312がカートリッジとして構成されているので、燃料(純メタノール液)及び洗浄液(純水)を交換可能に構成できる。例えば、燃料タンク311及び洗浄液タンク312内の燃料(純メタノール液)及び洗浄液(純水)が不足して燃料電池システム1が稼動できない状態となった場合でも、燃料タンク311及び洗浄液タンク312を交換することで、迅速に対応でき、燃料電池システム1のさらなる利便性の向上を図れる。
(4)燃料電池システム1では、燃料(純メタノール液)及び洗浄液(純水)がそれぞれ燃料タンク311及び洗浄液タンク312に分けて貯蔵されているので、燃料電池2の燃料室26内を洗浄する際に、適宜、洗浄液(純水)のみを燃料室26に供給できる。
【0050】
(5)燃料電池システム1では、燃料(純メタノール液)及び洗浄液(純水)を予め蓄積する予備室313,314を備えているので、燃料タンク311及び洗浄液タンク312の孔311A1の開口面積が小さくても、供給手段32は、予備室313,314に蓄積された所定量の燃料及び洗浄液を取り込んで、燃料電池2に供給できる。したがって、供給手段32は、大きい駆動力を必要とせず、容易に燃料電池2に燃料及び洗浄液を供給できる。
(6)予備室313,314は、内部の燃料及び洗浄液が供給手段32により吸入されると、内部が負圧となり、燃料タンク311及び洗浄液タンク312から燃料及び洗浄液を吸入して補充するように構成されているので、予備室313,314内の燃料及び洗浄液が不足することがなく、供給手段32による燃料電池2への燃料及び洗浄液の供給を脈動なく実施させることができる。
【0051】
(7)燃料電池システム1では、供給手段32は、押圧体駆動部324の駆動によりボール324Aがチューブ322の一部を圧閉しながらチューブ上を転動するので、ボール324Aとチューブ322との摩擦が低減し、小さな駆動力で駆動できる。したがって、供給手段32は、大型の駆動機構を不要とし、燃料電池システム1の小型化を図れる。
(8)燃料電池システム1では、エネルギ蓄積手段4は、ぜんまい41で構成されているので、簡単な構造で駆動源としてのエネルギ蓄積手段を構成できる。また、巻き上げ機構326を利用すれば、人力によって容易に機械エネルギを発生し、発生した機械エネルギを容易に蓄積できる。
【0052】
(9)燃料電池システム1では、供給手段32の発電機5は、エネルギ蓄積手段4からの機械エネルギを電気エネルギに変換するのみならず、供給手段32における押圧体駆動部324の駆動速度を調速する機構としても機能するので、燃料電池2に一定量の燃料を燃料電池2に供給することができ、燃料電池2における発電効率を向上させることができる。
(10)燃料電池システム1では、供給手段32は、エネルギ蓄積手段4及び発電機5を具備する構成としているので、燃料電池システム1をコンパクトな構成としさらなる小型化を図れる。
(11)燃料電池システム1を、例えば、ノートパソコン、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ、PDA等の電子機器に搭載すれば、該燃料電池システム1の小型化により、電子機器自体の小型化を図れる。また、利用者に電池の交換及び電池の充電を実施させる等の煩雑な作業を実施させることなく、電子機器を良好に駆動できる。
【0053】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造及び同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
第1実施形態では、供給手段32(燃料供給部32A及び洗浄液供給部32B)のエネルギ蓄積手段4は、ぜんまい41を備え、このぜんまい41により機械エネルギを蓄積して供給している。
これに対して第2実施形態の燃料電池システム1では、供給手段32(燃料供給部32A及び洗浄液供給部32B)のエネルギ蓄積手段4は、位置エネルギを蓄積して供給する。すなわち、供給手段32(燃料供給部32A及び洗浄液供給部32B)の構成が相違するのみで、その他の構成は同一である。
【0054】
図10は、第2実施形態における供給手段32(燃料供給部32A及び洗浄液供給部32B)の概略構成を示す図である。なお、図10では、燃料供給部32Aの内部構造を説明するために、筐体321を適宜省略している。
燃料供給部32Aは、図10に示すように、右側に配置される第1筐体321Aと、左側に配置される第2筐体321Bとを備えた筐体321にて外郭が形成されている。
第1筐体321Aは、略箱状に形成され、第2筐体321Bと対向する一方の端面に、第2筐体321B側に開口する孔321A1が形成されている。そして、第1筐体321A内部には、駆動機構323が設置される。
第2筐体321Bは、第1筐体321Aと対向する一方の端面が開口して略箱状に形成されている。そして、第2筐体321B内部には、案内溝321B2に沿ってチューブ322の一部が設置されるとともに、第1筐体321Aの孔321A1を介して駆動機構323の一部が設置される。
【0055】
図11は、駆動機構323を正面側から見た図である。具体的には、図10の右側から駆動機構323を見た図である。
駆動機構323は、位置エネルギを蓄積して供給するエネルギ蓄積手段4と、押圧体駆動部324と、輪列325と、輪列325と連動して運動するとともに、輪列325及び押圧体駆動部324の回転速度を調速する調速部327と、調速部327の運動により電気エネルギを生成する発電機5とを備えている。
【0056】
エネルギ蓄積手段4は、物体の位置エネルギを蓄積するとともに、物体の位置の変化により得られる位置エネルギを機械エネルギに変換する。このエネルギ蓄積手段4は、図10に示すように、ドラム43と、所定重量の重錘44と、一端がドラム43に、他端が重錘44にそれぞれ取り付けられたロープ45と、ドラム43を回転可能な取っ手46とを備えている。
このようなエネルギ蓄積手段4では、取っ手46を回転させると、ロープ45がドラム43に巻き付けられ、重錘44が持ち上げられるようになっている。重錘44には、重力の作用により落下しようとする力が働き、この落下しようとする力が、ドラム43に巻き付けられたロープ45を引っ張ることで、ドラム43に回転力が付与され、ドラム43と同軸上に設けられた一番車43Aが回転する。
【0057】
なお、この一番車43Aには、図11に示すように、重錘44の巻き上げ方向には回転するが、反対方向には回転しないようにラチェット機構43Bが形成され、重錘44の巻き上げを容易に実施できるようになっている。
このラチェット機構43Bは、ドラム43に一体的に形成されたキチ車43B1と、一番車43Aに取り付けられたこはぜ43B2とを備えている。そして、駆動機構323の駆動時には、キチ車43B1とこはぜ43B2とが噛合した状態でドラム43からの回転力を一番車43Aに伝達する。そしてまた、重錘44の巻き上げ時のみ、キチ車43B1に形成された爪からこはぜ43B2が逃げて、噛み合いが外れ、巻き上げ可能となる。
【0058】
押圧体駆動部324は、輪列325の二番車325Aに接続されたロータ324Cと、リテーナ324Dとを備えている。そして、二番車325Aの回転と連動してロータ324Cが回転し、押圧ゴム324C2にてボール324Aを押圧しつつチューブ322上を転動させる。
輪列325は、第1実施形態で説明した二番車325Aと、三番車325Bとを備えている。そして、二番車325Aは、エネルギ蓄積手段4の一番車43Aと噛合し、エネルギ蓄積手段4からのエネルギを押圧体駆動部324に伝達する。また、三番車325Bは、調速部327と噛み合い、適宜、調速部327により調速される。
【0059】
調速部327は、輪列325及び押圧体駆動部324の回転速度を調速する。この調速部327は、輪列325の三番車325Bと連動する機械式脱進機327Aと、この機械式脱進機327Aを間欠運動させる振り子327Bとを備えている。
機械式脱進機327Aは、三番車325Bの回転が伝達されて回転するガンギ327Cと、このガンギ327Cを間欠運動させるアンクル327Dとを備えている。
ガンギ327Cは、図示しない複数個の歯を有しており、これらの歯は、アンクル327Dの爪327D1,327D2(図11)に交互に噛み合うように形成されている。
アンクル327Dは、図11に示すように、回転軸Raxを中心にして正面側から見て左右に揺動運動し、その2つの爪327D1,327D2によって、交互にガンギ327Cの回転を止め、ガンギ327Cを間欠的に1歯ずつ回転させる。
【0060】
振り子327Bは、その振動によりアンクル327Dを一定の周期で揺動運動させる。本実施形態では、振り子327Bは、振動周期により押圧体駆動部324の駆動速度、すなわち、チューブ322内の燃料(純メタノール液)及び洗浄液(純水)の供給速度を調速している。この振り子327Bは、アンクル327Dの回転軸Raxに連結されたロッド327Eと、このロッド327Eの先端部分327E1(図10)に設置される円形の振り子玉327Fとを備えている。
なお、この振り子327Bは、ガンギ327Cから駆動力が伝達されることにより、その一定周期の揺動運動が減衰することなく継続される。
また、振り子327Bは、回転軸Raxを上に、振り子玉327Fを下にした状態であって、仮に、アンクル327Dから力が加わらない状態では、振り子327Bの重心と回転軸Raxの中心を結ぶ直線は、重力方向に平行で、振幅の中心になるように設置される。
【0061】
この振り子327Bの固有振動周期Toは、図10に示すように、ロッド327Eの支点327E2から振り子327Bの重心位置327B1までの長さLが一定であれば、振幅に関係なく一定である。
理論的には、固有振動周期To(s)は、以下の数1で示される。なお、支点327E2から振り子327Bの重心位置327B1までの長さをL(m)、重力加速度をG(m/s2)とする。ここで、振り子327Bの重心位置327B1とは、ロッド327E及び振り子玉327Fを全て含めた重心の位置を示すものである。
【0062】
【数1】
Figure 0004487478
【0063】
ここで、ロッド327Eの長さは、適宜、変更可能となっており、すなわち、振り子327Bの固有振動周期Toを変更可能となっている。
発電機5は、振り子327Bの運動に基づいて発電する。この発電機5は、図10または図11に示すように、振り子327Bに固定された永久磁石53と、この永久磁石53に対向して配置されるコイル54とを備えている。
永久磁石53は、図11に示すように、振り子327Bの裏面側で、振り子327Bの円弧状の振動軌跡に沿って複数配置されている(本実施形態では4つ)。
また、各永久磁石531,532,533,534は、振り子玉327Fの厚み方向にS極またはN極が向くように取り付けられている。さらに、これら永久磁石53は、具体的な図示は省略するが、コイル54に対向する極が、振り子327Bの振動方向にS極とN極とが交互となるように、等間隔で取り付けられている。
【0064】
コイル54は、図11に示すように、PCパーマロイ等で構成された磁心541と、この磁心541に巻回されるコイル線542とを有することで、振り子327Bの振動によって発電する。
磁心541は、図11に示すように、各永久磁石531,532,533,534の極に対向する一対の対向部X,Yを有し、これらの対向部X,Yの間隔は、各永久磁石531,532,533,534の間隔と同じである。
このような発電機5では、各永久磁石531,532,533,534の極がS,Nと交互に取り付けられているため、振り子327Bの振動に伴って、コイル54内を通過する磁束の大きさが変化するとともに、磁束の向きが交互に逆転する。このため、発電機5には、交流電力が発生する。そして、この発電された電力は、制御手段に供給される。
【0065】
ここで、制御手段は、発電機5と電気的に接続されており、発電機5で発電された電力で駆動される。そして、制御手段の駆動制御部は、水晶振動子と、この水晶振動子からの周波数を分周して基準振動周期Tsの基準信号を出力する発振回路と、発電された交流電流の周波数から振動する振り子327Bの振動周期Taを検出する検出回路と、検出された振動周期Taと基準振動周期Tsとを比較してその差に応じた出力値を出力する制御回路とを備えている。このうち、制御回路では、振動周期Taと基準振動周期Tsとを比較して、振り子327Bの振動周期Taを基準振動周期Tsに一致させるように作動する。
具体的に、制御回路は、発電機5で発電された交流信号(交流電流)が入力される第1の交流入力端子に接続された図示しない第1スイッチと、前記交流信号が入力される第2の交流入力端子に接続された第2スイッチとを有し、これらのスイッチを同時にオンすることにより、第1、第2の交流入力端子を短絡等によって閉ループ状態にし、永久磁石53及びコイル54との間にショートブレーキを掛けるように作動する。
この結果、振り子327Bは、制御回路により所定の基準振動周期Tsで振動し、この基準振動周期Tsに応じて輪列325及び押圧体駆動部324が調速される。
なお、燃料供給部32A及び洗浄液供給部32Bは、略同様な構造であるが、支点327E2から振り子327Bの重心位置327B1までの長さL(m)を異なるように、すなわち、固有振動周期Toを異なるように構成してもよい。
【0066】
次に、第2実施形態における燃料電池システム1の動作について説明する。
燃料供給部32A及び洗浄液供給部32Bの重錘44が重力の作用にて落下してドラム43が回転すると、この回転力が一番車43Aに噛合する二番車325A及び三番車325Bで増速されながらガンギ327Cに伝達される。
ガンギ327Cの回転は、アンクル327Dに伝達され、燃料供給部32A及び洗浄液供給部32Bの振り子327Bは、所定の長さに設定されたロッド327Eに応じた所定の振動周期Ta,Tbでそれぞれ振動する。そして、発電機5は、振り子327Bの運動により発電する。制御手段は、この発電により得られた電気エネルギにより起動し、供給手段32の駆動を制御する。以下には、制御手段による燃料供給部32A及び洗浄液供給部32Bの駆動制御を説明する。
【0067】
制御手段の駆動制御部は、燃料供給部32A及び洗浄液供給部32Bの振り子327Bの振動周期Ta(燃料供給部32A)及びTb(洗浄液供給部32B)が基準振動周期Tsa(燃料供給部32A)及びTsb(洗浄液供給部32B)に一致するように調速する。また、この振り子327Bの基準振動周期Tsa,Tsbでの振動に応じて押圧体駆動部324が調速される。
押圧体駆動部324の調速により、所定の回転速度でロータ324Cが回転を実施する。そして、ロータ324Cが回転すると、ボール324Aは、押圧ゴム324C2にて押圧されつつ、チューブ322上で転動し、燃料予備室313及び洗浄液予備室314内に蓄えられた燃料(純メタノール液)及び洗浄液(純水)がチューブ322を介して所定の混合比で燃料電池2に供給される。
そして、制御手段の駆動制御部は、適宜、例えば、所定の洗浄タイミングで洗浄液供給部32Bの振り子327Bの基準振動周期Tsbを変更して、洗浄液供給部32Bからの洗浄液(純水)の供給量を増加させるなどして燃料電池2の燃料室26内に滞留する不純物を排出する。
【0068】
〔第2実施形態の効果〕
上述した第2実施形態によれば、上記(1)〜(7)、(9)〜(11)と略同様の効果の他、以下のような効果がある。
(12)燃料電池システム1では、供給手段32(燃料供給部32A及び洗浄液供給部32B)におけるエネルギ蓄積手段4は、ドラム43と、重錘44と、ロープ45と、取っ手46とを備え、重錘44の位置の変化を利用することで、エネルギの蓄積を容易に実施できる。また、エネルギ蓄積手段4は、位置エネルギを駆動機構323の駆動力となる機械エネルギに変換するので、エネルギの蓄積及び供給を簡単な構造で実現でき、燃料電池システム1の構造を簡素化して小型化が図れる。
【0069】
(13)燃料電池システム1では、制御手段は、供給手段32(燃料供給部32A及び洗浄液供給部32B)における振り子327Bの振動周期Ta,Tbを制御することができる。このことにより、供給手段32(燃料供給部32A及び洗浄液供給部32B)における押圧体駆動部324の駆動速度を容易に変更でき、燃料(純メタノール液)及び洗浄液(純水)を所定の混合比で供給できる。
(14)燃料電池システム1では、供給手段32における調速部327は、機械式脱進機327Aを介して振り子327Bで押圧体駆動部324の駆動速度を制御し、さらに、制御手段で振り子327Bの実際の振動周期Ta,Tbを制御して押圧体駆動部324の駆動速度をそれぞれ制御するので、二段階で押圧体駆動部324の駆動速度を制御でき、調速精度、すなわち、燃料(純メタノール液)及び洗浄液(純水)の供給速度を高精度に実施できる。
【0070】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造及び同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
第1実施形態では、供給手段32(燃料供給部32A及び洗浄液供給部32B)のエネルギ蓄積手段4は、ぜんまい41を備え、このぜんまい41により機械エネルギを蓄積して供給している。
これに対して第3実施形態の燃料電池システム1では、供給手段32(燃料供給部32A及び洗浄液供給部32B)のエネルギ蓄積手段4は、熱エネルギを蓄積して供給する。すなわち、供給手段32(燃料供給部32A及び洗浄液供給部32B)の構成が相違するのみで、その他の構成は同一である。
【0071】
図12は、第3実施形態における供給手段32(燃料供給部32A及び洗浄液供給部32B)の概略構成を示す図である。
エネルギ蓄積手段4は、熱エネルギを蓄積するとともに、周囲の温度変化により得られる熱エネルギを機械エネルギに変換する。このエネルギ蓄積手段4は、図12に示すように、周囲温度の変化により体積が変化する熱変換体47Aを収納する熱変換体収納部47と、熱変換体47Aの膨張収縮に応じて進退運動する進退駆動部48と、この進退駆動部48における進退運動に応じて回転運動する回転駆動部49とを備えている。
ここで、熱変換体47Aとしては、固体及び液体の一方から他方へ相変化し、この相変化により体積が変化する相変化物質を採用でき、本実施形態では、パラフィンワックスを採用している。
【0072】
熱変換体収納部47は、有底筒状の容器47Bと、この容器47Bの開口を塞ぐ可撓性を有する蓋部材47Cと、容器47Bの開口側端部と嵌合し、蓋部材47Cを容器47Bの開口側端部とで挟持する筒状のカバー部材47Dとを備えている。
ここで、蓋部材47Cは、例えば、シリコーンゴムまたはテフロン(登録商標)ゴム等を含んで形成された密閉性に優れた強靭な膜を採用する。
進退駆動部48は、蓋部材47Cに連結されたロッド48Aと、カバー部材47Dの外周面に位置し、ロッド48Aと連動して摺動自在に設けられた有底筒状の摺動部材48Bと、ロッド48Aと連結し、両側に鋸歯状の歯を有するラック48Cとを備えている。
【0073】
ロッド48Aは、熱変換体47Aの膨張収縮に応じて、カバー部材47Dに形成されたガイド部47D1に案内されながらカバー部材47Dから進退運動し、これに連動して摺動部材48B及びラック48Cも進退運動を実施する。
また、摺動部材48Bの開口側の端縁部には、径方向外側へ突出する鍔48B1が設けられ、この鍔48B1は、コイルスプリング48Dの一端に係合している。さらに、このコイルスプリング48Dの他端は、容器47Bに対して位置が固定された係止部材48D1と係合している。このため、進退駆動部48は、コイルスプリング48Dにより、例えば、図12中下側方向に付勢され、熱変換体47Aの収縮時の運動を補助する。
【0074】
回転駆動部49は、ラック48Cを挟んで、それぞれ鋸歯状の歯を有する角穴車49A及び歯車49Bと、歯車49Bの回転を角穴車49Aに伝達する歯車49Cとを備えている。
角穴車49Aは、同軸に通常の歯車49A1及び49A2が一体化され、歯車49A1と歯車49Cが噛合し、歯車49A2と輪列325の二番車325Aのかな325A1が噛合する。
歯車49Bは、同軸に通常の歯車49B1が一体化され、この歯車49B1と歯車49Cとが噛合する。
【0075】
図13は、ラック48Cと角穴車49A及び歯車49Bとの噛合状態を説明する図である。
ラック48Cが前進すると、図13(A)に示すように、一方の側に設けられた歯48C1が角穴車49Aの歯に押されて、他方の歯48C2が歯車49Bの歯と噛み合い、歯車49Bが反時計回り(図13(A)中矢印の方向)に回転する。そして、歯車49Bの回転が歯車49Cを介して角穴車49Aに伝達され、図13(A)に示すように、角穴車49Aが反時計回り(図13(A)中矢印の方向)に回転する。
また、ラック48Cが後退すると、図13(B)に示すように、歯48C2が歯車49Bの歯に押されて、歯48C1が角穴車49Aの歯と噛み合い、角穴車49Aが反時計回り(図13(A)中矢印の方向)に回転する。
すなわち、進退駆動部48の進退運動に伴って、角穴車49Aは一定方向(反時計回り)に回転する。
押圧体駆動部324及び輪列325は、第1実施形態と略同様な構成であり、説明を省略する。
【0076】
次に、第3実施形態における燃料電池システム1の動作を説明する。
燃料供給部32A及び洗浄液供給部32Bの熱変換体47Aの膨張収縮により進退駆動部48がそれぞれ進退運動を実施すると、回転駆動部49により回転運動に変換され、回転駆動部49に噛合する輪列325で増速されながら輪列325の調速ロータ51に伝達される。そして、各ステータ52は、調速ロータ51に固定された永久磁石512が回転することによって、電気エネルギに変換して発電する。制御手段は、この発電により得られた電気エネルギにより起動し、供給手段32の駆動を制御する。
【0077】
制御手段の駆動制御部は、第1実施形態と同様に燃料供給部32A及び洗浄液供給部32Bの各調速ロータ51を制動し、押圧体駆動部324の駆動速度をそれぞれ所定速度に調速し、燃料予備室313及び洗浄液予備室314内に蓄えられた燃料(純メタノール液)及び洗浄液(純水)がチューブ322を介して所定の混合比で燃料電池2に供給される。
そして、制御手段の駆動制御部は、適宜、例えば、所定の洗浄タイミングで洗浄液供給部32Bの調速ロータ51の回転速度を制御して洗浄液供給部32Bからの洗浄液(純水)の供給量を増加させるなどして燃料電池2の燃料室26内に滞留する不純物を排出する。
【0078】
[第3実施形態の効果]
上述した第3実施形態によれば、上記(1)〜(7)、(9)〜(11)と略同様の効果の他、以下のような効果がある。
(15)燃料電池システム1では、供給手段32(燃料供給部32A及び洗浄液供給部32B)におけるエネルギ蓄積手段4は、熱変換体47Aを収納する熱変換体収納部47と、進退駆動部48と、回転駆動部49とを備え、周囲の温度変化による熱変換体47Aの膨張収縮を利用することで、エネルギの蓄積を容易に実施できる。また、エネルギ蓄積手段4は、蓄積した熱エネルギを駆動機構323の駆動力となる機械エネルギに変換するので、エネルギの蓄積及び供給を簡単な構造で実現でき、燃料電池システム1の構造を簡素化して小型化が図れる。
(16)燃料電池システム1では、駆動機構323の駆動力を周囲の温度差から得るようにしたので、外部からエネルギを供給しなくとも、駆動機構323を半永久的に駆動できる。
【0079】
[実施形態の変形]
尚、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形をも含むものである。
前記各実施形態では、洗浄液(純水)を貯蔵して、この貯蔵した洗浄液(純水)を燃料電池2の燃料室26に供給する構成を採用したが、これに限らず、燃料のみを貯蔵して、この貯蔵した燃料を供給する構成を採用してもよい。すなわち、補機3において、洗浄液タンク312、洗浄液予備室314及び洗浄液供給部32Bを省略した構成としてもよい。
この場合には、燃料タンク311には、燃料として、純メタノール液と純水とが所定の混合比で混合された混合液を貯蔵する構成とする。
また、燃料電池2の燃料室26を洗浄する際には、適宜、制御手段が燃料供給部32Aを駆動制御し、適宜、例えば所定の洗浄タイミングで、燃料電池2の燃料室26に通常の燃料の供給量よりも多い燃料を供給するようにすればよい。
このような構成では、補機3をコンパクトな構成とし、燃料電池システム1のさらなる小型化を図れる。
【0080】
前記各実施形態では、燃料電池2は、直接メタノール型燃料電池として説明したが、これに限らず、例えば、燃料電池2を固体高分子型燃料電池(PEFC)として構成してもよい。なお、この場合、燃料電池システム1の補機3に、燃料を改質する改質器を設け、燃料供給部32Aからこの改質器に燃料が流入するように構成する。
このような構成において、タンク31に貯蔵される燃料としては、水酸化ホウ素ナトリウム(NaBH4)と、水酸化ナトリウム(NaOH)と、水(H2O)とが混合した混合液採用できる。なお、燃料としては、この混合液の他、前記各実施形態で用いたメタノール溶液等、その他の燃料を使用してもよい。
【0081】
また、改質器としては、タンク31から供給手段32により移動された混合液を反応させる触媒を収容する触媒収容タンクと、触媒収容タンクにて反応した混合液において水素ガスを固体高分子燃料電池(PEFC)に供給するセパレータ(気液分離膜)とを備えた構成を採用できる。
触媒収容タンクは、例えば、触媒として、水素吸蔵合金であるMg2NiH4を収容する。なお、触媒としては、Mg2NiH4に限らない。固体高分子燃料電池(PEFC)の用途及び燃料に応じて種々のものを採用でき、例えば、その他のマグネシウム系水素吸蔵合金、チタン系またはジルコニウム系金属を用いた水素吸蔵合金、希土類系水素吸蔵合金、ランタン・ニッケル・アルミニウム系及びミッシュメタル・ニッケル・アルミニウム系水素吸蔵合金等を採用できる。
【0082】
前記各実施形態では、燃料供給部32Aは、チューブポンプとして構成されていたが、これに限らず、例えば、シリンジポンプ、ダイヤフラムポンプ等にて構成してもよい。
例えば、シリンジポンプとして構成した場合には、押圧体駆動部324をカム、ラック等で構成してシリンジポンプのピストンを進退移動させて燃料を流入及び流出するように構成すればよい。
同様に、例えば、ダイヤフラムポンプとして構成した場合には、押圧体駆動部324をカム、ラック等で構成してダイヤフラムポンプのダイヤフラムを変形させることで、ポンプ内の容積を増減させ燃料を流入及び流出するように構成すればよい。
【0083】
前記各実施形態では、エネルギ蓄積手段4は、機械エネルギ、位置エネルギ及び熱エネルギのうちのいずれかを蓄積していたが、これに限らず、機械エネルギ、位置エネルギ及び熱エネルギのうちの2つまたは全てを蓄積するように構成してもよい。また、エネルギ蓄積手段4を複数設けるように構成してもよい。
このような構成では、燃料電池システム1を稼動するためのエネルギ量を大幅に増加でき、例えば、燃料または洗浄液の粘性が高く、チューブ322内を流通させるために比較的高いエネルギを必要とする場合などでも、駆動機構323の駆動力を補って、燃料電池2に燃料を良好に供給できる。
前記各実施形態では、洗浄液タンク312は、洗浄液として純水を貯蔵する構成を説明したが、これに限らず、例えば、燃料電池2の燃料室26内に滞留する不純物を洗浄する作用を有する液体を採用してもよい。
【0084】
前記各実施形態では、予備室313,314は、内部に蓄積された燃料及び洗浄液が供給手段32にて吸入されると、内部が負圧となり、燃料タンク311及び洗浄液タンク312から燃料及び洗浄液を吸入して補充する構成を説明したが、これに限らない。例えば、供給手段32の押圧体駆動部324等の駆動に連動し、燃料タンク311及び洗浄液タンク312内に貯蔵された燃料及び洗浄液を予備室に強制的に供給するような機構を備えた構成を採用してもよい。
【0085】
前記第1実施形態では、供給手段(燃料供給部32A及び洗浄液供給部32B)におけるエネルギ蓄積手段4は、ぜんまい41を備えていたが、これに限らず、弾性を有する弾性部材であればよく、例えば、ばね、板ばね、ゴム等にて構成してもよい。
前記第1実施形態において、外部エネルギにより回転自在に構成される回転錘を設け、ぜんまい41を回転錘と連結させ、回転錘の回転によりぜんまい41を巻き上げ可能に構成してもよい。
このような構成では、携帯性を有する電子機器(ノートパソコン、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ、PDA等)に燃料電池システムを搭載した場合に、外部エネルギとして該電子機器の動きに応じた運動エネルギによって回転錘が回転するように構成すれば、電子機器を携帯している人の運動等によりぜんまい41が自動的に巻き上げられ、エネルギ蓄積手段4は機械エネルギを常に蓄積できる。
【0086】
前記第1実施形態において、第2実施形態または第3実施形態における位置エネルギまたは熱エネルギを用いてぜんまい41を巻き上げるように構成してもよい。
例えば、第1実施形態において、第2実施形態にて説明した位置エネルギを蓄積するエネルギ蓄積手段をさらに設ける。そして、このエネルギ蓄積手段と巻き上げ機構326とを接続し、ぜんまい41がほどけた状態において、重錘44の重力の作用による位置の変化を利用して、ぜんまい41を巻き上げる。
また、例えば、第1実施形態において、第3実施形態にて説明した熱エネルギを蓄積するエネルギ蓄積手段をさらに設ける。そして、このエネルギ蓄積手段と巻き上げ機構326とを接続し、ぜんまい41がほどけた状態において、熱変換体47Aの膨張収縮を利用してぜんまい41を巻き上げる。
【0087】
第2実施形態において、第1実施形態または第3実施形態における機械エネルギまたは熱エネルギを用いて位置エネルギを蓄積するように構成してもよい。
例えば、第2実施形態において、第3実施形態にて説明した熱エネルギを蓄積するエネルギ蓄積手段をさらに設ける。そして、重力の作用により重錘44が落下した状態において、熱変換体47Aの膨張収縮を利用してドラム43を回転させ、ロープ45を巻き上げ、エネルギ蓄積手段4に位置エネルギを蓄積する。
また、例えば、第2実施形態において、ドラム43の軸に第1実施形態にて説明したぜんまい41を備えたエネルギ蓄積手段を設け、ぜんまい41を利用してドラム43を回転させてロープ45を巻き上げる。
【0088】
前記第2実施形態では、永久磁石53は、振り子玉327Fの正面側に配置された構成を説明したが、これに限らず、以下のような構成としてもよい。
例えば、永久磁石53を振り子玉327Fの表裏を貫通するように配置してもよい。また、例えば、永久磁石53を振り子玉327Fの両面にそれぞれ配置してもよい。さらに、例えば、永久磁石53を振り子玉327Fの下側に配置してもよい。
【0089】
前記第2実施形態では、永久磁石53のS極及びN極は、振り子玉327Fの厚み方向に向くように配置されていたが、これに限らない。例えば、永久磁石53のS極及びN極を、振り子玉327Fの振動方向に向くように配置してもよい。この際にも、永久磁石53(531,532,533,534)は、振り子玉327Fの振動方向にS極とN極とが交互になるように配置されるとともに、振り子玉327Fの円弧状の振動軌跡に沿って配置される。
【0090】
前記第3実施形態では、熱変換体47Aとしてパラフィンワックスを用いた構成を説明したが、これに限らない。例えば、液体及び気体の相変化で体積が変化するアンモニア、二酸化炭素及び塩化メチル等でもよく、相変化により体積が増減するものであればよい。また、熱変換体47Aの動作温度範囲を適宜変更するために、相変化物質と融点が異なる添加剤を混合してもよい。
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の燃料電池システムによれば、小型化を図るとともに、利便性の向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施形態に係る燃料電池システムを模式的に示す図。
【図2】前記各実施形態における燃料タンク及び洗浄液タンクの概略構成を示す図。
【図3】前記各実施形態における燃料タンク及びカートリッジホルダの断面図。
【図4】前記各実施形態における燃料タンク及びカートリッジホルダの断面図。
【図5】本発明の第1実施形態における供給手段の概略構成を示す図。
【図6】前記実施形態における供給手段の断面図である。
【図7】前記実施形態における供給手段のチューブの配置を説明する図。
【図8】前記実施形態における供給手段の駆動機構の平面図。
【図9】前記実施形態における供給手段の駆動機構の断面図。
【図10】本発明の第2実施形態における供給手段の概略構成を示す図。
【図11】前記実施形態における供給手段の駆動機構を正面側から見た図。
【図12】本発明の第3実施形態における供給手段の概略構成を示す図。
【図13】前記実施形態における供給手段のラックと角穴車及び歯車との噛合状態を説明する図。
【符号の説明】
1・・・燃料電池システム、2・・・燃料電池、4・・・エネルギ蓄積手段、5・・・発電機、32・・・供給手段、41・・・ぜんまい、311・・・燃料タンク(燃料貯蔵部)、312・・・洗浄液タンク(洗浄液貯蔵部)、322・・・チューブ、324・・・押圧体駆動部、324A・・・ボール(押圧体)。

Claims (7)

  1. 燃料貯蔵部から供給される燃料に基づいて電気化学反応を生じ、電気エネルギを出力する燃料電池を備えた燃料電池システムであって、
    弾性部材の変形に伴う弾性エネルギ、位置エネルギ及び周囲の温度変化により膨張収縮する熱変換体の膨張収縮に伴う変位エネルギのうちの少なくともいずれか一つを蓄積して供給するエネルギ蓄積手段と、
    このエネルギ蓄積手段からのエネルギにより前記燃料を前記燃料貯蔵部から前記燃料電池に供給する供給手段と、
    前記エネルギ蓄積手段からのエネルギを電気エネルギに変換する発電機と、
    この発電機にて変換された電気エネルギで駆動されて、前記供給手段の駆動を制御する制御手段と
    前記燃料電池内を洗浄する洗浄液を貯蔵する洗浄液貯蔵部とを備え、
    前記制御手段は、前記供給手段を駆動して前記燃料を前記燃料電池に供給させるとともに、前記洗浄液貯蔵部に貯蔵された洗浄液を前記燃料電池に供給させ、
    前記燃料貯蔵部及び前記洗浄液貯蔵部は、当該燃料電池システムの筐体に対して着脱自在のカートリッジとして構成され、
    前記燃料貯蔵部及び前記洗浄液貯蔵部に貯蔵された燃料及び洗浄液をそれぞれ一時的に蓄積する2つの予備室を備え、
    前記供給手段は、前記燃料貯蔵部及び前記洗浄液貯蔵部からそれぞれ前記2つの予備室に一時的に蓄積された燃料及び洗浄液を前記燃料電池に供給することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 請求項に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記2つの予備室には、前記供給手段にて該予備室から前記燃料電池に燃料及び洗浄液がそれぞれ供給されると、前記燃料貯蔵部及び前記洗浄液貯蔵部から燃料及び洗浄液がそれぞれ補充されることを特徴とする燃料電池システム。
  3. 請求項1または請求項に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記供給手段は、内部に液体が流通するチューブと、このチューブの一部を圧閉しながら移動して前記チューブ内の液体を移動させる押圧体と、この押圧体を移動させる押圧体駆動部とを備えていることを特徴とする燃料電池システム。
  4. 請求項1から請求項のいずれかに記載の燃料電池システムにおいて、
    前記エネルギ蓄積手段は、弾性エネルギを蓄積して供給するぜんまいであることを特徴とする燃料電池システム。
  5. 請求項1から請求項のいずれかに記載の燃料電池システムにおいて、
    前記エネルギ蓄積手段は、物体の位置の変化により得られる位置エネルギを蓄積するとともに、この位置エネルギを前記供給手段の駆動エネルギに変換して供給することを特徴とする燃料電池システム。
  6. 請求項1から請求項のいずれかに記載の燃料電池システムにおいて、
    前記エネルギ蓄積手段は、周囲の温度変化により膨張収縮する熱変換体を備え、前記熱変換体の膨張収縮に伴う変位エネルギを蓄積するとともに、この変位エネルギを前記供給手段の駆動エネルギに変換して供給することを特徴とする燃料電池システム。
  7. 請求項1から請求項のいずれかに記載の燃料電池システムを用いたことを特徴とする機器。
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