JP4487410B2 - ろう付け装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、積層型ダイオードのウェハー同士のろう付け装置に関し、特に、加熱時間が短くて済むろう付け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図10は、積層型ダイオード31の構成を示す一部破砕側面図である。シリコンユニット3Aがウェハー1A同士の積層体よりなり、そのウェハー1Aは、はんだ2Aを介して互いに固着されている。ウェハー1Aには、高圧整流素子とするために不純物が拡散されP側とN側とが形成されている。シリコンユニット3Aの上下にはヘッダーリード4が取り付けらている。シリコンユニット3Aとヘッダーリード4とは、ヘッダーリード4の上下端の一部を残してエポキシ樹脂5でもってモールドされている。このエポキシ樹脂5の表面下部にはカソードマーク6が記され、積層型ダイオード31の方向が表示されている。シリコンユニット3Aは、次に示すように被加熱体から切り出すことによって製造される。
【0003】
図11は、被加熱体の構成を示す斜視図である。被加熱体3が、ウェハーとなる円板状の部品1とはんだ2との積層体よりなる。この被加熱体3は、後述されるように上下から軸方向に圧力が加えられた状態で加熱され、部品1が互いにろう付けされる。
図12の(A)は図11の被加熱体からシリコンユニットを切り出す装置の構成を示す斜視図であり、(B)は図12の(A)の装置によって切り出されたシリコンユニットの構成を示す斜視図である。図12の(A)において、まず、被加熱体3の上部から等間隔に並ぶ複数の並行ワイヤ12が垂直に下げられ、被加熱体3が細長状に切られる。次に、被加熱体3の上部から等間隔に並ぶとともに、並行ワイヤ12とは直交する複数の並行ワイヤ11が垂直に下げられ、被加熱体3が網目状に切られる。それによって、図12の(B)のような、複数のウェハー1Aがはんだ2Aでもってろう付けされたシリコンユニット3Aが形成される。
【0004】
図11に戻り、被加熱体3の部品1同士をろう付けする装置として、従来は図13のような装置が用いられていた。すなわち、図13は、従来のろう付け装置の構成を示す断面図であり、上下の支え板14が支え棒15でもって固定されている。下の支え板14には断熱台13が載置され、断熱台13の上にさらに断熱プレート12が配されている。断熱プレート12の上には、黒鉛などの発熱体9が載せられ、発熱体9の上面に金属プレート8,7を介して被加熱体3が置かれている。一方、上の支え板14には、スライド軸16,18が上下方向に貫通している。スライド軸16,18は、支え板14側に固定されたガイド17,19と摺動することによって上下方向に移動可能である。スライド軸16の下端面には非金属断熱プレート21が固定され、その非金属断熱プレート21の下端部にガラス押さえ23を介してガラス筒22が固着されている。非金属断熱プレート21には、スライド軸18が貫通し、そのスライド軸18は、非金属断熱プレート21側に固定されたガイド26とも摺動するようになっている。また、スライド軸18の下端面には断熱プレート12が固定され、その断熱プレート12の下部にもう一つの発熱体9が固定されている。また、発熱体9の下面にも金属プレート8が固着されている。なお、ガラス筒22上部の内部空間は、非金属断熱プレート21でもって密閉状態になっていて、非金属断熱プレート21を貫通する排気筒20の先には図示されていない排気装置が接続されている。さらに、被加熱体3の外周には加熱コイル10が巻回され、この加熱コイル10の両端が引出し線10A,10Bを介して図示されていない高周波電源に接続されている。後述されるように、高周波励磁された加熱コイル10から発生する磁束でもって発熱体9に渦電流が流れ、その渦電流損によって発熱体9が発熱するようになっている。この発熱体9から伝わる熱でもって、被加熱体3がろう付けされるようになっている。
【0005】
図14は、図13の平面図である。4本の支え棒15が支え板14の四隅にそれぞれ固定されている。また、4本のスライド軸16が非金属断熱プレート21の四隅を貫通している。さらに、1本のスライド軸18が非金属断熱プレート21の中心を貫通している。加熱コイル10の引出し線10A,10Bともに、右側へ引き出されている。
【0006】
図13に戻り、被加熱体3のろう付けはガラス筒22を下げた状態にして実施される。図15は、図13のろう付け装置でもって被加熱体3がろう付けされている最中の状態を示す断面図である。すなわち、スライド軸16でもって非金属断熱プレート21を下げ、ガラス筒22を断熱台13のパッキング部24の上に配する。さらに、スライド軸18を下げることによって、断熱プレート12と発熱体9とを介して被加熱体3を押し圧する。それによって、ガラス筒22内部の下部空間も密閉状態になるので、排気筒から排気することによってガラス筒22内を真空状態にする。この状態で、加熱コイル10を数十kHzの高周波電流で励磁すると、上下の発熱体9に渦電流が流れて発熱体9自体が発熱するようになる。この熱が上下の金属プレート7,8を通して被加熱体3へ伝わり、被加熱体3が加熱される。それによって、図3の被加熱体3のはんだ2が溶融されて部品1同士がろう付けされる。
【0007】
図16は、図13の装置でもって被加熱体3がろう付けされている最中の磁界分布図である。図の上部に加熱コイル10の励磁回路が示されている。すなわち、加熱コイル10の両端に高周波電源25が接続されている。図の下部が磁界分布図であり、左側の枠線27Aが中心軸、下側の枠線27Bが被加熱体3の軸方向の中心線である。26が計算された磁束線である。磁束線26が発熱体9の外周から浸入し、それによって、発熱体9に渦電流が流れるようになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような従来のろう付け装置は、被加熱体3全体が均一に加熱されないという問題があった。
図17は、図15の装置でもって被加熱体3がろう付けされている最中の温度分布図である。図16の磁界分布図と同様に、左側の枠線27Aが中心軸、下側の枠線27Bが被加熱体3の軸方向の中央面である。30が加熱コイル10の励磁後、240秒経った時点における等温度上昇線である。すなわち、発熱体9は、誘導加熱により外周側から温度が上昇するので、被加熱体3へは発熱体9の外周側から熱が伝わってくる。金属プレート8は、元々被加熱体3に均一に熱を伝達させるものであるが、被加熱体3の初期の温度は、枠線27Aと枠線27Bとの交点である中心位置が最も低く、右側になるにしたがって高いが、時間とともに被加熱体3の温度が均一になってくる。等温度上昇線30は、温度上昇1.5℃のピッチで引かれた線であり、熱は矢印31に示されるように等温度上昇線30に直交するようにして流れ込んで来る。
【0009】
図18は、図17の温度分布図における温度上昇の特性線図である。横軸が図17の被加熱体3の枠線27Aからの半径Rが目盛られ、縦軸が温度上昇値である。特性線33が、図17の被加熱体3と金属プレート7との境界面32における温度上昇である。特性線33は右上がりの曲線であるが、被加熱体3の温度分布を平坦にしないとろう付けが局所的に進み部品同士が接着不良になる。そのために、従来は、加熱コイル10への励磁電流を少しずつ大きくするようにして加熱温度を徐々に上げ、被加熱体3が均一に加熱されるのを待ちながらろう付けがなされていた。そのために、被加熱体3のろう付けに非常に長い時間がかかっていた。図18における特性線が平坦であるほど、被加熱体3が均一の温度になる待ち時間が少なくて済み、被加熱体3のろう付け時間を短縮することができる。
【0010】
この発明の目的は、被加熱体3を従来より均一に加熱することのできるろう付け装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明の装置によれば、部品同士の間にはんだが介装されてなる被加熱体の両側から金属プレートを介して発熱体でもって挟持し、前記発熱体の外周側に設けられた加熱コイルが高周波励磁されることによって前記発熱体が誘導加熱され、前記発熱体からの熱が前記被加熱体に伝えられ前記はんだを溶融させることによって部品同士を固着させてなるろう付け装置において、前記金属プレートの外周側に周回状の切り欠き部が形成されてなるようにするとよい。それによって、金属プレートの切り欠き部は熱伝導性の悪い空隙なので、発熱体からの熱はその切り欠き部を介して被加熱体へ伝わり難くなる。そのために、被加熱体への熱は、発熱体の外周側から内部側へ流れた後、金属プレートの内部側を介して被加熱体の内部側へ流れ込むようになる。したがって、被加熱体内部の温度上昇の遅れを改善することができ、被加熱体全体の温度上昇が従来より均一になる。
【0012】
また、部品同士の間にはんだが介装されてなる被加熱体の両側から金属プレートを介して発熱体でもって挟持し、前記発熱体の外周側に設けられた加熱コイルが高周波励磁されることによって前記発熱体が誘導加熱され、前記発熱体からの熱が前記被加熱体に伝えられ前記はんだを溶融させることによって部品同士を固着させてなるろう付け装置において、前記発熱体外周面の前記金属プレート側端部に周回状の切り欠き部が形成されてなるようにしてもよい。それによって、発熱体の切り欠き部は熱伝導性の悪い空隙なので、発熱体からの熱はその切り欠き部を介して被加熱体へ伝わり難くなる。そのために、被加熱体への熱は、発熱体の外周側から内部側へ流れた後、金属プレートの内部側を介して被加熱体の内部側へ流れ込むようになる。したがって、被加熱体内部の温度上昇の遅れを改善することができ、被加熱体全体の温度上昇が従来より均一になる。
【0013】
また、かかる構成において、前記金属プレートの外周側にも周回状の切り欠き部が形成されてなるようにしてもよい。それによって、金属プレートの切り欠き部は熱伝導性の悪い空隙なので、発熱体からの熱はその切り欠き部を介して被加熱体へ伝わり難くなる。そのために、被加熱体への熱は、発熱体の外周側から内部側へ流れた後、金属プレートの内部側を介して被加熱体の内部側へ流れ込むようになる。したがって、被加熱体内部の温度上昇の遅れを改善することができ、被加熱体全体の温度上昇が従来よりさらに均一になる。
【0014】
また、部品同士の間にはんだが介装されてなる被加熱体の両側から発熱体でもって挟持し、前記発熱体の外周側に設けられた加熱コイルが高周波励磁されることによって前記発熱体が誘導加熱され、前記発熱体からの熱が前記被加熱体に伝えられ前記はんだを溶融させることによって部品同士を固着させてなるろう付け装置において、前記発熱体外周面の前記被加熱体側端部に周回状の切り欠き部が形成されてなるようにしてもよい。そのために、被加熱体への熱は、発熱体の外周側から内部側へ流れた後、被加熱体の内部側へ流れ込むようになる。したがって、被加熱体内部の温度上昇の遅れを改善することができ、被加熱体全体の温度上昇が従来より均一になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を実施例に基づいて説明する。図1は、この発明の実施例にかかるろう付け装置の構成を示す要部断面図である。上下双方の金属プレート8の外周面から内径側に向けて凹む周回状の切り欠き部34が形成されている。図1のその他は、図15の従来の構成と同じであり、従来と同じ部分は同一参照符号を付けることによって詳細な説明は省略する。金属プレート8の切り欠き部34は熱伝導性の悪い空隙なので、発熱体9からの熱は切り欠き部34を介して被加熱体3へ伝わり難くなる。そのために、被加熱体3への熱は、発熱体9の外周側から内部側へ流れた後、金属プレート8の内部側を介して被加熱体3の内部側へ流れ込む傾向になる。
【0016】
図19は、図1の構成でもって被加熱体3がろう付けされている最中の温度分布図である。47が図示されていない加熱コイルが励磁された後、240秒経った時点における図1の被加熱体3内部の等温度上昇線である。図19のその他は、図17と同じである。発熱体9からの熱は等温度上昇線47に直交するようにして流れ込み、その流れは、矢印48に示されるように切り欠き部34を避けて金属プレート8の内径側から被加熱体3へ入り込むようになっている。すなわち、矢印48は、図17における矢印31の場合より内径側で被加熱体3へ向くようになっている。
【0017】
図19の温度分布図における温度上昇の特性は図18の中に示されてあり、特性線46となる。この特性線46は、特性線33と同様に、被加熱体3と金属プレート7との境界面32における温度上昇である。特性線46は、従来の特性線33より傾斜がフラットになっており、被加熱体3の温度分布が改善されている。被加熱体3の温度分布が改善された分だけ、被加熱体3全体の温度が均一になる時間がはやまるのでろう付け時間が縮小される。
【0018】
図2は、この発明の異なる実施例にかかるろう付け装置の構成を示す要部断面図である。切り欠き部35が金属プレート8外周の被加熱体3側の端部に形成されている。図2のその他は、図1の構成と同じである。図示されていない加熱コイルが励磁された後、240秒経った時点における図2の被加熱体3内部の温度上昇の特性も図18の中に示されてあり、特性線51となる。この特性線51は、特性線33と同様に、被加熱体3と金属プレート7との境界面32における温度上昇である。特性線51は、特性線46より被加熱体3の外周側の温度上昇の傾斜がフラットになっており、被加熱体3の温度分布がより改善されている。切り欠き部35が被加熱体3側に近づいたので、被加熱体3の外周側に接する金属プレート8の厚さが減るために被加熱体3の外周側への熱伝導が図1の場合よりさらに時間的に遅れる。被加熱体3の温度分布が改善された分だけ、被加熱体3全体の温度が均一になる時間がはやまるのでろう付け時間がより縮小される。
【0019】
図3は、この発明のさらに異なる実施例にかかるろう付け装置の構成を示す要部断面図である。切り欠き部36が金属プレート8の外周の被加熱体3側の端部、および発熱体9側の端部にそれぞれ形成されている。図3のその他は、図1の構成と同じである。図示されていない加熱コイルが励磁された後、240秒経った時点における図3の被加熱体3の温度上昇の特性も、図18における特性線51とほぼ同じであり被加熱体3の温度分布が従来より改善されている。それによって、被加熱体3全体の温度が均一になる時間がはやまるのでろう付け時間が従来より縮小される。
【0020】
図4は、この発明のさらに異なる実施例にかかるろう付け装置の構成を示す要部断面図である。切り欠き部37が金属プレート8の外周の被加熱体3側の端部、および発熱体9側の端部にそれぞれ形成され、金属プレート8の発熱体9側の端部に形成された切り欠き部38が、金属プレート8の被加熱体3側の端部に形成されたものよりも内径側に深く切り欠かれている。図4のその他は、図1の構成と同じである。
【0021】
図20は、図4の構成でもって被加熱体3がろう付けされている最中の温度分布図である。49が図示されていない加熱コイルが励磁された後、240秒経った時点における図4の被加熱体3内部の等温度上昇線である。ただし、等温度上昇線30は、温度上昇0.6℃のピッチで引かれている。熱は矢印50に示されるように等温度上昇線49に直交するようにして流れ込んで来る。図20のその他は、図17と同じである。矢印50は、図19における矢印48の場合よりさらに内径側で被加熱体3へ向くようになっている。図20の図示されていない加熱コイルが励磁された後、240秒経った時点における被加熱体3の温度上昇の特性は、図18に示されてあり、特性線52となる。この特性線52は、特性線33と同様に、被加熱体3と金属プレート7との境界面32における温度上昇である。特性線52は、被加熱体3の温度上昇が全体的にフラットになっており、被加熱体3の温度分布が図2の場合よりさらに改善されている。発熱体3側の切り欠き部37が内径側に深く切り欠かれたので、被加熱体3の外周側への熱伝導が時間的に遅れる。被加熱体3の温度分布が改善された分だけ、被加熱体3全体の温度が均一になる時間がはやまるのでろう付け時間がさらに縮小される。
【0022】
図5は、この発明のさらに異なる実施例にかかるろう付け装置の構成を示す要部断面図である。切り欠き部38が金属プレート8の外周の被加熱体3側の端部、および発熱体9側の端部にそれぞれ形成され、金属プレート8の被加熱体3側の端部に形成された切り欠き部38が、金属プレート8の発熱体9側の端部に形成されたものよりも内径側に深く切り欠かれている。図5のその他は、図1の構成と同じである。図5の図示されていない加熱コイルが励磁された後、240秒経った時点における被加熱体3の温度上昇の特性は、図18の特性線52と同様であり、被加熱体3の温度分布が従来より改善されている。それによって、被加熱体3全体の温度が均一になる時間がはやまるのでろう付け時間が従来より縮小される。
【0023】
図6は、この発明のさらに異なる実施例にかかるろう付け装置の構成を示す要部断面図である。発熱体9の被加熱体3側に金属リング40が接面されている。金属リング40には凹み部40Aが形成され、この凹み部40Aの底部にねじ41が通され発熱体9と金属リング40とがねじ止めされている。金属リング40と被加熱体3側の金属プレート7との間、および金属リング40と内側の金属プレート8との間にそれぞれ隙間が形成され、L字状の切り欠き部39が周回するように構成されている。図6のその他は、図1の構成と同じである。図6の図示されていない加熱コイルが励磁された後、240秒経った時点における被加熱体3の温度上昇の特性は、図18における特性線51とほぼ同じであり被加熱体3の温度分布が従来より改善されている。それによって、被加熱体3全体の温度が均一になる時間がはやまるのでろう付け時間が従来より縮小される。
【0024】
なお、図6の構成において、金属リング40を無くして内径側の金属プレート8だけを設ける構成とした場合でも、被加熱体3の外周側の温度上昇を抑制する効果はあるが、発熱体9と被加熱体3との間での外周側部分での熱伝導性が悪くなり過ぎて被加熱体3の外周側の温度上昇が抑制され過ぎる場合があるという問題がある。これに対して、図6のような外径側に金属リング40が設けられる構成は、金属リング40と被加熱体3側の金属プレート7との間の隙間寸法を調整して外周側部分での熱伝導性を適正なレベルに調整することができるので、被加熱体全体の温度上昇を従来より均一にする上でより好適な構成である。また、図6の構成は、ねじ止め用凹み部の形成された金属リング40と単純な円板状の金属プレート8という比較的簡単な構造の部材を設けるだけでよいという利点がある。
【0025】
図7は、この発明のさらに異なる実施例にかかるろう付け装置の構成を示す要部断面図である。切り欠き部42が金属プレート8外周の発熱体9側の面に、切り欠き部43が金属プレート8外周の被加熱体3側の端部にそれぞれ形成されている。図7のその他は、図1の構成と同じである。切り欠き部42も熱伝導性の悪い空隙なので、発熱体9からのは、発熱体9から金属プレート8への熱が伝わる通路の幅が狭まり、被加熱体3への熱伝導の抵抗になる。図7の図示されていない加熱コイルが励磁された後、240秒経った時点における被加熱体3の温度上昇の特性は、図18における特性線51とほぼ同じであり被加熱体3の温度分布が従来より改善されている。それによって、被加熱体3全体の温度が均一になる時間がはやまるのでろう付け時間が従来より縮小される。
【0026】
図8は、この発明のさらに異なる実施例にかかるろう付け装置の構成を示す要部断面図である。切り欠き部44が発熱体9の金属プレート8側の端部に形成されている。図8のその他は、図1の構成と同じである。切り欠き部44も熱伝導性の悪い空隙なので、発熱体9から熱は、発熱体9から金属プレート8へは発熱体9の内径側から入り込むようになる。図8の図示されていない加熱コイルが励磁された後、240秒経った時点における被加熱体3の温度上昇の特性は、図18における特性線52とほぼ同じであり被加熱体3の温度分布が従来より改善されている。それによって、被加熱体3全体の温度が均一になる時間がはやまるのでろう付け時間が従来より縮小される。
【0027】
なお、図8のような構成において、発熱体9と被加熱体3との間に金属プレート7,8が介装されないで被加熱体3の両側が発熱体9でもって直接挟持されるとともに切り欠き部44が発熱体9の被加熱体3側の端部に形成される構成とすることもできる。このような構成でも、切り欠き部44が熱伝導性の悪い空隙であることから、発熱体9からの熱が発熱体9の内径側から被加熱体3へ入り込むようになるので、図8と同様に、被加熱体3全体の温度が均一になる時間が早まり、ろう付け時間が従来より縮小される。ただし、被加熱体が積層型ダイオードのためのシリコンウェハーとはんだとの積層体である場合には、シリコンと熱膨張係数の近似したモリブデンの板が黒鉛からなる発熱体と前記積層体との間に介装される構成が採用されており、このように、被加熱体の構成によっては、発熱体と被加熱体との間にその被加熱体の構成に適合した金属プレートを介装することが必要となる。
【0028】
図9は、この発明のさらに異なる実施例にかかるろう付け装置の構成を示す要部断面図である。切り欠く部44が発熱体9の金属プレート8側の端部に形成されるとともに、切り欠き部45が金属プレート8の被加熱体3側の端部に形成されている。図9のその他は、図8の構成と同じである。切り欠き部44と45とが熱伝導性の悪い空隙なので、発熱体9からの熱は、発熱体9から金属プレート8へは発熱体9の内径側から入り込むようになる。図9の図示されていない加熱コイルが励磁された後、240秒経った時点における被加熱体3の温度上昇の特性は、図18における特性線52よりさらに平坦になり、被加熱体3の温度分布が図8の場合よりさらに改善される。それによって、被加熱体3全体の温度が均一になる時間がはやまるのでろう付け時間がさらに縮小される。
【0029】
なお、この発明にかかる構成における切り欠き部は、図1ないし図9の実施例に限定されるものではなく、一般的に切り欠き部が金属プレート8あるいは発熱体9の外周側に周回状に形成されてあればよい。
【0030】
【発明の効果】
この発明は前述のように、金属プレートの外周側に周回状の切り欠き部が形成されてなるようにすることによって、被加熱体全体の温度上昇が従来より均一になり、ろう付け時間を短縮することができる。
また、発熱体外周面の金属プレート側端部に周回状の切り欠き部が形成されてなるようにすることによっても、被加熱体全体の温度上昇が従来より均一になり、ろう付け時間を短縮することができる。
【0031】
また、発熱体外周面の金属プレート側の端部、および金属プレートの外周側にそれぞれ周回状の切り欠き部が形成されてなるようにすることによっても、被加熱体全体の温度上昇が従来より均一になり、ろう付け時間をさらに短縮することができる。
また、発熱体外周面の前記被加熱体側端部に周回状の切り欠き部が形成されてなるようにすることによっても、被加熱体全体の温度上昇が従来より均一になり、ろう付け時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例にかかるろう付け装置の構成を示す要部断面図
【図2】この発明の異なる実施例にかかるろう付け装置の構成を示す要部断面図
【図3】この発明のさらに異なる実施例にかかるろう付け装置の構成を示す要部断面図
【図4】この発明のさらに異なる実施例にかかるろう付け装置の構成を示す要部断面図
【図5】この発明のさらに異なる実施例にかかるろう付け装置の構成を示す要部断面図
【図6】この発明のさらに異なる実施例にかかるろう付け装置の構成を示す要部断面図
【図7】この発明のさらに異なる実施例にかかるろう付け装置の構成を示す要部断面図
【図8】この発明のさらに異なる実施例にかかるろう付け装置の構成を示す要部断面図
【図9】この発明のさらに異なる実施例にかかるろう付け装置の構成を示す要部断面図
【図10】積層型ダイオードの構成を示す一部破砕側面図
【図11】被加熱体の構成を示す斜視図
【図12】(A)は図11の被加熱体からシリコンユニットを切り出す装置の構成を示す斜視図であり、(B)は図12の(A)の装置によって切り出されたシリコンユニットの構成を示す斜視図
【図13】従来のろう付け装置の構成を示す断面図
【図14】図13の平面図
【図15】図13のろう付け装置でもって被加熱体がろう付けされている最中の状態を示す断面図
【図16】図13の装置でもって被加熱体がろう付けされている最中の磁界分布図
【図17】図13の装置でもって被加熱体がろう付けされている最中の温度分布図
【図18】図17の温度分布図における温度上昇の特性線図
【図19】図1の構成でもって被加熱体がろう付けされている最中の温度分布図
【図20】図4の構成でもって被加熱体がろう付けされている最中の温度分布図
【符号の説明】
1:部品、1A:ウェハー、2,2A:はんだ、3:被加熱体、3A:シリコンユニット、7,8:金属プレート、9:発熱体、10:加熱コイル、34,35,36,37,38,39,44,43,44,45:切り欠き部
Claims (4)
- 部品同士の間にはんだが介装されてなる被加熱体の両側から金属プレートを介して発熱体でもって挟持し、前記発熱体の外周側に設けられた加熱コイルが高周波励磁されることによって前記発熱体が誘導加熱され、前記発熱体からの熱が前記被加熱体に伝えられ前記はんだを溶融させることによって部品同士を固着させてなるろう付け装置において、前記金属プレートの外周側に周回状の切り欠き部が形成されてなることを特徴とするろう付け装置。
- 部品同士の間にはんだが介装されてなる被加熱体の両側から金属プレートを介して発熱体でもって挟持し、前記発熱体の外周側に設けられた加熱コイルが高周波励磁されることによって前記発熱体が誘導加熱され、前記発熱体からの熱が前記被加熱体に伝えられ前記はんだを溶融させることによって部品同士を固着させてなるろう付け装置において、前記発熱体外周面の前記金属プレート側端部に周回状の切り欠き部が形成されてなることを特徴とするろう付け装置。
- 請求項2に記載のろう付け装置において、前記金属プレートの外周側にも周回状の切り欠き部が形成されてなることを特徴とするろう付け装置。
- 部品同士の間にはんだが介装されてなる被加熱体の両側から発熱体でもって挟持し、前記発熱体の外周側に設けられた加熱コイルが高周波励磁されることによって前記発熱体が誘導加熱され、前記発熱体からの熱が前記被加熱体に伝えられ前記はんだを溶融させることによって部品同士を固着させてなるろう付け装置において、前記発熱体外周面の前記被加熱体側端部に周回状の切り欠き部が形成されてなることを特徴とするろう付け装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000343477A JP4487410B2 (ja) | 2000-11-10 | 2000-11-10 | ろう付け装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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