JP4486641B2 - 中子、鋳造方法及び鋳造用金型 - Google Patents

中子、鋳造方法及び鋳造用金型 Download PDF

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Description

本発明は、少なくとも固定型と、前記固定型に対して接近する方向及び離間する方向に移動する第1可動型と、前記第1可動型の移動方向と交差する方向に移動する第2可動型とを有する鋳造用金型内に中子を収容して鋳造を行うことによって、内部に空間が形成された製品を製造する場合に好適な中子、鋳造方法及び鋳造用金型に関する。
一般に、内燃機関のシリンダブロックに、流体を流通させるためのウォータージャケットを鋳造にて形成するために、ウォータージャケット形成用中子が使用されている。
ウォータージャケット形成用中子を単純に鋳造用金型内に設置して鋳造した場合、鋳造用金型への溶湯の注入時や溶湯の加圧時に、中子が移動したり、溶融中に浮いたりする等の問題があり、精度よくウォータージャケットを形成することができないという課題があった。
そこで、従来では、ウォータージャケット形成用中子の側面、特に、ウォータージャケットの内壁面を形成する外側面に外方に突出する幅木を設け、鋳造用金型のキャビティ内壁に幅木が挿入される穴を設けることで、ウォータージャケット形成用中子の移動や浮きを防止するようにしている(例えば特許文献1参照)。
また、従来では、固定金型と、該固定金型の鉛直面に対して接近する方向及び離間する方向に移動する可動金型を用いてシリンダヘッドを鋳造する場合に、ウォータージャケット形成用中子のうち、前記鉛直面と対向する部分に幅広の保持面積拡張部を設け、ウォータージャケット形成用中子を固定金型に取り付ける際に、固定金型の鉛直面に設けられた凹部に、前記保持面積拡張部をはめ込むようにした例が開示されている(例えば特許文献2参照)。
特開昭61−154753号公報 特開2003−176753号公報
しかしながら、特許文献1に記載のウォータージャケット形成用中子は、外側面に幅木を設け、さらに、鋳造用金型のキャビティ内壁に前記幅木が挿入される穴を設けるようにしているため、鋳造処理にてシリンダブロックを作製したとき、出来上がったシリンダブロックには幅木による孔が形成されることになる。そのため、その後の工程で、前記幅木による孔を塞ぐという処理が必要になり、製造工程の煩雑化、工数の増加につながるという問題がある。
また、特許文献2に記載のウォータージャケット形成用中子は、該中子を固定金型に取り付ける際に、溶湯によって中子が移動しないように、湯口に近接して保持面積拡張部が位置するように取り付けるようにしている。すなわち、保持面積拡張部がはめ込まれる固定金型の凹部を、湯口に近接した位置に設けるようにしている。そのため、中子の前記保持面積拡張部に高温の溶湯が接触することになり、保持面積拡張部がくずれ易くなるおそれがある。保持面積拡張部が高温の溶湯によってくずれた場合、中子の位置決めができなくなり、その結果、中子が移動したり、浮くという現象が生じ、また、くずれた砂が製品に混入し、製品の品質の低下、歩留まりの低下を招くおそれがある。
しかも、特許文献2に記載の発明は、中子の保持面積拡張部における鉛直面に沿った面の法線方向と可動金型の移動方向がほぼ同じであるため、可動金型の一部(先端面)が保持面積拡張部に衝突し、保持面積拡張部がくずれるという問題もある。可動金型の前記衝突を回避するためには、可動金型の先端面が中子の保持面積拡張部に当接する寸前で可動金型の移動を停止させるストッパを別途設ける必要があり、鋳造用金型の構造が複雑になるという問題もある。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、高温の溶湯や可動型の移動によって中子の一部がくずれるという問題を回避することができ、しかも、溶湯の注入時や金型の型締め時に移動したり浮いたりすることを防止することができ、製品に高精度にアンダーカットを形成することができる中子、鋳造方法及び鋳造用金型を提供することを目的とする。
第1の本発明に係る中子は、少なくとも固定型と、前記固定型に対して接近する方向及び離間する方向に移動する第1可動型と、前記第1可動型の移動方向と交差する方向に移動する第2可動型とを有する鋳造用金型内に収容される中子において、前記鋳造用金型内に収容されたとき、前記固定型に向かって張り出す複数の第1張出部と、前記複数の第1張出部のうち、少なくとも1つの第1張出部から前記第2可動型の可動方向に沿って外方に突出する第2張出部とを有し、前記第2張出部は、前記鋳造用金型が閉じられたとき、前記固定型と前記第2可動型によって挟持されることを特徴とする。
この第1の本発明においては、可動型の移動によって中子の一部がくずれるという問題を回避することができ、しかも、溶湯の注入時や金型の型締め時に移動したり浮いたりすることを防止することができ、製品に高精度にアンダーカットを形成することができる。なお、第1張出部は固定型上で中子の水平方向(x方向及びy方向)の動きを規制し、第2張出部は中子の垂直方向(z方向)の動きを規制している。
そして、上述した第1の本発明において、前記第2可動型は、少なくとも互いに接近する方向及び互いに離間する方向に可動する第1可動部と第2可動部とを有し、前記第1可動部と前記固定型で挟持される少なくとも2つの第2張出部と、前記第2可動部と前記固定型で挟持される少なくとも2つの第2張出部とを有するようにしてもよい。
また、前記固定型は、脱気手段につながる吸引口が設けられ、前記第2張出部は、前記吸引口に位置されることが好ましい。この場合、第2張出部は、吸引口に位置されることになるため、湯口に対向して設けることはできないが、第1張出部は湯口に対向していてもよい。
次に、第2の本発明に係る鋳造方法は、少なくとも固定型と、前記固定型に対して接近する方向及び離間する方向に移動する第1可動型と、前記第1可動型の移動方向と交差する方向に移動する第2可動型とを有する鋳造用金型内に中子を収容して鋳造を行う鋳造方法において、前記中子として、前記鋳造用金型内に収容したとき、前記固定型に向かって張り出す複数の第1張出部と、前記複数の第1張出部のうち、少なくとも1つの第1張出部から前記第2可動型の可動方向に沿って外方に突出する第2張出部とを有する中子を使用し、前記鋳造用金型を閉じたとき、前記中子の前記第2張出部を前記固定型と前記第2可動型によって挟持することにより、鋳造を行うことを特徴とする。
この第2の本発明においては、高温の溶湯や可動型の移動によって中子の一部がくずれるという問題を回避することができ、しかも、溶湯の注入時や金型の型締め時に移動したり浮いたりすることを防止することができ、製品に高精度にアンダーカットを形成することができる。
そして、第2の本発明において、前記固定型に設けられた、脱気手段につながる吸引口から吸気し、前記中子を前記鋳造用金型内に収容したとき、前記中子の前記第2張出部を、前記吸引口に位置させて鋳造するようにしてもよい。
通常、中子内には結合剤等のレジンが含まれている。このレジンは、溶湯の熱によって燃焼し、ガスとして中子から放出されることになる。このガスが鋳造用金型内に混入すると、溶湯がガスを巻き込んでしまい、不要な気孔や凹部等が形成されてしまい、製品の外観を著しく損なうという問題がある。
しかし、この発明では、中子の第2張出部を、吸引口に位置させて鋳造するようにしているため、吸引口を介して脱気手段にて中子から放出されるガスを鋳造用金型外に排気でき、ガスの巻き込みのない製品を得ることができる。また、ガスを吸引することによる冷却効果により、高温の溶湯で第2張出部がくずれるという問題を回避することができる。
次に、第3の本発明に係る鋳造用金型は、少なくとも固定型と、前記固定型に対して接近する方向及び離間する方向に移動する第1可動型と、前記第1可動型の移動方向と交差する方向に移動する第2可動型とを有し、中子を収容して鋳造を行う鋳造用金型において、前記中子は、前記鋳造用金型内に収容したとき、前記固定型に向かって張り出す複数の第1張出部と、前記複数の第1張出部のうち、少なくとも1つの第1張出部から前記第2可動型の可動方向に沿って外方に突出する第2張出部とを有し、前記固定型と前記第2可動型は、型締めの際に、前記中子の前記第2張出部を挟持することを特徴とする。
この第3の本発明においては、高温の溶湯や可動型の移動によって中子の一部がくずれるという問題を回避することができ、しかも、溶湯の注入時や金型の型締め時に移動したり浮いたりすることを防止することができ、製品に高精度にアンダーカットを形成することができる。
そして、上述した第3の本発明において、前記固定型は、脱気手段につながる吸引口が設けられ、前記吸引口は、前記中子を収容したとき、前記中子の前記第2張出部が位置されることが好ましい。これにより、吸引口を介して脱気手段にて中子から放出されるガスを鋳造用金型外に排気でき、ガスの巻き込みのない製品を得ることができる。また、ガスを吸引することによる冷却効果により、高温の溶湯で第2張出部がくずれるという問題を回避することができる。
この場合、前記吸引口に、前記第2張出部と接する部分に多孔質体が設置され、
前記多孔質体は排気孔を通じて前記脱気手段につながっていてもよい。また、前記脱気手段として、アスピレータを好ましく採用することができる。
なお、第1〜第3の本発明は、鋳造用金型によって形成される製品が内燃機関のシリンダブロックであり、前記中子によって形成される空間が前記シリンダブロックに設けられたウォータージャケットである場合に好ましく適用される。
以上説明したように、本発明に係る中子、鋳造方法及び鋳造用金型によれば、高温の溶湯や可動型の移動によって中子の一部がくずれるという問題を回避することができ、しかも、溶湯の注入時や金型の型締め時に移動したり浮いたりすることを防止することができ、製品に高精度にアンダーカットを形成することができる。
以下、本発明に係る中子、鋳造方法及び鋳造用金型を例えばシリンダブロックにウォータージャケットを形成する場合に適用した実施の形態例を図1〜図3を参照しながら説明する。
先ず、本実施の形態に係る中子10は、砂中子であって、鋳造用金型によって鋳造成形された図示しないシリンダブロックSB(図3参照)の外壁部と例えば4つのシリンダボアとの間に、ウォータージャケットを形成するものである。
中子10は、図1及び図2に示すように、4つの円筒部(中子の一方の端部10aから他方の端部10bに向かって順番に第1円筒部12a、第2円筒部12b、第3円筒部12c、第4円筒部12dとする)が横方向に配列され、且つ、第1円筒部12aから第4円筒部12dにかけて内部空間14が連通した形状を有する。第1円筒部12a〜第4円筒部12dは、厚みtがほぼ均一とされている。
そして、中子10の下面には、下方に突出する複数の第1張出部16が一体に形成されている。具体的には、第1円筒部12a〜第4円筒部12dについて、それぞれ4つの第1張出部16が形成され、そのうち、2つの第1張出部16がそれぞれ第1円筒部12aの中心を点対称の中心とする位置に形成され、残りの2つの第1張出部16もそれぞれ第1円筒部12aの中心を点対称の中心とする位置に形成されている。
第1張出部16は、第1円筒部12aと第2円筒部12bの境界部分、第2円筒部12bと第3円筒部12cの境界部分、第3円筒部12cと第4円筒部12dの境界部分にもそれぞれ形成されている。
すなわち、第1円筒部12a〜第4円筒部12dの配列方向に沿った中心線mを基準としたとき、中心線mを境とした一方の側壁(4つの円弧状の側壁が連続して配列された側壁)を第1側壁18aとし、中心線mを境とした他方の側壁(4つの円弧状の側壁が連続して配列された側壁)を第2側壁18bとしたとき、第1側壁18aの下面に、11個の第1張出部16がほぼ均等に形成され、第2側壁18bの下面に、第1側壁18aの下面に形成された8つの第1張出部16に対して、中心線mを中心とした線対称の位置に11個の第1張出部16が形成されている。
さらに、第1円筒部12aの下面に形成された4つの第1張出部16のうち、第1側壁18aの下面であって、且つ、中子10の一方の端部10aに近接する第1張出部16と、第4円筒部12dの下面に形成された4つの第1張出部16のうち、第1側壁18aの下面であって、且つ、中子10の他方の端部10bに近接する第1張出部16にそれぞれ外方に突出する第2張出部20が一体に形成されている。
同様に、第2円筒部12bの下面に形成された4つの第1張出部16のうち、第2側壁18bの下面であって、且つ、第3円筒部12cに近接する第1張出部16と、第3円筒部12cの下面に形成された4つの第1張出部16のうち、第2側壁18bの下面であって、且つ、第2円筒部12bに近接する第1張出部16にそれぞれ外方に突出する第2張出部20が一体に形成されている。
一方、本実施の形態に係る鋳造用金型30は、図3に示すように、上面に中子10が載置される固定型としての下型32と、下型32の上方に位置され、且つ、下型32に対して接近する方向及び離間する方向に移動する第1可動型としての上型36と、上型36の移動方向と交差する方向に移動する第2可動型34とを有する。第2可動型は、下型32の上面を摺動する第1摺動型34aと第2摺動型34bとを有する。従って、上型36、第1摺動型34a、第2摺動型34bで可動型が構成される。
下型32の上面には、中子10が載置され、且つ、キャビティを形成する面であるキャビティ面38と、第1摺動型34aが摺動する第1摺動面40aと、第2摺動型34bが摺動する第2摺動面40bとを有する。キャビティ面38と第1摺動面40aとの境界には第1段差42aが形成され、この第1段差42aにて第1摺動型34aの移動が停止するようになっている。同様に、キャビティ面38と第2摺動面40bとの境界には第2段差42bが形成され、この第2段差42bにて第2摺動型34bの移動が停止するようになっている。
下型32のキャビティ面38には、中子10が載置された際に、中子10の第1張出部16がはめ込まれる第1凹部44と、第2張出部20がはめ込まれる第2凹部46とが形成されている。つまり、中子10に形成された第2張出部20は、中子10を下型32のキャビティ面38に載置したとき、第1摺動型34a及び第2摺動型34bの移動方向(可動方向)に沿って外方に張り出した形態となっている。
従って、下型32のキャビティ面38に中子10を載置して、第1摺動型34a及び第2摺動型34bをそれぞれ近接する方向に移動させ、第1摺動型34aが第1段差42aにて停止し、第2摺動型34bが第2段差42bにて停止したとき、第1摺動型34aの一部と下型32とで第1側壁18aにおける第2張出部20(図3では図示せず)が挟持された形になり、第2摺動型34bの一部と下型32とで第2側壁18bにおける第2張出部20が挟持された形になる。
ここで、本実施の形態に係る中子10と鋳造用金型30でシリンダブロックSBを鋳造する場合について説明する。
先ず、上型36を最も上方に位置させた状態とし、第1摺動型34aと第2摺動型34bを互いに離間した状態(最も離間させた状態)からはじめると、最初に、下型32のキャビティ面38に中子10が載置される。このとき、中子10の第1張出部16を第1凹部44にはめ込み、中子10の第2張出部20を第2凹部46にはめ込む。これによって、中子10は下型32上に載置固定されることになる。
その後、第1摺動型34aと第2摺動型34bを互いに近接する方向に移動させ、それぞれ第1段差42a及び第2段差42bの位置で停止させる。このとき、第1摺動型34aの一部と下型32によって第1側壁18aの第2張出部20が挟持され、第2摺動型34bの一部と下型32によって第2側壁18bの第2張出部20が挟持される。
その後、上型36を下方に移動させて、上型36の下面の一部を第1摺動型34aの上面及び第2摺動型34bの上面に当接させる。この段階で、下型32のキャビティ面38、第1摺動型34aと第2摺動型34bの互いに対向する面、及び上型36の下型32と対向する面にて鋳造用金型30にキャビティが形成される。このとき、キャビティ内に中子10が収容された形となっている。
そして、キャビティ内に溶湯を湯口を介して注入して、キャビティ内に溶湯を充填させる。このとき、中子10は第2張出部20が第1摺動型34aと下型32及び第2摺動型34bと下型32で挟持されているため、キャビティ内での移動はなく、上方への浮きも生じない。すなわち、中子10の第1張出部16は下型32上で中子10の水平方向(x方向及びy方向)の動きを規制し、第2張出部20は中子10の垂直方向(z方向)の動きを規制している。
キャビティ内への溶湯の充填が終了した後、上型36をさらに下方に移動させることでキャビティ内の圧力を高める。所定の鋳造時間が経過した時点で、鋳造用金型30を冷却し、キャビティ内の鋳造品が凝固した段階で、上型36、第1摺動型34a、第2摺動型34bを初期位置に戻すことで、シリンダブロックSBが作製されることになる。なお、出来上がったシリンダブロックSBのうち、中子10の第1張出部16及び第2張出部20が位置していた部分を通じて砂を取り出すことで、シリンダブロックSB内にウォータージャケットが形成されることになる。
このように、本実施の形態に係る中子10、鋳造用金型30及び鋳造方法において、中子10は、鋳造用金型30内に収容されたとき、下型32と対向する位置に、第1摺動型34a及び第2摺動型34bの移動方向に沿って外方に張り出す第2張出部20を設けるようにしたので、第1摺動型34aや第2摺動型34bが第2張出部20に衝突するということがない。そのため、別途ストッパを設ける等の鋳造用金型30の構造を複雑にする要因を排除することができ、しかも、第2張出部20のくずれを回避することができる。
また、中子10を下型32に設置し、鋳造用金型30を型締めした際に、中子10の第2張出部20が第1摺動型34a及び第2摺動型34bと下型32とで挟持されるようにしたので、溶湯の注入時や鋳造用金型30の型締め時に中子10が移動したり浮いたりすることを防止することができる。
すなわち、本実施の形態に係る中子10、鋳造用金型30及び鋳造方法においては、第1摺動型34a及び第2摺動型34bの移動によって中子10の一部がくずれるという問題を回避することができ、しかも、溶湯の注入時や鋳造用金型30の型締め時に移動したり浮いたりすることを防止することができ、製品であるシリンダブロックSBに高精度にウォータージャケットを形成することができる。
ところで、中子10は、結合剤等のレジンが含まれている。このレジンは、溶湯の熱によって燃焼し、ガスとして中子10から放出されることになる。このガスが鋳造用金型30のキャビティ内に混入すると、溶湯がガスを巻き込んでしまい、不要な気孔や凹部等が形成されてしまい、製品の外観を著しく損なうという問題がある。
そこで、本実施の形態に係る鋳造用金型30は、図3に示すように、下型32のうち、中子10の第2張出部20がはめ込まれる第2凹部46にそれぞれ吸引口48が設けられ、これら吸引口48が下型32に設けられた排気管50を通じて鋳造用金型30の外部に設置された脱気手段52につながって構成されている。排気管50は、下型32の下面から第2凹部46に向かって例えばドリルを使って第1貫通孔51を設け、さらに、下型32の側面から第1貫通孔51に向かって例えばドリルを使って第2貫通孔53を設けることによって形成することができる。この場合、第1貫通孔51から第2貫通孔53に連通する部分が排気管50として機能することになる。なお、下型32の下面のうち、第1貫通孔51の開口部分は、栓56が溶接によって嵌められることによって封止される。脱気手段52は、1つでもよいし、第2張出部20の個数に合わせて例えば4つ設置してもよい。脱気手段52としては、中子10から放出されるガスを外部に排気できる能力を持っていることが好ましい。
ここで、中子10から放出されるガスの量(ガス発生量)について説明すると、鋳造用金型30への溶湯の注入開始(充填開始)から溶湯が凝固するまでの期間(例えば190秒)に、中子10から放出されるガスの量(ガス発生量)は、中子1g当たり1.2ccであることがわかっている。従って、中子10の総重量を636.8gとしたとき、単位時間当たりに中子10から放出されるガスの量(ガス発生量)は、4.3cc/secとなる。
一般に、脱気手段52として用いられるアスピレータは、エア圧1kgf/cm2としたとき、133cc/secの強制排気を行う能力を有する。すなわち、アスピレータは、中子10から放出されるガスを十分に強制排気できる能力を有する。従って、本実施の形態に係る鋳造用金型30に接続される脱気手段52として、アスピレータを使用することができる。
ここで、1つの実験例を示す。この実験例は、比較例と実施例において、鋳造によって作製されたシリンダブロックSBの外観品質を見たものである。外観品質は目視にて判断した。
比較例は、本実施の形態に係る鋳造用金型30において、鋳造用金型30への溶湯の注入開始(充填開始)から溶湯が凝固するまでの期間にかけて脱気手段52による強制排気を停止した状態で鋳造を行い、実施例は、前記期間にかけて脱気手段52による強制排気を行った状態で鋳造を行った。
実験の結果、実施例は、作製されたシリンダブロックSBに不要な気孔や凹部等が形成されておらず、外観品質は100%であった。一方、比較例は、作製されたシリンダブロックSBに不要な気孔や凹部等が形成されており、外観品質は11%程度であった。
このように、本実施の形態に係る鋳造用金型30においては、本実施の形態に係る中子10の第2張出部20を、吸引口48に位置させて鋳造するようにしているため、中子10から放出されるガスを、吸引口48を介して脱気手段52によって鋳造用金型30外に強制排気でき、ガスの巻き込みのない製品(シリンダブロックSB)を得ることができる。
また、第2張出部20の垂直方向(z方向)は、下型32と第1摺動型34a及び第2摺動型34bにより挟持されているので、溶湯は差し込まないが、水平方向(x方向及びy方向)に関しては隙間が設けられる、あるいは精度を出していない場合があるため、溶湯が差し込むことがある。仕様等によって第2張出部20の近傍に湯口が設けられると、高温の溶湯が第2張出部20の周囲に差し込むかたちになり、その場合、中子10が高温になり、焼失するおそれがある。しかし、上述のように、脱気手段52を設けてガスを引くことで、ガスの流通による冷却効果によって中子10のくずれ、焼失を防止することができる。
このように、本実施の形態に係る中子10、鋳造用金型30及び鋳造方法においては、溶湯を注入した際に、高温の溶湯による中子10の不測のくずれや位置決め不良を回避することができる。また、くずれた砂がシリンダブロックSBに混入することがないため、シリンダブロックSBの品質の低下、歩留まりの低下を招くおそれもない。
上述の例では、ウォータージャケットを形成するための中子を示したが、その他、置中子であれば、上述した実施の形態に限らず、種々の形態をとり得る。
なお、本発明に係る中子、鋳造方法及び鋳造用金型は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
本実施の形態に係る中子を示す斜視図である。 本実施の形態に係る中子を示す底面図である。 本実施の形態に係る鋳造用金型を示す断面図である。
符号の説明
10…中子
12a〜12d…第1円筒部〜第4円筒部
16…第1張出部 20…第2張出部
30…鋳造用金型 32…下型
34a…第1摺動型 34b…第2摺動型
36…上型 38…キャビティ面
48…吸引口 50…排気管
52…脱気手段 SB…シリンダブロック

Claims (11)

  1. 少なくとも固定型と、前記固定型に対して接近する方向及び離間する方向に移動する第1可動型と、前記第1可動型の移動方向と交差する方向に移動する第2可動型とを有する鋳造用金型内に収容される中子において、
    前記鋳造用金型内に収容されたとき、前記固定型に向かって張り出す複数の第1張出部と、
    前記複数の第1張出部のうち、少なくとも1つの第1張出部から前記第2可動型の可動方向に沿って外方に突出する第2張出部とを有し、
    前記第2張出部は、前記鋳造用金型が閉じられたとき、前記固定型と前記第2可動型によって挟持されることを特徴とする中子。
  2. 請求項1記載の中子において、
    前記第2可動型は、少なくとも互いに接近する方向及び互いに離間する方向に可動する第1可動部と第2可動部とを有し、
    前記第1可動部と前記固定型で挟持される少なくとも2つの第2張出部と、
    前記第2可動部と前記固定型で挟持される少なくとも2つの第2張出部とを有することを特徴とする中子。
  3. 請求項1又は2記載の中子において、
    前記固定型は、脱気手段につながる吸引口が設けられ、
    前記第2張出部は、前記吸引口に位置されることを特徴とする中子。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の中子において、
    前記鋳造用金型によって形成される製品が内燃機関のシリンダブロックであり、前記中子によって形成される空間が前記シリンダブロックに設けられたウォータージャケットであることを特徴とする中子。
  5. 少なくとも固定型と、前記固定型に対して接近する方向及び離間する方向に移動する第1可動型と、前記第1可動型の移動方向と交差する方向に移動する第2可動型とを有する鋳造用金型内に中子を収容して鋳造を行う鋳造方法において、
    前記中子として、前記鋳造用金型内に収容したとき、前記固定型に向かって張り出す複数の第1張出部と、前記複数の第1張出部のうち、少なくとも1つの第1張出部から前記第2可動型の可動方向に沿って外方に突出する第2張出部とを有する中子を使用し、
    前記鋳造用金型を閉じたとき、前記中子の前記第2張出部を前記固定型と前記第2可動型によって挟持することにより、鋳造を行うことを特徴とする鋳造方法。
  6. 請求項5記載の鋳造方法において、
    前記固定型に設けられた、脱気手段につながる吸引口から吸気し
    前記中子を前記鋳造用金型内に収容したとき、前記中子の前記第2張出部を、前記吸引口に位置させて鋳造することを特徴とする鋳造方法。
  7. 請求項5又は6記載の鋳造方法において、
    前記鋳造用金型によって製造される製品が内燃機関のシリンダブロックであり、前記中子によって形成される空間が前記シリンダブロックに設けられたウォータージャケットであることを特徴とする鋳造方法。
  8. 少なくとも固定型と、前記固定型に対して接近する方向及び離間する方向に移動する第1可動型と、前記第1可動型の移動方向と交差する方向に移動する第2可動型とを有し、中子を収容して鋳造を行う鋳造用金型において、
    前記中子は、前記鋳造用金型内に収容したとき、前記固定型に向かって張り出す複数の第1張出部と、前記複数の第1張出部のうち、少なくとも1つの第1張出部から前記第2可動型の可動方向に沿って外方に突出する第2張出部とを有し、
    前記固定型と前記第2可動型は、型締めの際に、前記中子の前記第2張出部を挟持することを特徴とする鋳造用金型。
  9. 請求項8記載の鋳造用金型において、
    前記固定型は、脱気手段につながる吸引口が設けられ、
    前記吸引口は、前記中子を収容したとき、前記中子の前記第2張出部が位置されることを特徴とする鋳造用金型。
  10. 請求項9記載の鋳造用金型において、
    前記吸引口に、前記第2張出部と接する部分に多孔質体が設置され、
    前記多孔質体は排気孔を通じて前記脱気手段につながっていることを特徴とする鋳造用金型。
  11. 請求項9又は10記載の鋳造用金型において、
    前記脱気手段は、アスピレータであることを特徴とする鋳造用金型。
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