JP4484657B2 - インクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
一方、水性インク組成物が浸透し難い紙、布類、または浸透しない金属、プラスチック等の素材、例えばフェノール、メラミン、塩化ビニル、アクリル、ポリカーボネートなどの樹脂から製造される板、フィルムなどの記録媒体に印字する場合、インク組成物には、色剤が安定して記録媒体に固着できる成分を含有することが要求される。
また、印刷物に含まれる色材が光(特に紫外線)や空気中の酸化性物質(例えば、オゾンやNOX、SOX、ホルムアルデヒド等)、腐食性物質(例えば、アンモニア等)、さらには、光重合開始剤から発生するラジカルの作用を受けて、分解されしまうことがある。これを防ぐために、インク組成物中に紫外線吸収剤や酸化防止剤を添加することも行なわれた。
紫外線吸収剤はそれ自体が紫外線を吸収する事で光重合開始剤の効率を低下させ、酸化防止剤は光劣化の原因となる活性酸素の影響(それに伴うラジカルの発生)を抑制する。どちらも結果的には重合反応を阻害してしまう。
本発明は、上記従来の技術の欠点を克服し、インクの紫外線硬化反応が阻害されることなく、印刷物に含まれる色材が光や空気中の酸化性物質、腐食性物質、活性酸素由来のラジカルの作用を受けて分解されることがなく、得られる印刷物は、その機械的耐久性に優れ、また印刷物保存性がよく、退色の少ないインクジェット記録方法を提供しようとするものである。
達成され、本発明を成すに至った。
即ち本発明は、以下の通りである。
(1) 記録媒体に、少なくとも色材と紫外線吸収剤と酸化防止剤とを含有するインク組成物Aと、少なくとも重合性官能基を有する微粒子と光重合開始剤と重合性化合物とを含有するインク組成物Bとを付着させてから、紫外線を照射して、印字を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
(2)前記色材が顔料である請求項1記載のインクジェット記録方法。
よって、本発明のインクジェット記録方法によって得られる印刷物は、その機械的耐久性に優れ、また印刷物保存性がよく、退色が少ない。
本発明のインクジェット記録方法は、少なくとも色材と紫外線吸収剤と酸化防止剤とを含有するインク組成物Aと、少なくとも光重合開始剤と重合性化合物と重合促進剤とを含有するインク組成物Bとの、2液を用いる。
なお、インク組成物Aは色材を含んでいることから単に「インク組成物」と称し、インク組成物Bは色材を含んでいないことから「透明インク組成物」と称することもある。
本発明で使用される染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料、など通常インクジェット記録に使用される各種染料を使用することができる。
無機顔料としては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用することができる。
インク組成物Aにおける色材の添加量は、0.1〜25重量%程度の範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜15重量%程度の範囲である。
本発明のインクジェット記録方法に用いられるインク組成物Aに含まれる紫外線吸収剤及び酸化防止剤としては、特に限定されず、公知公用のものを用いることができる。
例えば、紫外線吸収剤としては、ケイ皮酸誘導体(メトキシケイ皮酸オクチル)、ジベンゾイルメタン誘導体(t−ブチルメトキシベンゾイル)、パラアミノ安息香酸誘導体(ジメチルパラアミノ安息香酸オクチル)、ベンゾフェノン系化合物等が挙げられる。ベンゾフェノン系化合物としては、市販品としてKEMISORB 10,11,11S,12,111,1001,1011(登録商標 ケミプロ化成(株)製)が挙げられる。
また1剤で紫外線吸収剤と酸化防止剤としての機能を有するものも使用可能である。このような1剤で紫外線吸収剤と酸化防止剤としての機能を有するものとしては、市販品としてサンメリン(登録商標 三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)が挙げられる。
インク組成物Aにおける紫外線吸収剤と酸化防止剤の添加量は、特に限定されないが0.01〜5.0重量%程度の範囲が好ましく、より好ましくは0.05〜1.0重量%程度の範囲である。
本発明のインク組成物Bに用いられる光重合開始剤は、代表的なものとして、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、ベンジル、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾフェノン、クロロチオキサントン、2−クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、ポリ塩化ポリフェニル、ヘキサクロロベンゼン等が挙げられ、好ましくは、イソブチルベンゾインエーテル、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムである。
本発明のインク組成物Bに含まれるオリゴマーとは、中程度の大きさの相対分子質量をもつ分子で、相対分子質量の小さい分子から実質的あるいは概念的に得られる単位の少数回の繰返しで構成された構造をもつものをいう。また本発明において用いられるオリゴマーは、光重合性プレポリマー、ベースレジンまたはアクリルオリゴマーと呼ばれるものでもある。
本発明において用いられるモノマーは、代表的なものとして、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ヒドロキシピオペリン酸エステルネオペンチンルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート、ジペンタエリストールヘキサアクリレート、アクロイルモルホリン、2−フェノキシエチルアクリレート、フタル酸水素−(2,2,2−トリアクロイルオキシメチル)エチル、ジペンタエリストールポリアクリレート、ジペンタエリストールポリアクリレート、N−ビニルフォルムアミド、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセリンEO付加物トリアクリレート等が挙がられ、好ましくは、アクロイルモルホリン、2−フェノキシエチルアクリレート、フタル酸水素−(2,2,2−トリアクロイルオキシメチル)エチル、ジペンタエリストールポリアクリレート、ジペンタエリストールポリアクリレート、N−ビニルフォルムアミド、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセリンEO付加物トリアクリレートである。
本発明のインク組成物Bにモノマーを含んでなる場合には、インク組成物Bにおけるモノマーの含有量は1〜70重量%程度の範囲、好ましくは3〜50重量%程度の範囲である。
なお、オリゴマーとモノマーは共重合して3次元化する性質を有する。従って、インク組成物Bにおける、オリゴマーまたはモノマーの含有量は、重合効率、重合速度、重合後の耐性収縮率、重合被膜強度等を考慮して定める必要がある。
重合性官能基を有する微粒子の作用機構としては、明確ではないが、紫外線を吸収し開裂した光重合開始剤により生成したラジカルが、微粒子表面に吸着されて安定化し、微粒子表面に導入された重合性官能基及び表面に吸着されたモノマーと容易に反応を開始する事により重合反応を促進するものと推測される。
また、該微粒子が有する重合性官能基としては、特に限定されず、アクリロイル基、メタクリロイル基等が例示され、さらに、1つ以上の二重結合を有する重合性官能基とすることも可能である。
該微粒子の大きさとしては、特に限定されないが、粒径が10〜100nmのものが好ましい。
該重合性官能基を有する微粒子の調製方法は、特に限定されないが、テトラエトキシシラン等のシラン化合物のゾルゲル反応によって、水酸基等を多数有するシリカ微粒子を作製し、該水酸基に重合性官能基を付与できるような化合物と反応させる方法が挙げられる。
本発明のインク組成物Bにおける、該重合性官能基を有する微粒子の含有量としては、特に限定されず、使用形態、条件、インク組成物の粘度と重合性の関係等に応じて適宜選択されるべきものであるが、インク組成物全量に対し10質量%以下であることが好ましい。
また、本発明のインク組成物AおよびBは、25℃での粘度の差が2mPa・s以下であることが、インクジェット記録における取り扱い性上好ましい。
また、本発明のインク組成物AおよびBは、双方とも有機溶剤を含まず、無溶剤型のインク組成物であることが好ましい。
紫外線の照射量は、10mJ/cm2以上、10,000mJ/cm2以下であり、また、好ましくは50mJ/cm2以上、6,000mJ/cm2以下の範囲で行う。かかる程度の範囲内における紫外線照射量であれば、十分硬化反応を行うことができる。
また、紫外線発光ダイオード(紫外線LED)や紫外線発光半導体レーザ等の紫外線発光半導体素子により、紫外線照射を行うことができる。
図1のインクジェット記録装置は、インク組成物Aとインク組成物Bとを記録媒体に付着させる手段と、それらを付着させる手段の駆動系と、記録媒体を移動させる手段と、記録媒体に紫外線照射と加熱する手段と、クリーニング手段と、から構成されている。
本発明の、インク組成物Aを有するインクタンク2aおよびインク組成物Bを有するインクタンク2bとチューブ3で連結された記録ヘッド1a(および1b)は、キャリッジ4に沿ってモータ5で駆動されるタイミングベルト6によって矢印A方向に移動する。その移動の間に、記録ヘッド1aのノズル面からインク組成物Aが吐出され、プラテン8およびガイド9によって記録ヘッド1aと対面する位置に置かれている記録媒体7に付着する。次に記録媒体7は、紙送り方向矢印Bに所定量移送される。その間、記録ヘッド1a(および1b)は図中で矢印Aと逆方向に移動し、記録媒体7の左端の位置に戻る。そして、すでにインク組成物Aが付着している記録媒体に記録ヘッド1bのノズル面からインク組成物Bが吐出されて、印字が行なわれる。印字された記録媒体7はさらに紙送り方向矢印Bに所定量移送されて、紫外線照射手段15による紫外線照射およびヒータ14による加熱処理を受ける。これらの処理を受けた記録媒体7の表面上では、インク組成物Aとインク組成物Bとが硬化反応を起こし色材が記録媒体7上で固着する。印字処理がされた記録媒体7は紙送り方向矢印Bにさらに移送される。なお、本装置には吸引ポンプ11が連結されたキャップ10を有しており、これらの機構によりクリーニング操作が行われる。吸引されたインク組成物等はチューブ12を介して廃インクタンク13に貯められる。
1.インク組成物A
C.I.ピグメントイエロー74(色材) 3.5wt%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1wt%
グリセリン 5wt%
トリエチレングリコール 3wt%
トリエタノールアミン 1wt%
サーフィノール465(界面活性剤、Air Product and Chemicals,Inc製) 1wt%
KEMISORB 11S(ケミプロ化成(株)製、水溶性紫外線吸収剤) 0.5wt%
ルチンK−2(キリヤ化学(株)製、水溶性酸化防止剤) 0.05wt%
イオン交換水 残量
C.I.ピグメントイエロー74(色材) 3.5wt%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1wt%
グリセリン 5wt%
トリエチレングリコール 3wt%
トリエタノールアミン 1wt%
サーフィノール465(界面活性剤、Air Product and Chemicals,Inc製) 1wt%
イオン交換水 残量
上記の組成からなるインク組成物を調製した。調製は下記の要領で行った。
色材である顔料と分散剤とイオン交換水を混合して、サンドミル(安川製作所製)中で、ガラスビーズ(直径1.7mm、混合物の1.5倍量(重量))とともに2時間分散させた。その後、ガラスビーズを分解し、顔料分散液を調製した。
次いで、顔料、分散剤を除く溶剤を混合してインク溶媒として、上記の顔料分散液を攪拌しながらインク溶媒を徐々に液下して、常温で20分間攪拌した後に、5μm孔径のメンブランフィルターで濾過して、インクジェット記録用インク組成物Aとした。
(透明インク組成物1(T1))
N−ビニルフォルムアミド(ビームセット770 荒川化学工業(株)製) 53wt%
トリプロピレングリコールジアクリレート
(アロニックスM−220 東亜合成(株)製) 25wt%
グリセリンEO付加物トリアクリレート
(NKエステル A−Gly−3E 新中村化学(株)製) 10wt%
Irgacure819(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)) 1.5wt%
Irgacure369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)) 3.5wt%
Darocur EHA(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)) 1.0wt%
重合性微粒子1 6.0wt%
シリカゾルIPA−ST(日産化学工業(株)製、シリカ濃度30wt%のイソプロピルアルコール(以下IPAと略す)分散液)88.1重量部を200mL三角フラスコに加え、シランカップリング剤 サイラエースS710(チッソ(株)製)7.9重量部を添加した。マグネティックスターラーで攪拌しながら0.05mol/L濃度の塩酸を4重量部添加し、室温で24時間攪拌しながら反応を行った。その結果、重合性微粒子1を含むIPA分散液Aを得た。
300mL丸底フラスコにN−ビニルフォルムアミド(以下NVF) 70重量部、分散液A 100重量部を加え、ロータリーエバポレーターを用いてIPAを留去し、重合性微粒子1を30wt%含むモノマー溶液Bを得た。
続いて容量100mLの遮光性サンプル瓶に、このモノマー溶液Bを20重量部加え、NVF 39重量部、トリプロピレングリコールジアクリレート 25重量部、グリセリンEO付加物トリアクリレート 10重量部、Irgacure 819 1.5重量部、Irgacure 369 3.5重量部、Darocur EHA 1.0重量部を添加し、マグネティックスターラーで1時間攪拌して透明インク組成物1を調製した。
N−ビニルフォルムアミド(ビームセット770 荒川化学工業(株)製) 59wt%
トリプロピレングリコールジアクリレート
(アロニックスM−220 東亜合成(株)製) 25wt%
グリセリンEO付加物トリアクリレート
(NKエステル A−Gly−3E 新中村化学(株)製) 10wt%
Irgacure819(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)) 1.5wt%
Irgacure369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)) 3.5wt%
Darocur EHA(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)) 1.0wt%
容量100mLの遮光性サンプル瓶にNVF 59重量部、トリプロピレングリコールジアクリレート 25重量部、グリセリンEO付加物トリアクリレート 10重量部、Irgacure 819 1.5重量部、Irgacure 369 3.5重量部、Darocur EHA 1.0重量部を添加し、マグネティックスターラーで1時間攪拌して透明インク組成物2を調製した。
N−ビニルフォルムアミド
(ビームセット770 荒川化学工業(株)製) 52.5wt%
トリプロピレングリコールジアクリレート
(アロニックスM−220 東亜合成(株)製) 25wt%
グリセリンEO付加物トリアクリレート
(NKエステル A−Gly−3E 新中村化学(株)製) 10wt%
Irgacure819(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)) 1.5wt%
Irgacure369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)) 3.5wt%
Darocur EHA(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)) 1.0wt%
KEMISORB 1001(ケミプロ化成(株)製、紫外線吸収剤) 0.5wt%
重合性微粒子1 6.0wt%
遮光性を有する容器にモノマー溶液Bを20重量部、ビームセット770 38.5重量部、アロニックスM−220 25重量部、NKエステル A−Gly−3E 10重量部、Irgacure 819 1.5重量部、Irgacure 369 3.5重量部、Darocur EHA 1重量部、KEMISORB 1001 0.5重量部を添加し、マグネティックスターラーで1時間攪拌、混合して透明インク組成物3を調製した。
N−ビニルフォルムアミド
(ビームセット770 荒川化学工業(株)製) 52.0wt%
トリプロピレングリコールジアクリレート
(アロニックスM−220 東亜合成(株)製) 25wt%
グリセリンEO付加物トリアクリレート
(NKエステル A−Gly−3E 新中村化学(株)製) 10wt%
Irgacure819(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)) 1.5wt%
Irgacure369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)) 3.5wt%
Darocur EHA(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)) 1.0wt%
KEMISORB 1001(ケミプロ化成(株)製、紫外線吸収剤) 1.0wt%
重合性微粒子1 6.0wt%
遮光性を有する容器にモノマー溶液Bを20重量部、ビームセット770 38重量部、アロニックスM−220 25重量部、NKエステル A−Gly−3E 10重量部、Irgacure 819 1.5重量部、Irgacure 369 3.5重量部、Darocur EHA 1重量部、KEMISORB 1001 1.0重量部を添加し、マグネティックスターラーで1時間攪拌、混合して透明インク組成物4を調製した。
N−ビニルフォルムアミド
(ビームセット770 荒川化学工業(株)製) 52.0wt%
トリプロピレングリコールジアクリレート
(アロニックスM−220 東亜合成(株)製) 25wt%
グリセリンEO付加物トリアクリレート
(NKエステル A−Gly−3E 新中村化学(株)製) 10wt%
Irgacure819(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)) 1.5wt%
Irgacure369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)) 3.5wt%
Darocur EHA(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)) 1.0wt%
Irganox 1076
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、酸化防止剤) 1.0wt%
重合性微粒子1 6.0wt%
遮光性を有する容器にOLE_LINK1モノマー溶液Bを20重量部、OLE_LINK1ビームセット770 38重量部、アロニックスM−220 25重量部、NKエステル A−Gly−3E 10重量部、Irgacure 819 1.5重量部、Irgacure 369 3.5重量部、Darocur EHA 1重量部、Irganox 1076 1.0重量部を添加し、マグネティックスターラーで1時間攪拌、混合して透明インク組成物5を調製した。
N−ビニルフォルムアミド
(ビームセット770 荒川化学工業(株)製) 51.0wt%
トリプロピレングリコールジアクリレート
(アロニックスM−220 東亜合成(株)製) 25wt%
グリセリンEO付加物トリアクリレート
(NKエステル A−Gly−3E 新中村化学(株)製) 10wt%
Irgacure819(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)) 1.5wt%
Irgacure369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)) 3.5wt%
Darocur EHA(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)) 1.0wt%
KEMISORB 1001(ケミプロ化成(株)製、紫外線吸収剤) 1.0wt%
Irganox 1076
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、酸化防止剤) 1.0wt%
重合性微粒子1 6.0wt%
遮光性を有する容器にモノマー溶液Bを20重量部、ビームセット770 37重量部、アロニックスM−220 25重量部、NKエステル A−Gly−3E 10重量部、Irgacure 819 1.5重量部、Irgacure 369 3.5重量部、Darocur EHA 1重量部、KEMISORB 1001 1.0重量部、Irganox 1076 1.0重量部を添加し、マグネティックスターラーで1時間攪拌、混合して透明インク組成物6を調製した。
・Irgacure 819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシド)
・Irgacure 369(2−ベンジル−2−ジメチルアミン−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)
・Darocur EHA(2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエート)
OLE_LINK2
(1)透明インク組成物(インク組成物B)の硬化性試験
透明インク組成物1〜6をそれぞれガラス板状に滴下し、照射光源に紫外線LEDを用いた紫外線照射装置により、365nmにおける積算光量が110mJ/cm2になるような硬化条件で印字および硬化処理を行った。この場合の硬化性を外観にて目視評価した。
光源 紫外線LED UCCU033(日亜化学工業(株)製)、
出力100mW、ピーク波長365nm
照射条件22mW/cm2、積算光量110mJ/cm2
○:完全に硬化する。
△:表面又は内部に未硬化の部分がある。
×:一部だけが硬化する。
セイコーエプソン株式会社製インクジェットプリンタPM−G900を利用し、下記表2のインク組成物AおよびBをそれぞれ別のノズル列に充填し、常温・常圧下にて吐出する条件でパターン印刷を実施した。記録媒体には写真用紙<絹目調>(セイコーエプソン(株)製、型番KA420MSH)を用いた。そして排紙口に設置した紫外線照射装置(上記硬化性試験に使用したもの)により、365nmにおける積算光量が110mJ/cm2になるような硬化条件で印字及び硬化処理を行い、続いて耐光性評価を行った。
耐光性試験における光照射はキセノンウエザオメーターCi−5000(ATLAS社製)を使用して行い、照度105W/G(300〜400dyn/cm=約150,000Lux)、温度24℃、湿度60%RHの条件で、サンプル上に空気層と2mm厚のソーダライムガラスを設置した。
光照射前、光照射400時間後および600時間後のO.D.値(光学濃度)をそれぞれ分光光度計GRETAG SPM100(GRETAG社製)を用いて測定し、以下の数式で表わされる相対O.D.値を示した。
相対O.D.値=測定時のO.D.値/初期O.D.値
この相対O.D.値が高いほど(1に近いほど)、耐光性が高いことになる。
評価結果を下記表2に示す。
Claims (2)
- 記録媒体に、少なくとも色材と紫外線吸収剤と酸化防止剤とを含有するインク組成物Aをインクジェット出力し、次いで重合性官能基を有し且つシリカ、アルミナ、チタニア又は酸化カルシウムからなる微粒子と光重合開始剤と重合性化合物とを少なくとも含有するインク組成物Bをインクジェット出力させてから、紫外線を照射して、印字を行うことと、上記インク組成物Aのインクジェット出力とインク組成物Bのインクジェット出力との間に、記録ヘッド主走査方向1往復分程度の時間差を設けることとを特徴とするインクジェット記録方法。
- 前記色材が顔料である請求項1記載のインクジェット記録方法。
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