JP4483836B2 - 燃料噴射ノズル - Google Patents
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Description
従来より、低回転域での噴霧微粒化や、高回転域での高噴射率化を促進するため、開放される噴孔数を噴射量に応じて変更することができる可変噴孔式の燃料噴射ノズルが公知である。
請求項1に記載の燃料噴射ノズルは、筒状に設けられ、軸方向に変位する第1ニードルと、第1ニードルの内周に摺動自在に支持され、軸方向に変位する第2ニードルと、第1、第2ニードルを収容し、第1、第2ニードルとともに先端に向かい燃料が流れる燃料流路を内部に形成するボディとを備える。また、ボディの先端部内側に設けられたシート面に、第1ニードルにより開閉される第1噴孔、および第2ニードルにより開閉される第2噴孔が、燃料の流れる方向に対し上流側から順次に開口し、第1ニードルは、第1噴孔の開口部よりも上流側でシート面に離着することで第1噴孔を開閉し、第2ニードルは、第1噴孔の開口部よりも下流側、かつ第2噴孔の開口部よりも上流側でシート面に離着することで第2噴孔を開閉する。
請求項2に記載の燃料噴射ノズルによれば、第2ニードルには、第2シート部に交差する複数の縦溝が穿設され、複数の縦溝が第2シート部に交差することで、第2シート部が部分的に凹状に窪んでいる。
複数の縦溝により、第2ニードルがシート面から離座したときに、第2噴孔に向かう燃料の流れを乱すことができる。このため、第2噴孔から行われる通常の燃料噴射において、燃料の霧化状態を向上できる。また、第2ニードルがシート面に着座する際、縦溝に残る燃料が潤滑剤として機能するので、第2シート部の摩耗を緩和することができる。
請求項3に記載の燃料噴射ノズルによれば、第2ニードルには、複数の縦溝に交差するとともに、第2ニードルがシート面に着座しているときに第2噴孔の開口部に重なる横溝が穿設されている。
これにより、第2ニードルがシート面に着座しているときに、縦溝の位置と第2噴孔の開口部の位置とが重なっていなくても、縦溝に流入した燃料が、横溝を通って確実に第2噴孔から噴射される。このため、低負荷運転が続いても、第2噴孔の内壁や外部開口部の周縁にデポジットが成長するのを確実に防止することができる。
請求項4に記載の燃料噴射ノズルによれば、ボディには、第2噴孔の開口部と第2被シート部とを接続する溝が穿設され、溝を第2被シート部に接続することで、第2被シート部が部分的に凹状に窪んでいる。
これにより、第2被シート部よりも下流側の燃料流路と第2被シート部よりも上流側の燃料流路とを連通させるための加工を、極めて狭い範囲に限定することができる。つまり、第2噴孔の開口部と第2被シート部との間のように、極めて狭い範囲を穿設するだけで、第2被シート部よりも下流側の燃料流路と第2被シート部よりも上流側の燃料流路とを常に連通させることができる。
さらに、第2ニードルには、複数の縦溝に交差するとともに、第2ニードルがシート面に着座しているときに第2噴孔の開口部に重なる横溝が穿設されている。
実施例1の燃料噴射ノズル(以下、ノズルとする)1の構成を、図1〜図3を用いて説明する。
まず、ノズル1の全体を、図1を用いて説明する。ノズル1は、例えば、周知の電磁弁2とともにインジェクタ3を構成し、燃料を高圧状態で蓄圧するコモンレール4から、高圧の燃料の分配を受け、分配された燃料をエンジン(図示せず)の気筒内に噴射供給する。
なお、背圧室16や燃料流路26からリークした燃料が流入するリーク室24が、別途設けられ、リーク室24の燃料は、燃料流路27を通じてノズル1の外部に流出する。
ここで、シート面9に着座する第1ニードル6の部位を第1シート部29、第1シート部29に着座されるシート面9上の部位を第1被シート部30とし、シート面9に着座する第2ニードル7の部位を第2シート部31、第2シート部31に着座されるシート面9上の部位を第2被シート部32とする。
なお、縦溝38および横溝39は、レーザ加工により簡便に設けることができる。
実施例1のノズル1の作用を、図面に基づき説明する。
まず、電磁弁2が作動して背圧室16の燃料がノズル1の外部に流出すると背圧が低減する(図1参照)。これにより、第1ニードル6において、開方向に作用する付勢力(主に、領域36の燃料圧力による付勢力)が、閉方向に作用する付勢力(主に、背圧による付勢力および第1スプリング22による付勢力)よりも強くなり、図4に示すように、第1ニードル6がシート面9から離座する。
この結果、燃料流路34と燃料流路35および第2噴孔11とが完全に連通し、第2噴孔11からの燃料の噴射量が大幅に増加する。
実施例1のノズル1によれば、燃料流路34と燃料流路35とが常に連通するように、第2シート部31が部分的に凹状に窪んでいる。
これにより、第2シート部31が第2被シート部32に着座していても、第1ニードル6がシート面9から離座すると、微量の燃料が凹状に窪む部分を通過して燃料流路34から燃料流路35に流れ込み、第2噴孔11から噴射される。このため、例えば低負荷運転が続き、第1ニードル6のみがシート面9との間で離着を繰り返す状態が続いても、第1ニードル6がシート面9から離座して第1噴孔10から燃料が噴射されるたびに、第2噴孔11からも微量の燃料が噴射される。この結果、低負荷運転が続いても、第2噴孔11の内壁や外部開口部の周縁にデポジットが成長するのを防止することができる。
複数の縦溝38により、第2ニードル7がシート面9から離座したときに、第2噴孔11に向かう燃料の流れを乱すことができる。このため、第2噴孔11から行われる通常の燃料噴射において、燃料の霧化状態を向上できる。また、第2ニードル7がシート面9に着座する際、縦溝38に残る燃料が潤滑剤として機能するので、第2シート部31の摩耗を緩和することができる。
これにより、第2ニードル7がシート面9に着座しているときに縦溝38の位置と開口部13の位置とが重なっていなくても、縦溝38に流入した燃料が、横溝39を通って確実に第2噴孔11から噴射される。このため、低負荷運転が続いても、第2噴孔11の内壁や外部開口部の周縁にデポジットが成長するのを確実に防止することができる。
これにより、燃料流路34と燃料流路35とを連通させるための加工を、極めて狭い範囲に限定することができる。つまり、開口部13と第2被シート部32との間のように、極めて狭い範囲を穿設するだけで、燃料流路34と燃料流路35とを常に連通させることができる。
実施例1、2のノズル1によれば、燃料流路34と燃料流路35とを連通させる凹状の窪みは、線状の縦溝38や溝41を穿設することで設けられていたが、このような形態に限定されず、種々の形状の穴を設けることで凹状に窪ませてもよい。
また、実施例1、2のノズル1によれば、第2シート部31および第2被シート部32の少なくとも一方が凹状に窪んでいたが、第2シート部31および第2被シート部32の両方を凹状に窪めて燃料流路34と燃料流路35とを連通させてもよい。
さらに、実施例1のノズル1によれば、横溝39が複数の縦溝38に交差するように穿設されていたが、横溝39を穿設せずに縦溝38の本数を増やしたり縦溝38の周方向幅aを拡大する等して、第2ニードル7がシート面9に着座しているときに縦溝38が開口部13に重なるようにしてもよい。
6 第1ニードル
7 第2ニードル
8 ボディ
9 シート面
10 第1噴孔
11 第2噴孔
12 開口部(第1噴孔の開口部)
13 開口部(第2噴孔の開口部)
26 燃料流路
31 第2シート部
32 第2被シート部
34 燃料流路
35 燃料流路
38 縦溝
39 横溝
41 溝
Claims (4)
- 筒状に設けられ、軸方向に変位する第1ニードルと、
この第1ニードルの内周に摺動自在に支持され、軸方向に変位する第2ニードルと、
前記第1ニードルおよび前記第2ニードルを収容し、前記第1ニードルおよび前記第2ニードルとともに先端に向かい燃料が流れる燃料流路を内部に形成するボディとを備え、
このボディの先端部内側に設けられたシート面に、前記第1ニードルにより開閉される第1噴孔、および前記第2ニードルにより開閉される第2噴孔が、燃料の流れる方向に対し上流側から順次に開口し、
前記第1ニードルは、前記第1噴孔の開口部よりも上流側で前記シート面に離着することで前記第1噴孔を開閉し、
前記第2ニードルは、前記第1噴孔の開口部よりも下流側、かつ前記第2噴孔の開口部よりも上流側で前記シート面に離着することで前記第2噴孔を開閉する燃料噴射ノズルにおいて、
前記シート面に着座する前記第2ニードルの部位を第2シート部、この第2シート部に着座される前記シート面上の部位を第2被シート部と定義すると、
この第2被シート部よりも下流側の前記燃料流路と前記第2被シート部よりも上流側の前記燃料流路とが常に連通するように、前記第2シート部および前記第2被シート部の少なくとも一方が部分的に凹状に窪んでいることを特徴とする燃料噴射ノズル。 - 請求項1に記載の燃料噴射ノズルにおいて、
前記第2ニードルには、前記第2シート部に交差する複数の縦溝が穿設され、
この複数の縦溝が前記第2シート部に交差することで、前記第2シート部が部分的に凹状に窪んでいることを特徴とする燃料噴射ノズル。 - 請求項2に記載の燃料噴射ノズルにおいて、
前記第2ニードルには、前記複数の縦溝に交差するとともに、前記第2ニードルが前記シート面に着座しているときに前記第2噴孔の開口部に重なる横溝が穿設されていることを特徴とする燃料噴射ノズル。 - 請求項1に記載の燃料噴射ノズルにおいて、
前記ボディには、前記第2噴孔の開口部と前記第2被シート部とを接続する溝が穿設され、
この溝を前記第2被シート部に接続することで、前記第2被シート部が部分的に凹状に窪んでいることを特徴とする燃料噴射ノズル。
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- 2006-08-07 JP JP2006214430A patent/JP4483836B2/ja not_active Expired - Fee Related
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