JP4479338B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェットプリンタ、特にインク流路内に分離した気泡を分離・滞留させ、この気泡を外部に排出することができるインクジェットプリンタに関する。
製品として薄さを確保するために、キャリッジとしての厚さを薄くしたい、つまりインクタンクをキャリッジに搭載しない構成としたいという要求がある。その要求を満たすためには、キャリッジ外、例えばプリンタフレームにインクタンクを設け、そのインクタンクのインクを、インク供給チューブを介して、キャリッジ上の記録ヘッドに供給する必要がある。
このようなインク供給チューブを用いるインクジェットプリンタでは、チューブを構成する材料の特性から、空気がチューブを透過してインク中に溶解することを避けられない。そのため記録ヘッドの上流側に気泡貯留室を設け、この気泡貯留室においてインク中から分離して気泡を除去する、いわゆる排気パージが必要になる。
インク供給チューブを用いるインクジェットプリンタにおける気泡の除去技術として、記録ヘッドの上部にマニホールド(気泡貯留室に相当)を設け、静止位置側にインクタンクと循環ポンプとを設け、この循環ポンプを駆動させて気泡を除去するように構成したものが知られている(例えば特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の技術では、インクを循環させるために循環ポンプからインクタンクへの戻りチューブが必要となり、装置が大型化・複雑化するという課題がある。
また、インク供給チューブ内で気泡として分離した空気を、キャリッジに搭載したタンクの上部に蓄積し、排気ポンプにより排出し、また、排出後に排気弁によりタンクを密閉するものも知られている(例えば特許文献2参照)。
本発明者は、そのようなインクジェットプリンタにおいて、排気弁構造をできるだけ簡単にしたいという要求を満たすべく研究を重ねた結果、気泡貯留室に連通する排気通路の一部である通路孔内に、その通路孔の軸線方向に沿って弁体を設け、操作部材によってその弁体を変位させることにより、排気通路を連通したり連通遮断したりすることで、気泡貯留室内の気泡を簡単に排出することを可能にした排気弁手段を開発した。
特開2000−103084号公報(段落0026〜0031及び図1参照) 特開2002−240310号公報(段落0006〜0018及び図5参照)
そのように操作部材にて、弁体を移動させる構造では、弁体を移動させて弁開放状態とし、バッファタンク内の気泡を排気する際、気泡と一緒に排出されるインクの一部が、排気弁手段の内部あるいはそれを操作する操作部材の周りなどに残留する場合がある。そして、そのような残留したインクは、記録ヘッドの移動時(あるいは記録時)に、記録媒体上に落下するおそれがある。
本発明は、排気パージの際に排気弁手段の内部に残留したインクを除去して、記録ヘッドの移動時(あるいは記録時)に記録媒体上に残留インクが落下するのを回避したインクジェットプリンタを提供する。
請求項の発明は、ノズルからインクを噴射して被記録媒体に記録を行う記録ヘッドと、その記録ヘッドが搭載され往復移動するキャリッジと、前記記録ヘッドに供給されるインクを貯えるインクタンクと、そのインクタンクから前記記録ヘッドにインクを供給するインク流路と、前記インク流路を通じて供給されたインクを貯留するバッファタンクと、前記バッファタンク内で分離した空気を排気通路を通じて外部に排気可能である排気弁手段とを備えるインクジェットプリンタにおいて、前記排気弁手段を開閉する弁開閉手段と、前記排気弁手段の排気口を密閉可能であるキャップ部材と、前記排気弁手段の排気口を密閉する第1の位置と、前記排気弁手段の排気口から離隔する第2の位置との間で、前記キャップ部材を移動させる第1の移動手段と、前記キャップ部材に接続される吸引ポンプと、前記排気弁手段の前記排気口と通じる大気連通孔と、前記大気連通孔と前記排気口が連通する第1の状態と、前記大気連通孔と前記排気口が連通しない第2の状態とを切り替える連通切替部材と、前記キャリッジ、前記弁開閉手段、前記第1の移動手段、前記吸引ポンプおよび前記連通切替部材を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記キャリッジにより前記記録ヘッドが記録を行わない待機位置に移動させられたときに、前記第1の移動手段により前記キャップ部材を前記第1の位置に移動させ、前記弁開閉手段により前記排気弁手段を弁開放状態にさせるとともに、前記連通切替部材により前記大気連通孔と前記排気口が前記第2の状態になるように切り替えさせ、前記吸引ポンプにより前記バッファタンク内で分離した空気を排気通路を通じて外部に排気する第1の排気動作と、前記キャリッジにより前記記録ヘッドが前記待機位置に移動させられたときに、前記第1の移動手段により前記キャップ部材を前記第1の位置に移動させ、前記弁開閉手段により前記排気弁手段を弁閉止状態にさせるとともに、前記連通切替部材により前記大気連通孔と前記排気口が前記第1の状態となるように切り替えさせ、前記吸引ポンプにより前記
大気連通孔を通じて外部から導入される大気とともに前記排気弁手段の内部を排気する第2の排気動作とを行わせることを特徴とする。つまり、本発明は、バッファタンクの気泡を除去する第1の排気動作に加えて、その排気動作により排気弁手段の内部に残るインクを除去する第2の排気動作を行うものである。

このようにすれば、記録ヘッドが記録を行わない待機位置に移動したときに、キャップ部材を第1の位置に移動させ、排気弁手段の排気口を密閉させる。その状態で、まず排気弁手段を弁開放状態としてバッファタンク内で分離した空気を排気通路を通じて外部に排気する第1の排気動作が行われる。それから弁閉止状態として、外部から導入される大気とともに前記排気弁手段の内部を排気する第2の排気動作が行われ、第1の排気動作の際に、排気弁手段の内部に残留したインクが除去される。
よって、第1の排気動作(排気パージ)の際に、排気弁手段の内部に残留したインクが第2の排気動作によって除去され、記録ヘッドの移動時(あるいは記録時)に記録媒体上に残留インクが落下するのが回避される。

請求項の発明は、請求項記載のインクジェットプリンタにおいて、前記バッファタンクが、複数種類のインクごとに貯留部を有し、前記排気通路および前記排気弁手段は、前記各貯留部ごとに存在し、前記排気弁手段は、弁体の前記排気通路方向の移動により開閉されるものであり、かつ前記排気弁手段のケーシングに前記排気通路方向に移動可能に係止され前記排気弁手段の弁体に対応する複数の操作部を有する操作部材を備え、前記排気弁手段は、可動部材を有しこの可動部材により前記操作部材を前記方向に移動させる第2の移動手段を備え、前記キャップ部材は、前記第1の位置において前記操作部材よりも前記排気通路の下流側に位置し、前記第2の排気動作は、前記操作部材の周りも含めて排気する構成とする。

このようにすれば、排気弁手段のケーシングに排気通路方向に移動可能に操作部材が設けられ、操作部材が前記排気弁手段の弁体に対応する複数の操作部を有するので、第2の移動手段の可動部材により前記操作部材を前記方向に移動させることで、複数の排気弁手段が簡単に同時に開閉される。また、第2の排気動作によって、排気弁手段の内部及び操作部材の周りも排気され、それらに残留したインクが除去される。
請求項の発明は、請求項記載のインクジェットプリンタにおいて、前記排気弁手段のケーシングにガイド孔部が設けられる一方、前記操作部材に前記ガイド孔部にスライド可能に係合する係合部が設けられ、前記ガイド孔部に、前記第1の排気動作時に閉じられる大気連通孔が設けられている構成とする。

このようにすれば、操作部材の係合部が、(排気弁手段のケーシングに設けられる)ガイド孔部にスライド可能に係合することで、係合部とスライド孔部との係合関係で操作部材の移動が案内される。よって排気弁手段の開閉が円滑に行われる。また、そのガイド孔部に第1の排気動作時に閉じられる大気連通孔を設けることで、第1の排気動作に影響を与えることなく、第2の排気動作の際に前記大気連通孔を通じて大気を外部から導入することができる。
請求項の発明は、請求項または記載のインクジェットプリンタにおいて、前記操作部材が、一部の排気弁手段に対してのみ設けられ、残部の排気弁手段に対しては、前記弁体に対応する操作部を有する別の操作部材が設けられている構成とする。この場合、別の操作部材は、移動手段の可動部材によって移動させる必要はなく、移動手段によって直接移動させるものであってもよい。

このようにすれば、排気弁手段を、流通抵抗などに応じて、一部の排気弁手段と残部の排気弁手段とにグループ分けすることで、排気弁手段を、各グループごとに最適の態様で、第1および第2の排気を行うことができる。
請求項の発明は、請求項または記載のインクジェットプリンタにおいて、前記操作部材の係合部が、前記操作部材の中央に配置されている構成とする。

このようにすれば、操作部材の移動を案内する係合部が、操作部材の中央に配置されているので、操作部材が、移動の際に傾いたりすることなく、バランスよく移動する。
請求項の発明は、ノズルからインクを噴射して被記録媒体に記録を行う記録ヘッドと、その記録ヘッドが搭載され往復移動するキャリッジと、前記記録ヘッドに供給されるインクを貯えるインクタンクと、そのインクタンクから前記記録ヘッドにインクを供給するインク流路と、前記インク流路を通じて供給されたインクを貯留するバッファタンクと、前記バッファタンク内で分離した空気を排気通路を通じて外部に排気可能である排気弁手段とを備えるインクジェットプリンタにおいて、前記排気弁手段を開閉する弁開閉手段と、前記排気弁手段の排気口を密閉可能であるキャップ部材と、前記排気弁手段の排気口を密閉する第1の位置と、前記排気弁手段の排気口から離隔する第2の位置と、前記第1の位置と前記第2の位置との間の第3の位置とに前記キャップ部材を移動させる第1の移動手段と、前記キャップ部材に接続される吸引ポンプと、前記弁開閉手段、前記第1の移動手段および前記吸引ポンプを制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記キャリッジにより前記記録ヘッドが記録を行わない待機位置に移動させられたときに、前記第1の移動手段により前記キャップ部材を前記第1の位置に移動させ、前記排気弁手段を弁開放状態として前記バッファタンク内で分離した空気を排気通路を通じて外部に排気する第1の排気動作と、前記キャリッジにより前記記録ヘッドが前記待機位置に移動させられたときに、前記第1の移動手段により前記キャップ部材を前記第3の位置に移動させ、前記キャップ部材と前記排気弁手段との隙間を通じて外部から導入される大気とともに前記排気弁手段の内部を排気する第2の排気動作とを行わせることを特徴とする。
このようにすれば、キャップ部材を排気弁手段の排気口から少し離れた位置として、それらの隙間から導入される大気とともに前記排気弁手段の内部を排気する第2の排気動作を行うので、大気を外部から導入するために排気弁手段のケーシングに大気連通孔などを設ける必要がなくなる。
本発明は、上記のように、バッファタンク内で分離した空気を排気通路を通じて外部に排気する第1の排気動作を行った後に、排気弁手段の排気口をキャップ部材により密閉した状態で前記排気弁手段を弁閉止状態として、外部から導入される大気とともに前記排気弁手段の内部を排気する第2の排気動作を行うようにしているので、第1の排気動作によって排気弁手段の内部に残っているインクを第2の排気動作によって除去することが可能となり、記録ヘッドの移動時(あるいは記録時)に記録媒体上に残留インクが落下するのを回避することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って詳細に説明する。
図1は本発明に係るインクジェットプリンタの主たる構成要素を示す概略構成図、図2はインクジェットプリンタヘッドの底面図、図3は記録ヘッド、補強フレーム、ヘッドホルダ、及びバッファタンクの分解斜視図である。
図1〜図3に示すように、インクジェットプリンタ100は、インクジェットプリンタヘッド1として、ノズル孔からインクを吐出するインクジェット式でかつ薄板形状である記録ヘッド11と、この記録ヘッド11が搭載され合成樹脂材料により形成されるヘッドホルダ12とを備える。このヘッドホルダ12は、用紙P(被記録媒体)に対して移動するキャリッジとして機能する。インクタンク(図示せず)からインク供給チューブ13a〜13d(インク流路)を介して、ヘッドホルダ12に搭載されたバッファタンク14に供給されて一時的に貯留され、それからそのバッファタンク14を経て記録ヘッド11にインクを供給するように構成されている。なお、前記インクタンクは、プリンタフレーム(図示せず)に着脱可能に載置され、記録ヘッド11に供給する大量のインクを貯留するものである。具体的に図示していないが、フルカラー記録のために、複数のインクタンク(個別の色、即ち、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー用のインクタンク)が前記プリンタフレームに設けられている。
ヘッドホルダ12は、前記プリンタフレームの前後において平行に設けられフレーム左右方向に延びる後側ガイド部材2Aと前側ガイド部材2Bとにスライド移動可能に支持されている。後側ガイド部材2Aは、スライド移動方向と直交する断面をほぼL字形に形成され、前側ガイド部材2Bは、スライド移動方向に延びる水平な面を有している。そして、このヘッドホルダ12に、駆動プーリ3Aと従動プーリ3Bとの間に巻き掛けられたエンドレスのタイミングベルト4の一部が連結され、駆動プーリ3Aを駆動モータ5で回転駆動することで、ヘッドホルダ12がタイミングベルト4を介してガイド部材2A,2Bに沿ってフレーム左右方向に往復移動する構成とされている。ヘッドホルダ12の上側部分はカバー24にて覆われている。なお、具体的に図示しないが、周知の用紙搬送機構により、用紙Pは記録ヘッド11の下面側でヘッドホルダ12の移動方向と直交する方向(図1の矢印A方向)に、記録可能な状態で搬送される。また、前記プリンタフレーム内には、後述するメンテナンスユニット70(ノズル面のクリーニングを行い、また、色毎にインクを選択的に吸引するための回復処理、及びバッファタンク14内の気泡(空気)を除去する除去処理を行う)のほか、図示しないインク受け部(記録動作中に定期的にノズルの目詰まり防止のためのインク吐出(フラッシング)を行う)が配設されている。
記録ヘッド11の下面には、図2(記録ヘッド11を下面からみた図)において左側からブラックインク(BK)用のノズル16aの2列と、シアンインク(C)用のノズル16bの列と、イエローインク(Y)用のノズル16cの列と、マゼンタインク(M)用のノズル16dの列とが、ヘッドホルダ12の移動方向(主走査方向)と直交する方向に長く形成されている。そして、用紙Pの上面に対向するように各ノズル16a〜16dが下向きにて露出している。
記録ヘッド11の一端側には、図3に示すように、キャビティユニット17のインク供給口18a〜18dが、上面に列状に開口して各インク色(本実施形態では4色)毎に設けられている。これらインク供給口18a〜18dから延びる各インク供給チャンネルを介してインクが分配され、圧電アクチュエータ19の駆動によりノズル16a〜16dからインクを吐出させるように構成されている。ブラックインク(BK)用のインク供給口18aは、シアンインク(C)用、イエローインク(Y)用及びマゼンタインク(M)用のインク供給口18b〜18dよりも開口面積が大きく形成されている。
記録ヘッド11においては、平面視で圧電アクチュエータ19の外形状をキャビティユニット17の外形状よりも小さくし、キャビティユニット17の背面に圧電アクチュエータ19を積層した際に、インク供給口18a〜18dを含む圧電アクチュエータ19周囲のキャビティユニット17の背面が記録ヘッド11の背面側において露出するようにしている。
圧電アクチュエータ19の上面には、そのアクチュエータ19に電圧を印加するフレキシブルフラットケーブル20が固定されている。フレキシブルフラットケーブル20は、ドライバIC21を備え、バッファタンク14の上側に設けられたプリント基板22(図5参照)に電気的に接続される。プリント基板22は、他のフレキシブルフラットケーブル20’(図1参照)を介してプリンタフレーム側のプリント基板(図示せず)に接続される構成となっている。ドライバIC21は発熱するので、それを冷却するためにアルミニウム合金製のヒートシンク23がドライバIC21に押し付けられ(図6参照)、ドライバIC21がヒートシンク23を介して自然冷却される。
図4〜図6に示すように、バッファタンク14は、本体ケース25の内部を仕切壁にて区画することで、インク色毎に独立した複数の気泡貯留室(貯留部)、つまりブラックインク(BK)用の気泡貯留室31a、シアンインク(C)用の気泡貯留室31b、イエローインク(Y)用の気泡貯留室31c及びマゼンタインク(M)用の気泡貯留室31dを備えている。
バッファタンク14の本体ケース25は、上面を開放した箱状の下ケース26と、その下ケース26の上面を覆って下ケース26に固定された上ケース27とから構成される。下ケース26及び上ケース27は共に合成樹脂材料にて射出成形されたものであり、超音波溶着等にて液密的に結合されている。これら両ケース26,27が結合されることによって気泡貯留室31a〜31dが形成される。なお、気泡貯留室31a〜31dは、それらがそれぞれ1つの単独の室で形成されている場合だけでなく、それぞれの室が分割された複数の室から構成される場合も含まれる。そして、各気泡貯留室31a〜31dは、それらの端部において各インク色毎のインク流出口32a〜32dに連通している。
ヘッドホルダ12の底側の壁である底板12aは、記録ヘッド11の背面とほぼ平行であり、この底板12aの下面に記録ヘッド11が接着されている。また、ヘッドホルダ12の底板12aの上側には、インクを一時的に貯えるバッファタンク14と、このバッファタンク14の気泡貯留室31a〜31d内の空気を排気するための排気弁手段15とが搭載されている。なお、排気弁手段15は、気泡貯留室31a〜31dごとに設けられている。
インク流出口32a〜32dは、下ケース26の下面に並んで位置し、底板12aよりも下方に突出した位置で、下向きに開口している。一方、キャビティユニット17(記録ヘッド11)は、上面に各インク色毎のインク供給チャンネル(マニホールド)の端部と連通した複数のインク供給口18a〜18dを、各インク流出口32a〜32dと対向した位置に備えている。各気泡貯留室31a〜31dのインク流出口32a〜32dは、補強フレーム33に設けたインク通路孔33b〜33eを貫通し、記録ヘッド11の各インク供給口18a〜18dに、ゴムパッキン等の弾性シール材34を介して連通している。
この記録ヘッド11は、その背面に枠状の補強フレーム33を介在させて、ヘッドホルダ12の下側に固定される。補強フレーム33は、記録ヘッド11の背面に沿った偏平な薄板形状で、補強フレーム33内の中央開口部33aの大きさは、平面視で圧電アクチュエータ19の外形状よりも僅かに大きく、かつキャビティユニット17の外形状よりも小さく形成されている。補強フレーム33は、その中央開口部33a内に圧電アクチュエータ19とフレキシブルフラットケーブル20とを位置させるように、キャビティユニット17の背面に接着固定される。
この補強フレーム33は、金属製(例えばSUS430)で、キャビティユニット17よりも厚く、かつ剛性が大きく形成されている。補強フレーム33は、キャビティユニット17のインク供給口18a〜18dに対応する補強フレーム33の一端側の位置に、バッファタンク14のインク流出口32a〜32dと、キャビティユニット17のインク供給口18a〜18dとを接続する4つのインク通路孔33b〜33eが列状に穿設されている。
記録ヘッド11と補強フレーム33との間の段差を解消し記録ヘッド11を保護するために、記録ヘッド11の周囲に位置する平面視コ字形状の保護カバー51が、補強フレーム33に取り付けられている。
また、補強フレーム33の隅部にはネジ穴33f,33gが設けられている。そして、このネジ穴33f,33gに対応させて、バッファタンク14の外周面に外周方向に突出するフランジ状の取付部14aを設け、各取付部14aにそれぞれ取付穴14bが穿設されている。そして、締結部材としてネジ28が、各取付穴14bを通じて、ネジ穴33f,33gにそれぞれ螺合され、これにより底板12aの下面に接着固定された補強フレーム33の上面にバッファタンク14が固定される。
インク流出口32a〜32dが設けられている部位とは反対側の部位に、バッファタンク14(詳しくはバッファタンク14の上ケース27)の側面からフランジ状のタンク延長部27aが側方に突出している。そのタンク延長部27aには、図3及び図4に示すように各インク色毎のインク流路、すなわちブラックインク(BK)用、シアンインク(C)、イエローインク(Y)用及びマゼンタインク(M)用の各インク流路35a,35b,35c,35dが独立して形成され、それらの下流端が気泡貯留室31a〜31dにそれぞれ連通されている。上ケース27のタンク延長部27aの下側には、そのタンク延長部27aに対応して、ヘッドホルダ12のホルダ延長部12bが設けられている。このホルダ延長部12bは、バッファタンク14が収納される箱形状のホルダ本体12cの上端部から、タンク延長部27aに対応して延びている。両延長部27a,12bの先端部分に対して、各インク色毎のインク流路を有するチューブジョイント36がばね37により弾性的に取り付けられている。これにより、インク流路35a〜35dの上流端がチューブジョイント36内部の各インク流路に連通している。
そしてチューブジョイント36は、内部の各インク流路に連通するチューブ接続口部36a〜36dを有し、このチューブ接続口部36a〜36dに、一端部が前記インクタンクに連通するインク供給チューブ13a〜13dの他端部が着脱可能に接続されている。また、チューブジョイント36には、プリント基板22とプリンタフレーム側のプリント基板(図示せず)とを接続するためのフレキシブルフラットケーブル20’を係止する係止部36eが一体に設けられている。
また、上ケース27の上面側には、それぞれ気泡貯留室31a〜31dの上部空間部に一端部が連通する排気通路41a〜41dが各インク色毎に(4つ)独立して凹み形成されている。この排気通路41a〜41dの他端部は、本体ケース25を横切って延び、排気弁手段15に連通している。なお、各排気通路41a〜41dは、それらの開放上面を可撓性膜43で覆うことで画定されている。
続いて、バッファタンク14内で分離した空気を排気通路41a〜41dを通じて外部に排気可能である排気弁手段15について、図6〜図8に沿って説明する。
排気弁手段15のケーシングは、複数の排気弁手段15に対して一連の形状をなし、下ケース26の一側に一体に形成された下ケーシング26gと、その下ケーシング26gの上部を覆うように上ケース27の一側を延長して一体形成された上ケーシング27hとからなる。下ケーシング26gに形成される排気孔42a〜42dは、上下方向に長くかつ上下に開口するもので、相互に平行に延び、インク色毎に(4つ)形成されている。各排気孔42a〜42dは、それぞれ、上側の大径孔部42Aと、下側に位置する小径孔部42Bとを有し、それらが連通口42Cを通じて連通している。上ケース27の排気通路41a〜41dは、上ケーシング27hまで延び、排気孔42a〜42dの各大径孔部42Aの上端に連通している。
弁体44は、大径の弁部44aと、その下端に一体に連接される小径のバルブロッド44bと、このバルブロッド44bに被嵌(嵌合)されたリング状のシール材44cとを備える。弁部44aは、バルブロッド44bよりも大径とされ、シール材44cが弁部44aに接触している。弁部44aは、シール材44cを介して、大径孔部42Aの底面であり小径孔部42Bの上端開口部である連通口42Cの周囲の開口端面42Dと対向する。そして、排気孔42a〜42dの大径孔部42Aには大径の弁部44aが、小径孔部42Bにはバルブロッド44bが、それぞれ空気(気体)の流通を可能にする隙間を残して挿入される。これにより、弁体44が排気通路方向(排気通路の一部である排気孔42a〜42dの延びる方向)において排気孔42a〜42d内に移動可能に支持されている。弁体44は、後述するように弁開放時に押し上げピン部76b(操作部)によって押し上げられるため、バルブロッド44bの下端が小径孔部42Bの下端開口部近傍まで延びている。なお、シール材44cとしては、ゴム状の弾性体のパッキン等が好適であり、この実施形態では、シール材44cとしてOリングが用いられる。
大気に連通する連通口42Cの開口端面42Dが弁座面となり、この開口端面42Dと弁部44aとの間にシール材44cが配置される。よって、連通口42Cは、シール材44cを介して、弁部44aによって開閉される。
また、大径孔部42Aの内部には、連通口42Cを閉塞する方向に弁体44(弁部44a)を付勢する付勢手段として、コイルスプリング45が嵌挿されている。コイルスプリング45の上端部は上ケース27の係合凸部27bの外側に嵌合され、下端部は弁部44a上側の凹部44aa内に嵌挿されている。そして、コイルスプリング45によって、シール材44cが開口端面42Dに当接する方向に弁体44(弁部44a)が付勢され、後述する押し上げピン部76bによる押し上げ力が弁体44に作用しない通常時は、排気弁手段15は、連通口42Cが閉じる弁閉止状態となる。
弁体44は、具体的には図7(a)(b)に示すように、弁体44の移動方向(排気通路方向(排気通路の延びる方向))と直交する方向に関して、バルブロッド44bの切断面が、この切断面と前記移動方向に伸びる軸線とが交差して作る交点部44eから5つ(複数)の突出面部44fが放射状に突出して構成される。そして、前記切断面の外形形状が交点部44eを中心とする回転対称形であり、バルブロッド44bは、突出面部44fと同数の溝部44dを備える。溝部44dは、バルブロッド44bの全長にわたって形成されている。ここで、突出面部44fの数は、5つに限らず、回転対称形で、複数であればよい。
このバルブロッド44bに形成された(5つの)溝部44dが、弁部44aとシール材44cとが離れたとき、バルブロッド44bとシール材44cとの間に空気の流れを許容する通路として機能する。
メンテナンスユニット70は、図6に示すように、記録ヘッド11のノズル16a〜16dの開口面を密閉可能である第1のキャップ部材71と、排気弁手段15の排気口(すなわち各小径孔部42Bの下端開口)を密閉可能である第2のキャップ部材72とを備える。これらは、一定間隔を存して一体に連結されている。なお、キャップ部材72は、各排気弁手段15の下端開口を個別に密閉可能である構成としてもよい。
両キャップ部材71,72は、公知のメンテナンスユニットと同様の構造の第1の移動装置73Aにより上下動する構成とされている。メンテナンスのために記録ヘッド11のノズル面を密閉する第1のキャップ部材71と、排気弁手段15の開口端(開口端付近に設けられる操作部材76を含めて)を密閉する第2のキャップ部材72とを、1つの移動装置73Aで移動させることができるようになり、それらを密閉するキャッピング動作と、それらから離れるキャッピング解除動作とを行う機構が簡単になる。
この移動装置73Aは、後述する制御手段82による制御によって、記録ヘッド11(ヘッドホルダ12)が、記録を行わない待機位置に移動したことを位置検出センサ83によって検出されると、待機位置にある記録ヘッド11のノズル面及び排気弁手段15の排気口をそれぞれ密閉する第1の位置までキャップ部材71,72を上昇させ、記録ヘッド11が他の位置(待機位置以外の位置)にあるときは、前記第1の位置より下降(後退)して記録ヘッド11のノズル面及び排気弁手段15の排気口から離隔する第2の位置に下降させている。
また、第1のキャップ部材71は、公知のメンテナンスユニットと同様に吸引ポンプ74に接続され、吸引ポンプ74の駆動によりノズル16a〜16dから増粘したインクや異物が吸引除去される。
図8及び図9に示すように、各排気弁手段15を操作する操作部材76は、各排気弁手段の小径孔部42Bに対応して突出した複数の押し上げピン(操作部)76bを、各排気弁手段15の配列方向に延びる基部76aから突出して形成され、下ケーシング26g内に移動可能に設けられている。つまり、各排気弁手段15の下端開口を相互に連通させる凹部26cが下ケーシング26gに形成され、この凹部26c内に操作部材76の基部76aが収容され、押し上げピン部76bが各小径孔部42B内に排気通路方向に移動可能なるように挿入されている。各押し上げピン部76bは、前記方向の移動によって弁体44を押して連通口42Cを開放することにより、排気弁手段15を弁開放状態とする。なお、操作部材76の基部76aの外周と凹部26cの内周との間、及び各ピン部76bの外周と排気孔42a〜42dの内周との間には、隙間が形成され、その隙間を通じて各排気孔42a〜42dは、下ケーシング26gの下面に開放されている。基部76aの下面の幅(キャリッジ移動方向の幅、すなわち図6のおいて表れる幅)は、各排気孔42a〜42dの同方向の径よりも大きく形成されている。
また、操作部材76(基部76a)は、それの下部が凹部26cから露出しているが、露出する下面(一面)は、それと並んで設けられている記録ヘッド11のノズル面(ノズル16a〜16dが開口する面)とほぼ同一面上にある。それらがほぼ同一面上にあることから、ノズル面と操作部材76の下面とを連続してクリーニング(払拭)することを容易にし、また、ヘッドホルダ12の移動時に用紙Pとの干渉の問題は生じない。
また、操作部材76の中央には、押し上げピン部76bと平行に突出する係合部76cが設けられている。一方、下ケーシング26gに排気孔42a〜42dの中心軸線と平行にガイド孔部26aが設けられている。このガイド孔部26aに係合部76cが空気流通可能な隙間をもってスライド可能に係合して、それらの係合関係で操作部材76が排気通路方向に案内されつつ移動する構成とされている。そして、係合部76cの大径頭部が、ガイド孔部26aの上端開口部の外縁に当接することで、操作部材76が下ケーシング26gに保持されるので、操作部材76はヘッドホルダ12と一緒に移動することになる。つまり、操作部材76は、下ケーシング26gの下部に内蔵されている。
このガイド孔部26aの上端には、大気(外気)に連通される大気連通孔26bが形成され、排気パージ時には、操作部材76に設けられ押し上げピン部76bよりさらに上方に延びる閉塞部76dによってシール部76eを介して大気連通孔26bが閉塞される(図9参照)構成とされている。
この操作部材76(押し上げピン部76b)は、弁開閉手段73B(第2の移動手段)の可動部材73aによって上下動する構成とされている。この可動部材73aは、第2のキャップ部材72の底部を貫通して上下スライド可能に支持され、操作部材76のほぼ中央部を押す(押し上げる)ことで、操作部材76を傾けることなく移動させる。
そして、記録ヘッド11が記録を行わない待機位置に移動し、キャップ部材71,72が、それぞれ上昇して、キャップ部材71が記録ヘッド11のノズル面を密閉し、キャップ部材72が凹部26cを囲む下ケーシング26gの下面に密着、即ち排気弁手段15の排気口を密閉したとき、第2の移動手段73Bによりバルブロッド44bが、操作部材76の押し上げピン部76bによって上方に押し上げられる。このとき、シール材44cは、図9に示すように、弁部44aと一緒に移動し、排気孔42a〜42dは溝部44dを通じて連通状態となり、つまり連通口42Cが開放され、弁開放状態となる。この弁開放状態では、気泡貯留室31a〜31dの気泡が排気通路41a〜41dから排気孔42a〜42d、第2のキャップ部材72及び吸引ポンプ74を介して、大気へ排気可能となるのである。なお、例えばシール材44cが接触する開口端面42Dとそのシール材44cとの間にインクが付着することにより、弁開放時に、バルブロッド44bだけが上昇し、シール材44cが開口端面42D上に残るという現象が生じても、前述したように溝部44dを通じて連通口42Cが開放されているので、排気は可能である。よって、気泡貯留室31a〜31d内に気泡(空気)が溜まり続けるということがなく、その気泡(空気)が記録ヘッド11の方に移動することもないので、正常な記録(印字)が妨げられることもない。なお、シール材44c(Oリング)の周辺に残ったインクが増粘して排気弁手段15が開放しない等の不具合に対しては、上記待機位置において、排気弁手段15の下端開口を常時キャッピングすることで回避できる。また、大気連通孔26bを迷路状として、乾燥防止と吸引との両立を図ることも可能である。
第2のキャップ部材72は、第1のキャップ部材71と共通の流路を介して吸引ポンプ74に接続されている。そして排気弁手段15の排気口を密閉した状態で、吸引ポンプ74の駆動により各気泡貯留室31a〜31d内に蓄積した気泡が一括して吸引され大気に排出することが可能となる。
このように、インクタンクからインク供給チューブ13a〜13dを通して記録ヘッド11に供給されるインクを、そのインク流路の途中となる気泡貯留室31a〜31d内に一旦貯留することで、インク中から気泡を分離浮上させ、気泡貯留室31a〜31dの上部に蓄積した気泡を吸引ポンプ74により排出することができる。
第1のキャップ部材71と第2のキャップ部材72は、切替弁75により択一的に吸引ポンプ74に接続される。第1のキャップ部材71と第2のキャップ部材72とが、移動装置73Aの作動により記録ヘッド11のノズル面及び排気弁手段15の排気口を同時に密閉し、メンテナンスが行われる。望ましいメンテナンスの手順は次の通りである。まず第2のキャップ部材72を通して気泡貯留室31a〜31dの上部に蓄積した気泡を排出し、その後、第1のキャップ部材71を通してノズル16a〜16dからインクを吸引除去する。ここで、第2のキャップ部材72により気泡の排出を行うのは、仮に第1のキャップ部材71のみで記録ヘッド11側から気泡貯留室31a〜31dの気泡を排出しようとすると、多量のインクを排出しなければならないが、上記のようにすることで、少ないインク排出量で、気泡の排出及び記録ヘッドの回復処理を行うことができるからである。
また、メンテナンスは、気泡貯留室31a〜31dの気泡の排出及びノズル16a〜16dからのインク吸引を順に行うだけでなく、ノズル16a〜16dからのインク吸引のみ、または気泡貯留室31a〜31dの気泡の排出のみを、それぞれ単独で行うこともできる。
上述した排気動作の制御は、メンテナンスユニット70(第1の移動手段73A、第2の移動手段(弁開閉手段)73B、吸引ポンプ74、切替弁75および位置検出センサ83)に接続される制御手段82によって行われる(図6参照)。つまり、記録ヘッド11が待機位置に移動したことが位置検出センサ83によって検出されると、第1の移動手段73Aによってキャップ部材72を(キャップ部材71と一緒に)第1の位置に移動させる。それとともに第2の移動手段73Bによって操作部材76を排気通路方向に移動させて、弁体44を開方向に移動させ、4つの排気弁手段15を同時に弁開放状態とする。また、同時に大気連通孔26bも閉塞部76dによって閉状態とする。この状態で、吸引ポンプ74を駆動して、バッファタンク14内で分離した空気を排気通路41a〜41dを通じて外部に排気する第1の排気動作を行う。この第1の吸引動作の終了後、可動部材73aを下降させて操作部材76を重力あるいはコイルスプリング45により下降させ各排気弁手段15を弁閉止状態としてバッファタンク14内と外部との連通を遮断し、大気連通孔26bを通じて外部から導入される大気とともに排気弁手段15の内部(具体的には連通口42C下流側)及び凹部26c内を排気する第2の排気動作を行わせる。これにより、連通口42Cや小径孔部42B、操作部材76の周りなどに残ったインクが大気とともに吸引される。この後、切替弁75が切り替えられ、記録ヘッド11のノズル面を通じての吸引動作が行われ、図示しないが公知の払拭部材(ワイパーブレード)により、ノズル面、操作部材76の下面、その操作部材76の下面周りの下ケーシング26gの下面が払拭され、インクが除去される。
記録ヘッド11が、待機位置以外の位置にあって記録が行われている通常時には、排気弁手段15は、弁閉止状態にある。このとき、上記のように排気弁手段の内部及び操作部材76の周りにはインクは残っていないから、記録中に落下するようなことはない。
前記実施の形態のほか、本発明は次のように構成することも可能である。
(i)前記実施の形態では、排気弁手段15の弁体44が上下方向に移動する場合について説明しているが、弁体の移動方向は上下方向に限られず、上下方向以外の他の方向とすることもできる。
(ii)第2の排気動作時に外部から大気を導入するために大気連通孔26bは必ずしも設ける必要はなく、例えば図10に示すように、前記第1の排気動作の後、第2のキャップ部材72を下ケーシング26gの下面から微小間隙Sをあける位置まで下降させて第2の排気動作を行わせる。つまり、その微小間隔Sを通して大気を吸引しながら、連通口24C及び凹部26c内に残るインクを除去する構成とすることも可能である。なお、操作部材76’の係合部76c’には、貫通孔76caを設け、前記第2のキャップ部材72が下ケーシング26gの下面から離れた後であって第2の排気動作を行う前に、大気圧が貫通孔76caを通じて操作部材76’の上側にも作用するようにして操作部材76’が下降するのを容易にしている。
(iii)操作部材76の係合部(案内部)は、操作部材76の中央部に設けるほか、図11に示すように、操作部材76''の両端に係合部76c''を対称に設け、ガイド孔部26a''にスライド可能に係合させることもできる。この場合、図示しないが、図8に示す構成と同様に、大気連通孔26b’’に対向する閉塞部76bを設け、排気弁手段15を開放したとき、大気連通孔を閉塞させる。また、操作部材76’’の各押し上げピン部76b’’を、小径孔部42Bの内周に沿って摺動可能な大きさに形成することで、その複数箇所の摺動により操作部材76’’を傾くことなく、上下動することができる。この場合、各押し上げピン部76b’’と小径孔部42Bの内周との間に、排気通路を確保するために、押し上げピン部76b’’の断面形状は、バブルロッド44bの断面形状と同様に外周に溝部を有する。
(iv)1つの操作部材にてすべての排気弁手段を開閉させる必要はなく、例えば図12に示すように、1つの操作部材76'''は一部の排気弁手段(図12において左側の3つの排気弁手段)に対してのみ設け、残部の排気弁手段(図12において右側の1つの排気弁手段)に対しては、別の操作部材82を設け、そして、操作部材76’’’と操作部材82は、それぞれ異なる移動手段73a、84によってそれぞれ独立して操作する構成とすることができる。この図12の場合、インクの消費量が多い黒インクに対するインク供給チューブ、気泡貯留室、排気通路が、消費量が少ない他の色のインクに対するそれよりも流路抵抗を小さく設定されているため、その流路抵抗の相違に対応した最適の態様で排気を行うことができるように、排気弁手段を2つのグループに分け、排気を別々に行うようにしている。ここで、キャップ部材72’は、前記一部の排気弁手段を密閉する部分と前記残部の排気弁手段を密閉する部分とが隔壁部72aによって仕切られ、切替弁81によっていずれかの部分を選択的に吸引ポンプに接続することで、個別に独立して排気を行うことができる構成とされている。係合部76c'''がガイド孔部26a'''にスライド可能に係合している点、操作部材76'''が下ケースの凹部26c'''内に動作可能に収納されている点は前述した実施の形態と同一である。操作部材82は、図12の紙面において直交する方向の両端において、図示しないが操作部材76と同様に係合部を有し、ガイド孔部にスライド可能に係合して支持されている。
(v)吸引ポンプ74の吸引動作に代えて、インクタンク側から、インクに正圧を加えて、ノズル16a〜16dから増粘したインクや異物を吸引除去したり、気泡貯留室31a〜31dの気泡を排出することもできる。あるいは、吸引動作とインクヘの正圧印加を併用することもできる。
本発明に係るインクジェットプリンタの主たる構成要素を示す概略構成図である。 インクジェットプリンタヘッドの底面図である。 記録ヘッド、補強フレーム、ヘッドホルダ、及びバッファタンクの分解斜視図である。 本発明に係るインクジェットプリンタヘッドを、一部を断面で示す平面図である。 図4のV-V線における断面図である。 図4のVI-VI線における断面図である。 (a)(b)はそれぞれ弁体の実施の形態を示し、(a)は一部断面正面図、(b)は底面図である。 図4のVIII-VIII線における断面図である。 動作説明図である。 別の実施の形態を示す図9と同様の図である。 さらに別の実施の形態を示す図8と同様の図である。 変形例についての実施の形態を示す図8と同様の図である。
符号の説明
P 用紙
100 インクジェットプリンタ
11 記録ヘッド
12 ヘッドホルダ
14 バッファタンク
15 排気弁手段
16a〜16d ノズル
26a ガイド孔部
26b 大気連通孔
26c 凹部
26g 下ケーシング
31a〜31d 気泡貯留室(貯留部)
41a〜41d 排気通路
42a〜42d 排気孔
44 弁体
71 第1のキャップ部材
72 第2のキャップ部材
73A 第1の移動装置
73a 可動部材
73B 第2の移動装置
76 操作部材
76a 基部
76b 押し上げピン部(操作部)
76c 係合部
84 操作部材

Claims (6)

  1. ノズルからインクを噴射して被記録媒体に記録を行う記録ヘッドと、その記録ヘッドが搭載され往復移動するキャリッジと、前記記録ヘッドに供給されるインクを貯えるインクタンクと、そのインクタンクから前記記録ヘッドにインクを供給するインク流路と、前記インク流路を通じて供給されたインクを貯留するバッファタンクと、前記バッファタンク内で分離した空気を排気通路を通じて外部に排気可能である排気弁手段とを備えるインクジェットプリンタにおいて、
    前記排気弁手段を開閉する弁開閉手段と、
    前記排気弁手段の排気口を密閉可能であるキャップ部材と、
    前記排気弁手段の排気口を密閉する第1の位置と、前記排気弁手段の排気口から離隔する第2の位置との間で、前記キャップ部材を移動させる第1の移動手段と、
    前記キャップ部材に接続される吸引ポンプと、
    前記排気弁手段の前記排気口と通じる大気連通孔と、
    前記大気連通孔と前記排気口が連通する第1の状態と、前記大気連通孔と前記排気口が連通しない第2の状態とを切り替える連通切替部材と、
    前記キャリッジ、前記弁開閉手段、前記第1の移動手段、前記吸引ポンプおよび前記連通切替部材を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記キャリッジにより前記記録ヘッドが記録を行わない待機位置に移動させられたときに、前記第1の移動手段により前記キャップ部材を前記第1の位置に移動させ、前記弁開閉手段により前記排気弁手段を弁開放状態にさせるとともに、前記連通切替部材により前記大気連通孔と前記排気口が前記第2の状態になるように切り替えさせ、前記吸引ポンプにより前記バッファタンク内で分離した空気を排気通路を通じて外部に排気する第1の排気動作と、
    前記キャリッジにより前記記録ヘッドが前記待機位置に移動させられたときに、前記第1の移動手段により前記キャップ部材を前記第1の位置に移動させ、前記弁開閉手段により前記排気弁手段を弁閉止状態にさせるとともに、前記連通切替部材により前記大気連通孔と前記排気口が前記第1の状態となるように切り替えさせ、前記吸引ポンプにより前記大気連通孔を通じて外部から導入される大気とともに前記排気弁手段の内部を排気する第2の排気動作とを行わせることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記バッファタンクは、複数種類のインクごとに貯留部を有し、
    前記排気通路および前記排気弁手段は、前記各貯留部ごとに存在し、
    前記排気弁手段は、弁体の前記排気通路方向の移動により開閉されるものであり、かつ前記排気弁手段のケーシングに前記排気通路方向に移動可能に係止され前記排気弁手段の弁体に対応する複数の操作部を有する操作部材を備え、
    前記排気弁手段は、可動部材を有しこの可動部材により前記操作部材を前記方向に移動させる第2の移動手段を備え、前記キャップ部材は、前記第1の位置において前記操作部材よりも前記排気通路の下流側に位置し、前記第2の排気動作は、前記操作部材の周りも含めて排気することを特徴とする請求項記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記排気弁手段のケーシングにガイド孔部が設けられる一方、前記操作部材に前記ガイド孔部にスライド可能に係合する係合部が設けられ、前記ガイド孔部に、前記第1の排気動作時に閉じられる大気連通孔が設けられていることを特徴とする請求項記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記操作部材は、一部の排気弁手段に対してのみ設けられ、
    残部の排気弁手段に対しては、前記弁体に対応する操作部を有する別の操作部材が設けられていることを特徴とする請求項または記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記操作部材の係合部は、前記操作部材の中央に配置されていることを特徴とする請求項または記載のインクジェットプリンタ。
  6. ノズルからインクを噴射して被記録媒体に記録を行う記録ヘッドと、その記録ヘッドが搭載され往復移動するキャリッジと、前記記録ヘッドに供給されるインクを貯えるインクタンクと、そのインクタンクから前記記録ヘッドにインクを供給するインク流路と、前記インク流路を通じて供給されたインクを貯留するバッファタンクと、前記バッファタンク内で分離した空気を排気通路を通じて外部に排気可能である排気弁手段とを備えるインクジェットプリンタにおいて、
    前記排気弁手段を開閉する弁開閉手段と、
    前記排気弁手段の排気口を密閉可能であるキャップ部材と、
    前記排気弁手段の排気口を密閉する第1の位置と、前記排気弁手段の排気口から離隔する第2の位置と、前記第1の位置と前記第2の位置との間の第3の位置とに前記キャップ部材を移動させる第1の移動手段と、
    前記キャップ部材に接続される吸引ポンプと、
    前記弁開閉手段、前記第1の移動手段および前記吸引ポンプを制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記キャリッジにより前記記録ヘッドが記録を行わない待機位置に移動させられたときに、前記第1の移動手段により前記キャップ部材を前記第1の位置に移動させ、前記排気弁手段を弁開放状態として前記バッファタンク内で分離した空気を排気通路を通じて外部に排気する第1の排気動作と、
    前記キャリッジにより前記記録ヘッドが前記待機位置に移動させられたときに、前記第1の移動手段により前記キャップ部材を前記第3の位置に移動させ、前記キャップ部材と前記排気弁手段との隙間を通じて外部から導入される大気とともに前記排気弁手段の内部を排気する第2の排気動作とを行わせることを特徴とするインクジェットプリンタ。
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