JP4477763B2 - High strength rolled PC steel bar and method for manufacturing the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリートポールやコンクリートパイル等に用いるPC(プレストレスコンクリート)鋼棒とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンクリートポール及びコンクリートパイルには、剛性および曲げ強さの向上や、ひび割れ防止のためにコンクリートに圧縮力を与え、コンクリートポール及びコンクリートパイルそのものの強度を高めたPCポール及びPCパイルがある。そして、これらは、以下のようにして製造されている。
【0003】
まず、円周上に並列に配したPC鋼材に軟鋼線を螺旋状に巻き付け(以下「螺旋筋」と称す。)、次いで、PC鋼材と螺旋筋の交点を固定して、円筒状の籠片型補強体(以下「補強体」と称す。)を製造する。次に、該補強体を型枠に導入して、補強体を構成するPC鋼材の両端を固定し、引張強さの70%前後の応力で緊張する。次いで、型枠内にコンクリートを注入し、コンクリートが固化した後に、PC鋼材から緊張応力を解除する。この解除により、コンクリートに圧縮力が付与されることになり、PCポールまたはPCパイルが製造される。
【0004】
このようなコンクリート構造物に使用するPC鋼材としては、JISG3137に規定されるPC鋼棒と、JISG3536に規定されるPC鋼線を、代表的なものとして挙げることができる。
PC鋼棒は、熱間圧延後空冷した鋼棒を、焼入れ焼戻しして製造される。この焼入れ焼戻しにより、JISG3137(D種)で規定する1420 MPa以上のTS(引張強度)を確保することができる。
【0005】
例えば、特開平3−151445公報には、スポット溶接性とリラクゼーション特性を改善するため、Siを低減し、Moを添加したPC鋼棒に、焼入れ焼戻しを施して、TS1420 MPa以上の高強度PC鋼棒を製造することが開示されている。
このように、PC鋼棒には、通常、焼入れ焼戻しが施されるが、この焼入れ焼戻しにより、PC鋼棒の組織は、焼戻しマルテンサイト組織となるので、所要の一様伸びや、耐遅れ破壊特性を確保することが難しい。例えば、「鉄と鋼vol.81(1995).P1625」に示されているように、1400 MPa以上の焼戻しマルテンサイト組織を有するPC鋼棒では、耐遅れ破壊特性が劣化する。
【0006】
一方、焼戻しマルテンサイト以外の組織を有するPC鋼棒として、熱間圧延材を冷間加工し、次いで、ブルーイング処理を施した圧延PC鋼棒が提供されている。この圧延PC鋼棒に関し、「プレストレストコンクリート、vol.13(1971)p.52」には、鋳片を熱間圧延した線材にストレッチングとブルーイング処理を施すことにより、TS:1200 MPa以下のPC鋼棒を製造し得ることが開示されている。
【0007】
圧延PC鋼棒においては、一様伸びが高いなど優れた点がある一方、YS(降伏強度)が1100 MPa以下であり、高強度化が充分になされていないのが実情である。このため、より高強度で耐遅れ破壊特性の優れた圧延PC鋼棒とその製造方法が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、引張強度(TS)が1400 MPa以上を有する高強度で、かつ、高延性の高強度圧延PC鋼棒と、該PC鋼棒を、通常のパティンティング、伸線工程を経ずに、ヒートストレッチ、ブルーイングなどの時効処理により安価に製造する製造方法を提供することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために共析または過共析鋼の組織と成分について検討した。合金元素のない0.8%Cの鋼ではTSを適正な強度にするためには恒温変態を施し80%以上のパーライト組織が必要であることを見いだした。一方、連続冷却の場合には同じ成分の鋼では例えパーライト組織に制御しても所定の強度が確保できないことがわかった。そこで、従来用いられている焼き入れ倍数の式を修正しパーライト鋼の焼き入れ性を上げることで所定の強度を得ることを見いだした。
【0010】
本発明は、上記知見に基づき、上記課題を解決するものであって、その要旨は、以下のとおりである。
(1)質量%で、C:0.8〜1.3%、Si:0.10〜2.5%、Mn:0.25〜2.0%、及び、Al:0.05%以下を含有し、残部Fe及び不可避不純物からなる鋼であって、パーライト面積率が80%以上94%以下の鋼からなり、更に、下記(1)式または(2)式で計算される焼入れ倍数Dが1.2以上であるとともに、YS(0.2%耐力)が1200MPa以上、TSが1400MPa以上で、かつ、伸びが4.5%以上であることを特徴とする高強度圧延PC鋼棒。
【0011】
Mn<1.2の場合
D=(C/10)1/2 *(1+0.7Si)*(1+3.3Mn)*
(1+2.2Cr)*(1+3(V+Mo))*(1+0.4Ni)*
(1+0.4Cu)*(1+0.1B) ……(1)
Mn≧1.2の場合
D=(C/10)1/2 *(1+0.7Si)*(5.1Mn−1.1)*
(1+2.2Cr)*(1+3(V+Mo))*(1+0.4Ni)*
(1+0.4Cu)*(1+0.1B) ……(2)
【0012】
(2)前記鋼が、更に、質量%で、
Ti:0.005〜0.05%、
Ca:0.0005〜0.005%、
REM:0.0005〜0.005%、
V:0.002〜0.5%、及び、
Nb:0.005〜0.1%の1種以上を含有することを特徴とする上記(1)記載の高強度圧延PC鋼棒。
【0013】
(3)前記鋼が、更に、質量%で、
B:0.0005〜0.01%、
Cr:0.05〜2.0%、
Cu:0.05〜1.0%、
Ni:0.05〜1.0%、及び、
Mo:0.05〜0.50%の1種以上を含有することを特徴とする上記(1)または(2)記載の高強度圧延PC鋼棒。
【0014】
(4)上記(1)、(2)、または、(3)記載の高強度圧延PC鋼棒に係る成分組成を有する鋼片を、オーステナイト領域まで加熱後、熱間圧延して線材とし、1〜25℃/秒の冷却速度で冷却し、その後、更に、1〜4%の歪みを付与し、次いで、200〜500℃の温度で5〜600秒の保定時間でブルーイング処理を施すことを特徴とする上記(1)、(2)、または、(3)記載の高強度圧延PC鋼棒の製造方法。
【0015】
(5)上記(1)、(2)、または、(3)記載の高強度圧延PC鋼棒に係る成分組成を有する鋼片を、オーステナイト領域まで加熱後、熱間圧延して線材とし、1〜25℃/秒の冷却速度で冷却し、その後、更に、200〜500℃の温度及び1〜4%の引張り歪みでヒートストレッチング処理を施すことを特徴とする上記(1)、(2)、または、(3)記載の高強度圧延PC鋼棒の製造方法。
【0016】
(6)上記(1)、(2)、または、(3)記載の高強度圧延PC鋼棒に係る成分組成を有する線材を、オーステナイト領域まで再加熱後、1〜25℃/秒の冷却速度で冷却し、その後、更に、1〜4%の歪みを付与し、次いで、200〜500℃の温度で5〜600秒の保定時間でブルーイング処理を施すことを特徴とする上記(1)、(2)、または、(3)記載の高強度圧延PC鋼棒の製造方法。
【0017】
(7)上記(1)、(2)、または、(3)記載の高強度圧延PC鋼棒に係る成分組成を有する線材を、オーステナイト領域まで再加熱後、1〜25℃/秒の冷却速度で冷却し、その後、更に、200〜500℃の温度及び1〜4%の引張り歪みで、ヒートストレッチング処理を施すことを特徴とする上記(1)、(2)、または、(3)記載の高強度圧延PC鋼棒の製造方法。
【0018】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の高強度圧延PC鋼棒の鋼(本発明の鋼)に係る化学成分について説明する。
Cは、TSやYSを確保するために重要で、かつ、経済的な元素であるが、PC鋼棒として必要なTS:1400 MPa以上、及び、YS:1200MPa 以上を、それぞれ得るためには、少なくとも、0.8%以上必要であり、0.8%未満では必要な強度が得られない。望ましくは、0.85%以上必要である。一方、Cが1.3%を超えると、粒界に、網状セメンタイトまたは粗大セメンタイトが析出して、延性の低下が顕著になる。このため、C添加量は、0.8〜1.3%とする。
【0019】
Siは、フエライト(パーライト中のフエライト地)に固溶し、顕著な固溶強化作用により、YSを向上させる元素である。この向上効果を得るためには、少なくとも0.10%以上の添加量が必要である。一方、Siの添加量が2.5%を超えると、強度が高くなりすぎて延性が低下する。このため、Si添加量の上限を2.5%とする。
【0020】
Mnは、焼入れ性を高めて強度を上昇させるとともに、鋼棒の横断面における組織を均一にするのに有効な元素である。これらの効果を得るためには、少なくとも、0.25%以上の添加量が必要がある。一方、Mnを過剰に添加すると、中心偏析部に、延性を低下せしめるミクロマルテンサイトが発生し易くなる。このため、Mnの添加量の上限を2.0%とし、Mnの添加量は、0.25〜2.0とする。
【0021】
Pは、粒界に偏析し、粒界脆化を起こし易くする元素であるので、0.03%以下に低減する必要がある。本発明の鋼において、Pは不純物元素であり、極力低減することが望ましい。
Sも、Pと同様に、粒界に偏析し粒界脆化を起こし易くする元素であるので、0.03%以下に低減する必要がある。本発明の鋼において、Sは、Pと同様に不純物元素であり、極力低減することが望ましい。
【0022】
次に、本発明の鋼が含有する選択元素について説明する。
主に、γ粒径を微細化し、延性を向上させるために、Al、Ti、Ca、REM、V、及び、Nbのうちの1種あるいは2種以上を添加する。また、主に、圧延PC鋼棒の強度を向上させるために、B、Cr、Cu、Ni、及び、Moのうちの1種あるいは2種以上を添加する。
【0023】
Alは、微細なAl2 O3 あるいはAlN析出物のピニング効果により、熱処理時のγ粒径を微細化するために添加する元素である。しかし、0.05%を超えて添加すると、粗大なAl2 O3 が発生し、延性が低下する。このため、Al添加量の上限を0.05%とする。
Tiは、TiO2等の酸化物あるいはTiN、TiC等のTi析出物のピンニング効果により、熱処理時のγ粒径を微細化するために添加する元素である。この効果を得るためには、0.005%以上の添加が必要である。しかし、0.05%を超えて添加すると、粗大なTiNが多量に析出して、延性を劣化させる。このため、Ti添加量の上限を0.05%とする。
【0024】
Caは、CaS(O)の生成により、熱処理時のγ粒径を微細化するのに有効な元素である。0.0005%未満では効果がないので、0.0005%を、Ca添加量の下限とする。しかし、0.005%を超えて添加すると、清浄度が低下するとともに、Ca介在物が粗大化し、延性が低下するので、上限を0.005%とする。
【0025】
REMも、Caと同様に、熱処理時のγ粒径を微細化するのに有効な元素である。0.0005%未満では効果がないので、0.0005%をREM添加量の下限とする。しかし、0.005%を超えて添加すると、清浄度が低下するとともに、REMを含む介在物が粗大化し、延性が低下するので、上限を0.005%とする。
【0026】
Vは、炭窒化物を析出させγ粒を微細化し、強度、延性を向上させる元素である。また、Vは、鋼中に侵入した水素のトラップサイトとなり、遅れ破壊特性を改善する元素でもある。これらの効果を得るには、0.002%以上の添加が必要である。しかし、多量の添加では効果が飽和し、経済的に不利になるので、上限を0.5%とする。
【0027】
Nbは、Nb析出物のピンニング効果によりオーステナイト粒を微細化し、圧延PC鋼棒の延性を向上させる元素である。このため、0.005%以上の添加が必要である。しかし、多量に添加しても効果が飽和し、経済的に不利となるので、0.1%を上限とする。このため、Nb添加量は、0.005〜0.1%とする。
【0028】
Bは、焼入性を向上させて、圧延PC鋼棒の強度を高める元素である。また、Bは、優先的に粒界に偏析し、P、S、Mn等の粒界偏析を抑制する粒界清浄効果を介して、遅れ破壊の劣化を抑える元素でもある。このため、B添加量の下限を0.0005%とする。しかし、0.01%を超えて添加すると、Fe23Bが析出し、耐遅れ破壊特性が劣化する。このため、B添加量は、0.0005〜0.01%とする。
【0029】
Crは、固溶強化により、また、焼入性を向上させパーライトのラメラー間隔を小さくして、強度を上昇させる元素である。0.05%未満ではこの効果が不十分である。しかし、2.0%を超えて添加すると、強度が高くなり過ぎ、延性が低下する。このため、上限を2.0%とする。
Cuは、焼入性を向上させるために添加する元素である。また、Cuは、安定な腐食生成物を生成して、水素の侵入を抑制し、遅れ破壊を改善する元素でもある。この効果を得るには、0.05%以上の添加が必要である。しかし、1.0%を超えて添加すると、圧延時に熱間割れが起き易くなるので、上限を1.0%とする。
【0030】
Niは、Cuと同様に、焼入性の向上させるために添加する元素である。また、Niは、安定な腐食生成物を生成して、水素の侵入を抑制し、遅れ破壊を改善する元素でもある。さらに、Niは、Cu脆化を抑制する効果も奏する元素である。耐遅れ破壊特性を向上するには、0.05%以上の添加が必要である。しかし、1.0%を超えて添加しても、その効果は飽和し、経済的に不利になるので、上限を1.0%とする。
【0031】
Moは、リラクセーション特性を向上させるために有効な元素である。鋼の強度を上昇させるためには、少なくとも、0.05%以上の添加が必要である。しかし、0.50%を超えて添加すると、フエライトの生成が抑制されるので、上限を0.50%とする。そのため、Mo添加量は、0.10〜0.50%とする。
【0032】
以上、鋼の化学成分について説明した。圧延PC鋼棒において、YSを1200 MPa以上確保するためには、熱間圧延後、衝風冷却した線材において、TSを、少なくとも、1400MPa 以上にする必要があり、これを考慮して、C量や、他の強化元素の組合わせ及び添加量を決定し、鋼の化学成分を構成する必要があるが、本発明の高強度圧延PC鋼棒においては、さらに、衝風冷却で、所望のパーライト組織を得るため、下記(1)式及び(2)式で定義される焼入れ倍数Dを、焼入れ性向上元素であるMn量との関連で、1.2以上と規定する。
【0033】
Mn<1.2の場合
D=(C/10)1/2 *(1+0.7Si)*(1+3.3Mn)*
(1+2.2Cr)*(1+3(V+Mo))*(1+0.4Ni)*
(1+0.4Cu)*(1+0.1B) ……(1)
Mn≧1.2の場合
D=(C/10)1/2 *(1+0.7Si)*(5.1Mn−1.1)*
(1+2.2Cr)*(1+3(V+Mo))*(1+0.4Ni)*
(1+0.4Cu)*(1+0.1B) ……(2)
本発明では、連続冷却であるために前述の成分系の規制のみでは必ずしも強度を確保できない。そのため上記式により焼き入れ性を規定する。Dが1.2%未満になると所定の強度が得られない。Dの式は従来用いられている焼入れ倍数をV、Bを入れて修正したものである。Vは強度に対する寄与は大きいが、Bは共析鋼または過共析鋼では強度に対して大きな影響を及ぼさないことを見いだした。
【0034】
次に、本発明の高強度圧延PC鋼棒を製造する製造方法(本発明の製造方法)について説明する。
本発明の製造方法の特徴は、伸線等の強加工をしない状態のパーライト組織で、YSを1200MPa 以上とした点にある。即ち、本発明の鋼におけるパーライト組織は高延性を有するものである。
【0035】
前述したように、TSが1400MPa 以上確保できた過共析鋼のDLP線材であっても、C量を1.0%以上に高めた場合を除いて、そのままでは、YSを1200MPa 以上とすることは難しい。実際の過共析鋼にDLPを施したままの線材において、TSが1400MPa 以上の場合、伸びは7%程度と低く、さらに、ストレッチング+ブルーイング処理を施すと、時効硬化により、延性が低下する恐れがある。
【0036】
そこで、本発明者らは、上記課題を解決すべく、伸線加工を施さずに、ストレッチング後ブルーイング処理を施した後のYSの上昇と、破断伸びの低下について検討した。そして、TSが1400MPa 以上のパーライト組織の鋼に、ストレッチング+ブルーイング処理、もしくは、ヒートストレッチ処理を施すことにより、YSを約100MPa 以上高め、伸びの低下を約2%以下に抑えることができることを見い出した。
【0037】
以上のことから、C量が0.8%以上の鋼においても、YS1200MPa以上、TS1400MPa以上、かつ、伸び4.5%以上を確保することが容易に可能になった。
次に、鋼の組織、及び、製造条件について説明する。
本発明の鋼の特徴は、パーライト主体の組織で、TSが1400MPa以上となることである。このためには、前述した化学成分を満足するとともに、パーライト組織が80%以上存在することが必要である。ただし、パーライト組織の上限を、実施例で得たパーライト分率94%(表2中、本発明鋼T1、T3、参照)に基づいて、94%とした。本発明の製造方法においては、鋼材の熱間圧延後、もしくは、線材の加熱後、1〜25℃/秒の冷却速度で衝風冷却し、所望のパーライト組織を得ることを特徴とする。
【0038】
従来は0.8%以上のCを含有する鋼に対して恒温変態にて高強度のパーライト組織が得ていたが、鉛やソルトなどのパテンティング処理などの温度制御や維持管理(有害物質)の困難な設備を使用せずとも本発明ではステルモア等の連続冷却処理により製造可能であることを明らかにした。
そのためには、冷却速度を1〜25℃/sとする必要がある。1℃/s未満ではパーライトのラメラー間隔が広くなり強度が著しく低下する。また、25℃/sを超えるとベイナイトの生成が著しく80%以上のパーライト組織とならず強度を著しく低下させる。パーライト組織が80%未満では、所望の強度(TS)が得られない。
【0039】
YSを上昇させるために、線材を、ストレッチングで塑性域まで引張り、次いで、ブルーイング処理を施し、この時付与した加工歪みを除去する。
前述したように、YS:1200MPa 以上で、破断伸び4.5%以上を確保できるストレッチング及びブルーイングに係る条件は、1〜4%の歪みを付与した後、200〜500℃の温度で5〜600秒の時間、保定することである。
【0040】
ストレッチングが1%未満では、YSの上昇が図れない。一方、ストレッチングが4%を超えると、破断伸び4.5%以上を確保できない。
また、熱処理温度が、200℃未満では、Cの拡散が不十分で、転位が固着されないので、時効によるYSの上昇を図ることができない。一方、熱処理温度が500℃を超えると、炭化物が粗大化して延性が低下する。このため、ブルーイング処理の熱処理温度は、200〜500℃とする。
【0041】
上記の適正な熱処理温度範囲であっても、処理時間が適切でないと、所望のYSと伸びの確保が困難となる。処理時間が5秒未満では、Cの拡散が不十分で、時効によるYSの上昇を図ることができない。一方、600秒を超えて処理しても、時効の効果は飽和するので、処理時間の上限は600秒とする。
本発明の製造方法においては、ストレッチング+ブルーイング処理に替えて、ヒートストレッチング処理を用いることができる。このヒートストレッチング処理は、線材に、0.5〜6%の引張り歪みを与えて200〜500℃の温度に加熱して行う処理である。与える引張り歪みが0.5%未満では、YSの上昇が図れない。一方、引張り歪みが6%を超えると、破断伸び4.5%以上を確保できない。
【0042】
また、熱処理温度が、200℃未満では、Cの拡散が不十分で、転位が固着されないので、時効によるYSの上昇を図ることができない。一方、熱処理温度が500℃を超えると、炭化物が粗大化して延性が低下する。このため、ヒートストレッチング処理の熱処理温度は、200〜500℃とする。
本発明の製造方法は、以上の条件の下で、高強度圧延PC鋼棒においては、YS:1200MPa 以上、TS:1400MPa 以上、かつ、伸び4.5%以上を確保することができるものである。そして、更に、本発明の製造方法では、従来必要とされていた伸線工程を省略し、加熱(オーステナイト化)→熱間圧延→冷却→ストレッチング+ブルーイング処理、または、加熱(オーステナイト化)→熱間圧延→冷却→ヒートストレッチング処理のいずれかの各工程を経て、高強度圧延PC鋼棒を、低コストで製造することが可能となった。
【0043】
【実施例】
以下本発明の実施例について説明する。表1の化学成分を有する鋳片を加熱後熱間圧延し、連続冷却(ステルモアなどを使用)を実施した。その後該線材をストレッチイングした後にブルーイング処理した。製造条件および材質特性を表2に示す。引張り試験での伸びは突き合わせ法により測定した。パーライトの面積率は光学顕微鏡観察によって決定した。本発明鋼の鋼T1〜T9ではTSが1400MPa 以上、YSが1200MPa 以上およびE1が4.5%以上を満足した。
【0044】
PC鋼棒に要求される材質特性として遅れ破壊やリラクゼーションがあげられる。本発明では省略するが、例えば鋼T9では遅れ破壊特性をFIP試験により実施し1420MPa×0.7の荷重を付与し20hr以上もち良好であった。また、リラクゼーション試験は180℃の高温リラクゼーションで評価し、1420MPa×0.7の荷重で20%以下であった。
【0045】
鋼H1〜H3は適切な鋼成分ではないので、機械的性質が確保できなかった。鋼H1はC量が少なく所定の強度が得られない。鋼H2はC量が多く延性が低下した。鋼H3は化学成分は適正な範囲にあるがDが小さいため強度が低下した例である。鋼H4〜H8では適正な製造条件となっておらず材質特性が得られない。鋼H4は冷却速度が小さいためパーライトのラメラー間隔が大きくなり強度が低下した。また、鋼H5では冷却速度が大きいためベイナイト分率が上昇し強度が低下した例である。鋼H6では予歪みの量が少なくYSの所定の強度が得られない。鋼H7ではブルーイング温度が低くCの拡散が不十分であるためYSの所定の強度が得られない例である。鋼H8はブルーイング温度が高く時効硬化により延性が低下した。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、高延性で高強度の圧延PC鋼棒を、低コストで製造し、提供することができる。したがって、本発明は、工業的に非常に有用なものである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a PC (prestressed concrete) steel bar used for concrete poles, concrete piles, and the like, and a method for manufacturing the same.
[0002]
[Prior art]
Concrete poles and concrete piles include PC poles and PC piles in which compressive force is applied to concrete to improve rigidity and bending strength, and cracks are prevented, and the strength of the concrete pole and concrete pile itself is increased. And these are manufactured as follows.
[0003]
First, a mild steel wire is spirally wound around a PC steel material arranged in parallel on the circumference (hereinafter referred to as “spiral rebar”), and then the intersection of the PC steel material and the helical rebar is fixed to form a cylindrical piece A mold reinforcing body (hereinafter referred to as “reinforcing body”) is manufactured. Next, the reinforcing body is introduced into the formwork, both ends of the PC steel material constituting the reinforcing body are fixed, and tension is applied with a stress of about 70% of the tensile strength. Next, concrete is poured into the mold, and after the concrete is solidified, the tension stress is released from the PC steel material. By this release, a compressive force is applied to the concrete, and a PC pole or a PC pile is manufactured.
[0004]
Typical examples of the PC steel used for such a concrete structure include a PC steel rod defined in JISG3137 and a PC steel wire defined in JISG3536.
PC steel bars are manufactured by quenching and tempering steel bars that are air-cooled after hot rolling. By this quenching and tempering, it is possible to ensure a TS (tensile strength) of 1420 MPa or more as defined by JISG3137 (Type D).
[0005]
For example, JP-A-3-151445 discloses a high-strength PC steel of TS1420 MPa or higher by quenching and tempering a PC steel rod containing Si and adding Mo in order to improve spot weldability and relaxation properties. Manufacturing a bar is disclosed.
As described above, the PC steel bar is usually subjected to quenching and tempering. By this quenching and tempering, the structure of the PC steel bar becomes a tempered martensite structure. It is difficult to ensure characteristics. For example, as shown in “Iron and Steel vol.81 (1995) .P1625”, in a PC steel bar having a tempered martensite structure of 1400 MPa or more, delayed fracture resistance deteriorates.
[0006]
On the other hand, as a PC steel bar having a structure other than tempered martensite, a rolled PC steel bar obtained by cold-working a hot-rolled material and then performing a blueing treatment is provided. Regarding this rolled PC steel bar, in “Prestressed concrete, vol.13 (1971) p.52”, a wire rod obtained by hot rolling a slab is subjected to stretching and brewing treatment, so that TS: 1200 MPa or less. It is disclosed that PC steel bars can be manufactured.
[0007]
The rolled PC steel bar has excellent points such as high uniform elongation, while the YS (yield strength) is 1100 MPa or less, and the actual situation is that the strength is not sufficiently increased. For this reason, there is a need for a rolled PC steel bar with higher strength and superior delayed fracture resistance and a method for producing the same.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, the present invention provides a high strength and high ductility high strength rolled PC steel bar having a tensile strength (TS) of 1400 MPa or more, and the PC steel bar is subjected to normal painting and wire drawing processes. It is an object of the present invention to provide a production method that can be produced at low cost by aging treatment such as heat stretching and bluing without passing through.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the present inventors have examined the structure and components of eutectoid or hypereutectoid steel. It was found that a 0.8% C steel with no alloying element is subjected to isothermal transformation and a pearlite structure of 80% or more is necessary to make TS suitable strength. On the other hand, in the case of continuous cooling, it was found that a predetermined strength could not be secured even if the steel of the same component was controlled to a pearlite structure. Therefore, it has been found that a predetermined strength can be obtained by modifying the conventionally used quenching multiple formula to improve the hardenability of pearlite steel.
[0010]
This invention solves the said subject based on the said knowledge, Comprising: The summary is as follows.
(1) By mass%, C: 0.8 to 1.3%, Si: 0.10 to 2.5%, Mn: 0.25 to 2.0%, and Al: 0.05% or less It is a steel composed of the remaining Fe and unavoidable impurities, and has a pearlite area ratio of 80% or more and 94% or less, and further has a quenching factor D calculated by the following formula (1) or (2): A high-strength rolled PC steel bar characterized by being 1.2 or more, YS (0.2% proof stress) being 1200 MPa or more, TS being 1400 MPa or more, and elongation being 4.5% or more.
[0011]
In the case of Mn <1.2 D = (C / 10) 1/2 * (1 + 0.7Si) * (1 + 3.3Mn) *
(1 + 2.2Cr) * (1 + 3 (V + Mo)) * (1 + 0.4Ni) *
(1 + 0.4Cu) * (1 + 0.1B) (1)
When Mn ≧ 1.2 D = (C / 10) 1/2 * (1 + 0.7Si) * (5.1Mn−1.1) *
(1 + 2.2Cr) * (1 + 3 (V + Mo)) * (1 + 0.4Ni) *
(1 + 0.4Cu) * (1 + 0.1B) (2)
[0012]
( 2 ) The steel is further in mass%,
Ti: 0.005 to 0.05%,
Ca: 0.0005 to 0.005%,
REM: 0.0005 to 0.005%,
V: 0.002-0.5% and
The high strength rolled PC steel bar according to (1) above, which contains one or more of Nb: 0.005 to 0.1%.
[0013]
( 3 ) The steel is further in mass%,
B: 0.0005 to 0.01%
Cr: 0.05-2.0%,
Cu: 0.05 to 1.0%,
Ni: 0.05-1.0% and
Mo: One high-strength rolled PC steel bar as described in (1) or (2) above, containing one or more of 0.05 to 0.50%.
[0014]
( 4 ) A steel slab having a component composition related to the high-strength rolled PC steel rod described in (1), (2), or (3) above is heated to an austenite region and hot-rolled to obtain a wire 1 Cooling at a cooling rate of ˜25 ° C./second, after that, further imparting 1 to 4% strain, and then performing a blueing treatment at a temperature of 200 to 500 ° C. for a holding time of 5 to 600 seconds. A method for producing a high-strength rolled PC steel rod as described in (1), (2) or (3) above .
[0015]
( 5 ) A steel slab having a component composition related to the high-strength rolled PC steel rod described in (1), (2), or (3) above is heated to an austenite region and hot-rolled to obtain a wire 1 The above (1) and (2), wherein the film is cooled at a cooling rate of ˜25 ° C./second, and then further subjected to a heat stretching treatment at a temperature of 200 to 500 ° C. and a tensile strain of 1 to 4%. Or the manufacturing method of the high strength rolling PC steel bar as described in (3) .
[0016]
( 6 ) A cooling rate of 1 to 25 ° C./second after reheating the wire having the component composition related to the high-strength rolled PC steel rod according to (1), (2), or (3) to the austenite region. (1), characterized by being further cooled by, and further imparting a strain of 1 to 4%, and then performing a blueing treatment at a temperature of 200 to 500 ° C. for a holding time of 5 to 600 seconds . (2) or the manufacturing method of the high intensity | strength rolling PC steel bar as described in (3) .
[0017]
( 7 ) A cooling rate of 1 to 25 ° C./second after reheating the wire having the component composition related to the high-strength rolled PC steel rod according to (1), (2), or (3) to the austenite region. (1), (2), or (3) above, which is further subjected to heat stretching treatment at a temperature of 200 to 500 ° C. and a tensile strain of 1 to 4%. Manufacturing method of high strength rolled PC steel bar.
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
First, chemical components relating to the steel of the high strength rolled PC steel bar of the present invention (the steel of the present invention) will be described.
C is an important and economical element for securing TS and YS, but in order to obtain TS: 1400 MPa or more and YS: 1200 MPa or more necessary as a PC steel rod, At least 0.8% is necessary, and if it is less than 0.8%, the required strength cannot be obtained. Desirably, 0.85% or more is necessary. On the other hand, when C exceeds 1.3%, reticulated cementite or coarse cementite precipitates at the grain boundaries, and the ductility decreases significantly. For this reason, C addition amount shall be 0.8 to 1.3%.
[0019]
Si is an element that dissolves in ferrite (ferrite ground in pearlite) and improves YS by a remarkable solid solution strengthening action. In order to obtain this improvement effect, an addition amount of at least 0.10% is necessary. On the other hand, when the addition amount of Si exceeds 2.5%, the strength becomes too high and the ductility is lowered. For this reason, the upper limit of Si addition amount is set to 2.5%.
[0020]
Mn is an element effective for increasing the hardenability and increasing the strength, and for making the structure in the cross section of the steel rod uniform. In order to obtain these effects, an addition amount of at least 0.25% is necessary. On the other hand, when Mn is added excessively, micromartensite that lowers the ductility tends to be generated in the central segregation portion. For this reason, the upper limit of the addition amount of Mn is set to 2.0%, and the addition amount of Mn is set to 0.25 to 2.0.
[0021]
P is an element that segregates at the grain boundary and easily causes embrittlement at the grain boundary, and thus needs to be reduced to 0.03% or less. In the steel of the present invention, P is an impurity element and is desirably reduced as much as possible.
S, like P, is an element that segregates at the grain boundaries and easily causes grain boundary embrittlement, so it needs to be reduced to 0.03% or less. In the steel of the present invention, S is an impurity element like P, and it is desirable to reduce it as much as possible.
[0022]
Next, the selective elements contained in the steel of the present invention will be described.
Mainly, one or more of Al, Ti, Ca, REM, V, and Nb are added in order to refine the γ grain size and improve ductility. Moreover, in order mainly to improve the intensity | strength of a rolled PC steel bar, 1 type, or 2 or more types in B, Cr, Cu, Ni, and Mo are added.
[0023]
Al is an element added to refine the γ grain size during heat treatment due to the pinning effect of fine Al 2 O 3 or AlN precipitates. However, if added over 0.05%, coarse Al 2 O 3 is generated and ductility is lowered. For this reason, the upper limit of Al addition amount is made 0.05%.
Ti is an element added to refine the γ grain size during heat treatment due to the pinning effect of oxides such as TiO 2 or Ti precipitates such as TiN and TiC. In order to obtain this effect, 0.005% or more must be added. However, if added over 0.05%, a large amount of coarse TiN precipitates and deteriorates ductility. For this reason, the upper limit of Ti addition amount is made 0.05%.
[0024]
Ca is an element effective for reducing the γ grain size during heat treatment by generating CaS (O). Since less than 0.0005% is not effective, 0.0005% is set as the lower limit of the Ca addition amount. However, if added over 0.005%, the cleanliness is lowered, Ca inclusions are coarsened, and ductility is lowered, so the upper limit is made 0.005%.
[0025]
REM, like Ca, is an element effective for reducing the γ grain size during heat treatment. If less than 0.0005%, there is no effect, so 0.0005% is made the lower limit of the REM addition amount. However, if added over 0.005%, the cleanliness is lowered, and inclusions including REM are coarsened and ductility is lowered, so the upper limit is made 0.005%.
[0026]
V is an element that precipitates carbonitride to refine γ grains and improves strength and ductility. V is an element that becomes a trap site for hydrogen that has penetrated into the steel and improves delayed fracture characteristics. To obtain these effects, 0.002% or more must be added. However, if a large amount is added, the effect is saturated and economically disadvantageous, so the upper limit is made 0.5%.
[0027]
Nb is an element that refines austenite grains by the pinning effect of Nb precipitates and improves the ductility of the rolled PC steel bar. For this reason, addition of 0.005% or more is necessary. However, even if added in a large amount, the effect is saturated and economically disadvantageous, so 0.1% is made the upper limit. For this reason, Nb addition amount shall be 0.005-0.1%.
[0028]
B is an element that improves hardenability and increases the strength of the rolled PC steel bar. B is also an element that suppresses the degradation of delayed fracture through a grain boundary cleaning effect that preferentially segregates at grain boundaries and suppresses grain boundary segregation such as P, S, and Mn. For this reason, the lower limit of the B addition amount is set to 0.0005%. However, if added over 0.01%, Fe 23 B precipitates and the delayed fracture resistance deteriorates. Therefore, the B addition amount is set to 0.0005 to 0.01%.
[0029]
Cr is an element that increases strength by solid solution strengthening and improves hardenability and decreases the lamellar spacing of pearlite. If it is less than 0.05%, this effect is insufficient. However, if added over 2.0%, the strength becomes too high and the ductility decreases. For this reason, the upper limit is made 2.0%.
Cu is an element added to improve hardenability. Cu is also an element that generates a stable corrosion product, suppresses hydrogen intrusion, and improves delayed fracture. In order to obtain this effect, addition of 0.05% or more is necessary. However, if added over 1.0%, hot cracking is likely to occur during rolling, so the upper limit is made 1.0%.
[0030]
Ni, like Cu, is an element added to improve hardenability. Ni is also an element that generates a stable corrosion product, suppresses hydrogen intrusion, and improves delayed fracture. Furthermore, Ni is an element that also has an effect of suppressing Cu embrittlement. In order to improve the delayed fracture resistance, it is necessary to add 0.05% or more. However, even if added over 1.0%, the effect is saturated and economically disadvantageous, so the upper limit is made 1.0%.
[0031]
Mo is an element effective for improving relaxation properties. In order to increase the strength of the steel, at least 0.05% or more must be added. However, if added over 0.50%, the formation of ferrite is suppressed, so the upper limit is made 0.50%. Therefore, the addition amount of Mo is set to 0.10 to 0.50%.
[0032]
The chemical components of steel have been described above. In order to secure YS of 1200 MPa or more in the rolled PC steel bar, TS must be at least 1400 MPa or more in the wire that is blast-cooled after hot rolling. In addition, it is necessary to determine the combination and addition amount of other strengthening elements and configure the chemical composition of the steel. However, in the high strength rolled PC steel rod of the present invention, desired pearlite is further obtained by blast cooling. In order to obtain a structure, the quenching multiple D defined by the following formulas (1) and (2) is defined as 1.2 or more in relation to the amount of Mn that is a hardenability improving element.
[0033]
When Mn <1.2 D = (C / 10) 1/2 * (1 + 0.7Si) * (1 + 3.3Mn) *
(1 + 2.2Cr) * (1 + 3 (V + Mo)) * (1 + 0.4Ni) *
(1 + 0.4Cu) * (1 + 0.1B) (1)
When Mn ≧ 1.2 D = (C / 10) 1/2 * (1 + 0.7Si) * (5.1Mn−1.1) *
(1 + 2.2Cr) * (1 + 3 (V + Mo)) * (1 + 0.4Ni) *
(1 + 0.4Cu) * (1 + 0.1B) (2)
In the present invention, since the cooling is continuous, the strength cannot always be ensured only by the regulation of the component system described above. Therefore, the hardenability is defined by the above formula. When D is less than 1.2%, a predetermined strength cannot be obtained. The formula of D is obtained by correcting the conventionally used quenching multiple by adding V and B. V has a large contribution to strength, but B has been found to have no significant effect on strength in eutectoid or hypereutectoid steel.
[0034]
Next, the manufacturing method (manufacturing method of the present invention) for manufacturing the high strength rolled PC steel bar of the present invention will be described.
The feature of the production method of the present invention is that the pearlite structure is in a state where no strong processing such as wire drawing is performed, and YS is set to 1200 MPa or more. That is, the pearlite structure in the steel of the present invention has high ductility.
[0035]
As described above, even if the DLP wire is a hypereutectoid steel with a TS of 1400 MPa or more, the YS should be 1200 MPa or more as it is, unless the C content is increased to 1.0% or more. Is difficult. In a wire rod with DLP applied to actual hypereutectoid steel, when TS is 1400 MPa or more, the elongation is as low as 7%. Furthermore, when stretching + bluing treatment is performed, ductility decreases due to age hardening. There is a fear.
[0036]
Therefore, in order to solve the above-mentioned problems, the present inventors have examined the increase in YS and the decrease in elongation at break after performing the blueing treatment after stretching without performing wire drawing. By applying stretching + bluing treatment or heat stretching treatment to steel with a pearlite structure with a TS of 1400 MPa or more, YS can be increased by about 100 MPa or more, and the decrease in elongation can be suppressed to about 2% or less. I found out.
[0037]
From the above, even in a steel having a C amount of 0.8% or more, it is possible to easily secure YS 1200 MPa or more, TS 1400 MPa or more, and elongation 4.5% or more.
Next, the steel structure and manufacturing conditions will be described.
The feature of the steel of the present invention is that it is a pearlite-based structure and TS is 1400 MPa or more. For this purpose, as well as satisfy the chemical components described above, Ru necessary der that pearlite is present more than 80%. However, the upper limit of the pearlite structure was set to 94% based on the pearlite fraction 94% obtained in the examples (refer to the steels T1 and T3 of the present invention in Table 2). The production method of the present invention is characterized in that a desired pearlite structure is obtained by hot air rolling at a cooling rate of 1 to 25 ° C./second after hot rolling of a steel material or after heating of a wire.
[0038]
Previously, a high-strength pearlite structure was obtained in steel containing 0.8% or more of C by isothermal transformation, but temperature control and maintenance management (hazardous substances) such as patenting treatment of lead and salt, etc. It has been clarified that the present invention can be manufactured by a continuous cooling process such as Stemmore without using difficult equipment.
For this purpose, the cooling rate needs to be 1 to 25 ° C./s. If it is less than 1 ° C./s, the pearlite lamellar spacing becomes wide and the strength is remarkably lowered. On the other hand, when it exceeds 25 ° C./s, the formation of bainite is remarkably reduced to a pearlite structure of 80% or more, and the strength is remarkably lowered. If the pearlite structure is less than 80%, the desired strength (TS) cannot be obtained.
[0039]
In order to raise YS, a wire is pulled to a plastic region by stretching, and then a blueing treatment is performed, and the processing strain applied at this time is removed.
As described above, the conditions relating to stretching and brewing that can secure a breaking elongation of 4.5% or more at YS: 1200 MPa or more are 5 to 200 ° C. at a temperature of 200 to 500 ° C. after applying a strain of 1 to 4%. To hold for ~ 600 seconds.
[0040]
If stretching is less than 1%, YS cannot be increased. On the other hand, if the stretching exceeds 4%, a breaking elongation of 4.5% or more cannot be secured.
Further, if the heat treatment temperature is less than 200 ° C., the diffusion of C is insufficient and dislocations are not fixed, so that it is not possible to increase YS due to aging. On the other hand, when the heat treatment temperature exceeds 500 ° C., the carbide is coarsened and ductility is lowered. For this reason, the heat treatment temperature of the blueing treatment is set to 200 to 500 ° C.
[0041]
Even in the appropriate heat treatment temperature range, it is difficult to secure desired YS and elongation unless the treatment time is appropriate. If the treatment time is less than 5 seconds, C diffusion is insufficient and YS cannot be increased by aging. On the other hand, even if processing is performed for more than 600 seconds, the effect of aging is saturated, so the upper limit of processing time is 600 seconds.
In the production method of the present invention, a heat stretching process can be used instead of the stretching + bluing process. This heat stretching treatment is a treatment performed by applying a tensile strain of 0.5 to 6% to the wire and heating it to a temperature of 200 to 500 ° C. If the applied tensile strain is less than 0.5%, YS cannot be increased. On the other hand, if the tensile strain exceeds 6%, the elongation at break of 4.5% or more cannot be secured.
[0042]
Further, if the heat treatment temperature is less than 200 ° C., the diffusion of C is insufficient and dislocations are not fixed, so that it is not possible to increase YS due to aging. On the other hand, when the heat treatment temperature exceeds 500 ° C., the carbide is coarsened and ductility is lowered. For this reason, the heat processing temperature of a heat stretching process shall be 200-500 degreeC.
The production method of the present invention can secure YS: 1200 MPa or more, TS: 1400 MPa or more, and elongation of 4.5% or more in the high strength rolled PC steel bar under the above conditions. . Further, in the production method of the present invention, the conventionally required drawing step is omitted, and heating (austenitizing) → hot rolling → cooling → stretching + bluing treatment or heating (austenitizing). It became possible to manufacture a high-strength rolled PC steel bar at low cost through each step of → hot rolling → cooling → heat stretching treatment.
[0043]
【Example】
Examples of the present invention will be described below. The slab having the chemical components in Table 1 was heated and then hot-rolled, and continuous cooling (using stealmore or the like) was performed. Thereafter, the wire was stretched and then subjected to a blueing treatment. The manufacturing conditions and material properties are shown in Table 2. The elongation in the tensile test was measured by the butt method. The area ratio of pearlite was determined by observation with an optical microscope. In steels T1 to T9 of the present invention, TS was 1400 MPa or more, YS was 1200 MPa or more, and E1 was 4.5% or more.
[0044]
Delayed fracture and relaxation are examples of material properties required for PC steel bars. Omitted in the present invention, for example a steel T 9 in delayed fracture properties was carried out by FIP tested applying a load of 1420MPa × 0.7 was had good over 20 hr. Moreover, the relaxation test evaluated by the high temperature relaxation of 180 degreeC, and was 20% or less by the load of 1420 MPa x 0.7.
[0045]
Since steels H1 to H3 are not appropriate steel components, the mechanical properties could not be secured. Steel H1 has a small amount of C, and a predetermined strength cannot be obtained. Steel H2 had a large amount of C and reduced ductility. Steel H3 is an example in which the chemical composition is in an appropriate range but the strength is reduced because D is small. Steels H4 to H8 do not have proper manufacturing conditions, and material properties cannot be obtained. Since steel H4 had a low cooling rate, the lamellar spacing of pearlite was increased and the strength was lowered. Steel H5 is an example in which the bainite fraction is increased and the strength is decreased due to the high cooling rate. In steel H6, the amount of pre-strain is small and a predetermined strength of YS cannot be obtained. Steel H7 is an example in which the predetermined strength of YS cannot be obtained because the blueing temperature is low and the diffusion of C is insufficient. Steel H8 had a high bluing temperature and its ductility was lowered by age hardening.
[0046]
[Table 1]
[0047]
[Table 2]
[0048]
【The invention's effect】
According to the present invention, a rolled PC steel bar having high ductility and high strength can be manufactured and provided at low cost. Therefore, the present invention is very useful industrially.
Claims (7)
Mn<1.2の場合
D=(C/10)1/2 *(1+0.7Si)*(1+3.3Mn)*
(1+2.2Cr)*(1+3(V+Mo))*(1+0.4Ni)*
(1+0.4Cu)*(1+0.1B) ……(1)
Mn≧1.2の場合
D=(C/10)1/2 *(1+0.7Si)*(5.1Mn−1.1)*
(1+2.2Cr)*(1+3(V+Mo))*(1+0.4Ni)*
(1+0.4Cu)*(1+0.1B) ……(2)In mass%, C: 0.8 to 1.3%, Si: 0.10 to 2.5%, Mn: 0.25 to 2.0%, and Al: 0.05% or less, It is a steel composed of the remaining Fe and inevitable impurities, which is a steel having a pearlite area ratio of 80% or more and 94% or less. Further, the quenching factor D calculated by the following formula (1) or (2) is 1.2. A high strength rolled PC steel bar characterized by having YS (0.2% proof stress) of 1200 MPa or more, TS of 1400 MPa or more, and elongation of 4.5% or more.
In the case of Mn <1.2 D = (C / 10) 1/2 * (1 + 0.7Si) * (1 + 3.3Mn) *
(1 + 2.2Cr) * (1 + 3 (V + Mo)) * (1 + 0.4Ni) *
(1 + 0.4Cu) * (1 + 0.1B) (1)
When Mn ≧ 1.2 D = (C / 10) 1/2 * (1 + 0.7Si) * (5.1Mn−1.1) *
(1 + 2.2Cr) * (1 + 3 (V + Mo)) * (1 + 0.4Ni) *
(1 + 0.4Cu) * (1 + 0.1B) (2)
Ti:0.005〜0.05%、
Ca:0.0005〜0.005%、
REM:0.0005〜0.005%、
V:0.002〜0.5%、及び、
Nb:0.005〜0.1%の1種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の高強度圧延PC鋼棒。The steel is further in mass%,
Ti: 0.005 to 0.05%,
Ca: 0.0005 to 0.005%,
REM: 0.0005 to 0.005%,
V: 0.002-0.5% and
The high strength rolled PC steel bar according to claim 1, containing one or more of Nb: 0.005 to 0.1%.
B:0.0005〜0.01%、
Cr:0.05〜2.0%、
Cu:0.05〜1.0%、
Ni:0.05〜1.0%、及び、
Mo:0.05〜0.50%の1種以上を含有することを特徴とする請求項1または2記載の高強度圧延PC鋼棒。The steel is further in mass%,
B: 0.0005 to 0.01%
Cr: 0.05-2.0%,
Cu: 0.05 to 1.0%,
Ni: 0.05-1.0% and
The high-strength rolled PC steel bar according to claim 1 or 2, characterized by containing one or more of Mo: 0.05 to 0.50%.
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