JP4477175B2 - 扉錠 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の出入口などの開口部を開閉する扉に装備される扉錠に関し、特に、ラッチの他にデッドボルトやロック用ロッドなどのロック部材を備えたものに係わる。
【0002】
【従来の技術】
一般に、建物の出入口などの扉に装備される扉錠としては、例えば特開平11−210291号公報に開示されるように、扉の戸先側端面にラッチを出没可能に設け、このラッチを操作するハンドルを扉の内側と外側の両方に設けるだけでなく、ラッチの近傍にデッドボルトを設け、このデッドボルトを施錠解錠するシリンダ及びサムターンをそれぞれ扉の外側及び内側に設けたものが多く使用されている。また、防犯性を高めるために、上記例示の公報の如くデッドボルトを扉の戸先側の複数箇所に設けたもの、及びデッドボルトとは別に扉の上端面及び下端面より各々突出する上部ロッド及び下部ロッドにより施錠をするいわゆるグレモン錠なども使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記デッドボルトやロック用ロッドなどのロック部材は、扉の外側からは鍵により、内側からはサムターンによりそれぞれ施錠解錠が行われるが、扉が閉じた状態で不注意などによってロック部材の施錠が行われ、必要な人が入室できなくなる事態が生じることが実際上少なくない。また、扉が開いた状態で同じく不注意などによってロック部材の施錠が行われると扉の端面より突出したロック部材により開口部の周縁などが損傷するという問題もある。
【0004】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、特に、シリンダ及びサムターンの近傍に設けられるラッチ操作用のハンドルに着目し、このハンドルに対しシリンダ及びサムターンの安全装置としての機能を持たせることにより、ロック部材の施錠解錠の操作性を損うことなく、不注意などによりロック部材の施錠が行われるのを防止し、締め出し事態の発生及び開口部周縁などの破損を共に防止し得る扉錠を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は、基本的には、ラッチを操作する内ハンドル及び外ハンドルと、ラッチとは別のロック部材を施錠解錠するシリンダ及びサムターンとを備えた扉錠において、上記内ハンドル及び外ハンドルを、ラッチを操作する通常回動操作領域の外の所定角度位置にまで回動操作可能に設けるとともに、上記内ハンドル又は外ハンドルがラッチ操作のために通常回動操作領域内で回動操作されたとき上記シリンダ又はサムターンによるロック部材の施錠を規制し、かつ内ハンドル又は外ハンドルが上記通常回動操作領域外の所定角度位置にまで回動操作されたとき上記シリンダ又はサムターンによるロック部材の施錠を可能にする施錠規制手段を備える構成とする。
【0006】
この構成では、ロック部材を施錠するときには、初めに内ハンドル又は外ハンドルを通常回動操作領域外の所定角度位置にまで回動操作して、施錠規制手段によるロック部材の施錠規制を解除し施錠可能状態とし、しかる後、扉の内側からはサムターンを用い、扉の外側からはシリンダ用の鍵を用いてロック部材の施錠を行うという二段階の操作が必要であるため、不注意など意図に反してロック部材の施錠が行われるのを防止することができる。しかも、上記内ハンドル及び外ハンドルは、ラッチ操作用のもので通常はサムターン及びシリンダの近傍に設けられているため、上記二段階の操作によるロック部材の施錠解錠を容易に行うことができ、また操作部材を新たに設ける必要もない。
【0007】
請求項に係る発明は、特に、扉の戸先側の中央部にラッチ錠を設けるとともに、扉の戸先側の上部及び下部の少なくとも一方に鎌錠を設けてなる扉錠に適用した場合における具体的形態を提供するものである。すなわち、上記ラッチ錠のケースにラッチと、このラッチを操作するハンドル(詳しくは内ハンドル及び外ハンドルの両方)に連結された回動可能なハンドルハブと、このハンドルハブの回動に伴い上下移動するスライダーと、シリンダ及びサムターンに連結された回動可能なロックハブとを設ける。上記ハンドルを、ラッチを操作する通常回動操作領域の外の所定角度位置にまで回動操作可能に設ける一方、上記スライダーを、このハンドルがラッチ操作のために通常回動操作領域内で回動操作されたときケース内の中間位置より上方に移動し、ハンドルが上記通常回動操作領域外の所定角度位置にまで回動操作されたときケース内の中間位置より下方に移動するように設け、このスライダーに、上記施錠規制手段として、スライダーがケース内の中間位置より上方にあるとき上記ロックハブの回動を規制する回動規制部を設ける。また、上記鎌錠のケース内に、ロック部材としての鎌片を回動可能に支持するとともに、スライダーを上下移動可能に配置し、上記鎌片とスライダーとを、一方に設けたピンと他方に設けた溝状部との係合によりスライダーがケース内の中間位置より上方に移動したとき鎌片が回動せずに解錠状態に保持し、スライダーがケース内の中間位置より下方に移動したとき鎌片が回動してケース外に突出するように設ける。さらに、上記ラッチ錠のスライダーと鎌錠のスライダーとを連結部材により連結する構成とする。
【0008】
この構成では、ハンドルを通常回動操作領域内で回動操作したときには、ラッチ錠ではハンドルと連結されたハンドルハブが回動して、ラッチがケースから出たり入ったりしてラッチ操作が行われると同時に、スライダーがケース内の中間位置より上方で移動する。このスライダーの上方移動は連結部材を介して鎌錠のスライダーに伝達され、このスライダーが鎌錠のケース内の中間位置より上方に移動するが、鎌片は回動せずにケース内で解錠状態を保持している。また、ハンドルが通常回動操作領域内にあるときには、たとえラッチ錠において扉の内側からサムターンを用い、あるいは扉の外側からシリンダ用の鍵を用いてロックハブを回動させて施錠を行おうとしてもロックハブの回動がスライダーの回動規制部によって規制されているため、ロックハブは回動できず施錠が行われることはない。
【0009】
一方、ハンドルを通常回動操作領域外の所定角度位置にまで回動操作したときには、ラッチ錠ではハンドルハブの回動に伴ってスライダーがケース内の中間位置より下方に移動する。このスライダーの下方移動は連結部材を介して鎌錠のスライダーに伝達され、このスライダーが鎌錠のケース内の中間位置より下方に移動することにより、鎌片が回動してケース外に突出し枠側の受け座と係合する。しかる後、ラッチ錠において扉の内側からサムターンを用い、あるいは扉の外側からシリンダ用の鍵を用いてロックハブを回動させると、このロックハブは、上述の如くスライダーの回動規制部による規制を受けることなく回動して施錠が行われる。
【0010】
請求項に係る発明は、請求項記載の扉錠において、上記連結部材を、細長い板状のもので構成しかつ扉の戸先側端面に沿って上下方向に延ばして配置し、この連結部材の上下両端に、それぞれ上記ラッチ錠のスライダー又は鎌錠のスライダーに係合する係合部を設ける構成とする。この構成では、扉錠の取付時には扉を建物の開口部に取り付けた状態でその戸先側端面に連結部材を沿わせて配置し、この連結部材の上下両端の係合部をそれぞれラッチ錠のスライダー及び鎌錠のスライダーに係合するだけで連結部材の組み付けを容易に行うことができる。
【0011】
請求項に係る発明は、請求項1又は2記載の扉錠において、上記鎌錠のスライダーの上下両端にそれぞれ上記連結部材と連結可能な連結部を設け、扉の戸先側の上部及び下部の両方に鎌錠を兼用可能な構成とする。この構成では、例えば扉の戸先側の上部及び下部に共に鎌錠を設ける場合その上下一対の鎌錠が互いに兼用可能なものであるため、その分鎌錠の組み付けを容易に行うことができるとともに、鎌錠のコストを低減することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1ないし図4は本発明の一実施形態に係る扉錠1を示す。この扉錠1は、扉2の戸先側の中央部に設けられたラッチ錠3と、扉2の戸先側の上部及び下部にそれぞれ設けられた上下一対の鎌錠4,4とからなる。扉2は、建物の出入口などの開口部の枠5にヒンジ(図示せず)を介して取り付けられ、そのヒンジを中心として開口部を閉じる閉状態と外側に押し開けられる開状態とに回動されるようになっている。
【0013】
上記ラッチ錠3は、図1の他に図5ないし図7にも示すように、扉2の戸先側端面に設けたケース挿入口11を通して扉2の框部内に挿入して取り付けられた箱型の錠ケース12と、扉2の戸先側框部の内側面及び外側面に各々取り付けられた内長座13及び外長座14と、内長座13の上部に基端が回動可能に支持されたレバー型の内ハンドル15と、内長座13の下部に回動可能に支持されたサムターン16と、外長座14の上部に基端が回動可能に支持されたレバー型の外ハンドル17と、外長座14の下部に設けられたシリンダ18とを備えている。上記内長座13及び外長座14は、これらの上下2箇所で各々外長座14にねじ込みにより垂直に立てて設けた取付柱21を扉2の内部に錠ケース12の貫通孔22を貫通した状態で挿入し、この取付柱21の先端部のねじ穴に内長座13側からねじ23をねじ込むことにより扉2を厚み方向に挟んで取り付けられている。
【0014】
上記内ハンドル15及び外ハンドル17は、扉2及び錠ケース12を貫通する断面正方形の角芯24を介して一体的に回動するように連結されているとともに、錠ケース12の後述する内部機構により図6及び図7に実線で示す横向きのラッチ突出位置と仮想線で示す斜め下向きのラッチ後退位置との間つまりラッチ操作のための通常回動操作領域内で回動操作されるだけでなく、上記ラッチ突出位置から上向きの鎌錠施錠位置にまで回動操作されるようになっている。また、上記サムターン16の先端部16a及びシリンダ18の先端部18aは共に錠ケース12の内部(詳しくは後述するロックハブ36の係合孔67)にまで延びており、サムターン16の先端部16aは断面十文字状に、シリンダ18の先端部18aは断面一文字状にそれぞれ形成されている。
【0015】
上記錠ケース12は、図8ないし図17に詳示するように、一側面を開放したケース本体12aと、このケース本体12aの開放側面を構成するケース蓋12bと、ケース本体12aの前面に重ね合わせて取り付けられたフロント板12cとからなり、ケース本体12aの上面及び下面にはそれぞれアングル形状の取付プレート26,26の一辺が重ね合わせて取り付けられ、この両取付プレート26,26を介して錠ケース12が扉2の戸先側端面に取り付けられている。この錠ケース12内にはラッチ31、ハンドルハブ32、ハンドルハブばね受け33、スライダー34、スライダーばね受け35、ロックハブ36、ロックハブばね受け37及びロックピース38などが配設されている。尚、図8はハンドル15,17が横向きのラッチ突出状態を、図9はハンドル15,17が斜め下向きのラッチ後退状態を、図10はハンドル15,17が上向きの鎌錠施錠可能状態を、図11はハンドル15,17が上向きの鎌錠施錠状態をそれぞれ示す。
【0016】
上記ラッチ31は、錠ケース12の前面詳しくはケース本体12aの前面及びフロント板12cを貫通して設けたラッチ孔41より外部に出没する頭部31aと、この頭部31aに一端が結合された軸部31bと、この軸部31bの両端に各々前後両端部が装着された逆U字形のプレート31cとからなる。プレート31cの後端部には側方に突出する左右一対のガイド片31d,31dが形成されており、この各ガイド片31dは錠ケース12の側面に設けた横方向に長いガイド孔42内を摺動してラッチ31の横移動つまりラッチ頭部31aの出没作動をガイドするようになっている。ラッチ頭部31aは、プレート31cの後端部と錠ケース12の後面との間に縮装したコイルばね43により常に突出方向に付勢されているとともに、扉2を閉じる時に開口部の枠5との接触により没入方向の反力を受けるように傾斜面31eを有している。
【0017】
上記ハンドルハブ32は、図16に示す如く軸部32aの両端部がそれぞれ錠ケース12の両側面に設けた支持孔44,44に回動可能に支持されているとともに、図18に拡大詳示するように、軸部32aに上記角芯24が貫通する正方形の貫通孔45を有し、ハンドル15,17の回動操作と一体的に回動するようになっている。このハンドルハブ32の軸部32aにはその軸方向中央部に大径部32bが形成されているとともに、この大径部32bの両側にそれぞれ複数のスプライン凸部32c,32c,…が円周方向に等間隔で形成されている。上記大径部32bの外周面には円周方向に所定長さに亘って延びる円弧状の凸部32dが形成され、この凸部32dは、円周方向の所定の2個所にハンドルハブ32を位置決めするための位置決め部32e,32fを有している。
【0018】
上記ハンドルハブ32の軸部32a上には、その大径部32bの一方の側面と錠ケース12のケース本体12aの側面との間にスライダー作動ギヤ46が取り付けられているとともに、大径部32bの他方の側面と錠ケース12のケース蓋12bの側面との間にラッチ梃子47が取り付けられている。スライダー作動ギヤ46は、図19に拡大詳示するように、ハンドルハブ32の軸部32a及びスプライン凸部32cの側面形状に対応したスプライン孔48を有し、このスプライン孔48をハンドルハブ32の軸部32a上にスプライン嵌合して回動一体に取り付けられており、スライダー作動ギヤ46の外周の一部分にはギヤ部46aが形成されている。ラッチ梃子47も、図20に拡大詳示するように、スライダー作動ギヤ46のスプライン孔48と同様なスプライン孔49を有し、このスプライン孔49をハンドルハブ32の軸部32a上にスプライン嵌合して回動一体に取り付けられており、よってハンドルハブ32とスライダー作動ギヤ46とラッチ梃子47の三者はハンドル15,17の回動操作に伴い一体的に回動する。このラッチ梃子47には半径方向に突出する上記ラッチ31の一方のガイド片31dに当接可能なアーム部47aと、このアーム部47aと円周方向の異なる位置で半径方向に突出する突出部47bとが形成されている。
【0019】
上記ハンドルハブばね受け33は、錠ケース12内のハンドルハブ32の下方近傍に固定されており、このハンドルハブばね受け33にはハンドルハブ32の軸心に向かって開口する収納穴51が形成され、この収納穴51内にはコイルばね52により突出方向に付勢された小球53が出没可能に収納されている。この小球53は、図8に示すラッチ突出状態のときハンドルハブ32の大径部32b上の位置決め部32eに係合してハンドルハブ32の回動位置決めをし、また図10図に示す鎌錠施錠可能状態のときハンドルハブ32の大径部32b上の位置決め部32fに係合してハンドルハブ32の回動位置決めをするものである。ハンドルハブばね受け33のケース蓋12b側の側面には、鎌錠施錠可能状態のときラッチ梃子47の突出部47bをケース蓋12bとの間に収納するための段差部54が形成されている。
【0020】
上記スライダー34は、上下方向に長い板状のもので錠ケース12内の前面寄りの位置に上下移動可能に配置されている。このスライダー34の側面には上下2箇所にガイド用の突起部56,56が形成されており、この各突起部56は錠ケース12のケース本体12aの側面に設けた縦方向に長いガイド孔57内を摺動してスライダー34の上下移動をガイドするようになっている。スライダー34の上下両端部にはそれぞれ後述する連結部材91,92と連結するための連結フランジ58が各端部を直角に折り曲げて形成されているとともに、スライダー34の後縁部には上記スライダー作動ギヤ46のギヤ部46aと噛み合うラック部59が形成されている。そして、このスライダー34のラック部59とスライダー作動ギヤ46のギヤ部46aとの噛み合いにより、ハンドル15,17が横向きのラッチ突出状態ではスライダー34が錠ケース12内の中間位置に位置し(図8に示す状態)、ハンドル15,17がラッチ31を解錠するために斜め下向きに回動操作されたときスライダー34が錠ケース12内の中間位置より上方に移動し(図9に示す状態)、ハンドル15,17が上方向きに回動操作されたときスライダー34が錠ケース12内の中間位置より下方に移動する(図10に示す状態)。
【0021】
上記スライダーばね受け35は、錠ケース12内の上部に、上記スライダー34の後縁部に形成したアングル状の当接部60に対応して上下移動可能に配置されている。このスライダーばね受け35は上向きに開口する中心穴61を有する四角柱状のもので、その左右両側面にはそれぞれ縦方向に長いガイド用の凸条部62,62が形成されており、この各凸条部62は錠ケース12の側面に設けた縦方向に長いガイド孔63内を摺動してスライダーばね受け35の上下移動をガイドするようになっている。そして、スライダー34が錠ケース12内の中間位置より上方にあるときスライダーばね受け35は、このスライダー34の当接部60に当接するとともに、中心穴61の底部と錠ケース12の上面との間に縮装したコイルばね64の付勢力を受けてスライダー34を中間位置に付勢するようになっている。尚、スライダー34が錠ケース12内の中間位置より下方に移動したときスライダーばね受け35は、図10に示す如くスライダー34の当接部60と離れ、凸条部62がガイド孔63の下端に当接してそれ以上の移動が阻止される。
【0022】
上記ロックハブ36は、図17などに示す如く軸部36aの両端部がそれぞれ錠ケース12の両側面に設けた支持孔66,66に回動可能に支持されているとともに、軸部36aに係合孔67を有し、この係合孔67に先端部が挿入されるサムターン16又はシリンダ18の操作により回動するようになっている。このロックハブ36の軸部36aの外周面には、半径方向に突出するアーム部36bが形成されているとともに、円周方向の所定の2箇所にロックハブ36を位置決めするための位置決め凹部36c,36dが形成されている。
【0023】
上記ロックハブばね受け37は、錠ケース12内のロックハブ36の上方近傍に固定されており、このロックハブばね受け37にはロックハブ36の軸心に向かって開口する収納穴68が形成され、この収納穴68内にはコイルばね69により突出方向に付勢された小球70が出没可能に収納されている。この小球70は、図8ないし図10に示す鎌錠4の非施錠状態のときロックハブ36の位置決め凹部36cに係合してロックハブ36の回動位置決めをし、また図11に示す鎌錠4の施錠状態のときロックハブ36の位置決め凹部36dに係合してロックハブ36の回動位置決めをするものである。
【0024】
上記ロックピース38は、スライダー34とハンドルハブばね受け33との間に位置する第1の垂直部38aと、この垂直部38aの下端からロックハブばね受け37の上方近傍を水平に延びる水平部38bと、この水平部38bの後端からロックハブばね受け37及びロックハブ36と錠ケース12の後面との間を垂下する第2の垂直部38cとからなる。第1の垂直部38aの左右両側面にはそれぞれ矩形状のガイド用凸部71(図8にケース蓋12b側側面の凸部のみ示す)が形成され、この各凸部71は錠ケース12の側面に設けた縦方向に長い矩形状のガイド孔72(図8にケース本体12aの側面のガイド孔のみ示す)内を摺動可能に嵌合されており、ロックピース38は、この凸部71がガイド孔72にガイドされて上下移動するようになっている。第2の垂直部38cのケース蓋12b側側面には上記ロックハブ36のアーム部36bに対応して係合凹部73が形成されている。そして、図8ないし図10に示すスライダー34を中間位置より下方に移動させていない状態、即ち鎌錠4の非施錠状態のときには第1の垂直部38aの上端面がハンドルハブばね受け33の段差部54より下方に位置し、サムターン16又はシリンダ18の操作によりロックハブ36を図で反時計方向に回動させるとロックハブ36のアーム部36bがロックピース38の係合凹部73の上面に当接してロックピース38を押し上げることにより、図11に示す如く第1の垂直部38aの上端面がハンドルハブばね受け33の段差部54より上方に位置して、この段差部54側に位置するラッチ梃子47の突出部47bとの当接によりラッチ梃子47の回動(詳しくは図で時計方向の回動)ひいてはハンドル15,17の回動操作を規制するようになっている。
【0025】
さらに、上記ロックハブ36の軸部36aの外周面には、アーム部36b及び位置決め凹部36c,36dの他にこれらとは別の部位に係合平面75が形成されている一方、上記スライダー34の下部にはロックハブ36寄りに突出する回動規制部76が形成されている。この回動規制部76は、図8及び図9に示す如くスライダー34が錠ケース12内の中間位置より上方にあるときつまりハンドル15,17が横向きのラッチ突出状態と斜め下向きのラッチ後退状態との間の通常回動操作領域内で回動操作されたとき上記係合平面75と対向してロックハブ36の回動ひいてはサムターン16又はシリンダ18による施錠操作を規制し、図10に示す如くスライダー34が錠ケース12内の中間位置より下方に移動したときつまりハンドル15,17が通常回動操作領域外の上向きに回動操作されたときロックハブ36の回動ひいてはサムターン16又はシリンダ18による施錠操作を可能にするようになっており、施錠規制手段として機能するものである。
【0026】
一方、前記各鎌錠4は、ラッチ錠3の場合と同様に、扉2の戸先側端面に設けたケース挿入口81を通して扉2の框部内に挿入して取り付けられた箱型の錠ケース82を備えている。この錠ケース82は、図21ないし図26に詳示するように、一側面を開放したケース本体82aと、このケース本体82aの開放側面を構成するケース蓋82bと、ケース本体82aの前面に重ね合わせて取り付けられたフロント板82cとからなり、ケース本体82aの上面及び下面にはそれぞれ取付フランジ部82d,82dが一体に設けられており、この両取付フランジ部82d,82dにて錠ケース82が扉2の戸先側端面に取り付けられている。この錠ケース82内には鎌片83及びスライダー84が配置されている。尚、図21はハンドル15,17が横向きのラッチ突出状態を、図22はハンドル15,17が斜め下向きのラッチ後退状態を、図23はハンドル15,17が上向きの状態で鎌錠4が施錠をする鎌錠施錠状態をそれぞれ示す。
【0027】
上記鎌片83は略L字形のもので、その基端部を貫通する支軸89を介して錠ケース82に回動可能に支持されていて、図21及び図22に示す如く先端部が錠ケース82内にある解錠状態と、図23に示す如く先端部が錠ケース82の前面詳しくはケース本体82aの前面及びフロント板82cを貫通して設けたデッド孔85より外部に突出する施錠状態とに切り換えられるようになっている。この鎌片83の先端部は、横幅が先端に向かうに従って小さくなるように左右両側面に傾斜面83a,83aが形成されているとともに、鎌片83の基端部には溝状部としての略Y字状の溝状孔86が設けられている。
【0028】
上記スライダー84は、略矩形枠状の平板を鎌片83を挟み込むように前方に開脚したU字状に折り曲げてなるもので、錠ケース82内に上下移動可能に配置されており、スライダー84の後面は、錠ケース82の後面と当接してスライダー84の上下移動をガイドするようになっている。このスライダー84のケース本体82a側側面の上下両端部にはそれぞれ後述する連結部材91,92と連結するための連結フランジ87が各端部を直角に折り曲げて形成されているとともに、スライダー84の左右両側面間には、上記鎌片83の溝状孔86を貫通して係合する係合ピン88が架設されている。そして、この係合ピン88と溝状孔86との係合により、スライダー84が錠ケース82内の中間位置より上方に移動したとき鎌片83は回動せずに錠ケース82内で解錠状態を保持しており(図22に示す状態)、スライダー84が錠ケース82内の中間位置より下方に移動したとき鎌片83が回動してその先端部がデッド孔85を通して外部に突出するようになっている(図23に示す状態)。
【0029】
上記ラッチ錠3のスライダー34と各鎌錠4のスライダー84とはそれぞれ連結部材91,92により連結されている。この両連結部材91,92は、長さが異なるだけで他は同一であるので、以下の説明では、上側の連結部材91について述べる。
【0030】
すなわち、上記連結部材91は、細長い板状のもので扉2の戸先側端面に沿って上下方向に延びて配置され、その下端部はラッチ錠3の錠ケース12内に、上端部は鎌錠4の錠ケース82内にそれぞれ挿入されている。この連結部材91の下端部には、図12に示す如くT字状の係合部93が形成され、この係合部93を、ラッチ錠3のスライダー34の上端側の連結フランジ58に形成した係合溝94に係合することにより連結部材91の下端部がラッチ錠3のスライダー34に連結されている。尚、ラッチ錠3のスライダー34の下端側の連結フランジ58にも係合溝94が形成され、この係合溝94にて下側の連結部材92の係合部93と係合するようになっている。
【0031】
上記連結部材91の上端部にも、図24に示す如く下端部の場合と同じくT字状の係合部93が形成され、この係合部93を、上側の鎌錠4のスライダー84の下端側の連結フランジ87に形成した連結部としての係合溝95に係合することにより連結部材91の上端部が上側の鎌錠4のスライダー84に連結されており、連結部材91は、上下を逆にしてもラッチ錠3のスライダー34と鎌錠4のスライダー84との連結が可能になっている。また、鎌錠4のスライダー84の上端側の連結フランジ87にも、下側の連結フランジ87の場合と同じく係合部としての係合溝95が形成されており、鎌錠4は、扉2の戸先側の上部及び下部の両方に兼用可能になっている。つまり、下側の鎌錠4の場合、図21及び図24に仮想線で示す如く下側の連結部材92の下端部(係合部)が鎌錠4のスライダー84の上端側の連結フランジ87の係合溝95に係合して連結される。
【0032】
上記各連結部材91,92は、図1に示す如くそれぞれ化粧プレート96,97により覆われており、この化粧プレート96,97は、下側の化粧プレート97の場合図3に示すように、連結部材92に設けた干渉回避用の長孔98を通してねじ99を扉2の戸先側端面にねじ込んで固定されている。
【0033】
一方、建物の開口部の枠5には、図2ないし図4に示すように、扉2の閉状態でその外周縁に当接して気密性を保つためのラバーなどからなるシール材101が装着されているとともに、ラッチ錠3のラッチ31に対応する受け座110及び各鎌錠4の鎌片83に対応する受け座120がそれぞれ取り付けられている。
【0034】
上記受け座110は、図27ないし図29に拡大詳示するように、開口部枠5の取付面5aの外側に配置される受けフロント111と、開口部枠5の取付面5aの内側に配置される受けリヤ112とからなる。受けフロント111には、その中央部にラッチ錠3のラッチ31が挿入可能な矩形状の受け孔113が設けられているとともに、両端部に一対のねじ挿入孔114,114が設けられている。また、受けリヤ112には、その中央部に上記受け孔113を囲む大きさの凹部115が折り曲げ成形されているとともに、両端部に一対のねじ孔116,116が設けられている。そして、受けフロント111と受けリヤ112とで開口部枠5の取付面5aを内外両側より挟んだ状態で2個のねじ117,117をそれぞれ受けフロント111の各ねじ挿入孔114より受けリヤ112のねじ孔116にねじ込むことにより受けフロント111及び受けリヤ112が共に取付面5aに固定して取り付けられている。
【0035】
また、前記受け座120も、上記受け座110と同じくかつ図30及び図31に拡大詳示するように、開口部枠5の取付面5aの外側に配置される受けフロント121と、開口部枠5の取付面5aの内側に配置される受けリヤ122とからなる。受けフロント121には、その中央部に鎌錠4の鎌片83が挿入可能な比較的細長い矩形状の受け孔123が設けられているとともに、両端部に一対のねじ挿入孔124,124が設けられている。また、受けリヤ122には、その中央部に上記受け孔123を囲む大きさの凹部125が折り曲げ成形されているとともに、両端部に一対のねじ孔126,126が設けられている。受けフロント121及び受けリヤ122の取付面5aへの取付は、受け座110の受けフロント111及び受けリヤ112のそれと同じである。
【0036】
次に、上記実施形態の作動を説明するに、今、図1に示すように、扉2が建物の開口部を閉じ、内ハンドル15及び外ハンドル17が横向きのラッチ突出状態にある。このとき、ラッチ錠3においては、図8に示すように、ラッチ31の頭部31aはコイルばね43の付勢力を受けて錠ケース12のラッチ孔41より外部に突出する。ハンドルハブ32と同軸のラッチ梃子47はそのアーム部47aがラッチ31のガイド片31dと近接しており、スライダー34は錠ケース12内の中間位置に位置し、ロックハブ36はそのアーム部36bがロックピース38の係合凹部73の下面に当接しており、ロックピース38の第1の垂直部38aはハンドルハブばね受け33の段差部54より下方に位置する。また、各鎌錠4においては、図21に示すように、鎌片83の先端部は錠ケース82内にあり、スライダー84は錠ケース82内の中間位置に位置する。
【0037】
このラッチ突出状態から内ハンドル15又は外ハンドル17を斜め下向きに回動操作するとラッチ錠3においては、図9に示すように、ハンドルハブ32とスライダー作動ギヤ46とラッチ梃子47とが一体的にハンドルハブ32の軸心廻りに時計方向に回動し、ラッチ梃子47のアーム部47aによりラッチ31が錠ケース12の後面寄りに押圧されてラッチ頭部31aが錠ケース12内に没入して解錠を行う。それと同時にスライダー作動ギヤ46のギヤ部46aと噛み合うラック部59を有するスライダー34が中間位置よりスライダーばね受け35側のコイルばね64の付勢力に抗して上方に移動する。このとき、スライダー34の上方移動がそれぞれ連結部材91,92を介して各鎌錠4に伝達され、各鎌錠4においては、図22に示すように、スライダー84が錠ケース82内の中間位置より上方に移動するが、鎌片83は回動せずに錠ケース82内で解錠状態を保持している。
【0038】
このように、ハンドル15,17を横向き位置と斜め下向き位置との間で回動操作することにより、鎌錠4の施錠解錠に影響を与えることなく、ラッチ錠3のラッチ操作を円滑に行うことができる。また、ハンドル15,17がこのラッチ操作のための通常回動操作領域内にあるときには、ラッチ錠3において、スライダー34の回動規制部76がロックハブ36の係合平面75と対向してロックハブ36の回動を規制しているため、たとえ扉2の内側からサムターン16を用い、あるいは扉2の外側からシリンダ18用の鍵を用いてロックハブ36を回動させて施錠を行おうとしてもロックハブ36は回動不可能であり施錠が行われることはない。
【0039】
一方、ハンドル15,17を横向きのラッチ突出位置から上向きに回動操作するとラッチ錠3においては、図10に示すように、ハンドルハブ32とスライダー作動ギヤ46とラッチ梃子47とが一体的にハンドルハブ32の軸心廻りに反時計方向に回動し、ラッチ梃子47の突出部47bがロックピース38の第1の垂直部38aの上方を横切ってハンドルハブばね受け33の段差部54側に移動する。それと同時にスライダー34が中間位置より下方に移動する。このとき、スライダー34の下方移動がそれぞれ連結部材91,92を介して各鎌錠4に伝達され、各鎌錠4においては、図23に示すように、スライダー84が錠ケース82内の中間位置より下方に移動するとともに、鎌片83が支軸89廻りに回動してその先端部が錠ケース82のデッド孔85より外部に突出する。
【0040】
このハンドル15,17の回動操作によって鎌片83が突出した状態においては、ラッチ錠3のスライダー34の回動規制部76はロックハブ36よりも下方に移動しているため、扉2の内側からサムターン16を用い、あるいは扉2の外側からシリンダ18用の鍵を用いてロックハブ36を反時計方向に回動操作すると、図11に示すようにそのアーム部36bによりロックピース38が押圧されて上方に移動し、このロックピース38の第1の垂直部38aとラッチ梃子47の突出部47bとの当接によりラッチ梃子47の回動ひいてはハンドル15,17の回動操作が規制され、ラッチ錠3のみならず各鎌錠4も施錠状態となる。
【0041】
このように、鎌錠4の施錠を行うときには、初めにハンドル15,17を横向きのラッチ突出状態から上向きに回動操作して鎌錠4を突出させ、しかる後サムターン16又はシリンダ18用の鍵を用いて鎌錠4の施錠を行うという二段階の操作が必要であるため、不注意など意図に反して鎌錠4の施錠が行われるのを防止することができ、締め出し事態の発生及び開口部枠5などの破損を確実に防止することができる。しかも、上記ハンドル15,17は、ラッチ操作用のものでサムターン16及びシリンダ18の近傍に設けられているため、上記二段階の操作による鎌錠4の施錠解錠を容易に行うことができる上、操作部材を新たに設ける必要もないので、コスト面などで実施化を容易に図ることができる。
【0042】
また、鎌錠4の施錠状態では扉2の戸先側中央部がラッチ錠3により開口部枠5に施錠されるだけでなく、扉2の戸先側上部及び下部がそれぞれ鎌錠4により開口部枠5に施錠されるため、扉錠1としての防犯性を高めることができる。特に、鎌錠4は、その鎌片83の先端部が開口部枠5側の受け座120に対しその受け孔123の内側から係合した状態で施錠をするものであるため、例えばバールなどで扉2と枠5との隙間を拡げて鎌片83と受け座120との係合を外そうとしても不可能となり、防犯性を十分に高めることができる。
【0043】
さらに、上記ラッチ錠3のスライダー34と各鎌錠4のスライダー84とを連結する連結部材91,92は、従来のグレモン錠のロッドの如く扉2の内部に配置されるものではなく、扉2の戸先側端面に沿って配置されるものであるため、扉2を建物の開口部枠5にヒンジを介して取り付けた状態でその戸先側端面に対しラッチ錠3及び鎌錠4と共に容易に取り付けることができる。しかも、上記連結部材91,92は、いずれもその上下両端の係合部93,93を、それぞれラッチ錠3の錠ケース12及び鎌錠4の錠ケース82に対しそれらのフロント板12c,82cを取り外した状態で内部に挿入し、スライダー34,84の係合溝94,95に係合するだけで両スライダー34,84との連結を簡単に行うことができ、また上下を逆にしても使用できるので、取付作業の簡易化をより図ることができる。
【0044】
加えて、上記鎌錠4は、そのスライダー84の上下両端にそれぞれ上記連結部材91,92と連結するための連結フランジ87及び係合溝95を有し、扉2の戸先側上部及び下部の両方に兼用可能になっているため、その分鎌錠4の組み付けを容易に行うことができるとともに、鎌錠4ひいては扉錠1のコストを低減することができる。
【0045】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の形態を包含するものである。例えば上記実施形態では、ラッチ錠3において、ハンドルハブ32の回動に伴ってスライダー34を上下移動させるに当たり、ハンドルハブ32にスライダー作動ギヤ46を回動一体に装着するとともに、スライダー34にこのスライダー作動ギヤ46のギヤ部46aと噛み合うラック部59を形成したが、この構成の代わりに、回転運動を直線運動に変換するリンク機構など他の運動変換機構を用いて構成してもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、扉2の内ハンドル15及び外ハンドル17を共にレバー型のものを使用したが、本発明は、レバー型以外に、ノブ型のものを使用した場合にも適用することができる。但し、この場合、ハンドルの回動操作状態が一目で分かるように目印などを設けることが望ましい。
【0047】
さらに、上記実施形態では、扉2の戸先側の中央部にラッチ錠3を、扉2の戸先側の上部及び下部に上下一対の鎌錠4,4をそれぞれ設けてなる扉錠1について述べたが、本発明は、扉の戸先側の中央部にラッチ錠とデッドボルト錠とを一体的に又は別体に設けてなる扉錠、あるいはラッチ及びデッドボルトの他に扉の上端面及び下端面より各々突出する上部ロッド及び下部ロッドを有するグレモン錠などにも適用することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、本発明の扉錠によれば、ロック部材を施錠するときには、初めにラッチ操作用のハンドルを通常回動操作領域外の所定角度位置にまで回動操作し、しかる後サムターン又はシリンダ用の鍵を用いてロック部材の施錠を行うという二段階の操作が必要であるため、不注意など意図に反してロック部材の施錠が行われるのを防止することができ、締め出し事態の発生及び開口部周縁などの破損を確実に防止できる。しかも、ロック部材の施錠解錠の操作性を損うことはなく、また操作部材を新たに設ける必要もないので、実施化を図る上で非常に有利なものである。
【0049】
特に、請求項に係る発明では、扉の戸先側の中央部にラッチ錠を、上部及び下部の少なくとも一方に鎌錠をそれぞれ設けてなる扉錠において、ラッチ錠のスライダーにロックハブの回動を規制する回動規制部を設けることにより、鎌錠による防犯性の確保と共に、不注意などによる施錠の防止化を確実に図ることができるという効果を奏する。
【0050】
また、請求項に係る発明では、扉錠の取付時に扉を建物の開口部に取り付けた状態でその戸先側端面に連結部材を沿わせて配置し、この連結部材の上下両端の係合部をそれぞれラッチ錠のスライダー及び鎌錠のスライダーに係合するだけで連結部材の組み付けを容易に行うことができるので、作業性の向上を図ることができるという効果をも有する。
【0051】
さらに、請求項に係る発明では、扉の戸先側の鎌錠が上部用及び下部用として兼用可能なものであるため、その分鎌錠の組み付けを容易に行うことができ、作業性の向上をより図ることができるとともに、鎌錠ひいては扉錠のコストダウン化を図ることができるという効果を併有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る扉錠の全体構成を示し、(a)は扉の戸先側端面の前方より見た正面図であり、(b)はハンドルなどの一部部品を取り外した状態での扉内側から見た側面図である。
【図2】図1のA−A線における拡大断面図である。
【図3】図1のB−B線における拡大断面図である。
【図4】図1のC−C線における拡大断面図である。
【図5】扉のラッチ錠取付部付近の縦断面図である。
【図6】扉の内ハンドル付近の正面図である。
【図7】扉の外ハンドル付近の正面図である。
【図8】ラッチ錠の錠ケースを切開して内部構造を示すラッチ突出状態の側面図である。
【図9】同じくラッチ後退状態の側面図である。
【図10】同じく鎌錠の施錠可能状態の側面図である。
【図11】同じく鎌錠の施錠状態の側面図である。
【図12】図8のD−D線における断面図である。
【図13】図8のE−E線における断面図である。
【図14】図8のF−F線における拡大断面図である。
【図15】図8のG−G線における拡大断面図である。
【図16】図8のH−H線における拡大断面図である。
【図17】図8のI−I線における拡大断面図である。
【図18】ハンドルハブの平面図である。
【図19】スライダー作動ギヤの平面図である。
【図20】ラッチ梃子の平面図である。
【図21】鎌錠の錠ケースを切開して内部構造を示すラッチ突出状態の側面図である。
【図22】同じくラッチ後退状態の側面図である。
【図23】鎌錠の施錠状態の側面図である。
【図24】図21のJ−J線における断面図である。
【図25】図21のK−K線における断面図である。
【図26】図21のL−L線における拡大断面図である。
【図27】ラッチ錠用受け座の取付構造を示す縦断側面図である。
【図28】ラッチ錠用受け座の受けフロントを示し、(a)は平面図であり、(b)は縦断側面図である。
【図29】ラッチ錠用受け座の受けリヤを示し、(a)は平面図であり、(b)は縦断側面図である。
【図30】鎌錠用受け座の受けフロントを示し、(a)は平面図であり、(b)は側面図である。
【図31】鎌錠用受け座の受けリヤを示し、(a)は平面図であり、(b)は側面図である。
【符号の説明】
1 扉錠
2 扉
3 ラッチ錠
4 鎌錠
12 ラッチ錠の錠ケース
15 内ハンドル
16 サムターン
17 外ハンドル
18 シリンダ
31 ラッチ
32 ハンドルハブ
34 ラッチ錠のスライダー
36 ロックハブ
76 回動規制部(施錠規制手段)
82 鎌錠の錠ケース
83 鎌片
84 鎌錠のスライダー
86 溝状孔(溝状部)
88 係合ピン
91,92 連結部材
93 係合部
94,95 係合溝(連結部)

Claims (3)

  1. 扉の戸先側の中央部にラッチ錠を設けるとともに、扉の戸先側の上部及び下部の少なくとも一方に鎌錠を設けてなる扉錠であって、
    上記ラッチ錠のケースにはラッチと、このラッチを操作するハンドルに連結された回動可能なハンドルハブと、このハンドルハブの回動に伴い上下移動するスライダーと、シリンダ及びサムターンに連結された回動可能なロックハブとが設けられており、上記ハンドルは、ラッチを操作する通常回動操作領域の外の所定角度位置にまで回動操作可能に設けられている一方、上記スライダーは、このハンドルがラッチ操作のために通常回動操作領域内で回動操作されたときケース内の中間位置より上方に移動し、ハンドルが上記通常回動操作領域外の所定角度位置にまで回動操作されたときケース内の中間位置より下方に移動するように設けられ、このスライダーには、スライダーがケース内の中間位置より上方にあるとき上記ロックハブの回動を規制する回動規制部が設けられており、
    上記鎌錠のケース内には鎌片が回動可能に支持されているとともに、スライダーが上下移動可能に配置され、上記鎌片とスライダーとは、一方に設けたピンと他方に設けた溝状部との係合によりスライダーがケース内の中間位置より上方に移動したとき鎌片が回動せずに解錠状態を保持し、スライダーがケース内の中間位置より下方に移動したとき鎌片が回動してケース外に突出するように設けられており、
    上記ラッチ錠のスライダーと鎌錠のスライダーとは連結部材により連結されていることを特徴とする扉錠。
  2. 上記連結部材は、細長い板状のもので扉の戸先側端面に沿って上下方向に延びて配置され、この連結部材の上下両端にはそれぞれ上記ラッチ錠のスライダー又は鎌錠のスライダーに係合する係合部が設けられている請求項1記載の扉錠。
  3. 上記鎌錠は、そのスライダーの上下両端にそれぞれ上記連結部材と連結可能な連結部を有し、扉の戸先側の上部及び下部の両方に兼用可能に設けられている請求項1又は2記載の扉錠。
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