以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一例における概略構成を示す断面図である。この図に示す画像形成装置は、本体100の内部に第1作像ステーション11及び第2作像ステーション12の二つの作像ステーションを有している。各作像ステーション11,12は、共に中間転写ベルトの1辺に沿って複数の(本例では4つの)作像ユニットを並べて配置したいわゆる4連タンデム型の作像ステーションである。したがって、本例の画像形成装置は、1回の通紙で用紙両面にフルカラー画像の記録が可能な1パス両面型のカラー画像形成装置である。
第1作像ステーション11において、複数の支持ローラに張架された中間転写ベルト21は、図中時計回りに回転駆動される。そのベルト上辺部に沿って、4つの作像ユニット30Y,30C,30M,30Bkが等間隔でベルト回動方向に並設されている。各作像ユニット30は、扱うトナーの色が異なるのみでその構成は同じであるので、1つを代表して図2により説明する。
図2に示すように、像担持体としての感光体ドラム1の周囲には、帯電手段であるスコロトロンチャージャ3、露光装置4、現像装置5、クリーニング装置2、光除電装置6、電位センサ7、画像センサ8等が配設されている。
感光体ドラム1は、例えば直径30〜120mm程度のアルミニウム円筒表面に光導電性物質である有機感光層(OPC)を形成したものを用いることができる。また、アモルファスシリコン(a−Si)層を形成した感光体等も採用可能である。あるいはベルト状の感光体を採用することもできる。
感光体ドラム1の表面を一様に帯電させる帯電手段3としては、本例のスコロトロンチャージャのほかに、感光体表面に接触するタイプ、たとえば帯電ローラを採用することもできる。
露光装置4は、各色毎の画像データに対応した光を感光体ドラム1の表面に走査して静電潜像を形成する。図示例の露光装置4は、発光素子としてLED(発光ダイオード)アレイと結像素子からなる露光装置であるが、レーザ光源、ポリゴンミラー等を用い、形成すべき画像データに応じて変調したビーム光によるレーザスキャン方式の露光装置も採用できる。
現像装置5は、現像ローラ5a、層厚規制ブレード5b、攪拌・搬送用スクリュー5c及び5d、トナー検知手段5eを備えており、本例ではトナーとキャリヤからなるニ成分現像剤を用いる現像方式である。また本例では、負荷電の感光体1に対し露光装置4により各色感光体1の表面に形成された色毎の静電潜像は、感光体帯電極性と同極性(マイナス極性)の所定の色のトナーで現像され、顕像となる、いわゆる反転現像がおこなわれる。
イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色トナーは、各色を扱う現像装置5で消費されると、透磁式のトナー検知手段5eにより検知され、画像形成装置のトナーカートリッジ収納部85(図1)に備えるトナーカートリッジ86から、不図示の供給手段により、各色のトナーを各現像装置5に供給される。そのトナー供給手段として公知のモーノポンプを用いる方式のものが採用できる。このモーノポンプによればトナーカートリッジの設置場所の制約が少ないため、画像形成装置内部のスペース配分に対し有利である。またトナーが適時補給できるため、現像装置に大きなトナー貯留スペースを設けなくてすみ、現像装置の小型化がはかれる。
現像装置5が画像形成装置100に装着されているとき、トナー補給手段の一端が、スクリュー5dの一部に接続されている。スクリュー5cによりトナーは、図中時計回り方向に回転する現像ローラ5aに供給されるが、ブレード5bにより現像ローラ5a表面のトナー層の厚みが所定の厚みになるように規制される。現像ローラ5aは、ステンレスやアルミニュウム製の円筒で、回転可能にかつ感光体との距離が正規に確保されるように現像装置5のフレームに支持され、内部には所定の磁力線が構成されるようにマグネットが備えてある。なおトナーは従来から公知の方法で得られる球形や不定形のトナーが用いられる。体積平均粒径が20μm以下、好ましくは10μm以下3μm以上の粒子からなるものである。またキャリヤも従来公知の方法で得られるものが用いられる。キャリヤの粒径として、体積平均粒径が25μmから60μm程度である。
そして、中間転写ベルト21の内側には、ベルト21を挟んで感光体ドラム1に対向する位置に一次転写手段の一例である転写ローラ22が配置されている。この転写ローラ22が中間転写ベルト21の裏面に当接し、感光体ドラム1と中間転写ベルト21との適正な転写ニップが確保されている。転写ローラ22は、芯金たる金属ローラの表面に導電性ゴム材料を被覆したもので、芯金部に不図示の電源からバイアスが印加される。導電性ゴム材料はウレタンゴムにカーボンが分散され、体積抵抗10E5Ωcm程度に抵抗が調整されている。この転写ローラ22には感光体ドラム1上に形成されたトナー像のトナー帯電極性と逆極性、本例ではプラス極性の転写電圧が印加される。これにより、感光体ドラム1と中間転写ベルト21との間に転写電界が形成され、感光体ドラム1上のトナー像が、その感光体ドラムと同期して回転駆動される中間転写ベルト21上に静電的に転写される。このように、一次転写手段22は、感光体ドラム1上のトナー像を中間転写ベルト21の表面に静電転写する用をなす。
トナー像を中間転写ベルト21に転写したあとの感光体ドラム1表面に付着する転写残トナーはクリーニング装置2によって除去され、感光体ドラム1の表面が清掃される。クリーニング装置2は、クリーニングブラシ2a、クリーニングブレード2b及び回収部材2cを備え、感光体ドラム1表面に残留するトナー等の異物を除去し、そして回収する。
各色作像ユニット30Y,30C,30M,30Bkにおいて、各感光体ドラム1に形成された静電潜像に対し、各色作像ユニットの現像装置5からイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色トナーが付与され、互いに異なった色のトナー像を形成する。その各色感光体ドラム1上に形成された各色のトナー像は、各色作像ユニットの各感光体ドラム1に対向配置された転写ローラ22によって、中間転写ベルト21上に順次重ねて静電転写される。
像担持体としての中間転写ベルト21は、複数のローラ24,25,26(2個),27,28,29により支持されて図中時計回り方向に走行する。支持ローラ28と29の間のベルト走行辺には、ベルト21の表面に残留する不要なトナーや紙粉などの異物を拭い去るためのベルトクリーニング装置23が設けられている。そのベルトクリーニング装置23のブレードに対向する位置のベルトループ内には、対向ローラが設けられている。
各色作像ユニットの各感光体ドラム1に対向して配置されている各転写ローラ22は、図示しない付勢機構によりベルト21を押圧して、ベルト21を各色作像ユニットの各感光体ドラム1に圧接させている。また、各転写ローラ22の付勢機構は付勢を個別に解除できるように構成されており(例えば、ソレノイド等を用いることで実現できる)、転写ローラ22の付勢を個別に解除することによって、各色作像ユニット30Y,30C,30M,30Bkの各感光体ドラム1へのベルト21の圧接が解除され、各色作像ユニットは装置本体100から独立して着脱可能に構成されている。
また、中間転写ベルト21に関連する部材(支持ローラ24〜29,各転写ローラ22,ベルトクリーニング装置23等)は、第1ベルトユニット20として一体的に構成してあり、装置本体100に対して着脱可能に構成されている。
次に、第2作像ステーション12について説明する。第2作像ステーション12の構成は基本的に第1作像ステーション11と同様であり、中間転写ベルト41の張り方や各色作像ユニット50Y,50C,50M,50Bkの向きが第1作像ステーション11と異なるだけである。したがって、第1作像ステーション11と異なる部分を中心に説明する。
図1に示すように、複数の支持ローラに張架された中間転写ベルト41は、図中反時計回りに回転駆動される。2つの支持ローラ46,46間のベルト斜辺部に沿って、4つの作像ユニット50Y,50C,50M,50Bkが等間隔でベルト回動方向に並設されている。各作像ユニット50は、扱うトナーの色が異なるのみでその構成は同じである。代表して1つの作像ユニット50を図3に示すが、図2で説明した第1作像ステーション11の作像ユニット30と左右対称形に構成されていること以外は作像ユニット30と同じである。各作像ユニット50の現像装置5には、第1作像ステーション11の場合と同様、トナーカートリッジ収納部13(図1)に備えるトナーカートリッジ14からトナーが供給される。用いるトナー及びキャリアも同一である。
そして、中間転写ベルト41の内側には、ベルト41を挟んで感光体ドラム1に対向する位置に一次転写手段の一例である転写ローラ42が配置されていることも、第1作像ステーション11の場合と同様である。転写ローラ42の構成も第1作像ステーション11の一次転写手段である転写ローラ22と同じである。第2作像ステーション12では、支持ローラ49に対向する位置にベルトクリーニング装置43が設けられている。
第1作像ステーション11の場合と同様、各色作像ユニット50Y,50C,50M,50Bkの各感光体ドラム1に対向して配置されている各転写ローラ42は、図示しない付勢機構によりベルト41を押圧して、ベルト41を各色作像ユニットの各感光体ドラム1に圧接させている。また、各転写ローラ42の付勢機構は付勢を個別に解除できるように構成されており、転写ローラ42の付勢を個別に解除することによって、各色作像ユニット50Y,50C,50M,50Bkは、装置本体100から独立して着脱可能に構成されている。
また、中間転写ベルト41に関連する支持ローラ44〜49,各転写ローラ42,ベルトクリーニング装置43等の各部材は、第2ベルトユニット40として一体的に構成してあり、装置本体100に対して着脱可能に構成されている。
ところで、第1作像ステーション11と第2作像ステーション12では、中間転写ベルト21と41の配設形状が異なっており、第1作像ステーション11では作像ユニット30の感光体ドラム1がベルトの水平部(ベルトが水平に張られた部分)に接触されるのに対し、第2作像ステーション12では作像ユニット50の感光体ドラム1がベルトの斜辺部(ベルトが斜めに張られた部分)に接触されている。したがって、両方の作像ステーションにおいて同一構成の作像ユニットを使用する(同一構成の作像ユニットが使用可能である)ためには、作像ユニットの構成が重要である。すなわち、感光体ドラム1に対して中間転写ベルトを水平でも斜めでも接触可能な構成を、作像ユニットが備えていなければならない。
図4に示すように、第1作像ステーション11の作像ユニット30と第2作像ステーション12の作像ユニット50は、感光体ドラム1の回転軸1aを通るy軸に対して対称の形をしている。ここで、感光体ドラム1に対して中間転写ベルトを接触できる範囲は、ベルトが感光体ドラム1の周囲に配置された各部材に接触しない範囲、一点鎖線A1とA2の図示矢印側の範囲内である。本例における作像ユニット30及び50は、クリーニング装置2から現像装置5までの機器が何も配置されない角度範囲(一点鎖線A1とA2の図示矢印側の範囲)を大きく設けているため、感光体ドラム1に対して中間転写ベルト21を水平に接触させる第1作像ステーション11と、感光体ドラム1に対して中間転写ベルト21を斜めに接触させる第2作像ステーション12で作像ユニットの構成を同じにし、現像装置やクリーニング装置等の各機器として異なるものを準備する必要がなく、部品の製造及び管理上での効率を高め、装置全体のコスト低減を計ることができる。
仮に、第1作像ステーション11と第2作像ステーション12で異なる構成の作像ユニットを用いる場合には、部品点数が増加し、また、部品の製造及び管理上での効率が低下し、コストが上昇してしまう。
また、第1作像ステーション11と第2作像ステーション12で同構成の作像ユニットを用いる場合でも、各ステーションにおいて作像ユニットを上下反転して配置する(感光体ドラム1の回転軸1aを通るx軸(水平線)に対して対称に配置する)場合には、地球重力の影響があるため、少なくとも現像装置5においては、トナーの攪拌や現像ローラ5aへのトナー補給等の条件が異なってくるため、それぞれ最適化しなければならず、部品の共通化もできなくなる。
しかし、本例においては、上記のように、作像ユニット30及び50は感光体に対して中間転写ベルトを接触できる領域を広く(接触できる角度範囲を大きく)設けることにより、複数の作像ステーションにおいて逆向きに(感光体ドラムの回転軸を通るy軸に対して対称に構成した)作像ユニットを配置することが可能となり、また、感光体に対して接触させるベルトの角度にも自由度が増し、複数の作像ステーションに同一構成の作像ユニットを使用できることから、部品の製造及び管理上での効率を高め、装置全体のコスト低減を計ることができる。もちろん、第1作像ステーション11と第2作像ステーション12で作像ユニットの向きを逆にして配置するために、装置本体100との結合部、たとえば駆動手段との結合部、電気的接続部、トナー供給部、トナー排出部の結合方法を配慮しておく必要がある。
第1及び第2作像ステーション11,12の中間転写ベルト21,41は、例えば基体の厚さが50〜600μm の樹脂フィルムあるいはゴムを基体とするベルトであって、各作像ユニットの感光体1が担持するトナー像を一次転写ローラ22,42に印加するバイアスにより静電的にベルト表面に転写を可能とする抵抗値を有する。具体的に一例を挙げると、ポリアミドにカーボンを分散し、その体積抵抗値は10E6〜10E12Ωcm程度に抵抗が調整されたものである。また、ベルトの走行を安定させるためのベルト寄り止めリブを、ベルト片側あるいは両側端部に設けてある。
一次転写手段である転写ローラ22,42は、例えば、芯金である金属ローラの表面に導電性ゴム材料を被覆したもので、芯金部に不図示の電源からバイアスが印加される。具体的に一例を挙げると、導電性ゴム材料はウレタンゴムにカーボンが分散され体積抵抗10E5〜10E8Ωcm程度に抵抗が調整されている。
本実施形態の画像形成装置はフルカラー画像の形成が可能であるが、もちろん、ブラックトナーだけによるモノクロ記録も可能である。モノクロ記録時には、使用されない作像ユニットが存在する。そこで使用されない作像ユニット(Y,C,M)の感光体ドラム1及び現像装置5を稼動させないだけでなく、これら使用されない感光体1と中間転写ベルト21及び41とを非接触に保つための機構を備えている。本実施の形態では、ベルトユニット20及び40において、ブラック作像ユニット(Bk)側の支持ローラ26(46)と一次転写ローラ22(42)を支持する内部フレーム(不図示)を設けておき、ある点を中心に回動可能に支持し、感光体から遠ざかる方向に回動させることにより、ブラック作像ユニットの感光体だけが像担持ベルト21(41)と接触して作像工程を実行することにより、ブラックトナーによるモノクロ画像を作成する。この構成により、感光体の寿命向上の点で有利である。
さらに、第1作像ステーション11の最下部に位置して中間転写ベルト21の外側で、支持ローラ28に対向して第1の二次転写手段である転写ローラ51が設けてある。この二次転写ローラ51は芯金たる金属ローラの表面に導電性ゴムを被覆したもので、芯金部に不図示の電源からバイアスが印加される。上記ゴムにはカーボンが分散されており、体積抵抗は10E6〜10E9Ωcm程度に抵抗が調整されたものである。中間転写ベルト21と二次転写ローラ51の間に記録媒体(以下用紙P)を通過させながら二次転写ローラ51にバイアスを印加することで、中間転写ベルト21が担持するトナー画像が用紙Pに転写される。なお、後述するチャージャ52にトナーと同極性のバイアスを印加しローラ51をアースしても良い。
また、第2作像ステーション12の最上部に位置して中間転写ベルト41の外側で、支持ローラ44に対向して第2の二次転写手段である転写チャージャ52が設けてある。この転写チャージャ52は公知のタイプのものを使用可能で、タングステンや金の細い線を放電電極とし、ケーシングで保持し、放電電極に不図示の電源から転写電流が印加される。中間転写ベルト41と転写チャージャ52の間に用紙Pを通過させながら転写電流を印加することで、中間転写ベルト41が担持するトナー画像が用紙Pに転写される。二次転写手段である転写ローラ51と転写チャージャ52に印加される転写電流の極性は、ともにトナーの極性と逆極性(本例ではプラス)である。
装置本体100の右側には用紙を供給可能に収納した給紙装置80が配備されている。この給紙装置80は複数段の給紙部を備えており、本例では上段に大量の用紙を収納した給紙トレイ81、その下方に3段の給紙カセット82a〜cが配設されている。これらの給紙トレイ81及び給紙カセット82a〜cは、それぞれ紙面に対し直角手前側(操作面側)に引出し可能に構成されている。給紙トレイ81や給紙カセット82a〜c内に収納された用紙のうち、最上位置の用紙は、対応する給紙・分離手段83a〜dにより選択的に分離給送され、確実に一枚だけが複数の搬送ローラ対84により記録紙搬送経路85や86に送られる。
装置本体100内の記録紙搬送経路86には、二次転写位置へ用紙を送り出す給送タイミングをとるため、一対のレジストローラ53が設けられている。さらに用紙の搬送方向に対し直角方向の位置を正規の位置にするためのジョガー55が記録紙搬送経路86に設けてある。ジョガー55は、用紙の搬送方向に対し両側から用紙の端部に向け移動するガイド部材を備えていて、走行中の用紙の両側からガイドが用紙を一瞬押しつけることで用紙を所定の位置に整合させる。
用紙はレジストローラ対53から、第1作像ステーションの中間転写ベルト21と二次転写ローラ51で構成される第1の転写ステーションたる転写領域に向けて搬送される。その後、第2作像ステーションの中間転写ベルト41と転写チャージャ52で構成される第2の転写ステーションたる転写領域に向けて搬送される。なお、給紙装置80の上部に形成された記録紙搬送路88には複数の搬送ローラ対84が備えられており、その搬送方向上流に設置した別の給紙装置90から用紙が供給可能となっている。
給紙装置80では、給紙トレイ81の最上位の用紙が給紙され、その後曲げられることなく、ほぼ水平に真直ぐ搬送されるように、給紙トレイ81の上部給紙面が配備してある。そのため厚い用紙、剛性の高い板紙でも確実に給紙できる。なお給紙トレイ81には、多様な特性の用紙が収納されても確実に給紙できるよう、バキューム機構からなるエアー給紙を採用すると好都合である。図示していないが、記録紙搬送路の要所には用紙を検知するためのセンサが具備されていて、用紙の存在を基準とする各種信号のトリガーとしている。また、給紙装置80の最上部には、自動原稿給送装置を備えた原稿読取装置89が装備されている。
装置本体100に戻り、記録紙搬送路86の延長上に、上記第2の転写ステーションを通過した用紙を、記録紙搬送方向下流に備えた定着装置15における定着ニップまで平面状態を保って搬送させるための、記録紙移送手段60を備えている。記録紙移送手段60は、矢印方向に無端移動する搬送ベルト61を支持する複数のローラを有し、搬送ベルト61の外側には、クリーニング装置62,記録紙をベルトに吸着させるための吸着用チャージャ63、除電・分離チャージャ64を備えている。
未定着のトナー画像と接触しながら記録紙とともに移動する搬送ベルト61は、吸着用チャージャ63によりトナーの帯電極性と同極性のマイナス帯電が施される。搬送ベルト61として、金属ベルト、ポリイミドベルト、ポリアミドベルトなどが採用できる。表面にトナーとの離型性を与えるとともに、帯電可能の抵抗値を備える。このベルト61の走行速度は、定着装置における記録体の走行速度と合わせてある。
記録紙搬送手段60の用紙搬送方向下流側には、加熱手段を有する定着装置15が設けられている。定着装置15としては、ローラ内部にヒータを備えるタイプ、加熱されるベルトを走行させるベルト定着装置、また加熱の方式に誘導加熱を採用した定着装置などが採用できる。用紙両面の画像の色合い、光沢度を同じにするため、定着ローラ、定着ベルトの材質、硬度、表面性などを上下同等にしてある。また、フルカラーとモノクロ画像、あるいは片面か両面かにより定着条件を制御したり、用紙の種類に応じて最適な定着条件となるよう、不図示の制御手段により制御される。定着の終了した用紙を冷却し、不安定なトナーの状態を早期に安定させるため、冷却機能を有した冷却ローラ対16を定着後の搬送路に備えている。冷却ローラ対には放熱部を有するヒートパイプ構造のローラが採用できる。冷却された用紙は、排紙ローラ対17により、装置本体100の左側に設けた排紙スタック部19に排紙、スタックされる。
装置本体100の上部に設けられたトナーカートリッジ収納部13には、未使用のトナーが収納された各色のトナーカートリッジ14Y,14C,14M、14Bkが、着脱可能に収納されている。このトナーカートリッジ14から不図示のトナー搬送手段により、各作像ユニットの現像装置5に必要に応じトナーを供給するようになっている。本例の構成は、上下に配された第1及び第2作像ステーション11,12に対し、トナーカートリッジは共通にしているが、別々にすることもできる。消耗の多いブラックトナー用のトナーカートリッジ14Bkを、特に大容量としておくことも可能である。
トナーカートリッジ収納部13に隣接して、操作・表示ユニット33が設けられている。この操作・表示ユニット33にはキーボード等が備えてあり、画像形成のための条件などがインプットできるし、装置の状態等を表示部に表示させ、操作者と画像形成装置との情報交換を容易なものとする。
装置本体100の内部には廃トナー収納部31が備えられており、各作像ユニットのクリーニング装置2、中間転写ベルト21,41のクリーニング装置23,43、および搬送ベルト61のクリーニング装置62と連結されており、一括して廃トナーや紙粉等の異物を回収して収納する。また装置本体100内部に備えた電装・制御装置32には、各種電源や制御基板などが板金フレームに保護され収納されている。
そして、定着装置15による熱や電装装置32からの発熱により、画像形成装置内部は高温になるが、その対策としてファン18を設けて、内部の熱による機能低下を防止している。またこのファン18は冷却ローラ対16の放熱部と結合してあり、冷却ローラ対16の冷却効果を確実にしている。
この画像形成装置における画像形成動作について詳しくは後述するが、片面記録の場合、第1作像ステーション11あるいは第2作像ステーション12のどちらを使用しても片面記録が可能であり、操作部33から指示選択できるようになっている。第2作像ステーション12を用いる場合は、記録紙搬送路86を搬送されてきた用紙の下面に画像を転写し、排紙スタック部19に排紙・スタックすることで、複数ページの記録物をページ順にスタックすることができる(記録面を下に向けたフェイスダウン排紙となる)。第1作像ステーション11を用いる場合は、そのままだとページ順とならないので、最終ページから(逆ページ順に)作像し、記録紙搬送路86を搬送されてきた用紙の上面に画像を転写し、排紙スタック部19に排紙・スタックすることで、複数ページの記録物をページ順にスタックすることができる(記録面を上に向けたフェイスアップ排紙となる)。
一方、両面記録の場合は、第2作像ステーション12で表面画像を、第1作像ステーション11で裏面画像をそれぞれ形成して用紙両面に転写することで、排紙スタック部19に排紙・スタックした場合にページ順に揃った複数ページの両面記録物を得ることができる。この場合、第1ページが下向きになって排紙スタック部19に排紙・スタックされる。なお、両面記録においても、最終ページから(逆ページ順に)作像し、第2作像ステーション12で裏面画像を、第1作像ステーション11で表面画像をそれぞれ形成して用紙両面に転写することで、ページ順に揃った複数ページの両面記録物を得ることも可能である。この場合、第1ページが上向きになって排紙スタック部19にスタックされる。
さて、本実施形態の画像形成装置では、上述したように、第1作像ステーション11の各色作像ユニット30Y,30C,30M,30Bkは装置本体100から独立して着脱可能に構成されている。また、第1ベルトユニット20も装置本体100に対して着脱可能に構成されている。したがって、第1作像ステーション11を装置本体100に対して着脱可能である。また、第2作像ステーション12においても同様に、各色作像ユニット50Y,50C,50M,50Bkは装置本体100から独立して着脱可能に構成されている。また、第2ベルトユニット40も装置本体100に対して着脱可能に構成されている。したがって、第2作像ステーション12を装置本体100に対して着脱可能である。
そして、各作像ユニット、各ベルトユニット、あるいは各作像ステーションを装置筐体から取り出し及び挿入可能とするため、図5に示すように、装置本体に複数のドアが設けられている。すなわち、第1ステーションドア101,第2ステーションドア102,第1ユニットドア111,第2ユニットドア112,第3ユニットドア113,第4ユニットドア114,第5ユニットドア115,第6ユニットドア116,第7ユニットドア117,第8ユニットドア118の8つのドアである。
第1ステーションドア101を開けると、第1作像ステーション11全体、あるいは第1ベルトユニット20、もしくは作像ユニット30Y,30C,30M,30Bk(図1参照)を装置本体に着脱することができる。
第1〜第4のユニットドア111〜114を開けると、第1作像ステーション11の作像ユニット30Y,30C,30M,30Bkを個別に装置本体に着脱することができる。
第2ステーションドア102を開けると、第2作像ステーション12全体、あるいは第1ベルトユニット20、もしくは作像ユニット50Y,50C,50M,50Bk(図1参照)を装置本体に着脱することができる。
第5〜第8のユニットドア115〜118を開けると、第2作像ステーション12の作像ユニット50Y,50C,50M,50Bkを個別に装置本体に着脱することができる。
そして、本実施形態においては、第1及び第2作像ステーション11,12のどこかが故障あるいは部品が寿命に達した場合には、装置全体を停止させて修理あるいはメンテナンスを行なうのではなく、対象部分のみを停止させて作像ユニット又はベルトユニットあるいは作像ステーション単位で機外に取り出して修理あるいはメンテナンスをできるように構成している。
故障又は寿命が発生した場合の対象部分の修理・メンテナンスについて、具体的な例を挙げて説明する。なお、ここでは、各作像ユニット、各作像ステーション、あるいは各ベルトユニットにおいて故障又は寿命が発生する場合の全ての組み合わせ例を示すことはできないので、いくつかの代表的な例を挙げて説明する。
[例1−1]
用紙両面への画像形成動作中に第1作像ステーション11の作像ユニット30Cに異常が生じて用紙裏面への正常なカラー画像が得られなくなったとする。この例では、ユニット30Cの作像を停止する信号を操作部33から入力し、用紙裏面(第1作像ステーション11)については単色画像での記録(モノクロプリント)を指示し用紙表面(第2作像ステーション12)についてはそのままカラー画像の作像を続ける。さらに、作像ユニット30Cへの停止信号と連動してユニット30Cに関連する駆動と中間転写ベルト21への転写ローラ22(ユニット30Cに対向するもの)のバイアス電荷印加の停止及びベルトへの転写ローラ接触が解除される。また、図5に示した第2ユニットドア112(ユニット30Cに対応するドア)の開閉を許可し、このユニットドア112を開いて作像ユニット30Cを機外に取り出すことが出来る。
各ユニットドアはロック手段を有しており、このロック手段は、操作部33からの各ユニットの動作停止信号に連動してロックが解除される。具体的には、ソレノイド等を用いることにより、自動ロック及び自動ロック解除を実現できる。
各作像ユニットには、作像ステーションに設置されており機内に有る状態では外部の光に影響されないように内装カバーが設けられているので、ユニットドア112を開いても他の作像ユニットにおける作像に問題は発生しない。その後、交換用作像ユニット(又は修理したユニット)30Cを取り付け、作像停止信号を解除し通常のカラー画像記録を用紙裏面についても開始する。再装着した作像ユニットは、操作部33からの作像停止信号の解除により、例えば紙間のタイミングにおいて中間転写ベルト21と感光体ドラム1を係合させるよう転写ローラ22が付勢され、作像ユニットの動作が再開されるよう構成する。
この様に、一部の機能が停止しても機械全体を止める必要が無く、多少の機能を低下させるだけで済み、機械の完全停止による生産性の低下を防止することができる。なお、ここでは第1作像ステーション11の作像ユニット30Cに異常が生じた場合について説明したが、第1作像ステーション11の他の作像ユニットあるいは第2作像ステーション12のいずれかの作像ユニットで異常が生じた場合も同様に、その異常が生じた作像ユニットだけを停止させて交換・修理することが可能である。
[例1−2]
第2作像ステーション12を用いた片面記録中に中間転写ベルト41に異常が生じて正常なカラー画像が得られなくなったとする。この例では、第2作像ステーション12全体の作像動作を停止させる信号を操作部33から入力するとともに、第1作像ステーション11を用いて画像形成を継続する指示を操作部33から入力した。これにより、異常発生以降のページは、第1作像ステーション11を用いて正常なカラー画像の形成を行った。なお、上記停止信号と連動して、第2作像ステーション12に関連する駆動と各転写ローラ42への電荷印加の停止が行なわれる。また、図5に示した第2ステーションドア102の開閉を許可し、このドア102を開いて第2作像ステーション12を機外に取り出すことができる。ステーションドアのロック手段はユニットドアのロック手段と同様である。
各作像ユニットには、作像ステーションに設置されており機内に有る状態では外部の光に影響されないように内装カバーが設けられているので、第2ステーションドア102を開いても第1作像ステーション11の作像ユニットにおける作像に問題は発生しない。その後、交換用第2作像ステーション(又は修理したステーション)12を取り付け、作像停止信号を解除すれば第2作像ステーション12で通常のカラー画像記録が可能となる。
このように、一方の作像ステーションで故障等が発生しても、機械全体を止めずに他方の作像ステーションで片面記録を継続しながら修理や交換が可能であり、機械の完全停止による生産性の低下を防止することができる。なお、記録物は途中から排紙トレイ19でのスタックの向きが逆になるが、操作者が揃えてやれば良い。また、ここでは第2作像ステーション12で故障が発生した場合について説明したが、第1作像ステーション11で異常が生じた場合も同様にすることができる。
[例1−3]
用紙両面への画像形成動作中に第1作像ステーションの作像ユニット30Mと第2作像ステーションの作像ユニット50Bkに異常が生じて正常なカラー画像が得られなくなったとする。この例では、ユニット30Mとユニット50Bkの作像を停止する信号を操作部33から入力した。また同時に、第1作像ステーション11では黒(ユニット30Bk)単色での作像を、第2作像ステーション12ではマゼンタ(ユニット50M)単色での作像を指示して機械を稼動させた。また、上記停止信号と連動して、ユニット30M及びユニット50Bkに関連する駆動と中間転写ベルト21,41への転写ローラ22,42(それぞれユニット30Mとユニット50Bkに対向するもの)のバイアス電荷印加の停止及びベルトへの転写ローラ接触が解除される。さらに、図5に示した第3ユニットドア113(ユニット30Mに対応するドア)と第8ユニットドア118(ユニット50Bkに対応するドア)の開閉を許可し、このユニットドア113及び118を開いて作像ユニット30M及び50Bkを機外に取り出すことが出来る。異常が発生したユニットの交換又は修理後、ユニットを各作像ステーションに取り付け、停止信号を解除することで、正常動作を再開させる。
このように、2つの作像ステーションにまたがる異常発生においても、一部の機能を停止させるのみで最低限の作像動作を実行することができる。しかも、装置を使用しながらの故障修理が可能であることが実証できた。
なお、各作像ユニット、各作像ステーションの独立駆動は、既知の手段(例えば、ユニットあるいはステーションごとの独立モータ、あるいは、駆動系列中に電磁クラッチを設けたり、ソレノイドを用いる機構等)で対応が可能である。
また、各作像ユニット、各作像ステーションの装置本体からの取り外し及び再装着についても、ユニットやステーションをレール等により保持し移動可能に構成することで、修理交換作業が他のユニットあるいはステーションにおける作像動作に影響しないようにすることができる。ステーションドア101,102及びユニットドア111〜118についても、ドアをユニット取り出しの補助部材として使用できるように開閉位置等を考慮している。
ここで、本例の画像形勢装置で使用するトナーについて説明する。
先に、「トナーは従来から公知の方法で得られる球形や不定形のトナーが用いられる。体積平均粒径が20μm以下、好ましくは10μm以下3μm以上の粒子からなるもの」として記述したが、単に画像を得るだけであれば上記のトナーで問題はないが、高画質・高安定の品質を得るためには下記のような粒径分布と円形度を必要とする。特に本例の画像形成装置のように1回の通紙のみで両面に画像形成する場合、一般的に転写紙の表裏で紙質(特に面の粗さ)が異なり転写性能に対しての影響が大きい(転写を通過することで裏面の粗さは緩和される)。従って、これらの影響を受けにくいトナーを用いることは重要になってくる。粒径が小さく分布が揃っているトナー(重量平均粒径が3〜8μmで重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)が1.0〜1.4)は電気的な特性も均一で現像時にトナー層の密度が高く均一となり画質の向上が計れると同時に転写性が良くなり、紙質(粗さ)の影響も受けにくくなる。同様に円形度の高いトナー(平均円形度が0.93〜1.00)も粒子表面が滑らかで、しかも他との接触面積が小さいため、流動性が良く転写性が非常に良好で両面での画像品質が安定する。したがって、このような粒径分布と円形度を備えたものが、本例の画像形成装置で使用するには理想的なトナー特性と言える。
本願発明者は、各作像ユニットにて使用するトナーの特性として、トナー粒径が重量平均粒径3〜8μmで、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)が1.0〜1.4のものを使ったところ、表裏各面の画像濃度差が0.1以下となりベタの埋まり具合にも差がほとんど見られなかったことを確認した。
トナー粒子の粒度分布の測定方法についてはコールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)等で行うことが出来る。また、円形度は、東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定することができる。
次に、図1の画像形成装置における作像動作について、片面記録と両面記録に分けて説明する。
まず、片面記録動作について。先に簡単に説明したように、第1作像ステーション11あるいは第2作像ステーション12のどちらを使用しても片面記録が可能であり、操作部33から指示選択できるようになっている。本例の画像形成装置の構成では、第1作像ステーションの中間転写ベルト21に担持させた画像を用紙の片面に転写すると画像が用紙の上面に、第2作像ステーションの中間転写ベルト41に担持させた画像を用紙の片面に転写すると画像が用紙の下面に形成される。記録するべきデータが複数ページになるケースでは、排紙スタック部19上でページが揃うように作像順序を制御するのが好都合である。ここでは、最後のページの画像データから順に(逆ページ順に)記録してページ揃えをするよう、第1作像ステーションを用いて片面記録を行なう動作について説明する。
画像形成の開始が指示されると、第1作像ステーション11において中間転写ベルト21と各作像ユニット30Y〜30Bkにおける感光体1が回動する。同時に第2作像ステーション12において中間転写ベルト41が回動するが、こちらの各作像ユニット50Y〜50Bkにおける感光体1は中間転写ベルト41から離間状態とされるとともに不回転状態にされる。フルカラー画像ではイエローの作像ユニット30Yから作像が開始される。LED(発光ダイオード)アレイと結像素子からなる露光装置4の作動により、LEDから出射されたイエロー用の画像データ対応の光が、帯電装置3により一様帯電された感光体1Yの表面に照射されて静電潜像が形成される。この静電潜像は現像ローラ5aによりイエロートナーで現像されて可視像となり、一次転写ローラ22の作用により感光体1Yと同期して移動する中間転写ベルト21上に静電的に一次転写される。このような潜像形成、現像、一次転写動作が他の作像ユニット30C,30M,30Bkでもタイミングをとって順次同様に行われる。
この結果、中間転写ベルト21上には、イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの各色トナー画像が、順次重なり合ったフルカラートナー画像として担持され、中間転写ベルト21とともに移動される。
一方、給紙装置40のなかの給紙トレイ81あるいは給紙カセット82a〜cから、記録に使われる用紙がその供給のための分離給送手段83a〜dの一つにより繰り出され、搬送ローラ対84等により記録紙搬送路86に搬送される。用紙の先端がレジストローラ対53に咥えられない前に、ジョガー55は、用紙の搬送方向に対し両側の横方向から用紙両辺を押すように作動し、用紙横方向の位置整合がはかられる。レジストローラ対53はまだ静止しており、用紙の先端はレジストローラ対53のニップに入り込んだ状態で静止するが、中間転写ベルト21上の画像との位置が正規なものとなるよう、タイミングをとってレジストローラ対53が回転し、用紙を転写領域に送り出す。
上記のように中間転写ベルト21上に担持されたフルカラートナー画像は、中間転写ベルト21と同期して搬送される用紙の上面に、二次転写ローラ51による作用を受けて転写される。二次転写ローラ51に与えられるバイアスは、本例ではトナーの帯電極性と逆のプラス極性である。
その後、中間転写ベルト21の表面はベルトクリーニング装置23によりクリーニングされる。また一次転写を終了した各作像ユニット30Y〜30Bkにおける感光体ドラム1の表面に残留するトナー等の異物はクリーニング装置2のクリーニングブラシ2a、クリーニングブレード2bにより、各感光体の表面から除去される。各感光体1の表面は除電装置6による残留電位の除電作用がおこなわれて次の作像・転写工程に備える。除去されたトナー等の異物は、回収手段2cにより、回収部31に送られる。なおセンサ7,8は、感光体表面の露光後の表面電位と、現像工程後の感光体表面に付着しているトナーの濃度が適切なものであるかを検知し、適宜作像条件の設定、制御のために不図示の制御手段に情報を出力する。
中間転写ベルト21に重ねられてベルト上のトナー像が転写された用紙は、搬送装置60の搬送ベルト61により定着装置15に向け移送される。用紙を確実に搬送ベルト61とともに移送できるよう、あらかじめ移送ベルト61の表面を用紙吸着用チャージャ63により帯電する。また、用紙が搬送ベルト61から分離され、確実に定着装置15に送られるように、除電・分離チャージャ64が設けられている。
用紙上に転写された各色トナー像は定着装置15の熱と圧力による定着作用を受け、溶融・混色されて完全にカラー画像となる。用紙の片面(ここでは上面)だけにトナーを有しているので、両面にトナーを有している両面記録時に比べ、定着に要する熱エネルギは少なくて済む。不図示の制御手段が画像に応じて定着装置の使用する電力を最適に制御する。定着されたトナーも用紙上で完全に固着するまでは、搬送路のガイド部材等にこすられると画像が欠落したり乱れたりするので、冷却手段である冷却ローラ対16が作動し、トナーと用紙を冷却する。その後、排紙ローラ17により排紙スタック部19に、画像面が上向きとなって排紙される。排紙スタック部19では若いページの記録物が順次上に重ねられるようにスタックされるよう、作像順序がプログラムされているのでページ順が揃うようになっている。
第2作像ステーション12を用いた片面記録動作は、排紙スタック部19にページ順で排紙されるように先頭ページから(ページ順に)画像形成を行うことが異なっているが、基本的には上記した第1作像ステーションでの作像動作と同様であるので、説明を省略する。
次に、用紙の両面に画像を形成する両面記録時の動作について説明する。
画像形成の開始が指示されると、上記の片面記録動作で説明したと同様に第1作像ステーション11での各色ごとの画像形成動作を行ない(以下、第1作像ステーション11で作成した画像を第1画像と呼ぶ)、これとほぼ平行して、第2作像ステーション12の各作像ユニット50Y〜50Bkで順次形成した各色ごとのトナー画像を中間転写ベルト41に順次一次転写させ、第2画像として担持させる工程がおこなわれる。図1に示すような装置構成なので、上記第1画像と第2画像が、用紙の搬送方向先端で位置的に合致するためには、第1画像の形成開始より遅れて第2画像の形成が開始される。また用紙はレジストローラ対53で静止と再送がおこなわれるので、その時間も見込んで給紙され、ジョガー55で整合される。レジストローラ対53は、タイミングをとって用紙を第1の二次転写手段である転写ローラ51と中間転写ベルト21で構成された第1転写部に搬送する。ここで転写ローラ51にプラス極性の転写電流が印加され、中間転写ベルト21から用紙の片面(ここでは上面)に第1画像が転写される。
片面(上面)に画像(第1画像)を転写されたた用紙は、転写ローラ51の搬送作用により、引き続き第2の二次転写手段である転写チャージャ52のある第2転写部に送られる。そしてチャージャにプラス極性の転写電流が印加されることにより、中間転写ベルト41にあらかじめ担持されているフルカラーの第2画像が、一括して用紙の下面に転写される。
このようにして両面にフルカラートナー像が転写された用紙は、搬送ベルト61により定着装置15へと搬送される。吸着用チャージャ63により、搬送ベルト61の表面はトナーの極性と同じマイナス極性で帯電される。したがって用紙下面の未定着のトナーがベルトに移らないようにされている。そして除電・分離チャージャ64に交流電圧が印加され、用紙はベルト61から分離され、定着装置15へと移送される。定着装置15の熱と圧力による定着処理を受け、用紙両面のトナー画像が溶融・混合される。用紙は引き続いて冷却ローラ対16を通過し、排紙ローラ17により排紙スタック部19上に排紙される。
複数ページの両面記録を行なう場合、若いページの画像が下面となって排紙スタック部19にスタックされるように作像順序を制御する。このような作像順序の制御や、定着装置の電力を片面記録時より増やすなどの制御は、図示しない制御手段により実行される。なお、ここでは片面記録、両面記録動作に関して、フルカラー記録の例で説明したが、ブラックトナーだけによるモノクロ記録も可能である。
次に、図5を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。
図5に示す画像形成装置は、前記図1の装置と同じく第1及び第2の2つの作像ステーション211,212を備えている。
第1作像ステーション211では、中間転写ベルト221が横長に張設されており、そのベルト221の上辺部に沿って4つの作像ユニット230Y〜230Bkが並設されている。また、ベルト上辺部にはベルトクリーニング装置223も配置されている。本例の作像ユニット230Y〜230Bkは共通の露光装置208からのレーザ光で光書き込みが行われる構成である。各作像ユニット230Y〜230Bkは感光体ドラム1を有しており、その感光体ドラム1の周囲には電子写真プロセスに必要な各機器が配置されている。中間転写ベルト221の内部で各作像ユニットの感光体ドラム1に対応する位置に、一次転写手段である転写ローラ222がそれぞれ配置されている。中間転写ベルト221が張架される複数のローラのうち、ローラ204は二次転写手段としての転写ローラである。
第2作像ステーション212では、中間転写ベルト241が縦長に張設されており、そのベルト221の図における右辺部に沿って4つの作像ユニット250Y〜250Bkが並設されている。また、ベルト最上部にはベルトクリーニング装置243が配置されている。こちらの作像ユニット250Y〜250Bkも共通の露光装置208からのレーザ光で光書き込みが行われる構成である。各作像ユニット250Y〜250Bkは感光体ドラム1を有しており、その感光体ドラム1の周囲には電子写真プロセスに必要な各機器が配置されている。中間転写ベルト241の内部で各作像ユニットの感光体ドラム1に対応する位置に、一次転写手段である転写ローラ242がそれぞれ配置されている。中間転写ベルト241が張架される複数のローラのうち、ローラ234は二次転写手段としての転写ローラである。転写ローラ204に対向するローラ235、転写ローラ234に対向するローラ203は、それぞれ接地してありアースローラとして作用する。
中間転写ベルト221と中間転写ベルト241とは、回転ローラ203,204及び回転ローラ234,235部にて接触し、所定の転写ニップを形成する。このニップ部における中間転写ベルト221と241の接触が解除できるよう、本例においては、支持ローラ13,14あるいは支持ローラ234,235を移動可能に構成している。その移動は、図示しないスプリングとソレノイド等の機構により行われる。
また、図1の画像形成装置100と同様に、各中間転写ベルト内の複数の一次転写ローラ222あるいは242は、それぞれベルトへの付勢機構を備えており、その付勢を個別に解除できるように構成されている。したがって、一次転写ローラ222あるいは242の付勢を個別に解除することによって、各色作像ユニット230Y〜230Bk及び250Y〜250Bkの各感光体ドラム1へのベルト221,241の圧接が解除され、各色作像ユニットは装置本体から独立して着脱可能に構成されている。
また、中間転写ベルト221又は241に関連する部材は、それぞれ第1ベルトユニット220、第2ベルトユニット240として一体的に構成してあり、装置本体に対して着脱可能に構成されている。各ベルトユニットを着脱する場合は、中間転写ベルト221と241の接触を解除させて行なう。
装置内の下部には給紙部が設けられており、給紙カセット282a,bが配置されている。各給紙カセットからは、給紙手段283a,bによりカセット内の用紙が給送される。給紙部から給送された用紙はレジストローラ対253によりタイミングを取って送出され、各中間転写ベルト221,241から画像を転写された後、定着装置215でトナー像の定着が行われ、排紙ローラ対217により、装置上面に形成された排紙スタック部219に排出されてスタックされる。
本例の画像形成装置形成装置200における画像形成動作について簡単に説明する。
両面プリントを行う場合、第1作像ステーション211で形成した画像を中間転写ベルト221から用紙の一方側の面に転写し、第2作像ステーション212で形成した画像を中間転写ベルト241から用紙の他方側の面に転写し、定着装置215にて用紙上に画像を定着して排紙トレイ219に排出する。各作像ユニットで感光体ドラム1上に形成する画像は共に正象であり、各中間転写ベルト上では鏡像(逆像)に、用紙に転写すると正象となる。排紙トレイ219にフェイスダウン排紙でページ順にスタックする場合、第1作像ステーション211で形成した画像が表面画像であり、第2作像ステーション212で形成した画像が裏面画像である。
片面プリントの場合、排紙トレイ219にフェイスダウン排紙でページ順にスタックするときは、第1作像ステーション211のみで画像を形成し、これを用紙の片面に転写して排紙する。この場合、感光体ドラム1上に形成する画像は正象であり、中間転写ベルト221上では鏡像(逆像)に、用紙に転写すると正象となる。
一方、片面プリント時に排紙トレイ219にフェイスアップ排紙でページ順にスタックする場合は、第2作像ステーション212のみで画像を形成し、これを用紙の片面に転写して排紙する。この場合、画像形成順は逆ページ順となる(後のページから作成する)。また、このとき感光体ドラム1上に形成する画像は正象であり、中間転写ベルト241上では鏡像(逆像)に、用紙に転写すると正象となる。
ところで、本実施形態の装置では、中間転写ベルト221上に担持したトナー像を他方の中間転写ベルト241に転写すること、および、中間転写ベルト241上に担持したトナー像を他方の中間転写ベルト221に転写することが可能となっている。すなわち、中間転写ベルト221上に担持されたトナー像がベルトの回動によって転写領域へ来たときに、二次転写ローラ204にトナーの帯電極性と同極性の転写バイアスを印加することで、ベルト221上のトナー像がベルト241へと転写される。同様に、中間転写ベルト241上に担持されたトナー像がベルトの回動によって転写領域へ来たときに、二次転写ローラ234にトナーの帯電極性と同極性の転写バイアスを印加することで、ベルト241上のトナー像がベルト221へと転写される。
さて、本第2実施形態においても、上記したように両作像ステーション211,212において、各作像ユニット230Y〜230Bk,250Y〜250Bk、及び各ベルトユニット220,240が装置本体に対して着脱可能に構成されている。そして、図示は省略するが、第1実施形態において図5に示したと同様に、各作像ユニットを個別に着脱するための計8個のユニットドアと、各ベルトユニットあるいは各ステーション全体を着脱するための計2個のステーションドアが設けられている。
したがって、第1及び第2作像ステーション211,212のどこかが故障あるいは部品が寿命に達した場合には、装置全体を停止させて修理あるいはメンテナンスを行なうのではなく、対象部分のみを停止させて作像ユニット又はベルトユニットあるいは作像ステーション単位で機外に取り出して修理あるいはメンテナンスができるようになっている。
故障又は寿命が発生した場合の対象部分の修理・メンテナンスについて、具体的な例を挙げて説明する。なお、ここでは、各作像ユニット、各作像ステーション、あるいは各ベルトユニットにおいて故障又は寿命が発生する場合の全ての組み合わせ例を示すことはできないので、いくつかの代表的な例を挙げて説明する。
[例2−1]
用紙両面への画像形成動作中に第2作像ステーション212の作像ユニット250Yに異常が生じて用紙裏面への正常なカラー画像が得られなくなったとする。この例では、ユニット250Yだけでなく第2作像ステーション212の全作像ユニット250の作像を停止する信号を操作部33から入力し、用紙裏面全体に対応する作像ユニットの動作を中止させる。ただし、用紙表面について、すなわち第1作像ステーション211においてはそのままカラー画像の作像を続ける。そして、上記停止信号と連動して第2作像ステーション212の全作像ユニット250の駆動と中間転写ベルト241への全転写ローラ42のバイアス電荷印加の停止及びベルトとの転写ローラ接触も解除する。ただし、中間転写ベルト241は稼働させ、第1作像ステーション211の作像ユニット230で作成したカラー像を中間転写ベルト221から中間転写ベルト241上に転写させる。このベルト241上に転写したトナー像(1ページ目の画像)は、ベルト241に担持されたまま1周させる。
次に、第2作像ステーション212で作成されるはずであった2ページ目の画像を第1作像ステーション211で形成し(先の1ページ目画像と位置が合うタイミングで形成し)、中間転写ベルト221に担持させる。そして、両画像に合わせて給紙カセット282から用紙を給送し、ベルト241に担持した1ページ目画像と中間転写ベルト221に担持した2ページ目画像とを、転写領域にて用紙の両面に転写紙、定着装置215で定着して排紙トレイ219にスタックさせる。
この間に、異常が発生した作像ユニット250Yに対応するユニットドア(図示せず)の開閉が可能となっており、該ドアを開けて異常が発生したユニット250Yを取り出して交換又は修理し、交換又は修理した作像ユニット250Yを装置本体に再装着する。そして作像停止信号を解除し通常のカラー画像を第2作像ステーション212でも開始した。
この様に、本例では、異常が発生していない作像ステーションにて両面画像を順次形成し、その両面画像を2つの中間転写ベルト221,241から用紙両面に転写することができるので、作像スピードは低下するが機械全体を止める必要が無く、機械の完全停止を防止して生産性の低下を防ぐことができる。もちろん、第1作像ステーション211側で異常が発生した場合は、第2作像ステーション212を用いて同様の動作が可能である。
その他、第1実施形態の例1−1〜1−3で説明した場合と同様に、1つあるいは複数の作像ステーション、又は中間転写ベルトに異常が発生した場合などには、対応するユニットドアあるいはステーションドアを開放して、装置稼動状態で異常に対応するユニットあるいはステーションを取り出して交換・修理等を行うことが可能であり、装置全体を停止させる必要がなく、生産性の低下を防ぐことができる。
また、本実施形態において、各作像ユニットにて使用するトナーの特性として、平均円形度が0.93〜1.00のものを使用したところ、表裏とも紙への転写率がほぼ100%に近くなり(ベルト上の残トナー量を計測出来なかった)、表裏で画像上の差を見いだせなかった。例2−1のケースでは、異常が発生した側の中間転写ベルトから用紙へ転写した画像は、他方側の画像よりも転写回数が1回多くなる(異常発生側:ベルト→ベルト→用紙の3回、正常側:ベルト→用紙の2回)が、正常側画像との差はほとんど確認できないレベルであった。
以上、本発明を図示例により説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、各作像ステーションは、それぞれ1つの作像ユニットを備え、各作像ステーションがモノクロ記録を行う構成とすることもできる。
また、一方の作像ステーションが1つの作像ユニットを備え、他方の作像ステーションが複数の作像ユニットを備え、一方の作像ステーションでモノクロ記録を行い、他方の作像ステーションでカラー記録が可能な構成とすることもできる。
作像ステーションでフルカラー記録を可能とする構成の場合、作像ユニットの数は4つに限らず、3つの作像ユニットを有する構成も可能である。
また、各作像ユニットにおける像担持体は、感光体ドラムに限らず、ベルト状感光体でも構わない。
また、各作像ステーションの中間転写体は、ベルト状に限らず、ドラム状中間転写体を用いることも可能である。
また、一次転写手段、二次転写手段は、転写ローラ、転写チャージャに限らず、任意の構成の接触式あるいは比接触式の転写手段を採用することができる。
また、定着装置の方式や露光装置の方式、あるいは画像読取手段の有無等、任意の構成を採用することができる。
また、感光体及びトナーの帯電極性、現像バイアス、転写バイアスの極性等は適宜設定することが可能である。